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健医発第1535号

平成10年11月18日

各国立病院長
各国立療養所長            殿
各国立高度専門医療センター総長

厚生省保健医療局国立病院部長

コンピュータ西暦2000年問題対応について

 標記については、平成10年9月11日付けで高度情報通信社会推進本部(本部長:小渕恵三 内閣総理大臣)にて決定された「コンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画」(以下「行動計画」という。)(参考1)により、対応が必要な各領域において官民を挙げた具体的な行動が求められており、その対応の中で、「医療」は、特に重要な分野として位置づけられている。
 厚生省においては、「行動計画」を受け平成10年10月22日に「厚生省コンピュータ西暦 2000年問題対策実施要領」(以下「厚生省実施要領」という。)(参考2)が決定されたところである。
 「厚生省実施要領」において、国立病院・療養所等の保有するシステム等については、具体的対応を別途策定することとなっていることから、今般、別添の「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応実施要綱」(以下「実施要綱」という。)及び「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応マニュアル」(以下「マニュアル」という。)を策定したところである。

 貴職におかれては、下記事項に留意の上、「実施要綱」及び「マニュアル」に基づき、点検表、点検総括表等の作成を行い、2000年問題への対応に万全を期されたい。

 また、対応にあたっては、平成10年10月20日付健康政策局長他連名通知『医療分野における「コンピュータ西暦2000年問題」への対応について』(参考3)において、医療用具製造業者等へは2000年問題への迅速かつ確実な対応が行われるよう万全を期すよう周知されていることと、医療機関へはメーカーと協力してその安全性確認が迅速かつ確実に行われるよう万全を期すよう周知されていることを念頭において実施されたい。

 なお、本年12月中旬に点検の進捗状況の確認、疑義照会に対する回答等のため、各地方医務(支)局単位に施設に対する説明会を開催する予定であるので、その旨ご了知願いたい。

1 「実施要綱」と「マニュアル」の趣旨

 コンピュータ西暦2000年問題対応については、「実施要綱」及び「マニュアル」に基づき実施するものとするが、施設幹部が十分に問題認識するとともに、システム、特に医療機器等については、直接取り扱う医療スタッフ1人1人が直接リストアップを行うことによって問題認識をもち、点検にあたるものである。
 そのため、「実施要綱」は主として施設幹部が活用する観点から、対応体制、職員等への啓発、点検及び報告方法、危機管理計画の策定などについて取りまとめたものであり、「マニュアル」は主として診療、看護、事務等の現場担当者が活用する観点から、フローチャート等を含む具体的な点検方法、点検表・報告表記入例、危機管理計画例などについて記述したものである。

2 「実施要綱」及び「マニュアル」作成にあたっての考え方

(1)責任体制

 施設等で取扱いが異なることにならないよう、具体的に責任体制を図で明示するとともに、施設における取りまとめは原則庶務課としたこと。

(2)点検対象分野

 (1)コンピュータシステム、(2)医療機器、(3)一般・医療設備(電源、防災設備等)に分類し、それぞれの分野毎に責任者を明確化したこと。

(3)職員への啓発

 定期的に開催される会議等を活用して周知徹底を図ること。

(4)点検及び報告

 (共通事項)

ア 現場担当者が対象分野毎にリストアップを行い、それぞれのシステムについて業者に問い合わせるなどの「指さし確認」を行うこと。
イ 国立病院部独自の点検表、総括点検表等については、表計算ソフト「エクセル」で作成するものとし、国立病院等総合情報ネットワークシステム(以下、HOSPnetという。)で報告するようにしたこと。
ウ 看護部門については看護単位毎に機器等をリストアップした上で看護部長で一括して確認することとし、その他の部門についてはそれぞれの部門でリストアップ・確認をすること。
 (分野別事項)
ア HOSPnet、がん診療総合支援システム、循環器病診療総合支援全国ネットワークシステム、オーダーエントリーシステムについては重要コンピュータシステムと位置付け、「厚生省コンピュータ西暦2000年問題対策実施要領」の点検表をそのまま用いて、最終的には統計情報部まで報告すること。
イ それ以外のコンピュータシステムについては、国立病院部独自の点検表、点検総括表を用いることとし、国立病院部までの報告とすること。
ウ 医療機器等については、デジタル表示される機器等すべてを対象として幅広にリストアップするとともに、ランクAの機器(生命に影響を与える可能性のある医療機器)については最終的には統計情報部まで報告すること。
エ 医療機器等については、リストの作成・点検に加え、確認の確実さをより徹底するために各機器等にも確認票シールを貼付すること。
オ 一般・医療設備については、すべて国立病院部までの報告とすること。

(5)点検等の実施

ア 点検においては業者への確認のみならず、模擬テストの実施も行うこととしたこと。
イ 模擬テストの実施が不可能なもの、業者に確認しても不明なもの(特に医療機器等)については、平成12年1月1日0時における待機体制の確立、平成12年1月1日以降の動作確認テストを実施させること。

(6)「危機管理計画」の策定

 2000年問題によりシステム停止、誤作動など不測の事態が生じた場合の対応及び連絡体制等を定める危機管理計画の策定にあたっては、自らの2000年問題対応のみならず、電力会社による送電停止等外部の事業体のトラブルに対する対応も想定して策定すること。
3 報告期日
ア 点検表、点検総括表等の報告は、第1回を平成10年12月末現在で行い、以降平成11年3月末、6月末、9月末、12月末現在を、それぞれ翌月10日までに報告すること。
イ 第1回の報告については、対象のリスト化は完全に終了させるものとするが、業者への確認については未了があっても差し支えないこととしたこと。
ウ 危機管理計画は、平成11年3月末までに策定し、国立病院部まで提出すること。


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