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総第42号
指第70号
医薬安第131号
医薬監第154号
平成11年10月26日

各都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生省健康政策局総務課長

厚生省健康政策局指導課長

厚生省医薬安全局安全対策課長

厚生省医薬安全局監視指導課長

医療用具製造業者等及び重点医療機関におけるコンピュータ
西暦2000年問題への対応状況等を踏まえた指導の徹底等について

 コンピュータ西暦2000年問題に関する医療用具製造業者等及び医療機関への指導監督等につきましては、日頃から格段のご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

 さて、医療用具製造業者等及び重点医療機関における対応状況調査につきましては、「医療用具の「コンピュータ西暦2000年問題」に関する第3回実態調査の実施について」(平成11年7月29日医薬審第1286号・医薬安第89号医薬安全局審査管理課長・安全対策課長連名通知)及び「コンピュータ西暦2000年問題に関する重点医療機関実態調査(第2回)について」(平成11年9月22日総第39号・医薬安第112号健康政策局総務課長・医薬安全局安全対策課長連名通知)により依頼したところですが、今般、別添1(「医療用具製造業者等におけるコンピュータ西暦2000年問題への対応状況について」)及び別添2(「重点医療機関におけるコンピュータ西暦2000年問題への対応状況について」及び「重点医療機関リスト」)のとおり、調査結果をとりまとめるとともに、医療機関等が医療用具の点検を効率的に実施することを支援するために、別添3「コンピュータ西暦2000年問題:医療用具チェックリスト」を作成したので通知します。

 今後、医療用具製造業者等及び医療機関への指導監督に当たっては、本調査結果及びチェックリストを活用しつつ、下記の事項について留意の上、越年時に向けて更に指導の徹底を図られるようお願いします。

 なお、本通知の写しを日本医師会会長、日本歯科医師会会長、日本薬剤師会会長、日本看護協会会長、日本助産婦会会長、日本病院会会長、全日本病院協会会長、日本病院薬剤師会会長、日本医療法人協会会長、全国自治体病院協議会会長、日本精神病院協会会長、日本私立医科大学協会会長、日本臨床工学技士会会長、保健医療福祉情報システム工業会会長、日本医療機器関係団体協議会会長、在日米国商工会議所医療機器小委員会委員長及び欧州ビジネス協議会医療機器委員会委員長宛に発出していることを申し添えます。

1 医療用具製造業者等に対する指導について

(1)修正・模擬テスト作業中の医療用具製造業者等(以下「製造業者等」という。)(全国計88社)に対し、11月末までに対応を完了するよう薬事監視等を活用し指導するとともに、古い品目のため納入先の把握ができない品目の製造業者(全国計1社)に対し、医療機関等の納入先から依頼があった場合に確実に対応するよう指導すること。

(2)2000年対応窓口の設置の予定がない製造業者等(全国計33社)及び危機管理計画の策定の予定がない製造業者等(全国計 47 社)に対し、11月末までに対応窓口の設置又は越年時の連絡先の登録及び危機管理計画の策定を完了するよう指導すること。
なお、越年時の連絡先の登録については、全てのマイコンチップ搭載医療用具の製造業者等(全国計 540社)に対して求めることとしており、その具体的な方法等については別途通知する。
また、11月末までに対応窓口を設置予定の製造業者等及び危機管理計画策定予定の製造業者等に対しては予定通り11月末までに完了するよう指導すること。

(3)(1)及び(2)の11月30日時点での対応状況について、12月3日までに医薬安全局安全対策課まで報告すること。

(4)医療機関等における2000年問題への対応を促進するため、マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等(全国計 540 社)に対し、自社の製品に関する 2000年問題の対応状況について、医療機関等全ての使用者に対し確実に情報提供するよう指導すること。

2 医療機関に対する指導について

(1)重点医療機関への指導について

ア 医療機器の修正等について

医療機器、医療情報システム及び一般・医療設備の修正等及び模擬テスト(以下「医療機器の修正等」という。)に関して「11月末までに完了」と回答した重点医療機関に対し、予定通り11月末までに完了するよう個別に指導すること。

イ 危機管理計画の策定について

危機管理計画の策定に関して「11月末までに策定」と回答した重点医療機関に対し、予定通り11月末までに策定するよう指導を徹底すること。
なお、11月末までに全ての重点医療機関から危機管理計画を入手するなどにより、個別に危機管理計画の策定を確認すること。

ウ 対応状況報告及び完了報告について

ア及びイに関する11月15日及び11月30日時点での重点医療機関の対応状況報告をそれぞれ11月19日及び12月3日までに、また全ての重点医療機関において対応の完了を確認した時点で完了報告をそれぞれ医薬安全局安全対策課まで行うこと。

エ 対応状況の公表について

今回重点医療機関の名称を公表したところであるが、12月上旬には11月末時点での各重点医療機関の対応状況について公表する予定であるので念のため申し添える。

(2)重点医療機関以外の医療機関について

重点医療機関以外の医療機関に対しても、医療機器の修正等の実施及び危機管理計画の策定など必要な対応が図られるよう改めて周知徹底すること。
(3)医療用具チェックリストの配布について

ア 今般、医療機関が医療機器等の修正等の必要性をチェックする際の参考となるよう、「コンピュータ西暦2000年問題:医療用具チェックリスト」(別添3)を作成したので、本チェックリストを管下医療機関に配布し、医療機関の取組を支援すること。

イ 各医療機関において、本チェックリストを以下のような順序で使用し、適切な医療用具のチェック等が行われるよう指導すること。

(1) 表1にはマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者名が記載されており、チェックする医療用具の取扱業者名が表1の「企業名」の欄に記載されていれば、その医療用具の取扱業者はマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者である。
(2) このうち、当該業者の医療用具製品名が表1の「製品名」の欄に記載されている場合は、誤作動等の内容の詳細と必要な対応について取扱業者に確認すること。また、当該業者の医療用具の製品名の記載がない場合には、企業名の記載されている右欄に業者の対応状況を総括的に記載しているので、参考とすること。
(3) 医療用具の企業名が、表1に記載されていない場合には、表2を確認し、表2に企業名が記載されている場合には、その企業の医療用具にはマイコンチップは搭載されていないので、越年時に使用して差し支えないこと。
(4) 表1及び表2いずれにも企業名の記載されていない業者の医療用具は、過去に廃業し現在存在しない業者である可能性が高いので、直接業者に問い合わせできない限り、越年時には原則として使用を避けること。やむを得ず使用する場合には、可能な限り安全性の確認を行うとともに、何らかの問題が発生した場合には迅速に対処できる体制を確保した上で使用すること。

ウ 医療機関で管理している在宅療養中の患者が使用している医療機器(人工呼吸器等)についても、本チェックリストを活用し、適切な医療用具のチェック等が行われるよう指導すること。

エ 今後の業者の対応の進捗状況については、厚生省ホームページ(http://www.mhw.go.jp)に逐次掲載する予定であるので、医療機関においては今後とも厚生省からの新しい情報を確認するよう指導願いたい。

別添1

医療用具製造業者等におけるコンピュータ
西暦2000年問題への対応状況について

1 概要

 

 平成11年7月末時点での医療用具業界における「コンピュータ西暦2000年問題」(以下「2000年問題」という。)への対応状況について調査を行ったところ(注)、マイコンチップ搭載医療用具は8602品目あり、このうち8101品目(94.2%)については、修正・模擬テストの実施等必要な対応を完了した。また、2000年問題の対応が完了していない501品目全てについても、11月末までに対応が完了するよう進められている。

 
注)・ 都道府県及び業界団体を通じ過去2回(平成10年12月、平成11年3月)調査を実施、さらに対応未了の業者に絞って今回調査を実施し、前2回の調査結果とあわせて、医療用具製造業者等の対応状況をとりまとめたもの。
「製造業者等」は、製造業者、輸入販売業者、外国製造承認取得者及び国内管理人を含む。

2 医療用具製造業者等のマイコンチップ搭載医療用具の製造等状況

○ 全ての医療用具のうち、2000年問題発生の恐れがあるのは、マイコンチップを搭載したもののみであり、マイコンチップを搭載していない医療用具に関しては、2000年問題発生の恐れはない。

○ マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていた業者は、全医療用具製造等許可業者3332社のうち、540社であり、合計8602品目を取り扱っていたことを把握した。

○ 全医療用具製造等許可業者のうち、24社については、すでに廃業しており、マイコンチップ搭載医療用具の製造状況は不明。

マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない業者 :2768社
マイコンチップ搭載医療用具を取り扱う業者 :540社(8602品目)
医療用具製造許可を廃止等した業者 :24社
合計 3332社

3 マイコンチップ搭載医療用具の修正等対応状況について

○ 全てのマイコンチップ搭載医療用具8602品目について、全製造業者等540社の修正等対応状況を把握。

○ 不具合が全くないもの7223品目、全ての納入されている製品に対して不具合の修正・模擬テストを完了しているもの365品目及び日付誤表示等軽微な不具合はあるが使用に支障がないため納入されている製品について修正・模擬テストは不要と判断されたもの513品目、併せて8602品目中8101品目(94.2%)については「2000年問題の対応が完了した医療用具」であり、問題なく使用できることが判明。

○ 残りの501品目のうち、484品目については不具合の修正・模擬テストの作業を実施中である(11月末完了予定)。このうち、重篤な健康被害につながるような不具合を来す製品は1品目(平成10年12月末調査で判明のもの)のみであることが確認されている。当該1品目については27台が納入されているが、26台については既に修正等が完了しており、残り1台についても11月中対応完了予定である。

○ また、1社17品目については、古い品目のため、納入先の把握ができないことから、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応することとしている。

不具合が全くないことが確認されたもの   7223品目 (84.0%)
不具合の修正・模擬テストを完了しているもの   365品目 (4.2%)
日付誤表示等軽微な不具合はあるが使用に支障がないため修正・模擬テストは不要と判断されたもの   513品目 (6.0%)
不具合の修正・模擬テストの作業を実施中のもの 88社 484品目 (5.6%)
古い品目のため、納入先の把握ができず、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応を予定しているもの 1社 17品目 (0.2%)

4 マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等の体制整備状況について

○マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等のうち、体制整備が完了あるいは11月末までに完了予定のものが9割以上。

(1)2000年問題の対応窓口の設置について
既に設置: 474社 (87.8%)  
11月末までに設置予定: 33社 ( 6.1%) 小計507社(93.9%)
設置予定なし: 33社 ( 6.1%)  
(設置しない主な理由)
取り扱っている全製品はカレンダー機能を内蔵しているマイコンチップは使用しておらず問題発生のおそれはない。
取り扱っている全製品の医療機関は全て把握しており直接連絡を行っている。

(2)危機管理計画の策定
策定済み: 211社 (39.1%)  
11月末までに策定予定: 282社 (52.2%) 小計493社(91.3%)
策定予定なし: 47社 ( 8.7%)  
(策定しない主な理由)
え・ 全ての製品が2000年問題には該当しないことを確認した。

 

5 今後の対応

〔医療用具製造業者等に対する対応〕

(1) 現在、修正・模擬テスト作業中の484品目の製造業者等(88社)に対し、11月末までに対応を完了するよう指導するとともに、進捗状況を確認する。

(2) 古い品目のため、納入先の把握ができない品目の製造業者(1社)に対し、医療機関等の納入先からの依頼があった場合に確実に対応するよう指導するとともに、対応状況を確認する。

(3) 2000年対応窓口の設置の予定がない製造業者等(33社)や危機管理計画の策定の予定がない製造業者等(47社)に対し、11月末までに連絡先の登録等や計画の策定を完了するよう指導する。

(4) マイコンチップ搭載医療用具の製造業者等(540社)に対し、自社の製品に関する2000年問題の対応状況について、医療機関等全ての使用者に対し積極的に情報提供するよう指導する。

〔医療機関に対する対応〕

○医療用具製造業者等の対応状況についての情報提供

(1)「マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない業者」、「全ての製品について不具合が全くないことを確認した業者」、「全ての製品について不具合の修正等が完了した業者」については、「製造業者等名」、「当該業者の製品は全て問題なく使用できる旨」を引き続き情報提供し、周知徹底を図る。

(2)「日付誤表示等軽微な不具合はあるが使用に支障がないため、修正・模擬テストは不要と判断された医療用具(513品目)」については、「当該製品名」、「当該製品が使用可能である旨」、「当該製品の不具合の内容」を引き続き情報提供し、周知徹底を図る。

○医療機関への注意喚起

(1)「不具合の修正等を実施中のもの(484品目)」及び「古い品目のため納入先の把握ができないもの(17品目)」については、誤動作等の内容の詳細を製造業者等に確認して必要な対応を行うこととし、確認できないものについては、越年時には原則として使用しないよう要請する。

(2) 医療用具製造許可を廃止等した業者(24社)が取り扱っていた医療用具については、越年時には原則として使用しないよう医療機関に対して注意を喚起する。

図 医療用具に対する対応状況(平成11年7月末現在)
図


別添2

重点医療機関におけるコンピュータ
西暦2000年問題への対応状況について

1 概要

平成11年9月30日時点における重点医療機関(注1:別表)のコンピュータ西暦2000年問題への対応状況について調査を行ったところ、全ての重点医療機関(2,281機関(注2))において、既に対応を完了したか、11月末までに対応を完了する予定となっている。

注1)2000年問題が発生した場合に患者の生命・健康への危険性が高い医療機関(救命救急センター、災害拠点病院、ICU(CCU,NICUを含む)を有する病院等)として都道府県が選定した医療機関。
注2)前回調査時において調査対象外であった国立病院・療養所、国立大学附属病院等の国が設置・運営する病院及び前回調査時以降に都道府県が追加選定した病院を含む(参考:前回調査時における重点医療機関数2,038機関)。

2 修正等及び模擬テストの実施状況

(1)医療機器(マイクロ・コンピュータを搭載した医療機器等)

(1) 修正等
56%の重点医療機関において既に修正等が完了。残る44%の重点医療機関についても11月末までに完了の予定。
┌完了 1,276機関(55.9%)
└11月末までに完了予定 1,005機関(44.1%)

(2) 模擬テスト
49%の重点医療機関において既に模擬テストが完了。残る51%の重点医療機関についても11月末までに完了の予定。
┌完了 1,125機関(49.3%)
└11月末までに完了予定 1,156機関(50.7%)

(2)医療情報システム(薬剤部門システム、放射線部門システム、臨床検査部門システム、発生源入力システム、医事会計システム等)

(1) 修正等
62%の重点医療機関において既に修正等が完了。残る38%の重点医療機関のうち医療情報システムを有する医療機関(36%)については11月末までに完了の予定。
┌完了 1,411機関(61.9%)
│11月末までに完了予定 821機関(36.0%)
└システムを保有せず 49機関( 2.1%)

(2) 模擬テスト
52%の重点医療機関において模擬テストが完了。残る48%の重点医療機関のうち医療情報システムを有する医療機関(46%)については11月末までに完了の予定。
┌完了 1,177機関(51.6%)
│11月末までに完了予定 1,055機関(46.3%)
└システムを保有せず 49機関( 2.1%)

(3) 一般・医療設備(電源設備、防災設備、空調設備等)

(1) 修正等
79%の重点医療機関において既に修正等が完了。残る21%の重点医療機関についても11月末までに完了の予定。
┌完了 1,796機関(78.7%)
└11月末までに完了予定 485機関(21.3%)

(2) 模擬テスト
65%の重点医療機関において既に模擬テストが完了。残る35%の重点医療機関についても11月末までに完了の予定。
┌完了 1,479機関(64.8%)
└11月末までに完了予定 802機関(35.2%)

3 危機管理計画の策定状況

36%の重点医療機関において既に危機管理計画の策定が完了。残る64%の重点医療機関についても11月末までに策定完了の予定。
┌完了 813機関(35.6%)
└11月末までに完了予定 1,468機関(64.4%)

4 今後の対応

修正等及び模擬テストの実施並びに危機管理の策定に関し、「11月末までに対応予定」と回答した重点医療機関に対して、11月末までに確実に完了するよう指導を徹底。
 

 重点医療機関リスト(PDF75KB)


別添3

1999年10月

コンピュータ西暦2000年問題:医療用具チェックリスト

1.このチェックリストは、医療機関において医療用具のチェックを効率的に進めるため作成されております。保有されている医療用具のチェックを行う際にお役立てください。

2.今後の業者の対応の進捗状況については、厚生省ホームページ( http://www.mhw.go.jp)に逐次掲載する予定ですので、今後とも厚生省からの新しい情報をチェックするようにお願いします。

3.このチェックリストにおいて、問題発生のおそれのあるとされている製品については、取扱業者に連絡をとって、予想される不具合の内容の詳細と必要な対応について確認してください。

○ このチェックリストの使い方

このチェックリストは以下の2つの表から構成されております。

表1:マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト
表2:マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない製造業者等の名称リスト

このチェックリストは以下の順序で使用し、医療用具のチェックを行ってください。

(1) 表1にはマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者名が50音順に記載されています。まず、チェックする医療用具の取扱業者名が表1の「企業名」の欄に記載されているかどうか確認してください。表1に記載があれば、その医療用具の取扱業者はマイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者となります。

(2) 表1にその医療用具の取扱業者名の記載があった場合には、その医療用具の製品名が表1の「製品名」の欄に記載されているかチェックしてください。その医療用具の製品名が記載されている場合には、誤作動等の内容の詳細と必要な対応について取扱業者に確認してください。また、当該業者の医療用具の製品名の記載がない場合には、企業名の記載されている右欄に業者の対応状況を総括的に記載していますので、参考にしてください。

(3) その医療用具の企業名が、表1に記載されていない場合には、表2を確認し、そこに企業名が記載されているかチェックしてください。表2に企業名が記載されている場合には、その企業の医療用具にはマイコンチップは搭載されていないので、越年時に使用して差し支えありません。

(4) 表1及び表2に企業名の記載されていない業者の医療用具は、過去に廃業し現在存在しない業者である可能性が高いので、直接業者に問い合わせできない限り、越年時には原則として使用を避けてください。やむを得ず使用する場合には、可能な限り安全性の確認を行うとともに、何らかの問題が発生した場合には迅速に対処できる体制を確保した上で使用するようにしてください。

表1:マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト

1. 本表は原則平成11年7月末における調査をもとにその後の追跡調査の結果を加え、10月26日現在までに把握できた医療用具製造業者等の対応状況をまとめたものです。今後も、調査によって判明した最新の情報に逐次更新し、厚生省ホームページ( http://www.mhw.go.jp)に掲載する予定でありますので、今後も厚生省あるいは製造業者等からの新しい情報に注意するようお願いします。

2. なお、製品に関する問い合わせは直接製造業者等に行ってください。

3. マイコンチップ搭載医療用具チェックリストの見方

(1)「企業名」について
マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っている業者の名称を50音順に記載しています。

(2)「一般的名称」について
平成7年11月1日付薬発第1008号厚生省薬務局長通知「医療用具の一般的名称と分類について」に基づいた医療用具の種類名が一般的名称として記載されています。

(3)「優」について
「優」の項にPが記載されているものは優先医療用具を示しております。優先医療用具とは、平成11年4月16日付け厚生省医薬安全局審査管理課長及び安全対策課長連名通知にて特定した、以下に示す「患者の多少にかかわらず、万が一2000年問題が発生した場合、患者の生命に影響を与える可能性があると考えられる医療用具」を指します。
(参考:優先医療用具)
成人用人工呼吸器 小児用人工呼吸器
酸素発生式供給装置 酸素濃縮式供給装置
液体酸素気化式供給装置 植え込み型心臓ペースメーカ
体外式心臓ペースメーカ 透析用監視装置
多人数用透析液供給装置 個人用透析装置
人工心肺用ポンプ 補助循環装置
人工膵臓 自動腹膜環流装置
閉鎖循環式保育器 植え込み型除細動器
脳・脊髄電気刺激装置 集中患者監視装置及び関連機器
ベッドサイドモニタ パルスオキシメータ
新生児モニタ 分娩監視装置
経皮血中ガス分圧モニタ 専用テレメータ
多用途テレメータ 輸液ポンプ
自動点滴装置 植え込み型医薬品注入器
放射線治療計画用X線装置  

(4)「製品名」について
2000年問題対応未完了の製品の名称を記載しております。(一連の製品シリーズで一括掲載しているものもありますので御注意下さい。チェックする医療用具の名称が「製品名」に記載されている製品に該当するか不明な場合には、取扱業者に確認して下さい。)

(5)「問題点」について
リスト中の各製品の「問題点」の欄に記載されている番号は、それぞれ以下の問題点を示します。なお、複数の数字が並べてある場合、例えば45という記載がある場合には、4及び5を示します。
死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれがある。
動作不良又はそのおそれがある。
起動しない。
西暦年の表示の異常のみであり死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれはない。
西暦年の記録の異常のみであり死亡若しくは重篤な障害の発生又はそのおそれはない。
その他の異常が生じる。
問題発生の可能性について確認中である(古い品目のため、納入先の把握ができず、医療機関等の納入先からの依頼に応じて対応を予定しているもの)。

(6) 「現在の対応状況」について
表1中の各製品の「現在の対応状況」は、以下を意味します。
作 業 中 :修正作業等の2000年問題の対応作業中のもの。
情報提供完了 :2000年問題の不具合の内容等について情報提供完了したもの
情報提供対応 :情報提供により、2000年問題に対応するもの(情報提供中のものも含む)。

(7) 「使用について」について
「使用について」の欄には、万が一修正作業を行わなかった場合に、使用が可能かどうかについての製造業者等の考え方を示しています。
「使用可」:健康被害の発生が全くないもの。
「使用不可」: 健康被害につながる可能性があり、修正しなければ使用できないもの。
「注意」、「要確認」及び「空欄」:製造業者等において確認を要するもの。

(8)「使用者の把握」
表1中の各製品の「使用者の把握」に「否」が記載されている場合には、製造業者等が使用者の把握を完全に行っておらず、安全性に関する情報が行き届いていないおそれがあるため、使用者から製造業者等に連絡をとり、安全性に関する確認を行って下さい。

(9)「対応窓口」及び「危機管理計画」について
表1中の「対応窓口」、「危機管理計画」の項の中の記号は、以下の状況を示しています。
  「対応窓口」   「危機管理計画」
○: 対応窓口設置済 ○: 危機管理計画策定済
△: 対応窓口設置予定 △: 危機管理計画策定予定
×: 対応窓口設置予定なし ×: 危機管理計画策定予定なし

 マイコンチップ搭載医療用具チェックリスト(PDF106KB)

 マイコンチップ搭載医療用具を取り扱っていない製造業者等の名称リスト(PDF43KB)


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