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1 調査対象のリスト化
2 メ一力一等への確認
3 影響の把握
4 プログラムの修正・機器の交換等
5 模擬テストの実施
6 外部からのリスクの洗い出し
7 給水に支障が生じた場合の外部への影響
1 危機発生のシナリオ想定
2 危機発生時の対応の目標
3 危機発生前後の対応
VI 危機管理計画策定後の対応
1 危機管理計画に基づいた実地訓練の実施
2 危機管理計画の見直し
VII 情報の公開
水道事業及び水道用水供給事業(以下「水道事業等」 という。)は、 生活用水を安定して継続的に供給する唯一の手段であり、 生活用水ばかりではなく、業務営業用水や工場用水としても使用され、現代社会を支える重要なライフラインの一つとなっている。また近年では、金融機関等のコンピュ一夕の冷却用水や病院での人工透析の使用など給水を停止することが出来ない用途にも使用されるようになっている。このため、一時的にも水道水の供給が停止した場合には、日常生活に支障をきたすのみではなく、社会システムにも重大な影響を与える可能性がある。
コンピュ一タ西暦2000年問題(以下単に「2000年問題」という。 )は、あらかじめ発生を予想することが可能な問題である。給水停止といった最悪の事態を回避するために第一に行うべきことは、問題の所在の確認、プログラムの修正、機器の取り替え及び模擬テストの実施などの事前の対応である。
しかし現在の水道事業等においては、 組込式のマイクロコンピュ一夕(いわゆる組込マイコンチップ、 埋込マイコンチップとも呼ばれる。 )などもあらゆる箇所で使われており、2000年問題を有するシステム及び機器について全て修正等を行うことを目標としても、 見落としあるいは修正まちがいが残る可能性は否定できない。 このため、万一問題が発生した際においても、いかに被害を最小限に食い止め給水を継続させることが出来るか十分な検討を行い事前に計画を策定した上で、万全の備えを講じることが必要である。
また、2000年問題については、水道事業等のみに限られたものではなく、水道を取り巻く様々な部門においても同様の問題を抱えている可能性があり、水道事業等がこれら外部の影響を受けることも想定する必要があるため、危機管理計画の策定は、コンピュ一夕を使用する事業のみではなく、全ての事業において必要とされるものである。
水道事業等においては従来より地震等の災害時や水質汚染事故に備えた危機管理計画が策定されてきたところである。本指針は、2000年問題に対処するために、問題発生時にも給水を継続し、万一の事態に復旧を迅速に図るための危機管理計画について、策定の指針を定めたものである。各事業においてはその状況は様々であり、本指針に記述される具体的な対策がそのまま適応できないこともあると思われるが、各事業の実状に応じ、災害時に備えた危機管理計画との整合にも配慮しつつ、具体的な対策については本指針の内容について適宜修正を図ったうえで、不測の事態においても給水を継続できるよう危機管理計画を策定していただきたい。
まず、危機管理計画策定に先立って、III、IVに記述するところにより、(1)2000年問題への対応の検討及びその実施のための体制の整備及び(2)総点検の実施及びリスクの洗い出しを行う。
2000年問題への対応の検討及び実施の体制の整備に当たっては、担当部署、責任体制を明確化すること。特に、責任者には、事業の実施に当たって十分な決定能力を持つものを当てること。次に検討実施スケジュールをたてること。
II 危機管理計画策定の手順と構成
危機管理計画の構成は、Vに記述するように、(1)危機発生のシナリオの想定 (2)危機発生時の対応目標の設定 (3)危機発生前後の対策 の3項目からなる。
また、計画策定後は、VI、VIIに記述するところにより、計画に基づく実地訓練の実施及びその結果に基づく計画の見直しを行うとともに、対応の進捗について情報公開を行うものとする。
III 2000年問題への対応の検討及び実施のための体制の構築
なお、水道事業等における統一的な計画策定時期の目標を1999年6月末とする。
大規模な水道での対応 2000年問題対応のため越年時に主要なポンプ施設等に人員を配置できる場合 |
小規模な水道での対応 2000年問題対応のため越年時に主要なポンプ施設等に人員を配置できない場合 |
導・送・配水系統
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導・送・配水系統
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自家発電施設
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自家発電施設
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浄水場
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浄水場
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応援給水等
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応援給水等
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3−2 危険日直前の対応 危険日直前からの施設の運転について
大規模水道事業等においては、万一の障害発生に備え、危険日前日には配水池を満水状態に保ち、主要施設に人員を配置し越年監視を実施するなど給水の継続を確保する対策を講じる。
小規模水道事業等においては、万一の障害の発生に備え、危険日前日には配水池を満水状態に保ち、24時間運転を行わない浄水場では越年時に運転を停止するなどの対策を講じる。
なお、配水池を満水にすると溢水等のおそれがある場合には、そのおそれのない範囲で最大限の貯留を行うこと。
その他、Vの3−1での検討をもとに、障害発生時の緊急連絡及び手動運転の際の運転情報の伝達が行える体制をとること。
また、万が一給水が停止した場合を想定し、給水車の出動態勢を整えておくこと。
以下の表に対策の基本となる事項を例示するので、各事業においては、下表を参考としつつ必要な事項を検討の上、具体的な計画を定めること。
大規模な水道での対応 2000年問題対応のため越年時に主要なポンプ施設等に人員を配置できる場合 |
小規模な水道での対応 2000年問題対応のため越年時に主要なポンプ施設等に人員を配置できない場合 |
(直前の対応)
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(直前の対応)
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3−3 危機発生以後の対応 事業の継続及び復旧策
危険日移行直後から、断水等の支障が生じない場合でも、コンピュータシステム等の計算及び処理結果について優先度の高いものから逐次調査し、正常動作が行われているか確認を行うこと。問題が発見された場合は速やかに優先度の高いものから修正等の作業に入ること。
万一断水が発生した際は、重要なコンピュータシステムを有する金融機関等又は病院等の人の生命、広範な経済活動又は公共の安全と秩序の維持に係わるものへの給水に支障を生じないよう、必要な場合には給水車による給水を行うとともに、社会的なダメージを最小限にとどめるような手順で迅速な復旧を図ること。
また、断水により配水管中に汚水が混入する可能性がある場合には、復旧後は一定時間、消火栓及び給水栓より捨水の実施を徹底すること。
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