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水道分野におけるコンピュータ西暦2000年問題への対応状況について

1 概要

 水道基幹施設においては、コンピュータを使用している場合でも、その多くは日付による管理を行っていないため、断水等水道水の供給上、支障となる事態は発生しない。また、仮に一部の施設が停止しても手動運転に切り替え可能であり、水道水の給水には影響はない。
 しかし、対応に万全を期すため、安全性の確認等を進めてきており、平成11年9月30日時点における水道事業者等のコンピュータ西暦2000年問題への対応状況について調査を行ったところ(注1)、給水停止につながるおそれのある重要システムについては、設備更改による対応予定等を除き対応がおおむね完了しており、その他のシステムについても所要の対応が進められているところである。

注1)調査は計画だけの事業を除く全ての水道事業者等10,611事業者を対象として行い、対応状況については2000年問題の発生のおそれのあるシステムを使用している事業者(制御系システム1,387事業者、事務処理系システム2,797事業者)についてとりまとめた。

2 コンピュータの使用状況

 回答事業者9,763事業者のうちコンピュータを使用している事業者は、制御系システムで3,537事業者、事務処理系システムで5,087事業者であり、このうち2000年問題の発生のおそれのあるシステムを有する事業者は、制御系システムで1,387事業者、事務処理系システムで2,797事業者であった。

3 模擬テスト、修正等について

〔重要システム〕

 2000年問題を有するシステムを有する水道事業者のうち制御系重要システム(給水停止につながるシステム)を有する水道事業者は282事業者738システムであったが、このうち、模擬テストが完了しているものは272事業者(96%)の722システム(98%)となっている。
 模擬テストが完了していないものは、設備更新により対応する予定などやむを得ない事由によるものや既に実施予定日が設定されているものであり、対応はおおむね完了している。

 事務処理系重要システムを有する水道事業者35事業者35システムについては、全ての事業者、システムで模擬テストが完了している。

〔システム全般〕

 制御系システムにおいては、重要システム以外にも運転状況を記録する帳票システム等日付を含むデータが使われており、表示や印刷に不具合が生じることも想定される。これら制御系システムにおいては、2000年問題発生のおそれがある事業者の約8割の事業者において修正等を完了している。

 事務処理系システムにおいては、水道料金徴収システム等において、日付を含むデータが使われており、日付表示や料金算定期間の計算等に不具合が生じることも想定される。これら事務処理系システムにおいては、2000年問題発生のおそれがある事業者のうち約7割が修正等を完了している。

対応状況 制御系システム 事務処理系システム
重要システム 重要システム
模擬テスト完了
726(52%)
272(96%)
1241(44%)
35(100%)
修正等を完了
355(26%)
10( 4%)
698(25%)
 
実作業中
190(14%)
 
669(24%)
 
調査中
116( 8%)
 
184( 7%)
 
未着手
0( 0%)
 
5( 0%)
 
1,387 282 2,797 35
 

4 危機管理計画の策定状況

 危機管理計画については、重要システムを有する286事業者のうち、270事業者(94%)が策定を完了しており、残る16事業者(6%)についても12月末までに策定予定となっている。
 なお、重要システムを有する水道事業者を含め全回答事業者のうち 6,393事業者(65%)が策定を完了しており、残る 3,370事業者(35%)についても12月末までに策定予定となっている。

5 今後の対応

 模擬テスト、修正等を完了していない各水道事業者等に対して対応の徹底を指導。

 さらに、越年時に向けて、各水道事業者において、実地訓練の実施、その結果を踏まえた危機管理計画の見直し等が進められるよう、引き続き、対策の徹底を入念に指導する。


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