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HIV診療支援ネットワークシステム(A−net)について

厚生省保健医療局国立病院部政策医療課

 厚生省は、平成10年11月16日よりHIV診療支援ネットワークシステムの試験運用を開始し、利用者に講習会の受講を義務付ける等、個人の医療情報保護の周知徹底を図るとともに、24時間365日専任の保守管理体制を敷くなどセキュリティの確保に重点を置いたシステムの運用・管理を行ってきたところであり、平成11年11月8日のHIV診療支援ネットワークシステム部会において、試験運用は概ね適切に行われたとの評価を受け、平成11年12月1日より本格運用に移行することとなりました。
 今後は、セキュリティの確保に努めた上で、利用しやすいシステムとなるよう努めていくこととしています。

(資料)

(1)A-netの概要
(2)HIV診療支援ネットワークシステムの試験運用に対する総括
(3)A-netの説明文書
(4)説明同意書
(5)同意撤回書
(6)HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱
(7)HIV診療支援ネットワークシステム運用管理細則
(8)HIV診療支援ネットワークシステム疫学的研究等申請取扱細則
(9)HIV診療支援ネットワークシステム部会要綱
(10)エイズ治療・研究開発センター運営協議会要綱


照会先 厚生省保健医療局国立病院部政策医療課
TEL:03−3595−2274
FAX:03−3595−1939


(1)A-netの概要

概要図


ネットワークセキュリティ


(2)HIV診療支援ネットワークシステムの試験運用に対する総括

平成11年11月8日
A−net部会

HIV診療支援ネットワークシステムの試験運用に対する総括

 平成10年11月16日より、同システムの試験運用を開始して約1年を経過したことから、厚生省所管国立病院を中心に試験運用に対する総括を行うものである。

1.概要

 HIV診療支援ネットワークシステムは、平成10年11月16日より国立国際医療センター内に設置されたエイズ治療・研究開発センターとブロック拠点国立病院(国立仙台病院、国立名古屋病院、国立大阪病院、国立病院九州医療センター)の計5病院を結び、試験運用を開始した。
 その後、平成11年2月8日、4月8日及び7月1日において順次、厚生省所管のエイズ治療拠点国立病院に拡大し、また、平成11年7月1日からは厚生省所管以外のブロック拠点病院に試験運用を拡大したところであり、個人の医療情報保護に重点を置いたシステムの管理・運用を行っている。
 参加患者数、施設数及び利用者数は別紙のとおりである。

2.試験運用期間で確認すべき事項

(1) システムの安定した運用を確認すること。
(2) セキュリティ対策が適切であるか確認すること。
(3) 利用性については、現行システム利用上の課題が整理できること。

3.評価

(1) システムの安定性
 利用者に影響のあるシステムのバグはほとんどなく(利用希望者からのメール返信されたデータ消失の1例はあるが、既に修正済)、システムダウンはないことから、システムの安定性の問題はない。

(2) セキュリティ対策
 ファイア・ウォールの設置、閉鎖系の専用回線の使用又は暗号化技術の活用等を行うとともに、24時間365日専任の保守管理体制(保守センターの設置)を敷いており、現在まで外部からのハッキングを受けたことはないと報告されている。
 また、専用端末を鍵のかかる部屋(原則として外来)に設置している。
 運用面に関しては、「HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱(案)」等により、明確な管理責任体制の確立、利用者の責務、データの利用方法などを明確化するとともに、「セキュリティ対策10か条」、「患者に対する説明文書及び同意書様式」を作成し、講習会の開催(6回開催)等による普及啓発を行いながら、全利用者に対して個人の医療情報保護の周知徹底を図ってきたところである。
 特に、同システムの利用資格については、講習会の受講等の条件(注)を満たした者にのみ与えることとしており、条件を満たさない場合には、「国立病院の過半数“不合格”」(平成11年3月23日東京新聞)とするほど徹底して行うとともに、一度資格を取得した者についても、セキュリティ確保の上で適切な運用を行わない場合には利用権を剥奪している(3か月間パスワードを変更しない場合)。
(注)講習会の受講の他、データ入力の練習、メールの返信、パスワードの変更を義務付けている。

 以上のことから、今後もセキュリティ対策が適切になされているか定期的な検証を行うことを前提として、現在のセキュリティ水準は適切であると評価できる。

(3) 利用性
 入力の手間、名寄せが少ない、疫学的研究の利用がない等、現行システム利用上の課題が指摘されているところであるが、今後、セキュリティが損なわれないことを前提として対処していくことが適当と考えられる。

4.結論

 以上のように、この1年間の運用において、試験運用期間中に確認すべき事項が概ね達成されたと評価できることから、本格運用に移行することが適当である。
 なお、総括管理者は、本ネットワークシステムが適正に運用されるべく定期的に調査を行い、当部会に報告する。調査のあり方については当部会において決定する。


(別紙)

○A−net登録患者数(平成11年10月1日現在) 308名

・国立国際医療センター 248名
・ブロック拠点病院 46名
・エイズ拠点国立病院 14名

○A−netユーザー登録状況
  H.10.11.16
ACC及び4ブロック
拠点国立病院
H.11.2.8
エイズ拠点国立
病院に拡大(1次)
H.11.4.8
エイズ拠点国立
病院に拡大(2次)
H.11.7.1
エイズ拠点国立
病院に拡大(3次)
非国立ブロック
拠点病院に拡大
H.11.10.5
非国立ブロック
拠点病院に
拡大(2次)
備 考
厚生省所管国立病院            
国立国際医療センター 23名 26名 26名 31名 28名
ブロック拠点国立病院 17名 20名 20名 26名 21名
  国立仙台病院 5名 5名 5名 6名 5名
国立名古屋病院 3名 3名 3名 6名 5名
国立大阪病院 4名 7名 7名 9名 7名
国立病院九州医療センター 5名 5名 5名 5名 4名
エイズ拠点国立病院 49名 175名 203名 179名
29施設 59施設 65施設 63施設
小 計 40名 95名 221名 260名 228名
5施設 34施設 64施設 70施設 68施設
厚生省所管国立病院以外の施設          
ブロック拠点国立病院 6名 14名
  北海道大学医学部附属病院 6名
旭川医科大学医学部附属病院 1名
石川県立中央病院 2名 2名
新潟大学医学部附属病院 3名 3名
広島大学医学部附属病院 1名 2名
小 計 6名 14名
3施設 5施設
合 計 40名 95名 221名 266名 242名
5施設 34施設 64施設 73施設 73施設


(3)A-netの説明文書

1999年12月1日

患者のみなさんへ

HIV診療支援ネットワークシステム総括管理者
(厚生省国立病院部政策医療課長)

HIV診療支援ネットワークシステム(A−net)の説明文書

 厚生省は、以下のとおりHIV診療支援ネットワークシステムを運用しております。
 このシステムへの参加は、患者さん一人一人の自由な意思によります。このシステムについて主治医から説明を受け、目的、意義、安全性確保等に納得された方に、ご参加いただきます。もし、参加されなかった場合でも、今後の診療に何ら不利益をこうむることはありませんし、途中で参加を取りやめることも可能です。

1.システムの目的

 このシステムは、患者さんのプライバシー保護を図りながら、患者さんの診療情報の一部をエイズ治療・研究開発センターのホストコンピュータに入力し、エイズ治療・研究開発センターとエイズ治療ブロック拠点病院、拠点病院をネットワークで結ぶことにより、患者さんが受診される病院相互で診療情報を共有し、HIV診療を円滑にし、かつ患者さんの地元で質の高い診療を可能にすることを目的としています。
 あわせて、患者さんの氏名・住所・電話番号を除く診療情報を集積し、HIV医療に関する質の高い研究に活用することも目的としています。

2.システムに参加することのメリット

 このシステムに参加すると、患者さんの診療情報がホストコンピュータに入力され、患者さんが希望した病院の医療関係者のみが、その情報を見ることができます。これにより地元の医療機関でもエイズ治療・研究開発センター等を中心とする専門医師による診療相談に基づいた質の高い診療が受けられるようになります。
 具体的には、試行期間中に利用者から、前回の受診時の状況や図表化された治療歴の情報が活用できるため、適切な診療に役だっているという評価をいただいております。
 また、情報を蓄積し、研究に活用することにより、我が国のHIV医療を向上させ、ひいては、患者さん自身が質の高いHIV医療を受けられるようになります。

3.個人情報の安全確保

 このシステムでは、患者さんの診療情報を守るために次のような対策を講じています。

(1) このシステムでホストコンピュータに入力された患者さんの診療情報を見ることができるのは、当該患者さんが同意した病院の医療関係者のうち、総括管理者が利用を許可した者に限られます。
 患者さんは、複数の病院を受診する場合でも、病院単位で同意をし、あるいは同意を撤回することができます。
(2) このシステムは、外部からの不正な侵入に対して、銀行などが電子商取引を行うときと同じように厳格に情報を保護しています。
(3) 研究目的で診療情報を活用する場合でも、患者さんの人権を損なうおそれのある内容である時には、患者さんの代表も参加している厚生省HIV診療支援ネットワークシステム部会に諮り、HIV医療の向上に役立つと認められた研究に限り許可することとし、患者さんの氏名・住所・電話番号を除く診療情報を提供します。

4.個人情報の閲覧請求権

 このシステムによりホストコンピュータに入力された診療情報は、当該患者さんの希望により、診療時間内であればいつでも患者さん又は患者さんの指定する代理人が無償で閲覧することができます。
 入力情報に誤りがあった場合には、主治医を通じて、訂正を求めることができます。

5.参加をやめたいときは

 このシステムに参加した後で参加を取りやめたくなった場合には、システム全体の参加を中止することも、特定の医療機関での参加をやめることもできます。その場合には、下記のシステム管理者宛、備え付けの書面で申し出て下さい。
 ただし、このシステムによりコンピュータ入力された診療情報は、改ざん等を防ぐため、削除することはできません。そこで、患者さんから参加の同意撤回の申し入れがあった場合には、診療情報の入力は停止されます。また、患者さんの参加の同意撤回をされた病院は、研究目的による統計的情報を除き、以後の診療情報を利用できなくなります。

6.HIV診療支援ネットワークシステムの試験運用に参加された皆様へ

 HIV診療支援ネットワークシステムについては、平成10年11月16日より試験運用を行ってきたところであり、この間、患者さんには、多数ご参加いただき、ご協力ありがとうございました。
 現在、このシステムに登録していただいている患者さんは308名(平成11年10月1日現在)、参加施設は73施設、医師等の利用者は242名(平成11年10月5日現在)となっています。
 試験運用におきましては、利用者に講習会の受講を義務づける等、個人の医療情報保護の周知徹底を図るとともに、24時間365日専任の保守管理体制を敷くなどセキュリティの確保に重点を置いたシステムの運用・管理を行ってきたところであり、平成11年11月8日のHIV診療支援ネットワークシステム部会において、試験運用は概ね適切に行われたとの評価を受け、平成11年12月1日より本格運用に移行することとなりました。
 今後は、セキュリティの確保に努めた上で、利用しやすいシステムとなるよう努めていくこととしておりますので、一層のご理解とご協力をお願いいたします。

 HIV診療支援ネットワークシステムの試験運用に参加されました患者さんにおいて、本格運用の開始後も引き続き参加される場合には、説明同意書を新たに提出していただく必要があります。また、参加を取りやめる場合には、同意撤回書を提出していただく必要がありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 なお、試験運用に参加されました患者さんのうち、平成12年12月1日までに説明同意書又は同意撤回書を提出されなかった場合には、同システムについて、本格運用における参加の同意が得られていないものとして取り扱うことといたしますので、ご了承願います。

(問い合わせ先)
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1 国立国際医療センター内
Tel:03-3202-7181(内線3262),Fax:03-5273-4036
HIV診療支援ネットワークシステム管理者


(4)説明同意書

平成  年  月  日

説 明 同 意 書


HIV診療支援ネットワークシステム総括管理者 殿

(厚生省国立病院部政策医療課長)


 私は、下記の主治医から厚生省HIV診療支援ネットワークシステムに関する説明並びに説明文書の交付を受け、その目的及び利用方法などを理解しましたので、下記病院においてHIV診療支援ネットワークシステムに参加し、入力された私の診療情報が私の受けるHIV診療及び厚生省HIV診療支援ネットワークシステム部会で許可された研究に活用されることに同意します。


  患者氏名:
  説明した主治医氏名:
  病院名:

(※この同意書は、主治医が原本をカルテに添付し、写を2部作成し、1部を患者さん本人にお渡しし、もう1部を国立国際医療センター内HIV診療支援ネットワークシステム管理者あて送付することになっています)


(5)同意撤回書

平成  年  月  日

同 意 撤 回 届


HIV診療支援ネットワークシステム総括管理者 殿

(厚生省国立病院部政策医療課長)


 私は、下記の主治医から説明を受け、下記病院において厚生省HIV診療支援ネットワークシステムに参加しておりましたが、参加の同意について撤回します。

□ システム全体の参加を取りやめます。
□ ( )病院における参加を取りやめます。


  主治医氏名:  
  病院名:
  患者氏名:
  患者ID番号:


(6)HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱

HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱


第1章 総則
第2章 A−netの管理
第3章 A−netの利用
第4章 A−netの運用
第5章 細則
附則


第1章 総則

  (目的)
第一条
 この要綱は、エイズ治療・研究開発センター、エイズ治療ブロック拠点病院及びエイズ治療拠点病院(以下「エイズ拠点病院等」という。)を結んだネットワークシステム並びにこれに接続させる機器等の運用及び管理に関し必要な事項を定め、システムの効率的な運用及び適正な管理を図り、併せてデータの漏えい、滅失及びき損等を防止し、データの安全かつ適正な管理を図ることを目的とする。

  (名称及び適用範囲)
第二条
 このシステムの名称は、「HIV診療支援ネットワークシステム」(以下「A−net」という。)と呼ぶ。

2 このシステムの適用範囲は、厚生省又は都道府県知事が指定したエイズ拠点病院等に設置したネットワーク機器等及びこれらの機器を利用した診療支援システムとする。

第2章 A−netの管理

  (総括管理者)
第三条
 A−netの効率的な運用及び適正な管理を行うため、A−net総括管理者(以下「総括管理者」という。)を厚生省に置く。

2 総括管理者は当分の間、保健医療局国立病院部政策医療課長とし、システムの運用及び管理に関する事務を総括する。

3 総括管理者は、国立国際医療センター総長に当該事務を行わせることができる。

4 総括管理者は、A−netの安全かつ適正な運用管理を図るため、A−netの利用を制限又は禁止することができる。

5 総括管理者は、前項の措置を行うに当たっては、エイズ治療・研究開発センター運営協議会HIV診療支援ネットワークシステム部会(以下「A−net部会」という。)の意見を聴くものとする。ただし、緊急を要する場合等、事前にA−net部会の意見を聴くことができない場合には、事後においてA−net部会に報告するものとする。

  (システム管理者)
第四条
 A−netの安全かつ適正な運用管理を行うために国立国際医療センターにHIV診療支援ネットワークシステム管理者(以下「システム管理者」という。)を置く。

2 システム管理者は、国立国際医療センター総長が職員のうちから指名する。

3 国立国際医療センター総長がシステム管理者を指名したときは、速やかに総括管理者に報告しなければならない。また、これを変更したときも同様とする。

  (A−net管理責任者)
第五条
 エイズ拠点病院等には、システムの管理責任者としてA−net管理責任者を置く。

2 A−net管理責任者は、エイズ拠点病院等の病院長が職員のうちから指名する。

3 当該病院の長がA−net管理責任者を指名したときは、速やかに総括管理者及びシステム管理者に報告しなければならない。また、これを変更したときも同様とする。

  (A−net管理責任者の責務)
第六条
 A−net管理責任者は、施設内のA−netの安全かつ適正な利用を図り、データの保護が確保される運用を推進しなければならない。

2 A−net管理責任者は、端末(PC)を第三者が容易に利用できない場所に設置し、データの漏えいを防止しデータの保護が確保される運用を推進しなければならない。

3 A−net管理責任者は、端末(PC)の設置場所を総括管理者及びシステム管理者に報告しなければならない。また、これを変更したときも同様とする。

4 A−net管理責任者は、A−netに異常を認めた時は、直ちにA−net保守センターに報告しなければならない。

第3章 A−netの利用

  (利用施設)
第七条
 A−netを利用できる施設は、総括管理者が利用を認めたエイズ拠点病院等に限られる。

  (利用者)
第八条
 A−netを利用できる者(以下「利用者」という。)は、前条のA−net利用施設の医療関係者であり、かつ、総括管理者が認めた者に限られる。

2 A−net管理責任者は、前項に規定する利用者以外の者にA−netを利用させてはならない。

  (利用権の設定)
第九条
 A−netの利用に際しては、利用者毎に専用の利用者識別番号(ユーザID)を付与し、利用権の管理を行う。

2 利用者は、利用者識別番号に係る暗証番号(パスワード)について、第三者に知られないように厳重に管理するとともに、必要に応じて暗証番号を変更する等の措置を講じなければならない。

  (利用者の責務)
第十条
 利用者は、A−netの安全かつ適正な利用に努め、データの保護が確保されるよう運用しなければならない。
 とくに、利用者識別番号及び暗証番号が第三者の知るところとなり、結果として患者のデータが保護されない場合には、関係法令の規定により法的責任が問われるおそれがあるので、利用者はかかる運用をしてはならない。

2 利用者は、A−netの利用について、この要綱のほか、システム管理者が定める細則及びこれに基づくシステム管理者の指示に従わなければならない。

3 利用者は、A−netに異常を認めた時は、直ちにA−net管理責任者に報告しなければならない。

第4章 A−netの運用

  (患者の同意)
第十一条
 A−netに患者のデータを登録する場合には、各施設毎にその内容を患者に説明した上で文書にて同意を得なければならない。

  (データの研究利用)
第十二条
 利用者は、疫学的研究等エイズ医療の向上のためにデータを利用する場合には、総括管理者に申請し、許可を得なければならない。

2 総括管理者は、前項の申請に対しデータの利用を許可するに当たっては、A−net部会の意見を聴くものとする。

  (データの運用)
第十三条
 A−netのデータは、A−net部会が了承している範囲内でサーバ上で利用するものとする。
 ただし、前条の場合及び総括管理者が必要と認める場合はその限りではない。

  (運行時間)
第十四条
 A−netのサーバは、無停止で運行されなければならない。

2 総括管理者は、第1項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合、機器等の運行の一部又は全部について、その利用を停止又は制限することができる。

一 A−netに障害が発生した場合
二 機器等の増設又は交換等を行う場合
三 データの滅失及びき損からの復旧を行う場合
四 その他A−netの管理上の理由から必要と認められる場合
  (保守センター)
第十五条
 A−netの保守及び管理のためにA−net保守センターを設置する。

2 A−net保守センターは、システム管理者の命を受け、ネットワークの監視、定期的なデータのバックアップ等、システム管理者が行う業務の一部を代行する。

3 A−net保守センターは、国立病院等総合情報ネットワークシステム(HOSPnet)管理要綱に定める保守センターに併設する。

  (大規模災害時)
第十六条
 総括管理者は、大規模災害が発生した場合は、A−netの通常の運用を停止又は一部を制限することができる。

第5章 細則

  (細則)
第十七条
 システム管理者は、この要綱を実施するために必要とされる事項について、別に細則を定める。

附則

一.この要綱は、平成10年11月16日から施行する。
二.この要綱を改訂するときは、A−net部会において行い、エイズ治療・研究開発センター運営協議会に報告するものとする。


(7)HIV診療支援ネットワークシステム運用管理細則

HIV診療支援ネットワークシステム運用管理細則


第1章 総則
第2章 A−netの運用管理
第3章 A−net保守センター
第4章 国立病院以外でのA−netの運用
第5章 大規模災害時等
附則


第1章 総則

  (趣旨)
第1条
 この細則は、HIV診療支援ネットワークシステム(以下「A−net」という。)を安全かつ適切に運用管理するための諸手続及びA−net保守センターの保守業務を定めるものとする。

  (用語)
第2条
 この細則における用語の用法については、以下別途定められるものを除き、HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱の例によるものとする。

第2章 A−netの運用管理

  (システム管理者)
第3条
 システム管理者はA−netの安全かつ適切な運用管理を行うため、次の業務を行う。

一 A−netの利用に係るA−net管理責任者及び利用者の指導並びに監督
二 A−netの利用にかかわる利用者識別番号(ユーザーID)及び暗証番号(パスワード)の管理
三 A−net保守センターの指導及び監督
四 その他、A−netの運用及び管理に関すること

2 システム管理者は、前項の業務を補助するためにシステム管理補助者を置くことができる。

  (システム管理補助者)
第4条
 システム管理補助者は、システム管理者が国立国際医療センターの職員のうちから指名する。

2 システム管理補助者は、システム管理者の指示を受け次の業務を行う。

一 システム管理者の業務の一部の代行
二 システム管理者不在時の業務の代行
3 システム管理補助者は、業務状況について適宜システム管理者に報告しなければならない。

  (A−net管理責任者)
第5条
 A−net管理責任者は次の業務を行う。

一 当該施設に設置したA−netのための機器及びソフトウエア等(以下「A−net機器等」という。)の利用の指導及び監督
二 当該施設に設置したA−net機器等において発生した障害への対応
三 当該施設の利用者の指導及び監督

  (ウィルス対策等)
第6条
 A−net管理責任者は、コンピュータウィルスのA−netへの侵入の防止等セキュリティに必要な措置を講じなければならない。

2 利用者は、コンピュータウィルスがA−netに侵入しないよう注意しなければならない。

  (登録申請等)
第7条
 A−netの利用を希望する者は、総括管理者に登録申請を行うものとする。

2 転退職及び人事異動等により、A−netの利用をしなくなった場合には、利用者は速やかに総括管理者に登録抹消申請を行わなければならない。

3 システム管理者は、セキュリティの確保を図る観点から、暗証番号(パスワード)を3か月間変更しない利用者の登録を抹消することができるものとし、登録の抹消は、利用を開始した日又は暗証番号(パスワード)を変更した日以降、3か月が経過する日の属する月末をもって行う。
 ただし、A−netを利用しない期間が3か月を超える場合で、システム管理者に予め理由書を提出し、正当な理由と認められた場合は、この限りでない。

4 前項により、登録を抹消された者が再登録を受ける場合は、登録を抹消された日の翌日から2か月以内に申請を行うものとする。

  (利用者)
第8条
 利用者は、次の各号に掲げる行為を行ってはならない。

一 A−net管理責任者の許可なく設置場所等を移動させること
二 自らの利用者識別番号(ユーザID)及び暗証番号(パスワード)を他人に開示し、又はこれを第三者に利用させること
三 A−net機器等にハードウエア、ソフトウエア等を追加すること
四 A−net機器等が接続されている通信回線に他の通信回線を接続すること
五 A−netのデータをA−net機器等から別媒体に移すこと

  (障害発生の責任)
第9条
 利用者が故意又は過失によりA−netに障害を発生させ又は機器等を亡失若しくは破損させた場合、当該利用者は、その故意又は過失の程度に応じ、修理又は弁償に要した費用を負担しなければならない。

第3章 A−net保守センター

  (保守センター長)
第10条
 A−net保守センター長は、HOSPnet保守センター長が兼任する。

  (A−net保守センターの業務)
第11条
 A−net保守センターは、システム管理者の命を受け、以下の業務を行う。

一 A−netの監視
二 定期的なデータのバックアップ
三 A−netの運行及び停止に関する案内
四 A−net機器等の障害に対する回復
五 A−net機器等に関する問い合わせに対する対応
六 その他、A−netの保守に関すること

  (システム管理者への報告)
第12条
 A−net保守センターは、定期的に業務状況をシステム管理者に報告しなければならない。

2 A−net保守センターは、A−netに重大な障害が生じた場合には、直ちにシステム管理者に報告しなければならない。

  (障害回復に係わる施設の協力)
第13条
 A−netで発生した障害の回復措置を迅速に実現するために、A−net管理責任者はA−net保守センターの依頼に基づき必要な措置を取るものとする。

2 国立病院の場合は、HOSPnet施設管理者に速やかに連絡依頼するものとする。

第4章 国立病院以外でのA−netの運用

  (A−net利用権の拡大手順)
第14条
 厚生省HOSPnet接続以外のエイズ拠点病院においてA−netを利用する場合には、エイズ拠点病院の病院長は、総括管理者に対して、A−netの趣旨に同意し、HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱に規定される責務をA−net管理責任者に遵守させるとともに、当該事業の実施に伴う責任を負う旨の同意書に署名捺印して誓約参加するものとする。

2 同意書に基づき、総括管理者は、システム管理者を通じてA−net利用権を当該病院に与えるとともに、A−netシステム側の受け入れ体制を準備整備する。

3 当該エイズ拠点病院の病院長は、A−net利用の為に必要な諸作業を準備完了させるものとする。

一 A−net管理責任者を任命する。
二 システム管理者が規定するセキュリティ基準を満たした、A−net運営上必要な機器を準備する。
三 A−net運営上必要とされるセキュリティ基準に合った機器及び通信手段を整備する。
四 病院内のA−net管理手順を作成して文書化し病院内に周知徹底させる。

  (A−net管理責任体制)
第15条
 A−netに係わる職員(A−net管理責任者及び利用者)は、原則として当該病院の正規職員でなければならない。

2 正規職員以外を任命または利用させる場合は、責任の所在を明確化した文書並びに当該利用者と病院の間で交わした誓約文書を総括責任者に提出して許可を得なくてはならない。

  (利用権の認定及び交付)
第16条
 利用者は、A−net部会が了承しているA−net利用の為の申請許可手順に従って利用権(ユーザID)を取得して利用するものとする。

  (セキュリティの確保)
第17条
 厚生省HOSPnet以外の通信ネットワーク(通常インターネット)を介して利用するA−net管理責任者は、システム管理者が指定する安全確保の為の専用機器(以下セキュリティサーバ等という)を設置稼働させた上で、診療情報の安全と機密保持に努めなければならない。

2 A−net利用機器の導入設定等は、A−net機器の導入設置に係わるガイドの通りにしなければならない。

3 A−net管理責任者は、セキュリティサーバ等の管理を行い、機器に異常が認められた時は、直ちにA−net保守センターに連絡をすると共に、当該機器を導入した業者に連絡をとりシステムの復旧に努めなければならない。

4 A−net管理責任者及び利用者は、セキュリティサーバ等に対して本細則第8条に規定された諸項を行ってはならない。

5 A−net管理責任者は、臨床研究等で利用者がエイズ診療データを当該病院のA−net機器等で利用する場合には、その管理監督およびデータの保全や使用後の消去等に責任をもって対応しなければならない。

第5章 大規模災害時等

  (大規模災害時等)
第18条
 A−net保守センターは、大規模災害等によりA−netのセンター機能が著しく支障を来した場合は、その旨をシステム管理者に報告しなければならない。

2 システム管理者は、第1項の報告を受けたときは、直ちに総括管理者に報告しなければならない。

3 システム管理者は、通信の途絶等により総括管理者の指示を待つ時間的余裕がないと認めたときはA−netのセンター機能を国立大阪病院に移すことができる。

4 A−net保守センターは、システム管理者の指示を受け、国立大阪病院におけるセンター機能の維持に努めなければならない。

附則

 この細則は平成10年11月16日から施行する。


(8)HIV診療支援ネットワークシステム疫学的研究等申請取扱細則

HIV診療支援ネットワークシステム疫学的研究等申請取扱細則

  (目的)
第1条
 この細則は、エイズ患者への治療の向上と発展に寄与することを目的として、HIV診療支援ネットワークシステム(以下「A−net」という。)の診療情報を用いた研究を行うために必要な手続き等について定める。

  (用語)
第2条
  この細則における用語の用法については、以下別途定められるものを除き、HIV診療支援ネットワークシステム管理要綱の例によるものとする。

  (利用資格)
第3条
 A−netの診療情報を研究目的で利用することができる者は、A−netの利用者に限る。

  (利用の許可)
第4条
 原則として総括管理者が許可する。ただし、総括管理者は、患者等の人権を損なうおそれのある内容と認めるときには、A−net部会の意見を聴いたうえで許可するものとする。

  (申請方法)
第5条
 A−netの診療情報を研究目的で利用しようとする者は、総括管理者 に対しA−net診療情報使用申請書(案)に基づき申請するものとする。

  (診療情報の提供方法)
第6条
 システム管理者は、当該研究に必要な診療情報(患者の氏名・住所・電 話番号を除く)を申請者に対してフロッピーディスク又はMOディスクの 形で提供するものとする。

  (診療情報の複製)
第7条
 総括管理者は、申請者に対し共同研究者内での診療情報の複製を許可する。

  (目的外使用の禁止)
第8条
 提供を受けた診療情報は、申請した研究以外の目的に使用してはならない。

  (研究結果の公表)
第9条
 研究結果は総括管理者に報告した後、公表するものとする。

  (研究時使用機器の提示)
第10条
 研究目的で提供された診療情報の研究使用に供する機器は、申請時に届け出るものとする。

  (提供された診療情報の後処理)
第11条
 提供を受けた診療情報は、当該研究の使用完了後速やかにシステム管理者に返却しなければならない。

2 研究に使用した機器に一時的に書き込まれた診療情報は、提供媒体を返却する時と同時に、責任をもって消去し、その旨をシステム管理者に報告しなければならない。

3 共同研究のため複製を行った診療情報は、当該研究の使用完了後は研究者各自の責任において消去し、主任研究者は、その旨をシステム管理者に報告しなければならない。

  (A−net利用資格の抹消)
第12条
 総括管理者は、本取扱細則に違反した者に対してA−net利用資格の抹消を行うことができる。

附則 この細則は平成11年7月1日から施行する。


(9)HIV診療支援ネットワークシステム部会要綱

エイズ治療・研究開発センター運営協議会
HIV診療支援ネットワークシステム部会要綱


平成10年10月5日
平成10年12月改定
国立病院部政策医療課


1.設置目的

 HIV診療支援ネットワークシステムの設置・運営に関する協議を行う場として、エイズ治療・研究開発センター運営協議会にHIV診療支援ネットワークシステム部会を設置する。

2.協議事項

 HIV診療支援ネットワークシステムの設置・運営に関すること

3.部会委員

(1)委員の構成

厚生省
国立国際医療センター
国立大阪病院
ブロック拠点病院
原告団・弁護団

(2)委員(別紙)

4.部会の開催

 原則年1回開催とする。ただし、当面は、年数回開催する。

5.庶務

 部会の庶務は、保健医療局国立病院部政策医療課において処理する。

(別紙)

HIV診療支援ネットワークシステム部会委員


(厚生省)

○保健医療局国立病院部政策医療課長
 保健医療局国立病院部政策医療課高度・専門医療指導官
 保健医療局国立病院部運営企画課課長補佐
 保健医療局国立病院部政策医療課課長補佐
 保健医療局エイズ疾病対策課課長補佐
 医薬安全局企画課医薬品副作用被害対策室室長補佐


(国立国際医療センター)

 エイズ治療・研究開発センター長
 エイズ治療・研究開発センター臨床研究開発部長
 エイズ治療・研究開発センター医療情報室長
 エイズ治療・研究開発センター病棟医長
 国立国際医療センター情報システム部長


(国立大阪病院兼ブロック拠点病院)
   国立大阪病院臨床研究部ウイルス研究室長

(原告団・弁護団)
   東京HIV訴訟原告団・弁護団 4名
   大阪HIV訴訟原告団・弁護団 4名


(注)○は座長



(10)エイズ治療・研究開発センター運営協議会要綱

エイズ治療・研究開発センター運営協議会要綱


平成9年4月1日
平成10年7月改定
保健医療局国立病院部

1.設置目的

 HIV訴訟における和解勧告の所見に基づき設立されたエイズ治療・研究開発センター(以下「センター」という。)の円滑な運営を確保するため、関係者が協議を行う場として、エイズ治療・研究開発センター運営協議会(以下「協議会」という。)を設置する。

2.協議事項

(1)センターの運営に関すること
(2)センターとブロック拠点病院との連携に関すること


3.協議会委員

(1) 委員の構成
厚生省 4名
国立国際医療センター 5名
原告団 6名
学識経験者 1名


(2)委員(別紙)


4.協議会の開催

 原則年1回とする。ただし、当面は年2回開催することとし、また、協議会において調整が必要と判断される事項が生じた時は、協議会委員は協議会の開催を座長に要請することができる。
座長は委員の要請を受け、必要があると認めるときは協議会を開催する。

5.HIV診療支援ネットワークシステム部会の設置

 HIV診療支援ネットワークシステムの設置・運営に関する協議を行うため、エイズ治療・研究開発センター運営協議会のもとに、HIV診療支援ネットワ ークシステム部会を設置する。部会の委員については、別途協議する。

6.庶務

 協議会の庶務は、保健医療局国立病院部政策医療課において処理する。



(別紙)

エイズ治療・研究開発センター運営協議会委員


(厚生省)
○保健医療局国立病院部長
 保健医療局国立病院部政策医療課長
 保健医療局エイズ疾病対策課長
 医薬安全局企画課医薬品副作用被害対策室長

(国立国際医療センター)
病院長
エイズ治療・研究開発センター長
エイズ治療・研究開発センター臨床研究開発部長
運営部長
看護部長

(原告団)
東京HIV訴訟原告団 3名
大阪HIV訴訟原告団 3名

(学識経験者)
島田 馨(東京専売病院長)

(注)○は座長


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