97/12/22 公衆衛生審議会脂質に関する栄養表示基準専門委員会 公衆衛生審議会健康増進栄養部会 脂質に関する栄養表示基準専門委員会 議    事    録 厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室    公衆衛生審議会健康増進栄養部会脂質に関する栄養表示基準専門委員会次第         日 時:平成9年12月22日(月) 10:30〜12:50         場 所:通商産業省別館共用901会議室(9階)  1.会議次第  (1) 開 会  (2) 挨 拶 (3) 議 題   1) コレステロールの強調表示基準について   2) ノンオイルドレッシングの特例の取扱いについて   3) その他 (4) 閉 会 ○事務局 (古畑) それでは、ただいまから公衆衛生審議会健康増進部会の脂質に関する栄養表示基準専 門委員会を開催いたします。  本日は、前回に引き続き「コレステロールの強調表示基準について」、それから「ノ ンオイルドレッシングの特例の取扱いについて」の御検討をいただくことになっており ますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、開会に当たりまして堺食品保健課長よりごあいさつ申し上げます。 ○堺食品保健課長  本日は年末の慌ただしい、お忙しい最中、御参集いただきましてありがとうございま した。  今日の会議は第3回目でございますが、今日お手元の方に前回の議事録(未定稿)が ございますように、私も改めて読ませていただきながら、前回いろいろな観点から御議 論がされているということを感じた訳でございます。米国ですと、脂質あるいはコレス テロールの過剰摂取というのが問題となっているというのは御案内のとおりで、我が国 とは大分状況が異なる訳でございます。しかしながら、栄養表示基準の来年4月からの 全面施行というものを控えまして、栄養表示した食品がかなり増えているという中で、 我が国においても、食品にコレステロールに関する情報を表示して健康を考える消費者 の食品選択に寄与するということは大いに意義あるものというふうに考えております。  これまでの御議論が実るよう、是非今日の会議で最終的な取りまとめをしていただき コレステロールに関する基準を来年度半ばには施行出来るように御協力をいただければ 幸いでございます。  ちょうど私も数年前に健康増進栄養課長をやっておりまして、その時は日本人の脂質 のとり方というのは、動物と植物とちょうどいいバランスになっている時期であるとい うようなことがございました。米国とは大分違いました。ただ、米国並みにだんだんな っていくのかという気もしていた訳であります。  また、もっと前を考えますと、今はコレステロールが悪玉と善玉に分けられて、悪玉 は本当に悪いことばかりのイメージにとられますが、世の中で悪玉がすべて悪玉かとい うと、そういうことでもなく、善玉がすべて善玉かというとそうでもないというような ことではないかと。余り摂らな過ぎると脳出血になってまいりますし、過剰に摂り過ぎ るという問題も一方にあるわけでございます。ただ、科学的な議論となるとそういう議 論になってしまうわけですが、人間が食品を選択する時には、果たして栄養価だけで選 ぶものかどうかというのもまたひとつあるわけでございます。また、その量をどれぐら い摂るかというのもひとつあるわけでございます。  いろいろな問題を含んでございますが、最後に残ったひとつの課題ということでござ いますので、よろしくお願い申し上げます。また、特に前回の議事録にもございますが 是非消費者側からの御意見も聞きたいということで、齊藤委員は前回いろいろな御都合 で御欠席ということでございますので、委員長の方から改めて開催した方がいいだろう という御意向で今回の開催になった訳でございます。それも含めまして、よろしくお願 いいたします。 ○事務局 (古畑)  それでは、本日も農林水産省食品流通局消費生活課及び食品油脂課の担当官がオブ ザーバーで参っておりますので、御了承をお願いしたいと思います。  それでは、小林委員長お願いいたします。 ○小林委員長  今、事務局並びに食品保健課長の方からお話があったとおりでございます。 私の方から特に、それ以上コメントをすることはございません。とにかく実態とCOD EXで考えている理想的な問題というものの調和を図りたいというようなことでござい ますので、ひとつ御協力をいただきまして、円滑に議事を進行いたしたいというふうに 思います。  まず、恒例ですが、資料確認をお願いしたいと思います。 ○事務局 (古畑) それではお手元に、まず一番上に次第がございまして、その次が今日の席次でござい ます。それから先生方の委員名簿、そして今日の資料1でございますが、公衆衛生審議 会健康増進栄養部会への報告書(案)ということでございます。それから、前回第2回 目の議事録が未定稿ながらお手元にございます。それからもう一つ別途お配りしており ますのが、前回の専門委員会の議事の概要を一応まとめてございます。それからもう一 つ、今回のコレステロールの強調表示基準設定案の根拠を示してございます。  以上でございます。 ○小林委員長  ありがとうございました。  それでは、議題の1に当たりますが、「コレステロールの強調表示基準について」、 まず議題といたしたいと思います。  前回委員会でいろいろ御議論いただいたところでございまして、もう一度その前提に 立って議論を進める意味でも、確認の意味で簡単に事務局から議事概要について御説明 をお願いしたいと思います。 ○事務局 (古畑)  それでは、議事概要の説明をいたしたいと思います。  まず、コレステロール基準は、コレステロールだけではなく、飽和脂肪酸とセットで 設定することにつきましてということでございますが、血清コレステロールへの影響は 食品中のコレステロールだけでなく、むしろ飽和脂肪酸の関与が大きいことも事実であ り、医学・栄養学的観点からも、コレステロールと飽和脂肪酸の組み合わせで表示基準 を設定することが必要であるとのことでございました。  次に、事務局案にあるCODEXの基準を準拠することの医学・栄養学的な評価につ きましては、日本の脂質の摂取量は欧米と比べて少ない状況であるが、CODEX基準 を準用しても医学・栄養学的に見ましても問題はないのではないか。また、国際的な基 準に合わせたおいた方がよいのではないかとのことでございます。  次に、CODEX基準を準用した場合、商品実態を踏まえた基準の考え方につきまし てでございます。脂質やコレステロールの過剰摂取が問題となっているアメリカとは事 情が異なり、アメリカの基準をそのまま持ってくることはおかしいとのことでございま す。  なお、業界としての意見でございますが、コレステロール自体の基準値をCODEX の基準に準拠しても、商品実態から見ても問題は少ない。しかしながら、飽和脂肪酸と の組み合わせにすると、商品実態から見て日本ではこのような商品は供給出来ない。こ のような点からCODEX基準をそのまま準拠するのでなく、特に飽和脂肪酸の付帯条 件については我が国の状況を踏まえて基準設定してほしいとのことでございます。  次に、絶対表示が無理な場合、相対表示ではどうかということにつきましてですが、 絶対表示が無理でも相対表示が可能なら、消費者にコレステロールが低い食品である旨 の情報が可能ではないかとのことでございます。  なお、業界としての意見でございますが、相対表示の考えもあるが、絶対表示をした いと考えているとのことでございます。  以上でございます。 ○小林委員長  いろいろ御意見がございましたけれども、全体としてはこのようなものではなかった かというふうに思っております。  それでは、これまでの議論の上に立ちまして、親部会の公衆衛生審議会健康増進栄養 部会に対する報告案が資料としてありますので、まずコレステロールの強調表示、コレ ステロールあるいは低コレステロールの基準設定につきまして案がまとめられてありま すので、それを事務局より御説明ください。 ○事務局 (古畑)  それでは、お手元の資料1の2ページ目を開いていただきますと、脂質に関する栄養 表示基準専門委員会の報告書案でございます。I番目では「委員会の設置目的」、II番目 では「委員会の経緯」ということでございまして、III番目に「コレステロールの強調表 示基準について」というとでございます。  それでは御説明申し上げます。  1番目でございますが、「基準設定の基本的考え方」として、消費者の健康志向が高 まる中、コレステロールが低い(以下「低」という)、又は含まれていない(以下 「無」という)等の強調表示が食品になされれば、これらの情報は消費者にとって、食 品選択する上で重要な情報となることから、コレステロールについての強調表示基準を 設定することは意義のあることと考えます。  血清コレステロール濃度は、外因性に摂取されたもののほか、飽和脂肪酸などの脂肪 酸により調節されます。このコレステロールは細胞膜の構成成分や胆汁酸、各種ホルモ ンになる物質として重要である。しかし、血清総コレステロール値が 220mg/dl以上(あ るいはLDL-コレステロール値が140mg/dl以上の場合には、動脈硬化等を引き起こしやす くなることから、1日の総コレステロールの摂取量は300mg 以下に抑えることが望まし いとされております。これは米国心臓病学会、日本動脈硬化学会の食事療法指針による ものでございます。  次に、血清コレステロールへの影響は食品中に含まれるコレステロールだけでなく、 飽和脂肪酸の関与が大きい(摂取される飽和脂肪酸1gはコレステロール20mgに相当す るので、コレステロールの「低」ないし「無」の強調表示基準を設定するには、コレス テロールの含有量に加えて、飽和脂肪酸の含有量及びその割合(エネルギー比率)の組 み合わせで設定する必要がある。このようなことから、CODEXにおいても、このよ うなコレステロールと飽和脂肪酸との組み合せで基準が設定されるところであります。  我が国の栄養表示基準における強調表示基準は、「低」の基準の場合、「低」の強調 表示がなされた食品のみを摂取すると仮定し、この場合における当該栄養成分1日の摂 取量が望ましくないとされる量を超えないよう国際基準も考慮し設定されています。ま た、「無」の基準の場合は、医学・栄養学的に意味のない量(無視しても差し支えない と考えられる量)、定量下限から国際基準も考慮し設定されております。  この我が国の栄養表示基準における強調表示基準を設定する場合の基本的な考え方に 基づき、コレステロールについて「低」及び「無」の強調表示基準を設定することとし ます。  まず、本年6月、CODEXにおいて採択されました栄養強調表示ガイドラインは次 のようになっております。  「低」の基準では、コレステロールが食品100g当たり0.02g 、液体食品100ml 当たり 0.01g以下であって、飽和脂肪酸が食品100g当たり1.5g、液体食品100ml 当たり0.75g 以下、かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10%以下となっております。 「無」の基準では、コレステロールが食品100g当たり0.005g以下であって、飽和脂肪 酸食品100g当たり1.5g、液体食品100ml 当たり0.75g 以下、かつ飽和脂肪酸由来エネル ギーが全エネルギーの10%以下となっております。これらのCODEXにおいて採択さ れた、「低」及び「無」の基準を我が国においても適用することとした場合、医学・栄 養学的な観点からは十分意義のあることと考えられます。 一方、食用油やドレッシング等、油脂や油脂を多く含む食品にあっては、コレステ ロールの含有量の基準は満たし得るものの、飽和脂肪酸についての基準である100g当た り1.5 g (「低」の基準)を満たす食品は存在せず、CODEXの基準をそのまま適用 することととした場合は、これらの食品についてコレステロールの「低」、あるいは 「無」の強調表示が出来ないこととなる。  しかしながら、これらの食品については、一般にその摂取量が少なく、摂取される飽 和脂肪酸の絶対量が少なければ、血清コレステロール値に対する影響は少ないと考えら れ、この点に着目して、これらの食品についてコレステロールに関する適切な情報を消 費者に提供することが出来るならば、これも十分意義のあることと考えられます。  このようなことから、CODEXの基準をそのまま適用することとした本則以外に、 例外規定を設けることの可能性を検討しました。 もとより、例外規定については、1回当たりの摂取量を勘案しつつも、本則における 飽和脂肪酸についての基準と同程度の基準とする必要があり、医学・栄養学的な観点か らの評価に耐え得るものでなければならないということは言うまでもありません。  以上を踏まえて検討しましたところ、コレステロールの強調表示基準については、下 記のとおりの基準とすることを提案するものでございます。なお、食品にコレステロー ルについて強調表示を行う場合は、コレステロールの含有量及び飽和脂肪酸の含有量を 記載することとするということでございます。  2番目ですが、コレステロールの強調表示基準ということでございます。  ア.「低」の基準について(絶対表示基準)  コレステロールの含有量が食品100 g当たり20mg(飲用食品にあっては、100ml 当た り10mg)以下であって、かつ(2) 飽和脂肪酸の含有量が食品100g当たり1.5g(飲用食品 にあっては、100ml 当たり0.75g )以下かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10%以下でな ければならない。ただし、1食分の量15g 以下と表示するものであって、当該食品中の 脂質が飽和脂肪酸の含有割合が15%以下、不飽和脂肪酸が85%以上で構成されているも のについては、上記の基準は適用しない。 イ.「無」の基準について(絶対表示基準)  コレステロールの含有量が食品100g当たり5mg、(飲用食品にあっては100ml 当たり 5mg)未満であって、かつ飽和脂肪酸の含有量が食品100g当たり1.5g(飲食食品にあっ ては100ml 当たり0.75g )未満かつ飽和脂肪酸のエネルギー量が10%未満でなければな らない。  ただし書きですが、1食分の量を15g 以下と表示するものにあっては、当該食品中の 脂質の飽和脂肪酸の含有割合が15%以下、飽和脂肪酸が85%以上のものについては、上 記の基準は適用しないということでございます。  ウ.「低減」の基準について(相対表示基準)  比較しようとする他の食品と比べコレステロールが100g当たり20mg、飽和脂肪酸が100 g当たり1.5g以上(飲用食品にあっては各々10mg 、0.75g以上)に低減されていなけれ ばならない。  また、比較対象食品名及び減少量(又は割合)を強調表示部分に接近して表示しなけ ればならない。  恐れ入ります。ちょっとミスプリですが、「0.75mg」になっておりますが、「0.75g 」ということで訂正いただければと思います。よろしくお願いいたします。  エ.表示事項  コレステロールの強調表示を行う場合は、コレステロールの含有量及び飽和脂肪酸の 含有量を記載しなければならないとなっております。  以上でございます。  続きまして、コレステロール強調表示基準の根拠について御説明いたします。  先ほどの報告書案と重複するところはございますけれども、まず、アでございます。 先ほど説明しました我が国の栄養表示基準における「低」、「無」の強調表示基準の設 定の原則に従いまして、イでございますが、報告書案の本則のコレステロールの基準設 定についてでございます。これは前回の委員会の資料でも御説明しておりますけれども (1) の「低」の基準でございます。これは食品中のコレステロールの留意すべき人は、 1日の総コレステロール摂取量は300mg 以下にすることが望ましいとされております。 そこで、CODEXの設定された基準値を我が国の栄養表示基準における「低」の強調 表示基準設定の原則に従って検証しますと下記のようになる訳でございますが、これは 「低」の強調表示がなされた食品のみを摂取すると仮定した場合の1日のコレステロー ル摂取量を計算したものでございます。  一般食品についてでございますが、コレステロールそのものの摂取量は200 mg、飽和 脂肪酸の摂取量が15g、これを換算していきますと、全体として500mg に相当する。飲 用食品については、同様な考え方で検証しますと、コレステロール500mg に相当する。 1日当たりの摂取量は一般食品と飲用食品と合わせて1,000mg に相当する。 このようにCODEXの基準値を準用した場合、1)の300mgはいわば望ましいという量 ですが、1,000mg相当と、他の栄養成分に比べてその基準値が甘く設定されていることに なる訳ですが、しかしながら、コレステロールが含有されている食品は、他の糖類や脂 質と異なり、一部の食品に限定される。また、飽和脂肪酸のうち、血清コレステロール 値に影響しないものもある。それから、飲用食品において飽和脂肪酸を含有している食 品が少ない。そういったことなどから、CODEX基準を準用しても、日本人のコレス テロール値に及ぼす影響は少なく、心疾患等の予防という観点から特段の問題はないの ではないかということでございます。 続いて次の2枚目をお開きいただきたいと思います。  (2) は「無」の基準について(絶対表示)でございます。また(3) 「低減」の基準に ついて(相対表示)も、これも先ほど報告書(案)で説明したとおりでございます。  次に(4) でございますが、これは先ほどただし書きが例外規定ということで御説明し ておりますが、その根拠について御説明いたします。報告書案の4ページをごらんにな りながら見ていただければと思いますが、(1) かつ(2) の基準を適用した場合、油脂や 油脂を多く含む食品にあっては、コレステロールの含有量の基準を満たすことは出来ま すが、飽和脂肪酸が100g当たり1.5gを満足する食品が存在しないことから、これらにつ いてコレステロールが「含まれていない」、あるいは「低い」旨の表示が出来なくなる ということになると思いますが、しかしながら、これらの食品については一般にその摂 取量が少なく、摂取される飽和脂肪酸の絶対量が少なければ血清コレステロール値に対 する影響は小さいと考えられることから例外規定を置くこととしております。この場合 1回当たりの摂取量を勘案の上、(2) の基準と同程度の基準とする必要がありますこと から、例外規定が必要な油脂食品の場合、1回当たりの摂取量が15g程度であると考え られる。1回当たりの摂取量が100g程度の食品の場合として、飽和脂肪酸の摂取量は100 g当たり1.5gと設定されていることから、15gの摂取量の場合、15g当たり1.5gが100g 当たり10gに相当するということになりまして、即ち飽和脂肪酸の割合が10%以下にな るということでございます。  脂質食品については、脂質中の飽和脂肪酸の割合が10%以下のものは製品として存在 しないことから、食品中の脂質の含有割合が飽和脂肪酸15%以下、不飽和脂肪酸が85% 以下で構成されているものについては、(2)の規定の適用を除外することとしておりま す。 また、これは厚生省指針(日本人の栄養所要量)の飽和脂肪酸の望ましい摂取比率を 十分満たしているものでありますし、血清コレステロール値に悪影響を及ぼすものでは ないと考えられるということでございます。  それから5番目の表示事項については、先ほど基準で御説明したとおりでございます  その次の3枚目のページでございますが、参考として、ただいま御説明しました根拠 につきまして検証したものでございます。 一般食品について1,000g摂取をした場合ということ。それから一般食品を100g摂取し た場合、ということで検証しております。次に例外規定の説明をしましたが、これらの 食品を1日3食食事をした場合ということでの検証でございます。1回の摂取量15gを 1日3回で45g摂取すると仮定すると、例外食品45gから摂取する脂質量は最大で脂質 100 %として45gということですが、飽和脂肪酸が15%含まれているとしまして、飽和 脂肪酸の摂取量は6.75g、これはコレステロール135mgに相当、これをコレステロールの そのものの摂取量9mgと合わせまして、全体としてコレステロール144mg に相当する。 それから1日の総コレステロール摂取量は300mg以下が望ましいということでございます が、1日当たりの適正な飽和脂肪酸摂取量は15.9gということになる訳ですが、6.75gの 適正飽和脂肪酸は15.9gに対して42.5%、それから144mg の望ましいとされる300mg に 対する割合は48%ということでございます。 以上でございます。 ○小林委員長 ありがとうございました。  それでは、このコレステロールの強調表示基準について御議論いただく訳であります が、先ほど前回の議事の概要を御説明していただきましたけれども、その前提を御確認 の上話を進めたいわけでございます。中でも一番重要なことは、CODEXの基準をそ のまま適用するということ自体は、今回、例外措置を提案しているわけでございますけ れども、基準がそのまま落ちること自身は医学的・栄養学的には適正であるという御議 論が一応合意に達しているということを御確認の上話を進めたいと思いますけれども、 齊藤委員よろしいですか。何か御意見ございますか。 ○齊籐委員  それについては私も賛成でございます。ただ、他の点につきまして是非申し上げさせ ていただきたいと思います。 ○小林委員長 それでは、もしよろしければ、その前提でお話を進めたいと思います。  ほかによろしいですか。  それでは、今回商品実態というような課題がございまして、そういうことを満たす食 品はないというようなこともございまして、ただし書き以下に調整を図る御努力を当事 者を含めまして行っていただいた訳でございますが、このただし書きを設けることつい て、我々としては最大の努力だというふうに考えておるわけでございますけれども、ま ず実態の側から、あるいはそれから医学・栄養学的な視点からのお考えをちょっとお伺 いしたいと思います。浜島委員いかがでございましょうか。 ○浜島委員  ありがとうございます。ただいま御説明いただきました案で検討をいたしますと、今 回の課題になっておりますものに、表示だけは出来てもものが供給出来ないという実態 は解消出来るというふうに考えております。植物油の例でございますと、この15%とい うと飽和脂肪酸が15%、不飽和脂肪酸が85%によるところでひとつの線を引いた場合に 現実に単体の油、1つの油で供給出来るものはサフラワー油、菜種油、ヒマワリ油がご ざいます。それから、あとは分析をしながら確認をしていけば使えるのではないかとい うふうに見られているものではトウモロコシ油、オリーブ油、大豆油、ゴマ油がござい ます。過去のデータから見て、まず適用出来ないというのは米ぬか油、綿実油、落花生 油、小麦胚芽油、パーム油、これらはまともにいくと適用出来ない。ただし、15%以下 の、10%以下のこういった低いものとブレンドすることよって、一部はこういうものを 使うことが出来ますので、すべて今申し上げた油が使えなくなるという状況ではござい ませんが、今申し上げましたように、幾つかの油の選択をすることによって、この基準 を満たすものはお客様に提供出来るという形になってまいりますので、私ども業界とい たしましては、ひとつはこの線で進めていただければ目的のものが生産し得るという状 況でございます。 ○小林委員長 ただし書きという方式につきまして何とかいけるということでございますね。 ○浜島委員  さようでございます。 ○小林委員長 伊東委員の方は御意見ございませんか。 ○伊東委員  浜島委員の御意見とほぼ同じなのでございますが、ひとつは前回申し上げましたマヨ ネーズドレッシングのように少量のものと大量きものというのが同じ基準でいいのかと いうようなことも、今回ちゃんと考えていただいていますので、その点非常にありがた いというふうに思っています。 実際はアメリカですと、マヨネーズの1食当たりの摂取量が15g、ドレッシングでは 30gになっていますが、日本ではマヨネーズ、ドレッシングとも1食当たり15gが普通 ですので1食当たりの量が15g以下であれば何とかそれに沿ってやっていけるのではな いかと思っています。現在業界では、この種の製品が2種類出ているのでございますけ れども、この特例というのが御承認いただけるということなると、その一方は助かるん ですけれども、一方は脂肪酸の部分で問題がありますが、これは何とかこれに入るよう に油を代えていくとかいうことで出来る範囲じゃないかというふうに思っていますので これを認めていただければ業界としては非常にありがたいというふうに感じております ○小林委員長 ただし書きという方式、内容はこれから御議論いただくということにしまして、ただ し書きということで何とか少しでも飽和脂肪酸を減らすという趣旨に基づいた方向が得 られるという調整の努力をしていただいた訳ですけれども、専門の先生方そういう方向 づけでよろしいか。それから、齊藤委員の方から何か御意見があれば伺っておきたいと 思いますがいかがでございましょうか。 ○中村委員  私は基本的には、例外事項というのは置くべきものではないんじゃないかというのが 原則です。ただし、前回のいろいろな御討議の上で、ある程度そういう方向に持ってい った方が国民の栄養、その他にも比較的害はないし、おつくりいただく業界の皆様方に もそう御迷惑をかけないということであれば、私はただし書きをつくるのはある程度や むを得ないだろう。その中で15gというのがいいのかどうか。先ほども伊東さんの話が ありまして、もうちょっと多いものもあるだろう。この辺が15gでいいのかどうかとい う点がひとつ、皆様方で御了解をいただかないといけない問題かというふうに思います けれども。 ○小林委員長 ほかの委員の方はいかでございましょうか。 ○齊籐委員  前回はやむを得ない行事が組まれていまして欠席をいたしまして申し訳ございません でした。その時もそうだったんですが、多くの消費者の声と消費者団体の幾つかの団体 の方の御意見を伺うことが出来ましたので、その方々の意見を代表して今日はお話しさ せていただきたいと思って参りました。 ただし書き、例外規定を入れるということはやはり非常に大きな問題だと思います。 この規定の中に、例えば今回の脂質の栄養基準にありますようなノンオイルドレッシン グのような規定がありましても、実際にこういうパンフレットを持っている人というの は少ない訳でして、一般の多くの消費者は、ただし書きがあるかどうかということは分 からない訳なんです。ですから、このただし書きを付けるに当たっては慎重にしなけれ ばならないと思います。それと強調表示、この場合には「無」と「低」についての絶対 表示基準について、議事録の取りまとめに書いてありますように、前回多くの人は相対 表示でいいのではないか。絶対表示をどうしてもつけなければならないものかどうか。 お醤油なんかは何%カットとか、そういう相対表示でやっていますので、ほかの食品に はこういう特例を認めていないということがありますし、この脂質に関してだけ特例を 認めるということについて、特に先ほど課長がお話になられましたように、今脂質の問 題は国民の非常に大きな問題だと私はとらえておりまして、特に皆様御存じでいらっし ゃると思いますけれども、国民栄養調査で各年代別でとってまして、各年代別にとるこ とについては、私が委員になり初めのころ主張いたしまして、ようやくやめてから実現 したという経緯があるんですが、今年から出ているんですけれども、これを見ますと、 コレステロールに関して見ますと、境界域のものが男女とも23.4%いる。ですから、き ちんとした基準を出して、その判断材料がきちんとして自分で分かるように、厚生省と してはそういう姿勢を出してほしいと思います。  それと、コレステロールについては高齢者の方が多いようなんですけれども、もう一 つ非常に心配なのは次の問題についての時にお話ししようと思っているんですが、脂肪 のエネルギー比、それが若い人がものすごく危険域に入っているんではないかと私は思 っているんですが、そのような非常に大きな問題がこの根底にはあるということをこの 審議会では一番根底に据えてきちんと襟を正した姿勢でいかなければならない。先ほど 申し上げましたように、特例を設けると同じように塩分についても問題があるわけで、 そちらの方はその範囲内でやっているわけですので、脂質に関しても相対表示でいいの ではないか。何も絶対表示にするために特例を設けるように私には見えるんですが、表 示に関してはきちんとした基準に従ってほしい。それとCODEXの基準が出ています ので、日本人に合わせたということも大事ですが、これからの食生活傾向が欧米化する のではないかということも踏まえて、将来的な視野も含めて考えてほしいと思います。 ○小林委員長 ただいまの御意見でございますが、これにつきまして御意見ありましたらお願いしま す。 ○浜島委員  ただいま相対表示が出来ないかというお話を承った件についてひとつ申し上げたいと 思います。  相対表示は今日も出てますが、ある基準をクリアすれば、それで相対表示出来るとい うことになってまいります。例えばコレステロールが300mg あっても500mg あっても相 対表示というのは20mg減らせばそれは出来る訳ですから、非常にコレステロールの多い のも、あるいは飽和脂肪酸が非常に多いものでも一定量を減らせば相対表示が出来る。 今度お話ししている、今問題になっているものは、コレステロールは現実にゼロである 「無」の基準を十分満たしている。飽和脂肪酸も健康的・医学的に見て15%の飽和脂肪 酸、あるいは85%の不飽和脂肪酸という構成比率のものが、果たして国民の健康生活の 上に、そういうものに対してコレステロールゼロという表示をした場合に、これは明ら かに健康に害になるということであれば、これは問題があるわけですけれども、私ども としては、不飽和脂肪酸が85%、飽和脂肪酸が15%で、コレステロールがゼロ、こうい うものについてははっきりとコレステロールがゼロということをうたっても飽和脂肪酸 による弊害も起こり得ないというふうに考えるので、むしろ、その方が消費者にとって も分かりやすいのではないか。繰り返しになりますけれども、たくさん入っているもの でも同じ表現で相対表示するというのは必ずしも好ましくない。  更にもう一つ申し上げると、比べる相手が植物油の場合ですと、例えばコレステロー ルで見た場合に20mgもともと入ってない、そこを減らすということになるとマイナスの ものをつくれということになってきますので、コレステロールの相対表示値においてマ イナスのものをつくる訳にはいきませんので、現実問題コレステロールを減らすという ことが相対表示の中では出来ない。したがって、比べる相手が動物脂と比べて、この植 物油はラードと比べてコレステロールが低いですよとか、飽和脂肪酸が低いですよとい うことを申し上げること自身が果たしていいのか。相対表示の相手をどんどん拡大して きますと、結果的には何かと比べては相対的にこれが低いというふうになってくると食 品業界、あるいは消費者の方にとっても、いわゆる相対表示が濫用されてくる危険性も あるのではないかというふうに考えます。後段についてはちょっと蛇足になりますけれ ども、前段の部分につきましては、医学栄養的に見て、むしろ不飽和脂肪酸が85%のも のがコレステロールゼロで、果たして表示したら問題があるかというところが一番の大 きな観点になってくると思いますので、その点を踏まえて私どもとしては、是非こうい う形で皆様方に分かりやすい商品を提供していく方がいいのではないか、このように考 えた次第でございます。 以上です。 ○小林委員長 専門の方の先生方の御意見はいかがでございましょうか。 ○中村委員  私も基本的には全体表示がひとつの基準になるべきであろうというふうに思います。 それから派生して相対基準をつくっていくというのはいいかもしれないのですが、やは り相対としますと、何をスタンダードにするのかというのがいつも問題になるわけで、 それから浜島さんの話にもつながっていくわけですけれども、必ずしも国民の健康に相 対表示が絶対表示よりもメリットになるという証拠は僕はないのではないかと思います むしろ、基本的には絶対表示というのがどうしてもベースにあるべきではないかという ふうに思います。要はこの議論は、あくまでもどういったカテゴリーをつくっても、そ れは国民の栄養上問題にはならない。むしろ虚血性の心臓病なども減らしてくれるとい うメリットを持ったものであればいいわけですから、それに応じたより最大公約数的な ものは、相対表示よりは絶対表示の方が有用性が高いのではないかというふうに思いま す。 ○板倉委員 例えば高脂血症の患者さん、あるいは動脈硬化の予防のために患者さんに食事を指示 したいという場合には、なるべくコレステロールが低いものを選んでほしいという場合 には、1つは絶対表示があって、低い食品が選べるような表示というのが必要ではない かなと思っております。もう一つは卵のようなコレステロールの多い食品についても、 患者さんにとってある場合は摂取してほしいということがありますので、そういう場合 には、同じ卵の中でもコレステロールの多いもの、あるいはそれを低減したものという 相対表示が必要になってくると思いますので、これをうまく使い分けられるようなこと が分かりやすく出来ることを、むしろこれから考えていった方がいいのではないかと思 います。  それから、ただし書きについてですけれども、コレステロールについては、やはりた だし書きは必要ないと思いますが、飽和脂肪酸の場合には、特に植物油の場合には飽和 脂肪酸が、例えば15%以上含まれていても、不飽和脂肪酸その他の成分でコレステロー ルを必ずしも上昇させないということがありますので、飽和脂肪酸についてはただし書 きのようものをつけても健康上は問題ないのではないか。コレステロールについては食 塩と同じように、やはりそのただし書きは付けない方がいいと考えております。 ○五十嵐委員  今お話になったように、結局コレステロールについては絶対量でいいと思いますが、 飽和脂肪酸につきましてはほかとの絡みがありますので、15%以下という条件さえ付け れば、そういうことは全部抜いて飽和脂肪酸だけが悪いというふうになっていますが、 プラスになるものも食品の中にはあるわけですから、そういうものも考えあわせると、 こういう基準がつくのは問題はないんじゃないかと思います。 ○小林委員長 一般の消費者の方々がいろいろ脂肪のとり過ぎということに関して御心配になるのは よく理解できるわけで、齊藤委員の御意向も、その点で私も非常に分かるんでございま すけれども、今求められていることは、どのような方向で示すことは現状を改善するこ とに役立つかという方向というふうに私は理解しております。それには少しでも従来何 も表示していないものを摂った方が少しでもそれに近い方向にいけるんだというような 表示があったら、それは現実に合わせて進めていくのがいいんではないかというような 意向を持っておりまして、確かに今度の国民栄養調査でも、大体年齢別の脂肪の摂取の パーセンテージを見ますと、確かに若い人の方が高いというのは予想どおりの事実でご ざいます。ただ、基準自身が若い人は成長のためのエネルギー要求ということで、今は 17歳以下は高めの脂肪摂取パーセンテージで、したがって飽和脂肪酸もそれに比例して 高め、エネルギー供給という立場からは成長期のエネルギーサポートということは必要 だということで、その辺は少し違う訳でありまして、そんなことも一応念頭に置きなが ら、平成7年のデータが出たばかりでございますから、その動向を注意して見ながら、 やはり現実に対応していった方がいいんじゃないかというのが我々の考えです。そうい うことで、ここはひとつ、これをもって従来からの前進だという御理解をいただければ ありがたいと思っておるんです。 ○齊籐委員  やはり強調表示よりも、きちんとそのものにどれぐらい入っているかということを書 くことが非常に大事だと思うんです。今後、栄養指導を国民に普及していく段階におい ても、それを是非お願いしたと思うんですが、ただ今多くの人たちは大きな「ノン」と か「低」とか、そこにまず目がいっていますけれども、そうではなくて、本当はその中 にどれぐらい含まれているのか。そういうことの方が非常に大事で、これからそれを基 本にした個人個人に合わせた摂り方、そういうものを普及していく必要があると思って いるんです。それが多くの人たちに有効である。  それで、このただし書きに15g以下と表示するものであってとあるんですけれども、 今回これはどうなるか分かりませんが、こういうことが決められてあっても、非常に実 効性が薄いんです。小さく書いてあったり、どこか隅っこに書いてあったり、そうする と、これが非常に重要なポイントであるにもかかわらず、実際にはそれほど働かないと いうふうなこともままありますので、そういうことも是非重視してほしいと思うんです この前の会議の資料をいただきました時に、コレステロール及び飽和脂肪酸の試験結果 を見せていただきますと、絶対表示がしてあるのはマヨネーズと卵です。マヨネーズタ イプというのはマヨネーズでしょうか。 ○伊東委員  いえ、マヨネーズではございません。 ○齊籐委員  マヨネーズタイプの何でしょうか。 ○伊東委員  正式に言いますと半固体状ドレッシングです。 ○齊籐委員  今おかしな食べ物、御飯にマヨネーズをかけるとか、私も若い子供がいるものですか ら、いろいろ話を聞いてみますと、私などはとても考えられないようなものをおにぎり の中に入れてみたり、御飯にかけてみたり、そして15gはどれぐらいかと彼らは把握し ていないままに、今のはドレッシングとおっしゃいましたけれども、マヨネーズの場合 にはそういう使い方をしている現状ですね。 ○小林委員長 中村委員から御提起ありましたように、一応ただし書きをという形で、これをクリア した場合になりますが、中身を検討してみようということでしたら、その数値をどうす るかという問題について御議論いただきたいと思っておりまして、数値の問題に入って よろしいですか。 ○中村委員  齊藤さんの御意見は本質的な問題ではなくて、表示をいかに皆さんに分かってもらえ るようにするかということですから、基本はこの数字がこれでいいのかどうかというこ とを御審議いただくことが本質じゃないかというふうに思います。 ○小林委員長 それで、その数値に関して御議論がありまして、この数値は今盛んに話題になってお りますサービングサイズという発想が背景にある訳でありまして、米国などではサービ ングサイズという形をいろんな方面で取り入れていっているわけで、日本も必要だとい う議論が個別的には既にある訳でございますけれども、そういうものが今後栄養教育の 場でどのようにいかしていけるかということとかかわりのある問題が私はあると思いま す。中村委員の方は今の15gという考え方に関して具体的に御意見がありますか。 ○中村委員  15gが一般的な量として妥当性があるのであれば、僕はそれでいいものだというふう に思いますけれども、ある場合にはもうちよっと多いものも出てきやしないか。 最終的にこれが決まったら、みんな15g以下である程度計算出来るようにしようという ことであれば、またそれは別です。 ○小林委員長 私はむしろ一応そういう方向がいいんじゃないかという気がするんです。 ○伊東委員  マヨネーズですと、確かに先ほど齊藤委員からお話がありましたように、御飯などに かける時は、15gをちょっとオーバーするようことがあるかも分かりませんが、通常使 っている限りにおいては15g以上になるということはないと思うんです。これはどうい う根拠で出したかと言いますと、結局100 名ぐらいの通常の消費者の方を集めましてサ ラダをつくりまして、それにかけていただいて、その量をチェックしまして平均値とい うことで出したのが大体12gぐらいなんです。15gというとそれよりちょっと多目にな っておるんですけれども、そういう形でドレッシングを見ますとマヨネーズよりちょっ と多目の20gということなんです。だから、現状ということでいけば、15gでいいのか なという感じはしているんです。 ○小林委員長 事務局の方は何か量的な件に関して御意見がありますか。大体そのような当たりが常 識的な線だろうということですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 齊藤委員から御指摘がありましたけれども、その1食分の15gというのはどれぐらい あるのか。そこら辺をまず情報として、もし浜島委員あるいは伊東委員の方でお持ちで あれば、それを御披露いただきたいと思います。仮に、もう一つお話にありました、こ れが基準になれば、必ずそういうふうに表示をされることは間違いありませんというこ とがございます。  それと、栄養指導の話もございましたけれども、栄養表示をしている食品で100g当た りとか、100ml 当たりというよりは、1食分当たりで栄養表示をしてきている食品とい うのはかなり増えてきていると思います。ですから、こちらもそういうふうな流れにな るのかなと思います。それと栄養指導で、要は強調表示の部分じゃなくて、一般表示事 項として必ずどれだけ入っているんだというところをまず見てくださいという話、これ は地域保健・健康増進栄養課の方と連携して進めないといけない話ですけれども、例え ば日本栄養士会、栄養士さんの団体でありますけれども、そちらの方の機関誌ででも1 月号で栄養表示基準の特集をしていただいておりまして、その中で、まず強調表示、売 りの文句に惑わされないで一般表示事項を見るように御指導くださいといったようなこ とも私どもからお願いしたりしております。 ○伊東委員  現状はマヨネーズ関係ですと、栄養成分はすべて1食当たりの表示になっておりまし て、15g当たりで表示しております。ドレッシングは従来は100g当たりとか、100ml 当 たりの表示が多かったんですけれども、最近1食当たりの表示に変わってきておりまし て、大体6割から7割が1食当たりということで表示されていると思います。ドレッシ ングの方も1食当たり15gということに現状はなっております。 ○浜島委員  私どもの方の業界も、室長の方から名前が出ましたので申し上げますが、食用につき ましては、今基本的には100g当たりの栄養表示をしておりますが、ワンサービングいわ ゆる1回当たりの使用量ということも現実にはやられておりまして、その際には14gと しております。したがって商品としては100gという表示をされたものと一部14gで表示 されたものが市場には出ているわけでございます。  14gの根拠につきましては、今日本にございます料理の本が大体1回当たり大さじ1 杯3人分ぐらい使うということでございまして、私どもは必ずしも1人が1回に食べる というよりも、皆さんがお使いになる時に一番分かりやすい量ということでワンサービ ングを出しておりまして、この辺で14gということになっております。料理は毎日使う 場合もあるし、朝夕使う場合もある。あるいは1日抜ける場合もあると思いますが、そ の際もう一つ参酌していただきたいと思いますのは、国民栄養調査によりますと摂取量 でございますけれども、古いデータですが、これは前回お出ししてある資料でございま すので、それに沿ってお話ししますと、植物油脂の場合は、1日当たり日本人の平均で 10.2gというふうになっていると思います。そういう形でございまして、この量が既に この調査の時もエネルギー比で25%を少し超えているということを言われている時でご ざいますけれども、この量がだんだん増えていくかどうかということについては先ほど 来御議論になるところで、これはまた別の議論じゃないかなと思っておりまして、現在 国民平均で10.2gの植物油を摂取しているという状況、それから1回当たりが、仮定と して先ほど申し上げましたように14gというのを使っている状況から見て、油脂が非常 に多く使われる状況というのはまずない。それからもう一つは、コレステロール等を気 にされる方は油脂の総摂取量もかなり気を配っていらっしゃる。国民栄養調査を更に大 幅に上回って、2倍も3倍も食べる量というのはまず考えられませんので、そういう点 からいきますと、この15gの設置という基準は、私どもとしてはある程度妥当性がある のではないか。このように考えておりまして、まずこれを大幅に超える状況というのは 考える必要がないのではないかというふうに判断しております。 以上です。 ○小林委員長 いろいろ御議論が出ました。今までの御議論に対して、そのほかに御意見いただけれ ばと思います。 ただいま御指摘いただきました懸念等も、表示の具体的な運用の面からカバーしてい けるんじゃないかという事務局からの話もあります。そういう方向でもって御努力いた だくということを、今後とも公衆衛生審議会等を通じまして見守っていくという方向で これを双方の側からいろいろ御尽力をいただいた、かつCODEXの案に協調を図ると いう立場から御尽力いただいた訳でございまして、一応当委員会としましては、御尽力 いただきました事務局案を、ここで合意に達したということにしたいと思いますが、よ ろしいでしょうか。 ○齊籐委員  脂質だけを特例を設けるということは、この栄養表示基準全体の中でどうなんですか ○竹下新開発食品保健対策室長 前回御議論いただいていると理解しているんですけれども、冒頭齊藤委員、それから 中村委員もおっしゃいましたように特例というのは出来るだけつくりたくない。それは 勿論基本としてあるわけでございます。ただ、相対表示でどうだろうかという御議論は 先ほどもございましたけれども、栄養表示基準の目的とするところは、健康を考える消 費者に資する情報を科学的に正しいものであれば出来るだけ提供するようにしたいとい うことなんですけれども、CODEXの基準をそのまま持ってくることだけでは、食用 油あるいは油脂をたくさん含む食品については表示は出来ない。また、相対表示も必ず しもいい形では出来ないというふうになりますと、そういったものについての表示は、 消費者に情報は提供出来なくていいのか。そこがポイントだったと思うんですけれども 御議論いただきました中で、特例という形をつくりながらも、医学・栄養学的に見て、 これは適正であるというものであれば情報を提供してもいいのではないかということで 特例の案をつくらせていただいたということでございます。  今回のこの案についてはサービングサイズの考え方を一部取り入れております。私ど もの基準というのは、サービングサイズの基準というものによっていないものですから 到底その基準だけではこういう食油とかいろんなものは入ってこれない。基準はつくり ようないということなんですけれども、ただ、どうしてもそういうことについても情報 提供をしたいということになりますと、こういう考え方にならざるを得ないということ で、これは私どもとしてはやむを得ないんじゃないかと思っております。  それともう一つ、これは1回目の会議で齊藤委員からも御指摘があった日本もサービ ングサイズを考えたらどうですかというふうなことがございましたけれども、ちょうど CODEXでも従来の基準は基準として100gあるいは100ml 当たりの基準をつくりつつ ある訳です。その低い方が既に出来て、高い方もまたこの後出来ることになっておりま すけれども、それと合わせてサービングサイズについても検討しようという流れになっ てきております。ですから、そういった議論にも参加しながら、あるいはそういう状況 を見ながら、我が国においてもサービングサイズというふうな基準がつくれるのかどう なのかというのは、また考えていきたいと思っております。ですから、今までの体系か らいうと少し枝葉をつけるような形になりますけれども、それも消費者のためというこ とであれば、将来的にサービングサイズの導入も議論になるといったことなども考えつ つ、よりよいものになっていけばというふうに考えているわけでございます。 ○小林委員長 そういう方向で、これから少しでもこの問題に関してより理想的な方向に進めること が出来るということで、これを御確認いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか ○堺食品保健課長  もし仮にそういう方向だとしましたら、報告書案がありますけれども、例えばそれに 齊藤委員がおっしゃった分かりやすい表示とか、表現は別としまして、よく分かるよう なやり方をするようなこと、あるいはそれについてよくみんなに分からせるような努力 とかというようなもの、自分で言って自分にかかってくることはおかしいんですけれど も、そのようことも加えて報告書というのをつくればいいのかと。これだと木で鼻を括 ったようなことで、この議論が余り生きてこないのかなという気がします。 ○小林委員長 表示方法の運用を今の方向で努力することと、それからそれを用いて栄養教育なり、 方向づけをしていくという2点につきましての御提案だというふうに考えます。それを 是非取り入れて最終報告案にしたい。そういうことでよろしければ、そうさせていただ きます。 ありがとうございました。 それでは、事務局案を確認いただいたということにさせていただきます。 次の問題のノンオイルドレッシングの取り扱いでございます。これは脂質が「無」の 基準につきまして特例を設けたノンオイルドレッシングの評価ということでございます いろいろ前回の委員会でも議論いただいておりますので、先ほどの例に従いまして、確 認の意味で事務局から概要について簡単にお願い出来ますでしょうか。 ○事務局(古畑)  お手元の議事概要がありますが、その2ページ目をお開きいただければと思います。 「ノンオイルドレッシングの特例の取扱いについて」ということですが、ノンオイルド レッシングの認識につきましてでございます。ノンオイルドレッシングとは油脂が全く 入っていないと理解されている。ノンオイルドレッシングについては業界の自主基準で 食用油を使用しないものと規定され、かつ脂質の分析値が3g以下のものとされている ノンオイルドレッシングについては既に消費者のニーズも高く定着している食品である と思われるとのことでございます。 次のノンオイルドレッシングの医学・栄養学的な観点からの評価につきましては、医 学・栄養学的には肥満、糖尿病等の生活習慣病は脂質の過剰摂取と関連があることから 脂質の摂取量を減らそうとする人には分かりやすく、かつ食品選択出来るように表示す ることは意義があることと考える。日本人の脂質摂取量は増加傾向にあるが、最近の5 年間の実態から、脂質摂取量の増加量は1g程度である。また、国民の適切な脂質摂取 量に占めるノンオイルドレッシングの脂質摂取量の割合は約2%に過ぎない。だから問 題はないのではないかとのことでございます。 以上でございます。 ○小林委員長 そのような議事内容だったと思います。これを踏まえまして脂質の「無」の基準、特 例を設けた訳でございますが、ノンオイルドレッシングの評価について、報告書案を事 務局より説明していただきたいと思います。 ○事務局(古畑)  それではもう一度、資料1のページでいきますと5ページ目を開いていただければと 思います。  大きなIVでございます。脂質の「無」の基準(100g当たり0.5g未満) において特例を 設けた「ノンオイルドレッシングの基準(100g当たり3g未満) 」の評価について。 ノンオイルドレッシングについては、関連業界の自主基準において食用油を使用して いないものと規定される。脂質の含有量について、当該食品100g中3g以下とされてお り、一方既に消費者のおける認知度も高く、消費者の間に定着している食品であると考 えられる。  一般にドレッシングの中には脂質が100g中37gから40g程度含まれている。これに対 しノンオイルドレッシングは0gから2.4g程度であります。ノンオイルドレッシングを 使用した場合に1日当たりの脂質の摂取量は0.9g程度であると推測され、適正であると される一日当たりの脂質の摂取量55.6gに占める割合は約2%に過ぎません。このよう な状況を踏まえますと、脂質の「無」の基準(100g当たり0.5g未満) において特例を設 けた「ノンオイルドレッシングの基準(100g当たり3g未満) 」については、医学・栄 養学的観点からも直ちに見直す必要はないものと思われる。 以上でございます。 ○小林委員長 ありがとうございました。 齊藤委員から、消費者の立場から御意見があるかと思いますが、どうぞ。 ○齊籐委員  これにつきましてはほとんどの人がおかしい。ほとんどの団体、ほとんどの一般消費 者がおかしいのではないかと。原材料に油脂を使っていなくても、ゴマなど、またはク リーミーとか、この前の資料に出ていますが、そういう油脂成分を添加している。 結果的には脂質が上がっている訳ですから、やはりノンオイルというのはおかしいので はないか。結果について妥当性がないので、これは是非基準内でおさめるにようにして ほしい。この前いただいたのを見ていますと、ゴマとかを使用したものが高くなってい ますよね。ほかのシソとか、ユズとか、そういうものは基準に適合している訳です。よ く見てみましたら、ゴマを使っているのでも0.5 というのはある訳です。そうするとも う一息で0.5 以下になる。もしどうしてもゴマをお使いになりたければ、こういう努力 もすれば出来るのではないか。  それと、きちんと表示と中身が一致しているということは非常に大事なことだと思う のです。これも先にノンオイルというのが農林水産省の品質表示で認められていて、今 回厚生省の基準がつくられた。そこでこの問題が起きたんだと思っていますけれども、 ネーミングで中身をイメージします。ノンオイルと言ったら結果的にオイルは使ってい ないんだと多くの人がとらえる。最近は成分を見る人も多くなってきましたから、それ を見たら、「あら、油が多いんじゃないの」と、そのネーミングと中身が一致しないの ではないか。そういうことも多く出てくることになりますので、信頼性を高めるという 点も非常に大事なことではないかと思います。信頼性がなくなりますと、よく見るとい うことにおいてはその方がいいかもしれませんけれども、多くの人たちはそのように考 えています。  また、多くの人が加工食品の表示に不満を持っています。日本生協連の調査によりま すと、栄養・カロリー表示、添加物表示、原材料表示、原産国表示の仕方や内容に不満 を持っています。低カロリー食品など健康の維持・増進を目的としたいわゆる新食品に ついて農林水産省食品流通局が全国主要都市主婦1千人を対象にした調査によりますと 低カロリーなどをうたった食品で購入経験が多い、しかし、一方では信頼性に不安を感 じている人が6割以上に上っている。現在の情報に対しては、「イメージ情報が先行し ている」とする人が72.2%「情報の信頼性に不安がある」67.6%「用語・内容 が理解しにくい」55.1%と不満を抱いている人が多い。多くの人はそのように答え ているということですので、前後して非常にお気の毒ではあるんですが、不適合を全部 直すという訳でなくてもいいんですよね。大幅に不適合のものもありますし、すれすれ のもありますし、その辺をゴマの量を少なくするなり、この際、努力をされて是非改善 していただくわけにはいかないかなと。これを見まして、お互いのためにはその方がい いんじゃないかと思いました。 ○伊東委員  確かに数量的に申しますと、ゴマを使っていないというのが圧倒的に多いんですけれ ども、販売量からいきますと青ジソというのが一番大きくて、次がゴマで、それで二分 しているような形なんです。それと最近の傾向としましては、よりおいしいものという のが求められる傾向になってきていまして、ナッツを使ったものとか、木の実を使った ものとか、原料に油脂を含んでいるというものが多くなってくるだろうということが予 測されますので、そう単純に数でゴマだけというふうにも割り切れない部分もあるんで す。それが1点。  この基準をつくった時に、サービングサイズ的な考えというのがあったんです。「ノ ン」という1つの基準として、油脂でしたら0.5 でいいんじゃないか。100g当たりにし ますと1回当たりの摂取量が15gですから、その6倍で3gちょっとになる訳ですが、 そういうことから3gというのを決めた経緯というのがあるんです。この前中村先生か らも御指摘いただいて、おかしいじゃないかということで、そう言われると確かにその 部分はあるんです。多少なりとも含まれている部分があります。ただ、1回当たりの摂 取量ということからいきますと、一応0.5gというのは無視出来るから100g当たり0.5g になっていると思いますから、0.5gという基準で一応「無」ということでよろしいんじ ゃないかということで検討したいきさつというのはあるわけです。 ○齊籐委員  そうしましたら青ジソとか、その他おろし、そういうのは「ノン」とか、そういうの をお使いになれるわけですよね。ゴマの方については控え目とか、「低」とか、そちら の表示の方に移行して、「ノン」からは外して。 ○伊東委員  量的にみて、控え目という量じゃありませんよね。例えば通常品に対して10%少ない とか、20%少ないとかは控え目ということになるのだと思います。通常のドレッシング は、先程も申しましたように油脂含量35%がJASの基準になっているわけでございま す。それに対しノンオイルドレッシングの油脂含量は3%以下ですので控えめとの表現 はふさわしくないと思います。 ○齊籐委員  何かほかの表現方法をお考えいただくとかは。 ○伊東委員  一応前回特例をお願いした時に、ひとつの考えとしてサラダ油無添加という方法はあ るねというのが業界の話としてあって、一応相談させていただいたのですが、それでは トータルの表示は好ましくないという御意見だったものですから、一応サラダ油無添加 のドレッシングということで出来ないかという御相談はしたんです。だけれども、これ はそういう表示を認めると、またほかにどんどん広がっていくという部分もございます ○齊籐委員  品質表示の方はドレッシングというのは油を使っているわけじゃないんですか。ドレ ッシングタイプというのは。 ○伊東委員  ノンオイルはドレッシングタイプになるわけです。 ○齊籐委員  タイプの方ですね。 ○伊東委員  そうです。ドレッシングとは別の範疇になります。 ○齊籐委員  ドレッシングというのは油を使っているわけですね。タイプ調味料の方ですね。だけ れども、ノンオイルドレッシングとなっているわけですね。何だかちょっとごちゃごち ゃと矛盾しているような、ネーミングの問題で、今回じゃなくて前の段階で混乱してい るんじゃないかと思われる節があるんですよね。 ○中村委員  これは確か前回にも私申し上げて、ノンオイルというのか、ローファットと言うか、 ファットフリーというか、むしろ、その方が正しい言い方なんではないかというふうに 申し上げたんですけれども、「ノンオイル」という言葉が既に先行してしまっている。 一般的にも広まってしまっている部分から、これをむしろ医学的な意味でガードをつけ てあげるということが必要なのかという印象を前回の議論の後で感じた訳です。その時 に、私ひとつの例を出したと思いますが、リノール酸だけのピュアな脂肪酸で、例えば 3g未満を食べた時にコレステロールはわずかに下がると思うんですけれども、逆にパ ルミチン酸とかミリスチン酸だけのピュアなものを3g食べる。若干あるかもしれない んですが、でも実際には普通の油でそんな構成をしているものは普通はあり得ない訳で すので、実際にそうなるとリノール酸にしろパルミチン酸、ミリスチン酸にしろ、1g を割った量になってしまうとすれば、血清の脂質という観点から見れば余り問題はない だろう。上げもしないし、下げるもしないということに脂肪の面からは言うことが出来 るんではないかというように思ったんです。そういう意味では3g未満というのは、あ る程度の医学的な根拠として与えられ得るものかもしれないというふうに思います。 ○小林委員長 3g未満という医学的根拠と、今の名前が先行している実態と、その辺の流れの問題 になっていると思うんですけれども、ほかの委員の方の御意見を伺っておきたいと思い ますがいかがでございますか。  要するに、この問題は医学的・栄養学的といった視点からは、これまでの議論があり ましたように、3gという線で実態的には説明ありましたようにパーセンテージという のは非常にわずかです。これまでの先行したネーミングを急に変える方向が無理だった ら、当面、医学・栄養学の観点からは見直す必要がないということで話を進めてはどう かという、そういう原案の話だったと思いますが、それにつきまして御意見をいただい ているわけでございますが、その辺は齊藤委員としてはいかがでございましょうか。 ○齊籐委員  先ほど申し上げましたように、私は相当多くの人の意見を伺いましたが、やはりこれ は妥当ではないというのが全員でございますことをお伝えしたいと思います。やはり正 確さに欠ける。栄養学的にそうであったとしても、表示という面から考えますと強調表 示、これは妥当ではないとほとんどの人が考えているということを是非お伝えしたいと 思います。 ○小林委員長 板倉委員どうぞ。 ○板倉委員 この文章の中で、「すでに消費者における認知度も高く、消費者の間に定着している 食品であると考えられる」という点が、ノンオイルドレッシングの表示が、脂質がない ということと違って、ひとつの製品として独立しているということで、商標のような形 で認知されているような感じがするんですけれども、確かに栄養学的にはほとんど影響 はないと考えて、脂質が「無」の内容を表示するかということと、いわゆる商品名とし てノンオイルドレッシンググループということを、本当は区別して消費者の間で理解さ れればいいんですけれども、内容の脂質がほとんど「無」ということと、ノンオイルと いう言葉が先行して、その間の混乱が、今のところ消費者をある意味では惑わす、ある いはごまかしているという点が問題あるかなと思うので、その辺をうまく解決出来れば 一番いいと思うんです。 ○小林委員長 事務局の方は何かその点からコメントございますか。今のノンオイルドレッシングの 先行した実態との関係でどのように方向づけしたらよろしいかという話になるかと思い ます。 ○竹下新開発食品保健対策室長 栄養表示基準上の強調表示基準で「無」の基準の定め方を3つ先ほども御説明してお りましたけれども、1つは定量下限である。1つは医学・栄養学的に意味のない量、そ れと国際基準を勘案してということで、医学・栄養学的に考えると問題ないということ であれば一応基準は満たしてはいるわけでございます。高いわけですけれども、「ノ ン」と言いながらノンではないわけですが、その他の栄養成分の「無」の基準のものも 必ずしもゼロではなくて、医学・栄養学的に意味がないというもの以下ということで一 応入っていることは入っているわけです。ただ、今回は特例ということで0.5gに対し て3gというふうに高くなっているという状況でございます。ですから、特例を見直す べきだということであれば、まだ御議論いただきいんですけれども、医学・栄養学的に どうかという意義からお考えいただいておりますのは、消費者に適切な情報を提供する という時にどれだけ入っているかということは勿論あるわけでして、その量が適切であ るのかどうかということで御議論をいただいてきたと思うわけでございます。その観点 で今回当面という形でやむなしとしていただけるのか、あるいは表示としては、これは おかしいんだから見直すべきとしていただくのか、それは私どもでリードをさせていた だくということではないと思います。 ○小林委員長 基本的には、これは反論の立場からも考えておかなければならないので、医学・栄養 学的に問題がないのだったら、なぜそういう結論になるかということに対する反論も一 応考えておかなければなりませんので、そういう両面からここで議論をいたいているわ けでございます。齊藤委員何か御意見ございますか。 ○齊籐委員  医学的に問題がなければ、この基準に従わなくてもいいのかということになると思い ます。 ○竹下新開発食品保健対策室長 それは基準が定まれば、当然その基準に従っていただかなければいけないということ でございます。 ○齊籐委員  その基準というのがある以上は、基本としてはそれに従うということだと思うんです ですから、特例特例で幾つもつくっていったらば、こちらは信頼性がなくなってくる。 せっかく皆さんで努力したかいがなくなるという面が含まれると思うんです。それと、 この文章にあります「消費者における認知度も高く」と、私はこれもクエスチョンなん ですよ。そういう人もいますが、そうじゃない人もいるんです。ここのところは文章は ちょっと、消費者の間に定着しているというのも、これもどこからとられて、こういう ふうなことをおっしゃるのかというふうに多くの人が思うと思うんです。あくまでも表 示というのは中身と一致しているというのが基本ですから、中身の情報を正確に消費者 に伝える。今回の栄養表示基準もそれが基本だと思いますので、そこはきちんととらえ てほしいと思います。 ○小林委員長 要は「ノン」という定義の中に、事務局からの御発言がありましたように、ある一定 の許容範囲が従来からある。その範囲として適切かどうかということが、その意味合い に込められていると思うんですけれども、その辺が伊東委員の方はどういうふうにお考 えですか。 ○伊東委員  過去にもこの場でお話ししているですけれども、食品業界の場合、どうしてもアメリ カの動向というものは無視出来ないわけです。これは原料的に見ましても、製品の輸入 にしましても、マヨネーズ、ドレッシングというのは基本的にはアメリカの方から来た ものですから、一応アメリカの基準というのを参考にして規格基準というのをつくって きたという流れがあるわけです。アメリカのノンオイルというのがサービングサイズで 0.5g以下なんです。それは一応ノンオイルと言っていいということになっているわけで す。先ほどちょっと説明で抜けがありましたれども、それを基準につくったということ で、根拠とすればそれだけでございます。 ○竹下新開発食品保健対策室長 サービングサイズ、それはアメリカの場合は業者でつくっているところが考えればい いんだということで、例えばスプレータイプの油なども、当然シュッとやっただけでは 0.5g入っているわけはないので、そういったものもアメリカでは表示が許されるという ことになっています。 ○中村委員  申し訳ないんですけれども、前に決めたスケジュールで午後決めちゃったものですか ら、これで失礼させていただくことになりますけれども、よろしくお願いします。 ○小林委員長 今の件に関してはお任せいただけますでしょうか。 ○中村委員  はい。 ○小林委員長  荒木委員何か御意見がありましたら。 ○荒木委員  ノンオイルドレッシングに関しましては、齊藤委員がおっしゃるように油が入ってい るのにノンオイル、ゼロから3gというのは幅が広すぎるという気はしますし、消費者 がおいしいものを嗜好するからナッツを入れたいというなら、これは基本的に医学的な 部分ではなくて、栄養学的に国民が知るべき栄養成分ということでいくと、ちょっと違 うかなという気はするんです。ただ、現実的に1回に摂る量が問題ないというのは、今 の時点では事実だと思うんですけれども、業界団体、皆さんのグループの中で、もしよ り少ないものを開発していこうというようなことで、3gをもっと下げるというような そういった御意見はないのでしょうか。基準が決まると、それをクリアするというよう な業界の努力というか、今までそうやってブレークスルーしてきているものがあると思 いますので、そういった方策というのはないでしょうか。今ここで3gはだめだから 0.5gでいいというのは、確かに難しい面もあると思いますし、それでは2gにしようと そう簡単に決まるものじゃないと思いますが、3gのままでずっといいかというと、何 となく違うような気がします。一旦全部が100g当たりに戻った時点で、改めて全てサー ビングサイズにということで見直すことはあるかもしれない。ですけれども、今このま ま残していいいかどうかはちょっと疑問があります。 ○伊東委員  少なくしようという、業界でそういう動きがあるかどうかということから言いますと 今のところありませんね。もう決めてしまいましたので、一応その範囲をきっちりと守 っていこうということです。 ○荒木委員  新しいネーミングの新しいカテゴリーのドレッシング風のものが出るということでは ないんでしょうか。 ○伊東委員  少なくとも我が社ということで言えば今のところございません。ただ、よそさんがど ういう動きをなさっているかというのは新製品が出るまでつかめませんので、正確なお 答えは出来ませんけれども。 ○浜島委員 必ずしも業界という話ではないんですが、今お話ししているのは、例外的にこれを扱 うかどうかということだと思うんです。栄養学的に見た場合には、この商品に限って例 外的に扱っても問題ないだろう。もう一つ基本的には、CODEXの基準から一歩でも 外れたらいけないのかどうかという議論が、消費者の観点から見れば、数字的にゼロで ないものがゼロという表示されることもおかしいとか、こういう議論だと私は理解する んですが、もともとこの基準が出来た時も暫定的にということで動いてきておりました し、社会的にも、その間ある程度、先程来、表現の問題はあるにしても認知がされなが ら並行的に進んできている中ですので、あくまでも表現の意味では例外的に、栄養学的 には問題ないという範囲で進むこと自体は、私は問題ないんじゃないかと。  それから、消費者の方も皆さん心配されているので、例外を1つ設けるとどんどんい くのではないかということなのですが、これは私の解釈で申し訳ないので、後でまた厚 生省の係の方から御説明いただきたいと思うんですけれども、ここでこの2つが解決す ると、基本的には日本の栄養表示基準は整ったという形になると思いますので、どんど ん例外が出てくるという状況ではないのではないかなというふうに理解しておりまして いわゆるこれはペンディング事項だったのかなというふうに認識しておるんですが、そ れでよろしいかどうかということをちょっとお聞きしたいと思います。 ○竹下新開発食品保健対策室長 基本的には、今回のコレステロールの追加で基準は全て出来るということでございま す。それに関連してノンオイルドレッシングは特例を設けておりましたので、齊藤委員 もメンバーでいらっしゃいました健康増進栄養部会の方で、その際に、これについても 消費実態あるいは消費者の理解、それと医学・栄養学的な観点からどうなのかというこ とで、そちらについても検討した方がいいんじゃないかということで御議論をいただい ているわけでございます。 ○浜島委員  そういう認識に立った場合に、国民全体の栄養を考えた場合、またお客さまの立場を 見た場合、これによって混乱が起きるということは考えられないんじゃないかと私個人 では判断いたしまして、そういう発言をさせていただきました。よろしくお願いいたし ます。 ○小林委員長 なるべく多くの委員から御意見を伺いたいんですけれども、五十嵐委員はこの点に関 してどうですか。 ○五十嵐委員  基準が0.5gですね。この場合に3gということなので、ただ、ノンオイルドレッシン グという名前は、お話があったみたいに油を使わないという訳ですからいい訳ですけれ ども、実際にいろんな調味料を使うことによって、大変油が入ってくる、脂質が入って くるわけですから、その範囲をどのくらいまで認めるかということが一番大きいわけで 栄養的には勿論問題はないんですけれども、基準という面で、つまり日本人の油のとり 方、例えばこれで脂質がないとした場合の逆の効果、つまり、これはノンオイルドレッ シングだけれども、油が入っています。そうすると今までのドレッシングと同じじゃな いかということで、そちらの方にシフトした場合、かえって栄養教育という面でもおか しなことになるかもしれない。ですから、多面的に見ていくと、3gぐらいは許容なの か2.5gぐらいが許容かちょっと分かりませんけれども、その程度の許容の限界だと思い ます。だから、なしじゃなくて、これをまたほかの表現をした場合には、ほかのドレッ シングの方にまたシフトした場合の逆の問題がありますから、その辺を考慮しなきゃい けないと思います。そちらの栄養教育の問題がどうしてもあるし、消費者教育というこ とも当然あると思いますが、ですから、そういうような観点で処理をしていくというこ とがどうしても実際面で出てきてしまいます。現実にはCODEXのしている数字自身 が本当にいいかどうかというのも疑問なところもあるんでね。なぜかというと、日本よ りははるかに脂肪摂取量が多い国とか、カロリー摂取が多い国のレベルで物事を全て議 論していますから、日本的な食生活のバランスからいうと、ちょっと日本に対してはか なり厳しいところがあると思うんです。すべてが厳しいという意味ではないですけれど も、油に関して言えば、かなり厳しい条件がついていると思います。先ほどのコレステ ロールの話も出てくるわけですから、当然、中に入っている油も実際に使われているの はいろいろあるでしょうけれども、中村委員が言われたみたいに、とっている量から言 えばそれほど問題がないということになれば、暫定的にこれでいくことで構わないんじ ゃないかと思います。ただ、将来いろんな意味で見直しということも必要かもしれませ ん。 ○小林委員長 欧米の方の考え方、特に脂質に対する考え方は、日本人の場合とかなり違う面が2つ の側面からありまして、より厳しく見ていこうという視点が向こうにあるということが 一方でありますし、それから今おっしゃったように、実態との調和ということで甘めに なっているという両側面があると思います。なかなかその辺が日本の実態と合わすのは と難しいのですけれども、これは伊東委員の方からは実態をすぐ合わせるというのは大 変難しいというお話がありましたし、それでも具体的基準を少し0.5gか3gかその中間 ぐらいはどうかという御意見もありますし、いろいろありまして、しかし基本的には医 学・栄養学的観点からは問題ないと、この3点に大体話が集約されたように思いますが その辺で事務局から、この問題の議論の方向に関して、もし何か御提案がありましたら お伺いしたいと思いますが、いかがでございましょう。 ○板倉委員 よろしゅうございますか。 ○小林委員長  どうぞ。 ○板倉委員  この問題は「無」を0.5 g にするか3g にするかということではなくて、こういうド レッシングで少量使う脂質は、日本人にとっては栄養学的には0.5gでも3gでも問題な いし、むしろ3gの方がいいかもしれない。したがって、ノンオイルドレッシングを 「無」と100g未満0.5gとしたら、食べる人は誰もいなくなって、それよりも3gぐらい のローオイルドレッシングであるとしたら、そちらの方が栄養学的には全くすぐれてい るかもしれないし影響がない。むしろ、そちらの方に消費者はみんな向かうかもしれな いと思うので、ノンオイルドレッシングというネーミングで消費者がみんなオイルがな いものだと思わせるような表示自体が問題で、これが健康上いいか悪いかということは ちょっと違うんじゃないかという気がするんです。 ○小林委員長  医学・栄養学的の視点というのはそういうことなんですね。そういうふうに私も認識 しております。 ○齊籐委員  これも表示の問題になるんじゃないでしょうか。ノンオイルドレッシングの強調表示 の「ノン」が該当しないので、やはり問題であるという視点だと思います。それと多く の人が、これは表示としておかしいと思っているということです。 ○板倉委員  それでいいのだろうかということは、健康上とは別な問題だと思います。 ○齊藤委員  別な問題だと思います。強調表示として妥当ではないと多くの人が考えているという ことです。それは是非お伝えしておかないと。 ○小林委員長 そこで伊東委員の御意見を伺いたいんですけれども、今大体お話は出てきたように、 要するに「ノン」という言葉の問題に尽きてしまうようなところがございまして、医 学・栄養学的には問題ないという評価でございますので、そういうことで何か修正御提 案なり、何か特に付加する御提案なりありましたらお伺いしたいと思います。  現実的には困難であるということにプラス、ここで3gという形で進むにしろ、そこ で何かこういう方向で努力する必要があるとか、そういうただし書きでも入ると1つの 方向として説得力を持ってくるというふうに思うんですが。 ○浜島委員  参考に、他業界で申し訳ないんですけれども、先ほどお話ありましたように、ノンサ ラダオイルと言えば確かに分かりやすいことはあるんですけれども、現実にそういうふ うにやりますと、サラダオイルじゃない油も実際使える訳ですから、そういう点では 「ノンオイル」というのは、オイル一般を示している面では正しいのではないかと。た だし、これが「ノンファット」だとか、「ノン脂質」ということになるといろいろ問題 があると思いますので、はっきり分かりやすいのは「ノンオイル」ということで、いわ ゆる油を使っていないということをはっきり示す意味でのノンオイルであって、脂質の 方まで含めないということは確認しておく必要があるのではないかなと思います。そう いう点ではあくまでも油を使っていないものについて、これは有効だということはひと つの考え方としていかがなものかなと思いました。 ○齊籐委員  でも、やはりオイルとして、そのオイルを使っていないと脂質の問題ではないという のは、ちょっと多くの人にとっては分かりにくいと思いますよ。よく分かっている人は それでいいと思いますが、多くの一般の国民を考えた場合には、ちょっとそれは全く出 来ないんじゃないかと思いますよ。 ○伊東委員  要はオイルを問題にするということは、栄養学的な部分からですよね。 ○小林委員長 そうなんです。商品名自体に上手に一般消費者が結びつけて考えていくためにはどう いう努力方向が必要かと、そういうことになるんですかね。 ○伊東委員  先ほど申しましたように、要はサラダオイルを使っていないということで、サラダオ イル無添加というようなことも一度考えたことはあるんですが、その方が表示上混乱を 招くんじゃないかということで、このまま残していただいたという経緯はあるんです。 ○齊籐委員  ノンオイルドレッシング、これはそもそも矛盾していますよね。品質表示基準によれ ばドレッシングというのは油を使っている訳ですよね。だからこれがおかしい。 ○伊東委員  表示上の問題でありまして、裏の一括表示のところに品名としてドレッシングタイプ 調味料と書いてあります。 ○齊籐委員  それは書いてあります。一括表示というのはとかく小さく書いてありますね。「ノン オイル」というのは大きく書いてありますよね。 ○伊東委員  ノンオイルドレッシングという表示ですか、それはほとんどやられていないと思うん ですが、ただ、こういう文書にする時には、そういう表現をしておりますけれども、商 品にほとんど表示していないと思います。ノンオイルタイプとか、そこの区別はしっか りとされているはずです。「ノンオイルドレッシング」という表示はないはずです。 だから表示上の問題は、それはおかしいということかも分かりませんが、「ノンオイル ドレッシング」という表示は少なくともないはずです。 ○齊籐委員  ノンオイルドレッシングの栄養成分、こういう時には使うわけですね。その辺自体が まず矛盾していますよね。この際ちょっとそこの辺を、または中身をちょっと努力して いただくとか何とか出来ないでしょうか。非常に多くの人が、全員がネーミングについ ておかしいと言っている。 ○小林委員長 議事をまとめる立場から、私の方から提案させていただきますけれども、なかなかこ ういう検討会で活発に御議論いただく機会は滅多にないので、大変有益な議論で、これ は今後に生きていくことだというふうに理解しておりますが、何らかの形でその辺を報 告書に反映するようなことで処理させていただきたいというふうに思います。どうして も譲れないということは、一応医学・栄養学的立場からは、ここにありますように、そ れでいいという背景がございますけれども、ここで「ノン」という言葉に問題があるん じゃないかという御意見がありますので、これは常識的に考えて、この「ノン」という ものに対して名前を改めるのが無理ならば、「ノン」というものを、出来るだけ実態を 説明してもらうということになるわけなので、ひとつその辺を文章の中で、医学・栄養 学的には問題がないけれども、「ノン」というのはこれまでの先行実態がございまして それにかかわって中身はこうなんだ。これは先ほどちょっとありますように特例ではあ りますが、こういうことでほとんど特例に属するものはクリアしたんだという事務局か らの御返事もありますことですので、これをそういう形で前例にならないということを 我々が理解したということで、その辺の精神を報告書に考慮に入れるという形で当面や むを得ず、ここでは見直し、この数値自身は見直しはしないという形で処理するしか私 はないように思うんですけれども、事務局は御意見いかがですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 適切な表示のあり方について業界としてても検討いただくということを要望していた だくのと、この問題について消費実態とかを更に勘案して、この場で終わりということ ではなくて、今後も栄養表示基準を更に充実していかないといけないと思うんですけれ ども、そういったところで厚生省はちゃんと考えていけよといったようなことを付言し ていただくということでよろしければ、そういうふうにしていただきたいと思います。 ○齊籐委員  私は当面このままにしておくというのは、私個人じゃなくて多くの人の意見を聞いた 以上ちょっと認められません。ほかの委員会も幾つか経験しておりますが、見直しとい うのはどうなるかというのは確定的ではありませんし、見通しが分かりません。再開さ れたとしてもどうなるかも分かりませんので、これが問題になった以上はきちんとした 私はまたこの次暫定という見直しはすべきではないんじゃないかと思うんですね。消費 者側の強い意見として、「ノン」というのは妥当ではないという御意見をものすごく多 くいただいてきたものですから、ここでそれで賛成でございますということはちょっと 私には無理でございます。 ○荒木委員  さっきおっしゃったCODEXのサービングサイズの検討ということ。これはタイム スケジュール的に何かお分かりになるのでしょうか。まだ上ってきただけということで しょうか。 ○小林委員長 サービングサイズの問題は食品全体にわたるものですから、御存じのとおりサービン グサイズという考え方で出てきた欧米の食生活の特徴と、日本初めアジア地域の食生活 の特徴と、サービングサイズという言葉がなじむかどうかあたりから検討しなきゃなら ない非常に根源的な問題ですので、ちょっと時間がかかると思うんです。 ○荒木委員  一方で、さっきのコレステロールの方は、1食分が15g当たり以下だったらいいと特 例的に決めましたので、こちらでドレッシングの方は、サービングサイズの考え方とい うのは考えられないというふうになるのもちょっと不思議だなという気もひとつにはし ていて、1食分当たりという考え方をどうするかというのを、我が国としても早めに1 食分とは何ぞやということを考えていこうというふうに、この場のひとつの補足事項と しては入らないものでしょうか。 ○小林委員長 それは当然なのでございますけれども、要はここでは「ノン」という言葉の定義の問 題がかかわることですので、おっしゃるような方向でものを考えていかなければならな いと思いますけれども、その御意見は御意見として伺っておくということではないかと 思います。  ネーミングという極めて一見単純に見える問題で今御意見が一致に至っていないもの ですから、その辺を当委員会としてはなるべくポジティブな方向で、医学・栄養学的に は方向づけをして差し支えないのだということを生かす何らかの形にしたいというふう に思っておるんですが。 ○堺食品保健課長 この報告書の案でいきますと、III番の「ノンオイルドレッシングについては」云々と いう最初のフレーズがありますけれども、「すでに消費者における認知度も高く、消費 者の間に定着している食品であると考えられる」。これを続けて読むと100g中3g以下 というのも認知度が高いとかというふうに読めちゃうんです。 ○齊籐委員  その文章がおかしいと思うんです。 ○堺食品保健課長  ですから、商品としては「ノンオイルドレッシング」という名前はよく耳に入ってい ますでしょう。 ○齊籐委員  認知度の高いというのは。 ○堺食品保健課長  「ノンオイルドレッシング」という商品は認知されている。よく買われているとか、 そういう意味での認知度は高いわけです。それがはっきり分かるように、ただ、それは 消費者ではどういう表現が分かりませんけれども、サラダオイルというとまた混乱し始 めますけれども、普通のフレンチドレッシングみたいな添加の仕方をしていない商品で 片方はつくっているわけです。それで基準をつくってあるわけですけれども、ただ、そ れが3g以下という、全然ゼロというような誤解も与えかねないということもはっきり 書いた方がいいと思うんです。一方、栄養学的にはこうでということもはっきり書いて あとはなかなかこれで中を納得させる道はないんですけれども、ひとつは最近の流行の 言葉を使えば企業の方で説明する義務といいますか、最初に齊藤委員がおっしゃったイ メージ優先のPRというのがありましたけれども、ノンオイルドレッシングと売ってい るこういうものですよという広報が足りない訳です。ですから、「ノン」というのは 「ゼロじゃなかったの」とびっくりする訳です。そういうのもこれから必要だと思うん です。少なくとも「消費者における認知度も高く」というフレーズは、もうちょっとは っきりと分かりやすく、誤解を招かないような表現にした方がいいと思うんです。 ○齊籐委員  ネーミングについて疑問が多い。妥当でないという意見が強いということを非常に多 くの方から意見を伺ってきたものですから是非報告書に盛り込んでほしいと思うんです ○小林委員長 「ノンオイルドレッシング」という名前が先行して、世間に広くそういう表現が伝わ っているということは事実だと思いますね。その事実を端的に申し上げたらいいという ことですね。それが3g云々という問題とは別問題だということは、その辺は内容的修 正の余地があるように思いますが。 ○堺食品保健課長  今後の検討にしても、何を今後検討していかなくちゃいけないかという問題点をはっ きりと明示していかないといつも誤魔化される。これは議事録に残るから余り余分なこ とは言いたくないんですけれども、そこら辺が曖昧のままに付いてしまうということで すから、課題とか問題点は明示して、サービングサイズの話も僕は入れるのがいいのか どうか分かりませんけれども、そういうのも入れながら、こういう問題点があるので、 今後更に検討も必要だということであれば、まだ御納得いただけるのかなと。 ○齊籐委員  こういう問題があって更に検討が必要である。このままではやはり多くの人の意見が 反映されていないというふうに思います。 ○小林委員長 それではノンオイルドレッシングの今の御議論を踏まえますと、ノンオイルドレッシ ングにつきましては、今までのネーミングが必ずしも適切じゃないという点で誤解を与 えているがということを、少なくともそれは改善努力は必要だというようなことを明示 しまして、当面医学・栄養学的には問題ないという形での話にもっていく。そういう形 の報告書の表現で、もし皆さんやむを得ないというふうに御理解いただければ、そうい うような形で、表現に関しましては今の趣旨を十分生かすような形で協議させていただ いて報告書にする。その辺は伊東委員の方も御理解いただくというような形で当面認め させていただけますか。今の御議論の趣旨の、要するに先行してしまっている名前にい ろいろ問題があったんだということを浮き彫りにするという形の報告書にして、結論は 医学・栄養学的には問題はないんだというような括りで終わる。そういう報告書の様式 にしてまとめさせていただくということでよろしければいかがでございましょうか。 ○板倉委員 この「ノンオイルドレッシング」というネーミングが非常に問題になっておるのです が、これを業界はどのようにしてつくったかよく分からないんですけれども、これを 「ノンオイルドレッシング」にしないで、例えば「いわゆるノンオイルドレッシング」 とか1つのカテゴリーで、こういう形で「無」のものから3gまで含まれているものが あって、栄養学的には異常はないけれども、内容を表す適切なネーミングについては検 討を要するとか、あるいは、いわゆるノンオイルドレッシングの現状をもっと消費者に 認知させる必要がある。こういうことを併せて今回まとめる必要があるんじゃないかと 思います。 ○小林委員長 そうですね。「いわゆる」という表現はなかなか気をつけないといけませんけれども とにかく名前だけ先行している訳ですから、その趣旨を文章の中に込められる。基本的 にはある名前がこうなので、しかし実態はこうだというような趣旨にすれば、それはお っしゃるとおりいいと思います。 そういう趣旨でこの問題はクリアさせていただくということでひとつよろしいでしょ うか。 ○齊籐委員  最後までやはり名前を変えるか内容を変えるかという意見がございますので。 ○小林委員長 変えるということは、今のいわゆるというお話に込められているように思いますが、 その定義をここではっきりした方向づけで、そのような御理解をいただくように努力す るという方向でしか、この会議ではまとめようが実がございませんので、その辺は是非 齊藤委員の方も御理解いただきたいと思うんです。既に市場に出ているものに関しまし ては、なかなか実態として急に変えることの困難な面もある程度は理解せざるを得ない ところもございまして、そういうことで先ほど課長の方からも提案がありましたけれど も、ネーミングをめぐる問題に関しての実態と方向づけということを強調して、とにか く言いたいことはあくまで医学・栄養学的観点ということがあるわけでございますので その辺で生かしていただければと思うんですけれども。 ○齊籐委員  こだわって申し訳ないんですけれども、非常に多くの人がそういう意見なものですか ら、私は医学的も勿論、それと同時にネーミングの問題として消費者側の意見を両論併 記でも盛り込んでほしいと思うんです。非常に強い意見ですね。 ○小林委員長 ノンオイルドレッシングの実態というところに関して、中身がここだということは、 こちらの委員会としての立場は、ある意味では実態を表わしてなかったんだという両論 併記になると思うんです。それで御勘弁いただければ。 ○齊籐委員  私1人ですけれども、このたびものすごく多くの意見を聞いてきておりまして、アン ケートやなどもたくさんいただきまして、そういう声が非常に全員に近いですので、是 非その意見盛り込んでほしいとお伺いしたいんです。 ○小林委員長 そういう御意見が多いことを報告書の最初のところで含めておくということでよろし いですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 それでよろしいということであれば、委員長と御相談した上で修正し、先生方に送ら せていただいて御意見を頂戴出来ればと思います。 ○荒木委員  私、1食分にこだわっているんですが、コレステロールの方で15g以下と表示するも のであってとしましたけれども、1食分の値は任意だということになりますと、仮に分 析値なりいろいろデータを見た時に、15gだとアウトだけれども、15g未満だったらク リアするからというような、任意にいいようにいいようにやっていくと、実質30g 食べ るものなのに、1食分は10g と表示すればそれでいいじゃないかというふうになってし まうのも、1食分野放しというのはひとつの懸念があるんです。アメリカ当たりでは消 費者が使えるワンサービングということで、基本的に家庭での大さじ1杯を、あるいは カップ1杯というもので、それにアローワンスはあるよ、350ml の缶はワンサービング でいいけれども、普通は240ml カップ1杯だというような、ワンサービングに関する考 え方というのは早めに決めておかないと、勝手にうちはワンサービングはこれだという ふうなことになるんじゃないか。確かにそうやって決めてもスプレータイプが出てきた り、粒状が出てきたら、また議論が持ち上がるのは分かるんですけれども、1食分当た りの考え方というのを早めに準備をしておくことは、将来のCODEXがどうなるか分 かりませんけれども、その時に議論がしやすいのではないかというふうに思いますので 是非何かほんの1行でも入れていただいたらと思います。 ○小林委員長 その辺は表現を適切に考えていただいて取り上げさせていただければと思います。 以上いろいろ御議論いただきまして、久しぶりになかなかおもしろい御議論になった と思います。まとめてみますと、まずノンオイルドレッシングのネーミングに関する消 費者の理解と実態とが合わないじゃないかという疑問があるということを強調していた だく。そうして、その中身の実態はこうなんだということに触れて、更に医学・栄養学 的に問題ないのでここでは見直さないけれども、こういう方向でもって業界の方にも御 努力いただくだというポイントで整理して報告書をまとめていただくということで御了 解いただけますでしょうか。 ありがとうございました。年末のお忙しいところ、ちょっと時間が過ぎたようでござ いますけれども、具体的な文章につきましては事務局の方で原案を練りまして、あらか じめ御意見をまとめさせていただきたいというふうに思います。 事務局から何か最後にございますか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 3回目は年末押し迫ったところで、しかもかなり今日も議論がございましたけれども こういう形でまとめていただきましてありがとうございました。委員長から御指示があ りましたような形で案をつくりまして年明けには先生方にお送りしたいと思います。そ の上で、上の部会の方に、齊藤委員から御指摘のあった点も含めて委員長の方から十分 御報告いただければというふうに思っております。どうもありがとうございました。 ○小林委員長 それでは熱心な御議論をいただきましてありがとうございました。本日の脂質に関す る栄養表示基準専門委員会をここで終了させていただきたいと思います。どうも遅くま で長い時間ありがとうございました。 照会先  厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室 調査総務係(内線2459)