97/12/03 第7回厚生科学審議会研究企画部会議事録 第7回厚生科学審議会研究企画部会議事録 1.日 時 :平成9年12月3日(水) 14:00〜16:00 2.場 所 :厚生省特別第1会議室 3.議 事 :平成10年度における厚生科学研究費補助金公募研究事業について 4.出席委員:矢崎義雄部会長 (委員:五十音順:敬称略)  寺田雅昭 (専門委員:五十音順:敬称略)) 杉田秀夫 高久史麿 土屋喜一 寺尾允男 宮本昭正 柳澤信夫 ○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただ今から第7回厚生科学審議会研究企画部会を 開催いたします。 本日は、大石委員、柴田委員、初山委員、真崎委員、山崎委員が御欠席です。 まず、配付資料の確認をいたしたいと思います。資料1といたしまして「厚生科学研 究に係る評価の実施方法の在り方について(研究企画部会報告)」という資料でござい ます。それから、資料2といたしまして「平成10年度における厚生科学研究費補助金公 募研究事業について(諮問書・付議書)」でございます。それから、資料3ということ で「平成10年度における厚生科学研究費補助金公募研究事業について(参考資料)」と いうことで、3つの資料を用意いたしておりますので、御確認いただきたいと思いま す。 それでは、引き続きまして、部会長よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 それでは、本日の研究企画部会を開かせていただきます。 たびたびお忙しい中をお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。何度か 検討を繰り返しまして、この部会のタスクの1つであります評価の実施方法の在り方に ついて先生方に御議論いただきました。前回は用語の整理或るいは付け加える文言など について、私の方に御一任ということでいただきまして最終的に先生方に資料1でお配 りしております報告を事務局でつくらせていただきました。ポイントをアンダーライン で示しましたので、お気づきの点がありましたら、また御指摘いただきたいと思いま す。大体はこの間の御議論のポイントは網羅させていただいたのではないかと思います ので、よろしくお願いいたします。 本日は、もう一つのこの部会のタスクであります厚生科学研究費補助金公募研究事業 の方針につきまして、この資料2にありますとおりに厚生大臣から厚生科学審議会長に あてた諮問書がございます。それに従いまして、この研究企画部会におきまして、この 方針について御議論をお願い出来ればと思います。 それでは、事務局の方から説明をよろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、御説明申し上げます。 資料2、1ページでございます。厚生大臣より厚生科学審議会の豊島会長あてに諮問 書ということで平成10年度厚生科学研究費補助金公募研究事業について、別添の方針に より公募を実施することについて、厚生科学審議会の意見を求めますという内容でござ いまして、別添が2ページ、3ページにつけてございます。2ページでございますが 「平成10年度厚生科学研究費公募研究事業(継続事業分)の方針について」という形に なっております。この継続事業分という取扱いでございますけれども、厚生科学研究費 全体につきましては資料3でございます。クリップを外していただきますと資料3− 1、3−2、3−3ということで3つで構成をされております。それで、資料3−1で ございますが、ここに一覧表ということで平成10年度の厚生科学研究費補助金の現在概 算要求中でございますその事項と額につきまして記載をさせていただいております。そ の事項の方に「新」というふうに記載がしてございますのが幾つかございます。1.行 政政策研究分野、 政策科学推進研究、それから、2.総合的プロジェクト研究分野の  障害保健福祉総合研究、 子ども家庭総合研究、それから、4.健康安全確保総合研 究分野の から がすべて新規要求という取扱いになっております。御承知のように、 まだ予算要求の段階でございますので、この事業そのものが実際にはまだ認められてい る訳ではございませんので、とりあえず継続事業につきましては事項が今年度つまり、 9年度からの引き続きということになりますので、継続の申請という手続の関係上、前 の部会の中でも御説明申し上げてきたとおり、平成10年度の厚生科学研究費につきまし ては出来る限り早い時期に公募をし、出来る限りの研究期間を確保するという趣旨から 継続事業につきましては、年度内に公募をし、ほぼ課題の採択まで持っていきたいとい うことで、この時期に継続事業分につきまして方針を御議論いただきたいということで ございます。 一方、新規の事業につきましては、手続上予算が成立をした後、または年度が変わり ましてそれぞれの所要の手続を整備しないと公募が掛けられないということもあります し、まだ実際には要求中という段階でございますので、ここでは一旦切り離して考えさ せていただきたいということで継続事業分についてのみ諮問という形で整理をさせてい ただいております。 その研究費全体につきましては、資料3−2の方に先程御説明いたしました資料3− 1のすべての厚生科学研究費と対応します方針ということで、先程御説明した新規事業 も含んでおりますので、(案)という形で全体像をお示しをいたしております。 それでは、また資料2の方に戻っていただきまして、平成10年度の厚生科学研費公募 研究事業の継続事業分の方針についてということで御説明申し上げたいと思います。 2ページでございますが、継続事業がここに記載してございますように1から10ござ いまして、まず厚生科学特別研究事業、それから、統計情報高度利用総合研究事業、が ん克服新10か年戦略事業、長寿科学総合研究事業、それから、5番目からがこの部会で も何回か御議論いただきました先端的厚生科学研究分野の脳科学研究事業、ヒトゲノ ム・遺伝子治療研究事業、高度先端医療研究事業、新興・再興感染症研究事業、エイズ 対策研究事業、感覚器障害及び免疫・アレルギー等研究事業、という10の事業につきま して今回御審議をいただくということになる訳でございます。 それでは、事業ごとに研究課題採択方針を読み上げさせていただきます。  「1.厚生科学特別研究事業」につきましては、従来と同様の採択の方針、公募の方 針ということでございますが、「保健医療または福祉の向上に資することを目的とする 独創的又は先駆的な研究」ということで奨励的な研究の意味合いが強いということでご ざいます。しかし、「1.厚生科学特別研究事業」につきましては、従来から緊急課題 に対応するということで、どちらかといえば指定研究というような形で行われておりま すけれども、これにつきまして年度途中であるまたは他の研究事業でカバーしきれない 分野につきましては、この中で研究を行っていくということにいたしております。 それから、来年度につきましては先端的厚生科学研究分野のそれぞれの事業で奨励研 究というものを9年度は実施をいたした訳でございますが、この奨励研究につきまして いろいろ御議論があった訳でございます。やはり効率的な使用というようなことから考 えますと、重点研究中心にそれぞれの事業を行った方がいいのではないかということ。 また一方、フィージビリティー・スタディー的なものもやるべきではないかというよう な御議論があった訳でございます。それを踏まえまして現在、私どもが考えております のは先端的厚生科学研究分野につきまして、奨励的研究はとりあえずそれぞれの事業か らは10年度については公募をしないという形で整理をいたしまして、奨励的研究につき ましては厚生科学特別研究事業の中ですべて網羅的に行うという形で整理をさせていた だきたいというふうに考えております。 それから、それに対応いたしまして、それぞれの先端的厚生科学研究分野につきまし ては、フィージビリティー・スタディー的に大型研究にはもう少し可能性を見た方がい いのではないかというような申請があった場合については、その事業の中でフィージビ リティー・スタディーは行えるような形で整理をしてはいかがかというふうに考えてい ます。 「2.統計情報高度利用総合研究事業」でありますが、これは「少子・高齢化、国際 化の進展等に即応した厚生統計情報の提供、統計利用の利便性向上及び健康危機に適切 に対応できる情報処理システムの構築等に関する研究」ということで、具体的には資料 3−3でありますけれども、横表になっておりましてそれぞれの研究事業ごとに平成9 年度の公募の課題、それから、平成10年度の案ということであります。これはそれぞれ の研究事業の所管課で取りまとめをいただいたものでございます。これにつきまして は、専門委員会等で御検討いただいた結果ということで官報告示の形をイメージをして 準備させていただいているものでございますが、これは今日方針をある程度方向性を決 めていただいた後に、それを踏まえまして調整をしていくということになりますので、 まだ現時点では案という形で整理をさせていただいている訳でございます。 「3.がん克服新10か年戦略事業」でありますけれども、これは一番下の行に書いて ございますように、平成10年度は公募をしないということになっております。「3.が ん克服新10か年戦略事業」につきましては、3年を1つの期間といたしまして公募をす るという形になっておりまして、たまたま平成9年度に新規の事業が開始されたばかり だということになりまして、平成10年度は公募をしないということで整理をしたいと思 っております。 「4.長寿科学総合研究事業」でございますけれども、これは「新・高齢者保健福祉 推進十か年戦略」いわゆる新ゴールドプランに対応しまして、老化や老年病に関する基 礎医学的研究、老年病に関する臨床医学的研究、高齢者に関する社会科学的研究など総 合的な研究を実施するということでございまして、具体的な公募の課題ということにな りますと、資料3−3の4ページに記載をしてございます。 「5.脳科学研究事業」でございますが、『「脳を守る」観点から実施される、痴呆 疾患、精神・神経・筋疾患、脳の発達障害及び中枢神経系外傷等に関する予防・診断・ 治療に関する研究』ということでございまして、資料3−3の7ページでございます。 これが平成10年度、右側でございますが(案)ということでございます。これにつきま しては、左側に平成9年度の公募研究課題がありますが、それに基づきまして、この部 会で御議論いただきまして課題が9年度採択された訳でございますが、それの後残って いるといいますか、あともう少し取り組まなければいけない分野を新規に10年度に公募 を掛けるという趣旨で少し限定的に整理をさせて、こういうようなところで課題を考え ておる訳でございます。 「6.ヒトゲノム・遺伝子治療研究事業」、「人の疾病やその治療に関係する遺伝子 の解析、機能解明に関する研究、遺伝子治療基盤技術(遺伝子治療用ベクター(担体) の開発や安全性評価等)の開発等に関する研究、これらの研究基盤の高度化に関する研 究、ヒトゲノム解析や遺伝子治療研究等の社会的側面(倫理)に関する研究」というこ とで、具体的な課題は資料3−3の8ページに記載してございます。この「6.ヒトゲ ノム・遺伝子治療研究事業」につきましては、10年度の予算といたしまして9年度予算 に比べまして約10億円の増額という形になっておりますので、10年度の公募研究課題に つきましては9年度に比べまして、もう少し具体的に申請者の方に分かりやすいような 形に整理させていただき、ここに記載してあるとおりでございます。 「7.高度先端医療研究事業」でございます。「難治疾患の治療に資する人工臓器や 患者の生活の質(QOL)向上につながる低侵襲治療機器などの高度医療機器の研究開 発と現在のヒト血液由来の血液製剤がもつ、ウイルス等の感染の危険性や安定的供給の 困難性を克服し、血液の持つ機能の一部を代替する人工血液の研究開発」ということで ございまして、具体的な公募の研究課題は資料3−3の9ページに記載をしてあるとお りでございます。 「8.新興・再興感染症研究事業」でございますが「腸管出血性大腸菌感染症、クリ プトスポリジウム症等の新興感染症、結核、寄生虫・原虫由来感染症等の再興感染症の 病態の解明、予防法、診断法、治療法、情勢の収集と分析等に関する研究・開発」とい うことでございます。具体的な課題につきましては、資料3−3の10ページでございま すが、9年度の公募の課題が専門委員会等の御議論の中で少し分かりにくいというよう なことがございましたので、10年度につきましてはもう少し疾病名等を記載するような 分かりやすいような形で整理をさせていただいているものでございます。 「9.エイズ対策研究事業」でございます。「日本におけるHIV感染症の診療指針 (ガイドライン)の開発、エイズに関する正しい知識の啓発普及手法の開発、病原性決 定因子に関する研究」ということでございまして、具体的な研究の課題につきましては 資料3−3の11ページにつけさせていただいております。これにつきましては、9年度 から実施をしております研究事業のまだ残された部分というような形で具体的に整理を して、10年度の新規公募課題という形で整理をさせていただいております。 「10.感覚器障害及び免疫・エレルギー等研究事業」でございますが、「感覚器の障 害について、その原因疾患・発症の機構(メカニズム)の解明とその予防、重症化防止 方法、リハビリテーション手法、支援機器の開発等に関する研究、また、慢性関節リウ マチやアレルギー性疾患について、病因・病態を解明し根治的治療法を開発する研 究」、具体的な公募研究課題は資料3−3の12ページでございまして、感覚器障害の研 究分野、それから、免疫・アレルギー等研究分野ということで2つに分けて記載をさせ ていただいております。 以上が、厚生大臣から厚生科学審議会に諮問をされている公募の方針でございます。 先程資料3−1で御説明しましたとおり、新規の事業につきましては今回諮問の対象 にいたしておりませんけれども、資料3−2におきまして全体のとりあえず現時点での 公募の方針ということで、すべての研究事業を網羅した形で記載をさせていただいてお ります。その資料3−2の3ページでございますが、一番下の5番目でございますが、 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業につきましては括弧をつけております。これ につきましては、ヒューマンサイエンス新興財団に補助という形になっておりますの で、その他の研究事業と若干性格が異なるということで括弧をつけさせていただいてお ります。これを厚生省が直接公募をするという形の事業になっておりません関係上、こ ういう整理をさせていただいております。 とりあえず事務局の説明は以上でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。今、事務局から説明がございましたように、まず、 継続の研究事業についての方針を先生方に御確認いただいて、御意見を承ればと思いま す。 先程の説明にありましたように、既に始まっている研究事業でございます。各専門委 員会でより分かりやすく、例えば疾病名をしっかり入れて焦点を絞って公募がしやすい ように、官報に報告する研究課題として整理をさせていただいたということになるかと 思います。何か御意見ございますでしょうか。 ○高久委員 私のところに直接関係はないのですけれども、エイズ対策研究事業が平成9年度と10 年度で大分変わって、10年度の場合には臨床研究というのがなくなっているのは、エイ ズの診断治療という研究は別なところでやるのですか。 ○事務局 それでは、事務局から御説明させていただきます。 特に先端的厚生科学研究分野、諮問書の別添の資料の5から10でございますけれど も、これにつきましては、基本的には今年度の採択が3年を一応目安に採択をしておる 訳でございまして、それはとりあえず継続をされるという整理にいたしまして、要する に、10年度に新規に募集をするという形で整理をさせていただいている関係上、そうい う形になっているものでございます。 ○寺田委員 よろしいですか、確認みたいなことですが。そうしますと一応、建前上は継続である というのは官報には出ないということで、継続している方は今まで毎年出していたのが 官報に出ないからなくなったのではないかというふうなことがないか、あるいはなくな らなくても申請書をもう出さなくてもいいのではないか、そこのところを注意をされた 方がよいと思ったのですが。 ○事務局 その継続申請の手続につきましては、事務局でとりあえず今考えておる方法につきま して御説明申し上げたいと思います。 今年度採択をされて3年の事業という形で申請をされている先生方につきましては、 事務局サイドから継続の申請の手続ということを進めていただくということで、適切な 時期に文書をもって継続申請をしていただくということにいたしております。10年度か ら開始される新規案件につきましては、先程御説明いたしました公募の方針案に沿って 公募をするということにいたしております。 ○寺田委員 それでよろしくお願いいたしますというのと同時に、中間評価で落ちる人も出てくる 訳です。その場合はその後、数を1つ増やして例えば1つ落ちたからというので改めて 1つ公募をするということではなくて、それは全体のプロジェクトの中で考え直すとい うことですね。 ○矢崎部会長 寺田委員の御発言のもう一つの意味は、継続の事業も一応皆さんに知らせておかない と、例えば、先程高久委員の御指摘のように、エイズの臨床には厚生科学研究はもう関 心ないのかというふうな誤解を受けるかもしれませんね。ですから、何かそういうこと も初めて見た人でも分かるような仕組みを残していただくとよろしいのではないかと思 います。 ○寺尾委員 資料3−3、10ページ、平成10年度公募研究課題の3.と9.というのはオーバーラ ップしておりますね。3.クリプトスポリジウム等の水系由来感染症に関する研究と書 いてありまして、9.寄生虫・原虫由来感染症に関する研究と書いておりますので、こ れはちょっと整理が悪いような気がします。クリプトスポリジウムの研究をやる人はど ちらに出していいのかというのは迷うのではないかという気がいたしますけれども。 ○滝澤保健医療局結核感染症課長 担当課長ですが、クリプトスポリジウム等の水系由来感染症という組で公募したいと 考えておりまして、それで御理解いただけるのではないかと思っておりますが。 ○矢崎部会長 よろしいでしょうか。 ○寺尾委員 ちょっと私は素人ですので分からないのですけれども、これで分かればよろしいので すが。 ○滝澤保健医療局結核感染症課長 水系由来感染症というカテゴリーの提示で、御専門の応募される先生方にはお分かり いただけるのではなかろうかと思っております。ただ、いろいろ細かい御指摘があれば 検討してみたいと思いますが、私どもそういう考えで専門委員会で御議論いただきまし た。 ○矢崎部会長 その他いかかでしょうか。これは、個別的に各専門委員会で内容についてはディスカ ッションを一応経た結果ということでとらえていただければと思います。 ○寺田委員 済みません、ちょっとこだわるようですが、そうしますと専門委員会が企画委員会の 役割をしていたということになりますか。それとも、これは今年だけの緊急避難的なも のであって、企画というのはまた別にこれからは考えていかれるということでしょう か。 ○矢崎部会長 これは継続の部分だけということでよろしいでしょうか。 ○事務局 前回の部会でも御議論いただきましたように、現在この部会で御議論いただいており ますところでは、まだ評価のところまで事務局で御用意して御議論いただいて、本日冒 頭で御報告したようなところまで来ている。企画等につきましては、また走りながら考 えるということでございますけれども、今後御議論いただくということで、言わば現段 階平成9年採択のものについて10年どうしていくかということについては、専門の先生 方のお知恵をそれぞれ専門委員会等持っているところで借りたということでございま す。 ○矢崎部会長 予算がどんどん増えていく状態なら非常に研究企画が立てやすいのですけれども、な かなか厳しい財政状況ですので、どこまで新規の企画が入り込めるかどうか、なかなか 難しい問題だと思います。 その他かいかがでしょうか。この方向性と申しますか、一応今、既に継続である10課 題の方針については、この部会でお認めいただければ大変ありがたいのですけれども。 ○事務局 申し訳ありません、ちょっと修正というか間違っておったところがございまして、そ こをもう一度確認をさせていただきたいと思います。 資料2、3ページのところで先程10番目のところの最後の研究事業の事業が抜けてお りました。それともう一点ミスがございまして、8番の新興・再興感染症研究事業の一 番下のところにあります「開発」という言葉、これにつきましてそれぞれの担当課の方 からは開発という言葉を削除をしてほしいということで、研究という形で整理をさせて いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 それでは、よろしくお願いいたします。 その他今日は担当の課長が出席しておりますので、何か今までのところで更に詳しく 事情を御説明いただくというような事項もございませんでしょうか。 ○寺田委員 資料3−3、3ページ、平成9年度に3.厚生統計情報の国際的情報発信戦略の基盤 確立に関する研究がございますが、平成10年度もやるということは、これは単年度主義 の研究事業であるという考え方なのか、或るいはこれは大枠であってこの中にまた細か い研究項目がいっぱいあるということなのですか。要するに、同じことが平成9年度、 10年度続けて研究課題として公募していますね。それは大きな枠があって、その中に2 つ、3つぐらいのチームをつくりたいということで出しておられることなのですか。 ○事務局 全体の整理のお話をまずさせていただきたいと思いますが、先程もちょっと御説明さ せていただきましたとおり、分野によりましては予算が増額ということに要求をさせて いただいている分野もございまして、そういう分野につきましてはかなり広い範囲で公 募が掛けられるということもありますので、そういうところは9年度と同じような事業 名またはそれよりも少し明確な形で公募を掛けていたりという事業もございますけれど も、事業の中には予算が特に増額になっていないような事業もございますので、そうい う事業につきましては基本的に今年度採択をしました事業につきましては継続という扱 いにいたしまして、先程も申しましたように、奨励研究であるとかそういうものを特別 研究の方で回すという形になりますと、若干、予算の余裕が出てまいります。そういう 分野について絞って公募を掛けるという形で考えておりますので、その分野分野ごとで は考え方が少し異なりますので、絞った形になっている分野、予算の余裕がある、また は、まだ課題の募集をしなければいけないようなところにつきましては、前年度と同様 の研究公募課題になっているものというような形になっておるという趣旨でございま す。 ○矢崎部会長 よろしいでしょうか。 ○寺田委員 要するに、逆に言うとここで統一した考え方は余りないということですね。 ○事務局 資料3−3に書きましたものは、具体的にどういったものにそれぞれの研究所や所管 課が専門委員会に相談した場合に新しく追加すべき分野はどういうことかということ で、それぞれの専門委員会の御意見によりまして多少の粗い・細かいの差があるかと思 います。特に、人工血液につきましては平成9年度3分野5課題を採択しております。 新規の平成10年につきましてもほぼ同一の課題名を用いておりますのは、昨年度の応募 状況から見まして、まだいろいろな新しい異なった発想による課題があり得るのではな いかという御意見でもって、このような分野名で意見をいただいたということだという ふうに聞いております。 同様に、他の事業につきましても官報にどのように表示をし、出来るだけ応募される 専門家の先生方に御理解いただいて応募いただけるように事務局として工夫していきた いということでございますが、その事業総体としてどのような方針でもって募集等を行 うべきか、資料2の方についておりますものについて、こちらでの御意見をいただけれ ばありがたいと思っているところでございます。 ○矢崎部会長 よろしいでしょうか。恐らく資料2のこの方針については、この部会で大体御確認い ただき、お認めいただいたと思うのです。実際の今議論されているのは、資料3−3が 恐らく専門委員会での議論の過程で平成10年度案が官報報告になった形が、柱ごとに少 し内容が統一されていないというのが寺田委員の御指摘で、継続で募集しないのと継続 でありながら全く同じ課題で募集しているのと、それからまた、同じ範疇には入ります けれども、研究課題としては新たな文言で行っているとか、その3つのクライテリアに 分かれるのではないかと思いますが、その整理がなかなかちょっと分かりにくい構造に なっているということで御指摘いただいたかと思います。 ○事務局 確かに資料3−3は、今ばらばらになっているように見えられると思いますが、この 部分につきましては、それぞれの専門委員会を開いていただきまして、どんなテーマが 抜けているのだろうという観点から御議論いただいた部分と、それから、予算が膨らむ 部分につきましてはかえって幅広に募集をするというような形でつくられたもの、そう いった意味で濃淡いろいろございます。これは今日、この研究企画部会で基本的な公募 の方針がこれでよろしいということが決まりますれば、それぞれの専門委員会の委員長 と今日参っております所管課が話し合いをいたしまして、この資料3−3を整理いたし まして官報で出したいということでございます。従いまして、この資料3−3につきま してはこのまま官報に載せるということではなくて、資料2をごらんいただきますとイ メージがわかないであろう、どういったことを考えているのかというイメージを出すた めにお出ししたものでございます。従いまして、この資料3−3は今の段階では未整理 ということで統一的に後で手を加えていきたいというふうに考えておりますので、そう いったことで御了解を賜りたいと思います。 ○矢崎部会長 実際に公募する側としては、この資料3−3が非常に頼りになる情報ですので、これ がしっかりしていないと実際の公募する側に混乱を来すかもしれませんし、厚生科学研 究に対する考え方にも御理解を得るために少し理解しやすいように、後でまた事務局あ るいは専門委員会である程度の分類で分かりやすく整理していただくとありがたいと思 います。 その他いかがでしょうか。 ○高久委員 細かいことですけれども、資料2、3ページ「7.高度先端医療研究事業」説明の最 後の「研究開発」は「・」が要るのか要らないのか、「8.新興・再興感染症研究事 業」は開発を消したんですね。だから、研究開発というのは「・」が要るのではないか と思いました。或るいは研究を除いて「人工血液の開発」でもいいのかもしれませんけ れども。 ○矢崎部会長 そうですね、難しいところですね。研究というのは一般的にベーシックで開発という と研究の成果をアプライして具体化するということですね。 ○高久委員 ですから、この両方を入れたいなら「・」を入れるし、むしろ具体的に開発したいな ら研究を除くか、どちらかにした方がよいですね。8.の「開発」を削られたときにち ょっと見たら上も書いてあったので、細かいことですけれども表に出ることですから。 ○矢崎部会長 これは、より応用出来るところまで持っていってほしいという事務局の気持ちで開発 が研究だけに終わらずに入れたのではないかと思います。そうしますと、これは研究し て開発まで持っていってほしいという気持ちで研究開発と言ったのだと思うのです。 ○高久委員 ですから「・」入れなくてもいいのか、研究開発という言葉は余りないから研究と開 発なら「・」を入れた方がいいのかなというだけの話です。 ○矢崎部会長 分かりました。よろしいですね。開発まで視野に入れた研究ということですので、 「研究・開発」に変えさせていただきます。 その他よろしいでしょうか。これは、12月12日の総会に一応御報告する訳ですね。そ うしますと、もうこの会を開くのは難しいので整理整頓をどこまで出来るか分かりませ んが、一応事務局とまとめさせていただいてよろしいでしょうか。それでまた、委員の 方々に個別に御報告申し上げまして、また御指摘をいただきますればそこを訂正させて いただきたいと思いますが。 何か担当課長からございませんでしょうか。よろしいでしょうか。 ○下田厚生科学課長 冒頭の事務局からの説明にもございましたけれども、先端的厚生科学研究がスタート いたしまして当初は95億円ぐらいだった訳ですが、それが13億円ぐらい膨らんでおりま す。それは新規で予算を持ってきたものもございますし、新たな別の研究と統合して膨 らんだ部分も実はある訳でございますが、この先端的厚生科学研究の専門委員会におき まして主として議論されました中身で奨励的研究については、余り意味がないというよ うな議論がございまして、むしろ大型の重点研究を中心にやっていけと。その中で、可 能性がややまだはっきりしていないものについては、フィージビリティー・スタディー に動かしたらどうかという議論があった訳でございます。従いまして、研究企画部会と して今回6分野につきましては、奨励と重点研究と2つに分かれているのがほとんどで ございましたが、事務局から申し上げましたように奨励研究はこの際廃止をいたしまし て、先端的厚生科学研究は何千万円かの大型の重点研究を中心に進めていく。奨励的な 意味合いのものはすべて厚生科学特別研究の方で拾っていくという方針につきまして御 説明をした訳でございます。そういった有り様につきましても、もう一度この研究企画 部会で御確認をいただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたし ます。 ○矢崎部会長 今のお話よろしいでしょうか。奨励研究は厚生科学特別研究の中で処理をさせていた だくということで、個別的な6分野についての奨励研究は平成10年度から中止をさせて いただきたい。 ○宮本委員 ちょっといいですか。さっきおっしゃった厚生科学特別研究はどのぐらいの予算を持 っているのですか。というのは、奨励研究はかなり採択されなければ研究の推進に支障 を来すのではないかと思います。現在奨励研究として採択されていたものの中にも大型 研究にしてもおかしくないようなものもない訳ではないのです。その辺りについてはど ういうことになっているのかお考えをお聞かせください。 ○矢崎部会長 その方針については、もしこの部会で何かディスカッションがあればそれを踏まえて 考えていただくということで、何か御意見はありますか。 ○事務局 事務局の方から予算につきまして若干御説明申し上げます。 厚生科学特別研究につきましては、来年度10年度の予算要求額は資料3−1「1.行 政政策研究分野」 厚生科学特別研究でございまして、厚生科学特別研究ということで 6億2,700万円の予算という形で来年度の要求をさせていただいております。参考までに 平成9年度、今年度の先端的厚生科学研究分野につきまして奨励研究の総額が大体3億 円程度という形になっております。 ○宮本委員 そういたしますと、何件ぐらいの奨励研究が採択される予定になりますか。 ○事務局 厚生科学特別研究が6億円強の予算がございますけれども、この分野につきまして資 料2でございますように、独創的または先駆的な研究に対しまして公募いたしまして出 すことになっております。ただ、括弧書きにございますように緊急的行政課題が突発し た場合、これは具体的に言いますとO157でございますとかダイオキシン等の問題が 起きた場合には、この6億円強の中から支出をするという性格も持っております。従い まして、奨励に幾ら回せるかということにつきましては、そういった事態を想定してど れくらい回せるかということは確約は難しいというふうに考えておりますが、いずれに しましても先生の御指摘のように、先端的厚生科学研究の中でも奨励研究の中で非常に いい玉があったというお話でございますが、そういった分野につきましては、今後はフ ィージビリティー・スタディーのような形で重点研究へのつなぎという格好で処理をさ れるということは可能ではなかろうかと思っております。 ○宮本委員 どうもありがとうございました。 ○杉田委員 ちょっと今のことに関連してお伺いしていいですか。私は奨励研究というのは、特に 若い方のやるエンカレッジするには非常にいいと思うのですが、平成9年度は単年度で したね。やはり単年度だとなかなか効果が上がらないように思うのですが、今度、特別 研究枠に移された場合もやはり扱い方としては単年度をお考えなのですか。もう少し長 期、例えば2〜3年ということも考えておられるのですか、その点もしお考えがありま したら承りたいと思います。私の考えでは500万円よりもっと少なくてもいいように思い ます。ただ、続いた方がいいように私は思うんです。その点何かもし具体的なものがあ ったら教えてください。 ○矢崎部会長 それは、この研究企画部会で、ある程度方針を立ててよろしいのではと思います。奨 励研究につきましては、先程は杉田委員がおっしゃったように、小額の単年度は研究は いかがなものかという専門委員の方々の御意見で、私もそう思っていたんです。ですか ら、もう少し宮本委員がおっしゃられるように、奨励研究の中でいいものであれば少し 継続的に複数年度で額はそんなに大きくなくても、そういうことが可能な仕組みは残せ るのでしょうか。 ○事務局 現時点で事務局が考えております奨励研究につきまして、1年限りということだけで はなく、例えば2年、3年であったとしても、それは構わないのではないかというふう に考えております。予算の仕組み上、基本的には単年度、単年度ということになってお りますので、従来は単年度という扱いですが3年計画ということもあり得るのではない かというふうに考えております。 ○高久委員 フィージビリティー・スタディーだと普通1年ですね。どれだけのことが出来るかと いうことですから、奨励研究とフィージビリティー・スタディーと分けるのか、奨励研 究は全部フィージビリティー・スタディーにするのか、はっきりしておかないと困るの ではないかと思います。 ○矢崎部会長 御指摘ありがとうございました。恐らく初年度は奨励研究ということで研究応募を問 い掛けた訳ですけれども、今後はフィージビリティー・スタディーの方により重点的に 移していく方向と理解しております。 ○事務局 事務局から補足をさせていただきます。先端的厚生科学研究分野の中でのフィージビ リティー・スタディーの扱いでございますが、事務局で現在考えておりますのは、大型 研究で応募いただいた中で、若干、可能性等につきまして疑義が生じるようなケースに つきまして、例えて申しますと500万円程度を1年というところでフィージビリティー・ スタディーをやっていただくという仕組みでフィージビリティー・スタディーを運用し ていただきたいというふうに考えております。 ○矢崎部会長 今、議論のあったのは入口が2か所あるのではないか。ですから、大型研究で募集で 非常にアイデアはいいけれども、フィージビリティーはいかがなものかという点が最初 に御説明あったことですね。今、お話になったのは、もう一つの入口で奨励研究で、例 えば、比較的若い年代の方がいい研究を申請された。研究費そのものは余り大きくない けれども、よければ継続してより重点的な研究に移行するという段階のことで、その場 合には、やはり各年度ごとに今日お配りしたような評価で本当に確固たる成果が着々と 上がっているかどうかということを検討する必要はあるだろうという御指摘ではなかっ たかと思いますが。 ○柳澤委員 今、部会長のおっしゃった若い方についての奨励研究ですけれども、今年度の例を実 際にあげて、どういうふうに使われるかということを考えてみますと、かなり急いだと は言っても使える期間というのは半年ぐらい。そうしますと、500万円というのは例え ば、文部省の科学研究費の奨励研究と比べてみますとかなり額は大きい訳です。若手の 研究者がせっかくそれをもらっても単年度でそれを全部使ってしまわなくてはいけなく て次の年度は分からないということになると、実際の500万円なら500万円の使い方とし ても随分使い方が難しいというか工夫が要ると思うんです。そういう点では、若い人の 中で先々芽が出ることを期待して同じ500万円を使うならば、出来れば2年とか3年の研 究計画を出していただいて、ある程度3年位を限度として少し期間を延長した計画を採 択するような形をしていただいた方が、若い人たちにとってはやりやすいと思います。 その辺はやはり是非工夫していただきたいと思います。 ○矢崎部会長 いかがでしょうか。 ○高久委員 専門委員会がフィージビリティー・スタディーにして奨励研究をやめようと考えてい るのはよく分かるような気がします。どれが奨励でどれが重点と分けるのはなかなか難 しいと思います。若い人と言ってもどこまでが若いのか。ですから、むしろ割り切って 重点的研究に落ちたものの中で、これは伸びるのではないかと思う研究を1年間500万円 なら500万円でフィージビリティー・スタディーをやっていただいて、その結果によって 来年また重点研究にアプライしてもらう方がすっきりすると思います。500万円は文部省 の基盤研究のBぐらいです。そういう研究費は文部省でやっているので、同じようなこ とを厚生省でやるというのも余り感心しない。科学技術庁の研究費でフィージビリテ ィー・スタディーで通った人が、同じような額を文部省から貰っていました。 ○柳澤委員 もしも、先端ということを今、高久先生がおっしゃったような形ではっきり位置づけ るということであれば、私はそういう形で勿論よろしいと思います。 ○矢崎部会長 確かに、2つの入口でやるというのは、言うのはやさしいのですけれども実際にやる のは難しいですね。そうしますと、やはり最初に事務局に御説明いただいたような大型 研究として応募されたけれども、先程高久委員も言われましたような、やはり専門委員 会でフィージビリティー・スタディーの範疇に入ってもいいけれども、採用してはどう かというようなものに奨励研究的な位置のものは移させていただくということで、宮本 先生よろしいでしょうか。 ○宮本委員 大変結構だと思います。ただ、私が一番懸念するのは、大型研究費をもらっている研 究の内容や将来性と、たまたま採用されなかった研究との差がそんなに大きくない場合 がしばしばある訳です。ですから、そのギャップをどのようにして埋めたらいいだろう かということなのです。 ○矢崎部会長 そうしますと、今のような仕組みですと、ある程度ギャップを埋めるということは出 来ますね。 ○高久委員 例えば、中間に評価をして大型研究の方が悪くてフィージビリティー・スタディーの 方がよければ、入れ替えるとかあるいは研究費を半分ぐらいに減らしてフィージビリテ ィー・スタディーの方に回すことは出来るのではないかと思います。 ○矢崎部会長 ですから、評価を減らした方から見れば、マイナスですけれども、評価というのは非 常にプラスにもなるということで、そういうシステムは大変研究の促進には大事なシス テムではないかと思います。 ○寺田委員 それから、ちょっとそれに関係したことで、個別研究と班研究という問題がありまし て、どっちかというと厚生省は班研究の方が相手が人間だからいろいろやりやすいとい うところがあります。班研究で割といつも非難されるところは、無名の研究者でだれの 村にも入っていない人がなかなか認識されないということがあります。しかも、お金の 大きなところだからというので、それは専門家会議とか専門家委員とか評価委員の先生 方が金額は少なくしてでもいい研究者であって将来性がある若い研究者をどこかの班に 入れていく、いわゆる文部省の重点研究の公募的な要素をこの中に織り込めたら一番い いのではないかと思いますが、システムが複雑になりますね。評価委員会のところの先 生方の判断が重要となります。 ○高久委員 それは、基本的には個別でしょう。 ○寺田委員 個別ですけれども、大体去年のを見ていますと3人か4人ぐらいじゃないですか。 ○高久委員 そうですね。 ○寺田委員 だから、そこへなかなか若い人は入り込めない。若い人というのは若いから言う訳で はないのだけれども、無名の人でたまたまいい人がいたときに、システムとして何か オープンにしていただくと本当はいいかなと。なかなか難しいですね。だから、専門委 員の先生方は、そこを心して組み替えをやっていただくということでよろしいのではな いでしょうか。これはお願いのコメントです。 ○矢崎部会長 そうですね。それは、各専門領域の先生のところでそういう方針もあり得るというこ とをここで御確認いただき、各専門委員会でうまく対応していただければと思います。 そうしますと、継続で今年度中に対応を取らなければいけないという部分についての 方針は今、各委員の先生方に御了解を得たと思いますけれども、予算成立後の新規のも のについては、今後ここで企画を立てて考えるというふうに理解してよろしいでしょう か。 ○事務局 今日の資料3−2で全体の方針ということでお示しをさせていただいております。こ れにつきましては、先程から御議論いただいております継続の事業と新規の事業を合わ せたものでございまして、新規のものにつきましては、先程も御説明したとおり、予算 が成立後に実際には検討して最終案に持っていくということでございますが、今日御議 論に参考ということでお示しをさせていただいておりますので、また、同じような形で 予算成立後適当な時期に必要がございましたら、その場で御審議をお願いするというこ とになります。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。そうしますと、資料3−1で新というふうについて いるところが、資料3−3に具体的な研究課題というものが一応、これは事務局でまだ 専門委員会がありませんから事務局で腹案としてつくられたものではないかと思います けれども、例えば、5ページ、6ページというのはまだ議論していない課題ですね。こ れについては、何かここで先生方に御議論をいただくあるいは何かこの新しい分野でど ういう方向性で案をつくっているか、何か御意見を賜るということはありますでしょう か。 ○下田厚生科学課長 新規の部分につきましては、例えば、資料3−3、13ページ辺りから健康安全確保総 合研究分野というようなことで、平成10年の案というのが出ております。これは既に、 この厚生科学研究費を要求する段階でどんなことをやるのかということで、大蔵省にこ ういう格好で認めてくれということで出している訳でございます。従いまして、この大 枠は変えられないといいましょうか、これで研究を進めていくということでございま す。ただ、それぞれの現局或るいは現課の方からそれぞれの個別テーマにつきまして、 もう少しブレークダウンをしたものをここにお諮りをして、先生方の御意見を聞かせて いただいた上で実施をしていく、あるいは官報に載せて広報していくという手続なのか と思います。 ○宮本委員 先程お話のあった生活安全総合研究事業のところなのですが、大枠は崩せないという お話なので、果たしてどの程度可能性があるのかよく分かりませんが、最近問題になっ ているのが化学物質過敏症の問題です。これは、国際的にもかなり大きな問題になって おります。我が国でもこれからは避けて通れない問題ではなかろうかと思いますので、 これをどこかに織り込むという訳にはまいらないものでしょうか。 ○矢崎部会長 例えば2番の中に何か書き加えるということですか。 ○宮本委員 ここでは、ホルモン作用が全面に出ているような感じを持つのです。しかし、この中 に含まれるか、あるいは2の中にもう1つ枠をつくって化学物質過敏症を入れるかとい うふうに思います。いかがなものでしょうか。 ○事務局 生活衛生局でございますけれども、化学物質の総合対策の分野の中でもそういう健康 影響等というような内容でございますとか、それから、食品安全推進総合研究の中でも 食品によるアレルギーというものについても一部考えておりまして、そういった中で対 応が出来るのではないかというふうに考えております。 ○宮本委員 いずれにせよ、一応頭の中には描いていらっしゃるということですね。どうもありが とうございました。 ○矢崎部会長 内分泌攪乱物質という非常に狭い例を挙げたので、ちょっと誤解を招くので、その後 の「等」のところに広く含まれるので、これは特別なことを予想して出されたのですか ね。 ○宮本委員 最近問題になっている環境ホルモンなどを私はすぐ連想したのですけれども。 ○矢崎部会長 なるほど分かりました。もう少し広く取っていただければ。 ○寺尾委員 ちょっとよろしいですか。これは6番目がそれではないでしょうか。化学物質過敏症 というのは。私はそういうふうに読んだのですけれども。内分泌攪乱とはちょっと違う ような感じがします。 ○事務局 生活環境関係でございますと、例えば室内空気環境中のそういう化学物質とかダニと かカビとか、それから、電気機器からの電磁界、冷却塔レジオネラ等そういう生活環境 に由来するもの広くということでございますので、そういった観点でも見るということ は可能だと考えています。 ○高久委員 新規の中で既に平成9年度に公募しているというのは、振り替えということですね。 今までのものをここに入れたということで、新がついている中でも左側の枠が埋まって いるのは、そういうことですね。 ○矢崎部会長 そういうふうに理解しています。 よろしいでしょうか。この新しい方向性、新しいこういう分野というものを例えば立 てようというときには、予算の獲得の段階からある程度企画立案していかないといけな いということで、そうしますと平成10年度に関しては、この研究企画部会の意志はなか なか反映しにくいと、今、宮本先生がおっしゃられたようなテークノートということで 念頭に入れてやるということになるかと思います。例えば、平成11年、12年の予算でど うなるか分かりませんけれども、もう少しこういう分野を考えたらいかがなものかとい う議論は、どういうふうに進めていったらよろしいでしょうか。 ○下田厚生科学課長 大変私の説明がまずくて、意見は何も聞かないということではございませんで、もと もとこの新しい4番目の分野を立てますときには、この審議会の前身でございます厚生 科学会議というのがございました。そこで「厚生科学研究の基盤確立とブレークスルー のために」というのを昭和63年にお出しをいただいておりまして、その中でこういった レギュラトリーサイエンスを含めた分野の必要性というのが御提言になっております。 これは、この審議会が最初に開かれますときにそういった資料につきましても短時間で ございましたが若干触れさせていただきまして、こういった分野につきましても是非や らせていただきたいという御説明をさせていただいております。従いまして、この審議 会では将来を見据えてこういった分野をやるべきだという御提言はどんどんしていただ きまして、ただ、それが若干タイムラグがあって実現に時間が掛かりますけれども、こ ういった4番目の分野の立て方につきましても、そういう厚生科学会議の御提言を受け てやっておるということを申し添えさせていただきます。 ○矢崎部会長 せっかく研究企画部会でありますので、予算ですから2〜3年前から準備を整えてい なければいけないということで来ていますので、数年後を目指して次のプロジェクトに ついて、ここで議論させていただくということになるかと思います。 では、今、課長から説明がありましたように、現時点ではレギュラトリーサイエンス の視点からもこういう分野が提案されて、具体的にはここに書いてあるような内容で、 もし予算が成立すれば募集を進めていきたいということでございます。一応先生方に御 確認をいただいてということになるかと思います。 何か新しい研究分野といった場合に、タイムスケジュール的にどういうことになりま すか。予算の編成、その他で、この研究企画部会の一つのタスクフォースとして新しい 切り口からこれに加えていくことも必要になるかと思います。そうした場合には、どう いうふうに議論を進めて、どういうめどを立てていったらよろしいのでしょうか。 ○事務局 まず予算等の年間の標準的なスケジュールから申しますと、例年4月頃から厚生省内 において翌年度要求に係る作成作業が動き出しております。8月末には大蔵省へ 要求書を提出し、年末に政府原案がまとまるのが標準的なスケジュールになっておりま す。その辺から申しますと、新しい施策を盛り込んでいくという点からしますと、全く 大きな新しい柱ということになりますと、4月ぐらいまでにある程度の構想を立て、既 存のものと異なるものをどうやって組み込んでいくかというような構想を練っていくと いうことになろうかと思います。 従来からも厚生科学会議におきまして、長期的な視野に立ってどのような厚生科学分 野に今後伸ばしていくべきか、或るいはどういう具体的な方面に探索の道を伸ばすべき かということについては、ほぼ隔年ぐらいに御提言をいただいてきている事情かと思い ます。厚生科学会議から厚生科学審議会に変更になったということもありまして、その 間ちょっとぎくしゃくしている状況になっておりますが、今後そういうような形でこの 部会での御提言が審議会からの御提言ということで、長期的な視野に立った指針をいた だけるものというふうに考えております。 当面、現在のところ、走りながら考えているというところがございまして、平成9年 については誠に申し訳ない形で募集をさせていただきました。また、10年度につきまし ても、継続分については出来るだけ事業を円滑に実施いただくという観点から、今日御 了解いただければ、これをもって次回の厚生科学審議会総会に提示して、来年1月にも 官報告示をし、継続の方々にも御案内をする形で出来るだけ年度当初から研究が実行出 来るように進めて参りたい。また、現在、政府原案に含まれております案件につきまし ては、一応予算案が政府原案から国会で承認されて予算となりました段階でもって、一 応4月には通常議事が滞りなく進めば実行出来る形になりますので、その段階でもって 出来るだけ速やかに官報告示が出来ますよう、この部会での御意見等をいただきながら 具体的な公募手続に入りたいというふうに考えております。 また、それと並行する形で平成11年度以降の基本的な方針等につきましても、部会か ら御意見をいただけるもの、また、従前、寺田委員をはじめとする委員の方々から評価 の際には企画が非常に大事であるという御指示をいただいておりますので、企画部分に ついてもまた御議論いただく場が設けられるのではないかというふうに考えておりま す。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。 ○伊藤審議官 厚生科学審議会は平成9年度に発足をいたしまして、実は私どもも手探りのような状 態でいろいろ各委員の先生方に御苦労をかけ、また、大変御不満もあるのではないかな というふうに理解しております。厚生省の予算編成のプロセスとこの審議会の活動、提 言というもの、歯車をどうやってかみ合わせていくか。それから、毎年毎年の厚生省の 研究事業の予算編成企画立案評価という年度ごとにやっていく事業と、それから、3年 なり5年単位の厚生科学としてどういう考え方でどういう重点課題を取り組んでいくか という、少し中・長期的な課題、私は審議会の役割としては後者の方がもっと重要では ないかというふうに考えておりまして、その辺の審議会の運営の在り方につきまして、 官報告示に具体的にどういう考え方で表現したらいいかという問題も重要ではございま すけれども、厚生科学の基本的な在り方なりもっと基本的な問題、3年なり5年単位で 考えるような問題についてどのような形で御議論をし、それをこの予算編成のサイクル と合わせていくかという点につきまして、また、私ども事務局でもいろいろ検討させて いただきたいと思いますが、部会長及び各関係の先生方とまた少し相談をさせていただ いて、改めてお諮りさせていただきたいと思います。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。大変よく分かりました。私自身も研究企画部会の部 会長を仰せつかって、この使命は本当はそういうところにあるのではないかなというふ うに理解していました。ともかく引き継ぎ事項で今日まで追われてしまったというとこ ろがあって、新しい方針を今後先生方にも意見をいただいて中期、長期の厚生科学とし ての展望を何か出していけばというふうに思っていますので、今後ともよろしくお願い したいと思います。 それでは、今日事務局から提案していただきました継続的な部門については今年度中 に官報に報告させていただいて、今年度中にある程度のプロセスを済まさせていただく ということ。それから、今日お手元に案としてお配り申し上げた新規のものにつきまし ては、予算成立後にオープンして研究公募するという方針を御確認いただくと同時に、 この案につきまして先ほどちょっと分かりにくいところもございましたので、先ほど申 し上げました大体3つのカテゴリーに分かれるような形で整理しまして、事務局と相談 してこの案については内容を詰めさせていただいて、またお集まりいただくのも大変で ございますので、先生方に御連絡を申し上げて御承認を得たいと思いますが、よろしい でしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○矢崎部会長 先程言い忘れましたけれども、この評価の実施方法の在り方についての研究企画部会 報告につきましては、12月12日に開かれます厚生科学審議会の総会で私の方から申し上 げるということになっておりますので、よろしく御承認のほどお願い申し上げます。 ○寺田委員 細かいことなのですけれども、このまま出されるのでしたら12ページの上の変更にな ったところで今気がついたのですが、「なお、必要に応じて研究計画の変更云々」とあ りますが、これは変更の指示を入れないと例えば、変更を研究者に通知するものとする というのはちょっとオーバーなのではないかという感じがするのですが、変更の指示を するとか、その後の共同研究者の変更の指示あるいはそれに似たような言葉でないとち ょっとおかしいかなと思います。細かいことですけれども。 ○矢崎部会長 この研究評価の内容を通知するということでは読み取れませんでしょうか。 ○寺田委員 研究者の変更を指示するというのはどうでしょう、私はちょっとこれを読んで、例え ば評価委員会あるいは全体のところが研究者の変更を評価委員会側が主体的になって変 更するようなことは変かなと思いました。例えば、Aさんと共同研究をやっておりまし た、それはどうもおかしいから考えたらどうですかというところまでであって、これを やめてBさんとやりなさいというのはちょっとおかしいのではないかなと思いました。 ○矢崎部会長 そういう意味ですね。 ○寺田委員 どうでしょう。言葉の問題で、私だけそういうふうに感じたのかも分かりませんが。 ○事務局 事務局で詰めさせていただいておりますけれども、ここの考え方といたしました研究 者の変更、中止等の評価結果の内容を通知するということでありますので、その結果の 内容というのものの中に例えば、研究者の変更が必要であればそれを通知するというこ とでありますし、研究の中止というのが指示というか結果でそういう指示が出れば、そ の内容を通知するという意味で記載をさせていただいているところでございます。 ○寺田委員 ちょっとおかしいなと思いました。しかし、そう言われてみればそれでもいいのかな と思っています。いいです、分かりました。 ○矢崎部会長 少し広く読んでいただくということで。 その他何かございますでしょうか。 ○宮本委員 今回のように評価云々ということは、とりもなおさず研究をいかにして推進するかと いうことだと思うのです。そういう面で私は常日頃厚生省の研究費についていささか希 望があります。勿論、厚生省のこういうふうな研究費によって日本の国の研究が大変推 進された。ですから厚生省の貢献度は大変大きいと高く評価しています。ただ、研究費 の配分が毎年遅れているということが1つ問題だと思うんです。なるべく早く配分して いただきたいと思います。 それともう1つは、使用についていろいろな規制があるということです。例えば、会 合の会場費が高過ぎるから減らせとか、最終的に使った金額の報告の後で、それが返っ てきて訂正し直せとか煩雑な処理がある訳です。厚生省の事務サイドとしてはやむを得 ない点が多々あろうかとは思いますが、せっかくの研究費を有効に使ってもらうという 意味では、もう少し柔軟性というか寛容な対応をお考えいただけないだろうかというの が、私のお願いなのです。私も厚生省の研究費を貰っていて秘書に処理させています が、問題はそこなんです。使いづらい。その辺りについて是非前向きに御検討をお願い 出来ればと思います。 以上でございます。 ○矢崎部会長 研究費の内容によるかもしれませんけれども、いかがなものでしょうか。私は余り差 がないように思いますが。 ○事務局 文部省の科学研究費等に比べますと、確かに今御指摘のとおり、厚生省の科学研究費 執行は従来から比較的遅いということで私ども事務局、伊藤審議官を初めとする上司か ら何とか研究者の先生方に早く契約を結んでいただき、資金の交付を速やかにするよう にとハッパを掛けられておりまして、今年も努力しておりますが、次年度におきまして も今日御審議いただいたようものを早目に告示をしようということも出来るだけ早く交 付ということの努力の一端でございますので、引き続き努力させていただきたいと思っ ております。また、申請いただいた内容に合わせまして経費の積算等につきましては、 事務局の方からも手引き等を出すようにしておりますが、一層これが研究者の先生方の ところで事務を行われる方に分かりやすくなるように、いろいろ工夫をさせていただき たいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。 それでは、本日御議論いただきました評価の実施方法の在り方についてということ と、それから、公募研究の課題についての方針など先生方に御確認いただいたというこ とで、12月12日の総会で部会の報告ということにさせていただきますので、よろしくお 願いいたします。 何か事務局の方でありますか。 ○事務局 次回以降の日程につきましては、部会長と御相談をさせていただきまして議事、日程 につきまして調整をさせていただきたいと思います。また、先生方には後日御連絡を差 し上げますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○矢崎部会長 それでは、本日の部会をこれで終了させていただきたいと思います。どうも本日もあ りがとうございました。 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課    担 当 岡本(内線3806)  電 話 (代表)03−3503−1711   (直通)03−3595−2171