97/11/17 公衆衛生審議会脂質に関する栄養表示基準専門委員会 公衆衛生審議会健康増進栄養部会 脂質に関する栄養表示基準専門委員会 議  事  録 厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室 公衆衛生審議会健康増進栄養部会脂質に関する栄養表示基準専門委員会次第 日 時:平成9年11月17日(月) 13:28〜15:15          場 所:厚生省特別第一会議室(7階)  1.会議次第  (1) 開 会  (2) 挨 拶 (3) 議 題   (1)コレステロールの強調表示基準について   (2)ノンオイルドレッシングの特例の取扱いについて   (3)その他 (4) 閉 会 ○事務局 (古畑)  それでは、公衆衛生審議会健康増進部会の脂質に関する栄養表示基準専門委員会を 開催いたします。  前もって本日は齋藤委員が御欠席でございますので、よろしくお願いいたします。そ れから、若干中村委員が遅れるという連絡が入っておりますので、よろしくお願いいた します。 本日は前回に引き続き「コレステロールの強調表示基準について」、それから「ノン オイルドレッシングの特例の取扱いについて」の御検討をいただくことになっておりま すので、よろしくお願いしたいと存じます。 それでは、開会に当たりまして竹下新開発食品保健対策室長からご挨拶を申し上げま す。 ○竹下新開発食品保健対策室長 本日は御多忙のところ、また雨でお足元の悪いところ御出席をいただきましてありが とうございました。 御案内のように栄養表示基準も昨年の5月24日に施行されまして、経過措置がその時 点で表示をしていたものには認められている訳ですが、それも3月31日までということ で、本格的な施行も間近に迫っているという時期でございます。栄養表示をした食品と いうものも、かなり増えてきているということにお気づきの方も多いかと存じます。 さて、第1回の会議でございますけれども、本年の3月31日前年度の年度末ぎりぎり に開いていただきました。会場もタコ部屋のようなところで申し訳なかったのですが、 今日はこのような一応立派な会議室を用意することが出来ました。その後、6月の下旬 でございますが、CODEXの総会が開かれまして、その際にCODEXとしてコレス テロールの基準についても承認がされたというところでございます。我が国の栄養表示 基準でございますが、このCODEXの基準というものと整合性を確保した制度でござ います。したがいまして、本日は、そのCODEXで承認されたコレステロールの基準 を、我が国に当てはめることについて医学・栄養学的な観点からどうなのか。まず十分 に御議論をいただきまして、その上で製品の実態、あるいは消費者に適切な情報を提供 をするといったような観点からどうすべきかということで御議論いただければ幸いとい うふうに考えております。 なお先生方には、年末の何かとお忙しいところで誠に恐縮でございますけれども、も し委員の皆様の御都合がつけば年内にもう一度、この専門委員会を開いていただきまし て、最終的な成案を取りまとめていただければ大変ありがたいというふうに考えており ます。 どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(古畑)  本日も農林水産省食品流通局消費生活課、それから食品油脂課の担当官がオブザー バーで出席しておりますので、御了承をお願いしたいと思います。 それでは小林委員長よろしくお願いいたします。 ○小林委員長  それでは今御説明ありましたように、本日コレステロールの強調表示基準とノンオイ ルドレッシングの取扱いという、前回から課題になっております問題につきまして議論 を進めさせていただきたいというふうに思います。是非円滑に議事が進行いたしますよ う、よろしく御協力いただければというふうに思います。 今日はかなり厚い資料もございますが、資料確認をお願いします。 ○事務局 (古畑)  それではお手元の資料確認をお願いしたいと思います。 まず、1番上に次第がございまして、その次に今回の座席表がございますが、若干広 うございまして、先生方の御席を若干入れかえさせていただき、失礼いたしております 次に委員名簿でございます。それから資料1が、「コレステロール表示に関する件」 ということでございます。資料2が、「ドレッシング類のコレステロール表示に関する 意見」、資料3が、「コレステロール及び飽和脂肪酸の試験結果」、資料4はCODE Xの基準、それから資料5が「コレステロール強調表示 (「無」及び「低」) の基準設 定について(案)」、資料6が「ノンオイルドレッシング栄養表示基準に対する意見」 資料7が「脂質『無』の基準(0.5g/100g 未満) において特例を設けたノンオイルドレ ッシング (3g/100g未満) の評価について」。 以上でございます。 ○小林委員長  ありがとうございます。ちょっとページの見出しがとりにくい部分がありますので御 確認いただきますでしょうか。 中村委員がおいでになりました。 ○中村委員  遅くなりました。 ○小林委員長  ちょうど始まったところでございます。 それでは、コレステロールの強調表示基準につきまして、まず議題にしたいと思いま す。いろいろ前回調査をお願いした事項等もございますので、その辺から始める訳でご ざいますが、まず浜島委員から御提供いただきました資料に沿って御説明をお願いする という順序でスタートしたいと思います。よろしくお願いします。 ○浜島委員  それでは御説明申し上げます。  資料の1番でございますが、私どもの考え方は基本的には、業界、ものを供給する立 場でございまして、細かい点につきましては先生方に御審議いただくということで是非 御理解いただきたいというふうに思います。  一つは、前回もお話申し上げたんですけれども、食品を考えていく場合に、1日当た りの摂取量が少ない調味料などについては、出来るだけ摂取当たり、パーサービングの 考え方を導入していただけないかということがございます。この辺は脈脈と私どもとし て流れているところでございますので、大前提ということになってまいります。  あとは、この資料に沿いまして1番から御説明をいたしますけれども、コレステロー ル「ゼロ」及び「低」の表示につきまして、ただいま申し上げました1回のサービング サイズの表示の検討ということでございまして、米国ではこういう栄養の表示に対して サービングサイズの表示が行われております。これは添付してございます資料の2番目 3番目に商品のコピーを添付してございます。また、FDAが出している家庭用のガイ ドのごく一部でございますけれども、コピーがついてございますので、この中でサービ ングサイズというものを導入していることは既に御承知のとおりというふうに思います  また、CODEXにおきましても、サービングサイズあたりの検討というのは進めら れているというふうに理解しておりますので、それは先ほどの決定との関係もございま すけれども、私どもとしてはサービングサイズがある程度進行しているのではないかと いう前提で考えてきております。  あとは業界的なものでございまして、海外の商品、これと競争をしていくという意味 では、アメリカとの競合というのは非常に大きな位置づけにありますので、是非こうい うものがサービングサイズの基準が望ましいのではないかというふうに考えておる訳で ございます。  続きまして、コレステロールの基準、この辺になる訳でございますけれども、飽和脂 肪酸自身、これはもう既に栄養表示基準が設けられてございますけれども、コレステ ロールの表示基準に当たっては、コレステロールの表示自身と同時に飽和脂肪酸という ものが関連して考えられているということでございまして、この辺が前回あたりもお話 し申し上げたんですけれども、切り離せるのか離せないのかという問題がこれから出て くるんじゃないかと思っております。一つはCODEXの案でございますけれども、コ レステロール「ゼロ」及び「低」の基準が設けられている状況の中で、飽和脂肪酸が付 加条件として入っているということでございますけれども、後ほど述べますけれども、 このために実際に商品を供給するという立場で考えた場合に、その基準を満足するもの が天然あるいは加工の過程を経ましても、供給出来ないということになってきますので この辺が一番大きな問題になってきます。  私どもはその理由を3つぐらい挙げているのでございますけれども、理由の一つの飽 和脂肪酸の摂取状況ということにつきましては、先生方の方がむしろお詳しいので、こ れは私どもが業界レベルからみて現在の日本人の栄養摂取の中で、飽和脂肪酸が過剰に なっているという状況はないのではなかろうか、このように見たのが第1番目の理由で ございます。  それから第2番目は、業界の最も問題としております米国製品が英語でもって “Chole-sterol Free" と表示されている。これは資料の5番目にコピーが載っており ますけれども、今日は実際のサンプルを目で見ていただこうと思いまして持ってまいり ました。例えばこのようなサンプルに"Cholesterol Free"と大きく書いてございまして そのほか別なサンプルには栄養表示したものが載っておりますけれども、こういう形で "Cholesterol Free"というふうに書いてある商品が日本の国内に出回っているという状 況の中で、その基準が違うということになりますと、冒頭来申し上げておりますように 業界といたしましては、片一方は英語ですけれども、表示されている。こういう点でハ ンディキャップを負わなければいけないということがございますので、この辺を十分に 御配慮いただきたいというふうに思っております。 それから3番目の理由は、これは先ほど一部申し上げましたけれども、現実的な理由 といたしまして、商業的に調達出来る油脂、これは加工も含めてですけれども、その中 でCODEX案に示されているような飽和脂肪酸との組み合わせを満足するものという のは見当たらないということでございまして、これは資料の6番目に油脂化学便覧を借 りて植物油の脂肪酸組成を見ておりますけれども、その中では特に飽和脂肪酸の少ない のはクルミ・ナッツ油、なたね油、これらが5.7 %、100g当たりに換算しますと、これ はグリセリンの量がありますので5.3gとなってきますが、パーセントとほとんど同じと 見ていただければと思います。5.数%というところで、これが最も低くて、そのほかの 油は幾つかございますけれども、これよりも高いという状況でございます。 この油脂化学便覧は必ずしも商業的供給出来るものだけではなくて、油として分析さ れているものはかなり掲載されている訳でございますけれども、現実問題そういう中で 飽和脂肪酸の規制をCODEXと同じにすると商品の供給が出来なくなるという状況に なっています。このことは植物油に限らず、植物油を使った油性食品にも当てはまって くるということでございまして、油脂だけの問題ではなく、ほかのものにも関係してく るというふうに御理解いただきたいというふうに思います。 2番目にコレステロールと飽和脂肪酸を切り離せないというふうになったらどうかと いうことになる訳ですけれども、一つは飽和脂肪酸自身を1日の摂取量から考えて、絶 対量を考えて基準をつくっていただけないだろうか。二つには、私どもが摂取している 全エネルギーに占める飽和脂肪酸のエネルギーからどの辺までとっていいかということ を基準にお考えいただければありがたい。三つ目は油脂の中の飽和脂肪酸の含有比率、 これは先ほど来申し上げておりますけれども、現実に油脂化学便覧等をごらんいただい た中で決まってくる数字でございますけれども、こういう取扱いの中から飽和脂肪酸と いうものを組み合わせて御検討をいただけないだろうかということで、お願いしている 次第でございます。 また、本題でございますコレステロール自身の基準値につきましては、前回もお話し 申し上げておりますけれども、私ども専門外でございますので、この点につきましては 先生方に御検討いただければというふうに考えます。  甚だ簡単でございますけれども、以上でございます。 ○小林委員長  どうもありがとうございました。 これは全体的な視野から検討していただくこともございまして、一応一通り御説明を いただいて、それから議論をすることにしたいと思います。 ただいま御説明のようにドレッシング類のコレステロール表示に関しまして、伊東委 員に御説明をお願いすることになっておりますので、資料に沿って御説明いただけます でしょうか。 ○伊東委員 今、浜島委員から御説明があったのとほとんど同じことになるかと思いますが、コレ ステロールが栄養上いろいろ問題があるというのは周知の事実でございますから、それ に関する基準をつくるということに対しましては、これは非常によろしいことではない かというふうに思っております。 それをつくるに当たって、幾つか御検討いただければということでそこに三つ書いた 訳ですけれども、一つ目、いずれも先ほど申しましたように、浜島委員と全く同じでご ざいますが、1回当たり200gとか食べるるものと、調味料みたいに10g とか20g 食べる もの、これを同じ100g表示ということでやる方が、本当に消費者に正しい情報を提供す ることになるのかどうかということが1点でございます。業界の立場とすれば1回当た り食べる量に対してどの程度、サービングサイズ当たりという方がより消費者に正しい 情報を提供するのではないかということでございます。 2番目は、食品業界というのはアメリカの影響を受けることが多くて、実際アメリカ の製品、原料などもそうですが、アメリカから入ってくることが多い訳ですけれども、 一応アメリカとの整合性というのはある程度検討していただけると助かるのではないか ということでございます。 3番目は、これも浜島委員と同じでございますけれども、天然のサラダ油ということ を考えますと、どうしても脂肪酸組成というのが決まっている訳でございますので、そ こで飽和脂肪酸だけ取り出して基準をつくるということになりますといろいろ支障が出 てくるのではないかということなので、そのあたりを御検討いただきたいといことでご ざいます。  参考までに、製品がどうなっているかということについて分析しましたのが次のペー ジでございます。これはアメリカで売られておりますドレッシング、マヨネーズタイプ の調味料についての分析でございまして、分析センターさんの方で分析していただいた ものでございます。脂質とコレストロールのところを見ていただければよろしいかと思 いますが、これを最後の欄、コレステロール100g当たり2mg 以下、飽和脂肪酸100g当 たり1.5g以下、エネルギー%で10%以下というような基準で見てみますと、2番目のド レッシングだけが適合して、あとはいずれも不適合ということでございます。 国内ではどうかということでございますが、マヨネーズ、ドレッシング関係では、今 国内では2社さんで2種類、コレステロールに関する製品を発売なさっておられます。 それが3枚目でございますけれども、この脂質、コレステロール量をみていただきたい のですけれども、これを先ほどのコレステロール、飽和脂肪酸、エネルギーに照らして みますと、脂質の部分でいずれにしても不適合というのが現状でございます。 4ページは分析した製品のラベルでございますけれども、これには、ファットフリー とかコレステロールフリーというような表示がなされております。したがいまして、こ ういうのが輸入され、販売されるようになれば、恐らく今の日本の消費者レベルですと これはコレステロールフリーだ、ファットフリーだということになってしまうのではな いかというような感じがいたします。 以上でございます。 ○小林委員長  ここでお二方の御説明をいただいた訳でございますが、続きまして、国立健康・栄養 研究所で製品分析しまして、その試験結果、それから6月の最近のCODEXの総会で 決定しました。コレステロールの基準について、この辺を今の御説明に関連して一括し て事務局から御報告願います。 よろしくお願いします。 ○事務局 (古畑) それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。 これはコレステロール及び飽和脂肪酸の試験結果でございます。ただいま委員長がお っしゃいましたように、国立健康・栄養研究所におきまして、国内で流通しているもの の実態調査の結果でございます。 まず表ですが、商品の種類を、ここでは絶対表示がされているもの、それから相対表 示がなされているもの、それから、いずれにも入らないその他に分けてございます。 それでは、絶対表示の方をごらんいただければと思います。マヨネーズタイプが2種 類ございまして、コレステロールの表示内容が「コレステロール0%」、「ノンコレス テロール」。それからコレステロールの分析値でございますが、それぞれ「検出せず」 それから飽和脂肪酸量でございますが5.65g 、もう一つのタイプが12.1g 。1番下の注 意書でございますが、括弧書きは、飽和脂肪酸のうち、血中コレステロールを上昇させ ると言われるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸の量でございます。また、飽和 脂肪酸由来のエネルギー量、食品の表示エネルギー量、1番右の方でございますが、食 品の表示エネルギー量に対する飽和脂肪酸由来のエネルギー量、その割合を示してござ います。 次に絶対表示の卵でございますが、コレステロール表示内容としては、コレステロー ルの低い新鮮な卵、コレステロールの分析値は378mg 、飽和脂肪酸分析値は3.03g とい うことになっております。 それから、相対表示でございます。バタータイプが二つございます。まず、コレステ ロールはバターの3分の1、コレステロール分析値が63mg、それから飽和脂肪酸分析値 が25.6g 。 次のバター風味油でございますが、コレステロールがバターの10分の1、そしてコレ ステロール分析値が15mg、それから飽和脂肪酸量分析値が15.8g 。  卵でございますが、コレステロール31%減、コレステロール分析値が386mg 、ここで は飽和脂肪酸が分析試験をしておりませんので、数値は入っておりません。  玉子どうふでございますが、コレステロール2分の1、コレステロール分析値が63mg そして飽和脂肪酸分析値が0.92g 。 その他でございますが、卵2種類、シリアル1種類ということで、ごらんのとおりの 表示内容、それから分析値となっております。 2ページ目以降でございますが、ただいま申し上げましたそれぞれの商品の表示内容 で実際にコピーしておりますので、お目通しいただければと思っております。 続きまして資料4でございます。これはCODEXにおける栄養成分についての強調 表示をする場合の基準を示したものでございます。その中でコレステロールの基準につ いて説明したいと思います。  まず、コレステロールLow につきましては、食品100g当たり、コレステロールそのも のが0.02g 以下であるということでございます。それから、液体食品につきましては、 100ml 当たり0.01g 以下ということでございます。それから、コレステロールFreeにつ きましては、食品100g当たりコレステロールそのものが0.005g以下、それから液体食品 も同じでございます。Low/Freeいずれの場合におきましても、飽和脂肪酸が100g当たり 1.5g 未満、それから液体食品にあっては100ml 当たり0.75g 未満、かつ飽和脂肪酸由 来のエネルギーが全エネルギーの10%未満という基準となっている訳でございます。 以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○小林委員長  ありがとうございました。 それでは、差し当たり、議論は後で事務局の基準としてのたたき台がございますので その時に御意見をいただくことにしまして、当面今のお三方からあった御説明に質問が ありましたらお願いしたいと思います。何か質問ございますでしょうか。御質問があり ましたらどうぞ。 既にある程度の情報は前回の通りで御存じのことと思いますので、御質問がございま せんでしたら、それではコレステロールの強調表示、本日のノンコレステロールまたは 低コレステロール、これの基準設定について、事務局からたたき台ということで御用意 していただいものを御説明ください。 ○事務局 (古畑) それではお手元の資料5をごらんいただきたいと思います。「コレステロールの強調 表示(「無」及び「低」)の基準設定について (案) 」でございます。 1としましては「我が国の栄養表示基準における強調表示基準設定の原則」です。  「低」の場合ですが、「低」の強調表示がなされた食品 (一般食品1000g 及び飲用食 品2000ml) のみを摂取すると仮定し、この場合における当該栄養成分の1日摂取量が望 ましくないとされる量を超えないよう、国際基準も考慮し設定しております。 それから「無」の場合でございますが、医学・栄養学的に意味のない量 (無視して差 し支えないと考えられる量) 、定量下限から国際基準も考慮し設定されております。 2としましては「コレステロールの基準設定」でございます。 (1) でございますが、「『低』の基準について (絶対表示) 」です。 (1)食品中のコレステロールに留意すべき人 (血清中総コレステロール値が220mg/dl 以上あるいはLDLコレステロール値が140mg/dl以上の人) は、1日のコレステロール 摂取量は300 mg 以下にすることが望ましいとされている。これは米国心臓病学会、日 本の食事療法指針となっております。 (2)ですが、CODEXで設定された基準値を、我が国の栄養表示基準における「低」 の強調表示基準設定の原則に従って検証するといたしますと、この場合、「低」の強調 表示がなされた食品のみを摂取すると仮定した場合の1日のコレステロール摂取量を計 算すると以下のようになります。 一般食品についてコレステロールそのものの摂取量でございますが、そこに計算式が ございますが、20mgはCODEXの「低」の基準で一般食品1000gの場合、100g当たり で計算しますと200mgになります。それから飽和脂肪酸の摂取量でございますが、1.5g はCODEXの「低」の基準ということでございまして、同じように計算しますと15g の摂取量になるということでございます。血清コレステロールの濃度に影響を及ぼす割 合として、飽和脂肪酸1g がコレステロール20mgに相当すると考えられていることから 飽和脂肪酸15g はコレステロール300mg に相当する。したがって、全体としてコレステ ロール500mg に相当することになります。 次に、飲用食品についてでございますが、上記1) と同様の考え方でコレステロール 500 mgに相当し、1日当たりの摂取量は、一般食品と飲用食品を併せ1000mgに相当する ことになります。 次をお開き願いたいと思います。(3)ですが、このようにCODEXの基準値を準用 した場合、(1)の300mg に対し1000mgとなり、他の栄養成分に比べ、その基準値が甘く 設定されることとなります。しかしながら、1)コレステロールが含有される食品は他 の糖類や脂質と異なり、一部の食品に限定されること。2)飽和脂肪酸のうち血清コレ ステロール値に影響しないものもあること。3)飲用食品において飽和脂肪酸を含有し ている食品が少ないことなどからCODEXの基準値を準用しても日本人の血清コレス テロール値に及ぼす影響は少なく、心疾患等の予防という観点からも特段の問題はない のではないか。 次に(2)「『無』の基準について (絶対表示) 」でございます。コレステロール「無」 の基準値のうち、コレステロール5mg以下は医学・栄養学的に意味のない量、定量下限 である。一方、飽和脂肪酸についての基準値は「低」の基準値と同様であるが、我が国 の栄養表示基準の「無」の強調表示基準設定の原則に照らして、国際基準を準用するこ ととしても、特段の問題はないのではないか。 次に(3)「『低減』の基準について (相対表示) 」でございます。 上記 (1)の基準値が設定された場合、ほかの栄養成分と同様、他の食品と比べて栄養 成分の量が低減された旨の強調表示、相対表示についても設定されることになります。 この場合、一般食品については、比較しようとする他の食品と比べ、コレステロールが 100g当たり20mg、飽和脂肪酸が100g当たり1.5g以上(飲用食品にあっては各々10mgと 0.75g以上)低減なされていなければならず、また、表示に際しては比較対象食品名及 び減少量 (又は割合) を強調表示部分に接近して表示しなければならないこととなると いうことでございます。 以上でございます。 ○小林委員長  ただいま事務局の方からの案が示された訳でございますが、この案につきまして、こ れからいろいろ御議論があると思いますので、御質問、御意見をお受けしたいと思いま す。問題の性質上一つひとつ段階を踏んでまいりたいと思いますので、まずコレステ ロールの基準につきまして、コレステロールだけではなく飽和脂肪酸とセットで設定す ることについて、これは医学・栄養学的な立場からどうかというところに関して、まず 議論を始めさせていただきたいと思いますが、既にこの辺に関しては専門家の御意見が いろいろあると思いますが、ここでもう一度確認させていただければありがたいと思っ ています。 中村委員からどうぞ。 ○中村委員  大部分の一般の食品に関しては、コレステロールの含量と飽和脂肪酸、特に私ども臨 床家の立場で問題にするのは、やはりパルミチン酸、ミリスチン酸などの確実にコレス テロールを血中で上げるという飽和脂肪酸が対象になる訳です。多くの一般的な食品に は、両方とも共に含まれてくる場合が多うございますので、特にそういう意味では問題 は少なかろうというふうに思うんですが、少なかろうというふうに申し上げたのは、一 部で例外もある訳で、例えばやし油などをとりますと、これは圧倒的にミリスチン酸な どが大変多い訳ですが、コレステロールはほとんど入っていないということになります ので、こういった例外をどうするのかということを考えておけばいいのではないかとい うふうに思います。 ○小林委員長  そのほかに、この件に関しての御意見はいかがでございましょう。どうぞ板倉先生、 五十嵐先生どちらからでも何かございましたら。 ○板倉委員 コレステロールの強調表示の意味は、結局こういう食品をとることによって、一般の 人たちがコレステロールが高くなる。また動脈硬化になる。それを防ごうとして、そう いう表示をされた食品を選択しようということを考えた場合に、栄養学的にはコレステ ロール、飽和脂肪酸もコレステロールを高める。特に飽和脂肪酸の中で、今、中村委員 が指摘された脂肪酸を上げる。そういうことで栄養学的に考えた場合には、ある程度セ ットに考えないといけないのではないかなと思います。 ○五十嵐委員  飽和脂肪酸の問題はそれでよろしいと思うのですが、油の中には不飽和脂肪酸が入っ ていますので、それは全然どうあろうと関係なく、コレステロールと飽和脂肪酸だけで きてしまっていいのかどうかということが必ずついてくると思うんですが、この辺はい かがでございますか。極めて難しくて、そんな表示は出来ないと思うんですけれども、 かなり不飽和脂肪酸も同時にとる訳で、飽和脂肪酸の上げる効果も下がってくるという のは、これも既定の事実ですから、この辺は表示としては必ずしもうまく出来ないと思 うんですけれども、栄養表示ですから無視して構わないかどうかということになります ね。 ○中村委員  私は不飽和脂肪酸の中で、コレステロールをLDL受容体の活性を上げて下げてるだ ろうと思われるのはリノール酸だと思うんです。EPAあるいはDHAは、それほどコ レステロールを下げるとは思いませんので、リノール酸の含量が大事であろうというふ うに思いますが、ただ、コレステロールも多いし、一般に飽和脂肪酸が多いと言われて いるものは、リノール酸含有量が大変少のうございますので、そういう意味からいくと 例えリノール酸が幾らか入っていても、大部分影響を受けるのは飽和脂肪酸によるもの ではないか。リノール酸が非常に多い食品をもし例として取り上げたにしても、やはり それは飽和脂肪酸とリノール酸との比率がかなり重要になる訳で、五十嵐先生が御存じ のように、実際に飽和脂肪酸を上げる効果に対して、ただ不飽和脂肪酸で下げる効果と いうは50%ぐらいある訳ですから、少しブレーキをかけるにしても、そのブレーキの力 は弱いのではないかというふうに思いますが。 ○小林委員長  ほかの委員、何かこの件に関して御追加の意見はありませんか。 先ほど箇条書きで説明のあった遊びの中に含まれてくるんじゃないかなという感想を 持つ訳ですが、一応セットでなかなか実態としてやりにくいというお話があったのです が、純粋に医学・栄養学的な立場からはセットであることが望ましいという点は確認し てよろしいかと思うんですけれども、その次に、事務局案でお示しのあったCODEX の基準でございますが、これを準用することで、実態を御議論いただく前に、医学・栄 養学的にCODEXの基準で、例えば日本人に適用する場合にいいかどうかということ について御意見があればいただきたいと思うんですが、いかがでございましょう。 確かに日本は脂肪の摂取量は平均的にはそんなに高くないということなんですけれど も、実態で個別的に言いますと、トータルの脂肪摂取量しかまだ出ていませんが、一応 その年齢、階層によっては意外と高い。これは国民栄養調査で実際に年齢階層別を調べ る意義を裏付けしたような形になったんですが、そういう実態もありまして、CODE Xの基準が日本人に対してどうかという観点、これは医学・栄養学的に何か特に御意見 ございませんでしょうか。 ○板倉委員 今、小林先生言われましたように日本人は脂肪摂取が少ない。だから、脂肪の制限表 記とか、そういうのは必要ないんだということは言えないのではないか。個人的には非 常にたくさんとっている人、あるいはとると健康上よくない人というのはいますので、 そういう表示をする場合には、国際的な基準に合わせておいた方がいいのではないか。 その代わりあとは栄養指導でどういうとり方をするか、それをまた別個に考えていく方 がいいのではないかと思います。ただ、サービングサイズとか、そういう点については またちょっと別な問題だと思います。 ○小林委員長  これはあくまで健康の視点からどのような方向が望ましいかということなのでありま して、実態とのすり合わせというのは、これから議論をいただく訳でございますけれど も、CODEXの基準というのは、一般的に今のような立場からは医学・栄養学的に純 粋に考えたらいいだろうという視点が、この案の中にはある訳でございますが、それは よろしいでしょうか。 ○中村委員  私は特に準用して、日本人にとって医学・栄養学的に悪いんだという証拠はないと思 います。この数値が使えないということではないように思います。 ○小林委員長  ただいま申し上げた専門医学サイドからの医学、あるいは健康の側からの議論はそう いう前提でお話を進めてよろしいということと理解しまして、次に、製品実態を踏まえ た場合はどうか。基準的な考え方についてCODEX基準に従ったら、「無」とか 「低」とかの絶対表示はどうかという問題がまずあるのですが、この辺はちょっと生産 者側の御感想、御意見をちょっと伺ってみた方がいいかもしれませんね。どうぞよろし くお願いします。 ○浜島委員  繰り返しになって申し訳ないんですが、今のCODEXの基準をそのまま適用します と、これは商品によって違うんですけれども、私どもが使っております植物油に関して は、コレステロールの数値は満足出来るけれども、飽和脂肪酸の含有量の点で充足する ものがないということで、現実問題には、日本からそういう商品を供給出来ない。した がって、関心があって、例えばコレステロールを減らそうという人たちにも情報の提供 が出来なくなるということでは、栄養表示基準自身が意味をなさないのではないかとい うことで、医学的な見地と同時に、もう一歩実用面で健康に留意する人たちに情報を提 供出来る範囲で設定されるべきではないか、このように考えますし、業界としては是非 そうしていただきたいというふうにお願い申し上げます。 以上です。 ○小林委員長  伊東委員の方はいかがでございますか。 ○伊東委員  先ほどもちょっとマヨネーズ類似の製品についての分析データをお示ししたんですけ れども、結局これは世の中に存在し得ないということになってまいりますよね。 そうしますと、確かに医学的見地から見ますと、CODEXの規格というのは申し分な いというのはよく理解出来るのですけれども、世の中一般の健康というのを考えた場合 に、ここにありますような食品の存在というのが全く意味がないものなんだろうかとい う疑問は出てまいりますね。 ○小林委員長  我々としましては出来るだけ、国民にどうやったらいいか。国民にどういうふうに示 したら一番適切かということについて悩む訳でございますけれども、絶対表示に対して 提言なり、いろいろな相対表示が可能であるかどうかということが問題になる訳ですけ れども、あくまで消費者に適切な情報を提供して、出来るだけ動脈硬化等の危険因子を 提供させていただくよう、国としても、我々としても、栄養教育、健康教育の手段とし ていきたいというのが趣旨でございまして、そういう方向で出来るだけで考えてみると どうなるかということなんですが、相対表示のあり方になりますと、絶対表示が無理だ ったら相対表示という次の考え方があると思うんですけれども、例えば事務局としては こんな相対表示だったらどうかという何か適切な案か考え方はございますか。 ○事務局 (古畑) 先程の資料説明の中にございましたが、相対表示として低減された旨の表示を行う場 合の基準としましては、通常の食品に比べまして、例えば一般食品100g当たりでコレス テロールが20mg以上、かつ飽和脂肪酸が1.5g以上低減されているということが条件にな ろうかと思います。 ○事務局 (滝本) ちょっと補足させていただきますと、実は同じような問題が例えば醤油にもございま した。本来、食品の特性として醤油の中にはナトリウムがたくさん含まれています。栄 養表示基準では少ない旨のナトリウム表示が100g当たり120mg という基準値が設けられ ておりますが、醤油ではこういうものは存在し得ない。しかしながら、絶対基準はクリ ア出来ないけれども、普通の一般の醤油と比べて、これだけ減らしましたという強調は やっていただいてもいい。むしろ、そういうことによって消費者の方々に適切な情報を 提供していただこうということで、相対表示基準というのを絶対表示基準と併せて設け ております。 したがいまして、このコレステロールにつきましても絶対基準と併せて、相対表示、 すなわち従来品と比べてコレステロールどれだけ減らしています。何%カットしていま す、現実その表示例としてもある訳でございますけれども、そういう情報の提供という のは可能になってくるんじゃないということでございます。 ○小林委員長  いかがでしょう。 ○浜島委員  植物油の例で申しますけれども、先ほど伊東委員のほうからもお話が出ましたように サラダ油等は天然物を使っているという関係で、今のお話のように減らせるとか、減ら せないという問題が現実問題出来ない訳でございます。したがって、そこで飽和脂肪酸 の多い少ないはものによってありますけれども、その量の違いというのも、そんなに大 きくないという実態から考えると相対表示だけでは十分に活用出来ないという面がある のと、もう一つは外国製品が入ってくる中で、外国製品は絶対表示できている。これが 競争の中では、直接この場面とは関係ないかもしれませんけれども、業界にしては競争 に勝てないという点では問題が残るということでございます。 ○小林委員長  かなり今日のポイントになってきましたけれども、いかがでしょう。 ○伊東委員  あくまでこれは食品というところに問題があるのではないかと思うんです。 と言いますのは、一つの例としてお話をしたいんですが、会社の話になって恐縮なんで すけれども、私どもはマヨネーズをメイン製品にしているんですけれども、マヨネーズ はカロリーが多いということで、カロリー半分というものをつくりました。それともう 一つは、それの10分の1、いわゆる油を全く使っていないものをつくりました。ほぼ同 時に販売をしましたけれども、現実、油を全く使っていないものは味の面で評価されず に、結局売れずになくなってしまったということなのでございまして、ハーフの方はお かげさまで、それなりの市場シェアを占めるようになったのですけれども、そうすると 食品の場合、ただ医学的見地から理想的なものということだけで縛っていった場合、本 当にお客さんの満足いただけるものが出来るのかどうか。要はそういうものを極力少な くし、しかもお客さんが味でそれなりの評価をしていただき、しかも価格的にリーズナ ブルの価格のものをつくるということが、国民栄養に寄与するのではないかというふう に思うんですけれども。 ○中村委員  僕は今までの御議論を伺っていて、何となく妙な印象を持つのですけれども、単に売 るためにこういう表示をするのか、実際に国民の栄養を考えて、あるいは国民の病気を 出来るだけ減らそうとして、こういう実際にディスカッションやっているのかというの は僕はちょっと疑問のように思えるのです。すれ違った話が出ている。一方では売れな くなったのでは困るというようなニュアンスで話がきていますので、私はある程度筋を 通していただかないといけないだろう。例えば飽和脂肪酸が多い、しかしコレステロー ルは減っている。それを選ぶか選ばないかは買う人の嗜好もあるでしょうし、金銭的な こともあるでしょうし、それは消費者に任せるべきだろう。実際に医学的にはこういう ものが、恐らく心配はないでしょうということで言うべきではないのかなと思いますけ れども、どうでしょうか。 ○小林委員長  という御意見がございますけれども、どうぞ。 ○浜島委員  勿論、先生おっしゃるように売れるか売れないかということもあるんですけれども、 その前にそういう商品が供給し得ない値ということになると、結局、消費者の方はそこ まで厳密でなくても、健康上いいものがほしいという方に対する情報提供が余り厳しい ところでやると商品を供給出来なくなって、結局は健康上望ましいものが手に入れられ ないという消費者の立場もあるのではないかというふうに思いますので、この辺はメー カーサイドばかりお話申し上げても何ですので、別に消費者の方の御意見も聞かなけれ ばいけないと思いますが、私どもはそういう観点も持っております。売らんかなだけで はないというふうに御理解いただきたいと思います。 ○小林委員長  おっしゃるとおり、今日、齋藤委員が御欠席ですので、そういう意味もあって、もう 一回年内に設定を用意して、消費者側の御意見も伺いたいということなんです。今の御 趣旨に沿った形でお話を進めたいとは思っておりますが。 ○荒木委員  ちょっと質問をしてもいいですか。 ○小林委員長  荒木委員どうぞ。 ○荒木委員  植物油脂の件で、この強調表示基準が出来たら売れる売れないという話ですけれども サラダ油などにコレステロールフリーという強調表示をしたいと思っていらっしゃるの が業界の御意向なんでしょうか。もともと、そういったものにはコレステロールがない ということは分かっています。ここで表示をしたいというのは強調表示ということです ね。それをされる御予定があるんでしょうか。 ○浜島委員  現実問題、その商品は日本の国内ではたしか一つしか出ていないと思いますけれども 今後コレステロールに関心が高まってくる中で、強調表示は必要になってくるというふ うに認識しております。また植物油について、コレステロールが入っていないというこ とはかなり知識のある方の間では常識となっておりますけれども、国民すべからく全員 がこの植物油にはコレステロールが入っていないのだということは認識していないとい うふうに思っておりますので、植物油にコレステロールが入っていない旨の強調表示は 将来的には考えているというふうに御理解いただきたいと思います。 ○小林委員長  よろしいですか。 ○荒木委員  はい。 ○小林委員長  この辺は、先ほど中村委員の平行した議論になってしまうという御指摘もありますが ここはそういったいろいろな立場の御意見を伺おうというところでございますので、例 えば技術的な努力によって少しでもその方に近づける余地はないかとか、それから、こ ちらとしましては、消費者がより賢くなるように、我々はいろいろ接点を持っている訳 でございますが、現場の指導のほうでより適切な選択が出来るように、これから表示の 読み方とか、表示が意味するものとか、そういった教育を現場のほうに徹底していくと か、そういういろんな努力によります歩み寄りというものがないとなかなかこういう共 通の場でお話する意味がなくなってきますので、その辺をひとつ引き続き御検討いただ くとありがたいと思っております。相対表示ということで何がしかのうまい形がないか ということで一つの案が出された訳ですけれども、そういうことも含めまして、ほかに 御意見ございますでしょうか。 ○竹下新開発食品保健対策室長  今委員長がおっしゃったことと同じことなのですけれども、先ほど伊東委員のお話の 中にカロリー2分の1、それが消費者にちゃんと情報が出せて、かつおいしいというこ とでヒット商品になっているという話がありました。カロリー2分の1というのはまさ に相対表示なんですね。これも相対表示の道があるならば、およそ消費者には情報が出 せないじゃないかということはなくて、いただいた分析値を見ると相対表示は可能な感 じはいたしますので、相対表示が出来れば消費者にも情報は提供出来るのではないかと 思うのが一つございます。それと、確かに製品の特徴からドレッシング類、あるいはマ ヨネーズ類というのは、絶対表示がCODEXの基準からいけば難しいものであるかも 分かりません。しかし、栄養表示基準自体は、ドレッシング類だけの表示ではなくて、 食品一般に通じての基準でございます。冒頭、浜島委員のお話の中に、油性食品ははな かなか難しいというお話がありましたけれども、先ほど事務局から出した醤油の例のよ うに、食品全般の基準であるということで、ただ商品のものによっての特徴から相対表 示しかし得ないものもあるという制度の仕組みになっているということを御理解いただ ければありがたいと存ずるんですけれども。 ○伊東委員  確かに、今のお話はよく分かります。 例えばマヨネーズタイプのコレステロールゼロというがございますね。当然、質の方 も関係しますよね。ですから、一つの要件ですと意外とそれがやりやすいかなという感 じがするのですが、この場合は二つかかってまいりますよね。そのあたりがどうかなと いう感じはします。そのあたりは理解出来ますので、よく検討はしてみたいと思います ○小林委員長  今、特例措置という話が出ている訳ですけれども、どこまでが特例かということに関 しては議論がいろいろあり得ると思いますし、残念ながらサービングサイズという御指 摘がありましたけれども、常に必要性を議論されておって、少しずつ日本では前進して いるようではございますけれども、まだ、こういう共通の場で議論出来るサービングサ イズという概念導入が日本は出来てないという現実がございまして、まだ十分検討もさ れていないという実態であります。今の特例という考え方がもしあるとしたら、どんな ものかということについて何かありましたらどうぞ。 ○事務局 (滝本) 特例ではなく、相対表示ということで表示出来る方法もあるのではないかというお話 でして、醤油の場合は特例なんですけれども、基準から言えば、より厳しい基準になっ ている訳でございます。したがいまして、今回のものは特例ということではなくて、そ の相対表示ということでどうなのかということです。 ○浜島委員  ただいまの相対表示の質問なんですけれども、その場合コレステロールゼロとやって もいいような方法が出来るというふうにお考えですか。 ○事務局 (滝本) 相対表示というのは、ほかのものと比べて低減をしましたという場合の強調ですから コレステロールがないというのは、これは絶対表示基準になりますから、相対表示でコ レステロールフリーだとか、コレステロールがゼロとかという表示は出来ません。 ○浜島委員  私どももその点を問題にしておりまして、相対表示では限界があるのではないかとい うことで、絶対表示でフリーが出来ることが望ましいというふうに考えております。そ れに関連して、勿論CODEX案というのは非常に望ましい栄養・健康・医学的なとこ ろかもしれませんけれども、例えば今回のこの資料をいただいても、国民が全部それを 飲用で1000g 摂取した場合ということになっておりまして、例えば、その時の飽和脂肪 酸の摂取量も15g というところが一つの上限じゃないかといふうに考えておる訳ですけ れども、植物油の現実の1日の平均の摂取量は約十点数グラムというところで、2倍食 べる人がいても20g しか食べていない。そこからくる飽和脂肪酸というのは、例え10% あったと仮定しても、もう一桁下になってくるということで、かなり植物油からくる飽 和脂肪酸の比率というのは寄与度が低い訳でございますから、その辺を考えていただき ませんと、先ほどのサービングサイズは全然別途ということで考えた場合に、どうして も摂取する量、それぞれが何らかの形で考えていただいて、特例というのではないんで すけれども、そうしませんと、絶対表示というものの意味がとれなくなってくるという ふうに思いますので、どの程度の飽和脂肪酸ならば日本人が健康を配慮した食品として いいのかということを別の角度で御検討いただいて、必ずしもCODEXに合わせると いうことでない御議論をいただければありがたいと思います。 ○小林委員長  そういう御意見ですが、ほかの委員の方々はいかがでございましょうか。 ○中村委員  まず、幾つかのファクターを同時に考えないといけないのではないかと思います。例 えば1日のコレステロールの摂取量が300mm 未満がいいんだというのは、あくまでも血 清のコレステロール値そのものに異常がある訳で、それ以外の人たちはもうちょっと食 べようが、そう影響がない場合も多い訳ですから、例えば1年ぐらい前の報告ですけれ ども、アルツハイマーの患者さん、寝たきりの老人が1日に27個の卵を食べたのに、一 向にコレステロールが上がってこないという報告がある訳で、人によって反応が大分違 うので、1つの目安として、300mm 未満というのは、コレステロールが既に異常の人だ そういった場合に、基本的に先ほど事務局側で計算をしてくださった「低」あるいは 「無」、そういったものでも差し支えなかろうということになる訳ですから、私はある 程度のフレキシブルを持って出されるのは一向に構わない。ただ、あくまでもCODE Xの基準を準用した場合に、幾つかの植物性の油はこれに適合しないという場合が当然 出てくる訳でしょうが、私はその場合に絶対量がそのまま、あるいはあるサービングサ イズでも結構なんですけれども、それに記載をしてもらっておいた方がいいのではない かと思いますけれども。  先ほど、浜島さんが言われた飽和脂肪酸15g ぐらいというのは、それは平均のもので それもほぼ正しいところで10から15g ぐらいではないか。もしパルミチン酸とか、ミリ スチン酸とか、ラウリン酸というものだけに、コレステロールを上げるというものだけ に限るとすれば、10g 欠けてくる場合も多いのではないかと思うんですけれども、そう いった意味からすれば、まず啓蒙措置として、これこれこうなんだよ。コレステロール が異常の人は、脂質の異常を持った人はコレステロールでどれぐらい、飽和脂肪でどれ ぐらいがいいんですよということで啓蒙した上で、1個1個のサービングサイズがもし 分かれば、それを絶対表示で、そこで表してもらう。ただし、一般の食品に関しては、 一々サービングサイズを見ている訳ではありませんから、基本的にはやはり100g当たり どのくらいかという表示は必要であろう。その際どうしてもCODEXを利用せざるを 得ないというふうに思いますけれども。 ○事務局 (古畑) 先ほどの先生方の御意見の中で、もう一度御確認させていただきたい点が1点ござい まして、事務局から案を示した中で、一般食品と飲用食品がある訳なのですが、調味料 につきましては、例えば今の議論のお醤油ですが、このようなものは飲むというよりは 調味料として使いますので、これは一般食品として考えて設定してございますので、よ ろしくお願いしたいと思います。 ○五十嵐委員  今、浜島さんのお話で、コレステロールフリーというはどういう基準でアメリカでは 設定されたんですか。 ○浜島委員  今日お配りした資料の中の、資料1の添付の参考資料の2-(2)というのがございまし て、そこにアメリカのFDAの、これは家庭用の冊子ですけれども、そこにございまし て、コレステロールフリーは2mg以下コレステロールsaturated が2g 以下、こういう ことで規定されておりました。ただし、これはサービングサイズということでございま して、ここに同じような数値であっても、基準が100gかサービングサイズということが 大きな違いになってきております。 ○五十嵐委員 アメリカではサービングサイズで全部やっているから絶対表示じゃないとということ ○浜島委員  はい、そうでございます。ここにお持ちしました例も、これも日本の基準でいくと、 今の考えている基準ですと、いわゆるCODEXでは入らないことになりますけれども サービングサイズでやると、このようにコレステロールフリーというふうに書けるとい うことで、これは日本とアメリカのベースがサービングサイズなっているか、100gにな っているかの違いによるところが最大の違いでございます。 ○荒木委員  アメリカの場合は、カロリーズ・フロム・ファットは今平均35%、何とか30%まで減 らしたいということで、ニュートリション・ファクトの中にも、saturated Fat を必ず 書くことになっておりますし、脂質のエネルギーの出し方が脂肪酸のトリグリセライド 換算ということになっていて、根本的にエネルギーの出し方そのものが違っている訳で す。ですから、アメリカの特殊事情といいますか、ニュートリション ラベリング アン ド エデュケーション アクトの中のニュートリション・ファクトということで、アメリ カをそのまま持ってくるというのは、逆に日本の消費者の食生活事情とはかけ離れてい るのではないかというふうに思うんです。ですから、厳しく言うよりも、サービングサ イズ当たりの飽和脂肪酸の量を押さえたいというのがアメリカ政府の考えなのではない か。CODEXの基準より緩くしているけれども、ステップとしては、これが必要だと いう判断があったのではないかと思うんですが。 ○小林委員長  それがそのまま、日本に持って来られると非常に困っておられる訳ですね。 ○荒木委員  ですから、CODEXそのままではなくて、日本の消費者の食生活ということでいけ ばどうするのかということで、CODEXそのままではなくてもいいと思うんです。で すけれども、アメリカのサービングサイズあたりの2g が妥当かというのは、これは全 く違う問題だと思います。 ○小林委員長 別の問題ですね。絶対基準と相対基準ということにつきまして、市場に出た場合のお 話をされて御指摘がある訳でありますけれども、我々はいろいろ表示問題の栄養教育、 現場の教育で出来るだけそのようなことを正確に理解出来るような努力はしたいと思っ ておりますが。 ○竹下新開発食品保健対策室長 栄養表示が昨年5月に始まりまして、よく消費者の方から批判と申しますか、声があ りましたのは、糖分についてのいろんな表示がある。「低糖」というものもあれば、 「シュガーカット」というものもある、あるいは「甘さひかえめ」とか、それこそいろ んな表現がある。これは統一すべきじゃないかというふうなお話がありました。その時 に申し上げていたのは、強調表示が売り文句、その食品のキャッチフレーズですけれど も、それはそれとして、必ずそれがどれだけ入っているかというのは、一般表示事項と して熱量に始まりタンパク質、脂質、糖質、ナトリウム、そして糖類はどれだけなのか と必ず書いてあるから、そこを見るようにしてくださいというふうなお話をしておりま した。今回強調表示のあり方というところで、それがポイントになる訳ですけれども、 先ほど中村先生からお話がありましたように、必ずどれだけ入っているのかというとこ ろは一般表示事項として表示される訳でございます。また、その表示の仕方として、 100g当たりどうだと、100ml当たりどれだけ入っているというふうな表示の仕方もあれ ば、1食分としてどれだけ入っているというふうな表示をすることも出来ますし、その ような中で、1食分当たりどれだけ入っているのかというのが、消費者にとって便利で あろうということで、いろんな商品を見ますと、1食分当たりで、その含有量が表示さ れているものが多くなってきております。そういうことから言えば、かたや相対表示が 可能だとすれば、低目なんだなということは相対表示の部分で消費者は分かる。そして 消費者は買う時には必ず一般表示事項を見る訳ですから、そこに1食分当たりがどれだ けというところが書いてあれば、それを確認して消費者は十分賢く選択いただけるので はないかというふうな感じがいたします。 ○小林委員長  それぞれの御意見が大体出た訳でございまして、この辺は更に議論を深めて歩み寄り を図りたいというふうに思っておりますが、今お話がありましたように、齋藤委員今日 御欠席ということでありまして、いつもそうするかどうかは別にいたしまして、今回そ の辺の御意見も一応聞かないといけないのではないかということもございます。  今日いろいろ御指摘のありましたことを一応お考えいただきまして、もう一回議論の 機会がある訳でございますので、その時に更に深め、その時に成案に出来るだけ持ち込 みたいという形に思っておりますが、事務局の方はいかがでしょうか。それでよろしい ですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 はい。 ○小林委員長  それでは、ノンオイルドレッシングのことに関しまして、時間がなくなってきました ので、そちらに議論を進めさせていただきます。 これは伊東委員に業界としての御意見をまとめていただいておりますので、御説明を いただけますでしょうか。 ○伊東委員  では、資料に沿って説明させていただきます。 まず1番目に、1ページ目でございますが、ノンオイルドレッシングの市場がどのよ うな状況になっているかということについてまとめてみました。市場規模が約100 億円 でございます。液状ドレッシングの3分の1のシェアでございまして、生産数量が1万 8,494 トン、これは平成8年度でございますが、これぐらいの量になっております。こ のノンオイルドレッシングというのは比較的新しい製品でございまして、今マヨネーズ ドレッシング業界では、マヨネーズとか従来型のドレッシングというのはとほとんど伸 びておりませんが、その中にあってノンオイルドレッシングはまだ伸びているというの が現状でございます。したがいまして、食品業界では20億の売上げですとヒット商品と 言われるぐらいでございますので、 100億円の市場というのは相当大きいというふうに 御認識いただければありがたいというふうに思います。現状からしますと、消費者の認 知度も高くノンオイルドレッシングは完全に定着した商品であるというふうに言っても よろしいのではないかというふうに考えております。 次に、ノンオイル表示の妥当性ということで、1ページの下のほうにまとめたのでご ざいますが、ノンオイルドレッシングの生産量がある程度増えてきつつある時点で、品 質表示ガイドラインをつくった方がよろしいのではないかということを農水省さんの方 から御指示をいただきまして、業界でまとめて平成4年12月に農水省食品流通局長通達 で決定いたしました。勿論この表示ガイドラインをつくるに当たっては業界だけでつく ったということではございませんで、学識経験者、消費者代表、生産者代表、これが論 議してつくったものでございます。 この中で油脂含量を幾らにするかというのがいろいろ検討された訳ですけれども、サ ラダ油を全く添加しないとしても、原料からくる油脂分というのがあるということで、 とりあえず、3%というのを基準にしようということで規格をつくり上げました。 2ページに入らせていただきますが、この3%がどこからきたかと言いますと、2 ページの3のところにございますけれども、アメリカFDAでFat Freeの基準として、 1サービング当たり0.5g未満を一つの基準としている訳です。物によって多少違いはあ りますが、マヨネーズドレッシングでは15から20g を1サービングというふうに見てお ります。したがいまして、それからしますと、100g当たりで換算すると3g ぐらいでよ ろしいのではないかということで3%未満とした訳でございます。1サービングが15g から20gというばらつきは、高粘度のマヨネーズドレッシングですと野菜に付着します から、ほとんど野菜と一緒に食べられるということで、使用量は15g とか12g とか比較 的少ない方にいくんです。ただ、通常のドレッシングですと、野菜から落ちてしまって 実際は捨てられる部分になるんですけれども、そういうのも入れまして一応20g 、場合 によっては25g ぐらいということもあるかも分かりませんが、一応そういうふうに考え ております。 3ページに入らせていただきますけれども、実際アメリカで売られているファットフ リーのドレッシング及び日本で売られているノンオイルドレッシングについて分析して みました。アメリカのものでは、少ないもので0.9g、多いもので100g当たり2.8gぐらい の油脂含量でございました。 具体的な数字が次のページに出ておりますが、まず日本で売られているノンオイルド レッシングというものを分析してございます。これは各社さんで分析されたものを集計 したものでございます。見ていただければお分かりと思いますが、脂質のところと一番 最後の100g当たり0.5gとした場合、適合するもの、不適合のものということで分けまし た。 ○○の「ノンオイル中華」が2.3g 、「ノンオイル和風ごま」が1.4g 、「ノンオイル 香味和風」が1.9g 、このあたりが不適合。○○の「おろしノンオイルごま」が2.4g で 不適合ということでございます。次のページでは、○○の「ノンオイル中華ごま」1.0g ○○の「ノンオイル和風ごま」1.4g 、○○の「ノンオイルわさびクリーミー」0.9g 、 「ノンオイルマスタードクリーミー」1.0g 、これらが不適合でございます。次のペー ジでいきますと、○○の「ノンオイル中華ごま」0.5g 、これが不適合。  見ていただければお分かりのように、ごまを使ったものが不適合というのが多くなっ ています。今後のことを考えますと、クルミを使ったものとか、松の実を使ったような ドレッシング、木の実を使ったようなドレッシング、こういうのが出てくることが考え られますが、原料そのものの油脂含量というのは結構高うございますので、サラダ油無 添加でも0.5g を守るというのは非常に厳しいというのが現状でございます。ノンオイ ル市場の中で適合しないのがどの程度あるかというのは、明確な数字がつかめておりま せんが、20%から30%ぐらいがその範囲に入ってくるのではないかというふうに考えて おります。 それから、アメリカの製品がどうなっているかというのを分析したのが次のページで ございます。見ていたただければお分かりのように、ほとんどが0.5g ということでい きますと不適合ということでございます。次のページからは、分析したドレッシングの ラベル表示についてまとめております。 こういう状況でございますので、3%を0.5 %にするということになりますと、現状 としては非常に厳しい状況であるということでございます。 ○小林委員長  ありがとうございました。 事務局案もございますので、資料の御説明をお願いします。 ○事務局 (古畑)  それでは、お手元の資料7をごらんいただきたいと思います。「脂質『無』の基準 (0.5g/100g未満) において特例を設けたノンオイルドレッシング (3g/100g未満) の評 価について」でございます。 1日3食の食事をし、毎回ノンオイルドレッシッグを摂取するとした場合、即ち1回 の摂取量を10g 、1日3回で30g を摂取すると仮定すると、ノンオイルドレッシング食 品100g当たり脂質3g 以下から摂取する脂質量は、最大で次の計算式から0.9gというこ とになります。 それから、1日当たりの適正な脂質量は、2,000kcal とありますが、1日の摂取基準 量をもとにして仮定しております。また、25%は日本人の栄養所要量の中で望ましい脂 質エネルギー比率ということを入れてございまして、これらから1日当たり55.6g とい うことになります。適正な脂質量に占める割合は約2%であるということになる訳でご ざいます。 参考までに四訂日本食品標準成分表のフレンチドレッシングとマヨネーズの100g当た りの脂質量を示してございますので、参考にしていただければと思っております。 以上でございます。 ○小林委員長  ありがとうございました。 先ほど齋藤委員が御欠席というお話をしましたけれども、その課題につきましても同 様に御意見を伺っておかないと整合性が問われますので、一応ここでは基本的には御意 見を伺っておくということにしておきたいと思いますけれども、今のような基準の特例 の使い方につきまして、医学・栄養学サイドからの御意見というものがありましたら、 その立場からの御意見をよろしくお願いいたします。 ○五十嵐委員  ノンオイルというのは要するに脂肪を使わないでつくったということだけですよね。 ○伊東委員  そうでございます。 ○五十嵐委員  ですから、原材料に加えてしまう。例えばアメリカの製品だとチーズなどを使ってい ますから、そこからくるものとか、日本だったら主として、種実類からくるものが入っ てきている。そのために風味をつけるために使ったものからくる脂質量が1%ぐらいで すか。 ○伊東委員 多いので2.4 ぐらいです。 ○五十嵐委員  範囲に入っているということですね。ですから、結局はそれをどう評価するというこ とになる訳ですね。 ○中村委員  この最初の取り決めの段階で、「ノンオイル」という言葉を使ったこと自体が混乱を 招いた訳であって、もともと使う定義が違うところにもってきてCODEXに合わない よと言っているのは決めた人たちの頭を疑いたいですね。 ○伊東委員  そのとおりです。 ○中村委員  ちょっと言い過ぎかもしれないのですけれども、もともと物差しの違うところにもっ てきて違うのは当然だよと、コレステロールがないというか、コレステロールがフリー というのもノンコレステロールに置き換えてみたり、ノンオイル、ノンコレステロール にしても、別の意味を含んでいる場合がある訳です。コレステロール以外のシトステー ルなんかを含んだ意味でのノンなのか、コレステロールがないという意味でのノンなの か。この「ノン」という言葉自体がかなり誤解を招く訳で、向こうの製品を見ていると コレステロールフリーとか、オイルフリー、ファットフリーとかという言葉で書いてあ る訳で、向こうの方がはるかに科学的だと思いますね。 ○伊東委員 そうですね。 ○小林委員長  この表示方法というのは既に先行したものなので、なかなか難しいものがあると思い ますけれども、今の種実類とか、そういうもの以外のもの、これは基本的には中に含ま れている以上油は油で考えなければならないのではないかと思っていますけれども、い かがでございましょうか、ほかに御意見ございますか。  適合、不適合の分布を見ますと、ある意味では日本の方が非常にはっきりしていると いう感じがして、これだったら競争に勝てるのではないかと思いますが、いかがでしょ うか。 ○五十嵐委員  資料7の標題が評価ということで、資料の説明はありましたがこの結果はどういうこ とになっているのか、したいのかちょっと分からないのですけれども。 ○小林委員長  今日の議論は一つのステップとしてお考えだと思いますけれども、そういう御質問は どうですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 先ほど中村先生から厳しい御指摘をいただいたんですけれども、「ノンオイルドレッ シング」という、既にそういう食品規格がございました。ただ、CODEXの基準と整 合性をとるということで、脂質の基準をつくった際に、どうしてもこれは外れてしまう という状況にありました。ただその際にこういう農水省の方の規格が既にあって、かつ それが我が国の消費者の間に定着しているといったところから、どうしても特例をつく らざるを得なかったというふうなことでございます。そして、こういう特例を含めて栄 養表示基準について、この専門委員会の親になります健康増進栄養部会の方にお諮りを したところ、これについても特例というのは分かるけれども、消費者への定着実態とか あるいは本当にそれはどうなのか、改めて医学・栄養学的な観点から評価をいただく必 要があるだろう。見直していただく必要があるのではないかということで、今回の専門 委員会で御審議いただいている訳でございます。そういう意味で本日の資料に評価につ いてと書いてありますのは、まず医学、栄養学的な観点から、日本人にこういう含有量 のものを「ノン」がついたものとして提供することについていかがなものか御意見をち ょうだい出来ればということで、このような形で資料を出させていただいております。 ○小林委員長  実態として「ノン」という言葉が既に出ている。これはかなり広く行き渡っていると いうことですので、ここで評価についてという資料が出ているのは、これでよろしいか という意味合いも込められているというふうに御理解いただきたいと思います。 どうぞ。 ○中村委員  それでは、それに対して意見を述べさせていただきたいと思うのですけれども、例え ば大体50g ないし55g の1日の油の摂取量の中で1g 未満の油が入ってくるのであれば それはどんな脂肪酸構成であれ、出来ればある程度のバランスを持った脂肪酸構成であ ってほしいんですけれども、実際にはそれほど大きな問題ではないのではないか。 というのは、具体的にかつてある製薬会社がリノール酸を主体にした薬をつくって、コ レステロールが下がるかどうかというのを見てくれと、実際にマーケットに出た訳です けれども、その時に使いました量は少なくとも1日3g ぐらいを食べてもらってという か飲んでいただいてコレステロールをみた訳ですが、せいぜい10%程度、効いてもその ぐらいしか下がらない。今度は逆に飽和脂肪酸だけをとってみて、例えば具体的に行っ たのは、ヤシ油か何かを食べてもらって、実際にコレステロールがどの程度上がるのか というのをみた場合なんですけれども、やはり1g 強はコレステロールを上げるのには どうしても必要だろう。明らかにもう10g 近く入ってくればコレステロールはどんな人 でも上がってしまうというふうに、そういうような治療上の見地からみましても、1g 程度の脂肪であれば、それほど問題にはならないのではないかというふうに思いますけ れども。 ○小林委員長  ありがとうございました。 具体的な御指摘いただきました。それでは、この件に関して御意見、御指摘ございま すか。大体そのような評価でよろしいということでいいですね。 ○中村委員  ただ「ノン」というのは、もう外せないという前提のもとに。 ○小林委員長  それは、表示の既に走ったものとか、いろんな表現につきましては、現場での情報徹 底に頼るしかないので、「ノン」というのはこういう意味だよということをちゃんと一 般の方々に、多分齋藤委員がおいでになってどうおっしゃるか分かりませんけれども、 そういうふうに我々は考えたいと思っているんです。やはりいろんな形で、例えば 「無」がフリーというふうに言えるかどうかというあたりも、定義の仕方ひとつではい ろいろあると思いますので,そういった表示の問題も含めまして、引き続き議論をもう 1回機会を設けましてやっていただくということにここではさせていただきたいと思い ますが、何か最後に御意見ございますか。 ○板倉委員 こういうようなノンオイル、あるいは食用油脂としたオイルとして使って脂肪がない というのをファットという言い方をするのか。そういうような言葉の定義と、あるいは 概念として、それが出来上がっているかどうかという、そういうことで栄養学的にも考 えないといけないかと思うのですけれども、この場合に、これが一般商品として一つの ジャンルとして出来上がってきて、問題を見直す必要があるかどうかということになり ますと、今中村委員が言われたように量が少ないから許可される。だけれども、ネーミ ングとして科学的に正しいかどうかというとちょっと問題があると思います。 ○小林委員長  視聴率の高いテレビ番組などもございますから、そういうところを通じて、是非実態 はこうなんだよということを、我々はいかがかなどと思って、実は今日非常にそういう 感想を強くしている訳でございますが、そういうことも含めまして、先ほどのコレステ ロールの基準の方も適切な表示という視点で、何が国民にとって一番いいかという視点 を更に検討を深めたいというふうに思っております。ひとつよろしくお願いします。大 体今日の段階はそういうところでよろしいでしょうか。 では、事務局の方から日程調整について御相談いただきたいと思います。 ○事務局 (古畑) それでは、もう12月に入ろうかという時に、また年内の調整というのは先生方に大 変心苦しいのですが、こちらから二、三日を提案させていただきますが、12月22日月曜 日、または23日が天皇誕生日でございますので、翌日の24日水曜日、この辺で先生方の 調整をさせていただければと思いますが、いかがでございましょうか。 ○五十嵐委員  時間は何時ごろですか。 ○事務局 (古畑) 先生方の御都合のよい方で結構です。 ○五十嵐委員  私はどちらでも結構ですし、時間も大丈夫です。 ○小林委員長  それでは、その2日の中で、御都合の悪いところがございましたらどうぞ。 ○中村委員  もし、可能であれば月曜日にしていただきたい。 ○小林委員長  伊東委員は。 ○伊東委員  私は24日にしていただければと思います。24日だったら何とか。 ○小林委員長  それでは、斉藤委員の御都合も含めまして、こちらで検討させていただくということ でお任せいただければありがたいと思います。ほかにどうしてもという方がおられます か。 ○事務局 (古畑) それでは、今日齋藤委員にご出席いただいておりませんけれども、とりあえず、ここ で確認として22日の午前がよろしいか午後がよろしいか。 ○小林委員長  一応今日の議論の引き続きというだけが中身ですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 さようでございます。                 (日程調整中) ○小林委員長  では、今日ぐらいの時間ということでよろしいですね。  それでは、一番近い案として12月22日の月曜日の午前10時から12時という案が出まし たので、大体それでいいと考えてよろしいですか。 ○竹下新開発食品保健対策室長 はい。 ○小林委員長  次は是非成案を得たいということで、一応コレステロールの基準設定、それからノン オイルドレッシングの特例の取り扱いというものに関して、いろいろ御意見があります けれども、調整を図りまして成案にたどりつくよう努力したいと思います。よろしくお 願いしたいと思います。  ほかに何かありますか。 ○事務局(古畑) ございません。 ○小林委員長  それでは、以上をもちまして今日の脂質に関する栄養表示基準専門委員会を終わりた いと思います。お忙しいところどうもありがとうございました。  問い合わせ先 厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室     担 当 片山(内2459)     電 話 (代)03−3503−1711 (直)03−3595−2327     FAX 03−3503−7965     Email KK-ONQ@mhw.go.jp