97/10/30 第5回厚生科学審議会研究企画部会議事録        第5回厚生科学審議会研究企画部会議事録 1.日  時:平成9年10月30日(木) 14:00〜16:00 2.場  所:厚生省特別第1会議室 3.議  事:厚生科学研究に係る評価の実施方法の在り方について 4.出席委員:矢崎部会長 (委員:五十音順:敬称略) 寺田雅昭 柴田鐵治  (専門委員:五十音順:敬称略) 杉田秀夫 高久史麿 土屋喜一 寺尾允男  初山泰弘 眞柄泰基 真崎知生 柳澤信夫 ○矢崎部会長 それでは、まだ眞柄委員がいらっしゃっておりませんけれども、ただ今から第5回目 の厚生科学審議会研究企画部会を開催させていただきたいと思います。 本日の出欠状況ですが、本日は大石、宮本、山崎の各委員が御欠席であります。 それでは、本日の議題に資料に基づいて入りたいと思います。今回は、厚生科学研究 にかかわる評価の実施方法の在り方につきまして、前回議論をしていただきました事柄 を踏まえて事務局と相談の上、案にまで至らない骨子案というものを作成いたしました これにつきまして御検討いただきまして、またこの評価の実施方法のアウトラインを決 めさせていただきたいと思います。 それでは、骨子案につきまして事務局から御説明いただけますでしょうか。 ○事務局 それでは、御説明をさせていただきます。資料の一番上に「(未定稿)」と書いてご ざいますが、「厚生科学研究に係る評価の実施方法(指針)(骨子案)」という資料で ございます。 1枚おめくりいただきますと「構成案」ということで、目次というようなイメージで つくらせていただいております。全体が3編構成になっておりまして、まず第1編とい たしまして「総括的事項」、それから第2編といたしまして「研究課題の評価の具体的 実施方法」、それから第3編といたしまして「厚生省所管の研究機関の評価の具体的実 施方法」と大きく3つに分けさせていただいております。 第1編第1章「目的と意義」、第2章が「対象範囲」ということで、この指針のカ バーする範囲を決めさせていただいております。それから第3章「評価実施主体、研究 者及び評価者の責務」、第4章「評価の基本的考え方」ということで手順等をお示しを している部分、それから第5章「本指針の見直し等」ということで見直しの規定を盛り 込ませていただいております。 第2編が「研究課題の評価の具体的実施方法」ということで第1章で「評価の実施方 法」、それから第2章で「評価結果及び公表について」を記載いたしております。 第3編「厚生省所管の研究機関の評価の具体的実施方法」ということで、第1章「評 価の実施方法」、第2章「評価結果及び公表について」、それから第3章は機関評価に 対応いたします「事前の自主点検の実施等」と大きく流れを記載させていただいており ます。 それでは、第1編からでございます。これにつきましては前回御説明を申し上げまし たけれども、科学技術会議から出されております「国の研究開発全般に共通する評価の 実施方法の在り方についての大綱的指針に関する意見(平成9年7月28日)」(以下:大 綱的指針)に基づきまして総括的事項を記載してございます。 第1章の「1.目的」でございますけれども、「厚生科学研究の評価の一層効果的な 実施を図るため、研究主管課、研究委託機関又は厚生省所管の研究機関(以下、「評価 実施主体」という。)が行う研究評価について、外部評価の導入、評価結果の公開、研 究費等の研究開発資源の配分への適切な反映を求めるものとする」、この3つのポイン トが大綱的指針にうたわれているポイントでございます。それから「2.意義」には3 つの丸が記載してございますけれども、これにつきましても大綱的指針に盛り込まれて いる事項でございます。 それから第2章「対象範囲」ということでございますが、これは厚生省の研究の範囲 というものを少し分類をさせて記述をさせていただいております。(1)「厚生科学研究 費補助金による各研究事業」ということで、この部会でも御議論いただいております先 端的厚生科学研究分野等の補助金でございます。(2)「特定疾患調査研究費による研究 事業」、(3)「国立病院特定会計におけるがん研究助成金等」、以下ここに記載してあ るとおりのそれぞれの研究事業でございます。(4)「厚生省所管の研究機関(別紙)が 実施する研究」ということでございますが、8ページにリストとして付けさせていただ いております。施設等機関ということで国立社会・保障人口問題研究所等を始めといた します研究所、それから国立高度専門医療センターということでがんセンターの研究所 等を始めとしました研究所、それから国立小児病院小児医療研究センター、国立療養所 中部病院長寿医療研究センターを対象にするということを例示をいたしております。   (5)(6)につきましては末尾に「(検討中)」というふうに記載がありますが、これに つきましては出資金または出融資事業ということになっておりまして、少し今までの研 究費とは性格が異なるということでありますので、特別な取扱いをしなければいけない んじゃないかということで、これにつきましてはまだ引き続き検討が必要だということ でございますが、特に(6)出融資事業につきましては民間において行われます医薬品技 術開発等の支援ということでありますので、知的財産権をどう扱うかということに特に 企業秘密の保護の在り方ということも検討していかなければいけないということであり ますので、特に検討中ということにさせていただいております。 それから、第3章の「評価実施主体、研究者及び評価者の責務」ということで3つポ イントを掲げてございますが、これも大綱的指針に盛り込まれているものでございます 第4章「評価の基本的な考え方」ということでございますが、これも基本的な先程の 「1.目的」というところに記載がございましたように「外部評価の導入」、それから 「開かれた評価の実施」ということで情報の積極的な公開、またはそれに伴います評価 基準、過程の明示ということで透明性の確保、そういうものについて記載をいたしてお ります。それから「評価支援体制の整備」、これについても記載をしていくことになろ うかと思います。それから「研究の性格等に応じた適切な配慮」ということでございま すが、これは基礎研究、応用研究等いろいろな研究がありますし、また先ほど御説明い たしましたように出融資事業、またはその予算の性格というものもありますので、それ を踏まえたそれぞれの事業に応じた評価ということも考えていかなければいけないとい うことでございます。 それから第5章「本指針の見直し等」ということでございますが、現在御議論いただ いておりますこの研究企画部会が必要に応じて再検討を行って、より適切なものとすべ く見直しを行っていくんだということを記載してございます。 次に第2編の「研究課題の評価の具体的実施方法」ということでございます。 第1章「評価の実施方法」ということでございますが、評価につきましては大きく分 けまして3つあるということであります。まず第1に「新規申請課題の採択の可否等を 審査する事前評価」、「研究継続の可否等を審査する中間評価」及び「研究終了後の研 究成果を審査する事後評価」ということで、事前、中間、事後、それぞれの段階にわた って評価をしていくということでございます。それから、必要に応じまして施設の訪問 調査、いわゆるサイトビジットも実施をしていくということを、実施方法として記載さ せていただいております。次にそれぞれの段階の評価につき、具体的な方法につきまし て記載をさせていただいております。まず「1.事前評価」ということで、「(1)評価 方法」といたしまして研究事業ごとに事前評価委員会を置き、必要に応じまして評価小 委員会を置くことが出来るという規定にいたしております。評価小委員会では、具体的 には専門的・学術的観点と行政的観点から書面評価をし、課題数の絞り込みを行うとい うことでございます。事前評価委員会は最終的に専門的・学術的観点と行政的観点から 総合的に課題の採否案の決定をするということでございます。その際に大型の公募研究 例えて申しますと先端的厚生科学研究等につきましては聴聞、いわゆるヒアリングを実 施をするということでございます。以上が、公募の研究ということの記載でございます 指定研究につきまして事前評価をどう扱っていくか、課題の選定、または主任研究者の 指定ということが行われる訳でございますが、その辺りにつきましては公募とはやはり 違う取扱いが必要じゃないかということで「(検討中)」という形で記載をさせていた だいております。それから、「(2)評定要素」ということでございます。これは、以前 この部会で御議論いただきました先端的厚生科学研究の進め方を下敷にいたしまして記 載をさせていただいております。大きく分けまして、専門的・学術的観点からの評点、 それから行政的観点からの評点ということで2つに分けております。専門的・学術的観 点には5つございまして、(1)「研究の厚生科学分野における重要性」、(2)「研究の厚 生科学分野における発展性」、(3)「研究の独創性・新規性」、(4)「研究者の資質・施 設の能力」、(5)「研究目標の実現性」、この5つの観点があろうかと思います。それ から、行政的観点ということで(1)「行政課題との関連性」、(2)「行政的重要性」、そ れから(3)「行政的緊急性」という3つの観点からの評点ということでございます。そ の他といたしまして「研究内容の倫理性等、総合的に勘案すべき事項」というものも合 わせてチェックといいますか、確認をしていくということと、その評定のために必要な 資料、いわゆる申請書等の様式につきましては別途定めていくということでございます それから「(3)評定方法」といたしましては先ほど御説明いたしました評定の事項、ま たは評定要素に基づきまして評点を付ける、点数を付けるということでございます。そ の評点を踏まえまして最終的には総合的に判断をするということでございます。「2. 中間評価」につきましては「(1)評価方法」といたしまして先程と同じように研究事業 ごとに中間評価と、それから後程御説明いたします事後評価、これを行います中間・事 後評価委員会の設置をするということでございます。その中間事後評価委員会が所定の 時期に専門的・学術的な観点と、それから行政的な観点から書面、またはヒアリング等 によりまして評価を行うということであります。それから、同じく必要に応じまして訪 問調査、サイトビジットを実施するということでございます。「(2)評定要素」といた しましては、専門的・学術的観点からは(1)「研究計画の達成度」、いわゆる成果、(2) 「今後の研究計画(成果)」(3)「研究継続能力」、そういう3つの観点から評価をす る。それから、行政的観点からの評価ということでは先程の事前評価と同様の項目、3 項目について評価をしていくということでございます。「(3)評価方法」といたしまし ては、事前評価と同じ評点を付けていくということでございます。「3.事後評価」に つきましてでございますが、「(1)評価方法」といたしましては最終年度の研究報告書 が提出された後、中間・事後評価委員会におきまして書面またはヒアリングにより評価 を実施をするということでございます。「(2)評定要素」といたしましては、専門的・ 学術的観点から3つ、(1)「研究目的の達成度(成果)」、(2)「研究成果の学術的・国 際的・社会的意義」、それから(3)「研究成果の発展性」という3つの観点からでござ います。それから行政的観点からの評点事項といたしまして、「厚生行政に対する貢献 度」という要素で評価をしていくということでございます。合わせまして、評価の際に は専門学術雑誌への発表、または学会での講演、発表、または研究成果の公表状況、ま たは特許の申請及び取得状況、そういうものについても合わせて考慮をしていくという ことでございます。「(3)評定方法」につきましては、事前評価と同様ということであ りますので評点を付け、総合的に最後で判定をする、評価をするということでございま す。「4.評価の実施体制」ということでございますが、「評価委員会の委員の構成」 これはすべての委員会に共通する事項でございますが、外部評価委員と必要に応じまし て評価実施主体の委員が加わるということでございます。それから、前回の部会で御意 見がありましたけれども、中間・事後評価委員会と事前評価委員会の委員については同 じでない方がいいんじゃないかというふうな意見を踏まえまして、中間・事後評価委員 会の委員の一定割合以上は事前評価委員の委員とは異なる者をもって充てるということ で記載をしてございます。 第2章「評価結果及び公表について」ということでございます。「1.評価結果につ いて」は、事前評価につきましては研究企画部会に報告するとともに、当該研究主管課 が研究の申請者に結果を通知する。その際、必要に応じまして評価や助言などを付記す るということでございます。それから、中間評価の結果につきましても研究企画部会に 報告するとともに、研究主管課から研究申請者にその結果について通知をする。その際 に、必要に応じまして計画の変更、研究費の増減、または共同研究者の変更であるとか 研究の中止等、いろいろなものを指示をすることが出来るということでございます。そ れから事後評価の結果につきましては、事前・中間とはやはり異なる扱いが必要じゃな いかということで、これもまだ検討中ということでございます。それから「2.公表に ついて」でございますが、採択課題や研究報告書の概要、または委員会の委員の氏名、 そういうものにつきましては刊行物であるとか、厚生省のホームページ等を通じまして 公表をしていくということになります。しかし、その際には当然個人情報、プライバ シーの問題、それから企業秘密、それから知的財産権の取得、いわゆる特許の取得権等 に悪い影響を与えないように十分な配慮が必要であるということで留意をしていくとい うことでございます。 次に第3編「厚生省所管の研究機関の評価の具体的実施方法」でございます。これは いわゆる機関評価ということでございます。  第1章「評価の実施方法」といたしまして、「厚生省所管の研究機関については、研 究機関の運営の改善などに資するため、機関活動全般を評価対象とする機関評価を定期 的に実施する。」ということでございます。その具体的な方法といたしまして、研究機 関ごとに評価委員会を設置するということでございます。そのために、研究機関の各部 につきましては下記の事項についての報告書を作成して研究機関の長にまず提出をする ということでございまして(1)「部の活動の現状」、(2)「部の体制」、または(3)「将 来の計画等」、こういうものについて報告書を取りまとめるということでございます。 研究機関の長はその報告を取りまとめ、評価委員会の方に提出をしていくということで ございます。評価委員会は、その報告書を基に研究機関とも討議等を行いまして、総合 的な見地から評価を実施しまして、運営全般についての報告書をまとめるということで ございます。それを研究機関の長に提出をする。それで、評価結果は研究企画部会にや はり報告をしていただくということでございます。「2.評価事項」といたしまして大 きく6つに分けてございます。(1)「組織・人事管理」面、(2)「研究開発分野・課題の 選定」というところ、(3)「研究資金等の研究開発資源の配分」、(4)「施設整備・情報 基盤・研究支援体制等の整備」という面、(5)「共同研究・民間資金の導入状況等外部 との交流」の面、それから(6)「その他」ということで、こういう面から評価を行って いただくということでございます。「3.実施時期」といたしまして定期的に実施とい うことで冒頭でお話をしましたとおりでございますが、少なくとも3年に1回程度は行 っていく必要があるだろうということでございます。 「4.評価の実施体制」としまして外部評価委員と、必要に応じまして評価実施主体委 員、それと研究機関の所管課の職員、そういうもので構成されていくということでござ います。 それから第2章「評価結果及び公表について」ということでございます。 「1.評価結果について」この研究企画部会は、評価に基づきまして改善すべき事項に ついて意見の取りまとめを行う。研究企画部会の意見を踏まえまして当該試験研究機関 の所管課を通じまして研究機関の長に対処、改善を指示をするということになる訳でご ざいます。それを受け取った研究機関におきましては、研究方針の見直しや適正化等、 機関の運営改善計画を策定し、所管課を通じましてこの部会に報告をしていただくとい うことでございます。その報告等を踏まえまして、研究機関は翌年度以降、進捗状況に ついて当部会の方に報告をしていただくということでございます。それから「2.評価 結果等の公開等」でございますが、研究機関で行われています研究課題や研究結果、そ れからこの部会で検討して取りまとめていただきました改善すべき事項等につきまして またはそれを踏まえまして研究機関の方で講ずる、または講じた措置、こういうものに つきましては刊行物、または厚生省のホームページ等を通じまして公表をするというこ とでございます。その際には同じく個人情報、プライバシー、または企業秘密、知的財 産権の取得等には十分な配慮ということを留意すべきであるということでございます。 第3章「事前の自主点検の実施等」ということでございますが、いわゆる外部評価を 円滑に進めるために、所内に研究評価委員会を設置するなどいたしまして、定期的な自 主点検の実施に努めるという外部評価の受け皿づくりということを記載してございます 簡単ではございますが、以上でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。 評価の実施方法の骨子案でございます。本日の議題はこの実施案を詰めていくという ことで十分時間を取っておりますので、フリートーキングで御意見を賜れば大変幸いに 存じます。 ディスカッションはどこからでも結構でございます。大きく分けて2つに分けること が出来ます。「研究課題の評価」と、「厚生省所管の研究機関の評価」でございます。 まず前者の方からとりあえずはディスカッションを進めさせていただきたいと思います 最初は「総括的事項」でありまして、これは国の研究開発にかかわる評価の大綱的指針 ということで、この委員会に寺田委員が入っておられたと思いますが、外部評価の導入 評価結果の公開、研究開発資金の配分への適切な反映ということを項目的に構成してお ります。先程事務局から御説明がありましたような対象範囲が厚生省関係のものがすべ て入っておりますが、(5)と(6)については検討中ということです。これは前出の(1)〜 (4)の研究とは少し考え方が異なっているので、これから検討しながらどういう方向に 持っていくか、詰めさせていただきたいということです。「総括的事項」については大 体大綱的指針で決まっておりますので大きな問題点はないと思います。それで、第5章 に「本指針の見直し等」ということがあります。これは、今後実施していく上でまた問 題点がありましたら、より適切なものに見直していくということで対処していきたいと いうことであります。まずはある程度のところで出発させていただければというふうに 感じております。そして最終的な目的は、後の方まで見てみますと、いろいろ改善をす るとか、適切な処置を求めるというような言葉がありますが、本当の評価というのは良 い研究を更に発展させるための評価でありますし、研究者にとってはこの評価を受ける 或るいはヒアリングを受けるということは己の研究をアピールする絶好の機会というよ うに、この評価というのを前向きにとっていただければ大変ありがたいというふうに思 っております。この第1編「総括的事項」について何か御意見いただけますでしょうか ○寺尾委員 今、矢崎部会長が言われました、研究を更に発展させるんだということは非常に重要 で、それが評価の一つの意義であるような気がするんです。この「目的と意義」という ところにそういう言葉を入れなくてよろしいんでしょうか。つまり、研究をエンカレッ ジする、あるいは発展させるというのが一つの目的であり、意義であるという。 ○矢崎部会長 そうですね。これ自身はそれを適切に配分され、そして促進するという意味はそうい うポジティブな意味が含まれているのではないかと私は理解していたんですけれども、 寺田委員、その大綱的指針のときに……。 ○寺田委員 大綱的指針は大石委員の部会で討議され、私の出席した部会はライフサイエンスの基 本計画の方の話だけでありましたので、今の寺尾委員のお話ですが、こういう文章のと ころに入れるかどうかは分からないんですけれども、「2.意義」のところには書いて ございますが、「1.目的」のところに、出来ましたら同時にやはり「国民の理解と支 持を求める」ということの両方を文章として入れていただければありがたいかなという ふうな感じがいたします。 ○矢崎部会長 そうしますと、もう少し分かりやすく、直接的にエンカレッジする意味でこの評価を 利用してもらう場であるということと、それから国民の理解と支持、税金で研究を進め る訳ですから、国民のサポートを得ないと何も出来ませんので、そういうことを入れる ということで、事務局の方はよろしゅうございましょうか。 その他、何か御意見ございますでしょうか。第2章「対象範囲」の「(検討中)」と いうのは今後どういうふうに進めていったらよろしいでしょうか。 ○事務局 この「(検討中)」は(5)(6)だけでありますけれども、これにつきましては所管課、 それから他省庁の動きとか、そういうものを具体的に勘案いたしまして、次回にでもそ の基本的な方針ということでまた改めてお示しをしたいというふうに思います。 ○寺田委員 1ページとかいろいろなところに「外部評価の導入」という言葉がありますね。あた かも今まで導入していないような感じがありますが、厚生科学研究費補助金では大部分 導入されておりますので、ちょっと言葉尻ですけれども、書いていただければありがた いと思います。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。何かいい言葉はございませんか。 ○寺田委員 「評価について外部評価を用いる」で結構じゃないんでしょうか。あるいは、もうち ょっと適切な言葉を他の委員の方々は知っておられるかも分かりませんが、導入という のは今までやっていないという感じが強く出ますので。 ○矢崎部会長 分かりました。それでは、考えさせていただきます。どうもありがとうございました その他何かございますでしょうか。特に「(検討中)」という事項(5)医薬品副作用被 害救済・研究振興調査機構出資金による基礎研究推進事業と、(6)産業投資特別会計に おける医薬品、医療機器等の研究開発に対する出融資事業でもし先生方で何かお考えが あれば御遠慮なくお話いただきたいと思います。民間の事業の支援体制ということでな かなか困難なところもあるかもしれませんが何かお考えいただければ大変ありがたいん ですけれども。 ○高久委員 (5)の場合には随分前から事前・中間それから事後もやっているのですが、これは対 象範囲に入れるか、入れないかということを検討しているのですか。この「(検討 中)」というのは……。 ○矢崎部会長 当然やはり厚生省から出資していますので「対象範囲」には入るかと思いますけれど も、「対象範囲」に入れるときの留意点とか、そういう点で先生方から御意見を承れれ ば大変ありがたい。もう少し具体的に御意見をお聞き出来ればと思います。 ○事務局 「(検討中)」ということで記載させていただいています大きな理由といたしまして (6)につきましては産業投資特別会計を財源といたしまして投資の回収を図るというこ とが原則になっているということでございます。つまり、事業化収益性の観点というこ とからの評価ということも重要であります。そうなりますと、知的財産権としましてそ れをもって投資の回収を図るということになる訳でございます。そうなりますと当然、 企業活動のいわゆる企業秘密ということと非常に密接に関係をしてまいるということに なる訳でございまして、例えて申しますと、それをどういうふうな形で公開をするかと か、その辺りにつきましては他の事業とは違う観点からの配慮が必要だろうということ で「(検討中)」とさせていただいております。その辺り、出融資事業の性格というも のを十分踏まえ、所管課、それから同様の事業を実施いたしております他省庁の評価の 在り方、そういうものを踏まえまして検討させていただきたいというふうに思っており ます。 ○寺田委員 全体的にちょっと気になっていましたのが評価成果の公開で、どんな研究でも最終的 には成果の発表は専門雑誌に出すのが通常でありまして、それより前の研究のプロセス の報告書を公開するというのは特許だけではなくて研究の新規性、そういうことのため に何であれ保護されるべき問題でありますから、これは必ずしもここに挙げています (5)(6)ということだけではないと思います。 それで、特に(5)(6)という特許の面と言われるのはよく分かりますし、それからその 面におきます一般的な総括の問題ではございませんが、全般的に言いまして評価の問題 と同時に厚生科学、特に応用的なもの、開発的な要素がありますと、どうしても特許と いうことに関して是非、今日ではございませんがシステムをつくっていただかないとお 話だけになってしまって、どこへ特許の相談を持っていっていいのか分からない状態が ずっと続いて、これは10年ぐらい続いていますので、何かそれを科学技術庁か、或るい は通商産業省がやっているような形でも導入してやっていただければありがたいと思い ます。これは直接今日の話ではございませんが、たまたま話が出ましたのでお願いした いと思います。 ○矢崎部会長 特許の問題につきましては非常に大きな問題であります。恐らくこういう時代になっ ておりますので、各官庁が合同で知的財産権をどういうふうに対処していくか、詰めて いただいていると思います。また、公表につきましては寺田委員の言われるのはごもっ ともで、通常報告書はハブリシティーされたものをまとめて報告するということであり ますので、そうしていただきたい。それで、ただ、パブリシティーされたものだけでプ レゼンテーションすると余りその評価が高くないということで、その評価の公表という 点で、ちょっと後先、逆になりますけれども重要な部分ですのでここで議論いただきた いと思います。評価のヒアリングはアンパブリッシュデータを出して、それでこの研究 がいかに結果と結び付いて発展するということを述べないと、高い評価が得られないの ではないかと思います。従いまして、そういう部分につきましては恐らく公表というこ とはなかなか難しい。今までの研究の中間・事後評価におきましても、その報告書は公 表されますけれども、その過程のヒアリングの内容、そのデータが公表されるというこ とは余りなかったのではないかと思います。ですから事前評価ですと採択の諾否で明ら かにそれで公表しているということになります。問題は中間評価と事後評価であります その内容まで全部公表するというのは少し研究者としてはなじまないのではないかなと いう感じがします。 ○寺田委員 私は、部会長がおっしゃるのはそのとおりのことで、そのことはよく分かっていただ きたいと思って申し上げたんです。 ○矢崎部会長 その他、何か御意見ありますでしょうか。第4章「2.外部評価の導入」で「第三者 を評価者とする外部評価の導入」、先程の導入という言葉を変えさせていただきますけ れども、そのときに「必要に応じ、評価実施主体又は研究者の属する組織に属する者も 参加」と、必要に応じてそういうこともあり得るということが特別に入っています。 ○真崎委員 質問ですけれども、第三者も参加ということですが、第三者というのはどういうもの を考えておられるのか、教えていただきたいと思います。 ○矢崎部会長 「外部評価委員」ですね。事務局から説明していただけますか。 ○事務局 「外部評価委員」ということでございますが、当該研究分野におきます指導的研究者 という方と、それからその研究分野以外の方、例えば人文社会科学分野の有識者等幅広 い方をとりあえず想定をいたしております。 ○矢崎部会長 恐らく真崎先生の御質問の真意は、外部評価といった場合にどの程度の方まで純粋に 第三者というふうに考えるかという御質問ではないかと思いますが、違いますか。 ○真崎委員 そのとおりです。余り分野の離れた方の評価というのはかなり難しい面があるんです ね。受け入れる方に対してもそうだし、なさる方も非常に難しいんじゃないかと思いま す。ですから、専門家というのは本当に狭い分野の専門家というふうに考えて、少し離 れた専門家と、例えば同じ医学分野であるとか、そういうふうに考えてよろしいのか。 ○伊藤審議官 ここにある意味は、学問的な専門分野の評価はやはり同じ分野の専門家の人にやって いただくのが通例でございますが、厚生省の研究テーマは人の生命にかかわることを扱 うという観点から、研究テーマによっては全くそういう専門家以外の、例えば倫理的な 問題などについてはいわゆる専門分野が違う人の評価も必要だと、そういう場合もあり 得るのではないかという意味でございます。 ○杉田委員 今の専門家というのは、これは細かいことなんですけれども、現役の研究者を言うの か。ある程度年を取っていて、それも含めるのか、どちらなんでしょうね。 これは、よく選ぶときに、例えば40代ぐらいの非常にばりばりやっていらっしゃる方 なのか。もう少し年を取った人なのか、迷うことがあるんですけれども、この委員会と してはどういうふうなことを考えておられますか。いわゆる専門家というときにですね ○矢崎部会長 そういうジェネレーションについてはディスカッションを事務局としていませんけれ ども、やはり、若い方も、ある程度大所高所から見られる委員の方も必要に応じて入っ ていただくということになるのではないかというふうに思います。よろしいでしょうか ○高久委員 ちょっとよく分からなかったのですが、「評価実施主体委員」というのは「評価委 員」のことなのですか。 ○事務局 今の点でございますけれども、まず科学技術会議が示しました大綱的指針の中で外部 評価の導入という用語をわざわざ用いておりますのは、俗に言う第三者評価ということ の中で言わば門外漢に選ばせるんじゃないかという誤解を避けるという趣旨があったよ うでございます。それで、そこでの注といたしましては「第三者(評価実施主体にも被 評価主体にも属さない者)」というような形で、極めて明瞭かつあいまいな表現にいた しております。 それで、厚生省事務局で作成いたしましたこの骨子案の第4章「2.外部評価の導 入」のところで「外部評価委員」というふうに表現しつつ、その下に「評価実施主体委 員」という用語を用いましたのでちょっと不適切な用語だったかと思います。先程審議 官からも説明がありましたとおり、非常に広範なものを含むということ、あるいは試験 研究機関等におきます評価におきましても、行政上のニーズに対応したいろいろな研究 活動があるということを反映いたしまして、外部の者・第三者だけではなく、いわゆる 評価実施主体あるいはその評価される側に属する者が評価委員会に入ることがあり得る ということで、あえてこのように書き分けることによって明示しようとしたものでござ います。 ○高久委員 次の「中間・事後評価委員会の委員の一定割合以上は云々」ということから事前・中 間・事後評価委員会というのがあることはわかるのですが、この「評価実施主体委員」 というのはそれ以外の人という意味ですか。 ○事務局 一番最初の第1編第1章「1.目的」のところに「研究主管課、研究委託機関又は厚 生省所管の研究機関」というものを「評価実施主体」という形で定義をさせていただい ておりますので、「評価実施主体委員」というふうに書きましたのは先程の「評価実施 主体」からの委員、または研究者の組織に属する者ということで、直接研究者が属され ている組織の方も場合によってはメンバーになるんだということの趣旨でございます。 ○高久委員 分かりました。 ○矢崎部会長 よろしいでしょうか。 ○杉田委員 もう一つよろしいでしょうか。この評価委員会は事前、中間、事後でもいいんですが 人数についてのあれが全くないんですね。おおよそどのぐらいでつくるというようなこ とのあれはいいんでしょうか。 ○矢崎部会長 そうですね。ただ、課題によっても違うと思いますけれども、確かにどのぐらいの組 織になるかということは概要は述べておく必要があるかもしれませんね。 ○高久委員 まだこだわるみたいで悪いのですが、「評価委員会」の委員の構成はまず最初に「専 門委員」というのを入れないとおかしいのではないのかと思います。「専門委員」が入 らなくて「外部評価委員」と必要に応じての「評価実施主体委員」になると、評価委員 会の構成の中でこれだけで構成するみたいになりますね。 ○矢崎部会長 これは基本的な考え方で「外部評価の導入」というところであえてそういう言葉を入 れましたので、私どもの頭の中には当然高久委員がおっしゃられた専門委員として第三 者、外部評価をしていただける方と、それから評価を受ける実施主体の委員の方が必要 に応じて入るという、その三本柱でこの組織が構成されるのではないかというふうに認 識しております。 ○寺尾委員 第4章「3.開かれた評価の実施(諸情報の積極的公開)」というのがございますね この諸情報というのは何を指すんですか。評価結果を指すのか、あるいは評価資料まで 含めてしまうのかということがはっきりしないし、評価資料まで含めるという話になり ますと、もしかしたら先程高久先生が言われました特許との関係も絡んでくることにな ると思いますので、そこら辺をちょっと明確にしていただけるとありがたいんですけれ ども。 ○矢崎部会長 私個人では、例えば専門委員の名簿を公表するとか、そういうところであって、先程 議論がありましたように、細かい評価のプロセスを公開していいものと、先程寺田委員 のおっしゃられたものがありますので、評価のプロセスですね。それにはある程度の縛 りがあるかもしれない。このプロセスをすべてオープンにするということではなくて、 どういうふうなプロセスで評価が行われたかということは出来るだけ公開する、例えば 評価者の専門委員の名簿とか、その所属とか、専門領域とか、そういうことは出来るだ け公表するというふうに理解しておりますがよろしいでしょうか。 ○柴田委員 恐らくこの部分については、いわゆる世間で言う仲間内だけでやってはいけませんよ ということだと思うんです。いわゆる仲間もめというんですか、そういうことになって はいけませんよということですから、余り厳密に詰めていく必要はないと思うのです。 評価というのはかなり専門的なことが分からないと出来ないと思います。ですから一番 大事なことは誰が評価したかということを公開することだと思うのです。そして、さっ き人数についても出ていましたけれども、多くしたらいいかというとそうでもないんじ ゃないかという気がするんですね。そうかといって、1人2人ではまずいという気もす るんです。ですから、例えば3人以上であることとか、評価者を明確にするとかいうこ とだけは是非何らかの形ではっきりさせ、あとは専門家が中心になるということは当然 のことと思っております。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。確かに評価は3人以上ということになっております し、専門委員会で実際にやられた専門委員は10人ぐらいでやっておられますので、その 辺は十分配慮してやっているということが分かるように、この案を更にブラッシュアッ プしていきたいと思いますので、貴重な御意見をありがとうございました。 その他、どうぞ。 ○柳澤委員 第4章「3.開かれた評価」ということに関係してですけれども、これは多額の研究 費がどういうふうに配分されて、どういう成果が得られたかということを第三者が評価 するということで、結局研究者の立場からしますと、自分のやった研究がどのように評 価されて、それが自分のその先の研究にどうつながるかということで、やはり具体的な 内容が明らかになるということが当然求められるだろうと思うんですね。そして、それ は社会的にはやはりそういう評価の結果というものをオープンにされるということは長 い目で見れば必要だろうと思いますし、特に機関評価などに関してはそういう点が強い だろうと思います。 ただ、オープンにする場合にはやはり研究者が実際に研究を行った結果を専門雑誌に 発表することによって、はじめて研究業績のプライオリティという条件が満たされるこ とになると思いますので、評価の公表という点から考えると、必ずその被評価者が評価 の公表以前のある一定の期間の間に研究成果を雑誌等に公表するということを義務づけ るということまでする必要があるんじゃないかと思うのですね。 それで、余りやり方がぎすぎすするのは日本的なセンスにはなじまないかもしれませ んし、その辺は慎重に考えていかなければいけないと思いますけれども、やはり多額の 研究費に対する評価ということになりますと、だれが評価してどういう結論を得たかと いう人の問題と、結論だけということよりはやはりそのプロセス、具体的な内容につい てある程度オープンにしていくということをしないといけないと思います。この点は今 までというと変ですけれども、例えば仲間内だけでやったとか、いろいろな批判が出て くる可能性がありますので、その辺の評価の内容をどこまでオープンにするかというこ とについては十分に私は検討する必要があるんじゃないかと思います。 私自身は、やはり大きな研究費をもらってやるからには、うまくいってもそれは結構 ですし、まずくいったらまずくいったでやむを得ないことですけれども、いずれにして もそれは内容を含めてオープンにされるような道をつくっておかなければいけないので はないかというふうに思います。ちょっと言い方が抽象的過ぎるかもしれませんが。 ○寺田委員 私は、先程矢崎部会長がおっしゃった、最終的なところは専門委員会で本当の評価を 受けることにし、同時に公開であるべきだと思います。それは当然のこととしてパブリ ケーションリストで出ますが、その途中のプロセスを今、柳澤委員が言われたようなど こまで公開するか。それは程度の問題をどこまでやるかということで、やはりこれはヒ アリングの内容を出すというぐらいのところで、全部の内容を出すとノベルティーがな くなってしまうようでそこもぎりぎりのところで難しいところがあります。 例えば今、問題になっています諸情報の積極的公開ということから、情報公開でこうい う言葉がちゃんと文書になって指示しているんだから全部出しなさいと逆につかれたら 目もあてられない状態になるので、ちょっとそこのところを配慮して文章をつくってい ただければありがたいなと思います。寺尾委員とか、先程皆さんがおっしゃったのはそ ういうことじゃないかと思います。みんな公開することに関して研究者は全然問題ない んですけれども、それと同時にかなり厳しい社会に生きていますものですから、そこの 部分との兼合いをどこでやるかです。長くなりますけれども、論文などでレフリーをや って、それはコンフィデンシャリティーをきちんとやられますから、それと同じぐらい のことを研究者に対してやってあげないと、本気になって自分のアイデアとか、そうい うことを評価委員会の場でしゃべれなくなっちゃうというふうに思う訳であります。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。どこまで公開するかということで、確かに諸情報の 積極的公開というのは先程柴田委員がおっしゃられた、仲間内でやっていないというこ とが明確になるような情報の公開と、それから評価の公開は報告書でお願いする。それ から、事前評価であれば当然採択はどうか。あるいは、金額によってその評価が分かる 人は分かる訳です。中間評価であれば例えば研究費がそのまま継続されるか、増額され るか、あるいは減額されるかということで、ヒアリングの結果というのは間接的に伝わ るのではないかというふうに考えられます。ヒアリングの内容のプロセスまではなかな か研究者としては公開する必要はないし、国民がそこまで求めているとは私自身は余り 感じません。一人で言って申し訳ありませんが、国民が明らかに情報の開示をしてほし いというのは、そういう研究者仲間で適当に研究費が使われるのではないということを どこかで担保してほしいということですので、こういう大綱的指針で厚生省の指針があ れば、先程審議官が言われたような生命倫理に関する点も含めて、そういうことで評価 を進めていければというふうに考えています。 ○寺田委員 もう一つは私どもが普通考えている研究というのと、もっと厚生省として非常に重要 な、例えばO157やダイオキシンとか、そういう行政的な研究がありますね。その場合 の取扱いはこの評価の範囲内に入れますと、今、言ったような公開の問題はもっと生々 しいことになって、報告書まで待てとか、そういうことは言えないことがあるんです。 そこはちょっと悩ましいので、それをどういうふうな形でここの中へ入れていくのかな ということは難しいな、と先程からちょっと思っていたんです。 ○伊藤審議官 この点についてはいろいろ先生方の御意見をお伺いしたいと思いますが、特に中間評 価の場合において、学問的に新しい業績の具体的な中身にまで立ち入って公開するとい うことよりも、中間評価で当初目指した研究計画の方向にいっているのか、いっていな いのかという点について、評価の結果を公開しなきゃいけないと思うんです。知的所有 権につながっていくような、最先端の研究の中身自体をペーパーの形にして公表すると いうことではありません。そこは整理が出来るのではないかなというふうに思っており ます。最終的には国の研究費を受けた研究については、積極的に専門の学会などで逆に どんどん研究者の方から発表していただくというのが私は筋じゃないかなと思います。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。今、寺田委員の言われた緊急時の研究ですね。それ は、もしかすると3ページにある指定研究のことにも、これも「(検討中)」というこ とでひとつどういうふうな研究課題で、恐らくこれは厚生省として緊急に対応を要する ような研究課題とかが入ってくると思います。寺田委員の御危惧は、例えばこういう指 定研究的な、あるいは厚生省の対応として正面から取り組まなければならないものにつ いてはある程度情報を公開するというようなこともあり得るのではないかということで はないでしょうか。 この指定研究、これは第1回研究企画部会の時に問題があったと思うんですが、この 指定研究の課題の設定その他について何かございますか。これは当然、事前評価を頭に 入れて指定研究というのを考えていかないといけないんじゃないかと思います。 寺田委員、何か御意見ございませんか。 ○寺田委員 直接にお答えする訳ではないんですけれども、もう一つ疑問に思っていましたのは、 この評価委員会の位置付けはこの研究企画部会に位置付けされるのか、或るいは、各研 究事業を所管しているところに評価委員会は出来るのか。要するに、研究機関の場合に は評価委員会の報告先は研究所の所長と書いてあるようですけれども、この場合はどこ から命令されて、どこへ報告して、どういう位置づけになっているのか、ちょっと分か りにくいなと感じております。 従いまして、ここの事前評価で計画研究或るいは指定研究の課題をどこが取り扱って いくのかということもちょっと分かりにくいというふうに思うんですが、最初の大前提 のところはどういうふうに事務局は考えておられるのか、もし分かればお願いします。 ○事務局 今のところ、事務局といたしましては現行行っているような形で研究事業ごとに委員 会を設けていただくということを考えております。 ○寺田委員 そうしますと、研究企画部会にどうのこうのということは、研究企画部会に報告する だけであって、あくまでも主体は各研究事業に対する評価委員会なんですね。そうする と、指名するのも承認するのも各事業を行っている各研究所管課、或るいは各部からそ こが命令することになる訳ですか。 ○事務局 今回というか、現状は各事業ごとといいますか、6本の柱ごとに専門委員会を設けさ せていただいており各事業ごとに最も行政的に関連の深い課に事務の一部を担っていた だくという形になっております。そして御承知のとおり、専門委員会の構成については この研究企画部会におきまして御了解等をいただいて作業を進めていった形になってお ります。突き詰めていった場合にどうなのかということについては両方の可能性がある のではないかということで、この事務局から御提示しました骨子案でもどちらにも実は 進み得るというか、読めるような形にはなっております。事務局といたしましては先程 御説明したように、出来れば行政的に最も責任を持つ、あるいは近しい課が実務的な面 でのお世話をさせていただくものと考えております。そういうことから、各研究事業の 所管課が厚生科学審議会に対して事務局を通じて報告をするというようなことに、実際 には相なるのではなかろうかと思います。そういったことを進める上では、当然この研 究企画部会が今年度果たしておりますような役割というものが、引き続き期待されるの ではなかろうかということですが、別な方法あるいは考え方というのもあろうかと思い ます。 ○寺田委員 そうすると、今の考えではここの研究企画部会或るいはこれを通じての厚生科学審議 会は、評価委員のメンバーに関しては承認事項ということになる訳ですか。 ○事務局 現在の厚生科学審議会におきましては、諮問・答申といった形での意見の申出、いわ ゆるこの審議会自体が自ら発議をし、意見を具申するという形の作業はございません。 そこら辺でもって、その位置付けをどうしていくかということについても、実はまだ走 りながら考えているというところがございます。煩しさ、あるいはその重大さ等を考え 合わせまして、そういった点も先生方の御意見をいただければありがたいと思っている ところでございます。 ○眞柄委員 今のことと少し関係する訳ですが、厚生省の機関に属する研究者が研究事業の課題を 得て研究を行って成果を出せば、それなりに機関評価につながる訳で、厚生省自体とし ては非常に流れがスマートにいく訳ですが、大学の研究者あるいは他省庁の研究者が課 題を得て研究を行ったときには、そこの評価で切れてしまうんじゃないかと思うんです ね。大学の機関評価にはいかない。そういう意味では、厚生省の研究事業そのものに対 して、厚生省以外の研究者が行うときには、この中間評価なり事後評価というものがか なり厳しく行われるべき性格になるんじゃないだろうかという気がするんですが、そこ ら辺りの扱いというのはどのようになるのかというのをお聞かせいただければ非常にあ りがたいと思います。 ○矢崎部会長 それは差はないと思いますけれども、いかがですか。 ○事務局 これは科学技術会議におきまして、厚生省だけではなく全省庁に対して、政府が自ら 或るいは政府の資金を用いて行う研究については、その評価をこのように進め、またそ の成果を生かすようにということで示されたところでありまして、お手元のファイルに もありますように、厚生省だけではなく、むしろ厚生省に先駆けまして通産省或るいは 農林水産省、文部省等でも同様の整備を進めています。ただ、それぞれの省におきまし て研究費の投入の仕方に多少の差があったり、或るいは重点を置く項目等の差がありま して、まだ内容に多少の差がございます。特に個人に対する研究費の交付というのは、 我が国ですと文部省の科学研究費と厚生省の厚生科学研究費補助金が実は二大双璧とい う形になっております。先生が御指摘のような形で大学の職員の方が研究成果を上げた 場合、当然その評価でいい点が付いたということは大学におきます機関評価等に跳ね返 りますし、厚生省の職員であれば厚生省におきます機関評価に跳ね返るという形で配慮 されるのではないかというふうに考えております。 ○眞柄委員 事前評価のことですが、厚生省の国立試験研究機関の幾つかでは大型の課題について 各機関で内部的に事前評価をやっている訳ですが、今度こういう形になると、各機関で の事前評価というのは今のところは表に出てきていないんですが、従来行われてきてい るような制度は廃止して、すべてこれに移すというお考えなんでしょうか。 ○事務局 これは、大綱的指針が出たことに伴いまして厚生省としての指針を整備しようとする ところでございます。従いまして、各研究機関等において既にいろいろなことがなされ ている、或るいはこれを場合によって凌駕するようなことが実行されているのではない かというふうに考えております。 この骨子案自体はまだ各国立試験研究機関等に公式に照会等をしておりませんので、 そういう意味でまだまだ不備なものと思っておりますし、具体的な御意見、御指導をい ただきながら整備していきたいと思っております。特に、各国立試験研究機関等におき ます研究につきましては個別課題の評価といった観点の他に研究機関としての評価とい うことの中でどういうふうに位置づけていくかということもあろうかと思いますし、具 体的には各国立試験研究機関の中でもその当該国研自体が実施主体として位置付けられ る面がございます。二重な実施主体がある場合にどのような位置付けにしていくのか、 ここら辺も御検討いただく中から整備していくことになろうかと思っております。 ○矢崎部会長 先程寺田委員から御質問の評価の取扱いについてということでありますが、私自身の イメージとしては事務局からお話になったような評価の結果については研究事業の所管 課のところで実際に取り扱って、そして研究企画部会というのは報告を受けるんですけ れども、これは承認事項ということではなくて、報告を受けてそこで改善すべき点があ ったり、何か問題点があったら研究企画部会で意見を述べるということでありますとい うふうに私は理解して、今後もそういうふうに対処していきたいと思います。というの は、実際にその評価を具体的にここで全部取り扱うとパンクしてしまいますので、これ は研究主管課に大変御苦労をお掛けしますけれども、評価自体はそこで一応まとめてい ただいて、この部会では何かそこで問題を指摘していただければ、そこでまた研究主管 課の方に反映させていただくというプロセスをイメージとして描いています。それでよ ろしいでしょうか。 ○寺田委員 ありがとうございました。こういう文章をつくるときに、一応の位置付けを書いてお いた方がいいと思いまして、質問をした訳です。 ○矢崎部会長 それでは、そういうことも十分気を付けて、もう少し文章を変えさせていただきたい と思います。  それでは第3編「厚生省所管の研究機関の評価の具体的実施方法」について検討して まいります。 ○柴田委員 その前に、この前、中間・事後評価の委員が事前評価委員と同じではない方がいいと いうことを申し上げて、こういうふうにはっきり書いてくださったことは大変結構だと 思うんですが、一定割合以上は事前評価委員と異なるという表現の、この一定割合とい うのは果たしてどのぐらいなのか。私自身も準備した原案はありませんし、実際問題と してこれを余り高くすると大変になってしまうという気もするんですね。ただ一定割合 以上というふうに書くならば、やはり何かの基準が欲しいなという気がちょっとするん です。その辺で、言い出しておきながら自分の原案がなくて恐縮なんですけれども、例 えば半分以上変えなければいけないというようなことは、実際上から無理でしょうが。  この評価委員の数が、先程おっしゃったように10人ぐらいだったらそのうち少なくと も2人か3人は変わっていた方がいいという気はしますね。何かその辺の感触で、「一 定割合」について専門家の方々の御意見をお聞きしたいと思います。 ○矢崎部会長 実際には課題によって随分違うと思うんですね。全部変わってしまった方がいい場合 と、あるいは特殊な研究分野だと評価をする方というのは限られてしまってなかなか困 難な場合もあるので、例えば3分の1とか、あるいは5分の1とか、数字を出せればい いんですけれども、なかなかその課題によって違うこともありますので、こういう一定 割合以上という苦肉の策で事務局は考えられたんだと思うんですが、これで許していた だけないでしょうか。 ○柴田委員 分かりました。苦肉の策ならば、かえってこういう方がいいかもしれませんね。余り 数字は入れない方がいいのかもしれません。 ○矢崎部会長 何か事務局でございますか。 ○事務局 部会長からもありましたように、人数と申しますのはまさしく分野における専門家の 数とか、範囲とか、いろいろなところに影響されますので、人数を今回は明示をさせて いただいておりません。それに合わせまして、余り全部違うということになりますと、 また今度は委員の選任というか、選ぶときに非常に困難を生ずるというようなことも考 えられますので、とりあえず事務局サイドとしましては例えば3分の1、どんなに多く ても5割ぐらいまでだろうなというふうに考えております。 ○柴田委員 結構でございます。それでもう十分です。 ○矢崎部会長 3分の1まで交代出来ない場合もあるかもしれませんけれども、原則として3分の1 以上とか、もし可能であれば入れさせていただきます。 ○杉田委員 中間評価の中間という意味ですね。大体、対象の課題を見ると3年ひと区切りか5年 になっている訳ですね。そうすると、3年の場合に中間というのは具体的にいつ頃やる んですか。 ○矢崎部会長 3年の場合には、中間というのは2年じゃないかと思います。それで、5年の場合に は3年と、大体そういうペースではないかと思います。 ただ、先程柳澤委員がおっしゃられたように、研究をチェックする意味では毎年やは り報告書というか、がっしりした報告書は必要ないと思いますけれども、どういうふう に研究を進め、どういうふうに研究費が使われたかという、それと次年度の、あるいは 残された研究期間にどこまで到達目標を置いてやるかとか、そういう報告書は毎年出し ていただかないと、これは困るのではないかと思います。 それでは第3編「厚生省所管の研究機関の評価の具体的実施方法」以下、結果の公表 等について書いてございます。ここは評価の結果については改善すべき事項について意 見の取りまとめの実施とか、結構研究課題に比べるとその研究評価を厳しく評価すると いうような文章になっていますけれども、国立試験研究機関所属の委員の方々、これで よろしいかということでございます。 ○寺尾委員 これは研究機関の評価ということでございますけれども、研究機関は行政に対しまし ていろいろな使命のような役割というのがある訳ですね。それで、例えば私どもの研究 所ですと、研究は勿論入っておりますけれども、調査とかあるいは製造、それから試験 研究とか、いろいろな言葉がありまして、結局切り口はいろいろあると思うんですね。 それで、今のこれを見ますと、何となく研究という切り口からだけ評価をするような 感じを受けるんですけれども、別の切り口から見ますとまた別の評価がなされるべきで あると思うんですが、そこら辺はどういうふうにお考えになるんでしょうか。 ○事務局 ベースになっておりますのが大綱的指針、国の研究関係の評価というところで、個別 の研究課題のみならず研究機関の評価も行えということになっていることから、これを 設けた訳でございます。 ただ、寺尾委員から今、御指摘のとおり、国立試験研究機関は非常に多様な業務を持 っております。まさに検査検定あるいはその行政検査、あるいは標準品のサプライとか いろいろ多様な事業が行われている。どこまでをその研究活動として読むのか、あるい は研究活動に付随する通常研究とは呼ばない活動をどうするかというところについては 配慮すべき事項のところでも各研究事業ごとにその配慮を行えというふうに書いてあり ますように、各国立試験研究機関の評価におきましても、各機関ごとに委員会を置き評 価をするということとともに、実施に当たりまして部の活動の状況というふうな書き方 これは実は研究部というふうに初めは書いてみたんですけれども非常に多様な活動が行 われている、あるいは評価すべき項目がいわゆる研究者による研究活動だけでとどまる ものではないんじゃないかということで、あえて事務部門を含むような部という表現に この骨子案で改めたということもございます。 例えば、国立公衆衛生院のように研究活動とともにいわゆる研修教育活動をかなりや っているところの活動をどう評価していくのかと、こういった非常に難しい問題が多々 あるかと思いますので、むしろ各委員の方々からその辺の御指摘、御助言をいただいて より適正な指針案にしていきたいというふうに考えております。 ○矢崎部会長 なかなかその多様な内容を研究だけというのと、それから運営・組織まで加えたとい うのと、幾つも評価を受けなければならないとなると、それは大変なことだと思います ので、この厚生科学としての研究の評価についてどこまで国立試験研究機関の活動を含 めるかということは、国立試験研究機関の所属の委員の方々にいろいろ御意見いただい てどこまで含めてやるか、過重な負担をお掛けしないように実施方法というのをつくっ ていきたいとは思っていますので、御意見をいただければ大変ありがたいと思います。 どうぞ。 ○柴田委員 私は国立試験研究機関外の人間ですけれども、3年に1回というのは負担が大き過ぎ るんじゃないかなと、私は外から見てそう思います。他の省庁の研究所はみんな3年に 1回なんでしょうか。そうならばそろえないといけないと思うんですが、この種の研究 所としての評価は5年に1回ぐらいでいいんじゃないのかなという気がいたします。国 立試験研究機関の方々は逆に3年に1回の方がかえっていいという意見かもしれません けれども、3年に1回というとしょっちゅうやっているというような形にならないでし ょうか。 ○矢崎部会長 貴重な御意見をありがとうございました。柴田委員の考えられている、恐らく外部評 価を機関として受けるのは抜本的な評価のシステムだと思います。ですからこれをそう いう性格付けにするか。それから、国立試験研究機関は非常に活動内容とか、詳しいと ころまで数字を挙げて分厚い報告書を毎年つくっておられまして、がんセンターでは大 部のものをつくられていますが、それは一つの評価対象になるのではないかなというふ うに思います。それで、柴田委員のおっしゃる評価の位置付けが、3年或るいは5年に 一遍の評価をここで取り上げるのか、もう少し活動の状況を知るための評価にするのか その辺の性格付けは、柴田委員がおっしゃるようになかなか難しいところですが、それ は大綱に従うとどういうふうな位置付けになるんでしょうか。 ○事務局 大綱的指針では、特に時期を明示はしてございません。他省庁の例で申しますと、科 学技術庁の研究所の評価につきましては、機関評価は原則として3年ごとに定期的に実 施するというふうに記述がございます。それから通商産業省は研究所評価ということで 当面各研究所は5年ごとを目途に評価を実施というふうになっております。 ○柴田委員 各省庁でも違うかと思いますけれども、一応評価委員会をつくって研究機関の運営の 改善に資するための評価をするということはかなりのことのように私は感じるんです。 日常的な活動についての報告が毎年きちんと出されているのは当然のことだと思うんで すけれども、それとは全然違う面から光をあてて、違う目で見て、改善をしなさいとい うのに、どうも3年に1回というとその評価委員会をしょっちゅうつくってしょっちゅ うやっているような感じにならないかと私は思ったのです。科学技術庁と通商産業省で 違うならばどちらが良いのか分かりませんが、私の勘では何となく5年に1回ぐらいで ないときちんとしたものにならないのではないか。かえってだめではないかという気が します。 ○寺田委員 がんセンターは5年程前から外部の方5人と内部の者2名で毎年やっているんです。 内部というのは研究所の人でなく総長と前の総長です。確かに毎年やると朝から晩まで やってふらふらになって、肝心の委員会のところになりましたらもう早く終わらないか なというムードで、実際に発表会のところでぎりぎり絞られて疲れますが、それでも1 年毎にやることの良い点は、1年毎に緊張感があって、私たちのところはどちらかとい いますと業務的なことよりも研究というのが表に出ておりますから、あの部は発表論文 がどのぐらいあったとかないとか、疫学だからしょうがないかとか、かなり厳しいこと を言われますので、それは部長とか部をまとめている者にとっては大変いい意見になる んですね。それで、これは公務員の制度をどういうことにしましても、永久就職の制度 の中で全体を先生がおっしゃるような機構を変えるとか、そういうところはまた別の問 題だと思うんです。それで、私の感じでは今までの反省を込めますと、個々の研究所で 違うと思いますけれども、やはり3年に1回ぐらいで、しかし部を例えば私のところだ ったら3つ位に分けて、しかし評価委員会は毎年やる。だから、各部にとっては3年に 1度は今迄より時間をかけてやる方向がよいと思います。また現在、例えばセミナーで 来られた方にその専門分野の研究考について書いてもらって、ここの部はどうだったと 評価ももらっていますけれども、そういうのはかなり刺激になりましていいなと思って います。だから、根本的には5年に1回の評価といいますと、研究所全体の構造などを 変えるとか、そういうときには必要だと思いますけれども、個々の研究に関してはやは り毎年、評価委員会の先生には大変気の毒なんですけれども、やっていただいた方がい いのではないかなという感じがしております。 ○矢崎部会長 大変積極的な御意見ですけれども、寺尾委員いかがでしょうか。研究所によってちょ っと違うかもしれませんね。 ○寺尾委員 私どもの医薬品食品衛生研究所は4年に一遍という形になります。 というのは、年に2回評価委員会を外部の先生に入っていただきましてやるんですけ れども、これは1回ですべてをやってしまうということではありませんで、4年たつと 一回りするという格好になっておりまして、研究の評価はそのうち3回、1年半でやり まして、それで4年のうちの1回は研究以外のいろいろな業務がございますので、そう いうものの評価をお願いするというふうな格好で、大体4年に1回という形です。 それで、4年に1回は確かにきついかもしれませんけれども、今のところ内部から文 句が出ないところを見ると、まあまあいけているのではないかなというふうな気がいた します。 ○眞柄委員 私は以前国立公衆衛生院にいましたが、国立公衆衛生院は3年に1回でワンラウンド で回っています。それで、評価制度が始まった第1回目は大変でした。とにかくありと あらゆる資料を10年分以上集めて材料を準備しなければいけなかったんですが、2回目 も勿論かなりの作業がありますけれども、だいぶ楽になり3年ではそれほどしんどくは ありませんでした。 ただ、評価委員の先生には毎年来ていただかなければなりませんので、中にいる人間 は3年に1回ですけれども、評価委員の先生は毎年2回は最低来ていただくということ で随分御迷惑をお掛けしたんじゃないのかなという気がいたします。 それで、基本的にはここで「運営の改善」というふうに書いてありますけれども、や はり研究事業の評価と同じように各研究機関の活動をエンカレッジするという目的が非 常に大きいと思いますので、ここで「など」と書いてありますが、改善ということは何 か悪いことがあるんじゃないかというふうに評価の委員の先生がごらんになられると、 逆に評価を受ける方も、あるいはペーパーを書くときにも随分気を使ってしまいますの で、そういう目的ではないというようなところをもう少し明らかにしていただきたいと 思います。 それから、評価委員の構成でございますが、ここの場合には外部評価委員と、それか ら実施主体の委員と、研究機関を所管する課の職員ということになっておりまして、研 究事業の主管課の方が入っておられないんですね。それで、先ほどもちょっと申し上げ ましたけれども、厚生省所管の研究機関の人間にとってみれば、研究事業の研究費が入 ってこないと研究活動が出来ないというのが実態でございますので、何らかの形で評価 委員の中に研究事業を持っておられるところが入っていただきたいなというのが私の個 人的な意見でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。必要に応じて所管課の方が入るということをもう少 し活用してほしいということですね。 そうしますと今、評価の姿勢をもう少しエンカレッジするというふうな文章に変える ということと、それから柴田委員から大変温情あるお言葉がありましたが、少なくとも 4年に1回は評価を受けられているということですので、その辺をめどに評価を、研究 所全体を4年ごとにまるごとやると大変ですので、今お話のように幾つかの部に分けて 議論していただく。それでその都度、研究所全体の総括的なことは研究所長その他から 御報告を受けるというような形でいくということでよろしいでしょうか。 ○柴田委員 別に温情からという意味ではなくて、ちょっと私は取り違えていたんでしょうか。評 価委員というのは私は1回ごとに委員が替わるように思っていたんですけれども、今の お話を聞いていると評価委員は同じ方々がずっと評価しておられるんでしょうか。ちょ っとそこは質問なんですけれども、何となく私は1回ごとに評価委員が替わっていくよ うなイメージで考えていたものですから、3年に1回は頻繁過ぎないかというようなイ メージを持ったんです。 ○矢崎部会長 実際にはどうなんでしょうか。 ○寺田委員 私どものところは、一応1期3年間で2期ぐらいという感じでやっております。 ○杉田委員 国立精神・神経センターも2期はやって頂いています。それから、評価委員会は毎年 やっています。それで、外部評価も全部点数が付いています。それから、外人の研究者 についても全部評価します。だけど、これは私も研究所長をしていたときには、ある意 味では自分が判断するときの非常にいい材料になるんです。やはり中に入っていますと 分からないことがある訳ですね。そういうときに外から大所高所から批判をいただくこ とはものすごく助かることが多いので、私はされる方はすごく大変だけれども、受ける 方はむしろいいと思っています。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。その他、いかがでしょうか。 ○寺田委員 細かいことですけれども、第1章「2.評価事項」のところに、やはり研究成果とか 論文発表、特許の問題、それが大きな評価の根拠になりますので、これは是非入れてい ただきたいと思います。それから、第2章「1.評価結果について」は3つ項目がござ いますが、これを見ますと、ここの評価委員会の位置付けといいますのはこの研究企画 部会にぶら下がっているような書き方をしてあるんですが、ここの位置付けは前の研究 事業の評価委員会と位置づけが違う訳ですよね。私は、評価委員会は飽くまでも研究所 長へのアドバイザーとしての評価委員会でやって、研究所長はすべての責任を持ってこ こへ研究のアクティビティーがもし必要であれば報告するという立場であろうと思って おったんですが。 ○矢崎部会長 確かにおっしゃるとおりで、取扱いですね。評価結果が出た後……。 ○事務局 組織につきましては、第1章「1.評価方法」の一番上の丸でございますが、評価委 員会は研究機関ごとに設けるということでございますので、部会の方ではございません それから、2つ目の丸でございますが、評価委員会の報告書は飽くまでも研究機関の長 に提出をされるものであるということでございます。その報告書につきまして、この部 会の方に所管課を通じましていろいろ報告があるということでございます。 ○矢崎部会長 それを踏まえて、特に研究企画部会の意見を踏まえてその機関の長に対処を指示する とか、その改善状況をここの部会に報告するとか、そういう部会の位置付けにちょっと ……。 ○事務局 研究企画部会で御議論いだたくのは、非常に大所高所からの御議論をしていただくと いうことになろうかと思いますので、例えて申しますと組織のありよう、その根本的な ところという、個別具体的に個々の研究の内容と申しますよりは、要するに研究所のそ もそもの構成とか、それから例えば構造、機構改革、そういうような面に特に注意をし て方向性、大きなものを出していただくということをとりあえず考えております。 ○矢崎部会長 少し文章を練らないといけないかもしれませんね。このままですと誤解を招くところ があるかと存じます。先程寺田委員の言われたことと事務局が言われたことを十分踏ま えて、少し文章を直させていただきます。その他よろしいでしょうか。 ○寺尾委員 この評価事項なんですけれども、多分各国立試験研究機関に共通であることに国際協 力という言葉があるんじゃないかという気がいたします。というのは、これはかなり各 国立試験研究機関は人を割くといいましょうか、時間を割くといいましょうか、やって いると思いますので、もしかしたらそれは項目として挙げた方がいいのではないかなと いう気がいたします。 ○矢崎部会長 恐らく、部の活動の現状の中にその国際協力とか、国際交流とか、そういう評価が入 ってくるのではないかと思います。もし必要であれば別項目に立てさせていただきます ちょっと検討させていただきたいと思います。その他、いかがでしょうか。 ○寺田委員 最初に書いてありますように評価をするため、あるいは国民に知らせるとか、そうい う場合にお金が掛かるんですね。それの予算的なバックアップが全然ないんです。いろ いろなところから苦労して出して、事務の方にお願いして出してもらっている状態で、 やはり私どもぐらいのサイズでも余り大きくないんですが、研究所だけで考えましてち ょっとこの前聞いてみましたところ、500万円から1,000万円位年間そういうためにいた だければありがたいなというような感じを持っています。 ○矢崎部会長 それは、厚生科学の予算の中でそういうことも含めて考慮いただくということになる ので、この間の審議会では倫理に関する問題とか、共通の課題で厚生省の研究において 基盤となるようなものは、予算的な措置がとれる可能性はあるんでしょうか。今すぐお 答えは難しいかもしれませんけれども。 ○事務局 本来であれば、課長なり審議官からもっといいお答えが出るのではないかと思います けれども、一般的な流れといたしまして、御承知のとおり日本の各省庁はPRが下手で ございまして、下手な原因の一つには金と人がないというのが昔から繰り返されていま す。しかしながら最近少しずつ国民に対する情報の提供という形で、お気付きかと思い ますけれども厚生白書も昔みたいな味けないものから少しいろいろと読みやすくなって きたり、それからホームページも遅まきながら今年の1月からいろいろと充実を図って きております。そんな形で、少しずつ変わってきているという点から、こういったよう な合意が出来てきますれば、そういうものをベースにしながら必要な予算を出来るだけ 獲得し、その配分をしていくということは当然考えていかなければいけないこととは思 っております。 ただ、現時点でこれが出来たら直ちにお金が降ってきますとはちょっと言えないのが 非常に申し訳ないところです。 ○伊藤審議官 寺田委員の御意見は、具体的に評価を実施するために必要な予算という御趣旨なので しょうか、それとも、例えばがんセンターの研究活動をもっとPRするための予算なん でしょうか、どちらでしょうか。 ○寺田委員 評価委員会の委員の先生を呼んできて会議をするのは、お金はそんなに掛からないで す。ただ、その前に報告書をつくります。それで、報告書をつくったりするのは200万 円から250万円位です。それから英語のアニュアルレポート、これもやはり250万円位掛 かるんですね。それを両方合わせて500万円で、ホームページで、これはみんなに対す るPRですね。今、審議官がおっしゃった、その部分は自分たちの手でやるか、外部に 委託するかでいろいろな範囲がありますから、全部合わせて大体1,000万円位じゃない かなということでありまして、純粋に評価委員会の先生を呼ぶ旅費とかは、これは計算 したら分かることで、宿泊費等で30万円とか50万円の範囲内でいけますが、このお金す ら無いんですね。ところが、研究事業の方はお陰様でいろいろなところから研究費が出 ていますから、そういう事業費として別に取ってありますけれども、研究所に来ている お金がないものですから、研究所の機関としての活動をやる場合にお金がないというこ とであります。 ○伊藤審議官 実情をよく聞かせていただきました、今後御相談させていただきます。 ○寺田委員 よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 大変心強いお話をいただいてありがたいと思いますけれども、もう一つは先程知的財 産権で、以前の部会でも議論になったと思います。これもパテントを取るのは大変な労 力と費用が掛かる訳で、前にも話したことがありますが、一番簡単に取れるのはアメリ カであって、日本が一番大変だということです。各省庁でお話をしていただいて、比較 的簡単に費用も少なく知的財産権が確保出来るような、そういうシステムを是非つくっ ていただきたいと思います。それで、こういう予算が研究に対して出てきたときには、 結果、アウトカムが評価の重要な課題になる訳です。従いまして、それを実際に社会に 還元するにはそういうパテントの問題とか、公表する費用とか、これから随分結果に対 してそれをサポートする予算がまた必要になってくるのではないかと思います。それに ついても全体の研究の予算の中で今、審議官が言われたように配慮していただければ、 大変研究者としてはやりやすくなるのではないかというふうに考えています。 その他、何かございますでしょうか。実際に研究機関は今は毎年アニュアルレポート を出されておられますし、その中には研究の成果だけではなくて調査研究とか、そうい う一般的な活動まで数字を上げて年報を出されている研究所が大部分ではないかという ふうに思いますので、それをベースにして評価をシステム化するといいますか、そして 個人的な感想かもしれませんけれども、国立試験研究機関というのは世の中から日が最 も当たるところとは言えない状況でございますので、せっかくアニュアルレポートを毎 年つくっておられますので、それに重ねてそういうアピールする評価委員会というのは 単に内容をチェックするということではなくて、その評価で更に世の中に活動を訴えて いくということで利用していただければ大変よろしいのではないかというふうに考えて おります。 それだけに、この評価の実施方法というのが先生方の活動を本当に正確に、的確にと らえて評価しなければならないということで、この案によって誤解を受けるようなこと も絶対避けなければいけませんので、実施法につきましては十分文章は検討していかな ければいけないのではないかと思います。 また文章を練り直しまして、先生方に御議論あるいは御意見を承りたいと思います。 時間もそろそろ迫っておりますが、御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょう か。 そうしますと、今日は多くの貴重な御意見を承りましたので、それをベースにしてま た案を提示して、大変お忙しい先生方に恐縮ですが、御議論をお願いしたいと思います 次回は11月25日火曜日の午前10時から12時まで2時間予定しておりますので、何とぞ 御出席いただきますようによろしくお願いします。それまでに骨子案ではなくて案とい うことで先生方に御提示出来ればと思います。よろしくお願いします。 それでは、本日の研究企画部会はこれで終了させていただきます。どうもありがとう ございました。 ○事務局 事務局の方から御連絡をさせていただきます。次回及びその次の部会の日程につきま しては、資料と一緒に配布をさせていただいております。次回、11月25日につきまして は通商産業省別館共用825会議室というところで開催を予定いたしておりますので御注 意をいただきたいと思います。地図も合わせてお配りをしておりますので御参照くださ い。 参考資料をブルーのファイルで前回と同じようにお配りしておりますけれども、これ につきましては事務局の方で保管をいたしますので、その場に置いていかれて結構でご ざいます。 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課  担 当 岡本(内線3806) 電 話 (代)03−3503−1711 (直)03−3595−2171