97/06/24 第2回厚生科学審議会研究企画部会             第2回厚生科学審議会研究企画部会 1.日  時:平成9年6月24日(火)   15:00〜17:00 2.場  所:厚生省別館特別第1会議室 3.議  題:(1)公募研究課題の評価方法、審査方法について        (2)平成10年度厚生科学研究費補助金に係る予算要求について        (3)その他 4.出席委員:矢崎義雄部会長        (委員:五十音順:敬称略)           大石道夫 柴田鐵治 寺田雅昭        (専門委員:五十音順:敬称略)           杉田秀夫 土屋喜一 寺尾允男 初山泰弘 眞柄泰基 真崎知生           宮本昭正 柳澤信夫 山崎修道 ○事務局 それでは定刻となりましたので、ただ今から第2回厚生科学審議会研究企画 部会を開催いたします。 本日は、高久委員から御欠席の連絡をいただいております。 それでは、矢崎先生議事の進行をよろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 それでは、議事の進行をさせていただきます。まず議事に入る前に、前 回御欠席になりました、大石委員と眞柄委員が本日御出席いただきましたので、御紹介 いたします。 ○大石委員 大石でございます。よろしくお願いします。 ○眞柄委員 眞柄でございます。よろしくお願いします。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。  それでは、本日の議題に入らせていただきます。公募の締切りが過ぎまして、集計が 終わったところで、本日は公募研究課題の評価方法と審査方法について、先生方に御討 論いただきたいということであります。 それでは、まず事務局から資料に従って御説明よろしくお願いします。 ○事務局 資料1「公募研究課題について」という1枚の紙でございます。先端的厚生 科学研究分野につきましては、6月23日、(昨日)をもちまして公募の締切りとなりま した。現在の応募の状況について、概数になるかもしれませんけれども、1枚にまとめ ております。 「脳科学研究事業」につきましては応募課題数が498課題。「ヒトゲノム・遺伝子治 療研究事業」につきましては、180課題。「高度先端医療研究事業」につきましては、 129課題。「新興・再興感染症研究事業」につきましては、363課題。「エイズ対策研究 事業」につきましては、91課題。「感覚器障害研究事業」につきましては、131課題。 「免疫・アレルギー等研究事業」につきましては、193課題という状況になっておりま す。 資料2でございます。これは先日第1回の研究企画部会にも御提示させていただいた 資料でございます。第1回目の研究企画部会を6月3日に開催した際、各研究事業ごと に公募課題の選定につきまして、専門委員会及び評価小委員会を設けて審査していった ら良いのではないかということでした。同じ図を再度ここに載せさせていただいており ます。 先日御議論いただいた研究企画評価の研究班の各班長が所属する施設について、施設 名が載せられております。脳科学研究につきましては、国立精神・神経センターと国立 療養所中部病院長寿医療研究センター。 ヒトゲノム・遺伝子治療研究につきましては、先日御議論いただきましたように施設 ということではなくて、色々な分野にまたがるところがこの研究事業にあるということ で、厚生科学課という当課の名前がつけられております。 高度先端医療研究の、医療機器分に関しては国立循環器病センター、人工血液分につ いては国立医薬品食品衛生研究所。 新興・再興感染症につきましては、国立感染症研究所。 エイズ対策研究につきましては、国立感染症研究所。 感覚器障害研究につきましては、国立身体障害者リハビリテーションセンター。 免疫・アレルギー研究におきましては、国立相模原病院となっております。 資料3でございます。これは研究事業別の課題採択方針(案)ということになってお ります。脳で簡単に御説明させていただきますと、官報に告示して課題というのが大き な数字の1〜9。「痴呆疾患の克服に関する研究」「精神疾患の克服に関する研究」 「神経疾患の克服に関する研究」「筋疾患の克服に関する研究」「発達障害に関する研 究」「中枢神経系の外傷に関する研究」「睡眠・リズム障害の病態解明と治療法の開発 に関する研究」「ストレスマネージメントに関する研究」「脳内薬物受容体に関する研 究」。この9つの項目について官報に告示しておりますけれども、それぞれの内容につ きまして、公募された課題について採択の方針としてどういった項目が考えられるかと いうことを提示させていただいておりますのがこの表でございます。以下、同様の趣旨 でそれぞれ研究事業別にとりまとめております。  4ページ「ヒトゲノム・遺伝子治療研究事業における課題採択方針(案)」。 5ページ「高度先端医療研究事業(治療機器等開発研究分野)における課題採択方針 (案)」。これは医療機器の分野はかなり細かく官報に出したということがございまし て、官報の告示の課題そのままが採択の方針(案)になっております。 6ページ「高度先端医療研究事業(人工血液開発研究分野)における課題採択方針 (案)」。この分野につきましても、官報に載せた課題がそのまま採択方針(案)とし て御提示させていただいております。 7ページ「新興・再興感染症研究事業における課題採択方針(案)」。これも脳と同 じでございまして、大きな数字の項目が官報で告示されたものでございます。 8ページ「エイズ対策研究事業における課題採択方針(案)」。こちらも同様でござ います。 9ページ「感覚器障害研究事業における課題採択方針(案)」。こちらも同様でござ います。 10ページ「免疫・アレルギー等研究事業における課題採択方針(案)」と。これも同 様でございます。 以上のように取りまとめた課題採択方針(案)を資料3として提示させていただいて おります。 資料4について御説明させていただきます。 先日の御議論で専門委員についても第2回本部会で御議論いただくということになっ ておりました。それでまず資料4脳科学研究の例で説明させていただきますと、上から 順に9人の先生方のお名前が書いておりますけれども、この9人の研究者の先生方が専 門家として、研究者として専門委員会を構成いただく研究者という位置づけ。下に括弧 してございますのが、厚生省が進める対策研究でございますので、そういった点を鑑み て、採択課題の方針案をつくる専門委員会において、官職指定委員というものを置く。 それで研究事業ごとに官職指定で行政側からも委員が出るというふうな案にしてござい ます。 脳科学研究におきましては、所管課でございます厚生科学課長。あと関係する分野で ございます精神保健福祉課長、エイズ疾病対策課長、政策医療課長、母子保健課長とい うことになっております。 これは事業ごとに示しておりまして、12ページが「ヒトゲノム・遺伝子治療研究専門 委員会委員(案)」。13ページが「高度先端医療研究(治療機器等開発研究分野)専門 委員会委員(案)」。14ページが「高度先端医療研究(人工血液開発研究分野)専門委 員会名簿(案)」。15ページが「新興・再興感染症研究事業専門委員会委員(案)」。 16ページが「エイズ対策研究専門委員会委員(案)」。17ページが「感覚器障害研究専 門委員会委員(案)」。18ページが「免疫・アレルギー等研究専門委員会名簿(案)」 ということになっております。 引き続きまして、参考資料について説明させていただきます。 参考資料1については第1回目のときに配布させていただきましたけれども、「国の 研究開発全般に共通する評価の実施方法の在り方について」というものが本年5月に科 学技術会議政策委員会評価指針策定小委員会というところで公表されたものでございま すけれども、再度ここに配布させていただきます。 更に参考資料2「研究評価マニュアル」でございますが、私どもが平成元年8月厚生 科学会議の提言を受けた研究評価制度の導入にあたり、評価手続の枠組みを定め、研究 評価の円滑な実施を図ることを目的とするということで、本マニュアルを公表させてい ただいております。これを御参考に付けております。 併せて、研究の評価ということも御議論に含まれておりますので、研究評価について 説明させていただきたいと思います。これら今回公募されました研究課題につきまし て、採択まで進めていく必要がございますけれども、その評価についてどういった手法 で進めていったらよいかということについて説明させていただきます。場合により面接 評価を行う場合と、面接評価を必ず行う場合というふうに2つに分けて説明させていた だいております。 選考の方法でございますけれども、研究事業ごとに研究課題選定の評価を行うため、 研究事業ごとの専門委員会及び評価小委員会を置くこととします。  書面評価については、評価委員があらかじめ評点(複数名が担当する)を行います。  面接評価については、必要があれば評価小委員会による書面評価の結果に基づき、専 門委員会が研究課題提案者、主任研究者就任予定者から行います。  評価の基準について、書面評価は研究者の側と行政の側とに分けてございます。研究 者側の評価でございますけれども、1つは科学的重要性、2つめは将来的発展性、3つ めは研究の独創性・新規性、4つめは研究者・施設の資質、5つめは研究目標の実現 性。行政側でございますが、1つは行政課題との関連性、2つめは行政的重要性、3つ めは行政的緊急性。  面接評価ですけれども、これは研究課題の総合評価ということにしております。 採択課題案の選定でございますけれども、専門委員会において評価委員により評点に 基づき採択課題案等を選定するとともに、優先順位を付けて個別研究課題案を選定しま す。面接を行った場合は、面接終了後に行います。 書面評価につきましては、割り振りが必要ですけれども、基本的に研究事業所管課と 評価小委員会委員長で行い、適宜専門委員会委員長と相談することとしております。 評点は、研究者と行政で分けてございます。それぞれ5項目と3項目、5点満点で採 点いたします。研究者の場合は25点満点、行政の場合は15点満点ということで、それぞ れ平均したものの合計をこの研究課題の評点とすると40点満点となります。面接を行う 場合はそれを加えていただく。その結果、専門委員会において評価委員による評点に基 づき、採択課題案等を選定するとともに、優先順位をつけて補欠課題を選定します。面 接を行った場合はその後に同様の選定を行います。 このような流れでまず研究課題の公募ということが終わって、現在は書類の点検に入 っておる段階でございます。これを評価小委員レビュアーによる評点を付けていただき ます。レビュアーの割り振りは所管課長と評価小委員長の協議で決定することとしてお ります。各課題は複数でのレビュアーで評価いたします。必要があれば、評価小委員会 も開いて頂くということでございますけれども、専門委員会を開催していただきまし て、評点を基にその採択課題候補の案をつくっていただき、次回の研究企画部会にお諮 りいただくことを予定しております。 引き続き面接を行う場合の評価方法の案について御説明させていただきます。 書面評価の部分におきまして、評価委員があらかじめ評点を行い、その結果に基づき 評価小委員会を開催いたしまして、その場で採択予定予算額、あるいは採択予定課題数 の2倍程度まで絞り込みを行います。評価小委員会で絞り込みを行った後、評価小委員 会による書面評価の結果に基づき、専門委員会が研究課題提案者に対して面接評価を行 うこととしております。  面接評価の要点を申し上げます。1つは面接評価対象者は研究課題提案者、主任研究 者就任予定者とします。面接時間は1課題あたり15分程度で行います。2つめは研究課 題提案者は10分以内で提案課題について研究の背景、目的、構想、研究体制、展望等に ついて説明を行なって頂きます。3つめは質疑応答を5分程度行います。4つめは面接 後、研究課題について総合評価を5点法、上から5、4、3、2、1、で評価を行いま す。そして面接評価終了後選考により、研究課題等の選定を行うこととしております。 以上でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。それでは、検討を進めていきたいと思 います。 まず大きく分けて2つポイントがあると思います。1つは専門委員会の構成で、これ は企画部会でお諮りするということになっておりますのでその点と、それから2番目 は、評価の実際のプロセスについて二通りの案が提示されました。 それでは、まず第1に、今までの公募でございますが、資料1にありますように、脳 科学研究事業が500題ぐらいということで、これをどういうふうに選定するかということは杉田委員が大分頭を悩ませるところであるかと思いますけれども、よろしくお願いい たします。 それから、資料2に前回拠点施設という御説明がありましたけれども、今回は評価研 究班の事務局という、より事務局的な色彩が濃い名称になっておりまして、ヒトゲノム に関しては厚生科学課で御面倒いただくというお話をお伺いしました。 詳しい採択方針については今、御説明のあったとおりでありまして、大きな研究の テーマだけを御説明しましたけれども、この細かいテーマについてもそれぞれに応募が あったというお話でございます。これまでよろしいでしょうか。 それでは、資料4の第1のポイントの専門委員会の委員の案がここにリストされてお ります。これにつきましては、各委員の先生方からの御指示によって委員の選定が行わ れたと思いますけれども、その専門委員会の委員に官職指定で厚生省の課長の方々が入 っておられるということでございます。これに関しましては、厚生科学ということで政 策研究的な側面もあるので、厚生省のある程度の意思を反映するということで委員の方 が入っておられます。実際のプロセスの中では、書面評価の場合に研究者の評価と行政 側の評価ということで、実際の点数に関しまして細かく規定がございます。研究者の方 では5つの項目で5点満点で評価していただきその総計を出すと。それから、行政側の 評価として3項目で合計15点となりますから、そのまま単純に合わせれば40点というこ とになるかと思います。これにつきまして、先生方で何か御意見ございますか。 まず最初に研究者側の専門委員会の委員の先生方の選定でございますが、まず初めに 脳科学研究専門委員会の委員をご覧いただきまして、いかがでしょうか。これはお認め いただけますでしょうか。杉田委員いかがでしょうか。 ○杉田委員 むしろこちらから御意見承りたいぐらいでありますから。 ○矢崎部会長 柳澤委員よろしいでしょうか。 ○柳澤委員 はい。 ○矢崎部会長 それでは続きまして、ヒトゲノム・遺伝子治療研究専門委員会の委員で ございます。今日は高久委員が御欠席でいらっしゃいますが、寺田委員いかがでしょう か。 ○寺田委員 私はこれでいいと思いますけれども、大石委員いかがでしょうか。 ○大石委員 結構でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございます。高度先端医療研究の専門委員会の委員 で、これは循環器病センターの総長の菊地先生が委員長でおられますけれども、真崎委 員は。 ○真崎委員 よろしいと思います。 ○矢崎部会長 続いて、高度先端医療研究事業専門委員会の名簿で、寺尾委員いかがで しょうか。 ○寺尾委員 結構でございます。 ○矢崎部会長 他の委員の先生方、よろしいでしょうか。どうもありがとうございま す。続きまして、新興・再興感染症研究事業専門委員会委員でございますが、いかがで しょうか。山崎委員よろしいでしょうか。 ○山崎委員 1つ新興・再興感染症の事業の中には、予防ワクチンの開発研究という課 題が入っていますね。そういう意味で、薬務局が入っていた方がいいのではないかと思 うのですが、あるいは薬務局の中の創薬開発を担当する課が入っていた方が何かと薬務 局の方の研究事業との関わりで都合がいいのではないかと思いますが、いかがでしょう か。 ○事務局 補足の御説明をさせていただきますが、7月1日に組織改正の予定がござい まして、薬務局が今度「医薬安全局」という形で、主に監視・審査を中心にやるという 形に変わります。研究開発の部分は、今までありました研究開発振興課とか、経済課の 部分が健康政策局の方に移るということになります。研究開発の関係は、山崎委員に御 指摘いただいたワクチンのことも含めて、そういうことも配慮出来るような体制を考え たいと思っております。 ○山崎委員 分かりました。結構です。 ○矢崎部会長 そうしますと、ここにあります研究開発振興課長がその責務を負ってい ただけると考えてよろしいですか。 ○事務局 ワクチンまで含められるかどうかはちょっとあれなのですが、一応研究開発 の部分はこちらというふうに考えて入っております。 ○矢崎部会長 そうしましたら、もし山崎委員の御指摘のワクチンまでカバー出来なか った場合にはまた御配慮いただければ大変ありがたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○杉田委員 委員の方で鴨下先生が脳と両方入っているのです。これはよろしいのでご ざいましょうか。 ○矢崎部会長 これも363課題と大変多いので、両方ではお気の毒でいらっしゃいます ね。山崎委員、鴨下先生としてはどちらがよろしいでしょうか。 ○杉田委員 御専門としては発達障害ですね。小児神経なものですから、私としては是 非先生に入っていただきたいと思いますけれども、柳澤委員どうですか。 ○柳澤委員 やはり脳の方に入っていただけると大変ありがたいです。 ○山崎委員 新興・再興感染症の方は同じセンターの竹田先生が入っていらっしゃいま すね。あるいは国際的なことが何か必要かな。余り国際医療は関係ないですね。ですか ら鴨下先生は必ずしもここにお入りにならなくてもいいのではないかと思いますけれど も。 ○矢崎部会長 そうしますと、結構応募題数が多いので、鴨下先生が抜けられましたの で、あと1名もし必要であれば加えていただきたいと思います。その時は委員長の山崎 委員に御一任ということでよろしいでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○矢崎部会長 ありがとうございました。そうさせていただきます。続いて、エイズ対 策研究専門委員会委員の先生方でいらっしゃいます。 ○山崎委員 前の新興・再興感染症と同じくエイズ対策研究の方にも国立感染症研究所 の企画主幹を関与させていただければと思いますが。 ○矢崎部会長 竹田先生が両方というのはよろしいでしょうか。 ○山崎委員 これは多分専門外の方も必要だというのでお入りになっているのだろうと 思うのですけれども、後の方は何らかにおいてみんなエイズと関係のある人ですね。 ○矢崎部会長 では、一応エイズの専門外の方にも加わっていただくということでよろ しくお願いします。今の山崎委員の御提案をお認めいただけますでしょうか。 どうもありがとうございました。それでは竹田先生大変ですけれども、是非この際御 協力お願いしたいということでお願いします。感覚器障害研究専門委員会の委員でござ いますが、よろしいでしょうか。委員が10名で構成されておられますが、初山委員よろ しいでしょうか。 ○初山委員 結構でございます。よろしくお願いします。 ○矢崎部会長 他の委員の先生方もよろしいでしょうか。 どうもありがとうございました。免疫・アレルギー等研究専門委員会でございます が、委員長は工藤先生。 ○宮本委員 これの中に臓器移植が入っておりますから、臓器移植の関係の先生方が入 っていらっしゃるのは当然だと思いますけれども、ただ、アレルギー・免疫の方が強い て言えば数が少ないかなというふうには思ってはいますが、でも原則としてこれで結構 です。 ○事務局 一応所管課は疾病対策課になっておりまして、委員の数は4名と4名という ふうに同数になってございます。 ○宮本委員 免疫の方はこの3名の他にどなたになりますか。 ○事務局 寺尾委員が薬学ということで入っていただいておると思います。 ○宮本委員 私は寺尾委員の御専門は臓器移植の方かなと思ったものですから、結構で す。 ○矢崎部会長 寺尾委員よろしいでしょうか。 ○寺尾委員 結構です。余り専門でもないですが。 ○矢崎部会長 それでは、この委員会もお認めいただけますでしょうか。どうもありが とうございました。 それでは、委員の構成は、官職指定として厚生省の課長の方々が4〜5名加入されて おるということになります。厚生科学研究という切り口から、実際の評点の重さ、その 他で何か御意見ございますか。 ○宮本委員 評価の付け方なのですが、1〜5という点数の場合には正規分布するよう な配分、例えば3の場合を一番多くて、1と5の数が大体同じように、4と2がちょう どその中間にあたるような、分布でなるべく採点するということでしょうか。それとも 点数については自由裁断に任せるということになるのでしょうか。 ○矢崎部会長 大変基本的な問題ですね。よく5点は10%以内に、それから4が20%、 真ん中の3が30%とか、そういう割り振りが普通行われていますけれども、そういう大 まかな方針でしょうか。ただ、なかなか1というのは全般的にレベルが非常に高いと付 けにくくなることになるかと思いますけれども。 ○杉田委員 脳の場合は500近くあるものですから、これは例えば5点は何割ぐらいだ とかやりませんと、もうとても出来ないだろうと思うのです。だから、これは各分野の 委員会に任せるようにしてはいかがかと。 もう一つ質問したいことがありますのは、専門家の場合、お一人ではなくてダブル・ チェックすることがありますよね。そうすると点数が倍になってくる訳ですね。それか ら官職指定の方が、脳の場合に5人課長さんがおられる訳で、5人の方がなさる訳です か。お一人なのですか。その辺のところで点数のバランスが変わってくるだろうと。 ○事務局 研究者の先生方も行政の先生方も複数、特に人数は考えておりませんけれど も、事業ごとに考えていただきたいのですが、複数ということで、その平均をとりたい と思っております。 ○矢崎部会長 複数ですと、何名にするかということ。 ○杉田委員 それで、問題は点数で出てくる何十何点という数字でだけでやってしまう のか、それはあくまでも参考意見であるというふうにするかというのがあると思うので す。そこらのところはやはりこの委員会で十分御議論いただいて、行政的には非常に高 いレベルか、サイエンティフィックにはどうかということ。あくまで点数そのものの、 1点、2点というものに余りこだわることがあるとまた問題が起きるのではないかなと いう気もするのです。だからそれはこの委員会の先生方の裁量にお任せするというよう な形が出来ますでしょうか。 ○宮本委員 その場合評価小委員会がある訳ですから、そこである程度スクリーニング してくれることになりますね。 ○杉田委員 そう思いますね。評価小委員会である程度決めていくという形は許されま すでしょうか。それとも評価小委員会全部同じようにやるべきかどうかということです ね。 ○矢崎部会長 今、第1のポイントの議題の委員会の構成については大体お認めいただ けたようでございますので、2番目の実際の評価のプロセスについて議題を移らさせて いただきます。 私御説明聞いていて、評価小委員会でございますけれども、これは数が多いと大変な 方々に御負担が掛かると思います。それで、点数を付ける評価委員は複数名と書いてあ りますが、これは各委員会で例えば3名とか、2名とか、そういうふうに決めさせてよ ろしいでしょうか。例えば、500題あるようなところですと、なかなか3人で1つのも のを見るというのは物理的に不可能ですし、100題ぐらいですとむしろ3人ぐらいでや られてもいいかもしれない。 ○杉田委員 これは内容によると思うのです。脳の場合には9つ項目があるのです。こ れは例えば3人ですと、1人の方が3つの項目を完全にカバー出来るかというと、ちょ っと問題があると思うのです。かなり数を増やさないと内容的な評価はなかなかしにく いのではないか。ダブル・チェックですから、柳澤委員いかがですか。 ○矢崎部会長 そうしますと、評価小委員の数は1課題について少なくとも2名と。 ○柳澤委員 専門委員の方の名簿を拝見しますと、脳研究の場合では恐らく専門委員の 方がそんなに深くコミットして評価することは500云々ということになると大変だろう と思うのです。ですから評価小委員の方で集まった課題、提示された課題に従って複数 の小委員をリストアップして、それによって1つの課題についてある程度専門的な人が 複数評価出来るような形で委員会をつくってしまって、それで担当するようなことを考 えてはいかがでしょうか。 ○矢崎部会長 そうしますと、例えば先程のプロセスの2番目の案ですね。面接も取り 入れるということですと、大体書面評価で、評価小委員会で採択予定数の大体2倍程度 に絞って、そしてそこでヒアリングを行って評価する。そうすると専門委員の先生方の 評価はヒアリングの部分を担当することになりますでしょうか。 それからもう一つは、ここに評価小委員会の委員長を専門委員会の委員長が兼ねるか どうかという問題があると思うのです。ここにございますように、評価小委員会の委員 長と委員への課題の割り振りとか、そういうことも含めて関与することもありますの で、いかがなものでしょうか。評価小委員会だけで独立で評価を進めていってよいもの か。先生おっしゃられた9つの課題でどういうふうに実際に進められるのでしょうか。 というのは、評価小委員につきましてはここで議論するのは大変ですので、各専門委 員会にその構成についてはお任せするということになるかと思います。その場合に、評 価小委員会の委員長は専門委員会の委員長が兼ねるのか、どうしたらよろしいですか。 ○杉田委員 私見では分けられた方がいいように思います。ただ、専門委員会の委員長 が場合によってはオブザーバーで出るということはいいと思うのです。だけれどもこれ は恐らく評価小委員会の場合はかなり若い現役のばりばりの方にお願いしたいと思って いますから、どちらかという専門委員は少し年か、私のような年を取った人ですから、 場合によってはその委員長がオブザーバーで出るというのでもいいと思うのですけれど も、私は別個にした方がいいように私見では思います。 ○宮本委員 一堂に会して小委員会で云々するということになのですか。むしろ書類を 各小委員の先生に送って、ある程度評点を付けてもらって、あるところで取りまとめ て、最終的に一緒に集まるという形でやっていかれる訳でしょう。 ○杉田委員 私も任せていいと思うのです。それで、2倍程度に絞っていただいたら上 へ上げていただくということでもいいと思うのです。 ○矢崎部会長 そうしますと、評価小委員会に2倍程度の絞り込みまで全部お任せし て、そして専門委員会の委員長はオブザーバーとしてそこに加わると。 ○杉田委員 御参考かと思いますけれども、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構 の仕組みがありますね、それはオブザーバーで出ることになっているのです。それとア ナロジーで考えればオブザーバーで。あくまで議論はこの委員会の方がなさるというこ とでいいのではないでしょうか。そういうように私は思います。 ○矢崎部会長 何か事務局の方で、委員会と評価小委員会との連絡を円滑に行う仕組み をつくっておかないと、なかなか統一的な政策的な研究が進むかどうかというのは少し 心配ですね。 ○事務局 評価小委員会と専門委員会との関係でございますけれども、基本的には杉田 委員の言われたような形を私どもも想定しております。評価小委員会は課題が非常に多 うございますので、私どもが当初考えていたよりも少し多目にしなければ処理出来ない のかなという気がいたしておりますが、いずれにしましても、評価小委員の選定につき ましては、専門委員長にお任せいただけないだろうかということです。 それから評価委員のメンバーにつきましては、対外的に公表しない扱いにしていただ けないだろうかと考えております。これは、色々な申請者から評価小委員に直接的な圧 力等が掛かってくること等も考えられますので、公表しない扱いにしたらどうだろうか ということです。 いずれにしましても、評価小委員会につきましては、それぞれの柱ごとに幾つかの小 柱があるのだろうと思います。したがいまして、その小柱ごとに何人かずつお集まりを いただいて、それを幾つかのところまで絞り込む作業が必要になってくるのだろうと、 そういうふうに思っております。 ○宮本委員 それは一か所に集まってそこで討議して決めるということですか。それと もあらかじめ申請書類は各人に配っておいて、それである程度評価を付けてもらって、 そして一緒に集まってそこで更に検討するという意味なのでしょうか。 ○事務局 それぞれ研究事業ごとに課題の多さとか、分野ごとの分かれ方とか事情があ ると思いますので、事業ごとに御判断いただければよいかと考えております。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。この応募題数を見ても、大変ばらつき がありますし、実際の運営の方法というのは極めて多様な対応をとらないと8月上旬ぐ らいまでにはある程度方向性を出していかなければいけないということですので、あら かじめ委員長の先生にお任せしたいという事務局の意向もあります。 そうしますと、二通りのプロセスについて、面接を行う場合と、書面だけというのは いかがなものでしょうか。これについては御意見ございますか。 ○眞柄委員 主任研究者の名前や所属機関ですとか、研究課題の名前が入っておりまし て、ただ、その評価の内容の中で研究者、施設の資質という項目がありますので、非常 に難しいのかとは思いますけれども、先程の御説明のように、評価小委員が現役の方々 ということになりますと、研究者なり所属課の名前があると若干バイアスが掛かる可能 性があるのではないでしょう。ただ、行政担当課の方で評価される場合には行政的な御 配慮もありましょうから、研究機関等の名前はいいのですが、研究者の現役の方が、言 うならばお互いの仲間の評価をするということですので、その辺の扱いを一度御議論し ていただいた方がよろしいのではないだろうかと思います。最終的に専門委員会で御議 論なされるとき、あるいは面接の段階では主任研究者の名前は出てきてもよろしいかと 思いますが、評価小委員会のところでどうするかというのは御議論いただきたいと思い ます。 ○矢崎部会長 それは事務局でそれを消して、また作成し直すということになりますか ○眞柄委員 ただ、文部省の科学技術研究費と違いまして、どちらかと言えば課題提案 ということですから、課題提案という観点から評価をしていただくということでは一向 に構わないのですが、ただ、内容的に言うと、現役の方が、特に大学の先生方の場合で すと、科学技術研究費の審査員をおやりになったのと同じようなおつもりでされると、 場合によれば時々色々と議論が沸くことがありますので、ですから、この公募の趣旨を あるいは評価小委員会の方にきちっとお伝えいただければ、それはそれでも結構かと思 います。 ○矢崎部会長 いかがでしょうか。 ○杉田委員 確かに眞柄委員御指摘のことはありますけれども、ダブル・チェックをし ますし、御自分のところから出ているもの以外は、皆さん公平になさるというふうに理 解していいのではないかと思いますけれども。 ○寺田委員 私も公平に行われていたと思いますけれども、結局科学的に判断するとい うのはパブリケーション・リストになる訳です。パブリケーション・リスト見たら分か るということになりますので、パブリケーション・リストなしに科学的に判断するとい うのは大変難しいと思います。だからやむを得なく氏名を付けたままでいいのではない かというふうに思います。 ○矢崎部会長 他の先生方の御意見を伺いたいと思いますが。 ○柳澤委員 私もやはり氏名が出てくるのはやむを得ないだろうと思います。それでも きちんと公平に審査するということを貫かない限りは、こういう膨大な研究費をこれか ら先ずっと審査して有効な研究を促進するということは出来ないと思いますので、その 辺は小委員もかなり覚悟してもらってきちんと評価していただくということでよろしい と思います。 ○矢崎部会長 事務的にもそこを消して何千通というものをつくるのはちょっと難しい ○杉田委員 パブリケーション・リストってすごく大事なもので、それは消せないです よ。そうしたら評価出来なくなると思います。 ○矢崎部会長 それでは眞柄委員よろしいですか。 ○眞柄委員 私は確認していただければそれで結構でございますので。 ○矢崎部会長 そうしますと、先程の大型の研究費であれば、ある程度のヒアリングと いうのは必要かなと思いますけれども、先生方に御負担が非常に掛かってしまうという 可能性があるのです。恐らく、専門委員の先生はヒアリングで御自分の意見を述べられ るということで、書面のところは専門委員の先生方は恐らくタッチ出来ない可能性ござ いますね。いかがなものでしょうか、先程の評価のプロセスの1と2で、1の方は書面 で、2は面接評価を総合して行うと。それで面接の場合には、評価小委員会で採択予定 題数の約2倍まで絞っていただくという作業があって、書面だけで恐らく点数で委員会 が絞るということになるかと思いますが。 面接を行うというのは、厚生科学課としていかがなものでしょうか。 ○事務局 研究の課題数にもよりますけれども、ある程度絞り込んで面接を行う場合 と、この課題について面接を行いたいという、色々な実態・バリエーションがあるかと 思います。それで、最初の資料が場合により面接評価を行う場合、次は必ず行う場合と いうことで各々作成しておりますが、その事業ごとで御判断いただければよいのではな いかというたたき台としてお示ししております。 ○矢崎部会長 今の御説明ですけれども。 ○杉田委員 脳科学研究の場合には面接したいと思います。 ○矢崎部会長 他のところはいかがでしょうか。例えば、ヒトゲノムの場合には。 ○寺田委員 高久委員がいらっしゃらないのですが私の意見を申します。専門委員の段 階で評価委員会で選択され最終的に2倍ぐらいで上がってくる訳ですね。そこの段階で は専門委員会では、やはり大きなお金が動く場合ですから、どういう顔をした人にこの お金が行くのかとか、国民へのそれこそアカウンタビリティーで知っておく必要がある のではないかと考えます。大体知っている人だろうと思うのですけれども分かりません から。非常にいい考えを持っておられる方で無名の方がどういう方かというのもちょっ と分からないし。ということでヒトゲノムに関しては面接するのが良いと思います。 先程から少し曖昧になっているところは、研究者が点を付けるのと、一番最初の評価 委員のところに厚生省からも入ってこられますが、そこの人数の比がどうなのか。その 採点は足し算をしなくて別々に対象にして選択すること。その場合どちらの点数に重点 を置き選択するのかというようなことが問題であると考えます。 それから細かいことですけれども、本当にグループの中の相対評価で、やはり5点は 何%、1点は何%にしてくださいというふうに統一してやるのか、そうではなくて、そ れは本当に各専門委員に任せるのか。そういうことをここで決めておかれないと混乱を 起こすのではないかと思います。 それからよくやりますのが、1あるいは5を付けた人は、何かの場合に口頭でその説 明をしてくださいと、場合によったら口頭で説明を聞く場合もありますよというような ことを統一して行うのか決めておくことが必要ではないですか。だからそういうことも ある程度オプションとして各専門委員会に言っておいた方がいいのではないかという考 え方もあります。その辺のところで統一するかしないか随分と重要であると思います。  もう一つは、例えば今回の評価法は今年だけの話なのか、今後はどういうクライテリ アでこれを選んでくれるように評価委員の先生方に指示するのか。各専門委員に任せて しまえばいいのならいいと思いますし、それなら専門委員会でやっていただければいい と思いますが、ここの委員会として、今年だけの話なのか決めておく必要があると思い ます。また、選考過程でこのグループとこのグループと組み合わせたらいいというルー ル違反をやってもいいのか。そういうこともここでやっておかないと、今日の議題でな いのかもわかりませんけれども、ちょっと細かいことをやっていないと随分混乱があり ますし、これだけ応募があったということは、逆にそれを恨みに思う人がいっぱい出て くることですから大変だと思います。 ○大石委員 今、寺田委員おっしゃったことが一番大事で、私も言おうと思っていたの は、行政官の方と科学者の方との点を足し算していいかどうか。これは本質的に別の切 り口で物を判断している訳です。ですから私は、研究者は研究者としての点を付けて、 それに対して行政官が非常にまずい場合にはクレームするというような形、あるいは行 政官は行政官の方で別の形で点を付けて、何らかの形でどちらかを優先する、オーバー ライドするというようなシステムをとるべきと思います。実際的には、例えば、科学者 が非常によくていい点を付け、一方、行政官の評点は非常に悪くて、本来これをだめに しなければならないのだけれども、足し算にすると通ってしまう場合とか、その逆の場 合とかありえますので、物の本質は違うところにあるということをはっきりさせなけれ ばならないのではないかと思うのです。 ○土屋委員 3年前にこういう大型研究を通産省で最初始めたときに審査委員長をさせ られたのですが、3,000件出まして、100件取ろうといたしました。やはり中を10ぐらい に分けたのですけれども、そのとき同じように科学者の点数と行政の点数をやりまし て、2次元表示いたしまして、縦軸は行政的に見て、それから横に研究的にと、そうい うふうに2次元にプロットしまして、最後の専門委員会でやはり倍ぐらい取りまして、 議論して取っていたのです。 それから点数を足し算して委員会に出てきますと、その点数の順序を議論で変えると いうのは非常にやりにくいのです。下のを上に上げたり、高い点のものを落としたり。 それで、そのときは1点刻みではまずいので5点ぐらいでそろえまして、委員の先生は 点数が分からないようにして、委員長だけが分かっている。ABCDと5点刻みで入れ まして、行政の方もそろえたと思いますが、それで議論として取り出すということをや ったのです。 ○矢崎部会長 大変貴重な御意見ありがとうございます。最初に申し上げたように2つ の視点からの評価ですので、それをどういうふうにうまく整合性を出せるか、あるいは 2つをうまく評価に反映させるかというのは至難の技だと思うのですけれども、先程の 御説明では、一応研究者の方が点数的には25点で、行政的な切り口からは15点ですの で、研究者の視点が単純に言えば優先されるということにはなるかと思います。 3,000件もあって、二次元にプロットしてうまくいきますでしょうか。ちょっとそれも 難しそうな感じがしますが。 ○土屋委員 中がまた10ぐらいの分野にずっと分かれておりまして、まず全体の数の比 例配分で、大体このグループは何件ぐらいという、それと申請予算を足しまして、総予 算に対してどうだというので、おおよそ予算と件数を割り当てるのですか、そこからス タートしたのです。 ○矢崎部会長 先程の点数の実際の付け方は応募件数がものすごくあるので、例えば先 程申し上げたように、その委員会の中の議論で、大筋はさっき申し上げました5が10% 4が幾ら、3が幾らというふうに、大体そういうルールに進んでいただくことを十分配 慮いただいて、各委員会で柔軟に対応するというお話をいただいたかと思います。確か に1点と5点を付けた場合には必ずこの評価のコメント欄がありますので、コメント欄 に書いていただくということを、評価委員に出されるときにそれをしっかり書くという ふうにしてはいかがでしょうか。 行政の切り口からと研究者の評価が、科学技術庁のケースは色々議論を呼んだという ことを聞き及びましたけれども、それについていかがでしょうか。 ○寺田委員 やはり点数は行政とは別にしまして、評価委員会のところではある程度の 点数のところで切って上がってくる数を選択数の2倍にするか3倍にします。それで専 門委員のところへ行政の方の点数がやはり上がってきて、それを考慮に入れて専門委員 会が判断するというのがいかがかなと思います。そのためには、文部省の科学研究費み たいにならないように、ただ論文だけという訳ではなくて、そこの専門委員の方がオブ ザーバーで評価委員会の中に入って討議しまして、また評価委員会の結果にはある程度 オーバー・ルールすることが出来るとか、そういうこともやるということを評価小委員 会の方々に知ってもらっていることが大切です。 前もって知らせてなければ、例えば私がせっかく一番いい点付けているのにどうして 落ちたんだと文句言うと思う。だからきちんと初めからそれを納得してもらってやると いうのを割合共通的にやっておかないと本当に混乱がものすごく起きます。行政と足す というのは少し、5対3でよく分かるのですけれども、根拠がないと思うのです。5対 5でもいいし、逆に言うと10対5でもいいですし、だから根拠と言われたら少し困りま す。非常に行政的な面が厚生省の場合大切であることは間違いありません。 ○矢崎部会長 おっしゃるとおりで、一応評価表は行政側と全然書式が違いますから、 寺田委員のおっしゃるように、どこでその2つをどう処理するかということを、これは 評価小委員会ではなくて専門委員会で行うべきでしょうか。ただ、2倍程度に絞るとき に、そこは評価小委員会で絞らないといけないのですね。その時にはどう取り扱うこと になりましょうか。 ○杉田委員 これは小委員会で絞っていただかないと無理だと思います。だから私も大 石委員と全く同じ意見です。ですから、そこには官職指定の先生方もおられる訳ですか ら、評価小委員会で議論していただいて、上へ上げていかないといけないと思うので す。 ○矢崎部会長 その場合に、行政面からの評価というのは、2倍に絞った後で。 ○杉田委員 いえ、絞る時にそれを考慮して2倍に絞るという形をしていかないと無理 だと思います。だから切り口は別個にすると。 ○矢崎部会長 そうすると評価小委員会の方々は現役の比較的若い方ですね。そこで行 政的な視野からの点数をどういうふうに考慮して2倍に絞るかという点ではいかがでし ょうか。 ○杉田委員 評価小委員会には行政の方が入られる訳ですね。そうではないのですか。 ○矢崎部会長 これは専門委員会。どうなのでしょうかね。 ○杉田委員 小委員会には行政の方はお入りにならないのですか。 ○下田厚生科学課長 評価小委員会の方にも行政側から同数、上の専門委員会と同じよ うな割合で入らさせていただきたいというふうに考えておりますので、その段階から既 に行政的な要素を加味していただいて、上に上げていただくというふうに考えておりま す。 それから、行政的な点数の付け方をこのように別にして上げるというのは余り例がな いのかもしれませんが、厚生省の研究というのはあくまでも政策的研究というようなこ とでございまして、この辺が文部省の科学研究費と若干違うところでございます。 従いまして、このような格好にした訳でありますが、先程から御議論がございますよ うに、5対3がいいのか、どうなのかという議論は当然のことございます。ただ、分け て考えるといった場合に、そうした場合には考えによっては1対1になるのかというよ うなことになる訳でございまして、行政の考えと研究者のお考えと1対1ということで はないのであろうということで5対3というような重みづけをした訳でありますが、点 数の付け方と集計等を別にするとか、あるいは一緒に合わせて考えるとか、その辺は御 議論いただければいいのではないかと考えています。 ○矢崎部会長 そうしますと、評価小委員会まで官職指定で厚生省の方が出席されると なると、厚生科学課、あるいは担当課にすごい負担が掛かるのではないかと思いますけ れども、いかがなのでしょうか。 ○下田厚生科学課長 専門委員のところに出ております各課長がそこまで行くわけには まいりませんので、当然のことながらその辺は課長補佐なり何なりがメンバーとなって 点数を付けさせていただくという格好になろうかと思います。 ○真崎委員 そうなった場合、今のような議論がそれぞれの事業の評価小委員会でよく 議論されていないとばらばらの基準で出てくる訳です。その辺はどういうふうに考えた らいいのですか。今のここの議論をこういうふうにしてくださいということを各評価委 員会に言う訳ですか。 ○事務局 評価小委員につきましては、先程専門委員長に御一任いただきましたので、 評価委員をお願いする際に趣旨を徹底していただきたいというふうに考えております。 ○矢崎部会長 よろしいでしょうか。恐らく大変な数ですし、初めてですので大分混乱 を呼ぶかと思いますけれども、各専門委員会の委員長の先生にオブザーバーと言いなが ら私は評価小委員会の委員長を兼任するぐらいのことをしないと、なかなかこの2つの 委員会が機能しないと思います。今、行政的な切り口からも評価小委員会で判定すると なると、相当高度な判断力が要求されることになるかと思いますので、そういう意味で もある程度シニアな先生が入っておられないとなかなか難しいと思います。あるいは、 議論が行政側と研究者側が訣別してしまったりするとちょっとまずいと思います。これ はあくまで厚生科学で政策研究だということをまず皆さんに認識していただいて議論を 進めないと、本当に他の研究費と同じような審査をしてしまう可能性がありますので、 その辺は十分了承を得ていただかないといけないということで、評価小委員会におきま しても、先程眞柄委員から御指摘ありましたように、この趣旨を十分各委員長の先生か ら徹底させていただければ大変ありがたいと思います。それだけでも混乱が少なくなる のではないかと思います。 そうしますと、プロセスとしては点数は大体10% 20% 30%という方式にして、2倍 程度に絞って面接を行うというのが、この研究企画部会のプリンシプルであるけれど も、それは委員会によって必ずしもそういう方向でなくても十分うまく処理出来るとい う予想の下で委員長が判断されればそれもお認めする、ということでよろしいでしょう か。 ○柳澤委員 恐らく中身を見てみないと分かりませんけれども、応募要領の中に、例え ば金額のリミットであるとか、或るいは研究者の構成員の、例えばチームを作るのか、 それとも比較的少数でやるとか、そういうことが余りはっきりと規定されていなかった と思いますが、非常にばらばらなものがたくさん出てくるだろうと思うのです。 そうしますと、ただ単に学問的な内容であるとか、研究の将来性とかいうこと以外 に、そういったレベルの違う問題を、例えば評価小委員会の各個人に判定を任されます と非常に困られる場面が出てくる可能性があると思うのです。大変だと思いますけれど も、その辺は是非専門委員会の方でざっと見ていただいて、あるいは事務局の方で見て いただいて、どういう問題点があるかということを指摘していただいてからでも結構で すけれども、ある程度の審査をする上でのガイドラインみたいなものを作っておいてあ げた方がよろしいと思います。そういった点をこれから先に専門委員会の方、是非評価 小委員会の方に色々と課題を提示される時にお願いしたいというふうに思います。 ○矢崎部会長 確か大型と奨励と2つに分かれていますね。 ○杉田委員 5千万円〜1億円と書いてあるのです。大部分の人はぎりぎり書いていま す。それはやはり5千万円以下ぐらいだと内容的にプアではないかと思われる可能性が あるというので、もう満タンに作っていると思うのです。だからそれはむしろ専門委員 会でインタビューの時にもし議論出来るならそこで議論する、本当にこれだけ要るのか どうかと。それは上でチェックするしかないのではないでしょうか。多分満タンに作っ て書いていると思います。 ○寺尾委員 そうすると研究費の配分というのは専門委員会で決めるのですか。だれが 決めるのですか。 ○杉田委員 これは何人とるかなどというのは、どこでどういうふうにやるのでしょう ○矢崎部会長 ですから、恐らく現実問題としては2倍程度に絞った後、専門委員会で 採択件数をそこで決めていただくよりしようがないのではないですか。 ○杉田委員 2倍といいますと大体どのくらいとるということはそこで決まってしまっ ている訳ですよね。だからこれは少し決めるのが難しいのです。 例えば、全体の額が分かっていますから、1億とすれば何人とれる、5千万なら何人 とれるということはそこで算術では出ますよね。その間になると思うのです。だから2 倍といってもそこのところで大体どのくらいとるという目安がないと非常に難しくなり ますね。 ○矢崎部会長 具体的には予算額で大体各分野での採択件数がおおよそ決まりますね。 例えば5千万円の場合と1億円の場合で、5千万円の場合だったら何題、1億円だった ら何題という、だから何題から何題までというミニマムとマキシマムを少し専門委員会 でそれぞれ出していただいて、その中で妥当な数に収めていただくと。 ○杉田委員 大体10億ぐらいと仮定しますと、1億とすれば10人ですね、5千万とすれ ば20人、それぐらいの範囲に入るのではないでしょうか。いかがでしょうか。 ○寺田委員 充足率をどういうふうに考えるかということもあります。例えば、この研 究は1億もらったら初めて成り立つ研究であって、5千万円になったらこれは研究とし ては成り立たないという論理が成り立つ訳です。だけれども、今回の公募の仕方が色々 なところで急がれたものですからチェックが十分でなかったので、それは考慮に入れな いというふうなやり方も勿論やれますけれども、そういうふうにきちんと言っておかな いと大変なことになります。だから今の充足率でやると変なことになりますから、今の ところ現実問題としてなしにして、やはりあそこに書いてある5千万円から1億という ところでしょう。ただ、大きな金ですけれどもね。 ○矢崎部会長 今回は充足率まで、細かいところまで決められないので、金額だけで収 めていただければ。そうすると10億ですと10課題〜20課題ということで。例えば20課題 ですとヒアリングには25課題ぐらいやらないといけないということになるかもしれませ ん。 ○柴田委員 関連して質問ですけれども、この応募件数は他の科学研究費ですとか、文 部省とか、ほかの省庁とか、ほかの研究課題との併願というのは最初から分かっている のでしょうか。それともこれは全部これだけの、純粋に厚生省の応募だけなのでしょう か。恐らく研究者側から見れば多分併願していくと思うのです。そうした場合、併願の ことは最初から印が付いているのか、付いていないのか、そういうことはどういうふう になっているか。むしろ事務局にお聞きしたいのですけれども。 ○矢崎部会長 それは印はないのですけれども、対応についてはよろしくお願いしま す。 ○事務局 今回公募いたしました研究事業ごとのダブりは各課でチェック出来るように なっております。他省庁とのダブりでございますけれども、例示で脳を出させていただ きますけれども、採択について省庁連絡会を設けておりますので、それについての情報 交換はいたしております。 ○柴田委員 そうすると最初のところにはそういう印を書く、ほかに出しているか出し ていないかというような項目はない訳ですね。 ○矢崎部会長 書く欄はあります。ただ、それが採択されるかどうか分かりませんので ○柴田委員 そうすると、一種の順序といいましょうか、ほかのところで採択されてい ればこちらはしなくていい訳ですよね。逆に、こちらが採択した場合にはそちらは要ら なくなる訳ですので、そうするといわゆる順序というのがあるのだろうと思うのですけ れども、そういう点ではどんなふうに、科研費とどちらが先になるとか、そういうのは ○矢崎部会長 それは決定のタイミングによると思いますので、それで先程ありました ように、補欠の件数の案をつくっていただいて、他の大型のプロジェクトが通った場合 には補欠の方に繰り上がっていただくということもあると思います。 ○柴田委員 厚生省がトップを切ればというようなお話がありましたよね。 ○事務局 補足で御説明させていただきますが、今回のこの研究は科学技術基本計画に 基づく省庁連携が我々大前提でございますので、そのため省庁連絡会議というものを設 けて絶えず互いに連携をとりつつ、逆にこういうものはお互い通産省とか、農林水産省 だとか、そういうところでも同じようなテーマでそれぞれの分野の研究者がお互いに交 流出来るようなことも含めて、それから資料のやりとりも出来るというようなことも含 めて、今後連携をとっていくということで定期的に会議をさせていただいていますの で、採択された研究の後も、例えば、他省庁で似たような研究のテーマで違う分野の方 がいたときにもお互いに連携をとるとか、それから同じ人が他に重ならないとか、逆に 一緒にやるとかという話が出来るようなことも含めて省庁連携ということは今後重要な 課題になっておりますので、御指摘のことが懸念されるようなことはないように、努力 していきたいというふうに思っております。 ○柴田委員 懸念ではなくて、そういう情報が選考のための評価委員会や専門委員会に 反映されるのかどうかということをむしろお聞きしたいのですけれども、これは。 ○事務局 されます。 ○柴田委員 そうすると、ある種の時期が大体そろっているというふうに見てよろしい のですか。 ○事務局 研究採択のスケジュールに関しまして、色々と調整はさせていただいている のですが、これは各省庁の予算執行の時期がありまして、我々はなるべく、例えば公募 の時期を1月とかそれに出来ないかとかいうことの御提案をさせていただいたのです が、何分過去の経緯もあるものですから、なかなか公募の時期を省庁ごとに一緒に出来 るかどうかというのは検討課題になっていまして、ただ、問題意識としては、なるべく そういうふうな事務的な手続も同じように出来るようにということも含めてやっており ますし、時期についても大体各省庁で連携とっていますので、どのところが早く採択さ れるかとかいうことに関する情報は我々の方で一応つかんでおります。そういう意味 で、早いもの勝ちになります。 ○柴田委員 厚生省は早い方なのですか。 ○矢崎部会長 もう文部省の特別推進が昨日の委員会で決まったのです。だから科学研 究費はそれが最後です。ですから、厚生省の科学研究費は文部省の後ですね。ですから 文部省の情報は事務局で十分とらえられております。 ○柴田委員 文部省の科学研究費とダブっていればこちらはかなり件数が減るかもしれ ないですね。文部省の科学研究費に入ったから要らないというふうに、そうはならない のですか。 ○矢崎部会長 文部省の科学研究費は額がせいぜい100万単位と基盤研究のAで1千万 円〜2千万円ぐらいで額が非常に少ないのです。 ○柴田委員 そうすると文部省の科学研究費が出た上にオーバーラップしてこれが更に ということもあり得ることですか。 ○矢崎部会長 高額の科学研究費のときは何か−実は私は今日は特別推進を通ったとい うことを聞いて、厚生省関係の研究費はもう取れないとあきらめているのです。 ○真崎委員 基本的なことを質問させていただきたいのですけれども、研究者は色々な ところから案配して、各省庁でお金を取っても、基本的な態度は変わらないと思うので す。ところが、各省庁によってそれぞれの政策の目的がというかあれが違うでしょう。 例えば厚生省なり科学技術庁なりが研究者が変わることを望んでいるのですか。それと も、変わらなくてもいいから、その研究の一部を使わせていただくというふうな、そう いう考え方なのですか。 ○伊藤審議官 さっきの手順の中で行政官の評価を入れることと若干関連するのだと思 うのですが、なかなか研究者一般的なビヘイビアとして、そのことが我が国の医療な り、例えば障害者福祉にどういう意味なり役に立つかという観点が一般的に言えば非常 に希薄だと思うのです。 従いまして、私どもが今回今年度から厚生省の行政分野の6つの重点的な課題につい ては、まず第1に、大型の研究費をお渡しする代わりに、その研究内容が厚生省の施策 にいずれは生かされるというはっきりとした目的を持ってやっていただきたい。そうい うことを研究費全体の仕組みの中に組み込んでいくことによって、厚生省の附属研究機 関なり、その他の国立研究機関、大学も含めて、そういう目で課題を見つめて頂けると 考えております。  科学技術のすべての分野がそうなる必要ないと思います。勿論大学は社会の役に立た なくてもやらなければいけないことだって実はあると思うのです。ですから、それは文 部省なり色々なところで役割分担をすればいいのであって、少なくとも厚生省の6つの 重点研究分野については、その大型研究がどういう意味を持つのかという観点から評価 を加えることによって、研究者の対応も、今年すぐという訳にいかないと思いますが、 そういう方向で変わっていただくということを期待しているということでございます。 従いまして、さっきの話の蒸し返しになりますが、決して科学的な評価と行政的な評 価を足して2で割って平均点を出して機械的にとるということではなくて、そのプロセ スの中で、その研究テーマの採択が行政的に見てどういう意味があるかということを十 分それぞれの部会ごとといいますか、委員会ごとに御議論いただくというようなことが まず重要ではないかというふうに考えております。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。1つは、やはり真崎委員が言われるよ うに研究費をいただいた後は、今、審議官がお話しになったような趣旨で、本当に有効 に研究費が生かされているかどうかということを評価するというのが一番重要な課題で はないかと思うのです。 ですから、厚生科学研究費からお金をもらったときに、自分の研究方針、プロジェク トをどういうふうに運営していくかということが問われると思うのです。それが実際に そういう切り口で運営されているかどうかというのは、もし審議官の言われた趣旨を徹 底するには、専門委員会で議論するばかりでなくて、実際の方々に研究の進行、これは 非常に高額ですので、ステップごとに評価していただいて、余りにも厚生科学の政策研 究と離れていってしまうのではないかという場合には、本当は中止していただくとか、 研究費を中断するとか、ほかの課題に変わってもらうということもあり得るのではない かと思うのです。 ですから、今年は採択だけで時間を費やしてしまいましたけれども、平成10年度の残 された時間と予算要求に向けてどういうふうにこの厚生科学を持っていくかということ と同時に、今、本当に厚生科学の研究費が実際にそういう政策研究に費やされている か、ベクトルがそういうふうに向いているかどうかを各ステップごとにオーディットし てフォローアップするという仕組みも必要ではないかというふうに思います。 ○柳澤委員 今までのお話を伺っていまして、例えば、脳科学研究をとってみますと、 採択方針としての項目が9項目ありまして、そして5千万円ないし1億円ということで 課題が10か20ぐらいを500の中から選ぶということになりますとやはり今までの厚生省 の研究費の配分の仕方の中で非常に大事なことは、主として病気を対象にしているとい うことがあるので、ある1人の優れた学者が自分のところだけで研究をしていて、それ で非常に大きな成果が上がってくるということよりは、むしろ1つの課題なら1つの課 題について比較的多くの人たちが協力して研究を進めていくような、例えば特定疾患対 策事業でかつてやられていたような、ああいう形が厚生省でなければ出来ない非常に大 事な研究だろうと思うのです。 先端的研究は重点研究ということで、非常に優れた少数の研究者に多額のお金を与え て研究を進めてもらうというポリシーはよく分かるのですけれども、例えば500の課題の 中でかなり似通った課題で、しかも優秀な人達がそれぞれチーフになって進めようとす るプロジェクトがあったら、その幾つかを一緒にして、例えば1億円なら1億円与えて チームを作るということを考えるのも必要ではないかと思うのです。ですからその辺は やはり専門委員会の方で評価小委員会の方に採択の作業をしてもらうときに、個々の課 題のどれをとるかということだけではなくて、融合というか統合するような作業もして もらうようにした方がよろしいのではないでしょうか。 ○矢崎部会長 全くおっしゃるとおりですね。最初から班研究的にやると本当の意味が また薄れていってしまうので、今のお話は非常に貴重なサジェスチョンだと思うのです けれども。 ○杉田委員 御存じのように、精神・神経関連では委託費というのが約7億円。それか ら特定疾患というものがあります。これは御存じのようにグループで、班長以下班員を 決めてやるということで、これは少し色彩が違うとは言いますけれども、ある卓越した ところに多額使ってうんとレベルアップしようという訳ですが、例えば私たちが脳で扱 うとすれば、特に精神疾患とか、精神保健というのもなかなか特定のところでそうレベ ルアップはすぐに出来ない訳です。これはテーマによって委員が言われたような形が当 然必要になってくるので、それはテーマによって御判断いただくことでよろしいのでは ないでしょうか。必ず問題は出てくると思います。 ○寺尾委員 ただいまの柳澤委員のお話は非常にもっともだと思うのですけれども、こ の書面評価の研究者のところに5つありますね。本当にこの項目の評価でいいのかと。 例えば今の研究組織につきまして、これはどこで評価出来るのかなと思いますと、よく 分からないことがございますね。ですから果たしてこの評価でいいのか、あるいはこれ を修正した方がいいのかという問題があるのだと思うのですけれども。例えばここに言 う組織とは何でしょうか。 ○矢崎部会長 施設を評価するのだと思うのですけれども。 ○寺尾委員 でも研究班というのは1つの施設ではありません。 ○矢崎部会長 研究班を前提はしていません。個人研究で……。 ○寺尾委員 例えばある人が代表で、それに協力する人というのはないのですか。 ○矢崎部会長 そういう組織で申請していますけれども、今回はいわゆる班研究で5つ 6つの施設で共同で応募するという形ではないと思うのです。1人で研究するというこ とは今あり得ませんから、数人で共同研究します。今、柳澤委員のおっしゃったのは、 結果として出てきて、非常にすばらしい提案で似通っているから2つを一緒にやって研 究しないかというお話があると思うのです。 ですから、例えば臨床的な領域ではそれは結構非常に重要な領域だと思いますので、 もし採択件数に限りがあって、出来るだけ研究が進むような兆しがあれば、そういうこ とで、額をうんと低くして採択件数をべらぼうに多くするよりはそういう格好にした方 がいいかもしれません。 ○寺尾委員 よく見かけるのですけれども、非常に立派な先生が組織をつくりまして、 その中に余り関係ない人も時々何人かごろごろっと入っているというのが結構あります ね。ああいう場合はどうするのかということがあると思うのです。 ○矢崎部会長 それはさっきの施設の評価によって……。 ○寺尾委員 施設で切るのですか。 ○矢崎部会長 施設というか、これは施設という場合には班というか研究者と組織も含 めてだと思いますけれども、むしろそういうふうに評価をしていただけると大変よろし いのではないでしょうか。単に寺尾委員のおっしゃられた、恐らく人を集めてチームを つくって応募というのは、今回は余りないのではないか。いわゆる班研究と違いますの で。 ○寺尾委員 分かりました。 ○寺田委員 項目のことになりますと、研究者のところにも行政的な要素を、点数を付 けるところに入れないと、思考過程がこれだけだったら科研費と同じ点数の付け方にな ってしまうのではないでしょうか。では、私どもの与えられた判断規定は学問として、 学問としてというのは、非常にそれも基礎科学的にですが、この点数だったら、いいか どうか点を付けたらいいのだと、あとはやってくれるのだというふうな点数の付け方し かしない。それが一つの問題です。 もう一つは、今、柳澤委員もおっしゃった問題、私もそれに賛成なのですけれども、 だけれども1つ問題点があるのです。前もってきちっとしておかないといけないのは、 人が申請したものを勝手にグルーピングして、これがいいということをこの専門委員会 なり何なりがそういうことをしていいのかどうか。このようなことについてアグリーメ ントをやっておかないといけないと考えます。一般的には色々な省で、ばらばらに出て きたものを組み合わせてジョイントで上げましょうというのはルール違反になるという ところが割合ありますし、そこのところは専門委員会で一つのグループにしてもいいの だと、そういうふうにやりましょうというならそれで結構ですけれども、アグリーメン トをやっておかないと変てこなことになってしまいます。 ○大石委員 本来ならば、その点はインストラクションを出す段階できちっとそういう ようなことの趣旨をはっきりさせて、出来ればそういうものをやってくれというような 形でサジェストすべきです。 ○寺田委員 大石委員がいらっしゃらないときに私がさんざん言ったのですけれども、 何か色々事情があって、時間的にものすごく急がれたもので、予算の関係とかでこのよ うになってしまったのですけれども、本来はそうあるべきだったと思うのです。おっし ゃるとおりだと思います。 ○矢崎部会長 最初から班研究となるとまた少し違ってきてしまいますので、ですか ら、これはこれで非常に評価すべき方法だと思うのです。柳澤委員のおっしゃったの は、やむを得ずそうやって、最初からそういうつもりでは……。 ○柳澤委員 最初から意図的にということではなくて、実は私は500なんてとても出てこ ないと思っていたのですが、少なくて困るのではないかと思ったのです。 ○杉田委員 かなり共同研究者でオーバーラップは絶対あります。ただ、アグリーメン トのことをどうするかということなのです。 ○寺田委員 要するにこういうところでディスカッションしたことをきちっとした形で そういうふうに決めましたというふうに言わないと、ちょっとアカウンタビリティーが なくて、どういうルールで、どういう方向で評価をやっているかということは必ず外に 出なくてはいけないと思うのです。そういうことの基本的なアグリーメントをここでき ちっとしておいて、議事録か何かで残しておいていただければやりやすいけれども、勝 手にやったと思われるのは困ります。 ○大石委員 原則としては、やはり出したものをこちらでマニュピュレーションはすべ きではないというのが原則だと思います。 ○杉田委員 今年は少なくともこれでいきましょうとして、それで来年度からそういう ものを見た上で、インストラクションを変えるとかということを考えてはいかがでしょ うか。 ○矢崎部会長 具体的なプロセスとしては、やはり採択ですと、例えば2題をフュージ ョンした場合にだれを研究代表者にするかということで、またそこで複雑な問題が起き 得るということで、なかなか実質的には難しいのですが、うまくいくケースはあると思 うのです。ですから、同じルートの研究者で一緒にやっていってもいいというアグリー メントが得られればそういうことも可能だということではいかがでしょうか。 ○柳澤委員 さっき杉田委員がおっしゃったのですけれども、私は課題によると思うの です。例えば、具体的なことを言って恐縮なのですけれども、PET等を使ったスタデ ィで、1つの目的でやろうと思ったときに、例えば、1つの施設だと5千万円ぐらいも らってもそこで有効に1年間出来るかどうかというのは分からないですね。ですから、 同じような研究目的を持って、それなりのクォーリファイされたスペシャリストがやる のであるならば、ある程度共同してやるということも重点研究ということに余り違反し ないのではないかなというふうな気がします。それはしかし、先生方の今の御議論で、 私もきちんと応募した条件を勝手にこちらで変えるというのは確かにルール違反だとい うのはよく分かります。 ○寺田委員 原則はそうだけれども大石委員と少し違うと思うのです。重点研究は柳澤 委員がおっしゃったように、どうしてもこれは合わせた方がいいという場合には、専門 委員会或るいは専門委員会のお願いしている評価委員会のレベルでも合わせることが出 来ますよということを、ここでアグリーメントとれば出来ると思うのです。 私はどうしても、柳澤委員がおっしゃっているようにそうした方がいいものと、例え ば大型の機械を使って研究をやるとかという場合の研究は、やはり合わせた方がみんな 有効であろうというのはありますね。それはここの会でやるのだというふうに決めてい ただければそれでいいのではないかと思うのです。各専門委員会でそれは決めることで あるというふうにここで決めていただければ、各専門委員会でそういうやり方もよしと するか否とするか決められるから。それをここでやらないと、各専門委員会で勝手に決 められると、何だあれ闇の中で勝手なことをやっているとかと批判があります。そんな 感じがしました。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。そうしましたら、テーマによって今、 柳澤委員のおっしゃられたような大型機器で共同で研究を進めると非常に効率よく研究 が進展するというようなものを中心として、結果としてそういうことが起こり得るとい うことで、それを前提として採択を進めるということではなくて、そういうことも見た 結果あり得るということで、それを各委員の先生方に御承認いただければよろしいかと 思います。 ではそういう方向で、ありがとうございました。 それでは、時間も限りがありますので、この採択方針の課題につきまして、大変な作 業でありますが、一応今、御議論いただいた結果を踏まえて、最終的に実際に先生方に 評価小委員会の構成を各委員長にお願いして構成していただきまして、厚生科学課と評 価の割り振りなど、具体的な話を詰めさせていただきたいと思います。 ○山崎委員 専門委員会が幾つもありますから、先程どなたかおっしゃいましたけれど も、やはり今日の議論の結果をサマライズしていただきたいのですが。特に、行政評価 と研究評価を各専門委員会が同じレベルで評価しなければだめだと思うのです。すみま せんが、ちょっと整理していただけますか。私よく分かっていないです。 ○矢崎部会長 今の議論を振り返ってどうでしょうか、もし事務局の方でまとめていた だいても結構ですし。 ○山崎委員 特に評価委員会である程度それをやってしまったものが順位を付けてここ で上がってくるのか、それとも評価委員会はそういうことをしないで、行政評価と研究 評価を別々にやったものをただ上げてくるだけなのか、こちらでやらなければいけない のか。そこで大きく分かれると思うのです。 ○矢崎部会長 先程の議論では、評価委員会で両方の切り口から議論していただいて、 採択の候補を決めていただいて、専門委員会でまた同じような議論致します。その場合 には、ヒアリングがメーンのところはヒアリングして、そのときに厚生科学、政策研究 的な切り口の質問も当然そこでされると思うのです。そこで最終的な判断を専門委員会 でするのですけれども、評価小委員会でも研究者側と行政側とのディスカッションとい うのは当然あって、そこで候補をある程度の数絞り込むというお話の筋だったと思うの です。 ○山崎委員 順位を付けるということですね。もう一回専門委員会でそれを見直すと。 ○矢崎部会長 ですから、採択件数の2倍ぐらいの候補が持ち上がってきたときに、最 終的にそこで色々な議論の末、採択を最終的に決定しオーソライズするという手順でや る。先程のフローチャートの中で、評価小委員会の時に既に行政的な切り口からの議論 をしていただいてという御議論だったと思うのです。 ○寺田委員 やはり小委員会のときで足切りをせずに、合意で点数を付けるのか決める 必要があります。点数で足切りするというのはこれだけ多くあると一番楽なのです。そ の時に行政の面がどういうところで考慮に入ってくるのか少し難しいですね。 ○矢崎部会長 実際には難しいですね。 ○大石委員 私の私案なのですけれども、やはりサイエンティフィックに全然意味のな いものが幾ら行政的にあっていても、これは全く意味のないことなので、ですから私は ある程度のレベルに達したものについて行政サイドが一種の拒否権なり、あるいはその 逆でも結構ですけれども、そういう方に率直に意見を言っていただくというようなこと が割合現実的な対応ではないかと私は思うのです。 ○山崎委員 大石委員が言われるような例は極めてまれだと思います。私は逆が多いと 思うのです。サイエンティフィックにナンセンスだけど行政的に意味があるなどという のはほとんどないと思います。というのは、やはり行政サイドの方もみんな色々な知 識、レベルでもって評価なさるので、研究的に意味のないものは、たとえ行政的に意味 があっても点はよく付けないと思うのです。ですからむしろ大石委員が言われているの と逆の場合が多いと思います。そういう時にどう判断するかというのがむしろ難しいの ではないか。(発言者註:研究として面白いが行政的ニードの低い場合) ○大石委員 非常によくて。 ○山崎委員 行政的には意味がないと困る。意味がないと言いきるのは難しいけれど も、非常に遠過ぎる、余りにも基礎研究に偏り過ぎる場合にどうするか。 ○大石委員 その前に言おうと思っていたことは、行政サイドの方がかなりはっきり意 見を言っていただくということが大事ではないかと思うのです。我々の専門家サイドと しても何が実際にあれなのかということについて。だから一番の大事なことは、お互い が全く違う立場で議論しているということを明確にして、そうすればそれほど変なこと にはならないというのが私の個人的な感じでございます。 ○眞柄委員 厚生省の直轄研究所にいる立場から申し上げますと、直近の人間というの は割と行政の動向ですとか行政のニーズというのが分かった上で科学的な判断をする立 場にどうしてもなる訳です。 ところが、文部省の先生方というのは、どちらかといえば基礎研究で、行政の流れと いうよりは、まさに研究という視点、科学技術の視点から評価をされるだろうというふ うに考える訳ですので、評価小委員を選定されるときもその辺のバランスを是非お考え いただいて、同じ科学技術だといっても、国の側に立って、あるいは国立予防衛生研究 所などで臨床のことに携わっていらっしゃる方とそうでない、その辺のところのバラン スも入れていただきますと、先ほど来お話になっているようなことも評価小委員によっ て評点が違うというようなこともなくなるのではないかと思いますので、その辺の御配 慮も是非していただきたいと思います。 ○山崎委員 今の御意見に私コメントあるのですが、そうするとこの評価方法の仕方を 見直さなければいけない。これは完全に分けているのです。だから研究評価は行政のこ とは一切考えるな、学問的にしか考えてはいけないというのがこの基準なのです。私は むしろやるならばそうやって徹底的な違った立場からそれぞれ評価して、あとこの専門 委員会がそのバランスをとるという方がやはりいいのではないか。初めから行政的なこ とを考えてしまいますと、むしろピュア・サイエンスの立場での問題が起こるかもしれ ない。 ○眞柄委員 先程の御議論があったように、この5つの項目の、要するに研究者、ある いは技術者サイドで科学技術的に評価を下すにしても、それぞれの人の所属している背 景によって科学的重要性というのは違う訳ですから、ですから、もしこの評価ですると すれば、やはり評価小委員会の選定のところで行政的にバランスをとっていただきたい し、そうではなくてということであれば、今、山崎委員がおっしゃったように、この辺 のところをもう少し、直近の何とかとして、あるいは厚生科学としてどうだったという ようなところもやはり入れていかなければならないとは思うのですけれども。 ○矢崎部会長 評価小委員の方がそこまで十分に、若い方々がそこまで十分把握して評 価出来るかどうかというのは少し心配はあります。 しかし、私個人ではこういう研究の評価は随分皆さん慣れていますので、余り齟齬は 起こらないのではないかなという感じがします。やはり研究者からの評価と行政からの 評価で、そこでやはり最終的に2つのベクトルから評価して、お互いに立場を尊重して やればそんなに大きな問題は起こらないのではないかと思います。ここできっちりこう と決めるのはなかなかなじまないことで、やはり行政的なベクトルと、ピュアなサイエ ンティフィックなベクトルというのは当然違ってくるものですので、そこを何とかうま くまとめるのがこの各専門委員会の先生方のお力の発揮のしどころだと思いますので、 その点は十分御理解いただいて、うまく本当に政策的研究の成果が上がるような応募課 題を採択していただければ大変ありがたく思うのです。 ○伊藤審議官 大石委員が言われたやり方が一番現実的ではないかなと思うのです。そ れで今年初めてでございますから、研究者の視点で選んでいただいたものを最後にとい いますか、最終決定する段階で行政的に見て何か不都合があるかないかという、少しの チェックシステムみたいな形で運用したらどうかなというのが現実的ではないかと思い ます。 従いまして、そういう視点を少し入れたものを、事務局の方で今日の議論を踏まえ て、まとめていただければと思っておりますが、部会長の方からお諮りいただければと 思います。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。結局は私も結果的にはそうなるのでは ないかと思います。サイエンティフィックにすばらしい成果が望まれて、かつそれが厚 生科学の目的に合致したものでありたいと思うのです。  それでは評価についてもう少し今日の議論を踏まえて、事務局と相談しながらまとめ て、また先生方に御通知申し上げてまた御意見を伺いたいと思います。 時間が司会の不手際で過ぎてしまいましたが、平成10年度の予算に向けての討議はい かがでしょうか。 ○事務局 それでは、参考資料3で簡単に御説明させていただこうと思います。これは 平成7年8月10日に厚生科学会議より発表されました、「厚生科学研究の大いなる飛躍 をめざして」ということでございます。それでは資料として一番まとまっているところ の49ページをお開きいただきたいと思います。別表というものが付いてございます。 「新たな重点研究分野」ということで、このとき御議論いただいたものの柱といたしま して、「政策的研究」「疾病研究」「安全性・有効性評価科学研究」「高度先進医療・ 開発研究」という大きな4つの柱で別表ということで提示されております。簡単でござ いますけれども、こういったことを参考にいただければと思います。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。新たな重点研究分野も予算がどんどん 増えればいいのですけれども、先行きそんなに増える見通しが余りないので、どれだけ 新しい分野を取り込めるかということがありますが、どこに注目していったらいいかと いうことを先生方にお考えいただきたく存じます。また、先程申し上げましたように、 一度採択が決まると3〜5年そのまま研究費が自動的に来るということではなくて、少 し見直しの、それこそさっき言われた一番重要な厚生科学的な研究であるかどうかとい うことも十分に判断していただいて、軌道修整していただくということもあり得ると思 います。そうしますと、恐らく応募される方も慎重になってくるのではないかという気 がします。 本日はこれを見ていただいて、具体的な議論につきましてはまた次回でよろしいでし ょうか。 ○事務局 今、おまとめいただいたように、厚生省の研究というのはここにございます 表に従って順次強化を進めてきた訳でございます。ただ、来年度の予算要求にあたりま して、特にこういった分野に力を入れるべきではないかというような御意見があればこ こで承っておきたいという趣旨でこれをお出ししている訳であります。 私どもからこの表を見てまいりますと、ほとんどのところは手をつけておる訳です が、欠けている部分といたしましては、レギュラトリー・サイエンスの部分、左側の方 の生活習慣病の予防に着目した研究の分野、テクノロジーアセスメントの部分につきま して若干弱いのかなというような感じを持っている訳でございます。これに限ったこと ではございませんけれども、各委員の方々から、こういった分野に力を入れて来年度要 求したらどうかというような御意見をここでいただければということで議題として上げ た訳でございます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。いかがでしょうか。 ○寺尾委員 今日議論してまいりました6本柱というのは、どちらかというと有効性と かそういうものに絡む問題なのですけれども、一方で安全性の問題というのは同じよう に非常に重要な分野だと思うのです。そうしますと、そこのところが非常に大きく欠け てしまうというのは具合が悪いということでありまして、しかも、最近例のダイオキシ ンとか、エンドクリンディスラプターとか、そういうものが非常に社会的に大きな問題 になっておりますし、何か具体的に厚生省としても研究に乗り出さないと、非常に世の 中の受けとめ方というのは厳しくなってくるのではないかなというような気がいたしま すので、是非そういうようなところも御配慮いただければと思うのですけれども。 ○寺田委員 私も寺尾委員の意見に賛成で、これは厚生省しか出来ない、しかも国民の 生活に非常に大事な研究分野なので、もしくは予算の取れるようで来年新しいことが出 来るようであれば是非やっていただければありがたいなというような感じがします。 ○矢崎部会長 そうしますと、先程レギュラトリー・サイエンスの領域で是非というこ とでございますね。 ○杉田委員 私の専門ではなくむしろ部会長なのですけれども、循環器はこれに入って いないのですよね。これは真崎委員が言われるべきことなのかもしれないのだけれど も。 ○真崎委員 今までどういうふうに循環器の仕事を進められていたかということを勉強 してみないと分からないのですけれども、これは確かに非常に重要な分野であるにもか かわらず余り力を入れられていないような感じがいたしますので、この辺をこれからい ろいろお教えいただきたいと思うのですが。 ○矢崎部会長 そうしますと、先程お話があった生活習慣病の予防に着目したというこ とで、いわゆる今までの成人病的なことの中に大きくとらえた中に循環器疾患が含まれ る。その他の動脈硬化、糖尿病とか、そういうものもそういう予防に関係したテーマも 入れると。 ○真崎委員 これからこういう研究を進めるというお考えなのですね。 ○矢崎部会長 私は言う立場にありませんけれども、病態を解明するということがすな わち予防に直結すると思いますので、単に予防ということではなくて、予防を目指した 病態解明ということもあるのではないかと思います、いかがでしょう。そうしますと、 今、先生方のお話ではレギュラトリー・サイエンスの分野は厚生省として非常に大事な ことではないか。それから、国民の医療にとってやはり生活習慣病の予防ということは 病態解明で的確な対策を立てるということが今お話ありましたが、その他、例えばテク ノロジーアセスメントの領域なども次の重点項目として取り上げさせていただいてよろ しいでしょうか。 ○柴田委員 そこに揚がっている中で、臓器移植法案が通った訳ですけれども、臓器移 植の技術的な面の研究はたくさんあると思うのですけれども、もう少し今までの経緯を 見ていると、臓器移植の社会学的な研究というのは、やるとすればやはり厚生省なので はないかなという感じがしないではないですね。社会にどういうふうに定着させていく のかというのが一種のテクノロジー・アセスメントかもしれないのですけれども、少し 違う観点があるのではないかという気がしています。 ○眞柄委員 一言だけ。レギュラトリー・サイエンスの関係ですけれども、今回のデン バーサミットで子どもの健康と環境というものが話題になっておりまして、あの時にや はり子どもの健康と環境、リスク・アセスメント、マネージメント、水感染症というの が話題になっておりまして、それに対して国際的な協力をするということが出ておりま したので、そういう観点の国際的な研究の枠についても是非お考えいただきたいと思い ます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。 ○事務局 免疫アレルギー等研究事業におきましては、臓器移植に関する研究も取り組 むということになっておりまして、その課題といたしまして、「臓器移植の社会資源整 備に向けての研究」の 1「臓器移植の社会的問題に関する研究」ということで取り組む ことにしておりますので、付け加えさせていただきます。 ○矢崎部会長 どうもありがとうございました。そこで議論されると思います。 ○宮本委員 あえて言えば、ここで議論すべきものかよく分かりませんけれども、メデ ィコ・エコノミックスだとか、あるいはソシオ・エコノミックス、このあたりは将来非 常に大きな問題になるであろうというふうに思いますので、ここでもしもそういうこと が取り上げられるのであれば、それも1つ取り上げておいたらどうであろうかというふ うに思います。 ○矢崎部会長 どうでしょうか。 ○伊藤審議官 それは社会保障の色々な政策研究に1つのカテゴリーがございまして。 ○矢崎部会長 その中に大きく入る訳ですね。 それでは時間が過ぎておりますので、今日の御意見を踏まえてまた議論を進めさせて いただきたいと思います。事務局で何かございますでしょうか。 ○事務局 次回の日程についてお願いをいたしたいと思います。研究費の早期執行の関 係から7月中に何とか評価を終えて8月の頭に次回の研究企画部会、実際今日お配りし ている日程表4日〜12日のあたりで、時期的に夏休みになっておるのですけれどもお願 いしたいと考えております。日程表をお配りさせていただいておりますので、今日日程 が分かる先生は置いていただいて結構ですし、後日日程表を6月30日までに事務局ヘフ ァックスしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長 大変蒸し暑い中で、それまでに評価を終えるという大変な作業です。ま ず評価委員を決めていただかないといけないということで、今ここに委員長がおられな い場合に、例えば、高久委員長がおられませんのでヒトゲノムは寺田委員と大石委員で 決めて頂き、委員長がおられない場合には、例えば菊地委員長がおられませんので、真 崎委員に評価委員をともかく選んで頂くことになるかと思います。 ○真崎委員 それは色々既に案をいただいているみたいですけれども。 ○事務局 所管課を通じてまた色々御連絡させていただきたいと思います。 ○寺田委員 誰が評価小委員はアポイントして、期間は1年だけなのか、どういう形に なるのでしょうか。 ○矢崎部会長 評価委員は恐らく1年。 ○事務局 1年間をとりあえず想定しております。 ○寺田委員 お願いするのは、厚生科学課がお願いする訳ですか。 ○事務局 研究班の班長、つまり専門委員長からお願いしていただきたいと思っており ます。 ○矢崎部会長 専門委員会の委員長がアポイントメントするということですので、よろ しくお願いします。よろしいでしょうか。それでは、大変遅くなりましたけれども、今 日の研究企画部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課    担 当 岡本(内3806)    電 話 (代)03-3503-1711        (直)03-3595-2171