97/04/21 公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録 公衆衛生審議会精神保健福祉部会 議  事  録 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課           公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事次第         日 時:平成9年4月21日(月) 17:30〜18:55              場 所:厚生省共用第9会議室 議  題  1.開  会  2.議  事    ・ 精神保健福祉法案についての諮問、答申について    ・ 公衆衛生審議会精神保健福祉部会の公開について    ・ その他  3.閉  会 公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録 平成9年4月21日(月)17:30〜18:55     厚生省共用第9会議室 ○笠原部会長 今日は夕方からで恐れ入ります。定刻になりましたので、ただいまから公衆衛生審議 会精神保健福祉部会を開会いたします。  初めに、本日の出欠状況について御報告をいただきましょうか。 ○岩崎補佐 本日は、精神保健福祉部会委員22名中15名の委員の御出席をいただいております。定 足数の過半数を満たしておりますので、部会の開催は成立しております。 なお、古谷委員におかれましては、遅れて御出席いただく旨、御連絡いただいており ます。本日、欠席される旨の御連絡をいただいている委員は、大熊委員、紀内委員、新 田委員、比嘉委員、藤井委員、町野委員、谷中委員の7名でございます。  以上でございます。 ○笠原部会長 ありがとうございました。  それでは、議事に先立ちまして、田中課長から一言ごあいさつをお願い申し上げま す。 ○田中精神保健福祉課長 本日は大変お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございました。  本日の議題は、精神保健福祉士法の制定についての諮問に関します御審議、御意見を お伺いしたいということでございます。一度当部会でも御審議いただいておりますけれ ども、精神科ソーシャルワーカーの国家資格化につきましては、精神障害者の社会復帰 の促進が重要な課題となっている中で、入院から社会復帰、そして地域における自立ま でを一貫して支える専門職種の資格化ということが重要課題となっておりまして、国会 の附帯決議も過去何回かされておりますし、また、当公衆衛生審議会からも検討すべき 旨の御意見をいただいているところでございます。これらを踏まえまして、よろしく御 審議のほどをお願いしたいと思っております。  また、継続課題でございます精神保健福祉部会の公開のあり方につきましても、前回 の審議を踏まえまして、さらに当部会にふさわしい公開方法につきまして、活発な御議 論をいただけたらというふうに考えているところでございます。限られた時間ではござ います。けれども、各議案につきましての御審議についてよろしくお願いいたします。 ○笠原部会長 それでは、議事に入ります前に、配布資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○岩崎補佐 番号が打ってあるもののほかに資料が3枚ございます。一番上置いております紙が議 事次第でございます。2枚目が部会の名簿でございます。3枚目が配布資料一覧でござ います。資料のNo.1と書いてあるのが諮問書でございます。資料No.2が(未定 稿と書いてあります厚生科学研究の報告書案でございます。資料3が部会の公開につい ての案でございます。なお、部会の名簿の中に一部ミスプリントがございますので訂正 申し上げます。吉川武彦先生の御所属が国立精神・神経センターの武蔵病院リハビリ テーション部長となっておりますが、精神・神経センター精神保健研究所長でございま すのでよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○笠原部会長 では、議事に入らせていただきます。  最初に(1)でございまして、これは厚生大臣から精神保健福祉士法の制定につきま してなされております諮問でございます。これにつきまして御審議をいただく訳でござ いますが、まず、諮問内容について御説明をお願いいたします。 ○田中精神保健福祉課長 資料No.1でございます。4月21日付で公衆衛生審議会長宛に厚生大臣から諮問書 が出されております。精神保健福祉士法を別添要綱のとおり制定することにつきまし て、貴会の意見を求めますということでございます。  文章が少し長いのですが、一応読ませていただきます。  精神保健福祉士法案要綱  第一 目的  この法律は、精神保健福祉士の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって精神保 健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とすること。  第二 定義  この法律において「精神保健福祉士」とは、第四の一の登録を受け、精神保健福祉士 の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精 神病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の 促進を図ることを目的とする施設を利用している者の社会復帰に関する相談に応じ、助 言、指導、日常生活への適応ために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援 助」という。)を業とするものをいうものとすること。  第三 試験  一 精神保健福祉士試験(以下「試験」という。)に合格した者は、精神保健福祉士 となる資格を有するものとすること。  二 試験は精神保健福祉士として必要な知識及び技能について行うこととし、毎年一 回以上、厚生大臣が行うものとすること。  三 試験の受験資格は、次のとおりとすること。  1 学校教育法に基づく大学等(短期大学を除く。以下同じ。)において厚生大臣の 指定する精神障害者の保健及び福祉に関する科目(以下「指定科目」という。)を修め て卒業した者  2 学校教育法に基づく大学等において厚生大臣の指定する精神障害者の保健及び福 祉に関する基礎科目(以下「基礎科目」というを修めて卒業したものであって、厚生大 臣の指定した養成施設等(以下「精神保健福祉士短期養成施設等」という。)において 六月以上精神保健福祉士として必要な知識及び技術を習得したもの等  3 学校教育法に基づく大学等を卒業した者であって、厚生大臣の指定した養成施設 等(以下「精神保健福祉士一般養成施設等」という。)において一年以上精神保健福祉 士として、必要な知識及び技術を修得したもの等  4 学校教育法に基づく短期大学等において指定科目を修めて卒業した者であって、 厚生省令で定める施設(以下「指定施設」という。)において二年以上相談援助の業務 に従事したもの等  5 学校教育法に基づく短期大学等において基礎科目を修めて卒業した者であって、 指定施設において二年以上相談援助の業務に従事した後、精神保健福祉士短期養成施設 等において六月以上精神保健福祉士として必要な知識及び技術を修得したもの等  6 学校教育法に基づく短期大学等を卒業した者であって、指定施設において二年以 上相談援助の業務に従事した後、精神保健福祉士一般養成施設等において一年以上精神 保健福祉士として必要な知識及び技術を修得したもの等  7 指定施設において四年以上相談援助の業務に従事した後、精神保健福祉士一般養 成施設等において一年以上精神保健福祉士として必要な知識及び技術を修得した者  8 社会福祉士であって、精神保健福祉士短期養成施設等において六月以上精神保健 福祉士として必要な知識及び技術を修得したもの  四 厚生大臣は、その指定する者(以下「指定試験機関」というに試験の実施に関す る事務を行わせることができるものとし、指定試験機関に関し所要の規定を置くこと。  第四 登録  一 精神保健福祉士となる資格を有する者が精神保健福祉士となるには、精神保健福 祉士登録簿に登録を受けなければならないものとし、登録に関し所要の規定を置くこ と。  二 厚生大臣は、その指定する者(以下「指定登録機関」というに精神保健福祉士の 登録の実施に関する事務を行わせることができるものとし、指定登録機関に関し所要の 規定を置くこと。  第五 義務等  一 精神保健福祉士は、その信用を傷つけるような行為をしてはならないものとする こと。  二 精神保健福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏 らしてはならないものとし、精神保健福祉士でなくなった後においても同様であるもの とすること。  三 精神保健福祉士は、医師その他の医療関係者との連携を保つとともに、精神障害 者に主治の医師があるときは、その指導を受けなければならないものとすること。  四 精神保健福祉士でない者は、精神保健福祉士という名称を使用してはならないも のとすること。  第六 罰則  罰則に関し、所要の規定を設けること。  第七 施行期日等  一 この法律は、平成十年四月一日から施行すること。ただし、養成施設等の指定に 係る部分については、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定め る日から施行すること。  二 試験の受験資格の経過的特例を設ける等所要の規定を誠備すること。  以上が諮問の内容でございます。  前回資料としてお示ししましたけれども、平成5年、平成6年に意見書、あるいは意 見具申が当部会から出されておりまして、国家資格制度の創設について検討を行うよう にということが提言されているところでございますが、これを受けて行われた精神保健 制度に関する研究の資料が資料2でございますけれども、平成7年度、それから平成8 年度と行われまして、今回平成8年度の報告書がまとまっております。これは未定稿と なっておりますけれども、内容に関しましては、ほぼこれで固まっております。これを 御紹介申し上げます。  内容につきましては、まず1ページに目次がございますので、それをごらんいただき ますと、まずPSWにつきまして、国家資格の必要性、業務の範囲、精神科ソーシャル ワーカーの業務と他職種の業務の主な相違点と類似点、資格取得上の必修課程、名称に ついて御議論いただきまして、最後に7ページのところでございますけれども、問題を 整理して、まとめとしまして、結論だけを申し上げますと、PSWの資格化が必要であ るというふうにまとめられているこれが一番下から5行目のところでございます。  ただ、注意書きとしまして、PSWと社会福祉士やメディカル・ソーシャルワーカー などとは業務及び学問体系に共通の基盤があることも明らかであって、それぞれのソー シャルワーカーの資格制度のあり方について、今後有識者等により、さらに掘り下げた 検討を行う必要が認められた。このようなコメントがつけられているところでございま す。  11ページに臨床心理技術者に関して、同様の報告書がまとめられておりまして、内容 は、業務内容、臨床心理技術者の業務と医行為との関係、診療の補助との関係、国家資 格の必要性について、受験資格について、そして国家資格と民間資格の関係ついて等の 議論が整理されておりまして、まとめが15、16ページに書かれております。  結論としましては、国家資格化に向けて、これらの点に様々な立場による主張の相違 というのが明確になり、それに関して合意点を探るべく、当事者の間で検討する必要性 が示唆された。こういうようなかっこうでまとめられているところでございます。  以上、諮問案とその案をまとめます基礎的な資料となりました研究報告について御説 明を申し上げました。以上でございます。 ○笠原部会長 ありがとうございました。  ただいま御説明がございました。どうぞ御意見をお願いいたします。何回かにわたり まして御議論をいただいたところでございますが、ようやくここまでまいりました。ど うぞお願いいたします。 ○渡邉委員 私、最近、委員になったもので、いままでの議論を十分に知らないままですが、基本 的には私も早急な資格化が必要であるという立場に立ちました上で、ちょっと御質問さ せていただきます。今朝になりまして、社会福祉士協会、その他のところから電話がか かったり、ファクシミリが入ったりしまして、この法案には反対であるというような意 見が急遽寄せられて、どういうことかと思っていましたら、今日、整理いただいた資料 で、対立点は大分分かりました。  ただ、その中でちょっと気になっていましたことは、一つは日本精神医学ソーシャル ワーカー協会です、本当は反対なんだというお言葉も聞いたもので、そこの点につい て、この法制化について意思表明されているかどうか把握されていたらお答えいただき たいということが一つ。  それともう一つは、共通する基盤がある業務について、障害ごとに資格が細分化され ることは、一般的には私も余り好ましいことではないと思ってますが、とにかく早急に 精神のソーシャルワーカーの人の資格化がほしいというのが私の実感でもあります。そ うした場合に現在段階では、社会福祉士というところに、医療とか、精神とかいうこと を統一化するのは非常に困難なのかどうなのか。多分困難だからこういうふうになって いるんだろうと思いますが、現状認識を把握させていただきたい。関連しますが、今日 の反対意見を寄せられた方の御意見の中で、国際的にも、いま法案化されようとしてい るように資格を細分化した国はない。ソーシャルワーカーとして、社会福祉士として統 一された資格しか各国ともないというような御意見が電話であったんです。私も勉強し ていなかったものですから、「えっ、本当ですか」と、普通はPSWということで国際 的な日本に対する勧告でも使われているんじゃないですかと疑問を呈しながらお聞きし たのです。以上のことについて御説明いただきたいと思います。 ○田中精神保健福祉課長 まず、PSW協会の御意向ということですけれども、PSW協会としては是非こうい うやり方で資格をつくってほしいと意思表示をしているところでございます。  それから、団体間の調整ということでございますけれども、今、特に問題になるの は、ソーシャルワーカーのほかの二つの団体との調整ということになるんではないかと 思いますけれども、社会福祉士会も日本医療福祉事業協会も組織としては賛成、あるい は反対はしないということで調整はされているというふうに私どもは理解しているとこ ろでございます。  ソーシャルワーカーに一元化していくことは困難かということでございますが、これ は10年間の歴史を見れば自ずと明らかでございまして、しかも現実に、社会福祉士は病 院の中で働いている方々は少ないという現状もございます。つまり社会福祉士と精神科 のソーシャルワーカー、あるいはMSWというのは、もう既に10年以上にわたってき ちっとすみ分けをしておられるということでございますので、理論的には確かに一元化 しなくちゃいけないという考えは私どもも理解できますし、その旨、厚生省の中の各部 局とも相談をしながら、各団体との御意向も踏まえながら、今後調整を図っていきたい というふうには考えているところではございますけれども、住み分けている現状からす れば統一すれば済むという簡単なものではないというふうに一応考えているところでご ざいます。  国際的な問題は、むしろ窪田委員のほうが御専門ではないかというふうに思いますけ れども、そもそもソーシャルワーカーの資格が国際的に国家資格としてあるのかという ことについては、日本の様に、国がすべての職種について資格化をするというところが そもそも余り多くないということでございます。ただ、長い歴史を見ますと各国いろん な経緯をとっておりまして、精神科のソーシャルワーカーの資格的な位置づけを設けて いる国もあるということはございますので、精神科ソーシャルワーカーという専門性が 全く認知されていなかったということもないと考えているところでございます。 渡邉委員、よろしゅうございますか。 私も是非精神だけでも成立させたいという立場の上でどうしても気にかかるんです が、今朝送ってきました急遽のファクシミリで、社会福祉士協会で反対決議というのを 出しているというふうに入っているんですね。団体としての合意は厚生省としては得ら れているというふうに、そのことは確認してよろしいのでしょうか。 ○田中精神保健福祉課長 必要でしたら文書そのものを、御紹介申し上げますけれども。 ○渡邉委員 失礼しました。私はあわて者で、医療社会福祉学会でした。ごめんなさい。 ○田中精神保健福祉課長 それは福祉関係の学者の集まりではないかと思いますけれども、いろいろ御意見をお 持ちの方はおられます。ただ、職能を代表する団体として積極的に反対しているという ところはないと理解しております。 ○渡邉委員 今日これを送ってこられた方も、日本の今の精神障害者たちが必要としているケース ワーク的な人の実現はどうすればいいんですかという応答はしたんですけれども、それ については明確なお答えは得られなかったので、ちょっとお尋ねしました。あわてんぼ うですみませんでした。 ○笠原部会長 そのほかございませんでしょうか。 ○宮坂委員 4ページをちょっとごらんになっていただきたいんですが、登録ということが書いて あります。そこの二ですけれども、「指定登録機関に関し所要の規定を置くこと」とい うことで、所定の登録機関というものは、今のところどこを考えているのか。また、こ れは、政省令のことになるかもしれませんけれども、国家資格化をするのに、まず、第 三のところに「試験」というふうに書いてあります。これは厚生省がやることにはなっ ておるんですけれども、どこかに委託するということを考えているのかどうなのか。分 かる範囲で結構ですから教えていただきたい。 ○田中精神保健福祉課長 指定の登録機関も指定の試験機関も一応民間の既存の公益法人、これを指定するとい うことで具体的な検討を行っているところでございます。 ○宮坂委員 あそこの登録機関、また試験を行う機関等につきましては、ここの精神保健福祉部会 に是非諮って決めていただき、国家資格化ということで非常に難しい試験をする訳です ので、そこで余り問題が起きても困りますので、また、登録も本来ならば厚生省でやる べきでありますけれども、外でやるということであれば、公益であろうと財団であろう ときちんとした機関として認められるようなところを選定するようにしたいものだと 思っているので、あえて質問した訳でございます。  以上でございます。 ○田中精神保健福祉課長 場合によっては、御相談申し上げまして、決めさせていただきたいというふうに思っ ております。 ○小池委員 今に関連して、公益的な法人とか、そういう団体ですね。特定の業界がするという訳 ではないですね。 ○田中精神保健福祉課長 はい。 ○小池委員 分かりました。 ○窪田委員 渡邉委員が御質問なさいましたことと関連するのですが、私も2月末、あるいは3月 の段階では、正式な文書では、医療社会事業協会のほうは会長の印の入ったもので、多 分厚生省への申し入れをなさった文書だと思うのですが、社会福祉士会のほうは、これ は一部の意見なのかどうか私からないファックスをもらっています。しかし、これは長 年続いている反対意見ではある訳ですが、その線と外れてはいないと思いますが、それ が障害者福祉法の制定によって、なお一層総合的な障害者福祉法に将来向けるとなれ ば、それに逆行するのではないかといった意見は、この一、二年特に付け加わったこと だと思うんですが、それが少なくともその時点で非常に強かったというのは事実であろ うと思います。  そういう意味では、その後、殊に3月の間、それから4月に入ってから何らかの話し 合いの中で、その人々の危惧、あるいは殊に将来社会福祉士の資格、これも10年経って 見直しということが言われてますから、そういうところとの相互連関なり、あるいは接 近なり医療ソーシャルワーカーとして包括的なものが少なくとも出来る可能性なり、そ ういう点について示されている危惧に関しては何らかのお話し合いがありましたのかど うか。それから、その方向がどういうふうであるかについて出来る範囲でお聞かせいた だければというふうに思っております。多分同じ線のことだと思います。医療福祉学会 は少し違うと思いますので、それは先ほどの事務局のお答えで納得しております。 ○田中精神保健福祉課長 社会福祉士あるいはMSW協会としての御意見の内容的な問題については、この報告 書の中にあるとおりでございまして、具体的なやり取りを御紹介申し上げますと、社会 福祉士会及びMSW協会は包括的なソーシャルワーカーの資格というのが必要であると いうようなこと、あるいは集団精神療法だとか、SSTだとか、こういうようなものは ソーシャルワーカーの業務にすべきではないんじゃないかというような御主張、それも この報告書に載っておりますけれどもそういうようなことを軸にした要望というのをい ただいております。  これに対しまして、ソーシャルワーカー全般に関する資格制度のあり方につきまして 検討の場を設ける必要性の認識等についての意見交換を行いまして、関係各位のある程 度の御了解を得たという経緯がございます。 ○窪田委員 私自身は、医療社会事業協会も原則として社会福祉士で足りるという主張はしておら れるけれども、実際に研修その他は、むしろ医療保健局のほうの予算とか、仕事の中で やっておられるところがありますから、そういう意味では、必ずしも社会福祉プロパー という言い方がいいかどうか分かりませんが、本来、それがあってしかるべき養成課程 に御自分たちの仕事も全部移してはおられない訳ですから、そこには保健と福祉の両方 にわたらざるを得ない仕事の有り様を反映した難しさが医療社会事業協会のほうにもあ るというふうには承知しております。  しかし、地方に参りますと、全国組織とは異なってMSWもPSWも一つの組織に なっているところが多くございまして、そのようなことを考えますと、出来れば、医療 社会事業協会とは、現在やむを得ないにしても、例えば将来どの方向へということにつ いての一定の了解ぐらいは含まれていないといけない、私もこれは何とも言えないの で、理想的とか、あらまほしきということからいえば、もっといろいろ言いたい訳です が、容認するにしても少し難しいなと思ったものですから、そこで御質問申し上げた訳 でございます。 ○田中精神保健福祉課長 繰り返しになりますけれども、この資格制度を、特にPSWに関しまして、未来永劫 これでずっといくんだというふうに固定的に考えている訳ではございません。この研究 報告にもありますように、ソーシャルワーカーの包括的な資格のあり方ということは、 非常に大きな残されている課題であるというふうに考えておりまして、鋭意これから勉 強させていただいて、次の新しい、特にMSWは無資格の状態で今の段階では残される ことになりますので、そういうことを視野に入れて、新しい資格制度のあり方というの を次のステップで考えさせていただきたいというふうに考えているところでございま す。 ○笠原部会長 よろしゅうございますか。 ○宮坂委員 今の課長のお話ですと、福祉士というものがあって、その上に社会が乗り、精神が乗 り、医療が乗りというような考え方をしようというように思いますけれども、実際は、 現在の社会福祉士というものの制度があり、今度つくるMSWというものがある訳です からそういうようなお話ですと、この法案は課長の話のことは全く載っていない訳です から、はっきりと新しい資格化をするんだというように考えていただかないと、福祉士 の上に社会があるとか、福祉士の上に精神が乗っかったというように考えては困るとい うことを申し上げている訳であって、いま窪田委員が将来どうなるのかというお話はよ く分かりますけれども、実際この法律をつくるには、社会福祉士と介護福祉士等もあり ますが、そういう資格とは、全く違うものであるというふうな話の上に立ってもらわな いと、この法律はおかしくなるんじゃないかということを考えまして、そこをあえて申 し上げる訳でございます。課長の言うような、そんな曖昧なものであるならば、これは 反対せざるを得ない訳でして、ここにあります精神保健福祉士をつくるんだということ であれば賛成もしますけれども、そこの点をはっきりさせていただきたいと思います。 ○田中精神保健福祉課長 私の説明が不十分であった様ですが、要するに資格の包括性と、それぞれが完全独立 していくのではなくて、包括的な共通点を十分配慮したこれからの制度の運用というこ とが重要であるということを一方で説明したんですけれども、勿論その元にあるのが、 それぞれの専門性をきちんとみがいていく。それをきちんと尊重していくというのが非 常に重要なことで、その二つの兼ね合いの中で、これから資格のあり方というのは考え ていかなくちゃいけないというふうに私ども理解しているところでございます。 ○吉川委員 少し視点が違うことですけれども、これは法案の中に入れるべきことかどうかという ことから考え直さなくちゃいけないことではありますけれども、一旦資格を取った後 に、どういうような教育の課程を設けるのか、例えばそれは研修という形であれば、法 案にそれぞれ盛り込むことではありませんけれども、精神保健指定医みたいな形になれ ば、それなりに研修の課程を指定しなければいけないこともある思いますし、この資格 を新しくつくる時に、その辺のところはどんな形で御議論があったのかちょっと教えて いただきたいことと、先ほどざっと読ませていただいた限りでは、今回、平成8年度の PSWの検討の報告書の中には特に盛られていないようでございますから、この研究の 中でどういうような議論があったのか御存知であれば教えていただきたいということ。  それで、平成6年に、PSWの資格化に関する検討を私の班の中でやっていただいた ことがありますけれども、その班の中の最終的な結論の中にはそれは入れませんでした けれども、検討の過程では明らかにどういうふうにするのかということは、資格化の後 にどうするのかということは議論があったことを覚えていますので、その辺のところを 教えていただければ思って御質問しました。 ○笠原部会長 資格化の後と申しますと。 ○吉川委員 資格を持った後に、どういうような研修ないしは資格のブラッシュアップがされてい くのか。 ○笠原部会長 何年ごとに更新するとかというふうな問題も含めてですか。 ○窪田委員 私もそれは是非入れていただきたいと思っておりますので、御質問したいと思いま す。 ○田中精神保健福祉課長 確かに非常に重要な問題でございますので、この資質をさらに向上させるというよう なあり方につきましては、さらに勉強させていただきたいと思いますし、委員の皆様方 にもいろいろと御指導いただけたらというように考えております。 ○笠原部会長 それは附則かなにかで付けられる訳ですか。 ○田中精神保健福祉課長 法律事項ではないのではないかと考えております。 ○笠原部会長 皆さん御異論はないと思いますので、是非お考えいただくということでよろしゅうご ざいますか。  それから、先ほどの宮坂先生の御質問への答はあれでよろしゅうございますか。 ○宮坂委員 結構です。 ○笠原部会長 そのほかございませんか。 ○古谷委員 受験資格のところに、八つの項目が出ておりますけれども、どういう場合、どういう 場合というのが読みにくいかなというふうに思うんですね。「等」というのがかなり 入っておりますので難しいかなというふうに思いました。そして、資料2の8ページの ところで「PSWの業務と他の職種との関係」というところで、そこに黒丸がついてお りますけれども、他の職種との関係がここの受験資格の中に入るのか。この辺がこの法 文では読み取りにくいというふうに思いましたので、御説明をお願いしたいと思いま す。 ○田中精神保健福祉課長 この受験資格の2ページから3ページでございますけれども、福祉系の大学の指定の 科目を修めて卒業した人、つまり1です。これが精神保健福祉士の原則要件でありま す。それに足りない部分につきましては、年限で足りなければ実務経験、科目で足りな ければ講習というようなことを補っていただいて、1に限りなく近づけるというのが2 以下8までの要件というふうに御理解いただけたらと思います。 ○三浦委員 いまのお話に関連があるのですが、要するに、ほかの学部学科を出ても、これを修め れば受験資格を得られるということになる訳ですね。 ○田中精神保健福祉課長 3のところで、一列としては、工学部を御卒業された方は、1年間一般養成施設、こ ういうところで勉強していただければ受験することが出来ます。こんなふうな仕掛けに なっております。 ○三浦委員 厚生大臣の養成施設というのは。 ○田中精神保健福祉課長 今は特にない訳ですけれども、福祉系の大学、あるいは専門の学校で精神科の社会復 帰の教育をしていただけるような、そういう施設を指定するということになります。 ○小池委員 3ページの7ですが、これは、学歴は問わない訳ですね。 ○田中精神保健福祉課長 さようでございます。 ○小池委員 准看廃止の時代ですので、一定の学歴というのは考えてある訳ですね。 ○田中精神保健福祉課長 規定しておりません。 ○小池委員 指定施設の要件というものもしっかりしたものにしていただきたいというふうに思い ます。例えばPSWが複数以上いるとか、一定の人員配置があって、PSWの活動の実 績のある施設であるというような施設の指定要件というものもお願いいたしたいと思い ます。 ○北川委員 いまのことに関連して、例の受験資格のことにつきまして、三項の1と2ですけれど も、これはどう違うかということですが、要するに指定科目を全部修めた場合には、そ のままでいいよということですね。2のほうは、基礎科目だけを修めて卒業して、これ は具体的に想定される訳ですか。言ってみれば、ちょっと中途半端ですよね。  4年制の大学なんだろうから、普通なら一貫してやってしまうのではないのかなと思 うんですけれども、こういう場合が想定される訳ですね。 ○田中精神保健福祉課長 非常に簡単な例を申し上げますと、社会福祉士になるコースを修められた方が、まさ に2に相当する。 ○北川委員 2は社会福祉だけですね。 ○田中精神保健福祉課長 社会福祉士試験の受験資格が満たされるようなコースだけを勉強された方は、この2 に相当する。そのかわり社会福祉士の試験はきちんと受けられる。精神のほうは、例え ば精神障害者援護技術だとか、そういう精神科のリハビリテーションに関する専門性に 関しては勉強していただいて、その後試験を受けていただく。 ○北川委員 そうすると、その後の養成施設というのを厚生大臣が指定をする訳ですね。それは普 通は大学ですか。 ○田中精神保健福祉課長 大学が多いと思いますけれども、あと専門学校も当然あり得ると思います。 ○北川委員 そうすると、フルコースでやっておる大学で、追加して勉強しなさいよと、こんな話 になる訳ですか。 ○窪田委員 現状では社会福祉士の国家試験についても似たようなことがございまして、13科目が 指定なんですが、その13科目全部を修めないない場合があり得るんです。例えば大学の 社会学科というようなものを出ますと、社会福祉にかなり近いですが、福祉そのものは 足りない。そういう人を教育するのは各種学校、専門学校で1年の特別コースをしてい るんです。法学部出身とか、経済学部で社会政策をやってきたとか、そういう人に福祉 の教育をするのは今は専門学校でございます。ただ実際は、そこに通信課程とか、非常 に紛らわしいものが入ってきていて、その水準をどうするかというのは問題だと思うん です。 ○田中精神保健福祉課長 大学でもそういう追加的なコースを取れるようにと。 ○窪田委員 このごろは科目等履修制というのがございますから、科目の単位を出すことは出来ま す。コースを設定して科目等履修制を認めている大学もございます。しかし、大学で科 目を開校しているということは、そこに教員がいるということですから、そうならば、 何も半年延ばさないでも単位は取れるはずなんですよ。むしろ大学が精神保健の関する 専門の教員を増員して雇う力があるかどうかの問題で大学側が用意出来ないこともあり 得るので、このごろは、本当にたくさん社会福祉系の大学が出来過ぎぐらい出来ていま すから。 ○笠原部会長 北川先生、よろしゅうございますか。 ○北川委員 短期養成施設というのは、実際具体的にこれだけで独立出来る訳ですね。短期という のはどのくらいやるんですか。何年とか、何ヵ月とかですか。 ○吉川委員 6ヵ月です。 ○北川委員 6ヵ月をベースにおいて、社会福祉士を持っている人、必ずしもそうじゃないです ね。 ○田中精神保健福祉課長 社会福祉の科目をある程度修められた方でも、精神障害者の援助技術とか、そういう 専門科目は受けておられない。 ○北川委員 短期養成施設は単独だけでは成り立たない。どこかで多少勉強してきた人を精神保健 福祉士用に教育をする、こういうことですね。 ○田中精神保健福祉課長 はい。 ○河委員 例えば、3ページの7の精神保健福祉士一般養成施設、短期養成施設の5と8。余り にも詳しく書き過ぎてあるから余計にややこしいんですね。短期養成、一般養成、そこ において必要な知識及び技術を修得したもの等という字が入れてあるから、あくまでも 幅広く取り組んだというような感じを余計に持つと思うんです。これは通信教育でいい のか、あるいは集中的にいくのか、いろいろな疑問が出てくると思うんです。あとは細 則で決めるというところで、今日は大まかにこういうようなものだということだけ、皆 さんの御了解を得ておいたらどうかと思うんです。 ○田中精神保健福祉課長 まず基本的にはなるべく幅広く、精神保健福祉士を志す方々の間口を閉ざすのではな くて、むしろ幅広くしておきたいというのが一つの趣旨でございます。  それからもう一つは、精神保健福祉士と、社会福祉士の受験資格を得る過程とはほと んど同じスタイルになっておりまして、これからもある程度共通な部分というのは当然 ある訳で、その辺が相互に余り違ってしまうと制度的におかしなものですから、その辺 は別の制度を参考にしながら、こういう仕組みをつくったということでございます。こ れからの制度の運用につきましては、先生方の御意見を十分反映させながらやっていき たいというふうに考えています。 ○渡邉委員 「定義」のところで、病院と施設利用者は書いてあるんですけれども、その他在宅の 患者も考えられるので、3行目の「施設を利用している者、その他精神障害者の」とか いうふうに少し枠を広げたほうがいいのではないかと思います。ここは特に何か意味が ございますか。 ○笠原部会長 どこでしようか。 ○渡邉委員 定義をそのまま読みますと、病院にかかっている人か、施設を利用している者の相談 に限定されているんです。3行目の「施設を利用している者、その他精神障害者の社会 復帰に関する相談に応じ」と、在宅での相談というのが除外されているような感じにな るんです。 ○笠原部会長 この間、少し議論があったところではないかと思うんです。 ○渡邉委員 そうですか。私が入っていなかったもので失礼しました。 ○田中精神保健福祉課長 基本的には精神障害者の社会復帰を促進するということで、この職種の業務の範囲と いうのが決まっております。ということは、何らかのかっこうで医学的な管理下に置か れているということが当然前提になるのではないかということで、「精神病院その他の 医療施設において精神障害の医療を受け」、これでほとんどの人が包括出来るのではな いかと考えております。 ○渡邉委員 そうすると、仮に時々行くような通院の人も一応カバー出来るということですか。 ○笠原部会長 はい。逆にいうと、精神障害が余り薄められて広く使わせすぎたり、勝手に決められ たりしては困るということでもあります。 ○渡嘉敷委員 2点ですが、1点は指定施設というのをもう少し御説明いただけないかと思います。  それから、どなたか先生の御質問になっていましたが、この受験資格の7ですけれど も、これは一般養成施設に1年入らなきゃならない訳ですから高卒ということになるん ですか。中卒ではだめだということを暗に言っているのでしょうか。そこら辺がさっき のお答えではっきりしなかったので確認したいんですが、その2点です。 ○田中精神保健福祉課長 まず、指定施設に関しましてはいろんな要件が考えられると思います。まだ、詳細は 詰まっておりませんので、詰まり次第、また御相談して決めていきたいというふうに考 えています。それから、中卒が入るかどうかということは、これは正直言って想定して いなかったのですけれども、社会福祉士がどうなっているか確認をさせていただいて、 それからお答えさせていただきたいと思います。 ○渡嘉敷委員 指定施設で2年従事するとか、あるいは7番目だと4年従事するということで、大卒 の人はいいんですけれども、ぎりぎりの人にとっては、この辺がかなり重要になってく るんだろうと思うんです。  それから、先ほど小池先生もおっしゃっていましたけれども、指定施設としてどんな ような要件を設けていくのか。というのは、従事するという訳ですから、指定のところ でも出てきましたように、そこで勤務するということになるでしょうから、雇用する側 とすると、かなり問題が含んでくるものですから、分かる範囲で教えていただければと 思います。 ○古谷委員 いまちょうど間が空いているものですから、特に今の7番につきましては、いろいろ な勉強もしていないで経験をしていればいいということになりますと、指定施設という ものをきちんとしていただきたいことと、そこでの相談援助のあり方、その辺がかなり 影響してくるのではないかというように思いますので、指定施設が先か、相談援助の中 身が先かというのは、またあるかもしれませんけれども、きちんとした施設であれば、 指導もきちんと出来るのではないかと思いますので、ここのところはきちんとしていた だきたいなというふうに思っております。 ○田中精神保健福祉課長 十分御意見を反映させていただいて決めさせていただきたいと思います。 ○藤原委員 法律はこれでいいのかもしれませんけれども、現在、資格を持たずに結構有効に活動 されている方が病院の中においでになります。  そういう方の場合は、資格を持てば、国家資格ですから当然給与体系も決まってくる のでしょうけれども、現在はそういう資格がないものですから、院長先生のお手盛りで 給料が出ている訳なんですそういう人はかなり有効に活動されしております。指定機関 になるかどうかということもありますけれども、その人は受験資格は確かにあると思い ます。しかし、10年来その活動ばかりしてきた人に果たしてこの国家試験が通るかどう かという心配がございます。 ○笠原部会長 経過措置ということですね。 ○藤原委員 はい。その間の本当に有効に活動している方をどのようにと。 ○笠原部会長 それは第七項の二が当たるのではないですか。 ○田中精神保健福祉課長 追加して御説明申し上げます。5ページの「施行期日等」の一番最後のところに、 「試験の受験資格の経過的特例を設ける等所要の規定を整備すること」とございますけ れども、まだ具体的に決めてある訳ではありませんけれども、例えば5年ぐらい精神病 院でソーシャルワーカーとして働いておられる方につきましては、これもまだ決まって おりませんけれども、一定の講習、例えば1週間とか2週間、こういう講習を受けた後 に受験資格を差し上げる。こういうような経過措置を何年間か設けたいというふう考え ているところでございます。 ○藤原委員 その講習は地方でやられるものですか。どこか1ヵ所だと地方からは出てこれらない と思うんです。 ○田中精神保健福祉課長 現在二千何百人の方が働いておられまして、その方々が皆さん受験をしたいというふ うに考えられると思いますので、かなりきめ細かく研修というか、講習というか、そう いうものを出来るようにしていきたいというように考えております。 ○藤原委員 お願いします。 ○井上委員 先ほどの渡邉委員の御意見と関連するのですが、第五項の「義務等」のところの三 で、医師と医療機関との連携を保つ、「精神障害者に主治の医師があるときは」という ふうにありますけれども、これはないということも想定された上での文面というふうに 読めるのですが、実際には主治医は必ずいる人に限るという理解でしょうか。 ○田中精神保健福祉課長 2月の部会の時にもいろいろ御議論をいただきまして、原則主治医はいるという前提 で、いなければ治療中断という形で、必ず元の主治医を探しなさい。そんなようなかっ こうで、この部分は解釈していただけたらと思います。ただ、全然いないという方もな い訳ではないと思いますけれども、そういう場合はどうするのかと言えば当然いなけれ ば指導を受けるということは空振りになってしまうということにはなると思います。そ ういう場合は少ないのではないかというふうに考えております。 ○河委員 先ほどの七のことですが、日精協で調べた約18万床のベッド数に対して、大学卒で福 祉部が約1,200 名です。PSWと称して現在従事している。その他の学部を出た方が 308 名、そして大学でない専門学校、あるいは高校という方が約240 名、そういう内訳 で1,500名が大学を出ているということなので、そういうことを勘案した上で、いまの第七項が出ているんではないかというように思います。 ○笠原部会長 大体御意見が出ましたでしょうか。  よろしゅうございましたら、本日の御議論を十分に配慮していただきまして、細かい ことを決めていただきますよう願いいたします。 ○田中精神保健福祉課長 政省令をつくる段階で、場合によってはまた先生方に御相談申し上げたいと思いま す。 ○笠原部会長 そういうことといたしまして、本日諮問のありました案を我々審議会といたしまして は、基本的に了承する旨、答申することでよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○笠原部会長 御異議がもしございませんでしたら、そうさせていただきます。 十分今日の御議論を踏まえていただくことといたします。この件につきましては、長 い間どうもありがとうございました。  お急ぎの方もある承っておりますので、急いで第2の議題の「公衆衛生審議会精神保 健福祉部会の公開について(案)」に入ります。  これは3回ばかり討議いたしてまいりましたが、前回の部会におきまして、議事録を 発言者氏名を付して原則公開するということについては了解が得られております。そし て、会議そのものの公開につきましては、引き続き検討することになっておりました。 この点につきまして、事務局案をつくっていただきましたので、これをまず御説明いた だいて御議論を賜ろうと存じます。お願いいたします。 ○田中精神保健福祉課長 前回、この資料3にあります1、2、ということで、とりあえず精神保健福祉部会の 公開について、こういうことであろうということで結論をいただいたところでございま すけれども、それに対しまして、公衆衛生審議会の本審議会の公開の方法と違う部分が あるのではないか。つまり、公衆衛生審議会は会議又は議事録の公開をもって公開とす るというふうに書いてございまして、このまま1、2の部分だけですと、会議の公開と いうのが全くないということになってしまいまして、審議会の公開のやり方と違ってし まうのではないか、こういう御議論がございました。  そこで、部会での御審議の内容を踏まえまして、町野先生に御教示もいただきまし て、3の「部会長は、議事の内容からそれが適切であると認めるときには、会議を公開 することができる」。こういうものを付して、公衆衛生審議会の会議の公開のやり方と の整合をとりたい。こういうことで案をつくったものでございます。よろしく御審議の ほどをお願いします。 ○笠原部会長 ということでございます。ただいまの事務局案を踏まえまして、公開につきまして御 意見をいただきとうございます。  渡邉委員、どうでしょうか。 ○渡邉委員 非常に分かりやすくて、私はこれで結構だと思います。 ○笠原部会長 もしよろしければ、長い間いろいろ議論をいただきましたので、そして公衆衛生審議 会自体の内容より詳しくなっておりますので、これで御了承いただけましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○笠原部会長 ありがとうございました。この事務局案を精神保健福祉部会の決議といたします。  この適用は次回からになりますか。 ○田中精神保健福祉課長 当然適用するのは次回からということになると思います。 ○笠原部会長 次回からこれでまいらさせていただきます。「その他」へ移ってよろしゅうございま しょうか。特にございませんか。私が記憶しているのは、この間、たしか大熊委員から であったと思いますが、大和川病院でしたか、大阪の精神病院の話が少し出ました。あ の件についてただいまの段階で何か御報告をいただくようなことがあればお願いいたし ます。 ○田中精神保健福祉課長 前回の御報告の後、3月24日に大阪府の健康増進課精神保健室が医療保護入院患者さ んに対しまして、実地審査を行ったという報告を受けております。そのほかに退院請求 が何件か出されておりまして、その退院請求に基づきます精神医療審査会委員によりま す実地審査も合計3日間その後行われております。現在、その二つの医療保護入院患者 さんの実地審査と、退院請求に基づきます実地審査の結果につきまして精査を行ってい るというふうに報告を受けているところでございます。 ○笠原部会長 これに関連して何か御発言がございましょうか。河委員、何か御発言があります か。 ○河委員 民間病院のことですし、大阪の精神病院協会の会員病院でもあるし、大阪の精神病院 協会として深刻にとらえて、現在、なぜこういうことが起こったのかということを検討 しています。大阪には49の民間病院と大阪府立の精神病院とほか5大学、それぞれ大学 の精神病床というものもありますし、大阪全体をブロックに分けて、救急及び休日、夜 間、時間外というものを民間病院が窓口になって入院を受け付けており、診療をしてお るというのが実態です。  休日急患、時間外というのは、普通の病院で年間大体30名ぐらい多いところで40名ぐ らいです。 ○笠原部会長 年間1病院当たりですね。 ○河委員 はい。それが、大和川病院が524 床の病院で年間約650 名から700 名ぐらい時間外に 受け付けています。在院患者は100 %を超しておらない。年間それだけの時間外を受け 付けている。その中で650 から700 のうちで大阪府の患者が30%ぐらいで、あとの70% は京都、奈良、和歌山、兵庫から来ている訳です。なぜそうなっているのかということ をひとつこの際検討してみようということで検討に取りかかっています。勿論大阪精神 病院協会の会員であるがために、いわゆる精神病院協会のやっているピア−・レビュ− ということで、各病院にも何回か質の向上を申し入れておりますが、いかんせん、事こ こに至ったということです。今も他府県から700 名として70%は時間外に来ておるとい うその原因、それはどうなっておるのか。どこに原因はあったのかと云ったことも含め て現在調査中なので、次回にはある程度のことが報告出来るだろうと思います。今のと ころ、その程度でございます。 ○宮坂委員 大和川病院というのは精神病院もある。又、他に病院を2つ持っている病院で、その 一つが精神病院ということであって、精神病院だけの問題ではない事件です。精神病院 に起きたというよりも、病院全体に起きた問題としてとらえていきたいというふうに私 たちも考えていますが、ただ、こういうふうなことがなぜ起きたかということは追求し ていきたい。また、精神病院においても問題があったのかなかったのか、その辺もきち んと調べていかなければいけないんじゃないか。そして、今後そういうことが起きない ようにするにはどうすればよいかということも考えていかなきゃならないだろうという ふうに思っています。大阪のことですので、精神保健福祉課も大阪府と連携をとって、 問題がなぜ起きたかというようなことも検討していただきたいと思います。また、一般 医療にも、このような状態であったということが分かれば、併せて教えていただきたい というふうに思います。 ○笠原部会長 1病院当たり年間30名というのに700 名というのは随分桁が違います。本日はそこま でを承っておきまして、時間がありませんから次回といたします。 以上で議題を終わりますが、あと事務局のほうから追加がありますか。 ○田中精神保健福祉課長 今後の精神保健福祉部会の開催日程でございますけれども、企画分科会というのを4 月25日の14時から開催することになっております。8名の委員の皆様方にはよろしくお 願いいたします。連絡事項は以上でございます。 ○笠原部会長 では、これで終わらせていただきます。今日は、大変お忙しい中、夕方からでありが とうございました。 担当 障害保健福祉部精神保健福祉課  医療第一係  齋 藤 (内線3057)