97/04/03 公衆衛生審議会成人病難病対策部会議事録 公衆衛生審議会成人病難病対策部会 議  事  録              厚生省保健医療局疾病対策課 公衆衛生審議会成人病難病対策部会     日 時:平成9年4月3日(木) 14:00〜15:28     場 所:厚生省特別第1会議室 議  題  1.開  会  2.議  事  (1)特定疾患調査研究クロイツフェルト・ヤコブ病に関する緊急調査研究班  (2)クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査の実施について  (3)公衆衛生審議会成人病難病対策部会難病対策専門委員会の開催について (4)その他  3.閉  会 ○高久部会長  本日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。定刻とな りましたので、ただいまから公衆衛生審議会成人病難病対策部会を開催いたします。  最初に、保健医療局長さんのほうからご挨拶がありますので、よろしくお願いしま す。 ○小林保健医療局長  保健医療局長の小林でございます。  今日は公衆衛生審議会成人病難病対策部会を開催させていただきましてありがとうご ざいました。  委員の先生方、大変お忙しいところ、また、この天候の悪いところをよくぞ時間をつ くって御参加いただきましてありがとうございました。  また今日は、この部会にクロイツフェルト・ヤコブ病専門委員会の先生方にも一緒に 入っていただきまして、実はクロイツフェルト・ヤコブ病の調査結果について部会に報 告をいただいて、そしてまた、先生方と御議論をいただくということを考えている訳で ございます。  今日はたくさん記者の方も見えていますけれども、実はクロイツフェルト・ヤコブ病 の結果について、皆さん方、一般の方も大変関心を持たれているという状況下にあると いうことでございます。何卒よろしく御審議のほどお願いしたいと思います。どうもあ りがとうございました。 ○高久部会長  それでは、会議に先立ちまして、委員の出欠状況について、事務局のほうからよろし くお願いします。 ○塚原疾病対策課課長補佐  本日は近藤委員、宮本委員、山谷委員、町野委員の4名の先生方が御欠席でございま す。また、幸田委員が若干お遅れになられるということで御連絡をいただいておりま す。  またクロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会から佐藤委員、祖父江委員、立石委 員、端委員、柳川委員にも御参加をいただいております。  なお、佐藤委員におかれましては、クロイツフェルト・ヤコブ病に関する緊急調査研 究班の班長をお願いしておりますので、後ほど最終報告をいただくこととなっておりま す。 以上でございます。 ○高久部会長  それでは、議事に入りますが、その前に資料の確認を事務局のほうからよろしくお願 いします。 ○塚原疾病対策課課長補佐  お手元の事前に配布をさせていただいております資料について御確認をいただきたい と思います。  資料といたしまして、1から3までございます。参考資料といたしまして、参考資料 の1から参考資料の5までございますが、御確認をお願いしたいと存じます。 ○高久部会長  お手元におありでしょうか。もしなければ、事務局のほうにお申し出願いたいと思い ます。  それでは、早速議事に入りますが、本日は特定疾患調査研究事業として、平成8年度 に設けられましたクロイツフェルト・ヤコブ病に関する緊急調査研究班の最終報告がま とまっていますので、佐藤班長さんのほうから御報告をいただくことになっておりま す。  なお、この研究班からは、昨年の7月の成人病難病対策部会の際にも中間報告をいた だいておりますが、本日は最終的な御報告をいただくことになっておりますので、佐藤 先生、よろしくお願いいたします。 ○佐藤専門委員  佐藤でございます。  それでは、お手元の資料1をごらんいただきます。これに従って緊急調査研究班の研 究概要について御報告申し上げます。  昨年の5月から調査を開始いたしまして、一次調査を依頼した施設は、そこに書いて ありますように4,017 施設でございます。主に精神科と神経内科、神経病理の学会の報 告集から拾い出しまして、そこにアンケートを出しおりますが、今日もおいでの脳外科 の端委員のほうから脳外科学会としても調査をなさっていますので、その資料も後に付 け加えてございます。一次回答いただいた診療科数は2,905 施設でございます。回収率 は74%、患者ありと答えられた診療所の診療科数は496 、一次調査で報告いただいた患 者の実数は832 名でございました。この832 名を対象に二次調査票を送付してありま す。依頼した診療科数は445 施設でございまして、御回答いただいたところは347 施 設、回収率は78%と非常に高率に御協力をいただいております。二次回答の患者数が664 名になっております。 解析結果は、図1〜2、表1〜6で、表と一緒に順次御説明申し上げますが、まず、 調査期間の11年5ヵ月間での罹患率は人口100 万当たり男性が0.5 、女性が0.77でござ いました。この罹患率は年次ごとに罹患率、死亡率とも増加の傾向がございます。これ は4ページを御参照お願いいたします。4ページの図2にございますが、1993年、1994 年ぐらいから明らかに罹患率、死亡率ともに増加傾向が認められました。 次に、この調査班の最大の目的であります英国で問題になりました新変異型ヤコブ病 が−この疾患は牛の海綿状脳症の感染が疑われておりまして、我が国でも同様な症例が 存在するかどうかについて調査いたしました。  この新変異型の特徴は、まず20歳前後の若年発症でありまして、経過が孤発型ヤコブ 病よりは経過がゆっくりであります。それから、孤発型では脳波で典型的な周期性の棘 徐波群という非常に特徴的な脳波が出るのでございますが、新型の場合はこれが出ない のが逆な特徴になっております。それから脳病理では、大脳皮質、小脳皮質がクールー 班が多数新変異型では存在することが特徴とされております。 以上のような診断基準に合致する若年発症は今回の調査では認められませんでした。 それから、5ページの表2をごらんいただきますと、孤発型のヤコブ病だけを発症年齢 を横軸、発症年代を縦軸に書いてございます。新変異型のヤコブ病は18歳から39歳まで でございますので、今回の調査も40歳以下の若年齢層に注目いたしましたが、横軸の発 症年齢を見ていただきますと、39歳以下の発症が縦軸は発症年代でございまして、86年 から振り返りましても、各年代にわたりまして、数例ずつ存在しております。イギリス の症例は1994年から発症しておりますので、この傾向は1994年では、特に日本では若年 発症例は増加はしていないということは明らかであります。 亜  次に、1ページ目の説明を続けますが、しかし現在、生存中の15歳と42歳発症のヤコ ブ病の患者は、脳波所見は明らかに英国の例とは異なっておりますが、発症年代が1993 年以降の最近であること、特に15歳の症例は孤発例としては余りにも若すぎますので、 念のため今後も経過を観察するように現在の主治医に依頼してあります。  次に、硬膜移植歴を有するヤコブ病の患者について御説明申し上げます。  ヤコブ病の患者のうち、ヒトの硬膜移植を受けている患者数は43例でございました。 その手術時期は1979年から1991年であります。表5をごらんいただきます。6ページに なりますが、表4は、硬膜移植を脳外科、あるいは1例だけ脊椎の手術の時でございま すが、手術の際にヒトの死体から採取した乾燥凍結硬膜の移植症例43例についてまとめ てありますが、まず発症年齢の平均年齢は53.1歳でございまして、一つの前のページの 5ページの孤発例をもう一回遡っていただきますと、日本での孤発例の平均発症年齢が 63.1歳でございますので、一つは、硬膜移植を受けた症例は、明らかに若年発症の傾向 があるということで指摘されると思います。 次に、表5でございますが、硬膜移植を受けた手術年代が横軸に書いてございます。 縦軸には、症状が出た発症年代が書いてございますが、横軸の1984年が10例でございま す。その前の83年が5例、85年が9例と84年と85年に受けた症例にヤコブ病が非常に多 く発症していることが分かりました。  それから、一番新しい手術を受けた症例は1989年が1例、1991年が1例でございま す。この表の1例は、手術を受けて、硬膜移植を受けてから2ヵ月でヤコブ病が発症し ておりますので、硬膜移植を受けてからの発症期間が余りにも短いために、この方は高 齢でありますが、一応まとめの表からは除外してあります。  2ページに移っていただきますと、まとめの説明を続けますが、ヒト硬膜移植例の平 均発症年齢は51歳でありまして、これを除く孤発例の平均発症年齢63.1歳と比較します と若年発症の傾向が明らかに認められました。  次に、硬膜移植を受けた43例の中で、42例は1979年から1989年の間に水酸化ナトリウ ム処理過程導入前のヒト凍結乾燥硬膜が使用されたものと判断されましたが、この時期 に硬膜移植を受けたものの発症率は一般集団の発症率よりも数百倍と極めて高い発症率 が認められました。  1例65歳の症例でございますが、1991年の9月と10月の2回にわたって脳外科の手術 を受けております。その際に硬膜移植が行われておりますが、この患者に使用された硬 膜の商品名は、これはカルテを実際に拝見させていただいて調査をさせていただきまし たが、記載がございませんで、2つの会社が入っておりましたので、商品名は不明であ りました。それから水酸化ナトリウム処理がされた、即ち新しい処理法の硬膜なのか、 旧処理法の硬膜なのかは、それぞれ会社によって異なっておりまして、そのために新し い処理法か否かについては確認出来ませんでしたが、可能性は否定出来ないと思いま す。  硬膜についての調査結果は以上でございます。  次に、治療歴でございますが、7ページになります。表の6に手術の種類が横に書い てございまして、調査が始まりました1980年から各年代ごとにどのような手術を受けた ものが、この年代に発症したヤコブ病の患者が、過去にどういう手術を受けておったか ということが書いてありますが、一番下の数字をごらんいただいても分かるように、や はり先ほど申しました硬膜移植例がほかの手術に比して圧倒的に多うございました。た だ、ほかの手術例に関しては、母集団の関係、コントロールをどうおくかという関係が ございますので、この点についてはまだ十分解析は進んでおりません。 次に、過去の文献でヤコブ病の発症との関連が指摘されております特殊な治療歴につ いいては、角膜移植例は1例でございました。この例は1987年7月に手術をされており ますが、既にこの例は文献報告されている例で、この例1例以外には、角膜移植歴とい う記載の症例は回答がありませんでした。  次に、ヒトの脳下垂体製剤、成長ホルモンでございますが、あるいはゴナンドトロピ ンの投与歴はフランスでは非常に大きい問題になっておりますが、我が国では今回の調 査では1例も該当ありという回答がございませんでした。それから、深部脳波電極につ いても使用歴ありという回答はございませんでした。  次に、外国の生活歴、旅行歴でございますが、1985年以降の発症者で、英国で生活歴 があるものは2例ございましたが、1例は既に学会発表がされておりまして、その脳病 理所見については報告されておりますが、所見は英国の新変異型とは異なっておりまし た。1例は、病歴上からは新変異型と診断される症例ではございませんでした。  以上、調査研究班の研究の概要について御報告申し上げました。 ○高久部会長  ありがとうございました。  資料に基づいて詳細な御報告をいただいた訳でありますが、ほかの班員の先生、何か 御追加することがおありでしょうか。  もしなければ、御出席の委員の方々から御質問、御意見を承りたいと思いますが、ど なたか御質問、あるいは御意見がおありでしょうか。  私のほうから一つお伺いしたいのですが、15歳の症例で、脳波は典型的なPSDの所 見が英国例と異なっているというお話でしたが、たしかバリアントタイプのものは、臨 床症状も少し違っているのではないかと理解していましたが、その例の臨床症状はどっ ちに近いのでしょうか。 ○佐藤専門委員  英国の症例の、要するにバリアントタイプの臨床症状は、例えば行動異常とか、足の 感覚障害から始まって、それが英国では通常のヤコブ病よりは痴呆に至るまでの経過が やや長いという記載でございまして、それが本当に孤発型と区別出来る臨床症状とは非 常に難しいと思います。この症例は中学生でございましたが、最初、野球の選手だった んですが、ボールが投げられなくなるとか、失調性の歩行でフラフラしたような歩行と か、朝起きて歯ブラシに歯みがき粉をつけて歯をみがく動作が出来なくなったとか、そ ういう日常の行動異常から始まっておりますが、非常に高度痴呆に進展するまでは一、 二ヵ月でございますので、経過そのものは孤発型でも同じような経過が示すのがござい ますので、臨床症状では区別出来ないと思います。脳波は直に調査に赴きまして拝見し ましたが、典型的なPSDが出ておりまして、その点は英国の記載例とは異なっており ます。  それから、この症例は10年前に脳の動静脈奇形で脳外科の手術を受けておりまして、 その際に硬膜移植を受けた病歴はないかどうか。1984年でございますが、当時の執刀医 の助手をしておられる先生にお会いして、主治医の先生が尋ねられたんですが、自信を もって硬膜は使っていないという症例でございまして、そういたしますと、因果関係と なるようなリスクファクターはともかく調査時点ではうかがい得なかったので、一応15 歳発症ということで記載してございます。この症例は現在も生存しておられて、在宅療 養中の症例でございます。 ○高久部会長  ほかにどなたか御質問、御意見がおありでしょうか。 ○瀬在委員  水酸化ナトリウムで処理されたかどうか分からない2ページの65歳の症例ですけれど も、この時期は、回収の実態はどうだったんでしょうか。ちょうどその時期に当たる訳 ですね。そうしますと、病歴その他では、手術所見では分からないというお話なんです けれども、しかし、業者のほうを調べれば分からないことはないんじゃないですか。 どうなんですか、その点いかがでしょうか。 ○石井医薬品適正使用推進室長(薬務局)  薬務局ですけれども、まず一つは、回収ということですけれども、硬膜につきまして は、水酸化ナトリウム処理と処理前ということが混在してあった時期がございます。こ のものにつきましては、業者が自主的に一部のものを回収したという事例は、過去ある 訳でありますが、厚生省への報告がなされておりませんで、こちらのほうとして、例え ば徹底した回収ということが出来なかった経緯がございます。したがって、そういう面 では、この時期にも両方がある可能性はある。保健医療局は保健医療局で、私どもは私 どもで調べた訳でありますけれども、結局、製品名もどちらの会社のものかも同定出来 ず、ロット番号等も特定出来なかったものですから、結局は分からないというのが結論 でございます。ただし、流通の時期から見て、処理をされていた ものの出回りが多い時期でありましたので、ここにありますように、処理品が使用され た可能性もあるというふうになった訳であります。 ○瀬在委員  手術所見にも、そういうことがない訳なんですね。どういうものを使ったか、ロット 番号だとか、人工臓器その他の場合には、私どもで心臓手術をやっている場合は、手術 記録に書くものなんですけれども、どうなんですか。 ○石井医薬品適正使用推進室長(薬務局)  昨年7月31日の本部会、それから8月1日で薬務局のほうでの中央薬事審議会の伝達 性海綿状脳症の特別部会というのがございますが、そこでこのものの安全対策について 審議を行いました。その時点では、研究会のほうで報告があったものにつきましては、 分かっているものはすべてアルカリ処理がされていないものであったという前提ではあ りますけれども、アルカリ処理をしたものの安全性はどうなのかということで、それま で得られましたデータ、あるいは死体から採取する時のドナーの選択、アルカリ処理の 状況等々を勘案しまして、そういうことが十分に行われていれば、臨床的に見て安全性 に問題はないというふうにされました。ただ、その基準に合っているかどうかというこ とをきちんと担保する必要があるということ、添付文書あるいは使用上の注意で注意喚 起を行うことが必要であるということになりました。今の先生の御指摘の点について申 し上げますと、アルカリ処理されたものにつきましては、現在回収をしているんですけ れども、つい先日まで出回っておりましたものの箱の中に、ロット番号、ドナー番号を 書いたシールを入れるよう指示致しまして、そのようになっておりました。そのシール をはがしてカルテに貼付していただければ患者に移植された硬膜のロット番号がわかる ようにしたところです。但し、このように、容易に判明できるようにしたのは、今年2 月からであり、それ以前は医師がカルテに記入してもらう方法であったわけです。 ○瀬在委員  普通はそうやっています。 ○石井医薬品適正使用推進室長(薬務局)  最近の製品はシールをはがして貼付していただければいいようにという工夫をいたし ております。現状はそういうことでございます。 ○瀬在委員  殊に人工臓器、人工のマテリアル、そういうような移植材料、そういうふうに徹底さ せたほうがよろしいんじゃないですか。 ○高久部会長  ほかにどなたか御意見、御質問おありでしょうか。  既に新聞などでもごらんになったと思いますが、こういう疑わしい症例があるという こと、WHOのほうで既にヒト硬膜の使用を禁止するという方針が出されたということ ですね。 ○塚原疾病対策課課長補佐  その点についてですけれども。 ○高久部会長  それでは、塚原さん、よろしくお願いします。 ○塚原疾病対策課課長補佐  CJDの関係の資料を幾つか添付させていただいておりますので、詳しい中身は省略 いたしますが、御紹介をさせていただきたいと思います。  御手元にございます参考資料の1と参考資料の2でありますが、本日御出席いただい ております立石先生がCJDマウスの脳の伝播実験でどういう科学物質がそれを防止す るかというような観点からおまとめになられたものを2編ほどつけてございます。  それから、参考資料の3でございますけれども、これは3月28日にWHOの勧告がご ざいまして、それを受けて薬務局のほうで対応された内容について、こちらのほうに書 いてございます。具体的には、緊急安全性の情報を流したということと、輸入販売業者 に対して回収の命令をしたという2点と伺っております。その資料でございます。  それから参考資料の4は、昨年の7月31日に佐藤班長のほうから中間報告をいただい た時の資料を添付してございます。  議題1の関係資料は以上でございます。 ○高久部会長  立石先生、論文のほうに関して御追加ありますか。 ○立石専門委員  実はこれは厚生省の難病対策の研究班の遅発性ウイルス研究班というものがございま して、その班で研究しておった時の資料でございます。一番いい不活化法は何かという ことで2編に分けて英文論文では発表しておりますが、そのほか日本語の論文は多数発 表しております。  それから、このたびのWHOの会議、私も行って参りましたんですが、3月24日から 26日まで3日間ございまして、その会議は、動物及びヒトの伝達性海綿状脳症という表 題の会議でございまして、動物に関してはスクレイピーが、あるいは狂牛病が主題にな りましたが、ヒトの病気に関しましてはクロイツフェルト・ヤコブ病ということで、そ の対策−血液に関する対策もございますし、もう一つの項目が硬膜の対策ということ で、従来の世界で発表されたケースが、文献例と日本の昨年春に始めました緊急研究班 の成果が、昨年、佐藤班長から28例の報告がなされておりますので、その数を報告いた しまして、そういうところを合計して50例以上のケースがあるとしますと、これはやめ たほうがよろしかろうということで、WHOの使用中止勧告が出たという経過だろうと 思います。  以上です。 ○高久部会長  立石先生、WHOのほうはアルカリ処理を含めたすべての硬膜の使用中止ということ ですね。 ○立石専門委員  そういうことでございます。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。  この英文の論文は、私が理解している限りでは、Sodium hydroxide処理によっても、 プリオンの活性が完全には不活化出来ないということ。それから、参考資料3でWHO の勧告に従って、3月28日に厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室のほうから「ヒ ト乾燥硬膜の使用中止について」という通達がいっているということ、それから資料1 で、今、佐藤先生から御報告がありましたが、我が国においても、処理した硬膜でもC JDが起こった可能性が否定出来ないということなどの一連の経緯を踏まえまして、本 日の審議として、この難病対策部会で、ヒトの硬膜の使用中止ということを決めさせて いただいて、今後のCJDの調査への協力について都道府県等の関係団体を通じて周知 徹底をしたいというふうに考えておりますが、いかがなものでしょうか。  もし御異論がなければ、そういうふうにさせていただきたいと思います。  またCJDにつきましては、皆さん方御存知のように、医学的に未解決の問題が非常 にたくさんありますので、研究の推進について今日も専門委員の先生がいらしておられ ますが、是非促進していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  この点に関連して局長さん、何か御発言ありますか。 ○小林保健医療局長  今、部会長からまとめのご意見がありまして、皆さん御異論がないようでございます ので、私どものほうは、今の部会長さんの案が部会の御意見ということとさせていただ きまして、今後ヒト硬膜の使用、再度調査協力への周知徹底につきまして各都道府県に 通知をしますとともに、CJDに関する研究の推進もやってまいりたいと、このように 思います。どうもありがとうございました。 ○端専門委員  脳外科学会から参っております端と申しますが、今1例、新しく処理された硬膜でも 感染した可能性が否定出来ないという表現でございましたが、脳外科学会でも、別に手 術例で発症した例があるかという調査を全国的にいたしまして、それでは24例しか把握 出来ませんでしたけれども、24例中20例が83年から86年までの手術症例でございます。 86年以降の症例が2例ございまして、そのうち1例は89年の手術、もう1例は91年の手 術でございました。89年の手術例は古いものを使ったということが大体分かっておりま して、91年の手術のほうは、どちらを使ったのか分からない、そういう状況でございま した。 それで、脳外科学会の調査の中でも1例新しいものを使ったかもしれないというのが あった訳ですが、何しろ脳外科の手術というのは年間約14万件行われております。硬膜 を移植する手術といいますと、そのうちの3分の1ぐらいですので、大体3万から4万 件ぐらいが毎年行われているということになりまして、そうしますと、この十数年を 引っくるめますと相当な数になります。そういたしますと、その1例が感染したと考え るか、それだけのポピュレーションの中から発生したと考えるかなかなか難しいことに なろうかと思います。実は今使っている新しい処理をされた硬膜から感染する危険が否 定出来ないという表現になりますと、今使っているものですから、かなり影響が強く感 じることになりますので、ちょっと表現をもう少し柔らかくしていただくとありがたい というふうに思います。実際使用している側といたしまして、それが危なくないとは言 えないというような表現では不安感が強く、危ないとは言い切れないというぐらいのほ うがよろしいかと思いますが。 ○高久部会長  厚生省の薬務局のほうでは、出荷の停止と同時に回収の命令を出すのですか。 ○石井医薬品適正使用推進室長(薬務局)  参考資料3にも、書いてございますが、私どもが今回こういう措置を行いましたの は、基本的には、国際的な場で専門家がお集まりになって、その詳細な理由というもの は、私どもはまだ資料を入手しておりませんので分からない訳でありますけれども、そ ういうところの情報をもとに、WHOとして使用すべきでないという勧告が出ましたの で、出来るだけ速やかに対応をとるということで緊急命令を出し、回収をしているとこ ろでございます。  私どもの認識としましては、先ほど昨年の8月の中央薬事審議会における結論を申し 上げた訳でありますが、その結論が変わったとは思っておりません。いわゆる臨床的に 見て、アルカリ処理だけで十分ということではないというデータもありますが、死体か ら採取する時のドナーのチェックでありますとか、そういった点のことを総合的に考え ると、ヒトに使った時の安全性を完全に保障することはできないということではないの かと考えております。  それから、その後の状況の変化という点では、今、御審議いただきました、どちらが 使われたものか分からない症例が1例ある訳であります。その1例について見ますと、 高令であり自然発生の可能性もあるし、また明らかにアルカリ処理製品を使われたとい うことも分からないわけであります。硬膜移植例のうちでのCJDの患者さんの分布を 見ましても、明らかに89年くらいまでのところで止まっておりまして、その後を見ます とほとんど出ていないという状況にあります。したがって、臨床的には問題がないだろ うと思いますが、国際的なWHOの勧告は重く受けとめて、緊急的な対応して緊急命令 を出しました。したがって、このことにつきましては、21日に予定しておりますが、中 央薬事審議会のほうでも、再度この1例も含めまして、安全性の確認はしなければなら ないというように考えております。  硬膜に関しては、今、実際の現場からはもう使われないような形で回収をしておりま すけれども、むしろ代替品の人工硬膜が安定的に供給されるように、薬務局のほうで対 策をとっておるところでございまして、今までの状況では逼迫するということは回避出 来そうな状況であります。 ○高久部会長  分かりました。既にファックスで病院や、診療所に緊急の連絡をしている訳ですね。 それから、メーカーさんには回収命令を出しているという状況になっておりますので、 この部会として、ヒトの乾燥硬膜は使用しないというふうに勧告せざるを得ないのでは ないかと思います。 ○端専門委員  それは結構なんでございます。ですけれども、その理由が現在使っているものまでも が危ないからということではなくて、今さっき石井さんがおっしゃいましたように、生 体からとったようなマテリアルを使うことに対しては、今まで知られていないような危 険がこれからありますから、この際、硬膜使用をやめましょうと、そういうニュアンス で我々は受け取りたいのでございます。 ○高久部会長  それから、私が聞いた範囲では、人工硬膜よりは、ヒトの硬膜のほうがいいようです ね。そうでもないのですか。 ○端専門委員  それは勿論ヒトの硬膜のほうが使い勝手がずっといいです。 ○高久部会長  今、石井室長さんからお話があった人工硬膜の供給が十分にいくようにという事と同 時に、もっと有用な人工硬膜の開発をしてもらわなければならないと思います。筋膜で もやりにくいという話を聞いております。恐らく現場では硬膜が禁止されると本当は困 ることがあるのではないかと思います。しかし、世界的な流れとして、現在の客観的な 情勢から考えて、ヒトの硬膜を直接使うことは、専門委員がおっしゃったように、危険 性を否定出来ない事から、この部会として、ヒトの乾燥硬膜は使用しないという結論に なりました。そのかわり、より有効な人工硬膜の開発を是非進めてもらいたい。それか ら、現在ある人工硬膜の供給を十分にして医療の現場で困らないようにということも、 お願いしたいと思います。  ほかに何か御意見おありでしょうか。 ○佐藤専門委員  専門委員の端先生にお伺いしたいんですが、代替品として人工硬膜、あるいは筋膜を 脳外科の手術の際に使うとしても、どうしてもヒト硬膜でないといけない場合がある訳 ですか。 ○端専門委員  そんなことはないと思います。人工硬膜、ゴアテックスの製品のよくないところは、 それがいつまででもそのままで吸収されずに残ることでして、それが将来の感染源にな ること。それから、縫う時に針穴から脳脊髄液が漏れる可能性があるということです。  それから、筋膜に関しましては、どこからか筋膜をとってこないといけませんので、 もう一つ傷がつく可能性があるのと、脳と筋膜との間に癒着が起こりまして、再手術を する時に癒着をはがさないといけませんので、少し脳が傷つく確率が高い。そのぐらい でございます。ですから、感染の危険が少しは高くなる可能性はございますけれども、 それほど大きな問題はないと個人的には思っております。 ○高久部会長  ほかに何か御質問、御意見はおありでしょうか。  もしなければ、次に、CJD及び類縁疾患調査の実施について、事務局のほうからお 願いいたします。 ○塚原疾病対策課課長補佐  それでは、資料の2に基づきまして御説明させていただきたいと思います。  「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」、これは研究班の先生方を中心に御 執筆をいただいて、この2月に出来上がったものでございます。このマニュアルの最後 の28ページをごらんいただきたんですが、2月13日にクロイツフェルト・ヤコブ病専門 委員会を開催させていただきまして、このフローチャートにございますように、医療機 関がCJDの患者さんを診断した場合は、厚生省の疾病対策課のほうに御報告をいただ くようなお願いをしております。疾病対策課のほうに集まった患者さんの情報につきま しては、今日御参加をいたたいておりますクロイツフェルト・ヤコブ病の専門委員会の 先生方に議論していただきまして、その結果については部会のほうにも適宜御報告をし ていただくというような体制で対応していきたいということで、この制度が立ち上がっ てございますので、御報告をさせていただきたいと思います。  次のページにございますように、別紙様式とありますが、こういった調査票に埋めて いただくような形で医療機関から調査をお願いしております。もう既に十数件ぐらい の、新たにCJDの患者さんの御報告をいただいておりまして、概ね上半期と下半期ぐ らいに分けまして、半年分の患者さんの解析をお願いしたというように考えておりま す。  以上でございます。 ○高久部会長  今の説明について何か御意見、御質問おありでしょうか。かなり詳しい診療マニュア ルがつくられておりますが。  特に御質問、御意見がありませんでしたら、次の議題に移らせていただきます。  次の議題は公衆衛生審議会の成人病難病対策部会難病対策専門委員会の開催について ですが、事務局のほうから説明をお願いします。 ○荒川疾病対策課課長補佐  それでは、資料3の関連でございますが、説明させていただきます。  この成人病難病対策部会の下に設置されております難病対策専門委員会でございます が、平成5年の7月に21世紀に向けた総合的な難病対策を検討するために設置されたも のでございます。東海大学医学部長の黒川先生を委員長といたしまして、現在9名で構 成されております。総合的な難病対策につきましては、平成7年12月に最終報告をまと めていただいております。その後、この最終報告に基づく新規事業でございます難病患 者等居宅生活支援事業の実施方につきまして、昨年の6月に検討をお願いした訳でござ います。その検討結果を踏まえまして、難病患者等の居宅での療養を支援する福祉サー ビスの提供などを内容といたします難病患者等居宅生活支援事業は本年の1月にスター トしたところでございます。  今回、難病対策専門委員会に検討をお願いしたいと考えておりますのは、最終報告 (平成7年12月)にいただきました報告後の難病対策の新たな課題、例えば人工呼吸器 装着患者などの重篤な難病患者の医療及び在宅介護支援体制をどういうふうに確保して いくのか。それから、特定疾患治療研究事業、難病特定疾患の医療費の公費負担をして おります事業の再構築等といった課題を踏まえまして、難病対策の具体的な展開方策に ついて御検討いただくということでございます。  この背景といたしましては、最終報告で御指摘をいただきました特定疾患調査研究事 業及び治療研究事業の対象疾患の選定につきまして、昨年(平成8年度)に特定疾患対 策懇談会で御検討をいただいたところであります。その結果が資料の3でございます が、資料3にございますとおり、調査研究事業につきましては、対象疾患選定基準の具 体的な御提言をいただいたところでございますが、治療研究事業の対象疾患選定基準に つきましては結論が出ませずに、一番最後のページにございますけれども、今後の難病 の方向などを踏まえながら、事業のあり方を再構築する必要があるとの御指摘をいただ いたところでございます。こういった経過を踏まえまして、今回、難病対策の具体的な 展開方策につきまして、難病対策専門委員会で検討をお願いしたいと考えるに至った次 第でございますので、よろしく御審議をいただきたいと存じます。  以上でございます。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。  従来から問題になっていたのですが、治療研究の対象疾患の選定基準について、議論 をしていただいたのですが、なかなかまとまらなかったということで、今後難病対策部 会のもとで専門委員会をつくって、治療研究の対象疾患の選定基準を決めたい。かなり 大きなテーマになると考えております。今の事務局からの説明について御意見おありで しょうか。  今までどういうことが一番問題になったのですか。治療研究の対象、今回いろいろ議 論していただいたのですね。 ○荒川疾病対策課課長補佐  議論の過程では、ここの資料の5ページ以降、選定基準につきまして、基準の設定に ついて、例えば重症度であるとか、稀少性とか、QOL等について御検討いただいた訳 でございますけれども、例えばこの事業につきましては、いわゆる稀少疾患について症 例を確保して研究を促進するという研究の観点と、患者の医療費をなるべく支援をし て、医療費の自己負担の低減を図っていくという福祉的な色彩と両方ある訳でございま すけれども、例えば研究という目的でございますと、高額所得者であろうが、何であろ うが、収入によって差をつけるというような必要はない訳ですけれども、福祉施策であ るという点に着目すれば、むしろ更生医療等と同じように、一定の負担金をとるとか、 もしくは所得制限を設けるとかといった必要が出てくる。その辺のところで、どんなふ うに整理していったらいいのかという理念的な問題もございます。  それから、治療研究事業も、財政的な面から見ますと、毎年患者が1割ずつ増えてお りまして、平成8年3月末で約32人万に医療費を支給しておりますけれども、恐らくこ れが毎年1割ずつ増えておりますので、今年の3月には35万人、近い将来40万人を突破 するのではないか。医療費も毎年1割以上ずつ伸びておりまして、今度もし健保法の改 正等が行われますと、患者の自己負担が増えますので、公費負担分も自動的に増えま す。現在、平成9年度予算で190 億円、これは2分の1補助ですけれども、それだけ確 保しても、2分の1補助になかなか追いつかないという状況がございますが、そういっ た財政的側面等もございます。  それから、先ほど言いましたように、難病対策につきましては、ALS等の重症患者 に対する施策が弱いのではないかというような国会等での指摘もいただいたおります。 しかしながら、財源的には、難病対策約200 億円のうち、180 数億円、190 億近くは治 療研究事業が占めておりまして、ほかの分野に展開していく、新規政策をやっていくだ けの財政的ゆとりもないというようなことで、総合的な難病対策の方向、施策として再 検討をお願いする時期なのではないかということでございます。 ○杉村委員  今、聞き逃したが、200 億のうち、研究に使われているのは幾らで、患者さんの治 療、福祉等に使われているのはどのぐらいなんですか。 ○荒川疾病対策課課長補佐  純粋な研究といいますか、調査研究のほうへ使われておりますのが14億8,000 万円、 15億円弱でございまして、これに対しまして、治療研究、いわゆる公費負担のほうに使 われておりますのが、平成8年度で146 億程度で、9年度は約40億円ぐらい増やしてお りますけれども、全体としてはそちらのほうが非常に大きいということでございます。 ○高久部会長  難病研究といっても、調査研究のほうは10分の1足らずで、大部分は治療費の補助の ような形で、出されている。名前が治療研究になっているということなのですね。 ○杉村委員  難病だから、現に困っておられる患者さんの治療に使ったほうが有効であるというの は理解できる。10分の1位でよいかは問題である。 ○高久部会長  それだけではなくて、調査研究ではどうしても患者さんが対象になるものですから、 何らかの形で治療の補助をしていると患者さんを把握しやすい。治療研究の対象の患者 さんが、同時に調査研究の対象になるということですね。 ○杉村委員  患者さんの情報を把握するというためにも、そういうことが有効であるというのは分 かります。しかし過去何年間かやって、何をして、それによって新しい治療法が生まれ て、全体として医療費が減少したとか、その病気の発生がなくなるとかというような効 果はどの程度あったんですか。 ○荒川疾病対策課課長補佐  治療研究事業、調査研究事業合わせまして難病の研究ということで長年やってきまし て、ちょうど今年が25年目になるんですけれども、最大の成果は、難病の診断基準が確 立されまして、全国で適正な診断が行われるようになったということが効果としてはあ ると思います。  それから、膠原病等を中心にしまして、対症療法がかなり進歩した疾患がございまし て、逆に言いますと患者数が飛躍的に増えてきたというのは、疾患別に見ますと予後が 非常に改善された疾患がございまして、お亡くなりになる方が少なくなってきたという こともある。それは非常に大きな成果ではないかと思います。 ○高久部会長  今、説明がありましたように、診断基準を統一する事が出来た、それから全国的な患 者数の把握が出来ている。意外と外国ではこれが出来ていないのですね。日本は難病対 策を実施したために、そういう意味では優れた臨床的なデータをたくさん持っている。 それから、重症筋無力症など以前は非常に治療が難しかった病気が随分よくなった。ス モンとキノホルムとの関係というほどにはクリアカットにいかないのですが、全体とし て見れば難病全体の予後がよくなったということと、日本全体の臨床的な状況が把握出 来たという効果は確かにあった。それは、主に調査研究の成果ですね。 ○杉村委員  資料1で先ほどクロイツフェルト・ヤコブの御説明があった時に、4ページ目に図2 があるんですね。だんだん増えている。だけれども、だんだん増えているのみならず、 非常に注目すべきは、カーブの様態が非常に変わっていますよね。初年度のほうは死亡 率のほうが罹患率より高かった。それは即ち、昨年見つかったのが今年は亡くなったと か、そういうことでしょう。だんだん今度は1994年ぐらいになると罹患率と死亡率が ずっと離れている。つまり罹患したということが分かってから死亡するまでの間が長く なっているということを意味しているんだと思うんだけれども違うんですか。今まさに 言われたような意味での効果がここにあらわれている。こういうことが起こっていると いうことでしょう。 ○遠藤疾病対策課長  図2のカーブのずれは古いほうは罹患率のほうの把握漏れもございますし、死亡率の ほうも、あるいは診断漏れがあるかもしれないという診断がどうだったかという話も一 つはございます。それから、本来であれば……。 ○杉村委員  それなら一つの期間へ直線でつながない方が良い。不正確な時代の直線と正確な時代 の直線を一緒につないで科学は議論出来ない。 ○遠藤疾病対策課長  少なくとも最近は平均的な生存期間を示しているものかなと思っていますが。 ○高久部会長  さっき荒川補佐から説明がありましたように、治療研究の対象患者が増えたというこ とは、それだけ長く生きておられる患者さんが増えたという事です。確かにSLEなど も以前に比べると随分予後がよくなって、重症の患者さんが減りました。ただ慢性の疾 患が多いものですから、CJDで示されたようなことが難病全体として起こっていると いうふうに言ってよいのではないでしょうか。 ○杉村委員  日本の過去のやり方は非常に成功だったと思う。 ○高久部会長  難病対策についていろんなことが言われていますけれども、そうだと思っています。 ○杉村委員  それをはっきり言わないと、誤解される。 ○高久部会長  大蔵省によく理解していただく必要があるのですね。難病の研究は主に臨床的な研究 になるものですから、基礎の研究の様に劇的な成果というわけにはいかない。しかし、 ロングスパンで見るとかなりの成果が上がっているということは間違いと思います。去 年に比べて今年どれだけの成果が上がったのだと言われると苦しい点があって、それで 見直しなどが、今まで行われきたのですが、私は難病の研究は長期的には大きな成果を 上げてきたと思っております。 ○杉村委員  僕もそう思う。何でもかんでも簡単に見直しとかいうと、みんな悪いことをしてたん だとすぐ思い始める。 ○高久部会長  ほかに何か御意見ございますか。治療研究の対象疾患の選定の基準について、現在あ ります専門委員会で検討し直すということについて御了承いただきたい、そういうこと ですね。 ○荒川疾病対策課課長補佐  はい。 ○高久部会長  もしなければ、次に、臓器移植に関する法律案の経過について、これは貝谷室長さん からどうぞ。 ○貝谷臓器移植対策室長  資料の一番最後に参考資料5というものがございまして、「『臓器の移植に関する法 律案』に関する経過」という資料でございます。随分前からの経過が書いてございます が、(2)の現在審議中の法律案の経過というところをごらんいただきたいと思いま す。(1)として「脳死は人の死であるとする法律案」というふうに書いております。旧法 案が廃案になりました後、昨年の年末、12月11日に再度議員提案によりまして臓器移植 法案が国会に提出されております。継続になりまして、今通常国会、3月18日に本会議 での趣旨説明・質疑が行われました。委員会での提案理由説明を終えまして、そこに書 いてございますような日程で、これまで厚生委員会で3度の委員会質疑が行われており ます。一昨日もございました。かなり濃密な議論が提案者と構成員の間で交わされてい るということでございます。  なお、今後の予定としては、4月8日、来週の火曜日でございますが、専門家の先生 方に来ていただいて参考人の意見聴取・質疑が行われるという予定になっているところ でございます。  なお、(2)として書いてございますが、脳死を人の死としないという立場での法律案、 いわゆる対案と呼ばれているものでございますが、それが出されております。同名の法 律案でございますが、3月31日に金田誠一衆議院議員外5名の先生方から提案されており まして、昨日、厚生委員会でその提案の理由が説明されたところでございます。今後こ の2つの法案についてさらに突っ込んだ審議が行われるというふうに考えているところ でございます。  次のページですが、前回のこの部会におきまして設置が了承されておりました臓器移 植専門委員会がスタートいたしまして、去る3月11日に第1回目の会合が開かれており ます。ここに書いてございますような各先生方、幅広い先生方にお集まりいただきまし て御審議をいただくことにしております。法案の行方を見ながら、順次審議を進めてい るところでございます。  以上でございます。 ○高久部会長  どなたか御質問、御意見おありでしょうか。  この専門委員会の委員長はどなたですか。 ○貝谷臓器移植対策室長  委員長につきましては、東海大学医学部長・黒川清先生が選ばれてございます。 ○高久部会長  この「脳死を人の死としない法律案」でも、移植はしても良いということですか。 ○貝谷臓器移植対策室長  移植を進めるという点では全く共通でございますが、脳死を死とするかどうかという ところが非常に大きな違いでございます。  ちょっとお時間をいただきたいと思いますが、(2)にございますが、「脳死を人の死と しない法律案」点は、今、部会長がおっしゃるように脳死からの移植を進めるという立 場では全く共通している訳でございますが、ずっと以前出されております法案では、脳 死は人の死であるという前提のもとに、死体の中に脳死体というものが含まれるという ことを前提といたしまして、心臓、肝臓、その他の臓器の移植を行うという立場でござ いますが、今回出されております「脳死を人の死としない法律案」では、いわゆる従来 の心臓死による死体のほかに、脳死状態という状態を死体とは別な形で位置づけまし て、脳死状態から心臓などの臓器を摘出することが出来るというような形で構成されて おります。基本的な枠組みは、従来出されている法律案とそう大きな違いはございませ んし、実態には移植を進めるという点では共通しておりますが、考え方として前提が大 変大きく違っているということでございます。 ○高久部会長  ほかにどなたか御意見、御質問ございますか。太田先生どうぞ。 ○太田委員  しかし、実際問題としまして、現場の問題でございますけれども、人の死としないと いうことになりますと、生きているということに一般的には考える訳ですね。そうしま すと、家族にとりましては、生きているんだけれども、心臓をとらせてくださいという ことになる訳ですね。そうすると殺してしまうことになるんですね。ということは医者 のほうとしても、生きている人から心臓をとって殺すことになりますので、医の倫理に 極めて反することになるので、これは実際的にも矛盾して、基本的に出来ないんじゃな いかと思うんです。今まで臓器を提供なさった方からお伺いしたんですけれども、アメ リカで提供なさった方なんかも、要するに脳死は死である。亡くなりましたと言われた ので、では、臓器を提供しましょうということで納得出来たけれども、これはまだ生き ています けれども、臓器を提供しますかと言われて、殺されちゃうんですか。心臓をとること は殺すことになるんですかということになりますと、差し出すほうも抵抗があります し、もらうほうも抵抗がありますし、またこれと嘱託殺人との間の、本人の意思がある から提供してとってもいいんだということになると、どうやって区別をつけるんだろう なというふうなことを疑問に感じております。その辺はどうでしょうか。 ○貝谷臓器移植対策室長  今回一連の法案のもともとのスタートが脳死臨調での御議論、結論でございまして、 脳死臨調での意見では、脳死は人の死であるということで概ね社会的にも認められると いう結論でございました。そういう結論に基づいて、中山太郎先生が出された法案では 脳死を人の死という前提で掲げております。  したがいまして、そういう立場では、先般出されました「脳死を人の死としない法律 案」というのは、その立場とは若干といいますか、基本的な立場は全く違うものという ふうに理解しております。 ○高久部会長  いわゆる低体温療法がNHKで放送されたり、文藝春秋で柳田先生が詳しく書かれた りしている。本当は脳死からの回復ではないのですが、一般の人に脳死から回復したと いうふうに理解している人が多いように思います。低体温療法についての一連の報道 が、この議論に影響はないのでしょうか。 ○貝谷臓器移植対策室長  国会でも本会議の質問の際、今、部会長がお話になりましたような脳低温療法という ものと、特に脳死との関係が大きな議論になっております。ただ審議の中で、今おっ しゃいましたような脳低温療法というのは、あくまでも救急医療での新しい技術であっ て、手を加えなければ脳死になるであろう患者さんをぎりぎりの努力でそれに至らしめ ないような療法であって、既に脳死に至った患者さんを蘇らせるような療法ではないん だということが明らかになりまして、3回ほど委員会審議が行われておりますが、最初 のほうは、そういった事実関係の誤認等が見られましたけれども、ほとんどその点では 脳死との関係というのはかなりクリアに議論されているというふうに私どもは理解して おります。 ○杉村委員  僕もあれを読んで心配というか、何となく釈然としないところがあったんだけれど も、つまり今おっしゃったように、ぎりぎりの努力をすれば、脳死状態にいくと思われ るものが脳死状態にいかないとすれば、理想的にいえば、みんなそれをすべきというこ とになる。 ○高久部会長  ただ、あれは今までも問題になったがんに対する特殊な治療法と同じで、個々のケー スをピックアップして有効であると報告しているけれどもその際はサイエンティフィッ クな評価をしていないのですね。 ○杉村委員  がんの例というのを説明して下さい。 ○高久部会長  がんの薬でいろいろあやしげなのがありましたよ。この際は、余りサイエンティ フィックな根拠がありませんでした。 ○杉村委員  国民のコンセンサスというのは、サイエンティフィックじゃない場合もありうる。 ○高久部会長  そうなんです。それで困るのです。 ○杉村委員  ですから、困られるんじゃないかと、なお心配が残る。 ○貝谷臓器移植対策室長  国会でも脳死の判定を行う際にはぎりぎりの努力が救急医療で行われたことを前提に やるんだろうから、今おっしゃったように、すべからく例えば脳低温療法というものを やるということを考えたらどうかというような御議論も一部ございました。ただ、私ど もが専門家の先生からお聞きしているところによりますと、脳低温療法は、個々の患者 さんの症状によってということでございますが、重度の心疾患なり、あるいは肺炎等の 感染症については、勿論それは禁忌ということで考えられておりまして、ケース・バ イ・ケースで考えていくべきであるというのが共通の認識になっているというふうに理 解しています。 ○高久部会長  それにすごくお金がかかるのですね。一応この議論の中では、議員の先生方も御理解 いただけているようですから良いのではないかと思います。 ○杉村委員  将来また問題となる可能性はある。 ○高久部会長  可能性はありますね。 ○杉本委員  まだ意見聴取の段階でこういうことを伺うのは何ですが、この後の段取りはどんなふ うに見込まれるのでしょうか。 ○貝谷臓器移植対策室長  国会での御審議でございますので、今決まっております来週の8日以降の日程につき ましてははっきりしないんですが、実際上としては、委員会で3回ほど濃密な議論が行 われましたので、そろそろ議論としては相当やったなというのが厚生委員会の雰囲気と いうふうに理解しておりまして、今後の展開によっては採決といいますか、そういった 方向にいずれ向かうのではないかというふうに考えております。ただ、この法案につき ましては、共産党を除きまして、各党とも党議拘束を外しておりまして、どういう形で 国会で採決をしていくのか、委員会採決をするのかどうかということがまだ議論になっ ております。そこの兼ね合いもございまして、今後若干そこは不透明な状況かと思って おります。 ○小林保健医療局長  少し補足しますと、今この資料にもございますが、「脳死を人の死としない法律 案」、対抗案が出てきたのが実は厚生委員会の質疑の後出てきたということで、両方の 法案について是か非かと、こういう議論がまだされていない。それで、来週の8日の日 に参考人聴取をやるのも、これは中山先生が出された(1)のほうの法案についての参考人 聴取、そういう目的で選んでありますので、(2)のほうの法案についても、当然参考人を 呼んで審議をすべきだという議論もあります。まだそこはこれからの話なんですね。(2) のほうの参考人になれば、多分、先ほど太田先生もおっしゃられたように、それは殺人 じゃないのかということを言う人を選ぶべきだという人もいますから、参考人の選び方 も基準が変わるんじゃないか。理屈としてはそんなふうになるんじゃないかという気が しますけれども、まだ決まっていません。  いずれにいたしましても、いま貝谷が申し上げましたように、これは共産党を除くと ころは党議拘束を外してある。議員さんが議員立法でやっておりまして、答弁も、議員 さんが質問して、またそれに対して提案者の議員さんが答える。自民党の人が質問して 自民党が答える。または新進党の人が質問して新進党の提案者が答えるというような非 常に珍しい、というのは、国会が出来ましてから、こうやって法案をつくるというのは どうも初めてのようでございまして、今後の成り行きは、まだ経験がない世界を議員の 先生方は経験していらっしゃいます。ですから、今、委員会で採決するか。委員の採決 をせずに、本会議だけで採決をするのかということも、また本会議での採決もどういう 方法でやるのか。というのは賛成多数でやるのか、それとも投票でも、記名投票にする のか無記名投票にするのかということはまだ決まっていないという状況にあります。  ただ分かることは、(1)も(2)も臓器移植をやめよという意味での法案ではないんです ね。そういう意味では議員の先生方も今国会中には議論をして結論を得ようよと、反対 は反対者でいい。2案の賛成でいいけれども、やはり議論をして、それで国会の総意と して多数決でどっちに決まったということにしないと、国民の皆さん方に申し訳が立た ないというふうに国会議員の先生方は言っていらっしゃる方が多いんです。そういう意 味では、今国会中に採決をして白黒はつけようということを多くの議員さんがおっ しゃっていますので、私のほうとしては、今国会中に採決が行われると思います。  それから、さっきの脳死を死とするかしないかについては、もう脳死臨調で議論が済 んで、脳死は人の死という結論が出ている。世界各国ともみんな脳死を人の死として法 律に書いたり、または法律に書かないまでも慣例として認めているというのがほとんど で、逆に脳死を人の死としないで臓器をとっているという国はないものですから、私は 多分(1)のほうで多くの議員さんが最終的には賛成されるのではないかなと、ここは予測 でありますけれども、こんなふうに思っております。 ○高久部会長  どうぞ。 ○杉村委員  局長にお伺いしたいんだけれども、(2)のほうは、省略して書いてあるんだろうとは思 うけれども、本当に「脳死を人の死としない」という言葉なんですか。死を死としない というのは日本語でそもそも変じゃないか。 ○貝谷臓器移植対策室長  これは法案でございますので、私どもどうこう言う訳ではございませんが、法案をそ のまま読みますと、(2)の法案におきましては、「脳死状態」という言葉を使いまして、 「脳死状態とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された身 体の状態を言う」というふうに規定しております。いわゆる死とする立場と同じような 「脳の不可逆的機能停止」という言葉を使っておりますが、あくまでも生きているとい うことでございまして、脳死状態ということ、あるいは身体の状態というようなスタン スで定義されております。それと、死とはまた別に規定されておりますので、難しい面 がございますが、そういう規定ぶりということになっています。 ○高久部会長  太田先生どうぞ。 ○太田委員  2つ出て対案が出ている訳ですね。これでもってどっちか1本にして、これで可否を 問う、どっちをいいかと可否を問うと、どういうことになるんですか。 ○小林保健医療局長  今まで誰も議論していないんですが、多分(1)の案に賛成の方、(2)に賛成の方、両方 とも反対の方と3つに分かれるんじゃないでしょうか。 ○太田委員  どっちかにしてやると、それでだめになっちゃうと脳死での臓器移植がまた当分の間 出来なくなっちゃうと思うんです。 ○小林保健医療局長  多分言われたように、今のところだと、(1)賛成、(2)賛成、両方とも反対、そもそも 臓器移植はまかりならぬという先生方もいらっしゃいますので、そうすることは、逆に 言うと人工臓器の開発に今度は研究が進んでいくということで、それが正しいんだとい う先生もいらっしゃる訳ですから、そこはどうなるかはちょっと分からないです。 ○太田委員  3つに分かれて、これかこれかこれかという、そういう採決をやったことはあるんで すか。 ○小林保健医療局長  今まではないです。 ○高久部会長  どうぞ。 ○奈良委員  小林局長が世界のほとんどはもう認めているということだったんですが、まだ認めて いない国は当然日本以外にもあるということですね。 ○小林保健医療局長  あります。 ○奈良委員  参考までに分かりますか。 ○貝谷臓器移植対策室長  パキスタンとルーマニアぐらいの国です。非常に数少ない国です。 ○小林保健医療局長  2つぐらいしかありません。 ○貝谷臓器移植対策室長  勿論アフリカ諸国とか、アジアではっきりしない国もございますので、そういったと ころはちょっとあれですが、いわゆる主要国の中では今言ったような状況でございま す。 ○太田委員  法律を持たずに脳死で移植をしている国は結構いっぱいあります。例えばすぐそばの 韓国はそれでやっていますし、タイ国もそうですし、台湾は法律をつくってやっていま す。韓国は昨年末まで63例の心臓移植をやっております。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。 少し時間がありますので、今日御議論いただきましたクロイツフェルト・ヤコブ病、 あるいは難病の問題、今の臓器移植の問題、何でも結構ですが、どなたかもし御意見、 御質問がおありでしたら、どうぞ御遠慮なくおっしゃってください。 ○杉本委員 診療マニュアルですけれども、これは市販の形をとっている訳ですが、全国の病院、 診療所に対する周知の仕方というのはどういうふうにやっていらっしゃるんでしょう か。こういうものが市販されているから購入して対策を立てておくようにという指導が あるのだろうと思うんですが、それはどういう場で、どういう形でやっていらっしゃる んですか。 ○塚原疾病対策課課長補佐  525 円で市販しております。調査対象となりました医療機関で調査に御協力いただい たところには研究班のほうから約4,000 部を無料で配布をしていただく。それから、研 究班のほうから脳外科学会のほうにも併せて必要数配布をしていただくということでお 願いをしております。そのほかに、この診療マニュアルの原稿が出来ました段階で、印 刷に時間がかかるということもございまして、特に消毒法でありますとか、必要な部分 について医療の安全を確保するという観点から必要な部分を抜粋いたしまして、都道府 県、日本医師会さんを通じて全国の医療機関のほうに既に周知を図っております。 ○高久部会長  そういうことだそうです。ほかにどなたか。  柳川先生どうぞ。 ○柳川専門委員  クロイツフェルト・ヤコブの疫学に関することですが、先ほど杉村先生から御指摘の ありました罹患率と死亡率の関係ですが、これについては研究班でかなりディスカッ ションしまして、一つ問題点としては、症例の収集をお願いした時期が5年間はお願い します。可能なところは10年というようなことがありますので、前半のほうは、そうい う意味でかなり落ちている。その辺を推定するとどうなるかという数字なんかもいろい ろ出して、どうも並行出来ているんじゃないかという推定もあるんですが、やはりここ では事実をそのままお出ししたほうがいいんじゃないかということでありました。  もう一つは、先ほどお話がありましたサーベイランスの話、今後の調査の話なんです が、佐藤先生のこの調査は回収率75%という大変な努力をされて、それでこういういい 結果が出たんだと思います。先ほどからお話がありましたように、NaOH処理が始め られてから、まだそんなに経っていませんので、それ以後の発生状況というのは、これ と同じぐらいの精度で今後サーベイランスを強力に継続的に続けていく必要があると思 いますので、その辺の精度を維持するための努力を研究班と厚生省の方々に多いにやっ ていただきたいと思います。 ○高久部会長  ほかにどなたか御質問ございますか。 ○杉村委員  一般にサーベイランスに日本は弱い。きちんとそういう基本になるようなデータが出 て、前のほうは柳川先生のように数学に詳しい方がいろいろ補正されたりすると、非常 にいいんじゃないかと思います。 ○柳川専門委員  数学じゃなくて、疫学です。 ○高久部会長  疫学の方もだんだん充実してきていますので、以前よりはかなり良いサーベランスが 出来るようになってきていると思います。ほかにどなたか御質問ございますか。  それでは、少し早目ですが、これで議事を終了させていただきたいと思います。  事務局のほうから何かありますか。 ○塚原疾病対策課課長補佐  本日は大変お忙しい中ありがとうございました。  なお、1月20日のこの部会におきまして、議事録の公開ということで公開することに なってございますので、後日、事務局のほうから委員の先生方に本日の議事録を御送付 いたしますので、内容を御確認の上、事務局のほうまでお返しいただければ大変ありが たいと考えております。 また、この会議終了後でございますが、最終報告につきまして、5時から厚生記者会 のほうで発表することになっておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 その際、佐藤班長にも御同席をいただくことになっております。  以上でございます。 ○高久部会長  長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございました。特にクロイツフェル ト・ヤコブ病等専門委員会の先生方、御出席どうもありがとうございました。  本日はこれで終わらせていただきます。 問い合わせ先 厚生省保健医療局疾病対策課    担 当 塚原(内2353)    電 話 (代)03-3503-1711