97/02/27 公衆衛生審議会リウマチ対策専門委員会(2回)議事録 公 衆 衛 生 審 議 会 成 人 病 難 病 対 策 部 会 リ ウ マ チ 対 策 専 門 委 員 会 ( 第 2 回 ) 議 事 録 厚生省保健医療局疾病対策課 公衆衛生審議会成人病難病対策部会リウマチ対策専門委員会(第2回)議事次第  日 時:平成9年2月27日(木) 14:00 〜16:10  場 所:厚生省別館5階特別第2会議室   議 題   1.開 会   2.議 事 (1)第1回公衆衛生審議会成人病難病対策部会リウマチ対策専門委         員会議事及び追加意見について (2)リウマチ対策における検討事項について(案) (3)その他   3.閉 会 ○越智委員長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回公衆衛生審議会成人病難病対 策部会リウマチ対策専門委員会を開催いたします。 会議に先立ちまして、委員の出欠状況につきまして事務局から御報告をお願いいたし ます。 ○塚原補佐 本日は、古野委員と杉原委員が御都合がつかず御欠席をされておられます。また、西 岡委員は御出席いただけるとお伺いしておりますが、若干遅れているようでございます 間もなく見えられると思います。 以上でございます。 ○越智委員長 ありがとうございました。 それでは、議事に入ります前に資料の確認をお願いいたします。 ○塚原補佐 それでは、資料の確認をお願いをいたします。 今回、直接議論に関係してまいります資料は4つ用意してございます。 資料の1でございますが、分厚いA4の縦のものでございますけれども、これは第1 回の議事録でございまして、議事録を一度先生方にお送りをいたしましてチェックをし ていただいた上で修正をしたものでございます。 それから資料の2でございますけれども、先生方に前回の第1回の委員会の後にいろ いろ御意見をお寄せいただいたものの中身につきまして事務局の方で、これは機械的に と申しますか、まとめさせていただいたものがこれでございます。 それから、資料の3につきましては、先生方からお寄せいただきました御意見を検討 事項というような形で事務局の方で出来るだけ趣旨に合うような形でつくった訳でござ いますけれども、検討事項ということで資料の3という形で準備をさせていただいてお ります。 それから、資料の4でパンフレットがございまして、「難病患者等居宅生活支援事業 が始まります」というパンフレットを付けておりますが、今年の1月から難病患者さん 方に対してもホームヘルパーの派遣でありますとか短期入所サービス、あるいは日常生 活用具の給付といったような事業を市町村が主体として実施をしていただくということ がスタートいたしまして、国がそれに補助をするというような格好で事業を進めている 訳でございますけれども、その難病患者さんの中にリウマチの患者さんもその対象とし て含まれておりまして、こういったサービスが今年の1月から徐々に地方においては進 められている、充実してくるというようなことで、御紹介ということで資料を付けてお ります。 資料の御確認については、以上でございます。 ○越智委員長 それからもう一つ、お手元にお配りしておりますのが慢性関節リウマチの診察治療マ ニュアルで、これは第1回のときに少しこういうものを作成中であるということを御説 明させていただきましたけれども、1つは昨年のリウマチ科の自由標榜に合わせて、出 来るだけリウマチ科を標榜された多くの先生方に最低必要限度といいますか、これだけ は知っておいてほしいということで診察治療マニュアルを、これは厚生省の監修という ことで財団にお願いいたしましてつくっていただいております。基本的には厚生省のリ ウマチ治療班でまとめたものが後半にガイドライン、33ページからですけれども、これ は班会議のリウマチ班でまとめたものです。 それから、前半は財団でテキストブックをつくっております中で必要かなというもの を抜き出して、合わせましてリウマチ科を標榜した先生方にこれを出来るだけ広くお配 りしまして手元に置いていただきまして、最小限度これだけは知っておいてほしいとい うものをつくらせていただきましたので、一応御参考までということでお配りさせてい ただきました。 以上でございます。 ○越智委員長 ただいま塚原補佐から御説明がありましたけれども、そのことに関しまして御意見が ございましたらいかがでしょうか。よろしいですか。 それから、資料2でございますが、これは第1回の会議で会議中の議事録及び会議後 各先生方からの意見をまとめたものですが、お目通しいただきまして大体この形でいい ものであるのかどうかということを見ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか お目通しいただきながら、途中でももし御異議がございましたら御指摘いただくという ことにいたしまして、この議事に入ります。 一番最初に、まとめていただいております検討事項の案につきまして、事務局から御 説明をお願いいたします。 ○塚原補佐 それでは、資料の3と打っておりますA4の縦の紙がございます。「検討事項 (案)」と書いてありますけれども、こちらの方に基づきまして御説明をさせていただ きたいと存じます。 それで、この資料の3につきましては資料の2で先ほど申し上げましたように、先生 方からお寄せいただいた御意見を非常に概要的にまとめさせていただいております。そ れで、御意見の多かったものの方から、上の方から並べているというような順番も少し 変えてございますが、基本的には先生方の御意見をすべて網羅するような形でつくった つもりでございます。 順を追って御説明をさせていただきますと、医療の確保・充実ということが1つ大き く項目として挙げてございます。それで、小項目として地域の医療機関での診療水準の 確保ということと専門拠点施設の確保、それから医療機関あるいは診療科間の連携とい う3つの点にまとめさせていただいております。 それで、具体的には例えば御意見の中で拝見しますと、リウマチの研修制度の確立で すとか、あるいは二次医療圏または各ブロックごとに拠点施設の整備が必要である。あ るいはリハビリテーション施設、専門医療施設の充実が必要だ。あるいは、緊急時に入 院可能な医療体制の整備というようないろいろな医療にかかわる具体的な御意見をちょ うだいしておりましたけれども、基本的にはその地域でのプライマリーケアと申します か、地域での病院、それから拠点となるような専門病院、その両者の連携あるいは診療 機関の連携ということで大体包含出来るのではないかということで、とりあえず事務局 の方ではこういう形でまとめてみました。 それから、2番目には在宅ケアの充実ということでありますけれども、これもたくさ ん先生方から御意見をいただいておりまして、それを大まかにまとめてみますと、ホー ムヘルパーの派遣でありますとかといったような難病患者さんの居宅支援事業を推進し ていくというようなことが1つ大きな検討事項になるのではないか。 それから、前回の御議論でもありましたように、保健婦さんでありますとか、OT、 PTの方、コメディカルと言われるような方々同士の連携というようなものも在宅ケア では非常に大切であるというような御意見を踏まえて、こういう言葉で概要の集約をさ せていただいております。 それから、3番目の柱といたしまして保健医療従事者の育成ということで、これも非 常に先生方からたくさん御意見をいただいておりまして、保健婦とコメディカルの育成 及び教育体制の整備でありますとか、リウマチ専門のリハビリテーション指導者の確保 というようないろいろな観点からの御意見をいただいておりまして、大きくコメディカ ルの方々の育成ということと専門医という2つに分けて整理をさせていただいておりま す。 4番目に研究の推進ということを挙げてございますけれども、こちらも資料2の方に かなり具体的に御意見をお寄せいただいておりますが、それを大きく5つに整理をさせ ていただきました。 まず原因究明をどうするかということと、それからかなり長期的な研究課題というこ とになるかもしれませんけれども根治療法の開発、あるいは直近の課題として疼痛の除 去をどうするかという問題、それからリハビリテーションをどう推進していくかという ような問題、あるいは基礎研究と臨床研究の連携が必要であるというような御意見が前 回かなり出ておりましたので、この5つの点を挙げてみました。 それから、5番目に情報把握・提供ということで、これも情報化の推進に関してかな り先生方、7名の先生からいろいろ御意見をいただいておりまして、それを集約をした 訳でありますが、1つは患者さんでありますとか医療従事者に対してどう情報交換をし ていくかという側面と、研究成果あるいは医療機関情報の提供という2つの点から大き く集約をしております。 それで、そのほかいろいろ具体的に、少数意見でありましたけれども、幾つか御意見 をいただいておりましたのを6のその他ということでまとめておりまして、1つは二次 予防の必要性というようなことを御指摘いただいておりますし、それから障害認定制度 の再評価というような御意見がございました。それから、診療報酬上の評価というよう なことで概括されると思いますが、診療報酬の点からも御意見がございましたので、こ ういった内容でまとめさせていただいております。 ペーパーでのやりとりでございましたので、十分先生方の意を酌んでいない面もあろ うかと思いますし、その後お寄せいただいた後、また新たに御意見があったかと思いま すので、その点も踏まえまして、これで検討事項が全部網羅されているのかどうかとい うことも含めて御議論をいただきたい。より具体的な御議論をいただきたいと思ってお ります。 ○越智委員長 ありがとうございました。 今、申されましたように、第1回あるいはその後の資料を基にしまして、事務局の方 でまとめていただきまして今日の検討事項というのが、今日といいますよりも、この委 員会での検討事項というのが資料3にございますが、この辺りが抜けているとか、ある いは是非これを加えておくべきだということがございましたらどうぞ御指摘ください。 よろしいですか。 それでは、今日の時間、限定されておりますけれども、一通り6番までのところを御 意見を伺いますので、どんどん御意見をいただきまして最後にまとめて、これが予算を 伴います意見といいますか、そういう形になるのを期待しながらということでございま す。 前から順番ということでございますので、まずここでまとめていただいた順序に御意 見を伺っていきたいと思います。 まず医療の確保・充実、1.地域の医療機関での診療水準の確保、2.専門拠点施設 の確保、3.医療機関診療科間の連携というようにまとめていただいております。言い 換えましたら、リウマチ科を自由標榜されました方、実際に御開業の先生方が多いと思 いますが、その先生方のいわゆるプライマリーケアのレベルから、いわゆる基幹病院、 センターというまでの間の医療の確保・充実ということでございますが、これはいろい ろな先生方が御意見を出されております。それで、特に開業での本当の第一線の先生か ら、各基幹病院の一番中央になりますか、そこまでの各レベルということの格差を狭め るべきであるとか、あるいは多くの方々が御指摘していただいておりましたのが、やは り医療の中心になりますセンターがあって、そして各地区でまたそのような拠点が欲し い、またこの医療基幹の間に連携が必要ではないかというようなことを、大抵の多くの 先生方から御指摘いただいておりました。 それで、話の流れを順調にするといいますか、その意味でこの一つの案、たたき台の ようなものを御提示いただきまして、それでカバー出来るのかどうか、あるいはもう少 し補わなければならないのかというような話の進め方をすれば一番合理的かと思いまし て、西岡委員から御提案いただくことになっておりますので、西岡先生よろしくお願い いたします。 ○西岡委員 それでは資料をお配りさせていただきます。 今、越智先生が言われたこの検討事項の1、2、3、4、5までを一応網羅したよう な一つの考え方で、リウマチ性疾患総合センター構想と地域ネットワークケア構想とい うものを私なりにいろいろな方面から情報を集めてまとめてみたのが第1回目資料なん ですけれども、ちょっと説明させていただいていいですか。 ○越智委員長 どうぞ、お願いします。 ○西岡委員 まず、総合センターというのはリウマチ性疾患総合センター、この図の中で「総合セ ンター」となっていますけれども、言ってみればこの地域ブロックセンター、それから 登録医リウマチ科を標榜した先生方ですね。そういうもの、それからあとはここで出て います先ほど来問題になっています一般医、それからほかの例えば皮膚科に行った疾患 でもリウマチ性疾患はたくさんある訳ですから、そういう第一線の先生方との間の地域 ネットと、こういうふうな大体4つのシステムから成っています。 それで、「総合センター」というのはヘッドクォーターがここに位置します。それで ここの機能というのは基本的コンセプトというところに書いてありますけれども、リウ マチ性疾患総合センターの機能の対象疾患は、一応リウマチ性疾患としては慢性関節リ ウマチ、膠原病、主として変形関節症等というふうに「等」を入れていただければと思 います。「総合センター」の主な機能その病因解明、それから先端的な治療研究教育研 修を中心とした機能がそのヘッドクォーターになります。 それから勿論、先ほど言いましたリウマチ情報センター的な機能を、例えば次のシス テムのブロックセンターとか登録医とかに流す一つの、今はリウマチ財団がある程度そ ういう機能をやっている訳ですけれども、そういうふうなヘッドクォーターをまずつく る。 それから、全国にこれは幾つかはともかくとして6ぐらいの既存の、地域ブロック機 能を有した中核病院として位置づけ、リウマチ科標榜医療機関や登録医との間での病診 連携を図る。つまり、次のサブシステムのところにあります登録医標榜医との間の病診 連携を図る。 ここは、例えば既存の幾つかの病院をうまく効率よく利用することによって、一つの センター的なユニットをその中に設ければいいのではないかというふうに考えています これは勿論、後で検討していただいて結構なので、新しいそのセンターを何とかつくら なくちゃいけない。 例えば、地域がんセンターが今、県立がんセンターとかいろいろありますけれども、 そういうふうなものを新しく作るのではなくて、基本的には既存の診療機関たとえば赤 十字病院ないしはそういうものをうまく利用することによって地域のブロックセンター を全国に大体6か所ぐらい設ける。 その次のシステムとしては、先ほど来申し上げていますように登録医とリウマチ科の 標榜医と。財団の方としては、余り財団のことを表に出すなという意見もあるんですけ れども、実際に登録医という制度になって、その中でリウマチ科を標榜していただいた 先生に登録医になっていただいて卒後教育をきちんと受けていただくという形で、こう いうふうな登録医ないしはリウマチ科標榜医の先生方は次のシステムとして存在します それで、結局地域ネットを構成するのはこのリウマチの登録医と、それから標榜医と の間で、次のサブシステムになります一般医、ABCと書いてありますけれども、こう いう地域ネットをつくって、その在宅からコメディカルも含めた一つのサブシステムを 次につくるというのが全体の基本構成となっています。 以上です。 ○越智委員長 ありがとうございました。 リマウチの関係の医療に従事しています委員の先生方が頭に描かれて、先日の御意見 の中で出されていたのが大体この形に集約出来るかと思いますが、津久江先生、御専門 が違いますけれども、今の御説明、このネットワークは大体御理解いただけましたでし ょうか。 先生は日本医師会のお立場としまして、特にこの地域ネットであるとか、あるいは新 しく自由標榜された先生方の一番の問題は全体の医療水準の確保というようなことで、 このような絵がかかれ、また先ほど資料の一番最後に附随してお配りさせていただきま したマニュアルといいますのは、実際上標榜をされた先生方の医療水準の確保、その一 つの方法かなというので、新しく今からお配りしようとしているものなんですけれども このネットワーク、それからこういう資料など、一応御参考にしていただきながら、ど のようにして実際の医師会の先生方が多くを占められますリウマチ標榜医の本当の医療 現場の先生方の医療水準の確保などに関しましてはこのような図でいいのか。あるいは この中で何かが足らないのかというところを御指摘いただければと思います。 ○津久江委員 私もよく分からないんですけれども、第三次医療法の改正が来年の4月に決まってい る訳で、そうしますと地域医療支援病院という構想が出てきている訳でございます。こ れは、二次医療圏に複数というのが一つの目安でございまして、この地域ブロックの今 の説明では6つということでございますけれども、その辺との整合性といいますか、何 かそういうネットワークづくりでどうなるのかなという気が一つありますけれども、国 公立病院はすべてすべからくそういう地域医療支援病院というものに入り込むような形 になってくると思います。あるいは専門病院もそこに入ると、その辺はどうですか。全 く別建てでいいんですか。 ○遠藤課長 地域医療支援病院なるものを御存じないかもしれないのであれですが、私も実はよく 知らないんですけれども、総合病院を今まで医療法の中で規定をされておりまして、ベ ッド数100 床以上だったでしょうか。 ○津久江委員 200 床ですね。 ○遠藤課長 200 床以上だったですか。診療科が何か5つぐらいでしたか。 ○津久江委員 剖検などがあるんですけれども、専門病院でもなれるんです。 ○遠藤課長 なれましたか。総合病院の方は診療科が必要だったんですよね。 ○津久江委員 診療科目が必要ですけれども、剖検ですね。 ○遠藤課長 今度は総合病院を廃止して、言わば代わりに言ったらあれなんですけれども、地域医 療支援病院という形で、まさに地域とのネットワークの中で自分の病院の資源を利用し ていってもらうような形の病院を地域医療支援病院という形でやっていきたいというふ うな医療法改正案が、これは介護保険法の後ろにくっ付いているんですか。 ○津久江委員 いえ、前です。先に出てきますから。 ○遠藤課長 一緒の関連法案ですよね。 ○津久江委員 はい。それで、外来紹介率60%以上というのが入っておりますので、その辺のこのつ ながりがよく似ているなと思うんです。それで、60%をいずれ90%まで持っていくとい うような、特定機能病院とは全然別の発想でございますので、もう少しここら辺が変わ ってくるかなというような気がいたしますけれども。 ○遠藤課長 そうなると、地域ブロックというのを例えば幾つぐらいと考えるのかということと… ○津久江委員 そうですね。今は6つになっていますね。 ○越智委員長 ある程度地域ブロックが広い幅でとれて、もう少し密接にということでいいかなと思 うんですけれども。 ○津久江委員 そうですね。 ○西岡委員 あとは、この第1段階のヘッドクォーター、地域ブロックセンターと、それから登録 医とか書いてありますが、もうワンブロック、そういうふうなシステムをもう一個考え るのか。 ○津久江委員 そうかも分かりませんね。あるいは、だれかがなってもらうかですね。 ○遠藤課長 がんや循環器でやっているのは、今のところはナショナルセンターをヘッドにして、 二十幾つがその下へぶら下がっているような、そこから下へはなかなか下りていません けれども、そういった言わばネットワークがあることはあるんですが、その第2段階の レベルを津久江先生がおっしゃるように医療圏レベルまで引き下げるのか、あるいは西 岡先生がちょっと言われた、真ん中にもうワンクッション置くのかどうかというのはあ ると思います。 ○津久江委員 そうですね。その辺、ちょっと念頭に置かれた方がいいんじゃないかなというように 思います。 ○越智委員長 貴重な御意見だと思いますけれども、津久江先生御自身の御意見では、この第2段を もう少し下げるといいますか、広げるという考え方か、西岡先生が言われたようにもう 1段上につくるのか、どちらの方が適当だと思われますか。 ○津久江委員 私もその辺はよく分からないんですが、地域医療支援病院にこの地域ブロックセン ターがなられても当然よろしい訳です。専門性を持った病院がそこへ入っていくべきで すから、そのある地域医療支援病院の中のある病院がアプライされても、それでもよろ しいですし、先生のおっしゃるようにもう1ランク、2段構えで全国のリウマチという ジャンルでネットワークをつくるのも面白いんじゃないかと思います。どちらでも、そ れはいいです。 ○越智委員長 上といいますのは、例えば全国各6地区にもう一つあって、そして第2段があるとい う、そのどちらかの方向で中央のセンターから少しずつ広げていくということでござい ます。 それと、もう一つは松本先生にお伺いしたいんですけれども、やはり松本先生は御領 域が少し違うということで前回も、例えば心臓外科医の場合には医療水準というのは特 に専門医という意味ではもっと高いレベルを要求している。それで、今のこれでいいの かという考え方がおありかと思いますが、その辺りのところの御意見を御指摘がござい ましたら。 ○松本委員 やはり、医療のレベルをしっかりとした水準に維持するという意味から言いますと、 私はリウマチの学会員ではございませんのでその辺のことはよく存じませんけれども、 少なくとも私が属している専門領域は割合うるさくしておりますけれども、この提案の 図の構造からみますと、構造を多層構造にすればするほど運用が非常に難しくなる。で すから、極端なことを言えば2つか、せいぜい3つぐらいの単純な平面型の構造にしな いと非常に運用が難しいということだけ、私はいろいろなことで経験しておりますので そういうことをやはり心掛けられた方がよろしいのではないかというふうに思います。 ○越智委員長 ありがとうございました。 もう少しといいますか、むしろ先ほどの御意見では、その間に1段置くよりも第2段 そのものを少し下げながら層を少なくした方がいいということですか。 ○松本委員 ですから、例えば地域ブロックセンターと出ておりますが、その地域医療支援病院で すか。その全体構想の中にまた同居するといいますか、例えばリウマチのものが中に入 っているというような格好にして、出来るだけ横の連携がとれるようにして多層構造を 避けられた方が、実務的な運用はスムーズにいくというふうに思いますけれども。 ○越智委員 そうですか。ありがとうございました。 それからもう一つ、リウマチと心臓病は違うかと思いますが、心臓病の場合でしたら 特に心臓の専門医が非常に少ない。特定の非常にスキル風にトレーニングされた方だと リウマチの場合はこれでいいのかとおっしゃっておられまして、リウマチの一つの特徴 としまして、全国で例えば70万人ぐらいの患者さんがおられまして、多くは日常は御開 業の先生方がリウマチあるいは標榜医という形で診ておられる。その中で少しずつ治療 の困難さに伴ってこういうネットワーク化というのでここに書かれているのでございま すが、トップのレベルがこれで維持出来るだろうかということに関しまして、何かその 辺のお感じのことがあるんじゃないかなと思いますが。 ○松本委員 これは、やはりお互いの相互の生涯教育の中の相互教育だろうと思うんです。それで 私どもの心臓外科医、例えば学会で専門医を認定するときにどういう手術を、一人でや る手術もありますけれども、多くは数人でやりますから、何人で何の手術をしたか。 例えば、そのときに自分が下の方で、上に教授がいて、教授が指導をしてやったのなら ば、その教授の印鑑のある手術記録など非常に膨大な書類を提出させて、1年ぐらいか かって専門医を認定するというようなことをやっておりますけれども、私はそれで見ま しても、これは心臓外科医の場合ですが、大学に優れた技量を持った心臓外科医が全部 いるのかというとそうではございません。私は新宿の榊原記念病院などにもちょっと関 係しているから技術レベルも分かっておりますけれども、民間病院で150 床でありなが ら、日本の心臓手術の症例数から言うとトップスリーに入ってしまう。国立循環器病セ ンター、女子医大の次に入る。それで、成績を見ましても非常に成績が安定していると いうようなことがありますので、やはりリウマチについても恐らく民間で診られていて 大学にも劣らないぐらいのレベルの治療をされている方が大勢いらっしゃると思うんで す。 ですから、そういうことも含めて余り多層構造にしなくて横の連携が保てるようにし て、医師の技量については卒後教育みたいなもので常時お互いにグレードアップしてい くというような機構を生かすということと、この前、第1回の会議でちょっと不安に思 いましたのは、何か登録を申請すればだれでもかれでも専門医になれると、私がリウマ チの患者になったとすれば非常に不安を覚えるという気がするのですが、その辺が何か 一つのしっかりとした基準があって、それに基づいてということであれば非常に結構だ ろうというふうに思っています。 ○越智委員長 登録医といいますのは、ここに今、西岡先生から財団のということで御説明があった 訳ですけれども、標榜された先生方に対しましてのいろいろな情報をお渡しする、ある いは一番必要な、最低限度必要な医療上の情報といいますか、そういうものの研修をす るときの一つの母体といいますか、形で、実際上は広く直接、主に在宅の方々などを診 ていただく先生方に対します設備なんですけれども、もう一つが各学会などでいわゆる 認定医という形もございましたり、それぞれ本当の、例えば手術であるとか、あるいは 治療でも非常に難しい治療の専門という意味ではない。 だから、例えば学会の方でも標榜医とか、あるいは指導医というのがございますが、 そういう人の中にもっと専門性を求めてもいいのかも分からないですけれども、一応登 録医というのはその形であって、ハイスペシファイのものではないということでござい ます。 それで、今のお2人の先生方からの御意見は、特に地域医療という面と、それから診 療水準といいますか、リウマチの御専門以外の先生方から見ての御指摘ということで非 常に貴重な御意見を伺いましたが、1番は非常に重要な部分だと思いますので、主な立 場での御意見を伺いました上でフリーディスカッションという形でお聞きさせていただ きたいと思いますが、2番に専門拠点施設というのがございまして、専門拠点施設の確 保、少なくとも今の段階でナショナルの形で専門拠点施設となっておりますのが相模原 に拠点という形でセンター、まだちゃんと完備されておりませんが、一応センターとい う形になっているというふうなことでございますが、専門拠点施設と言われるには、例 えばこれだけのことが考えられていなければならないとか、医療の確保とか充実という 意味で、今度は施設という意味から見ての御意見があると思います。 山田先生、今でも専門病院あるいはセンターという役目は果たしておられますけれど も、その意味から言いまして、やはりこういう面が欠けている、こういう面での予算措 置が必要であるということがございましたら、たたき台といいますか、御提案をいただ きたいと思います。 ○山田委員 この間もちょっと話をしましたけれども、一応センターという指定を受けていまして そのために医者もいます。内科が4人、整形外科が4人、あとは臨床研究部で研究に携 っている者がいますが、全体を統括するためのセンター病院というものよりはまだはる かに規模が小さなもので、もしセンターとするとしたら、もう少しすべての面において 充実させなければならないと思います。現在、リウマチの患者さんは2,000 人ぐらいだ ろうと思いますが、リウマチセンターに中心的に集めた方がいいのか、集めずに、情報 だけ集めた方がいいのか。その辺は多少議論があると思ういますが、少なくとも専門的 センターとしては自分たちで患者さんを診ていないと実力がつかないと思いますので、 ある程度の患者さんは必要だと思います。 そのためには、現状では人的にも物的にも非常に足りないように思います。特に今、 私の病院は研究者が少なくて、日本の第一線の研究をやるという訳にはいかないのが現 状でして、もしセンターとなったらやはり情報を提供する、あるいは研究するというこ とも義務づけられてくると思います。 それと、実際に臨床をやる、それから研究をやるというだけではなくて、全体を統括 してそれぞれの情報を全部集める、それから情報を流すという機能、そういう情報部的 な機能というものが非常に重要な役割をしてくるのではないかと思います。これは、医 者がいいんでしょうけれども、医者以外でもいいと思いますが特別なそういう部門も必 要になってくるのではないかと思います。 したがって、現状で今すぐセンターということになりますと、すべてにおいて不足で すので、もう少し規模を大きくしていただいて、人的にも物的にももう少し拡大してい かなくてはいけないんじゃないかと思っております。 情報に関しましては、私個人の考え方ですけれども、センターとなるからにはあらゆ る情報を手元に置いておいて、ほかの病院、サブセンターの病院、あるいは第一線で活 躍してくださる先生方もすべてその情報が利用出来るような形で、実際に患者さんを診 たときに自分がどうやったらいいかというのをコンピュータを使ったネットワークで簡 単に詳しく知れるような、そういう情報まで含めたセンターというものが出来たらいい んじゃないかと考えております。 ○越智委員長 例えば、この西岡先生の図で言いましたら一番上の総合センターのところで、少なく とも日本に1つしかございませんので総合施設センターということになると思いますが 先生のところで考えられまして、このネットワークのケアといいますか、これで情報の やりとりというのは一応そこでまとまってきても、これは可能である。やり方はあるよ というふうに考えていいですか。今の状態では、人的にも物的にも足らないと思います けれども。 ○山田委員 足りませんけれども、理想的にはこういう形で出来たらいいと思いますけれども。 ○越智委員長 全部まとまっているのが実際上、一番機能的でしょうし、その意味では西岡先生が御 提案になられましたこれに関しまして、基本的にはこの形でファンクションするのでは ないかと。 ○山田委員 私もこういうのがよろしいのではないかと思っておりますけれども。 ○越智委員長 ありがとうございました。 いろいろなお立場の先生方に簡単に、これは一番重要な部分かと思いますので御意見 を伺いたいと思いますが、今の1番の医療の確保・充実という面に関しまして、村澤先 生の方で非常にたくさん患者さん、特に中部地区では事実上センターのような機能を果 たしておられると思いますが、村澤先生は今の西岡案及び今のディスカッションを踏ま えまして、1番のことに関しまして御意見を簡単に伺いたいと思います。 ○村澤委員 実際に私たちの病院の現実からいいますと、ちょうどここの先ほど言った各県単位ぐ らいの、もうちょっと小規模区域のセンターだと私どものところは思っているんです。 それで、私どもの病院は、この地域ブロックセンターの下にもあると考えますと、結 局、患者さん側にいて治療現場になっているか、もう一つは研究だとか、情報収集だと か、研修もやるわけです。もっとはっきり言えば、診療報酬で動ける部分と診療報酬で 動けない部分があるわけです。 そうすると、患者さんを扱っている場合はどうしても医療機関ですから、診療報酬で 動かざるを得ないと考えますと、経営母体のことを考えると、やはり診療報酬でしばら れない総合センターというのは絶対必要だと思うんです。しかし、私たちは公立のリウ マチセンターというのは絶対必要だと思うんです。しかし私たち公立病院という立場と 地域リウマチセンターとして研修だとか、情報統計などの一部の事業を行ってきました でも、研究とかやっていった場合に経営などいろいろな板挟みに現実になる訳ですよ ね。 ○越智委員長 地域ブロックセンターはという意味ですね。 ○村澤委員 そうです。この下ですね。地域ブロックセンターだと6つとか4つですよね。 ○越智委員長 例えば今、松本先生がおっしゃったように、あるいは津久江先生がおっ しゃいましたように、もう少し第2段の数を広げる。それで層を減らして、例えば先生 のところが第2段と仮定した場合ですね。 ○村澤委員 そうすると、さっき余り細かく分けると非常に複雑になると言うんですけれども、今 までやってみて現場から考えたら、やはり各県単位のいろいろな病院を統合するのが一 番いいような気がするんです。 というのは、外来患者さんを抱えながら、入院も抱えながらという現実を考えますと 日本に4つか5つのブロックセンターはかえって研修だとか、研究の方がメインになっ てくると思うんです。だから、かなり機能分担をしながら、両方を一度にやろうとして も、例えば相模原が今、現実にそうだと思うんですけれども、実際に患者さんを診てい る。そしてなおかつ日本に1つしかないリウマチセンターといったときに、かなり多く のスタッフや設備が要ると思うんです。それは、1つのところでやる必要は全くないの で、やはり機能分担する必要があります。今までやっていて、どうしても私たちよりも うちょっと上のそういう相談、研修もやっていただけるというようなセンターが是非欲 しいし、またそれらをまとめてもらう総合センターが絶対必要だということで、私たち のセンターはこの間に考えていたんです。地域ブロックの下に、各県単位のセンターと いうことですね。 それともう一つ、ちょっと言葉のあやかもしれないんですけれども、この国の中で登 録医、リウマチ標榜医というのは施設とは関係ないんですよね。だから、これはそうい う施設の中身であって、国のAとかBの1つだと思うんです。Aの一般医、専門医とい う形ですね。だから、私はこの登録医、リウマチ標榜医のところが各県単位のセンター というものを考えていて、その下に登録医の先生や一般の医師やコ・メディカルの人達 が関与しているというような考え方をしていました。 ○越智委員長 例えば、今の第2段の下としましても、地域のドクターあるいはリハビリの先生、保 健婦の先生、いろいろないわゆるコメディカルの方々を含めて医療スタッフですね。実 際に現場の医療スタッフと、それから先生のところで今、地域のセンターとの間の連携 とか、あるいは指導とかということに関しましては、先生は非常に貴重なお立場といい ますか、御経験を持っておられると思いますが、もし参考になることがありましたら、 今でも気を付けておくべきであるとか、こういう施設であるとか、こういう制度がなけ れば非常に運営がしにくいとかというものがございましたら、先生の下と言ったらあれ ですけれども、先生の領域でいろいろなリウマチを診ておられる医療機関があると思う んです。 それで、実際に先生が、例えば地域に入られたりして情報を集めたりしておられます ね。だから、この地域ブロックセンターのこの絵の下にしましても、この絵といたしま しても、この部分での問題点とか、あるいはこういう点で改善することが今後のリウマ チ医療の改善につながるということがもしございましたら。 ○村澤委員 1つは、やはり先ほども言いましたように実地ですね。診療現場とつながっていない と意味がないですよね。 それからもう一つは、リウマチ関係の少なくとも内科医と外科医というドクターが専 門医でいて、研修もが出来ることでしょうか。そのためには、財団とか、学会の援助が 必要です。まず、自分のセンターの中で言いますとさっき言ったようなスタッフの研修 や医療現場が両立するためには、そういう協力というか援助、支援がなければ出来ない と思います。 ○越智委員長 実際に医療現場との連絡とか援助という場合に、人間関係でずっと今までやっておら れると思いますけれども、例えばシステムとして、いわゆる1つの制度として、予算を 伴った制度としてこういうものがあればというのは。 ○村澤委員 逆に言えば、ない限りは出来ないと思います。 ○越智委員長 少なくとも、この部分にも予算的な措置も必要であるということですか。 ○村澤委員 ええ。というのは、その施設がどういう母体で出来ているかなんですね。 例えば、国だとか県の全くの出先機関であれば、何も患者さんからの診療報酬に頼ら なくても良いわけです。いつも言うんですけれども、我々は現場でやっていれば、診療 して診療報酬をいただかない限りはその母体は存続しない訳で、ちょっと生々しい話で よくないかもしれないですけれども、これは現実の話なんですね。予算的な裏付けをつ くっていただくならば、医療第一線にいながらセンター機能ももてるわけです。やはり 現場で患者さんを診ながらやっている限りは、医療をセンターから切り離すことは考え られませんし、またそれは絶対センターの研修施設にも必要じゃなんでしょうか。 ○越智委員長 では、どうぞ。 ○八木委員 1つは、今お話をずっと伺っていて、この西岡先生が提示された図からいくと、地域 ブロックセンターが仮に6か所ということになれば、患者さんは恐らく地域ブロックセ ンターまで出かけて受診できないということになります。したがいまして、地域ブロッ クセンターを今、越智先生が言われましたように、全国に県単位で1つぐらいの割で仮 につくるとしたら、患者さんにとっても有用なものになると思います。 このように、地域ブロックセンターが患者さんとの関わりにおいて具体的で密接的な 役割を果たすものならば、医療だけでなく介護やケアといった福祉の部分との関わりを 持つことも必要となり、当然それらに関わるスタッフの教育等も含めて考えなければな らないように思えます。 多層構造にすると連携がとれないというお話がありましたので、今の流れからいきま すと、地域ブロックセンターをもう少し大きい規模にし、数を多くして、そこに医療と 福祉といった全般的な内容を包含した体制のセンターの確立というのが必要と思います ○越智委員長 ありがとうございました。 今、1番にちょっとこだわっていた訳なんですけれども2、3まで、2番の在宅ケア の充実、3番の保健医療従事者の育成というところまで広げて考えてみますと今、八木 先生がおっしゃられたように、このセンターというのはこれを全部含めたもので、研究 及び教育も期待されているということになってくるかと思いますが、今までのお話、医 療の充実、それから情報で期待されますのが、いわゆる在宅ケアに当たられる方、これ はいわゆる看護婦さんというよりも御家庭の方々あるいは看護助手、家政婦さん、そう いうふうな方々も含めまして、在宅ケアのやり方などを指導するようなシステムである とか、あるいは理学療法、あるいは看護婦、保健婦、そのようないわゆるコメディカル の方々あるいは専門医と言われる方、この辺の医療スタッフの育成あるいは教育、これ も医療センターで期待されるべきであるというのが、今まとめて言いましたら八木先生 の御意見です。 これは、多分この2番目、3番目の持っていきどころというのはセンターしかないん じゃないかと思いますが、この1、2、3を含めてと、今ちょうど1、2、3というの が1つの枠に入ってくる訳でございますが、山本先生は大学という立場で、九州で少し 都心から離れていろいろ御不便な部分もあるかと思いますが、そういう地域的なことか ら考えられまして、今の問題に関しましてこの組織図及び実際の現場での問題点などを お願いします。 ○山本委員 我々のところは地域ブロック、ミニセンターぐらいの立場だと思うんですけれども、 それはリウマチ膠原病内科というのを標榜しておりますから、大分県の中ではほかには ありませんので、リウマチの一つのセンターになっておりますけれども、大学の出身者 が国立病院と日赤におりまして、そこもスタッフの数は少ないんですけれども頑張って いる。大分県でリウマチを3つが主に診ているという感じなんですね。 それで、スタッフの数は我々のところが多いんですけれども、実際に持っている患者 さんは3分の1ずつぐらいという形で診療しております。今挙げたような地域ブロック センターというものの位置づけはちょっと私にははっきり分からないのです。総合セン ターが必要なのは間違いなくて、それが1個か、2個か、3個か、そのぐらいはきちん としたものがなくてはいけないんですけれども、あとはたとえば県単位で言うと1個を 強くするというよりは、むしろ2、3個でもリウマチを専門として頑張っているところ にスタッフをもう少し充実するということにするのが一番私はいいんじゃないかと思い ます。 患者さんは恐らく開業医の先生、登録医でもいい先生には行かれると思いますが、や はり今の志向としては県内のいくつかのリウマチセンターに行くと思うんですね。それ はすべての医療が高度化していますからそちらの方に行きたがる。それで、津久江先生 の前で言うと差し障りがあるかもしれませんが、有名な開業医の先生になられればそこ に患者さんは集まるでしょうけれども、全体としてはやはり県の中では県の中のリウマ チセンター3つぐらいのところに集中すると思うんです。それはいた仕方ないことであ りますので、そこのところで医師が一人の患者さんを診るのに10分くらいで忙殺されて いるというのが現状なんですね。 予算措置を伴うということで、例えば地域のブロックセンターがそういうことをしな いでいいようなことになれば全く違う状況になるので、それはそうでしょうけれども、 先ほどから村澤先生が言われているように、診療報酬をいつも求められるような立場で は患者さんの数を多くせざるを得ないということになります。すなわちこの階層の明確 化ですね。それを明らかにしないと、ずるずると何か境目がない多層構造になってしま うという気がします。 ○松本委員 多層構造以下というお話でしたが、これは長期的にはやはりたくさんの情報をどうい うふうに処理するかということにかかわりますし、患者さんが自宅で何かインターネッ トのようなものを使ってどこかにアクセスするとしますね。 それで、例えば自分と同じような関節の変形の患者がいるんだろうかというようなこ とで、あるキーを押せば、何人かの患者のグレード分けした手の関節の変形の度合が出 て、自分はこれくらいに相当するんだなと、そういういろいろな情報をこれから頻繁に 患者が簡単にアクセスするようになってくると思うんです。 それで、そういうマルチメディアへの対応ということを考えますと、多層構造にしま すとソフト自身が非常に大掛かりなものになるし、コンピュータのシステムそのものが 非常に大掛かりになる。インターネットが非常に一部に爆発的に利用されるようになっ たのは、やはり平面構造でスター構造になっているためなんですね。 ですから、会社などがやっているイントラネットというようなものは案外堅苦しくて 利用価値が社内だけというふうに固まるのに反して、インターネット構造というのが非 常に爆発的に利用されるのはそこにあるので、やがては医療の分野もドクターも、それ からコメディカルも、患者も、何か一つの情報、資産としてお互いに自由に利用すると いうような21世紀のことを考えますと、余り多層構造にしない方が、非常に負担が少な くて発展出来るというふうに私は考えておるんです。 ○越智委員長 ありがとうございました。津久江先生、お願いします。 ○津久江委員 半分しか言わなかったんですが、越智先生が所属しておられる大学病院というのは、 既に平成4年から特定機能病院という位置づけがされている訳ですね。それで、これと それから地域医療支援病院が出てきて、地域医療支援病院も今、診療報酬が出ましたけ れども、予算制になりそうなんですね。そうしますと、やはりこの地域ブロックセン ターというものをそういう特定機能病院と支援病院に分けないといけないのか。その方 がうまくいくのかなというような気がしているんです。 当然、この総合センターは特定機能病院であるべきだと思いますけれども、その辺は 整理した方がいいんじゃないかと思います ○越智委員長 特定機能病院と専門病院が……。 ○津久江委員 特定機能病院も勿論、医育機関として存在している訳ですから、研究もやりますし、 医育機関であるから研修もする。それから、地域医療支援病院もそういう予算制である し、研修制度もやるしというよく似た制度なんですね。だから、その辺の整理がもっと ……。 ○越智委員長 その2つを分けた方がいいと。 ○津久江委員 2つに分かれておりますので、この地域ブロックセンターの中身を両方へ振り分ける ような形に自然的になるんじゃないかという気がします。 ○越智委員長 一応、絵としては地域ブロックセンターと書いていますけれども、書いてもいいけれ ども、それが実際は地域医療支援病院と、それから特定機能病院の2つが含まれるとい うことを認識しておかねばならないということですね。 ○津久江委員 そうじゃないかと思います。 ○山本委員 その地域医療支援病院というのは具体的にどういう形なのか、ちょっとイメージを教 えていただけますか。 ○津久江委員 厚生省がいるからちょっと言いにくいんだけれども、もともと特定機能病院が平成4 年に出来たんです。その後、特定機能病院と療養型病床群というのが出来たんです。そ れで、間の中身の病院がランクづけされなかった。 そこで、厚生省のどなたかが考えて地域中核病院という構想が出たんです。地域中核 病院は特定機能病院の下にあって、その下に中小病院があるんだという上下の関係をつ くったんです。それで日医がそれに反対しまして、そうじゃないんだ、機能分担である と。地域中核病院というものを打ち破ろうではないかというので、去年の3月ですね。 平成8年の3月に医療政策委員会の答申として出てきたのが地域医療支援で、これは第 三次医療法改正の目玉になりますので、これは来年の4月1日に出ます。 ○山本委員 具体的にそこの医師はどういうことを、リウマチでもいいですし、ほかの疾患でもい いんですけれども、イメージすればよろしいんでしょうか。 ○津久江委員 大体、国公立病院はそこへ入る。それで、2時間待って3分診療というのをやめよう じゃないかという患者さんの流れをぶち切るというのが一つの大きな目標だろうと思う んです。 ○山本委員 それには強力な予算措置が伴うんですか。 ○津久江委員 そのようです。 ○山本委員 特定機能病院という大学病院ですら、いまだに外来の数と病床数を毎月毎月院長から 見せられているんです。それを脱皮しない限り無理ですね。 ○津久江委員 そのとおりですね。今ですら1兆5,000 億円の補助金が出ていて、補助金プラス一般 会計からも補てんが出ているから、それをでは整理しようじゃないかということで行わ れると思うんです。だから、もうすぐに出発しますよね。 ○遠藤課長 ただ、今は介護保険と抱き合わせになってしまっているから別建てにしてあれば出来 ますけれども。 ○津久江委員 初めは平成10年の4月1日で、介護保険は12年でしょう。 ○遠藤課長 そうですけれども、法案そのものの出し方が別になっていればいいんですけれども、 去年は抱き合わせで出したので。 ○津久江委員 明日ぐらいから審議じゃないですか。 ○遠藤課長 先週から審議に入っていますけれども、1問も質問が出ませんでした。 ○越智委員長 いずれにしても、その2つの固まりの病院がこの地域ブロックセンターに入っていて も特に支障はないですね。 ○津久江委員 私はいいと思います。 ○越智委員長 一応、両方入るんじゃないかということですね。 垣生先生、研究者の立場で余り生々しい医療現場とは離れておられると思いますが、 一歩高い立場から今のディスカッションを聞かれていかがですか。 ○垣生委員 ここに出てきたのは医療の確保・充実ということが目的であって、今、患者さんの都 合以前に、よい医療をするにはどうしたらいいかという構想なんですね。 ○越智委員長 そうです。とりあえず骨組みだけですね。 ○垣生委員 そうすると、例えば総合センターから一番下のABCDまでにどういう研究をしたら いいか、治療をしたらいいかということを伝達したりするためのシステムなんですか。 ○越智委員長 そうです。 ○垣生委員 そうすると、沢山お話が出てきた患者さんの立場として遠いところとか、近いところ とかということとは別に例えば総合センターの方で研究・診断・情報が全部まとまった とすれば、それぞれの地方のセンターとコンタクトをもっと交換すれば、地方センター は幾つもあっても構わないと思うんですけれども。○越智委員長 やはり、日本の医療 としての情報の中心であるとか、あるいはいろいろな現場の状況を集めてきてどう対応 するかという意味で、情報はやはり1点に集めるべきであるというので一番上があると 思いますし、だんだん難易度といいますか、数は少ないけれども難しいといいますか、 非常に多くの施設とか、人材が要る治療に関しましては上へ上へ上がっていくという形 だと思うんです。患者さんの側から言いましたらですね。 ただ、足も悪い、歩行機能が障害されている。その患者さんが地域を越えて、例えば 同じ地区と言いましても、関東地区に相模原と言われて千葉県から行くかというような ことは遠過ぎるので、各県に1つぐらいというようなディスカッションだったと思うん です。 それで、全体的に見まして、だからそれぞれがあって、それぞれ情報を集めていった らというのが地域ブロックセンターであるのか、あるいは先ほど村澤先生がおっしゃっ た、いや自分のところはもう少し下で地域でこうやっているんだと言われるのかどうか だけど、それをまとめるものが要るんじゃないかという意味で、第1段、第2段とい うところがあるという形になってきています。 ○垣生委員 やはり、医療のレベルの充実も含めているとすれば、真ん中に書かれている地域ブロ ックセンターは何番目にするかは別としましても、たくさんつくった方がいいんじゃな いかと思います。中央が意見を求める構造は多くした方が患者の為にも良いと思います 県単位にすれば大学病院もあることですし、協力しながら出来るのではないかと思いま す。 ○越智委員長 ありがとうございました。 今までのディスカッションをお聞きになっておられまして、患者さん側の立場から言 いまして、例えばこういうところが足らないよとかございましたら、吉田先生どうぞ。 ○吉田委員 今お聞きしていまして、やはり初めからちょっと分からないんですけれども、リウマ チの専門医という場合にとても名称がたくさんあるんですね。指導医、認定医、登録医 それから今日また出てきました標榜医、患者さんたちにお教えるときには専門医として 御紹介しているんですけれども、皆さんなまじっかの情報で登録医より認定医の方が上 だ。認定医より指導医の方が上だとかということで、上の上の先生を紹介してください みたいなことがあるので、出来ましたらそういう基準をきちんとつくっていただいて、 専門医として御紹介出来るように、名称の統一を分かりやすくしていただきたいと思い ます。 それから、やはり患者はみんな近くの専門医に行きたいし、近くでないと行けない。 それで、私ども今は専門医の名簿をつくっていますけれども、何々駅から下りてバスで 何分、徒歩何分というところまでつくっているんですけれども、やはり近い先生という ことが一番なんです。それで、例えばタクシー券を補助していただいていても、他県に 行くとそれは使えないとか、医療費も申請して払い戻しとか、そういう手続が大変だと いうので、出来るだけ県内をと思っています。またほかの県に行きますと地域格差があ りますので、制度なども使えないとか、不便なこともございますので、そういうことも ないようにしていただきたいと思います。 それから、国公立病院で統廃合などで病院が遠くなったような方もいらっしゃるので 出来たら近いところに県ごとにということで、今あるところを充実していただいて、こ の地域ブロックセンターというのはもう少し数が多い方が患者のためにはいいんじゃな いかと思います。 ○越智委員長 ありがとうございました。 今の御意見の中で、大体似たようなところでおっしゃっておられると思いますけれど も、少し矛盾点、食い違うような部分が出てくると思いますけれども、西岡先生、この 図をつくられました立場としてお答えといいますか、御検討いただきたいんです。 例えば、今のお話の中で何名かの先生方はいわゆる患者さんのアクセスの問題、余り 遠いところに行くのは難しいので、例えばこの2段の地域ブロックセンターが比較的近 いところで余り数が少なくない、ある程度多い方がいいよという御意見、それからこの 後の問題といいますか、どうしてもこれと附随する問題なんですけれども、在宅ケアあ るいは保健医療従事者、その研修システムあるいは教育システム、これがやはり各地区 ではこの地域ブロックセンターがその役目を担うことになると思います。 その場合に、余りにもたくさんある必要がないという部分と2つの、例えば総合セン ターを生かすだけでしたら、これは数が少ない訳なんですけれども、各地域に地域ブロ ックセンターのところで教育あるいは研修ということをいたしましたら、それほど数が なくてもいいんじゃないかという問題が今の御意見の中では一つの食い違いかと思いま すのが1つと、それから村澤先生がおっしゃいました、下に書いてあります2列は同じ 列でいいんじゃないか。これを列を分けているのはなぜか。 その2つの部分について、ちょっと御見解をお願いします。 ○西岡委員 これは、たたき台として提出させていただいたんですけれども。 ○越智委員長 先生が書き直されると思いますので、大体のコンセプトを言っていただいて、皆さん に御納得しておいていただいた方がいいと思いますので。 ○西岡委員 分かりました。この間、松山でこういうリウマチの標榜医、それからリウマチ科を標 榜している登録医で「リウマチ医の会」というのをやったんです。そこに前理事長の島 田さんが見えていた訳ですけれども、何と島田さんは目黒に住みながら松山日赤で治療 を受けられているんです。 これは一体どういうことだとみんなの前で聞いたんです。 ということは、東京にリウマチの専門医療機関は一つもないんじゃないかと。それは 冗談なんですけれども、1つはやはり松山赤十字病院の山本先生のような「人」の問題 だと思うんです。それを推進していく人がやはりものすごく大事だと思います。ですか ら、ヘッドクォーターを含めて、大学でまずその中核となる人材の育成ですね。これが まず第1点だと思います。 それで、先ほど言いました専門医という位置づけなんですけれども、今日配布の毎日 新聞の「まず専門医を訪ねて」というのも一見誤解を招きそうなんですけれども。確か に学会の認定医と、それから財団の登録医というのがあるんですけれども、その目的は 全く異なります。学会はやはり学問をする場です。財団の登録医というのは、第一線の 医療機関で患者さんの受け入れを目的としたもので、機能的にまず大きく違うというこ とを認識して頂かないと困ると思います。それが第2点ですね。 それから、村澤先生、それから山本教授も今おっしゃいましたように、経済性という ことはかなり問題になってくると思います。ですから、医療現場として独立採算制で本 当にいくのかどうかということと、あるいは政府の予算がたくさんあれば、それは勿論 こしたことはない訳ですが、ある程度医療における経済原則というものを考慮しておか なくちゃいけない。 それで今、御存じのように保険制度等を考えまして、これからのリウマチのケアとい うのは私自身が頭の中にあったのは、やはり地域に密着した、しかも外来ケアないしは 在宅ケアを中心としたような一つの方向性が明確に出てこないと、例えばいろいろな病 院をつくっていいんですけれども、そこに患者さんが入りきりになってしまっていると いうようなリウマチ病院もかなりあるんです。そういうのはものすごくまずいと思うん です。 アメリカでもリウマチ性疾患というのはとりあえず外来でケアしていこうというふう なことになっていますので、どちらかというとこの構想はそういうふうな登録医あるい はリウマチ標榜医、リウマチ科を標榜する先生あるいはその地域ネットにあるほかのさ まざまな医療支援を、一般医の先生あるいは保健婦等を含めた医療支援を利用しながら とりあえず在宅医療、外来医療を中心にしたような形の考え方があります。 ですから、地域のブロックセンターはそんなにたくさん設けなくてもいいんじゃない かなというふうな感じでこれを書いたんですけれども、先ほど村澤先生がおっしゃられ たようなこと、あるいは山本先生やそれから津久江先生がおっしゃられました地域医療 支援病院ですか。そういうものを考えてみると、確かに地域ブロックセンターというの はもうちょっと増やさなくちゃいけないのかなという感じもしています。基本的なコン セプトとしては例えば人工関節だとか、そういうことで入院するということも、入院期 間をなるべく短くして、なるべく早く元の医療機関例えば登録医とか、そういうところ に戻して外来、あるいは在宅ケアというものを中心としたような、そういうふうな考え 方としていくというのが、基本的な考え方です。 それから、ヘッドクォーターでありますが、山田先生のところに仮にヘッドクォー ターを置きますと、これは例えば腎バンクとか、それから越智先生がいつも言っていま すようにリウマチの患者さんの血清膜とか血液、遺伝子などを確実にデータベースとし てプールして、それを全国のいろいろな施設の研究に利用出来るようなものとか、そう いうかなり研究面にそのヘッドクォーターというのは置くべきだというふうに考えてい ます。そんなところです。 ○越智委員長 基本的には、今のディスカッションの中で、第2段をもう1段上に増やすのか、ある いは数を増やせばいいのか。ブロックセンターの数を増やせばいいんじゃないか。 だけど、その中には今、津久江先生がおっしゃいましたような地域医療支援病院であ るとか、あるいは特定機能病院、そういうものを含みながら、また地域ブロックセン ターの中のある限定されたところに、例えば保健医療従事者の育成あるいは在宅ケアの 教育、そういうものが各地区に1つぐらいあるというような感じなんですかね。 それで、あとは全体的に見まして、西岡先生がこれを書き直されるときに、是非こう いうことを考えてほしいという御意見がございましたらちょっといただければと思いま すが、いかがでしょうか。また後で思い付かれたら、その段階でおっしゃってください それで、ここの2番、3番、在宅ケア、保健医療従事者の育成というのがございまし て、いずれにしましても研修あるいは教育、ただ2番と3番の違いは、2番の場合はい わゆる医療技術者、医療従事者だけでなくて、例えば御家族の方々あるいは看護助手と 言われる方々、特に医療関係の資格のない方々も含めての研修とか教育が含まれるとい う意味で、3番の場合でしたらいわゆる医療従事者と、それが専門医と書いてあります けれども、どういうレベルで専門医と言うのかが問題であるということはさておきまし て、一応医療従事者あるいは医療従事者だけでなくて家庭とか、直接患者さんに触る 方々の指導というようなシステムですが、これは今までのディスカッションの中でこの センターあるいは総合センターであるなり、あるいはブロックセンターの中のある部分 に、例えば地区に1つとか、そういうものがあれば機能するんじゃないかというような ことが一番現実的に考えられる訳なんです。 そこで山田先生、今の総合センターのお立場から言いまして、こういう教育研修セン ターが付いていた場合、十分センターが出来た場合にコントロール出来るか。予算措置 があれば可能であると。先ほど申されました人的、物的あるいはインターネットのセン ターであるとかですね。 例えば、在宅ケアのことに関してでしたら、いろいろな道具であるとか、こういうと きにはこうやりなさいと一定期間トレーニングするということは多分必要になると思う んです。例えば、それが2週間であるのか、3週間であるのか。そうしましたら、宿泊 施設というものがあった方がいいんじゃないかという考え方も出来ますけれども、施設 的な面などを含めまして、一応そういう設備も含めてセンターで一緒にやればいいのか あるいは、国立でなくても地方自治体あるいは第3セクターのようなものでも、そうい うものを十分な数だけつくっていただいて、そういうものとも連携するのかということ になってきますけれども、実際に先生のところでは、教育とか研修が時々あるんじゃな いかと思いますが。 ○山田委員 時々は受け入れてはいますけれども、そんなに多い訳ではありません。PT、OTを 含めて医者も、それから外科も、内科も研修に来る人はいます。もしこれが全国規模で たくさんのところから大勢来るとしたら、大規模なセンターにしないと受け入れ切れな いと思います。 そこまで考えたことはなかったんですけれども、そういう意味で全国でも各都道府県 に1つという単位でもしやって、そういう人たちかが全部来るとなると、非常に莫大な センターにならないとまず無理じゃないかと思います。その意味ではサブセンターは少 ししぼった方がいいと思います。 ○越智委員長 村澤先生、いかがですか。実際に先生のところにもいろいろそういうことで見学とか あるいは研修とかというので、在宅も含めまして来られるんじゃないかと思いますが。 ○村澤委員 現実的にはやっている訳ですが、今でも1週間の単位で先生方が来ていますけれども それは本当に興味のある方々で、システムができているわけでないのです。こちらから 働き掛けている訳ではないですから。 でも、先生がおっしゃるような標榜科だとか登録医の制度とを始めた訳ですし、これ からそれをやっていくならば、やはりシステミックな研修というのは要る訳ですね。結 局、財団がほとんどそれを今までやっていた訳ですし、ただ、それと似たようなことを 多分総合センターと言っても私のイメージは今、財団がやっているようなことが総合セ ンターのイメージとしてわいてくるんです。 ちょっとそこのところは分かりませんけれども、だから何か全く新しいものが出来る とかというのではなくて、そういうことが今までなかったのを財団さんがやっていたよ うな感じがして。 ○越智委員長 ただ、途中であれなんですけれども、財団がやっておられますのはいわゆる講義です ね。人を集めての研修会ですね。それと、例えば在宅ケアなどの場合でしたら実際に手 を取って教えてみるとか、そういう面があると思うんです。 だから、その介護をする人に対して、こういう場合にはこうしなさいとか、あるいは こういうときにはこういう道具を使いなさいという実地のものの方が本当に必要じゃな いか。だから、財団がやっております研修会というのは、例えば年に1度皆さんを集め られて、だから実際にやっておられる方の再教育のような意味はあると思いますけれど も、本当に必要なのはやはり実際どのように扱われるか。例えば、ある特定の期間、い ろいろなケースを想定しまして研修するとか、そういうものが必要じゃないかという意 味で。 ○村澤委員 そうすると、とても日本に1つや2つの研修施設ではだめだと思います。理由は、患 者さんがいなくては始まりませんよね。保健婦さんも、コメディカルの方も医師も含め てですね。 そうすると、やはり今あるような既存のリウマチセンター、リウマチセンターは30ぐ らいリウマチ科が出来るまではあったんですけれども、そういうところとか、また新し くリウマチを専門にやるようなところにお願いして、システムづりくりをしていただい てやらざるを得ないと思います。 ○越智委員長 別システムでということですか。 ○村澤委員 似たようなところにですね。勿論、これは研修施設も兼ねるということで、センター の上にいけばいくほど研修だとか、そういう公的というか、情報も含めたものの色が濃 くなる訳ですね。この図で言えば、下にいけばいくほど現場の診療の方が濃くなるとい う考え方の図だと思うんです。 だから、勿論、ここの図で言えばブロックセンターが患者さんも見ながら、そして研 修も一番しておられると思うんです。そうすると、確かに6つだと大変だなと。現実的 には今、各県にあるようなセンターがすべて研修機能を持たないとやっていかれないと 思うんですけれども。 ○越智委員長 八木先生、例えば先生のところ御自身でもいろいろなところの作業療法士の方とか理 学療法士の方、特に例えば装具のつくり方とか、ケアの仕方を見に来られる方があるん じゃないか。 例えば、先生御自身も財団のやっておられます研修会の講師では行かれておられます けれども、実際上手を取ってある一定期間お教えいただけるという部分もあるんじゃな いかと思いますけれども、その辺の必要性とか、実際に大体これぐらいの期間教えるこ とが出来れば、その辺りのところで現実的な問題でこういうシステムをつくるべきだと いうことがございましたら。 ○八木委員 具体的なものは全然持っていません。そして、私自身の現状をお話ししますと、私の 勤務する施設は国立病院で、しかもPTが2人しかいなくて、毎日リウマチの患者さん を100 人くらい診ています。さらに、外来でもうちの病院は 1,500人あまりの患者さん を対象に診療しておりまして、おっしゃるように先生方も含めて日常生活で忙殺されて いるという感じです。 そういう中で、このブロックセンターとかリウマチセンターについて理想的なものを 私自身が頭の中で描くとすれば、まず、臨床が十分にできるということ。つまり、医療 は在宅や地域においても行われるわけですが、もう少し手が掛かる患者さんや重症な患 者さんを医療施設に収容して、診てあげないといけない場合があるように思います。  もう一つは、先生が言われましたように、介護をしたり、ケアをする人たちの教育の 問題です。リウマチ患者さんを担当してくださっている人をどのように教育し、研修し てもらえばいいのか。現在は全くどこにもありません。ですから、その部分をどの部署 が受け持つのか検討する必要性があると思います。 さらに、臨床も完全に行いながら、同時に私自身やはり今、先生が言われましたよう に、どの装具がいいのか、どういう自助具をつくったらいいのかという研究も、多少は したいという気持もあります。臨床に携わりながら、研究もできる施設がリウマチセン ターにほかならないと思います。 したがって、リウマチマセンターの中にはドクターをはじめPT、OT、保健婦、も し必要ならば介護を専門とする福祉スタッフなどが揃っていると、非常に現実的で機能 的なイメージを持つことができます。 ○越智委員長 今おっしゃいましたように、実際はそういうものを指導するといいますか教育する、 あるいは研究も含めて施設がない。それで、とにかく一度センターという言葉あるいは 地域のブロックセンターにしましても、そういう言葉が出来ればそこだけに付けて、そ れで全部機能出来るのかなという不安感もある訳なんですけれども、例えば特に装具あ るいは自助具の場合でしたら、必要な方は非常にたくさんおられますし、1点で集めて 大丈夫なのかな、あるいはもう少し例えば第3セクターのようなものも含めて情報ある いはいろいろな教育などを含めまして、実際に患者さんに必要なものをつくる、実際に 採形をし、あるいはサイズをとりながらつくっていくのが、1点に集まっていた場合に とてもこなせないんじゃないか。 だから、特に八木先生の御専門の一つで装具とか、自助具とかというものがあります けれども、そういうものでしたらセンターは勿論で、教育あるいは研修ですけれども、 もう少し別のものもあってもいいんじゃないかなという気がします。幅広く、それこそ 近くに、例えば兵庫県に1つセンターがあって、そこでそれの扱いを教えているという のではなくてもう少し幅広く、第3セクターであれ、あるいは地方自治体の施設であれ もっとブロックセンターよりたくさんあっていいんじゃないかなという気もするんです 例えば、装具をつくっていただく、あるいは自助具をつくっていただく、その指導と いうか大体のノウハウはセンターで教えましても、実際につくってもらえる、あるいは 使い方を教えるとか介護、特に在宅の関係に関しましての介護といいますか、こういう ときにはこの道具を使いなさいとかいろいろございますね。それをおうちの人に教える とか、あるいはつくってあげるとか、開発するとかというのは、ブロックセンターの数 よりももっと身近なところにあっていいんじゃないかなと。 ○八木委員 それはそうだと思います。何もリウマチセンターで1から10までそろえなくても私は いいと思っているんですが、私のイメージしているリウマチセンターというものでした ら、そこに知識を蓄積して、そこから先生の言われる外の組織に情報を持っていって、 そこで対応するということも、それは当然可能だというふうに思います。 ○越智委員長 特に在宅ケアの部分、自助具、装具ですね。その辺のところでちょっと思うんですけ れども、3番の作業療法とか、そういうことと関係があるかも分かりませんけれども、 例えば医療関係者の教育あるいは研修システムというのは、1つはいわゆるリウマチセ ンターというブロックセンターであり、あるいは総合センターで必要だと思いますけれ ども、それからまた並行しまして、例えば財団がやっておられますような、財団といい ましても今は社団、財団、代表的なものは3つあると思いますけれども、その中の1つ で、たまたま日本リウマチ財団がやっておられます在宅ケアであるとかリハビリ、ある いはリウマチ医の研修、そういう研修会というやり方と、それからもっと実際に手を取 って教える教育システムというのも必要だとしたら、それがセンターで集まるのかなと だけど、在宅ケアということに関しましては、実際にケアされる方に対して教育する 指導をする、あるいは必要なものをつくるというのは、センターに集めた場合にとても 出来ないといいますか、アクセスも悪い。それで、センターに集めなくてももう少し細 かく地域的にばらまかれてもいいんじゃないかなと。 ○八木委員 先生の言われた財団の主催する研修会なんですが、私が聞いている研修会の始まった 理由の1つに、理学療法士を含めるセラピストが強い痛みばかりを訴えるリウマチ患者 を診ることができなくて、そればかりか、どちらかというと臨床スタッフから毛嫌いさ れる疾患になりつつあるという状況を改善したいということがありました。そして、リ ウマチ患者さんをきちんと診られるセラピストを育成し、リウマチ疾患を理解してもら おうということから、財団の研修会が始まったと聞いております。 このようなことが何故起こったか想像しますと、セラピストが片麻痺患者さんなどを 担当する機会に比べると、リウマチ患者さんの場合はかなり少ないと思います。一方リ ウマチ患者さんは評判の病院に集まりやすく、その周辺の施設ではさらにリウマチ患者 さんが減少することになります。たまに受診したリウマチ患者さんが強い痛みを訴える と、問題のように扱われてしまいます。このような悪循環によって、先ほどのような状 況が生まれたのかと考えられます。 ですから、リウマチセンターで必要な医療を行ったとしても、先生が言われるように その後出来るだけ早く患者さんを地域や在宅に帰してあげて、そこで継続した医療や介 護を提供すればいいのではないかと考えています。とにかく、リウマチセンターという ところで、先生が言われているさまざまな専門職種や医療従事者の1週間〜2週間の研 修事業が行われたらいいなと思っています。 したがって、研修を希望される人はリウマチセンターに来ていただいて研修を受け、 また自分のところに戻っていくということが考えられます。しかし、現在のリウマチセ ンターにそのような研修制度を作ろうとしたら、今、山田先生が言われたように、とて もではないけれども、マンパワー的にも物質的にも全く出来ないというのが現状である と言わざるを得ません。 ○山田委員 今の八木先生の御意見は全くおっしゃるとおりで私もそう思いますけれども、そうい う形である程度の研修をした人がいて、それで越智先生のおっしゃるいろいろな装具を センターに行ってつくるのではなくて、飽くまでも私はリウマチセンターの根本は情報 センターだろうと思うんです。ですから、どういう装具があるか、どういうものがある か、すべての情報はリウマチセンターにアクセスすればそれを得られるような形にして そういう情報もまた得るのがセンターであって、それをまた還元するのもセンターだろ うと思うんです。 ですから、ある程度の経験があれば、どこの地域に行っても本当に現場で皆さんが出 来るような形に出来るシステムじゃないかと私は思っているんです。 ○越智委員 この西岡先生に書いていただいた絵の中に、機能的にもう少し詳細な限定があります けれども、1、2、3が含められまして、特に3番目の部分というのがやはりセンター で行われる。 それで、合わせまして今、何度か出てきました財団でそういうふうな研修会をやって いると。これも並行してやられるものだと思いますし、この絵の中でさっきもございま した2段目がどうであるとかという問題あるいは一番下の段と、下の2行が横並びかど うか。これはそれほど大きな問題ではないと思いますが、その辺りのところを含めまし て、基本的にはこの西岡先生の書いていただきました図を中心にいたしまして、少し修 正を加えてさせていただく。それで、このブロックセンターの中には幾つかの種類の病 院といいますか、大きく分けまして地域の医療支援センターであるとか、あるいは特定 機能の病院も含めながら、またその中で地域的に何か所かにはいわゆる研修とか教育も 含むというようなことを含めまして、もう一度この絵を最終的につくり直していただく それで、これに関しまして一番必要なのは、人的あるいは物的あるいは設備の上でど うしても予算的措置が必要になりますので、その辺りのところでこの委員会としては提 唱するというような形かと思いますが、附随といいますか、ちょっと付け加えてこうい うことがあるということがもしございましたら御意見をいただきたいんですが、どうぞ ○西岡委員 ある程度予算要求といいますか、そういうふうな形の資料にしていただける訳ですか ○遠藤課長 夢というのは……。 ○越智委員長 一応この委員会は案をつくりまして、その予算がどうなるかというのはそれを基にし てまたこの次の問題かと。 ○遠藤課長 要するに、理想というのはいろいろな絵があり得るので、これは数回でまとめていた だこうとしていますから、そこでどうこうということにはなかなか出来ないと思います し、今の日本の医療制度の中で、それではリウマチだけにどれだけのお金をかき寄せら れるのかということになると非常に難しい面もありますし、そもそも人の養成を伴う話 は数年では何も変わりませんから、結局は地道に変えていかざるを得ないので。 ○越智委員長 実際上、ナショナルだけではなくても第3セクターも同じような方向で使うとか、い ろいろな方法はあると思いますけれども、それも含めて委員会で絵をかいておけばいい んじゃないかなと。 ○遠藤課長 要するに、中心的な機能をどうするのかという話に関しては、私のところは全く何も 持っていませんので、そこのところを余り深く追及していただいても困らないんですけ れども、どうにもならない。どうにもならないと言ってしまうと余りにも打ち明け過ぎ ですけれども、余り使ってもらえないであろうと。 それで、むしろ現実を動かすにはどうしていったらいいんだろうかという辺りのとこ ろの方が。 ○西岡委員 私がちょっと質問させていただいた趣旨は、要するにある程度理想的なものを目指し てこれぐらいのものが必要ですよというのと、それから現実的に対応出来てこのぐらい のものがこうですよと、要するにそのどちらかによってかなり絵のかき方が違ってくる と思うんです。 ○遠藤課長 ですから今、現実にある程度満足すべき状態だと。あとはシンボルが必要だという状 態であるならばそれでもいいんですけれども、もうちょっと泥臭い時点にあるのではな いかと。 ○西岡委員 東京の患者さんが松山まで行っている訳ですし、逆にまた向こうから患者さんが高い 旅費を使って東京まで来ているとか、そういう訳の分からない状況があります。それは ともかくとして、全体として今、既存の、例えばアレルギーだとか、いろいろなものが 入ってくると思うんですけれども、全体として現在遠藤課長なり塚原補佐さんが考えて いらっしゃる……。 ○遠藤課長 こういう図を書くのは比較的、言わば簡単に書くことは可能なんです。 だけど、それが果たして本当に機能し得るのかということになると、ちょっと絵を工 夫したぐらいでは別に世の中が動く訳ではありませんので。 ○越智委員長 絵をかいて少しでもそれに近づく方向に御尽力いただくということで、その絵の中で どこがアプローチ出来るかということだと思いますけれども、今回は絵になるためのデ ィスカッションで、次のときに大体の絵をかいて、あとはどこがアプローチ出来るかと いうことの御尽力をいただくということかなと思っていますけれども。 ○遠藤課長 もう少し御議論いただいておきたいのは、多分機能分けを、例えばさっきちょっと人 工関節のお話が出てきましたけれども、人工関節でいった場合にはどのぐらいの感じに なるのか、私もよく分かりませんけれども、実際問題として全国で100 施設ぐらい、あ るいはもう少し、300 施設ぐらいしか出来なくて、その中に階層があるのか、ないのか とか、何かやった方がいいのかとか、問題ごとに少し分け方は違うのかなという感じも ちょっとしまして、さっきからの研修のお話であれば、各県に1つぐらいあってもいい のかもしれませんけれども、数の問題にしても研修という機能を考えたときにはこのぐ らいの感じで、患者さんを二次的にリファーする場所として考えたときにはどのぐらい になるとか、少し機能によって中身も変わってくるかなという感じもしました。 ○越智委員長 これは、2段目のところが少しいろいろな機能を持ったものが全部含まれるという意 味で。 ○西岡委員 ただ、教育研修に関しては、これも基本的にはヘッドクォーターが一番中枢になるだ ろうと思うんです。それで、実際にはリウマチ財団の研修システムというのは非常に熱 心で、あれだけきちんとやっているところというのは少ないんじゃないかと思うんです ○越智委員長 ただ、教育の問題になってきましたら、財団の研修プラス、これは山本先生も垣生先 生もお書きになっておられますし、そのほかの先生もたくさん書いておられますけれど も講座の問題ですね。大学の講座の問題で、大学の講座がないのでリウマチ財団の研修 で熱心にしなければならないという部分がある訳なんですけれども、皆さんの前の御意 見あるいは後の紙のを見せていただきまして、やはり学生のときの講座の設定、そして その後の卒後研修としてのリウマチ財団で今やっておられますが、ああいうふうな研修 教育システムというのは割合皆さん書いておられて、余りこれに異論はなくて、各段階 でもその1本といいますか、そういう形かなという感じがするんです。 だから、財団の研修にしても今の財団の研修と、それから講座が出来ればということ を前提に、一応こうあるべきだというイメージの中での財団の研修もまた違ってくると 思いますけれども、いずれにしましてもその2本というのは割合皆さんが言っておられ るんです。 ○西岡委員 この図のある1つのブロックを含めて、全体のヘッドクォーターを含めての基本的な 骨格ですよね。それで、それにいろいろな大学が横につながっていたり、そういうふう な形でのいろいろな……。 ○越智委員長 医療現場としての大学病院は第2番目のところで、例えば特定機能病院という中にも 入ってくるしということで、第2段にいろいろなものが入るという形かなと思います。 ○西岡委員 その中で卒前教育、卒後教育が含まれても私はいいと思うんです。 ただ、この絵は飽くまでも基本的なプロトタイプといいますか、こういう形でいって それに例えば民間病院があるし、大学病院があるし、県立病院があるし、日赤赤十字病 院があるし、その設立母体がこのある地域ブロックセンターというような……。 ○越智委員長 この中で一番まず充実しなければならないのは総合センター、とにかく1つきちんと したものをつくらなければならないという意味での総合センターの充実、今までの御意 見を基にしてこういうものであるべきだというのがあり、それがやはり各地域ではこう いう形でファンクションをすべきであるというのが必要ではないかなと思っております けれども、今日のディスカッションを基にして、もう一度議案が出来まして、次がその ディスカッションかなと思っておりますので。 ○垣生委員 1つだけよろしいですか。 それをつくる場合に、ほかの今までの疾病と違って、かなりリハビリテーションだと か理学という部分がリウマチは大きい分野でございますね。そうすると、このセンター というのを普通に書いてしまうと同じように受け止められてしまう。予算とか、そうい うものもありましても、分院とか関連会社的にブロックセンターはかなり情報をソフト な部分というふうにとらえて、実際にそこから連絡がいって、あるいは関係をして、さ っき先生がおっしゃったような医療器具をつくるとか、そういうところをひとつぶら下 げたらどうなんでしょうか。 そうすると、ほかのものと違ってこれだけ大変なんですよとか、人員が要りますよと か、それは第3セクターにしても何にしても構わないと思うんですけれども、違うとい うところを強調したらいかがなものでしょうか。 ○越智委員長 西岡先生、よろしくお願いします。 では、先に進ませていただきます。それから、教育、研究という問題、これはそれほ ど複雑でないと思うんです。医師側の教育研究というところは、特に研究という部分で 教育に関しましては講座の設定、そしてその後の卒後教育、これは例えば財団のような もの、今のようなものをイメージされるものとかがございましたが、特に4の(5)に 書いてあります基礎研究と臨床研究との連携、これは垣生先生と山本先生のお2人がお っしゃっておられたと思いますけれども、この辺は具体的にどういうものかというイ メージがちょっとわかない部分があるんですけれども、具体的にはどういうものが…… ○山本委員 例えば、越智先生とか西岡先生が班長をされているリウマチ研究班がありますね。そ れから、私がやらせていただいている特定疾患に関する研究班というのがありますけれ ども、厚生省の御努力でいい研究班になっていると思うんです。 ただ、やはり各班員のいただけるのは大体200 万円位というお金で、そうすると1つ のある講座とか、研究室でお金をいただく訳ですけれども、その占めるお金というのは 研究室全体の中の主要なものではなくなってしまうんですね。薄まってしまう訳です。 片や今、大型予算で、厚生省も関係しているし、科技庁も関係している大型予算は1 億円前後で、もらえる研究室の数は非常に少ない。要するにその中間ぐらいの日本の中 のリウマチを本当に研究しているが、その予算で主にその教室を動かせるようなお金の 配分が必要ではないかと思います。 ですから、簡単に言えば1つの教室で1億は要らない訳ですよね。2,000 、3,000 万 ぐらいのお金が、20というのは難しいかもしれないけれども、セレクトされた、セレク ションを勝ち抜いた10個ぐらいの教室に配られて、そこの人員をほとんどそのある研究 に費せるというような予算措置の方が、昔のがんはそういうことでいきましたよね。そ んな形が一番効果的ではないかなという気がするんです。 ○越智委員長 垣生先生はどういうふうにイメージされますか。 ○垣生委員 私も、研究費の額は別として、規模としては大きくしてしまうと、結局リウマチだけ じゃなくて自己免疫疾患全体が対象になってしまってどこかとの研究プロジェクトと オーバーラップしてしまうことが多くなるので、もっと具体的な研究テーマで各1,000 万円位で数個にしたらいいと思います。今までの班とはちょっと違って、基礎研究と、 それから臨床の材料が十分提供出来て研究をしている既存の研究費を1つの組にしたよ うな研究体制を幾つか全国でつくり、強化、促進していただけたらと思います。 ○越智委員長 これは割合、班会議で実際やっていると思うんですが。 ○垣生委員 今まで多くの班研究というのは、例えばリウマチに関する研究をしている人を横並び に広げていることが多いと思います。2つ研究室なり3つの研究組んで短期間で個々を やろうという具体的なプロジェクトが進められるグループを複数作った方がよい。例え ば関節の場合でしたら滑膜細胞の変異をターゲットにした自己反応細胞による疾患モデ ルを作るグループとか、変異責任遺伝子探索グループとか反応リンパ球抑制探索とか。 今までの、班は割とプロジェクト的意識が少なく無責任になるところがあるかと思うん です。 ○越智委員長 逆に言いましたら、班を組むときに余りメンバーを増やさずに、メンバーを絞ってそ の配るお金を考えなさいと。これは、班長の責任にもなりますね。 いろいろな意味で予算ということ、あるいは研究費の配分ということは非常に貴重な 部分だと思いますけれども、もう一つの4番目のリハビリテーションに関する研究、こ の4番に関しまして八木先生はどういうふうに考えておられますか。 ○八木委員 確かに、リウマチに携っているPTも少しずつ増えてきていますので、最近では、リ ウマチに関する文献等も少しずつ成書という形になってきています。 ただし、脳卒中などと比べたら、研究という部分にはまだまだ程遠いかなというとこ ろです。先ほども言いましたように、患者さんを担当しているセラピストが非常に忙し いものですから、自分たちで臨床しながら研究もするということはなかなか難しい状況 にあると思います。もう少し余裕が出れば、研究にも取り組めるような気がいたします ので、その辺の体制づくりが必要と考えます。 リハに関しての研究の対象というのはたくさんあると思いますが、まだまだそれらに 手がつけられていない状況であると理解しています。 ○越智委員長 私がちょっと思っていましたのが、厚生省の班研究の中の治療の班研究の中にこうい うプロジェクトを少し入れてもいいんじゃないかと。本当はもっと早く入っているべき だったのかも分かりませんけれども今、入っていないんですけれども、例えばPT、 OTの方にも加わっていただいて、こういう部分の研究というのが厚生省の班の中の一 つのプロジェクトにあってもいいんじゃないか。 その意味で、まだ官報に出ていないと思いますけれども、官報が出ましたら……。 ○遠藤課長 おととい出ました。 ○越智委員長 出ましたか。気がつきませんでした。一応そこにもPT、OTの方にも個々に応じて いただきましたら、その中でひとつプロジェクトを拾うとか、そういうことも考えてい かなければならないのかなということも思っておりましたけれども、1、2、3に関し まして特に今、厚生省のリウマチ班がありまして、こういうところの研究をやらなけれ ばならないんじゃないか。特にこの前のディスカッションとか、あるいは後で指摘され ておりました部分に関しまして、十分認識されながら次の班を組んでいかなければなら ないんじゃないか。 勿論、何度も出ています。これは、多分厚生省の方も耳にタコが出来るぐらい聞いて おられると思いますが、予算というのがありますけれども、そういうものが裏づけられ ながら、その班の中には法制であるとか、あるいは組み方、余り多岐にわたらなくて少 数に絞ってもいいんじゃないかという、いわゆる垣生先生の御意見あるいはリハの研究 というのも入ってもいいんじゃないか。この辺りのところをもう一度考えながら次の班 のことも考えるというのは一つの現実的なものかなと思っておりますが、この4番に関 しましてほかに特にお気づきのことがございましたらどうぞ。 ○吉田委員 お医者様も医療の面が主で、自助具とか、靴とか、つえですね。ああいうものを毎日 の生活の中のことが研究されていないし、また今おっしゃったPT、OTの方は指導者 の不足ということもあって、患者自身が考えてやっていかなければいけない部分がいっ ぱいある訳なんです。 それで、シューフィッターの方などにもリウマチに関心を持ってもらいたいというの で今、運動をしたりしているんですけれども、そういう意味でもう少し幅広くリハビリ テーションの機能回復とか、法律条文のところは専門家の方にメンバー入っていただき たいと思います。 ○越智委員長 (4)の■にあります機能代替、装具・自助具、この辺りの開発も先ほど申しました 厚生省の班研究の中の1つの課題に入れればいいのかなというふうに思っております。 また、お気づきのことがございましたら後で追加していただきたいと思いますが、5 番目の情報把握・提供、これは今までこの組織図の中に何度もディスカッションが出て まいりましたけれども、一番中央の情報として総合センターあるいは各地区でブロック センター、そしてリウマチの患者さんを実際に見ておられる医療現場の方々それぞれの 情報、これはやはりセンターであればいいんじゃないか。センターが中心的な役割を果 たさなければならないんじゃないか。 それと、資料2の2ページの最後に絵がかいてあります。参考という絵がかいてあり ますが、今、西岡先生にお配りいただきました2枚のA4の紙が付いております資料の 2ページ目の後ろの参考のところにあります。この情報ですが、例えば実際に情報とい いますのは医療施行施設の中だけ、あるいは医療従事者だけの情報でなくて、例えば厚 生省で一つの大きな事業として大きな予算を組んでいただきまして研究班がある。それ で研究補助をしておられますが、そこからの情報、あるいは患者さんからの情報と、い ろいろな情報がありまして、先ほどからディスカッションに乗っております医療関係者 の情報だけではなくて、こういうことの情報、特に研究班の情報というのも実際に医療 施設あるいはその患者さんへの、特に今、吉田さんがおっしゃっていましたように、自 助具のことをもし研究班で取り上げましたら成果というのが患者さんにある程度還元さ れるべきと、こういうふうな情報源という、これを含めましての情報というのが、1つ はセンター、これは大きな柱ですが、センターだけではカバーし切れない部分がある。 それで、この間のディスカッションあるいは後からの御意見の中に出てまいりました1 つが、例えば財団であるとか、あるいは社団法人、例えばリウマチ財団であるようなと ころ、あるいはリウマチ友の会と、そういうふうな財団、社団といったようなものを加 えまして緊密に情報がとられるべきであるという、情報の中にセンターだけではなくて そういうものも含むんじゃないか。 そして、必要な情報が有機的に流れるように、やはりセンターの方で、特にこれを総 合センターの方でコントロールしていただきまして、この部分は医療関係のセンターだ けではコントロールし切れないから、この財団関係からも流してほしいというような、 お互いに意思の交換といいますか、そういうものがありながらのセンター構想というの が、今いただいています御意見の中の組み立てかなと思っております。インターネット というようなお言葉もありましたが、この情報ということに関しまして基本的にそうい うことでとりあえず原案はしていただくということでよろしいでしょうか。 それから、6番目の二次予防、障害認定制度の再評価、診療報酬上の評価というのが ありまして、特に2番目の障害認定制度ですね。 例えば、私たちは患者さんを診ていまして、手足が本当に破壊がひどくて歩けない。 だけど、手術をする前の患者さんの等級というのは非常に低いんですね。それで、手術 を済ませますと全廃になりまして、グレードアップして何とかまた動けるようになれば むしろ等級は高くなるというようなことがあります。それで、手術する前の患者さんと いうのは非常にグレードが低くて、もう少しこういう点はどうかならないのかなという 点ですね。 あるいは、3級くらいの患者さんは車いすが支給されません。たしか2級からですが 3級の患者さんを見ていましてもとても歩けないという方にも車いすが支給されないの かなというような面がございますが、こういうふうな再評価ということは、やはりこの 段階で是非やっていただきたいと思います。 あの評価方法というのはかなり古いものだと思うんですけれども、一度是非見直して いただきまして、あれは何年ぐらい前なんですかね。もう一度、適切かどうかという評 価というのはお願いしたいと思いますが、特に村山先生が書いておられたと思うんです 評価が不適切であるということで、その辺りのところの…。 ○村澤委員 15年か、十何年前につくり直したんですけれども、かえって改悪になっているんです 細かくなり過ぎているんですね。それで、目の悪い人には書けないです。老眼のような 人には書けないような細かいものです。 ○越智委員長 一度その辺りのところを再評価するようなきっかけを是非つくっていただきたいとい うことを、この委員会で進言させていただけたらと思っています。 ○西岡委員 ただ、逆の場合もあるんです。来たときはものすごく悪かったんだけれどもだんだん QOLが改善してきてよくなったと。 ○越智委員長 勿論そうですね。だから、その辺のところを含めて、15年前の改正でしたら一度見直 すことも必要じゃないかなということで、そういう機会をつくっていただけたらなと思 います。よくなった部分と、かえって悪くなった部分というのをならすことが出来れば もしそういうことを進言するならばこの委員会しかないのでしたらば是非お願い申し上 げたいと思っております。 それから、3番目は診療報酬上の評価です。津久江先生、こういう御意見をいろいろ お聞きじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。私たちも診療上のいろい ろな委員会、今も収入ということで何人かの先生方からも出ていましたが、一面患者さ んの支払うお金がだんだん上がってくる。だから、医療費に対する支給に対する検討あ るいは今度は診療報酬上で不適当な部分があるんじゃないかというような御意見もあり ますし、これは多分、医師会の方でかなりいろいろコンタクトしておられると思うんで す。特に3番の部分というのはそういうことで折衝があると思いますが、それに加えて この委員会で何か進言することがございましたらまたということで、今のところ特に具 体的な御意見はこの中になかったと思いますが、一応項目だけ挙がっていたと思います ○村澤委員 厚生省がすすめている、入院の治療と、外来と、在宅の中で長期入院というのが今、 社会的に言えば罪悪みたいになっているんですけれども、その中で慢性疾患を見ていく 場合、どうしても入院は長くなるんですね。勿論、その中でも短くしなくちゃいけない んですけれども、どういうことかというと、一般の人たちはリウマチの患者さんを見た くないということでリジェクトが始まる訳です。 外来でも、いろいろな指導の点数が今まであったんです。それがことごとくなくなっ ていますから、リウマチ関係者でないお医者さんに患者さんを頼むときに余り見ていた だけない。要するに、下世話な言葉ではうま味がない。それは現実なんですね。だから やはりリウマチの患者さんを一般の先生方にも見てもらうならば、そういうものはある 程度付けてあげないと、それはまた矛盾してくるのかもしれないですけれども。 ○津久江委員 それは正しい意見だと思うんです。例えば、今度出来たのは平均在日数が20日と30日 とに分けまして、30日以内の人は入院時医学管理料の逓減性、それから30日以内と30日 を超える場合との逓減性が随分変わりましたから、その慢性患者に対する評価というの もまた別建てでやるように思われます。 ○村澤委員 長ければいいということではないんですけれども、リウマチ患者さん当然無理なんで す。それはアメリカと日本を比べた場合、保険制度が違う中でアメリカと同じように考 えて入院は20日でいいかと言っても、そうしたら結局ほとんどのリウマチの重症の患者 さんは医療現場では施設以外はだれも見ていただけないということになりかねないんで すね。 ですから、そういうことをここでかなり食い止めておかないと、幾ら見てください、 見てくださいと言っても無理なんです。 ○越智委員長 一応、今までのディスカッションを基に大体次までに1つの柱をまとめていただきま して、もう一度次回見直しながら加えたり、削ったりという修正が出されるということ だと思いますので、もし是非この部分ということがございましたら、次回その分を補足 ということで、多分この診療報酬の面は医師会でもやっておられますし、各学会でもそ ういう委員があって、既に折衝をしている訳でありますけれども、特にこの委員会でと いう部分がありましたらもう少し具体的にまたお持ちいただきまして、その部分を付け 加えるということでもいいんじゃないかと思います。 それで、全体を通じまして特に今回、第2回、今回のは西岡先生がこの組織図をつく っていただきましたが、それを中心にいたしましていろいろな問題点をまとめさせてい ただきまして、結論から言いますと是非総合センター、人的にも物的にもいろいろな設 備の上で充実したものをつくっていただき、地域にも同じように広がるものが出来、そ して情報交換あるいはいろいろな教育研究ということを含めましてのリウマチでの問題 点というのを次回にまとめまして、前に進めていただける部分は進めていただきながら というものだと思いますが、今のディスカッションの中でちょっと言い忘れたけれども 是非これだけはということがございましたら。 ○吉田委員 身体障害者手帳認定制度の再評価のところで、認定医の先生によって評価が違うんで す。1、2級と3、4級では大分補償が違いますので、これはとても皆さん関心のある ところなので、先生方の合意点ですか、その決まりをしっかり決めていだだきたいと思 います。実際に身障者手帳をもらったというのは珍しくて、それが体験発表になるよう な県もあります。制度は活用しましょうと言っているものですから、そういう意味では 指定医の先生方の評価の仕方も、合意点が同じようなレベルでしていただきたいと思い ます。 ○越智委員長 それは情報という面で、友の会の方からもこういう状態だったら、例えば3級ぐらい が取れるよと、例えば5級か6級でしたら持っていても余り役に立たない部分がありま すね。それで患者さんは、別にこれだったら要らないと言われる部分があって、その辺 の情報はこれぐらいだったらこの程度のメリットしかないけれども、もらえますよとい うのはやはりリウマチ友の会の方でも流しておいていただければと思います。 それで、認定の仕方というのは一つのかなり詳しいフォームが決まっておりまして、 認定の資格を持っている医師というのはある特定の人がいまして、それほど大きなばら つきはないと思うんですが、どれぐらいでもらえるかというのをまた特に情報という意 味で流していただいてということだと思います。 よろしいでしょうか。5分ほど時間が過ぎましたけれども、今日のディスカッション はこれで終わらせていただきまして、またまとめたもので次回ということになると思い ますが、事務局の塚原さん、何か付け加えたりございますか。 ○塚原補佐 では、事務局の方からですけれども、次回の開催は5月ごろをめどに考えております それで、5月ごろのめどの会議である程度具体的な案をお取りまとめをいただければな と。 といいますのは、この委員会での討議を踏まえまして予算措置をしていく。予算を要 求していくというものについては、大体そのぐらいの時期に大方の具体的なものが出て いないと平成10年度には間に合わないというスケジュールからのことなのでありますけ れども、5月の会議でこれを取りまとめて、中間的なお取りまとめがいただければよろ しいのではないか、ありがたいということでございます。 それで、今日の会議で十分な議論が出来なかった部分もあろうかと思いますので、更 に追加事項等がございましたら、3月中に事務局の方に文章なりファックスでお送りい ただければと思います。 もう一つは本日、事務局の方からまた日を改めまして議事録をお送りさせていただき ますので、前回と同じようにチェックをしていただいた上で事務局の方にお返しをいた だければというふうに思っております。一応議事録は公開ということになっております ので、よろしくお願いをいたします。 ○越智委員長 どうも長い時間、ちょっと予定を過ぎてしまいまして、司会として申し訳ないと思い ますが、非常に熱心に御討議いただきましてありがとうございました。第2回はこれで 終了させていただきますが今、塚原さんからおっしゃられましたようなことで、議事録 修正、また次回の御出席をよろしくお願い申し上げます。 これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課    担 当 塚原(内2353)    電 話 (代)03−3503−1711