99/08/23 第7回クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会議事録 第7回公衆衛生審議会疾病対策部会 クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会 議 事 録 日 時 :平成11年8月23日(月)15:28〜17:33 場 所 :厚生省3階 特別第2会議室 議事次第: 1  開 会 2  議 事 (1)「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査」の調査結果及び 解析結果について (2)今後のサーベイランスのあり方について   (3)その他  3  閉 会 ○佐藤委員長  中谷課長さんからお話がありましたように、1、2分早いのですが、委員の先生方お 集まりいただいたので、第7回の公衆衛生審議会疾病対策部会の「クロイツフェルト・ ヤコブ病等の専門委員会」を開催させていただきたいと思います。  どうも暑いのに、先生方ご苦労さまでした。会議に先立ちまして、厚生省のほうから 人事異動がございましたので、課長さんからご紹介お願いしたいと思います。 ○中谷課長  それでは前回ございましてから、人事異動がございましたので、ご紹介をいたしま す。今まで三丸さんという非常にでかい課長補佐がやっておりましたが、減量に成功い たしまして金谷補佐が、同じく防衛庁から着任をしております。疾病対策、特にCJD対 策、担当させていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。  後のメンバーはだいたい見てのとおりでございます。よろしくお願いいたします。 ○佐藤委員長   よろしくお願いします。それでは、委員の出欠状況とご紹介についてお願いします。 ○金谷補佐  本日は小池先生ご欠席となっております。(遅れて出席)なお、他の委員の先生方に つきましては、全員お揃いということでございます。  今回、遅発性ウイルス研究班の中村自治医科大学校教授のほうにもご出席をいただい ておりますことを合わせてご報告させていただきたいと思います。  では、早速資料の確認に移らせていただきたいと思います。お手元の封筒に入ってお りますが、まず議事次第1枚と、それからあと中の会議資料の詳細ということで1枚、 それから資料1ということで、中村先生のほうで作っていただきました報告書が1つ、 それとあと「今後のサーベランスのあり方」という資料2が1つ、それと本日、例年で ございますと後でお配りするのでございますが、クロイツフェルト・ヤコブ病の専門委 員会の記者録資料を入れさせていただいております。  最後に、参考資料1といたしまして、今年2月17日に行われました、委員会の議事録 を入れさせていただいておりますので、各先生方こちらを見ていただきまして、前回の 内容をご確認をお願いしたいと思っております。  一応以上、これらの書類でございますが、中に入ってない等ございましたら至急ご確 認のほどお願いしたいと思います。  よろしいでしょうか。では委員長よろしくお願いします。 ○佐藤委員長  はい、それでは早速議事に入りますが、今日予定しておりますのは、調査結果とその 解析結果についてのご審議いただくことと、それから今後のサーベランスのあり方につ いて、ご審議していただきたいと思います。後半のほうには、30分ぐらいその時間をい ただきたいと思いますので、議事の進行によろしくご協力お願いします。  それでは調査結果の説明をお願いいたします。 ○金谷補佐  お手元のほうに、前回保留分(3例)とそれから新規報告分(16例)という2つの書 類がお手元にあるかと思いますけれども、両方とも会終了後回収させていただきたいと 思いますのでよろしくお願いしたいと思います。  まず、前回保留分に関してですけれども、こちらのほうからご検討のほどお願いした いと思います。  症例の20番、イニシャルのK.Tさんですけれども、こちらのほうは4枚目のところ に、前回の委員会におきまして、平成12年度を目処に再調査を必要ということで、前回 の委員会でも保留になっている症例でございます。このため、今回追加情報等は、まだ いただいておりません。以上です。 ○佐藤委員長  この書類について追加情報の問い合わせをしたのはいつでしたかね、ちょっと前の症 例であれですが、この症例は発症が平成8年2月でございまして、報告書、追加情報を 受けたのは平成9年10月ですからほぼ2年近く経っても、まだ無動性の無言になってな いということで先回も保留にしたのですが、その後についてもやはり無動性の無言に依 然としてなってないのか、それからもしその後になったとしても非常に長い経過、無動 性の無言にならないというのは、カンジョ進行例として私どもも問題にしておりますが 特殊な後発例のうちでも、非常に経過の遅いタイプとして注目する必要があろうかと思 います。  この症例についてご意見をいただきたいと思いますが、情報としては錐体外路症状と 無動性・無言が10月1日の時点でなくて、それから念のためにワセマン反応など問い合 わせておりますが、それは問題ないということです。  この症例は、そうすると保留にした時の条件が依然としてまだ続いて確認できてない と考えてよろしいでしょうか。 ○金谷補佐  はい。 ○佐藤委員長  委員の先生方、何かご意見ございませんか。  もう1回、問い合わせしていただいて、この症例は、ちょうど北本班のほうでサーベ ランス委員会もできたことですし、やはり専門委員の先生が直接診察調査に赴いたほう が、この症例の内容について把握が正確にできると思いますがいかがでしょうか。  もしご意見がございませんでしたら、もう1回この施設に問い合わせをしていただい て、依然として同じ状態が続いているようでしたら調査に、この報告上がったのが平成 9年4月ですから、相当時間も経っておりますし1回調査に赴いて、少なくともクロイ ツフェルト・ヤコブ病としての疑い例に入れてよろしいかどうかということの確認が必 要かと思いますが、それでよろしいでしょうか。  ではご意見ないようですから、この症例をもう1回、同じ問い合わせ、無動性・無言 とそれから錐体外路兆候などが依然としてないのでしょうかということ、それから北本 班のほうに引き継いで、この症例は実際に調査させていただきたいと申し入れを伝えて もらえますか、いかがでしょうか。 ○金谷補佐  了解いたしました。 ○佐藤委員長  それでよろしくお願いします。それでは次の症例をお願いします。 ○金谷補佐  72番ございます。イニシャルU.M、女性。発症が平成8年3月頃でございます。本 症例につきましては、PSDを欠くことから「疑い例」として報告されております。その後 頭部MRIの検査におきまして、かなり脳萎縮がここ1年で進行しているということですが 前回の委員会におきまして、プリオン蛋白遺伝子の検索を確認してからということで、 今回その結果がまいっております。追加のほう、後ろには情報は書いてないのですが、 コドン232のメチオニンからアルギニンへの変異がありますと、主治医のほうからお電話 で連絡をいただいております。 ○佐藤委員長  どうも調査ありがとうございました。今のお話のように、プリオンの遺伝子のコドン の232がメチオニンがアルギニンに変異しているということで、この症例はそうすると家 族性のCJDと分類をしてよろしいかどうかということですけれど、立石先生いかがでしょ うか。 ○立石委員  よろしいのではないでしょうか。 ○佐藤委員長  北本先生よろしいでしょうか。 ○北本委員  はい。 ○佐藤委員長  それではお二人の専門の先生方のご意見もそうですし、家族性のCJDとして分類をして 「疑い例」のマークから外すということになると思います。  これは家族性のCJDという項目はないのかな、そうするとこの調査票で○をつけるとす ると、1)のCJDの「ほぼ確実例」で、そこに(注)をつけて家族性ということになりましょ うか。あとはGSSかFFIかしか○をつけるところないですね。  よろしいでしょうか、ではそうしていただきます。 ○中村先生   PSDは確認できてますか。 ○金谷補佐  本例につきましては、PSDは欠いております。それで「疑い例」ということでお聞きし ております。PSDは、でておりません。 ○佐藤委員長  問い合わせても「不明」と書いてあるのですね、判読できなったと。 ○金谷補佐  そういうことでございます。 ○佐藤委員長  PSDが「不明」にしておいていただいて、それで遺伝子変異がありますから、家族性CJ Dという分類でよろしいかと思います。「ほぼ確実例」です。  それでは次に移ってよろしいでしょうか。 ○金谷補佐  それでは114番でございます。イニシャルM.M、女性。発症が平成10年1月頃という ことでございます。  こちらの症例につきましては、前回の委員会におきまして、既に病理解剖を実施され ているということ、ただしその病理解剖の正式な結果を待つということから保留となっ ております。その後の最終的な病理報告に関しまして、抗プリオン蛋白抗体による免疫 染色で、異常型プリオン蛋白の蓄積が認められないという報告を担当の先生から受けて おります。こちらのほうは、後ろのほうにつけました資料、平成11年4月15日、佐藤先 生宛で来ておりますこの手紙に、最終的な診断が付いておりまして、最後に神経カンフ ァレンス2月26日NO2というところでまとめのところに、抗プリオン蛋白抗体による 免疫染色で、異常型プリオン蛋白の蓄積は認められなかったという意見をいただいてお ります。 ○佐藤委員長  ご苦労様でした。この症例は、九州大学で剖検例を非常にきちっと調べていただきま して、その結果、クロイツフェルト・ヤコブ病は否定できたということでありますので この症例は分類から外そうと思います。よろしくお願いします。  以上、保留例は終わりましたでしょうか。 ○金谷補佐  はい。  では引き続き、新規報告分について報告させていただきたいと思います。お手元の資 料、新規報告分(16例)をご覧ください。 ○佐藤委員長  それではお願いいたします。 ○金谷補佐  はい。118番でございます。イニシャルY.K、昭和21年3月8日生まれ、発症が平成 10年10月頃ということでございます。  本例の手術歴といたしまして、昭和60年7月4日、聴神経腫瘍にて乾燥硬膜の移植を 受けております。その後、進行性痴呆PSDを認め、ミオクローヌス、無動・無言の状態を 伴うことから、「ほぼ確実例」と報告をされております。なお、画像所見では、脳萎縮 を認めないということです。追加の調査にて、コドン129がメチオニン/メチオニン、コ ドン219がグルタミン/グルタミンの正常多型という情報を得ております。以上でござい ます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。この症例は慶應大学に入院しておられますし、臨床的には 「ほぼ確実例」ということで、この記載から見ますと、画像の変化がまだ認められない とありますが、平成10年10月の発症で、報告されたのが次の年の1月ですから、まだ3 ヶ月ですのでこの時期にはでなくてもよろしいと思います。この症例についてご意見ご ざいませんでしょうか。ライオデュラを使用されている症例です。 この症例は、昭和60年(1985年)ですと、アルカリ処理をしてないライオデュラしか日 本ではこの時には出回っておりませんので、種類についてもあまり従来のものと同じ傾 向にあると思います。  それでは、この症例は、主治医の調査票の記載どおり「ほぼ確実例」としてよろしい でしょうか。では、ご意見ないようですから、そうさせていただきます。  次の119番に移ってください。 ○金谷補佐  それでは119番でございます。イニシャルN.N、女性。昭和5年5月19日生まれ、発 症は平成9年8月頃でございます。  手術歴といたしまして、昭和63年3月1日、小脳橋角部腫瘍、聴神経腫瘍にて乾燥硬 膜を使用されております。既往歴といたしまして、精神分裂病で昭和42年2月から罹患 ということでございます。  検査所見では、平成9年12月の段階ではPSDはありません。画像所見としましては、脳 の萎縮を認めております。プリオン蛋白の遺伝子の異状を認めずということです。  この症例については、病理所見といたしまして、大脳基底核、海馬、小脳皮質にFlor- id type prion plaqueを認めたとの報告を受けております。なお、担当医の診断では 「確実例」と報告をいただいております。追加情報に関しましては、現在のところ来て おりません。以上でございます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。この症例は、病理解剖もされておりますので、診断上は問 題のない症例かと考えられますが、硬膜移植を受けた時期が、昭和63年3月1日ですと 1988年になりますと、一応ライオデュラはアルカリ処理をしたものがこの年から出回っ ておりますが、例えば病院在庫のものとか旧処理法とちょうど混じり合っている時期に もなりますし、この病院には厚生省の調査でティトプラストも使用しておられたという ことで、硬膜の特定がまだ病院のほうから、特定できたという返事をいただいてないと いうことですが、何かご質問ありませんでしょうか。 ○端委員  硬膜を使用したことは確実なのでしょうか。 ○佐藤委員長  それは確実です。病院のほうから、硬膜は使用歴は確実です。 ○端委員  使用した可能性はあると書いてありますが。 ○北本委員  問い合わせていただいたのだと思います。 ○佐藤委員長  そうですね、ただ病院のほうで台帳が残っていなかったりして。 ○立石委員  病院へ問い合わせても分からなかったのですか。 ○佐藤委員長  まだ調査中なのです。 ○北本委員  ロット番号とは分からないですが、使ったということは。 ○立石委員  ライオデュラかティトプラストかどちらか。 ○北本委員  それは分かっていない。 ○立石委員  それは非常に大きな意味があると思うのです。 ○佐藤委員長  厚生省のほうで何回か督促していただいたのですが、非常に古い症例なので、台帳の こととかありますので、病院のほうで調査しておられて、まだこの症例は、その手に関 しては返事をいただいてない症例です。 ○金谷補佐  レセプトのほうから当たるということで、事務にも問い合わせて、過去の資料を探し ています。 ○佐藤委員長  いろいろな調査法がありまして、考えられる調査法すべて厚生省のほうでお願いして いるのです。  この症例は、硬膜使用例でクロイツフェルト・ヤコブ病としては「確実例」にしてお いていただいて、硬膜の種類についてはまた機会がありましたら、もし判明したらご報 告いただくということでよろしいでしょうか。  それではこの119番は終わりたいと思います。 ○金谷補佐  120番を説明いたします。イニシャルA.S、女性。昭和18年11月6日生まれ。発症は 平成10年3月頃でございます。  既往歴としましては、手術歴特記すべき事項はございません。進行性痴呆を認めてお ります。画像診断においては、脳萎縮を認めておりますがPSDはございません。担当医師 の意見といたしまして、平成10年12月15日の脳波検査ではPSD用の脳波を認めているとい うことでございます。以上のことから担当医の診察としましては「疑い例」。  なお、プリオン蛋白遺伝子の検索は実施中ということです。検査結果につきましては まだこちらほうにいただいておりません。以上でございます。   ○佐藤委員長  この症例は、ミオクローヌスは認められるのですが、脳波でのPSDは認められなかった とい症例になりますが、それで「疑い例」になっております。他に関しては、鑑別上問 題がないと思いますがいかがでございましょうか。  脳波のPSDも判読される先生によって、教科書的な振幅の大きい周期性の徐波が認めら れなければPSDマイナスと書かれる方もおりますので、この方、もし問題になれば今度で きるサーベランス委員会の先生が、直接脳波をチェックしたほうが、よりこの問題は明 確になると思います。「疑い例」として今回は認定するということでよろしいでしょう か。 ○北本委員  症例の名前までは分からないのですが、実はJR東京病院まで、私サンプルを取りに行 きまして、ひょっとすると亡くなられているかもしれません。 ○金谷補佐  まだそこまでは分かりません。 ○北本委員  そうですか。JR東京病院の症例は1例、異常プリオン蛋白ございました。もう亡くな られてバイオプシーしかできなかったのですが、そこから検出はできてますので。 ○佐藤委員長  一応プリオン蛋白がですね。 ○北本委員  はい、遺伝子異常はないタイシで、だからひょっとこの症例が亡くなられてというこ とであれば、もう「確実例」で死亡と。 ○佐藤委員長  それでは北本先生のお話で、一部の脳組織からプリオン蛋白が証明されているという ことですので、この症例がその症例と同一であればランクは「確実例」に。 ○北本委員  確かめます。 ○佐藤委員長  それでは同一例であれは「確実例」とランクをつけるということで、現在のところは その点だけご返事いただいて、どちらかに決めるということでよろしいでしょうか。今 のお話ですと、同じ症例のようなニュアンスですが。 ○中谷課長  これ今JR東京病院に電話をしましょうか。阿部主治医のお前がありますので、部長さ んが鴨下先生ですね。そうするとこの委員会の場で決定がつきますね。 ○佐藤委員長  それではよろしくお願いします。それではそのご返事をいただく間に、次の症例をご 審議いただきたいと思います。 ○金谷補佐  121番に移ります。イニシャルF.H、男性。昭和57年12月30日生まれ。発症は平成10 年5月頃でございます。本例は手術歴としまして、昭和59年6月14日に脳腫瘍の手術を 受けております。この際に乾燥硬膜の移植を行われているということです。検査所見で は、PSDは認めておらず、画像診断上脳萎縮を認めております。プリオン蛋白遺伝子の検 索につきましては、実施いたしておりません。鑑別診断では全てを除外できるとして、 診断上「疑い例」と報告をされております。  なお、本例につきましては、3枚目の別紙のところに担当医からいただいた追加情報 それからその次に、佐藤先生と北海道大学の田代先生のご協力を得ていただきました詳 細な病状記録を付けております。それらを含ましてご説明しますと、腫瘍につきまして は右頭頂後頭葉にかけてのcpendymoblastomaあるいはneuroblastomaの診断。手術後、放 射線療法を実施されております。直近の入院後、脳波検査では高振幅徐波を認め、その 後9月にはほとんどの基線の消失を認めているとの情報を得ております。以上でござい ます。 ○佐藤委員長 ありがとうございました。この症例は訴訟にもなっているということで、弁護団のほ うからカルテのコピーと画像のコピーが私の手元に送られてまいりまして、この症例は 私は承認は引き受けてないのですが、行きがかり上、弁護団が送ってきたのだと思いま す。  問題になるのは、脳腫瘍の後遺症がどの程度影響しているかということと、ラディ エーションを受けておりますので、その影響が除外できるかということですが、カルテ の記載と画像上は、その2つは否定できると思います。一応、画像を持ってまいりまし たので、もしよろしければ供覧いたします。  MRIの画像を供覧いたしますが、もう既に脳質拡大が非常に強いし、それと手術のあと はどちらかの後頭葉にあるのですが、その影響では全体の病変は説明できないと思いま す。 この症例について、何かご質問ございませんでしょうか。この症例は参考までで すので、画像をご覧いただいて、診断は臨床的な「ほぼ確実例」としてよろしいでしょ うか。 (画像供覧) ○端委員  こちらのほうはほとんど影響ないように思います。 ○佐藤委員長  ありがとうございます。脳波のコピーが来ておりません。間違えて心電図のコピーが 入ってまして、脳波は拝見できなかったのです。 (画像供覧) ○中谷課長  それでは進行をお願いします。 ○佐藤委員長  ただ今、脳外科の端先生からも、ご専門の立場からも手術性の影響は、手術層のあと はあるけれど、全体の画像には診断には影響ないだろうというご意見をいただきました し、申請者の診断どおり、この人、脳波でPSDがないということから「疑い例」になって おりますが、これでよろしいでしょうか。 ○北本委員  やっぱり脳波を見てもらうべきだと思うのです。サーベランス委員会の人でもいいと 思うのですが、ちょっと書かれているのは徐々にbase waveが消失して、だけど時々 spikeが見えると。どの人がPSDといったり、ペリオディスビがあればですね、思います ので今の状態では「疑い例」でいいと思うのですが、PSDがとれれば「ほぼ確実例」と いうことで。 ○佐藤委員長  そうすると金谷さん、この症例はどうしましょう、脳波を今度確認したほうが。 ○北本委員  保留にする必要はないと思うのです。 ○佐藤委員長  「疑い例」のランクを「ほぼ確実例」にするかどうかといことですね。 ○金谷補佐  今、脳波を私のほうで情報提供で追加でコピーを。 ○佐藤委員長  そうですね、コピーを撮っていただいて、それでは脳波をもし拝見することができた らランクが1つ上がるかも知れませんが、現在のところは一応主治医の記載どおり「疑 い例」にしておきたいと思います。よろしいでしょうか。 ○立石委員  この人の病歴を見ていますと、平成5年にけいれんが起こってますね。これは恐らく 次の10年の発症までの期間から考えて、この病気の初発ではないと思いますから、痙攣 が恐らくあったというそういう脳波も残っている可能性がありますね。   ○佐藤委員長  そうですね。  他にご意見ございませんでしょうか。それでは次の症例に移りたいと思います。 ○金谷補佐  122番の症例に移ります。イニシャルY.S、女性。昭和12年2月9日生まれ。発症は 平成10年9月頃でございます。  手術歴としましては、昭和58年子宮がんにて手術を受けております。既往歴といたし ましては、バセドウ氏病がございます。検査所見ではPSDがありまして、画像所見でも脳 萎縮を認めております。プリオン蛋白遺伝子解析は実施をしておりません。鑑別診断で は、他疾患との鑑別は可能ということで、「ほぼ確実例」として報告をいただいており ます。  追加所見ということで、38度の発熱があるとご報告をされておりまして、その後本例 は肺炎より敗血症を併発して、平成11年6月11日に死亡しております。ただし、病理解 剖はできなかったということで、髄液検査及びプリオン蛋白の遺伝子解析等は実施でき ませんでしたと追加情報をいただいております。以上でございます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。この症例はいくつか問題がありまして、1つは髄液の検査 ができなかったということをおっしゃっています。最後敗血症になったということです が、これは経過中に敗血症が酷かったわけではないですから、全体の脳症としての診断 には影響なさそうですが、何かご意見ございませんでしょうか。  この症例は12年2月生まれの女性で、平成10年9月に発症して、11年6月死亡ですが 比較的経過が早い症例です。今申し上げたように髄液の点が気がかりですが、調査票か ら判断すると、全ての疾患が除外できるとなっておりますので、従来のこの委員会の審 査の方式ですと、主治医の先生の診断どおり「ほぼ確実例」としてよろしいと思います が、やっぱり画像と脳波を拝見したい症例ですね。  髄液がちょっと気がかりになりますので、今度新しいサーベランス委員会できると、 そういう点についての懸念はなくなるのでしょうけれど。従来どおり、主治医の診断ど おり「ほぼ確実例」としておいてよろしいでしょうか。祖父江先生いかがでしょうか。 ○祖父江委員  よろしいのではないかと思います。髄液のことを先生言われましたが、他はほぼ典型 的なことだということで。   ○佐藤委員長  それでは主治医の診断どおり「ほぼ確実例」としてよろしいでしょうか。それではそ ういたします。 ○中谷課長  委員長、120番の症例につきまして情報がまいりましたので、北本先生のほうからご報 告をお願いします。 ○北本委員  確認しまして、やはり私の調べていたケースでして「確実例」です。 ○佐藤委員長  非常にスマートに診断していただきまして、情報を調べていただいてありがとうござ いました。  今、厚生省のほうから主治医の病院に問い合わせていただいて、北本先生のほうで死 亡時の脳の組織の一部ですね。その組織からプリオン蛋白が証明された症例であるとい うことで、診断は「確実例」にランクを上げたいと思いますのでよろしくお願いしま す。  では次の症例をお願いします。 ○金谷補佐  123番でございます。イニシャルY.Y女性。昭和16年9月23日生まれ。発症は、平成 10年10月頃ということでございます。  本例につきましても、手術歴といたしまして、髄膜種にて乾燥硬膜を使用されており ます。手術時につきましては、追加情報にて昭和62年1月9日、硬膜移植部位は左頭頂 部となっております。検査所見ではPSDもありますけれども、画像では脳萎縮は認めてお りません。なお、プリオン蛋白遺伝子解析も実施されておりません。以上から診断いた しまして「ほぼ確実例」と報告をされております。  追加情報で、プリオン蛋白に関しましては最終的には異状はなかったと、正常多型で あったという報告を受けております。以上です。 ○佐藤委員長  この症例は、硬膜移植を1987年1月9日に受けておりまして、厚生省のほうから問い 合わせていただきましたが、ライオデュラでアルカリ未処理のものであったということ は確かめていただいております。それから画像上萎縮がなかったということですが、PSP は陽性ですし、他の疾患が全て鑑別できて、髄液にも異常がないので、主治医の診断ど おり「ほぼ確実例」としてよろしいかと思いますが、ご意見ございますでしょうか。 それでは主治医の診断どおり「ほぼ確実例」しとて、お認めいただいたということに したいと思います。よろしくお願いします。  では124番をお願いします。 ○金谷補佐  124番でございます。イニシャルがF.M、男性。大正14年6月23日生まれ。発症は、 平成10年8月頃。手術歴のほうは、特記すべき事項はございません。  検査所見ではPSDは認めておらず、画像所見でも脳萎縮も認めておりません。プリオン 蛋白の遺伝子検索につきましては、コドン129の多型がメチオニン/メチオニンと報告を されております。進行性痴呆、それから錐体外路症状、無動・無言の状態ありというこ とで、「ほぼ確実例」の症状を満たすが、PSDを欠くということから、最終的には「疑い 例」と報告をされております。  脳波所見では、現在のところは徐波を認めMRIで基底核、視床に高信号領域を認めてい ると医師のコメントが記載されております。以上でございます。 ○佐藤委員長  この症例は、PSDがなくて、画像上の変化もないという記載ですが、臨床的には他の疾 患は全て鑑別できるということで「疑い例」として、調査票に記載いただいております が、ご意見ございませんでしょうか。この症例は歯科医だったので、少しその点が気が かりになる症例ですが。 ○祖父江委員  MRIでT1で、基底核、視床の高信号域ですが、これは何か情報がありますか。 ○佐藤委員長   これ以上の情報はないです。T1で高信号域。 ○北本委員  この症例は、コドン180でしょうか。 ○佐藤委員長  そうですか。 ○北本委員  ただ、特定疾患がでてないと思うのです。プライバシーをかなり問題にされている人 だったので、私の記憶では。 ○佐藤委員長  コドン180の異常で、そうすると分類は家族性になりますか。 ○北本委員  もちろん死亡されてますので、「疑い例」ということでいいと思います。 ○立石委員  129の記載はあるけれども。そのへんを意識的に隠した。 ○北本委員  そのあたりを隠したかったのではないですか。それで異常の有無のところを書いてな いでしょ。だからこの主治医の先生からの依頼で、できるだけ、ここカットですよね。 プライバシーの問題があるので、報告されなかったということではないかなと思いま す。 ○佐藤委員長 分類は家族性にしておいてよろしいですか。 ○北本委員  いや、このままでよろしいと。我々はこれだけで判断しますので。当然PSDがでない。 ○佐藤委員長  ああなるほど。 ○中谷課長  委員長、ただしこれに関しては、この資料だけで判断をいただくのが妥当だと思いま す。 ○佐藤委員長  それでは、この主治医の調査票の記載どおり「疑い例」として登録してよろしいでし ょうか、他にご意見ございませんでしょうか。それではそうさせていただきます。  次125番お願いします。 ○金谷補佐  125番の説明をさせていただきます。イニシャルK.F女性。昭和28年5月8日生ま れ。発症は平成10年4月頃でございます。手術歴は特にございません。既往歴のほうも 特記すべき事項はございません。PSDはなし、画像診断では脳萎縮を認めております。 プリオン蛋白遺伝子解析のほうは、出されたときには実施されております。コドン129 メチオニン/メチオニン、コドン219がグルタミン/グルタミンの正常多型となってお ります。また、進行性痴呆、その他の錐体外路症状、無動・無言状態を呈するというこ とから、PSDを欠くということで「疑い例」と報告を受けております。  また、医師のコメントのところに脳波異常では徐波、それからMRIで基底核、視床に高 信号域をT1で認めているとお聞きしております。以上でございます。 ○佐藤委員長  この症例は、PSDを欠くという症例で「疑い例」になっておりますが、何かご意見ござ いませんでしょうか。 ○北本委員   この症例も、コドン200のホモの症例でないかと思います。これはちょっと問い合わせ て、プリオン蛋白遺伝子の異状「有」というところに書いてますので、内容を問い合わ せていただいたほうがいいと思います。 ○端委員  ポストT1の高信号域ですね、前の人もT1。これは関係があるのですか。T1の高信号域 というのは、あまりないことですから。 ○祖父江委員  最近マンガンとかなんかでありますけれど。 ○佐藤委員長  これは間違いではないかな、この症例は画像は来てましたね。 ○金谷補佐  こちらの画像は来ておりません。 ○柳川委員  この125番の症例は、家族歴が「有」と書いてありますね。父、父方祖母、従兄弟みん な書いてありますね。124の症例と同じ施設からでてますね。 ○北本委員  だから記憶があるのです。両方ともミューテーションがあって、これは200番のホモで 世界で2例です。つまり父親の家系も母親の家系も。 ○柳川委員  この両方関係ありそうですね。 ○北本委員  たぶん、この症例その後あまり進行してないのです。だからその意味からもちょっと 経過を聞いていただきたいなと思います。 ○佐藤委員長   そうですか、無動・無言になっていると書いてあるので、その点は問題にしなかった のですが。 ○北本委員  少なくとも遺伝子異常の種類だけ見ていただいて、ここから判断すると「疑い例」と いうことになると思います。 ○佐藤委員長  今おっしゃった家族歴があるから、ここは「疑い例」だけでも一応家族性とするだけ の情報はここからはないですね。 ○北本委員  それは間違いなく200番。 ○佐藤委員長   だから家族歴「有」となっているので、これは今までですと家族歴を入れてよろしい ですね、この記載だけで。北本先生の情報がないとしても、家族歴がこれだけあります から、家族性のCJDとして「疑い例」としてよろしいのではないかと思いますが、いかが でしょうか。  この分類だと、まとめる時、家族性のCJDといった分類はなかったですかね。一応、 CJDの「疑い例」で、CJDのところにカッコして家族性としておいていただけますか。今 のまとめでよろしいでしょうか。それでは次へ移ります。 ○金谷補佐  126番、127番の両方ですが、こちらは中村教授に調べていただきましたところ、126の 症例は過去の19と同一症例で、第3回の委員会のとき既に検討されております。  127の症例につきましても、平成8年度の全国調査の症例と重複ということで、除外さ せていだたきたいと思います。 ○佐藤委員長  これは中村先生のほうから、今までのデータから重複例として同定していただいた症 例ですので、126、127は除外したいと思います。それでは128をお願いします。 ○金谷補佐  引き続き128番。イニシャルM.M、男性。昭和12年4月26日生まれ。発症が平成10年 6月頃です。手術歴、特記すべき既往歴もございません。  検査所見ではPSDも認めております。画像所見では記載がございません。プリオン蛋白 の遺伝子解析の結果、異状を認めていないと書いております。  医師の意見といたしまして、進行性痴呆、小脳症状、ミオクローヌスを認め、PSDを認 めることから「ほぼ確実例」と記載をされております。  追加情報としまして、最後に1枚お付けしておりますが、現在のところ転院をされ不 明と、さらにお聞きしましたところ、平成10年7月28日時点ではCT、MRIともに萎縮は認 められなかったということでございます。その後も、画像検査のほうは実施されてない という返事をいただいております。以上でございます。 ○佐藤委員長  これは画像を調べて、調べられなかったのですね。画像だけの情報がありませんが、 その他については問題ないと思います。それで臨床的に「ほぼ確実例」という分類です が、よろしいでしょうか。  それでは、この症例は調査票の記載どおり「ほぼ確実例」として次に進みたいと思い ます。 ○金谷補佐  129番でございます。イニシャルはK.T、女性。昭和10年9月2日生まれ。発症が平 成10年11月頃。手術歴はありません。既往歴といたしまして、昭和28年の結核を指摘さ れております。  検査ではPSDを認め、画像診断では脳萎縮を認めておりません。プリオン蛋白遺伝子検 索は実施されておりません。症状を含め「ほぼ確実例」と報告を受けております。  追加情報としまして、現在のところ当初に比べ著明な脳萎縮を認めているとの返事を いただいております。以上でございます。 ○佐藤委員長  この調査票の報告当時は、画像で変化なかったということですが、その後の追加問い 合わせで、画像上も萎縮が著明になってきたということで、診断をより確実になってい ると思いますが、臨床的な「ほぼ確実例」の診断としてよろしいでしょうか。これはあ まり問題ないと思います。ありがとうございました。130番をお願いします。 ○金谷補佐  130番。イニシャルI.K、男性。昭和3年10月22日生まれ。発症が平成10年1月頃で ございます。手術歴としまして、鼡径ヘルニアを実施されています。既往歴としまして は、平成3年11月に心筋梗塞を認めています。その後、進行性痴呆、ミオクローヌス、 錐体外路症状を認めており、検査所見ではPSDがあり、画像所見で脳萎縮が認めておりま す。プリオン蛋白遺伝子解析は未実施です。髄液検査は10年4月で、蛋白量の増加を認 めているという報告を受けております。以上の結果より、「ほぼ確実例」ということで す。  ただし、担当医の意見で、老年痴呆、その他の原因による老年性の痴呆疾患を鑑別で きないという報告を受けております。以上でございます。 ○佐藤委員長  この症例は、調査票の記載は「ほぼ確実例」ですが、鑑別診断で老年性の痴呆疾患を 鑑別できないとなっておりますが、いかがでしょうか。無動性の無言は、発症してから 平成10年1月の発症で、11年4月の報告ですから1年2ヶ月経ってまだ無動性の無言で はないけれど、なりつつあるという記載です。ミオクローヌスは認められております。 ○祖父江委員  通常の意味での老年痴呆とは、ちょっと考えにくいと思います。経過が早いですし、 それからPSDがでてますのでよろしいかと思います。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。祖父江先生のほうから、脳波上のPSDがでている点、ミオク ローヌスがありますし、進行も非常に早い。他の原因による老年性の痴呆はいくつかあ るのですが、こういうふうに経過の早い症例はありませんので、否定してよろしいので はないかと、考えにくいというご意見です。よろしいでしょうか。  それでは、この症例は調査票の診断どおり「ほぼ確実例」としたいと思います。次お 願いします。 ○金谷補佐  131番。イニシャルがO.K、女性。昭和21年10月2日生まれ。発症は平成10年4月頃 でございます。手術歴は子宮筋腫による手術を平成元年に行われております。脳波所見 では、PSDはありますが、画像所見上、脳萎縮を認めておりません。プリオン蛋白遺伝子 の解析のほうも実施しておりません。以上から、臨床症状を含め「ほぼ確実例」と主治 医より報告を受けております。  追加情報を付けさせていただいておりますが、担当医から平成10年10月17日のMRI所見 では著名な脳萎縮の指摘をされております。本例は、11年5月15日に死亡しており、現 在病理解剖中でございます。8月12日の段階では、結果はでてないということで、昨日 にも確認をいたしましたが、まだ正式な病理解剖はでておりませんということです。以 上でございます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。この症例は、画像の記載が調査票では「無」になっており ましたが、その後「有」ということが追加情報で確認されておりますし、亡くなられて 今病理検査中ということですが、調査票の記載どおり「ほぼ確実例」として、他には問 題がなさそうですが、よろしいでしょうか。それでは132番をお願いします。 ○金谷補佐  では132番でございます。イニシャルがH.M、男性。大正11年5月18日生まれ。発症 が平成11年2月頃でございます。手術歴としまして、昭和50年鼡径ヘルニアの既往がご ざいます。その他の特記すべき所見はございません。  症状といたしましては、進行性の痴呆、ミオクローヌス、無動・無言を認めておりま す。脳波検査ではPSDを認めておりますが、画像では脳萎縮は認めてないということでご ざいます。プリオン蛋白遺伝子の解析も、この書類を上げた段階では未実施。髄液検査 では髄液蛋白の増加の指摘をされております。以上、臨床所見を含め「ほぼ確実例」と 報告受けております。  最後に追加情報を11年8月9日にいただいておりますが、その内容といたしましては 11年7月のCTでは、脳萎縮を認めているということ。髄液検査では11年4月6日と7月 30日に実施をされております。その段階でNSEの値、髄液中ですが60.7ng/mlから131.0ng /mlへの増加。プリオン蛋白遺伝子解析につきましては8月2日に北本先生のほうに出さ れておりまして、結果のほうは正常多型コドン129番がメチオニン/メチオニン、219番 がグルタミン/グルタミンとの報告を受けております。以上でございます。 ○佐藤委員長  画像は、その後の問い合わせによって萎縮がでてきたそうですので、やはりこの調査 票の記載どおり「ほぼ確実例」として、他はPSDがでておりますし、ミオクローヌスも認 められ、他疾患は全て鑑別できるとなっておりますので、問題ないかと思いますがご意 見ございませんでしょうか。発症4ヶ月ですから、比較的早い症例です。  それでは次に進みたいと思います。 ○金谷補佐  最後133番の症例についてご報告をします。イニシャルがT.T、女性。昭和4年7月 2日生まれ。発症は平成9年7月頃でございます。  手術歴、既往歴は特記すべき事項はございません。進行性痴呆を認め、錐体外路症状 ミオクローヌス、無動・無言を認めております。  脳波ではPSDを認め、画像所見でも脳萎縮を認めております。プリオン蛋白の遺伝子検 査は未実施。主治医の意見では、以上より「ほぼ確実例」との意見をいただいておりま す。  本例は、11年4月2日に死亡されておられます。追加情報をとっているのですが、無 動・無言に陥った時期、髄液検査の結果についてはまだ最終的な結果はいただいており ません。以上でございます。 ○佐藤委員長  この症例は、画像の変化、脳波の変化は「有」として、他疾患は鑑別できるとなって いるようですが、髄液所見が記載してなかったので問い合わせをお願いしているのです が、施設が移っているので、まだその結果をいただいてないのですが、先ほどの症例の ように髄液所見なくても全体の経過が矛盾しなくて、他疾患が鑑別できるのであれば、 調査票の記載どおり「ほぼ確実例」としてよろしいかどうかということですが、いかが でしょうか。1年9ヶ月ぐらいの経過で死亡している症例ですが。 ○祖父江委員  よろしいんじゃないでしょうか。 ○佐藤委員長  先ほどの症例と同じ扱いになりますが、髄液検査だけ不明ですが、調査票の記載どお り「ほぼ確実例」と認定したいと思います。よろしくお願いします。  以上で用意された新規報告分を含めまして、全て終わりました。 ○金谷補佐  本日、例年でございますと、このあと中村教授から、今回の解析例についてのお話を してただくところでございますが、同封に記者への資料をご用意したのですが、こちの ご確認をお願いしたい思います。  11年8月23日、公衆衛生審議会疾病対策部会 クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委 員会(第7回)の開催について、という3枚つづりのものが入っていると思いますが、 ございましたでしょうか。  ではこちらのほうでございますが、今回の症例について確認をしたいと思います。  まず、今回検討させていただきましたのが、2の(1)から確認させていただきたい と思います。 (1)平成11年1月1日より3月末日までに報告された16例のうち、1例は、平成8年 度全国調査との重複例、1例はクロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会(第3回)お いて報告された症例で、この症例を除いた新規の14例と、前回の専門委員会で保留にな りました3例の内、(1例は2年後を目処に再調査という結論のため)そのうちの2例 の計16例を検討しました。 (2)検討された16例(保留2例を含む)のうち、前回保留例の再保留は今回は「無」 ということで、今回の報告例も保留例は「無」と判定されたため、新たに確認された症 例は15例、保留は計0例でした。ここまでの文章はよろしいでしょうか。 ○中村先生  保留例の1例は、除外ということを入れておかないと、どうなっているのだという話 がでてくる可能性があると思います。 ○金谷補佐  では、前回再保留のうちの1例が除外ということで、15例と。 ○中谷課長  ここのところがわかりにくいのじゃないかな(2)で、検討された16例の内、前回保 留分の再保留0例、除外1例ですか、あるいは非CJDと判定1例ですか。 ○中村先生  はい。 ○北本委員  再保留が1例あったと。 ○佐藤委員長  再保留が1例ありました。まだ無動性の無言にならない症例があったです。 ○中谷課長  いえいえ再保留はあれでしょう、そもそも16例に入れてないですね。 ○金谷補佐  (1)のところで除いております。 ○中村先生  そこで除かなくてもいいんじゃないですか。検討したのはしているので、データがな いということ、そのほうがすっきりしているような気がします。 ○金谷補佐  そうしましたら17例検討、再保留が1例。 ○中谷課長  17例を検討しました。ですね。検討された17例のうち、 ○金谷補佐  保留が3例でございますね。前回の保留3例を含むということなります。・・・? ○中谷課長  (2)が、今回検討された17例のうち、前回保留分の再保留が1例でしょ。それから 今回報告のうちの保留が無しですね。非CJDと判定されたものが1例。  そのため新たに確認された症例は15例でしたと。 ○金谷補佐   はい。で、保留が前回からの2年後の目処のものが1例。 ○中谷課長  それはもう書いたじゃない? ○金谷補佐  そうでございますね、はい。 (2)の文章はこれでよろしいですか。 ○中谷課長  全文を読んでください。 ○金谷補佐  まず(1)から、平成11年1月1日より3月末日までに報告された16例のうち、1例 は平成8年度全国調査との重複例、1例はクロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会 (第3回)において報告された症例でした。重複例を除いた新規14例と、前回の専門委 員会で保留となった3例の計17例を検討しました。カッコの中ですが、1例は2年後を 目処に再調査との結論のためというのは、これは削除したいと思います。  次、(2)は、検討された17例(保留3例を含む)のうち、前回保留分の再保留例が 1例、それから今回報告の保留例が0例、CJDの除外が1例と判定されたため新たに確認 された症例は15例でした。とういうことにさせていただきたいと思います。 ○中谷課長  非CJDと判定の前に、前回保留分のうち今回非CJDと判定したもの1例、と書いたほう が明確ではないですか。  そうするともう一度読むと、(2)検討された17例(保留3例を含む)のうち、前回 保留分の再保留1例、今回報告例分の保留0例、前回保留されたもののうち非CJDと今回 判定したもの1例であったため、新たに確認された症例は15例でした。とすればどうで しょうか。 ○佐藤委員長   今回報告は0例が保留例だったら、それはいわなくてもよろしいように思いますけれ どいかがですか。確認された症例は15例ありましたと。 ○中谷課長  分かりました。「前回保留分の再保留1例、非CJDと今回判定したもの1例であったた め、新たに確認された症例は15例でした。」そういうふうにしましょうか。 ○金谷補佐  では、それに伴います次のページの表1、今回報告された症例一覧のご確認をお願い したいと思います。  そうしますと、男女ですが、保留分の114番の症例が除外例となっておりますので、男 が44に保留の分1例を加えて45。女で保留2例ありますが、この114の症例を除外という ことで1例を加えて64例ということになります。中村先生いかがでしょうか。 ○中村先生  そうじゃないでしょう。 ○金谷補佐  これは全部込みでございますか。 ○中村先生  今日までにこれ認められたのが全体ですね。全体で108になると思います。というのは 最初に出しているのが、保留が3例ここに入っていますね。  今回の14例が次ですね、この3例の中から全体の中には保留ははいっておりません。 したがってオリジナルはですね。そうすると保留の中から全体のほうに1つ動くのと、 新規再掲のほうに1つ動く。それからもう1つ保留は、先ほどの除外例は落ちていきま す。  したがって全体として108例、保留が1例、新規が前回保留の分から新たに認められた 1例を加えて15例。  性別のところでは、男はそのまま、女が全体が63が64。新規のところも9が10になり ます。  年齢ですが、40〜49歳のところが全体の5が6に変わる。同じ年齢の保留の2が1に 新規のところ1が2に上がります。それからもう1つ、先ほど除外されたのが60〜69歳 のところですが、ここの保留1を落としてください。  発症年ですが、1996年、全体が33から34に上がります。保留2が1になる。そして新 規のところも96年が1になります。先ほどの除外例の発症は98年ですので、保留の1を 落としてください。これでつじつまがあって、下の脚注のところですが、*1の:クロ イツフェルト・ヤコブ病専門委員会(第6回)までの93例+今回の15例。これで恐らく 間違いないと思います。 ○柳川委員  保留の性別のところは1・2とありますが、これは減らすのでしょう。 ○中村先生  性別は男が1で、女は0です。 ○中谷課長  数字がかなり動いているようですので、もう一度数字に確認をさせていただきます。  私が読みますがこれでよろしいでしょうか。  全体が108、保留1、新規15。男が44・1・5、女が64・0・10、年齢、29歳変わら ず。30〜39変わらず。40〜49のところ6・1・2。50〜59変わらず。60〜69のところ 46・0・6。あとはこの年齢のところは変わりません。発症年のところが、1996年が 34・1・1。1998年が保留の1を消すということだけですね。  それから*1の注のところ、今回の14例を15にすると、そして計108になりますと。表 2は変わらず。これでいいでしょうか ○佐藤委員長  はい。 ○中谷課長  ということであります。 ○金谷補佐  では表1は、以上の修正をいたします。  引き続き(3)でございます。若年発症者(39歳以下)は、今回は1例でした。新変 異型クロイツフェルト・ヤコブ病と判定された患者については0ということでよろしい でしょうか。 ○佐藤委員長  よろしいと思います。 ○金谷補佐  では次、(4)でございますが、今回手術既往歴を持つ症例は8例、その内ヒト乾燥 硬膜移植の既往を持つ症例は4例。中村先生よろしいでしょうか。 ○中村先生  はい。 ○金谷補佐  そうしますと、表2ですが、新規報告されましたヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ症例 の一覧、以下のようになります。内容は、このとおりでございます。  そういたしますと、次の3枚目の参考資料というところで、[調査結果の概略]とい うことで、前回の調査2の1998年12月末までの報告例のところに、今回の症例が載るこ とになります。そうしますと、今回のCJD患者の報告件数は、3月末までの報告件数は全 て今回は15ということでよろしいでしょうか。 ○一同 はい。 ○金谷補佐  中村先生よろしいでしょうか。 ○中村先生  15例で。 ○金谷補佐  はい。若年発症者数ですけれども、49歳以下ということでこちらが3例となります。 それから39歳以下、カッコの中に入ってますのが1例ということで、硬膜移植患者は先 ほどの表2の計4例で、1999年3月末時点での総計はそうしますと、937例。それから若 年発症が49歳以下が23例、39歳以下は12例。硬膜移植例は61例+4例で、計65例という ことになります。中村先生それでよろしいですか。 ○中村先生  はい。 ○金谷補佐  佐藤先生以上でございます。 ○佐藤委員長  どうもご苦労様でした。その次コメントがありますね。 ○金谷補佐  コメントを、私どもで用意をさせていただいたのでございますけれども、今回の1枚 紙で入れされていただいてます。  まず委員会のほうに、症例を提供させていただいたことに対するお礼ということ。2 番に関しましては、これから引き続き等委員会でご討議をしていただく件になります。 今後の本委員会のあり方についての件、この2点を説明させていただきたということに させていただいてます。 ○佐藤委員長  細かい言葉で恐縮ですが、2の新変異種でなく、新変異型。ていねいにいうと「新変 異型クロイツフェルト・ヤコブ病等の発生状況の検討に努めてまりたい。」と言うので すね。我われの言葉ですと「努めていきたい」と言うのですが。 ○金谷補佐  では、そのように修正をさせていただきます。  それでは資料はいったんこれで終わります。 ○佐藤委員長  どうもご苦労様でした。それでは記者録のほうよろしくお願いします。 ○金谷補佐  引き続き、次の議題に入りたいとも思いますが、その前に中村先生のほうから解析結 果をお願いしたいと思います。 ○中村先生  時間も押しておりますし、ただいま数を確認したところで、私の解析結果もほとんど 終わっているようなものでございますので、簡単に触れさせていただきます。  資料1でございます。本委員会の前までの時点で、資料1の表にございますように、 全体で、今回新規にでてきました14例を加えまして107例ということで解析をいたしまし た。新規の14例について、特に重点的に見てきたわけですが、今回の委員会で保留から 新たに認められました1例につきましてはこの中に入っておりません。  年齢分布につきましては、今回29歳以下という若年発症例が1例ございましたけれど も、これにつきましては先ほどからご検討いただきましたように、15歳の例で、硬膜移 植歴がある。それからもう1例、44歳の例につきましては、先ほどでてまいりましたよ うに家族歴がある例でございました。  発症の年度でございますけれども、97年、98年、99年ということで、特に98年が11例 ということになっておりますが、若干の報告の遅れがあるものだと思っております。  2ページ目でございますけれども、出身都道府県あるいは生活住所都道府県、現在の 住居都道府県につきましては、若干東日本が多い傾向が見られましたけれども、特定の 都道府県に集中している傾向はございませんでした。現在の受診状況、1例在宅がござ いますがすべてあとは入院でございます。家族歴につきましては、先ほど述べたとおり でございまして、その他、食品の嗜好、動物、患者との接触歴、動物等の職業的接触に ついても特定の結果はでておりません。4例、硬膜移植歴が報告されておりまして2 ページ目の表にあるとおりでございます。  以前からも指摘しておるところでございますけれども、硬膜のアルカリ処理が始まり ました以前のものから、相変わらずでておると。しかも発症の暦年は後のほうになって くるということで、硬膜移植から発病までの期間が延長傾向にございます。今回もそこ にございますように、9年5月、11年10月、13年3月、13年11月ということで、相当延 びてきております。これにつきまして、前回も申し上げたと思うのですが、できました らこの潜伏期間を鑑みて、終息傾向にあるのかそれともこのまままだでてくるのかにつ いては、疫学的にもう少しきちんとした解析が必要ではないかと考えております。   先ほど確認いたしましたように、全部で65例ということになりました。臓器製剤を使 用した者というものはございませんでしたし、輸血歴がある者は2例ございました。そ の他特記すべきものはございません。  症状につきましては、先程来ご検討いただいてますようなことでまとめますと、そこ の表のとおりでございます。  PSDが観察されたものが9例、その他プリオン蛋白遺伝子の検索は、ここでは4例とな っておりますけれども、本委員会の結果このあたりが若干増えてまいります。  診断につきまして、「確実例」が1例ですけれども、先ほどの確認のとおり2例とい うことでございます。以上、私のほうからご報告です。  3ページ目には、支障のない範囲でまとめました一覧表をつけております。以上でご ざいます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。中村先生の疫学的なまとめのご報告について、何かご質問 ございませんか。 ○端委員  硬膜移植の内、まだずいぶん発症があるのですが、理論的には何年ぐらいまであり得 るのでしょうか。 ○北本委員  40年といいますから。 ○立石委員  この硬膜で、剖検は先ほどの1例だけですか。あとの3例は剖検は。 ○佐藤委員長  剖検って、まだ生存者ですね。 ○立石委員  ああそうですね。 ○中村先生  潜伏期間でございますけれども、通常は、例えば食中毒の例を想定していただきます と、ある一定のある地点で曝露があって、それから一定の揺れを持ちまして一方性の カーブを描いて患者がでてまいるわけです。この場合、硬膜については、移植を受けた ときは曝露の時ということで、バラバラではありますけれども揃えることができるわけ です。そこから先の潜伏期間を考えて、そのカーブがどうなっているのかというのを見 るときに、食中毒みたいなヤコブから比べると極めて短い潜伏期間の場合には、皆さん 生きていらっしゃると、その中でこういうカーブがでてきてもうこれは後退局面に入っ たという、ここからは終息していくであろうというような判断ができるわけです。  ところがこのように潜伏期間が10年というようなかたちになりますと、硬膜移植を受 けていても、その間に発病前に別の原因で亡くなる方も当然いるわけです。そうします とこの潜伏期間の曲線を眺めているだけで、今まだ増えつつあるのか、それとも後退局 面になったか、特に患者数が減ってくるからといって、本当に後退局面に入っているの かどうかということについて、これはなかなか見極めが難しいものがございます。  そのへんのところ、なんらかのかたちでモデルを考えて明らかにしたいということで 現在北本班のほうで検討を重ねているところでございます。また結果がまとまり次第、 班会議あるいは委員会等でご報告させていただきたいと考えてます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。1つ伺いたいのは、人の成長ホルモンの投与例でもやっぱ りまだ延々とこのように続いているわけですが、だらだらとした潜伏期で10年、20年と いう症例があるのでしょうか。  確か去年のヨーロッパの委員会では、まだイアトルジェニックと一緒で数例は報告さ れてますが、パラパラとでているのですね。 ○山内委員  ただ遅くなってでてきているのはヘテロですね。潜伏期間が長くなっているのは。最 初の頃のはバリンバリー、それからヘテロ。 ○北本委員  メチオニン/メチオニンでしょう。 ○山内委員  メチオニン/メチオニンで、それからバリンのほうに変わってきているのです。です からヘテロのほうのが潜伏期間が長い可能性もあるということですと、単純に答えが出 せるかどうかと。 ○北本委員  日本人は95%がメチオニン/メチオニンですから、わりと均一ですから。 ○山内委員  あと、日本の硬膜移植の例というのが65例とかなりの数あるわけですけれど、それ今 言われたような発病のグラフですか、そういったようなものは作られておるのですか。 ○中村先生  今から作ろうと考えております。早急にやりますのですみません。 ○北本委員  佐藤先生、作られてますね。 ○佐藤委員長  ええ、症例が少ない43例のほうを時点では作ってます。だいたい潜伏期が3年ぐらい でひと山ありまして、その後10年ぐらいでだらだらとでてきているという、2方性の カーブ書いております。 ○山内委員  そうですか、やっぱりこれ65からの数がまとまってくると、何かの傾向というのがグ ラフから読みとれないかということがあります。 ○佐藤委員長  そうですね、中村先生にまた教えていただきたいと思います。 ○祖父江委員  もう1ついいですか、今のベースはまず移植した人はたくさんみえるのですね。です から何か発症に関わるもう1つの因子というのは何かありますか。それは何か推測でき ればもし、どういう人が発症してきて、どういう人が発症しないか。 ○中村先生  先生がおっしゃるのは、移植を受けたけれども全員でてくるわけではない。そうする ともう少し例えば別の因子が入ってるのではなかろうかということですね。それを確認 するためには、現時点では症例対象研究というかたちを取るのだと思います。  具体的には発病した方と、もう一つは硬膜移植を受けたけれども発病していない方と いうことで、その他の因子を比較するのでしょうけれども、移植を受けたけれども発病 しない人の情報が集まるのかどうかということについて、非常に難しい問題があると思 います。といいますのは、これケースコントロールスタディをやるとすれば、コント ロールとしてケースと同じ時期に、性、年齢はマッチさせて、なおかつ同じ時期に硬膜 移植を受けた方、そうするともう10数年前になっております。そういう方が今どこにい らっしゃるのかということについて、手術をされた先生でもかなり難しいのではないか と思います。  それをまた探し当てたとして、情報を得ることがどこまでできるのか、理論的には可 能ですけれども、フィージビリティーが果たしてあるかどうかということについては非 常に難しい問題があると思います。 ○品川委員  おおよそ何パーセントぐらいで発症しているのですか。細かいことは別としまして。 移植された方の。 ○端委員  今までの調査のところでは、83年から85年までの症例でございましたが、硬膜移植を 受けたか受けなかったかというのは分かった症例が、それぐらいのレベルの大きさの手 術をした人の半分ぐらいでございます。移植をしたかしなかったかは。その移植をした という症例の更に半分ぐらいの人しか現在の状況は把握できませんでした。  ですから半分のさらに半分の症例だけを、今どうしているかというのがだいたい分か ったぐらいのそういうデータでいきますと、だいたい1000例に1例ぐらいと、そういう 発症の計算になります。ですけれども、今申しましたような、そういう把握されている 症例が非常に少ないと、一方CJDになった人は、見つかりやすいといいますか、発見しや すいわけですから、発症率というのはホントに1000例に1例になっているかどうか分か りません。 ○柳川委員  その時期に、アルカリ硬膜が入ってきていたわけですが、同じ時期であっても汚染さ れていたロットと汚染されていないロットがあるわけで、その割合に関する情報という のはたぶん全くないのではないかと思います。ですから汚染された硬膜の移植を受けた 人のうち、どれだけ発症したかという情報も全く分からないですね。 ○立石委員  ちょっと細かいことになりますが、1983年からバアーッと増えてますね。だから83年 ごろの硬膜を使った手術例と、最後の頃の1987年ごろの硬膜を使った手術例に大きな差 がありませんか。 ○端委員  あまりございません。 ○立石委員  ほぼ同じ例で、これは1年に1万人と見込むのがいいですか、2万人ぐらいと考えた ほうがいいですか。手術の総数、ライオデュラを移植した。 ○端委員  ライオデュラを移植した手術の総数は、えー、1万人を切ると思います。 ○立石委員  1万人を切りますか。 ○端委員  もっと少ないと思います。数字あるんですが、 ○祖父江委員  1万2〜3千人です。業者は2万人といっているのですけれども。 ○端委員  そうでございますか。把握した症例はずいぶん少のうございました。隠された症例が 各年代、毎年で3000名か4000名ぐらい、各年代で把握されておりました。   ○佐藤委員長  しばらく硬膜のいろんなお話に移りましたが、次のサーペラス委員会のあり方の議題 に移ってよろしいでしょうか。 ○金谷補佐  では資料を私からご説明をさせていただきます。  資料2でございます。「今後のサーベランス委員会のあり方について」ということで 1から3の3つの項目について説明させていただきたいと思います。  1番の現行の方法でございますが、従来までヤコブ病に関しましては、当ヤコブ病専 門委員会で、各病院から直接厚生省のほうに患者の個人票を送っていただいているとい うことで把握してまいりました。しかし、感染症新法の制定に伴い、平成11年4月1日 より医師からの届け出による把握に変更がなされております。本委員会の調査につきま しては、こちらが発行と共に3月末日で中止となっております。  2番目といたしましては、この感染症予防法の動向調査事業でつかまっている症例が 平成11年4月1日から7月19日までの累計で32例の報告が、現在のところ上がっており ます。そこで、3の今後の専門委員会のあり方についてでございますが、  まず(1)といたしましては、2ページ目に(1)〜(3)までの図をつけさせていただい ておりますが、現在のところこの(1)〜(3)、(3)につきましては3月末日で中止になって ますが、この(1)と(2)、感染症発生動向調査事業と遅発性ウイルス研究班、いわゆる特 定疾患対策研究の臨床個人調査票から上がってくるこの2つのデータ、これが本委員会 の基本的な情報源ということになると思いますが、そちらから得られたデータを今後と も検討していくと。 とりわけ、この委員会の重要な意味としましては、(2)新変異 種(種を型に変更)のヤコブ病がどれぐらいでてきているのかということ、それからま たそれ以外に緊急な症例がでた場合に、それにいかにして対応していくかということを この委員会で決めていただかなければならない。  それから(3)として、日本以外の諸外国におけるさまざまな状況がでた場合、国内 でいかに対応を取るかということを、この委員会で論議をしていただかないといけない と。この(1)から(3)の仕事が、本委員会の今後の重要なテーマになってくるのではない かと、私どもでは考えております。  ちなみに現在の感染症予防法において把握されるデータが、別記様式4−2というこ とで左上に(1)と付いておりますが、これが現在の感染症予防法で上がってくるデータで ございます。次の左上(2)でございますが、これが特定疾患対策研究のほうのクロイツフ ェルト・ヤコブ病についての臨床調査個人票ということで、このような形でかなりまと まったもので上がってまいります。(3)でございますが、これが現在まで使用しておりま したクロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査票ということで、これに比べま すと(1)、(2)につきましても、かなり集まるデータというのは限られてくるということ になっております。 以上、この点を念頭に入れていただきまして、今後のサーベラン スのあり方について、少し時間が差し迫っておりますけれども、ご討議をお願いしたい と思います。 ○佐藤委員長  予定の時間が超過しておりますが、重要なことですので私のほうで、これまで少し厚 生省と何回か話し合いをさせていただいて、その結果をご紹介して、各委員の先生方の ご意見を伺いたいと思います。  分かりやすく申しますと、平成11年4月からは、北本先生の遅発性ウイルス研究班の 中で専門部会としまして、クロイツフェルト・ヤコブ病の疫学調査を、日本全体を10ブ ロックに分けまして、特定疾患の調査票から得られた情報を元に、できるだけブロック における専門の先生方に診察をしていただいて診断を確認したいという方針です。それ はだいたい、年に3回全体の会議を開きまして、発生状況を把握したいということ、そ れを厚生省に報告して、最低、年に1回は従来のこの委員会に、感染症発生動向の調査 事業と合わせまして、報告をしてそこでご審議いただきたいということを話し合いをし ております。  それから感染新法のこの調査票と、それから特定疾患の調査個人票で1つ大きい問題 は、前回の委員会でもご発言があったのですが、患者さんが献血をしているかどうかの 情報がここには書かれておりません。なんらかの方法で献血歴があるかどうかの情報を 得ることが必要ですが、それはエイズの問題もありますので、情報を得る方向でご検討 くださっているという話であります。  今までいろいろと予め少しこの点について伺ったのは、今ご紹介したとおりですが、 他に中谷課長さんのほうから、私の説明で足りないところを追加していただいて、それ から委員のご意見を伺いたいと思います。 ○中谷課長 今、佐藤委員長さんがおっしゃったことに尽きるわけですが、もう一歩具体的にご説 明いたますと、この横長の表でございます。  感染症新法になりましてから、CJDが法律上の義務が課せられる報告疾患というかたち で位置付けられております。したがいまして、この様式を定めて、これが義務として、 これ義務違反で報告しないと30万円以下の罰金というようなことでお願いをしておりま す。したがいまして、今までこういう特別なやり方をしていたのは、法律がないもので すから、届け出制度がないというのでやっておったわけで、それが今のこの表でいうと (3)のやり方です。(3)ではなくて(1)のやり方になりました。  それで(3)につきましても、なお当分受け付けようかと思いまして、窓口はオープンし ておりましたが、4月から今まで(3)のことで報告されてきた病院はありません。したが いましてだいたい(1)が定着したのではないかとこのように判断しております。  それから2番目、これは本年度からでございますが、ヤコブ病は難病の公費負担対象 疾患です。そうしますと診断をしたときに、ここに掲げてございます個人調査票と称し ます、縦長の表から2枚めくっていただいたものでございます。これを添えまして保健 所を通して県のほうに、「私はヤコブ病だから医療費ただにしてね」こういうようなこ とを出していただきます。  そして今、インフォームドコンセントの時代ですから、患者さんからご了解をとりま して、研究班限り、研究目的ではそれを見せますよということを言っております。した がいまして、ここに2枚掲げたクロイツフェルト・ヤコブ病臨床調査個人票というもの が、ヤコブを担当してます難病研究班である、すなわち北本先生のところに県から送ら れてくると、こういう状況でございます。こういう少しこの委員会に全面的にお願いを するという時代がちょっと変わったものですから、じゃあ今後の疫学的な研究をどうす るのか、あるいはその対策をどうするのかというところが今の課題であります。  それで今委員長からご紹介がありましたのは、実は私たちとそれから委員長、北本先 生等非常にインフォーマルなディスカッションをしたわけですが、私たちの整備といた しましては、やはりこの委員会は公衆衛生審議会の専門部会ですから、対策をどうした らいいの?というところは、やはり研究班にお願いするよりもこういう場で論議したほ うがいいでのではないかと。ですからこういう場で論議するものと、それから研究班で 難病の公費負担から上がってくる情報と、それから感染症新法に基づく情報、これは私 たちが責任を持って研究班にお伝えをすると、こういうことを研究班でマッチングをさ せまして、研究班でやるべきところとそれから対策としてここの委員会で研究者の先生 公衆衛生の先生の方々で論議をして決めるところと、2つに分けたらどうですかという のが今回の提案の趣旨でございます。以上です。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。それでは各委員の方から、今後のこの委員会のあり方、あ るいは日本全体のクロイツフェルト・ヤコブ病の把握についてご意見を賜りたいと思い ますが、よろしくお願いします。  それからもう1点追加しますと、特定疾患の調査票が上がってくるのですが、例えば 四半期に1回ではなくて、毎月、北本班のほうに各都道府県から届くようなかたちにし てほしいということを厚生省に私のほうからお願いはしてあります。  感染新法で、今まで4月1日から7月の半ばまで32例ということは、先ほど中村先生 に伺ったのですが、だいたい推定される日本のCJDの患者総数と合っているので、非常に 把握率が高いんじゃないかということをおっしゃっていたのですが、中村先生何かコメ ントございますか。 ○中村先生  96年の佐藤班の全国調査で、94年、95年の患者数が100名を若干越えておりました。そ れから考えますと、その後のサーベランスに上がってきているのは、やはり過小評価で あったのではなかろうかと考えております。  今回、3ヶ月半で32名ということで、それを1年に直しますとだいたい100名を越える 程度ということで、94年、95年の全国調査で把握した数とだいたい同じような数字にな ってて、死亡率の伸び等とも考えまして妥当な線ではなかろうかと。ただ、数が一致し ているからといってでてきているものが確実なものかどうかというのは、これは難しく て把握漏れがあってなおかついい加減なものが入ってきて補完すれば、数的には同じよ うなことになるということで、そのへんの見極めは今後の北本班の仕事だろうと考えて おります。以上です。 ○柳川座長  今回、(1)番と(2)番の2本の流れで情報が入ってくるということになるかと思います が、(1)と(2)と同じ人が来る場合もあるし、(2)だけの人があるしと、そのへんをどうい うふうに考えるかということなんですが、(1)については医療施設は分かりますし、性別 も分かるし、年齢も分かるから、まあ(2)の情報と(1)の情報と、同じ人なのかどうか判 断はできるような気がするのですが、その点はどうなんでしょうか。 ○佐藤委員長  これは私どもが、何回か課長さんに伺ったのですがいかがでしょうか。  感染新法で上がってくる調査票の個人と、それから特定疾患から上がってくる症例と 最終的には同一症例かどうか同定しないと駄目ですが。 ○中谷課長  お答えをいたしますと、個人票については、まさにそのコピーが研究班の先生のとこ ろへ行くようになります。この臨床調査票です。これは難病公費負担のものです。です からここの中には名前も書いてあるし住所も書いてあるし、全部書いてあるということ になります。  それから次に、1枚めくって(1枚戻って?)いただきまして、感染症新法の発生届 けこれには名前を書くところありませんので、名前とマッチングはできないというので 男女と年齢、それから所属の要するに医療機関のところ、ここでマッチングを試みるし かないのかなと思います。  それからあと、ちょっと私たちで論議の状況をしてみますと、こういう情報が電子的 に来ますので、そこを何かワッともらえないかというかたちで、これとりまとめをして います。感染症研究所と今協議をしております。  それで、あと公費負担のほうの調査票ですけれども、これは各県から送っていただく ことになるんで、ここのところはまたもう少し協議を今しておるんですが、私たちが大 変今恐れておりますのは、名前が入っているものですから、これを各研究班に行くわけ ですね。そうした場合に、班長先生はしっかりされておっても、何か意図がよく分かっ ていただけない先生が、そのまま何かの研究に使ってしまったりとか、難病研究班以外 の活動に使った場合に、なんかそこが問題になるんじゃないかとか、それに合わせて、 例えば何か研究費が製薬会社から来たこととリンクしていることが、非常に先生ご本人 は真面目にやっておられても、スキャンダラスに取り扱われてしまうと大変困るので、 何かそういうルールをつくろうじゃないかというような論議を実は、難病の疫学班を中 心にやっております。  そこで今私たちの困っていることを率直に申し上げますと、2つの考え方がありまし て、1つにはもう個人情報は全部出すのだと、その代わり使い方についてもガチガチに 決めてしまうと、例えば難病研究班の班長と正班員しか使えないようにしちゃうとか。 しかもその使い方についても、何か第三者を入れた委員会を作って、そこでクリアしな いと使えないようにしちゃうと。こういうような厳しいやり方をした上で、個人も特定 できるような情報にしたらいいんじゃないかと、こういう形と。  それではあんまり学問の進歩にむしろ資さないんじゃないかと、ある程度個人の名前 などを抜いても特定という意味では、もう99.9%あるいは99%までいくのであれば、1 %ぐらい誤差があったっていいじゃないかと、その代わりに難病研究班の先生方が、わ りと自由に班長とか正班員とかそんなことを抜きに、もっと自由に使ったほうがいいじ ゃないかという話もありまして、少し疫学班で早急に詰めてもらおうじゃないかという ようなことをしております。  それでたぶん疫学班でドラフトを作って、班長の先生方、Eメールでこんなやり方で どうでしょうかということをお伺いをして決めると、こんなようなプロセスを今考えて おります。  そのプロセスが決まった段階で、各県からは研究班の先生方にコピーが行くと。ただ しその時には、佐藤先生が1ヶ月に1度ということがあったのですが、今私たち考えて いるのは四半期に1回ぐらいのペースを考えております。といいますのは、今43の公費 負担疾患があるものですから、たぶん県のほうは四半期に1回ワッとコピーをして、そ して振り分けて、CJDは北本先生と、SLEはなんとか先生というふうに分けていく作業が ありますので、たぶん県の対応としては四半期に1度ぐらいをお願いをすると、こんな ようなイメージで詰めております。以上です。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。柳川先生よろしいでしょうか。 ○柳川委員  はい。 ○北本委員  ちょっと、実はそのサーベランス委員会で、EOを作ったのですけれど、現実問題と してはなんの働きもできてないわけです。それはやっぱり調査票が来て初めて動き出せ る問題なんです。作りましたのは、今年度から作りましたので、できるだけ私としては 今年中に我々のフットワークを試してみたい。それでいいものか、このメンバーで大丈 夫なのか、もっと補充しなければいけない地域があるんじゃないだろうかということも 考えていますので、できるだけ早い機会にその調査票をいただいて、大変でしょうけれ ど、今年度は1回だけでもいいですから、サーベランス委員会を我々のところで持ちた いなと思っていますのでよろしくお願いします。 ○中谷課長  ご趣旨よく分かりますので、なんらかルールづくりを急がせまして、なるべく早く先 生のところに行くようにいたしたいと思っております。  それからあと、これは大変失礼な言い方ですが、例えば厚生省から医療機関に頼んだ ほうが、例えば研究班員であればそれ当然班長先生の号令の下にやるんでしょうけれど も、あんまり入ってないところが、例えば北本班というお名前を出したほうが資料が取 りやすいのか、厚生省から出したほうがよろしいのか、そういうようなことで私たちの ところでできることなんでもやりますので、そこまた言っていただけたらと思っており ます。 ○佐藤委員長  よろしくお願いします。他にご意見ありませんでしょうか。 ○立石委員  よろしいですか、まずお伺いをかねてなんですが、この横書きの第1が、感染新法の 流れと思いますが、クロイツフェルト・ヤコブは第4類でしたですかね、インフルエン ザなんかと同列なんですが、それが確実に報告されておるということ。  それからこれが、1度感染研を通ってきますね、そういう時に迅速に来ておるかどう かとか、そのあたりはどうですか。 ○中谷課長  まず確実かどうかにつきましては、実はエイズから言いますと、感染症新法が通りま して医師会のご協力を大変いただいて、こういう新法が通って、義務になったのですよ ということを言いましたら、えらく3月ぐらいの報告がワッと増えてしまって、こんな に増えちゃってと驚いてしまったといって、エイズの委員長の柳川先生が驚かれて、や っぱり周知効果はあったと思います。  それからやっぱりここは重ねて、医療機関の先生方にお願いしていかなければいけな いのですが、これはまさに法律による義務事項ですので、ぜひよろしくお願いします と。またこの4類感染症というのは、発生の動向を捕まえることによって、対策を立て ていこうという意味での情報把握が一番大切なカテゴリーであります。そのために、エ イズとかCJDとか、その他の病気を医療機関にお願いをして報告をしていただこうとい うかたちになっています。  それで1類から4類まで、1類はエボラのような、行動制限を無理矢理でもかけなけ ればいけない病気。それから3類というのは、O-157みたいに行動制限はかけないけれ ども、食事を扱うようなところには行かないでねという就労制限、これをかけるような 病気。4類というのは、情報を捉える病気と、こういうような種類で1類、2類、3類 4類と分けています。  そういう意味で4類感染症にとって、報告を出していただくというのは、非常に重要 なことですので、引き続き厚生省もまた医師会のご協力をいただきながらやっていこう と思っています。  それから2番目に、これ感染研は毎週これウィークリーで患者さんの数を出しており ます。ですからウィークリーで、保健所から県を通して情報が電子的に来ています。そ ういう意味では、感染症オウケン、ちょっと私自身不勉強で見ていないのですが、ホー ムページにもたぶん発表しておるんじゃないかというふうに思います。ですからそこを 見ていると、今週は何人CJDがでたと、エイズが何人報告があったというのは機械的にで てきます。ですから、たぶんそこで北本委員会がそういうような情報を見ていただき、 そこには基本的には何人ということしかでておりませんので、その他の情報も差し上げ て、3ヶ月おきに解析していただけるとすれば、一番いいのはやっぱり1週間にCJDが3 人、今週は10人といって一喜一憂するのでなくて、木を見るのでなく森を見るような論 議を、北本委員会あるいはその疫学グループがしていただけるんじゃないかと思ってい ます。  情報自体は1週間ごとにでておりまして、これは既にオープンをされております。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。他にご意見ございませんか。 ○端委員  何も関係のないことかとも思いますが、全然そぐわない話かもしれませんが。  硬膜移植を受けた人でCJDになった人が、将来、補償を受けられるかどうかというのが 今日の朝日新聞に載っております。それで今裁判が進行していると思いますが、その裁 判の原告になった人は、裁判の成り行きによっては補償が受けられることになりましょ うが、そうでなければ、これどうなるもんだろうかというのが、そういう患者の主治医 になっておる人たちの関心事になっておって、この委員会で尋ねてもどなたが答えてい ただけるのか分かりませんが。  例えばエイズの例であるとか水俣病の例であるとか、そういうようなものからいきま すと、将来この硬膜移植でなった人が、なんらかの補償を受けられる道というのは、ど んなものがあるでしょうか。 ○中谷課長  たぶんそこは正式な委員会が終わったあと、非公式にお話したほうがよろしいと思う のですが、ちょっとそれ確実に後でお答えしますので、恐縮でございます。  ちょっと時間が迫っておりますので、もう1つ申し上げなければいけませんのは、非 公式に記者クラブのほうと佐藤先生を含めたブリーフが必要でしょうかと言いましたら ば、とりあえず「結構です」というようなご返事が来ております。したがいまして、先 ほどお認めいただきました紙、あれを記者クラブに投げ込みまして、そして基本的に私 たち事務局で何か説明があればさせていただこうと思っておりますので、ご了解をいた だきたいと思います。 ○佐藤委員長  よろしくお願いします。それでは一応この委員会、終わりにしてよろしいでしょう か。 ○品川委員  もう1つすみません。ついでにお伺いしたいのですが、この様式(1)と(2)があります ね、これはペアになってでてくるというものじゃないわけですね、結果としては。 ○中谷課長  でてきません。 ○品川委員  これなんとか連番なりなんなりで、うまく繋がるというようなかたちということは難 しいのですか。 ○中谷課長  今そこを大変エイズでも、当然ながら考えることなのですが、実は感染症新法を作っ たときのさまざまな経緯の時では、あまりそういう個人を登録したり、あるいはいろん な調査をしたり、こういうことはするなよなというのが感染症新法の時の国会の論議で ございます。  もしするとしたらば、かなり理屈を整理をして、公衆衛生審議会にもお諮りしたり、 あるいは私の非常に個人的な感じでは、この法律で5年おきの見直し規定が入っており ます。そういう中で、例えばこういう患者さんの情報をどうするのかとか、あるいは先 程来お話のでている血液由来感染症みたいなものについて、何かもっと積極的に対応す べきことを考えるのではないかというのが、私たちの懸案になっています。  ですから今の時点で、一番私たちが恐れておりますのは、国会で論議がありました、 住民基本台帳こんなようなところでも、大変プライバシーの問題が問題になりましたし それから実は今エイズの患者登録というのをやっております。正式に言えば、国立病院 にかかった患者さんの方、この方日本では患者数がどんなに頑張っても5千人しかいな いわけですから、研究とか薬の開発の時にともかく症例がないというので、患者さんの ご協力を得て、そして患者情報を全部コンピューターに入れるというような方で合意を されて患者さんが約400人ほどおられます。  そしてそういうことを協力していただける施設というのが、今70ほどあります。こう いうところでは、まさに患者さんの情報をやり取りするために、非常にファイアウォー ルといいますか、情報の処理がしっかりできる、守秘がしっかりできるようなコンピ ューターシステムを導入しまて、1台500万円です。それからしかも守秘を徹底させるた めの病院内の組織を作ってもらって、担当者を決めていただいて、トレーニングを受け ていただいて、コンピューターを置いてあるところは、隣から見られないように基本的 には個室、鍵がかかると、こういうようなシステムでやり始めてます。  ですからそういうようなものが、デイファクトスタンダードになりつつありますので そういうかたちでやるのかどうかという問題も含め、ちょっと難しい問題だと思いま す。  ご趣旨はよく分かりますので、実際上、個人の名前あるいはプライバシーに触れない 範囲で、どうやったらこの2つのマッチングをうまくできるだろうかということを少し 検討すべきであるというふうに認識をしています。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。委員長の不手際で予定よりも30分超過しましたが、長時間 にわたってご審議ありがとうございました。  次回については、日程の要素が非常に多いですが、どうされますか。 ○金谷補佐  次回につきましては、一応今回は保留例のほうは1例だけ残っておりまして、それの 審議がございますので、日程のほうは私どものほうで決まり次第、ご連絡をするという ことでよろしくお願いします。 ○中谷課長  佐藤先生、そこの1例の処理と、あと北本先生のところが、少しなんか試行的にもち ょっとみられると、こんな実は問題があったのだけれどというようなことになってよろ しいんじゃないかと思うのです。それはちょっとお時間をいただいて、いつ頃までかと いう見通しなりでもまた秋涼しくなったら、1度お手紙でも差し上げようと思います。 ○佐藤委員長  そうですね、お願いいたします。  では委員会はこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。   以上