99/06/28 中央児童福祉審議会母子保健部会議事録 中央児童福祉審議会母子保健部会 議事録 平成11年6月28日開催 厚生省児童家庭局母子保健課 中央児童福祉審議会母子保健部会議事次第  日 時:平成11年6月28日(月) 午後2時00分〜3時55分  場 所:厚生省別館(7階)共用第13会議室   1.開  会   2.議  事    (1)議事録の公開方法等について    (2)その他   3.閉  会 ○北島課長補佐  それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央児童福祉審議会母子保健部会を 開催いたします。  本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  初めに、母子保健課長よりごあいさつ申し上げます。 ○小田母子保健課長  高いところから失礼いたします。  この母子保健部会は久しぶりの開催でございますが、この間にいろいろと、例えば母 乳中のダイオキシンの問題でありますとか、あるいは乳児突然死症候群の問題でありま すとか、あるいはリプロダクティブヘルスに関する問題、総合周産期母子医療センター に関する問題、いろいろと私どもの方で検討をいたしましたその結果等も今日は御報告 させていただきたいと思っております。  また、特に、乳児突然死症候群に関しましては、平成10年の人口動態統計の結果が出 まして、それによりますと、乳児の突然死が約25%減少したということで、早くもこの キャンペーンの成果が表れたかなというふうに考えております。正式には、本年の11月 から強化月間というものを設けましてポスター等による普及啓発、それから、講演会等 を全国4か所で開催しまして啓発を図ってまいりたいと思っております。勿論、それ以 前に、母子健康手帳等への記載あるいは現在、家族の会等にお願いしまして子育て基金 を活用しての普及啓発といったものもいろいろと行っております。  また、もうしばらくしますと、平成10年に実施しました母乳中のダイオキシンの21地 区、正式には19都府県ということになりますが、こういったところのダイオキシンの データも出てまいります。まだ内容は公表されておりませんが、どうもかなり地区によ って違うというような状況でございまして、今後そういったところがどういう原因によ ってくるのかというところも精査してまいりたいと同時に、母乳中のダイオキシンが子 どもの発育に与える影響についても平成10年度から調査を実施しておりまして、それに つきましても、近いうちにその結果を公表することとしております。  また、更に、新しい話としまして、本日の報告にもございますように、最近特に、双 胎あるいは未熟児というものが増加してきております。この一つの理由としては、総合 母子周産期医療センターのような高度の医療センターが設置されるようになりましたの で、早期の未熟児が救えるようになったということも一方でございますが、もう一方に おいては不妊治療における多胎児の治療例、妊娠例が非常に増加しているということも ございます。 こういった未熟児や多胎の子どもについては、非常に育てるのに難しいというようなこ ともございまして、そういった点についてどういうノウハウを提供出来るのか、あるい は国としてやるべきことはどんなことかといった点についても、今後、検討していって いただくような会を設けたいというふうに考えております。  更に、リプロダクティブヘルスにつきましては、去年から実施しておりまして都合8 回会議を開きまして、ほぼ成案を見るに至りました。また後ほど御報告させていただき ますが、そういったいろいろな母子保健の関係も動きがございます。勿論、一番大きい 少子化問題といった点につきましては、今、首相官邸を初めとして有識者会議あるいは 国民会議の設置、自民党の少子化対策特別プロジェクト、更には、自民党、自由党、公 明党の3者の少子化検討会といったさまざまなものが開催されておりまして、多分そう いったものの成果あるいは結果が、今後の施策に具体的に出てくるだろうというふうに 思っております。勿論、その一つとして今度、補正で 2,000億円ほどの子育て関係の予 算が、ほぼ各党の間では了解を見たということで実現することになろうかと思います。 そういったことで、いわゆる少子化対策の方も一歩一歩進んでおります。  若干、長くなりましたが、開会に当たりましてのごあいさつに代えさせていただきま す。 よろしく御審議をお願いします。 ○北島課長補佐  本日の部会は、古坊委員が御欠席ということで11名の委員に御出席をいただいており ます。なお、今般委員の異動がありましたので御紹介を申し上げます。  9月30日付の任期満了に伴いまして、元日本看護協会助産婦職能理事の松本八重子委 員が退任されました。10月1日付で新たに聖路加看護大学教授の堀内成子委員及び国立 国際医療センター総長の鴨下重彦臨時委員が就任されました。よろしくお願いいたしま す。それでは、平山部会長に議事の進行をお願いいたします。 ○平山部会長  お久しぶりでございます。何か月かぶりでございますが、どうぞまたよろしくお願い いたします。  新しく委員に今、御紹介がありましたお2人の先生にお願いいたしましたが、自己紹 介というほどでなくてもいいのですが兼ねまして、一言ごあいさつをお願い出来ますで しょうか。  それでは、堀内先生から。 ○堀内委員  聖路加看護大学の堀内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  大学では、主に母性看護学、それから、助産学を学生に教えております。日本助産婦 会との仕事も一緒にやらせていただいてます。母子保健に関する助産婦、看護婦、保健 婦の仕事に関して勉強させていただければありがたいと思っています。どうぞよろしく お願いいたします。 ○平山部会長  鴨下先生、お願いいたします。 ○鴨下委員  国立国際医療センターの鴨下でございます。私は、専門は小児科であったのでござい ますが、今はもう病院管理といいますかそういうことに追われておりまして、御承知の ように国立病院はほとんどエージェンシー化されると。私のようなナショナルセンター は国立で残るということで、いろいろと本省の命令でネットワークの構築などやらされ ておりまして、肝心の小児科の方は余りお役に立つかどうか心もとないのですが、以前 臨時ではない委員を務めさせていただきましたので、そんなことで今後ともどうぞよろ しくお願いいたします。 ○平山部会長  ありがとうございました。両先生もよろしくお願いいたします。  それでは、本日の議事に入ります前に、事務局から今日の資料の確認をお願いいたし ます。 ○北島課長補佐  それでは、まず、1枚目が議事次第でございます。1枚めくっていただきますと、部 会の委員の名簿がつけてございます。それから、3枚目に部会の資料一覧がございまし て、その後、資料1から順に「母体血清マーカー検査に関する見解について」。 それから、資料2が「総合周産期母子医療センターの設置基準の見直しについて」。そ れから、資料3が「生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会報告について」。資料 4が「平成11年度子ども家庭総合研究について」。そして、資料5につきましては「低 出生体重児、双胎・多胎児の妊娠、出産、育児の支援について」。それから、最後の参 考資料でございますけれども、これは、今年の6月2日付で陣痛促進剤による被害を考 える会からの要望書と質問状という形で、委員の先生方あてに出されているものでござ います。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。もし、不足がございましたら、おっしゃっていただきたい と思います。  今、これでお分かりいただけましたように、今日は議題は余りございませんで、それ が終わりましてから、いろいろ新しい情報として我々にとっても大変貴重な資料になる と思いますが、報告事項の御説明を後ほどいただくという手順でお願いを申し上げま す。  それでは、まず、議題でございまして、議題の1、議事録の公開方法等についてでご ざいますが、これはどういうことか御説明ください。 ○北島課長補佐  特段資料はございませんが、この部会の選任の時期ということもございますので、こ の部会の議事録の公開方法について御検討いただきたいと思っております。 政府の審議会につきましては、近年、全体的に公開を進める方向になっておりまして、 議事、会議そのものを公開している審議会もございますし、また、議事録の公開の仕方 につきましても委員のお名前を入れて公開という方向に進んでおりますので、この母子 保健部会につきましては、これまで議事録は公開しておりました。ただ、議事録の中の 御発言の先生方がA委員、B委員という形での公開になっております。これにつきまし て、この議事録を読んでおられる一般の方等から、委員の先生方のお名前入りの議事録 を公開していただけないだろうかという御要望もございますので、全体の方向といたし ましても公開になってきているということから、今般、議事録につきまして委員の先生 方のお名前入りでの公開を御検討いただければと思っております。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  ということでございまして、繰り返しになりますが、従来この部会は議事録は公開し ているけれども、御発言の先生のお名前はA、B、Cで表しているというのを最近の政 府の審議会の議事録の例に倣って、御発言いただいた先生のお名前を明記した形にした いというお話でございますが、何か御意見ございますか。いかがでございましょうか。 ○小池委員  結構です。 ○平山部会長  今、小池先生からも結構ですというお話がございまして、全体の趨勢でございますの で、では、そのように掛からせていただいてよろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○平山部会長  では、具体的な内容やら何やらは、事務局の方で実際につくる作業を今日も含めてや っていただけるとは思いますけれども。 ○北島課長補佐  そういたしますと、今回の議事から公開ということにさせていただければと思います が、今までも議事録につきましては先生方に内容の、例えば数字ですとか、十分聞き取 れなかったところ等を補足修正していただいたりという作業をしておりますので、また お名前入りの議事録を今日の分からお送りさせていただきますので、その点をよろしく お願いしたいと思います。そういったことで、議事録の名前入りの公開ということと、 それから、こういった資料の公開ということで、これからこの部会についての公開を進 めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○平山部会長  ありがとうございました。  では、そういうことで、よろしくお願いを申し上げます。御承認をいただきましたの で、1番はこれで済みまして、2番のその他の議題は何か御用意がございますか。 ○北島課長補佐  今のところ特段ございません。 ○平山部会長  ありがとうございました。  それでは、議題の方はこれで終わらせていただきまして、残りの時間は報告事項の御 説明をいただいて、先生方からまた御意見などもいただきたいというふうに存じますの で、よろしくお願いをいたします。  それでは、最初に、この分厚い資料の方ですが、クリップを外していただいた方がそ れぞれの資料の境目がよく分かると思います。それでは、1番の「母体血清マーカー検 査に関する見解について」の資料1について、御説明をお願いいたします。 ○武田主査  それでは、資料1の母体血清マーカー検査に関する見解について御説明させていただ きます。着席させていただきます。  母体血清マーカー検査に関する見解でございますが、厚生科学審議会先端医療技術評 価部会の下に、出生前診断に関する専門委員会を設置いたしまして、こちらの方は兵庫 医科大学の古山順一先生に委員長をしていただきまして、平成10年、昨年10月23日から 審議をしていただいておりました。こちらにつきましては、母子保健課の方で事務局を させていただきましたので御報告させていただきます。  作業の日程といたしましては、昨年10月23日に第1回専門委員会を開きまして、主と して母体血清マーカー検査に関して審議をいたしました。1月にはダウン症協会及び検 査会社からヒアリングを行い、4月28日の第5回専門委員会で見解を取りまとめまし た。そして、6月4日に親部会でございます厚生科学審議会の先端医療技術評価部会に 報告を行いまして、そこで幾つか修正の意見等が出されましたので、6月23日に第6回 の専門委員会を開きまして、見解修正を行い、最終的に取りまとめたものでございま す。  内容について御説明いたします。資料1の1ページ目をごらんいただきたいと思いま す。  まず、「はじめに」の部分でございますが、検討の経緯を書いてございます。出生前 診断技術については技術が向上しておりまして、一部の疾患につきましては胎児の状況 を早期に診断し、子宮内であるいは出生後に早期に治療を行うことも可能になってきて おります。しかし、現在、先天異常などでは治療が可能な場合が限られていることから この技術の一部は障害のある胎児の出生を排除し、ひいては障害のある者の生きる権利 と命の尊重を否定することにつながるのではないかというような議論がございます。  こうした中で、厚生科学審議会先端医療技術評価部会の中で平成9年7月から1年に わたりましてヒアリング等を行ってきましたが、いろいろこれらの問題の論点が多岐に わたりますので、同部会の下にこの専門委員会を設置したという経緯を書いてございま す。  次に2ページ目でございますが、検討の趣旨でございます。母体血清マーカー検査に つきましては、妊婦から採取した少量の血液を用いて21トリソミー等ダウン症候群等の 疾患のある確率を算出する技術でございますが、その簡便さから今後広く普及する可能 性があるとしております。しかし、この検査に関する事前の説明が不十分であることか ら、妊婦に誤解や不安を与えていること等の指摘がされておりまして、親部会でありま す先端医療技術評価部会の検討においても早急な対応が必要であるとされております。 このため、母体血清マーカー検査に関する見解を取りまとめることとしたとしておりま す。  次に、「母体血清マーカー検査の問題と基本的な考え方」というところでございまし て、問題点でございますが、母体血清マーカー検査は簡便でございまして、検査前の説 明が十分でない場合があることから、妊婦が十分な認識を持たずに検査を受ける傾向が あり、胎児に疾患がある確率が高いとされた場合、妊婦は動揺・混乱し、精神的な不安 から母体の健康に悪影響が及ぶ場合があるとしております。  次に、3ページ目2つ目の問題点でございますが、母体血清マーカー検査は胎児が21 トリソミー、それから、Neural tube defect、これはちょっとその後の議論、こちら に小さく書いてございますが、関係学会の用語を確認したところ神経管欠損という言葉 が適当ではないかということで、これに変更することとしております。それらである可 能性を単に確率で示す検査であるにすぎないことから、この検査の特質の十分な説明と 理解がないままに検査を受けた場合、妊婦が検査結果の解釈を巡り誤解したり不安を感 じる場合があるとしております。  次に3番目の問題点でございますが、母体血清マーカー検査は簡便な検査でございま して、妊婦に受け入れられやすいということから、不特定多数の妊婦を対象に、胎児の 疾患の発見を目的としたマススクリーニング、振るい分け検査として行われる可能性が あるという問題点、3つの問題点を指摘しております。  そこで、対応の基本的な考え方でございますが、医療について原則論といたしまして 受診者に適切な情報を提供し、十分な説明を行った上で、その治療を受けるかどうかを 受診者自身が選択することが原則である。このことを述べました上で、本検査につきま しては、今、申し上げました3つの問題点、それから、後述します我が国においては専 門的なカウンセリング体制が十分でないことを踏まえまして、4ページの最初のところ でございますが、本検査の情報を積極的に知らせる必要はない。また、医師は本検査を 勧めるべきではなく、企業等が本検査を勧める文書などを作成・配布することは望まし くないというと考え方を整理しております。  しかしながら、妊婦から本検査の説明の要請があり、本検査の説明をする場合には別 紙ような内容に十分配慮すべきであるとしています。  それから、行政・関係学会の対応でございますが、先天性障害や遺伝性疾患に関する 専門的な相談、カウンセリングが出来る機関が限られておりますので、専門機関が増え ていくよう行政・関係学会等の一層の努力が必要であるとしています。  それから、専門的なカウンセリングが出来る機関の登録システムを構築し、一般に情 報提供をする必要があるとしています。  さらに、本検査の実態を把握するとともに、本検査が適正に実施されるよう指導する 必要があるとしております。  次に、5ページでございますが、こちらが別紙の部分でございまして、妊婦から自発 的に検査を受けるという選択をした場合に、実施する場合に少なくとも次のことに配慮 し、慎重に行うべきであるということを列挙しております。  検査前でございますが、まず、障害を持って生まれた場合でもさまざまな成長発達を する可能性があることについて説明をすべきであるとしています。  それから、6ページ目(2)の部分でございますが、検査対象となる疾患21トリソミー等 に関する最新の情報について説明するとしております。  それから、(3)の部分でございますが、検査の目的・方法・原理・結果の理解の仕方等 について説明するというところで、特に、注2の部分でございますが、危険率、陽性/ 陰性、リスクが高い/低いなどの表現は用いないとしております。  (4)の部分でございますが、予想される結果とその後の選択肢について説明するという ところで、検査の結果が21トリソミー等の治療にはつながらないことなどを述べること としております。  それから、あとは説明と同意を十分取ることでございますとか、カウンセリングが受 けられる機関と連携体制を構築しておくこと。それから、同意書などは医師が本見解の 趣旨に基づいて適切なものを用意することなどを提言しております。  それから、IIの部分、検査会社について留意すべき事項でございますが、個人情報の 秘密保持の徹底でございますとか、検査結果の算出方法の元となるデータ等について広 く公表すること等を書いてございます。  それから、検査後でございますが、先ほど申し上げた検査前の1の(3)に従って行うこ ととするとしています。  2番の部分でございますが、今後の対応について十分に理解していない点や不明な点 について詳しく説明すべきであるとか、3番目でございますが、妊婦の自己決定を尊重 する。 4番目、個人情報について秘密保持を徹底する。5番目、十分な心理的ケアの支援を行 う。6番目、カウンセリングが可能な施設を紹介する。7番目、相談が受けられる機関 ですとか本人・親の会、支援グループの存在情報を提供することなどを求めておりま す。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  この問題については、専門の先生も関心をお持ちの先生方もおられると思いますが、 何か御意見でも補足でも何でも結構ですが御発言ございますか。 ○武田委員  これは、内容ではなくて、用語の説明と申しますか、検討の趣旨のところで「α−フ ェトプロテイン、hCG(free−βhCG)」と書いてございますね。その次が、「エス トリオール(uE3)」となっていますね。ここの括弧のところ、例えば、hCGはhC Gそのものも使われますから、hCGまたはfree−βhCG、それから、エストリオール は血清ですから、これでも十分分かるとは思うのですけれども、もし、あれだったら unconjugated estriol、あるいは非結合型エストリオールという言葉をここに入れてお いていただいた方がよろしいのではなかろうかというような気がします。 ○北島課長補佐  では、後ほどちょっと具体的にもう少し教えていただけますでしょうか。 9ページのところにそれぞれ書いてございますが、これを本文にも。 ○武田委員  参考資料がついて回りますとよろしいのですけれども、本文の中で略語ではなくて、 もう少し正確に書いていただいた方がいいのではないかと思うんです。例えば、ユーエ ストリオールというのは我々産婦人科医ですと、ユリナリーエストリオールと尿中エス トリオールとぱっと頭の中で混同することがあるんです。勿論、これは血清マーカーで すから、もともとを考えますと、尿中というのはあり得ないのですけれども、そのこと で慣用的にユリナリーエストリオールのことをuE3と書いたのがありますので、それ でちょっと思ったのですけれども。 ○平山部会長  参考資料がいつもついてくれればいい訳ですね。 ○武田委員  そうです、いつもついていてくれればいいんです。 ○平山部会長  ありがとうございました。これは、こういう部会の報告でございますので、ここで反 対とか賛成という立場のものではありませんが、私どもの身の回りでも時々誤解やら混 乱が起きておるものですから、ということで、こういうものが出ましたということで、 よろしくお願いを申し上げます。  何かほかにございますか。よろしゅうございましょうか。また、全部の御説明をいた だいた後で、御自由な御発言もいただく時間が取れればと思いますので。 ○小笠原委員  ちょっとよろしいでしょうか。7ページなのですけれども、こちらのもともとこれを 審議された方の中に、山田卓生先生という法学部の教授の方がいらっしゃるので、十分 検討されてこれは出来ているのだろうというふうには思うのですけれども、7ページの ところを見ますと「以上の事項について十分説明した上で、妊婦又は妊婦本人及びその 配偶者から文書による同意を得るとともに、診療録にその旨を記載し、文章を保存す る」というふうにあるのですが、これは文書による、つまり同意を得たことについての 証拠を残すという趣旨のように読めるのですけれども、もともと医師の方からこれにつ いて勧めない訳ですね。ですから、妊婦さんの方が情報を個人的に知っていて、あるい は不安を感じているからやってほしいという、どちらかといえば妊婦さんの方が積極的 にアプローチしてくるというケースな訳で、それについて書面を取るという趣旨は、十 分な説明をしたということについての担保の方が必要なのではないかというふうに思わ れるんです。つまり、やりたいあるいはやった方がいいのではないかというふうなこと があって、医師に相談をし掛けてくる。医師は、そのときに十分な説明をした上で本人 が同意をしたという、その経過が必要だとするならば、十分な説明をしたということが むしろ残されなければいけないことなのではないかという気がするんです。勿論、本人 の同意が残されることも必要なのですけれども、同じぐらいの比率で、むしろ医師がど のような説明をしたかということについて、きっちりしたことが後々残されているとい うことの方が、この制度のシステムとしては必要なのではないかと。多分そういう趣旨 でこれは書かれているのだろうと思うのですが、ここを見ると、ちょっと同意を得るこ とだけが文章に残るような気配もしていて、そういう趣旨ではないのかもしれませんけ れども、一言だけ言わせていただけたらと思います。 ○北島課長補佐  この趣旨は、十分説明したことと、それから、同意を得たということの両方について の記録を残すという趣旨でございまして、そのための文書ですとか同意書は、この5に ありますように、医師が適切なものを用意するということでなっておりますので、そう いう趣旨でございます。 ○小笠原委員  分かりました。 ○平山部会長  ありがとうございました。ほかにございますか。  もし、よろしければ、次に移らせていただいて、資料2「総合周産期母子医療セン ターの設置基準の見直しについて」でございます。御説明をお願いします。 ○田口係長  それでは、総合周産期母子医療センターの設置基準の見直しについて御説明させてい ただきます。  資料2の方、5ページほどのものですが、1ページ目に見直しの経緯と簡単な内容を 書きまして、2ページ目に改正通知を出しておりまして、その通知の図示、それから、 3ページ目以降に関係部分の通知の抜粋をつけております。  まず、総合周産期母子医療センターにつきましては、平成8年度から「周産期医療対 策整備事業の実施について」という局長通知の中で、周産期医療システム整備指針とい う形で、具体的に第3次医療圏に原則1か所整備していこうということを示しておりま すが、現在、9都府県で15施設が指定されている状況です。国としましては、第3次医 療圏ということですが、各都道府県に1か所は出来る限り早急に整備していただきたい ということで施設整備費、また、総合周産期母子医療センターにつきましては、運営費 の補助も行っております。  各都道府県におきましては、周産期医療体制につきまして協議会、または検討会を多 くの県で開いておりまして、現在35都道府県で何らかの具体的検討がなされておりま す。また、30弱の都府県において具体的にどこがしていこうというような話にはなって いる状況です。  ただ、平成8年から実施しておりますが、現在9都府県、平成11年度末でも10都府県 しか整備がなかなかされないという状況で、各都道府県等からの意見などでは総合周産 期母子医療センターにつきまして、母体・胎児集中治療管理室と生まれた後の新生児集 中管理室がセットになっておりますが、いずれも9床以上を整備するということが条件 となっております。各都道府県などでは、母体・胎児集中治療管理室を9床以上整備す るということにつきましては、現在の病院の状況、病院の配置などを考えますと、なか なか厳しいものがあるという意見がいろいろ寄せられております。  また、日本産科婦人科学会・日本小児科学会の合同の厚生省周産期医療整備事業につ いての見解というものが1997年に出されておりますが、その中でも周産期母子医療セン ター、総合周産期母子医療センターのことですが、これにおける母体・胎児集中治療室 につきましては、病床数の地域差だとか地域の実情なども踏まえて、多様性を考える必 要があるのではないかということで、具体的には6床から12床の幅で整備をすべきでは ないかというような意見等もいただいております。  私どもとしまして総合周産期母子医療センターを積極的に整備していくこと、それか ら、人口例えば100万人未満のところですと7県ほどありまして、また、150万人以下の 県ですと20県が比較的人口が少ないというような実情、また、地域が広いところでは県 内に2か所整備しなければならないようなところもありますので、そういったことを考 えまして、今回、5月26日に厚生省の児童家庭局の方で小児科及び産婦人科の専門家に よります周産期医療推進協議会を開きまして、その中で緩和についての御検討をいただ きまして、その結果、6月25日、先週の金曜日ですが、先ほどの整備指針の改正を行い ましたところです。  内容的には、母体・胎児集中管理室につきまして、今まで9床以上を最低設けること としていたものを6床以上というふうにしております。  なお、新生児集中治療管理室につきましては、従来どおり9床以上、望ましい病床数 として12床以上ということを挙げております。  なお、今までの見直した理由の一つとしまして、新生児集中治療室とペアで整備され ておりますが、実際9床、9床というような整備をしているところもありますが、そう いった場合には母体・胎児集中治療室の方が比較的空きになってしまうと。子どもが未 熟児などで生まれた場合に、新生児集中治療室の方が満杯になってしまうというような こともありまして、母体・胎児集中治療管理室については若干小さくして、生まれた後 の新生児集中治療室を大きく整備していただくというような改正になっております。  併せて、母体・胎児集中治療管理室などにつきまして、妊娠中毒症などで安静に保つ 必要などもありますので、個室ということも整備が出来ること、それから、医療従事者 についても、例えば、集中管理室大きな中に個室を設けた場合でも、各部屋ごとに配置 するのではなくて、全体できちんと配置していただきたいというようなことを明確にし ております。  なお、医療保険の診療報酬の方で総合周産期につきまして、診療報酬上、総合周産期 特定集中治療室管理料が算定されておりますが、こちらについても保険局の方に現在、 母体・胎児集中治療室が9床以上となっておりますが、6床以上に緩和するように連動 して直していただくように要望等をしているところでございます。  以上です。 ○平山部会長  ありがとうございました。  この設置基準について、多少数などの点で幾らか緩めたと言っていいのでしょうか。 大きな違いはないようでございますが、何か武田先生、補足ございますか。 ○武田委員  特にはございませんが、このeをつけ加えていただいたのは大変ありがたいことだと 思っています。いわゆる、必要に応じて個室をつくるということですね。先ほどもちょ っと御説明がございましたように、保険給付との関連を是非これと完全に連動させるよ うな方向で御努力いただければ大変ありがたいと思います。2〜3解釈に食い違ってい るところもあったように思いますので、今後それがないようなことを是非お願いいたし ます。 ○平山部会長  ありがとうございました。 ○松井委員  質問なのですが、ハードウエアの整備であるとか、運営上のお話はよく分かりまし た。5ページに周産期医療関係者研修ということが書いてございまして、これも主とし て、そういうヘビーな機器あるいは考え方に対する研修だと思うのですが、親子の心の 問題というのでしょうか、そういう母子関係についての研修も含まれてほしいと思うん です。というのは、私は子どもの虐待を長年やっておりますと、リスクを持つ子ども、 虐待集団から取りますと大体4割が未熟児です。それから、もう一つは多胎です。不妊 治療であるとか、あるいは体外受精で三つ子、四つ子が急増しております。多胎である 親子は虐待の率が出生率に比べて10倍以上に増えているんです。ですから、こういう ハードの整備も大切だと思うのですが、その後のフォローでありますとか、親子関係の 問題、特に長期間の母子分離になる訳です。周産期の先生方は、その問題は母子相互作 用とかいろいろな研究で進められてはいらっしゃるのですが、具体的な点で何か研修の 中にそういうフォローアップの問題、例えば、3年、5年経ったら虐待が結構出てくる と思うんですよ。ですから、初期の段階からきちんと親子をケアしていくような内容の 研修、ソフト的な研修も含まれていただくとありがたいかなというふうに思いました。 希望なのですが。 ○平山部会長  ありがとうございます。おっしゃるとおり、今、児童虐待でリスクファクターの一つ に上がっているかなり重要な問題のように思いますが、よろしくお願いします。 ○柳澤委員  ちょっと記憶があやふやなので教えていただきたいのですが、総合周産期母子医療セ ンターは今まで母体・胎児と新生児がそれぞれ9床以上だったと。それを母体・胎児の 方を6床以上というふうにするのは、非常に実情に合っていると思いますけれども、そ の下に地域周産期母子医療センターがある訳ですが、その母体・胎児と、それから、新 生児のベッド数というのは幾つと幾つになるのですか。 ○事務局  特にベッド数は定めておりません。地域の方につきましては、母体・胎児集中治療管 理室という形では設けておりませんので、もうちょっと緩やかな形になっております。 ○清川委員  一つよろしいですか。最初の趣旨は、各都道府県に1か所、人口 100万人に1か所ぐ らいという考えがあったのですけれども、この基準に合えば何か所でもつくれるという ことではない訳ですか。 ○北島課長補佐  そこは、実は、この情報管理機能がございますので、まず、母子保健課でお出しして いる運営費の補助につきましては、まず、各県に1か所、情報管理機能を持っていただ くところにお願いするというのが基本でございます。ただ、東京都につきましては、大 体10か所ぐらいを整備する予定で考えておりまして、人口規模ですとか土地の地形とか いろいろなことによりまして、県によって必要な数が異なってまいります。ですから、 そういう場合には都道府県が独自に2つ目以降を指定し、2つ目以降は、保険の基準に 合えば医療保険の方の対象にはなっていくというようなやり方を今取っております。  ○清川委員  そうすると、基準に合えばいわゆる診療報酬点数もつくということですか。 分かりました。 ○平山部会長  ほかにございましょうか。  それでは、研修について心といいますか、親子関係などについての研修も考慮してほ しいという御要望がございましたが、この件は一応終わらせていただきます。ありがと うございました。  では、続いて、資料3でございます。「生涯を通じた女性の健康施策に関する研究会 報告について」よろしくお願いします。 ○新野専門官  資料3について説明させていただきます。座らせて説明させていただきます。  生涯を通じた女性の健康づくりを推進する観点から、さまざまな角度からの健康に関 する問題点を整理し、具体的施策と推進方法についての総合的に研究を行うという趣旨 で、この研究会が行われました。生涯を通じた女性の健康支援施策に資するというよう な目的で、昨年5月14日に第1回研究会を始めまして、8回の研究会を開催いたしまし て御検討をいただきました。  この背景にございますのは、1ページの中の「はじめに」の中でも書いておりますが 平成7年北京において開催された第4回世界女性会議において、リプロダクティブヘル ス、性と生殖に関する健康については重要なテーマとして討議され、また、我が国の女 性の健康施策においては内閣総理大臣官房男女共同参画室、総理府により平成8年12月 に策定された男女共同参画プラン男女共同参画社会の形成の促進に関する平成12年、西 暦2000年までの国内行動計画に、重点目標として生涯を通じた女性の健康支援が盛り込 まれたというところでございます。  報告書では、女性の生涯の各ステージごとに見た健康面の現状と問題点を分析いたし まして、35ページをごらんください。35ページ以後に、この研究会として今後の施策の 在り方を示しております。そのうちの一つとしては、広く情報提供を行い、全国民にリ プロダクティブヘルス/ライツの意識の浸透を図る。36ページに入りまして、大きな2 つ目としては、人工妊娠中絶件数を2分の1に減少させる。特に、10代の人工妊娠中絶 件数を減少傾向に転じさせる。そして、3つ目には、これは37ページです。妊産婦死亡 率を2分の1に減少させるといったようなことを挙げております。  この報告書は、今後まだ多少の直しが入る予定ではございますが、おおむねこれでま とまる予定としております。  以上です。 ○平山部会長  ありがとうございました。  なかなか力作をつくっていただいたと思いますが、ボリュームが多いので今、初めて ごらんいただいて細かいところまではお目通しいただく暇がありませんが、この報告書 の趣旨は今、新野専門官が御説明になったとおりでございます。何か御発言ございまし たら。 ○足立委員  19ページの下の2)拒食・過食のところに始まりまして、2つ目の段落で10代のデータ はないと括弧の中に書いてありますけれども、最近、関連の研究報告等が多く出されて います。国民栄養調査の他に日本体育・学校健康センターの全国調査結果等もあります ので、少し御参考にお出しすること出来ます。 ○新野専門官  委員会の中で、大きな調査をなるべく委員の先生からもいろいろ集めるのに御協力し ていただいたという流れがございますが、ちょっと検討させていただきまして。ですが 資料としてはいただければ、とてもありがたいです。 ○平山部会長  これは、文部省の外郭団体ですね。前の学校給食会だと思います。 ○足立委員  平成9年のデータが出ていると思いますので。  ただ、同じようにBMI別に、それとクロスした形で集計したものではありませんの で、同じレベルで比較できるかどうかは御検討ください。 ○平山部会長  ありがとうございました。ほかに何かお気づきのことや御要望等ございますか。いろ いろ資料がついていますので、ゆっくり拝見するとまた面白い、面白いと言ってはいけ ませんが御報告だと思います。  もし、今、特にございませんようでしたら、4つ目の資料の御説明を。資料の御説明 を終わらせてしまいたいと思います。資料4「平成11年度子ども家庭総合研究につい て」お願いいたします。 ○武田課長補佐  では、資料4につきまして御説明させていただきます。「平成11年度子ども家庭総合 研究について」という表紙になっているものでございます。  それでは、資料で2枚になっておりますが、平成11年度厚生科学研究費補助金(子ど も家庭総合研究事業)採択課題一覧でございます。一番左の方に番号が振ってございま すように、本年度は全部で43課題の採択状況でございます。このうち、2ページ目の37 番から43番までが、平成11年度新規採択された課題でございまして、36番以前のものに 関しましては10年度からの継続課題でございます。  採択の経緯を、若干、簡単に御説明させていただきます。  本年の1月上旬でございましたけれども、官報告示を行いまして、子ども家庭総合研 究事業の新規課題の公募を行ったところでございます。それによりまして、全部で28課 題の応募がございまして、そのうち7課題、今申し上げました37番から43番までが3月 17日開催の事前評価委員会の場におきまして採択されたものでございます。なお、1番 から36番の10年度スタートの課題でございますが、これにつきましても、同日、別途開 催されました中間・事後評価委員会におきまして、すべて継続という決定が下されたも のでございます。  なお、それぞれの課題に対しまして、それぞれの評価委員の先生方より研究計画に関 しての御意見等いただきまして、それぞれそれらの御意見は各主任研究者の方にお伝え させていただいているところでございます。  現在の状況といたしましては、これら43課題すべての主任研究者に対しまして、5月 の初めに内示をさせていただいております。現在その内示を受けまして、各研究者から 交付申請書を提出していただいているところでございまして、これに基づき、研究補助 金交付に向けて当課において、作業中でございます。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  先生方もう既に御存じのように、平成10年度からすべての厚生省の研究費補助金が公 募の形になりまして、子ども家庭総合研究、つまり母子保健課が主管している研究費補 助金の分をこういうような格好で取りまとめていただき、研究が進んでいますというこ とでございます。何か御質問ございますか。  では、その次に、資料5でございます。「低出生体重児、双胎・多胎児の妊娠、出産 育児の支援について」よろしくお願いします。 ○北島課長補佐  それでは、資料5の表紙を1枚開けていただきまして、1ページをごらんいただきた いと思います。座ったまま失礼いたします。  「低出生体重児、双胎・多胎児の妊娠、出産、育児の支援について」ということで、 先ほど課長のごあいさつでも申し上げましたように、近年、双胎・多胎児が非常に増え てきておりますことから、こういった方々につきましては、妊娠管理上の問題は元より 出産後、育児を行う上でも単胎を育てるお母様方に比べまして、精神的、身体的、経済 的にも大きな負担を負っているということがございます。特に、双胎・多胎と言います と、低出生体重児である場合が多いため、低出生体重児も含めまして、こういった親御 さんたちの支援策を検討していこうという趣旨でございます。  また、この検討方法でございますけれども、母子保健課の方で検討会を設置いたしま して、産科、新生児科、保健学、それから、次のページにございますように、ツインマ ザースクラブという支援団体がございますが、こういった関係団体の方々から成ります 検討会を設置いたしまして、この低出生体重児、双胎・多胎児の妊娠、出産、育児に関 する具体的な支援策を検討していただくということが1点ございます。  また、この検討会の中で具体的な支援方法の骨子がつくられましたら、それに基づき まして、厚生科学研究費補助金子ども家庭総合研究事業の中の「わが国における生殖補 助医療の実態とそのあり方」、主任研究者は昭和大学の矢内原教授でございますが、こ の研究班の中に多胎の管理に関する研究グループがございますので、その中で研究協力 といたしまして低出生体重児、双胎・多胎児の妊娠、出産、育児に関する必要な情報を 取りまとめていただく。この取りまとめたものをハンドブックにいたしまして、配布す るということを目的としてこの研究班では情報を集約していただく予定です。  具体的には、こういった研究班でつくられました情報を基にハンドブックを作成いた しまして、情報提供をしていくということを考えているところでございますが、検討に つきましては、こういったハンドブックの取りまとめ以外の幅広い支援策についても御 検討いただきたいと考えております。  具体的に申しますと、次ページのメンバーの委員の先生方に、現在、日程調整中でご ざいまして、来月の半ばぐらいに第1回の検討会を開催することといたしております。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  前に御報告をいただいた本年度の子ども家庭総合研究の中に、この問題を含めて、つ まり、研究費の方はそちらからいただいて、この問題を特に取り上げてやっていただい ているという御説明がございますが、先ほどの松井先生のおっしゃった虐待のハイリク スは多胎が関係していると思うのですが、何かございましたら。 ○松井委員  大変、結構で、進めていただくとメリットが非常に大きいと思います。いろいろ双子 の子育て、大変な苦労話をお母さんたちが経験して、その研究者は大半それを知ってい る訳ですから、こういう小冊子が出来ると大変ありがたいと思います。  この中で、一つ、日本は母子保健のレベルは非常に高くて検診受診率は九十何%超え ておりますね。ほとんど来ます。双子もその検診に参加する訳ですから、検診が逐次的 に行われる中で、その支援を出来れば保健所、保健センターでも考えてほしい。幾つか の保健所、保健センターは具体的なアクションに入っております。私の港北保健所も 3,000人子どもが生まれて20組40人の双子が毎年生まれてくる訳です。ですから、双子の 親子を集めて、とにかく楽しく支援するような会をやっとスタートさせたのですが、保 健所がとにかく生まれたかどうかの情報を全部握る訳ですから、保健所のメンバーも出 来ればこの中に加えていただいて、やっている方は何人もいると思いますので、実際の 具体的なアクションをそれぞれの地域で展開出来るように、双子の場合にはバザーが人 気があるんです。一時期、バギーだとか着物だとか使わなくってしまうと、次の双子に 安くバトンタッチすれば非常にメリットがありますから、そういう地域活動のベースは 多分保健所になると思いますので、そういう点も配慮して進めていただくと大変いい方 向に行くのではないか、虐待も減るのではないかと思います。 ○平山部会長  ありがとうございました。ほかに何かございましたら。 ○清川委員  冒頭に課長さんからお話がありましたように、未熟児とか多胎児が増えているという ことは、要するに、今まで不妊症の人が生殖技術の進歩によって三つ子、四つ子等が得 られるような時代になってきた。しかし、これに関して、不妊に関する医療保険の補助 というものは今までない訳ですね。そうしますと、私たち産科婦人科学会の方でも調査 いたしましたら、何とか妊娠に至るまでは100万、200万ぐらいの持ち出しと申しますか そういうようなことも実際にはあります。こういうことに関して、不妊治療に対する保 険収載ということを当局あるいは関係省庁等でもお考えになっているかと思いますけれ ども、今後の見通しとして、少子社会で子どもに恵まれない夫婦というのは約7万組ぐ らいいらっしゃると聞いておりますけれども、そういう人たちの不妊技術を医療保険の 枠内で受けられるような施策というものは、今後どう発展していくか課長さんに教えて ほしいのですが。 ○小田母子保健課長  非常に難しいものなのですけれども、今、不妊の負担というのはたくさんありまして 一つは精神的負担から、それから、治療の肉体的負担、それから、情報がないこと、こ れも一つの心の負担、更には、経済的負担というような4つぐらいに大きく分けて負担 がある訳であります。そのうちの経済的負担だけでも取り除いていただきたというよう な要望が非常に強くて、ただ、これは保険の問題がほとんどで、保険を適用してほしい ということです。この不妊治療の多くが保険になっていないということから、治療行為 そのものが日陰者扱いというような感じになっておりますので、お母さん方からの要望 というのは非常に強い訳ですけれども、それは保険局の方でそういった声を基にいろい ろ検討はなされておるのでしょうが、今のところ国会答弁等ではそういった予定はない ようであります。不妊に悩むお母さん方に対してサポートするのが母子保健課の仕事で すから、そういった観点からは日本産科婦人科学会あるいは日本母性保護医協会と一緒 になって、保険局の方に要望していくというような立場であります。  以上です。 ○平山部会長  ありがとうございました。何かございましたら、どうぞ。 ○天野委員  実は、21世紀日本の構想懇談会というのがありまして、明日、私はそこでプレゼン テーションをする予定でおりますけれども、不妊の治療についてちょっと文献を読ませ ていただいて準備をしたのですが、やはり、今、課長が言われたように4つぐらいの原 因があるということでございますが、不妊に対して不妊治療をすると、例えば1%ぐら いは十分これで生まれるだろうと。そうすると、例えば、今 120万生まれると1%とい うと1万 2,000人生まれる訳です。そうすると、大体1人生まれてGDPが2億働いて いただけるとすれば、2兆 4,000億。これが10%という数も出ています。不妊治療がう まくいけば10%、10%とすると、これは24兆になるんです。これは大変なプラスになる と思うんです。ですから、やはり保険収載というのは私もそういった意味では賛成でし て、もし、産科の先生方の御了解が得られれば、私は明日それを申し上げようかと思っ て実は準備をしていたんです。 ○平山部会長  ありがとうございました。  少子化対策と、それから。 ○天野委員  キーワードは少子化ですけれども、やはり少子化についてそういうことまで、坂元先 生が委員長でいらっしゃる日本医師会の少子化対策委員会の中間答申では、ここも出て おりますので、それを生かそうかなと思っております。 ○平山部会長  日本医師会の少子化対策委員会のお話が出ましたが、小池先生、何か関連してお話し いただくことございますか。 ○小池委員  中間答申という形で出ておりますけれども、果たして実際に保険医療の対象として社 会が容認するかどうか少し疑問に思っているところもあります。ですから、軽々しく私 は口を開かないということでございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  これは、いろいろ予算あるいは医療費等々難しい問題が絡んでいると思いますが、生 まれた子どもについては本当にこういう支援が必要な時代でございますので、この結果 いいものが出来ることを期待しております。 ○柳澤委員  ちょっとつけ加えますけれども、生殖補助医療技術の普及によって双胎・多胎児が増 えている。それに対して妊娠、出産、育児についての支援が必要だということは勿論全 くそのとおりですけれども、実際NICUなどでこの3胎、4胎の赤ちゃんをケアして いる状況を見ると、不妊治療で多胎児が生れることを予防するための研究というのが非 常に重要だと思います。実際には不妊治療をもっと進歩させないといけないということ になる訳ですけれども、多胎にならない不妊治療への研究の進歩というものが一番私は 重要ではないかというように思っています。 ○平山部会長  ありがとうございます。 ○武田委員  今、柳澤先生の御指摘のとおりだろうと思うのですが、体外受精につきましては、既 に会告で3個以上の卵は返さないとしておりますので、3胎以上は出来ないことになっ ているんです。ただ、排卵誘発につきましては、排卵誘発というのは必ずしも完全に制 御出来ないので、それによる多胎がまだ残っていると。それについては、随分研究もや っておりますし、その排卵誘発方法についての、これは清川先生どうなのですか、排卵 誘発は保険適用されておるのですか。 ○清川委員  適用されております。 ○武田委員  その中で例えば、少し高価になるようなパルス法というような。 ○清川委員  その方法は認められておりませんけれども、月に何回までという回数は。 ○武田委員  だから、本来もう少しきめの細かいあるいは保険のガイダンスが必要なのかもしれま せん。ともかく、一方だけは、つまり体外受精だけは制御出来たという方向になってい ますので、超多胎児というのはこれからなかなか生まれないだろうと思います。 ○平山部会長  ありがとうございます。まだ、この研究の方に負うべきところも多々残っているよう でございますが、よろしくお願いを申し上げます。 ○堀内委員  済みません、一つだけ今のところに続いて希望なのですけれども、双胎・多胎妊娠中 の管理のことは、きっとなさってくださると思うのですが、やはり双胎・多胎の妊婦の 方々は検診に出掛けるというのが非常に難しい状況にあります。勿論、検診は行く訳で すけれども、何か外出出来ないということに関しまして、妊娠中のケアのシステムで訪 問を受けられるとか、そういうような何か新しいシステムを考えていただけると非常に ありがたいなというふうに思います。勿論、十分な管理をするためにずっと入院してい るということも考えられるかもしれませんけれども、妊婦のQOLを考えると、やはり 家にいてというのがいいかと思いますが、双胎・多胎の妊娠中のケアのシステムも医療 施設に出掛けるというだけでなく、訪問やそういうケアが受けられるシステムを考えて いただければありがたいなというのが希望です。 ○平山部会長  ありがとうございました。ほかにございましょうか。  それでは、これとも関係が深いと思うのですが、後から資料として研究報告書とその 要約版を配っていただきました。新聞にもちょっと出たりして皆様も興味を引かれたと 思いますけれども、ちょっと御説明いただけますか。せっかく配っていただきましたの で。 ○北島課長補佐  今、配付させていただきましたものと、それから、追加でお配りしました記者発表資 料がございます。記者発表資料につきましては、この冊子が出来る前に暫定的に取りま とめたものでございますので、若干、数字等がまだ不確定な部分がございますので、最 終版といたしましては、ピンクの冊子の方をごらんいただきたいと思います。  これにつきましては、実は、ここの記者発表資料の1枚目のところに調査方法等とい うのがございます。ここに書いてありますように、厚生科学研究費の特別研究の中で昭 和大学の矢内原先生が主任研究者で、山梨医科大学の山縣先生が分担研究者で集計に当 たられております。一般の方4,000名、それから、日本産科婦人科学会の登録施設が402 名、体外受精の登録施設ということでございますが、その他、それから、その登録施設 を受診しておられる不妊治療を受けている患者さんが804人、それから、登録施設以外の 産婦人科の先生400人、小児科学会の名簿から小児科医400人、全部で6,006名の方を対象 にアンケートが行われた結果でございます。  一般国民を対象とした調査というところが、この1ページ目のところでございますけ れども、こういった第三者の配偶子等の利用について配偶者が望んでも利用しない、配 偶者が賛成したら利用したい、利用したい、というような形で出ておりますが、自分だ ったらどうするかというところにつきましては、配偶者が望んでも利用しないと答えた 方が大体7割以上になっております。  次のページが、そうは言いましても(3)のように、一般論として、こういった技術につ いてどう考えるかということを聞きますと、条件つきで認めてよいと、それから、認め てよいを足しますと、約半分ぐらいの方がAIDですとか第三者の精子を用いた体外受 精、第三者の卵子を用いた体外受精と、それから、借腹につきましては、約半数の方が 条件つき、または条件なしで認めてよいというようなことを回答されております。  それから、そういった第三者の配偶子等を利用して出生した子どもとの親子関係の問 題ですとか、それから、3ページ目のところは出自を知る権利をどう考えるかというよ うなことも集計しております。  また、その後、患者さんに対する調査結果につきましては、同様の集計がなされてお ります。  また、5ページにつきましては、医師を対象とした調査ということで登録の産婦人科 医、その他の産婦人科医、小児科医ということでAIDの是非等を聞いております。特 に、産婦人科の先生方に比べまして小児科の先生方の方が条件つきで認めてよい、認め てよいという回答が少なくなっております。  それから、6ページ以降も第三者の配偶子の利用、それから、7ページは代理母、そ れから、借腹の是非等の集計がなされております。  また、ピンクの冊子の後ろには、それぞれの技術を認めない理由につきましても細か く個別に載せておりますし、また、一般の方には不妊治療を受けたことがあるか、今受 けているかということも聞いておりますので、これを基に大体日本人のどのくらいがこ ういった技術を受けているかというようなことも推計出来る調査結果になっておりま す。  また、費用につきましては、受けている方が少ないことから、参考程度の数字にはな っておりますけれども、体外受精等の費用についてもアンケートで聞いておりますので 不妊治療に関する全国調査ということからは、一応これまで余りこういったものがされ ておりませんでしたので、参考になるものかと思います。この結果につきましては、厚 生科学審議会の先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委員会の方で、こ ういった調査が必要であろうということで、アンケートの項目につきましても、この委 員会がいろいろと御要望され、この結果につきましても委員会で活用していくという位 置づけになっております。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。一番基のデータでございまして大変興味がありますが、何 かこれに関して御意見等ございましたら、お願いいたします。小笠原先生、これは調査 ですけれども、生殖補助医療技術というのは人権とか法律という立場からは、何が一番 問題になるのでしょうか。 ○小笠原委員  ちょっと突然ですので分からないですが。 ○平山部会長  今、お答えいただかなくて結構でございます。急に思いつきで伺いましたものですか ら。  何か御意見ございますか。では、これはまた、ゆっくり見させていただくことにさせ ていただいて、それでは、最後に一つ参考資料というのが残っております。「母子健康 手帳の改正に関する要望書等」ということでございますが、これもちょっと御説明いた だけますか。 ○北島課長補佐  それでは、今年の6月2日付で陣痛促進剤による被害を考える会の方から、母子保健 部会の委員の先生方あてに要望書と、それから、次のページに質問状というのが出てお ります。この陣痛促進剤についての薬の影響等について医師にその必要性、使用方法、 副作用や危険性などについて十分説明を受けましょうというようなことについて、母子 健康手帳の薬の影響についての項目の内容に掲載したらどうかという御要望でございま す。  それから、陣痛促進剤の使用によりまして、赤ちゃんが生まれる曜日とか時間帯が偏 っているのではないかという御指摘もございまして、そういったことも情報提供した方 がいいのではないかという御指摘かと思います。  この「薬の影響について」というところの5行のところに、こういった文章を載せた らいいのではないかという案がついておりまして、その案についての理由が、この下の ところに書かれているものでございます。  それから、次のページは、この部会での御発言に対する御質問でございますけれども こちらは委員の先生方あての御質問ということになっております。  以上でございます。 ○平山部会長  ありがとうございました。  母子健康手帳の情報のページの中に、妊娠中の薬の使用についての注意書きを加えた のは、この部会でも御了承いただいた上でございますが、ごらんいただきますように、 こういう団体から要望書が出ております。委員各位ということで出ておりますので、こ れは委員の先生方にお目通しをいただこうということでございます。  2枚目の方は質問状でございますが、何か御発言ございますか。質問の形で出てきて おりますけれども、何かこの場でおっしゃることがございましたら、伺っておきたいと 存じます。 ○北島課長補佐  ちょっとお伺いしてよろしいでしょうか。一枚目の要望書の「薬の影響について」と いうところがございますが、ここの「妊娠中の薬の影響については、事前にその効果と 副作用について医師及び薬剤師に十分説明を受け、適切な用量・用法を守りましょう。 また、分娩時に使用する子宮収縮剤(陣痛誘発剤・陣痛促進剤)などの薬についても、 胎児仮死や母体死亡などの重篤な副作用が報告されていますので、医師に、その必要性 使用方法、副作用や危険性などについて十分説明を受けましょう」という文言を母子健 康手帳ですとか、あとは、この団体の方からは母親学級などでも啓発してほしいという 御要望をいただいているのですが、こういうことについて何かこの部会の中で議論した 方がよろしいのでしょうか。その辺は、先生方に御意見をお伺いしたいと思うのです が。 ○平山部会長  今の北島さんからのお話で、この団体の要望について、この部会で検討あるいは議論 をする必要があるかどうかという点ではいかがでございますか。 ○清川委員  やはり、専門団体の意見を聞くべきだと思うんです。それには、日本産科婦人科学会 学術団体でこういうような検討は詳しくはしていないと思いますけれども、母体死亡に 関しては毎年、統計情報部で把握しておりまして、その原因等についても全国調査をい たしております。ただ、その母子手帳に云々は、やはりきちんとしたデータに基づいて それから、やはり専門的な意見もあるいは専門団体のコンセンサスも得てからでないと と私は思っております。 ○平山部会長  ありがとうございました。武田先生、何かございますか。 ○武田委員  この前段の事前に効果、副作用について十分に説明を聞きましょうと、これは一般的 なことなので。 ○小田母子保健課長  この部分は、既に審議会で御了承をいただいて入れている訳です。それに「また」以 下をつけ加えていただきたいというのが、要望の趣旨だと思います。 ○武田委員  だから、前半分は、これは利点も副作用も両方含まれたことなので、そういうことは いいと思うんです。ところが、後段に出ていますのが、副作用のところが非常に強調さ れておりますので、実際は収縮剤の適用というのがしっかりある訳なので、先ほど清川 先生が言われたように、こういうことを入れることは専門団体に一応お聞きになって、 その結果を、この場で審議するという形にしていただくと大変ありがたいと思います。 ○平山部会長  ありがとうございました。  それでは、今、2人の先生の御発言にございましたように、この部会の委員各位、つ まり先生方、我々みんなに出てきているこの要望については、その内容が非常に専門的 な医療に関係があることなので、専門学会等に意見を聞いた上で、この部会としては議 論しましょうということで学会にお伺いをするということを今日の場では一応申し合わ せたということでよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○平山部会長  では、そうさせていただきます。ありがとうございました。  それで、今日用意していただいた資料の御説明は全部終わりましたが、全体を通して もし、何か御質問、御要望等ございましたら、お願いをしたいと思いますが、いかがで ございましょうか。 ○平山部会長  よろしゅうございますか。何でも結構でございますが、この機会に御発言ございまし たらお願いをいたします。 ○小田母子保健課長  ちょっと、私の方からよろしいですか。松井先生に先ほど多胎児と 新生児が虐待割合が高いという、あれは具体的な何かデータをお持ちですか。もし、お 持ちでしたら、それをいただければありがたいのですが。 ○松井委員  では、後でお送りしておきます。 ○小田母子保健課長  それから、もう一点なのですが、虐待は勿論、世の中の関心も高い訳ですし、そうい ったことで心が傷ついたりあるいは亡くなったりするお子さんがいるというのは、行政 的にも重要な課題なのですけれども、それに対して、私ももう一昨年になりますか、小 児保健協会の大会か何かに行ったときに、地域の虐待ネットワークの事業を説明してい ただいて、たしか名古屋かどこかの弁護士さんだったのですが、手弁当でやっていると 何かそういうものに対する支援はないのかというお話がありまして、その後で、子ども の心の健康づくり事業に、そういう虐待ネットワークを実施した場合に補助対象にする ということで、特に今年は都道府県も対象にしましたので、県がやっても市町村がやっ ても対象になることになっているのですが、ほとんど要望が来ないんですよ。それは、 どういうふうに考えていったらいいのかなと思いまして、どこかに情報のネックがある のか、あるいは都道府県あるいは市等の担当者が余りその活動を把握していないのか、 それとも、余り事業経費は必要ないのか、どういうふうにアプローチしていったらいい のかと。そういう団体の方から、かえって行政の方にこういう予算があるそうだけれど も、何か我々の活動に支援してもらえないかとか、そういうふうに持っていった方がい いのでしょうか。都道府県を通じてやると、今、平成11年度の計画を取っているのです が、実際に幾つもの都道府県でやっているはずなのですが、少なくとも援助対象には上 がってこないというか、事業対象に上がってこないんです。どう考えたらいいのでしょ うか。 ○松井委員  私の考えですが、こういうふうに思います。各都道府県にそういう地域の虐待防止予 防のネットワークは、もう20を超えてあります。それと別個に、虐待の問題と言えば、 児童福祉法で児童相談所が受け持つ。児童相談所はいろいろな啓蒙、いろいろなアクシ ョンを独自に組んでいるんです。地域にあるボランティアの団体とジョイントしている ところは何か所かはあります。だけれども、基本的には役所の児童相談所中心の呼び掛 けられるところで児童相談所の、例えば自治体がいろいろな予算を持っていますから、 それにつけて活動をやっているんです。ボランティアのとは直接的に連携しているとこ ろは少ないですから、恐らく上から児童相談所やそのほか行政的に流した情報は、必ず しもボランティアの方へは行かないことが多いように思います。 ○小田母子保健課長  どうしたらいいですか。 ○松井委員  私は、児童相談所の発想転換が必要ではないかと思います。 ○小田母子保健課長  この予算が母子保健の予算なんですよ。ですから、児童相談所の方に行かない可能性 もある。母子保健、子どものこころの健康づくりですから。うちの方でやっているもの は大体衛生サイドに流れて、今は福祉と一体となっていますけれども、母子保健係とい うのが県にありまして、そこが扱っているんです。福祉係ではないんですよ。 そういうことも少しあるのかなという気がするのですけれども。 ○松井委員  多分、衛生関係の方ではほとんど知らないのではないですか。 ○小田母子保健課長  そういう情報は、先生自身はどうですか。 ○松井委員  全く知りませんでした。 ○小田母子保健課長  先生が知らないのでは、もう全然行ってないのと一緒ですね。 ○松井委員  多分、都道府県だけではなくて、政令市にも出していらっしゃる訳でしょう。 全然聞こえてこないです。 ○小田母子保健課長  都道府県、政令市の担当課長会議のときにも、ちゃんとペーパーに書いて、ネット ワークというものを対象にしますよと言って出しています。これは、1億 5,000万円ぐ らいの事業なので、県も含めて3倍にして使えますので約5億円弱の事業になっている はずなのですが、予算の執行状況が芳しくないんですよ。どうしたらいいかなと思いま して。 ○松井委員  では、帰って是非聞いてみます。来ているなら有効に使いましょうと。 ○小田母子保健課長  かえって、団体を経由して情報を流して、それで都道府県等に問い合わせをしていた だくという方がいいのでしょうか。 ○松井委員  実際には、それがいいと思います。そういう団体に都道府県の衛生の方に請求すれば 若干のお金が出ますよと言えば、大変ボランティア団体は喜んで活動すると思います。 ○小田母子保健課長  分かりました。ありがとうございました。 ○平山部会長  それは、市町村に対する補助事業になる訳ですね。 ○小田母子保健課長  都道府県も対象になっています。 ○平山部会長  都道府県単位でいいのですか。 ○小田母子保健課長  はい。今年は都道府県単位でもいいようにしました。 ○平山部会長  そうですか。それに、なかなか気がついていないのではないかと思うのですけれど も。 ○小笠原委員  知らないというか、そういう費用が出ているならば弁護士会がこの無料奉仕をどうし たらいいのかというのが、いつも問題になっているんです、実は。そして、弁護士会の 方でせめて予算の中で交通費ぐらいを支弁することを考えようかとか、扶助協会の扶助 申請を法律扶助でやったり、すごく苦心してやっているんですよ。ですから、どうして そういう一方にお金が執行されない状況があって、持ち出しでやっている一方があると いうことになっているのですか。 ○小田母子保健課長  都道府県、市町村がうちの補助事業で予算措置をしていただければ、それで済むんで すよ。勿論、旅費ではなくて、そこそこの委員会とか何とか出席したり、あるいはクラ イアントのところに行って何かするというふうな事業も、一つの対象には出来るはずな んです。そうすると、そういった経費は見られるはずなのですけれども。 ○小笠原委員  ケースごとに行きますよね、動くときには。そうすると、そのケースごとでネット ワークというのは違いますよね。そのケースのその地域で、そういうあれに対して団体 が持っている補助金が交付されるという形になるのですか。 ○小田母子保健課長  団体というよりも、基本的には県なり市町村なりの事業ですから。 ○松井委員  交付対象は、市町村がこういうネットワークでやると。その中には弁護士さんや病院 やいろいろな機関があって、そこで使うお金についていただいたものを配置するという ことでも構わない訳ですか。 ○小田母子保健課長  要するに、事業の実施主体が県なり市町村なりで、その中にネットワークみたいなも のを位置づけて経費の部分を見るという。そのネットワーク自身はボランティア的にや られているので、それを県の事業に位置づけて、あるいは市の事業に位置づけて、その 見られる経費の部分をみんな見てしまおうということです。 ○松井委員  行政のしっかりしたものをちゃんとセットなされば、我々はボランティアのアクショ ンは出来るということですね。 ○小田母子保健課長  そうですね。 ○小池委員  現在、地方自治体の赤字財政体質というのはかなり深刻な状況にあります。 したがいまして、政府の方から資金を例えば1億 5,000万円出しても、都道府県あるい は市町村で3倍のプラス2を出すかというと出さないという状況、これは各都道府県の 子どもに対する認識の希薄。今、来年度の4月から介護保険の達成という問題が、目の 前に懸案条項として差し迫っている状況にありますから、1999年までは高齢者とその介 護の必要な人の時代と。やがてそれが1年ないし1年半ぐらいして落ち着いてきますと 次は、少子化が問題化するというふうな考えを持っております。ですから、課長が幾ら 一生懸命おやりになっても、なかなか県も市町村も動いてくれないというのは、そうい うような情勢にあるからではないかと思っております。やがて光が差してくるでありま しょうけれども。 ○柳澤委員  私は、何年か前に栃木県における虐待防止ネットワークの構築といいますか、それに 関係していたときがあるのですけれども、栃木県は、虐待防止に関係する機関が非常に 広くいろいろな職種の人を集めた訳ですが、そこに県も非常に深くかかわってください ました。そういうネットワークが今、幾つかの県で出来ている一方で、行政が介入して くるというかかかわってくるというのは、むしろ積極的に拒否しているようなところも ありますよね。そういういろいろなタイプがあると思うのですけれども。また、児童相 談所がやはり中心になりますので、母子保健課からのあれと、県の中での縦割りでうま く伝わらないというようなことも実際あるのかなというように思います。 ○武田委員  虐待の側面といいますか反対のところで、やはり母体の精神的な非常に不安定な、特 に、育児不安が非常に募っていて、それにつながっていくというような一連の流れがあ るように思うんです。だから、虐待防止は確かに非常に大きなテーマなのですけれども それにかかわっているサイクルを切るというようなことをやはり考えないといけないの ではなかろうかと思います。そういう意味で、数年前に始まりましたプリネータルビジ ット、あれももう少し伸びてほしいなと思うのがちょっと止まっていますし、それから 母体の特に育児不安にかかわるようなメンタルケアが一体どのくらい数字があるのか、 私はよく知りませんけれども、そういうものが本当は一連のものとして考えられないと いけないのではなかろうかという感じがします。 ○平山部会長  ほかにございましょうか。 ○小池委員  今、武田先生がプリネータルビジットの重要性についての御認識に対して、かつて母 子保健課あるいは田中課長のときだったと思いますけれども、私が委員としてプリネー タルビジットを一生懸命つくり上げたとき、御認識がなかなか得られなかったので大変 うれしい発言を伺いました。ありがとうございました。 ○平山部会長  ほかに何でも結構でございますが。鴨下先生、何かございませんか。 ○鴨下委員  久しぶりに出てきて、ちょっとピントが合っていないのですけれども、今のようなこ とにも多少関係すると思うのですが、母子保健関係の非常に基本的な情報、そのデータ ベースはどこで押さえられているものでしょうか。先生の研究所が役割を担っておられ るのしょうか。これからやはり情報社会で細かいこともいろいろあると思います。そう いうものを、やはりここで見れば分かるというようなことがないと、せっかくいろいろ な報告書とか研究報告があっても利用しにくいというか、生かされない。やはり子ども のためにどうすればいいかということなので、これは課長に伺うべきか部会長に伺うべ きか分からないのですけれども。  もうちょっと細かい各論的なことを申し上げますと、この資料2の周産期母子医療セ ンターのことで、周産期医療情報センターというのが最後の方に書いてあるのですが、 こういうものは実際具体的にどういうふうにファンクションしているのか。これは、北 島さんから教えて頂きますか。 ○北島課長補佐  周産期の情報センターにつきましては、各都道府県の総合周産期母子医療センターが 主には空床情報みたいなものを。 ○鴨下委員  非常に実際的な情報ですね。 ○北島課長補佐  はい。少なくともそういった情報を集めていただいております。 ○鴨下委員  それは、全都道府県にきちんと出来ているのですか。 ○北島課長補佐  この事業に取り組んでいただいているところが、まだ9か所でございます。 ○鴨下委員  年次計画でどんどん増やしていかれるということですね。 ○北島課長補佐  はい。一つは、このシステムは勿論なのですけれども、その核になる総合周産期母子 医療センターというものを置いていただくのに、県立病院とか、その地域の中核病院の 建て替えなどがございませんと、なかなか設備が整備出来ないということもございまし て、財政難のこともあってなかなか急激には取り組みが進みません。ただ、検討に入っ ている都道府県はかなり多くなっておりますので、また、東京都もこれまで都単独でや っておりましたが、今般、国の方の事業に乗っかるということもございまして、少しず つ増えてはおりますので、地域のシステムと情報システムを含めて、この事業に取り組 んでいただくように今、お願いをしているところでございます。 ○平山部会長  今まで国が認可したというか、県単位の総合センターは大体この情報機能を持ってい るのが条件でございましたね。東京は御存じのように、東京都の母子保健サービスセン ターというのが、前からその機能を持っていて、別途動いているというか、国の基準に 都の場合は1か所という訳にはいかないので別に動いているようですけれども、形とし てはああいうものを大体イメージして進めておられると思いますけれども。 ○足立委員  今のことに関連して発言します。厚生科学研究のデータについては、関連分野のほか の方も使えるような仕組みを御検討中だということですね。 ○平山部会長  あれは、厚生省のホームページにもう載っていると思います。 ○足立委員  もっと詳しいデータ、報告書の結果だけではなくて、例えば、今日いただいた報告書 にある生データに近いようなものを、各関連の研究班がお互いに交換して使えるような そんな仕組みで、データベースが構築されていくと、随分活用がしやくすなるなと思っ てお話を伺っていました。 ○平山部会長  少なくとも、この母子保健課主管の研究班の報告書については、柳澤先生の班でCD −ROMに全部入れてしまうということで、今、話が進んでいると思います。 ○柳澤委員  平成10年度の研究報告書、というか平成10年度以降、今後、将来にわたって子ども家 庭総合研究の報告書を全部データベース化するというのが、この研究班の研究課題その ものになっている訳です。  それとともに過去にさかのぼって、今までの心身障害研究についてもデータベース化 するという作業を今やっております。 ○足立委員  それに期待している人がたくさんいるということを重ねて発言申し上げます。 ○平山部会長  だから、今までみたいな本としてどこかにどんと収めておくのではなしに、これ1枚 で済んでしまうという形で、検索が非常にしやすくなると思いますね。  それから、鴨下先生おっしゃった中のどういう資料があってというような意味では、 小児科関係でしたら3つの学会団体がホームページをもう開いたのでしょうか。その中 に、おいおいこういう必要なものが情報として入っていくようになれば、そこから取れ るようになるのではないかと期待をしておりますので、よろしくお願いをいたします。 ○小池委員  雑談的な雰囲気を感知いたしまして、ちょっと小田課長に申し上げたいと思うのです けれども、公衛審の結核予防部会では都道府県別の発生頻度、それから、それに対応す る自治体での予防的な事業の尺度というものの両方の比較を始めつつあるところでござ います。したがいまして、バタード・チャイルド・シンドロームの発生頻度を都道府県 別に、また、あるいは大都市圏に多いのか、山村や農村など過疎の地域に多いのかとか それに対して各都道府県、地方自治体がどういうような対応をなさっていらっしゃる か。せっかく予算をつけられたのですから、その辺を比較して公表なさいますと、慌て て一生懸命やるというふうなことになると思います。 ○平山部会長  ありがとうございました。そういう意味では、昨年度、緊急事業みたいに厚生省の児 童家庭局が子育てマップというのをつくって配ったと思うのですが、あれも要するに保 育所が中心ですが、各市町村別に子育てについて施設等の整備が悪いと一目で分かって しまうので、それぞれ頑張ってくれるだろうという目的で、市町村別の整備状態を色で 地図で出すのがつくられましたね。やはり今、先生がおっしゃったような意味で、遅れ ているところがかくてはならじと思ってくださると大変ありがたいということだと思い ます。この辺も、ひとつおいおいよろしくお願いを申し上げます。  ほかに何かございませんようでしたら、ちょうだいした時間がほぼやってまいりまし たので、司会を厚生省にお返ししてと思います。よろしくお願いします。 ○北島課長補佐  長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。  それでは、これをもちまして母子保健部会を終了させていただきます。 担当:児童家庭局母子保健課 田村 悟  内線:3174