99/06/02 第8回 地域保健問題検討会議事録 99/06/02 第8回 地域保健問題検討会議事録 第8回 地域保健問題検討会 議事録 厚生省保健医療局 地域保健・健康増進栄養課 日 時 : 平成11年6月2日(水) 10:00〜12:00 場 所 : 厚生省7階 特別第1会議室 出席者 : (出席委員)北川座長・生田委員・池田委員・犬塚委員・衛藤委員       遠藤委員・大倉委員・小倉委員・櫻井委員・園田委員       高橋委員・竹澤委員・田中委員・中原委員・長谷委員       原 委員・山本委員・米田委員 (欠席委員)磯部委員・大月委員・黒田委員・鶴見委員・遠目塚委員 (事務局) 伊藤局長・岩尾地域保健・健康増進栄養課長・平野指導官・福島課長補佐 議事次第: 1.開会 2.議事 (1)地域保健問題検討会報告書(案)について (2)その他 3.閉会 北川座長  それでは定刻になりましたので、第8回地域保健問題検討会を開かせていただきま す。  本日は磯部委員、大月委員、黒田委員、鶴見委員、遠目塚委員がご都合によりご欠席 との連絡がありました。  最初に本日の資料の確認をお願いします。 岩尾課長  それでは資料でございますが、お手元に資料1、当検討会の報告書(案)をお示しいた しました。  事務局におきまして、前回の報告書(案)を元にご議論を踏まえて、内容、構成等を書 き直しております。先日、報告書(案)として委員の先生方に送らせていただきましたが さらに省内各課との調整を行っておりまして若干の変更が加わっております。そういう ことで、本日は、その変更したものを配っておりますので、これは後ほど事務局よりご 説明させていただく予定にしております。  それからもう一つ、私の名前で5月の『社会保険旬報』に、私の部屋で行っておりま す「健康日本21」というものの考え方について、雑誌に載せましたので今後の保健所 の機能といいますか、地域保健行政をやっていく上での一つの情報収集などの機能強化 という意味で、こういうようなものもあるということを前回の議論で一度も聞いてない という話がありましたので、この冊子を送らせていただきました。私からは以上でござ います。 北川座長  それでは資料に従って、説明をお願い致します。 福島課長補佐  それでは、先日、先生方に郵送させていただきました分と変更した部分についてのみ ご説明をしたいと思います。  まず1ページ目の目次というところでございますが、開催状況につきまして、はじめ にの(3)に開催状況がございましたけれども、本文中で開催状況については本文に直接関 係ない部分でございますので、あとの資料ということにしますので、そこの部分につい て削除しました関係で、目次は変更しております。  あと若干ページの変更がございますが、それは省略させていただきます。  本文の1ページの1はじめにの(1)の(1)の部分で、若干言い回しを変えております。 「適切かつ迅速な措置が社会的に要請されることになった。」ということが、お配りし たものでは、「大きな社会的要請となった。」というふうにしておりましたけれども、 それについての変更をしております。それ以外については、特段1ページ目では変更は ございません。  2ページの(4)で、基本指針告示後、従来5年としておりましたが、告示が平成6年12 月で、検討会を始めたのが平成10年12月ということで、一応4年ということに訂正をし ております。  3ページ、先ほど申しましたように(3)の下に、(3)開催状況というのがございました が、これについて削除しております。 同じく3ページ、2 地域における健康危機管理体制の強化について(1)の(1)、都道府 県健康危機管理指針等の記載ですが、「予防計画」というものを追加しております。  (2)は、サーベイランスは現在の法律上の言い方で、感染症発生動向調査ということで 言い換えております。  同じく3ページ、下から4行目のところの○ポツ、健康危機情報の収集体制が十分で ないとありますが、これは前回は事例探知機能といっておりましたが、もう少し広く健 康危機情報の収集体制という表現に改めております。  4ページ、(2)の(1)の第2パラグラフ、第3パラグラフの順番を入れ替えておりま す。前の書きぶりでありますと、若干文意が伝わりにくいということがございましたの で、入れ替えをしております。  5ページ、一番上の「都道府県が特に担うべき事務は、」の記載中、関係機関との連 携・調整と、人材の育成、検査分析機器の整備、関係機関との連絡・調整等であるとお 送りしたものでは書いておりましたが、その関係機関の内容を詳細にここに記載をして おります。これに伴いまして、6ページの(4)健康危機管理マニュアルの整備のところに 関係機関への緊急連絡体制とか関係機関との連携というところの中に、具体的に書いて おったものを6ページ目からは削除いたしております。  5ページ(2)の、オン・コール体制に(自宅当直)という日本語をカッコで入れており ます。  同じく(4)、市町村の役割のところで、集団給食施設のあとに、「上水道施設など」を 追加しております。それからいわゆる「健康危機の当事者となった場合」ということで ここについては少し文章を整理しておりますが、全体としての文意は変わっておりませ ん。  6ページ、(5)の政令市、特別区において特に留意すべき事項の中で、若干3行目に 「また」というのがありまして、その次「さらに」という言葉がありましたが、「加う るに」とか、「また」が二つ重なっていたようなところがございましたので、少し文章 を整理しておりますが、内容の変化はございません。  10行目の「前にも述べたが」という文章の中で、「保健所が健康危機管理の中心的機 能を担う必要があるが、」としております。お送りしたものでは「担うべきであるが」 というふうにしておりましたが、ここの表現を変えております。  7ページの(3)の、リーダーシップを発揮できる人材の育成で、(ケースメソッド)に 事例演習という日本語を追加しております。  (5)(2)で、(メンタルヘルス)対策と書いておりましたものを、精神保健対策という ふうにしております。  8ページの(2)今後強化すべき基本的事項の中で、2行目から3行目にかけて、「介護 保険制度導入に伴い、保健部門においても、介護保険制度の実際の運用状況に応じて、 弾力的な運用が図られるべきことが必要であるが、」というところを追加しておりま す。  9ページの(2)都道府県保健所の役割の下から2つ目のポツに、「難病患者等に対する ケアコーディネーション等」と書いてございますが、前回は精神障害者または難病患者 等と書いておりましたが、難病患者等にしております。 あとは若干言葉といいますか、少し文章の整理をしてございますが文意は変わってお りません。  13ページの(2)地域保健関係職員の資質の向上の、14ページ(5)ですが、「国は、都道 府県が行う研修に従事する職員の研修教育技術の向上を図るために、研修を実施する」 「すべきである」としておったものを「する必要がある」と改めております。 主な変更点は以上でございます。 岩尾課長  ということで、先日お送りいたしましたものと、若干変わっておりますが、文意その 他あまり大幅な変更ではないということで、以前お送りしましたものを中心に今日ご議 論いただければと思っております。 北川座長  前回かなりいろんな議論があったように思いましたが、本質的なところでは文章を直 さなくてもよかったということですかね。 岩尾課長  どの先生がどういう発言してこう直したということを、逐一こちらのほうでは控えて おりますので、1ページずつそれをやっていきますか。 北川座長  いや全体の印象を言っているわけで、直ってないといっているわけじゃないので、ち ゃんと直してあるよということであればそれはそれでいいと思います。  それでは発言なさった先生方は、それぞれ意識されておられるでしょうから、そうい うことがうまく文章になったかどうかということも念頭に置いていただいて、もう少し 議論をしていただいたほうがいいかもしれません。そういうことでよろしいですか。  それではまず、スケジュールの問題ですけれど、これ前回最終の報告書(案)がでて、 いろんな議論をしていただいて、今日もう一度議論をして、最後に確認するという手順 ですかね。 岩尾課長  一応先生方のスケジュールは、6月末にやるということで伺っております。 北川座長  そういうことですね。それでは全体を通していただいて、この報告書が今後どんな役 割を果たすのかなというような観点で、もしご意見があればご発言をいただきたいと思 います。そのあとまた各項目ごとに議論をしていくことは考えております。 小倉委員  2、3点お伺いしたいところがあります。だいたいいろいろなことをよく盛り込んで あると思うのですが、私ども第一線の保健所におりますと、これは基本指針ですからか なり総花的にならざるを得ないと思うのですけれども、具体的な裏付けが感じられない ようなところがあります。  例えば健康危機の管理の保健所の役割のところなど、オン・コール体制みたいなこと まで細かいことも書いてあるのですが、感染症新法等も施行された4月からの状況を見 ますと、危機管理の事前管理そういうことまで含めて、これを的確にやっていくための 人材面での裏付けであるとか、予算面の裏付けであるとか。例えば感染症新法が施行さ れてからは、保健所長といいますか、医師の責任というものが大変重くなりまして、24 時間拘束されているような感じがあるということもありますので、医師の複数配置であ るとか、あるいはマンパワーの増強であるとか、そのような具体的な裏付け的なことが 書いていただけないかというようなことを読ませていただいて感じたのが1点です。  それからもう一つは、私ども保健所長会でも当初から一番問題にしているのが、大都 市部における1市1保健所体制みたいなものに関してのことが、先だっても同じことを 申し上げたのですが、1区と1市ではこういうメリット、デメリットがあるということ が並列はしてあるわけですが、先ほど申しましたような危機管理であるとかあるいは感 染症新法であるとか、あるいは健康日本21の的確な推進である等を考えた場合には、 それなりの適当な人口要件とか面積要件とか、そんなものもあるんじゃないかと。そう いうことで特にこの1市1保健所で非常にマンモスになったようなところはまだなった ばっかりで、お伺いしたらデメリットはまだよくわからないというようなお話もあった わけです。警察とか消防署などは、人口は増えるとどんどん増えていくというはっきり した基準があるのですが、そういうことも踏まえて危機管理とか感染症新法もこのまま 並列でどちらを選ぶか任せるぞというようなこと、あるいはこの時にはこういうメリッ ト、デメリットがありますよということを並列するだけでなく、そういう保健所が持っ ている基本的な要件を果たすための、人口要因とか面積要因なども「今後の見直しを含 めて引き続き検討を要する」という形の言葉で入れていただけたらなということを強く 感じました。 北川座長  この件について何かさらにご意見がございますでしょうか。 高橋委員  今日、磯部委員がご欠席ということで、前回も磯部委員がご発言されたと思いますが 特にいわゆる政令市の保健所の体制の評価につきまして、今お触れいただきましたよう に、かなり並列的な書き方になっているというのは事実だろうと思います。その上で積 極的な評価をさらに加えるということも、これまた非常に重要なことだと思いますが、 他方でやはりこういう組織上の問題につきましては、地方自治体の自主性ということも 非常に考えなければいけないことでございますので、私自身は国がきちんとした考え方 を示すということは重要なことだと思いますが、ただそれについて、それをあたかも強 制するような書き方というのは若干避けるべきではないかと思います。  分権の観点でも、いわゆる法令解釈と技術的な推奨事項というのは、明確に区別して 今後は国のほうとしては示すべきであるというふうなことになっておりますので、恐ら くこのへんはやはり事実的にこういうことを踏まえて政令市として考えるべきであると こういう書き方を国としてはしていくべきではないかなと思っております。そういう点 で、前回で磯部委員のご発言を踏まえて考えた結論を申し上げました。 生田委員  先ほどの小倉委員の発言の中で、人材確保にあたっての具体的な方向を示してほしい ということのご意見がございますが、私もそのことについて意見を申し述べたいと思い ます。  この報告書(案)の14ページの(6)、(7)が書いてございますが、人材確保の方策につい ての検討と、特に(7)のところでは、保健婦・士及び他の職種についての業務内容、業務 量等を勘案した活動指標を情報として提供する等の支援と書いてございますが、このへ んのことを私は保健婦でございますので、その立場で申し上げますと、この保健婦・士 のやはり業務内容とか業務量などを勘案して、また周辺の保健婦・士のニーズなどを勘 案し、その実態を踏まえた需給計画を立てる方向性を、本文の内容に入れていただけれ ば大変ありがたいと考えております。 園田委員  私、前回やむを得ない事情で欠席いたしました。そんなことでこの全体のまとめも資 料を送っていただきましてから読ませていただいたような訳です。読ましていただいて ある意味では大変すっきりしているという感じは全体として受けるのですが、すっきり しているというのは地域保健、これは地域保健問題検討会のまとめですから、地域保健 の視点とかあるいは行政そして専門職あるいは技術のレベルの問題とか、あるいは情報 システムとかそういうことに関しては大変全体を通してもよくまとめられているという 印象を改めて持ったのですけれども、幾つか具体的なことで、特に今回の保健所の再編 成を中心として、いろいろ権限の再検討ということが一つ具体的な内容としてあるので すが、先ほど保健所長のほうには最近非常に多くの責任が配分されるようになったとい うご発言もあったのですが、その権限と同時に責任体制という視点からもう少しまとめ ていただくと、あるいは問題のどこがどれだけのことを決定できるのかといいますか、 そういう視点から保健所の位置づけをしていただくとわかりやすくなるのではないだろ うかと思います。  それから全体として財政的な裏付けといいますか、配分とかこういうことについて今 回の報告書にほとんど触れられてないのですが、この問題は触れる必要がないのかどう かということです。  それから幾つか感じましたことから述べますと、地域保健という視点は大変すっきり しているのですが、地域医療とかあるいは地域福祉といいますか、今介護の問題にしま しても、これから「健康21」とかいろんなことで、医療、福祉との関連というのは多 くなってくると思うのですが、どこにどういう関わりがあるかというようなことはどこ かで触れていただくことがあってもいいのではないかと思います。  それから行政の視点ということで非常にはっきりしているのですが、地域住民といい ますか、例えば住民参加とか住民自治とか、ボランティアのこととか幾つかの住民活動 ということではでてはくるのですが、地域保健ということは地域福祉と比べますと、保 健所は特に住民との関わりが弱いのだと割り切ってしまえばそれはそれなんですが、今 後どういう形でこの住民との関係を作っていくのかといった視点です。  それから全体を読んでいますと、政令市から中核都市を中心とした形でこの問題がま とめられているという感じを持つのですが、日本の中にはいろんな地域もありますし、 いろんな市町村とか人口規模や財政力あるいは面積的にいってもいろんなとこがあるの で、なんかこの類型的というのはおかしいのですが、そういうことについて何か言及す る必要があるのではないか、何か全体がある意味では中核都市的な地域をやや前提にし てまとめられているような印象を持ったわけけです。ちょっと一般的な話に少しなりす ぎたと思いますけれども。 北川座長  今の先生のご発言で、だいたいこのリポートの中のどのへんをどんな表現にしたらい いかというようなご提言になりますか。 園田委員  そうですね、ですからまとめ方、どこでどいう形で盛り込んでいただける可能性があ るのかですね。あるいは最後のところで、残された課題とかコメントみたいなのがある のですが、こういう中でその幾つかを取り上げていただくというようなことができれば と思っております。 北川座長  先ほどの先生のお話の中で、権限と共に責任があるんだよというご主旨ですね。 園田委員  そのへんは危機管理の問題などを触れられているところとか、あるいは保健所の権限 のあり方というのでしょうか、もう少し具体的には1行政区1保健所の場合とか、1市 1保健所の場合ですね。行政組織の中でいったい保健所がどこの分野についてどれだけ の責任、あるいは問題を決定することができるのかとかですね。  読むほうからいいますと、権限の配分だけでなく、例えばどの問題についてどこにい ったら解決してもらえるのかとか、なんかあったときの責任の所在がわかるのかとかで すね。 北川座長  今の先生のお話から類推して、総合相談窓口というような機能が、地域保健の体系の 中で考えられているわけですね。いろんな問題を持ち込まれたことに対して、きちんと 答えなさいというような趣旨で考えればいいのでしょうか。 園田委員  相談というのはもちろんですけれども、その前提として、一体それはどこが最終的に 責任を持って決めることなのかとかですね。 北川座長  法律等で明確にそれぞれの責任を書いてあるところと、一般的な理念的に書いてある 部分とあると思うのです。どうですかね、事務局今のご意見を何かうまく取り入れて、 多少手を入れることができるかどうかですが。  先生のお考えになっておるようなことを、もう少し具体化できるかどうかということ をご検討いただいて。 園田委員  それでは私のほうでも、若干文章みたいなものにして、その可能性があるかどうかと いうことで出したいと思います。 北川座長  そうですね、どこの部分にというふうに加筆するか、お考えいただくとやりやすいと 思います。どうぞ池田委員。 池田委員  8ページ、9ページにわたってご意見を申し上げたいと思います。 1つは、8ページの下の(3)(1)市町村保健部門の役割と書いてあるところです。この中 に3つ目のポツですが、「要介護・要支援の認定がなされなかった高齢者に対する」と いう、この「なされなかった」ということの解釈が上の段の健康高齢者をより健康にす るというところと、ちょっと曖昧さがあるのではないかなと気がします。認定がなされ なかったというのは、認定から外れた人なのか、最初から認定の対象にならなかった人 なのかというところが曖昧さがありますので、もし変えていくとすれば、「要支援とな った高齢者」という形のほうがわかるのかなという気もします。  それからその下の、「介護保険給付対象とならない医療や福祉サービスの調整等 は、」とございます。ここのところは、「介護保険給付等サービスの対象外となった高 齢者に対してはもちろんのこと、介護保険給付等サービスが提供される高齢者に対して も行う。」ということが、保健サービスの上においてもすっきり整理されないと、健康 老人への対象が2番目のポツのところにあるのですが、その次が要介護認定から外れた 高齢者というふうに整理しているのか、そこがちょっと整理がうまくつかなかったので ご検討願えればと思っております。  そこが全てすくい上げられるようにしていただければいいなと思っています。  それから9ページ(2)都道府県保健所の役割の3つ目の「サービス資源等についての市 町村間の広域的調整及び開発」ですが、実はこの前段のところに「要介護認定の助言及 び」というのを入れていただければいいと思っております。実は、平成9年の時に出さ れた介護保険法の中の、検討事項等を見ておりましても「市町村の求めに応じた技術的 助言、援助の具体的な内容の検討」というのもあるにはあるのですが、地域保健という ことで、新たにこの保健に基づいて業をなすときには非常に大事なことになると思いま すので、それが一つ変わればいいなと。また背景には、ある都市の場合においては介護 認定委員の選出がうまく決まらなかったりしているところもありまして、そこを前段に 入れていただけるといいのではないかと思います。  それ以外にも介護審査会等においてうまくいくような手だてがもしあれば、介護保険 対策室ですかそちらのほうとも話し合いの中で盛り込んでいただければという気がして ます。  それから(2)の最後の○ポツですが、「小規模町村に対する支援等」とございます。こ このところについては、介護保険実施のために保健業務が著しく低下することを防ぐ必 要が絶対あるだろうと、小規模であればあるほど介護保険が大事だとなりますと、保健 が薄くなる可能性があるわけですので、そこのところに適当な言葉はあとでお考えいた だければよろしいのですが、「保健事業の円滑な推進のための支援」ということを加え ていただけたらいかがかと思います。文言につきましては、いい具合にご検討されてい ただければと思います。 平野指導官  この部分は、あくまでも例示として示しておりますので、介護保険制度推進本部と相 談して、支障のない範囲でできるだけ盛り込みたいと思います。 衛藤委員  先ほどの園田先生の権限の責任と少し関係するかもしれませんが、私もこの健康危機 管理のところで、同じような印象を持ったのです。  例えば都道府県の役割、それから保健所の役割、市町村の役割、個別の行政の役割に ついては非常に明確に書かれているのですけれど、そのそれぞれの行政間のリンケージ どういう命令系統になっているのかとか、それから最終的にこの文言でいけば、問題が 起こった行政区で責任を持つというふうに読みとれるのですが、そのような議論だった のかなという、私の印象では何かこういう問題の性質上、権限が集中すべきであるとい うような議論だったような気がするのですが、私もそのように理解してきたのですが、 ちょっとここの文章からはそれがあまり読みとれなかったです。 北川座長  もう少し、インパクトがあるような対応をしろということですか。 衛藤委員  いや、関係性というのですか、ここで最終的に権限を持つのはやはり都道府県です ね。 北川座長  この感染症の問題ですね。 衛藤委員  ええ、それがちょっと強調したほうがいいのではないかと思ったのですが、そのよう には読みとれなかったのです。 北川座長  ご意見として承っておきます。 生田委員  9ページ(2)の都道府県保健所の役割で、最後から2番目の○ポチ、今日出された報告 書(案)によりますと、事前に頂いたものから「精神障害者」が削除されていることです が、精神保健福祉法が通過して、特に居宅サービス事業が充実あるいは新たに法定化さ れ、その事業が市町村に位置付けられて14年4月1日から開始する方向だと思いますけ れども、精神疾患者の特徴からして、ますますこの保健と福祉との一体化した活動が重 要になってくると思います。またそういった方向でこの準備が進めてほしいと考えてい るものですが、そういった点からしてこの精神障害者というのは原案どおり残してほし いと考えます。  また精神障害者というところを削除した理由などがあれば、教えていただきたい。 平野指導官  削除した理由ですが、関係課へ協議をお願いしたところ、精神保健福祉課から者は、 精神障害は3障害者に共通して、障害者へのサービスの総合調整ということで、介護と 並んでケアマネージメントという言葉を使ってきています。そこでここで精神障害者へ のケアコーディネーションとすると現場において混乱を起こすことも懸念されるとのこ とでした。「難病患者等」の言葉の中に精神障害者への対応も含めて頂きたいというこ ととのことでした。  ケアコーディネーションという言葉も、前回も注等がないと理解しづらいというご意 見もありましたもので、どのようにここを扱っていくかについて検討して頂きたい、と 思ってます。削除の理由は、そのような意見を反映させたところです。 遠藤委員  まさにこの件ですが、介護のところもそうですが、保健としての視点としてやはり地 域住民は全てカバーして欲しいと思うのです。ですから今のところはやはり精神障害者 を入れておいていただきたいし、介護のところもなんとかにならなかったみたいな言い 方で抜いてしまうというのは、違和感が非常にありますので、せっかくケアマネージメ ントという違う言葉を作ったわけですから、置いておけばいいのではないでしょうか。 北川座長  今の議論で、私もケアマネージメントとケアコーディネーションというのは、どう違 うのかというのはなかなか難しいところですが、その問題があるから消してしまうとい うのもどうかなというように思います。 平野指導官  地域保健というのが、全ての住民を対象とした基本となるサービスであるといいまし ょうか、そのようにきっちりと整理して再度混乱がないような区分けをして、先ほどの 生田委員、遠藤委員からの意見を含め漏れがなく、また誤解がないような表現に工夫し てみたいと思います。 北川座長  ここでまた言葉の議論を始めるつもりもないのですが、ケアマネージメントというの は、一人のケースについていろんなサービスをどううまく調整するかというそこです ね。コーディネーションというのは、もっといろんなサービス機能そのものを調整する というような考え方でしょう。特定の個人のケースをどうするかという問題ではなくて ね。 平野指導官  特定の個人へのサービスの調整を行うとともに、サービスを提供する、事業者の問題 も含めてそのサービスの質の向上を図っていこうとするものです。やはり「機能」と整 理しているものです。 北川座長  ここの問題ではないかもしれないけれども、こういう非常に曖昧なというかわかりづ らい言葉の説明というのは、どこかでともう少しやっておく必要があるかなと思いま す。そうしないとさっき言ったような議論に巻き込まれてしまう危険がありますね。 竹澤委員  保健センターの件ですが、13ページ6、その他基本指針の見直しに際して考慮すべき 事項というところの最後のところで、「今後は、これらに加えて、」の文章があります が、前の基本指針のときからもずっと気になっていたのですが、現在、市町村の保健セ ンターというのは非常に充実をしておりまして、それに加えて市町村の保健センターの 中に、訪問看護ステーションだとか基幹型の在宅介護支援センター、それから福祉と合 体施設だとかいろんな形で動いております。  それで今後の中で、やはり市町村の保健センターについての役割だとかそういうもの も検討事項として加えていただきたいと、今後の課題、問題としていただきたいと思っ ています。 北川座長  具体的にどんな表現にすればいいですか。 竹澤委員  ここにあります、「今後これらに加えて、他の分野においても、それぞれについての 基本的な考え方や方向性、保健所と市町村等」の後ぐらいに、「市町村保健センターと いうのも明文化していただければと思うのです。 北川座長  事務局はどうですか。今のご意見をマークしておいてもらえますか。 岩尾課長 わかりましたが、市町村の保健サービスをしていく場所ということで、いろんなとこ ろで市町村の役割というのを書いてますが、もちろん市町村の本庁部門というのもあり ますけれども、具体的には個々のサービスを行うのは私ども保健センターなんだろうな というのは、想定して文章は書いているつもりですが、市町村保健センターというのを 明示したほうがいいということであれば、もう一度整合性を見ながら考えてみます。 北川座長  そうですね、ただ問題は、市町村保健センターというのは、これはこの文章の中でど こかに行政機関と書いてあったと思うのですけれども、どう位置付けるのかというのは もう少し整理をして考えたほうがいいかと思うのです。  というのは3,300の市町村の中で、保健センターを持っているところは今どのくらいで すか1,500くらいですか。そうすると実際の自治体数から見ればもっと少ないと考えてい いと思うので、そういうものをどういうふうに位置付けるかというのを整理をして考え ておく必要があるかなと思います。 池田委員  関連ですが、保健センターという機能が、それぞれの市町村でちょっと違っている要 素もあるのです。地域保健活動を庁内のある特定課に位置付けて、保健センターは健診 だけというところもあるわけです。ですから、そこが一様でないところがあって、それ を画一的な方向に機能を持たせるということにもちょっと無理があるのでないかなとい う気がしないでもないです。ですから、そのへんを十分考慮していただいた文言にして いただいたほうがよろしいのではないかなと思うのですが。 北川座長  そこはわかりました。 遠藤委員  3ページですけれども、(12)と(13)の間に、毒物・劇物の例を入れて欲しいというこ とで、あまり適切な文章ではないかもしれませんが、「毒物・劇物漏洩時における応急 措置と再発防止のための指導」という案が、どこかから来ています。  それから8ページですが、2ヶ所に「より健康」という言葉がでてくるのです。これ はこの前何かいいましたですかね、健康の定義をどうされているのかがわかりませんけ れども、健康者をより健康にという言葉をどうしてもはやらせたいというのであれば反 対まではしませんけれども、スピリチュアルを議論したりするとWHOの健康の定義を もし取ると、ちょっと健康者をより健康という言葉は変かなという感じがしますので、 削除してしまったほうが気分はいいです。  それから9ページの(2)の上の、介護保険事業は、インシュアランスに保健福祉事業が 書いてあるのだったでしょうか、ちょっと読んでこなくて済みません。もしそれであれ ば字の訂正だけになります。  13ページ(1)の、1市1保健所体制を採用する場合というところで、各行政区の提供拠 点の情報交換と連携になっているのですが、保健所のリーダーシップとマネージメント みたいなことを入れて欲しいという意見がございました。 北川座長  どういうことですか、もうちょっと明確に。 遠藤委員  ここが保健所のリーダーシップが十分表現できていないという意味ですが、1市1保 健所で、各行政区に保健センターなんかがある場合の例ですが。 北川座長  ああ、保健センターとの関係においてということですか。 遠藤委員  関係において、情報交換、連携だけではなくて、保健所にリーダーシップを持たせて ほしいというふうな意味合いの意見がございました。以上です。 北川座長  事務局はコメントありますか、よろしいですか。  全般についてはそういうご意見で、だいたいご議論が出尽くしたと考えていいですか ね。 それでは少し念を入れるという意味で、各パートごとにさっと見直していただきたいと 思います。  まず最初に1ページのはじめにというところは、特によろしいですね。  次に、3ページの2 地域における健康危機管理体制の問題ですが、ここでは先ほどの 遠藤さんの話で、毒劇物の話が入ったということですね。よろしゅうございますか。 高橋委員  6ページに市町村について、情報提供機能が触れられているのですが、全体として危 機時における一元的情報管理という視点がちょっと見えないという気がしまして、この へんはやはりいろいろな危機的な対応でマスコミの取材とか、現場がかなり混乱すると いう事例が見られますので、危機時にどのような形で情報を一元的に管理して、現場が 混乱しないように流していくのかという視点はどこかでお考えになっていただければと 思います。 池田委員  今の6ページの(5)の10行目で、「前にも述べたが」と書いてあるのですが、そこは、 「今後強化すべき基本的事項」のことを言っているのですね。むしろ「○○事項にも記 載した通り」とか、あまり前のほうになるので、「前に述べたが」よりはそのほうに。 北川座長  ああ明確に。 池田委員  ええ、書いたほうがいかがなものでしょうかと思います。 北川座長 健康危機管理のほうはよろしいですか。 岩尾課長  事務局から確認をさせていただきたいのですが、先ほど高橋先生が、市町村の危機管 理における市町村の役割の話をしたのは、ここのトーンは、特に健康に対する危機管理 というものがあったときに、その上に立つ者の素早い判断が必要なんですということを 全体を通して書いているわけです。その場合に、健康ということに着目すると、保健所 長いってみれば医師の判断ということが健康問題に重要な影響があるのだということで 書いているわけですが、市町村ということになりますと、政令市とかいうところで、い わゆる保健所を持っていてお医者さんの判断というのができるけれども、そうでない市 町村について地域を所管する保健所長の判断と、市町村の判断とをどう整合性をとるか ということだろうと思うのです。  一応、そういうことで考えた場合に、市町村の役割というのが、5ページの上のほう はその原因の当事者となった場合の市町村ということを書かせていただいておりまして その下は結局その2行だけなんですが、今言ったような観点からは、予防的なところで のみ市町村というものの役割があるのかなというふうにまとめてしまったのです。そう いうことについてのトップの判断というものを、もう少しいわゆる自治体の長として考 えるべきかというようなお考えですか。 高橋委員  そうでなくて、まさに情報開示の判断ですね。主体を明確にするべきであるというこ とを申し上げたかったので、その趣旨がより明確になれば結構だと思います。 北川座長  今の問題は、要するに行政主体としては市町村という機能があるわけですね。 そこの管内で起こった問題について、やっぱり保健所長あるいは保健所長を代表するそ ういう機能があるアドバイスをしますね、それが的確に行われるかどうか、迅速に行わ れるかどうかというところが一番問題だと思うのです。そこのところは判断主体が二つ 別なんだな、そこはね。感染症については一本化をしている、それ以外のいろんな危機 の問題というのはいろいろあるわけで、そこでどうしても迅速性を確保できないという ことが起こるかもしれないのですね。 岩尾課長  過去の事例でいいますと、例えば岡山で起きた食中毒のようなケースは、地元の市町 村を統括する県の保健所が全て、要するにO-157について地元の保健所長の判断で、そ の時の給食から何から、いわゆる町の業務についていろいろと指示をしてコトが収まっ た経緯がございます。ですからそういう意味では、地元の保健所長、県の保健所長の判 断にかなり委ねられる部分というのが多いだろうと、だからそういう市町村の、そうい う自治体の立場として結局はそういう指示に従うことと、それから地元の情報提供と給 食施設なりなんなり、その市で抱えている施設に対するきちんとした命令というものが あるだろうということなわけです。 伊藤局長  もしそうであれば、この5ページのところの市町村の役割というところ、これではち ょっと今岩尾課長が言ったようなことスッと読みとれないので、例えば市町村か市町村 長が都道府県保健所長、保健所に連絡して専門家としての保健所長の判断を仰ぐべきだ とか、今岩尾課長が言ったようなことを明確にするには、ここもう少し工夫したほうが いいのではないか。 岩尾課長  私が言いたいのはその先があって、小倉先生にそこを確認したいわけですが、つまり 先ほど先生がおっしゃったのは、保健所長の責任というのがあまりにもこの分野に重大 視されているのではないかというようなニュアンスのお話おっしゃいましたよね、私は と言ってはいけないな。この報告書の書き方は、保健所長に期待しているのです。それ でよろしいのですねということが、もしその部分を付け加えるとよりはっきりしてきま すけれども、それがこの委員会の総意であれば、むしろ私は保健所長さんにそれだけの 気概を持っていただきたいというふうに思っているのですが。 小倉委員  その通りです。よろしいです。但し、1保健所を1医師とかあるいは兼務とかそうい うような実態が多く見られます。特に感染症新法が施行されてからは、この健康危機管 理の問題を含めて大変責任が重くなったし、それに応えるべく努力はしたいのですが、 医師の複数配置であるとかあるいは兼務の解消であるとか、いろいろトレーニングの必 要性とか書いてはあるのですが、そのための財政的裏付け等、基盤整備を強調していた だければと、思います。そのことを十分にお受けしたいというよりも、起こってからも 当然ですが、事前管理を含めての仕事あるいは感染症新法における保健所長の役割、そ ういうものを非常に厳粛に受け止めているだけに、もう少し、現状がちょっとお粗末す ぎるという言い方はおかしいのですが、そのへんをその責任が果たせるようなマンパ ワーの確保とか、あるいは予算的な措置とかそういうものがなんとかもう少し明確に書 いていただけないかということを先ほど申し上げた、そういうことです。 北川座長  よろしいですね。 岩尾課長  今日は黒子に徹しようと思っていたのですが、そういうことで、少なくとも我々も考 えている一方で、磯部先生、高橋先生あるいは我々が地方分権推進法の前のころでずっ と話をしている中で、一貫して貫かれている部分というのは、身近なサービスというも のを全部地方の責任に委ねていったらどうなのかということがずっと流れているわけで す。結果として、そこで選ばれた議員さんが、そういう形のものでいいよといって決め ているときに、国のほうがつまりこの委員会で、そうではないのですと、一定の基準な りなんなりを決めなければいけないのですということを言うのであれば、私は報告書に 明記すべきだと思うのだけれど、それが今行われている地方分権法の話と、私はちょっ と方向が違うのではないかという気がしているのです。 北川座長  私もいろいろと意見を持っておるのですが、今のところは司会役に徹しているわけで すが、今の分権問題とそれから国がやっぱり全体を見て、もうこういう地方分権の流れ だから、あとはどうぞ責任を持っていろいろ問題があればあなたの責任ですよと、地方 自治体の首長にいう言い方もあるけれども、しかしこれだけの情報化社会ですから、日 本人というのは市町村民でもあるし、県民でもあるし、国民でもあるのですね。だから そういう人たちの健康を守るという責任はやっぱり国にもあるわけだから、ああせい、 こうせいということを具体的にいうことは、いろいろと難しい問題がでてくるではあり ましょうが、問題提起は明確にしていいのではないかと、それはやれとかこういう命令 ではないわけで、問題提起をするということは必要ではないかと思います。 大倉委員  町村の立場としたら、そういう縦割りに仕事をしてもらって、まあ分権だからという ことで全部地方にそれを仕事をやれという形で考えられて厚生省がいるとすれば、それ は問題があるのではないかと。それは全ての問題については、根拠があると思うので す。何を根拠にそれを言うかということと、それからやはり行政としてやるべきものに ついては、ある一定の統制されたものがないとそういう行政は行われない部分もあると 思うのです。バラバラで本当に勝手にやっていいの?ということになると思います。  ただ、地方分権は、地方の団体が自主的にいろんな業務については地方におろして、 地方でやらせろといってますけれど、それは一定の法治国家ですから法律に基づいてや る。それからいろんそういう基準でも、地域保健行政が市町村はどこまでやるのかとい うことと、保健所が持っている情報、それから国が持っている情報とかいろんなもので 例えばO157にどう対応するかということについては一定の考え方があり、その情報それ ぞれが持ってその市町村長としての首長が判断すべき部分については自分で判断するの だと思います。だから一緒に協力してやらなければいけない部分、それから県の保健所 が今は小さな町村には保健所はありませんから、そういうところで管轄としてやってお られることについてはその情報を聞きながら全部対応しているのではないですかね。だ からそこは、今言われているのは逃げになったらおかしいのではないですか、やはり国 としては何をするかということをきちんと明確になってなければならない。そうであれ ば、この検討会の位置づけというのはなんなのですかということを聞きたいと思うので す。  だからやはりきちんとして、そういうものについてはどういう形で意見、それからそ ういう情報を持って、そのコトに当たれというような形での視点があればいいのかなと 思うのです。その判断は、首長が当然自分の判断で、住民に選ばれているわけですから 当然すると思います。自分の、その地域保健を担当している市町村の職員であれば、そ れも自分の部下ですから、当然判断するのだと思います。だからそういう視点で書いて あるかどうかということ。  それからこの全体を通して、この検討会の報告書というのは何を考えて言っているの かということなんですよ。だから介護が、この検討会をやりだしてから介護保険という 制度ができたと、そうしたら地域保健では、その介護保険制度にどう手助けをするかと かそういう位置づけが書いてあれば、僕はいいと思うのですけれど。  要するに、今言ったのは、分権だからというちょっと視点が、一番最初にもちろん入 ってますよ、だからそういう形で強くでてきて、全部地域に任せるのだというようなち ょっと趣旨の発言だったから、それでホントにいいの?ということを私は感じたので す。だからどこにどう表現せいとはいいませんけれど、そういう視点が必要なんじゃな いですかということです。  だって国も都道府県も市町村も全部それぞれ公共団体といいますか、そういう行政団 体として、それぞれがそれぞれの立場で政策を決定して決めていくわけでしょ。ただ統 一してやらなきゃいけないものについては、いろんな計画を作れということで、国と県 と市町村の整合性というのをとりながらやるわけですね。だから、地域保健だってそう いう一体の流れというのは当然あるのでないかね、だからそこで厚生省が逃げてしまえ ば、あとは地方で勝手にバラバラにやれという話になるのだったら、それはおかしいの ではないですかね。だったら国は要らないという話になってしまう。 高橋委員  結局、国の判断を示すのは非常に重要なことで、それはぜひお示しいただきたいと私 も思います。  それがあたかも法令上の必要な解釈であるのか、それとも国としてこういうふうな手 続、組織を作っていただきたいという事実的な推奨であるのかというところをはっきり 区別した書き方をしていただければ、これは分権に全然にいわゆる棹をささない国の的 確な判断だと思います。 犬塚委員  保健衛生行政が、極めて技術的な行政であるという点が、結局その地方分権というで きるだけ住民に身近な市町村で責任を持ってというところで、的確な判断を求められた ときに、高度に専門的、技術的な行政の分野であるがために、市町村長がその判断がで きかねる場合があると。その場合において、地域の保健所が保健所長が中心となって、 法律に基づいていろんな行政処分を行う、あるいは流通を止めるような話も含めて、保 健所長がそこで判断をすると。そういう枠組みが、技術行政であるが故にこれはやっぱ り他の行政とはちょっと違うということで明確にすべきであろうと、そうすれば地方分 権の趣旨ときちっと沿う話になると思うのです。ですから考え方として、やっぱり衛生 行政の特殊性といいますか、そういった部分をきちっと配慮すべきではないか。  ただ、そういう話をしたときに、あとのほうででてくる政令市の保健所、特に政令指 定都市の保健所で、1市1保健所というのが、やっぱり事件だとかいろんなことは人口 に応じて、あるいは人口の増えるに従って幾何級数的に複雑になって起こってくるわけ でありますから、1市1保健所でホントにその責任ある保健所長の仕事が十分にできる のかどうかというのは、極めて問題があるのではないか。そういう意味では、適正な規 模の保健所の整備ということについては、やはり国として明確な方向を示していただい たほうが各都道府県あるいは指定都市においても、今後の整備の仕方と方針といいます かそういったものが理解されるのではないかと思っています。 山本委員  ここに書いてある健康危機というのは2つの種類があると思うのです。結局、従来保 健所業務でやっていました感染症とか食中毒対策と、それと新しいジャンルでてきた事 件ですか、サリンだとか和歌山とか、そういうものと2つが例示されまして、そして4 ページの今後強化すべき基本的事項というものは、従来のものだけ書いてあるのです ね。感染症対策とか食中毒対策が書いてあって、毒劇というのはたぶん難しいと思う し、これ保健所が中心になってやるのは非常に大変だと思うのです。だから全く何も書 いてないのですが、そこらへんをどうするのか、例えばサリンなんかでも自衛隊あたり しか情報持ってないと思うのです、そういうものを保健所だけでどういうふうにフォ ローしたらいいのか、ただ問題の例示として最初に書いてありますので、そして後にな にも書いてないというと、却って混乱を起こすのではないかという気がするのです。た だ、それをどういうふうにしたらいいのかというのは、私どもわかりませんので黙って いたのですが、 和歌山のカレー事件だって、あれは事件になって途中で警察がやりま したのでたぶん和歌山の保健所とか市というのは、情報がほとんどは入ってないと思う のです。 岩尾課長  入ってます。 山本委員  入ってますか。対応できますか。 岩尾課長  事件のとき、報道には保健所の悪口しか書かなかったのですが、現実には、市のほう で起きてすぐに市の救急部に保健所の職員を1人配置して、患者の発生状況その他、全 部保健所が把握しているのです。そしてどこの病院に何人入った、それから病状の変化 や何かも逐一保健所に来るという、ファックスで患者の状況がどう変わったということ もあがってきているし、局長もあの時行っていただきましたが、2日間いて初期救急か ら少なくとも当初の対応、その時は青酸カリになっていましたね、青酸化合物ですけれ ども、少なくとも患者の初期救急というのは非常にうまくいっていたと、その情報とい うのは保健所がつかんでいたというのは事実なんです。  だから結局うまくいって当たり前という組織ですから、悪くいくと保健所長が叩かれ るという、非常に不幸な仕事をしているなと私は思ったのですけれど。 山本委員  ただ、あの時も食中毒からシアンという報道がでて、それから亜ヒ酸になりましたね そこらへんのキーも私どももう一つわかりませんので、何も言えないのですが相当混乱 をしたのではないかという気がいたしました。 北川座長  確かに事件の最先端の場面では、当然整然といかないことというのはいくらでもある と思うのです。でもやっぱりそれは後から整理をしながら、それぞれの機能がどう連携 とるかということに尽きると思うのです。山本委員の目からご覧になって、もう少し明 確にそこに対する対応策を書けと、こういうご注文になるということでしょうか。 山本委員  そこらへんがちょっとわかりませんので、そこまで具体的に聞かれてもマンパワーと か、それから試験検査の機能を充実とかいろんな問題がありますね。 北川座長  そうですね。それが非常に難問でして、私もこの全体像を書いて読みながら、これだ けのことを強化、強化といろいろと書いてあるが、人は増やさないでいけやというのが 今の世の中の大きな流れですね、そうすると言葉は悪いけれども「月月火水木金金」で いくよりしょうがないかと、あとはいろんな情報をどう合理化するかとか、近代的な技 術をもう少し整備をするとか、いろんなことはやっぱり考えていかないと絵に描いた餅 に終わってしまう危険はあると思います。 池田委員  5ページの一番下の2行目。「また、市町村は住民に身近な地方公共団体であるから …必要がある。」と書いてあるのですが、これで見ていきますと、情報提供は保健所に しますよと、あと市町村はそれぞれ住民に対して予防のための情報提供してくださいと いうことになるのですが、前回で竹澤委員のほうからも市町村の役割がすごく大事だと いうお話があったと思うのですが、このへんのところに、保健所との連携がはっきりと れて、こういうことに当たるのだということを明記しておいたほうが、市町村側とする と的確な対応になるのではないかと思うのですが、竹澤委員いかがでしょうか。 竹澤委員  そのとおりです。危機管理のときは、保健所の連携というのか、いろいろな保健所の 情報というので動きますので、そこをやっぱりここでは明確にしておいたほうが、池田 委員の言われるとおりだと思います。 北川座長  この危機の問題というのは、想定することがなかなかできないような事例がいっぱい 起こってくるのだろうと思うのですが、そういう場合というのは、あまり理屈でいろい ろと議論をしている時間はない筈なのです。そういうときに誰が責任者になってどうい う対応策を迅速にやるかという、そのへんのマニュアルがどこまででき、それを常に実 行できるかということだと思うのです。命令権者といいますか行政機関が違うと、ここ のところが一番クレバスになるというかウィークポイントになるわけで、それをどう書 けるかというのはこの委員会の限界もあるし、マニュアルという言葉で逃げるという言 葉はいけませんけれども、それをさらに現実にどうやって強化をしていくかということ かもしれませんが、問題意識のあるところだと思います。  それでは危機管理の問題はそれくらいにして、7ページ3の、介護保険導入に伴う問 題点を少し整理していきますか。  自治体側の立場の委員の先生もおられるわけですが、この介護問題をやっているとき に、実際に市町村、特に市町村だろうと思うのですが、ヘルスサイドのマンパワーがや っぱり直接介護の仕事にどうしても応援をさせられている、今の時点ではやむを得ない かもしれないけれど、これが長期的に見ていったときにどうしてもそこへの人の補充と いうことを考えなければいけないという問題が残っていると思うのです。そのへんにつ いて、ご意見があればどうぞ。 犬塚委員  具体的には10ページ(4)の、市町村及び都道府県における人材確保というところが、今 座長さんが言われたところに該当するのだろうと思いますが、確かにきちっと書いては あるのですが、「保健事業の強化及び保健事業と介護保険事業との一体的な運営という のは、従来にも増して、人材の確保及び活用、特に保健婦・士、栄養士等の云々という ことで、配慮することが必要となる」と書いてあるものですから、書いてないわけでは 決してないので、この通りだなと思うのですが、なんかやっぱりちょっと弱いなという ことを、だからどう表現をしたらいいのかが難しいなと思うのですが、確かに書いては あるものですから、配慮してくださいということなんですけれども。  具体的には例えば市町村の老人保健福祉計画で、人材の確保等について書かれてある 部分というのは、それが例えば他の事業でいる保健婦のこととはあまりリンクせずに書 かれてる市町村が結構ありまして、トータルで市町村でどのくらい保健婦がいるのかと いうことが、従来の保健分野だけでもなかなかきちっとまとめてない市町村のほうが現 実には多いと思うのです。そこにさらに介護保険事業が入ってきた、ここには当然保健 婦さんの力も借りたいと、ところがそういう意味においては、新しい分野まで含めての トータルでの保健婦の確保計画というのは、たぶんほとんどの市町村で明確になってな いというふうに思ってます。ですから今後介護保健事業計画を含めて、老人保健福祉計 画を見直しをしていくわけですが、本当はそれを含めてやっぱりその市町村の保健計画 義務づけされていないものですからあれですが、そういう全体の中での保健婦・士の人 材確保計画を明確にする必要があるということなんだろうと思うのです。だからここで それをどういうふうに書くかというのが非常に難しいと思うのですが、このままではち ょっと弱いような気がするという感想です。 衛藤委員  9ページ(2)の一番最後、支援のポチポチで支援策を書いてありますが、一番最後に 「小規模町村に対する支援等」という、これは上の項目ではカバーしきれないものを指 すわけですね、具体的にどういう。私がイメージしたのは、人的な支援とかそういうこ とかと思ったのですけれど、もしそうであれば具体的に書いたほうがいいのではないか と思います。 北川座長  恐らくこれは都道府県が支援することになるわけですね。マンパワーをどう応援して いくかということだと思います。具体的に書いたらどうかというご意見です。 岩尾課長 先ほど、この支援の中身を保健事業なら保健事業ということでというご意見もありま したので、ここはちょっとセンテンスは直すことにします。 北川座長  確かに介護保険の問題というのは、市町村、当事者にとっては大変な大きな負担にな っていくわけですから、そのしわ寄せというか影響は、周辺のヘルスサービスの部門に かなり及んでいく可能性はあるわけです。今の犬塚委員の御心配は、重要な問題。明確 に言いづらいけれども大変だぞということですね。 小倉委員  全く犬塚委員の考え方と同じですが、実際に市町村、市町村と言いますけれども、 3,300の中には、それこそ1万未満のところも半数近くあるということで、保健婦さんが 2名以下というようなところが大半を占めているというような中で、従来、地域保健法 で今度市町村のほうに移譲された母子保健みたいなものですね、そういうベーシックな 母子保健とか成人保健とか老人保健とか、いわゆるヘルスサイドの事業というものが、 今度の地域保健法で身近な市町村に移管されたところに今度介護保険がまた来たという こと。それから精神保健福祉法もやがてはということまで含めて、先ほど園田委員がお っしゃったのですが、財政的な裏付けといってはおかしいのですが、小規模な市町村が このヘルスサイドの方たちや保健婦とかあるいは栄養士とかそういう人を積極的に雇え るような、具体的な裏付けのようなものを盛り込むわけにいかないものでしょうか。 北川座長  委員の皆さま方の持っている、なんとはなしにというか、今日の社会環境からいうと なかなか難しいけれども、本当に大丈夫かなという心配、これをどうここに盛り込むか 私もまたあとで事務局と相談しながら少し知恵をだしてみようと思います。 平野指導官  介護保健事業の兼務であって、保健技術職が行ったほうがいい業務のの量を示せば、 それに必要なマンパワー量が明らかになるというのが、地方分権の考え方ではないか、 と思います。どの職種がどこに配属した方がが良いというようなことを、どこまで明記 できるか、あると思います。国はどう考えているかという技術的な指導の表現での書き 方があろうかと思います。しかし、実際に制度が開始されていないため明確にできない 点ではないかと思います。 伊藤局長  私の理解では、介護保険に伴ういろいろな人員の財政上の手当というのは、交付税で きちっとやっているわけでしょ。それから母子保健のやつもやっているわけですし、で すからそういう意味ではここ5、6年、ずっと市町村の保健婦は確か3,000人か4,000人 増えている筈です。ですからそこは犬塚委員なり小倉委員からいろいろご意見ありまし たけれども、県の仕事なり市町村の仕事をこういう役割だということが決まってくれば でそれができるような形で従来からもその財政的な裏付けについて当然対応してきてい るわけでして、それでなおかつまだダメだというのは、じゃああと具体的にどうしたら いいのかということなんですよ。 大倉委員  大小あるんですよね。それでできるかどうかということを判断した上で政策をやらな ければいけないのに、そういう大小がある行政レベルの違うというものを一体にして、 一つの制度を法律に決めてすぐやれと言ったら、その時はできる団体とできない団体が あると、そういうことを頭に置いた上で制度を、法律を制定し、その制度を動かすため にどうすればいいか、その時に国がどう支援するか、都道府県がどう支援するかという ことを考えるのが、それは国の法律を制定しその行政を行おうとする人の立場の役割だ し、それについての財政的な裏付けというのは、当然都道府県や市町村は要望をいろい ろ出して、そういう財政的な措置、それから人的措置をしてくれという形の要望は出し ていますから、それについての一定のものはやられているけれど、ほとんどやられてな いものもあるわけです。 それでホントにできるのかということを懸念して、今は市町 村はいろいろなことを言っているわけです。そういう段階で、国会とかいろんなところ で取り上げられる、それから厚生省が説明されるのが不十分でいろんな報道関係とかそ ういうのがでているような状況があるわけでしょう。だけどそれは新しい制度をやるの だから、それがホントにできるかどうかということは厚生省がきちんと判断をしてやる べきものであって、それの指導も含めて、だってそれができないというものを市町村に 押し付けてやれという話はもともと無理があるのでないですか。だからそれをやれると いうように判断をして、施行時期を決めてやるというような形が本来的には法律的には 準備期間というものを書いてやられるわけです。ダメだったらなんかしらないけれど、 何年かで見直すとかそういう法律というのは、だいたいもともと欠陥があると私は思っ たんだけどね。  4月に担当したものだから、よくわからないのだけれど、そういうような形というの は、やはりそれを施行しようとする国が基本的にきちんとしたそういう制度的なものを 判断して、いろいろ指示をし財政措置をし、やっぱりやるべきだと思うのです。  法律は国会で決めるわけですから、いろんなところがあるかもしれませんが、そこで 不安があるから市町村が要望をだしてますし、いろんな意見を言っているわけです。そ れが一人歩きしているというよりも、国会のいろんな情勢で変な情報が一人歩きしてい るから問題があるのです。ただ、地域保健のこれは検討会ですから、地域保健として介 護が新たに発足したと、それに対してどう支援をするかというところで介護のところは あまり細かく書く必要があるかどうかというのは、僕はちょっと思っているのです。そ れは介護は介護の制度のところできちんと書いて、そっち側でそれに全部預けてあると いう格好で、そこで制度を検討すればいいのかもしれない。ただ介護がうまく動くため には、地域保健としては国はどういう支援をし、都道府県はどういう支援し、市町村は どうやればいいのかという、市町村の地域保健の担当者がどうすればいいのかという観 点で書かれればいいのではないかと思います。  あまり細かく認定の作業とか、それは団体によっては広域化をやっているから京都府 みたいに全県一円で、認定は府がやるというように決めてくれるところもあるし、そう でないところもあるし、その広域化については国が指導してちゃんとやれるように法律 に書いてあるのだからしてくれという要望を出したって、そのようには動かないわけだ からそういうことを含めてどういう具合に書くかで、あまり細かく書いてしまうと、市 町村や都道府県や国を縛ることにもなるかもしれないので、この検討委員会の報告書の 位置づけがどういうことにあるのかということが、私はわからないから言っているわけ です。 伊藤局長  そこは、この検討会で介護の問題を取り上げましたのは、介護保険制度そのものを論 ずるのではなくて、実はこの地域保健法の基本指針というのは平成6年に法律を作りま して、9年に施行してその時に基本指針、法律を補う具体的な事項を決めているわけで す。その後新たな要素として、介護保健法が施行されるようになる。その時に地域保健 のサイドとして、どういう基本指針について手直しをしなければいけないのかというこ とで、そこを今の大倉委員が言われたように、一つの問題点として。 大倉委員  だからそのように書いてもらえばいいのです。ただ、地域保健だからと言うことで、 都道府県、市町村それからそういう政令指定の特定の団体にいろんなことをやらせると いうことが、中心的にまあ細かく書いていけばそうなるのでしょうけれど、国がじゃあ 何をしてやるのだということは何も書いてないんだよね。地域保健だって国の役割とい うのがあるのだから、国がきちんと何かやるというよりもどういう形でやるかというぐ らいは、ホントは一番前段にあるべきだと思うけれど。 伊藤局長  もともと基本指針の中には、国の役割というのは書いてあるのです。 大倉委員  あるのですか。いや、そこがきちんとあればそれによって国が責任とってやってくれ ればいいわけだ。私のほうとしては市町村でやれるべきことを、きちんと法律に従って やるというしかないということで、今一生懸命みんなやっているわけだから、だから場 合によっては広域化のやつで進んでいたり遅れたりしてますけれど、ひどいところは県 一円でもう広域化しているところもあるからね、そのぐらい一生懸命になっているとこ ろもあるということですけれど、ただこの地域保健というのは介護保険のことでなくて 介護保険をカバーするという位置づけでの報告として検討されればいいのではないのか と思うのです。  ただ、その時にどこまでそれをとれるかというところです。だから何ページ割くかと いうことじゃなくて、どこまでを位置付けて書いておくかということだと思うのです。 あまり細かく入ってしまうと、介護の細かい中身、今問題のあることにいっぱい触れて きたのです。認定のこととかに触れてありますが、あんなこと書いていいのかどうかと いうのはちょっと私は疑問をもっています。 衛藤委員  これを申し上げていいのかどうかわからないのですが、人材の面、非常に業務が市町 村に集中してきていると、今福祉の問題などでは民間委託ですね、NPOも含めたそう いう民間の活力導入、これは地方分権の流れと同時にもう一つのトレンドになっている と思うのです。これはむしろ専門の先生方にお聞きしたいのですが、保健の分野という のはそういうNPO的なものも含めて、民間の力を借りるというのは不可能な領域なの かと、それはずっとここの委員会で疑問を持っていたのです。  例えば人的な部分、あるいはいろんな事業を行う上では、非営利団体も含めてそうい った地域のいろんな資源を活用していくということがあまりでてきてないのです。です からそのへんを、そういったことは保健の分野ではできない不可能なことなのか、ある いは余地があるのか教えていただきたいと思います。 北川座長  どうしますかね。 岩尾課長  現実には、例えば保健婦さんのような仕事として何かやらなければいけないというと き、自治体によっては雇いあげて業務につけているわけですから、職能としてそういう 方々のマンパワーが必要だといって、職員で足りないというときには、そのようなこと をやっているところというのはよく見受けます。ですからヘルスサービスの分野で、民 間活力が活用できないということはないと思います。 北川座長  私はもう少し積極的に見ているのですが、恐らく保健所がやれる部分というのは非常 に限られていて、地域の医師会あるいは看護協会とかいろんな団体がありますから、そ ういう方々を民間と考えれば非常に大きな部分は機能していると思います。 衛藤委員  この中で位置付けることは、今回は避けているのでしょうか。それとももし必要であ れば。 北川座長  これは、書き方の問題だと思うのですが、「さらに活用を図るべきである」とか、そ ういう書き方になるのか。事実かなり動いてはいると思うのです。 伊藤局長  ただ、業務の種類によっては食中毒ですとか伝染病ですとか、そういう権限の行使と 密接な関係のあるものについては無理だと思うのです。 竹澤委員  10ページ(4)の市町村と都道府県の人材の確保ですが、この文面でいくと、国の情報提 供した「保健婦の配置の目安」を参考にしてということでいいのですが、市町村が保健 婦を増やしていった経過というのは、老人保健福祉計画の中に具体的に12年までにどう いう職種の人材を何人必要であると書いて、それまでに確保する努力をしてきました。 老人保健福祉計画は、行政計画ですから、市町村長は責任を持って具現化する責任があ るということで、私どものほうもそれに基づいて保健婦を増やしてきた経過がありま す。それで「今後」のところに、市町村老人保健福祉計画の文言を入れていただけれ ば、確保の一つの目安になるのではないかと思うのです。 北川座長  目安というのは、数を明記するということですか。 竹澤委員  いや違うのです。10ページ(4)の文章の中に、「市町村が今後確保するときに、市町村 の老人保健福祉計画等を参考に、」とかそういうふうな文言を入れていただければと思 うのです。 北川座長  だいたい介護に関連してはその程度でよろしいですか。  では次に進んでまいりたいと思います。最後に1市1保健所関係のところ、5の政令 指定都市における保健衛生部門の運営についてですが、これは先程来、小倉委員からの 発言もあったわけで、そこをどう書くかというのはもうちょっと検討してみたいと思い ます。 犬塚委員  4の政令市・特別区のところですが。 北川座長  ああそうですね、併せて一緒に言ってください。 犬塚委員  今回の書き方では、保健と福祉のサービスの提供を一体的にできるメリットがあると いう政令市の特長は書いてはあるのですが、これをさらに積極的に進めるべきか否かの ところがないのです。これから先の話としては。  都道府県保健所と市町村の関係ではなくて、政令市の中で保健所を持って保健部門を 自ら運営しながら、福祉サービスも提供していくことができるわけですので、これから の時代、特にニーズの重複しているといいますか、保健ニーズと福祉ニーズが重複して いる人が多いわけですので、特にこの政令市部門においては保健・福祉のサービスの一 体的な提供について進めるべきだというようなことを、書いていいのではないかと思っ ております。  若干メリット・デメリットは、当然進めていく中ではでてくるとは思うのですが、基 本的な方向としてさらにそれを進めていくべだろうというふうに思ってますので、そう いった文言を追加してもいいのではないか。 北川座長  これは今までの一つの流れであるし、今動いていると見るのかあるいは今のように書 いても別に差し支えないというかむしろ積極的に書いたほうがいいということになるの だろうと思いますが。 岩尾課長  そういう議論でなんで書いてないかというと、いわゆる保健・福祉一体となるサービ スのメリットというものを、保健所に担わせるべきなのか、保健センターとして担わせ るべきなのか、つまり先ほど来の議論の中で、保健所にある程度権限の行使をするよう な機能が現実にあるわけで、そういうようなものを保健所機能として、例えば危機管理 のように位置づけていったときに、こういう柔らかい公衆衛生サービスをやっていくと ころの主体として、中核市、政令市の保健所にそういうものを持たせてやっていくのか それとも保健センター機能として持っていれば、例えばこの時の議論にありましたけれ ども、中核市周辺のハードな保健サービスをやらなければならないところに対する県と 中核市の関係ですね、というようなものがでてくるのであれば、中核市に保健所を置い ておく必要があるのかというようなこともありまして、保健センター機能、つまり柔ら かい公衆衛生、保健・福祉の連携を中心としたようなサービスを、一体としてやれる中 核市、政令市というものはやっていって構わないけれども、その主体を保健所という権 限行使をするところに置くのですか、保健センターというところに置くのですかという のは私どももわからないから書いてないです。 北川座長  これもまた議論しはじめると大変大きなテーマになりますが、次回までにそこはもう 少し原案作成という点で検討してみますけれども、保健所と保健センターというのを明 確に分けて考えるかどうかという問題がありますね。 岩尾課長  それでその部分は残された課題で、指摘された事項というところに一応書かせていた だいております。 北川座長  なるほど、本件はこのくらいにしておきましょう。今の4と5併せてご意見をいただ きたいのですが、よろしゅうございますか。だいたい今日予定した時間が終わりに近づ いていますが、この後から配られた資料はどのように。 岩尾課長  私どもと委員の先生方に送られてきたものと思います。一つは、今日お示ししている のは米田委員のほうからいただいている、自治労の考え方です。職員の方。それからも う一つ、職員の団体で、自治体労働組合総連合これ別の団体ですが、そういうところか らも、この地域保健問題検討会に対する要請書という、両方とも職場で働いている方々 の団体からの意見ということですが、米田委員のほうからのいただいたものでもちょっ と説明いただければと思います。 米田委員  私ども、自治労の中に地域保健対策プロジェクトをつくり、この検討会にサービスを 実施する側から、現場を中心にした中で諸問題、課題について現状把握や意見集約し、 自治労見解としてここに列記しているところです。時間もありませんので個々には触れ ませんが、具体的には、これを一読していただければ充分ご理解いただけるだろうと思 っています。諸問題・課題については、この検討会で議論を頂いたところでありますか ら、かなりフォローされていると思っています。  ただ現場としては、地方分権の推進や権限移譲・業務移譲にともなう地域保健に対す る国、県、市町村の責務、役割の明確化と財源の確立が求められ、とりわけ市町村にお いては、人材不足、財政上の問題がかなり指摘されております。地域保健推進体制の拡 充にあたっては、国や都道府県と市町村との有機的な連携をはかり、健康危機管理体制 の確立や介護保険の導入を視野に入れながら、さらなる保健所の機能強化、市町村保健 センターの基盤整備が重要な課題となっていますので、現場での実態をご理解頂き、財 政支援体制の確立や人員確保対策の拡充を期待します。 北川座長  ありがとうございました。それでは今のいろんな考え方が、現場でもいろいろと議論 をされているということを十分私たちも情報としていただいて、かなりの部分は恐らく このリポートの中に議論として入っていると思います。今日の議論の中にも、最後に米 田委員が言われた2点については、少し議論がでたわけでありますから、よろしいかな と思います。  それで今日もいろんなご意見をいただいたわけで、これを私どものほうと事務局と相 談して、少し整理をさせていただいて、もう少しトーンを明確にするというような作業 が残っているかなと思います。前回と今回の2回にわたって、各委員からのご意見、非 常にいろいろとお考えになっていることは4時間にわたってのご議論でありますから、 ほぼ現段階でいろんな社会情勢を考えた上でご意見を頂戴できたというふうに思います ので、議論はこのくらいにして、あと最終的に整理したものを次回またご覧をいただく という機会をもう1回つくるという計画でやらせていただきたいと思います。  当然、この種の問題はいろいろと宿題が後に残るわけですから、それはさっき岩尾課 長が言われたように、リストアップはしてあるよということだと思います。ということ で、今日はこれで会議を閉じたいと思いますがよろしゅうございますか。ではどうぞ。 岩尾課長  ありがとうございました。次回の検討会ですが6月23日、水曜日、10時から12時とい うことで予定しております。場所はお知らせいたします。  それから今日の報告書(案)、ご意見いただきましたので、これをまた座長とじっくり 直しますが、それ以外にファックス、メール等でいただければありがたいと思っていま す。よろしくお願いいたします。 北川座長  それではどうもありがとうございました。今日はこれで終わりといたします。 問い合わせ先 厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課 担  当 中  里 電話番号 03−3503−1711(内線2391)