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予防接種後健康状況調査
集計報告書

(平成9年10月1日〜平成10年3月31日)

予防接種後副反応・健康状況調査検討会
厚生省保健医療局結核感染症課


照会先
厚生省保健医療局結核感染症課予防接種係
 TEL 03(3595)2263
 FAX 03(3581)6251

I.総 論

 本報告は平成6年の予防接種法改正に伴って開始された事業の一つである。予防接種副反応報告が、予防接種後の異常な副反応を、主治医を中心として気づいた方に報告していただく後方視的調査であるのに対し、本報告は定期接種のワクチンについてあらかじめ各県単位で報告医を決めておき、それぞれのワクチンについて一定数を前方視的に調査したものである。
 今回は、平成9年度分後期をまとめて報告する。

1. 本調査の目的は「国民が正しい理解の下に予防接種を受けることが出来るよう、あらかじめ接種前に登録した者について、接種後一定期間(後述)にわたり健康状況調査を実施し、その情報を提供するとともに、予防接種副反応の発生要因に関する研究の一助とし、有効かつ安全な予防接種の実施に資すること」である。

2. 調査対象としたワクチンは、定期接種として実施されたジフテリア、百日せき、破傷風三種混合ワクチン、ジフテリア、破傷風二種混合ワクチン、麻しん、風しん、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)、BCGである。

3. 予防接種後健康状況調査の実施期間及び対象者数であるが、DPT(DT)、麻しん、風しん、日本脳炎については4月から各四半期毎に都道府県、指定都市当たりそれぞれ40名を対象とし、接種後28日間を観察期間とした。
 ポリオについては、半年毎に第1期(4〜9月)、第2期(4〜9月)各100名を対象として35日間、BCGは接種数が年間一定でないことから第1期(4〜9月)は300名(乳幼児100名、小学1・2年生100名、中学1・2年生100名)、第2期(10〜3月)は乳幼児のみ100名を対象とし、観察期間は4カ月間とした。

4. 報告の手順は、各都道府県・指定都市でワクチン毎に報告定点を受諾した報告担当医師が、各予防接種の接種当日に対象者の保護者に対して、事業の趣旨を十分説明の上、健康状況調査に協力する旨の同意を得た後、台帳に登録するとともに保護者に健康状況調査表(ハガキ)を渡し、記入要領を説明する。

5. 本調査は予防接種後の健康状況調査であるため、今まで通常の副反応(発熱、発赤、発疹、腫脹)や、稀におこる副反応(アナフィラキシー、脳炎、脳症等)として知られているものに加えて、これまで予防接種の副反応として考えられていない接種後の症状についても報告をしていただいた。

6. 調査の趣旨により回収は登録者全数が行われることが望ましく、報告医を引き受けていただく先生方の御努力が期待されている。回収された調査表は厚生省において集計し、予防接種後副反応・健康状況調査検討会において、医学的、疫学的見地から解析・評価を行い、予防接種副反応の発生状況を把握する。また、今後報告事例と予防接種の因果関係についても検討することとしている。

7. 集計・解析によって得られた健康状況調査の情報は、都道府県・指定都市、日本医師会、地域医師会及び報告担当医師に還元するとともに、広く国民に提供することとなっている。

8. まとめについては各ワクチン毎、かつ接種回数別に年齢別・接種後の健康状況項目別(発熱、局所反応、けいれん、じんましん、嘔吐、下痢、せき鼻水、リンパ節腫脹、関節痛など)について、0〜7日、8〜14日、15〜28日に区切ってまとめた。各ワクチンの製造会社別の副反応についての検討は1年分をまとめて報告する。

II. 各 論

D P T

1.DPT1期初回1回目

 対象者は、1,030人でこの内1,013人(98.3%)が生後3カ月から4歳未満であった。何らかの症状を呈したのは489人、794件であった。男女間に差は認めなかった。症状とその発現日、年齢の関係をみると次のとおりであった。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱は合計51人(4.9%)であるが接種後7日迄の小計は21人(2.0%)である。7日迄をみると接種後2日目の6人(0.5%)が最大である。年齢的に有意の差はない。
 38.5℃以上の発熱は合計105人(10.1%)であるが接種後7日迄の小計では41人(3.9%)である。接種後4、5日目が7人(0.6%)で最大であった。年齢では生後3〜11カ月に多くみられる。
 局所反応は合計186人(18.0%)であるが接種後7日迄の小計では144人(13.9%)である。接種後1日目の38人(3.6%)が最大であり7日目の32人(3.1%)がこれに続いて多い。年齢に有意の差は認めない。
 けいれんは0日、20日に1人ずつみられ、20日目の例で37.5℃以上の発熱を伴なっていた。
 嘔吐は合計55人(5.3%)であるが接種後7日目迄の小計では29人(2.8%)である。
 下痢は合計123人(11.9%)であるが接種後7日目迄の小計では51人(4.9%)である。接種後1日目の15人(1.4%)が最大である。
 せき、鼻水は合計272人(26.3%)であるが、接種後7日目迄の小計では116人(11.2%)である。接種後2日目の20人(1.9%)が最大であった。

2.DPT1期初回2回目

 対象者は920人でこの内902人(98.0%)が生後3カ月から4歳未満であった。何らかの症状を呈したのは469人、746件である。男女間に差は認めなかった。症状とその発現日、年齢の関係をみると次のとおりであった。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱は合計56人(6.0%)であるが接種後7日目迄の小計は30人(3.2%)である。接種後1日目の17人(1.8%)が最大である。38.5℃以上の発熱は合計76人(8.2%)であるが接種後7日目迄の小計は36人(3.9%)である。年齢別に有意の差はない。
 局所反応は合計262人(28.4%)であるが接種後7日目迄の小計は252人(27.3%)である。接種後1日目の136人(14.7%)が最大である。年齢別に有意の差はない。
 けいれんは10日、11日、25日目に1人ずつみられ、25日目の例は発熱はなかった。
 嘔吐は合計41人(4.4%)であるが接種後7日目迄の小計では20人(2.1%)である。接種後2日目の9人(0.9%)が最大である。
 下痢は合計88人(9.5%)であるが、接種後7日目迄の小計では44人(4.7%)である。発生日は接種1日目の14人(1.5%)が最多である。
 せき、鼻水は合計220人(23.9%)であるが接種後7日目迄の小計では113人(12.2%)である。接種後1、2日目に多くみられる。

3.DPT1期初回3回目

 対象者は816人で、この内801人(98.1%)が生後3カ月から4歳未満であった。何らかの症状を呈したのは363人、561件であった。男女間に差は認めない。症状とその発現日、年齢の関係をみると次のとおりであった。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱は合計33人(4.0%)であるが接種後7日目迄の小計は16人(1.9%)である。接種後2、3日目の4人(0.4%)が最大である。
 38.5℃以上の発熱は合計73人(8.9%)であるが、接種後7日目迄の小計は26人(3.1%)であり、接種後5日目の9人(1.1%)が最大である。
 局所反応は合計194人(23.7%)であるが、接種後7日目迄の小計は189人(23.1%)である。接種後1日目の99人(12.1%)が最大である。
 けいれんはみられなかった。
 嘔吐は合計23人(2.8%)であるが接種後7日目迄の小計では9人(1.1%)である。発生日に有意の差はない。
 下痢は合計66人(8.0%)であるが、接種後7日目迄の小計では28人(3.4%)である。接種後0、1日目に多い。
 せき、鼻水は合計172人(21.0%)であるが、接種後7日目迄の小計では94人(11.5%)である。発現日に一定の傾向は認められない。

4.DPT1期追加

 対象者は793人でこの内739人(93.1%)が1歳から4歳であった。何らかの症状を呈したのは483人、764件であった。男女間に有意の差は認めない。症状とその発現日、年齢の関係をみると次のとおりであった。
 37.5℃以上38.5℃未満の発現は合計34人(4.2%)であるが、接種後7日目迄の小計は19人(2.3%)である。接種後2日目に6人(0.7%)と最大数がみられた。
 38.5℃以上の発熱は合計68人(8.5)であるが接種後7日目迄の小計は25人(3.1%)である。発現日は接種後1、2日目の7、8人が目立つ。
 局所反応は合計364人(45.9%)であるが接種7日目迄の小計では362人(45.6%)である。接種1日目の218人(27.4%)が最大である。年齢が増す毎に発症頻度が高まる傾向がみられる。
 けいれんは接種後6、14日目に1例ずつみられ発熱は37.5℃以上であった。
 嘔吐は合計39人(4.9%)であるが接種7日目迄の小計では18人(2.2%)である。発現日に一定の傾向はない。
 下痢は合計60人(7.5%)であるが、接種後7日目迄の小計では33人(4.1%)である。接種後1日目の10人(1.2%)が最大である。1歳に多く認められる。
 せき、鼻水は合計197人(24.8%)であるが、接種後7日目迄の小計では107人(13.4%)である。接種後1、2日目に多くみられる。発症年齢には一定の傾向は認められない。

5.DT初回接種、追加接種は対象者が少ないので省略する。

6.DT2期

 対象者は978人であった。何らかの症状を呈したのは351人、430件であった。症状と発現の関係をみると次のとおりであった。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱は、合計25人(2.5%)であるが、接種後7日目迄の小計は16人(1.6%)である。接種後2日目の5人(0.5%)が最大である。
 38.5℃以上の発熱は合計14人(1.4%)であるが接種後7日目迄の小計は8人(0.8%)であった。
 局所反応は合計293人(29.7%)であるが接種7日目迄の小計は291人(29.7%)である。接種後1日目の155人(15.8%)が最大である。
 嘔吐は合計7人(0.7%)であるが接種後7日目迄の小計は3人(0.3%)である。
 下痢は合計22人(2.2%)であるが接種後7日目迄の小計は16人(1.6%)である。
 せき、鼻水は合計69人(7.0%)であるが、接種後7日目迄の小計は42人(4.2%)である。接種後1、2日目の9人(0.9%)が最大である。

麻 し ん

 対象者は、1歳2,390人(男1,227人、女1,152人、不明11人)2歳251人(男126人、女125人)3〜7歳半150人(男73人、女77人)の計2,791人であった。
 観察期間中(0日〜28日)に初発した発熱は、540人(19.3%)にみられ、そのうち最高体温が38.5℃以上であった者は、338人(12.1%)であった。また、接種後6日までの発熱者は202人(7.2%)、そのうちで、38.5℃以上は125人(4.4%)であった。接種後7〜13日の発熱者は253人(9.0%)、そのうち、38.5℃以上149人(5.3%)であった。
 0〜13日に初発した発熱を合わせると455人(16.3%)で、そのうち、38.5℃以上は274人(9.8%)であり、発熱のほとんどは0〜13日に初発した。
 観察期間中に発疹が出現した者は226人(8.0%)であった。そのうち6日以内に出現した者は、75人(2.6%)、従来から麻疹ウイルス増殖に伴う発疹の出現する時期といわれている7〜13日に出現した者は、124人(4.4%)であった。
 局所反応は122人(4.3%)に認められた。そのうち、59人(2.1%)は3日以内の局所反応であった。
 けいれんが出た者は14人(0.5%)、発症日は接種当日〜6日が6人、7〜13日が1人、14〜20日が4人、21〜28日が3人であった。すべて熱性けいれんであった。いずれもワクチン接種との因果関係は不明である。
 じんましんは、112人(4.0%)に認められ、発症日は接種当日から28日までおよんだ。ワクチンに対する即時型アレルギー反応と考えられる1日以内のじんましんを認めたものは18人(0.6%)であった。


風 し ん

 対象者数は2,710人(男1,329人、女1,379人、不明2人)で、内訳は6〜11カ月が12人(男5人、女7人)、1歳1,283人(男656人、女626人)、2歳556人(男281人、女274人)、3歳266人(男134人、女132人)、3歳以下の対象者は2,117人(78.1%)であった。4〜7歳389人(14.3%)、12〜15歳204人(5.8%)であった。何らかの健康異常がみられた人は459人、534件で、男性では225人で男性対象者の16.9%、女性では233人で女性対象者の16.8%で健康異常発生に男女差はみられなかった。
 表にみる如く健康異常発生割合が平均値より多いのは4歳(19.3%)、1歳(19.0%)、5歳(17.8%)、2歳(17.2%)の順であった。
 発熱者は296人(10.9%)、38.5℃以上の発熱は185人(6.8%)であった。接種後6日目までの発熱は112人(4.1%)で、38.5℃以上の発熱は68人(2.5%)であった。発熱のピークは2〜3日、6〜7日に見られた。13日以内の発熱者は192人(64.8%)であった。
 局所反応は90人(3.3%)にみられ、接種当日9人(0.3%)、1日目40人(1.4%)、2日目15人(0.5%)で0〜3日では71人で、局所反応総数の78.8%がこの間に出現した。
 けいれんは2名でそれぞれ8日目と10日目にみられた。発熱は37.5℃未満であった。
 じんましんは13人にみられ、3日以内7人であった。
 発疹は88人にみられ、そのうち0日10人(0.3%)、1日目3人(0.1%)、2日目10人(0.3%)、0〜6日では38人(発疹総数の43.1%)、7〜13日が27人(発疹総数の30.6%)、14〜28日23人(発疹総数の26.1%)であった。
 リンパ節腫脹は24人(0.8%)にみられ、0〜6日目5人(腫脹総数の20.8%)、7〜13日16人(腫脹総数の66.6%)、14〜28日3人(腫脹総数の12.5%)に認められた。
 関節痛については21人(0.7%)報告された。年齢は1〜15歳に分布し、年齢差は明かではなかった。


日 本 脳 炎

1.日本脳炎ワクチン1期初回1回目

 報告された対象人数は654人で、年齢的には0歳〜7歳に接種された児童である。発熱、局所反応、けいれん、じんましん、その他の発疹など何らかの健康異常を来した人数(発生件数)は合計142人(150件)で対象者の21.7%を占め、男女に占める割合は19.4%:24.0%で女児がやや多かった。
 接種年齢をみると0歳から7歳に分布、3歳が特に多く、2〜6歳で全体の98%を占めた。
 接種年齢別の健康異常発生者の割合をみると、健康異常は2歳以降各年齢にみられ、発生者数は対象者数の7.5〜34.3%、平均21.7%であった。
 発現症状をみると、何れの年齢も接種局所反応が最も多く、5.0〜15.3%、平均13.4%であった。発熱は2.5〜21.8%、平均6.8%(38.5℃以上は4.5%)にみられ、2歳、5歳を除けば年齢差なく、じんましんは2歳2件(6.2%)、3歳7件(1.5%)6歳1件(3.3%)の合計10件みられた。その他の発疹は2歳、3歳にそれぞれ1件、6件みられたが、けいれんは何れの年齢にもみられなかった。
 症状の発現日を観察期間28日でみると局所反応は接種後3日以内に多く、接種当日〜翌日にピークがあり、以後は観察期間16日まで1〜3件程度の報告があった。発熱は28日の観察期間を通じて幅広く報告され、5日以内がやや頻度が高い傾向にあった。じんましんやその他の発疹については頻度が低いが観察期間を通じてときどき報告され、特定の傾向はみられなかった。

2.日本脳炎ワクチン1期初回2回目

 対象者数は0〜7歳472人で3歳が最も多く、接種後28日の観察期間中発熱、局所反応、けいれん、じんましん、その他の発疹など何らかの健康異常を来した者は112人(121件)で対象者の23.7%を占めた。男女に占める割合は22.7%:24.6%とわずかに女児が多かった。
 接種年齢別の健康異常発生者の割合をみると、10.5〜100%、平均23.7%で3、4歳でやや多い傾向がみられた。2歳未満、7歳は対象者数が少ないためその割合は高かった。
 発現症状をみると、何れの年齢も接種局所反応が7.8〜100%、平均16.3%で、5歳でやや少なかったが、2歳未満、7歳は対象人数が少ないため割合が高くでた。ついで発熱は2.6〜33.3%、平均7.8%(38.5℃以上は4.2%)であったが、その割合は局所反応と同様の傾向を示した。じんましんは3歳に2件、4歳に1件、合計3件みられ、その他の発疹は3歳に3件、4歳に1件、合計4件が報告されたが、けいれんはなかった。
 症状の発現日を観察期間28日でみると局所反応は接種後3日以内に生じ、1日目にピークがあった。発熱は全観察期間にわたってみられ、接種後2日目以内がやや多いが、以後は一定の傾向はなかった。じんましんは接種後5日、10日目に、その他の発疹は観察期間12日以内に少数ながらみられたが特記すべき傾向はなかった。

3.日本脳炎ワクチン1期追加

 対象者数は0〜7歳425人で4歳が最も多い。接種後28日の観察期間中発熱、局所反応、けいれん、じんましん、その他の発疹など何らかの健康異常を来した者は95人(104件)で対象者の22.3%を占め、男女の占める割合は16.0%:28.6%と女児が多かった。
 接種年齢別の健康異常発生者の割合をみると、15.3〜29.1%、平均22.3%であった。
 発現症状では、何れの年齢も接種部位の局所反応が目立って多く、10.5%〜24.1%、、平均16.7%にみられた。ついで発熱は6.0〜8.6%、平均4.7%(38.5℃以上は2.3%)にみられた。4、6歳にみられ、5歳にはみられなかった。じんましんは4歳にのみ6件みられた。その他の発疹は4歳4件、3歳、5歳、6歳にそれぞれ1件ずつ合計7件みられたが、けいれんの報告はなかった。
 症状の発現日を観察期間28日でみると局所反応は接種後3日以内に集中し、1日目がピークであった。発熱は接種後5日目までがやや多いが、全観察期間にわたってみられた。じんましん、その他の発疹は散発的にみられ一定の傾向はなかった。

4.日本脳炎ワクチン2期、3期

 2期、3期の結果は同じ傾向を示すのでまとめて報告する。
 対象者数は2期は9〜12歳88人、3期は14〜15歳48人であった。接種後28日の観察期間中発熱、局所反応、けいれん、じんましん、その他の発疹など何らかの健康異常を来した者はそれぞれ、21人(25件)、8人(8件)であった。
 健康異常発生者の割合をみると、それぞれ23.8%、16.6%であった。男女別ではそれぞれ28.8%:16.6%、11.7%:19.3%であった。
 発現症状では、何れも接種局所反応が多く、21.5%、16.6%であった。その他2期では発熱4件、じんましん1件、その他の発疹1件が報告されたが、3期では報告がなかった。
 症状の発現日を観察期間28日でみると局所反応は接種後3日以内に生じ、2期では接種当日3件、1日目12件、2日目3件、11日目に1件みられ、3期では接種当日3件、1日目4件、3日目に1件みられた。発熱は2期では1日、2日目にそれぞれ2件、1件みられ、6日目に1件みられたが3期目では報告がなかった。2期ではじんましん、その他の発疹がそれぞれ1件ずつ報告されたが、3期では報告がなかった。


ポ リ オ

1.ポリオ1回目

 接種対象児数は2,216人(男1,151人、女1,062人、不明3人)で内訳は3〜5カ月719人(男363人、女354人)、6〜8カ月808人(男407人、女401人)、9〜11カ月405人(男225人、女180人)、1歳241人(男133人、女107人)、2歳以上43人(男23人、女20人)であった。
 何らかの健康異常がみられた人は493人(22.2%)668件で、年齢別では3〜5カ月113人(15.7%)、6〜8カ月202人(25.0%)、9〜11カ月98人(24.1%)、1歳68人(28.2%)であった。接種数の比較的多い1歳以下では1歳の割合が最多であった。
 発熱は243人(10.9%)にみられ、そのうち1歳以下で発熱率の高いのは1歳41人(17.0%)であった。
 38.5℃以上の発熱は141人(6.3%)で、接種後3日目が1.4%で最高であった。また、年齢別では6〜8カ月12.8%、9〜11カ月13.8%、1歳17.0%となっていた。
 けいれんを来した症例は認めなかった。
 嘔吐は103人(4.6%)にみられ、0日目が最大0.6%であった。
 下痢は322人(14.5%)にみとめられ、6〜8カ月が141人(17.4%)であった。2日目までの下痢の出現率は1.4〜2.7%の範囲であった。

2.ポリオ2回目

 接種対象児数は2,282人(男1,151人、女1,130人、不明1人)で内訳は3〜5カ月106人(男56人、女50人)、6〜8カ月219人(男109人、女110人)、9〜11カ月686人(男336人、女350人)、1歳1,149人(男582人、女566人)、2歳95人(男52人、女43人)、3歳以上27人(男16人、女11人)であった。
 何らかの健康異常がみられた人は493人(21.6%)で、年齢別発生割合は3〜5カ月23人(21.6%)、6〜8カ月62人(28.3%)、9〜11カ月157人(22.8%)、1歳238人(20.7%)であった。
 発熱は259人(11.3%)にみられ、日数別では1〜2日目に多く、0.7〜1.0%であった。
 38.5℃以上の発熱は159人(6.9%)で、接種後2日目が14人(0.6%)で最高であった。年齢別では1歳122人(10.6%)、9〜11カ月90人(13.1%)であった。
 けいれんの報告は1例であった。


B C G

 BCG接種については総数4,140人について接種後観察が行われた。接種対象別に見ると、0〜3歳3,942人(95.2%)、小学1年生100人(2.4%)、中学1年生98人(2.3%)であった。0〜3歳の中では0歳が86.8%を占め、次いで1歳、2歳の順に多かった。
 これらの中の99人(2.5%)に何らかの異常が見られた(延べ件数は100件、被接種者対2.3%)。異常発生者の割合は接種対象年齢別にみると小1が13人(13.0%)、中2が14人(14.2%)が多く、0〜3歳72人(1.8%)で最も少なかった。性別にみると男2.2%、女2.5%で明かな差はみられなかった。対象年齢別に見ると小1で男10.0%、女17.5%、また中1で男9.8%、女19.1%と、ともに女で多かったが、0〜3歳では男女差はみられなかった。
 異常の種別にみると、「局所の湿潤」が68人(被接種者の1.6%)、「リンパ節腫脹」が32人(0.7%)であった。
 局所の湿潤の頻度は接種対象年齢別に見ると小1が13人(13.0%)、中1が13人(13.2%)で高く、0〜3歳42人(1.0%)で最も少ない。その発生の時期は接種後0日〜6カ月にわたるが、接種後1カ月以内に47.0%、3カ月以内に76.4%が発生し、残り23.5%は3カ月以後に発生していた。
 リンパ節腫脹は大半が0〜3歳でみられたが、その頻度は0〜3歳31人(0.7%)、さらに年齢別に見ると0歳21人(0.6%)、1歳7人(1.7%)、2〜3歳は2人(2.8%)で1人(2.2%)と、0歳で低く、1歳以上で高くなっていた。その発生の時期は接種後2日から5カ月にわたるが、31.2%が1カ月以内に、87.5%が3カ月以内に発生し、残りの12.5%は3カ月以後に発生していた。
 接種局所の針痕に関する観察は3,544人(被接種者数の85.6%)について行われた。全体では15〜18個の者(48.8%)が多く、4個以下の者は4.8%と少なかった。
 平均個数を対象年齢別に見ると、0〜3歳で10.3個、小1、2年生で13.8個、中1、2年生で10.7個となっている。何らかの健康異常の有無別にみると、全対象では「異常あり」で13.3個、「異常なし」で10.7個と「異常あり」で多かった。年齢別に見ても0〜3歳で12.9個対10.1個、小学生で14.7個対13.7個、中学生で13.3個対10.7個と同様の差がみられた。


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