99/04/23 第13回臍帯血移植検討会議事録        第13回 臍帯血移植検討会            日時  平成11年4月23日(金)                10:00〜12:10            場所  虎の門パストラル                「桔梗の間」 出席者 (○:座長 敬称略)  青木 繁之  浅野 茂隆  有田 美智世 加藤 俊一  小池 麒一郎  小寺 良尚 ○斎藤 英彦  迫田 朋子  高橋 美智  田島 優子  中林 正雄  西平 浩一  原  宏   古市 圭治  陽田 秀夫  横山 繁樹   1.開 会 2.議 題   (1)臍帯血バンク共同事業に係る技術的事項について      (2)臍帯血バンク連絡協議会の組織、及び事務局の役割について      (3)その他 〇事務局  定刻になりましたので、ただいまより第13回臍帯血移植検討会を開催します。最初に 本日の委員の出席の状況でございます。本日は鎌田委員、草刈委員、平林委員がご欠席 です。中林委員から交通事情によりまして少し遅れるというご連絡をいただいておりま す。また、原委員が少し遅れているようでございます。  会議を始める前に資料の確認をさせていただきます。議事次第がございます。次に委 員の先生方の名簿、座席表がございます。次に資料一覧がございます。  資料1   臍帯血バンク共同時に係る技術的事項について(案)6枚です。  資料2   臍帯血バンク連絡協議会(仮称)イメージ図(案)1枚です。  資料3   臍帯血バンク連絡協議会(仮称)のメンバーの選考の考え方(案)1枚  資料4   臍帯血バンク連絡協議会(仮称)の行う事業、事務局の役割(案)2枚  参考資料1 わが国における非血縁者間臍帯血移植 3枚  参考資料2 臍帯血移植検討会中間まとめ−抜粋− 2枚。  以上が本日の資料でございます。途中不備等がございましたら事務局の方にお申し出 いただきたいと思います。  大変に申し訳ございませんが、本日は伊藤局長は所要が突然にはいりまして、途中退 席させていただくことになっておりますので、前もってお詫びとお願いをいたしておき たいと思います。では斎藤座長よろしくお願いします。 〇斎藤座長  おはようございます。早速議題に入りたいと思います。今日は主な議題が二つござい ます。今から約2時間、活発なご議論をお願いしたいと思います。  議題の1は臍帯血バンクの共同事業に係わる技術事項でございます。この件につきま しては、浅野先生及び小寺先生に部会長をしていただいております技術専門部会におい て、3回にわたって議論をしていただきまして、そのまとめを本日提出していただいて おります。これは今後の共同事業を行っていく上で、基本となる技術的な事項について でございますが、更に本検討会において皆様に検討していただきたいと思います。では 資料を説明してください。 〇山本補佐  事務局からご説明させていただきます。お手元の資料の1でございます。臍帯血バン ク共同事業に係る技術的事項について(案)です。  I.検討の経緯が述べてございます。  斎藤先生の方からお話がありましたように、昨年の12月に第1回を開催してから、共 同事業技術専門部会については3回検討を行い、まとめました。まだこれについては適 宜今後見直されるべきであるということが書いてございます。  II.検討結果でございます。  1.臍帯血の情報の共有・管理・公開・予約システムについてということです。  (1) 全国的に共有し、公開する情報については、(1)各臍帯血バンクに保存されている 臍帯血のHLA型、(2)保存臍帯血中の有核細胞数、(3)当該臍帯血を保存している臍帯 血バンク、(4)共同事業開始以前に保存されているもので、移植目的に保存されているも の等につきましては、それをその旨、印をつけて開示をするということでございます。 それらに加えて、(5)予約登録の有無について、公開するべきという意見と、公開すべき ではないという両方のご意見がございました。予約登録と申しますのは、予備検索を行 った後に、移植に用いられる可能性の高いHLA型を見つけた場合に、それを移植目的 として使いたいということで、各バンクに予約をしておくというシステムでございます が、この件につきましては、この後コンピューターのシステムの具体的なイメージがご ざいますので、その時にまたご説明させていただいた後にご検討いただきたいと存じま す。  (2) 具体的検索方法についてです。これは中間まとめの趣旨を踏まえまして、(1)まず 一定の条件を満たす臍帯血の有無を確認する一次検索もしくは予備検索というものを行 う。(2)その情報に基づいて、当該臍帯血バンクに直接問い合わせる二次検索、もしくは 本検索というものを行う、という2段階になってございます。  この一次検索というのは、コンピューター上のインターネット上にこの情報が開示さ れているわけですが、この開示されている情報を見ることができる者としまして、臍帯 血バンク連絡協議会に参加している各臍帯血バンク。登録移植医療機関。連絡協議会が 公開することを認めた患者団体・相談窓口、学会専門医・認定医、学会の範囲とか認定 医の範囲をどうするのかということについては、今後の検討になってございます。これ らについて、その者が検索を行えるということになります。  広く一般国民に公開するということは、現時点では行わないという結論になっており ます。  二次検索もしくは本検索につきましてです。これを行う者は、登録移植医療施設所属 の医師とし、当該医師が直接臍帯血バンクに問い合わせて二次検索を行うということに しております。当然、予約もその者が行うということになります。  (3) 予約登録についてです。1点目は、予約登録をできる保存臍帯血は、一人の患者 につき一個とし、生着不全等が生じた場合に備えて、予備の予約登録は行わないことと する。ここでの検討ですが、一部の委員の先生方から、二次検索、本検索を移植医が直 接各バンクにやるものですから、一人の医師が一人の患者のために、何箇所のバンクに も予約をすることについて、どのように防いでいくのかということの方策についてのご 意見もございました。  また予約登録できる最長期間は3か月とするということでございます。移植術に用い られるために予約登録された臍帯血については、他の医師は予約をできないこととし、 予約登録を行った医師は、患者の状態等により、その臍帯血を使わないことが決定した 場合には速やかに予約を取り消すということになっております。  ここでの検討項目として残っておりますのは、今の時点では、まずどなたかの医師が 予約をした場合には、その予約を取り消されるまで、他の医師が同じ臍帯血を予約でき ないことになっておりますが、これは事業運営専門部会の方の一部の委員から、誰かが 予約したらもう予約できないという形ではなく、一部、疾病によっては優先順位をつけ て、前の方の予約が入っていても、医学的な根拠により誰かに優先を与えるという考え 方もあるのではないかという意見が出ました。しかし、技術専門部会の方では、何度か ご検討いただいた結果、なかなか優劣をつけるのは難しいということで、一人の方が予 約をされている場合には、次の人はそれを越えて予約することができないシステムとい う結論になってございます。これも本日ここでご検討いただきたい事項でございます。  登録移植医療機関に一端搬送された臍帯血が、何らかの事情でそれほど頻回とは想定 されるものではございませんが、その臍帯血が使用されなかった場合に、その当該臍帯 血については、各臍帯血バンクに返却する、返却されたものについては、移植には用い ないということの考え方でございます。  以前この検討会でご承認いただきました各種手順書それから中間まとめ、技術指針、 基準書に基づきますと、この臍帯血については臍帯血移植もしくは臍帯血医療に係る研 究に用いるということで、定められております。妊婦さんに対するインフォームド・コ ンセントの同意書にも、移植もしくは移植に係る研究に用いるということで同意をいた だいております。  ですからここの趣旨は、臍帯血バンクに返却した後に、それを移植には勿論もちいて はならないということでございますが、研究に用いるということは、可能ではないかと いう意見がございました。これが今日ご議論いただく4点目でございます。  (4) でございます。骨髄移植推進財団に登録されている骨髄ドナーのHLA情報との 連携については、臍帯血バンク共同事業及び骨髄バンク事業の実施状況を踏まえ、今後 検討される必要があるという結論でございます。  2.採取・分離・検査・保存・搬送方法の標準化をはじめとする安全性の確保・質の 向上についてということでございます。  これは既に技術指針及び各基準書が定められておりまして、各共同事業に参画する臍 帯血バンクは、この基準を満たしているということが想定されますが、それに加え、共 同事業に参画している臍帯血バンクに対して、少なくとも年に一回以上、第三者による 現地調査を含めた事業評価を行うことにするとなっております。  またこれの具体的な評価事項、評価体制については、今後設置されるであろう連絡協 議会(仮称)において検討されるべきであるとなっております。  3.適応・治療成績の評価についてということです。  (1) 適応ですが、移植の適応については、既に技術指針及び基準書に定められており ます。基準書の方に書いてございます適応というのは、造血細胞、血液細胞のサンセイ 不良とか、造血の悪性疾患、幾つかの腫瘍、先天代謝異常、先天免疫不全症、その他と いうことで定められておりますが、これにつきましては、この規定通りということで、 医学的な根拠に基づき適宜今後も見直されるべきであるということでございます。  また各臍帯血バンクごとに適応疾患の解釈とか取扱いが異なることがないよう、必要 に応じ調整しなければならないとなっております。  (2) 治療成績の評価でございます。技術指針においては各臍帯血バンクは、臍帯血バ ンクが提供した臍帯血を用いた移植患者の追跡調査を行うということになっております ので、各バンクはこれの調査に基づく治療成績の評価を行ない、また共同事業としても 定期的に各バンクからの報告を集めて、臍帯血移植全体の治療成績はどうなっているの かというようなデータの収集を行うこととするとあります。  4.移植医療機関の登録と情報の公開でございます。  移植医療機関については「移植成績、実績、体制等、患者にとって必要な情報を公開 する」ということが技術指針で求められておりますので、最低限公開すべき情報として (1)臍帯血移植実施数、(2)疾患及び病期、(3)生存状況です。生存状況と申しますのは生 着したかどうか、ご存命か、残念ながら亡くなられたか等のデータについては、最低限 公開すべき。またこれらに加え、各施設において公開が必要とされる情報については追 加で情報公開をしていくということでございます。  また先程も言及しましたが、協議会に対して臍帯血移植の実施後の成績の報告を行う ことということも、移植施設に求められております。  5.その他でございます。  (1) 共同事業開始以前に保存されている臍帯血については、平成10年10月1日現在 2,700 件以上です。現在はもっと増えておりますが、既に臍帯血が保存されております ので、11年度より共同事業が開始された場合でも、移植目的に保存された臍帯血は、検 索の対象として公開するということが適切である。ただその際にはマークをつけるとい うことは先程も申し上げました。各臍帯血を保存するバンクが、各々の責任において、 検索の対象にするものかどうかというのを判断していただくということでございます。  (2) 搬送につきましては、技術指針で液体窒素温度による気相冷却輸送容器を用いて 行うということですが、空輸の場合の身体検査の場合のX線・磁気検査の問題につきま しては、今後関係方面との調整が必要である。これは厚生省の方の宿題となっておりま す。  (3) 移植患者検体の保存についてということです。移植成績と今後の研究に資すると いうことで、移植が行われた臍帯血検体、移植患者の血液につきましては、各臍帯血バ ンクにおいて保存していただくことが必要であるということがまとめられております。  次のページに別紙ということで、臍帯血の情報の共有・管理システムについての (案)ということで基本的な枠組みをまとめてございます。イメージを捕まえるのに資 するのではないかということで載せてございます。  一つはデータベースの規模は、臍帯血が2万件以上保存するわけですから、その情報 が十分管理できるものということで、集中的に管理する端末を置くということです。そ れぞれの情報のやり取りというのは、通信サービスの全国一律料金を利用して構築する ということです。インターネット経由でやる場合にはいろいろと制約がございましたり 問題もあるということでございまして、専用回線を引くというのは経済的にもなかなか 厳しいということで、こういうことでどうかということでございます。  各臍帯血バンクに登録されている臍帯血情報を、定期的に各バンクが管理端末という か、管理の方に送信しまして、それが一括送信されたあと、自動的に管理端末機の中で データベースを一定時期サイクルで更新していく。例えば毎日朝の10時とか11時の時間 は、更新時間ということで、その後また新しいデータが残るという形になります。  臍帯血情報の公開方法として、セキュリティ確保の観点から、検索者のEーmailアド レス、固有の登録番号を用いたシステムとして、Eーmailを登録して、検索ができるよ うにする。検索できる者としては、先程申し上げましたようなバンク、移植機関、相談 窓口、その他専門医ということになります。  情報のセキュリティ確保と検索までの方法ということで、こちらに書いてございま す。画面として、次のところに例として検索画面というのがございます。基本的に検索 者というのは、ソフトを利用してウェーブサーバーに接続して、Eーmailアドレスを入 れ、向こうからEーmailアドレスを入れたら向こうから登録番号をその都度くださる。 その都度もう一回Eーmailアドレスと登録番号を入れることで、その画面に到達できる というセキュリティシステムになっております。  これの良い点というのは、Eーmailアドレスが向こう側の記録に残りますので、その 方がその画面を開いたということです。全然関係ない人が横から開いたかどうかという 記録はきちんと残るということでございます。その都度登録番号を貰いますので、誰か にその番号を与えて、Eーmailアドレスを教えて、別の方がどんどん使うということで はないということです。まず利用者の記録は全部向こうに残りますので、どういう方が どういうように利用したのかというのは、必要があれば検索できる形になります。  画面にはバンク名とHLA情報と細胞数が出るわけです。これは先程の1番目の検討 ですが、画面上見えるところに予約済みという、いつ予約したのかというのが出るとい う案と、出ないようにして、隠しておくべきではないかという案がございます。  患者情報として、どういう方が予約したのか、一人がダブルブッキングしてないとい うことをチェックするシステムとして、例えば患者さんの生年月日、例えば移植医療機 関名であるとか、移植医名を入れて、これは表の画面には出ないようにして、裏に記録 が全部残るような形になります。ですから同じ医師が幾つも予約した場合に、後でその 記録を見ればそこが分かるような仕組みにはなりますが、一番右端にあります予約済み というのを入れるという意見と、入れないという意見が別れてございます。  2番目です。二次検索についてはこれを見てこれが必要だということであれば、その 登録移植医療機関の主治医が各バンクに連絡をして登録をするということでございま す。  1番目の資料としては以上でございます。 〇斎藤座長  ありがとうございました。何点かご議論いただくことがあると思います。その前に、 部会長の浅野先生あるいは小寺先生何か追加されることはありますか。よろしいです か。では資料1につきまして、2ページのところを開いていただいて数カ所ご検討いた だきたいと思います。最初は予約登録の有無について、公開するべきかということであ ります。この点はいかがでしょうか。  運営部会の議論で、すべきという意見と、すべきでないという意見の代表的な意見を いっていただけますか。どういう理由でしょうか。 〇加藤委員  私自身は多少迷ってはいるのです。どっちにすべきかはなかなか難しいところがある かなと思ってます。各移植病院、あるいは非常に患者さんに近い段階のところで、自分 が欲しいと思った情報を得ようとしたときに、そこに予約済みという項目があることが 何らかの混乱の原因になることがありはしないかという一つの懸念であったわけです。  バンク間では当然これは必要ですので、バンクレベルでは当然その情報が分かるよう にしないといけないと思います。ただ患者さんたちが、そこにあるのに、もう自分は使 えないという思いが発生するようなことがあれば、もう既に予約済みのものは予約が解 除されたらまた復活するという形の方が、むしろ混乱は少ないのではないかと考えたわ けです。 〇斎藤座長  そうしますと、先生のご意見は予約済みの物は画面に出さないということですか。 〇加藤委員  そうです。 〇斎藤座長  予約済みとか済みでないということを出すのではなく、データ自体を出さないという ことですね。 〇加藤委員  使用されてしまったものと同じ扱いにしておいた方がいいのではないか。それで予約 が解除されたら復帰すれば、その方がクリアではないかと考えたわけです。 〇斎藤座長  予約済みで出ていても、食べることができない御馳走があるのと一緒で、あまり意味 がないということですね。 〇青木委員  私もその意見に賛成です。もう一つです。その上の(2)です。二次検索を行う者は、登 録移植医療施設所属の医師となっておりますが、実際には、移植をしない医療機関にか かっている患者さんが、対象とする臍帯血が見つかった時点で、移植ができる医療機関 に転院するというケースが結構ありますので、ここは移植医療施設だけではなく、患者 を抱える医療機関というふうにした方がいいのではないでしょうか。 〇斎藤座長  その問題は大変に重要ですので本日御議論いただきますが、まず予約済みのものをど うするのかをお決めいただきたいと思います。 〇陽田委員  僕も今ちょっと頭の中で整理ついてないのですが、キープの期間は3か月と決まって ますよね。この3か月のキープの期間を再延長というか、あるいは再登録を認めるかど うかということとも関わってくると思います。予約の後ろに、またその最初の予約の方 が使わなかった場合は、うちで使いたいという、予約を入れられるようにするためには 画面上に表しておかないとできないのですよね。そこまでやれるようにしておいてあげ た方が親切かなとも思うのです。 〇斎藤座長  要するに順番を待つわけですね。 〇有田委員  沢山の患者さんから私の方にもお問い合わせいただきまして、その時、患者さんたち が一番不安というか、一番何を求めているのかというのは、自分に合うタイプの細胞が あるのかないのか、どこにあるのかということなんです。自分の持っている情報を参考 にして主治医の先生に相談するときの、一つの材料として知るということがとても大切 です。それを知っていることで精神的にもとても助かるということがあるのではないか というのを、いまずーと考えてました。  予約済みであっても使える可能性があるのであれば、順番待ちで使えるかも知れない という情報を提供してあげるというのは、そっちの方がいいのではないかと考えてま す。 〇西平委員  これについてはこの前の専門技術部会ではあまり議論にならなかったと思います。後 からの意見として求められて、それに対する返事であると思います。予約ということを つけるとかつけないとかね。前の会議ではそれは一応この画面のままということになっ ていたのです。改めて聞かれますと、加藤先生がおっしゃったように、僕も予約済みと はっきり出ているのは、あまり好ましくないというか、僕もあまり良くないのではない かと思ってここに表示するのは反対と思っているのです。  というのは、先生がさっきおっしゃったように、自分に合ったのがあるのに、予約済 みというのは患者さんにとっても受持ちにとっても非常にストレスだと思います。もし それが毎日データが更新されてやった場合に、何かのコンサートの予約のように、あな たが早くやらなかったから取られてしまったとか、そういうトラブルの種にもなるのか なと思いますから、そういうもし予約であれば、その予約したものはそのサーチから一 時的に外しておく、それが一番正しいと思うのです。  実際に我々のバンクもそうしているのです。移植予定でそれが実際に移植に使われる までは、それは検索から外すとしています。それの方が僕はいろいろ主治医と患者さん の軋轢というか、そういうものを除くという観点からもいいのではないかと思っていま す。 〇迫田委員  質問させていただきたいと思います。現実問題として、予約をして使わないという可 能性というのはどのくらいあるものでしょうか。半分なのか、8割なのか、1割くらい なのか。始まってみないとわからないと思いますが、ただどのくらいのものになりそう でしょうか。 〇西平委員  安全のために移植にいけるかも知れない。例えば白血病の場合、今は治療中だけども 寛解に到達するかどうかは分からないが、一端予約しておきましょうということになり ますと、かなり数が増えてくるわけです。条件というのは予備検索ですから、判定委員 とかにはまだ来ませんね。だから患者さんがどういう状態かというのは、本当に移植に 適しているのかどうかというのは、各バンクの人はわからないわけです。そこでポンと 予約してしまえば、相当の数になってしまう恐れはある。すると使えなくなる、実際に は使わないのに予約だけはまずやっておきましょうというのが、相当増えてくる可能性 はあるというのは僕の想像です。 〇陽田委員  ここに書いてあることを読みますと、二次検索で予約登録できるのは、移植医療施設 の医師となっているわけです。だから取り合えず予約しておきましょうという、適応に ならないのに予約するというのはあり得ないことですね。  あとは、部会の方で早い者勝ちで良いのかという議論があったのです。主治医の先生 方は予約済みというのが出ていて、順番待ちができる方が楽ではないかと思うのです。 使われなかった場合、ある日突然復活してくるのではその時にまた早い者勝ちで、「主 治医が早く登録してくれなかったから予約ができなかった」ということがないのではな いかと思うのです。予約の年月日が表示されていれば、その3か月後には使うか使わな いかの結論が出てくるわけですから、それ以前に順番待ちの予約ができた方が主治医の 方は楽なのではないでしょうか。 〇浅野委員  予約という問題、そこから疑問を投げかけてみたいです。予約というのは非常に誤解 を招くということがあると思います。先程も出ましたように、一端登録したら外すとい うのは、予約ではないのです。ちょっと分かりにくいかも知れませんがね。先程もあり ましたが、かなりはっきりした段階で、申込みという形になると思うのです。現実には ね。だから予約をするという意味が、今、西平先生がいわれたように、幾つもかけて分 からないからとにかく先に取っておくという感じにはならないシステムをこしらえない と、臍帯血の良さはちっとも出てこないのです。それを考えていただきたい。  それから予約という言葉が出てきて、今これはかなり問題になってくると思いますが 3か月間画面に出ている場合に、その間に欲しい方で今直ぐに使いたい、その間の予約 の3か月の間、オープンになったということであれは、非常なショックを患者さんは受 けます。もし使えなく、それが戻ってきた場合にはね。  さっきの問題と非常に厳密にカップルすると思うのです。これは避けてほしいと思い ます。ですから予約は申込みという概念で捕らえて、絶対に画面に出さないでいただき たい。そうでないと、これは上手く動かないと思います。 〇斎藤座長  すると加藤委員・西平委員と同じような意見ですね。 〇有田委員  予約という言葉がどこの時点で出てきたのか、私は凄くショックなんです。専門部会 に委ねていたのに、予約という言葉が出てきた。お医者さんは患者さんの医療を選ぶ時 に、移植というのは死ぬか生きるかの瀬戸際のところで選んでくるわけです。移植とい うのは、私はそういうものであると思っていたのです。そこで取り合えず押さえておこ うという形で、患者さんの死ぬか生きるかの、50%50%を選ぶとき、医療を選ぶもので しょうか。そういう先生がいるのであれば、考え直さないといけないかなと思っている のです。予約という言葉が出てきた背景を知りたいです。 〇陽田委員  予約という言葉の良し悪しは別として、これは臍帯血だけではなく、骨髄バンクとの 関係を考える必要があると思います。患者さんの選択の方法としては、骨髄バンクとの 同時検索ということもありますから、こちらで予約しておいて、例えば骨髄バンクの方 が時間的に完全マッチのものがいけるということになったときに、こちらをキャンセル するということもあるはずだと思うのです。そういう選択肢があってこそ、患者にとっ ては良いことですので、そこをあまり厳密にいってしまうと、造血細胞移植全体のシス テムとしてどうかと思います。  あとは、ここでは期間が最長3か月となっているのですが、それ以上はもう認めない ということですね。更新についてはここには何も書かれてませんよね。その辺のルール はきちんと決めないと、一端裏に隠れてしまう場合は、更新、更新、更新ということが あり得ると、公平という原則から困ると思います。先程のお話のように画面から消すの であれば、更新できるかどうかのルールをきちんと確立しないと不味いのではないかと 思います。 〇小寺委員  こういう議論が出るとは思っておりませんでした。骨髄バンクであろうと、臍帯血バ ンクであろうと、適合骨髄なり臍帯血が見つかったら、速やかに移植を行うというのが 大原則であって、それを崩すとバンクの事業は成り立たないと思います。 〇浅野委員  先程、臍帯血バンクの良さを出すということを言いましたが、多くの場合、小寺先生 が言われたように、臍帯血バンクは今の段階では少なくとも今の段階では、このときに やらないと間に合わないという人が殆どだと思うのです。だから厳密な申込みを要求し ておかないといけないし、また同時にそれは骨髄バンクの方に対して、大きな障害を与 えるものではない。  ですから今言われた問題に関しては、僕は申込みでも予約でも言葉の問題ですからど っちでもいいのですが、ただ厳密性を要求してほしい、この段階ではね。ですから、こ れは将来的にどう動くか考えて、その時点でまたもし問題が起こったら考え直していた だきたい。今は少なくとも画面に出すわけではないし、予約という形で曖昧な表現をす るべきではないだろう、申込みという形で、小寺さんが言われたように適応がある人が 申し込むようにしていただきたいと思います。 〇有田委員  臍帯血の良さというのは直ぐに移植できるということが一つありました。ではこの3 か月という期間を置くというのが出てきたというのは、どういうことでしょうか。例え ば、15日とか1か月ということでは駄目だったのでしょうか。 〇加藤委員  医療現場の現実として、15日で移植をしてくださいと言われても、それは出来ないこ とが大多数なわけです。ですから、3か月というのはある意味で、現在の医療の現場の 現状を考えて、それくらいが妥当であろう、また骨髄バンクでの留保期間が3か月であ るということに歩調を合わせることがいいのではないかということで出てきたもので す。ですから3か月以内であれば、それは構わないわけです。 〇斎藤座長  そういうことでご理解いただくとして、予約あるいは申込されたものは画面に出さな いとするわけですね。 〇伊藤局長  これは臓器移植一般に共通する大原則だと思うのです。今回臍帯血移植の場合、同じ 状態のレシピエントがいた場合に、どっちを優先させるのかという問題に既決すると思 います。いろいろとご検討の結果、病状によってそれを区別できないということであれ ば、仮に複数のリシピエントがいた場合に、早く登録というか、早く意思表示した人を 優先するということであれば、その原則を崩さないようなやり方を担保していただくと いうことは、一番の基本の原則ではないかと思います。その点だけは是非お願いしてお きたいと思います。 〇迫田委員  取り合えずのところで皆さんがそういう結論であればそれでいいと思います。例えば 半年とか1年後に見直す、つまり申込みをした人の8割くらいがそれを移植に使ってい たというのであれば、私は裏に隠れて構わないと思いますが、これが使用されているの が半分以下とか、その辺の数字は別ですが、非常に少ないという現状がある場合には、 これは明らかに予約済みとか申込み済みということを表示するべきであろうと思いま す。動かしてみて、ある短い期間で検討するということにしていただければと思いま す。 〇斎藤座長  そうですね。この報告にも最初のところに適宜見直されるべきということが明記して おりますので、そのようになると思います。 〇古市委員  今伊藤さんがいった件ですが、この間の脳死移植の場合に、順番を間違えて、2番目 の人の方に通知がいってしまって、後からお詫びしたということがありました。という ことは、どの人がいいのかということを判定するグループがあったわけでしょう。今度 この場合にどうなるのかは分からないのですが、それから考えると、病状によって判断 できないから先着順である、本当にそうなのかという気はするのです。  例えば、今日予約した人より、翌日申し込んできた人の方が病状からみてもっと切迫 してやらないといけない状況にあるというのはあり得るのではないかということで、単 純に先着順でいいのかという気はするのです。そこはいかがなものでしょうか。 〇斎藤座長  その点は技術専門部会でも随分議論になって、今古市委員が言われたのと同じご意見 の方もおられたようです。結局は、誰が決めるのか、早く決められるのかということで やむを得ないのではないかと、私は聞いております。ちょっと小寺委員あるいは浅野委 員御意見をお願いします。 〇浅野委員  病期あるいはそういう価値観というのは、どの方の病状によって決まるわけではない 背景が全部違いますから、個々のベースで考えていかないといけないということがござ います。この場合には臍帯血バンクの成績というのは、まだ分かってない状況ももう一 つ考えないといけない。結局は、例えば今検討しろ、判定しないといけないという理論 の背景に何があるのかというと、何を決めるのかという場合に、この背景は恐らく成績 が良いからという決め方になるだろうと思うのです。これもまだ、臍帯血バンクに関し てはわからない、確実のことはいえません。  それで成績がいいから決める、でも成績が例えば20%と50%の成績であったとすると その20%の命の価値というのは、誰が比較するのか、50%の命とね。その辺が分からな くなるだろう、今の状況ではね。恐らくこれからの医療もそういう方向性で、個々の ベースで考えていかないといけないと思う。これは非常に難しい議論であると思うので す。一度これを医者の判定に任した場合には、患者さんにとっては苦しい形になるので はないかということです。  もう一点大事なことがあります。この場合臓器移植とは違います。全く違います。そ の点も考えていただきたいと思います。要するに検体を幾つも集めて保存していけば、 チャンスはいくらでも巡ってきます。例えばこれは5万検体まで、あるいは2万検体か ら5万までいけば、それからHLAを越えますから、幾つかの適応サンプルが出てきま す。むしろ問題なのは3か月間の最初の立ち上げの時期に、3か月間申込み期間を置く かどうかが問題です。僕は次に議論しようと思ったのです。そちらの方が問題になって くるのではないかと思ってます。これと関連があるのでちょっといっておきます。 〇古市委員  皆さんの疑問もそこにあると思います。先生がおっしゃるように、同じような条件で 切羽詰まったところで皆がやるので、それには先着順以外にはないのだ。それはわかる のです。いまここに、予約とか3か月とか、割合とのんびりした話が出てきた印象を受 けて、3か月間も待って、その結果要らないと言われるくらいなら、後1か月以内にし ないといけない人はどうなるか、そうなると先着順でいいのかという話が起こってきた のです。3か月間というのに皆は引っ掛かっているのではないかと思うのです。 〇陽田委員  これは移植医療機関のベッドの問題や無菌室の問題で、直ぐにはやりたくてもできな い患者さんの場合、何ヵ月後に移植できるという予定日から逆上って3か月前に臍帯血 の予約を入れるという形になるのでしょう。これでいけば。そうですね。そうした予定 を組んでも患者さんの状態によっては、移植を延期しないといけない状況も有り得るこ とですよね。その辺のことを考えると、3か月が最長ということでプツンと切ってしま って、延長できないのは、非常に辛いのではないかと思うのですがいかがですか。画面 から消して水面下の情報にしてしまった場合に、3ヶ月以上経ったものが隠れていない かどうか、どうチェックするのでしょうか。ここのところはきちんとルールを作ってお かないと、公平という原則に合わないことが生じるのではないかと思います。 〇斎藤座長  いま画面に出すかどうかについては、出さないという意見が多いと思うのです。3か 月という数字が適当であるかどうか、1か月がいいのか2か月がいいのかというのは、 議論をしだすと切りがないのですが、とりあえずある程度の結論がいると思います。 〇浅野委員  今のお話ですが、やると決まってから、僕はさっき申込みと予約の違いといいました が、やると決まってからで申し込んだら3か月もいらないのですね。かなりストリクト な申込書も必要だし、やるということに対する考え方が、しっかりしたものが出てくる だろうと思うのです。  申込みを3か月、予約期間を3か月といった場合に、何を3か月なのか、恐らくDN Aタイプのことを考えているのではないかと思うのです。実際にやるという予定がたっ て、申し込んだら、このシステムというのは直ぐに見つかるわけです。恐らくですね。 するとDNAタイプの問題で、欲しいとドクターが要求した場合に、その期間には例え ば1週間かかるとか、せいぜい長くても1週間くらいのものだろうから、それを知った 上でやりたいのか、今の段階は知っていても意味がないから、すぐやるのかという問題 にひっかかってくるので、難しくなってくるなと思ったのです。それを出すとね。それ は間違いでしょうか。 〇山本補佐  事務局の説明が悪かったのかなと思います。実は技術部会では一回この予約済を画面 に載せるということでコンクルージョンを得たのですが、最後のこのまとめの文章を見 ていただくのに、各先生方にお送りしましたら、今の疑問が提出されて、実はその意味 で技術部会に出る時間がなく、本日、私が拙速な説明をしました。  先生からいただいた議論を簡単にまとめますと、各先生方それぞれの意見いろいろあ りました。1点目、公開するべき、つまり予約済みというか、申込み済みでもいいので すが、申込み済みというのを画面に出した方がいいという先生方のご意見としては、一 つは骨髄移植との両方をかけるということがあるのではないかという考え方だったので す。これは骨髄移植についてドナーリクルート、コーディネーションに3か月から6か 月かかる、本当に移植をしたいと思っても臍帯血のHLA型と骨髄移植と非常に近い方 があった場合の両方をオプションとして用意できる。これは患者にとっても良いことな ので、これはあるのかなというのです。  一つは陽田委員がおっしゃったように、申し込んだ後に、次にまた待てるということ で見えるということと、もう一つは申し込んで3か月たったがもうちょっと待ってねと か、後1週間待ってくれないかということが勝手に行われないように、非常に明確にど の臍帯血が申し込まれて、どの臍帯血が使われなかったということが、表舞台に綺麗に 残るということがございます。ただ記録は全部後ろに残りますので、後で連絡協議会の 中でもう一回見て、追田委員がおっしゃったように、どのくらい実際に使われたのかど うかという議論はできるのです。それが画面の中で表舞台に出るということと、透明性 があるということとか、非常にシステムがわかりやすいということでの賛成意見がござ いました。  反対の方は今までの議論があったように、これは実は一部の委員の先生から寄せられ たのは、1日違いで、先生どうして予約してくれなかったのかとか、あれはあるのに私 が使えないということが、非常にストレスになったりするのではないかとか、実際に患 者さんの中にいろいろな期待を抱かせたり、いろいろな不安を抱かせたりするので、か えって医療現場でそぐわないのではないか、だから当面の間、予約した場合には画面か ら落として、記録だけを後ろにきちんと残すということで、それを後でレビューしよう という2点のご意見です。  後から出された意見で、今回問題提起したものですから、もう一回事務局としては、 技術部会では予約済みも画面に載せるということで終わってましたので、もう一度そこ を確認して、ここの検討会で変えるのであれば、それは結構であると思います。 〇斎藤座長  技術部会の議論をここで全部蒸し返すのも時間が勿体ないと思います。今の点で、浅 野先生どうしましょうか。申込み済みを載せるのか載せないのか。 〇浅野委員  記録にどう残っているのかどうか知りませんが、これはかなり問題を残した状況であ ったから、これは確定したと思ってませんでした。皆さんそうではないですか。載せる ということの議論はあまりしなかった、その前の議論がさきにたったと思います。僕の 間違いだったかな。僕は少なくとも終始その発言をしてきたので、自分が受け入れられ なかったから文句をいっているわけではないと思います。 〇小寺委員  予約という言葉ではなくて、旗を立てるという言葉で言われていたと思います。実際 に印を付けて、それを表画面に残すのか、裏に隠すのかということについては、正確に は確定してなかったと思います。そうしたシステムを取り入れることには一長一短があ るとおもいます。  ちょっとだけ先程のことに戻ります。私としては、浅野先生がよくまとめて下さった し、古市先生もまとめてくださってそれでいいと思うのですが、何度もいいますように 移植そのものが、骨髄であろうと臍帯血であろうと、基本的には緊急性があって、それ でなければ治らないという人のみが申し込むということをしないと、同時に見つかった らすぐにやるという原則を守らないと、極めて不味いことになるので、それだけはちょ っと気をつけていただきたいということです。 〇斎藤座長  実際に移植をやられる先生方のご意見は、画面に出さない方がストレスが少ない、あ るいはフラストレーションが少ないというご意見と伺ってますが。 〇迫田委員  結果的にですが、予約というか申込みというか、その基準というか、どういう状態の 場合に予約というのが可能であるかということを、本当は考えておいておいた方がいい ということはないでしょうか。つまり今直ぐに移植を考えてなくても、自分の型が同じ だから先に予約という形で、一度旗を立てたら、全部裏に隠れてしまうということにな ると非常に不味い事態になると思います。 〇加藤委員  浅野先生も小寺先生もおっしゃったように、この点についてはあまり明確に技術部会 で詰めていなかったと私も思います。今の議論で幾つかの問題点が明らかになってまい りました。例えば陽田委員がおっしゃったように、複数の臍帯血の中からDNAまで見 て一番良いものを選びたいというご希望の方があるときに、その期間としてどのくらい は認めよう、そこで最終的でこの臍帯血が、私たちは使いますと宣言されたら、そこの 時点で消えるとかの形でのルールを、今日の議論を参考にして作っていくというような そういう合意が得られれば、今の話はおおよそ決着がつくのではないかと思います。 〇陽田委員  画面からある時点で消すということについては、結構だと思います。その場合には最 長3か月というのは厳密に守らないといけませんね。しかも、患者さんの状態によって は3か月でどうも移植できそうにないというときに、臍帯血を取り合えず移植医療機関 にもらっておいて、結果的に使わなかったということが安易に度々行われると困ります ので、そうしたことがないように、ある意味でのペナルティを考えておくとかして、他 の患者さんに迷惑がかかるということがないようにしていただきたいと思います。 〇古市委員  そうしますと、受け付けたときのどの程度の実現性というか、緊急性があるのかとい う形は、皆さんがバンクで判断できるような基準を作っておかないといけないのかなと 思います。  私は連休が来るので確実にいけるようになったから宿に申し込んだら、全部押さえら れているわけです。あとちょっと待ったら確実に空きますと言われますが、非常に不安 ですね。早めに押さえておかないといけないということですが、私の場合には確実に空 くそうです。それと同じように受け付けるときに、ある程度のしっかりした形をやって おかないとデコボコになるという印象を受けました。 〇斎藤座長  皆さんが心配されていることは同じようなことですね。 〇有田委員  臍帯血を移植するという、バンクから病院に送りますよね。それは1週間もあればき ちんと遅れるわけですよね。するとなぜ返すという状況が起こるのかということを少し 教えてほしいです。 〇斎藤座長  わかりました。でもちょっと待ってくださいね。順番に数点整理したいので、その議 論は後で必ずやります。  今申込みあるいは予約の問題が出ましたが、それについて先程青木委員から質問があ りました。誰が二次検索を行うことができるかということで、ここには登録移植医療施 設所属の医師となっておりますが、それをもう少し広げて主治医ということにしたらど うかというご意見ですが、いかがでしょうか。技術専門部会ではどうですか。それも多 分議論されたと思いますが。 〇原委員  それは登録移植医療機関にしていただきたいと思います。といいますのは、移植のス ケジュールが決まるのは大体2か月とか3か月先なんです。そうでないと無菌室などが 確保できないわけです。それを主治医が登録しますと、それはいつするか分からないと いうことになりますね。そうなりますと3か月という申し込みからの予約期間を守って 移植することは非常に難しいと思います。今度はその予約期間を変更せざるを得ない様 な状況が生まれてくると思います。ですから移植予定が決まってから登録するというこ とに仁科医と混乱する治思います。その意味で、移植センターと相談せずに主治医自身 が登録するとこの期間は動かさずるを得ないと思います。即ち、主治医の意志で登録す ると移植予定を立てていない物ですから、それから移植計画を作るとなると3ヶ月では 足りないと思います。 その辺をよく考えて、この文章を私どもは作ったと思っております。 〇青木委員  なぜ私がそういう提案をしたのかと申します。我々のところで今まで供給したのが8 人あります。その内の4人がずーと移植医療機関でなくて、移植医療機関以外の医療機 関で骨髄バンクの登録をして待っていた。やっと臍帯血で見つかった。だから移植医療 機関をそれから探して転院したわけです。例えば神戸でもお届けしたのがありますね。  違う専門病院にいて移植ができない、それで大学病院に移して移植したというケース があります。  だから8人のうちの4人があったものを見つけてから移植できる医療機関に移ってい るわけです。ですから移植医療機関に限ってしまうと、まず先に患者さんを移植医療機 関に入れないといけないということになりますね。 〇加藤委員  今二つ混乱があるように感じましたので申します。二次検索と登録とごっちになった のだと思います。青木委員がおっしゃったのは二次検索をするのはこの登録医療機関だ けでないところの主治医の方々もできるように、しかし登録は必ず登録病院から登録と いうという区分けではないかと思います。 〇浅野委員  先程も僕は予約とか申込みとか登録とか言葉が3つ出てきてしまっているから、これ をしっかりしておかないと非常に困る。概念が少しづつ違うのですよね。僕は基本的に は主治医であったら、移植機関と連絡を取りながら、移植がいつからいつまでの間に行 うというのは決まってしまうと思うのです。ですから、さっきのストリクトに申込みを していただきたいというのは、申込みに安易にならないようにしていただきたい。さっ き小寺先生がいわれたようにそれがどうしても必要であるということです。  その時におよそ何日から何日までの間に移植する予定です。それに合わせて治療する わけです。そしてもしあればやるわけです。治療に乗っかっていくわけです。それで合 わせてできる、2〜3日、あるいは1週間のずれはできるかも知れない。だから3か月 でなくてもいいのではないですか、そういうものではないのではないですか、予約する のとは申込みは違うのではないですかということです。  もう一つ、後から3か月たってというのは、僕はむしろDNAのタイピングを希望す る人がいて、むしろそちらの方は何ヵ月まで予約が可能かという形で、加藤さんが言わ れたのですが、それに関しては最低にしていただきたい。最長ではなく最短にしていだ きたい。それは恐らくDNAタイピングに必要な期間だけにしていただきたい。それは なぜかというとDNAタイピングをやりたという人は沢山いるだろうから、それが絶対 に必要かどうかについては問題があると思うので私は議論を避けたのです。ですからそ れだけの期間にしたらどうかと思ったのです。いかがでしょうか。 〇斎藤座長  これは今指摘されましたように、二次検索を行う者というのと、予約あるいは申込み 登録を誰がするのかという点はクリアではないので、これはクリアにしておく必要があ りますね。 〇朝浦室長  今、確認をしたのですが、予約登録は二次検索後に行うという整理で議論を詰めてい ただきたいとおもっております。 〇斎藤座長  そうですね。二次検索後に誰が行うのかというのを今議論していると思います。 〇原委員  私が先程からいっていますのは、別に主治医でもいいのですが、それは移植センター のスケジュールを聞いた後で、確認した後で了解をもらってやっていただくということ ですね。それがないと3か月という保障はどうしてもできないわけです。その点を確認 していただかないと、主治医がするとかではなく、移植センターの予定が決まらないと こっちは決まらないということですので、その辺を頭にいれて議論していただくと有り 難いと思います。 〇山本補佐  事務局からまず予約というのか申込みというか登録というのか、どの言葉でも結構で すので決めていただいて、浅野先生の申込みというお言葉でも結構ですが、それを決め ていただいた上で議論していただければと思います。 〇斎藤座長  では申込みにしましょう。申込みのときには主治医と、今の原委員からご意見があり ましたように、登録移植医療施設とよく相談の上に申込みをして登録をするということ でよろしいでしょうか。 〇山本補佐  特段に異論はないのですが、二次検索をする人は、移植施設ではない人にということ については理解できるのですが、申込みをする者というのは移植施設の先生がスケジ ュールをしてやるのか、移植施設と相談した主治医たるものがやるのかということです が、現実的には移植施設が移植内のスタッフとかいろいろな人と相談して、この日の前 後にやりましょうといなる。移植施設としてもその患者さんの状態を当然知らないとい けないし、本当に移植適応かということもあるので、素直に患者と移植施設の主治医が 申込みは行うということかと思います。 〇斎藤座長  そうですね。青木委員よろしいでしょうか。  あとはこの3か月がどうかというのを議論するときりがないので、ひとまずこれは技 術専門部会の案ですので、3か月ということにさせていただきたいと思います。勿論、 一人の患者さんが一つだけ申込み登録できるということで、他の医師はそれについては できない。先程有田委員からご意見がありました一端搬送された臍帯血が、使用されな かった場合、速やかに返却ということが書いてありますが、これはどのくらいの頻度で 起こるのでしょうかね。実際にシッピングした後でできなかったというのは。 〇加藤委員  現実に私たちの施設でおこりました。あるバンクから提供していただいた臍帯血で移 植をする過程で、前処置を開始した後に、患者さんの状態が急変されまして亡くなられ て、結局移植にこぎつけられませんでした。これは移植医療ではそう多くはございませ んが、必ず起こることです。その%はどのくらいかと言われれば、それは一桁の%以内 だろうと思います。 〇青木委員  私どもは8例しか提供しておりませんが、そういうケースはありません。ですから患 者さんが移植前にお亡くなりになる以外は返ってくることはないはずです。 〇西平委員  我々の場合は、今までのことと一致するかどうかわかりませんが、我々の経験では今 まで30回出して、その内2回は運んだが移植は行われなかったというのがあります。そ れは先程加藤先生がいったように、運んだけれど前処置中に患者さんが急変して亡くな ったという状態です。 〇斎藤座長  1割以下で稀には起こるので、その時は返却する。しかしそれを新たに移植に用いて はならないということでよろしいでしょうか。そうしますと、ほぼ主な点をご議論いた だいたのですが、最終的に画面に申込み登録したものは、載せないということでよろし いのでしょうか。 〇青木委員  最初は載せないで、その状況が見えた時点でもう一度連絡協議会で議論をして、あま り問題がないとなれば載せるというふうにしたらよろしいのではないでしょうか。 〇斎藤座長  載せないときに、陽田委員からご意見がありましたように、同じ人が再申込みができ るかどうかという点はどうしますか。3か月過ぎて、新たに出すわけになりますね。 〇山本補佐  合わせて延長可能かどうかということですね。一人がずーとキープして、3か月3か 月では困るので、そこもクリアにしていただければいいです。もう一点です。事務局の 案でございますか、いずれにしてもどの医師が、どういう生年月日・年齢の方が申し込 んで、実際に移植が行われたとか行われなかったというのは、きちんと全部過去に逆上 ってみれますので、そういうものを見て、追田委員がおっしゃるように、あまりにも前 申込みが多いようであれば、それは検討するということでもいいと思います。延長の問 題と今の点だけクリアにしていただきたいと思います。  延長ができないとなったときの、陽田委員がおっしゃたように、確かに画面に出てこ ないと再予約はしようがないというか、2番手としての予約は殆ど不可能ということに なろうかと思います。 〇斎藤座長  したがって、同じ人がもう一回再予約できるかどうかですね。その人は知っているわ けだから、出た途端にまた速やかに申込することはできるわけですよね。 〇西平委員  申込みの場合は、またそのバンクに直接相談しないといけないわけですよね。主治医 とか移植医療医がこれを欲しいといったら、それをハイといってそのまま渡すわけでは ないので、そのバンクの、それを保管しているバンクの判定委員が判断してからいいで しょうということになるので、そうしたら同じのがまた来たら、そのバンクにはすぐに わかるわけです。延長であるということがね。そうしたら、その時点でもう一度、その 主治医なり移植医に確かめてから、再延長するかどうかを、判定委員が決めればいい、 各地区バンクの判定委員が決めればいいのではないかと思います。 〇陽田委員  これはできるだけそういう恣意的なものが入り込まないシステムにすることが、非常 に大事だと思います。ですからコンピューターのシステムで、3か月たったら、その時 点で使われてないなら、理由の如何に係わらず、自動的にデータが復活するということ にしておかないと、不味いと思います。  同じ患者さんが再申込みをする場合には、その時点から例えば1か月とか、おいた後 であれば再申込みはできるといったルール作りが大事だと思います。消すのであれば ね。 〇浅野委員  先程申込みという言葉に統一されましたから申し上げます。申込書はかなり厳密にな ると思います。いつ頃やりますとか、全部書かないといけなくなると思います。先程ペ ナルティの話が出ましたが、それが実際に行われなかった場合に、滅多にはないと思い ますが不慮の形でしかないと思いますが、そういうことであればペナルティを設けるべ きであるという形で、かなり疑惑というよりも、申込みでやれば安易の申込みがなくな るであろうし、ペナルティを設けていくのであれば、先程の移植時期も大体わかった形 でしか申し込めないという形で当然出でくるわけですので、それは一端引きましょう、 その上でもしそれでどうしてもなかったら戻すという形になる。そしていつ搬送という ものも当然指定してくるわけです。恐らくいつ頃搬送してくださいとね。そういう申込 みになると思います。だからかなりイメージが変わってくるのではないですか。 〇斎藤座長  主治医・移植医が良識をもって登録していただくということです。それで一応今日決 めておきたいのですが、1週間たったら再申込みができるのか、というのは決めておい た方がいいですね。具体的に決めておく必要はないのですが、ある期間をおかないと、 直ぐにでもできるなら、その人が一番早いですよね。知っているわけですからね。 〇小寺委員  それでいいと思うのですが、性善説を取るのか性悪説を取るのかの問題になるわけで す。切羽詰まった患者さんで、一日遅れで一月待たないといけないということもあり得 るわけですから。ですから結局この辺になると各論の問題になるので、中央で判定をす る、中央に客観的に判定することの出来る委員会を、緊急な場合とか、例外的なものに 対しては、設けておいた方がいいのではないか。あまり機械的にはやれないところもあ るのではないでしょうか。 〇斎藤座長  細かい各論になると、なかなかいろいろな可能性を想定するときりがないので、取り 合えず再申込みはできるが、少し期間を置いてからというようなところでよろしいでし ょうか。ありがとうございました。そうしますと、一応、この技術専門部会のご報告を 今のようなことでご了承いただきまして、議題の2に行きたいと思います。 〇原委員  私は臍帯血バンクをある程度やっておりまして、この文章の中で一つあります。3 ページの一番下です。各臍帯血バンクにおいて保管しておくことと書いてあるのですが これは期限が書いてないのですが、何時まででも保管しておけということでしょうか。 当面はスタートして考えてもいいのですが。 〇斎藤座長  これは今何年間とかあるいは中央に回収して保存するとか、いずれ決めることになる と思います。浅野先生、この検体の保管期間はどうするのですか。 〇陽田委員  確認です。二次検索、ここに登録移植医療施設所属の医師となっているのですが、こ れは先程の議論で二次検索は主治医でもできるということですね。そういうことになっ たのですね。それと予備検索ですが、あまりここは議論されなかったのですが、協議会 及び患者団体、相談窓口及び学会、専門医、認定医、となっていますが、この学会、専 門医、認定医というところがよく分からないのです。学会会、専門医、認定医でない主 治医というのはいるのですよね。その方々は予備検索はできないのですか。 〇斎藤座長  学会にも色々あって、造血細胞移植学会あるいは日本血液学会とか臨床血液学会とか ありますよね。だから少し漠然とこの辺は書いてあると思うのです。 〇陽田委員  わざと漠然と書いてあるのでしょうか。(笑い)ここの予備検索のところは、国民誰 もがというところまでは必要はないと思うのですが、患者さんを見ている主治医であれ ば広く予備検索ができるとしていただきたいというのがあるのです。  もう一つです。2ページの下の方に、見直されるべきであるとか、調整されなければ ならないと書いてあるのですが、この辺は誰がという主語が入ってないのです。この辺 のところを事務局にお聞きしたいのです。 〇斎藤座長  これは共同事業が始まりますのでそこでだと思います。当然、協議会でしょうか。 〇山本補佐  検討会のこの席でもずーと申し上げておりますように、協議会が実働しだしたところ では、この臍帯血移植に係わる基本的なことについては、協議会で決めていくというこ とですから、今の陽田委員がおっしゃったように、例えば基準書とか事業指針等は協議 会でということになるでしょうし、調整されなければならないというのは、協議会の中 に中央評価委員会等を置くことになっておりますので、現時点での言葉を使えば、中央 評価委員会(仮称)ということになろうかと思います。 〇加藤委員  私の先程の発言に正確性を欠いておりましたので訂正させていただきます。一次検索 は主治医でもできる。二次検索の定義はここにあまり書いてなかったものですから、D NAタイピングとかを求める形での二次検索になると、これは登録医療機関からしか受 け付けない方が混乱が少ないと思いますので、原先生がおっしゃった形で、この原文通 りの方が間違いがないと思います。私自身の認識が間違っていたので訂正させていただ きます。 〇斎藤座長  ただ先程の話で二次の検索は主治医でもできる、当然移植医と相談の上ということに しておけばよろしいのではないでしょうか。しかし申込みは移植医療機関の人でないと できないということにしておけばね。 〇加藤委員  この二次検索は単に画面で見るだけではなく、かなり細かな技術的なやり取りがはじ まるわけですから、その意味で申込みというのは、そのやりとりの後で確定をすると考 えますと、最初から登録医療機関に限っておかないと、それは更に混乱が起きると思い ますので、その意味です。 〇斎藤座長  ですから飽くまで主治医と相談の上ということでよろしいでしょうか。 〇小寺委員  一次と二次検索の申込みの整理をしておいた方がいいと思います。一次検索というの は、これは有るか無いかを見るということですね。二次検索になると今度はバンク名が わかりますので、使うということを前提にして、臍帯血のクオリティとか、DNAタイ ピングとか、感染症の再チェックとか、ということになると思います。但、実際には、 感染の恐れのある、クオリティーの保障されたものが登録されているわけですから臍帯 血で二次検索というのは、これはDNAタイピングしかないということになりますね。  それを従来の主治医にやってもらうか、移植をするところでやるのかということにな ると思います。 〇有田委員  そうしたら移植を出来る施設に入院している患者さんの方がより有利ということにな るのでしょうか。 〇斎藤座長  いえ入院はしてなくてもいいと思います。そこと相談してやればいいわけですから、 その時点で入院している必要はないと思います。 〇有田委員  移植医療機関に入院している患者さんと同じような対応を保障されるわけですね。 〇斎藤座長  そうです。原先生そうですね。 〇小寺委員  患者さんは主治医病院にいらしてもいいと思うのです。ただ登録は、移植施設の責任 医師、登録主治医の連名でやるというのが良いと思います。 〇斎藤座長  そうですね。そういう運営の仕方ということでよろしいでしょうか。  では議題の2の連絡協議会の組織、事務局の役割についてです。これは昨年の夏の本 検討会の中間まとめに沿って、事務局でイメージの図、資料2ですが、あるいはメン バーの素案、日赤に置くことになっている事務局の役割の案が出ております。資料の 2・3・4です。簡単に説明してください。 〇山本補佐  お手元の資料の2でございます。中間まとめには協議会の関係として、まず協議会に ついては関係者(臍帯血バンク関係者以外のものを含む)によって、総合企画部門、事 業実施部門、評価審査部門等からなる臍帯血バンク協議会を設置するという形でこの場 でお決めいただきました。それに基づきまして臍帯血バンク協議会のイメージというこ とで、総会、総合的に大事なことを決める場面、その下に会長、副会長、会計監査等を 行う監事等がいて、この中間まとめによりますと、事業運営を行う部門と、評価をおこ なう部門ということで、事業運営委員会、事業評価委員会等が置かれることになりま す。  実際には、総会だけで物を決めるというのは難しいので、実務的な問題として事務局 というのを置き、その事務局というのは日本赤十字社に置くということになってますが その事務局の中に事務局運営会議のようなものを設けて、会長の下に総会で決めた方針 等に基づいて、実際には事業を行っていくということで、厚生省もオブザーバーとして 出席してはどうかという考え方です。  この連絡協議会の外に第三者評価機関を置くということも書いてございますので、こ れについても各共同事業に係る外部評価と、各臍帯血バンクの評価というのを第三者で も行う組織でございます。  次のページの資料3です。臍帯血バンク連絡協議会(仮称)のメンバーの選考という か、入る立場としては、一つは全て、今回共同事業に参画する地域臍帯血バンクの代表 ということになります。関係する団体ということで、この委員会でも入っていだいてお ります日本医師会とか、母性保護産婦人科医会とか看護協会の方、バンク以外の有識者 ということで、造血幹細胞移植に係る医学的な専門家とか法律の専門家、それから支 援・ボランティアの方、報道関係者等が入る協議会という考え方でございます。  資料の4にはずーと議論になっておりました、事務局が一体何をするのかということ です。事務局というのは基本的には、バンクの運営の中身なりあり方を決めていく場で はありませんで、決まったものをきちんと事務的に運営していくという立場でございま す。以下、事務局が分担するであろう事務というので、事務局の考えた案を書いてござ います。 一つは共同事業全体については、各種会合、いろいろな委員会ですとかを設 置し、会場を設営し、スケジュールを調整するということがありましょう。第三者評価 を行うということであれば、そちらとの連絡調整、報告書の関係の受領等を行う必要が あると思います。財政的には国庫補助を受け入れていただきますし、これは国の補助金 ですので、指示に基づいて配分して、この会計管理等をやっていただく。  各種関係の連絡協議会の会合の議事録ですとか、いろいろな書類についても保管管理 していただく。これは事業運営専門部会の方で議論になりました損害賠償保険に関して ですが、これはもし団体で加入するとすれば、それのとりまとめということになりま す。  個別の事業です。一つは共同事業はこういうことをやるのだとうのは、中間まとめで まとめていただきました。それが左に書いてございます。右の方が事務局の役割です。  まず保存臍帯血に係る情報の共有体制の整備と、共有・管理・公開ということで、こ れはコンピューター会社にソフトの開発等をお願いした場合の契約事務であるとか、シ ステム端末のデータについての維持管理、これについてはここで随分議論しましたが、 医療内容に係わることではなくて、一般的に臍帯血バンクとはどこにありますか等の問 い合わせは受ける。  移植医療機関の登録に関する事務ということで、登録の基準等は協議会で決めるわけ ですが、その受付事務等を行う。  臍帯血の採取・分離・保存の標準化については、各種基準書や文書が作られた場合に は、それをバンクに送付するというようなこと、各臍帯血バンクの運営状況、品質管理 安全評価等につきましても、主には現地調査に係る事務ということで、スケジュール調 整等を行うということでございます。  治療成績・事業評価に関しても、基本的には協議会の方で中身をやるわけですが、そ の会議の設営等がございます。  提供児のフォローアップについては、これはバンクが責任をもって行うということで すから、特段ないだろう。  各種共同研究、厚生科学研究等の研究もあるわけですが、これは研究の範囲というこ とで特にないということがございます。  会員相互の連絡調整については、例えば臍帯血移植に係る厚生省からの通知等が出た 場合は、会長の確認の上で各バンクに送付する。関係機関等の連絡調整についても、厚 生省との連絡調整の窓口になっていただくということです。  国際協力、その他の事業、啓発・普及等は今後検討していくということです。例えば 連絡協議会全体として何か啓発・普及パンフレットを作ろうということになれば、ここ が窓口になるのかなということです。事務的な作業に限局した形で、明確にまとめてご ざいます。以上でございます。 〇斎藤座長  ご意見いかがでしょうか。 〇加藤委員  印象として事務局のなさる仕事はそう多くないというか、随分とコンパクトになるの だなという印象を受けました。もう少し皆がそこに集まっていろいろと共同でやってい く作業なのかと理解しておりました。少しイメージが違うのかという感じがいたしま す。 〇斎藤座長  ですから事務局は事務手続きとかスケジュールの調整とかを書いてあって、共同作業 は全然ここには書いてないのですね。 〇加藤委員  わかりました。それで11番目の普及広報に係わる事務の中で、その他ということなの で沢山入り得るのだと思うのですが、一つ、書き入れていただきたいのです。ビデオの 作成というものを、各バンクが一つずつ作るのは大変な作業です。妊婦さんたちに見て いただくのに、ビデオというのは非常に有力な手段になるので、ここには印刷・製本と しか書いてないので、ビデオの作成等というものを少し含めておいていただくと、表現 として後であったとかなかったとかという議論が起こらないのではないかと思います。 〇朝浦室長  事務局からです。予算上はパンフレットということで要求しておりまして、恐らくな かったのかなという記憶です。今担当がいないのですが、ここで即座に入れますという ことにはならないと思います。そこは検討させていただきます。 〇浅野委員  一つ質問したいのです。2の(5) です。臍帯血の移植の治療成績と書いてあるので す。確認したいのですが、移植後の資料の収集、それからその解析・評価、これは私は できれば学術的なものですし、構成面もかなり変わってきてしまうので、これは学会の 方で是非やるようなシステムにしていただきた。これは明記していただけないか。そう していただいて、それも当然公開をする。要求に応じて直ちに出す義務があるというの は、学会の方に課せればいいのであって、そこを明確にしておかないと、組織母体がこ れを入れると入れないによって全然変わってきてしまいます。これは明確にしておいた 方がいいのではないでしょうか。  資料の収集という面でお手伝いするという問題とはまた違うから、これを学術的な解 析までいれるのかどうかは明確にしておいてほしいです。 〇加藤委員  この点については浅野先生と度々ご議論してきたわけです。この臍帯血移植というの は、まだまだ初期的な段階の中では、学会での解析を時々刻々とやっていくのは、なか なか難しいのではないかと思うわけです。それで当然学会の評価も受けないといけませ んので、学会と協力して行うというような表現で、この組織自体も責任をもっていかな いと、やりっぱなしということにならないように、これはあるべきだと思います。 〇浅野委員  加藤先生がいっておられるように、評価の非常に難しい時期だから、臍帯血バンクが やらないといけない。そうではなく、評価が難しいからこそ、他の移植との比較もある から、しっかりと学会でやらないといけない。二つ別れると思います。ですからそれを 僕は学術的と表現したのです。ですからこれは学会に何としてでもやるような文面があ れば、先生が言われる心配はなくなるということです。これからの方向性として、そう あるべきではないかということです。 〇山本補佐  あまり加藤先生と浅野先生の意見には矛盾はないかと思います。今までを決めた技術 指針、基準書に明記しております。例えば移植を受けた患者さんに対して、その患者さ んがどういう疾病であって、その後の血液の状態はどうであるのか、ご存命でいらっし ゃるのか、残念ながらという結果なのかということも含めて、今後はその後をフォロー して、そのデータはバンクは必ず責任をもって集めるということになっておりますので 連絡協議会としても、その基本的なデータのとりまとめと公表はやっていく。  ただ、学会もより詳しい学術的な分析をおやりになるのは、勿論やっていただかない といけないのですが、浅野先生が学会と協力してとおっしゃったのは、例えば移植学会 例えば臓器の移植学会ですと、臓器を斡旋しているところでデータをきちんとしてい る。何で移植が行われて、結果がどうであったのかということをとりまとめ、例えば学 会として年に一回詳細な分析をしたいときに、学会だけで移植医に依頼をしないで協力 してやっていくということは、今後十分協議会として考えられると思います。  学会がどうであれ、連絡協議会としては基本的なデータを集め、公表するという考え 方なので、それはこの協議会がやる事項として明確にしたということだと思います。 〇斎藤座長  浅野先生、今言われているのは大変に重要なことで、評価が大事なので、この組織図 にも第三者評価というのがありますね。外部のね。それが学会になると思うのです。で すから内部と外部と両方の評価をするということが必要なわけです。ここは協議会とし てデータを集めるという意味だと思います。第三者評価というのは学会にお願いしてや るならやるということになってくると思います。 〇高橋委員  共同事業の中に2番目の個別の共同事業というイメージをご説明いただけませんでし ょうか。 〇山本補佐  失礼しました。日本語が若干適切でなかったかも知れません。1の方の共同事業全体 という意味が、どういうことをやるにしろ、会議は必要だし、事務は財政の事務はいる しということで、こういう会議をセットしたり会計管理等については、上にまとめてご ざいます。  共同事業として具体的にやる内容としては、(1) から(11)まで上がっておりますので その意味でございます。それぞれの例えばカテゴリーに分けると、それについてはとい うことです。 〇斎藤座長  今のに戻って議論します。浅野先生、この組織図の中に事業評価委員会というのがあ りますね。共同事業に関する内部評価及び各臍帯血バンクの評価、ここのところに関す る事務はこの(5) で会合に関するいろいろなスケジュールの調整とかが書いてあると思 うのです。先生が言われた客観的な第三者の評価というのは、外側の右の方にある第三 者評価機関で、学会、造血移植学会などの学会にお願いしてやると思います。 〇浅野委員  さっきの2の(5) というのは移植成績ですよ。ですからちょっと違うのです。 〇斎藤座長  ただそれは切り離せないでしょう。臍帯血バンクの事業とね。 〇朝浦室長  事務局からご説明します。治療成績の評価の業務を協議会で行うことになっておりま して、このフローの中では事業運営委員会の一つの業務として行うことになるのだろう と思います。学会等においては、また別の立場で、それぞれ独立して、評価成績の評価 をされるというのは、当然のことであろうと思いますが、それで協議会の評価と学会の 評価をいかに連携をとってやっていくのかというところだろうと思います。それは協議 会の運営を考える中で、具体的に考えていけばいいのではないかと思っております。 〇浅野委員  そこをはっきりさせていただきたい、というのは、評価のときに、他の移植との比較 が重要だからです。それが第一点です。第二点目はこれによって、全然この連絡協議会 にかかる費用とか体制は全然変わるのです。正確にやればね。コンピューターのシステ ムも変わってくるのです。だからむしろ学会は積極的にこれに対して門戸を開いてやっ ているのだから、公開性もやってきているわけだから、データシステム、統計システム も作ってきているわけだから、これに依頼して速やかに提出を求めた方が、より客観的 なデータが得られるのではないでしょうか。この負担も小さくなって、バンクそのもの の運営に対して、保存・採取の問題に対してかなりはっきりする。勿論、結果はそれを 得てやることができるのではないでしょうかという、システムはできないものでしょう かというお願いです。それは駄目でしょうか。全部それはバンクでやるのですか。 〇小寺委員  具体的に言えば成績に関する報告書を作成する。連続されて移植の症例が全て登録さ れているかどうかをチェックするという操作というのは、かりに報告をおこたれば、今 後臍帯血をあげないという力をもっているバンクがやっていっていいと思うのですが、 問題は返ってきた症例をコンピューターに入れるとか解析をするというのは、結構エネ ルギーがいるのです。これをバンクでやろうとすると、それだけの一つのセクションが いるということになるので、造血細胞移植学会がありますから、ここへ委託をすればい いのではないかと思います。 〇斎藤座長  浅野先生のご意見と同じですね。 〇小寺委員  ですから技術上の問題であって、これは別に厚生省の考えとバンクの考えとは何も矛 盾はしないのです。あるものを上手く使わないと損であるということです。 〇斎藤座長  今の浅野委員、小寺委員のご意見のような方向でよろしいでしょうか。ありがとうご ざいました。その他にはいかがでしょうか。 〇陽田委員  3〜4点あります。まずマスコミに対する窓口が事務局になるのか、あるいは運営委 員会の方になるのか、その辺がよく分からないということです。組織のイメージ図で、 会長副会長監事というのが一括りになっておりますが、監事は独立した場所、会長と副 会長と反対側のところに線を引いておかないといけないのかなと思っております。  あとは、会計責任者というか出納責任者というか、その辺がこれは事務局の中に置く のかどうか、あるいは運営委員会の方で責任を持つのかです。  最後にここは非常に大事なところです。仕組みが良くても人事が上手くいかないと動 かないということがあります。仕組みと人と両方上手く揃って、こういうものが上手く 動きます。人事を行う見識が非常に問われろところでありまして、ここにメンバー選考 の考え方というふうに書いてありますが、前のイメージ図の総会と事務局と委員会と幾 つかに別れておりますが、例えば総会のところで、こういうメンバーの中からあまり偉 い雲の上の人だけ集めてしまうと、結局は、委任状で殆ど出席しない総会になってしま うということがあります。その辺は十分に注意していただきたい。総会は年に何回やる イメージになるのか分かりませんが、ここが最終的な責任を持つのだということを認識 していただきたいと思います。  例えばこの有識者のところからの選定については、例えば委員の何%は公募で選ぶと か、人事のオープン化というかルールをきちんと決めていただきたい。こいった類いの 人事というのは水面下でわけのわからないところで行われるということがままあります ので、念のため申し上げておきます。 〇山本補佐  事務局からです。一つはマスコミ対応です。ずーと話がありました日本赤十字社に置 く事務局というのは、基本的には事務をおこなうので、そこで意思判断等を行わないと いうことを、散々ここで言われておりましたので、大きくマスコミに対応する必要があ るとすれば会長が行うか、もしくは各バンクの代表者のどこか関係するところが行うか 連絡協議会で行うということになろうかと思います。  日本赤十字社に置く事務局というのは、事務的な問い合わせに答えるだけということ になろうかと思います。  今度、出納の話です。どういうふうに予算を使って、どういう考え方でやっていくの かというのは、総会もしくは各委員会で決めていくわけですが、実際にそれを旅費をき ったり、出したりということについては、事務局長が会長なり連絡協議会での意思決定 に基づいて、実際にはお金を出したり入れたりということはしないといけませんから、 それは事務局長が行うということになろうかと思います。事務局が行うということで す。  ただ事務局のところに事務局運営会議というのがございます。日々の事業を具体的に は進めていかないといけないわけですから、これについてはそれをサポートする体制で 会長が主催し、その他会長が指名する各事務局員によって構成していく事務局運営会議 があり、それが総会もしくは各委員会で決められた方針に従って、日々の事業を運営し ていくということになろうかと思います。  総会の人事については、これから各連絡協議会で決めていただくわけですが、少なく とも全ての地域臍帯血バンクの代表とか、各団体の方々は少なくとも欠席ばかりして委 任状ということはなく、主体的に参画していただけるものと存じますし、それは事業運 営ガイドラインの中にも、各バンクは共同事業にも主体的に参加するということが明記 してあります。その他の有識者について、どのように選ぶのかということは今後の検討 かなと存じます。以上です。 〇古市委員  概ねいろいろな皆さん方のご意見でまとまりつつあろうかと思いますが、この線でい けば非常にいいなと思います。ちょっと危惧してますのは、根っこは臍帯血からの採取 から始まりますから、そうすると母親であり、直接採取してくださる産婦人科のお医者 さん方です。そこからスタートする。しかし今までの議論を聞いてますと、いろいろと 各移植をする学会とか、その後のことがずーと議論されてますが、この会全体でそうい う現場でどんどん広がってやってくださる人達の協議というか、その場がどこで保障さ れるのかという気がちょっとしてます。  それはそれぞれのバンクがその指定した採取の医療機関と繋がっているだけで、先生 方はお互いに情報をどう交換したり、どういうボランティアの組織をもっているのかと いう場が、この中のどこかにある方がいいのではないか。これは小池先生と西平先生か 中林先生の分野であると思うのですが、そこだけが気になっているということでありま す。 〇斎藤座長  今の古市委員のご意見も大変重要なので、どこかにはっきりと見えるようにするとい うことですね。 〇古市委員  ええ、この事業運営委員会なりどこかに共同のところに、先生方の全国のいろいろな 状況の情報交換したり、改善したり、規約を作ったりということができる場がいるので はないかということです。 〇加藤委員  この検討会ではあまりきちんと検討されなかったことの一つで非常に気になっている ことがございます。これに参加する組織及び臍帯血バンクを行っていい事業体の認可の あり方です。例えばある会社が、これはビジネスとして成立するとお考えになられて、 この協議会とは別の場でそのような事業を開始したいとお考えになったとき、それを認 めるのか禁止するのか、そういうことがあまり議論されてこなかったのではないか。  この連絡協議会のメンバー選考の云々のところの(1) は、全ての地域臍帯血バンクの 代表と書いてございます。この全てというのは、そういう人達も含めるのか、あるいは そういう人達は含めないのか、今後のあり方に係わると思いますので確認したく思いま す。 〇山本補佐  この点は若干は議論があったと思います。一つは現行の法体系の中で、民間企業がこ の臍帯血に係わる事業を行うことを法的に規制する枠組みは現在はございません。ただ しこの連絡協議会に入って全国ネットを作っていくバンクとしての基準として、非営利 性というのが最初にうたわれておりますので、当然営利の団体については、今の中間ま とめに沿えば、この共同事業には参画できないということになります。  非営利の場合、例えば安全性、供給実績、技術力、財政力、組織、その他の基準を満 たせば、当然それは基準を全て満たせば、この共同事業に参画できるということです。 〇加藤委員  参加したくないというところについてはどうですか。 〇山本補佐  そういうところも特段に何も定められてないということです。だからそういうことも ある可能性はあるということです。禁止はできないということです。  他の臓器移植の場合、心臓とか肺とかの臓器のことをおっしゃるのであれば、斡旋業 の許可は法律で出してますので、斡旋する者が第三者であって、その斡旋業の許可をも らった人しか斡旋はできませんので、その意味で心臓・肺移植、角膜移植等がございま すが、骨髄移植などは特段の法的な枠組みがない中で、今は骨髄移植推進財団がやって くださっているということですので、臍帯血移植も加藤先生がご懸念の幾つかの動きが 聞こえてこないわけではないのですが、それは入りたくないというのを入れとも言えな いというのが現状でございます。 〇青木委員  将来を考えた場合に、恐らく民間で営利企業が始める可能性というのはあるわけです ね。だから今の時点で非営利でやるということを、法律的にきちんと作る必要があるの ではないか。営利企業が始めてしまってからでは作りにくいという部分がありますから 造血幹細胞の移植法か何かをきちんと作っておくべきではないかと思います。 〇有田委員  営利目的で何かをやるときは、そういう人達は厚生省の偉い人達と組んで、コソコソ と何かをはじめるということがあるわけでしょう。だからその辺のところをきちんとす ればいいのではないですか。今までだって全部そうじゃないですか。 〇斎藤座長  では組織あるいは事務局の役割についてはどうでしょうか。 〇浅野委員  陽田さんがさっき言われたことは非常に重要だと思うのです。それは何からの形でや っておいた方がいい、僕は一つの手としては、メンバーの中に任期を入れるとか、会議 そのものを全部公開にするとか、はっきりやってしまったらどうですか。全てそれを最 初から明記しておかないと、また何か起こるという感じになりますので、そういうふう にしておいたらどうでしょうか。こういうのは不味いのでしょうか。 〇山本補佐  任期については皆さんの連絡協議会で決めていくことですので、その中で決めて、そ ういうことがリーズナブルかなと思います。公開については原則公開ということは問題 はないと思いますが、移植成績の評価になりますと、どういうものを集めるのかという こともでてきます。それもまた連絡協議会の中で、理念としては皆さんは共通している と思いますので議論していけばいいかなと思います。 〇斎藤座長  ありがとうございました。では議題の3のその他です。参考資料が二つあります。そ れをまず説明して、その後加藤委員お願いします。 〇山本補佐  参考資料の1は非血縁間での臍帯血移植患者数について、これは小寺先生がまとめて くださったものですので、お譲りした方がいいと思います。  参考資料の2は中間まとめの抜粋で、今日の議論に資すればと思いまして付けたこと ですので特段の説明はありません。小寺先生か加藤先生お願いしたいと思います。 〇加藤委員  では小寺班として月例の集計をしていたものの、今年の3月31日段階での成績です。 これまでこの検討会にも、患者さんの一覧というのがずーと出てまいりましたが、いよ いよ数が多くなってまいりまして、93人の患者さんに対して実際に非血縁者間の臍帯血 移植が行われるようになりました。93人の方々全てを列記するのは、あまり意味がない と思いまして集計したものだけをここに掲げております。  事務局にファックスでお送りしたものですので読み取りにくいと思いますが簡単に説 明させていただきます。  まず疾患で見てまいります。左側の腫瘍性疾患、白血病その他でございます。そちら が71人の方々です。病名の略号は3枚目にそれぞれ書いてございますのでご確認くださ い。右側に非腫瘍性疾患22人の患者さんに対して行われております。ここで一言だけ簡 単に申し上げておきます。腫瘍性疾患での成績は私たちが期待していたほぼその通り、 あるいはもう少し良いかも知れないという印象を受けております。非腫瘍性疾患につい ては生着不全等がございますので、今後適応を考えていく際、あるいは移植の方法を考 えていく際に注意するべきことがあるかも知れないと思っております。  2番目の患者さんの年齢分布です。ご覧になりますように殆どが16歳以下の小児の患 者さんたちです。16歳は成人と見なす場合もございますが。右側に19・25・27と44歳ま での患者さんたちが少しずつ年齢の上限が上に移りつつあるというふうな、これも進歩 あるいは変化の一つかと思います。  3番目、次のページです。体重の分布です。これも小児の患者さんが多いということ で多くの患者さんたちは30キロ以下のところに位置しているわけです。しかし50キロを 越える患者さんたちも3人移植をうけておられます。体重が分からない方もおられま す。記載がないところもありますので不明が3人おられますが、このように少しずつ臍 帯血移植も変わりつつあるということ、この検討会で議論をしてきた1年の間でさえ、 このように変わってきたと考えます。  最後の4番目です。これは実は今日議論すべきかなと思っていたことです。HLAの 適合度です。6/6 を0、5/6 を1、4/6 を2というふうに、これは血清型のレベルでの 不適合数です。全体としてそこにありますように4、70、19というふうな分布になってお ります。この中で2抗原ミスマッチの移植が既に約2割行われているという現実がござ います。今後の共同事業として5/6 または6/6 一致を原則として1年前にスタートした わけですが、これをどの時点で見直すべきかということも議論していかないといけない 時点に既になっているのではないかと考えます。以上です。 〇斎藤座長  ありがとうございました。加藤先生この2抗原ミスマッチ16例ありますよね。今まで のところの成績はどうでしょうか。まだ判定できませんか。 〇加藤委員  これは原先生が検討なさいましたので、原先生の方にお伺いするのがいいと思います が、一言でいうと1抗原あるいは0ミスマッチに比べれば、やや劣るが、惨憺たる成績 ではないと私は理解しましたが、先生それでよろしいでしょうか。 〇斎藤座長  他に何かご質問あるいはコメントはありますでしょうか。 〇迫田委員  疾患は基準書にある疾患でしょうか。それともそれ以外のものも入ってますか。全部 基準書にある疾患でしょうか。 〇加藤委員  全部そういうものであると思いますが、基準書そのものが、全ての疾患を隅まで網羅 したものではなく「等」という表現に準じるものが含まれておりますので、その意味で はこの基準書通りです。 〇有田委員  今のご議論に関してです。二つ合わない場合、今、公的バンクの共同事業の中ではし ないとなっているのですか。 〇西平委員  基準書は一応、5/6 までというふうになってます。ただし4/6 をやる場合には検討し て提供するかどうかを決めるということになっているのですが、基準書にはだから場合 によっては可能であると書いてあるのです。でも先程の検索の方法を見ると5/6 しか出 てこないわけです。ですから、その辺が加藤先生が言いましたが、その辺が今後問題に なる、さらに4/6 まで検索できるようなシステムにするのかどうかということは、早急 に結論を出さないといけない。もしそれが当面は5/6 までだということになりますと、 4/6 でも遣りたいという患者さんは、各バンクに今までと同じように一々問い合わせな いといけないということになるのです。だからその辺は非常に大きな問題になる。  例えばアメリカの場合には4/6 の方がむしろ臍帯血の移植の患者数としては多いので す。5/6 よりも4/6 の方がニューヨークの臍帯血バンクですが、多いです。成績は5/6 も4/6 もあまり変わりないということになってます。それをこのバンクの日本の場合に はどうするのかというのは非常に大きな問題になると思います。 〇有田委員  そしたらそれを何とか早く決めてほしいと思います。 〇山本補佐  技術指針の方だけご紹介します。技術指針としては原則としてHLA型の完全一致、 血清学的なHLA型の完全一致、及び一座不1致の臍帯血を利用する。ただし、2座以 上の不一致の臍帯血を用いる場合は、各バンク、これは地域バンクということになりま したが、地域のバンクがもつ判定委員会の承認を得ることとするとなっております。当 然この技術指針についても、適宜改定されるものとするとなっておりますので、今後シ ステムを変えるのであればということです。少なくともHLA2座不一致を使えないと いうシステムにはなってません。判定委員会の承認を得れば使えると技術指針では定め られてます。 〇浅野委員  技術指針から随分時間がたっていろいろなデータも出てまいりました。一番大事なこ とは私は思うのですが、これは前から指摘しているのですが、国際化の対応がどうてし もある。日本の方に関しては1ローカルしか渡せない、その度にディスカッションしな いといけない。しかしアメリカはそれはちゃんとしていて、アメリカにはストップして 一々検討会にかけますと言われたら国際性を全く失ってしまいますから、その辺のとこ ろもファクトの動きとか、その辺のところをちゃんと見て即座に対応していく。今の時 点では2ローカルミスを認めるべきだという形になっていると思いますので、これにも 対応した方がいいのではないですかね。 〇斎藤座長  ありがとうございました。共同事業がいよいよ始まりますので、その中で今日ご提案 いただいたようないろいろな具体的な点も含めて早急に検討されていくと思います。今 日は技術的な事項についての検討部会案をお認めいただきました。また連絡協議会の組 織あるいは事務局の役割についても一応ご了承いただいたということで、いよいよやっ と生まれるという段階にまでなりました。これからが大変だと思いますのでよろしくご 協力お願いします。ありがとうございました。 〇陽田委員  将来的なことになるのかも知れませんが、この事業の政策的、戦略的な問題になると 思います。同じHLAタイプのものを沢山集めても、デッドストックのみが増えていく ということになりかねません。2万件に至るどの時点になるのか分かりませんが、HL Aタイプや細胞数とかで、保存するかしないかを決めるということは可能でしょうか。 細胞数は可能ですか。 〇有田委員  終わってから蒸し返してごめんなさい。共同事業に参加するバンクは現地調査が入っ たと聞いたのですが、その結果はどうなっているのですか。 〇朝浦室長  今現地調査をやっておりまして、大体2/3 程度終わっております。あと1/3 を早急に 現地調査しまして、今後作業を進めていきたいと考えております。 〇有田委員  そうすれば、いつくらいから動きだすのですか。 〇朝浦室長  今後のスケジュールということだと思います。事務局として考えておりますのは、今 日はある程度の共同事業の具体的な中身、事務局の内容についてご了解いただきました ので、それを踏まえて厚生省としての予算の考え方を早々にお示ししたいと思います。 つまり、国庫補助はどういうところに、どういう内容で、交付するのかという考え方を 早急にお示しして、それに基づいて国庫補助要綱の案をお示しをして、それに基づいて 正式に各バンクの方から申請をいただくという形を取りたいと思っております。  できれば5月の中旬くらいには、参加するバンクを選定できればありがたいと思って おりまして、それを踏まえて協議会の設立準備というものに取りかかっていきたい、そ ういう目論見というか、頭でいるのです。  いずれにしても我々としても、できるだけ努力をしたいと思いますのでよろしくお願 いします。 〇小池委員  新設を申し出ている血液バンク、臍帯血のバンクが幾つかあるように思いますが、チ ャンスを公平に与えて、ある一定の基準でしっかりチェックをしていただくということ が必要で、公平の機会が失われないように、また厳正な審査が失われないように、その 2面から要望しておきます。 〇斎藤座長  ありがとうございました。その他にご意見はいかがでしょうか。 〇有田委員  そうしたら動きだす時期は分からないということですね。4月かなと思ってましたか ら、そのつもりでずーと広報していたので私はちょっと困っているのです。 〇朝浦室長  国庫補助対象となる臍帯血バンクが決まらないと、その後の作業もできませんし、協 議会の立ち上げにももう少し準備の時間が必要かなと思います。できるだけ早い時期に 立ち上がりができるように、作業を進めたいと思っております。これは厚生省の準備作 業もありますが、皆様方もご協力お願いします。 〇斎藤座長  ありがとうございました。           −終了− 問い合わせ先  厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当  山本(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03−3503−1711