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医療保険福祉審議会 第46回制度企画部会議事要旨


1.日時及び場所

平成11年4月9日(金)16:00〜18:00
厚生省別館8階共用第23会議室

2.出席した委員等

金平、井形、糸氏、塩野谷、高木、高秀、堀田、南、若杉の各委員
岡本、鳴神専門委員

3.議題

(1) 診療報酬体系の見直しについて
(2) その他

4.審議の概要

1)はじめに、事務局から、「診療報酬体系のあり方について(たたき台)」の朗読があり、その後、発言及び質疑応答が行われたが、その概要は以下のとおりである。

(南委員)

○ 全体として患者主体の視点を明確にしていることや、保険者の役割を強化することが強調されていることなど、評価できることが多いが、気づいた点がいくつかあり、取り入れていただきたい。
○ 一つは、前回の素案で出ていたチーム医療という言葉が、今回のたたき台では姿を変えてしまっている。医療従事者という表現もあるので、チーム医療の考え方は反映されていると思うが、医療サービスはチームで行っているということがどこかでもう少し強調されるべきである。
○ また、予防を強化していくという視点は大切だが、具体的な内容としては、生活習慣病の場合、運動療法、運動指導だけが書かれている。予防については、生活全般を整えていくこと、すなわち生活指導・生活相談ということが大きな役割を果たす。また、短時間診療で患者さんの不満が多いことの一つとして、どういう療養生活をすれば良いか、日常生活をどのように整えていったら良いかという相談ができないことがある。そうした意味でも、予防の視点として、生活指導・生活相談ということを入れるべき。
○ 入院の適正化に向けた施策を強化するということが強調され、入院期間の問題と在宅医療の問題がきちんと書かれていることは評価できるが、退院に向けた指導というものが大きな役割を果たしており、必要である。また、長期入院の是正において大きなインパクトを与える医療従事者の数と質の問題を入れて欲しい。
○ 看護の必要量に応じた評価体系ということがきちんと書かれていることは評価する。どんどん加算されるのではないかという懸念もあるようだが、それを食い止める施策もあり得るということが書かれているので、そういうことを考慮しながら必要度を加味していくことは大事なことである。
○ 包括化の推進に関して、治癒までのプロセスがほぼ定型化している病気の場合は積極的に包括化を進められると考える。包括の仕組みを作っていけば、粗診粗療を招きやすいという考え方もあるが、クリニカルパスなどの仕組みを活用しながら計画的に行っていけば良いと思う。その点はすでに記述されており、評価したい。
○ 技術評価の具体的なところになると「医師等」の技術評価となるが、医療はチームで行われ、医師だけが能力が高くても、看護を始めとするコメディカルの力量が低ければ何もできないという部分もあるので、そういうことを加味して欲しい。専門医制度についても同じである。コメディカルもいろいろな制度、仕組みを作っている。「等」というところに含まれているとは思うが、「医師等」と書かれる時は、医師・歯科医師・薬剤師までになってしまうことが多い。

(鳴神専門委員)

○ 作業委員会からの報告については中医協の審議の場に題材として提供していただいて生かしていただきたい。
○ 予防について、小児う蝕だけが取り上げられているが、歯科疾患では、成人後の歯周疾患等を踏まえ、咬合、咀嚼、摂食機能の長期的維持管理が必要ということは、これまで何回も発言してきた。この点について、例えば、「小児う蝕の再発の危険性の高い者に対する再発防止のための技術」というところに「及び咀嚼機能の長期的維持管理技術等」という文言を入れていただきたい。
○ それから、13ページで「病院については質の高い入院機能」とあるが、診療報酬体系は発足当時から医科と歯科とは異なっており、また、病院歯科は入院機能だけでなく高度の医療を提供するという機能も果たしてきたので、その辺について考慮して欲しい。
○ また、「かかりつけ医機能」というところには、かかりつけ歯科医も含まれているのかどうか伺いたい。

(事務局 尾嵜保険局医療課長)

○ かかりつけ歯科医も入っていると考えている。

(高秀委員)

○ 病診連携と医薬分業について、将来課題という形でも構わないが、重要な問題であるので、もっと分かりやすく、極論を言えば柱立てでもして触れておいた方が良いと思う。

(事務局 尾嵜保険局医療課長)

○ 現時点でも、病診連携については、書き込んでいるつもりである。また、医薬分業については、それとの関連で、医療機関の経営の薬価差からの脱却という表現は入れているが、医薬分業の推進という形で直接的には入れていない。

(高秀委員)

○ 病診連携については、書かれてはあるが、柱立てしていないのでわかりにくい。病診連携という本質的な問題について触れておくべきではないか。外国の例を引用しても良いし、あるいは、直ちに実現することは難しいが今後まだ検討する必要があるといった触れ方でも良いと思う。
○ それから、医薬分業の問題は、もし完全に医薬分業がなされれば病院経営の問題としては薬の問題が出てこなくなる。今でも、一部で分業が行われているが、完全なものではなく、将来そこをどう考えていくのか。病院経営という問題に触れるのであれば、医薬分業にも触れておく必要があるのではないか。

(事務局 尾嵜保険局医療課長)

○ 病診連携については、13ページ(3)で「医療機関の機能分担と連携による効率的な医療提供」というところで一つ柱を立てているという考え方である。

(岡本専門委員)

○ 医薬分業についてはもう少し具体的な表現を入れていただければありがたい。
○ 調剤の部分について、診療報酬体系見直し作業委員会ではワーキンググループを設けてかなり検討しているので、作業委員会の報告書は、今後の審議に参考として加えていただきたい。

(堀田委員)

○ 筋の通り方でうなってしまうところがまだある。1ページ目の中段に、「給付と負担の均衡」という理念と「良質かつ適切な医療を効率的に確保する」という理念が並んでいるが、中の方を読むと、「給付と負担の均衡」という理念が後退し、「良質かつ適切な医療を効率的に確保する」という理念の方ばかりでいろいろな問題を議論している。
○ 2点だけ言えば、まず18ページであるが、包括払いと出来高払いの組み合わせについての議論が詰められなかったことは残念であるが、その原因はどういう理念で取り組むかということがもう一つはっきりしなかったためではないか。出来高と包括のメリット・デメリットを指摘した上で、その理念として「こうした、それぞれの特性を踏まえ、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる最善の組み合わせを目指す」となっているが、コスト削減というのは「給付と負担の均衡」という理念から出てくる問題ではないのか。各論になると、冒頭に掲げられた理念のうち「給付と負担の均衡」の理念が消えてしまっているのは、どうしたのか。
○ また、9ページの(1)(1)に「給付の不合理な不均衡の是正」とあり、これはまさに「給付と負担の均衡」という理念である。しかし、その中を見ると、「良質かつ適切な医療の効率的な提供」のために重点化・効率化が必要だとか、世代間の給付と負担の不均衡を是正する必要があるというようになっており、最初の理念が後の理念に従属するような書き方になっている。冒頭のところで2つの理念を並列しながら、後で両者が従属関係になっていたり、一方が消えてしまったりするのは理解しにくい。世代間の給付と負担の不均衡が大きくなると、若年世代の公的医療保険制度に対する信頼を喪失させる可能性が高いという文章自体は分かるが、それが良質かつ効率的な医療の提供とどのように論理的に結びついているのか分かりにくい。

(事務局 尾嵜保険局医療課長)

○ 私自身は、具体的にこうすればというのがすぐ出てこない。具体的に、こういう文章をここに入れればという御指摘をいただければ良いが、御質問の趣旨を十分理解できていないところがある。

(塩野谷委員)

○ 本日の文章はまずは合格点を与えて良いと思うが、その上で、なお意味の不明解、不適切なところなどを6つ指摘したい。
○ 2ページの真ん中あたりで、診療報酬体系を医療の範囲と価格として定義し、国民医療費を決定する上で重要と言っているが、その際の、フリーアクセスとなっているから診療報酬体系の持つ意味は大きいという理屈の付け方は適切でない。患者が自由に医療機関を選択するだけでは、初診料とか再診料ぐらいが決まるだけであって、全体の医療サービスの数量は医療機関が定める。フリーアクセスと並んで、医療機関が原則的に出来高に応じて報酬を受け取るという仕組みがあり、この2つがあるために数量が決まり、数量に価格を掛けることによって国民医療費が決まるということになる。
○ 3ページの最後に、患者のコスト意識という点は診療報酬体系そのものの課題でないとあるが、患者にとっては6千種類の診療行為を知っていても何にもならないわけであって、医者が決定する自己の医療費総計に対して一定の患者負担率をかけてみたところで初めて、患者のコスト意識に結びつくわけである。したがって、決して「診療報酬体系の課題でない」どころではなく、患者負担の問題は、診療報酬体系が患者の医療サービス需要と結びつく接点であるという意味で重要であると言うべき。
○ 3ページ目に「医療を経済性との関係で論じるべきではなく」とあるが、医療を市場に任せるべきではないという視点は我々皆共通に持っていると思うが、医療を経済性との関係で論じるべきでないというのなら、この部会の基礎が存在しない。医療が経済資源を使う限り、医療を経済との関係で論じるのは当たり前であり、経済性を否定するのは無意味なことである。ここは何を言いたいのかに応じて、適切な文章を選んで欲しい。
○ 4ページ目の下から3段落目に、「必要とされる診療行為の価格に一定の配慮を行うことによって、医療サービスの供給拡大の成果をあげてきた」とあるのは、何を言っているのか全く分からない。必要とされる診療行為の価格に配慮を行って値段を付けてきたというのは当たり前であり、不可解である。
○ 15ページ目の真ん中あたりで、大病院外来集中の問題について、「これまで種々の措置を講じてきたが、結果的には成果をあげるに至っていない」とあるが、これは集中を論理的に解決しようとする方法をとらなかったために成果が上がっていないのだと思う。
 病院に行列ができているというのは、需要供給曲線を描いてみれば、交点よりも低いところに価格を設定しているために、需要が供給を超過しているわけである。この超過需要を放置しているのが、待ち時間という形で現れており、これは需要があるのに供給側が知らんぷりをしているという社会主義の経済運営の特徴である。
 15ページ目の最後にある2つの意見のうち2番目のものは、そういう社会主義の非効率の象徴のようなものが良いと言っているわけであり、ナンセンスである。すなわち、確かに患者は待ち時間という機会費用を払っているが、そのお金が医療機関には行かないため、調整機能を持たないわけである。
 需要供給曲線の不均衡がある場合、3つの方法がある。1つは、需要曲線を低い方にシフトさせるという方法、すなわち配給制度によって需要制限を行う方法であるが、これはこのたたき台の中で望ましくないとされている。2番目の方法は、15ページ目の最後にある1番目の意見であり、受給が一致するところまで価格を上げるということである。3つ目の方法は、患者については低い公定価格であっても、医療機関に補助金を与えるという方法、すなわち混雑している病院の診療報酬を高くするという方法である。ところが、入院の方に高い点数をつけ、外来に低い点数をつければ、供給側は入院の方に資源をシフトするため、ますます外来に行列ができるということになるのであり、診療所、外来、入院と傾斜をつけた価格づけが必要であると思う。
○ 6番目は、効率的で良質な医療を確保するというのは資源配分の問題であるが、その前にまず、どこかから持ってきた資源の枠組みがあって、その中で資源を配分するという2段階になると思う。したがって、第1段階の枠組みの問題は、患者負担、保険料、税というものをどのように組み合わせるかという問題であり、差し当たっては診療報酬の問題の枠を越えるかもしれないということで決着をつけたら良いのではないか。したがって、「終わりに」の中で、本審議会が診療報酬体系について議論した際にはなお残した問題があるけれども、それは全体としての医療保険制度改革をする場合に、どこかの関連する文脈の中で、議論すべきであるということを明確にすべき。枠の中、つまり、財源を適切に資源配分する方法と、その枠自体をどう設定するかということを分けて、ここでは枠の設定の問題は議論できなかったけれども、いつか議論するべきだということについて、我々が合意しておくべきである。

(高木委員)

○ 選挙の真っ最中であり、自分はこのたたき台をきちんと全部読めていない。選挙の投票日の2日前に審議会をやるのもちょっとどうかと思う。今日間に合わない分は、別途ペーパーで意見を出させていただきたい。
○ これまでの議論で、我々の認識としては、平成12年4月には、全部とはいかないまでもある部分は改革がスタートするということであったと思う。「終わりに」のところに、この意見書をもとにして中医協で議論していただくに当たって、12年4月から改革が何か始まるということを段取って頂きたいという旨を書く必要が大いにあると思う。

(若杉委員)

○ 15ページの上の方であるが、患者に対して医療機関の情報提供が行われれば、患者選択による医療機関同士の競争が行われ、良質なサービスを合理的な価格で提供する医療機関が栄えて、質の悪いサービスを提供する医療機関が淘汰されていくという効果があるということを明記した方が良い。
○ 18ページの第3段落であるが、これまでの議論では、高齢者医療や慢性期医療について、包括払い制を導入することについては大方の委員で異論がなかったと思う。前回の議事録を見ると、糸氏委員は高齢者医療について、井形委員は慢性期医療について、それぞれ包括払い賛成ということをおっしゃっている。従って、この文章のように包括払いの導入について「段階的に検討する」ということではなく、「導入するべき」ということを、もっと直接的、端的に表現した方が審議会の議論にも沿っているのではないかと思う。
○ 18ページの真ん中の段落であるが、包括払いに限らず出来高払いのもとでも、患者に対する医療の質を確保していくためには、保険者側でも医療内容が適切かどうか十分なチェックができるようにすべきだと思う。このような観点から、診断群別分類を進めることのほか、現在のレセプトの記載方法には非常に問題があり、もっと透明性が高い仕組みとする必要があるということを記述すべきであると思う。

(井形委員)

○ 塩野谷委員の指摘された「医療を経済性との関係で論じるべきではなく」という点について、医療を経済性「のみから」論じるべきでないという意味の表現にすれば良いのではないかと思う。
○ 意見書の提案の中には、将来へ向かって我々がいろいろと苦渋の選択をし、しかもやってみてうまくいくかどうかわからない因子を含んでいるわけだから、最終的にこれがベストだということを結論づけるのではなく、提案されたことを試行してみて、問題が生じた時は柔軟に変えていくというニュアンスを、「終わりに」に付け加えて頂きたい。

(堀田委員)

○ 先ほど具体的に文章をどう直せば良いかと問われたので、起案者に質問したいが、18ページの2段落目に、「それぞれの特性を踏まえ、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる出来高払いと包括払いの最善の組み合わせ」とあるが、ここではコスト削減を言っているにもかかわらず、「給付と負担の均衡」の理念を書かないのは何故か。
○ また、9ページの(1)の(1)の2段落目に、「世代間の給付と負担の不均衡が大きい状態が継続することは、中長期的には、若年世代の公的医療保険制度に対する信頼を喪失させる」とあり、その1段上には「良質かつ適切な医療の効率的な提供を図るためには」とあるが、「給付と負担の不均衡」がどういう論理で「良質かつ適切な医療の効率的な提供」を害することになるのか教えて欲しい。この2点に答えていただくことによって「良質かつ適切な医療の効率的な提供」という言葉の意味がはっきりしてくるのではないかと思う。

(事務局 尾嵜保険局医療課長)

○ 「給付と負担の均衡」というのはマクロ的な言い方であり、「良質かつ適切な医療を効率的に」という言葉は個々の場面での具体的、ミクロ的な部分での整理である。後者の「効率的な」ということの中には、「給付と負担の均衡」も改善していく必要があるという趣旨も入っているものと考えている。

(堀田委員)

○ 「良質な医療」、「適切な医療」、「効率的提供」のどこに入ってくるのか。「効率的な提供」というところか。

(羽毛田保険局長)

○ 端的にお答えすれば「効率的な」というところに入ってくると思う。堀田先生の捉え方では、1ページ目にある「給付と負担の均衡」と、「良質かつ適切な医療の効率的な提供」という命題は、同一次元に並列する命題となっており、それがその後どう受けているかということがきちんとしていなくてはならないという論理だと思う。文章表現自体は当部会の意見書であり、ともかくとしても、考え方としては、両者は同一次元に並んだ2つの命題というより、若干次元を異にした命題であるのではないかと思う。そこをより明確にすべきであるということなら、なかなか難しい問題ではあるが、考えさせていただきたいと思う。

(堀田委員)

○ そうだとすれば、1ページ目では、どのように給付と負担の均衡を図るのか、その中で、どのように良質かつ適切な医療を効率的に確保するのかというようにして、後は「良質かつ適切な医療の効率的提供」の理念一本で問題に対応していけば分かりやすいのではないか。なお、9ページのところの質問についても論理を教えて欲しい。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ ここも若干整理が必要なところがあるかと思う。1ページの直し方と平仄を合わせてもう一度考えてみたいと思う。

(塩野谷委員)

○ 「良質かつ適切な医療の効率的提供」というのは官庁言葉であるが、論理的に言えば、「健康を害したから医療サービスを欲する」、「医療サービスを提供して健康を実現する」という需要と供給の関係があって、この関係が効率的でなければならない。効率性というのは、目的と手段の関係であって、健康という医療の「目的」となるものを考えるべきである。医療機関、患者の両方に無駄の発生原因があり、それをなくすというのが資源配分の問題。質が良いということは、最もうまく、効率的に、安く優れた方法で健康を実現するということだと思う。ヘルスケア(医療)とヘルス(健康)の関係が需要と供給の両側にあると考えるべきである。

(糸氏委員)

○ 今後のスケジュールについて、この後どうするのか、このたたき台にもっと積極的にいろいろと文章を付け加えていって良いのかどうか伺いたい。
○ このたたき台については、具体的なことは中医協との関係があり、皆さんも遠慮されていると思うが、国民が医療保険の抜本改革に期待しているという背景の中で、全部を来年実現するのは無理としても、どういうところを早急にやるべきという方向をもう少しはっきりと示唆しても良いのではないかと思う。
○ 個人的な考えとしては、出来高と包括の問題や、医療技術の評価の新しい方法、特定療養費等による新技術の受け入れの問題、情報提供の問題などがあると思うが、とりあえず可能なものは、2000年に、少しでも是非実現する方向で、中医協で検討するということを要望しても良いのではないか。
○ 底の見えない非常な不況の中で、高齢化は好むと好まざるとにかかわらず確実に進んでいる。医療費財源について、公費も保険料もだめだということになると、患者負担にしわ寄せがくる。患者負担がこれ以上増えてくるとフランスのように民間保険が公的保険を下支えするというようになり、そうなれば、本来の公的保険とは一体何であったのかということになるし、医療の単価はどんどん上がっていくということにもなる。そういう非常に厳しい中にあって、将来の医療費の財源の基盤について、どうするべきか。公的部門はどの程度の役割分担をすべきか。例えば、年金に比べて保険料は上がっていないが、上げても良いのではないかという意見も一方にあるし、患者負担はどこまでが適切なのかなど、そういう基本的な議論が当部会でもっとあっても良かったのではないか。あるいは、今まで議論されてきたことをある程度要約して、もう少しはっきり出すのも一つの方向ではなかったのかという感じがする。
○ いずれにしても、来年介護保険制度がスタートするのだから、やるべきことはやるという前向きの姿勢が必要ではないかと考えている。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ 今後のスケジュールについて、本日御審議いただいた意見書については、事務局としては、来週の金曜日16日にまとめていただければ大変ありがたいと考えている。追加の御意見があれば、事務局の勝手な都合を申し上げれば、来週月曜日中あるいは火曜日の朝一番にいただきたいと思っている。
○ 当部会では、診療報酬体系見直しの大枠について御議論いただいたが、次の段階は中医協で、具体的にどうやって改革を実現していくかを議論していただくことになる。来年度、平成12年度には抜本改革を実施することが求められており、また通例では診療報酬改定が議論される年でもある。中医協で年末にかけて、具体的な議論をいただき、実現できるものから順次実現していくという大まかなスケジュールになるかと思う。

2)次に前回委員から要求があった資料について事務局から説明が行われた。

3)最後に、金平部会長より、本日各委員から出された意見等を踏まえ、事務局でたたき台を修正し、次回は意見書の取りまとめを行いたい旨及び次回は4月16日(金)午後2時より厚生省7階特別第1会議室を予定している旨発言があり、閉会した。


照会先
担当者 老人保健福祉局 企画課 課長補佐 宮本 直樹 内線3917


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