審議会議事録等 HOME

医療保険福祉審議会 老人保健福祉部会・介護給付費部会
第12回合同部会議事要旨


1 日時及び場所

平成11年4月 5日(月) 16時00分から18時00分
厚生省 特別第1会議室

2 出席委員

星野、井形、青柳、加藤、京極、見坊、多田羅、田中、中西、中村、橋本、樋口、堀江、水野、山口の各委員、大林、鶴見、鈴木、高梨、山崎、小島、蒲生の各参考人

3 議題

(1)要介護認定に係る介護認定審査による審査及び判定の基準について
(2)介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について
(3)その他

○ 資料051、052及び追加資料「一次判定における例外処理について」に沿って要介護認定認定等に係る介護認定審査会における審査及び判定の基準について、介護保険制度施行準備室三浦次長より説明。

○ 資料053に沿って、介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針について、老人福祉計画課山崎課長より説明。

○ 資料054、055に沿って、介護療養型医療施設の指定等について及び要介護認定結果の説明について、介護保険制度施行準備室神田次長より説明。

(井形部会長)

 要介護認定基準案について、高齢者サービス体制整備検討委員会での討議の結果を報告する。
 まず、今回の提案は従来より改良されている点を考慮して、大筋としてこの案でよいという結論であった。主な意見としては、二次判定における審査判定が不合理に制約を受けることがないように、十分な説明を行い現場に周知徹底を図るべきであることや、10月からの認定の実施に向け、更に一次判定ソフトの検証を行うべきであること、一次判定上、要支援と自立の区分について、さらにその考え方を整理すべきであること、一次判定における例外的事例の処理について、さらにその妥当性を精査すべきであること、二次判定の指標として、状態像の例の他、現場でのあてはめが容易な指標を検討すべきであること、より長期的課題として、1分間タイムスタディの充実等、継続して検討すべきであることなどであった。

(中村委員)

 介護保険施設の参酌標準は高齢者人口対比で概ね3.4%ということであるがこの数字の根拠を示してほしい。また、この3.4%という数値はどのくらいの幅を考えているのか。
 介護保険は利用者本位であり、利用者に選択権を与えることが大前提だと思う。
 現在核家族化、老老介護等の生活環境上、介護度1や2の方でも施設入所の希望者が多い。3.4%の参酌標準を超えている県でも待機者の多いところがあり3.4%が大命題になると危険性があるのではないか。

(山崎課長)

 平成7年度において想定した施設の利用者見込みが71万人であり、これを11年度ベースの高齢者人口で割ると概ね3.4%となる。この参酌標準の対象年度は平成16年度であるので、平成11年度末の数字をそのまま引き延ばすのはどうか議論のあるところではあるが、在宅重視ということで3.4%とした。この幅についてはあくまで標準であり、各地域の市町村で、合意を形成してもらいたい。

(見坊委員)

 参酌標準について、老人保健計画では地域差はどのようになっているのか。また、待機者を参酌標準の検討の要素に入れているが、特別養護老人ホームの待機者は現在どのくらいいるのか、また地域によって差があるのか。

(山崎課長)

 施設ケア中心の地域や在宅ケア中心の地域等があり、各地域で状況が違っている。今回の参酌標準もあくまでひとつの目安である。待機者については国でも詳しい数字は持ち合わせていない。ただ、待機者にも在宅で待機されている方や他の施設に入所し、特養の待機をしている方がいる。待機者については、施設全体の枠をどう定めるかを考える際に、各地域で調査してもらいたいと考えている。

(樋口委員)

 介護保険施設の指定の申請内容について、例えばどこが申請をしているのかという情報は公開されるのか。介護老人保健施設については今まで医療部門に入っていたのではなかったのか。療養型病床群の介護保険と医療保険の適用の区分はどれくらいになるのか。

(神田次長)

 情報公開については、指定の申請に当たり被保険者の保険料との関係があるのでどういった数の申請が上がっていて、指定をするとどれくらいの保険料になるのか、ということを含めて情報公開をしていく必要がある。個別の施設の申請の場合の範囲については検討する。介護老人保健施設については、介護保険制度により施設の設置の根拠、給付についてもすべて介護保険で取り扱う。療養型病床群の適用の区分については地域によって変わりうる。

 (多田羅委員)
 7つの中間評価項目は、73の質問項目に加え、実際には80の調査項目で判定していると考えてよいのか。樹形モデルの中で、例えば直接生活介助で整容が34.4点未満、身の回りの世話68.7点未満という数字は、その分布の中央値か何かを取っているのか。また、これまでより改良した箇所はどこか。

(三浦次長)

 7つの中間評価項目を含めて80項目を用いて樹形モデルをつくっているということである。中間評価項目による分岐点が例えば34.4点や68.7点となっていることについてはその得点をもって全体を二群に最もうまく分けられる点であることを示している。つまり身の回りの世話が34.4以上の方と未満の方で、介護に要する時間が最も大きく分かれてくる。
 改良した点は中間評価項目を要介護認定基準時間の算出の際に使用している点である。

(加藤委員)

 要介護認定については、今回の内容で良いと思う。
 施設の種類ごとの必要人数の参酌標準である8:7:5に関しては、都道府県が実態調査の中から出してきた22万床という数字を参考にして、7.5:7:5.5ぐらいが妥当なところではないか。介護保険の事業計画は5年ごとに策定することとなっているが、もし3.4%標準とすることになると平成12年度以降の介護施設の議論はいつ頃から始めるのか。特養、老健に関して平成12年度以降の建設計画はないのか。

(神田次長)

 8:7:5の比率については、地域で目標を立てる際の参考である。介護保険の事業計画は5年ごとの計画を3年ごとにローリングをするということであるので、今回は12年度から16年度の目標を立てることになる。16年度の目標を含めて、中間年のそれぞれの施設の入所定員数を計画の中に入れることになる。基本的には高齢者人口が増えていくので、それに応じて増床もあり得る。

(田中委員)

 要介護認定についての統計的な作業で16万人のデータの10分の1を抽出したということであるが、無作為抽出なのか。要介護認定の分類の区分が35分から20分刻みに変わったということであるが、この短くなった意味をよく説明する必要がある。

(三浦次長)

 10分の1の抽出は、在宅、施設別それぞれ10分の1になるように無作為に抽出している。
 また、35分から20分刻みになったことについては、10年度のモデル事業に使ったロジックでは痴呆の方に対して実質的に時間の加算を行っていた。その結果、痴呆については要介護度が高く出るようになったという評価があった一方で、身体的な問題では要介護度4、5というのがほとんど発生せず、身体的な問題で介護が必要となっている方については、相対的に評価が低くなっているという問題の指摘があった。モデル事業の実績を踏まえ今回は推計をやり直し、痴呆のある方もない方もそれぞれ同じ理論に基づき推計を行うこととした。今回の推計で行うと結果的には、痴呆のある方の要介護度というのが、10年度と同じか、あるいはそれよりも若干高くなる。あるいは、身体的な問題のある方については要介護度が高くなる、というような傾向が出ており、そういう意味では、相対的に両者の均衡がとれていると思う。痴呆の方に対する加算を行うというような、人工的な加工を行ったゆえに35分という伸びがあったが、今回これを改めたことにより20分に減ったとご理解いただきたい。

(堀江委員)

 要介護認定の時間の区分について保険財政を含めた総合的な議論がされているのか。中間評価項目の点数を樹形モデルに適用するとのことだが、検証は十分になされているのか。中間評価項目及び7群の設定等については、公表されるのか。在宅、施設別の要介護度分布が示されているが、経過措置後の在宅、施設の関係はどうなるのか。状態像の例は各10ということであるがこれ以上示さないのか。

(星野部会長)

 要介護認定の時間の区分の理論については、事務方が委員のところに説明にいくこととする。

(井形部会長)

 要介護認定は一次判定である程度決定し、二次判定で修正するという方針できたが、二次判定が最終決定であると少しニュアンスを変えた。今度の一次判定のプログラムは今までのブラックボックスと違い公表されるので各人で自分の一次判定の要介護度が分かる。ただし、二次判定でどのように変わったかは別の問題である。

(堀江委員)

 一次判定は以前より改善されていると思うが、二次判定は各保険者に任せていただきたい。次に、介護保険事業計画の作成について、被保険者の意見の反映ということで、被保険者を公募その他により、介護保険事業計画作成委員会のメンバーに加えるよう全国介護保険担当課長会議で示されているが、公募することによる事業計画作成委員会での混乱やその方向付けが曖昧になるということを承知しているのか。被保険者の意見を反映させることは保険者である市町村に任せてもらいたい。市町村介護保険事業計画の作成に関する基本的事項において、介護給付対象サービスの種類ごとの量の見込みとその根拠を示す必要があると書いてあるが、いかがなものか。厚生省の示す基準に従って、保険者が決めるということでよいのではないか。見込み量確保のための方策とは具体的に何をやるのか。

(京極委員)

 市町村では現在介護保険事業計画を作成しているが、公募委員は大変重要な役割を果たしている。
 ゴールドプランができた時には、施設整備は約2%強ということであったが、その後順調に目標達成され、今回は療養型病床群も含むので3.4%というのは非常に良い線である。

(高梨参考人)

 療養型病床群で、医療保険適用部分と介護保険適用部分との機能分担のあり方や介護保険適用部分の診療報酬と医療保険適用部分の診療報酬のあり方について検討を行う場はこの部会か。それとも中医協か。

(星野部会長)

 本日の審議はこれまでとする。皆様の意見を踏まえ、次回は諮問案の審議を引き続き行う運営とする。


問い合わせ先 厚生省老人保健福祉局企画課
 電 話 (直) 03-3591-0954
厚生省老人保健福祉局介護保険制度施行準備室
 電 話 (直) 03-3595-2890


審議会議事録等 HOME