99/03/12 第33回年金審議会総会・全員懇談会議事録        第33回年金審議会総会・全員懇談会議事録 日 時 平成11年3月12日(金) 18:00 〜 21:08 場 所 霞が関東京會館ロイヤルルーム(霞が関ビル34階) ○ 総 会 1.開会の辞  2.委員出席状況報告  3.議 事    ・国民年金制度及び厚生年金保険制度並びに年金積立金の運用の改正について ○ 全員懇談会  1.開会の辞  2.議 事    ・国民年金制度及び厚生年金保険並びに年金積立金の運用の改正について 3.閉会の辞 出席委員   京 極 会 長 岡 崎 委 員  国 広 委 員  神 代 委 員 高 山 委 員  都 村 委 員  富 田 委 員 福 岡 委 員  桝 本 委 員  宗 岡 委 員  山 田 委 員  山 根 委 員  吉 原 委 員 貝 塚 委 員 船 後 委 員 ○京極会長 本日は、御多忙中のところお集まりいただきありがとうございます。 ただいまより、第33回年金審議会総会を開会します。 まず、事務局から本日の出席状況の御報告をします。 ○事務局 本日は砂子田委員、木原委員、久保田委員、坂巻委員、目黒委員、渡邊委員が御欠席 でございます。山根委員、船後委員は遅れて御出席になられます。 ○京極会長 それでは、議事に入ります。 お手元にお配りしてありますが、本日、年金制度改正案について諮問がございまし た。本日は、これについて御審議をお願いします。 本日は厚生大臣がお見えでございますので、御挨拶をお願いいたします。 ○宮下厚生大臣 厚生大臣の宮下創平でございます。本日は御苦労さまでございます。  平素、京極会長さん始め委員の先生方には年金制度改革につきまして大変御熱心に取 り組みをいただきまして、本当に心から感謝を申し上げます。 今回の年金改正に当たりましては、ここにも33回目という見出しがございますよう に、一昨年の5月から非常に精力的にお取り組みをいただきました。そして、非常に各 面にわたる検討をいただいた結果、昨年の10月の初旬、9日であったかと思いますが、 意見書の取りまとめをしていただきました。 私どもはそれに基づきまして、まず、3案というのをつくりまして、党側との、特に年 金問題調査会との接触もはかりまして、党との調整を図ったところでございます。そし て、おおよその基本的な方向ができましたので、今回法案提出の前提となる諮問の要綱 案をお諮りをすることになったわけでございます。重要な点は、これから御審議いただ けると存じますけれども、年金の保険料の凍結問題、それから、基礎年金の国庫負担割 合について3分の1を2分の1へ引上げる問題等が議論されまして、今回の法律案で所 要の手当てをすることにいたしておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思いま す。  なお、それ以外の点につきましては、おおむね取りまとめられた意見を基調といたし て、この改正案を取りまとめたように私は思っておりますが、どうぞよろしくお願い申 し上げたいと思います。  年金制度は今国会でも議論がございまして、安心・安定できる年金制度を構築するこ とが何よりも必要だという点では与野党共通しておりますけれども、その中身について はいろいろな議論もございます。私どもとしては、このお諮り申し上げております要綱 案を基礎に法律案をつくって、できれば3月中にこれを国会に提出したいと思っており まして、大変窮屈な日程になっておりまして恐縮でございますが、どうかひとつ御理解 を得て、御審議を十分していただいて、答申をお取りまとめをいただければ大変ありが たいということで今日は参りました。そんなことで今後よろしくお願い申し上げます。  ありがとうございました。 ○京極会長  どうもありがとうございました。厚生大臣は所用のため退席されます。 ○宮下厚生大臣  それではよろしくお願いします。                 (厚生大臣退席) ○京極会長  それでは、事務局から諮問書の朗読をお願いします。 ○桝本委員  会長よろしいですか。 ○京極会長  はい。 ○桝本委員  きょうの審議会の運営の問題についてちょっと一言発言をお許しいただきたいと思い ます。  私はきょうこういう非常に異常な形というふうにあえて申しますが、こういう形で開 催されたことに対してまず抗議したいと思います。  それから、こういう開催のされ方の中で諮問を受けるということについては反対でご ざいます。きょうの日程というのは、民間の労使にとってはほとんど出席が不可能な状 態、極めて困難な状態であるということを繰り返し申しました。御案内のとおり、来週 の水曜日は民間の賃金の集中回答日でございまして、民間の単産の役員はすべて現場で の交渉を見守りながら本部におります。私どものメンバーであります久保田委員は、 今、電機連合の本部におりますし、山根委員は地方のオルグに行っていて、とにかく無 理やり開かれるというので何とかとんぼ返りで帰ってきて後半出席をしたいということ でございます。私も別な案件を抱えてございました。  こういった状況の中で、とにかく今日という日取りは避けてもらいたいということを 繰り返しお願いをしたのですが、聞いていただけなかった。しかも、今日の開会の正式 な連絡は私が受けましたのはおとといでございます。それから、山根委員の方に連絡が あったのはきのうになってからの電話連絡であったと聞いております。  我が国の将来を左右するような重大な案件を審議する審議会がこういうようなどたば たと申しますか、そういう中で開催されるということ自体は大変異常であります。私ど もボイコットしようだとか引き延ばししようだとかそんなこと考えたのではないので、 出れるものなら出たいという観点でお願いをしてきたわけですが、中途の事務連絡の過 程では、あたかも引き延ばしをやっているかのような言い方も二、三あったことに対し て心外な思いをしてございます。  また、中間過程では諮問だけではなくて、一挙に今日で答申までいっちゃうようなこ ともほのめかされた。そういうことであったとすれば、これは本当に暴挙としか言いよ うがない。前回の改正は今回出されようとしている中身に比べてはるかにマイナーな改 正であったと思いますが、それでも3回にわたって諮問から答申まで回を重ねていたと いうふうに承知をしております。今日答申までいくことはないということを言明された のはようやく昨日になってからのことでございます。  それから、政府案の原案の審議ということであれば、連立与党の間で基本的なことは やっぱり合意をされた上で諮問を受けなければ、私どもは責任ある審議ということには ならないのではないかと思いますが、その要件も今日の段階で満たされているというふ うには思いません。  何でそんなふうに焦って乱暴な形で今日どうしても開かなければいけないのか。ある いは次は来週の月曜日などということも、先ほど聞いたところでございます。実際厚生 省が今国会に提出予定している法案は別にこれだけではないので、重要なものが医療保 険の改革法案が本当は出されなければいけない。これについて、先般日経連、健保連と 連合と3団体で厚生大臣にお目にかかって、ぜひともこれは提出をしていただくように というお願いに上がりましたが、大変厳しい状況ではあるけれども、提出のために努力 をしたい。今のところ、まだ提出の日程の見込みは立っていない、今国会中には何とか 提出にこぎつけたいという御返事をいただきました。  それから、もう一つ、今国会にかかる予定で重要なものは社会福祉事業法の改正でご ざいます。これについては担当局から聞いておりますのは、4月中に国会へ提出したい という予定でございまして、いずれも予算非関連法案の厚生省関連の重要な案件、その ようになっております。  なぜ、年金改革法だけこんなに焦って無理やりに審議会の日程を設定をしなければい けないのか大変疑問でございまして、担当課長からそういう事情をよくよく尋ねてみれ ば、もっぱら省内の御事情という以外の理由は語られていないわけです。もちろんお役 所にはお役所の御事情があるだろうし、担当の皆さんがそれをめぐって大変苦労されて いることについては我々も理解することはやぶさかではありません。しかし、行政内部 の事情によって、悪い言い方をすれば、お役所のメンツのために審議会の運営が左右さ れるというふうなことはあってはならないだろう。  以上が本日の開会に対して、私が抗議したい理由でございます。  それから、次に本日諮問を受けることに反対することについてちょっと申し上げたい と思いますが、先ほど開催の延期をお願いした理由の3番目に申しました政府の与党の 間で基本的な合意ができていない内容が今日ここに持ち出されようとしている。一体そ れはどういう性質のものなのだろう。これについてはぜひ納得のいく御説明をまず年金 局長にお願いをしたいと思います。一体今日は何をここに出されようとしているのかと いうことです。  それから、与党の間で基本的なところで了解が成立していないその問題は小さな問題 だったらば構わないんですけれども、今回の制度改革の枠組みにかかわる問題というふ うに私どもは承知しております。確かに審議会が答申しても、それが例えば、閣議了解 までの間にマイナーチェンジが行われるとか、あるいは提出されても与党自身の手によ って修正されるといったようなこともままあるわけで、なお、そのこと自体が悪いとは 思いません。けれども、基本的なところで連立を組んでいる2つの政党の間で合意が成 り立っていないものを、私どもがここで諮問を受けて審議をして答申をするといったこ とは一体どういうことになるのだろうか。  政党サイドのことは、私どもの関知するところでないといえばないのですが、恐らく 連立を組んでいる与党の側から見れば、こうした段階で審議会に諮問が行われ、答申と いう手続が進められるというのは、与党間の合意というものを政府機関が公然と軽視し た一種の見切り発車だというふうにみなされてもやむを得ないことだろうと思います。 私どもの審議会が、そういういわば見切り発車の片棒をかつぐというふうなことはどう しても私は腑に落ちない。協議そのものはいろいろ政党間だからあるでしょう。協議そ のものが完璧に成り立っていないから何もできないということでもないでしょう。 だけど、少なくとも今日諮問をするということについては最低の合意ぐらいはなければ 当審議会として安心してそれを受けとめることができないのではないだろうか。  局長にこれも御説明をいただきたいと思いますが、一体自由党は今日審議会が開かれ て諮問が行われるということをいつ正式に聞いたのでしょうか。そして、諮問すること そのものについては少なくとも了解をしているのでございましょうか。 ○吉原委員  会長、議事進行をお願いいたします。 ○桝本委員  ぜひ、この点についての御説明をお願いをしたいと思います。もうちょっとですので すいません。 ○吉原委員  議事進行を、時間もあれですから。 ○桝本委員  委員の皆さんにぜひ思い出していただきたいのですが、前回の当審議会で、国民年金 の保険料の凍結のための法案の審議が行われました。その際、私は審議会委員として大 変未熟であったために、内容に賛成をするということで発言をいたしました。その際、 先輩委員の皆様から大変厳しい御批判や御指摘をいただきました。答申案文は原文のま ま承認されたわけですが、その過程を通じまして、私は審議会の権威という問題につい て、改めて私自身の認識の至らなさを知ったところでございますが、こういう段階で、 連立与党の間で基本的な点での合意が得られていないものの諮問を受けて審議に入ると いうのは、前回の審議及び答申との過程を省みて軽々に了解できるものではないだろう と思います。  きょう諮問を受けることについて反対する理由は以上でございまして、2つの点にわ たって年金局長の御説明と御報告をお願いいたしましたので、よろしく御答弁をいただ きたいと思います。あわせて、また、この点について、委員各位の御意見も聞かせてい ただければありがたいと思います。長くなって失礼しました。 ○京極会長  ただいまの桝本委員の御発言は、行き届いた御配慮のある御発言ですが、この後、し かるべき段階で、局長から説明できることは説明してもらうことにして、とりあえず諮 問書の朗読をお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。 ○桝本委員  反対。 ○京極会長  反対ですか。               (「賛成です」と声あり) ○京極会長  反対の方と賛成の方と両方いらっしゃるようですが。 ○桝本委員  少なくとも今お願いいたしました2つの点については、年金局長から御報告と御説明 をいただきたいと思います。 ○年金局長  それでは、私からお答え申し上げたいと思います。  その前に、きょう夜の審議会ということで、委員の皆さん方に大変申しわけないと思 っております。 そういう中で、きょう御出席いただきまして心から感謝申し上げたいと思います。  まず、非常にお忙しい時期だということは重々承知しておったわけでございますけれ ども、一方で、私どもとしましては、この年金改正法は予算非関連ということで、3月 9日が実は締切りの期限でございます。今それを延ばしていただいているわけでござい ますけれども、一日も早く改正案を国会に提出することが、年金に対する不安・不信を 払拭することにつながると、こう思いまして、できるだけ早い国会提出を進めておるわ けでございます。内容につきましては、31回にも及ぶ年金審の御議論を経て、それをも とに私どもの政府案をつくったわけでございまして、そういう点では、これまでの御議 論の中で十分中身については御審議いただいているわけでございますし、この機会にぜ ひ諮問をしたいということでお願いしたわけでございます。  それから、与党内部の状況でございますけれども、これは自自連立ということで、昨 年の暮れから年金問題もテーマの1つになりまして、数回にわたって協議が行われてき たわけでございます。そういう中で、私どもがお聞きしておりますのは、両党が対立し ているのは基礎年金について税方式か社会保険方式か、この問題でございまして、今回 私どもが諮問しておりますように、国庫負担を2004年までに2分の1に引き上げること については両党とも御了解されていると。ただ、問題は、その後、自民党は社会保険方 式を維持すべきだ、自由党は基礎年金については全額税方式にすべきだという議論でご ざいまして、ここについてはなかなか溝が狭まらない、引き続き協議をしていこう、こ ういうことになっているわけでございます。  それで、この自自協議の開催が今後いつ行われるのか、そしてどういう形でそれが決 着するのかというのは現時点で全く不透明でございます。この自自協議が整い、今回の 法律の内容とそれが齟齬をする、食い違うということになりますと、与党と政府の間で 調整しなければいけないのは当然でございます。しかし、現時点ではそこの問題につい ては全く不透明としか言いようがないわけでございます。  私どもとしましては、国会提出の期限も既に過ぎておるわけでございますし、淡々と 作業を進めていきたい。そして自自協議ができまして、法案の内容と食い違うようなこ とがあれば、これは改めて政府与党間で調整をする、こういう進め方になろうかと思い ます。そういうことで、今回、自自協議が完全に整ってないということをもって諮問を すべきではないということにはならないと私どもは考えておるわけでございます。  それから、自由党につきましては、私どもは自民党と全く同じようにこれまで御相談 を申し上げてきたわけでございまして、本日の諮問をするということにつきましても、 自由党にも当然連絡を申し上げているということでございます。 ○桝本委員  了解されたんですか、諮問することについて。私、伺ってないです。 ○年金局長  特に了解したという言葉は聞いておりませんけれども、取りやめろという指示は私ど もは受けておりません。 ○吉原委員  諮問というのは別に党の了解を得ないと諮問できないというものではございませんで それは桝本委員も御存じだと思いますけれども、諮問というのはあくまでも政府の権限 でできることです。この審議会というのは諮問を受けるので、諮問に賛成だ、反対だと 言える性質のものではありません。  ただ、日程については、委員の皆さん方のできるだけ都合の合うような日程を設定す べきだと思いますけれども、いろんな事情で非常に話が急だったことは確かですが、法 案の提出期限が差し迫っておりますし、諮問をどうこうという、我々はそういうことを 言う立場にないので、諮問を受けた後にいろんな議論を私はされるのは結構だと思いま すし、すべきだと思いますけれど、諮問は早くお願いをしたいというふうに思います。 ○京極会長  年金審議会としては、大臣から諮問と言われれば、それを受けて検討するものと思い ます。その中でいろいろ議論が出ることは当然あると思いますが、入り口で諮問自体を 受けないことはできないと思います。よろしゅうございますか、桝本委員。 ○桝本委員  入り口のところで諮問を受ける、受けないということはできないのだというお話は私 は不明にして知りませんでしたので、その点で誤解があったらおわびを申し上げます。 しかし、いわゆる議院内閣制という下での合意形成の中での審議会の役割ということか ら考えますと、諮問すること自体についても連立与党の間で了解がとれていない。私ど もが確認をしておる限りでは自由党側はそのことについては大変怒っているというふう に聞いておりまして、むしろ本日諮問が行われるということは、かえって今後の自自協 議そのものを長引かせることにもなりかねないのではないか、そのように考えます。  したがって、私たちがこれから諮問されるものというのは一体どういう性質のものな んだと。それが審議して答申した結果が全く枠組みが変わってしまうようなことになる ような可能性を最初から秘めているものを私どもが審議しなければならないとすれば、 それは審議会自身として非常に異常な事態ではないのだろうか。そのことを承知の上で やるとすれば、私たち自身がみずからを軽視することにつながるのではないだろうか、 そういうふうに考えているところでございますので、ちょっと繰り返しで恐縮ですが、 申し上げておきたいと思います。 ○京極会長  年金審議会の設置、委員の任命、年金審議会に対する諮問は厚生大臣の権限ないし所 管と存じます。現行のシステムとしては、諮問自体を年金審議会が入り口でお断りする ことはできないと私は思っております。 ○福岡委員  正式には何も聞かされておりませんので、今、桝本委員から政治の話が出てきたわけ です。政治の話は、我々はわからないといいますか、何とも申しようがない話でござい ます。諮問そのものはまさに厚生大臣から諮問を受けたわけだろうと私は単純にそう思 っているわけで、したがって、その諮問の内容について今から審議することについて は、我々委員ですからやらなければならないと思うのです。  ただ、確かに日程の設定だとかということは、御承知のちょうど春闘の一番厳しい段 階で設定されるということにつきましては、ある意味で有識者の集まりというか、有識 者の審議会ではありますが、やはり労使双方の代表をそろえたところで御審議願わない と困ります。まさに年金そのものを、負担する企業と勤労者でございますので、受け取 る勤労者でもあるということもありますから、そういう意味では時間の設定なり日にち の設定については何とか配慮できなかったものかと非常に残念に思いますが、とにかく みんな集まっているわけですから、諮問は、厚生大臣からの諮問以外には諮問する人は いないはずだと思いますのでこれは受けるべきだと思いますけれども、いかがでござい ますか。 ○京極会長  今、福岡委員のお話にありました、日取りの選定に思いやりが欠けているのではない か、配慮が足りないのではないか、という問題については、局長から、厚生省としては やむを得ない日程の側面もある、という御説明ございました。その辺で御了承いただけ れば、ということでございますが、いかがでしょうか。とりあえず、先ほど申し上げま した諮問書を読んでいただいたらどうでしょうか。よろしいですか、桝本委員。 ○桝本委員  何で、ほかの法案は、例えば、あるものは4月末とか、あるものはもう少しかかるか もしれないとか言われているところで、提出期限、提出期限とおっしゃるけど、何で年 金法だけがこんなに異常な日程設定で行わなければならないのかということを伺ってい るわけです。 ○京極会長  「諸般の事情」という日本語がございます。 ○年金局長  年金改正につきましては、一昨年5月から32回にも及ぶ御審議をいただきまして内容 が固まったということですね。それをそのまま法案にしたというのが今回の諮問内容で ございます。 ほかの案件につきましては、医療とか福祉とかいろいろ私も個人的には聞いております けれども、年金審ほど議論が煮詰まっていないと、こういうことが大きいのではないか と思います。私どもはもう内容が固まってここまでまいりましたので、淡々と諮問をお 願いしたということでございます。 ○京極会長  料理の用意ができたから、お召上がりください、というふうなお話のようです。それ では、読んでいただいてよろしいですか。ではお願いします。              (事務局より諮問書朗読) ○事務局  別添要綱の朗読は省略させていただきます。 ○京極会長  それでは、別添要綱を含めて、年金局長から諮問内容について趣旨説明をお願いしま す。 ○年金局長  今回、諮問に至った経緯につきましては、先ほど大臣から御挨拶申し上げたとおりで ございます。  今回の改正案の内容につきましては、一昨年以来の審議会の御議論を踏まえたものに なっておるわけでございます。要は年金制度はこのままでは少子・高齢化の進行により まして保険料負担が過大なものになってしまう。これを何とかして将来の保険料負担を 負担可能な範囲に抑える必要がある。そのためには給付につきましても、将来の給付の 伸びを抑えていく必要がある、こういう考え方でございます。そういうことで、今回の 改正を行うことによって、年金制度を長期的に安定した制度にしていきたいということ でございます。  具体的な内容でございますけれども、まず、負担面でございます。これは公的年金の 保険料負担は段階的に引上げていく必要があるわけでございますけれども、昨今の非常 に厳しい経済状況に配慮いたしまして凍結をすると、こういうことになっているわけで ございます。  それから、基礎年金の国庫負担割合につきましては、2004年までに安定した財源を確 保し、3分の1から2分の1に引き上げる、こういうことでございます。私どもとしま しては保険料の凍結解除と国庫負担の引上げをできるだけ早く実現いたしたいというこ とで努力をしてまいる所存でございます。 それから、給付につきましては、これから伸びを抑制していく必要があるということ で、そのために4つの手段を考えておるわけでございます。  1つは厚生年金の給付水準を5%引き下げる。ただ、これは物価スライド付で従前額 を保障するということでございまして、年金額が下がるということはないわけでござい ます。  2つ目は、厚生年金の報酬比例部分につきまして、2013年から2025年にかけて、60歳 支給を65歳支給に段階的に引上げていくということでございます。あわせまして、60歳 からの減額年金を支給するということです。  3つ目は、65歳から69歳の働いている方につきまして、在職老齢年金制度を創設する ということでございます。  4つ目が既裁定年金につきましては、65歳以降物価スライドだけで延ばしていく。賃 金スライド、政策改定につきましては、当面がまんしていただくと、こういうことを考 えておるわけでございます。  その他、国民年金の半額免除制度、学生の特例。それから、長く懸案となっておりま した総報酬制の導入、育児休業期間中の事業主負担分の免除、標準報酬の上下限の改 定、こういったものもあわせて行うことにしております。  それから、厚生年金基金でございますけれども、これは厚生年金の保険料が凍結され た結果、免除保険料、最低責任準備金につきましても凍結をすることにいたしておりま す。  それから、規制緩和を図るということで自家運用の場合の規制緩和を始め幾つかの規 制緩和を図ることといたしております。  また、株式等の現物拠出につきましても、これを一定の条件のもとに認めるというこ とを考えております。  今回の改正は非常に広範にわたるわけでございまして、積立金の運用につきまして も、制度的な改正を行うことにしております。現在、積立金運用につきましては、資金 運用部に預託が義務づけられておりますが、この預託をやめまして、年金の保険者、厚 生大臣が自主運用する、そういう新しい制度を構築したいと考えておるわけでございま す。  そして、その運用管理機関といたしまして、年金福祉事業団を廃止いたしまして、年 金資金運用基金を新たに設置することといたしております。自主運用に当たりまして は、保険料拠出の意見を反映させる。それから、責任体制を明確にし、徹底した情報開 示を行う、こういったことを進めることといたしております。  ただ、実施時期につきましては、財投改革全体に合わせるということで、2001年から の実施を予定しているわけでございます。  それ以外に年金福祉事業団が行っております大規模年金保養基地(グリーンピア)で ございますけれども、これは地元自治体等への委譲を進めまして円滑な撤退を図りたい とこう考えております。  それから、住宅融資事業等につきましては、別途定める期間は新規貸付事業も行うこ とにいたしておりまして、この別途定める期間につきましては、次々回以降の財政再計 算時に定めるということにいたしております。  そういうことで非常に広範多岐にわたるわけでございますけれども、速やかに御審議 をいただきまして御答申をいただきますようお願い申し上げます。  以上でございます。 ○京極会長  どうもありがとうございました。  今回の諮問に関する審議につきましては、この場を総会から全員懇談会に切り替えて 行うこととしたいと思いますが、いかがでしょうか。               (「異議なし」の声あり) ○京極会長  それでは、これで総会を終了いたします。引き続き全員懇談会を開催します。 《全員懇談会》 ○会長  これからは、全員懇談会を開催いたします。  先ほど御諮問のございました件は、予算非関連法案として今国会に提出したい、とい うことのようです。そうした法案の提出期限は閣議決定で3月9日になっておりますそ うで、今日は3月9日ではなく3月12日です。そういう状況にありますので、審議会の 速やかな審議をお願いします。  それでは、年金制度改正案の内容等につきまして、事務局が資料を用意いたしており ますので、御説明をお願いします。 ○事務局  諮問書の次のページに付いております「年金制度改正案要綱」に沿いまして御説明申 し上げます。  これまでの審議を反映してまとめたものでございまして、進行上、これまでの審議に むしろつけ加わったものを重点的に簡潔に御説明申し上げたいと思います。まず、 1ページにつきましては、ただいま局長から趣旨説明を申し上げましたとおりでありま す。年金額の改定について、国民年金・厚生年金について、ここに書いてあるような改 定を行います。  それから、2ページでありますけれども、裁定後の基礎年金・厚生年金につきまして は、65歳以降、賃金スライド等を行わず、物価上昇率のみで改定を行う。  それから、3の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢については、男子は 2013年から2025年にかけて引上げていく、女子は5年おくれでございます。  また、これに伴いまして、新たな減額率に基づく繰上支給制度を創設する。  新たにつけ加わっておりますのは、(2)、(3)でありますけれども、障害者、長期加入 者、それから、次の3ページの船員、坑内員につきましても、基本的には同等の原則で 支給開始年齢を長期間かけて引上げさせていただくという内容でございます。  それから、3ページの4でありますが、60歳台後半の在職老齢年金制度の導入でござ います。これにつきましても、去年の10月の厚生省案のときよりも若干対象を絞り込ん だ形になっております。その真ん中の(2)の(1)でありますが、支給が制限される対象で ありますけれども、当初の私どもの案よりは、むしろ高所得層に絞り込みまして、2階 部分と賃金の合計額で37万円、基礎年金は調整されませんので、例えば御夫妻で満額の 基礎年金をお持ちのケースであれば、その世帯では50.4万円以上の収入の方から年金額 が調整されるということで、対象が絞り込まれております。 それから、4ページでございますけれども、国民年金保険料の半額免除制度の導入、 6.学生に係る国民年金の保険料の特例という制度の創設、7.育児休業期間中の厚生 年金保険料の事業主負担分の免除を盛り込んでございます。  それから、5ページでございますが、費用負担であります。私どもの厚生省の10月の 時点の案、あるいはそれ以前の意見書のところよりも表現としてはより前進した書きぶ りになっております。国庫負担については、基礎年金について「平成16年(2004年)ま での間に安定した財源を確保し、別に法律で定めるところにより、国庫負担の割合の2 分の1への引上げを図るものとする」と書いておりまして、これは法律の附則に盛り込 むという考えでございます。  それから、費用負担につきましては、当初段階的な引上げを私ども考えておりました が、景気の動向等にかんがみまして、国民年金・厚生年金保険とも今回の法律改正は据 え置きということで新たな保険料率を書き込んでおらないところでございます。  しかし、(4)というものがございまして、これはむしろ与党の要請に基づいて入った部 分ということでございますけれども、「国庫負担の割合の引上げ及び保険料凍結解除の 時期は同時とし、できるだけ速やかに実施する」ということで、法律には凍結解除時期 は書いてありませんけれども、できるだけ速やかに実施するという考え方も盛り込まれ ているところであります。この(4)につきましては法律に盛り込むことは予定されており ません。今後の政策的な判断というふうに理解しております。  次の6ページにまいりまして、総報酬制の導入でございます。総報酬制につきまして は、これまで10月の段階では余り詳しくお示しできなかったわけでありますが、今回総 報酬導入については、平成15年4月から実施ということで、時間をかけて周知期間も置 きながら、あるいは実務的な準備期間を設けながら実施することにしています。保険料 率は 、これはボーナスという賦課ベースが広がりますので、総収入は増えないようにす るということで、17.35%に対しまして13.58%に下がる。月給に対してもボーナスに対 してもこの保険料率がかかる。 それから、給付乗率につきましても、これは先ほどの水準を適正化した結果、乗率が 7.5から 7.125になるわけでありますが、それをさらに、これはボーナスも給付の対象に なるわけでありますから、乗率を引下げまして5.481にカウントをすることになります。 また、賞与につきましては、その都度徴収をさせていただくことにしていまして、150 万という上限を考えています。 また、年金額の計算につきましては総報酬制導入前の金額、これは従来のやり方で計 算し、導入後につきましては、ボーナスと月給を足し合わせて年金額を計算するという ことでございます。 また、在職老齢年金制度につきましても、総報酬制が導入されれば、それに対する所 要の移行措置を講じることとしております。 以上、簡単でございましたけれども、まず、厚生年金・国民年金についての説明とさ せていただきます。 ○事務局 引き続きまして資料1について御説明申し上げます。「保険料等の将来見通し」とい うことでございます。 1ページ目でございます。推計の前提でございますが、(1)は将来推計人口、これは中 位推計でございます。  (2)の労働力率の見通し、これは平成10年の労働省の推計に基づいております。  それから、中ごろの(5)でございますが、基礎率、経済的要素ということで、賃金の上 昇率につきましては年 2.5%、物価の上昇率については 1.5%、運用利回りについては 4%、こういう経済的な要素につきましては、長期的な観点から設定すべきもので過去 の15年とか10年の実績等を参考に設定しております。  それから、(7)保険料計画の考え方でございますが、そこにありますように、現在の現 役世代と将来の現役世代の負担の公平を図るとともに、積立金の運用収入の活用を通じ て、将来の保険料負担を軽減するという観点に立って保険料の段階的な引上げを行うこ ととしております。  次のページでございます。厚生年金の保険料の将来見通しということで、グラフの下 に「仮定」というところがありますが、保険料率5年間据置き、国庫負担割合は1/3 という前提でございます。 太線のグラフの右の方に「改正案27.6%」というのがございますが、改正案によります と最終保険料が27.6%と見込まれております。5年毎の保険料の引上げ幅は2.5%とした 場合でございます。 それから、下の方に(注1) というのがございますが、保険料率2年間据置き(収入 不足は8年間で補う)という場合には、保険料の引上げ幅は5年毎に2.0%、最終保険料 率は27.1%と見込まれております。 それから、その下の(注2)でございますが、保険料率5年間据置き、5年後に国庫 負担割合を1/2に引上げ。国庫負担の引上げに伴いまして、保険料率を5年後に1% 軽減する。その後、保険料の引上げ幅を5年毎に2.3%ずつ引上げていった場合には、最 終保険料率が25.2%と見込まれております。 次のページでございますが、厚生年金の前のページのグラフにありました保険料率に 基づきます収支の見通しでございます。例えば、中ごろの平成37年(2025年)で見ます と、保険料率が左の方が対総報酬換算ですが、21.4%。その右が27.6%、これは従来の 標準報酬で見た場合には27.6%ということでございます。それから、収入の合計、その 収入の内訳が保険料収入と運用収入。このほか国庫負担がございます。 それから支出の合計、収支残、その次が年度末積立金。平成37年では名目値で280兆 円。これを11年度価格で見ますと、その右ですが160兆円ということでございます。そ の右、 年間の支出に対する積立金の比率であります積立度合が3.8倍と見込まれており ます。 次のページでございますが、厚生年金の被保険者数、受給者数の見通しでござい ます。被保険者数につきましては一番左の欄、平成12年に3,430万人の被保険者が、中 ごろですが、平成37年(2025年)には3,100万人と見込まれております。 その右の欄の年金受給者につきましては、老齢相当で見ますと、平成12年には870万人 の受給者が見込まれるわけですが、それが平成37年には1,430万人と見込まれており ます。被保険者と老齢相当の比率、一番右の欄で見ますと、平成12年には25.2%、平成 37年にはそれが46.2%、平成62年(2050年)には55.5%になると見込まれております。  次のページが国民年金の保険料の将来見通しでございます。これもグラフの下に「仮 定」というところがございますが、保険料5年間据置き、国庫負担割合は1/3ということ で保険料を見込みますと、太い線のグラフの右にありますが、改正案で最終保険料率は 月額で2万4,800円、これは11年度価格でございますが、見込まれる。この場合、保険料 は毎年度800円ずつを引上げていくということでございます。 それから、下の方に(注1)がありますが、保険料を2年間据え置きまして、保険料 の引上げ幅を毎年度500円にする。凍結に伴う収入不足は平成21年度までの8年間の引上 げ幅を680円として補うという場合には、最終保険料は月額2万 4,100円と見込まれてお ります。 その下の(注2)でございますが、保険料5年間据置き、5年後に国庫負担割合を1 /2に引き上げる、また国庫負担の引上げに伴いまして、保険料を3,000円軽減する。こ の場合には、保険料の引上げ幅を毎年度 600円ずつ引き上げていって、最終保険料が月 額1万8,200円と見込まれております。  次のページでございますが、ただいまのグラフの保険料に基づく収支見通しでござい ます。これで見ますと、国民年金の収支見通しが、中ごろの平成37年(2025年)で見ます と、保険料月額が2万4,800円、収入、支出の合計、収支差引残ということで、年度末の 積立金が平成37年には名目値で24.7兆円と見込まれております。11年度価格で見ますと 14.1兆円、積立度合で見ますと2.8倍と見込まれております。  次のページでございますが、国民年金(基礎年金)の被保険者数、受給者数の見通し でございます。 左の欄、平成12年、被保険者数が6,970万人と見込まれるものが平成37年(2025年)6,000 万人と見込まれております。その右の欄、老齢基礎年金の受給者数でございますが、平 成12年、2,080万人から平成37年には3,350万人と見込まれております。被保険者と老齢 基礎年金の比率は、一番右の欄ですが、平成12年には29.8%と見込まれるものが平成37 年には55.7%、平成62年(2050年)には70.6%と見込まれております。 ○事務局 それでは、厚生年金基金関係の説明に入らせていただきます。諮問書に付いておりま す要綱の7ページでございます。それから、資料2の参考資料9ページもあわせてお開 き願いたいと思います。  「第2 厚生年金基金制度」のところでございますが、まず第一に、免除保険料率等 の凍結でございます。免除保険料等につきましては、昨年まで免除保険料を個別化、あ るいは中立化を御相談申し上げていたところでございますが、厚生年金保険料の凍結と いうことでちょっと事態が大分変わりまして、ここに書いてございますように、免除保 険料率等についても凍結せざるを得ないということに至っております。  ちょっと参考資料の方で御説明申し上げますと、今回の財政再計算では予定運用利回 りを引下げますので、本来であれば免除保険料率を引き上げるべきところでございます が、本体の保険料率が凍結されることから、その凍結の間、暫定措置ということでござ いますけれども、厚生年金基金の免除保険料率についても凍結をいたすということでご ざいます。  具体的には従来の計算方法によって免除保険料率を算定するということでございまし て、実額ベースではそれほど大きな変化はないということでございます。  それから、これを受けまして、最低責任準備金の凍結についてでございますが、代行 給付に必要な免除保険料率が措置をされないということでございまして、この凍結の期 間中は厚生年金基金に対して、将来の代行給付のために本来必要な資産の積立を求める ことはできないということでございます。必要な免除保険料が入ってこないということ でございますから、積立レベルを従来とは 考え方を変えないといけないということでございます。  このために、マルの3つ目に書いてございますが、凍結期間中の最低責任準備金につ きましては、1回凍結をして、その後は若干の資産の調整を行うということでございま す。まず、1に書いてございますように、凍結の時点、これはどの辺から凍結をするかと いうことですが、この辺は政令事項になりますけれども、ことしの10月をめどに考えて いますが、凍結時点で、これまでの算定方法により算定した最低責任準備金を一たん額 として確定をする。  その確定した額に、その凍結時点からの免除保険料収入、それから代行給付費の収支 残を最低責任準備金に加えて、かつ運用収益につきましては、厚年本体の実利回りによ って計算をするということで、これまでの代行部分に関する債務評価の方法をしばらく 変更するということで、この凍結期間中の暫定措置をとるということでございます。  要綱の7ページに戻りますが、後は規制緩和ということでございます。大きくは資産 運用と事業運営の規制緩和でございます。まず、資産運用につきましては、厚生年金基 金の自家運用、これは生命保険、信託銀行などに委託をするもの以外に厚生年金基金が 自分自身で運用するものでございますが、これまで基金の資産が500億円以上のところが 自分で運用できるということでございましたけれども、その規制を撤廃する。それか ら、運用対象はこれまで債券に限定されておりましたが、その拡大を図るということで ございます。 信託契約につきましては、これまで投資、回収いずれも金銭に限るという限定がつけ られておりましたが、これは現物による資産移管を可能とするということでござい ます。 それから、年金資産の運用と管理を分離するということで、管理業務に特化した信託 契約を実施したいということでございます。これは法律事項にはならないと考えており ます。 事業運営の規制緩和につきましては、まず、学識経験監事の必置規制を廃止する。厚 生年金基金の監事は会社で言えば監査役に相当するものでございますけれども、内部登 用のものと外部の学識経験者を両名入れることになっておりますが、基金制度30年たち まして、こうしたみずからの知見の蓄積などもございまして、学識経験監事制度の廃止 をしたいということでございます。 その他、業務委託、積立金の届出義務の廃止をしたいと思います。  それでは、8ページにまいりまして、まず、第1が有価証券による拠出でござい ます。これはこれまで掛金は現金で拠出をするということでございましたが、積立不足 を早期に解消するという観点から、企業が保有する上場株式を一定の条件の下に掛金と して拠出することは認めるということでございます。一定の条件は、まず、持ってくる 資産につきまして上場株式に限定する。そのほか、一定の条件の内容といたしまして は、さらに現在検討中でございますが、個別銘柄につきまして、余り基金資産の中で多 くのシェアを占めないようにというような規制などを設けなければならないと考えてお ります。  次に基金間の権利義務の承継でございます。企業の合併に伴って、それぞれの企業が 基金を持っている場合には、これまでは基金の分割・合併という手続を経て事業所が基 金間を移動できるようにしていましたが、規定を整備いたしまして、企業の合併などの 際には、事業所が基金間を円滑に移動することができるようにするということでござい ます。  そのほか、厚生年金本体の改正に伴う所要の改正をするということでございます。 ○事務局  それでは、最後ですが、9ページ、「第3 年金積立金の自主運用」について御説明 申し上げます。お手元の参考資料の10ページの絵をあわせてごらんいただきたいと思い ます。10ページの絵で御説明申し上げますが、基本的なスキームは、これまで、例えば 一昨年の9月に行われました年金自主運用検討会報告、昨年の6月に出されました年金 積立金の運用の基本方針に関する研究会報告、これらにつきましては、当審議会に対し ましても御報告し御審議をいただいた報告ですが、それらを踏まえた形になっておりま す。  ここで御案内のようにお示しをしておりますように、保険者である厚生大臣はこの法 律の改正後は、制度設計、保険料徴収、年金給付以外にも運用についても責任を持って 実施をするということです。厚生大臣は保険料拠出者の代表、あるいは金融経済・年金 の専門家に相談しながら運用の基本方針をつくって、その下に運用を行うということで ございます。ここの部分については厚生年金保険法と国民年金保険法の一部改正で行う ということでございます。  具体的な運用は、局長も申し上げましたが、その下にございます「年金資金運用基 金」という法人でこれを行います。現在の政府の法体系の下では、こうした公的資金を 扱う法人は特殊法人ということになります。この年金資金運用基金においては、情報の 開示、責任体制をきっちり法定化しながら特別会計から直接回せる資金をその下にござ いますように、民間運用機関を通じて市場において運用するというスキームでございま す。  これらの新しい体制はいずれも財政投融資制度改革と一体として行うということで、 局長も申し上げましたように、財投改革とあわせて実施をする、あるいは財投改革の資 金繰り等に配慮しながら段階的に実施をするというふうにいたしております。  次の絵の方の11ページでございますが、これに合わせまして、年金福祉事業団を解散 いたします。また、閣議決定にもありましたように、年金福祉事業団が行ってきた各種 事業についても廃止の方向で検討する、あるいはそういった形で段階的には廃止をして いくということでございます。  ただ、下に書いてございますように、各種事業がありますが、それぞれの事業におい て対応が違っておりまして、例えば、住宅融資については、別に法律で定める間、実施 をいたしまして、その後、これら事業から撤退をしていくということでございます。  それから、福祉施設整備事業、年金担保融資事業については、新たに社会福祉医療事 業団において実施をするという措置をとりたいと思っております。  最後のグリーンピア施設事業でございますが、これは10年程度を目途に施設ごとの事 情に応じながら段階的に撤退をする、こういう方針で対応したいと思っております。  以上でございます。 ○会長  どうもありがとうございました。  今までの御説明を受けて、本日の諮問事項につき、どなたからでも御自由に御質問、 御意見など御発言をお願いします。どうぞ。 ○A委員  私から質問するのはあれですが、給付の5%の適正化というのは、報酬比例部分だけ を5%適正化する、こういう理解でよろしいですか。 ○事務局  御指摘のように報酬比例部分についての5%の適正化でございます。ですから1階部 分は今回は物価に応じた政策改定になっておりますけれども、従来の改定方式を変えた わけではございません。今後とも1階については従来のやり方です。2階部分について 5%の適正化を今回打ち出しているところでございます。 ○A委員  そうすると対標準報酬では何%という、60%前後というのはどういう数字になります か。 ○事務局  対総報酬、手取りの年収ベースに換算いたしまして、従来、62%といったものを今回 5%適正化しますと59%になるということで、59%で今後一定するということでござい ます。 ○B委員  給付水準というときに、これは裁定時の水準ですね。 ○事務局  今回65歳以降、スライドの方式が物価スライドに限定されることになりますので、 今、B委員が御指摘のように、今後言う給付水準というのは、65歳の裁定時のものをい うことになると思います。 ○B委員  前言っていた62%というのは、これは裁定から給付される間、一貫して62%と言える ものと理解していたのですが、それでいいですか。 ○事務局  従来の考え方に沿いますと、いわゆる可処分所得スライドで一定であったのでおっし ゃるとおりでありますけれども、今後は裁定時で、59%になっていくわけであります が、その後はまた年齢とともに変化するようになるわけであります。 ○B委員  当初の案ですと、これが賃金スライドをした場合に比べて20%ぐらいダウンしちゃっ たら、また、賃金スライドを復活させるというのが夏ぐらいに出された案だったという ふうに思うんですが、2つ教えてください。  1つは、20%ダウンのところで、また賃金スライドの復活というふうに想定をされて 財政の計算をなさっているのかどうか。もう一つは、実際の平均余命や死亡率という数 字を勘案した場合、裁定から給付終了、つまりお亡くなりになるまでの平均的な数字 は、62%に変えて59%だというふうにスタート時がこうだったとすると、平均的な数字 はどのくらいになることになるのでしょうか。 ○事務局  まず、第1点目でありますけれども、10月28日の厚生省案にも、例えば長生きしてい くことによって賃金スライドがその間なかったことで、現役とだんだん開いていく。そ この乖離は20%を限度とするというふうに書いてございました。  今回、2ページの2の(注1)のところには、はっきり20%と書いていないわけであ りますけれども、今回の財政再計算の中では20%乖離するところから賃金スライドを復 活するという考え方で計算いたしておるところでございます。実際に再評価を決めるの は5年置きのその都度の法律改正でありますので、今回の法律改正で20%と書くことは 特段必要はないということで、法律には書いていないわけであります。  それから、次の年齢との関係でありますけれども、今回の財政再計算の賃金の伸びと 物価の伸びを前提に考えると、20%まで開くのはどれぐらいかといいますと、90歳を過 ぎたところぐらいという数字になります。1年間の乖離幅が1%いきませんで、年間0.8 %ずつぐらい開くということでありますから。 ○B委員  グロスで見た平均値というのはどういうことになりますか。 ○事務局  平均余命で申し上げればよろしいですか。例えば、男子の平均寿命とか女子の平均寿 命のところで何%開くかという言い方でよろしいですか。 ○B委員  総原資ベースという観点から。 ○事務局 総原資ベースで。 ○事務局  賃金スライドを停止することによって80%という水準になるには二十何年かかります が、実際には人数がどんどん減っていきますので、総原資ベースでは、平均的に言えば 10%もいかないと思います。 ○B委員  具体的な数字わかりますか。10%もいかないとおっしゃいましたので。 ○事務局  調べます。 ○C委員  今、事務局からの御説明で、モデル年金については62%が59%になるということだっ たのですが、これは特殊例で計算していると考えざるを得ないと思います。それは基礎 年金を今後どうするかということに関係すると思うんですが、基礎年金は今回は政策改 定で物価スライドだというふうになったわけですね。長期的にも物価スライドにとどめ るということであるとすれば、しかも賃金上昇率と物価上昇率に、今回のように、例え ば1%差があるという前提を将来長期にわたって続けていくとすれば、新規裁定時点、 世代別に見て、いわゆるモデル年金額は対賃金比でおのずから世代ごとに違ってくるの ではないかと思うんです。恐らく今の若い世代、遠い先に年金受給者になる世代のモデ ル年金は59%にはならないということではないかと私は理解しているのですが、それで 間違いないでしょうか。 ○事務局  基礎年金の今後の政策改定をどう見るかということで、数値が変わってくる可能性が あるわけであります。今回は、この5年間の物価上昇と、その間の消費の伸びを見比べ まして、消費の伸びが物価の伸びに追いついてなかったということで、今回物価によっ て改定して、これを政策改定としたわけであります。ただ、ルールを物価改定に改めた わけではございませんので、次の5年後の再計算をするときに賃金の伸び等を反映し て、また消費水準が上がっているならば、従来どおり賃金の伸びにより改訂することも あり得ることになります。基礎年金の水準は従来どおりの方法を踏襲して計算しており ますが、今後5年毎の政策改定をどう見るかによっては、この59%というものは変動す る可能性があるというのはおっしゃるとおりであります。 ○C委員  ですから、先ほどA委員の御質問にあったと思うんですけれども、いわゆる標準年金 とかモデル年金という考え方で比較的今まで理解がしやすかったものが、今後いろいろ な要素がさらに入って、それだけでは実態を示すに必ずしも十分でないものになるおそ れが強くなったということではないかと思うんです。ですから年金水準の示し方につい て、今後どうするか、新たな工夫が必要になったと私は考えております。 ○D委員  高在老なんですが、3ページの4のところ、標準報酬月額と厚生年金(報酬比例部分) の月額の合計が37万円、さらに基礎年金2人分を合わせて50万4,000円となっております が、直近のデータで見ると、高在老該当者の中の何割ぐらいになるんですか。 ○事務局 これは賃金と年齢の完全なクロスしたデータをとるのは難しかったもので、完全なお 答えにならないかもしれませんけれども、今回こういう制度を導入したことによりまし て、全額受給できる人の割合は大体6割半ぐらいになる。それから、全額支給停止され る人の割合が大体1割半ぐらいになるということを見込んでおります。 ○会長  よろしいですか。 ○A委員  もうちょっとです。6割半という数字の割合は、何に対して6割半になるのですか。 ○事務局  従来、全額受給できると期待していた人に対してです。だから全体の数でござい ます。その人に対して、高在老の導入により、全額受給できると見込まれる人の割合が 65%ぐらいになる。ですから35%ぐらいの方は一部調整を受けるようになると見込まれ ております。 ○B委員  ということは、ここで月額の合計額が37万、基礎年金夫婦2人を合わせれば50.4万を 超える人たちが35%いるということですか。 ○事務局 現在のデータをもとにいたしますと、1階、2階合計するとそれぐらいの該当の層が あるということでございます。 ○B委員  現在の受給者ですね。 ○事務局  現在の被保険者ですね。 ○B委員  現在の被保険者。 ○事務局  現在の65歳以上の被保険者のデータをベースにとりますと、そういう実態にあり ます。 ○A委員  現在の被保険者、働いている人ですか。 ○B委員  現在は65歳以上、被保険者はいないわけでしょう。 ○事務局  医療保険のデータを参考にして、現在65歳以上で働いて、健保で言う被保険者になっ ている人です。現在は年金の被保険者はいませんので。 ○B委員  65歳以上の年金受給者と考えたらいけないんですか。 ○事務局  そうならないと思います。65歳から69歳の年金受給者で働いている人です。 ○D委員  今おっしゃった数字の基礎のデータは健保とちょっとおっしゃいましたが、何を使っ て計算されたんですか。 ○事務局  65歳から69歳までで働いている人が高在老の導入により、今度新しく被保険者になる わけですが、その人数は65万人程度と見込んでおります。先ほどお話がありましたけれ ども、65万人のうち、制度改正がなければ、全員年金受給者になるわけですが、そのう ちの42万人ぐらいの方、65%ぐらいの方が全額年金が出る。それから、一部年金が制限 される人が20%、全額停止の人が15%ぐらいになるのではないかと見込んでおります。 ○A委員  37万円の根拠はこの数字から計算したんですか。37万円にしたらこうなるという、そ の37万という根拠は何なんですか。 ○事務局 この37万円の根拠は賃金と2階部分の年金を合わせた額が平均的な男子の標準報酬程 度ということで線を引いたところでございます。男子の平均の標準報酬がこれぐらいに 当たるというところで線を引きました。 ○D委員  今の事務局の御説明のデータは健保のデータですか。 ○事務局  厚生年金の65歳から69歳の被保険者のデータがないので、健保のデータ等を参考にし て推計したものでございます。 ○E委員  少し包括的な話になりますけれども、御意見を申し上げたいと思いますが、今回の改 正案要綱について評価できる点を見ていきますと、程度問題は別といたしまして、1つ は厚生年金の新たに裁定される年金額を小幅ながら5%カットするということ。  2番目に、裁定後の65歳以降の基礎年金、厚生年金とも物価スライドにとどめ、賃金 スライドを当分の間行わないということ。  3番目に厚生年金、報酬比例部分の支給開始年齢を平成25年から37年度にかけて段階 的に65歳に引き上げるということ。  4番目に厚生年金・国民年金の保険料の引上げを凍結するということ。  5番目に育児休業期間中の厚生年金保険料の事業主負担分を免除するということ。  こういった点は、いずれにしましても、私どもがかねて主張してきた方向にいろいろ 程度の問題はございますが、沿ったものということで評価できると思っております。  ただ、問題はあるわけで、意見を申し上げたいのですが、国庫負担引上げの方向が示 されたということは、私どもかねて言っている全額税方式への第一歩と考えるわけでご ざいますが、今回の要綱では国民年金の空洞化への抜本対策が全く示されていない。か ねて私どもは年金審で1階基礎年金部分を全額税方式、目的間接税の導入に再構築すべ きだということを主張をいたしました。多くの委員の方々も税方式には同じ考えの方が 多かったように思うんですが、目的間接税というところまで同じお考えの方もいらっし ゃいましたし、少なくとも全額税方式という考えは、かなりの方はそうだったように私 は思っているわけです。今回のこの要綱では、今、説明がありましたように、この改革 を先送りしているわけでございまして、そういう意味ではこの税金の問題と社会保険の 問題の両方の側面から議論をしなければならん問題でありますから、前にも申し上げま したように、厚生省という枠を超えた議論の場を早急に設置して、1階の財源の税方式 化について早期に結論を得て国民の将来への不安を払拭していくべきだと。  かねて申し上げているように、1号被保険者の空洞化の問題も重要な問題であります けれども、今、負担している人たちが、自分たちがもらう時代が来たらもらえないんじ ゃないか、こういう不安の方がはるかに大きな不安でありまして、そういう意味では早 急にこの問題の結論を得ていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  それから、2番目に厚生年金基金の問題でありますが、今回の要綱では、厚生年金基 金の抜本改革の方向が全く示されておりません。これは大変焦眉の問題でありまして、 基金の代行部分の国への返上の問題、それから、基金から適格退職年金へ移行の問題、 こういった厚生年金基金の抜本改革の方途について検討する場を設けていただいて、早 急に結論を得て改革を行うべきであると考えます。  株式による現物拠出を可能とすることにつきましては評価できるわけでございますが 上場株に限定しないで、店頭株も拠出できるように改善すべきではないかと思います し、また、実施期日は可能な限り前倒ししていただきたいということを申し上げておき たいと思います。  それから、これは1つお願いなんですが、今回の法改正で厚生年金本体の予定利率の 引下げ、給付水準の引下げ、支給開始年齢の引上げなどが行われるわけでございます が、また、死亡率も前回改正時よりも延びていると思います。これらが基金財政や免除 保険料率にどのような影響を与えるかを明らかにすべきだろうと思いますので、次回の 年金審に提出していただきたいということでございます。これは資料要求でござい ます。  それから、年金積立金の自主運用に関してでございますが、年金積立金の還元融資で あります年金住宅融資、教育資金あっせんの事業は期限をつけて順次廃止すべきだと考 えます。運用に当たって故意または重過失で損害を与えたもの、故意に虚偽の情報開示 をしたもの、重要情報を漏洩した者などにどのような制裁が与えられるのか。また、賠 償責任や刑事責任についてどのように考えるのか。この辺は制度設計、さっきの絵がご ざいますが、この中でどういうふうにこれを考えておられるのかということについて、 これは非常に重要な問題でございますので申し上げておきたい。  それから、総報酬制の問題につきましては、かねて申し上げているように、賞与が必 ずしも安定財源とは言えないということ。それから、給付の格差が拡大するというこ と。最近出てまいっておりますが、退職金を廃止して賞与に上乗せした企業に重い負担 を課すというような問題点がありますので、これは賛成できない。  さらに要綱では上限が150万円、ボーナス支給の都度保険料を徴収という言葉を使われ ましたけれども、150万円の上限が支給時期ごとに設定されていることでありますと、賞 与の払い方によって随分不公平が出てくるのではないかというようなことで、もともと 総報酬制については賛成できないということでございますが、制度自体にも問題がある のではないかと考えます。 以上、意見を踏まえて、総括的に申し上げさせていただきました。 ○事務局 お答えを今直ちにできるものとそうでないものがございますが、今、総報酬制の150万 の限度額について御指摘ございました。確かに今の考え方はボーナス支給の都度150万円 の上限で保険料を徴収ということで考えております。これは本当は1年間の賞与全額を 寄せて判断できれば一番的確であるわけですが、実務の要請上、例えば転職した方など のことを考えますと、何月時点で幾ら賞与をもらったかということを追うことがなかな か難しゅうございまして、ボーナス支給の都度150万という考え方をとったわけでありま す。もし、これがボーナス支給をどちらかに片寄せをするというような格好でその上限 からはみ出る額が大きくなって非常に不公平になるということが起きるならば、これは 制度改正時に実態を踏まえて調整していくことは可能であろうかと思いますが、現在は 現状のボーナスの出方をベースにしまして、月給の上限と同じようなウエートでボーナ スにも上限をかけさせていただいたということでございます。 ○事務局 E委員から厚生年金基金関係3点御指摘ございましたが、まず、基金の代行返上ある いは適年への移行というようなお話がございましたけれども、御承知のとおり、年金審 議会の昨年の10月の意見書の段階でもこの点につきましてはいろいろ御議論あったとこ ろでございまして、最終的には引き続き検討ということになっております。私どもも検 討してまいりましたが、例えば、代行返上というようなことが言われておりますが、そ の場合には上乗せ部分をいったい法的にどう位置づけるか、受給権保護をどうするか、 あるいは税制措置をどうするかといった問題が多々ございます。  そのほか企業年金関係、確定拠出型年金、企業年金基本法など問題がございまして、 確定拠出の方は来年法案を提出いたしたいということで考えておりますけれども、そう いった問題の検討と並行してさらに検討を続けてまいりたいと考えております。  それから、現物の拠出につきましては、店頭株もどうかというお話しございました が、私どもこれまで検討を重ねてまいりましたが、やはり拠出をする株式につきまして 流動性が確保されないと受け取った基金としては大変困るであろう。それから価格の評 価につきましてかなり客観性のあるものでないと問題が生じやすいということで、やは り対象としては制度上は上場株式という形に限定せざるを得ないのではないかという結 論に至っております。  それから、実施時期の前倒しにつきましては、「公布日から3カ月以内の政令で定め る日」ということでございまして、公布日から3カ月以内ということでございますか ら、この辺は周知期間という点から考えますと、この辺がかなりいい線ではないかと考 えております。  それから、今回の改正による免除保険料率への影響ということでございますが、免除 保険料率は個別の基金ごとに算定するものでありますから、全基金がそれぞれ幾らにな るかということについては、これは1,800の基金すべてについて免除保険料率を算定する のは現実問題としては大変難しいということは御理解を賜りたいと思います。おおよそ の目安ということで申し上げれば、予定利率の引下げ、死亡率の改定などによりまし て、4割近く上昇するのではないか。それから、今回の法改正などによって、給付水準 などが下がりますが、これはかなり粗い感じと受けとめていただきたいのですが、大体 2割程度の引下げになるのではないか。ということで、全体としては2割程度上昇では ないかと見ております。 正確に各個別基金の平均値がどうなるかということについて は、1,800すべての計算を重ねていかなければいけないわけですから、現実問題として は大変難しいということは御理解いただきたいと思います。 ○事務局  住宅融資事業等についての御意見がございました。本審議会でもさまざまな御意見が 出ました。また、この話が行革という政治的な流れの中で出てきたということで、私ど もとしても与党にお返しして御議論いただきましたが、その場でもさまざまな議論が出 て御説明申し上げた結果になったということでございます。ただ、繰り返しになります が、いずれにしましても閣議決定のラインの流れの中で、この業務については本来業務 ではない経過的業務として位置づけられるものであり、期限は決めないのではなくて、 期限は状況を見て決めるということでございます。 ○事務局 自主運用の実施に当たりまして、責任論につきましての御指摘がございました。私ども 今回の自主運用の構築に関しまして大変留意いたしました点は、責任の明確化というこ とと情報公開の徹底という2点でございます。その中で責任論についてでございます が、今回はこの自主運用事業、資金運用事業に携わります厚生省の職員の責務規定ある いは運用の管理実施に当たります年金資金運用基金の役職員の責務規定、いわゆる受託 者責任と呼ばれています注意義務、忠実義務というものを法律上明確にしたいと考えて おります。あわせまして、そういった注意義務、忠実義務に違反するような運用プロセ スがあったということになりますと、これは厚生省職員の場合は国家公務員法に基づ き、それから、基金の役職員に関しましては、服務規定等に基づきまして、それぞれ懲 戒処分、制裁処分ということになろうかと思います。そのほか秘密漏洩に関する罰則。 それからインサイダー取引のようなことがもしあるとすれば、それは証取法の方での罰 則ということになろうかと思います。以上でございます。 ○F委員  国民年金の関係でもよろしいですか。 ○会長  どうぞ。 ○F委員  4ページの国民年金保険料の半額免除制度の導入の問題です。これは都市部、町村部 におきましても、国民年金に対しましての年金の未加入者の増加とか、保険料の未払い 部分が増大しているという傾向にいずれもあるのではないかと思えるのです。そこで一 定の低所得についての処置をなさったというふうに理解いたしますが、なかなか現実問 題としては、どこの地方自治体も大変な苦労をしております。努力をしておるにもかか わらず成果が上がっていないというような状況にあると思うのであります。きょうの朝 刊だったでしょうか、どちらかの新聞に俗な表現で申しわけないんですが、バレンタイ ンデーのチョコレートの広告を連想するような、大きな1ページ大のPRがございまし て、厚生省としても大変な御苦労されているということはよくわかるのでありますけれ ども、一番重要なことを国民年金に関しましてはもうちょっと、いわゆるコミュニティ 活動的な点に根をおろしていかないとなかなか徴収率等が上がってこないのではないか というような点を非常に危惧しております。ぜひ、社会保障制度全体の中で掘り下げて お考えをいただきたいということと同時にそのような掘り下げた論議をされたことがあ るかどうか。  これまで市町村に対しまして還元融資の制度がありまして、検認率が悪いと起債がで きないのではないかという心配もあるのですが、つまりあめとむちの処置があったんで すけれども、そのような点もなくなっていくということになりますと、どういった方向 で一般の国民に対しての理解を深めていくのか。また、半額免除制度について一定の低 所得というのはどの程度の意味なのか、概念的でも結構なんですが、お考えがございま したら、お伺いしたいと思います。 ○事務局  基礎年金・国民年金についての御質問で非常に制度の根幹の部分までの御指摘であり ます。半額免除制度の対象となる低所得層について、どの辺までかという御質問の部分 についてまず、お答え申し上げたいと思います。現在線引きをどこにするか、まだ省内 で調整中でありまして明確には申し上げられないところでありますけれども、おおよそ 所得税非課税の方はこの対象になると思います。もうちょっとそこのところを広げて、 低所得層の対象を広げることができないか、そのあたりを現在検討しているところでご ざいます。  新しい制度を導入することによって国民年金の御理解をより賜りたいと考えているわ けでありますけれども、今回、国庫負担の引上げ、今の半額免除、あるいは学生に対す る保険料納付の特例ということで制度に対する理解をさらに深めていただきたいという ことも今回の制度改正で期待しているところでございます。  あと、実務面につきまして、事務局から引き続き御説明申し上げます。 ○事務局  国民年金の保険料徴収につきましては、ただいま御指摘ございましたように、市町村 の方で大変な御苦労をいただいておるわけでございますけれども、私どもやはり保険料 の徴収対策としては、まず第一に御指摘ございましたように、国民年金についての正し い御理解と知識の普及ということが極めて重要であろうと思っております。このため先 ほど御指摘ございましたような新聞の広告等も出させていただいておるわけでございま すが、さらにより若い世代のうちから十分年金についての御理解をいただくという意味 で、中学校、高校生を対象とした年金教育にも力を注いでおるところでございます。  また、各地域の活動といたしましては、国民年金委員というような方々に広報活動を お願いして、それぞれ国民年金についての御理解をいただくとともに、保険料納付につ きましても、地域組織でございますような自治会や婦人会等におきまして、「納付組 織」と称しておりますけれども、そういったところで保険料を集めていただくというよ うなこともお願いいたしており、いろんな形で国民年金の御理解をいただきながら、保 険料を納めていただくような措置を進めておるところでございます。 ○会長  どうぞ、G委員。 ○G委員  1つは総報酬制ですけれども、上限の150万円という設定は何か根拠があるのかどうか ということと、それから、もう一つは、給付の格差が拡大するということもあったわけ ですけれども、月給が高い人はボーナスを加えることによって高額な年金額になるわけ ですね。それをある程度抑制するために給付乗率を低減させるという議論もあると思う んですけれども、今回は一定の給付乗率でいくのかどうか。 もう一つは、それぞれの改正の実施面が、簡単なのは来年の春からなんですけれど も、あと平成14年、平成15年という3年ないし4年先なんですけれども、確かに実施体 制を準備する期間というのが必要だとは思うんですけれども、そんなに3〜4年もかか るものなのでしょうか。ちょっとその辺をお伺いしたい。 ○事務局  まず、総報酬制の賞与の上限のことでありますけれども、この考え方は、今、月給面 でちょうど上限に張りついておられる方々のボーナスの実態を見ますと、大体4.8カ月、 つまり、年収1に対して0.4ぐらいのボーナスを受け取っておられますので、その実態に 合わせて、年間ボーナスの2分の1に相当する150万を上限にしたところでございます。 それから、総報酬制導入に伴う制度格差の問題でございます。これは以前、当審議会 で総報酬制を御議論いただきますときに、要はボーナスも導入すれば、上と下で受給格 差が広がるのではないかということを数字で検証いただいた記憶がございます。現在の 厚生年金制度は分厚い1階部分がありまして、それによって所得再分配がかなり進んで おりますので、2階部分において若干、ボーナスをたくさん払った方がたくさん年金を もらうという要素は出ますけれども、一方で1階の再分配がきいておりますので、影響 は非常に小さいということでありましたので、途中で段階を引いて、収入の高い層の給 付乗率を下げるというアイディアも当初はございましたけれども、それには及ばずとい うことで一本の線で考えさせていただいたところであります。  それから、実施時期でございますけれども、確かにおっしゃるとおり、項目によって 相当ばらつきがございます。特に総報酬制につきましては、15年の4月ということで、 これは実務上もこれからオンラインシステムの設定に、非常に大きな実務の変更を要し まして準備が要るということもございますし、また総報酬制の議論をいたしますとき に、これはL委員含め、その周知期間、準備期間に配慮するようにという御指摘もござ いました。そのあたりも勘案して、今回の財政再計算期間の相当遅い時期ぎりぎりで15 年、実務的に早めて苦心してもこの辺が限度ではないかということでございます。学生 の保険料納付の特例については、むしろ期待が非常に高いので、喜んでいただけるもの は相当実務的に無理をしても急いだというものもあります。制度改正の一個一個につい て、社会保険庁と年金局で相談した結果、個々に判断が分かれておることを御理解いた だきたいと思います。 ○会長  よろしいですか、G委員。 ○G委員  はい。 ○C委員  先ほど来、総報酬制について何人かの委員の方々から意見が出されました。あわせて 私の考え方を申し上げたいと思いますが、審議会の審議を通じて、私、総報酬制の導入 には賛成してまいりましたので、基本的には支持をしたいと思うんです。ただ、ここに 示された内容を拝見する限り、再検討を要するところがあるのではないかということを 申し上げたいと思います。  それは、基本的に年末調整という観点が入っていないということなんです。総報酬制 を導入しているのは雇用保険の方で既に先例があるわけです。今回厚生年金に総報酬制 を導入するに当たっていろいろな考え方があったと思うのですが、ここに示されたもの は、結果的に、先ほどE委員がおっしゃいましたけれども、賞与の払い方について、影 響の程度がどういうことになるかよくわかりませんけれども、全然影響がないというふ うにはどうも考えられないのではないかと私は危惧します。  具体的に申し上げますと、例えば、ボーナスを年間300万円もらっている人がいるとし ます。従来だったら2回に分けるわけです。例えば、150万ずつ2回に分けて払います と、全額保険料がかかるわけです。ところが300万円のボーナスを年1回払いにします と、150万円だけが年金保険料の賦課対象になって、残りの150万円は年金保険料を徴収 ベースから外れちゃうんです。そういうことがありまして、要するに年間で150万円以 上ボーナスを払う人について、企業の当事者、労務担当の人とかサラリーマン本人も、 いや、ボーナスは1回払いにしてくれという要求が労使交渉の中で出てくる可能性があ るということです。あるいは、年俸制を今導入しようとしている企業が結構少なくない わけなんですけれども、年間で800万円弱くらいから上の階層については、年俸制を導 入して、年俸について12回払でやる、ボーナスはなしという形にしますと、基本的に月 例賃金の上限のところから上のところは年金の賦課対象になりませんし、ボーナスを払 わないわけですから、基本的にこれも厚生年金の保険料徴収というところにつながらな いわけです。 今、企業の経営は非常に苦しいところに追い込まれていまして、人件費管理について は非常に皆さん神経質になっているわけです。少しでも人件費を減らす余地があるとし たら、同じ賃金の支払いでも社会保険料負担を軽くしたいということは当然のことなが ら労使の関係者がお考えになるということだと思うんです。そうすると今ここで仮定し ている月給相当の3割が今後とも賞与として支払われるという仮定、それを置いて、保 険料を4年後に 13.58%に下げる。しかし保険料収入トータルとしては変わらないとい う想定になっているのですが、この想定が崩れるおそれが高いのではないかと私は思い ます。こういう形で保険料を下げると、保険料収入が全体として予定に届かないという 事態が予想されるのではないかと思うわけです。これは当初総報酬制を導入しようとし た意図に反する事態なんです。 私はやはりボーナスも含めて、当初、見込みでとりあえず保険料をチャージして、最 終的には年末調整ということをするのが一番すっきりするやり方だと考えています。こ れは今回の提案の中にないのは残念なんですけれども、私は保険料の水準が高い場合に は問題は深刻化するのではないかということを危惧しておりますので、お考えいただき たいということでございます。 ○事務局 ただいまの御指摘は、私どももこの制度を検討するときに非常に悩んだ部分も含まれ ております。それで御説明を一、二補足申したいわけでありますが、基本的に例えば雇 用保険と全く同じようにやるという考え方も技術的に考えたわけでありますが、年金と 雇用保険では金額や料率が余りにも違います。あるいは一人の労働者を1年間ずっと追 って年収ベースでつかまえる、転職もあるわけですが、実務的にすべての被保険者を完 全にフォローして、年収で完璧なものをつくることはなかなか難しい面がございまし て、従来よりははるかに公平性を高めるということで実務の限界とぎりぎり調整してこ ういう方法を今回は提案させていただいたわけであります。  それで、例えばボーナスの片寄せの議論でありますけれども、ちょっと先ほども申し 上げたことの繰り返しになるかもしれませんが、実際に年間に1回で一方に300万集中す るということになりますと、これは一回おくれになるかもしれませんけれども、実態を 見きわめて、次の改正でボーナスの上限を実態に合わせて調整していくということで、 片寄せ分、数年間はちょっと財政的に損をするかもしれませんけれども、そこは追いか けて調整していくことも考えなければいけないのではないかと思います。また、年俸制 を含めて高い収入の人が、ボーナスと年金を移動させて保険料のがれが起きる、これは 確かに可能性ございますが、例えば年俸制で計算しますと、今の62万円の上限の者は年 収で744万、それぐらいのところまでは把握できますので、そこから上のところで、確か にボーナスと月給の操作があるとしましても、現行よりははるかに公平性が高まる。年 収を完全に把握して保険料を徴収することからすれば、若干実務的な制約があったとい うことを説明させていただきたいと思います。以上です。 ○B委員 年俸制の議論、私たちも大変重視してまいりました。基本的に総報酬制をとるという ことは、月例賃金であるか一時金であるかということについて性格上の区別をしないと いうことなんだろうと思うんです。それを今回の御提案大変苦労されたことはよくわか るんですけれども、やはり月例賃金と一時金とを別々なカテゴリーで扱っておられるよ うな気がいたします。C委員御指摘の一時金比率が今後とも一定かどうかということに ついては、我々も決してそうではないだろうというふうに思います。一つはいわゆる年 俸制というのもありますし、既に幾つかの企業では退職金の扱いを含めて、その辺の支 払いの仕方について相当大胆な変更が実験として始まっておりますので、例えば、公務 員の方々のような典型的なケースというのは、民間ベースでは相当多様化していくの で、ただ、料率を同じにするというだけではこれは総報酬制という感じにはならない。 やはり総報酬制という場合には、月例であろうが何であろうが、とにかく賃金と支払わ れたものの総額、これを年単位でもって把握するということが基本なんだろうと思いま す。 ただ、事務局が危惧された理由、雇用保険みたいな少額・低率のものと同じかどうか ということについては、これは大変問題を残すことは事実ですが、考え方としてはそこ を大事にしてほしい。 その上で、先ほどE委員から総報酬制に対して非常に否定的な御見解でございました けれども、私どもは今の給与所得者の中で一時金比率というのは非常に高い人から低い 人、あるいはボーナスがない人まで含めて非常に多様ですので、ボーナスが低い人やな い人の方が一般的に言えば賃金水準も低いケースが多いわけですから、そういう人の方 が年間総収入に対する負担率が結果としては高くなるというのはやはり不公平なので、 これは負担の公平性を担保する観点から、幾つかの技術的な工夫をこらした上で総報酬 制へきちんと踏み切るべきだろうと思います。 それから、ちょっとついでに、E委員御指摘の基礎年金の問題でございます。私ども は一貫して基礎年金制度こそ今の公的年金制度の中で構造的な危機をはらんでいるのだ と申しました。税方式への転換ということの方向づけが全くされてないことについて極 めて強く不満でございます。また、2分の1ということが、ようやく政治サイドからの 議論をきっかけにしてここで出されていますけれども、では一体いつからなのかという 問題については全く不明瞭であって、今回の凍結解除にかかわる期日と2004年までとい う言い方と、それから、安定した財源という議論との間には、これは何か全然別なとこ ろから来たものがそれぞれ張りつけられているという印象を否めません。その一部は事 務局御自身が、これは政治サイドから来たものをくっつけたんだというふうな御指摘を されていますけれども、まず、安定した財源というときに、これは一体何なのか。そこ の部分について間接税の追加的な引上げをやることについては私どもは反対でございま す。  それから、2004年というのは、次の定例的な財政再計算期であって、それまでの間、 ずっと保険料も凍結、公費負担も3分の1のままといったような事態を想定すること自 体について、私どもは反対であって早急にこれを行うべきだと思います。これは当初自 民党から、自由党、公明党に示された当初案、俗に言う2番目になるものには、2004年 を待たずに可能な限り早くと。当時、巷間伝えられてきたのは2年後ぐらいということ で言われてきた話ですが、これが事実上ここのところでは非常に薄められてしまってい るという印象が大変強い。これについては明らかにこの間の論議から見て後退としか言 いようがないのではないかと思います。それから、ついでですみませんが、E委員、大 変厳しい御意見を表明されました積立金の自主運用にかかわる部分の、年金の福祉的な 運用にかかわる部分でございますが、ここについては、私どもはなるべくこれを維持し ていただくように当初から要請してまいりました。御案内のとおり、公務員の人たちの 共済組合の年金にはこの融資の問題が当初から組み込まれていて、民間労働者にこれは なかったものをつくってきたことでございますので、これを廃止するということは新し い官民格差を年金の現役の被保険者に対する還元という観点から新しくつくってしまう ことになりかねない。もちろん今制度の実態が非常に憂うべき事態にあることは承知し ておりますが、それを何とか克服して、このスキームについては維持していただき たい。今後も民間労働者の住宅に対するニーズは続くわけですし、また、高齢化時代と いうことを迎えて高齢者向きの住宅に対するニーズも新しく発生します。それから、若 いころつくった住宅が、親を引き取るときに増改築という形で、例えばバリアフリーと いったニーズも既にたくさん発生しているわけですから、公務員の方々にある制度は、 やはり民間労働者に対しても横並びであってしかるべきだし、それがまた若い人たちの 公的年金に対する信頼度を担保する1つにもなっていくのではないだろうか、この点の 叙述に関しては積極的に支持をしたいと思います。 ○H委員 3つ質問なんですが、非常に単純なことです。まず、今回のこの案というものが、だ れにとって一番厳しいものなのかということを理解したいと思うんです。私はやはり3 番のところの老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げというのにまず直面する人たちが今 回の改正でもって一番ショックを受けるというところではないかと思うんですが、それ はこの書き方だとよくわからないので、何歳の人たちなのでしょうかということが1つ です。それをはっきりすると、もっとその方たちが今回の改正をどう思うかということ がよく受けとめられると思います。  これは前からちょっと気がついていたのに言わなかったので申しわけないんですが、 4ページの育児休業期間中の事業主負担の免除です。本人も免除されるし事業主負担も 免除されるわけです。この免除された分をだれが負担するのかというのがどうもわかり にくいのでお願いいたします。  それで、少子化の動きの中で、こういった免除が行われ、そして、育児休業をとるこ とが企業にとっても余りデメリットでないということが増えるにしても、社会全体から 見て、年金全体から見て育児休業をとる人が増えれば増えるほど制度に入っている人た ちが負担が増えるということであるとこれは矛盾してしまうので、この辺のことを伺い たいと思います。  それからもう一つは、自主運用です。自主運用についてのシステムについては、以前 にここの審議会でも話し合ったときとほぼ同じような図なんですけれども、あのときは 運用のための委員会というところに年金審議会がたしか入っていたと思うんです。それ はなくなるのは、私は委員としてはいいんですけれど、つまり責任がとれないというふ うに前から思っていたんです。でもそうなったときは私はやめたいというふうに思って いた。やめればいいぐらいなら全然楽なんですけれども、やめたぐらいではとても責任 がとれないことだと思っています。  先ほどの一番最初の諮問の検討に入る前のB委員の御意見もありましたけれども、こ の委員会というのは一体厚生大臣に任命される、そういうたぐいの審議会のような位置 づけのものなのか。それともまたそれとは独立した独特な今までなかったようなたぐい の委員会なのか。一体どういうものを考えていらっしゃるのか。そうするとここの委員 会の重要性が見えてくると思います。  私の個人的な意見としては、オンブズマンの制度のようなありますが、もうちょっと 国民の方に近いようなものにして、そこに強い権威を与えるようなものにしないと、私 たちとしてはとても不安で、厚生大臣に諮問されて、それを言うという程度の位置づけ では、厚生大臣もやめます、厚生省の方もおやめになります、委員もやめますというこ とで終わってしまったら責任とったことにならないのではないかというので、その3つ について、できればわかりやすくお話しいただきたい。 ○事務局  まず、65歳に支給開始引上げになるときの具体的な年齢層、対象はどこからかという ことでありますけれども、これは昭和28年4月生まれのところから、2階部分が1歳ず つ繰り上がってまいりまして、昭和36年4月以降に生まれた者が、65歳支給になるとい うことでございます。女性は5年おくれです。参考資料の3ページに年齢を書いた一覧 表が付いておりますのでごらんいただきたいと思います。  それから、2つ目の育児休業の免除について、これはだれが負担するのかということ でありますが、これはその期間、その本人、企業の負担がないわけでありますが、これ は被保険者なり企業含めて、それは厚生年金全体で支え合うことになります。どこかほ かから別に国家やなんかの追加財源が入るわけではありませんから、その期間の免除分 は全員でカバーしていくことになるところでございます。  それから、さっきのB委員の御意見について一、二申し上げたい点がありますので、 この場をかりてあわせて説明させていただきたいと思います。総報酬制で低所得層にし わ寄せがいくということはむしろありませんで、これは1階部分の定額部分が大きな幅 を持っておりますので、低所得層は負担が軽減するほど給付は減らないという形になっ ておりますので、その辺は誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから、基礎年金の2分の1国庫負担の関係について、確かに安定財源あるいは凍 結の解除の関係等なかなか政策的にも難しい判断のものがございます。さっき自民党の 関係で御説明ありましたが、事実関係を説明しますと、2年間という話は凍結解除の時 期で出たことは、なかったわけでありまして、国庫負担の引上げを2年後というような 議論が自民党から出た経緯は記憶しておりません。また、暮れの自民党、自由党あるい は公明党の協議で使われたペーパーの中であった表現が後退したことはなかったと記憶 しております。当時の表現が、先ほどの、例えば5ページの8の費用負担の(4)にほとん どそのまま再現されておると理解しておりまして、自民党のお考えを行政サイドで後退 させたという事実はございません。以上です。 ○事務局  自主運用の運用のための委員会についてのお尋ねでございます。年金審というのがと れておりますが、これは他意はございません。政府部内の中で審議会の在り方全体につ いての見直しが行われているということでございまして、年金審自身がどういうふうに なるのかという検討も当然あるわけでございます。  そういう中で、年金審とかかわらず本自主運用事業の運営に当たっては、こういった 保険料拠出者の代表、あるいは金融経済、年金の専門家から成る委員会がいるというと ころは変わらないわけでございます。それでこういう表現になっている。この委員会の 性格でございますけれども、これは性格づけとしましては諮問委員会、アドバイザリー コミティという性格づけの審議会でございます。したがいまして、保険者であります厚 生大臣が運用の基本方針についての責任を持つわけでございますけれども、その際に幅 広く関係者の御意見をちょうだいしたいと、こういう趣旨でございます。  それから、御提案がありましたオンブズマンのようなものの必要性を拝聴いたしまし たが、こういったことに関しましては情報公開という形で応えてまいりたいというふう に考えております。以上でございます。 ○D委員  先ほどE委員とB委員の方からお話のあった国民年金の空洞化の問題なんですけれど も、これは私の意見をちょっと言わせていただきたい。確かに国民年金の未納・未加入 は大きな問題で、特にこの1年ぐらい検認率が下がっているという事実もありますか ら、そこはいろいろ既に御説明があったように、適切な対応策を行政としても早めに推 進をしていただかなければいかんということはそのとおりだと思うんですけれども、も ともと空洞化の議論そのものが非常に誇張されている面が私はあると思うんです。免除 者を分子に入れて、分母を1号被保険者だけで割った数字で3分の1という言い方を財 界や労働組合が共同歩調でおっしゃること自体が世の中に非常な大きな誤解を拡大し て、一層不信を募らせている面も私は無視できないと思うんです。それはそういう御意 図ではない、善意でおっしゃっているのだろうとは思いますけれども、結果的にそうい う効果が非常に大きい。特に1号被保険者で結構お金を持って寿司屋なんかで酒飲みな がらその話をしている人が非常に多いんですけれども、まさに連合と日経連、経団連が 全部そう言うからますますそうだという、こういう世論形成になっている面が非常に私 は大きいと思うんです。ですから、御意図を私は別に悪意に解するつもりではないです けれども、やはりマスコミでさらにそれが増幅されることも考慮に入れて御発言をぜひ お願いできないか。  それから、私はきょう説明の中でありましたような、半額免除の制度の導入や、ある いは自民党がやってくれた方がいいのかもしれないけれども、2分の1の国庫負担が本 当に実現できるかどうかは問題は残っていますけれども、そういう空洞化に対する処方 箋としても大きなものが2つ入ってきているわけですから。保険料を払っていない者の 割合は、分母は、第1、2、3号被保険者の合計である国民年金被保険者数、分子は免 除以外の未納・未加入者として計算するべきで、むしろ3分の1ではなくて本当は4.7% ぐらいの率です。免除があるというのは、社会保険である以上はむしろ当たり前のこと なので、その辺についてはもう少し、特に連合や日経連のような影響力の大きい組織の 代表の方は御注意をいただいた方がいいのではないかと私は思います。 ○会長 I委員どうぞ。 ○I委員 保険料の据置きは大変評価したいというふうに思っておりますし、基礎年金の国庫負 担引上げの方向につきましても賛成であります。今、御意見ございましたが、半額免除 や学生の納付の特例につきましても賛成です。ただ、このことについて、申請に基づく というふうにしておるわけでありまして、きちんと申請手続が得られるように申請漏れ のないような対策が何としても必要だと思っています。申請漏れで、結局は未加入・未 納の扱いにならないような対策がぜひ必要と思っています。 先ほども御意見がそれぞれありましたが、いずれにしても、これらの措置を機会に国 民年金の未加入・未納の解消に向けた推進対策をぜひ講じてもらいたいと考えて います。 ○J委員 先ほど連合と日経連が、D委員から名指しでご指摘を受けたのですが、私は今回の諮 問案の5番と6番はまるきりだめだというような見解は持ち合わせていません。D委員 御指摘のような点も否定はしませんけれども、今、巷間言われているようなマスコミの 増幅作用があろうがなかろうが、現実問題としていろいろ言われている空洞化論という ものについて考えたときに、どの策をとれば基本的な問題が解決するというふうには思 っていません。そういう面ではやらないよりはいいだろというぐらいの、要するに消極 的な評価をしています。それから半額免除というのがありますが、E委員がこれまでの 議論経過の中で何度もおっしゃっていました。例えばことしのサラリーマン・勤労者の 賃金引上げの状況を見て、引上げがされないところが多くあるわけであります。そうい う状況の中で半額であれ何であれ、どう考えても働かない人から保険料を取るというよ うなシステムは社会的にこれからなじんでいくのかどうなのかと思います。そして、一 般的に言われている空洞化論に対してもっと根本的な点での積極的な策をとっていかな い限り、仏つくって魂入れずみたいな感じで、全体の制度そのものの根幹がはっきりし ない不安材料を多くの人たちに与えることは間違いないと思うんです。  そのことが1つと、先ほど新たな自主運用に関する説明のところで、年金審議会の関 与が外れたのではないかという御意見がありましたけれど、私は31回の論議をした中で 何度か発言した記憶があるのですが、この審議会のメンバー構成もそうでありますが、 自主運用を具体的に責任を持ってやっていくというころの委員会というのがあります が、そこにはどう考えても拠出者の論理ははっきりさせてもらう必要があると思ってい ます。そこがない限り、信頼のおける制度にはならないのではないかと思います。原資 を出している側が少数派で、あと制度をいろいろ積極的にお考えいただく人もあるので しょうけれども、どう考えても仕組み上拠出者の論理ははっきりさせるべきだと思いま す。  基礎年金部分で3分の1の国庫負担が新たに2分の1にどこかのタイミングで変わる と想定しましても、基礎年金部分でありまして、トータルの2階の部分に対する我々の 拠出者の論理はきちんと守ってもらう体制をこの自主運用の機関の中にも構築してもら いたい。このことを申し上げておきたいと思います。 ○会長  A委員どうぞ。 ○A委員  1つだけお伺いしたいのですが、審議会で前に厚生省が5つの選択肢を出されました が、給付の総額で1割カット、2割カット、4割カット、この給付の適正化をやると全 体として、将来は何割カットになるんですか、それが1つ。  もう一つ、保険料等の将来見通しで年次別の数字を出しておられますが、保険料は凍 結されるが、国庫負担割合は将来も何か3分の1の前提の表なんですけど、この法律案 では、実際にできるかどうかは別にして2分の1に上げるという前提での法案なんです から、2分の1に上げる前提でのこういう表をお示し願えないでしょうか。3分の1も いいですけれども、2分の1の数字でどうなるかというものを今度のときに見せていた だければありがたい。 ○事務局  まず、一昨年末の5つの選択肢で言う、どれに当たるかという御質問でありますが、 若干原案から修正はされておりますけれども、基本的にはあのときのC案にほぼ匹敵す る内容になっておりまして、将来的には約2割ぐらい給付総額が減るという設計でござ います。  それから、保険料の将来見通しでございますけれども、先ほど事務局から御説明申し 上げましたものは、確かに3分の1という国庫負担前提のものでありまして、いわば法 律の本則に基づいてつくらせていただきまして、2分の1のケースは(注)ということ で文章で書いております。これにつきましてはお求めでございますので、資料を準備し ておりますので、もしお許しいただければ配付させてごらんいただくこともできるかと 思いますが、いかがいたしましょうか。 ○会長  どうぞ。 ○事務局  配付いたします。                  (資料配付) ○会長  御説明をお願いします。 ○事務局  ただいま配付させていただきましたのは、先ほど(注)のところに書いてございまし た国庫負担を5年後に1/2にした場合の厚生年金保険料のグラフでございます。ごら んになっていただきますと、仮定のところにございますが、保険料を5年間据え置い て、5年後に国庫負担割を1/2に引き上げていくという場合には、国庫負担の引上げ に伴いまして保険料を1%軽減しますと、グラフの右のところにありますが、改正案 ベースで最終保険料率が25.2%、平成16年10月以降の5年毎の保険料の引上げは 2.3% というふうに見込まれております。 次のページがその保険料を取った場合の保険料の収支の見通しでございます。中ごろ の平成37年(2025年)で見ますと、保険料率、対総報酬で見まして19.6%、標準報酬で 見ますと25.2%、収入合計が79.8兆円、うち保険料収入が55兆円、運用収入が11.2兆 円、残りが国庫負担でございます。  その右で支出の合計は改正案でございますので、70.8兆円、収支差引残が9兆円とい うことで、結果として積立金が名目で290兆円、11年度価格で166兆円、積立度合で4倍 ということでございます。  その次が、同じく国民年金の場合に、5年後に国庫負担を1/2にした場合には、最 終保険料が1万8,200円というもので推移するということでございます。 その次が、国民年金の収支の見通しでございます。平成37年のところで見ますと、保 険料が18,200円ということで、収入、支出、それぞれ表のようになってございます。 それから、その次のページでございますが、基礎年金の給付費と国庫負担額の見通し ということで、基礎年金の給付費が、左の欄ですが、平成12年には、14.4兆円であるも のが、平成37年には22.1兆円ということで、それぞれ右の方に国庫負担が1/3の場合 と1/2の場合を参考に掲げております。以上です。 ○ 会長  K委員、何か御発言ございませんか。 ○K委員  ございません。 ○会長  ほかにどなたか御発言ございますか。E委員どうぞ。 ○E委員  さっきJ委員からあったことと同じことも入るんですけれども、1つは、自主運用に 当たっては保険料拠出者の代表がきちんと位置づけられるということが1つ。自主運用 の実施という表なんですが、何回見ても、これは不安でしようがないんです。今度は例 の年福を吸収いたしますから、 143兆ぐらいのお金を扱うことになるんですけれども、 本当にどういう形でなされるのか。さっき「特殊法人」という言葉が出てきたような気 がいたしますが、投資理事会、これは非常に重要なところだと思いますけれども、それ から、横に自主運用、自家運用というのがどうしてあるのか、これはどうしても理解で きない。 それから、投資理事会のメンバーというのは、これは本当のプロフェッショナルな、 民間の運用機関に委託するわけですけれども、それが見抜けるぐらいの本当のプロフェ ッショナルの力を持った人たちでなければいかん。また、それを管理する人がいるわけ ですね。それを管理する人もやはりプロフェッショナルじゃなきゃいけない。果たし て、そういう人がどういう形で調達できるのかなと。今の年福の状況等を考えますと、 あれを拡大したようなことになっては大変なことになっちゃいます。そこのところがど うしても、本当に大丈夫なのかという話になるような気がするんです。そこはやってみ なきゃわからんじゃないかと言われても困るんですが、責任を負うというんですけど、 何が何に対して責任を負うことになるのか、その辺のことが、やはりよほどしっかりし ておかないと、すべてが壊れてしまうような気がして仕方がないものですから、この辺 について、どなたか納得的な説明ができる方がおられるのかどうか。本当に心配で仕方 がないということで、まさにこれは血の出るような金を集めてやるわけですから、よほ どしっかりした運用をやっていただかなければいかんわけですが、どうもここのところ が何回見ても心配で仕方がない。ちょっと余り意見にならないような意見なんですけ ど、保証していただきたいなと、こういう気がするんですけれども。 ○事務局 いろいろ御心配になられるのは当然だと思います。我々はそういう心配が、実際起こ らないように、これから関係者の英知を結集して新しい体制をつくっていかなければい けない、こう思っているわけでございます。今のように資金運用部に黙って預けると、 それが財投機関にぐるぐる回って、実質的な不良債権が大量に発生しておる。それを穴 埋めするために現に国鉄清算事業団では増税が行われたわけです。年金の金を今までと 同じやり方で運用するわけにはいかない。年金の加入員・受給者の利益にならない。だ から、これは我々自身で血を出して努力をして新しい仕組みをつくっていかなければい けない。こういうことで、御懸念は我々もよくわかるわけでございますので、制度、仕 組みにつきましては、先ほど来、御説明したとおりでございますけど、これに魂を入れ ていかなければいけない。人材をこれから確保していかなければいけない。制度プラス 運営の面で非常にいろいろな努力が必要なわけでございまして、これは、保険料拠出者 の御参加も得ながら、そこの新しい仕組みをこれから一つひとつつくっていきたいと思 っているわけでございます。 ○E委員 2点だけちょっとお願いしておきたいんですが、1点は保険料拠出者の代表が、はっ きり物が言え、チェックできる機関をきちんとつくっていただきたいということが 1点。  それから、もう一つは、この投資理事会、実際にやる人たちに極力民間を登用してい ただいて、民間のプロ、これをぜひ登用していただく。それから、それを監視する方も 民間のプロを登用していただきたい。この2点だけは強く要望しておきたいと思い ます。 ○事務局  おっしゃることを我々も考えております。保険料拠出者の代表をきちんと位置づけ る。民間活力を活用する。民間の人材を登用する。監視機関をきちんとしたのを設ける ということでございまして、それは資料に絵がありますけれども、御指摘の3つについ てはきちんとした位置づけをし、機能を果たせるような人材を登用して、制度の面、運 営の面、両方でしっかりしたものにつくり上げていきたいと思っているわけでござい ます。 ○B委員  今、E委員が大変心配がぬぐえないとおっしゃった感覚を我々も全く共有するところ でございます。きょうの提案の9ページの運用の目的というところ、1行目後ろの方 に、「安全かつ効率的に」という文言がありますが、これは直前にいただいた案とここ の表現が微妙に変わっているんです。その前の文言は「安全・確実を基本とし効率的に 行う」ということだったんですが、そこの文字だけ見ますと、「確実」という字が消え ちゃっているんです。つまらないことですが、要するにこういう巨額の積立金を持っ て、それの運用収益を当てにするということ自体が、非常に巨大な運用システムをつく り、それから不安をつくり、あるいはそれに有能な人材を投入するといえば、そのため のコストがかかりということになるので、外国の公的年金の例を見ても、そんな巨額な 積立金を積んで、その運用収益を当てにするという例そのものが全く例外だし、それは それなりの、例えば社会資本投資が必要とするといったような背景条件があってのこと なので、これまでのような公共投資依存型の経済成長パターンから脱却しようとする我 が国にとって、こういう巨額の積立金が要るのかどうかという抜本的な検討をやはりす べきだと思います。  ただ、きょうお示しいただいた資料については、年度末積立金の金額が、従来の表で すと、なぜか、ここの欄だけ現在価格、固定価格ベースで示されていたものが、同時に 時価ベースでも示されているので、この点、データの御提供としては大変勉強になりま した。ありがとうございました。私どもは積立度合というものが、高齢化のピーク時に なっても4年分も必要だとはとても思えません。また、そういうことを前提にした資金 管理といったものは極めてリスキーだし、インフレが起こってしまえば、何もなくなる わけで、そういう意味では、これについてはこういうものは、むしろ積立金の規模その ものを将来に向かって縮小していくべきではないか、このように考えます。以上です。 ○事務局  魂を入れる点については、先ほど申し上げたとおりで繰り返しませんが、資料の点だ け申し上げますと、ここの部分はずっと変わっておりませんで、「安全・確実を基本と し効率的に行う」、これは従来からこのラインで御説明をしてきたとおりでござい ます。 ○事務局  先ほど積立金の話が出ましたけれども、これからの少子・高齢化の中で、積立金を持 って将来の保険料負担の軽減を図るということで、冒頭の説明でも申し上げましたけれ ども、財政計画の考え方として、一定の積立金を持って将来の保険料負担の軽減を図る ということで進めていくのが世代間の公平にとって必要なことではないかというふうに 考えております。  それから、B委員の方から、既裁定年金について賃金スライドを停止した場合に総額 でどのぐらいの減額になるのかというお尋ねでございますが、7%ということでござい ます。 ○B委員  7%。 ○事務局  7%総額では減るということでございます。 ○会長  皆様に御自由に御意見をお述べいただく審議に入りまして、ほぼ2時間になります。 夜なべの時間としても9時を過ぎました。皆様御帰宅の御都合もおありと存じます。そ れから、皆様に漏れなく御発言いただけたと存じます。  次回の審議会までに、諮問に対する答申案を用意させていただいて、次回は答申の取 りまとめの議論も行いたいと考えますが、よろしゅうございましょうか。 ○B委員  きょう言ってないことが残っているんですが、それは次回、発言する機会がございま すね。 ○会長  どうぞどうぞ。集まったところで、答申案を読み上げ、御異議ございませんか、 はい、散会、ということはあり得ないことです。どうぞ御安心なさってください。  御異議もございませんようですから、答申案を用意させていただき、次回に答申の取 りまとめをしたいと考えます。よろしくお願いします。 それで、本日は議論はここまでとして、本日の資料は例会どおりすべて公開をするこ とにいたしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。                (「はい」と声あり) ○会長  次回の日程を事務局から御確認をお願いいたします。 ○事務局  次回は3月15日午後3時から、厚生省別館8階の共用第23会議室にて開催させていた だきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○会長  厚生省別館というのはどこですか。 ○事務局  厚生省の横の建物でございます。地図を付けて御案内をさせていただきます。 ○B委員  ちょっとすいません。 ○会長  はい、B委員どうぞ。 ○B委員  冒頭にも、本日の開催そのものが極めて無理な日程の中で行われたことについて、私 は抗議の意思を表明させていただいたところですが、間に土日を挟んだだけで月曜日、 しかもそれが春闘の最大のヤマ場のまさに直前といったようなところでの日程というの は、幾らなんでも余りにも乱暴なのではないでしょうか。私どもはこれはぜひとも17、 18日以後にしていただくように重ねてお願いいたします。 ○事務局  いろいろお忙しいことは私どもはよくわかるわけでございます。それで、この前後で 委員の方の御都合のいい日はないかということで、それぞれ御都合をお聞きしたわけで すけれども、なかなかおそろいできる時間がないということで、それで15日(月曜日) の3時からですと、比較的多数の方が御出席できると、これが一番多数の方が御出席で きる時間だったものですから、この日にさせていただいたわけです。いろいろお忙し い、難しい問題があるというのは重々承知しておりますけれども、何分これまで31回に わたる審議会を開催させていただいて、その意見に基づいて原案をつくっております し、法案の国会提出の時期も既に過ぎているわけでございまして、ここは何分本当に申 しわけありませんけれども、来週の月曜日にぜひ開催させていただきたいと思います。 ○会長  そういう御事情でして、まげて御出席のほどをお願いします。それでは、本日はこれ で閉会します。長時間、御苦労さまでした。 問い合わせ先 年金局 企画課       須田(3316)