99/03/09 生活環境審議会水道部会議事録            生活環境審議会水道部会議事録            厚生省水道環境部水道整備課 生活環境審議会水道部会議事次第                      日  時 : 平成11年3月9日 (火)  午後3時00分〜4時40分 場 所 : 厚生省特別第一会議室 議事次第   1. 開  会   2. 議 事    (1)専門委員会の結果報告について    (2)平成10年度に講じた施策等について   (3)その他   3.閉  会 ○藤田部会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから生活環境審議会水道部会を開催いた します。  委員会の委員の皆さんには、年度末の大変御多忙な時期にもかかわらず、お集まりい ただきまして大変ありがとうございます。 それでは、最初に水道環境部長がお見えですので、御挨拶をいただきたいと思いま す。 ○浜田水道環境部長 水道環境部長の浜田でございます。本来でありますれば、小野局長が参りまして御挨 拶する予定でございましたが、本日、国会用務で出席出来ませんので、代わりまして私 の方から御挨拶を申し上げます。 当水道部会の委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、また、足元のお悪い 中、御出席を賜りまして、厚く御礼申し上げます。 私から申すまでもなく、日本におきます水道は大変発展を遂げてきておりまして、直 近の統計で平成9年度末の水道普及率は96.1%という高い水準に達しておりまして、水 道がますます社会生活や社会経済活動になくてはならないものということになってきて おる訳でございます。そうした中で、水質上、安全で安心して飲んでいただける水を、 少々の災害にも安定的に供給出来るということの社会的な要請が大変高まってきており まして、厚生省としても、いろいろな観点から、さまざまな施策の展開に努力してきて いるところでございます。 ただ一方におきまして、昨今、社会経済情勢が非常に大きく変動しております。そう した中で、水道行政もそれに即した対応をしていかなければならないという課題を抱え ている訳でございます。例えば規制緩和の問題につきましては、一昨年、水道法を改正 いたしまして、新しい給水装置工事事業者制度ということで本年度から施行が進んでお ります。それから、地方分権につきましても、昨年5月に閣議決定されました地方分権 推進計画ということで、水道に関しましては、認可事業の一部を都道府県の自治事務に していくということのための法改正を進めているというような状況でございます。  こうした中で、本日は、この部会のもとに設けられました水質管理等専門委員会並び に施設基準専門委員会での御検討の結果を御報告いただくということになっておりま す。水質管理等専門委員会におきましては、WHOの動きなどを踏まえまして、最近、 国民の関心もますます高まっておりますさまざまな化学物質等への対応という観点か ら、水質基準の見直し等について御検討いただきまして、その結果を御報告いただく訳 でございますが、私どもといたしましては、この御報告を踏まえまして、速やかに所要 の措置を講じたいというふうに思っているところでございます。  また、施設基準専門委員会の方におきましては、先ほど申し上げました地方分権など の動きに対応いたしまして、鋭意御検討をいただきまして、今まで定められていなかっ た訳ですけれども、これからは都道府県の御判断になる基準も必要であるということか ら、基準の考え方を取りまとめていただいております。私どもの心構えといたしまして も、この報告の内容に沿って、早急に水道法に基づく施設基準の省令を定めていきたい ということで考えておるところでございます。  そのほか、この1年、水道行政として取り組んでまいりましたことを、かなり数は多 いと思いますけれども、要点のみ御報告をさせていただきたいというふうに思っており ます。どうかよろしくお願いします。  なお、後ほど事務的にもお話し申し上げますが、生活環境審議会の審議の公開の問題 につきまして、先般、審議会の各委員に会議の公開につきまして御意見をいただきまし た。その中で、部会につきましても、審議会の総会と同様に公開することが妥当である という御結論でございました。そうした決定のもと、初めての水道部会を開かせていた だくことになりましたので、本日も傍聴の方がお見えになっているのはそういう趣旨で ございますので、御理解を賜りたいと思います。いろいろ御審議を賜ることになります けれども、どうかよろしくお願い申し上げまして私の御挨拶とさせていただきます。よ ろしくお願いいたします。 ○藤田部会長  それでは、議事に入りたいと思いますが、最初に委員の出席状況について事務局から 御報告をお願いします。 ○矢野補佐  それでは、委員の出席状況を御報告させていただきます。本日でございますが、13名 の委員が御出席をいただいております。生活環境審議会運営規程第9条の規定により準 用いたします第2条の規定によりまして、本日の会議は定足数に達しておりまして成立 をいたしております。  また、前回から委員の異動がございましたので、御報告をさせていただきます。漆委 員におきましては、昨年11月にお亡くなりになられました。また、今井委員には、日本 水道協会をお辞めになりまして、本審議会の委員も辞任をされ、後任の川北委員に御就 任をいただいておるところでございます。 それから、1点お願いがございまして、本日の会議は、御発言をいただきます際には マイクのスイッチを入れて御発言をお願いしたいと思います。御発言を終わりましたと ころでまたスイッチをお切りいただくようにお願いいたしたいと思います。よろしくお 願いいたします。 ○藤田部会長  ありがとうございました。漆委員には、長年、本審議会において御貢献をいただいて きたところでございますが、お若いのにお亡くなりになったということで、心から御冥 福をお祈りしたいと思います。それから、今井委員ですが、やはり長らく委員として御 活躍いただいたことに感謝申し上げる次第でございます。  今井委員には部会長代理を務めていただいておりましたので、新たに部会長代理を指 名しなければならないのですが、生活環境審議会令第5条第5項で、部会長がこれを指 名するということになっておるようでございますので、改めて私の方から指名させてい ただきたいと思いますが、今井委員の後任の川北委員にお願いしたいと思いますが、い かがでしょうか。               (「異議なし」の声あり) ○藤田部会長  川北委員、よろしくお願いします。  それでは、議題に入る前に、資料の確認をしていただきたいと思います。 ○矢野補佐  それでは、お配りしております「配付資料一覧」を見ながら確認していただければと 思います。  まず、資料1が「生活環境審議会の公開について」、1枚紙でございます。それから 資料2−1−Aが「水道水質に関する基準の見直しについて」の概要をまとめた資料。 2−1−B、これはかなり厚くなっておりますが、水質管理専門委員会の報告でござい ます。それから、資料2−2「水道施設に関する技術的基準について」ということで、 施設基準等専門委員会の報告でございます。それから、資料3と振ってあるものが10年 度の御報告でございますけれども、まず3−1が規制緩和関係のもの。3−2が、1枚 紙ですが、地方分権関係。3−3が「コンピュータ西暦2000年問題への対応につい て」。3−4、これも1枚紙ですが、「環境影響評価法の施行について」。3−5がク リプトスポリジウム暫定対策指針の改定について。3−6が環境衛生施設整備事業の再 評価システムの導入ということで、これも1枚紙でございます。それから、3−7が10 年度補正予算の概要。3−8が平成11年度の水道関係予算の概要でございます。そのほ か資料4といたしまして「『内分泌かく乱化学物質の水道水からの暴露等に関する調査 研究』の実施について」というものと、あと、お手元にパンフレット「日本の水道」と いうものをお配りさせていただいております。以上でございます。特に抜けてございま せんでしょうか。 ○藤田部会長  よろしゅうございますか。もし落丁などありましたら、後ほどでも事務局の方にお申 し出ください。  資料の一番最初に「生活環境審議会の公開について」というものが付いておりますが 既に委員の皆様の御了承を得て、昨年12月から総会、部会を公開で行うことになりまし た。水道部会も今回から公開で行われます。この点につきまして、表裏ございますが、 今の資料をご覧くださるようお願いしたいと思います。 それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題、最初は「専門委員会の結果報告 について」でございますが、議題 (1)につきまして、専門委員会の報告がまとまったよ うでございますので、順に御報告をお願いしたいと思います。最初は、水質管理専門委 員会の専門委員長の黒川委員から御報告をお願いしたいと思います。 ○黒川委員 国立衛研の黒川でございます。それでは、水質管理専門委員会の概略を御報告いたし たいと思います。今日の資料で言いますと、2−1−Aという2枚紙をご覧になってい ただければと思います。  私どもの専門委員会では、WHOの飲料水水質ガイドラインの改定の動向と、我が国 における水質の状況を踏まえまして、現行の水道水質基準及び監視項目等について見直 しの検討を平成9年12月から延べ8回の会議で行ってまいりました。この間、昨年3月 にはWHOの飲料水水質ガイドラインが新たな毒性データをもとに一部改定されており ます。そのほか、監視項目の水質監視結果など、水道における現況データが集積されて おりまして、現時点の最新の知見と化学的見地から、水道水質に関する基準の見直しを 行ったところでございます。その結果は、昨年12月に報告書にまとめ、公表したところ でございます。 今回の報告書は、水道水質に関する基準の拡充強化として、監視項目の追加、それか らゴルフ場使用農薬に係る水道水の水質目標の追加、監視項目の指針値の改定、検査方 法の追加等の検討結果をまとめたものでございます。監視項目については亜硝酸性窒素 等6項目、ゴルフ場使用農薬に係る水道水の水質目標の設定についてはアセフェート等 4項目をそれぞれ追加したほかに、監視項目の指針値については、ほう素、ジクロロ酢 酸等6項目を改定することといたしました。また、今後とも見直しを機動的に行えるよ うに、水道水質に関する基準の見直しに関する基本的な考え方を明らかにするとともに 今後の課題についても取りまとめたつもりでございます。この席をお借りして、本報告 の取りまとめに御協力をいただいた専門委員など、関係者の皆様にお礼を申し上げたい と思っております。  この報告に基づいて、厚生省においては、一部については既に所要の法令等の改正が 行われたところでございますが、今後とも水道水の監視強化など、将来にわたって水道 水の安全性を確保するための措置が講ぜられることが望ましいと思う次第でございま す。詳細については、事務局の方から御説明願いたいと思います。以上でございます。 ○藤田部会長  ありがとうございました。それでは、詳細についてお願いします。 ○荒井管理官  それでは、お手元の資料でございますが、2−1−A、それから報告書本文でござい ますが、2−1−Bに基づきまして概要説明をさせていただきます。  御案内のとおり、我が国の水道水質に関する基準でございますが、人の健康を保護す るために、微生物、重金属、あるいは有害化学物質等につきまして46項目、それから異 臭味物質等につきまして快適水質項目13項目、それから重金属・有害化学物質等につき まして監視項目が26項目、合計85項目について設定をされております。  2ページの下の方に書いてございます「参考」に示しますとおり、水質基準でござい ますけれども、これは水道によって供給される水が備えなければならない基準でござい まして、水道事業者は定期的に水質検査を行わなければなりません。一方、監視項目で ございますけれども、水道基準に準じる位置づけとなってございまして、検出量は少な いけれども、定期的・継続的に監視をすべき物質といたしまして、大規模な水道事業者 を中心に体系的・計画的に監視が行われております。ゴルフ場の使用農薬につきまして は、現在、22項目について水質目標が設定されておりますが、地域の実情に応じまして 監視をすべきものということで、厚生省通知によりこれを定めておるものでございま す。 今回の水質管理専門委員会でございますけれども、恐縮でございますが、資料の本文 の2−1−Bの8ページのところに委員の先生方のお名前を示させていただいてござい ますけれども、この水質管理専門委員会におきまして、世界保健機関(WHO)が2003 年を目途に飲料水質ガイドラインの全面改定を予定しておりまして、その一環として、 1998年3月に新たな毒性データなどをもとにガイドラインの一部改定が行われたこと。 それから、1992年に設定されました監視項目等につきまして、約3年分の国内の測定 データが蓄積されてまいりましたこと等を踏まえまして、将来にわたって水道水の安全 性の確保に万全を期していくためには、水道水質に関する基準の拡充強化の必要がある という認識のもとに、現時点での知見に基づきまして、化学的な知見から検討を行って いただいたものでございます。  具体的には、水道水質に関する基準として追加するかどうかを検討すべき項目といた しまして、1998年にWHO飲料水水質ガイドラインが追加されましたウラン、亜硝酸等 9項目を含みます14項目、それから、現況の水質測定データに基づきまして、監視項目 から水質基準としていわば格上げをして指定するかどうかを検討すべき項目といたしま して、ニッケル、ほう素等の6項目、それから、監視項目の指針値を改定するかどうか を検討すべき項目といたしまして、農薬等4項目、合計いたしまして24項目につきまし て、一昨年の12月以来、8回にわたりまして専門委員会を開催して検討を行っていただ きました。  この際、水道水質に関する基準の見直しに関する基本的な考え方、これは、恐縮でご ざいますが報告書の本文の28ページ以下に基本的考え方を示してございますけれども、 これを明らかにしていただきまして、項目選定の考え方、基準値及び指針値の設定の考 え方を整備していただきまして、今後とも見直しを機動的に行えるような形でまとめて いただきました。具体的には、変更に関連する基準項目及び監視項目につきましては、 WHO等が飲料水の水質基準設定に当たって広く採用している考え方を基本としており まして、1日に引用する水の量としては2l、人の平均体重としては50kgをそれぞれ使 ってございます。食物、空気等の他の暴露源からの寄与も考慮しながら、基準値または 指針値を設定していただきました。この値は、生涯にわたる連続的な摂取をしても人の 健康に影響が生じない水準として評価を行ったものでございます。 なお、監視項目につきましては、指針値の状況により二つに分けることとされまし た。すなわち、一つ目は毒性評価等による指針値は確定しておるものでございますが、 指針値に比べ、現在の検出状況が低いレベルにあることから、現状では基準項目に格上 げする必要がないということで監視項目にしておるもの。もう一つは、実態調査の結 果、監視することが適当と認められるレベルで、水道原水等から検出されていることか ら、指針値は暫定的なものではございますけれども、監視項目として位置づけられてい るもの。この2種類でございます。このうち後者につきましては、指針値の表記の際、 その旨を明示することが適当であるということで、暫定値を示すことを御指示いただき ました。  検討の結果は、資料2−1−Aの3ページ目でございますが、別表に示すとおりでご ざいます。左の欄に物質名が書いてございまして、真ん中に指針値、水質目標、または 評価値が示してございます。また、参考といたしまして、WHOの飲料水の水質ガイド ラインも示してございます。  まず、検討結果でございますけれども、今回、水道の水質基準項目として追加すると いうものはございませんでした。しかしながら、監視項目といたしまして、亜硝酸性窒 素、ウラン、それから除草剤でございますけれども、ベンタゾン、カルボフラン、2,4- ジクロロフェノキシ酢酸、トリクロピル、この四つの除草剤、合わせて6項目を追加す るという結果となってございます。ゴルフ場使用農薬に係る水道水の水質目標といたし ましては、アセフェート、メタラキシル、ジチオピル及びピリブチカルブ、計4項目を 追加するということでございまして、メタラキシルは殺菌剤、その他は除草剤でござい ます。次に、ほう素、消毒副生成物でございますが、ジクロロ酢酸、クロロタロニル、 プロピザミド、ジクロルボス及びフェノブカルブの6項目につきまして、指針値の改定 を行うこととされてございます。クロロタロニル以下は農薬でございまして、クロロタ ロニルは殺菌剤、プロピザミドは除草剤でございます。ジクロルボス、フェノブカルブ は殺虫剤でございます。それから、現行どおり監視する項目といたしまして、ニッケル アンチモン、抱水クロラール、ホルムアルデヒドは現在どおりの監視項目とするという ことで結論をいただいております。今回は、アオコから発生をいたします有害物質でご ざいますミクロキスティン−LR、それからシアナジン、ジクワット、グリホサートに つきましては、検出の状況が低いというようなこともございまして、水道水質に関する 基準を設定しないということで結論をいただいてございます。  更に、検査方法の追加といたしまして、誘導結合プラズマ質量分析計等、近年の検査 技術の進歩に対応した検査方法を追加するという御指摘をいただいております。  なお、各物質の詳細につきましては説明を省略させていただきますが、データ等は本 報告書に載ってございますので、後ほどご覧をいただければ幸いでございます。特に消 毒副生成物でございますジクロロ酢酸につきましては、指針値が半分になった。0.04か ら0.02mg/lに強化されたということでございまして、ジクロロ酢酸等のハロ酢酸類に つきまして、その生成要因を明確にするとともに、生成量を抑制するための浄水技術の 検討を行う必要があるという指摘もいただいてございます。また、ほう素につきまして は、先日、環境庁告示によりまして水質環境基準が定められたところでございますけれ ども、環境中の存在状況が環境庁の調査によって明らかになってきておるということも ございまして、必要に応じ見直しを行うべきであるという指摘もいただいております。  更に、今後とも安全な水道水の供給を確保するため、水道水に含まれる可能性のある 化学物質等につきまして、健康影響、分析技術及び処理技術等に関する内外の情報を収 集し、調査研究の推進に努める必要があるということで、二つの課題について計画的に 取り組むべきとの指摘をいただいております。  一つ目は、毒性評価の知見の充実でございますけれども、監視項目のうち、ニッケル 等、今回の見直しにおきましては毒性評価が暫定的なものとされておりまして、引き続 き監視項目とするという結論を得たものがございますが、これらにつきましては、今後 とも毒性評価等について知見の収集に努めることが必要であること。特に、ジクロロ酢 酸を含むハロ酢酸、トリハロメタン類につきましては、国際化学物質安全性計画及び米 国環境保護庁ににおいて毒性評価の見直しが進められているところでございまして、こ れらの国際的な動向にも配慮する必要があるということを御指摘をいただいておりま す。  二つ目の課題といたしまして、暴露評価の知見の充実といたしまして、ホルムアルデ ヒドのように揮発性が高い物質につきましては、入浴等におきまして経気暴露が生じる ということでございまして、経口暴露以外の経路による暴露について定量的に考慮する ことが可能となるように、その評価方法を検討するということが必要であるという御指 摘をいただいております。また、感受性の高い集団に対する考慮ということも御指摘を いただいてございます。  また、今後留意すべき事項といたしまして、内分泌かく乱化学物質、非イオン界面活 性剤、クリプトスポリジウム等病原性微生物についての調査研究の必要性等についても 指摘されております。  以上、今回の検討結果につきましては、速やかに適切な対応がとられることが望まれ るということと、今後とも国民に信頼される安全な水道水の供給を確保するため、知見 やデータの集積、WHO等の動向を踏まえまして、適宜、水道水質基準に関する基準の 見直しを行うということが必要である旨の指摘がございました。  最後に、水質項目の検討に加えまてして、第1に、水道水質に関する基準の項目数の 増大、水質検査方法の高度化等に伴いまして、水道事業者におきます水質検査に要する 技術、経済的な負担が増大してきているということでございまして、水道水質管理をよ り実効性のあるものにするための方策が必要となっているという御指摘もございまし た。また第2に、国民の水道水質への関心の高さに鑑みまして、コンピュータ・ネット ワークを通じた監視情報の収集、データベースの整備等や、それらを水道事業者や国民 の方々に適切に提供すること等によりまして、水質検査の必要性及びその結果への理解 を得ていくことが重要であるというようなことをご指摘いただきました。  以上が報告書の概要でございます。先ほど黒川委員長の方からお話がございましたが この報告書は昨年の12月に取りまとめられたものでございまして、その時点で公表され たものでございます。厚生省といたしまして、ウラン、亜硝酸およびほう素につきまし ては、既に通知の改正を行いまして、監視項目への追加、または指針の改定を行ったと ころでございますけれども、残りの項目につきましても、本報告書をもとに速やかに所 要の改正を行いまして、将来にわたって水道水の安全性を確保するために、水道水の監 視を強化していきたいというふうに考えているところでございます。ここで改めてお世 話になりました先生方にお礼を申し上げたいと思っております。また、来年度でござい ますけれども、同専門委員会におきまして、先ほど申し上げました水質検査のあり方等 水質管理に関する課題についても御検討をお願いしたいというふうに存じているところ でございます。 以上、水質管理専門委員会の報告書の概要について説明をさせていただきました。 ○藤田部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明に、御質疑、御意見ございますでしょう か。 ○住友委員 私は技術の立場ですので、それぞれの値の持っている技術精度のようなものが少し気 になるのですが、そのことは置いておきましても、備考にいろいろ書くというのはこれ までの法律とか行政の習慣ではないのかもしれませんが、85項目、あるいは 100項目近 い値を取り上げてきますと、それぞれ持っている社会的意義、あるいはサイエンス的な 意味が変わってくるので、これまでの習慣とは余り関係なく、出来る範囲で、むしろ備 考の方が大事じゃないかと思う訳でありまして、お願い的な意見ですが、備考欄に出来 るだけ許せる範囲でコメントをお書きいただくのが時代にふさわしいのではないかとい うふうに感じた次第であります。以上です。 ○藤田部会 何か御意見ございますか。 ○荒井管理官  平成4年に基準を設定したときには、必ずしもその根拠がオープンになっていなかっ た面もございますけれども、今回は水質管理専門委員会報告書という形でおまとめをい ただきまして、これをすべて公表してございます。したがいまして、もし興味がおあり の方は、皆さん、この全文を入手出来るということでございまして、出来る限り公表は していきたいというふうに思っております。 ○藤田部会長  今の住友先生の御意見ですと、この表にもう一つ備考欄を付けて、それにコメントを 書くと。 ○住友委員  備考欄はありまして、通り一遍のことが書いてありますが、出来るだけという希望で す。それが今の時代じゃないかということです。 ○藤田部会長  もし何かお考えがございましたら。 ○荒井管理官  先ほどちょっと申し上げました細かい物質の備考に書いてありますような、言ってみ れば、もとになったデータでございますけれども、それぞれの化学物質、例えばウラン 以下、報告書本文の36ページをごらんいただきますと、現行の基準とか発生源、毒性、 検出状況、処理方法、項目の位置づけ、検査方法、その他として注意すべき項目と一応 全部オープンにしてございまして、水質管理専門委員会の提出資料、議事につきまして も、インターネット上で議事録をオープンにしてございまして、出来るだけオープンの 形で基準というものを議論していくということで対応させていただいているところでご ざいまして、今後とも情報公開という面では御意見を踏まえまして対応させていただき たいと思います。 ○藤田部会長 ほかに何か。 ○高木委員 関連した質問ですが、ここで示された数値について、公開しますと、いろいろな方面 から反応があるかと思うのですが、例えばこの数値は緩過ぎるからもっと厳しくすべき だとか、そういうことはあるのかどうか。あった場合に、行政としてどのように受けと められているのかということを簡単に御説明願いたいと思います。 ○荒井管理官  この報告書を実際に作成する段階におきましては、8ページに専門委員会の委員の方 が出てございますけれども、さまざまな分野の方に御参加をしていただいておりまして 水道事業者の方の意見とか、あるいは行政の方の意見とか、いろいろな御意見をいただ いて案をつくっております。実際にこの案が出来た後でございますけれども、私どもは この数値はとてものめるような値ではないとか、この数値は緩過ぎるとか、きつ過ぎる という特段の指摘は今のところは受けておりません。 ○藤田部会長  よろしゅうございましょうか。ほかにいかがですか。  かなり精力的にこの専門委員会で協議をいただいてつくられた最終的な報告書でござ います。専門委員会の皆さん、大変御苦労いただき、ありがとうございました。この報 告に基づきまして、行政的な措置が速やかにとられることを事務局に申し入れまして、 本専門委員会の報告を了承したいと思いますが、よろしゅうございましょうか。               (「異議なし」の声あり) ○藤田部会長  ありがとうございました。それでは、この件に関してはそういうことにいたしたいと 思います。  それでは、次の施設基準に関するものでございますが、御報告を専門委員会の委員長 の眞柄先生、お願いします。 ○眞柄委員  施設基準等専門委員会の委員長をしております眞柄でございます。施設基準等専門委 員会での検討経緯と、その結果の概要について御報告をいたします。  この専門委員会での検討の対象となっております施設基準は、水道法第5条第4項に おいて、厚生省令で定めることとされている水道施設に関しての技術的な基準でありま す。この施設基準を定めるに当たって、どのような観点から、いかなる内容を盛り込む べきか、平成9年12月から6回にわたり審議を重ねてまいりました。基準の内容につき ましては、地方分権や規制緩和など、水道及び水道行政を取り巻く環境の変化を踏まえ 検討いたしまして、基本的な考え方について主な結論を申し上げますと、次のとおりで あります。  水道事業者などにおいて、施設の設計・施工に十分な蓄積がなされ、こうした技術的 蓄積を背景に、さまざまな創意工夫や新たな技術開発を促進するためにも、施設基準の 規定方法は性能基準を原則とすべきであるといたしました。水道施設に使用される資機 材などの衛生に関する基準、それから給水する水圧についての基準につきましては、公 平性と客観性を確保する観点から、数値を用いて定量的に規定すべきというふうにいた しました。また、施設基準に適合しない施設は改善命令の対象になることなどから、基 準の内容は、望ましい水準を規定するというものではなくて、むしろ最低限確保されな ければならない水準を規定すべきというふうにいたしました。水道施設は、取水から浄 水、配水まで多くの施設の組み合わせによって形成されていることから、個々の施設だ けではなくて、施設全体を見て規定を加えることといたしました。こうした考えを踏ま えまして、具体的な内容について提案を専門委員会報告として取りまとめております。  この報告を取りまとめるに当たりまして、御協力をいただいた専門委員の関係者の皆 様にお礼を申し上げたいと思います。出来ますれば、この報告に基づきまして、省令制 定等、必要な手続が速やかに行われますとともに、この省令の制定を機会にいたしまし て、安全な水を安定的に供給するための新たな取り組みや工夫が積極的になされること を期待いたしております。詳細につきましては、事務局から説明をいただきたいと思い ます。以上でございます。 ○藤田部会長  ありがとうございました。それでは、引き続いて事務局の方からお願いします。 ○船橋補佐  では、事務局の方から簡単に説明させていただきたいと思います。今回、施設基準等 専門委員会で御検討いただきましたのは、施設基準について、どのような内容を盛り込 むべきかということでございますけれども、先ほど委員長の方からも御説明がありまし たけれども、まず施設基準について簡単に説明させていただきたいと思います。  水道法第5条の中で「施設基準」という項目がございまして、水道施設として満たし ていなければいけない要件を書いてございます。1項の中では、個別の施設、そういっ たものについての要件を掲げ、2項では水道施設の位置及び配列、こういったものにつ いて規定をしておりまして、第3項のところで水道施設の構造及び材質というようなこ とで、1項から3項までそれぞれ規定されまして、第4項のところで水道施設に関して 必要な技術的基準は厚生省令で定めるということが書いてございまてし、サイギの意味 で施設基準ということで、技術的な基準の内容について専門委員会で御検討いただいた 訳でございます。  今まで昭和32年に水道法が制定されて以来、この技術的基準が策定されていなかった 訳でございますけれども、これは当時、それだけの技術的な資料がなかったというよう なことなり、あるいは昨今の動きで見ますと、地方分権、こういったことが大きな契機 となっておりまして、今回策定しなければいけないということになっております。地方 分権と施設基準策定の関係でございますけれども、施設基準といいますものが、水道法 の中の位置づけとしまして、第8条の中で認可の基準というのがございます。この中の 第3項におきまして、水道施設の工事の設計が第5条の規定による施設基準に適合する ことと書いてございまして、認可の基準ということで施設基準が位置づけられておりま す。ところが、地方分権推進計画の中で、再来年度、地方分権が進みますけれども、そ うしますと、今まで水道法の認可は、例えば水道事業ですと5万人以下の給水人口につ いては都道府県知事が認可をしていた訳ですけれども、これは今まで機関委任事務とい う位置づけでございましたけれども、これからは地方自治体の固有の自治事務というこ とになります。そうしますと、5万人を超えるもの、それから5万人以下のもの、これ は国と都道府県知事でそれぞれ分けて認可をするということになりますので、この認可 の基準がそれぞれ異なってはまずいということもありまして、この施設基準を明確に定 める必要があるということでございます。  そういった背景をもちまして、一昨年の12月22日から昨年の12月16日まで、合計6回 でございますけれども、専門委員会の中で施設基準の内容について御議論いただきまし た。その検討の内容、あるいは考え方について簡単に説明させていただきますと、先ほ ど施設基準をつくらなければいけないという背景をご説明しましたけれども、規定を考 える際に配慮しなければいけない内容というものがあろう。時代が大きく変化している 中で、そういった時代の変化にも対応出来る、そういったものにも対応した基準とすべ きであろうということで、二つほど大きな世の中の流れというものを考慮しながら検討 していきました。  一つは、規制緩和の推進。これは行政の関与として、事前チェックから事後チェック 型に移る。あるいは、事業者の考え方も自己責任を原則にしていくといったものがある かと思います。それから、公共工事コスト縮減。これは、平成9年から政府一体となっ て取り組んでございますけれども、この中でも効率的な施設の計画・設計、こういった ものを抜本的に見直して考えていくべきではないかというような話。あるいは、新技術 を導入・活用していく。あるいは、活用しやすいように基準類については見直していく といったようなことが書かれておりまして、こういったものを念頭に置きながら基準検 討をしていかなければいけないだろうということで考えてきました。  そして、具体的な内容の中で、先ほど委員長の方からも御説明がありましたけれども 基本的な考えの大きなものの一つは、この施設基準を性能基準として定めるということ でございます。先ほども少し御説明がありましたけれども、繰り返しになりますが、ま ず性能基準を原則とすべきという背景でございますけれども、一つは、水道の普及率が 平成9年度末現在で96.1%に達している。こういった状況の中で、水道事業者の間にお きましても、施設の設計あるいは施工に対しての十分な蓄積がなされてきている。そう いったことですので、細かい規定をわざわざする必要はないだろうということ。それか ら、今までに培われてきました技術的な蓄積を背景にして、水道事業者の方々の裁量を 高め、創意工夫、施設の効率的な設計、あるいは施設に使われる部材等については、新 たな素材等を含めた新技術、こういったものを取り入れられるようにする必要があろう ということで、性能基準ということを大原則に考えていった訳でございます。 それからもう一つ、施設基準の性格として、まず最低限確保されなければいけない水 準を規定すべきであろうというのがございます。望ましい水準・基準ではなくて、最低 限確保されていなければいけない水準・基準というものを規定すべきではないかという ことを柱として掲げております。これは、この施設基準が水道法の中の位置づけでどの ようになっているかということにも関係してきます。例えば、先ほど申しましたように 認可の基準の一つになっているということ。あるいは、水道技術管理者の行うべきこと ということで、施設基準に施設が常時適合しているということを確認するといったよう な内容があります。それから、その施設が適合しなくなった場合には、施設改善命令を 出すことが出来るということで、施設改善命令の判断基準になっている。こういった三 つの位置づけからして、最低限の水準を定めようということでございます。 具体的な例でいきますと、今回、配水管の中におきます水圧を規定しておりますけれ ども、具体的な数字では 150Kパスカルという数字を使っておりますけれども、これは 大体2階建ての建物には十分給水出来るという水圧でございます。これが、現在、厚生 省でも進めております直接直圧式の給水、こういったもので3階建て、5階建てという のを次の段階として目指しておりますけれども、例えば5階ですと 300Kパスカルとか こういった数字になる訳でございますけれども、こういった望ましいところの数字を書 くのではなくて、最低限2階建てまでは日本全国保証しなければいけないだろうという 考え方で、最低限の水準というような書き方で基準を考えているということでございま す。  続きまして、規定の中身として、大きなポイントとして幾つかございまして、それに ついて説明させていただきます。  まず、水道施設でございますけれども、取水施設から貯水施設、導水施設、浄水施設 送水施設、配水施設と非常に多岐にわたる工程がありまして、施設全体では非常に複雑 になっております。そういったことで、個別の施設につきましての基準を定めることは 当然ではございますけれども、水道施設全体についての基準を考えていかなければいけ ないだろうということで、施設全体の視点・観点からの規定ということも考えてござい ます。具体的には、全体の施設を設定するに当たって、取水地点をどう捉えるかという のが重要であるということも規定しております。すなわち、浄水施設で取水した原水を 浄水する訳でございますけれども、浄水施設に負荷をかけるということだけではなくて 取水地点をいかに良好な原水を取水するかということも踏まえて、全体的に効率的な配 列にするということでございます。  それから、例えば需要量の変動、これは水道事業者によってそれぞれ違ったものを持 っております。1年間のうち1日最大給水量になるような大きな値が数日間しかない。 例えば観光地のようなところですと、そういった状態がございますので、その1日最大 給水量を前提に施設設計をするのは効率的でない場合もあります。そういったことで、 施設の設定に当たりまして、貯留施設と常時動かす施設、そういったものとの組み合わ せを需要量の変動に合わせまして効率的な設計としてくださいということで、施設全体 の観点からの規定を掲げております。  続きまして、水道施設に使用される資機材に対する構造及び材質基準でございますけ れども、水道法の中では、水の汚染のおそれがないもの、十分な耐力を有するもの、あ るいは水が漏れるおそれがないことと書いてございますけれども、そういったものにつ いて更に具体化する必要があろうということで考えてございます。強度、耐久性、耐磨 耗性、耐食性、そういったものにつきましては、個々に使われる場所によってかなり違 ってきます。強度ですと、水圧が高いところでしたら、それに耐えられるような強いも のを使う、水圧が弱いところでしたら、それに耐えられる程度で十分な訳ですから、そ ういった使用される場所によって違ってくるということで、これは場所場所によって決 められてきますので、一律の数字は決められない。ところが、衛生に関する基準につき ましては、やはり水質基準という客観的な基準がありますので、そういったものとの関 係を考えていきますと、材料から溶出してくる物質は水質基準の10%とか、そういった 定量的な数値で規定しまして、それ以上は溶出してはいけないというようなことで規定 しようというふうに考えております。これは、一昨年に給水装置の構造・材質基準を策 定しました考え方と同様な考え方で整理しております。  それから、水質基準の中では、公平性とか客観性といったものを確保する観点から、 今言いましたような資機材の衛生に関する基準だけではなくて、配水管の水質、そうい ったものに対しても規定しております。先ほど直接直圧式の給水ということで説明させ ていただきましたけれども、配水管内の水圧ということで、最小動水圧という規定、そ れから最大静水圧、こういった二つの水圧につきましては、数値を使って規定しており ます。この配水管内の水圧と資機材の衛生に関する基準以外は、今回の基準の中では数 値を使わないということで考えております。  それから、平成7年1月の阪神淡路大震災の教訓を踏まえまして、耐震設計の考え方 では、重要な施設に対しては、それに応じたような地震強さを設定してやる。重要度の 高いものに対しては、強い地震に対しても耐えられるように。配水管のように、ある程 度全部磨耗するということではなくて、復旧のしやすさということも前提に考えるもの に対しては、重要度の高いものほど強い地震に対して耐えられなくてもよいというよう な感じで、2段階といいますか、段階を分けて設計するのもよろしいということで規定 しております。  それから、先ほども水道事業者等の自由な設計を拘束しないように、裁量の自由度を 高めるという話がございましたけれども、規定の考え方としましても、具体的な4段階 程度にものを分けていくべきということで規定が書いてあります。  まず、第1番目には、施設が有すべき機能要件ということで、その施設が有していな ければいけない根幹的な機能要件というものを初めに書いていきまして、その次には、 その要件を満たすために、効率的かつ合理的な施設とするべき選定をして、これは位置 とか配列、形式になる訳でございますけれども、こういった選定要件を次に掲げてい る。そして3番目には、どういった施設であっても、例えば取水施設や貯水施設、それ ぞれの施設において共通して具備していなければいけないような施設の要件、こういっ たものを3番目にまとめて規定していくというふうに考えてございます。最後、4番目 に、個別の施設として、例えば急速濾過法とか、そういった個別の施設が出てきた場合 には1と2で掲げている要件、すなわち施設として有すべき要件、あるいは形式等の選 定要件、こういったことを踏まえまして、具備していなければいけない個別の要件とし て掲げるというような形で、段階を踏んで規定をするということで、水道事業者の方々 の自由な設計というのを出来るだけしやすいような形でするような規定の方法も考える べきであるということで提案いただいております。  以上のような規定のポイントといいますか、方針をもとに、具体的な考え方につきま しては、この報告書の中にもございますけれども、別紙のところでございますけれども 具体に提案していただいております。ただ、今回の中では、衛生に関する基準等を定め ましたけれども、これに対する具体的な試験の方法等、詰めが終わってございませんの で、こういったことも今後詰めていく必要があるということなり、そういった試験方法 を定めるに当たりましては、国際的な調和ということを十分加味する必要があろうとい うことで、そういったことを踏まえながら、日本におかれて使われている水道施設の使 用状況等を踏まえて、試験方法を具体的に詰める必要があるというようなことも御提案 をいただいております。今後、こういった事項をまた専門委員会の中で御提案しながら 詰めていくということで考えてございます。  非常にはしょった説明になりましたけれども、以上が施設基準等専門委員会で考えて きた主なポイント等でございます。今回、報告書という形で専門委員会の検討内容を整 理してございますけれども、本日の部会が終わりましたら、公表というような形で考え ている次第でございます。以上でございます。 ○藤田部会長  ありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問ございますでしょうか。 ○高木委員  今まで省令がなかったということですが、今回のものは省令にされるということです ね。 ○船橋補佐  そういうことでございます。 ○藤田部会長  ほかにはいかがでしょうか。 ○住友委員  これは、むしろ委員長にお伺いしたいんですけれども、先ほどの質問とも絡むのです が、要するに、毒性の急性影響と慢性影響、特に急性の問題は医学的に断じればいいと 思うのですが、慢性のところが非常に気になるのですが、簡単に言いますと、70年間飲 み続ければ害があると。別表の第1を満たすことが施設として、勿論それが望ましいに は違いないのですが、ある程度国民の合意というか、御意見を得ながら決めていくよう な側面もあるのではないかということで、私が先ほど申し上げたのは、特に変な備考を 書く訳じゃなくて、目標値とか規制値とか、慢性影響からきたものであるとか、そうい うことを意識していたのですが、施設基準を考える上でその辺の慢性影響的な基準とい うのはどんなふうに考えられたか。理念的なところだけで結構ですが、ちょっとお教え いただければありがたいと思います。 ○眞柄委員  別表第1がございますが、給水器具についての溶出試験の考え方に原則的に準じてお りまして、水質基準の見直しを行いましたが、あの水質基準の値の10%を基本として、 いわゆる資機材の溶出基準ということにしております。ですから、逆に言えば、水質基 準というか、給水栓で資機材関係で溶出するものについては基準値の10分の1であると いうことで、そういう意味では、かなり安全側にとってこれは決めているということで あります。 ○住友委員  慢性と急性は余り変わらないんですか。 ○眞柄委員  基本的には、シアンのような急性毒性を持っているものがありますが、ほとんどは慢 性毒性をベースに、生涯暴露を前提に数値が決められております。 ○藤田部会長  ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございましょうか。  それでは、先ほどの御質問にもございましたけれども、これは、いずれ省令が制定さ れるものだと思いますが、専門委員会の皆さんには、短期間で密実な御意見を賜ってつ くられたと聞いております。御苦労、どうもありがとうございました。それでは、本専 門委員会の報告について、この委員会は了承したいと思いますが、よろしゅうございま しょうか。               (「異議なし」の声あり) ○藤田部会長  どうもありがとうございました。それでは、議題の (2)になりますが、「平成10年度 に講じた施策等について」に入りたいと思います。これは、どちらから御説明ください ますでしょうか。 ○矢野補佐 それでは、資料3−1から3−4まで、私の方からまとめて御説明をさせていただこ うと思います。  まず、3−1の方ですが、「平成10年度に講じた施策等について」のうちの規制緩和 関係をまとめてございます。内容は3点ほどございまして、水道法の施行状況と水質検 査の指定機関の関係と押印の見直しと3点ございます。  まず、1ページ目でございますが、給水装置関係で、水道指定工事店制度の見直し、 また、給水装置の使用規制の見直しというのが行われまして、その施行の状況を取りま とめたものでございます。  2)から「平成10年度に講じた施策等について」ということでまとめてございますが まず、給水装置工事主任技術者制度の関係で、給水装置工事主任技術者の国家試験を、 平成10年10月に第2回ということで実施をいたしております。受験者数が3万人弱、合 格者数が1万 3,700余人ということでございます。ちなみに、平成9年に第1回を実施 している訳ですが、そのときの受験者数が1万 7,000余人、合格者数が1万人弱という ところでございます。受験者数としては 1.7倍ぐらいに増えております。合格率は若干 落ちたというような結果でございました。それから、主任技術者につきましては、併せ て経過措置の講習会が開かれております。表に書いてございますとおり、9年11月から 885回開催をされまして、15万5,000余人の方が修了されているという状況でございま す。これらの試験の合格者、それから講習会の修了者の方々から、給水装置工事の主任 技術者免状の交付申請をいただきますと免状を交付するということで、11年2月末現在 で16万 1,000余人の免状交付という数になってございます。 それから、給水装置工事の事業者の指定につきましては、平成10年10月に各事業体の 方に調査をいたしましたが、全数ではございませんけれども、調査をした限りで7万 1,000余の指定件数がございました。この工事事業者につきましては、データベースを作 成して、各水道事業者等のお役に立てるものをつくろうということで、給水工事技術振 興財団の方で検討を行っているところでございます。 それから、配水管から水道メーターまでの給水装置工事について、ここの部分を実施 する、いわゆる配管技能者を確保・養成するための講習会というものにつきまして、同 じく給水工事振興財団におきまして検討が行われてまいりましたが、この3月に試行と いうことで、京都、千葉におきまして配管事業者の講習会が開催される。また、来年度 から全国的に全面実施をするという予定になっておるところでございます。  それから、 (2)「給水装置主要規制の合理化関係」でございますが、給水装置につき ましては、構造・材質の基準を省令で定めまして、その基準適合的については自己認証 を基本としつつ、第三者認証というものも利用出来るということになっておりますが、 この基準適合性に係ります情報を提供するということで、厚生省で給水装置データベー スというものをつくりまして運用いたしております。これにつきまして、現在の利用状 況ということで、表に書いてございますとおり、製品登録数につきましては2万 7,000 余の製品が登録をされている。それから、表の一番下ですが、この1月1日以降、約 5,600件ほどアクセスをいただいているという状況でございます。 また、この給水装置データベースにつきましては、基準適合性に係る意見を受け付け るというものも追加をいたしております。更に、第三者認証機関につきましても、ある 程度情報提供しようということでアンケート調査を実施しておりますが、これにつきま しても、このようなデータベースの場で情報を提供していこうというようなことを考え ております。 また、最後の・のところですが、国際調和の推進の関係につきましては、最後のとこ ろに書いてあります米国の認証団体がかなり積極的であるということで、日本の基準に 基づきます認証業務ということで、既に1社が実際に製品の認証を行っているという状 況でございます。  以上、給水装置関係でございます。  続きまして、3ページから「水道水の水質検査を行う者の厚生大臣の指定について」 ということでございます。水道法第20条3項に基づきます水道水の水質検査機関の指定 につきまして、前回、昨年3月の水道部会の方で御審議を賜った訳でございますが、そ の際に、指定につきましては、これまで公益法人に限定しておりましたけれども、その 基準を撤廃すること等を内容とする見直しを行うべきとされたところでございました。 この水道部会での御検討結果を受けまして、平成10年11月30日に、「水道法第20条3項 に規定する厚生大臣の指定に関する規程」という格好で厚生省告示として公布をいたし ております。告示につきましては、内容はそこに書いてございますとおり、これまで公 益法人に限定しておりましたが、民間の検査機関も指定を受けて検査を行うことが出来 るようにいたしました。また、併せまして、指定に当たりましての技術的な要件、財政 的な要件といったものの見直しを行っております。  資料の5ページ以降に官報の写を付けておりますが、6ページの一番下の段の右から 6行目ぐらい、○「厚生省告示第 263号」というのが規定でございます。内容は細かく なりますので、一々の条文の御紹介は省略させていただきたいと思います。 続きまして、9ページにまいりまして、3点目の「給水装置工事主任技術者免状交付 申請等に係る押印の見直し」ということでございますが、申請・届出に伴います行政手 続の簡素化をし、国民負担を軽減するということで、10年1月に押印見直しというもの の結果が公表されておりますが、これに基づきまして、給水装置工事の主任技術者免状 の交付等の関係につきまして、記名・押印に代えて署名によることが出来る、あるいは 押印を廃止するということでの様式の改正を行っております。平成10年の11月に交付を し、即日施行されております。 規制緩和関係は以上でございます。 続きまして資料3−2ですが、地方分権の関係を若干御紹介させていただきます。地 方分権の関係につきましては、10年5月に地方分権推進計画が閣議決定をされました。 これに基づきまして、地方自治法をはじめといたします数百本の法改正というものが一 括法で行われることになっております。水道法につきましても、先ほど施設基準のとこ ろでも若干御説明がございましたが、機関委任事務とされております水道事業の認可等 の事務が自治事務化するということで、この一括法の中で水道法の一部改正を行うこと を予定をいたしております。今回の水道法一部改正の主な内容といたしましては、まず 機関委任事務の自治事務化ということで、先ほどございました水道事業用水供給事業の 認可につきまして、規模の大きい部分は引き続き国が実施をしますが、規模の小さい部 分、人口5万人以下、用水供給の場合は2万 5,000t以下というところについて、現在 機関委任事務として都道府県知事が行っておりますが、この部分を都道府県の自治事務 ということに整理をいたします。この機関委任事務が廃止されることに伴いまして、現 在、立入検査等につきましては、国・都道府県が二重に実施出来るというような規定に なっておりますが、これにつきましては、それぞれ認可をしたところが立入検査等を行 うという二重実施を廃止するというふうな規定の整理を予定しております。また、再審 査請求につきましては、上級行政庁がなくなるということで、この規定を廃止すること にいたしております。 それから、2番目の地方公共団体に対する国の関与等のあた方の再構成ということで 施設改善命令ということですが、これまで「命令」と言っておりましたが、これは「改 善の指示」ということで言葉を改めるというようなことがございます。それから、災害 時等の緊急給水応援命令につきましては、通常は都道府県知事の自治事務な訳でござい ますけれども、都道府県知事が事務執行不能になったような場合、そういう際には、厚 生大臣が直接執行することも出来るというような規定の新設を予定いたしております。  その他所要の規定の整備とあわせまして、一括法といたしまして今国会に提出を予定 いたしておりまして、成立をいたしますと平成12年の4月からの施行を予定いたしてお るところでございます。  続きまして、資料3−3の方に移らせていただきます。「コンピュータ西暦2000年問 題への対応について」ということでございます。御案内のとおり、2000年になりますと 末尾が「00」になるということで、2桁しか識別しないコンピュータですと1900年と誤 ってしまうということで、システムの誤作動、あるいはシステム停止といったようなお それがあるということでございますが、水道の場合は、浄水処理あるいは水量・水圧の 制御といった実際の水を配るための制御システム、そのほかには経理や料金計算等の事 務処理のシステムといったところにコンピュータが使用されているところでございま す。もし水道の給水が停止するというようなことになりますと、国民生活への影響も非 常に大きいということで、このようなことのないように事前に適切な対策を講じるとい うことが求められているところでございます。 厚生省におきましては、平成10年の12月時点におきまして、水道事業体等で2000年問 題に対する対応状況はどうなっているのかというのを、抽出の調査ではございますが、 調査をいたしております。この結果について、概要を御説明させていただきますと、ま ず、どのような箇所でコンピュータが使用されているかといいますと、まず制御系のシ ステムにつきましては、配水情報の収集解析、浄水処理、あるいは水量・水圧の制御と いったようなところで、コンピュータを使用している事業が全体の54%ということでご ざいました。また、事務処理系につきましては、料金計算、財務、経理、設計積算とい ったところで、コンピュータを使用している事業が全体の87%ということになっており ます。  1枚おめくりいただきまして2ページでございますが、次の●、2000年問題の有無の 確認につきましては、制御系、事務処理系、どちらも94%は確認済ということですが、 未だ6%は未確認という状況でございます。  また、どのようなシステムに問題があるのかということにつきましては、制御系シス テムについて37%、事務処理系については43%の事業体が何らかの支障があるという回 答をしているということで、これは既に対応済のものも含んだ数字でございますが、そ のような回答がございました。 実際、コンピュータがもし止まってしまった場合に影響があるのかということにつき ましては、15%ほどの事業体で給水が一時的に停止するけれども、手作業で復旧可能で あるというふうな回答をいただいております。給水が停止するというような回答はござ いませんでした。 その次の2000年問題の対応状況でございますが、次の3ページの方にグラフが出てお ります。模擬テストの実施、あるいはプログラムの修正等の対応状況につきましては、 制御系システムでは12%、事務処理系システムで18%が対応しているという、まだ非常 に低いレベルになっている。更に、危機管理計画まで策定している事業というのは3% しかないというような状況でございました。  今後の取り組みにつきましてですが、今、結果の概要を申し上げましたとおり、コン ピュータが止まりましても、手動制御など適切な対応で、給水が停止するというような 最悪の事態は避けられると考えられますけれども、まだまだ対応が遅れている。取り組 みを行っていない事業体がたくさん残っているという状況でございますので、今後、早 期の対策を講じていくということが重要になっております。このため、先月2月26日付 で水道環境部長名の通知を出しまして、2000年問題への対応、また、いつまでに実施を するのか。更に、対応状況についての情報公開といったことについて、都道府県を通じ まして各水道事業体での対応を指示をしたところでございます。 具体的な対応につきましては、次の4ページの方にスケジュールを載せてございます が、まず、どんなところにコンピュータが使われているのかというところのリスト化等 を含めてまして、各事業体で自主点検をしていただくというところを3月ぐらいまでに やっていただきたい。その後、プログラムの修正や機器取り替え等の必要な対応を行い まして、模擬テストまで実施をするというのを6月末までに行ってもらう。併せまして 危機管理計画の策定といったものも6月末までを目標にしてやっていただこうと思って おります。その後、7月以降は手作業ということで手動での制御、そういった対応の訓 練等の実施といったようなものも行っていただくということで、2000年に向けまして万 全の体制を整えていこうということにいたしているところでございます。なお、この対 応状況につきましては、四半期おきに御報告をいただいて、厚生省としても取りまとめ の上、公表してまいりたいと考えているところでございます。 2000年問題は以上でございます。 それから、私の方からの最後ですが、資料3−4「環境影響評価法の施行について」 ということで1枚紙がございます。環境影響評価法につきましては、平成9年の6月に 交付をされまして、2年間の猶予期間がありまして、平成11年6月までには全面施行さ れるという予定でございます。この環境影響評価法につきまして、水道施設としての対 象がどのようなものになるかと申しますと、2)のところにありますように、1級河川 及び2級河川に指定された区域におきますダムの新築、堰の新築・改築で、規模が大き く、環境に著しい影響を及ぼすおそれがある事業ということになっております。ダム及 び堰の新築について言いますと、湛水面積が 100ha以上というものは第1種事業といた しまして、必ずアセスメントを行わなければいけないということになっております。そ れから、湛水面積が75ha以上 100ha未満につきましては第2種事業ということで、第1 種事業に準ずる規模ということで、アセスメントを行うかどうか個別に判定をするとい うようなことになっております。従前、59年だったでしょうか、閣議決定に基づきます 環境アセスというのを行ってまいりましたが、それではダムの湛水面積が 200ha以上と いうことにしておりましたので、第1種事業でその面積が半分になっているというよう な状況でございます。  それから、環境影響評価法の手続の流れにつきまして、その裏の2ページに書いてご ざいますが、従来の閣議決定アセスと主に違いますところは、第2種事業というのが新 たに入りまして、個別に判定をしていくということで、スクリーニングというのが最初 のところの手続に入ってきております。それから、実施をするという場合に、最初に方 法書を作成し、その公告・縦覧をするということで、環境アセスメントの方法のところ からまず公告・縦覧をしていく。スコーピングというところが入ってきている。この辺 のところが閣議決定アセスとの大きな違いになっているというようなものでございま す。  私の方からは以上でございます。 ○藤田部会長  どうもありがとうございました。資料3−1から3−4までのたくさんの御報告です が、何か御質問ございますでしょうか。規制緩和関係、それから地方分権関係、コンピ ュータ2000年問題、環境影響評価法の施行に関する問題でございます。いかがでしょう か。 これは川北委員に伺った方がいいのかもしれないけれども、2000年になったら水道が 突然止まるということは万が一にも起こり得るのでしょうか。 ○川北委員 今、報告がありましたとおり、余りないとは思うんです。ただ、恐らくいろいろな事 業体では、毎年、暮れというのは需要量が大分変動しますので、人を張りつけたりする のを多くして、暮れからお正月にかけては長期間メンテが抜けますので、そのメンテ要 員などを少し確保しておくのですけれども、恐らく今年は少し多く張りつけるのかなと 思います。ただ、今、厚生省から出たとおり、このスケジュール表に基づいていろいろ な対策を練っていくと思います。以上です。 ○藤田部会長 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。どうもありがとうございま した。 それでは、次の御報告をお願いしたいと思いますが、資料3−5についてお願いした いと思います。 ○片山補佐  資料3−5「『水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針』の改正について」 御説明をいたします。  「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」は、平成8年6月の、埼玉県で 起こりました我が国で初めての水道を介してクリプトスポリジウムによる感染症が発生 したことを受けまして、平成8年10月に策定されたものでございます。今回の改正につ きましては、昨年の水道部会でも御報告をいたしましたところでございますが、その後 の新たな知見の集積を受けまして、クリプトスポリジウムと病原性微生物対策検討会で 検討いただきました結果を踏まえて改正するものでございます。併せて、クリプトスポ リジウムの試験方法の改正を行いまして、昨年の6月に都道府県等に通知をいたしまし た。  主な改正の内容でございますが、まず試験方法につきましては、試験方法の簡素化と 着実性・迅速性の向上を図るための利用可能な試験方法を幅広く採用するという趣旨で 試験方法について充実を図りました。資料の3ページに試験方法のフローについて載せ ております。この中で、点線でございますように、回収率の信頼性を確認した上で利用 する方法というようなことも新たに載せることといたしました。  それから、指針の主な改正内容でございますけれども、全国の水道水源におけますク リプトスポリジウムの存在状況調査の結果を踏まえまして、クリプトスポリジウムによ る汚染のおそれの判断上の留意点などを見直したこと。あるいは、浄水処理の徹底につ いての留意事項を追加したことなどでございます。汚染のおそれにつきましては、排出 源の存在の有無による判断、あるいは糞便による水道原水の使用による判断というもの を加えております。それから、クリプトスポリジウムに加えまして、ジアルジアの生物 学的知見の整理を行いました。ジアルジアにつきましては、クリプトスポリジウムに類 似の原虫であるということで、生物学的知見を新たに追加いたした次第であります。  それから、暫定対策指針の改正に伴いまして、全国の水道事業者を対象といたしまし て、指針に基づく予防対策の実施状況を取りまとめました。これは、昨年12月に公表い たしております。資料の4ページに別添として公表いたしました資料を載せておりま す。  表流水などを水源としておりますクリプトスポリジウムによる汚染のおそれがある浄 水施設では、この調査によりまして、概ね濾過施設等の整備など、所要の対応がとられ ていることが確認されました。給水人口にいたしまして約97%相当が濾過施設を経由し た水を供給されておるという状況でございます。しかしながら、小規模な水道事業者等 では対応が十分とは言えないということで、予防対策の実施の徹底につきまして、都道 府県を通じまして指導を行っているところでございます。厚生省といたしまして、今後 も引き続きまして暫定対策指針に基づきます濾過施設の整備等の恒久対策の推進、更に 水道水の濁度管理の徹底などにつきまして、都道府県等を通じまして水道事業者の指導 を行うことといたしております。 簡単ですけれども、資料3−5の説明は以上でございます。 ○藤田部会長  ありがとうございました。ただいまのクリプトスポリジウムに関する御報告ですが、 何か御質問ございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。  クリプトは、いずれ水質基準に入ってくるのでしょうか。 ○荒井管理官  基本的に、将来的には水質基準に入れるべきものというふうに考えておりますけれど も、検討会等でいろいろな化学的な知見の収集をしていただいている訳でございますけ れども、現時点においては基準を決めるのは大変難しいということでございまして、ア メリカ等におきましても、目標としてはゼロということで決めておりますが、基準はま だ決めていない状況でございます。 ○藤田部会長  ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。  それでは、この改正について、本部会は了承したということにいたしたいと思いま す。  次は、資料3−6でございます。 ○坂本補佐  それでは、私から3−6、7、8と説明させていただきます。  まず、3−6の「環境衛生施設整備事業の再評価システムの導入について」ですが、 趣旨といたしまして、環境衛生施設整備事業、これは水道と廃棄物がありますが、この 整備事業の効率的な執行と、その実施過程の透明性の向上を図るため、事業の採択後、 一定期間を経過した事業を対象といたしまして、社会情勢の変化等を踏まえて、必要に 応じて事業の見直しを行う再評価システムを導入するということで、11年度から行うこ ととしております。 実施内容といたしましては、対象事業の実施時期といたしまして、水道、廃棄物の施 設整備のすべての国庫補助の事業を対象にして、原則として5年単位で再評価を行って いただきたいということを考えております。その他といたしまして、社会情勢等の急激 な変化等によりまして、適宜やっていただきたいということを考えております。  実施体制といたしましては、国庫補助を受けている事業体が実施するということを考 えております。水公団につきましては、一応、厚生省で実施するということを考えてお ります。  再評価の内容といたしましては、採択後、事業を巡る社会情勢の変化とか事業の進捗 状況を踏まえまして再評価を検討していただくということで、コストの縮減などが出来 ないかどうか。あと、代替案があるかどうかというようなことの可能性についても検討 していただくということにしております。  その再評価の結果によりまして、水道事業体から、現在の計画により、整備が適切で あると認めるものについては事業を継続する。それと、事業実施計画とか実施規模の見 直しが必要と認められるものについては、事業計画等の見直しをやっていただく。諸問 題の解決にはまだ相当時間が必要だと認められるものについては、1回休止するという ようなことです。なお、事業の再開につきましては、当然ながら、需要等の予測とか投 資効果の分析等をもう一度実施して、その判断の上で、まだ必要かどうかということを やっていただきたいということを考えております。あと、社会情勢等の急激な変化等に よりまして、需要等が当初見込んだものより大幅に減って、この事業をやる必要がある かどうかということで、効果がなくなっていると認められるものについては中止してい くというようなことをやっていただくということを考えております。それで、評価して いただきまして、報告として国に上げていただくということを考えております。その後 国庫補助といたしましては、その評価を精査しまして、必要かどうかを国で判断してい きたいということを考えております。ただ、北海道開発庁とか、沖縄、国土、それから 離島とか、いろいろあります。そういうものについては、向こうが予算計上をやってお りますので、調整を行って、今後、必要かどうかの判断をしたいということを考えてお ります。  6番の透明性の確保ということで、原則として学識経験者ということで、第三者から の意見を聞いて再評価をしていただきたいということを考えています。当然ながら、そ の再評価の結果につきましては公表をやっていただくということで、再評価システムを 導入していきたいということで、11年度からやらせていただきたいと考えております。 次に、資料3−7の「平成10年度補正予算の概要」ということで、平成10年度1号補 正が5月か6月頃にありました。それが、従来の施設整備をもっとたくさんやっていく ということがありまして、不足等がありました。それで、一応 383億円が厚生省で、括 弧書きは他省庁を含んだものです。 530億円ほど計上して整備をやっていくということ で、上から二つ目に平成10年度3号補正ということで、これが景気対策で言われました 補正予算であります。それで、切れ目ない事業ということで15か月予算というようなこ とが言われまして、これにつきましても、厚生省としては 477億円、他省庁を含めまし ては約 600億円の補正計上をやりました。 内容といたしましては、1は、従来の施設整備をやっていきたいというもの。2番目 の分については、石綿セメント管の解消促進事業ですが、これにつきましては、現在も 補助対象はやっておりますが、景気対策ということもあり、弱い水道管を早く整備して 地震対策としてやっていきたいということがありまして、今は採択基準といたしまして 給水人口が5万人未満のところとか、用水単価が 160円以上のところというような規制 をかけたりということで、なかなか進まないという状況がありますので、そういう採択 基準を撤廃いたしまして整備するということでこの補正を計上いたしました。それで、 2につきましては、今年度限りの補正の措置だけにやってあります。また、11年度から はこのものについては対象になりません。  3番目の水道施設災害等対策緊急支援事業といたしまして、地震とか水害等の緊急時 の断水等に対応するため給水の確保とか施設の監視体制の強化を図るということで、例 えば給水車とか、移動式浄水場とか、非常用の飲料水パックなど、緊急時用の移動式の 水質検査、例えばテロとか水質事故等が起きたときに、緊急時に水の安全性を迅速に確 保するための短い間に現場で検査出来るというような移動式の水質検査機器とか、あと は、クリプト等で新たな水質汚染に対応するのが困難な簡水などの小規模水道施設等の 監視体制を強化するために、市役所等で集中監視が出来る集中監視システムというよう なものとか、毒物投入等の防犯行為を防止するために、監視用のモニターとか警報装置 というような防護施設整備というようなものを対象にいたしまして、80億円ほど、今回 の補正限りということで対象にして補助をやりました。規模的には、要望は今年度は大 体53億円ぐらい出てきました。補正については以上でございます。 次に、3−8の「平成11年度水道関係予算の概要」ですが、今年度も「国民を守る安 心な水道づくり」ということで、『新たな水質問題にも対応し、いつでもどこでも安心 な水道の整備を図る』ということで、全国で 1,951億円ということで伸び率 3.7%で す。ちなみに、公共事業の伸び率が5%と言われています。その5%も、現在、国土庁 に計上があります地域戦略プランというものがあります。それが 2,000億円ありまし て、これにつきましては、今後、各地方から上がってきたものが採択されて、そのもの について、その事業が対象になったところに対して各省に分配がくることになっており ます。それで、今現時点でその 2,000億円はまだ決まっていませんが、それ以外を除き まして公共事業全体としましての伸びは 2.8%でございます。それで、水道施設として 3.7%ですので、相当優遇されているというような予算になっております。 それで、1枚目の下の方で簡水の伸びが少し低くなっているのは、他省庁と国土庁の 離島等が事業がないということで、全体的には余り伸びていないという形になっており ますが、厚生省自体の簡易水道は 6.3%ということで、早急に未普及地域等を普及して いきたいということを考えております。 内容といたしましては、厚生省の 1,405億円の中で、基本的に三つ大きい事項として 考えております。一つ目は、2ページの地方の生活基盤となる簡易水道の整備というも のです。2個目といたしましては、その下の四角にありますが、安全で安心出来る生活 を支える水道の整備ということで、感染性微生物対策というものでございます。三つ目 に重点的にやるのは、次の3ページですが、地震・渇水に強い水道施設の整備というこ とで、この三つを整備していきたいということで考えております。中身については従来 と同じですので、後で参考に見ていただければと思います。  次に、4ページに、大きいものといたしまして、水道水源における有害物質監視情報 ネットワークの整備ということで2億 4,000万円ほどになっております。これは、ここ に書いてありますが、ダイオキシン類とか内分泌かく乱化学物質など水道水源における 新たな環境汚染の問題が次々と顕在化しているということで、代替のきかない水道水の 安全性に対する国民の関心は以前にも増して強くなってきているということで、水道水 源の監視の強化及び国民に対する情報提供が求められているというようなことがありま して、内容といたしましては、今考えているのは、大きい河川10河川で40事業所を対象 にいたしまして、 100物質ぐらいを一斉に検査をいたしまして、それのデータベースを つくりまして、それを水道事業者等が使える、また、国民に対しても情報提供が出来る というようなネットワークづくりをしたいと考えております。ちなみに、これは財団法 人水道技術研究センターに補助をしてやっていこうと考えております。それは、現在も 研究センターで水道データベースというものがありますので、その中の機械と一緒にそ れを入れることにより、有効な活用が出来るということがありますので、そちらに補助 をしてやりたいということを考えております。 大体以上ですが、あと、参考といたしまして、4ページに、 (1)の簡易水道等施設の 統合整備ということで、脆弱な簡水等がありますので、なかなか浄水と統合が進まない という状況がありますので、今まで1万人だったものを5万人の相手方をやりまして統 合整備を進めて、ケイジョウとか、安全な水を供給出来るようにしたいというもので、 特にこれを推進したいということでございます。  あとは、先ほどから水質の問題で出ましたが、 (2)の中で安全な水道水確保のための 検査機器ということで、クリプト等を検査出来る顕微鏡とか、ウランの検査が出来る分 析計を今回の補正から対象にして整備していきたいということで、安全な水道水の供給 をやろうと考えております。 簡単でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。ただいまの御報告に何か御質疑ございますでしょうか。よ ろしゅうございましょうか。 それでは、以上の御報告を部会としては了承したということにいたしたいと思いま す。 次は資料4というのがございますが。 ○矢野補佐  資料4につきましては、「内分泌かく乱化学物質の水道水からの暴露等に関する調査 研究」ということで、本年度、平成10年の厚生科学研究の中で、国立公衆衛生院の国包 水道工学部長が主任研究者となりまして、現在実施をしていただいております調査研究 の御紹介でございます。本日は参考ということでお配りさせていただきました。また後 ほどご覧をいただければと思っております。 ○藤田部会長 ありがとうございました。何か御質問がございましたら、この際ですからどうぞ。今 大分問題になっているものでございまして、われわれもよく分からないところがあるも のでございますが、御質問がございましたらどうぞ。よろしゅうございましょうか。ど うもありがとうございました。 それでは、少し時間がございますけれども、何か全体的に御発言がございましたら、 この際、御遠慮なくしていただければと思います。事務局の方から何かございますか。 ○矢野補佐 次回のことでございますが、次回の水道部会につきましてはまだ特にございませんの で、また部会長の方と御相談をさせていただきまして、その上で皆様にお諮りをしたい と考えております。よろしくお願いいたします。 ○藤田部会長 よろしゅうございましょうか。それでは、以上でこの会を閉じたいと思います。どう もありがとうございました。  問い合せ先 厚生省水道環境部水道整備課    03−3503−1711(4025)