99/03/04 第5回 地域保健問題検討会議事録 第5回 地域保健問題検討会 平成11年3月4日(木)   14:00〜16:00   厚生省別館8階 共用第23会議室 出席者 北川 座長  生田 委員 ・ 犬塚 委員 衛藤 委員 ・ 大月 委員 小倉 委員 ・ 黒田 委員 櫻井 委員 ・ 園田 委員 高橋 委員 ・ 竹澤 委員 中原 委員 ・ 長谷 委員 原  委員 ・ 山本 委員 米田 委員 事務局 伊藤 局長 高山 企画課長   岩尾 地域保健・健康増進栄養課長 西山 老人保健課長 神田 介護保険制度施行準備室次長 平野 保健指導官 北川座長  それでははじめさせていただきます。本日は、第5回地域保健問題検討会です。 先生方、お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。  まず資料の確認をお願いいたしたいと思います。 岩尾課長  それでは本日の資料の確認でございますが、クリップで留めてあります資料とそれか ら左側に白い一枚の紙と、その下に池田委員資料と書いてある紙と二つございます。  まずクリップで留めてあるのをとっていただきますと、表紙以下、資料が1から7ま でございます。資料1につきましては、介護保険制度準備室より提出いただいているも のが2つでございます。資料2は、老人保健課より提出いただいているものでございま す。資料3は、地域保健サイドからの介護保険制度への関わりについて研究いたしまし た、厚生科学研究の結果の概要の抜粋でございます。資料4から7につきましては、介 護保険制度と保健活動の関わりについて、モデル事業の実施および現状の実態調査の結 果から参考となるものを抜粋したものでございます。参考資料として、前回同様基本指 針をつけております。以上でございます。 北川座長  それでは早速本日の議題に入りたいと思います。お手元の資料で、介護保険制度の導 入を踏まえた市町村及び保健所の役割、これが今日の議論の課題でございます。それで は最初に資料1から説明をいただきたいと思います。  介護保険制度及び老人保健事業につきましては、老人保健福祉局の西山老人保健課長 さんと神田介護保険制度施行準備室次長さんにおいでをいただいておりますので、順次 ご説明をお願いします。 神田次長  資料に基づきましてご説明をさせていただきます。  最初に介護保険とはどんな制度かというのを、詳しくご存じの方もいらっしゃると思 いますけれども簡単に説明をさせていただきます。  お手元に、「もうすぐ始まります介護保険」というパンフレットがありますので、こ れに基づきまして説明をいたします。  2ページ目をお開きいただきますと、「ねらい」ですとか「あらまし」といったこと が書いてございます。介護保険のあらましといったところで、制度の運営主体は市町 村・東京23区であると。施行は12年4月からということですが、約半年前の、今年の10 月から要介護認定と介護保険の給付要件を満たしているかどうかという、あてはめの作 業が始まるということになっております。加入者は40歳以上の方ということです。サー ビスが受けられるのは、そこに書いてますように65歳以上の方と40歳から64歳までの方 では若干異なっております。65歳以上の方については、理由の如何を問わず要介護状態 ですとか、日常生活に支援が必要が状態になればサービスが受けられるのに対して、40 歳から64歳までの方は、初老期の痴呆ですとか、脳血管疾患など15の疾患というのを定 めてますが、そういう病気によって要介護状態や要支援状態になった場合に限られると いうことになっています。  3ページ、4ページに、先ほど申しました今年の10月から始まります、要介護認定の 手続き等が簡単に書いてありますので説明いたします。  まずサービスを利用しようと思った場合には、申請を市町村に出していただきます。 市町村のほうでは、サービスを利用する要件を満たしているかどうかを判定をすること になるわけですが、訪問調査ということで市町村の職員の方ですとか、これは委託を受 けた居宅介護支援事業者といっておりますが、ケアプランを各事業者それから介護保険 施設などが、介護支援専門員という専門職を配置するということになってますので、そ ういうところに委託をしてもよいということになっています。したがいまして市町村の 福祉担当職員ですとか保健婦さん、またはサービス提供機関のほうの介護支援専門委員 が訪問調査に赴くということになります。  訪問に調査に行きますと、85項目について調査をするということになっております。 73項目が身体の状態についての調査、12項目は特別な医療ということで褥そうですとか 酸素療法、人工透析そういった医療行為を受けているかどうかというようなことを調べ てくるということになっています。これはたくさん項目があるようですがモデル事業で 実施しておりますけれど、40分でだいたい終わる調査です。  その調査の結果をコンピューターに入力しまして、一時的な判定ということを行うこ とになってます。それからそれ以外に、調査項目以外の項目、例えば難病があって介護 の時間がよけいかかるといったようなことがありますと、訪問調査の際に、調査項目に 関連してそれを書き取ってくるということになってます。記述式で書き取ってくるとい うことになってます。それを介護認定審査会に出していただくということになります。  市町村は、片方で下の矢印ですが、医師に意見書を書いていただくということになっ てます。これは申請者の方に自分の主治医が誰であるかというのを書いていただきまし て、その方に基本的には書いていただくということになってます。今申しましたような 3つの資料を介護認定審査会という、保健、医療、福祉に関する専門家5人程度で構成 する審査会において判定をするわけです。  そもそも判定の基本的な考え方というのはどういうことかというので、コンピュー ターによる判定というところから矢印が上にでておりますけれども、その方が介護の手 がどれくらいかかるのかということから客観的に判定をするということをしてますので 例えば一人暮らしであるかどうか、家の近くに坂道があるかどうかといった、介護者側 の状況ですとか住環境などは基本的には勘案しないということになっています。基本的 には介護の手のかかり具合を判定するというのが基本的な考え方です。  このコンピューターによる判定というのは、一番上のほうを見ていただきますと実際 の施設入者について2日間について渡ってて、約3,400人ぐらいの施設入者の方について 48時間に渡って1分間おきにどういう介護が行われているかというのを調べ上げたデー タがございます。そのデータと身体の状態との相関関係というのをコンピューターで推 計をするということです。判定基準はその右にありますように、そういう一定の条件の もとに、実施された調査に基づく介護時間というものによって判定をするということを 基本にしてます。したがってここで推計される時間というのは、仮にその人が施設に入 ったとするとどれぐらいの介護の時間が必要かというものをコンピューターで推計をし ているということです。 審査判定ということで判定が行われますと、認定というとこ ろに書いてありますが、日常生活に支援が必要な要支援の状態、それから要介護状態に ついては寝たきりとか痴呆の状態ということですが、5段階に分けるということになっ ています。5段階に分ける意味は、これによって在宅サービスの支給限度額ですとかあ るいは施設に払われる報酬が異なってくるということになります。パンフレットの6 ページの表を参考で見ていただきますと、一番右上のところに、介護保険制度と在宅 サービスがどのようになるのかということですが、要支援の場合には6万円ぐらい、要 介護5という一番重い場合には35万円ぐらいのサービスが月額で利用できるというよう なことになりますし、施設についていいますと、その要介護度に応じて払われる報酬が 決まってくるというような仕組みになっています。 続きまして5ページのほうで、ど んなサービスが受けられるのかということですが、要支援状態の方(上の緑の丸)は、 在宅サービスだけということです。要介護状態になりますと、寝たきりとか痴呆で常に 介護が必要な方については、施設もご利用いただけるということになってます。サービ スとしては、そこにありますような訪問型のサービス、日帰りで通う通所型のサービス 短期入所サービス、福祉用具の貸与や購入、住宅改修といったものがございます。施設 サービスとしましては、現在の特別養護老人ホーム、老人保健施設の他に、介護職員手 厚く配置された病院ということで、療養型病床群ですとか老人性痴呆疾患の療養病棟、 それから3年間の経過措置ということで介護力強化病院についても対象になるというこ とになってます。  要介護認定が終わりますと、今申し上げたようなサービスをいよいよ利用するという ことになるわけですが、7ページから8ページに利用する場合の手続きということが簡 単に書いてあります。要介護認定が終わりますと、直接自分でサービス提供機関に申し 込んでもよいわけです。一番上の矢印と一番下の矢印を見ていただきますと、直接施設 に自分で申込みをする、あるいはホームヘルパーの事業所、訪問看護の事業所に申込み をするということであっても当然いいわけですが、どこにどんな資源があって幾らぐら いかかるのかということを寝たきりのお年寄りですとか、ご家族の方が熟知していると いうのはなかなか難しいことですので、そういう場合にここにあります居宅介護支援事 業者、ケアプランを作る事業者に頼んでサービスの利用調整をしてもらえるということ になっております。 しかし、これについてはあくまでも利用者本位ということを貫徹 するという考え方から、申込みがありますと、まず状態の把握ということで利用者の方 に面接をして、どういう問題点を抱えておられるのかあるいはどんな課題を解決しなけ ればいけないかという、いわゆるアセスメントと称してますけれども、そういうステッ プを踏みます。それから次にケアプランの計画原案を作成するということになります。 この場合も、事業者のほうが、自分の例えば親元のサービスだけを組み合わせて利用す ることのないように、地域における在宅サービス事業者の情報というのを利用者に提供 して、利用者が事業を選択するということになってます。それからサービス担当者との 連絡調整ということで、いよいよ具体的な曜日の調整ですとかそういうことを行うこと になるわけですが、必要に応じてサービス担当者の会議を開くと、ケアカンファレンス と申しておりますがそういう会議を開いて具体的な曜日調整、内容の調整を行う。これ には利用者ですとかご家族も参加ができるということになっております。  具体的な計画を作りまして、最終的に利用者の方の同意を文書でいただくというふう になっています。これは勝手に事業者のほうで書いて、いつのまにかサービス提供プラ ンができているということではなく、最終的に本人が同意しない限りプランとしては完 成をしないということで、自分の意にそまない計画を押し付けられることのないように ということで、最終的には利用者の同意を得ていただくということになってます。  今申し上げたようなことがこの居宅介護支援事業者という事業者の運営基準というも のに定められてます。したがいまして仮に運営基準に違反をしますと、事業者指定の取 消し事由になり得るということで、介護保険の世界からでていかなければならないとい うようなことで担保をするということになってます。 9ページ、10ページは、その具体的な介護サービスの例ですが、標準的なサービスの モデルということです。一番軽い要支援の方については、寝たきりとか痴呆にならない ように、デイサービスとかデイケアに週2回ぐらい通えるようなサービス水準を保証す るということになっています。一番重い方については、朝晩の巡回ヘルプサービス、絵 がわかりにくいかもしれませんが軽自動車のマークのつもりだそうです。そういう巡回 サービスを受ける、昼の時間帯に訪問ヘルパーを受ける、ナースキャップが描いてあり ますのは訪問看護ですけれども、リハビリテーションが受けられるということで、1日 3回から4回のサービスが受けられるということになっています。  利用者のご希望などによって、幾つかのサービスのモデルをこちらのほうでお示しし ています。要介護3ということでいいますと、「通所型」サービスをたくさん利用した い場合ですとか、「訪問型」のサービスをたくさん利用したい場合。痴呆の方の場合は 毎日短い形でデイサービスやデイケアが利用できるようなサービスモデル、それから医 療の程度が高い場合には、訪問看護をより多く利用するようなタイプといった形で例示 をしてます。  最後に13ページの財源構成ですけれども、この保険は各市町村ごとに特別会計を作っ ていただくということになりますけれども、財源構成はそこにありますように全体とし て半分が公費、半分が保険料という形になっています。国の負担というのは20%が定率 負担、5%が調整交付金ということで、右上の矢印にでてますけれども、後期高齢者の 比率が多いと、当然寝たきりのお年寄りが多くなります。また低所得者が多いと、総体 的に保険料の負担感が強くなるということがありますので、そういった事由をこの5% の調整交付金でもって調整をするということになってます。それから40歳から64歳まで の若い方の保険料は、医療保険料に上乗せをしてお支払いをいただくということで、各 市町村にその市町村に何人40歳から64歳の方がいるかといったことに関わらず、定率で 3分1お支払いをすると、高齢者比率を調整しているということです。それから市町村 の地元のお年寄りで負担すべき部分というのは、平均すると17%ということですけれど も、先程申しましたように後期高齢者が多いところですとか所得の低い方が多いところ は、この円の中心に近いほうにありますように、調整交付金が膨らみますので地元のお 年寄りが負担すべき分の割合が少なくなるといった形で、財政調整をするということに なってます。  以上が介護保険制度の概要です。資料1のほうで、介護保険と地域保健についてと表 題としては書いてありますが、関連する部分をピックアップしてみたということです。  市町村保健センターですとか保健婦さんが関わることが考えられる場面というものを 抜き出してみたということですが、一番最初にあります先ほど申した要介護認定の申請 に関する相談受付といった業務がまず考えられます。これは高齢者保健福祉の相談窓口 に、一般的には申請があがってくるということになろうかと思います。  それから訪問調査ということで、先ほど申しましたように保健婦さんとか福祉担当職 員の方が主力になるのではないか、委託をした場合にはまた民間の介護支援専門員の方 が行くということになりますけれども、あとでお話があるかと思いますが、昨年モデル 事業で実施したモデル事業の中でいいますと、認定調査員の約3分1は保健婦さん、5 人に1人、約2割が看護婦さんということで看護職でだいたいで半分を占めているとい うような実情にあります。  市町村のほうにおきましては、当然訪問調査ですとかその他介護保険もろもろの業務 がでてくるということで、約8,800人ぐらいだったと思いますが、の人員手当を地方交付 税上しております。1市町村あたりですと約2.7人の人員手当が交付税上されてます。都 道府県のほうにおきましても315人ということで、1都道府県あたり7人弱の人員手当が 交付税上されてます。これは11年度までということで、12年度に向けてさらに人員体制 を充実していくということになろうかと思います。  その次ですが、介護認定審査会における審査・判定ということで、審査会の事務局機 能というものを多くの場合担っていただくことになるのではないかと思っています。審 査会の委員の問題ですが、直接的には保健所の保健婦さんですとか医師というのは、基 本的には訪問調査をコントロールする指導する立場にある方については、同じ人が訪問 調査を指揮してまた審査をするということになりますと問題が生じますので、基本的に は訪問調査に従事をする部署に所属している場合には、原則としては不適当ということ になっています。しかし都道府県の保健所の職員の方については、委員になりうるとい うことかと思います。原則的には民間で、例えば病院ですとか診療所におられる方、あ るいは訪問看護等に従事しておられる方、そういった方を原則としていますけれども、 県の保健所の職員の方についても審査員になれるということになります。  技術的な指導ということで、要介護認定をするにあたりいろんな公平性を確保すると いう観点から、調査員に対する研修、認定審査会の委員に対する研修といった経費を11 年度予算でも計上してますが、そういった技術的な指導にあたっていただくというのが 県の保健所の職員の方々の仕事の一つになるのではないかと思います。  2ですが、介護サービスの利用調整ですとか地域ケアシステムの構築と書いてありま すが、介護保険の中では、介護サービスの利用調整は先程申しました居宅介護支援事業 者という、ケアプランの作成事業者が行うということになってます。この中には、民間 の事業者だけではなく、例えば他に有力なサービス提供事業者がないといったことがあ れば、行政も直接居宅介護支援事業者になることができると、当然そういうことになり ます。それから先ほど申しましたような、この居宅介護支援事業者は、民間の企業です とか株式会社も当然なれるということがありますので、サービスを中立的にコーディ ネートできるのかどうかという議論がありますので、そういうことについては運営基準 上担保をするということになっています。参考に資料の11ページに、居宅介護支援事業 者の運営基準の抜粋をつけておりますが、上から3つ目の○を見ていただきますと、看 護支援専門員は、計画の作成ですとか変更に際して、利用者に対して特定の事業者によ るサービスを利用するべき旨の指示を行ってはいけないということになってます。それ からそういうサービスを紹介すると、利用者を紹介するということについて財産上の利 益を受けてはいけないというような規定が設けられています。これ反対側のほうで、事 業者のほうからも利用者を回してもらうということの対価として、財産的な利益を供与 してはならないという逆の規定も運営基準上設けられています。  その次ですが、市町村においては作られた介護サービス計画の受付とか点検といった ことも考えられます。パンフレットの7、8ページを見ていただきますと、ケアプラン の作成事業者に作っていただくという真ん中の矢印の他に、上から2番目の矢印があり まして、利用者が自分でサービスの利用計画を作って市町村に登録をしておくというこ とでもよいということになってます。そういうやり方であっても1割の負担でサービス が利用できるとなっているわけですが、こういったセルフケアプランと俗称しています が、そういったプランの受付の機能というのも市町村の仕事になります。したがって受 け付けたケアプランが適切に作成されているか、支給限度額の枠内に収まっているかど うかというようなこともチェックをしていただくというような仕事がでてきます。  もう1つ、介護保険の関係で、在宅介護支援センターとの関係がよく議論になります ので、1ページ目のところに書いてあります。在宅介護支援センターにつきましては サービスの利用調整部分というのは、介護保険ができますと当然居宅介護支援事業者が 行うということになりますので、従来の在宅介護支援センターがどうなるのかという議 論がありますが、地域ケアを支える機能として、総合的な相談ですとか、地域における サービス情報を公正に提供するといったこと、介護保険の給付対象外のサービスの調整 といった機能を担う機関として存続をさせるという方向で考えているところです。  下のところに「基幹型」と書いてありますが、特にその中でも市町村内すべての支援 センターを包摂するようなネットワークを敷いて、統括的な支援センターを設けるとい うことができるということになっております。その場合には、直轄又はこれに準ずる機 関ということで、市町村の直営化、事業団ですとか公社ですとか社会福祉協議会ですと か医師会といったような、直轄かこれに準ずる機関において、こういう機能になってい ただくというようなことになってます。  資料の3ページに、これは参考ですが、介護保険の中で市町村保健センター等との関 連がどのようになるのかという委員からのご質問があったのに対して、作成をして審議 会に提出しました資料です。1は、皆さん方よくご存じのことかと思います。2のほう で、例えば市町村保健センターを活用した介護保険における相談援助体制の整備につい てということで、どんな市町村保健センターにおける役割が考えられるのかということ で、そこに(1)から(4)まででてます。(1)については、先ほど申し上げた要介護認定の申 請の受付ですとか、認定事務その他介護に関する相談ですとか、苦情相談を行うといっ たこと。(2)は、ケアプランが円滑に作成されるということを考えますと、ケアプラン作 成機関と在宅サービスの事業者ですとか事業者相互間の連携が図られることが重要であ るということから、事業者の協議会を設置するとか、事業者相互間の情報連絡体制をひ く拠点にするといったことが考えられるのではないか思います。(3)としては、自ら、先 ほど申した居宅介護支援事業者になる際の事業所になると。(4)としては、その他の介護 保険の給付対象以外の事業として、老人保健事業その他の保健、総合的な保健福祉対策 の推進拠点ということが考えられるのではないかということで、審議会で一度ご説明を させていただいた資料をつけています。  6ページですが、今申しましたような議論を踏まえて、介護保険の中で介護保険事業 計画という市町村におけます介護サービスの目標を立てるとなっています。その計画を 策定する際の基本的な指針というものを、これは大臣告示でお示しをするということに なってますが、その中にもここにありますように今申しましたような、事業者相互間の 意思疎通を図るための協議会の設置ですとか、事業者相互間を結ぶ情報連絡体制の確立 など、事業者相互間の連携の確保に関する事業などについても計画に盛り込むようにと いうことになってます。  2段落目にありますように、介護保険の担当部門、それから市町村保健センター、福 祉事務所等の行政窓口と在宅介護支援センター、それからケアプランを作ります居宅介 護支援事業者ですとか、苦情処理を行うというふうに制度的に位置付けられています国 民健康保険団体連合会などとの連携協力などについて配慮しながら、相談援助体制、ネ ットワークづくりの整備についても計画の中に盛り込むようにということでお出しをし てます。まだ正式に告示という形では決まってませんが、そうした事項についても盛り 込んでいただくというようなことになっております。  資料の2ページ目ですけれども、介護保険事業計画いま申しましたように、作成する ということについての関わりといったことも考えられると思います。パンフレットの11 ページを見ていただきますと、計画の策定フローというのがでていますが、一番計画を 立てる端緒としまして、左上の緑のマークが付いていますが、寝たきりや痴呆の在宅の 要援護高齢者の調査をすると、身体の状態がどうであるかとか、サービスの利用規模が どれくらいあるのかということを調査していただくと。それから特別養護老人ホームに 入所している方の身体の状態などについても調査していただくということで、全国で調 査を実施しまして、凡そ1月ぐらいまでに、ほぼ全市町村で既に終了していますが、こ の計画というのは3年ごとに見直しをすると、そういうローリングをする計画になって ますので定期的にこういった調査の必要がでてきます。  具体的なサービスの目標の検討につきましては、計画作成委員会におけるサービス目 標の検討ということで、保健、医療、福祉の関係者をはじめ、公募などにより被保険者 の代表の方にも入っていただいた上で、サービス目標を検討するということになってま す。こういったところにも関わっていただくということがでてこようかと思います。  市町村で目標を検討しましたあとに、都道府県による調整というふうに2つ目の矢印 のところに書いてありますが、老人保健福祉圏域という広域の圏域で、施設の入所定員 ですとかサービスの目標などについて調整を行うということになってます。この中心に なりますのは、恐らく県の福祉事務所とか保健所等が中心になって調整を行うといった ことが考えられます。資料の7ページをご覧になっていただきますと、今述べたような ことが先ほどの基本指針の中に書かれてます。(2)ですけれども、圏域ごとの調整という ことで、圏域内の市町村と十分に意見交換を行って、広域的な観点から調整をするとい うことになっています。下から3行目ぐらいからですが、介護保険施設、3種類の施設 の種類ごとの必要入所定員総数について、広域的な観点から、在宅サービスとのバラン スですとか介護保険施設の種類ごとの入所定員の現状ですとか、3つの施設のバランス などに配慮をして広域的な調整を行いまして、県の計画の中で3種類の施設の必要入所 定員数を決めるということになってまして、そういう前提として広域調整を行うという ことになってます。  それから2ページのところで、最後に寝たきりの予防ですとか要介護認定の非該当者 に対する地域の実情に応じたサービスの展開と書いてあります。介護保険というのは、 介護サービス部分についての対応ということで最も重要なことは、寝たきりにならない ようにするということかと思います。介護サービスに限らず、より幅広い高齢者に対す る保健福祉対策につきましては、老人保健福祉計画というかたちで市町村ごとの目標を 施策目標などを示していただくということになってますが、見直しの考え方としてそこ にありますような、介護を予防するという考え方を中心的な目標の1つに据えまして、 見直し作業をするようにというようなことを、現在各市町村にお願いをしているという ことです。  要介護認定で非該当となった方に対する対応と、特にデイサービスですとかデイケア に通っていた方の中に、比較的軽い方がおられて、要介護認定で非該当になった場合に どうするのかということですが、参考にありますように、そうした方というのは、介護 サービスですとか日常生活の支援そのものが必要というより、むしろ孤独であって社会 的な繋がりがないといったことですとか、閉じこもりがちになるということで、別の ニーズを持たれている方ではないかというふうに考えられます。そうしたことから、地 域の実情に応じまして、そこにありますような配食ですとか、生きがい型のデイサービ ス、その他の健康づくり、スポーツ活動といったいろんな地域の実情に応じたメニュー を考えていただいて、そうした方々に対するサービスの提供、先ほど申しましたような 孤独感の解消ですとか安否の確認ですとか、そういったことに対応するサービスを提供 していただきたいということで、11年度予算で100億円のメニュー予算を確保しています が、介護保険の実施に向けて、よりこうした予算を充実させていく必要があるのではな いかと思っております。  長くなりまして恐縮ですが、説明は以上でございます。 北川座長  質問を先にしたほうがよろしいでしょうか。今の神田さんのご説明に対してご質問が ありましたらどうぞ。 原委員  パンフレットの7ページ、8ページの中で要介護認定のセルフケアプランというのは どの範囲まで入るのですか。 神田次長  俗称そう呼ばれているということで、セルフケアプランというのは、ここにあります ようにステップのうちの状態の把握と書いてありますが、課題分析とかアセスメントの 過程を踏んでいませんので、要は自分で使いたいサービスを9ページ、10ページにある ようなプランに落として、それを市町村の窓口に登録していただくという性格のもので すので、本来であれば正式にケアプランと呼ぶのがいいかどうかという議論もある性格 のものですけれども、要はそれを登録しておきますと、一応市町村からそのデータを国 民健康保険団体連合会に送るとなっていますので、事業者の方から請求があったときに それとトツゴウすることによって審査支払ができますので、そういう形で登録をしてお いていただいても、右のほうを見ていただきますと、8ページのところに1割の負担で サービスが利用できますと書いてありますが、そういう形でも1割負担でサービスが利 用できるということになっています。  全く登録してありませんと、自分で好き勝手にサービスを利用していますと、例えば 20万円の範囲内で給付ができるということですが、いつの間にか25万円になっていたと いうことがありますと、事業者のほうは20万円の中であれば1割の利用料をいただけれ ばいいわけですけれども、20万円を超えたところからは全額いただかなければいけない わけですが、そういう仕訳ができませんので、自分でプランとか、何もプランがない中 で自分で勝手にサービスを利用する場合には、一旦は全額を支払っていただいて、事後 的に領収書を添えて市町村の窓口に申請をしていただくと、9割分があとから払い戻さ れるというような仕組みになっております。  原委員  ああそうですか、わかりました。 北川座長  他にどうぞ。 生田委員  資料1の1のところで、訪問調査や要介護認定等に対応するマンパワーを常勤とかで 7人ぐらい算定しているとうかがったような気がしますが、聞き間違えだったでしよう か。質問したいことは、その算定の中に保健婦の算定が含まれているか、また、いると したらどんな役割を想定しているのかについて教えてください。 北川座長  それで今のご質問に答えていただくのに合わせて。こういう全く新しい事業をこれか らスタートさせるわけですから、さっきのパンフレットの中で、看護とリハビリテーシ ョンという項目がありましたね。訪問看護、訪問リハビリテーション、これらの技術あ るいは分野をどの程度のことを考えておるのか、看護というのはこういうことを考えて いますよ、ホームヘルパーとは当然違うわけですけれども、その違う点と、これは西山 課長にあとでお聞きするほうがいいのか、リハビリテーションというのはどの程度のこ とを考えているのか、現時点で標準的な町村ですか、そういうところでどのくらいマン パワーを持っていてやっておる仕事が、介護保険がスタートした時点にはどのくらい増 えることを見込んでいるのか。  それからもしできれば目標達成時点で平準化した時点でどうかというような、今生田 委員が質問された、保健婦なり看護婦なりと併せてリハビリテーションというと理学療 法士、作業療法士という専門職がいるわけですが、そういうことについてどの程度の画 を描いておられるのかというのがもしあったら教えてください。 神田次長  まず1点目の人員体制の話ですが、先ほど申しました人員というのは、県のほうでい いますと315人ですか、の人員が、介護保険に対応する人員として地方交付税上措置をさ れているということで、平均しますと都道府県数で割り戻しをしますと7人弱と、6.7人 というようなことになりますということを申し上げたということです。  それから、直接の要介護認定をします市町村におきます人員体制につきましては、全 体でいいますと8,830人、29人だったと思いますけれども、それだけの人員が地方交付税 上、市町村の介護保険対応の職員として手当はされているということです。これは訪問 調査ということだけではなく、当然被保険者の管理の業務ですとかその他にもいろんな 業務がでてきますので、そういうものを全て合わせた上で先ほど申した人員体制になっ ているということです。我々の要求としては、当然積算をして自治省に要求は出してい ますが、決まった中身について訪問調査で何人、何で何人というような形では内訳は示 されていませんので、全体として、先ほど申したような業務量になっているということ です。  それからリハビリテーションのお話は、あとで西山課長のほうからお答えいただけた らと思います。内容としまして、訪問看護とか訪問リハビリについては、これ基本的に 今医療保険のほうで行われてます医療機関からの訪問看護、訪問看護ステーションから 訪問看護を、老人保険制度ですとか健康保険制度から、介護保険に、要介護者に対する ものを引っ越しさせるというふうに考えていただいたらよいのではないかと思います。 したがって、それ以外の方に対するものは、医療保険とか老人保健法の中に残るという ようなことになります。  マンパワーのことですが、例えば介護職員、ホームヘルパーが全体でどれくらいかと いうのを仮試算ということで行ったことはあります。今手元に持っていませんが、例え ば10年後でいうと、50万とか60万というオーダーの人数が必要だというようなことであ ったと思います。ただ、それはあくまでも一定の仮定を置いた試算ですので、正式な数 字というのはまさに市町村において計画作成委員会というところで、介護保険事業計画 という形で今検討していただいてますので、今の予定ですと今年の6月ぐらいまでに、 各市町村でサービスの見込みを立てていただき、それを都道府県を経由して国にあげて いただくということになってますので、それが積みあがりますと全体として例えば5年 間の計画になりますが、16年度末までにどれぐらいのサービス量が必要か、それについ てまた人員としてどれくらい必要かというようなことも、もう少しお話できるような状 態になるのではないかと思っております。 米田委員  介護保険の施設の対象になります療養型病床群ですが、厚生省のほうとしては19万床 という整備目標を立てていらっしゃるわけですが、現状に県単位の調査では整備目標は 219,000床ぐらいじゃなかったかなと思います。すでに厚生省とは3万床近く開きがあり ます。私たちとしましても、療養型病床群の視察をして参りましたが、施設や実態につ いてはかなりの格差があります。とりわけ有床診療所からの転換型の療養型病床群につ いては、診療所そのものが19床以下、48時間拘束以下となっていますので、浴室や食堂 リハビリ機能も不十分な実態となっています。一定の療養型病床群の施設基準や人員基 準は出ていますが、中身がともなわなければどうにもならないと思います。また、厚生 省の療養型病床群の整備目標と県において試算した整備目標とに大きな違いがあります が、これは医師会が強い県ほど整備目標が高くなっています。これは当然のことながら 介護保険の対象となり介護保険料に跳ね返ってきますから、施設数については必要最小 限にとどめるべきであり、介護保険対象の療養型病床群の指定、承認については完全型 や完全型に近い施設基準を持っているところから優先すべきであると思います。 神田次長  療養型病床群の問題ですが、先ほどおっしゃられたように医療計画の中で、さしあた って12年度当初の要介護者に対応する、療養型病床群の整備目標を計画の中に盛り込む ということで、昨年の秋に全都道府県でそういう目標を立てていただいたということで それを積み上げますと約220,000床弱になるということかと思います。  介護保険になったらどうなるのかということですが、介護保険が施行されますと、先 ほど申しました都道府県の介護保険事業支援計画という計画の中では、老人保健福祉圏 域という広域圏ごとに、施設の種類ごとの必要入所定員数を決めるということになって います。したがって例えば特別養護老人ホームが何床分、老人保健施設が何床分、療養 型病床群などが何床分という形で決めるということになっています。  法律が施行されますと、入所定員総数を超えるような場合にあっては、介護保険とし ての指定をしないことができるという法律上の枠組みが、介護保険法の中に書いてあり ますので、法律が施行されますと今おっしゃったような病床規制ということも法律に根 拠がありますので、支障がある場合には指定をしないことができるという枠組みができ ますけれども、当初介護保険の指定をどのようにしていくのかという点についてですが 我々としてはこのように考えているということですが、療養型病床群の中には、全部が 全部介護保険に来るということではないと考えています。40歳未満の方で長期療養が必 要な方、40歳から64歳までで、先ほど申した15種類の特定疾病というもの以外の方につ いて、長期療養が必要な場合には、これ介護保険から給付がでないわけですので、長期 療養が必要であれば当然医療保険適用の療養型病床群での対応ということが考えられる のではないか、その他どんなケースがあるのかということを検討したいと思っていま す。例えば医療濃度が非常に高いような患者さんの場合には、医療保険適用な療養型病 床群で対応するといったことも考えられるのではないかというふうに思っております。  全体としていいますと、療養型病床群の目標数だけを単独で決めるという考え方では ありませんので、特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型病床群の3つの施設全体 で、どれぐらいの施設が必要なのかということをまず検討していき、それではその内訳 として、3つの施設でどのように必要な定員を確保していくのかというステップで検討 していただく必要があるのではないかと思っています。 それから当然保険料と連動が ありますので、施設だけが非常に多い、あるいは施設の中でも療養型病床群は単価が高 いということがありますので、施設だけに片寄っている、あるいは施設の中で療養型病 床群だけに片寄っているということがあれば、保険料にこれが反映されるということに なりますので、私ども申し上げていますのは、自分の町でどういった目標を立てるのか ということについて、例えば施設をどれぐらいにしたら保険料はいくらになるのか、あ るいは特別養護老人ホームとか療養型病床群の整備目標をいくらにおいたらどういうふ うになるのかということをよく見ていただいて、そういうことも含めて検討していく必 要があるのではないかと思っています。  療養型病床群そのものについていいますと、長い目で見ますと社会的には解消してい くという方針には全く変更はないわけですが、介護保険の指定の仕方として全部いきな り飲み込む形にするのかどうかということではないかと思うのです。利用者の方から見 ますと、介護保険の費用の大半が療養型病床群とか介護力強化病院の費用だということ ではなかなかご理解が選らないのではないかというふうに考えていますので、そういう 意味も含めてまさに先ほど申しましたようなどれぐらいの指定になると、どれぐらいの 保険料になるのかということも計画作成委員会などで検討していただいて、サービス目 標を検討していただきたいというふうに考えてます。  他の特別養護老人ホームですとか老人保健施設ですとか、在宅サービスの整備の状況 に応じて順次介護保険の中に、療養型病床群の指定をして介護施設として指定をしてい くというような、段階的な取り組みも必要ではないかと考えてます。 北川座長  恐らくまだいろんな質問があると思いますが、全体の時間が限られておりますのでス ケジュールどおり進めさせていただき、またあとでご質問があれば整理をして事務局の ほうから返事をいただくなど、そういう手を取りたいと思います。神田さんへの質問は これで一応打ち切らせていただきます。どうもありがとうございました。それでは西山 課長お願いいたします。 西山課長  老人保健課長の西山でございます。老人保健事業の今後のことについての説明をいた します。  お手元の資料2にありますが、ご案内のように昭和57年から老人保健事業を開始しま して、現在第3次計画に基づいてやってますが、これが平成11年度すなわち今年で終わ るということですので、ちょうど2000年の4月から新たな計画を作らなければいけない ということで、1ページですが、審議会のほうに「高齢者保健事業の在り方に関する専 門委員会」を設置しました。本検討会の委員とダブル方も数名いらっしゃいますけれど も、趣旨としては、こうした介護保険導入を含めまして、保健事業のあり方をどうする かということで、現在健康手帳の交付から訪問指導まで6事業展開してます。そういっ た6事業を中心に今後どのようにやっていくかということについて、検討を昨年12月か ら開始しまして、現在まで6回を経過しているということです。  検討項目につきましては、保健事業、ヘルス事業の評価ということで、これ一般論で すが、効果がはっきり見えない、あるいは評価方法が確立されてないのではないかとい うようなことが縷々いわれるわけですけれども、私どもで健診率ですとかあるいは死亡 率、一定の目標を掲げまして、その目標にしたがってどのように進んできたかという評 価を一つやってみようということが検討項目の第1です。  第2としては、高齢者人口がどんどん増えてきまして、骨粗鬆症、高脂血症だとかい ろんな疾病の状況、高齢者の健康状態が変わってきているということでそういった状況 の把握分析、あるいは今後21世紀に向けて重点的に取り組むべき病気に何があるのかと いうような検討をお願いしている。  3点目ですが、これは介護問題がご案内のように大きな問題になっていますが、家族 介護に携わる方々の主に女性が多いと聞いていますが、そういった方々の健康管理。幾 つかのデータでは健康管理といいますか、健診にも行けないと、寝たきりの方をおいて 自らの健康管理がうまくできてないという調査結果もいただきまして、こういった方々 の健康管理をどうしていこうかというようなことについても考えてきているところで す。  4点目ですが、これはご案内のように、さまざまな介入方法あるいは新たな指標とい うことで、これまでの平均寿命のような考え方でいいのだろうかと、健康寿命みたいな 提案をされていますけれども、そういった新たな指標あるいは保健技法の開発・導入と これ一つがん健診なんかについては、その有効性の判断があいまいではないかというこ とで、昨年ですが研究班を作って現在まで研究をしています。それと有効性の問題、そ れから健康教育のやり方としてどういう方法がいいのだろうかと、今までポピュレーシ ョンアプローチといいますか、一般のマスを対象にしていましたけれども、今度はイン ディビデュアルのほうが効果があるのではないかというふうな研究に基づいた、そうい った意味での保健技法の開発・導入につにいて検討していこうと。  5点目ですが、これ保健事業と地域医療・地域福祉というようなことで、神田次長か ら話がありましたように、介護保険導入によりまして保健・福祉・医療、特に要介護高 齢者については、いろいろ地域でのシステムが動いて行くだろうという中で、在宅医療 例えば地域医療の観点からいうと、在宅医療をもっと進めるためにはどうしたらいいだ ろうかと、その在宅医療の中での機能訓練あるいは訪問指導、それから先ほど北川座長 から話がありましたような訪問看護というものの接点、医療機関とのリハビリと機能訓 練の接点、そういうものを検討しなければいけないだろうという点と、それから福祉の ほうも要介護認定をされない方々は、これは元気老人の方ですが数としては圧倒的に多 いわけですが、そういう方々の福祉の施策、先ほど話がありましたように生きがい対策 ですとか、一人暮らし老人対策、そういった方々の中でのヘルス事業の役割というよう なことを少し検討していこうではないかと。  6点目につきましては、これ情報システムですとか研究体制のあり方についてもリコ メンデーションいただきたいというようなことでお願いをしています。特に、専門委員 会の中には、保険者の団体の方もお入りいただいています。健保連それから国保の方々 が中心ですが、そういった保険者の保健事業におけるデータとの互換性みたいなもの、 あるいは継続性みたいなものです。要するに健保に入ってまして、そのあと高齢になっ て国保になって市町村保健事業を受けるといった時のデータの継続性みたいなものにつ いても、少しご議論いただくというようなことです。  最後ですが、人材の育成及び確保と、その他の基盤整備ということでこちらの地域保 健課とも関係する市町村保健センター等の整備についても、ご意見を頂戴しようという ようなことで、月2回程度のペースで開催をしております。  次のページ、介護保険のからみで、市町村あるいは保健所の役割ということがテーマ ですので、少し最近の流れを説明したいわけです。介護保険については今説明があった とおりですが、特に老人保健法、介護保険法が成立したときに老人保健法の改正も若干 行ったわけですが、いずれにしても保健事業分野としては6本柱で行くのだと、ただ6 本柱のうちの、介護の給付と重なりあう部分というのはどのくらいあるだろうかと、こ れが論点になるわけですが、実際には機能訓練とそれから訪問リハビリテーション、そ れから訪問と通所リハビリテーションですが、訪問指導と訪問看護というようなことで 対象者が異なるというようなこととか、あるいは左右別の内容が異なると、一部異なる というようこともあります。こういった重複の問題をどうするかあるいは介護保険法は あくまで先ほど申したような認定を受けた方に対してのものが基本ですので、非認定者 に対するサービスというものは想定してないということですので、そういった介護を予 防する、寝たきり予防するというような観点から、例えば今専門委員会で議論されてま すのは、訪問指導なども寝たきりの方々に中心にやってこられたところが多いわけです けれども、そうでなくて健診後のフォローアップあるいは生活習慣病の予防のための指 導、本来のといったような発言をする方もおられましたけれども、本来の保健事業にす べきではないかというご意見、あるいは機能訓練についてもこれから、実は明日またそ ういった痴呆ですとかリハビリの議論をさせていただく予定にしていますが、そういっ た機能訓練という市町村の、市町村保健センターを中心にしたA型というようなもの、 あるいはもうちょっと小振りなB型というようなところでの、今の事業というものを介 護保険法施行と同時に少し転換をしていく必要があるのではないかというふうなことの ご意見、いろいろいただいております。  いずれにしてもこれ6月頃に、専門委員会の意見を受けまして老人保健福祉部会のほ うで、意見書としてまとめていただこうというようなことを考えております。  最後にもう1点ですが、老人保健法ここにありますように医療と保健がドッキングし ている法律です。いずれにしてもこれは市町村事業としての位置づけで、医療分野にお きましては、各保険者の拠出金によって市町村が共同事業として給付をしていると、現 在拠出金の問題が大きな課題になってまして、これは政管健保も健保もかなり拠出金の ために赤字構造になってきているというようなことで、これはまた別の審議会、部会で すけれども高齢者医療制度のあり方についての抜本的な考え方、改革をしたいと。今ご 案内のように2案でておりまして、1つは突き抜けということで、被用者保険と国保の グループそれぞれ年を取られてからも継続して入っていくといういわゆる突き抜け案と それから現行の老人保健法に似ていますけれども、75歳以上の独立した高齢者保健制度 を作ろうというような2つの案があります。これについては決着を見ておりませんで、 例えばこれは想定の話ですが、突き抜け方式になった時に、実際に老人保健法の保健事 業単独で市町村事業として継続していく必要があるのかどうかという議論もあります。 あるいはそういったインフルエンスといいますか影響がでてきますので、そういったこ とを踏まえて実は表題も「老人保健事業の在り方」としておりませんで、もうちょっと 広く高齢者保健事業というような言い方にしております。そういった土台の議論が現在 制度企画部会のほうで進められています。そのことを1点申し上げて、なるべく簡単で すが私のほうからの説明は終わりますが、なお健康日本21の関係、あるいはこちらの 今の検討会の関係、影響するところあるいは関連するところ多いわけですので、今後も 機会を見てまたご説明させていただければとお願いして終わりたいと思います。  先ほどの質問で神田さんのほうから、私が説明するということで、訪問看護、訪問リ ハビリですが、訪問看護は訪問看護ステーションということで整備目標5,000カ所を新 ゴールドプランが定めています。北川先生のお話、そういう趣旨だと理解していえばそ ういうことです。それからデイケアとかデイサービスの目標は、17,000カ所ぐらいと両 方合わせてです。ところが合わせたもののデイケアとデイサービスの区分けというのは デイケアが4,000か5,000カ所ぐらいと、ただデイケアは、医療機関からの診療報酬上の 措置ですので、数を把握するのはちょっとずれてしまうのです。そういう意味では訪問 看護ステーションそれから医療保険といいますか、医療機関からの訪問看護も病院の3 割、診療所の1割行っていますので総体的に地域として訪問看護サービスが提供できる 体制に早く持っていきたいと、5,000カ所を目標にして現在が3,000数カ所ですので、今 年つまり11年度中に5,000カ所達成は難しいだろうと、恐らく4,100カ所ぐらいだろうと いうようなことで、実は昨年ですがサテライト、おもかごステーションの小振りですけ れどもサテライトの緩和だとかやってますし、それからリハビリのほうも都道府県にリ ハビリテーション推進協議会というのを作っていただいて、地域リハビリテーションを 進めていこうというようなことで、これも10年度予算で立ち上げまして11年度にもっと 拡大していこうと、中身についてはまだ詰まってない部分が若干あるのですけれども、 そんなことで整備目標だとか水準というのは考えています。 北川座長  ありがとうございました。西山課長さん、さっき私が質問したリハビリテーションと かあるいは看護の問題で、現在いわゆる専門職がどのくらいそういう仕事に従事してて この介護保険法が進展していく過程で、すぐには目標には到達しないとは思いますが。 今おっしゃったようにスタート時点ではどうだと、あるいは5年ぐらい経ったらどのよ うになるのだろうかというものを試算というか、予算化はなかなかさっきの神田さんの 話を聞いてても、全体で交付税でどのくらいというような程度の話で、それはそれでや むおえないと思うけれども、実際に社会としてどのくらいの人を供給していったらいい か、これは余分な話ですけれども、医事課ですよね、健政局の医事課はいったいじゃあ 看護婦さんの供給をどう考えているのだろうかとか、あるいはOT、PTの数をどう考 えていくだろうか。だいたいいつもこういう新しい事業が行われるときに、自然発生的 になんとか需要が供給を引っ張るような格好で伸びていくというのが実態なんだけれど も、介護の場合にいったいそこはどう考えているのかなというのが質問の趣旨だったの です。 西山課長  今介護保険法は、ある見方ある側面からすると雇用創出ですから、老健施設ができれ ば看護婦さん、PTさん何人とかあるいは特養もそうですし、ですからそういったシミ ュレーションは実際しております。今日はちょっと持ってきておりませんけれども、訪 問看護ステーションができれば看護婦さんは何人と、ただこれ将来的なやつがあったか どうか、また11年度以降ですね。その人今日来てませんけれども、いずれにしてもそう いった職種別に、全ての職種ではないですけれども、ある程度そういった側面からこれ 政府の中でも資料を求められておりまして、それを出していますので、その資料がいず れ機会があればご説明申し上げます。 北川座長  どうぞ衛藤委員。 衛藤委員  確認ということになるかもしれませんが、老人保健法と介護保険法の機能訓練及び訪 問指導という、この住み分けというのは私はこのように理解したのですがよろしいでし ょうか。  介護保険法の非認定者ですね、あるいは介護保険法の非対象者が、この老人保健法の 機能訓練あるいは訪問指導の対象者になるという、そういうことではないですか。 西山課長  ベース、結果的にはそうなるわけですけれども、実は似通っていますけれども、片方 の介護保険法は、こういった書かれている在宅サービスを提供する主体というのは例え ば訪問リハビリテーションですと医療機関からの給付、今現在診療報酬としてある中身 なのです。したがって現在でもそれは医療機関からなされていますし、かたや老人保健 法の機能訓練というのは、そういった医療にはかからないけれども機能の回復といいま すか、そういった形でのヘルス事業の中に位置付けられていますので、そういう意味で は例えば要介護の認定の事業、要支援ですとか要介護の1の方が機能訓練を受けるとい うことも、これは実際的にあり得るだろうと思います。それからもう1点は、これは訪 問看護は、そういった同じような給付が現在診療報酬でもありますけれども、訪問指導 のほうはもう少し幅広くといいますか、家庭全体を見て介護のあり方みたいなこと家族 に指導するだとかあるいはそういった地域全体での訪問活動の程度をどのようにしてい くか、そういったことを一つの保健センターなり保健所で、いろいろ議論していくそう いう一つのツールだと思っているのです。ただ結論的にいえば、こういった重複という のはかなり見られるだろうというふうに考えています。 大月委員  老健法は昭和57年度からで、その当時はここに書いてありますように、40歳以上の健 康づくりを中心に、70歳以上はどちらかというと医療を中心にという考え方で制度がで きたのだと思いますけれども、それからもう20年近く経って、いわゆる超高齢者といい ますか、かなり老人が多いわけですのでその人たちに対する、一方ではもちろん介護と いうオーダーでの対応が必要だと思いますが、課長がいわれた元気老人といいますか、 元気な人に対する健康支援、あるいは生きがい対策といいますか、そういうものがもっ ともっと積極的に行われる必要があるのだと思いますが、今どっちかというと介護への 支援がきめ細かにしかも大変なドライブかかっていますけれども、その予備軍といいま すか、実際は元気で一生懸命やっている人たちに対して、例えば健康づくりについても 先ほどヘルス6事業でいきますという話ですけれども、私はこの6事業というのは、40 歳とか壮年期についてはこういう形でいいと思いますけれども、70、80、90、100歳とい う人たちに対しては、こういうヘルス事業でいいのか、もっと新しい切り口を考えて積 極的な支援をすべきだと、それが結果的に介護老人を少しでも減らす方向にいくのだと 思いますので、老健法の見直しという意味でいえばそういう観点での方向性といいます か、お考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。 西山課長  現在専門委員会の櫻井委員と田中委員、原委員も出席いただきましたけれども、結構 そういうことをおっしゃる方々もおられまして、そういうことを含めて今専門委員会で 検討を進めているというようなところです。 櫻井委員  今の最後の問題は、今日は介護保険の話のほうで聞いていますから、介護が必要な人 の話ですけれど、どちらかといえば地域保健の面からいえば介護保険の適用外、先ほど 神田次長さんもおっしゃいましたけれど介護保険の給付を受ける人でない人が問題にな ります。介護保険を受けるような人というのは、多く見積ってもお年寄りの2割はいな いだろうと思いますから、逆にいえば8割以上の人は、今のお話の元気老人というのか 健やか老人というのか知りませんけれども、圧倒的にそちらの方が多いわけです。そち らに対する対策が必要なことが重要で、そのへんが高齢者保健のほうか、この地域保健 のほうかということで問題になるということで、それは両方ともこれから考えるべき問 題ではないかと思います。  私の聞きたかったというか発言したかったことは、先ほ ど北川座長さんからいろんなマンパワー的なものの実際はどうだというお話がありまし たけれど、その問題はなかなか西山課長、神田次長さんも答えにくい部分があるのはご もっともだと思うのです。先ほどの療養型病床群の数の問題もそうですが、保健福祉計 画を作るときに、ホントはじめのときに、各市町村で実態を調査してきちっとどれだけ その市なら市、その町なら町でどういう人がどれだけいて、どれだけの施設なりマンパ ワーが必要かを積み上げて、それで老人保健福祉計画を作るということになっていたの ですけれども、実際にはそれが行われていないのだと思うのです。やったところもある とは思うのですけれども、だいたいはどこかから持ってきた65歳以上人口が何%、それ に何%をかけるとどうなるかというようなことで数字を作ったのです。ですから療養型 病床群の数や看護婦さんがどのくらい要るか、リハビリの人がどのくらい要るかという のがきちんと積み上げて出すべきなのに、その大元がないのです。ですから、療養型病 床群の19万床なんて、私から見れば全くいい加減な数字で、どこからあんなものがでて きたかわからないぐらいの数字です。あんなもの出せる訳ないのに適当な計算式でやっ て出した19万床ですから、狂うのが当たり前なのです。本当は22万だか30万だか、大元 がしっかりしてないからこの問題が起きている。でもこの委員会で検討する事項ではな いから仕方ないけれども、そのへんに問題があるのだろうと思います。  だからホントは保健福祉計画の見直しが今行われているはずですから、きちっと各自 治体が自分のところはどうなのだろうと、介護保険にしろ何しろ原則は市町村が責任を 持つことになっているのですから、実際自分の市や町や村はどうなっているかというこ との把握をしなければ、全て国で全体の数を決めるというのはおかしいと思うのです。 国で一率のパーセンテージで全部決めてしまったら、逆にいえば市町村ででこぼこが起 きて収拾がつかなくなると私は思っているのです。 北川座長  ありがとうございました。要するに今の介護保険の問題から老人保健の問題、それか ら地域保健問題、それぞれの守備範囲をどうするのか、その相互の関連をどうするかと いうのは、いずれこの委員会でも明確にした上で議論をする必要があるだろうと思って いますので、また事務局のほうでも一つそのための材料提供というのでお願いしたいと 思います。  他によろしいですか、時間の関係もありますので、西山課長、後日よろしくお願いい たします。平野指導官が説明をしてくださいます。 平野指導官  では資料の3から7まで説明させていただきたいと思います。資料3ですが、これ以 降の資料は、平成9年なり10年度に厚生科学研究あるいは委託事業の中で調査研究して いただいたもの、あるいは途上のものでございます。  資料3は、平成9年度の「これからの行政組織における保健婦(士)活動のあり方に関 する研究II」ということで、−介護保健制度導入を視野にいれて−これからの保健活動 どうなるだろうかというようなまとめたものを一部抜粋して、概要を進めさせていただ きます。  まずIにまとめられていることは、やはりこれからの市町村における特に保健部門の保 健活動というのは、何になるだろうかというときに以下の3つにまとめられてあります が、すでにいろいろなところからでてきているお話の通りです。 (1)は、健康な高齢者がより健康になる、あるいは健康を保ちいわゆる健康寿命を延ばす という表現ができます。そしかつQOLを向上させる活動として、意味ある活動をして いくことだと。 (2)は、生活習慣病及び寝たきりを予防する活動。 (3)が、要介護認定において非認定、非該当、それから要支援となった高齢者への介護度 の重度化を予防するような活動ではないか、  このあたりが中心になる活動を、保健部門は行うことが期待されてくるだろうと、そ れを受けましても同じ市町村において、市町村の保険者である方が介護保険制度、介護 保険事務を行うわけですので、そういったものを視野に入れたとき保健活動の戦略とし てはなんだろうかということは、次のIIのところに1から8までまとめてあります。  1は、やはり健康づくり、予防活動の充実であると。  2は、やはり実態をしっかりつかんだ上での計画的な行政の展開ということで、実態 調査を行う。ただそれも重点的には、その企画の部分を共同して担っていくことであろ うと。  3は、老人保健福祉計画の見直しと介護保険事業計画の策定へ参画していくことだろ う。  4は、要介護の認定のための訪問調査員であるとか、それから介護支援専門員、いわ ゆるケアマネージャーをきっちり確保し、そしてその方々のやはり資質の向上を図って いくあたりに課題があるだろう。  5は、要介護認定審査会の精度管理を行うこと。  6が、情報の提供。これは住民に対しての提供なり、関係機関に対する情報提供、そ れからさまざまな情報を集約する体制をどうするか。  7としましては、先ほどの説明がありましたように、ヘルスプランを立てる等の方も あるし、自分が介護を受けられるのだろうかというようなさまざまな相談がより多くな るだろうということでの、相談窓口の強化。  そして最後が介護サービスの質の保証にどういうふうな役割をとれていくか、このあ たりをやっぱり戦略的に考えるべき事項であろうというふうな整理がされています。  IIIの図は、この報告を受けまして、うちの課のほうでイメージ図として作成したもの ですが、介護保険事務いろいろありますが、その中でも技術職の業務として主にどうい うものがあるだろうか、それを介護に関しての必要な人員の増が望まれるところですけ れども、やはり市町村ですと公務員の定数の枠もありますので、少し準備期、創設期、 安定期というふうに、短期、中期的な見通しの中で、重点課題として整理しながら取り 組むべきではないだろうかということで、ある一つのパイの中で当面介護になり、協力 参画する部分もあるだろうということで、下の図、準備期は介護の部分では上に伸びた ような中身があり、真ん中に少し太字であります高齢者の実態調査、これは介護であろ うとヘルスであろうと、非常に基本になる重要なことだろうというふうな整理です。  下のヘルスのほう、保健のほうには、老人保健福祉計画の見直しなり、新たな行政 サービスとして行うべきニーズの明確化なり、サービス提供体制の整備等あるわけです が、それが準備期なりには、それなりに介護への協力体制もあるだろうが、創設期に向 け、より健康な高齢者への保健活動ができる方向への膨らましていく必要があるだろう ということで、少し太い囲みが安定期に向けて膨らんでいるような状況の図です。以上 が資料3の説明として終わらせていただきます。  次が資料4ですが、これが先ほど神田次長のほうから平成10年度に、全市町村が高齢 者介護サービス体制整備支援事業、通称モデル事業といってますが、凡そ100事例ぐらい の介護認定審査を実際にやってみることと、それから10数例のサービス計画の作成とい うことがなされてきているわけです。まず1に介護認定調査員がどんな方たちでなされ たかといいますと、ここにいろいろ職種名が書いてあります。いわゆる訪問調査をして 要介護度の1次判定のための調査を行ったのですが、約3割にあたる部分に保健婦が活 動している。この保健婦も全部行政所属の保健婦というわけではないのですが、かなり が行政にいた保健婦が担ったように聞いてます。  2番目が、介護認定審査会委員の構成ですが、これは保健・医療・福祉それぞれの領 域からのそれなりの学識経験者の関係者が、およそ5名程度で構成して審査会を持つよ うにということでしたが、その構成委員の中はここにあるように、医師がトップで35.3 %、以降福祉施設関係、保健婦、そのような順でなっています。  3番目が、そのサービス計画の作成ですが、ここにおきましても保健婦が従来老人保 健事業の中で訪問指導等、ケースに対してのサービス計画を立てていたような実績をか われているかと思いますけれども、このような割合で参加してきている状況でした。  次に資料5に移らせていただきます。これは全国保健婦長会が平成10年度で、介護保 険制度施行に伴う保健事業の充実強化に関する調査研究ということですが、今後保健活 動が、介護保険事業と整合性を持って展開しなければならないのだけれども、それに対 して効果的な市町村の保健活動の展開に向けた指針づくりをしたいということで、この 調査は平成8年度にいわゆるモデル事業を実施した65市町村、少ないのですけれども、 そのモデル事業に参画した保健婦に向けて、平成10年6月に調査表を発送という形での 調査を行い、回収率94%で、61市町村ですけれども、そもそも介護保険施行に向けて1 番目には、機構改革がどうだっただろうかということで、「行われた」「行われる予 定」というのが合わせて47でおよそ8割だということでした。その改革が「行われる」 あるいは「行われる予定」の47市町村のうち、そこに保健婦の配属があったかというこ とを問うたとこ「ある」というところが全体では32、68.1%でした。その配属の仕方が 「専属」であったり「兼務」であるとかいろいろですが、このような状況ということで す。  それから次が、では介護保険施行に伴う保健婦の増員の計画はあるかということでは 「あり」が13で21.3%、「なし」とはっきりでているのが23%、まだわからない「未 定」というのが55.7%、このような状況だったということを一部抜粋して紹介させてい ただきました。  資料6は、平成10年度に日本看護協会に委託しています事業の中での調査研究ですが このことにつきましては、のちほど委員でいらっしゃいます生田委員のほうから補足等 をお願いしたい思っていますが、一部中間のまとめとしていただいたもので整理させて いただいています。これは介護保険制度の準備の段階だけど、どのような保健活動への 影響が起きてきているだろうかという現状と課題について明らかにするという目的で、 全国の全市区町村になされております。  誰に聞いているかということは、保健事業担当の保健婦のリーダーに対し聞いている ところで2月26日現在の回収では、サンプル数2,097で64.4%で、各市町村の構成は以下 のとおりです。実際に介護の準備において保健婦がどのような関わりをしたのかという ことで、複数回答ですが、やはり一番多かったのが「実態調査に参画した」ということ で86.1%です。それから次が、「各自治体内での、介護保険準備のためのプロジェクト なり、会合へ参加した」ということ、あるいは「介護保険制度に対する住民への周知の 活動」ということが、かなり担っていたものだということでした。  次に10年度のモデル事業そのものへの保健婦の参加はということ、これは訪問調査な り、サービス計画の策定ということですけれども、かなりの9割が「参加」してまし た。その参加した方たちがどういったものかということは、その下にありましてやっぱ り「訪問調査員として」が一番多く、その次が「ケアプラン作成、ケース検討会の担 当」。は「訪問調査をする人たちを指導する担当」として役割を担った、あるいは「事 務局として」というような状況です。では介護保険の準備に関わる保健婦がどこに所属 しているものなのかというのは、ここに書いてある状況でして、「保健部門」「福祉部 門」「保健・福祉」一緒になっているところも非常に多くなってきますので、このよう な状況です。5番目は、では今後その介護保険が実施されるようになったときには、保 健婦が関わるとき、それはどこに所属する保健婦なのだろうかというときには、下の5 です。 例えば市町村の「保健部門」は、上の4から見ますと減ってきてて、「福祉部門」「保 健・福祉部門」あるいは「介護保険担当部署」のほうが多くなってきているのを見ます と、やはりここへの配属が予定されているということです。  次のページは、今後その介護保険が実施の際の保健婦が何に関わる予定なのかという ことですが、関わる予定というのが多いものから並べさせていただいてます。「要介護 者・要支援者及び家族からまず相談」である。それから次が「非認定者へのフォロー」 その次に「住民からの情報収集なり住民へのPR」、次は「ケアプランの作成の相談な り助言」、次が「介護保険事業計画策定への参画」。以下ご覧いただく状況ですけれど も、直接的な介護保険の事業になるような「調査認定員としての業務」という部分も約 半分ぐらいのもの、それから少し下に下がっていきますと、「介護支援専門員としての 業務」を期待されている、関わる予定だというものもそれ相応に見られます。  7番目は今後、都道府県型の保健所からの支援というもので何を期待しているかとい うことを複数回答で示してありますが、「保健婦(士)など専門能力に関する研修」とい うものが、やはり一番多いですし、それから「人の確保に関することの助言」あるいは 「介護支援サービス事業者、施設への指導・助言」、それから「ヘルパー・ボランティ アの研修等」ですので、全体に見ましても研修あるいは「広域的な事務の調整・助言・ 指導」あるいは「システムの評価」、それから「介護保険事業計画策定委員会への委員 としての参画」を期待しているというような状況にあります。  最後8番目には、介護保険準備のために保健部門からの保健婦の異動という点ではど うだろうかということで、「全体」として異動をする予定があるというのが19.6%で、 そのあと、その部門への保健婦の補充が「ある」か「なし」かというこで、ここに書い てある通りですが、約半分ぐらいはあるけれど、半分ぐらいはないという状況があると それが全体の状況ですけれど、自治体によって多少の違いはありますが、このようなこ とが示されています。  最後資料7ですが、これはもう一つ今保健所の機能強化ということで、保健所に企 画・調整部門が設置されてきている状況があります。それについて平成10年度厚生科学 研究、地域保健のあり方と保健婦に焦点があたったものばかりで申し訳ありませんが、 活動に関する調査研究のうち、これも今年の1月に入って全保健所に配付しているので すけれども、回収率74.9%の状況で、そのうち保健所として企画・調整部門を設置した というところが308カ所あったと、その308カ所の企画・調整部門の業務として、介護保 険事業支援計画、まあ都道府県として立てるべき「計画に業務として行っているか」と いうのが158、約半数です。それから市町村が行う「介護保険事業計画に関する」ことと いうことでも41.6%ぐらいの関わる状況であるということが示されておりました。以上 資料7までの説明で終わらせていただきます。 北川座長  ちょっと質問ですが、最後のところ、保健所の企画・調整部門の話の308の中で、それ とその下の介護保健事業計画に関することというのは、どういう関係になるのでした か。 平野指導官  この308カ所のうち、これが企画・調整部門があるわけです。その企画・調整部門の業 務として以下2つの業務に関わっているかという質問をしたところということです。  北川座長  ありがとうございました。それでは続いて生田委員のほうから説明をお願いいたしま す。 生田委員  それではただ今、平野指導官からの説明資料に9と番号のうってある1枚ペラの紙を 配付させていただいておりますが、これを最後に追加して説明させていただきます。調 査は厚生省の委託を受けて実施して、中間的なまとめを得た段階ですので、調査結果に ついては、まだ数字が確定したものではないということを先にお断りさせていただきま す。  私が今日説明したいことは、厚生省においてのこの介護保険の導入準備や実施にあた って、最初は必ずしも保健婦の役割とか位置づけ、それに伴うマンパワーの配置という ようなことが、明確にされないままに準備に入いられました。しかし、今回の調査によ り介護保険導入準備や実施にあたり、保健婦の役割がきわめて大きいということ、また 地域保健と介護保険事業は密接不可分であり、連動して推進される必要性があることな どが明らかになりました。  私の方からは、特に、介護保険に関わる保健婦の役割の明確化及びマンパワー確保の 必要性を中心にして述べさせていただきます。もう一度、資料6と追加資料を見ながら 説明をお聞きいただきたいと思います。  まず、2番目の表で、介護保険準備段階における保健婦の関わりについてですが、非 常に保健婦の関わりが大きいことがわかります。そして業務内容でも見ていただいたよ うに、保健婦の専門性つまり保健婦は日常業務の中で本人だとか家族の健康状態を把握 して、ともに解決策を探しながら解決をするということを専門にしている職種ですが、 こういった視点から見たら、こうした実態は当然のことだということが推測されます。 また、介護保険準備及び実施の段階で、どの部門の保健婦が関わっているかという点で 見ますと、4、5の通りです。「保健部門」で関わっているものが55%、そして「保 健・福祉の統合部門」で関わっているのが18%ということで、介護保険担当部門でない 保健部門でも関わっている実態が明らかになっており、そういったことから保健婦活動 の領域が従来のヘルス事業だけでなく、介護保険事業等福祉領域まで拡大していること がわかります。また実施時に保健婦が関わる予定の業務としては、6のところで見てい ただいたことですが、この内容を見ますと、やはり保健婦の持つ専門性が期待されてい ることが推測されます。こうした状況から、地域保健と介護保険とは先ほども申しまし たが非常に関係が深く、そういったことを承知の上で、各市町村においては、両方の事 業を視野に入れながら、介護保険実施に向けての準備をしていることが伺うことができ ます。  8番目のところでは、介護保険準備部門への保健婦部門からの保健婦の異動というと ころで見ておりますが、異動そのものが多いとは思いませんが、異動のあったあとの補 充がなされていないところが半数以上あります。  次に追加資料9を見てください。介護保険実施で考えられる保健業務への影響を見て おります。8のところで見たように、介護保険部門に異動したあとの補充がなかったり あるいは4、5で見たように、これまでのヘルス部門や福祉部門に、新たに介護保険関 連の業務が増えているという状況が伺われ、マンパワーのやりくりや時間的配分などで の影響を受けております。  この影響の中身を見ますと、保健事業の全般にわたってますけれども、実施後のとこ ろで特に老人保健事業の中の訪問指導とか機能訓練、健康相談、教育などが影響を受け ると予測しております。介護保険事業に保健婦の関わりが期待され、現在でも関わって いることが以上のことからわかったわけです。そして当然これからも関わらざるを得な いと考えています。保健婦は、こうした介護保険につきましても、関わっていくべきだ という強い意思も持っております。ただ今述べたように、保健部門から保健婦を持って いって補充がなかったり、新たな業務が増えてこれまでの保健事業を低下させてのかか わりでは困ります。そこで厚生省のほうにお願いしたいことですが、この介護保険事業 に関わる保健婦の役割を明確にしていただいて、それに関わる業務量を算出していただ いての保健婦の必要数を出していただく、それに対する財源措置だとか、保健婦が市町 村に配置していただけるような行政指導などもぜひお願いしたいと考えています。  私の重ねての意見ですが、これまでの保健事業に、介護関連での新たな事業が増えて きているという実態の中で、保健婦を減らして補充もない形で介護保険部門に持ってい ったり、新たな業務が増えたにも関わらずに保健部門に増員がなかったりといった状況 の中で、介護保険本体の仕事も保健部門とか保健福祉の統合部門でさせるということで は困ります。そういうあり方では決して保健事業部門にとってもプラスにはならないと 思いますので、ぜひ保健婦の役割の明確化とマンパワーの需給計画等をきちっとしてい ただきたいと考えております。  最後に表の中の7で、県型保健所からの支援を期待している内容を見ていただきまし たが、かなりの市町村では県型保健所への期待をしています。こういった点からも加え て県型の保健所の役割とし、表の業務にプラスして、介護保険事業の質の担保、高齢者 の実態調査などの役割も含めて担っていただきたいし、保健所の役割として明確に位置 付けていただきたいと考えてます。以上です。 北川座長  ありがとうございました。 岩尾課長  もう一つお手元にお配りしておりますが、本日欠席ですが池田委員のほうから、やは り介護保険導入に踏まえた幾つかの要点を意見として出していただきましたのでご覧い ただきたいと思います。 北川座長  この説明は要らないですね、読んでおけばいい。 岩尾課長  はい。 北川座長  それでは竹澤委員、小倉委員、犬塚委員等ご発言ありますか。 竹澤委員  今平野指導官と生田委員のお話を伺いまして、私のほうは現場を抱えておりますので この調査の結果を見て、現場の者としてもホントに納得のいける調査結果だなと思って おります。  生田委員からも強調されましたが、やはりこの実態から見ますと、保健部門の保健婦 が、かなり介護保険のほうに稼働しております。全く保健部門の保健婦の補充がないま まで出発をしているのが、実際のところもありますので、保健婦の配置については、ぜ ひご配慮をお願いをしたい部分であります。 小倉委員  今日のメインの議題が、介護保険導入を踏まえた市町村と保健所の役割ということに なってますので、保健所の立場で発言します。保健所と申しましても県型の保健所と政 令市型の保健所では、市町村業務を併せ持った政令市型の保健所のほうではまたかなり 違うニュアンスがあるのではないかと思いますので、後者につきましては犬塚委員のほ うから補足なりご意見をいただければと思います。  今、ほとんどの県型の保健所が全国的に関わっている状況については、先ほど平野指 導官のほうから資料3あるいは6あたりで、よく指摘されております。補足でありまし た池田委員からの資料の中にも県型の保健所に期待することというようなことがしっか りと書かれてますが、県型の保健所の基本的なスタンスは、介護保険の対象者を作らな いというと非常に極端な言い方ですが、予防ということがあくまでもメインの仕事です ので、この介護保険の事業に直接例えば認定委員会の委員であるとかあるいは調査員で あるとか、そういう形で具体的に直接関わるということは、これは不可能に近い状況で すし、それから本来的にそういう形では関わるべきではないと思います。今回、全国の 保健所に所長会の会長名で依頼しましたことは、介護保険事業計画の作成には必ず参加 していただきたいということです。これは、保健所は地域保健法に基づく企画・調整部 門の強化とか、あるいは情報の収集とか分析とかいろんなこと含めまして、地域の保 健・医療・福祉に関する情報を保健所にはかなり集積されているということと、それか らたびたびでてまいりますけれども管内の市町村の間での格差がないようにすることと か、いろんな意味を含めまして介護保健事業計画作成には必ず参画するようにというこ とで、恐らくほとんどの保健所が、所長並びに保健婦等が参加しているのではないかと 思います。これから5年目ごとぐらいに、見直しがまた行われるわけですけれども、こ れにも必ず参加するというという形は続けていきたいと思ってます。  それからしばしばでました研修、調査員とかあるいはケアマネージャーとかそういう 方たちの資質の向上あるいは資質の均一化、そういうことを含めましての研修というこ ともこれも多くの保健所で市町村に関する支援という立場で、地域保健法の中でも強化 を望まれているところですけれども、これも行われているのではないかと思いますし、 これからも必要だと思ってます。  それからもう一つは、やはり提供される介護の内容そのもの、質の保証であるとか質 の担保であるとか精度管理であるとか、いろいろな言葉で今まで指摘されましたけれど も、そういうことも県型の保健所に与えられた一つの大きな仕事ではなかろうかと思っ ております。まだその他いろいろ申し上げたいことありますけれども、県型の保健所が どのような格好で、この介護保険に関わっていくかということの基本的なスタンスを簡 単にお話いたしました。以上です。 犬塚委員  私のところは、中核市の保健所ということで市町村業務と合わせてやっているわけで す。今までの話のところで、特に今小倉先生からいわれた県型保健所が期待されている 部分も自らやらなければならない、これは非常に責任が重い話だなというふうに思って います。  仕事としては、従来から介護が世の中になかったわけではないわけですので、従来か らの延長線上という部分で制度がしっかりしてくるという理解をしているわけです。保 健活動の中で、介護に関わる部分、今までもかなりあったわけです。それが介護保険制 度ができることによって、担当部署も明確になり、また民間のサービスもどんどん導入 されていくということで、一面保健婦活動のかなり幅広くいろんなことをやっていた保 健活動が、介護の部分については明確に役割分担ができる、その部分で保健活動の目標 も新たに明確にできるのではないか、介護保険制度の運用でケアをされる人たちと、そ れから保健活動が一対象にしていかなければいけない人たちの区分けをして、保健活動 が充実されていくような方向ができるのではないかと思っています。  市町村レベルですと、要介護認定のための調査というのが市町村によっていろいろや り方があるわけですが、そこで得られた資料は、保健活動の分野で十分使える話なので す。要介護認定にならなかった人の介護調査のものというのは、非常に保健活動でも有 用である。ですからそういう意味において、保健と福祉の分野というのがより連携をい っそ統合したほうがいいのかもしれませんけれども、そういうことで新たに導入される 制度から得られる情報というものを、また保健活動のほうで活かしていく方策を考える べきではないかと思っています。  豊田市では、介護保険制度を推進するために市内部の推進本部というのを設けて、保 険料の徴収の関係から、市が関わらなければならない部分、全て担当部署が集まっての 推進本部を作って今進めています。保健と福祉の関係につきましては部が一つでありま して、昨年の4月から保健婦が1名、介護保険の準備の担当部署に配属されて現実にモ デル事業にタッチをし、自らが調査員として動いてみてその問題点を明らかにするとい うようなことに従事してきました。今度の4月に、この部門にさらに2名の保健婦を増 員して3名の保健婦がそこに入るわけですが、併せて豊田市の場合は、介護認定の調査 を市の責任において行う、民間に委託しないという方向を打ち出しておりまして、非常 勤特別職として調査員を雇用することになりました。今までに経験を積んだ保健婦と新 たな保健婦が、そういった調査員の資質の向上に対するいろんなプログラムにこれから タッチをしていくということになるわけです。幸いなことに、保健分野の保健婦の補充 も計画的にされてきてますので、マンパワーとしてはそれほど問題はないかなと、ただ 全般的に経験が浅い保健婦が多いことと、新しい制度ですのでまだいくつかの問題もち ろんあるわけですけれども、そういったことで対応をしていきたいと思っています。  今年の秋、10月をメドに保健部門と福祉部門といいますか、保健所と福祉事務所を全 く同一の組織に組織替えをしていきたいと思っています。今、保健婦は保健所の保健予 防課というところが中心で、そこに30名おりますけれども、対象者別に障害福祉だとか 高齢者福祉だとか、児童家庭だとかそういったところに保健婦を分散配置をして組織を 一体化していく、介護保険もそういうことでは高齢福祉が中心になってやりますけれど も、健康増進部門、元気老人部門は、単独で一つ残しますけれども、そことの連携の中 で進めていく体制を準備を進めているという状況でございます。以上です。 北川座長  ありがとうございました。あと10分足らずの時間になりましたので、これで皆さん方 にご議論、もしご質問、あるいはご意見があったら、まず高橋委員から。 高橋委員  すみません、最後に押し詰まりましていつも最後になって申し訳ないのですが、今回 の池田委員から出されました資料との比較で、少し気がついたことを1点申し上げたい と思います。池田委員のほうから、基本指針の見直しについての具体的な提案というの が出されておりますが、多少それとちょっとはみ出すかもしれませんが、このご提案と 基本指針を読み比べて気がついたことですが、基本的に基本指針というのは、各機関の 連絡強化とか役割分担という視点からいろいろと書かれていると思うのです。私自身、 感染症新法とか伝染病医療法みたいなものに関わってきた経験から申しますと、こうい う連携の強化とか役割分担という点についても、多少施策の中身との関わりで少し連携 の重点、その役割分担のあり方みたいなものが明らかになったほうが、より使いやすい 指針になるのではないかと思うわけです。  そういう点から申しますと、指針というのが感染の蔓延防止とか予防接種についても 多少そのへんの関わりが薄いというふうに印象を持っておりまして、それは他の分野で もそうだと思うのです。池田委員のこのご提案を見ても、やっぱり介護保険の施策の重 点というのは、関わりの中でいったいどういう連携強化を図るのかという、中身はちょ っといろいろとご議論があるところよくわかりませんが、そういう点での視点という形 でのご提案になってますので、全般見回されてそのへんの視点をぜひ基本指針の見直し をされる場合には、少しお考えになっていただいたらいいのではないかと思いました。 多少今日の議題とははみ出るかもしれませんが、池田委員と資料との関係ということで よろしくお願いしたいと思います。 北川座長  ありがとうございました。基本的な問題のスタンスですね、あと5分ぐらいあるので すが、どうしても発言したいという方は何人おられるますか、お二人ですね、それでは 米田さんから、 米田委員  貴重な時間をすみません。介護保険に保健婦さんが関わるということは、重要な課題 だということはいうまでもないことだと思います。すでに厚生省は、保健婦及び保健士 の活動については、これまでの業務指針に基づき住民への直接的な保健サービスの提供 から、社会保障制度全般にわたる制度改革のなかで、これまでの指針を廃止し、新しく 98年4月に「地域における保健婦及び保健士の保健活動について」及び「地域におけ る保健婦及び保健士の保健活動指針について」の通知を出し、これまでの指針に加え、 地域全体の健康問題を総合的に把握し地域保健関連施策の展開に積極的に関与すること としています。その点からいけば保健婦業務も地域における保健・医療・福祉全般にわ たる広域的な見地から、企画・立案・調整機能が求められ、その責務も大きくなると思 われます。  私の方からとりわけ、市町村の状況を報告して問題提起にしておきたいと思います。 ご存じのように、介護保険を導入するにあたっては保健婦さんがかなりの市町村で係わ っていらっしゃいますので、本来の地域保健業務がかなり手薄になっているだろうと思 われます。介護保険については、市町村において当面最重要な課題ですから最優先での 対応を余儀なくされるわけですが、本来の保健婦業務を推進するためには保健婦の確保 が重要な課題となってきます。しかし、保健婦の人員確保対策は、国の人材確保計画に 基づいて98年度、人口10万人の標準団体で14名の地方交付税措置を行ってきてい ますが、実際に配置されている市町村保健婦数はこの3年間で4,000人の増加とな っていますが、計画よりも2,000人下回っています。とりわけ、小規模市町村にお いては、保健婦の未設置町村が28、1人設置町村が205あります。このような状況 で地域保健さえ満足に実施されていないような実態があるわけですが、介護保険に保健 婦がかかわっていくことになりますと、当然県なり国からの人員確保や財政支援措置対 策の強化を図っていくしかないだろうと思います。  地域保健の実態を見ましても、地域保健の本格実施にともない県の機能強化、市町村 の基盤整備をはかりながら、双方の連携で地域での保健活動の活性化を図る必要があり ますが、残念ながらそのような体制が図られていない自治体も見受けられます。やはり 県と市町村の保健事業に対する機能や役割を明確にするなかで、新たな連携と、一体と なったサービス提供体制の確立が求められています。介護保険の導入で連携が求められ てきますが、県においては、まだまだ保険者である市町村業務としてとらえ、県の役割 や実質的な体制のなかで県としての機能や役割に対して議論に参画していない自治体も 見られます。そういう点からいきますと、是非とも先ほど小倉先生のほうからありまし た点につきましては、さらなる周知徹底をお願い申し上げたいと思います。 園田委員  簡単に発言させていただきたいと思います。今日は大変よくご準備いただいて、高齢 者保健そして地域保健のこれまで、そしてこれからのあり方を介護保険との関わりでい ろいろご説明いただきましたので、大変問題がはっきりしてきたのではないかと思いま す。今はどちらかといいますと、介護保険の問題に関心が集まる、まあ集まり過ぎると いいますか、そこに集中しているわけですが、これから大変大事なことは、今日の説明 にありましたように、やはり要介護状態に陥ることのない、こういいますとやや消極的 に聞こえるかもしれませんが、ある意味ではもっと自立を維持する、あるいは高めると いうことが、高齢者保健とか地域保健の大きな課題になってきているのではないだろう か。そういうことを基本的なゴールとして評価基準も、先ほど評価の見直しというよう な話もありましたけれども、改めてご検討いただくということも大事なのではないかと 思います。 北川座長  ありがとうございました。だいたい予定の時間がまいりましたので、そろそろこの場 を終わらせていただこうと思います。事務局から何かありますか。 岩尾課長  次回の日程ですが、3月26日、金曜日、午前10時からということでお願いしておりま す。場所は厚生省の本館2階、共用第7会議室において開催いたします。  一応当初想定しておりました議題を、今日までにご議論いただきましたので、この26 日につきましては、今まで行いました5回の検討会の各議論について、論点整理として まずまとめさせて皆さんにご意見をというふうに思っています。以上です。 北川座長  ありがとうございました。今日は大変活発なご議論をいただき本当にありがとうござ いました。次回3月26日に、また皆さんでご討議できることをお願いします。では今日 でこれで終わりに致します。ありがとうございました。     問い合わせ先  厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課 担 当 中 里 電 話 (代)03−3503−1711(内線2391)