99/02/10 第12回公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会    第 1 2 回 公 衆 衛 生 審 議 会 疾 病 対 策 部 会            臓 器 移 植 専 門 委 員 会                        日時  平成11年2月10日(水)                   10:00〜12:00               場所  虎の門パストラル                   6階「桃の間」 〇成瀬補佐  定刻になりましたので、只今より第12回公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門 委員会を開催いたします。  最初に本日の委員の出欠の状況でございます。大島委員、大塚委員、桐野委員、小柳 委員、藤村委員から欠席というご連絡をいただいていることをご報告させていただきま す。また座間委員につきましては、平成10年11月20日付けで日本臓器移植ネットワーク を退職され、本委員会の委員を辞任されていることをご報告させていただきます。では 会議をはじめる前に資料等の確認をさせていただきます。  最初に第12回公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会の議事次第でございま す。その後ろが委員の名簿です。続きまして座席表です。続きまして第12回の公衆衛生 審議会の会議の一覧でございます。  資料1   ドミノ移植について  資料2   臓器移植コーディネーターに係わる課題  資料3   腎移植の実施状況について  資料4   角膜以外の眼球組織の利用について  参考資料1 眼球・アイバンク作業班名簿  参考資料2 ガイドライン上の4類型に該当する施設一覧です。平成11年1月1日現 在でございます。以上でございます。  それと先生方には私どもの方で作りました意思表示シール、免許証用と保険証用を配 付してございますのでご覧いただきたいと思います。何か資料等で不備がありましたら 事務局にお申しつけ願いたいと思います。では黒川委員長よろしくお願いします。 〇黒川委員長  おはようございます。はじめます。最近いろいろなところで日本語が乱れているとい う話があたります。いろいろなところで「はじめたいと思います。」という話がありま すが、はじめます、でいいのではないかと思います。なぜ皆さんが「思います」という のかというのは、テレビなどを見てもそういうのが多いですね。これからはじめたいと 思いますというのはなぜかと思っていたのです。「思います」といって、特にオブジェ クションがないとはじめるということで、常にコンセンサスを得ながら自分では責任を 取りたくないということをいっているのかなと思います。多分そうだろうと思います。 5年くらい前はそういうことはなかったと思うのです。  でははじめます。ドミノ移植です。  新聞報道でよくご存じだと思いますが、ドミノ移植という言葉が熊本大学で今年の初 めに出てまいりました。家族性アミロイドポリニューロパチーの患者さんというわけで すが、この病気を熊本大学の前の第一内科の教授の荒木先生が見つけられて、熊本のあ たりに非常に多い、荒木先生は非常に優れたニューロロジスト神経内科医でありまして アメリカで最初のレジデントも長くやられて、日本にはじめての本格的な臨床の神経内 科医として帰られたのだと思うのですが、荒木先生が観察をしていて、そういうもので はないかという話です。  更に荒木先生が丁度ご退任になられる前に、遺伝子異常もみつけられたと思うのです が、実はあの辺に固まっているということですね。  あとはポルトガルのある離れた村に何家族かいるのです。同じ遺伝子異常がね。そう いう病気なんです。この患者さんの場合にはアミロイド異常の蛋白を肝臓が作っている のですが、肝臓以外にもありますがニューロパスになってくる、するとそれがフルに症 状を出すには20年とか30年かかるのではないかと言われていますが、その患者さんに肝 臓移植をするということになったのです。  摘出された肝臓を、他の肝臓移植をまっておられる患者さんに、移植するのはどうか という話が出てまいりました。勿論この肝臓は異常なタンパクを作っているわけですが そのポリニューロパチーをおこすタンパクを作っているわけですが、実際にそれがまた いろいろな神経障害を起こすには20年かかるとすれば、普通の人にやってもいいのかも 知れないという話で、実際に外国でもそういうのがあって、これをドミノ移植という名 前をつけたわけでございます。  大学の中の倫理委員会に出したところ、結果的に大学の方の倫理委員会では通らなか ったという新聞にも報道があった通りです。あれは結局は、ご主人からの生体肝移植は やったのですか。そうですか。ご本人の肝臓はどうなったのでしょうか。 〇田中委員  取り出して、家族の同意の下にいろいろな資料として検索するということです。 〇黒川委員長  ニューロパチー検索の一部とあとは適切に処分したということですね。わかり ました。その肝臓移植をする。ドミノが何例もやられているので、患者さんの肝臓を使 うことはできないかという話でありまして、その肝臓を移植する患者さん、受ける人を どのように選定するのかということについて考える必要が出てきたということであり ます。  今回は熊本大学の倫理委員会の方で適切ではないということでやらなかったわけです が、ドミノ移植の場合にはレシピエントが予め決まってない生体部分間移植というふう にとられるかもしれません。つまり生体から、肝臓がいらなくなったから取るという手 術が行われて、しかもその肝臓は恐らく異常はあるのだが、移植のドナーの肝臓として 使うには、差し当たりそれほどのマイナスはない。勿論、私はこれから50年生きるつも りだからいやだという人もいるのかも知れないが、その辺はインフォームする必要はあ ると思いますがね。でもその肝臓を差し上げるということになると、どうするのか。  これは今まで入ってなくって、このネットワークはあくまでも脳死の死体からの提供 の場合のレシピエントをどうするのか、というのが仕事であったわけです。こういうの は想定を勿論してないわけで、そういうことについてこのような対応をするときに、ど うするのかという話を一応伺っておいた方がいいのではないかということです。次にま た出ることが予想されるので、その場合についてです。  事務局からまず資料の説明をお願いします。 〇朝浦室長  資料1です。ドミノ移植についです。簡単に経緯と背景、検討課題ということでまと めさせていただきます。黒川先生からも今ご紹介があった通りです。今の話に付け加え る点、補足する点を中心にご説明をしたいと思います。今年の1月のはじめに熊本大学 の倫理委員会で、ドミノ移植の申請があがったわけです。倫理委員会ではドミノ移植そ のものについては承認がされておりません。また新聞報道でその後、九州大学の方でも ドミノ移植についての件で倫理委員会で議論がされたと伺っております。  熊本大学の件につきましては、真ん中の*印で書いてありますが、倫理委員会に申請 をされた申請者のお考えとしては、ドミノ移植が申請された場合には、臓器移植ネット ワークに相談して、現在は死体からの摘出された臓器の配分方式として確立しているレ シピエントの選択基準を準用する方向で検討していたと伺っております。  <背景>のところで書いてありますのは、臓器移植法との関連でございます。3つ目 の〇で書いてありますが、臓器移植法の第2条におきまして、臓器移植の基本的な理念 として「移植術を必要とする者に係る移植術を受ける機会は、公平に与えられるように 配慮されなければならない。」という規定がございます。ドミノ移植の場合においても この基本的理念というのは十分に踏まえられないとならないと考えております。この辺 を具体的にどう公平性を考えるのかという問題であろうかと思います。  ドミノ移植のそのものにつきましては、いろいろな先生方に聞いてみますと、この家 族性アミロイドポリニューロパチーの生体間移植患者から摘出された肝臓を使う場合に 現在の医療では限られるというか、それ以外のものはあまり想定されないと聞いており まして、ドミノ移植そのものはそう多く行われるものではないのではないかということ です。この辺はご専門の田中先生に補足していただければと思います。  次のページです。これは頭の整理をさせていただきたいので表を作っております。一 般の生体間の臓器移植の場合ですと、臓器の提供者は患者の家族あるいは配偶者など、 移植をうける患者は、血縁あるいは家族というふうに、あらかじめ決まっているのが殆 どだと思います。死体からの臓器移植につきましては、現在は臓器の提供者がでますと 臓器移植ネットワークにおいてあるレシピエント基準に基づいて移植希望者から選定す る。角膜につきましては、51ある地域のアイバンクにおいて選定されるということにな ろうかと思います。  今回のドミノ移植のケースは生体間の移植ではありますが、一般の生体間の移植とは 若干趣を異にしてまして、移植を受ける患者については、あらかじめ決まってないとい う状態の中で、先程申しました臓器移植法第2条の基本的理念を踏まえて、どのように 移植を受ける患者を選定するのかというのが、検討課題として上がっているということ であろうと思います。  具体的に検討課題ということで書いてあります。家族性アミロイドポリニューロパ チーのドミノ移植のレシピエントの選定方法について、そうでないということを前提に して、何らかの指針とかルールのきちんとしたシステムを作る必要があるのか、それと も当面、医療機関の倫理委員会等を通じた自主的な判断としていいのか、その辺のとこ ろをご議論いただきたいのです。  仮に医療機関の自主的判断にするということにしても、具体的に当委員会として臓器 移植法に書いてある基本的理念の公平性というものをどう考えるのか、熊本大学の申請 者が考えていたような、臓器移植ネットワークのレシピエントの選定基準を参考に用い るということについて、どのように評価するのか、その辺をご議論いただければと思い ます。  参考資料としましては、家族性アミロイドポリニューロパチーの病態、肝移植の実績 参考2でドミノ移植の実施例等について書いてありますので、後でご覧いただければと 思っております。 〇黒川委員長  ありがとうございました。このようなことが、資料1の3ページの参考1家族性アミ ロイドポリニューロパチーのところに書いてあります。肝移植の実績からすると、我が 国の患者は真ん中から下ですが、長野県と熊本に多い、家族性アミロイドーシスの生体 部分肝移植は、過去、信州大学において11例の実績がある。世界的には、スウェーデン における300 例をはじめ、近年移植実績は蓄積されている。だからこれについての移植 はあるということです。  ただドミノ移植についてはどうかということ、このアミロイドポリニューロパチーの 患者から摘出された肝臓については、アミロイドが肝臓にわずかしか沈着してないので 肝機能には問題はない。但し、肝臓においてつくられる異常なアミロイドが生成される ので、移植後20年以上経過して、徐々にアミロイドが沈着した結果として末梢神経障害 などを発生する危険性はあるが、時間は十分にあるということであります。  さてそこで、先生方のご自由な発言をいただきたいわけです。熊本大学では倫理委員 会で承認されたところの後で、レシピエントをどうするのかという話について、ネット ワークの選択基準を準用することを検討していたということであります。田中先生から お話を伺います。 〇田中委員  付け加えることと申しますと、先程、背景の中で当面どういう場合の患者にこの生体 のドミノが考えられるのかということが言われてましたが、一応家族性アミロイドポリ ニューロパチーだけでいいのではないか。  もう一つ付け加えることは、次の2ページの中で脳死の場合と生体の場合とドミノの 場合の大きな違いは、あらかじめ予定される手術であるということが大きな違いです。  もう一点は最初の手術が、通常の生体肝移植が重要でありまして、それが行われる。 その時に、取り出した肝臓が使えるかどうかというのは、改めてそこで決まるわけです から、その時点で最終的に次の患者の手術が始まるという想定でやるということを付け 加えたいです。 〇黒川委員長  先生、アミロイドの患者さんの肝臓を取り出して生体肝移植をしたその時に、肝臓が 移植にある程度の適応があるかどうかを判断するといったクライテリアは、どういうと こについて、その時でないと判断できないことはあるのですか、ある程度予見されるこ とは沢山あると思いますが。 〇田中委員  一つ、予見されることは肝臓が良いかどうかというのは、ある程度は今の医学のレベ ルでわかります。問題は第一の患者さんの手術のときに、いろいろな操作をするわけで すが、その操作がどう影響をするのかです。もう一つは、取り出した肝臓の血管系の問 題です。この二つがあります。 〇黒川委員長  すると肝臓を取るという手技と、新しいものを植えるという手技が、その辺のことが 予測できないファクターが幾つかあるということですね。  このドミノでアミロイドの患者さんの肝臓の場合には、生体肝移植のように部分だけ を使うことも可能ですね。だからそれは手術をやってみないとわからない部分は、どう してもあることはあるわけですね。 〇田中委員  そうですね。最終の患者さんにとってはね。今の生体手技を使えば、手技上の問題は クリアできるであろうということは、最終的には予測できます。 〇黒川委員長  もう一つのポイントは、手術に関して熊本大学の意見は患者さんが次に肝臓をドナー 用に使うということによる、手術上の手技の不利さがあるのではないかという話であっ たように、報道では聞いておりますが、それについてはいかがでしょうか。 〇田中委員                                    これは個人的な意見になると思いますが、この第一の手術は非常に大事であります。 通常は生体肝移植というのは、ここで血管を切るというのは決まっておりますので、こ の最初の患者さんにドミノをやることによって大きな不利というのはちょっと考えにく いのではないか。だから、手技上の最初のFAPの患者さんそのものに対する手技上の 不利さはないと理解していいと思います。 〇黒川委員長  すると今先生は沢山生体肝移植をやっておられますが、生体肝移植をやったときに、 新しい肝臓を受け取ったレシピエントの肝臓については、勿論そういうことですから使 えないわけですが、その肝臓については、もし全く先生がドミノの肝臓の患者さんを想 定した場合には、この肝臓については、更に移植に使うことには、恐らく何の不都合も ないだろうと思われるのですか。  今先生は生体肝移植を沢山やられているのですが、生体肝移植をやったときのレシピ エントの肝臓は、いろいろな理由があって、肝臓移植をうけるわけです。だからその肝 臓はとってしまう。いろいろな場合があるのかも知れないが取りますよね。その取った 肝臓がアミロイドであるとすると、機能は正常ですよね。だから取った肝臓は正常であ るとすると、それは次の移植に使うには、患者さんにも全く不利はないし、全く差し支 えない状態で取れるということですね。 〇田中委員  それはちょっと違います。この切除するときにはいろいろな方法があるのですが、一 応その中では肝臓を機能を保持しながら切除する姿勢と、もうこの肝臓は使えないから これはどういうダメージを与えてもいいという手技とではちょっと違ってきます。 〇黒川委員長  そうですね。でもただその手技の違いを考えると、先生のお考えではドナーが不利益 を受けるということは、ちょっと考えにくい。多分次の移植にも使えるような肝臓とい う恰好で取るには、患者さんのレシピエントに不利な状況がなくてできる、という先生 のご判断ですね。 〇田中委員  その通りです。 〇黒川委員長  では次に、それは熊本大学とはちょっと見解が違っているのかなというのは、いずれ 移植学会の先生方の方で明らかにされればよろしいのではないかと思いますが、ネット ワークとすれば、出たときに、どのレシピエントにしたらいいのかという話です。普段 の脳死の場合と違って、ある程度時間が予測できますから、脳死よりはずっと準備がい ろいろな意味でやりやすいのではないかとということですが、それについての問題は、 こことしては、移植術を必要とするものに係る、移植術を受ける機会の公平性というこ とから普通に考えると、このネットワークに知らせていただいて、どういう人が待って います。どういう順番になっています、ということを知らせて、多分そこからその人に こういうものがありますがやりますか、ということを聞くのが一番自然な流れかなとい う気がするのですが、谷川先生いかがでしょうか。 〇谷川委員  先生がおっしゃる通りです。時間的な余裕がございますから、待っているリストの中 で一応はインフォームド・コンセントが重要でございますから、インフォームド・コン セントでよろしいということであれば、脳死の人のリストの順番にやるというのが、普 通は妥当な線ではないかと思います。計画された手術でございますから、数日の余裕が あって十分なインフォームド・コンセントはできるのではないかと思います。 〇黒川委員長  そうですね。患者さんが決心するにもかなりな時間的な余裕はあるという有利さはあ りますね。ただいま十分に議論していただきたいのは、このネットワークの仕事として は、脳死から始まっているわけですので、こういうことを想定してなかったので、十分 に先生方お一人お一人の意見を聞いた上で、今度もそのようにいきましょうということ になって、そこから後の手続きはどうなりますかね。移植学会でしょうか。 〇朝浦室長  熊本大学のケースで言えば、正式に熊本大学の方からご相談というものはなかったわ けです。承認されなかったわけですからね。ただ、仮にネットワークの方に相談があれ ば、ネットワークとしては相談を受けて、優先順位の高い方から、こういうものがあり ますがどうでしょうか、ということをお知らせをするというふうに考えていたわけ です。その点については実際に起こっていませんので、具体的にその後の展開はなかっ たわけです。 〇田中委員  実際に生体肝移植のときに受けるとか受けないという、インフォームド・コンセント を取るときに、今は間隔をおいて2度とっているところと3度取っているところがある のですが、その意味では、ある程度最後に、最後の患者さんが受けるにかなり考える時 間がいるのです。生体の場合にはね。それが考える時間をどれくらいの期間で持つのか というのが一つです。  もし、ネットに入れるとすると、待っている間に脳死があった場合に、どうするのか とかという問題も少し議論の中には入ってくるのではないかということです。 〇黒川委員長  確かにネットに入っている人でも脳死体に比べれば、考える時間の余裕はあるという のは確かですね。それは非常に良いことではあると思うのだが、その時間が、例えばこ の場合だと1週間とか2週間ある場合もあるが、最初の人がノーと言わない限りは次の 人にはいかないという辛い面はありますね。その間にもし万一脳死の人が出たらどうな るのかという田中先生のおっしゃっていることは、全くもっともであると思います。 〇井形委員  僕もある程度は新聞で見て知っているのですが、熊本大学の倫理委員会がどういう理 由であれをしたのか、今の議論を進めますと、その問題は解決したという前提で進むわ けですよね。その前の委員会での確認をしておいてほしいと思います。 〇黒川委員長  ではまず事務局からその話を聞いて、専門家の意見を聞くことにします。 〇朝浦室長  新聞報道等から推測しますと、ドミノ移植についての手法について、患者さんに対す る十分な同意というか、説明がなされなかったことに対する倫理委員会の中でのご意見 があって、それで認められなかったと解釈してます。特にそれに付け加えるべきものが あれば、先生方に補足していただきたいと思います。 〇黒川委員長  田中先生何かご存じですか。 〇田中委員  倫理委員会の詳しいことまでは知らないのですが、手技についてのことがかなり倫理 委員会の大きな話題であった。その時に患者さんは私の肝臓をどうぞ役立ててください といって申し出たわけです。通常の手術以外のことをやるようだと、その手技について 説明しないといけないが、通常の生体肝移植でできるわけだから、あえて説明はいたし ませんでしたというのが、申請した側のご意見ということでございます。だからどうし てああなったのかなというのは、もう一歩踏み込んだ事情までは知りません。 〇黒川委員長  熊本大学の倫理委員会の返事というか、申請に対する返事というのは、もらえるもの なのですか。そういう筋合いのものですか。  あとは田中先生のお話を聞いていると、生体肝移植をする場合に、普通は肝臓はいら ないのだといってそのつもりで手術をするから、そういう手術をするわけですが、もし これを使うとなると、多分変わることがあるだろうという可能性は多いにあります よね。取ってしまう肝臓をプリザーブしないといけないというのがあるわけですね。 〇田中委員  その通りであると思います。そういうのは、プリザーブするにはいろいろな方法があ りまして、取り出してバックテーブルといって、一端取り出してやる場合とかいろいろ あるので、最初の手術に関しては、通常の生体肝移植とかわらないだろう。ドミノを意 識しても変わらないだろう。そういう時に、今先生がいみじくもいいましたが、実際に タッチしてない人達は、多分こういうことをするのではないかとか、というディスカッ ションにはなると思います。実際にやっている人達の意見を聞いて判断されるのが一番 大事なのではないかと思います。 〇黒川委員長  だから私もそこにちょっと言及したかったわけです。先生のところで400 例もの生体 肝移植をやっている人だと、多分受ける側の肝臓はいらないという立場で手術はされて いるけど、もしそういうことを使うという想定の頭の中に入れながら、次の手術を進め たときに、400 例も経験があれば、恐らく患者さんの侵襲は殆ど増えることはないとい うことを確信をもっていえるわけですよね。多分そのつもりで今度また手術をやってい ただければ、もっと確信が深まるのではないかと思います。でも経験が少ないとわから ないですよね。そこが僕としては、申請する側、される側もそうだが、例えば田中先生 のところにいろいろ相談にいく時間が十分にあったのではないかという思っているのが 一つです。  その時にどうなるのかということを、ネットワークに内々でもいいのですが、突然に これは1月に出た話ではないと思うので、いろいろなところと情報を交換しながら相談 するということがあっても良かったのではないかという気はしていたのです。  そうすれば、田中先生が大丈夫だよといえば、また倫理委員会の判断が少し変わった かも知れないと思ってます。 〇森岡委員  熊本大学の場合噂だけですが、まず技術的な問題が問題になったように聞いておりま す。また、臓器の提供の公正性については法律があるのですが、これは全て脳死体のも のですね。生体移植に関する規定というのはないのでしょう。ですから、今何をここで 議論をするのかというのは、あまりはっきりしないのですね。  恐らく今のドミノ移植の場合は、基本的には勿論いいのだろうと思いますが、確か技 術的に田中先生のご意見もありますが、確かにそれをプリザーブしてやるという配慮と か、血管がある程度縫合する余裕というのはいつもあるので、技術的に可能であるとい うことはわかるのですが、そこの問題が恐らく熊本でも議論されたと私は聞いておりま す。 〇黒川委員長  確かにここの委員会で議論する話題ではないので、これ以上するのは差し控えてます が、そういう問題というか、そこが一つの問題にはなったのではないか。そうなると、 それはむしろ移植学会であるとか、田中先生が移植学会の方で一度検討していただいた らいいわけで、ここではあまり関係のない話だなと思ってます。  ただ出たときに、ではレシピエントをどうするのかという話は、どうかな。熊本大学 はどういう人が、何人くらい、どういう理由でウエイティングしているのか、というの はわからないわけだから、その意味ではここに問い合わせていただいて、この順番でや っていただくのが一番いいのではないかというのが、普通の感じかなと思いのですがど うでしょうか。 〇森岡委員  そういう問題は、生体肝移植の場合にね。だから特にネットワークに持ち込まれたと きの問題があるのですが、一般には生体肝移植の場合は、そこの現場の判断でウエイテ ィングしている人を選んでやっているわけですよね。 〇田中委員  それは大分違うのです。生体肝移植の場合にはドナーになる人は、この人とドナーが 決めているわけです。ところが、このドミノの場合には、FAPの患者さんが、どうぞ 皆さんに役立ててくださいという、そこでその人がこの人にあげるということは決めて ないわけです。 〇森岡委員  わかりますが、生体移植の場合レシピエントとドナーを選ぶのは現場で決めているわ けですよね。レシピエントがいてドナーがいればやりますということですね。 〇田中委員  いえいえ現場では決めてないのです。現場はドナーがこの人にあげたい。この人に移 植が可能かというのは現場で決めているのです。だから、あるドナーがいて、生体肝移 植の場合にはドナーが全部決めているのです。 〇森岡委員  ネットワークに持ち込んだときにどうするのかという問題があるのですが、それ以外 の問題は現場で処理できる問題ではないかと私は考えるのです。そうでもないのでしょ うか。 〇田中委員  もしうちでやるとしたら、大変この問題は大きい問題になって、現場でそういう次の 人を誰が決めるのかという問題になってくる。 〇森岡委員  その場合田中先生だったらネットワークに持ち込むということになるのでしょうか。 〇田中委員  その方がいい。ネットと言わないまでも、公平なところで決めていただく方がより リーズナブルで、皆さんが受け入れられやすいのではないか、そういう思いがいたしま す。 〇森岡委員  すると臓器ネットワークが今まで想定したのは、殆ど脳死体の臓器ですね。生体の臓 器の提供に関してはネットワークはそのことをあまり考えてなかったように 思いますね。 〇黒川委員長  だからこの議論が出たのです。 〇森岡委員  だから持ち込まれた時にどうするのかという問題があるということですね。それが議 論になってくるわけですか。 〇黒川委員長  先生のおっしゃっているのは、ある人が、私の肝臓を半分あげても大丈夫だというか ら、ボランティアとしてあげます。だれか待っている人がいたら、リストを見せてちょ うだいということでいろいろな人に話に聞いて、これにするといって先生のところに行 くということもあるわけですか。それは今はいいわけですね。全く見ず知らずの人に、 私の肝臓を半分あげてもいいというのはどうですか。勿論、無償でしょう。そういうこ とも先生はおっしゃっているわけですね。 〇森岡委員  一般にはそういうことはないと思いますが、レシピエントを指定するということもあ り得るわけですね。。 〇田中委員  自分のところで誰が重症というのはある程度はわかりますが、ただ、今の黒川委員長 の話で、私はこの人にあげるという、今の倫理委員会の規定、あるいは患者セレクショ ンの方法では、これは拒否されると思います。第三者だからですからね。だからそれは ないと思います。実際にやるときに、本当にこの人でいいのかなという思いは必ずある し、また逆に、受ける人から公平というのがないといけないのですね。つまり例えば40 人ほど待っていて、その40人の皆が、これなら納得という受ける患者側がフェアという 思いをするためには、僕等が決めるというよりも、もう少しルールがあった方が大変に やりやすいのではないかと思います。 〇黒川委員長  400 例をやっているのは、先生のところは皆さんが血縁関係のある人達ですか、ド ナーとレシピエントの間は。 〇田中委員  今のところは血縁関係と夫婦間だけです。二親等です、三親等でやっているところも 1施設ありますが、二親等が殆どです。あとは夫婦ですね。 〇大久保委員  私もドミノ移植に関しては、基本的には一番最初の段階に関しては、ここで議論する 必要は全くないと思います。あとはレシピエントの選択をどうするのかということであ ると思います。私は、今までの脳死移植と同じように、不特定多数の人のどなたかとい うことになってくると、病院なり施設が勝手に決めるということがあると、今まで臓器 移植は公平公正というのが一番大事にされてきたことなので、ここでも是非この熊本大 学が検討されたように、基本的にはレシピエントの選択に関しては、今のネットワーク の選択によって決めていくという方法を、ある程度のルールとして決めた方がいいので はないかと思います。 〇森岡委員  それでいいと思います。すると臓器ネットワークの考え方を少しかえないといけない ですね。生体の提供臓器に関しても臓器ネットワークがそれを扱うようにですね。 〇黒川委員長  だからそこをどうするのか、先生方のご意見を伺いたいということで、一般の生体肝 移植の場合には、田中先生のお話だとある程度のマッチッグがあって、二親等までとい うことだが、もうちょっと血縁関係がないのは夫婦も同じだが、でも私は非常に仲がよ いし、是非半分あげたいというときにはどうするのでしょうかね。 〇田中委員  今は生体肝移植をやっているところは29施設あると思うのですが、全部それはお断り すると思います。 〇黒川委員長  しかし今はアメリカでも臓器移植はノンリレーティッド・リビング・ドナーというの がどんどん増えてきてますよね。友達というのですかね。 〇田中委員  歯止めがきかなくなりますよね。だから一応、生体肝移植はまだまだ始まったところ という認識ですからね。これは必ず倫理委員会でもお断りすると思います。 〇黒川委員長  森岡先生はそこを基本的に議論しておいた方がいいのではないかという趣旨もあるわ けですからね。 〇大久保委員  基本的にネットワークに持ち込むのは、今回のドミノ移植のレシピエントの問題だけ だと思うのです。だからそうなってくると、最初の段階の生体移植というのは、今まで のルールで腎移植もそうですが、肝移植も各施設の倫理上の判断によっているわけです から、それはそれでいいと思うのです。だからネットに持ち込んで選択をするというの は、このドミノ移植のレシピエントに限るということでいいと思うのです。それを今度 また広げてきて、前の生体までどうのこうのというのはネットでやる必要はないと思い ます。だからドミノに限るということです。 〇黒川委員長  それは非常にプラクティカルな議論で、皆さんはそういうことは反対はしないと思う のだが、そういうことをドミノだからいいという前に、今いったような森岡先生の議論 をしておいた方がいいのではないかという話であると思います。  だからこれはプリンシプルをいっているわけで、ドミノ移植にいく前に、この役割は 何かというプリンシプルですね。だから生体肝移植だって半分あげても大丈夫といわれ たら、いくらでもあげるという人が出てくるかも知れない。そういうときにどうするの かという話でしょうね。だからこの際に議論をしておいた方がいいのではないかという 気がするのです。 〇町野委員  幾つか質問等があります。一番最後に議論されました問題です。一つは、確かに生体 移植の場合についても公平性を尊重すべきだという考え方はあるわけです。現に幾つか の国では、例えば韓国当たりでは生体腎を寄贈してネットに入れているという動きもあ るくらいでして、考え方はいろいろありうると思います。しかし今まで日本でやってき た考え方は、生体の場合については、被らないでやろうということで、死体からの移植 ということが基本なのだから、そちらで行くべきだという考え方であったろうと思いま す。  今のドミノの場合についてだけは、むしろネットワークに入れるということを認める かどうかよりも、ネットワークに入れないといけないという考え方をするかどうかの問 題だと思います。  この時も個別的にやっていいのか。お医者さんの自由だというわけにはいかないので はないかということが一つです。むしろ載せていいかではなく、載せるべきだかという 議論をすべきではないかというのが一つです。  もう一つは今はFAPだけのようですが、外国ではもっと年に数件でしょうが、例え ばドミノで心臓も生体から摘出してやるということがあるわけです。そうなってくると 将来の問題として、これは日本では先の先かも知れませんが、やはり、考えておかない といけない問題ではないかと思います。これだけに止まる問題ではないのではないかと 思います。特に移植法につきまして、あれは生体からのものを含んでおりませんから、 これは新しくできた移植法の中ではちょっと異例で、全部死体からということになって おります。生体まで入れないといけないという議論が、恐らく法律家の間では強いわけ ですから、そういう時には、ドミノというのは生体と死体と限界線上に位置するような 問題ではあるわけです。このことは考えておかないといけないのではないだろうか。今 の公平性の問題に関係してですね。  あとは、熊本大学の倫理委員会のものはちょっとわからないのですが、基本的に倫理 委員会がノーといったのは、生体肝移植を受ける患者さんのことを考えた上での倫理的 な判断であって、それ以外のことは含んでない。だからこれを更に摘出された肝臓をど のように処分するのかということについてまでは、議論した上でのそれではなかったと いうことでしょうか。  もう一つですが、倫理委員会の場合というのは、決定の理由というのは判決文のよう にあまり告知しないということになっているようですが、これはこの委員会のものを越 えることですが、こういう重大な問題については、これは問題であったような感じがす るわけです。 〇黒川委員長  事務局でコメントはありますか。今の熊本大学の話について。 〇朝浦室長  熊本大学の方からは、担当の方に直接電話でお伺いをした程度で、具体的に出された ものを逐一ご報告していただくということはしておりません。 〇黒川委員長  それはしなくてもいいと思うのだが、僕等が聞いているのは、報道から聞いているだ けだからね。だから熊本大学にその経過についての簡単な報告書でもいただけますかと いう話はできるのではないかという気はするのです。 〇井形委員  この委員会で皆さんがそういうことであれば、私の気持ちも迷っているので、それは 結構ですが、ここでネットワークに載せるということを仮に決めたとした場合には、ド ミノ移植はOKという前提でやるわけですから、したがって、ドミノ移植については少 なくとも熊本大学の人と相談もし、正式な文書もとり、今の田中先生が言われた、移植 するときに捨てるものと移植するのでは操作に違いないということを、正式な書類とし て検証して、それを元に決断すべきではないかと思うのです。今日の議論でハイハイそ うですと決めるべきではないと思います。 〇黒川委員長  そのご意見もごもっともであると思います。だが確かにドミノ移植の技術面その他に 関してはここで議論することではないので、田中先生なのか野本先生、移植学会の理事 長として、取った肝臓を次に使うことについての検証、田中先生たちが一番であると思 いますが、あるのかないのかという話は何かで検討していただくというのは大事かも知 れませんね。それがないと倫理委員会で出されても判断のしようがないと思うのです。  それがクリアされて、外国でもやっているのであれば、やってもいいのだなという話 になれば、そういうことが前提になっているのであれば、もし申込みがあれば、ここが 受けて、誰か名前をあげるというのは構わないような気がするが、全部をそうしろとい うのはまた別な話という気がします。その辺は町野委員のお考えはどうでしょうか。す べしということですかね。 〇町野委員  そうですね。私もお伺いしたいですね。私はすべきだと思います。         〇黒川委員長  その時、田中先生がおっしゃったように、その間に脳死が出た場合にどうするのかと いう話になってね。その時はまた別でいいと思いますがね。 〇谷川委員  最初のファーストチョイスなんですが、激症肝炎だとあまり意識がない、インフォー ムド・コンセントができないからね。そのような適応基準の場合に、適応委員会がまた 今までと違った判断もしないといけないという規則を作らないといけないということに なりますね。 〇野本委員  技術的には移植学会が検討するというのは、田中委員を中心にしてちゃんと検討しま す。これは移植学会の責任でやります。ドミノの方はちょっと言いにくいのは、僕は九 大の倫理委員会に入っていて、今、九大の倫理委員会で継続審議をしろ、早々に決断し てはいけないということをこの間いったことがありまして、こっちで勝手に決めてしま ってもいけないのですが、その時に私が九大の倫理委員会のメンバーに要求したのは、 医学部長なり倫理委員会の委員長なりに、正式に報告書をいただいて、それを検討しろ 新聞の記事によってこうこうであるからというので、九大の倫理委員会の基本方針を決 めてはいけないというので、今早急に取り寄せているところなので、そのくれるかくれ ないのかは僕には分かりません。  この間の倫理委員会で、医学部長とか倫理委員会の委員長なりが、熊本まで出掛けて いって、向こうのヘッドにごまをすってでも貰ってこいということです。  これは熊本大学がそういうことをしたという事に関して、同じ専門家が考えたことで すから、そこはきちんと論点を明確にして、ここは九大の倫理委員会としてはそうでは ないという判断があっても僕は構わないといっているのです。ただはっきりした論点と 結論を正式なものとして貰わないと、熊本大学のプロセスを参考にして、うちの倫理委 員会の回答をだしましたということは、口が裂けても言えないということをこの間いっ たので、わかりませんとしか言えません。 〇黒川委員長  だから技術的なことが、一応そのようにコミュニケーションがよくなったらいただけ る。熊本大学がどういう論点であったのかということもある程度わかって、ここで申請 が出たときの材料として判断するということになったときに、提供していただける肝臓 をどうするのかということについては、どうでしょうかね。 〇田中委員  移植する方の立場からいうと町野委員のやるべきであるという意思のようにしてほし いということです。その話に入る前に、ドミノ移植そのものは海外でどうしているのか という問題になると、海外も臓器不足というのは非常に深刻です。海外の選択基準は、 到底待っても順番が回ってこない人にあげるということです。例えば癌の人であるとか そういうこともルールとしてやられてます。  日本の場合にはそういうルールはなくって、単に優先順位のルールがあるというとこ ろがまず海外と事情が違います。  もう一点は、脳死の移植法が施行されましたが、ウエイティングしている人はかなり 死んでいっているのです。そういう現実からいいますと、どうぞ私の肝臓は利用してく ださいというものが、十分に利用できるのであれば、これは利用してあげる。その時の ルールがどうかというと、町野委員と私は意見は一緒で、このネットは本来はこういう 仕事ではないのですが、ぜひやっていただきたい、やるべきだと考えます。 〇黒川委員長  矢崎委員、眞鍋委員はいかがですか。 〇眞鍋委員  アイバンクの場合にも公平性というのが問題になってます。全国のアイバンクに共通 のものがあって、臓器移植ネットワークのようなものができたらいいなと思います。現 実問題として、公平性というのを実現するのは、非常に難しいというのを実感しており ます。アイバンクの場合には全く組織に特異性がありませんので、時間的に待ち時間の 長いものからというルールでいかざるを得ないのですが、肝臓の場合にはHLAのマッ チングとかは全く必要はないのでしょうか。 〇田中委員  血液型だけです。 〇黒川委員長  レシピエントのクライテリアさえフォローすれば、その順番でやっていただけるよう にこちらが斡旋するのかな。ネットワークを使っていただくということになるのかな。 それが一番いいのではないかというのが皆さんのご意見ではないかと思います。 〇山谷委員  医学はよくわからないので新聞を読みましたときに、第一印象は非常にえげつないと いうか、脳死がでないために、ここから突破口を開けるのかというイメージをもってし まったくらいの人間なんです。やはりアメリカにおいては殆ど行われていないとか、あ るいは年数がたった後の危険性をきちんとクリアしていただかないと、市民としては議 論についていけないのではないかという気がします。  その議論が、地域性とか、もしかしたら民族的な体の問題もあるのかも知れないので すが、その辺をぜひきちんとクリアにしていただいて、私はネットワークに持ち込むと いうことと、生体肝移植の中間くらいの線というのが、この場合にはあってもいいのか なと思いますので、移植学会できちんとドミノ移植の有効性を納得できる形で提示いた だけたら、私はその方の議論があってもいいのかなと思います。 〇黒川委員長  もちろんレシピエントの人には、これは普段よりはずーと考える時間があるというこ とからすると、どういう肝臓であるという話があって、脳死が出ないからやるわけでは なくて、実際にそういうのがあるからやるという話を今しているのだと思います。  だから山谷委員が、脳死がないからここまで来たのかという取り方をもしするのであ れば、それはかなり違ったパーセプションなのかな、だがフィーリングとしてはそうで あるというのはやむを得ないのですがね。それは報道の方が、正しく伝えるというのが 先かも知れないという気がします。  するとこの委員会としては、アミロイドの場合、テクニカルの問題とかいろいろな話 が解決されたというときで、実際にそれが起こる場合には、ここで受けるべしか、ここ にレジスターすべしですね。法律だとそうですね。だからそういう案内をする、そうい う人がいた場合には、ネットワークで扱いますというふうにいった方がいいということ ですね。そこまで言っていいのかどうかですね。 〇井形委員  ドミノを認めるかどうかを決めることが一つの大きな問題ですが、それをクリアした として、僕のフィーリングから言えば、臓器移植ネットワークは受けるべき。ただ、現 実にこういう肝臓ですというインフォームド・コンセントを十分に得た上に、本人が ノーといった場合に、その人がノーといったために不利を被るということは不味いと思 います。したがって、断ったからといって順位が下がるとか、後回しにするということ がないという手だては十分にしておいた方がいいと思います。 〇黒川委員長  今の腎臓などでも皆そうです。その時にはパスという人もいくらでもいるわけですか ら、その順番に下がっていくということですが、この場合にはタイムリミットをどうす るのかというのは、技術的な問題は別に整理しないといけないと思います。腎移植の場 合にも時間に迫られているから、一度いってコーディネーターが待っていて、かなり患 者さんも迷うと思うのです。夜中に電話がかかってきて、どうしますと言われて、イエ スかノーかということでね。ノーといった後でもかなり後で迷うという人も凄く多いと 思うのです。次々にいってしまいますからね。その辺はどうしてもあると思います。  するとこれは技術的な問題、その他全部がクリアされてやるという判断が出たときに は、それはここでネットワークで扱うというふうにするのが適切ではないかというご意 見です。その他後でつめることは多分行政的にはあると思うので、そのようにさせてい ただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。ではこれにつ いてはよろしいですか。では次にコーディネーターに係わる課題でございます。  移植を推進していく上ではコーディネーターの役割というのは非常に大事なわけ です。移植コーディネーターという職業の歴史はまだ浅いわけですし、資格の問題であ るとかノウハウの蓄積というものもこれからいろいろあります。今までのコーディネー ターの方のバックグラウンドを見ておりますと、医療関係に従事してきた人が多いわけ です。最近の関東でもそうですが、そうではない人が非常に興味をもってやりたいと いってこられる方もおります。そういうことも含めて、コーディネーターになりうる人 達の底辺を広げるということです。  つまりコーディネーターを一つの自分の職種として考えたい時にどうしていったらい いのかという話がありますので、その辺について事務局からコーディネーターの現在の 状況についてのデータ、それから課題について説明をお願いします。 〇朝浦室長  資料2に基づきましてご説明させていただきます。前回の臓器移植専門委員会の場に おきまして、コーディネーターの養成あるいは研修の問題についてご説明をして、ご議 論をうけて具体的に検討をするということになっておったわけです。養成の問題、研修 の問題を考える中で、今後の臓器移植コーディネーターのあり方、将来方向をどのよう にしていくのかということが欠かせない検討課題であろうということで、ここはこの専 門委員会において、将来的な方向についても併せてこの場でご検討いただきたいという ことで、改めて提出させていただいたものでございます。  したがいまして、本日は課題の設定の仕方がそれでいいのかどうかということを中心 にご議論いただいて、引き続き検討課題とさせていただいたらと思います。では資料に 基づいてご説明させていただきます。  先生方もご承知の通りでございますが、臓器移植に係わるコーディネーターと呼ばれ る方は幾つか種類がございます。この表にありますように一つは臓器移植ネットワーク に所属している職員で、主な役割としては、医療機関への啓発活動とか、臓器提供者発 生地の連絡調整です。これは斡旋業務でございます。そういうものをやっております。 この人件費につきましては、国が予算措置をしておりまして10/10の国庫補助を行って いる状況でございます。  都道府県のコーディネーターと言われる方がいらっしゃいます。これは都道府県に直 接雇われている県庁の職員ということではなく、都道府県を主な活動範囲として、ここ に書いてあるような医療機関への啓発活動であるとか、これは臓器移植ネットワークが 行う斡旋業務の移植を受けて、具体的な発生時に仕事をするということを役割として、 都道府県にある腎バンクとか、あるいは病院に所属されている方でございます。これの 人件費につきましては国が1/2、都道府県が1/2を補助しているという形になって おります。  院内コーディネーターと呼ばれる方がございます。これは予算措置をきちんとしてい るものでもなく、何らかの制度的な仕組みがあるわけでもありませんが、事実上、病院 の中で移植に関する啓発活動であるとか具体的に臓器の提供があった場合に、ネット ワークあるいは都道府県コーディネーターに連絡をするということでして、斡旋業務そ のものは基本的には行っておりません。この院内コーディネーターは幾つかの県で活発 に活動しているという実態にございます。  アイバンクコーディネーター、これは現在専門委員会の下で作業している眼球アイバ ンク作業班で、このコーディネーターの設置あるいは育成について議論をしていること としておりますが、現在51のアイバンクの中で、4つのバンクにおいて設置をされてお りまして、眼球の提出にかかるあるいは角膜移植にかかる斡旋業務に係わっているもの でございます。  次のページです。こういう方々に対する養成研修につきましては、前回の委員会でも ご説明しましたとおり、臓器移植ネットワークを中心にした養成研修が行われておりま す。一つはコーディネーターを目指す方々を対象にした移植コーディネーター研修を、 座学を中心として三日間程度のものをやっております。ネットワークとしては、実際に コーディネーターとして雇われた後の現任研修を行っているという状況でございますが コーディネーターの養成研修プログラムが他の機関、あるいは厚生省、大学、学会にお いて確立されたものはないというのが現状でございます。  次のページで課題です。こういう状況を踏まえて現在いろいろな関係者の方から様々 なご指摘を受けている状況です。ご指摘を踏まえて事務局で課題を設定したのが6項目 くらいあります。  (1)は、全国的に臓器移植の推進をはかるために、今後、臓器移植のコーディネー ターの整備をどのように図っていくのか、この辺は非常に基本的なところでござい ます。これをご議論いただければと思っております。  (2)は、ネットワークのコーディネーターと都道府県コーディネーターによるコーデ ィネーション業務を、どのように円滑に遂行していくのかという問題でございます。こ れは現状でご説明しましたとおり、斡旋業務につきましてはネットワークのコーディ ネーターと都道府県のコーディネーターが、相まって現在活動している状況でございま す。特に都道府県のコーディネーターにつきましては、職務上の指導監督、あるいは指 揮命令系統が二つに別れてます。つまり日常的な業務につきましては、設置者の指揮命 令系統下で行い、斡旋業務に入りますと、ネットワークの指揮命令系統下に入るという ことで、極めて仕事がやりにくいというご指摘も受けております。  現在、都道府県コーディネーターの職場環境あるいは雇用条件は、必ずしもきちんと したものではありません。例えばネットワークの業務として斡旋業務を行う際に、交通 事故等の事故があった場合の保障が、未確立であるという構造的な問題がありまして、 この辺の解決も図らないといけないというふうに考えております。  (3)は、養成研修システムの体系化ということです。これについても前回の専門委員 会でご議論があったことを踏まえ事務的に少し研究をさせていただいているところ です。  (4)、アイバンク、コーディネーターとの関連です。アイバンクの活動との関連をど うするのかという問題がございます。現在アイバンクコーディネーターの設置について の研究なり議論が行われているわけですが、実際問題として、臓器の摘出があった場合 に、遺族へのご説明を他臓器についてはネットワークが行い、目についてはアイバンク のコーディネーターが行うということになりますと、遺族の方にとっては2回の説明を 受けるということがございまして、実際上はネットワークのコーディネーター、あるい は都道府県のコーディネーターが事実上は行っているというケースも聞いております。 その問題を制度的に整理しないといけないということでございます。これが(4)の問題 意識です。  (5)は、院内コーディネーターについては、今は制度的に確立されたものではござい ませんが、臓器移植にかかる情報が病院の方からネットワークの方に円滑に迅速に上が ってくるということによって、臓器の円滑な提供システムが確立されるだろうというよ うな考え方で、院内コーディネーターの位置づけ、あるいは環境整備についてご検討を いただけないかということです。  (6)は、移植コーディネーターに関する都道府県の関与についてどう考えるのかとい うことです。現在、都道府県コーディネーターにつきましては、都道府県が1/2の人 件費補助を行っております。ただ、都道府県コーディネーターの活動状況なり、あるい は実際の配置状況を見ますと、都道府県の係わりが濃厚なところと、そうではないとこ ろがあります。設置者の考え方によって、かなり活動が活発なところとそうではないと ころと、格差がかなり見られるのではないかと考えています。  ネットワークのコーディネーター、都道府県のコーディネーターの設置状況を5ペー ジに簡単にまとめた表がございます。特に都道府県のコーディネーターにつきましては 資格としては看護婦や看護士の方が34名と圧倒的に多いわけです。実際に現場で看護業 務を行いながら、都道府県コーディネーターとしての職務を果していくという恰好で、 兼務という形で実際に仕事をされている方も何人かいるという状況でございます。  そういうことで幾つかの課題設定を事務局の方でさせていただきましたが、このよう な課題の設定でいいのか、あるいは付け加えるべき問題がないのか、少しご議論をいた だければと思います。 〇黒川委員長  今のような実際のコーディネーターの問題は、コーディネーターは非常に大事な役割 をしますので、今言われたような問題点の整理に従って先生方のご意見を伺いたいと思 います。確かにコーディネーターは重要であるが、フルタイムで仕事をしているという か、いつ呼ばれるか分からないということもあります。関東甲信越でも、そうではない ときには、いろいろな提携病院に普段から出回って説明したりしているのですが、結構 忙しくしてますが、もっと増やしたいと思っているのですが、ネットワーク自身が今は 赤字ですから、何とかしろと言われても、サービスはよくしないといけないがお金がな いというところかなと思っております。  こういうものに興味を持つ人は沢山いると思うので、コーディネーターの研修プログ ラムのようなものですね。今はコーディネーターになってから研修をするということに なってますから、むしろそういうことを終了しましたという人が、大学生でもいいので すか、そういう人が沢山いれば、将来はこういうことをやりたいという人が出たときに その人はその研修が終わっているというのがあれば非常にやりやすいですね。  今いろいろな問題がありましたが、確かに院内にもコーディネーターがいてという話 は前々から出てます。ドナーが出たときに、ドナー側のファミリーに説明をする人もい る。その辺のコーディネーションは一人では大変ですね。いまはアイバンクのコーディ ネーターもいますが、そこだけ目は別に説明するというのは非常に不自然なので、その 辺の全体のレベルアップということもしないといけないのではないかと思います。 〇眞鍋委員  室長からもお話がありましたが、アイバンクの方には今まではコーディネーターがい なかったのです。アメリカの歴史を見てみると、アメリカも同じようなことで、今から 20年くらい前には殆ど日本と変わらなかったのですが、ドナーカードを作って、免許証 の裏にチェックしたらいいということをやって、我々はそれを非常に憧れたりしたこと もあるのですが、その方法では、余り増えなかったのですが、コーディネーター制を導 入してからアメリカは今のように非常に良くなった。それを真似するというか、それを 見習って、日本でも4つのアイバンクで試験的に、自腹を切ってコーディネーターを置 いてやっているところがあるのですが、そういうところはどんどん提供者が増えて、ア メリカのようになるのではないかと思われるほど活躍しているので、是非アイバンクの 方でもアイバンクコーディネーターを作ってやっていきたいと考えています。ワーキン ググループでもどうしたらいいのかということで、準備委員会を作ろうというところま でいっております。  まT、ネットワークのコーディネーターと、いろいろなトラブルが起こっているよう です。ドナーの家族にしたら、ネットワークの方で例えば腎臓を提供した後で、角膜も 提供したいという場合に、何回も同じことを聞かされて、同意書は書面によるものでな いといけないということになっておりますので、非常に家族に迷惑をかけることになり ます。非常に忙しいときに、取り込んでいるときに、組織移植のコーディネーターもき たりすると、三人の人が別々に承諾書をいただくということになると、非常に困るので はないかと思います。是非これは統一してコーディネーターの間で十分に話し合って、 一回にして、ドナーファミリーに対してはあまり負担のないうような方法をとっていた だきたいと思います。 〇野本委員  コーディネーターの問題は、黒川委員長と私が一番頭を悩ましていると思います。考 えてみると幾つかの問題があります。  一つはコーディネーターの諸君にはいろいろな職種がありますが、仕事がしにくい。 環境がよくない。なかなか受け入れてくれない。これに関しては我々も黒川委員長も頑 張っておられるし、私も飛び回って何とか、受ける側にとにかく少し慣れてくれといっ てます。慣れてないところでは、なぜ病院外の人間がちょろちょろするのかというリア クションまでありますのでね。これは我々リーダー、ここに座る人達の責任であると私 は考えております。  ちょっと恥ずかしながら倒れていたので、今月からもう一回やり直すのですが、都道 府県にいって、今度は、都道府県単位で提供施設の病院の人達と、今週からもう一回再 開します。今月は石川県にいって長崎にいって、次は福岡でもやります。このようにし て、とにかく地域で働いてくれるコーディネーターが、社会のために働いているのだか ら受け入れてほしいということを、我々のように、直接コーディネーターをする人間で ない、周辺の人間が弁護し、依頼をする、という対応を示さないといけない。現場では 一所懸命やるから、よけいに押しつけがましいとかししゃり出るとかというイメージに までとられそうなので、それは我々の役割であると考えております。  問題は多いのですが、もう一つです。提供の事例が少ないために、トレーニングがで きないのです。こういう非常に難しい職種ですから、命のスレスレの問題、ないしは終 わった終端場の中で、体験しながら鍛えられていく。対応の仕方も身につけるというこ とですが、本当の意味の修練の場がないために、良い若い人達をコーディネーターの新 人として採りましても、それが成長するどころか、仕事がないとだれてくるのです。却 って質が悪くなるのです。これに関しては、この間も厚生省の方々と話をしたのですが 幾つかの場所を実験戦場のように設定して、未来型のタイプにして、全国共通で平等に レベルアップするということは必要ですが、特に一所懸命やってくれているところは、 少し厚手に我々がバックアップして、そこでトレーニングをしてもらう場所を全国に何 箇所か作ってみたい。  そうしないと、何度新人のコーディネーターを採用しても、鍛えられるチャンスがな い。全国共通に鍛えられるようなレベルにまで達するのを待つと、今度はコーディネー ターの教育ができない。そういう場合を作ることが必要ではないかと考えています。  3つ目です。一番深刻です。今まである程度エスタブリッシュしたレベルのコーディ ネーターの諸君は、以前はそれぞれの移植外科医の秘書的立場で仕事をしていたの です。すると大体勇ましい外科の先生のいろいろなボス支配のものを見習ってまして、 それの尻尾を未だに引いてます。コーディネーターというのは、これほどパブリックな 仕事はないと思います。個人に所属して個人のスタイルで動くのではなくて、きわめて パブリックであり、常に社会全体を見据えながらでないといけないという仕事ですが、 今やっているリーダーの人は、例外の人が何人かいるのは唯一の救いですが、かなりの 人が、自分がついていた移植外科医の先生の行動パターンを身につけてしまっている。 するとあっちこっちで皆が必ずしも納得してくれないという問題があります。  こいつはどうやって再教育が可能なのかということで、今悩んでおります。この問題 は最初の二つの仕事がやりにくい、社会環境というのは我々リーダーの役割ですから、 リーダーが働かないといけないので、まだ対応できますし、事例の少ない物件に対して は事例の多いところを一つの実験戦場にして、そこで鍛えてもらうということで、何と か凌げるのですが、従来からやってくれているが、なにも悪意はないのですが、つい昔 流の移植、どこかの教室が、うちの教室が一番の成績を上げるために君が働け、という 雰囲気の中で再教育が可能かという悩みもあります。これが一番難しい気がしてます。 〇黒川委員長  実際にそういう悩みが多いと思います。事務局では非常によく論点の整理をされてい るので、次回にもうちょっと整理されて、こういうことを立ち上げたらどうかという具 体的な案を出していただきたい。例えば、学生でもいいし、コーディネーターの研修 コースを作ってもいい。実際に病院の見学とか、そういう話を入れながら終了した、終 了している人が、もし興味があれば、ブロックなり都道府県のコーディネーターの職が あるときに、アプライする。勿論、そういう資格をもって他の仕事をしても一行に差し 支えないわけですが、そういう話をして、コーディネーターに対する興味をもっと広げ るという意味もあるし、クオリティコントロールをある程度できるようにするという話 も考えているので、その方がいいのではないかと思います。 〇野本委員  それがいいと思います。といいますのは、医療関係の職種で我々MDよりもきつい職 種であると思うのです。ですからそれの適正の人というのは、益々狭められてくると思 うのです。幅広い候補者の中から本当に一生コーディネーターをする人は名乗り出てほ しいし、我々もサポートしていくという体制でないと、なかなかやれない。  私は医学部を出て外科もやっておりましたが、コーディネーターをできるかといわれ ると自信がないです。それくらい難しいので、適正も含めて幅広くソースを確保し、そ の中から委員長かおっしゃられた話をぜひやってほしいと思います。 〇黒川委員長  そういう案も少し作っていただいて、次回に先生方に提示していただこうと思い ます。これでよろしいでしょうか。ありがとうございました。  では腎移植の実施状況です。腎移植は従来の角腎法についても行われておりましたが 現在は年間では、初年度が161 、2年度が180 、3年目が166 ということで実施されて ます。移植の希望者は14,000人くらい更新されております。この辺についてまだ都道府 県への情報の出方、ドナーの出方というのがありますので、これについて事務局からご 説明お願いします。 〇朝浦室長  腎移植の実施状況につきましては、専門委員会で大雑把な統計の報告などをさせてい ただいておりましたが、今日は細かい数字をご説明させていただきたいと思います。  腎移植をする際のレシピエント基準というのは、現在のネットワークにおいて決まっ てまして、基本的には全国シッピングという形になってます。参考のところでも書いて ございますが、当初は各地の腎バンクを介して、県内の腎移植医療機関に提供されてお ったということです。  その後、全国のネットワーク化がされまして、平成7年4月からは全国で統一的にレ シピエント登録を行って、レシピエント選択基準に基づいて選択を行っているという状 況でございます。  選択基準は次のページの参考の1です。これまでの腎移植の年次別の状況が4ページ に表で出でおります。平成元年に死体腎の移植の件数が一番多いわけです。261 件を数 えておりましたが、それ以降、逓減をしておりまして、平成7年から全国一元化という ことで進めておりますが、それ以降は横ばい状態ということでございます。  参考3の5ページです。腎の摘出状況でございます。摘出状況につきましては都道府 県に格差がございます。人口100 万人当たりの腎提供数が一番右の欄に書いてございま す。それにかなりの格差があります。例えば多いところは愛知県の20.7人、沖縄県の 17.2人から0というところまであるということです。  次のページです。摘出腎数と県外の移出入腎数の差を見たものでございます。例えば 愛知県は過去3年間の統計でみますと、マイナス58です。これは58が外に出ているとい うことです。同じブロック内でいいますと、富山、石川、三重が14とか12とかがプラス になっているという状況でございます。  次のページは移植希望登録者、あるいは人工透析患者の状況と移植件数を並べただけ のものでございます。東京が登録希望者数が1,310 名で移植件数が54です。愛知県は 1,064 名で移植件数が75です。大阪は2,018 名で移植件数が48ということです。希望者 が多いところが多く移植を受けているという傾向なのかなという感じがしております。  因みに全国的にみますと、人工透析の患者さんの数が175,000 人ということです。こ れも高齢化によってどんどん増えてきているわけですが、その内、移植を希望される患 者さんの数は、ちょっと古い数字ですが15,000人くらいいるということで、大体、人工 透析を受けている方の9%くらいの方が、移植を希望されているという状況にございま す。以上でございます。 〇黒川委員長  ありがとうございました。いかがでしょうか。これを見てみると、特に顕著なバラン スの問題と、関東甲信越も12月1月と全部で20件近くの移植が行われていて、12月と1 月でぐぐとまた情報が増えてます。  6ページを見ると例えば透析患者さんの中でどれだけ%がレジスターしているのかと いうことになると、勿論絶対数もそうですが、そうなると移植の機会が多いのですが、 例えば、中部ブロックは愛知県が出すばかりで、他は貰うばかりという恰好になってま す。富山、石川がプラス14で、愛知はマイナス56、三重がプラス12ですね。これは元々 愛知県では腎臓の移植をしようという今までの長い歴史があって、非常に協力的に皆が やっていたわけです。それが今度は一つのブロックになったので、専ら出るばかりで、 似たような努力を受けている側の方で、少しやってくれないと、段々名古屋かハッピー ではない、今まで一所懸命作ってきたのにというのが当然出てくるわけです。これは愛 知県を見ると、透析患者さんの11.5%が移植を希望しているというのは、現場でそうい うものを見ている機会が多いからだと思うのです。ところが出るにも係わらず受けられ ない。上に富山と石川の透析患者の希望登録を見ると、13とか16%と増えてきている。 これは回りが移植を受けた人が多いからかなという気がするのですが、でも出すのは全 然出てこないというアンバランスがあるのではないかと思います。  千葉県はなぜかマイナス12となって、どんどん出るのですが、千葉県は透析患者の中 の移植を希望している人は7.7 %と比較的低いものですから、出るのだがなかなか千葉 に来ないということになってます。  新潟は透析の患者さんも多いが、14.9%が登録しているのですが、今はプラス9だか らこれは、回りに見ている人がいますから、増えているのだろうが、情報がなかなか出 てこないという、アンバランスをどうしたらいいのかということで、先生方のご意見を いただきたいです。 〇井形委員  今日は大島先生が見えると思って何も準備してきませんでした。今、黒川先生がおっ しゃってくださった通りに、愛知県に私はいるわけです、愛知県は腎臓財団が前から、 県内の人をこういう人を救えということで、県費もつぎ込んで営々と努力した結果、全 国一の腎移植の先進県になっていたわけです。  ネットワークの論理からいうと、当然出たものは全国で公平にということで、それは 私もそれに反対するものではないのですが、現実に一所懸命努力したものが、半数近く が県外にシッピングすることによって、現実にドナーが出るムードが冷めてきたの です。このことは新聞にも出ました。このまま放置すると、そのままどんどん愛知県が 減っていくということが起こりうる。  そこでネットワークには愛知県の腎臓財団からお願いの文書が出ているのです。今日 もできたらここで議論をしていただきたいのです。私としては、地域にこだわって、う ちが出しているのだから全部うちだということになると、これはまたネットワークの原 則に反することですが、しかしあまりにもシッピングが多いことは、若干是正措置を講 じていただかないと、愛知県の腎臓移植が全く0になるという問題が現実にあるわけで す。  そこでネットワークの方でも議論していただくつもりですが、ここでもお願い します。特に愛知県だけが目立っているわけです。  それで愛知県はレシピエントになる人が少ないのかというと、そうではないのです。 レシピエントになる人も非常に多い、しかしそれは指をくわえてる。だから望むべくは 他府県も愛知県だけにおんぶするのはあれだから、少しドナーを出す努力をしましょう といっていただけるのが一番いいのですが、しかし僕等がそれを強制することではない わけですね。ただ、あまりにも県外へのシッピングが多いときの便宜的な措置を、何ら か考えていただきたいと思います。  私は当事者ではないのですが、愛知県にいる関係で、要望書を出すときには事前にご 相談を受けましたし、私もそういう立場にたってお願いするという立場を取りました。 〇黒川委員長  いかがでしょうか。公平公正なシッピングというのは、それぞれが一緒に同じように 努力をするという話がないことには、全然意味がないわけですね。それをどうもってい くのかということですね。今先生がおっしゃったように、今まで愛知県が県全体として すごく努力していた。最初はやっているが、パートナーが同じような努力をしてくれな いのでは、冷めてしまって、皆が意気消沈してくると困りますよね。 〇野本委員  それの実例は、長崎が既にその状況です。私は1988年に日本中でいろいろなことをや ったときでは、とにかく長崎は県民助け合い運動してこれをやっていたのです。だから 県民のためというのがないと、県知事の政治的な動きでは全くなく、県民という一般市 民がそれをいうのです。これは私たちはそういう気持ちでやっているので、それを全部 無視されると、という話があるのですが、この18日に恐らく厚生省の眞鍋係長とかが一 緒に来てくれると思うのですが、長崎に行くときも、それで私はやられると思うの です。今、長崎は減ってますが、もっと元のように活性化しろというのであれば、県民 助け合いという色彩を、何らかの形で入れてほしい、というのを一番問い詰められるだ ろうと覚悟しております。軽薄に答えられる問題ではなく、うにゃうにゃとしか答えよ うがないのですがね。 〇黒川委員長  確かに地方自治体としては、そういうのは当然ですね。相手が一所懸命努力してない のか、という気持ちになるのは当然ですよね。でも差し当たり来ているからいいかなと いうので、リラックスしているところがあるのでは困るわけですね。そうなると、今先 生がおっしゃったように、都道府県が係わった腎バンクの歴史などがあると、当然にま ず県民にプライオリティをあげてくれという話が出てくるのは自然の流れかも知れませ んね。県民を越えて、次にブロックにいって、6マッチは全国という話なのかなという のもやむを得ないのかも知れない。  こういう情報というか、こういうアンバランスの情報が、医療供給者だけではなく、 行政の方にも上がっているのかしらという話はどうしましょうか。それはそっちがやっ た方がいいのではないですか。 〇朝浦室長  県のですか。そうですね。全国の都道府県の担当の部長さんとか課長さんを集めた会 議もございまして、その中でこういう資料も提供していくこともできると思います。こ の辺の状況も事実ですので、逐一情報提供したいと思っております。 〇黒川委員長  県民としてのキャンペーンなどの話もしていただけるといいですね。その時に県民の ためにということを優先するのか、うちの県はこの程度だからもっと頑張ろうといって いくのか、愛知県などは最初からずーとそれをいってますから、段々こうなってマイナ ス58などになると、県民優先を少し許してよという声が出てくるのは当然ですよね。 〇山谷委員  先程のコーディネーターの件もそうだったのですが、野本委員が各県を行脚している なんて、そういうことをしているのかと驚いたのですが、ぜひ、全国会議でおっしゃら れる場合は、コーディネーターとかそれぞれの医療機関の温度の差とか、それぞれの県 の財団の具体的な動きとか、ライオンズとかロータリーが支援している場合もあるわけ ですから、ぜひ、町の人々が具体的にどう動いて、こういう数字になっているのだとい うことまでしていただかないと、きっとペーパーをもらってもやりたくないというので 現場に戻ってもやらないと思いますので、ぜひ人の動きがわかるような情報の伝え方を していただきたいと思います。 〇谷川委員  この透析の数と腎移植の希望者、これは9人に1人しか希望しない。これは実際には 外国ではどのくらいの%なのか、透析している人のどのくらいが移植の適応になってい るのかという基本的なことを教えてください。 〇黒川委員長  それはちょっとわかりませんが、各都道府県で透析の患者がポピュレーションベース で極めて違っているというデータは、今のところはないと思います。透析学会は毎年 データを出してます。するとその中で移植を希望する人の%は、年次ごとに追うといい かも知れませんね。非常に新潟とかで増えているのは、新潟で移植があったからそれを 見ているという可能性もありますし、新潟の場合には、特に新潟大学とかを中心にして 非常に血液透析では伝統があって、6マッチでもらった人が1年目であったのですが、 20年透析をやっている人が6マッチだったから貰ったのです。そうしたらすごくよくな って、お医者さんも患者さんも非常に喜んだということが影響しているのかも知れ ない。だからいろいろなファクターがあるので、年次でどうなっていったのか、もらっ たのが増えるにしたがって段々増えていくのか。それはわかりませんがね。 〇谷川委員  腎臓を移植したらとても良かったということを皆に提供するのかということと、もう 一つはこれは日本の移植が進まないことの基本的なことは、腎臓の移植も上手くあまり いってないということですが、学生の時代から、あるいは医局員が自分の患者が亡くな ったら、亡くなった時点で腎臓を提供する意思があるかどうかを聞くくらいまでに普及 しないと、なかなか進まないので、その辺の基本的なことも考えないといけないのかも 知れませんね。だが、いずれにしても日本では聞くところによると、透析の患者が凄く 多いから、腎移植をしなくてもいいという話になってしまうと、それも問題で、その辺 のバランスですね。腎移植をするととてもいいという運動を、もう少し普及してもらう ということも重要ではないかと思います。 〇黒川委員長  実際に透析医療のうちの1/4が10年以上透析を受けている人で、新規の患者さんも 毎年3万人入ってきますが、65歳以上が40%を越えたのです。糖尿病がどんどん増えて いるのですがね。でも今は14,000人いて、このネットワークができて、全部で毎年200 弱ですから、登録したところで25年から50年に1回のチャンスかなというふうに単純計 算するとそうなります。むしろ25人から50人に1人と思えばもっといいのかなという言 い方もあると思います。  先生がおっしゃるように、腎臓の移植というのは数のベースが多いですから、しかも 脳死でなくてもいいということになれば、これが増えないと、なかなか一般の人の中に 移植医療の良さは実感されませんよね。それは透析学会その他としょっちゅう話し合い をしているのですが、何かのキャンペーンはぜひ必要だと思います。ありがとうござい ます。  この辺をもう少し検討して、井形先生のおっしゃることも全く無理のないことなので これがネガティブに足を引っ張っていかないことをせざるを得ないでしょうね。 〇井形委員  玉虫色の解決はね。 〇黒川委員長  わかりました。引き続き検討していただくということで、配分のルールにしてもそう いうことを考えたいと思います。  最後です。角膜以外の眼球組織の利用ということです。  角膜移植については以前から行われております。眼球の提供は角膜のためであると皆 さん思っているわけです。角膜のときには眞鍋先生がおっしゃったのですが、その時に 目を取らなくても、角膜だけ取ればいいのではないかという方法も確かに最近は出てき ているというふうにいっておられますが、実は強膜の移植というのは、既に臨床応用も されているわけです。眼球をいただいたときに角膜移植ということもありますが、実は 強膜も使いたいというのがあります。強膜を視野におく必要が今からあるのでは ないか。  角膜移植というのは眼球は角膜しか取らないのかなと思っているのは、実はそういで はないということもないわけではないので、事務局から資料のご説明をお願いします。 〇朝浦室長  資料4に基づきましてご説明させていただきます。まず眼球の構造がどうなっている のかということです。3ページです。眼球は絵に出てますように、角膜や硝子体あるい は水晶体、網膜、強膜、神経等からなっておるものでございます。これまでは、この中 の角膜につきまして、角膜移植の流れがずーと来ておりまして、それ以外の眼球からの 組織の移植を想定をしていなかったということだと思います。  元のページに戻っていただきます。表に出てますように、実は角膜移植というものは 現在は移植件数の総数が34,386件で、保険点数も角膜移植術そのものと角膜そのものに 材料費として保険適用がされてます。  強膜移植につきましては、主な適用症は外傷でありますが、実は保険適用が昭和62年 か63年頃にされております。これは恐らくいろいろなところから取られた強膜が移植を されているということだと思います。網膜移植については、網膜色素変性症の方が適応 症になるのですが、現在日本においては実施例がないということで、当然保険適用がな いという状況です。  ただこれから角膜だけではなく強膜移植についても、今後の移植医療の推進の向上と いうか、医術の進歩によっていろいろなことが考えられると思いますので、このような ものも視野に入れて、今後こういう眼球の組織の利用について、広く検討していく必要 があるのではないかと考えております。 〇黒川委員長  眞鍋先生お願いします。 〇眞鍋委員  前にもここの席で私は強膜移植のことをちょっとお願いしたことがあると思います。 角膜移植に関する法律ができるずーと前から、強膜移植というのが行われてました。そ れは病理組織、あるいは篤志解剖の人からが大部分であったと思います。強膜を移植す るということで、角膜移植よりも前から行われていたような気がします。  角膜移植の法律ができますと、角膜移植のために死体損壊罪を免れるという形の法律 がですので、角膜移植のために眼球を死体から取った場合には、他の目的には使っては ならない、しかも罰則まで決められておりますので使えなくなってしまったのです。  それで仕方ないからというので、脳硬膜を使った代用品でやっておりますと、脳硬膜 もどうもクロイツフェルド・ヤコブ病ということがあるので、あまり良くないというこ とになって、困っております。強膜欠損は実際に外傷のときに突発で起こることもある のですが、一番よく起こるのはリュウマチです。  リュウマチは未だによく分からない病気で、なかなか重症の人が多いのですが、リュ ウマチで強膜が溶けてきます。それでなくなってしまって眼球が潰れてしまうという非 常に重篤な状況になるのです。それを助けるのは強膜しかないというわけで、使わなか った眼球を焼いてしまうのであれば、使わせてほしいということを何回もいうのですが 今の法律の下では、角膜移植のために提供された眼球の他の組織を使うわけにはいかな いということです。組織移植研究会でも、是非、組織として、角膜以外の眼球組織を使 うことができないかということで、一緒に研究させてもらっているのですが、これは角 膜に関する法律、または臓器移植法を少し運用面で変えていただかないと、実際には法 律上はできないのではないかという感じがしますので、是非、議論していただきたいと 思います。 〇朝浦室長  法律上の規定ぶりが参考資料の2ページに出てます。従来角膜の移植に関する法律や 角膜及び腎臓の移植に関する法律につきましては、角膜移植術に使用されるための眼球 という規定がございました。平成9年にできました現在の臓器移植法を見てみますと、 実は、角膜移植術に使用されるという限定が外されておりまして、必ずしも角膜移植術 に限らなくてもいいのではないか、という読み方もできるのではないかと思っておりま す。この辺は十分に立法過程であるとか、あるいは法律の解釈とか、あるいは実際に行 われている移植の実際を勘案しながら、研究しないといけないと思っておりまして、事 務局でも、そのようなところはいろいろなところに聞きながらつめていきたいと考えて おります。 〇黒川委員長  法律的な問題についてはまた整備していただくことにします。前回、先生方も覚えて いらっしゃると思いますが、アイバンクについての現状、アイバンクでの希望者のわり には非常に少ない。アメリカではすごく多くて捨てられてしまう目もあるという話であ ったので、それについての課題について眞鍋先生たちに入っていただいて、眼球アイバ ンク作業班を、お手元に参考資料1というのがありますので、この委員会に引き続いて これのことも含めて検討していただくのが一番いいのではないかと思います。いかがで しょうか。ではこれも含めて検討していただいて、法律上の問題は事務局とつめてこち らに報告していただいたらと思います。そういうことにさせていただいてよろしいです か。ありがとうございました。ではアイバンクについていろいろな問題があると思いま すが、この辺を整理してすっきりさせたいと思います。  本日用意した議題は以上です。事務局の方から、他の話とかありますか。 〇朝浦室長  では参考資料についてご説明したいと思います。ただいまご説明が話の中にで ました。眼球アイバンク作業班を立ち上げました。既に1月27日に第一回目の作業班を 開催させていただいております。感染症などの安全性の問題について、どのように考え るのかという議論をしております。また次回は2月24日を予定しておるところです。  参考資料の2です。ガイドライン上の4類型に該当する施設一覧を配付させていただ いております。これは、臓器の提供の可能施設で、ガイドライン上の4類型の施設に該 当すれば、臓器提供施設になれるということで、昨年の6月にこの専門委員会でご議論 いただいて、提供施設の類型を拡大したわけです。その後、大学病院の分院につきまし て、分院はかなり幅広くて、救急医療の面で十分に体制が整っていないようなところも 中にはございますので、それを提供可能施設に入れるのはいかがなものかということで 分院につきましては、直接厚生省の方からアンケート調査をしまして、その施設がこの 類型に該当するのかどうかの回答をいただきまして、それに該当しないと答えていただ いたところは外させていただいたのがこのリストです。  全国で353 施設となっております。この内、実際に倫理委員会等を開いて施設として 臓器提供ができるというところにつきましては、昨年の10月1日現在では168 施設にな ってございます。その後また体制整備をして、提供施設となれるというところも幾つか 出てきていると思いますが、その数については、今のところは調査をかけておりません ので、また機会をみて調査をしたいと考えております。  臓器提供シールにつきましてです。運転免許証についは1月10日から運転免許セン ターや警察署に置いていただいております。被保険者証は健康保険組合からはじめさせ ていただいておりまして、1,800 ある保険者のうち、500 保険者から申込みがあって、 240 万枚くらいの希望がきているということです。  国民健康保険につきましては、今年の4月以降の被保険者証の書換えというか再交付 のときに一緒に送っていただくということでアンケートをとっておりまして、今のとこ ろは800 万枚くらいの要望があると聞いております。  現在のところは健康保険組合、国保というものを中心に進めさせていただいておりま すが、今後引き続き共済組合にも声をかけて、できるだけ医療保険の保険者の立場でご 協力いただけるようにしたいと思います。  中小企業を中心とした政府管掌健康保険につきましても、協力依頼をしておりまして 政管健保の方は各地にある社会保険事務所にシールを配置していただいているところで す。以上です。 〇黒川委員長   ありがとうございました。何かご質問はございませんか。 〇大久保委員  保険証に関しては大体わかったのですか、免許証の方で実は印刷の方ですが、数は最 初は30万枚刷られて、その後で60万枚刷ると伺っていたのですが、実は大阪府の担当の 方からもシールが殆どないということで配付ができないということですが、今の印刷の 状況はどうなっているのでしょうか。 〇成瀬補佐  最初は確か30万枚印刷しまして、その後で、今は30万枚印刷をしている最中でござい ます。合計60万枚を今年度考えてますということです。来年度はこれから相談しないと いけない部分がありますが、とりあえず今年度印刷する分が60万枚です。各都道府県さ んの方から追加の要望が来ておりますので、印刷が出来次第、うちの方は出来るかぎり 配付したいと考えているという答えをしております。 〇谷川委員   これにサインをしてあれば有効ということでよろしいのですか。 〇朝浦室長  その理解で結構です。 〇黒川委員長  これとドナーカードでなくてもなんでもいいので、意思をはっきり出していればいい わけです。実はこの間そういう人があって、ご夫婦で両方で話し合って、両方でサイン した、両方もサインしているという実際にそういうドナーの情報があったのです。とこ ろが、123のところに〇をつけてなかったのです。このカードが不備でも、日記など に書いてあればいいという話です。そういうのがなかったということで、これは駄目だ ったのですが、このカードがオーソライズされたものではなく、何でもいいのですが、 簡単にするためにこのカードを普及させているのだという話を、ぜひ大久保委員もそう ですが、皆さんにその辺を理解してもらうのが凄く大事だと思います。それもあったの で、ご夫婦で話し合ってちゃんとしていて奥さんもいいといっているのだがという話で したが、このカードで判断する限りではまずいということで、だから他に何かありませ んかという話はしたのですが、非常に難しいなと思いました。  よろしいでしょうか。では事務局から次の予定とかがありましたらお願いします。 〇朝浦室長  今日のご議論を踏まえて幾つかの宿題もいただきました。また次回の日程につきまし ては再調整をさせていただきたいと思います。 〇黒川委員長  ありがとうございました。                                   −終了−  問い合わせ先  厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室     担 当  山本(内2361)、眞鍋(内2364)     電 話 (代)03−3503−1711