99/02/01 公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録 公衆衛生審議会精神保健福祉部会 議 事 録 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課 議 事 次 第  日  時  平成11年2月1日(月) 15:00〜17:00  場  所  キャッスル9階会議室  議事次第   1 開 会   2 議 事    (1)部会長の選任及び部会長代理の指名について    (2)精神保健福祉指定医に関する専門委員会について    (3)公衆衛生審議会精神保健福祉部会の会議の公開について    (4)精神病床のあり方について   3 閉 会 〔出席委員〕   高 橋 部会長   北 川 委 員  浅 井 委 員  阿 彦 委 員  生 田 委 員   伊 藤 委 員  大 熊 委 員  河 ア 委 員  吉 川 委 員   窪 田 委 員  佐 野 委 員  白 倉 委 員  仙 波 委 員   冨 永 委 員  西 島 委 員  新 田 委 員  牧野田 委 員   谷 中 委 員  吉 澤 委 員 ○三觜課長  本日はご多忙の中、ご出席をいただきましてまことにありがとうございます。私、精 神保健福祉課長の三觜でございます。部会長が選出されるまでの間、議事の進行を務め させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず、初めにに、今田障害保健福祉部長からごあいさつを申し上げます。 ○今田部長  皆さんこんにちは。ご紹介をいただきました障害保健福祉部長の今田でございます。 どうぞよろしくお願いいたします。  きょうは公衆衛生審議会の委員として、皆様方におかれましては再任あるいは新任に 当たりまして快くお引き受けいただきまして改めてお礼を申し上げたいと思います。  ご承知のように精神保健福祉に係ります課題につきましては、先生方日ごろからご尽 力をいただいておりましてまことにありがとうございます。精神疾患を持っていらっし ゃる方々210万といったデータもございますように、人口の1.7%、2%近い方々 が精神と深くかかわるという意味では身体疾患にも決して劣らない重要な課題だという ふうに私ども認識しているわけでありますが、そういうこともございますし、また現状 における問題といたしましても、障害者の方々の福祉の充実に対する期待でありますと か、あるいは医療における期待、そういったものが大変うたわれている状況にあるわけ でありますし、それらに対して適切なご意見を賜ります当審議会の役割というのは大変 重要なものと認識をいたしております。  特に最近といいますか、このたび、前この審議会のメンバーの皆さん方から精神保健 福祉法の見直しに関します意見具申をいただいたところでありますし、これも本当に1 年以上にわたりましてご議論をいただいて、ようやく今日に至りまして、いよいよこれ を踏まえて法案としてどのように組み立てていくかということが私たちに任せられた課 題と認識をいたしております。したがいまして、今後これを法案として具体化する過程 において、また皆様方にお諮りする機会が近々あるわけでございますので、その節には またよろしくご意見を賜りたいと思います。  これと併せまして、この審議会にも企画分科会を設けていただいて、特に3障害、つ まり身体障害、知的障害、精神障害、3障害に係ります共通の課題につきましても、こ としの1月に各審議会から委員を出していただきまして合同で議論を進めた結果、先般 社会福祉基礎構造改革の1つの大きな柱でもございます措置制度の見直しを中心として のご議論をいただいております。これにつきましても現在社会局の方で、社会福祉基礎 構造改革を具体的に社会福祉事業法の改正という形でどのように進めたらいいのかとい う点においてご意見を踏まえて今検討が進められております。これにつきましても、で きれば法案として出したいという意向でもありますが、ただ、私ども措置制度というの は、精神障害の措置入院とは違いまして、福祉の措置制度といいますものは、これまで 50年間営々と積み重ねた点が多々ございまして、現実にこれを変えるとなるといろん な問題がございますので、それらをどう解決するかという出口も議論した上でないと具 体化できないという状況にはございますけれども、いずれにしてもひいては精神障害者 の福祉にも深くかかわる重要な課題ということでございますので、これらの検討も進め ている状況にございます。  それから、もう一つ関係ございますのが医療法との関係であります。これも医療審議 会の方で、急性、慢性に分けた議論が行われておりますが、その中で精神障害者のかか る医療のあり方ということで現在の特例をどのように改善していけばいいかという点も 議論しなければならないわけでありますが、何はともあれ医療法の方がどうなるかとい う点についてまだ議論が白熱している状況にございますし、そういった動向を見据えた 上での対応ということにもならざるを得ないわけでありますので、こられの動向も逐次 ご報告できるようになればご報告をしながら、今後の精神医療のあり方についてもご検 討いただきたいとこのように思っております。  幾つかの課題ございますけれども、そういう中で、また改めてこれから2年間委員の 皆様方にこれからの精神保健福祉について貴重なるご意見を賜るということになります ので、その辺の流れも十分お酌み取りいただきまして、積極的なご意見をまとめていた だけるようになればということを心からお願いを申し上げまして、簡単ではございます けれども、お礼の言葉にかえさせていただきます。  これからもどうぞよろしくお願いをいたします。 ○三觜課長  引き続きまして、私どもの職員を紹介させていただきます。  部長の左隣が遠藤企画課長でございます。  内藤社会復帰対策指導官でございます。  中村課長補佐でございます。  杉中課長補佐でございます。  引き続きまして、当部会は23名の委員で構成されておりますが、初めてのことでご ざいますので、委員の皆様方をご紹介させていただきたいと思います。お手元に部会名 簿がございます。アイウエオ順に紹介をさせていただきたいと思います。  浅井委員。  阿彦委員。  生田委員はちょっと遅れると聞いております。  池原委員はきょうは欠席でございます。  伊藤委員。  大熊委員。  北川委員。  吉川委員。  木下委員はきょうはご欠席でございます。  窪田委員。  小西委員はきょうはご欠席でございます。  佐野委員。  白倉委員は遅れると聞いております。  仙波委員。  高杉委員はきょうは御欠席でございます。  高橋委員。  冨永委員。  西島委員。  新田委員。  牧野田委員。  谷中委員。  吉澤委員。  そのほか、本日付で、公衆衛生審議会の専門委員といたしまして、日本精神病院協会 の河ア会長が就任されておりますのでご紹介申し上げます。  以上でございます。  それでは、部会長の選出をお願いしたいと思います。公衆衛生審議会令第5条第3項 の規定によりますと、「部会長はその部会に属する委員の互選によってこれを定める」 となっておりますが、いかが取り計らいましょうか。 ○仙波委員  はい。 ○三觜課長  仙波委員。 ○仙波委員  高橋委員を部会長に推薦したいと思いますが、いかがでしょうか。 ○三觜課長  ただいま、仙波委員から高橋委員に部会長をお願いしたらどうかというご発言があり ましたが、いかがいたしましょう。                  (拍 手) ○三觜課長  全員ご賛同と考えます。  それでは、本部会の部会長に高橋委員をお願いしたいと思います。なお、これからの 議事運営につきましては、高橋委員にお願いいたします。 ○部会長  国立精神・神経センターの高橋でございます。精神保健福祉部会の部会長という大変 重い役をお引き受けすることになりました。どうぞ、よろしくお願いいたします。 当 部会は“精神保健福祉”という極めて重要な事項について検討する会でございますが、 委員の先生方のご協力を得まして円滑に進めていきたいと思いますので、重ねてよろし くお願いいたします。  それでは、引き続き議事に入りたいと思いますが、公衆衛生審議会で、第5条第5項 によって準用されます第3条4項の「部会長に事故があるときは、あらかじめ部会長の 指名する委員がその職務を代理する」という規定がございます。そこで部会長代理を指 名させていただきたいと思いますが、北川委員にお願いしたいと思いますが、いかがで ございましょうか。                  (拍 手) ○部会長  それでは、北川委員、部会長代理の席にお移りいただけますでしょうか。 ○北川委員  北川でございます。突然のご指名で本当にお役に立てるかどうか、ちょっと不安では ございますが、せっかくのご指名でございますので、部会長を補佐しながら一生懸命皆 様方のご意見の取りまとめ役をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたし ます。 ○部会長  それでは、次の議事に入ります前に、事務局の方から本日の配布資料の確認をお願い したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○中村補佐  それでは本日の配布資料の確認をさせていただきたいと思います。  資料1から資料12、それと参考資料を添付してございます。  資料1につきましては、「公衆衛生審議会の公開について」、  資料2につきましては、「精神保健福祉部会の公開について」、  資料3は「精神保健福祉法部会の会議の公開について(案)」でございます。  資料4につきましては、「精神保健指定医に関する専門委員会について」でございま す。資料5から資料12につきましては、精神病床関係の資料でございますが、  資料5が「精神病床等のあり方に関する検討について」、  資料6が「精神病床等のあり方に関する検討部会報告書概要」でございます。  資料7がその報告書本体ということでございます。  資料8が「精神病床にかかる人員配置および施設基準」、これは1枚ものでございま す。資料9が「医療法等(病院の法定人員及び施設の基準等)抜粋)の資料でございま す。資料10が「現行の法制度の位置付について」、  資料11が「精神病院の建築基準について」でございます。  資料12が「診療報酬上定められている施設基準(各通知病棟面積関係部分抜粋)」 でございます。  参考資料といたしまして、「精神保健福祉施策の概要」、また、平成11年度の予算 の概要について添付させていただいております。以上でございます。ご確認いただけれ ばと思います。 ○部会長  どうもありがとうございました。ご確認いただけましたでしょうか。よろしゅうござ いますね。  それでは、議事に入りたいと思います。  当部会に設置してございます専門委員会について、これを事務局の方からご説明お願 いいたします。 ○中村補佐  それでは、まず資料4をごらんいただきたいと思います。「精神保健指定医に関する 専門委員会について」ということでございますが、当専門委員会につきましては、精神 保健指定医の指定及び指定の取り消しについての審査を行うために、当部会に置くもの でございます。これはそこの参考のところにございますように、精神保健及び精神障害 者福祉に関する法律第18条の3項になりますけれども、「厚生大臣は、第1項第3号 に規定する精神障害及びその診断又は治療に従事した経験の程度を定めようとするとき 同項の規定により指定医の指定をしようとするとき又は前項の規定により指定医の指定 をしないものとするときは、あらかじめ、公衆衛生審議会の意見を聴かなければならな い」ということで、この専門委員会が組織されているものでございます。  資料の3枚目をおめくりいただきたいと思いますが、「精神保健指定医の審査フロー チャート」というところでございます。番号を順に追っていただきたいと思いますが、 申請者、これは指定医となろうとするものでありますが、この申請者が申請を都道府県 を通じて厚生省の方に行う。この申請書を各専門委員の先生方に審査というか、ごらん いただきまして、それを取りまとめるというか、全体を「精神保健指定医に関する専門 委員会」と下から2つ目の四角いところに囲ってございますが、ここでご審査いただく ということになります。ここに「9月及び3月に開催」となっておりますが、指定医の レポートを出すという締切りが6月と12月ということで、それぞれ期限までに出され たものについて、この専門委員会でご審議いただくという構造になっております。  その提出していただいたレポート・申請書について、12月の分については3月、6 月の分については9月に専門委員会を開催し、意見がまとまり次第当部会にお諮りして ご意見をいただくという組織になっているものでございます。  1枚戻っていただきまして、2枚目をごらんいただきますと、ここに指定医の職務と して整理したものでございますけれども、ご案内のとおり、今、一般的な職務として任 意入院の退院制限及び措置入院患者の措置症状の消失の判定。また、医療保護入院及び 応急入院の判定等、記載の職務があるわけでございます。  また、公務員の職務といたしまして、措置入院及び緊急措置入院の判定、措置入院解 除の判定、精神病院に対する立入検査、質問及び診療等の記載の職務を担うと、こうい った大変重要な職務がございますので、その指定に当たっては下のマルにございますが 1から4の要件を満たしたものということで指定されるわけでございます。これについ て、この専門委員会で、指定するに値するかどうかというところをご審議いただくとい うことでございます。  参考までに各年度ごとの指定医の許可といいますか、その数を示してございます。毎 年大体300人から400人ぐらいの申請をいただいておりまして、現在10年度1万 人を超えたという状況でございます。  以上でございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。指定医に関する専門委員会のことでございますが、 この前委員の方々はことしの1月19日付をもって全員の方が任期満了となっているそ うでございます。新たに資料4の最後のページをごらんいただきたいと思いますが、こ こに新たにお願いする委員会の委員の名簿が出ております。26名の方でございますが これらの先生方に専門委員として任命いたしたいと考えておりますけれども、そういう ことでよろしゅうございましょうか。               (「はい」という声あり) ○部会長  よろしゅうございますか。では、異議なしということでお認めいただきたいと思いま す。  それでは、次の議題であります「精神保健福祉部会の会議の公開について」でござい ます。本日の総会でもございましたけれども、「審議の公開については引き続き各部会 の判断により原則として会議の公開又は会議議事録を公開することとし又会議を公開す る場合にあっても併せて議事録又は議事要旨の公開が望ましい」という取り扱いが示さ れました。それで当部会における取り扱いも決めたいということでございますけれども まず、従前事務局からこれまでの取り扱いも含めてご説明をお願いしたいと思います。 ○中村補佐  それでは、公衆衛生審議会の公開についてということでご説明をさせていただきます。 資料1をまずごらんいただきたいと思います。  公衆衛生審議会の決議でございますが、平成9年1月20日のものでございます。  「委員の氏名等の公開」につきましては、その氏名、職業について公開をする。  「活動状況の公開」といたしまして、開催予定に関する日時、場所、議題について、 あらかじめ公開をする。  また、「会議の公開等」につきまして、審議会と部会についてはそれぞれ記載がござ います。(1)につきましては、審議会でございますが、「会長の決するところにより 会議又は会議議事録を公開するものとする」。  (2)が部会についてでございまして、「部会長の決するところにより、会議又は会 議議事録を公開するものとする」と。ただし書きがございまして「部会長が、特定の者 に利益又は不利益をもたらし、又は公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれが あると認める場合においては、部会長の決するところにより、理由を公表し、会議又は 会議議事録の公開に代えて会議の議事要旨を公開するものとする」となってございます。  (4)が「諮問、答申等及び提出資料の公開」でございますが、これも「特定の者に 利益又は不利益をもたらし、又は公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあ ると認める場合を除き、公開するものとする」。  これが公衆衛生審議会の決議として、平成9年1月20日に示されたものでございま す。これを受けまして、資料2をごらんいただきたいと思いますが、同年4月21日に 精神保健福祉部会の決議としてまとめられたものでございます。  1番目でございますが、当部会におきましては、会議議事録を公開するものとする。 ただし、部会長が、特定の者に利益又は不利益をもたらし、又は公正かつ中立な審議に 著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、部会長の決するところにより 理由を公開し、会議議事録の公開に代えて会議の議事要旨を公開する。  また、発言者氏名については、人権に係わる問題及び利害が対立する問題等、自由な 論議が氏名の公開によって阻害されると認められる議題については、部会長の決すると ころにより匿名とする。  2.諮問、答申及び会議配布資料については、著しい支障を及ぼすおそれがある場合 を除いて、公開をするということでございます。  3.部会長は、議事の内容からそれが適切であると認めるときには、会議を公開する ことができるということになってございます。  この3の規定に基づきまして、資料3をごらんいただきたいと思いますが、これは案 でございますけれども、公衆衛生審議会精神保健福祉部会の会議の公開についてに具体 的にどうするかということでございます。  精神保健福祉部会の会議の公開については、平成9年4月21日に開催された部会に おいて決議され、「部会長は議事の内容からそれが適切であると認めるときには、会議 を公開することができる」とされたところであるが、その公開の具体的方法を定めるこ ととする。 1.傍聴者について  傍聴は、報道関係者及び委員の紹介のあった者について認めることとする。  ただし、会場の都合により、人数を制限することができるものとする。  なお、傍聴に当たってその希望者は、別紙様式によりその所属、住所、氏名、連絡先 を事前(会議の1週間前)に文書をもって事務局に明らかにし、部会長が決するところ によりこれを認めるものとする。 2.傍聴者の遵守事項  事務局は、傍聴者に対し、別添の〔傍聴に当たっての遵守事項〕を送付し、遵守して いただくこと。  2枚目をおめくりいただきますと傍聴に当たっての遵守事項を記載させてございます。 1.傍聴に当たっては、その所属等の確認ができる物(身分証明書等)を必ず携帯し、 事務局から提示を求められた場合にはこれに従うこと。 2以下、記載のとおりでございます。  8に、これらに従わない場合には、退出してもらうこともありうることということで 規定してございまして、3ページに傍聴の申込書の要旨ということで記載させてござい ます。  この会議の公開の資料3につきまして(案)となっておりますが、前回の当部会にお きまして、この案についてもご審議いただいたところでございますが、ちょうどその任 期にかかわって、新しい委員でこの議題をまたご審議いただいた方がいいということで 今回ここで決めていただければということで、案ということでご意見を踏まえて直った ものが今回事務局として出させていただいているものでございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。  会議の公開とということについてでございますけれども、資料3にあります案が提出 されておりますが、これは前回この会で既に議論されたということでございます。そう いうことでしたら、このご提案どおりでこの部会として決していただけたらどうかと思 いますけれども、よろしゅうございましょうか。 ○吉澤委員  よろしいでしょうか、質問しまして。 ○部会長  はい、どうぞ。 ○吉澤委員  吉澤と申します。委員の紹介のあった者について認めるという要件がございますが、 公開とそれから個別の委員の紹介ということを条件とすることというのはどういうかか わりで生じたものか、そこの議論の経過を教えていただければと存じます。 ○部会長  よろしゅうございますか。 ○中村補佐  公開とするといった場合に、この会議に傍聴という形で公開をしていただく場合に、 全面的にというか、どなたでもこの場に来ていただいて傍聴することができるという公 開の仕方では支障がある場合もあり得るということで議事録の公開ということになった わけでございますが、委員の紹介をいただいた方で、この遵守事項等について守ってい ただける方については傍聴していただくということもできるということでこの規定が定 まったものというふうにご理解いただければと思います。 ○部会長  ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。 ○吉澤委員  再度よろしいでしょうか。 ○部会長  はい。 ○吉澤委員  それでは、再度お尋ねをしますけれども、傍聴に当たっての遵守事項が一応あると。 それから、それ以外にも例えば身分的にもきちんとした大学の先生とかいろんな方もお られるでしょうし、それから委員と直接面識のない方がいきなり委員の方に連絡をとっ て紹介をしてもらうというのも通常ではなかなか難しいかと思いますので、事前に連絡 をするということであれば、連絡をされた上で、先ほど言われた困った前歴があるとか そういう場合のみを検討されたら済むのではないでしょうか。  例えば、私、今回初めてこの委員ということで任命していただきましたが、こういっ た問題には関心を持っておりますが、それまで委員の方で存じあげている方が果たして この中にいるかどうかということはなかなか知る機会がなかったということがございま す。その点はいかがでしょうか。 ○今田部長  多分これまでの議論の経過を若干ご説明した方がいいのかと思います。まず1つは、 そもそも公開というには2つあると。会議を公開するか、又は議事録を公開するかと。 しかし、できれば会議も公開するようにもっていきたいという流れが当然あっての議論 だと。  これにつきましては、既に平成9年からこの委員会でいろいろ議論がございまして、 特に全く自由に公開することについての問題点もいろいろ議論があった関係で、平成9 年には一応公開をやるけれども、会長が必要であれば、その都度認めていこうじゃない かと、こういうことで一応決まったわけです。  ところがその後、やはりもっと公開の流れがあるものですから、できるだけ幅広く公 開するにはどうやったらいいかという方法論について十分に詰めて細かく決めてなかっ たものですから今回決めたと。したがって、公開か非公開という意味であれば、議事録 公開もある意味では公開という扱いの認識ではあります。だけれども実質的にできるだ け、例えばマスコミを含めてどういう議論がされているかが速やかにわかるような仕組 みとして、どういうあり方がよいかということでご検討いただいた。その流れはやはり 平成9年のここに書かれておりますように、会長がある状況に対していいとか悪いとか というような意味合いになっているけれども、できれば幅広く見ていただけるためには 基本的にまずマスコミと、それから先生方のご紹介がある方に公開をするという1つの 案をお示しした。  今、おっしゃっているのは、そういう事前にわかるんだから、そこである程度チェッ クできるなら、そこまで紹介はなくてもいいんじゃないかというご提案と理解している んですが、我々来た紙のレベルでいいとか悪いとかという判断そのものはすぐできない ものですから、今回の1つのありようとしてまずご紹介のあった方々には傍聴いただく という1つの判断をお示しをしたと、こういうことでございますが、その上で吉澤委員 がどういう形でご提案されているか、ちょっとご紹介いただければと思います。 ○吉澤委員  紹介を要件とすること自体、「公開」という言葉と相反するというふうに、これは法 律的な解釈の問題ですけれども、考えます。公開という場合には一応等しい条件で参加 ができると。その上で具体的に、これは困るという場合は会議の席上からもちろん議長 が退席を求めることもできるということがあると思いますし、最初から紹介を要件とす るならば、公開には該当しないというふうに私の方は考えるんです。それでこういう提 案をいたしました。 ○今田部長  ですから、限定的に公開しているんだから公開ではないではないかという意味では、 公開にするかどうかはこの審議会の委員の皆さん方のご判断ですから、それは1つの結 論はもとより、その結論に対する表現の仕方が不適切だとおっしゃっているのだとすれ ば、それはご指摘のとおりだと思います。  ただ、今、事実上の問題として、次回からどういう形で公開というか、できるだけ公 開に近い形で公開というものを位置づけるか。私ども公衆衛生審議会の方も会議の公開 又は議事録の公開という形でいずれを選ぶかということについては審議会に任されてい る。  その中でも、ただ、議事録だけの公開では不十分だからもう少し広げようということ で、この議論が行われているという認識でございますので、その結果をもって、それを どう呼ぶかという点につきましては、言葉の使い方であり、定義の問題ですので、そこ は委員の皆さん方のご意見を伺いたいと思いますが、流れはそういうことでございます ので、それを非公開という説明しろとおっしゃれば、それは非公開だけけれども、例外 的に公開の部分があるというふうに私ども説明させていただくことにやぶさかではござ いません。 ○部会長  吉澤委員の最初に言われた氏名の公開とか活動状況の公開とか、それは既に決まって いることでございますね。 ○吉澤委員  会議だけです。 ○部会長  ですから、場所、会場とか氏名とかそういうのはこれによればわかるということにな りますけれども、何かご意見ございますか。 ○大熊委員  私は前回の審議会のときから公開を申し上げて、ほかの委員から賛同を得られなかっ たものでありますが、そうは言ってもかなり心は複雑で本当に公開して、前回、新潟で あったような爆竹をばちばちやるようなことでもあったら大変だなあということですご く悩んで、今もどう考えたらいいかと本当に思っているんですけれども、精神病の方た ちへの偏見をなくそうということを呼びかけている審議会である以上、ほかの部会が公 開であるのにこちらは紹介者付というのはやっぱり理屈が通らないかなという気がして ほか並みに公開してみて、それで何か起きたらまた考えようというところかなと思って いるのですが、どうでしょうか。 ○部会長  いかがでしょうか、ほかの方のご意見伺いたいと思います。 ○吉川委員  2年前の平成9年の1月でしたか、公衆衛生審議会でこのことを論じて、そして出た ものが今お手元の資料1のところにあると思います。その後のこの審議会に一度ではあ りません、二度か三度ぐらい公開についてこの部会として論じました。その部会として 論じたときに、私は少なくとも親委員会である公衆衛生審議会がまず公開を前提として いるのだから、精神保健福祉部会も公開を前提とし、その上で何か不都合なことがある ときは部会長の意見でそこに制限を加えることができる、こういうような流れの方がい いのではないかと申し上げたつもりです。  今もお話を伺っていますと、まずは公開しないことが前提で、でもこういう人たちに は参加させるという言い方になっています。この辺のところが、私も自分の中で余り納 得できないことでありましたけれども、先回のときは私は出る幕じゃないと思ってしゃ べっていませんが、今の議論を考えますと、平成9年のときのあの議論の流れの方が私 はいいのかなと思います。ただ、実際にいろんな問題が起こる可能性がありますから、 その可能性を考えたらやはり部会長のところに情報を差し上げるなり何なりした上で、 部会長が判断しやすい状況をつくった上でやった方がいいのかなと、こんなふうに思っ ています。 ○部会長  どうもありがとうございました。ほかにご意見ございませんか。 ○西島委員  公開、私も基本的には賛成でございますけれども、しかし、さまざまな問題があるこ とは皆さん方もご承知のとおりだというふうに思います。ですから、こういうような表 現に恐らくなったのであろうというふうに思うんですね。もし、これを本当にフリーに 公開をいたしますとそういう問題が起きることは90%私はあるだろうと思っています。  そういう意味で、段階的にやっていくというのも1つの方法かなと。ですから議事録 の公開と傍聴についてというふうにしていけば、傍聴についてはさまざま規定をつくっ ていいわけでございますから、私はそれは1つの考え方かなという気がしないでもない んですが。 ○部会長  どうもありがとうございました。ほかにございますか。はい、どうぞ。 ○冨永委員  基本的に公開を前提として考えるか、制限を加えてやっていくのかという基本的な問 題から入っていかないとちょっと問題があるかなと思います。やはり公開を原則として やっていくというようなことで取り組まないと制限がいろいろ出てくるのではないかと 思います。その点からしますと、部会長あるいは審議会の会長の権限で最終的にはお任 せするというようなことで、原則として公開するという考え方をお願いしたいと思いま す。 ○部会長  ほかにいかがでしょうか。  この問題に関しましては、前回、この前の部会で古いもとの部会の委員の方も含めて 議論されたということでありますので、新しい部会でいきなり異なった結論を出すとい うこともいかがかと思いますので、先ほど西島委員の言われた段階的に進めるという意 味でこの案を当分了承していただくか、あるいは改めてまた次回に諮るかということに なろうかと思いますが、いろいろ問題点もあるということも考えられますので、暫定的 といいますか、段階的に進めるワンステップとしてこの案を了承していただくというこ とではいかがでしょうか。  事務局の方はそういうことでよろしいですか。 ○吉澤委員  最初に意見を申してよろしいでしょうか。委員の中で、先ほどの指摘もありましたよ うに、「原則公開」ということを明記するのが正しいのではないかという考えのお持ち の方は私を含めてかなりおられるのではないかと思います。暫定的と申しましても、こ の場合、私は明白に条件がついてますので、「原則公開」という定義には該当しないと 思いますので、そういう意味で、あいまいな形で「暫定的」というふうにやることには ちょっと賛同しかねます。 ○部会長  それではどうぞ、何か。 ○三觜課長  この定義にございますように「会議又は会議議事録を公開する」ということで、私ど も基本的に国民に対して公開しているという立場でありますが、現在までのところ議事 録でありますけれども、会議の場合になりますと物理的な条件とかいろんな制約等があ る程度実務上かからざるを得ない立場にございます。  したがいまして、私どもといたしましては、まずマスコミ関係者であれば、広く国民 に開かれるのではないかということでまずマスコミ関係者ということを挙げさせていた だいたわけでありますし、2番目の「委員の紹介のある方」、またフリーにアクセスで きるということも必要だと考えますけれども、これがちょっと全国民が会議に、抽選と か実務上のいろんな問題が生じるということで、この現場に来ていただく方につきまし ては、ある程度交通整理的にさせていただかざるを得ないかということでこういった提 案をさせていただいているわけでございまして、基本的には公開という立場で物を組み 立てているつもりでございます。 ○部会長  公開が原則であると。ただ、その方法としてこういう方法を具体的な方法として考え たいという課長のご意見ですけれども、いかがでしょうか。余りこの問題について議論 する時間もそれほどないかと思いますけれども、部会長としてはそういうところをある 程度決めないといけない立場もございますが、「暫定的」という言葉ではなくて、将来 段階的に発展させる可能性を持たせながら、これでスタートするということでいかがで ございましょうか。よろしゅうございますか。               (「はい」という声あり) ○部会長  それでは、そういうことでご了承いただきたいと思います。  それでは、ただいまの議題はそれで終わらせていただきまして、次の議題に入りたい と思いますが、「精神病床のあり方について」、検討会等での審議経過を含め、事務局 からご説明お願いいたします。 ○中村補佐  それでは資料5をごらんいただきたいと思います。  「精神病床等のあり方に関する検討について」でございます。主旨にございますが、 現在医療制度抜本改革の一環といたしまして、一般病床について急性期、慢性期の病床 区分を行い、利用サービスの効率化と質の向上を図りつつ、病床整備の適正化を目的と する医療法の改正が行われる見込みとなってございます。  この検討を行った「21世紀の入院医療のあり方に関する検討会」、これは健康政策 局の方で取りまとめをしておりますけれども、精神病床につきましては、一般病床とは 別枠として別途検討することとされたところでございます。  なお、精神病床につきましては、医療法上の病床区分はされておりませんけれども、 診療報酬制度の中で、急性期治療病棟、精神科療養病棟等の区分をするなど分化が進ん でいるという現状にございます。  これまで、精神医療における長期入院化の課題に対する方策を見いだすために「長期 入院患者の療養のあり方に関する検討会」で検討を進めてきておりますけれども、長期 入院化の問題と病床機能分化とは密接な関係があるために、この検討会の下に「精神病 床等のあり方に関する検討部会」を設置いたしまして、今後の精神病床機能分化など、 そのあり方について検討を行ってきたところでございます。  現在、この部会報告書をもとに、「長期入院患者の療養のあり方に関する検討会」で さらに具体的な病床機能区分について検討が進められておりまして、取りまとまり次第 公衆衛生審議会の当部会で医療法の位置づけについてまたご審議いただくという予定を しているところでございます。  検討会の開催状況でございますが、昨年の9月に部会を立ち上げまして4回の議論の もとに部会の報告書を取りまとめていただいております。ことしに入りまして、「長期 入院の検討会」で、その部会の報告書をもとに、さらに具体的な審議をしていただいて いるということでございます。本日は2月1日でございますが、その検討経過の報告を させていただくと。まだ「長期入院の検討会」の方では最終的な案を取りまとめにまだ 至っておりませんので、今後またご議論をいただくという状況になっているところでご ざいます。 資料6をごらんいただきたいと思いますが、資料6は資料7にございます 「精神病床等のあり方に関する検討部会報告書の概要」でございます。  資料7の1ページをごらんいただきますと、目次でございますが、「はじめに」と 「精神病床等の現状」、「精神病床等の機能区分」、「精神病床に求められる機能」、 また、「区分の考え方」、その際の「留意点」、4番目に「精神病床等の整備につい て」という構成で本体の報告書がまとめられています。その概要につきましては資料6 をごらんいただきたいと思います。  「精神病床等の現状」でございますが、医療法における精神病床の位置づけは、その 特殊性から一般病床の基準の特例として、その人員配置が、医師数は患者48人に1人 看護婦等数は患者6人に1人ということでございます。  必要病床数の算定につきましては、一般病床と同じ算定式で、都道府県単位で行われ ております。  我が国の精神病床数は361,053床、入院患者は339,762人、病床利用率 94.1%と、これは一昨年の6月のデータでございます。  診療報酬制度、国庫補助制度により精神科専門病床が整備されておりますが、その合 計は52,722床、全精神病床の14.6%となっている。  現状では、様々な病態の患者が、同じ病棟、同じ療養環境の中で治療を受けている。 また、公私の役割分担を含めて病院間の機能分化が進んでいない。  このままでは、入院患者の病態に応じたきめ細かなケアの提供には困難を伴い入院治 療の効率性、医療水準の向上がすすまないという意見がございます。  こういった中で、機能区分についてでございますが、「精神科病床に求められる機 能」といたしましては、精神科病床には、治療水準の向上、患者の求めるサービスが適 切に提供できること、社会復帰をより促進すること等が求められている。  様々な病態の患者のニーズに応じたよりきめ細かな入院治療ができるシステムの構築 が必要であるとされております。  次のページをごらんいただきたいと思いますが、「精神科病床の区分の考え方」。  基本的に病棟単位の機能分化の考え方を踏まえながら、精神科医療の特殊性を踏まえ た合理的な機能分化をすべきである。  急性期や慢性期といった時間軸のみによる区分や重症度のみによる区分でなく、これ らを総合的に捉えて区分する。  人員配置、施設基準については病床区分に応じて検討する。その際、特に長期の入院 を必要とする患者の対応については生活環境の充実について配慮をする。  「機能分化のための留意点」といたしまして、機能分化をするために病床区分を細分 化し法定化することは、かえって実態に応じた機能分化を阻害するおそれもあり、医療 法上での区分は最小限とするということでございます。  3番目でございますが「精神病床等の整備」につきましては、必要病床数については 一般病床で検討されている新たな算定式の考え方を踏まえるべきである。しかし、目標 となる平均在院日数の設定等については困難であるとの意見がある。  病床区分のための指標については、患者の病態像を中心に総合的に検討するべきであ る。  精神病床の整備圏域については、現行の都道府県単位から2次医療圏を参考に、より 地域に密着した圏域の設定を考える。しかし、精神病床の地域偏在等の課題を検討の上 整備計画を立てるべきである。  これが報告書の概要でございます。  本体になりますけれども、報告書の7ページ以降に検討部会で用いられた参考資料が 入ってございます。8ページ、9ページが、現在医療審議会の方でご議論いただいてお ります一般病床の区分についての考え方、それと必要病床数の算定式についての考え方 でございます。急性期、慢性期に分けまして、9ページにございますように、急性期の 病床については、算定につきまして平均在院日数を用いると。  また、B案ということでありますけれども、全体の病床数の算定についても、平均在 院日数というものを加味して、全体として病床数が治療日数が短くなるに従って少なく なるような要素をその算定に盛り込むということでございます。  10ページが現行の必要病床数の算定式でございまして、これは現状の人口、さらに 入院率、さらにその地域に他の圏域から入ってくる患者数、また、他の圏域に出ていく 患者数等を考慮した形で必要病床数を算定するというものでございます。  11ページがこの現行の必要病床数の算定式に基づきまして算定いたしました病床数 これは既存の病床数と突き合わせた場合の過剰、非過剰・不足というところのを整理を したものでございます。過剰のところもございますが、まだ不足というところもかなり あるということもごらんいただけるかと思います。  12ページが障害者プランの概要でございますが、ここも精神病床に係る部分がござ いまして、右端になりますが、入院医療の長い四角のところに、真ん中にいろいろ記載 がございますが、その中の四角のうち、「入院患者33万人のうち数万人は地域の保健 福祉基盤が整えば社会復帰が可能」ということで、現在入院中の33万人の30万人ま で入院治療の対象者に少し縮小していくことができるであろう。その分地域で対応して いくというプランでございます。  13ページはこのプランに基づきます各都道府県の社会復帰施設の整備状況を示した ものでございます。これは平成8年でございますが、現在さらに整備状況は進んでござ います。  14ページ以降は現在の精神病院の平均在院日数、さらに在院者の入院期間別の分布 が15ページにございますが、長期の入院患者さんが多いということがおわかりいただ けるかと思います。  16ページは退院の状況を分析したものでございますが、30日や90日のところに 1つのピークがあって、精神科で長期の方が多いといっても、早期に退院をされる方も 患者群としてあるということでございます。  17ページをごらんいただきたいと思いますが、これは日本精神病院協会の方からい ただいた資料でございますけれども、17ページ、18ページでございますが、新規の 患者さんがどのくらいの割合で退院をしていくかという図を見たものでございます。ご らんいただきますと、3カ月で大体50%ぐらいの方が退院されると。6カ月までいき ますと7割ぐらい。9カ月、1年になりますと約20%を程度ということで、8割ぐら いの方が現状で退院されているということがおわかりいただけるかと思います。  18ページ、線がたくさんございますが、これを全部平均して取りまとめたものが17 ページとご理解いただければと思います。  19ページは、診療報酬上の病棟類型が急性期療養病棟、または痴呆病棟ということ でなされておりますが、その整備状況をまとめたものでございまして、20ページ以降 は、それらの基準についてより詳しく説明をしたというものでございます。  これが「精神病床等のあり方に関する検討部会」でご議論いただいた内容でございま す。  続きまして、資料8から12につきましては、現行の法制度または行政的な指導でど のようなものが精神病床に対して行われているかというところについて一括してご説明 をさせていただきたいと思います。  資料8が「精神病床にかかる人員配置および施設基準」でございますが、これは医療 法と診療報酬制度の中でそれぞれございます。医療法につきましては、衛生基準として 最低基準が定められておりますが、診療報酬の方では、その上にさらに機能分化を図っ ていくという診療の効率性や患者さんのニーズに合わせていくというような形での体制 とご理解いただきたいと思いますが、医療法につきましては、人員配置、施設基準、医 師は48:1、看護婦・准看護婦については6:1。看護補助者の規定はございません。  施設基準については、病床面積1人当たり4.3m2、病棟面積についてはございませ ん。  診療報酬につきましては、急性期、療養、痴呆治療病棟と療養病棟とそれぞれござい ますが、ごらんいただきますように、看護要員数または看護補助者の規定、さらに療養 病棟のA、Bがございますが、こちらでは病床面積も5.8m2とか病棟面積18.0m2 とか、そういった面積基準も医療法を上回る基準で示されているところでございます。  痴呆の治療病棟についても看護婦・准看護婦等の割合、介護要員数の規定、病床面積 病棟面積といったものも記載の規定がなされているという状況でございます。  資料9をごらんいただきたいと思いますが、これが医療法で定められている人員及び 施設の基準等の部分でございます。  第21条に病院は定められておりまして、「病院は、厚生省令のさだめるところによ り、次に掲げる人員及び施設を有し、かつ、記録を備えておかなければならない。ただ し、政令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けたときは、この限りではな い」ということで、21条の一から、一の2以降、療養型病床群を有する病院と有しな い病院それぞれについて、人員配置、施設基準等が定められているわけでございます。  2ページをごらんいただきますと、今ほどの21条にございましたただし書きの部分 といたしまして、第4条の7に、「主として精神病、結核その他厚生大臣が定める疾病 の患者を収容する病室を有する病院は、法第21条第1項ただし書の規定による都道府 県知事の許可を受けたときは、同項第1号又は第1号の2の規定により厚生省令で定め る従業者の標準によらないことができる」と規定されています。  この厚生省令で定める従業者の標準というのが時計文字であります「医療法施行規 則」の中に盛り込まれておりまして、次の3ページの第19条のところに(療養型病床 群を有しない病院の従業者員数の標準)ということで、第19条が規定されております が、ここの医師、歯科医師、薬剤師、看護婦・準看護婦等、そこに記載がございますけ れども、この厚生省令で定める従業者の標準に対する特例ということで精神病院が規定 されているということでございます。  前のページに戻っていただきまして、16条につきましては、病院または診療所の構 造整備について規定されているものでございます。電気、ガス、地階、3階以上の設置 病室の床面積は、内法による測定で、患者1人につき6.4平方メートル以上とするこ と。  イ以外の病室の床面積は、内法による測定で、患者1人を収容するものにあっては6.3 平方メートル以上、患者2人以上を収容するものにあっては患者1人につき4.3平方 メートル以上とすることというのが規定されているということでございます。  3ページをおめくりいただきまして、六に、精神病室、伝染病室、結核病室には、病 院又は診療所の他の部分及び外部に対して危害防止又は伝染病のため遮断その他必要な 方法を講ずることとか、七に、精神病室の設備については、保護のために必要な方法を 講ずること等の記載がございます。  5ページをごらんいただきたいと思いますが、ここで事務次官通知ということで、精 神病床に置くべき医師その他の従業員の定数が定められておりまして、繰り返しになり ますけれども、精神病床にあっては48:1の医師数、または看護婦・准看護婦につい ては6:1の数ということで規定されているという状況でございます。  資料10をごらんいただきたいと思いますが、今ほどご説明いたしました資料9の整 理をしたものでございます。医療法、その下になります医療法施行令、医療法施行規則 事務次官通知でそれぞれ人員配置、施設基準についてこのような形で定められていると いうことでございます。これは後ほどごらんいただければと思います。  次に資料11をごらんいただきたいと思いますが、精神病院の建築基準について、厚 生省の公衆衛生局長通知で基本的にこういう標準となるような形で精神病床を整備して ほしいということでまとめたものが出されてございます。その中からの病棟関係部分の 抜粋でございますけれども、基本的な事項として、病院内の諸施設について、病棟部、 中央診療部、外来診療部、生活療法施設部、サービス部、管理部、宿舎部と7つの規定 をされております。  この病棟部についての規定でございますが、「病棟部は看護上、管理上30ないし50 床の看護単位を基本とし、性別、年齢別、病態別、病状別に応じた区分をする」という 記載がございます。  2番目に「患者の在院期間は、比較的長期にわたることが多く、肉体的には健康な者 が多いので、医療面のみならず生活面についても細心の考慮を払わなければならない。 そのために病室とデイルームは区別し、また、できるだけ戸外にでられやすいように設 計し、生活が無味単調になることを避け、生活空間はなるべく変化ある豊かなものとす る」。  3といたしまして「病棟部には、次の部屋又は機能を営む場所を必要とする。ただし これらの部屋の一部については、必ずしも別々に設ける必要はなく兼用することも差し 支えない」。  病室、患者の生活的施設、診療及び看護関係施設、その他の施設ということで記載の 施設を示してございます。  4番目に病棟部の面積でございますが、「病室以外に生活面のスペースを必要とする ので、病棟共通部分を含めて、1床当たり約20平方メートル程度とする」ということ で規定されてございます。  次、2ページでございますが、2に「病室」がございまして、一般病室のあり方が規 定されております。  3番目に「生活的施設」ということで、デイルーム、食堂等の記載がされているとこ ろでございます。  この辺、昭和44年の通知でございますが、こういう規定があると。行政指導は今こ れによって行っているということでございます。  資料12をごらんいただきたいと思いますけれども、これは「診療報酬上定められて いる施設基準」でございます。これは「精神科急性期治療病棟」、「精神療養病棟」、 または「痴呆の治療病棟」、「痴呆の療養病棟」ということで、先ほど基準を概略とし てお示しいたしましたが、もう少し具体的にどのような記載になっているかということ でごらんをいただきたいと思いますが、急性期治療病棟につきましては隔離室があると かということが記載されていると。  療養病棟につきましては、先ほどありましたように、当該病棟の面積を18平方メー トル以上とか、病室面積については5.8平方メートル以上というような記載がござい ます。  2ページをごらんいただきますと「老人性痴呆疾患治療病棟」の記載でございますけ れども、こちらでは患者1人あたりの病棟面積はおおむね23平方メートル以上とか、 さらに1人当たりの病室の面積は6平方メートル以上、個室は8平方メートルというこ とで、生活機能回復訓練室等、記載の規定がなされています。  3ページは同様に「老人性痴呆疾患療養病棟」についての施設基準でございます。  こういった人員配置基準、施設基準が既にいろいろ通知や基準として定められている わけですけれども、全体に係る医療法が今回急性期、慢性期ということで一般病床につ いて区分をする方向で議論が進められておりますので、これらの基準等も踏まえながら 精神病床を今後どうしていったらいいかというところを、今「長期入院患者の療養のあ り方の検討会」でご議論をいただいているという状況でございます。  それを踏まえて、取りまとめていただき次第、この審議会でまたご議論いただくこと になるということでございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。  ただいま、「精神病床等のあり方に関する検討部会の報告書の概要」を説明していた だいて、その背景にあるいろいろな規定その他をご説明いただいたわけですけれども、 ただいまの説明に関しましてご意見、ご質問ございましたら、順次ご発言いただきたい と思います。 ○西島委員  私はこの「精神病床のあり方に関する検討部会」の部会委員としてこの報告書にかか わったわけでございますが、今までの精神病院の考え方というのは、どうしても精神分 裂病の患者さんを中心にした病床のあり方という考え方なんですね。しかし、これから 先の精神科病院はもっと広げていかなければいけないと。広げない限り、いつまでたっ ても偏見はなくならないと思うんですよね。精神分裂病だけを考えているから結果的に 偏見がなくならないというふうに思います。なぜかといいますと、実は私の病院は痴呆 の病棟もやっております。それからうつ病の病棟もつくりました。いろんな方々が来ら れるようになったんですね。痴呆の病棟をつくったらお孫さんまで来られるというよう なことで、非常に病棟自体が明るくなってまいりました。  そういう意味で、今回の報告書をつくるに当たって、まだ、これから先の精神医療を どういうふうにしていったらいいのか、まだ検討されてないじゃないかと。ですからこ れを十分検討しながら将来的に精神病院をどうするかと考えればいいじゃないか。  ですから、きょうのこの報告の中にもございましたけれども、診療報酬でいろんな施 設基準がなされているんですね。こういう形で変えていくことによって、周辺整備をし ながら改めてこれを考える趨勢があるのではないかと私は考えて、そういう報告書にぜ ひしていただきたいということで、こういう報告書になったわけでございます。以上で す。 ○部会長  どうもありがとうございました。ほかにございますか、伊藤先生、どうぞ。 ○伊藤委員  ちょっと議論の進め方なんですけど、今ここでこれからのあり方を論ずるのは、まだ 報告書も上がってないので早いとは思うんですが、ただ、私、今の西島先生とちょっと 意見が違うんです。基本的にはやはり今はまだ分裂病の方が精神病院に相当のパーセン トで入っているという現実がありますので、その方々が快適でアメニティーの高いとこ ろ、しかも人権が守られて、質の高い医療を受けられること、まず、そこから手を付け るべきである。確かに我々の病院のところも分裂病の比率はどんどん下がってはきてい ますけれども、しかし、統計上まだまだ閉鎖病棟の中で処遇されている方が多いという 現実がありますので、そこのところは少し突破するような、そういう考え方でやってい くべきだというふうに思っていますので、きょうはきっとこの議論する場ではないと思 いますけれども、ぜひ、またこの次の機会にでもよろしくお願いいたします。 ○部会長  ほかにございませんでしょうか。河ア先生どうぞ。 ○河ア委員  今の問題は長期在院者の検討の委員会でよりよく、もっと深く現状からのことの意見 調整を図っていくべきだと思います。きょうはこの場ではこの問題はこれ以上進めずに 委員会で検討したらどうかという気がします。 ○大熊委員  私は今は非常に重要な時期で、いたずらに議論を長引かせるべきではないというふう に思います。たまたま医療審議会の方にも私は入っておりますので、今を置いて、ほか の病気との格差を縮めるチャンスはない。これを逃すとこの医療法改正って、随分長々 4:1と一般病床の場合、終戦直後から変わらなかった問題がありますので、ぜひとも 理屈の通る限りのことでやっていただきたいと思います。  1つ質問なんですけれども、昔、なぜ精神病の場合だけお医者さんはほかの病気の3 分の1でいい。看護婦さんも1.5分の1でいいということになってしまったのか。そ して、それが現在ももし固定しなければいけない理由があるのかどうかということを伺 いたいと思います。 ○部会長  事務局の方からいかがですか。 ○三觜課長  ただいまの質問につきましては、事務局もどうして、これは33年に出されている事 務次官通達でございます。医療法ができたのが23年だと思いますので、10年後にこ ういう通達が出されていると。いろいろそのときの背景事情等調べたわけでございます けれども、文書で残っておりません。多分想像するに精神病床が当時、昭和33年ごろ といいますと病院の数が非常に足りなかったのではないかと。早急に整備を図る上で医 師も今日と違いまして非常に少ないという状況の2つが重ね合わせて社会的要請で全国 に整備を図るという時代的背景がこういう通達になったのかなと推察はしております。 確かな背景についてはちょっとわかりません。あくまでも推測でございます。 ○部会長  もし、委員の先生の中でその辺の背景をご存じの方、おられましたら、いかがでしょ うか。大分昔の話ですから。ほかのご意見で結構ですので。はい、どうぞ。 ○大熊委員  関連してですが、今、病院が足りないという理由とお医者さんが足りないという理由 を言われましたが、病院についてはさまざまなWHOとかなんかの調査が示していると おり、日本は足り過ぎて足り過ぎて病院は3倍とか、国によっては10倍ぐらい日本は あるということでありますので、病院が足りないという理屈はもうないのではないか。 お医者さんがもし精神病院に来て手がないということがあるとすれば、このようなほか の病院の3倍もの患者さんを受け持たなきゃならないとか、看護婦さんについてもその ような人員基準の差別があるがゆえに集まらない悪循環を断ち切らなければいけない時 期ではないかと思います。 ○西島委員  私はこの報告書というのが報告されましたので、その経緯について、委員としてかか わりましたのでそのお話をしたわけでございます。当然アメニティ等々に関しましては もちろん前向きに検討していかなければいけないと思うわけでございますが、問題は、 周辺整備がほとんど進んでいない。ですから、私は病棟を広くしなさいとか、今のまま でいいという話はしていないわけで、周辺整備はほとんど進んでいないんですね。  今、大熊委員がおっしゃったように病棟は足りているというふうに言われますが、じ ゃ、よく言われている受け皿をどうするのかというときに、例えば社会復帰施設はつく ることができるようになっているわけですね。これはつくらなくてもいいわけですよ。 だから進まないわけで、これは精神衛生法から精神保健法に変わるときに、これを義務 規定にしなければだめだという話は最初からしているわけで、それが全然進まないから ですから患者さんがなかなか病院への長期療養をせざるを得ない部分もあると思います。  それから、もう一つは、精神病院協会がとったデータの中で、長期の入院の患者さん たちがどういう人たちが入っているのかといいますと、かなり重度な人たちが入ってい るわけですね。先ほどのデータの中でも退院が6カ月ぐらいで大体70%ぐらい退院し ている話なんです。じゃ、残る人たちはどういう人たちが残っているのかと。かなり重 度の人たちが結果的に残っているわけでございますので、そういうことも考えながらし ていかなければいけないと思いましたので、そういう話を先ほどさせていただいたとい うことでございます。  それともう一つ、先ほど、また大熊委員がおっしゃいましたけれども、要はこういう 病院の状況だから看護婦が来ない、医者が来ないんだというお話でございましたが、し かし問題はこの偏見をどう解消するのかということを非常に力入れないといけないわけ で、しかし、今までにどういう施策がなされてきたのかということも考えなければいけ ないですね。今、去年出ました警察白書で自殺者が2万4,000人いるわけですよ。 この人たちにどういう対応をしたのか。65歳以上の老人が7,000人近く自殺して いるわけですね。こういう人たちにどういう対応をしたのかということも含めて、やは り精神保健というのを見直していかないと先ほど申し上げたように、いつも分裂病の患 者さんたちの対策をどうしたらいいのかというだけではなくて、もっと幅広く考えてい かなければいけない。  そういう中で、今後の精神科病院のあり方をやっぱり検討していかなければいけない のではないかということで、先ほど報告書のお話をさせていただいたわけです。  それから、ぜひ、せっかくでございますから、大熊委員のご意見をお伺いしたいんで すか、何か事件があると、必ず「精神病院入院歴」があるというのは必ず出ます。これ はどうしてそういうのが出るのかというのは一応私も聞いたことございますけれども、 匿名でする以上はその匿名の理由が要ると。だからそういう形で精神病院入院歴あると 出すんだと。ところがこういう事件が起きて「精神病院入院歴」があるという言葉が紙 上やそれからテレビで報道されますと確実に外泊ができなくなるんです。  こういうことも含めてやはり考えていかないと、偏見をいかになくすかということか ら、実は本当に地域で精神分裂病の患者さん十分に生活できるんです。うちもいっぱい グループホームとかつくっていますから、そういうことも含めて、この部会で今後ご検 討いただければなというふうに思います。 ○部会長  どうぞ、大熊先生。 ○大熊委員  名前を挙げていただきましたので、私の力の及ぶところはとりあえず朝日新聞の中な ものですから、これはそういうことを書かないようにということを長年社内で徹底して まいっております。これは先生のおっしゃるとおりだと思います。  それから、もう一つ、受け皿をつくらねばならないという義務規定にしなかったとい うことは、これも全く西島先生と同意見で、ぜひとも今度の精神保健法の改正のところ にそういうことをきちんと入れるようなことにこそ西島先生がお力をお尽くしいただき たいというふうに思っています。  異論がありますのは、今残っている人、その病院にいる人はかなり重度な人ですよと いうことですけれども、そうだとするとこの国際的な格差の大きさというのは、日本だ け重い精神病がはやっているということを言わないと説明がつかない。余りにも日本の 入院患者の数はほかの国際比較から言うと多過ぎますので、これを重いからということ で言うのは当たらないと思います。  それから、偏見をなくしていくということについては新聞社も一生懸命いたしますけ れども、現在あるさまざまな国がつくっている差別というのをなくしていくべきであり その差別の根源の1つがこの病床の特例であるので、偏見をなくしたい論者の西島先生 におかせられましては、これの差別をなくす方にお力をお尽くしいただきたいというふ うに思います。 ○谷中委員  今、社会復帰のことにちょっと触れられたので、少し日ごろ考えていることをちょっ と述べておきたいと思うんですが、病床の問題で区分をどうするかこうするかというと きに本当に私には議論に参加することがなかなかできづらくて、そのことと社会復帰、 要するに病院のベッドを減らして地域の中に住んでいこうというふうに政策はしている んですが、現実の課題になるとそれが可能かどうかというところにどうしても目が行き ますから、私はそこで、私も長期の委員会の委員なんですが、そこはそこで議論いたし ますが、やっぱりこの場は、ノーマライゼーションの7カ年計画で3万は地域の中に出 しましょう。そしたら、その次は何万の人を地域の中に出すんですか。そのときに病床 はどうするんですか。  ですから実際に私どもの方は、達成がどこまでいくかわかりませんが、苦労しながら 施設は増えております。ただ、問題は利用率が上がらないんです。ということは、病院 から地域、あるいは社会復帰施設に出す力が弱いんです。ですからこういうことを考え ていきますと、やっぱり理念、目標として、特に今精神分裂病の方、長期の方の問題は 町に住まそうよということであれば、これを何万ベッドをカットしていくというふうな そちらの方のビジョンがないと、ここ、現実的なことだけでなかなか前に進まないよう に思います。そして、いつも私言うんですけれども、例えば3万人の方が社会復帰施設 へ移ったら、3万床のベッドはカットすべきだと思うんです。この先、どのぐらいのベ ッド、どのぐらいの方を地域に出すかわかりませんが、そういう全体の計画を持ってい かないと、今、病院のベッド減らしのことだけでいきますと、それはなかなか施策とし ては進まないように思いますので、病床のあり方も重要なんですが、もっと大きなビジ ョンを持つようにしたらいかがと思います。 ○西島委員  もう一言ようございますか。 ○部会長  はい、どうぞ。 ○西島委員  私が議論に火をつけましたので、先ほど中村補佐が数万人が出れるだろうと、だから 33から30に減らしていいんだということでございましたが、私、最初に申し上げま したように、これからの精神科病院のあり方をどうするのかと考えたときに、片方に痴 呆の患者さんたくさんいらっしゃるわけですよ。この方々を治療するという観点から考 える必要性があると。  もう一つは、先ほど申し上げたうつ病の患者さんがいると。さまざまな精神医療にか かわってこられる患者さんが非常に増えているわけで、ですから先ほどから言っていま すように、精神分裂病だけを考えてくると、今、谷中先生がおっしゃったように、出る んだから、この出た部分をカットすべきじゃないかという話になっちゃうわけですよ。  ですからもっと幅広く私は検討すべきであるということを最初に申し上げたわけで、 何年もその患者さんたちを病院にとどめておきなさいという話でもありませんし、逆に 言えば、痴呆とかうつ病とか、そういう患者さんだちがたくさん病院に入って来られる ことによって私は偏見が早く解消すると考えていますので、そういうお話をさせていた だいているということでございます。 ○部会長  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  きょうここまで深くこの議論にかかわると先ほど思っていませんでしたのでちょっと 発言しなかったのですが、やはり西島先生と一緒に同じ立場で医療を担当している立場 から申し上げますと、精神病床は私はもっと減らしてもやっていけるという立場です。 というのは、代わりに老人が増えてくるというお話がありましたけれども、老人につい ては、私どもも老人病棟持っていますけれども、さまざまな老人の福祉施設と連携する ことによって、本当に精神科でなければならない患者さんだけをきちんと診ていくよう にすれば、老人病棟もそれほど要らないといった印象を持っております。そんなことも ありまして、私は医療が拡大するのではなくて、むしろ量的に少し少なくなっても中身 を充実するという方向で施策を進めるべきだと考えております。  ですから量をどうするかというのは現状分析をきちんとしなければなりませんね。先 ほど西島先生おっしゃったように、どれほど退院できない患者さんが長期にわたって在 院しているかという、これは随分見方によって変わってくると思いますが、それをきち んデータ出さない限りは確かに必要病床数等出てこないと思うんですが、ただ、私の実 践、経験では、あちこちの精神病院を見させていただいた印象ですけれども、かなり社 会的入院は多いと私は見ています。確かに社会資源がないために社会的入院になってい るというケースもありますけれども、法制度が不備な中でも地域で受け皿づくり、民間 の方とかいろんな方がやっておられる地域では、今の法制度の中でさえかなりベッドを 減らしてやっている地域が現実にあるわけですね。  それからもう一つは、病床の都道府県ごとの地域差ですね。なぜ、ある県では、人口 万対20以下のベッド数でやれていて、ある地域ではその倍近い病床数がなければなら ないのか。全国の病床の、さっき大熊先生は国際的な比較言われましたけれども、全国 の病床の人口万対病床数を見ますとかなり差があると。これを見ましてそれでは病床数 の少ないところが治療を受けられない患者さんがたくさんいるのか。  そういうことで、現状の数が私は少ない県に合わせてもやっていけるんじゃないかと いう非常に単純と言えば単純な理屈かもしれませんけれども、むしろ中身をよくする方 に、医療担当者としては、そこのところに力をそそいでいただきたいと、そういうふう に思っております。 ○部会長  どうぞ、河ア先生。 ○河ア委員  確かにこの統計でも出ていますように、毎年1万床ずつずっと減ってきているわけな んですよ。これはやはり最近入院する方が6カ月、7カ月ぐらいでほとんどが、10% か15%残って、あとは退院していっておるわけなんで、なぜもっとベッドが物すごい 減らないのかということはこの15ページにも出ていますように、5年以上の方で大体 50%おるわけなんですよね。この長期の方々をどうするかということがまず第一だと 思うんです。そうすると今の入院患者が半分になってしまうわけですよ、5年以上の方 は。5年以上の方が50%おりますから、これはそれぞれの家族も大変だし、あるいは 国の方で何かいろいろな施策はしておるんだけれども、やはり我々第一線でやっている 者が、援護寮、福祉ホームを病院の前に建てようとすると地域住民が全部反対するんだ というようなことも事実なんです。そこをお互いに努力しながらグループホームに変え そして、何か姿を変えるようなことで一生懸命になって退院をされておるんだけれども 5年以上の方を一体どうするか。  それは厚生省もそういうことを思うから長期在院者を何とかしようと。今のところ、 精神科医療でまずやることが、長期在院者をどうするかという結論を早く、それの実施 を早くということが第一じゃないかと思うんですね。そうすると半分になるんですから。 その辺を十分に、我々はその委員会で前向きに検討したいと思います。 ○部会長  長期在院の検討会というのはあると思いますが、そこではどの辺まで議論が進んでい るのでしょうか。事務局の方から。 ○中村補佐  長期在院の検討会につきましては、資料5にこれまで「精神病床等の検討のあり方に ついて」の経緯のところでご説明しましたが、この委員会そのものについては、平成9 年度から設置しておりまして、今ほど議論がありましたように、長期入院されている方 のどういう対応をしていけばいいかといことでご議論いただいております。現状の分析 また福祉施設のあり方等についても具体的に今ご提言をいただいていると。昨年の夏に は中間報告といたしまして、レポートもいただいておりますし、また、施策、ご提言を 受けまして福祉ホームについても受け入れ態勢を少し変えたものを今後整備していくと いうようなものも来年度予算に要求をさせていただいているところでございます。  精神病床とこの長期入院のあり方と社会復帰の受け皿づくりといいますか、非常に密 接に関係しておりますので、長期の入院の検討会の中で、精神病床について、まず医療 法のスケジュールとにらみ合わせながらご議論をいただいていると。当然、今、委員の 先生方からご指摘ありました点については引き続き長期という課題を具体的にどう解決 していくべきかというところでご議論はいただく予定でございます。 ○部会長  どうもありがとうございました。ほかにご意見ございませんか。どうぞ、仙波委員。 ○仙波委員  1期、公衆衛生審議会リタイアしまして、きょう社会復帰第1日目で、きょうはしゃ べらないでおこうと思ったんですが、やっぱりしゃべらざるを得ないと思いますが、よ く日本はベッドが多いということ、平均在院日数の多いことはよく指摘されるんですけ れども、現場にいる人間として、もう一つの考えとしては、施設処遇、老人も含んで、 それと精神病床を足しますと、フランスにしてもイギリスにしても万対50か60にな っちゃうんですね。施設処遇ですよ。だから視点としては地域に帰すのが社会復帰だと いうんですが、施設をどう考えるかということが大きな因子だと思うんです。特に老人 が、日精協会員病院の入院者中26%を占めている。その比率は年々増加している。  それから、もう一つ、長期入院者で帰せる人について、私なりに努力してみました。 この人は恐らくこのまま手を加えなければ一生病院にいるかもしれないと。約80人、 民間アパートに帰したんですね。それで、3分の1やっと定着してくれました。これを 外国に持ち込んで、この成績どうだと言ったら、外国でもそんなものだと。いかに社会 的サポートと地域住民の受け皿、これに非常に関数が高い。  私のところも、だんだん重症者がたまっちゃって、かつ急性期の人はぐるぐる回って いるというふうなところで呻吟しているというのが現状でありまして、この問題は随分 根が深い。これは多くの日精協の会員の病院も同様なところがありまして、みんな必死 になって帰そうとしているけれども、やっぱりそこでとどまってしまう。例えば社会復 帰施設をつくろうとして、地域の反対運動で幾つつぶれたことでしょうか、援護寮をつ くるとか、そういうことで。その辺のところもっと国として、これをつくる運動を展開 していないと、精神病院だけの問題だとも私はないように思います。  それから、公立病院が半分に減ったでしょうか。民間病院は経営の問題があるという ことはよく俎上に上がりますが、公的病院も病床が半分になったのを聞かないんですね。 だけど、みんな一生懸命やっておられるんですよ、社会復帰は。どこかで大きな展開が ないとだめじゃないかなという感じがいたしますけれども、それにしても、長期入院者 については、年次的にきちんと進めるという方向は日本もマスタープランを持たないと いけないと思います。  バンクーバーがあれほど悪いメンタルヘルスを世界一になったのは、やっぱり長期プ ランがありました。長期プランがあってこそ、あんな立派になったということは1つの 教訓ではあろうと思います。そんなことで、ただ帰れる人が何%いるだけの論議ではど うもだめなようで、どうぞ、もっと幅広いあらゆる面から精神病を見ると。最終的に偏 見の問題に突き当たりますね。 ○部会長  長期在院の患者さんの問題というのは大きいと思います。西島委員のお考えではかな りその中には重度の者がおられるという、そういう観点でございます。  それから、今の話だと高齢者ということと地域の受け入れが悪いと、そういうことで 長期在院の退院が難しいということですが、全家連なんかではもっと地域に戻せるんじ ゃないかというようなデータも出しているかと思いますけれども、その辺、谷中先生ご ざいますか。長期在院の方の対応としてはどういう、ビジョンといいますか、サゼッシ ョンをお持ちなんでしょうか。 ○谷中委員  今、仙波先生、バンクーバーの話されていましたね。私、バンクーバーへ行って一番 感心したのは、重篤の精神障害者も町の中に生きる権利があるのだという、こういう理 念ですね。そして、次に重要なことは、ベッド削減ということもあるんですけれども、 地域の中のマンパワー、バンクーバーと私どもの活動を比較するのはちょっと違います けど、60万のところに400人の心理やソーシャルワーカーを配置しているんです。 私のところは44万のところに140人の精神障害、特に分裂病の方の地域サポートし ていますが、40人の人的で支えています。  でも、考えてみますと、私のところにあと10倍の人数をいただければ、地域でア パートに住んでいただいて、支える分は20年、30年の入院の人が今出てきておりま すから、可能だということです。  なぜ、我々が今までこの種の活動で十分でなかったかというと、箱物に入れるという 施設に入れるということを前提していたからではないでしょうか。もっと地域にマンパ ワーをきちんと配置することによって、地域で支えていくという啓発も含めまして、そ ういう活動がずっとおくれてきてしまった。ですから、今、私たちの計画は、まず社会 復帰施設を幾つつくるかというところにありましたね。これからもう一つ、地域の中で 皆さんがどんな暮らしをしていくか、そこにどんな応援をしていくか、そのためにどう いう人がどのぐらい数必要か。でも私は希望を持っています。ようやくそこまで来たな と思いますから、そういう点から、まず長期的な方々を地域の中でサポートするシステ ム、このことを検討すべきときがようやく来たのではないかと思っていますので、今、 数のことはともかくとしまして、そういう努力の一部はあちこちで始まりつつあると思 います。  ただ、これを全国的にある程度の数値、ある程度のバランス持ってしていけるには、 まだちょっと時間がかかるやに思いますけど、そんな感想を持っています。 ○部会長  どうもありがとうございました。PSWの国家資格化もできたことですし、そういう 面の期待は今後持てるのではないかと思います。どうぞ、河ア先生。 ○河ア委員  地域でいくのにはやはり相当の、国がもっと本当に、何%のあれじゃなしに、相当思 い切った予算をつけてやらなければ、入院しておるよりも地域で出たい。援護寮に行き たい。援護寮があいておる。なぜか。援護寮に行って、その人が自分の職業を何とか探 さなければ生活できないというようなことでは職がないわけなんですよ。  先ほどちょっと言われた施設でどれだけおらすかということについては、施設におる 人に対するもっと経済的な、いわゆる精神的な経済的な待遇をよくしてやらなければ、 いくら建物建ててもそこへ行きませんよね。そこへ行かすとなると、今度は法律的に韓 国のように、6カ月入院したら6カ月は退院しないかんだという法を決めていくのだっ たら行きますけどね。ある程度、そこまでもいけないんですね。家族の方ももう長期に なっておったら、家族も大変ですからね。家族に責任というのを、やはりそれは国なり 市町村なりが責任持って、そして、そこに精神的な経済的な援助を根本的に考えない限 り移っていかないと思います。 ○部会長  どうぞ、大熊委員。 ○大熊委員  たびたびで恐縮ですが、まず、仙波先生のお話では、施設と病院を足したらば同じだ よということでありましたけれども、例えばバンクーバーで外で暮らしている人のあれ を施設と呼ぶべきかどうかはわかりませんが、あれはやっぱり施設ではなくて家だと思 います。病院的雰囲気ではなくて生活の場というふうによその国々はやっているのであ って、施設と足したら同じだというご意見には承服しかねるところでございます。  それから、河ア先生をはじめ精神病院をやっておられる方々が必ず言われる、できな い3点セットみたいなのがありまして、社会の偏見、地域の偏見という偏見問題。それ から、日本の家族はだめで引き取らない。それから国がちゃんとお金をつけないという 3点セットでありますけれども、3番目は私かなり賛成をしますが、その偏見について 言えば、実際に町の中にたくさんの患者さんが暮らせるようにしている精神病院は存在 して、それはそのようにお医者さんや看護婦さんがすることによって、それが出発点で 町の人たちの偏見が消えていったわけで、最初に町の人の偏見が消えて、それから医療 関係者がそこに患者さんを出していくというのは、これは順序があべこべで、これはど この国でも、まず専門家が考え方を変えて患者さんを町で暮らせるようにして、その患 者さんの様子を見て、なるほどと思って、町の人たちが考えを変えたわけで、先日、社 説に書いたある病院の場合ですと、周りの人たちがむしろ患者さんのためのアパートを つくるといった申し出をしてくるようになっていますし、その病院のことについて、筑 波大学かなんかが調査したところによると、その病院の近くの人は偏見がなくて、遠く へ行けば行くほど偏見は強くなっていくということですから、まず専門家が変えるとい うことではないか。それは偏見をやめてくださいということを叫ぶことではなくて、患 者さんの様子を周りに見せていくことだと思います。  それから、家族についてですけれども、これはどこの国をとってみても、そんなに家 族がどんどん引き受けるというような国は存在しないわけで、精神病の患者さんの家族 は年を取っているわけですから、その家族を当てにした政策というのをもう切り換えな ければいけないと思います。ご老人の場合もかつてはお嫁さんという家族に頼る政策を やっていたけれども、それだとかえって家族が地獄になってしまうというので、2000 年に介護保険が始まるわけですから、精神医療についても、家族頼みというところから はやめて、家族のところに帰すんじゃなくて、その人が独立してアパートなりグループ ホームで暮らせるという政策をすべきではないかと思います。  国がだめなのはそのとおりですけれども、さっき申し上げたような病院の場合は、同 じ日本という国の中で、同じ健康保険制度を使って、そして、町へ出して病床数は1割 減らしたということをやれているところがあるわけですから、この3点セットを繰り返 すのはもうそろそろやめてはどうかと思います。 ○部会長  ありがとうございました。  検討部会にかかわっている方の発言が多かったように思いますが、それ以外の方で、 検討部会に申し入れるような、あるいはサゼッションするような、少し距離を置いたと ころからのご意見などございませんでしょうか。 ○西島委員  もう一言ようございますか。 ○部会長  どうぞ。 ○西島委員  申しわけございません。今の大熊委員からそういうお話がありまして、まさしくその とおりなんですが、現実との乖離が余りにも強過ぎるという部分もあるだろうと思いま すね。この前の社説も私読ませていただきましたが、あそこの病院の実情を見ますと、 そういう意味でも重度の患者さんが余り入っていないという部分もありまして、やはり どんなところでも出すための努力はしているわけで、先ほどからありますように、6カ 月で8割の患者さん出ているわけですよ。そして、その方々は地域で生活しておるんで すよ。これは間違いないことですね。  もう一つ、実は援護寮をつくるときに、地域の住民の意見を聞きなさいというのがあ るんですね。地域の住民が了解しなかったらつくれないんですよ。これは北九州でもあ ったんです。絶対だめだと。現実にそれがあるわけで、これをどうするのかということ をきちんとした施策の中でやっていかないといけない。  その中の1つに、先ほど大熊委員に申し上げた、要するにマスコミ報道というものが 偏見をなかなかなくさない部分があるんじゃないかと。私どもはそれはおかしいと。私 ども偏見がない方がいいんですから、要はいろんな患者さんたちが来て楽しそうにして 退院していただく、これが一番いいわけですよ。それを望んでいるわけで、なかなか長 期の患者さんたちがずっととどまっていきますと、職員の生きがいもだんだんなくなっ てくるわけで、職員も生きがいを持ってくれるためにもやはり短期で患者さんたちを地 域に帰っていただくということはどこの病院でも私は努力していることだろうと。その 結果、8割が6カ月で退院しているということにもつながったんじゃないかという気が いたしますけれども。  言うことは簡単ですけれども、ずっとこの偏見というのがなかなかなくならないとい うことも事実であるということだろうと思います。 ○部会長  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  私、精神病床のあり方の方の検討委員会に入っていません。 ○部会長  失礼しました。 ○伊藤委員  発言させていただきますけれども、ぜひ、お願いしたいのは、今みたいに精神病院外 のいろんな隘路があると、だからなかなか進まないんだという、事実としてそういうこ とは確かにあるのでしょうが、病床のあり方については、逆な発想でぜひ進めていただ きたいと。病院がよくなることによって偏見もなくなるし、あるいは社会資源の開拓も していけると、そういう発想で、病院の質を上げることによって精神保健政策全体の水 準が上がっていくという形でぜひ検討を進めていただきたいと。  現状が悪いから、現状にいろんな隘路があるから、まあ仕方がないだろうというよう なことでは困るわけで。少なくとも、医療担当者としては、病院の中で見直すべきこと 病院をよくすべきことが、あるいは先ほどから問題になりました特例というような、そ ういうことがあるために病院の質が上がらなかったという現実があるわけですから、そ このところは、精神病床のあり方を論ずる場合には、外の隘路に余り目を奪われないで 内部といいましょうか、医療をよくするという観点からきちんと報告をまとめていただ きたいと思っております。 ○部会長  どうもありがとうございました。  どうぞ、窪田委員。 ○窪田委員  診療所の立場からちょっと一言言わせていただこうと思いますが、診療所はどちらか といえば、退院して来る受け手の側になるわけですけれども、診療所の機能というのは 医療と福祉の接点にいるんだろうなと思っています。  しかし、現状を考えてみますと、例えば診療所向きの小規模デイケアにしても大変単 価が低いものですから、ほとんどの診療所デイケアが経営的に成り立ってないという状 況があって、精神病院の方のデイケアは既に500カ所を超えているんですが、診療所 デイケアは100カ所しかいかない。  そういう意味では、そういった長期入院の方たちを受けていくための機能がなかなか 十分育っていかないという現実が一方であると思うんですね。  もう一つは、社会復帰施設も本当は診療所がそういった社会復帰施設を併設していく ことができれば、もっといい機能を果たせるのかなと。だから、診療所がそういう地域 の中で帰ってくる人たちを受け入れていく、それこそ先ほどのバンクーバーのような機 能が果たせたらいいと思うんですが、なかなか今の現状では、診療所が社会復帰施設を つくるということが大変やりにくいような構造になっているのも1つは、足を引っ張っ ているのかなという思いがいたします。以上です。 ○部会長  そろそろ予定の時間が近づいておりますけれども、まだ、ご発言されてない方で、ど うぞ、白倉委員。 ○白倉委員  私、きょう初めて出させていただきまして、きょうは、先ほどもどなたかがおっしゃ っていました、皆さんどういうご意見をおっしゃるのか、どの程度、今までの作業が進 んできたのかということを見せていただこうと思いながらじっと意見を拝聴していたし ておりました。本当にある意味では非常に初日にしてはかなり有意義ないろいろご議論 がありまして、この部会に入れていただいて、これはおもしろいなというふうに思った 次第でございます。  ただ、今当面やらなければいけないことは、先ほどの医療法の精神科特例、こいつを まず何とかしなければいけない。少なくとも今度医療法の改定に関して、我々として何 らかの形で前向きな歩調を続けていかなければならないだろうということが1点。  それから、それと同時にやはりこの審議会、1年か2年間の間に、今の大熊先生がお っしゃられた3点セットをめぐる問題をぜひ前向きに解決していかなければいけないだ ろうというふうに思っている次第でございます。以上、感想だけを。 ○部会長  どうもありがとうございました。  大熊委員、もしありましたら簡単にどうぞお願いします。 ○大熊委員  1つは、西島先生おっしゃった私の申しました例について、あそこは軽い人だけとい うのは、これは全く誤解に基づくことでありまして、触法の方は公立があるのでそこへ いるようですけれども、病気として重い人を受け入れないということは一切ないという ふうに、私はさまざまな証拠から思っています。これは知的障害の人についても痴呆の 方についてもいいケアをしているところへ行ってみると、軽いように見えて、閉じ込め てひどい目に遭わせているところへ行くとすごい重い人に見えるということですから、 私、前、あそこの駅におりて、何とか会という2つ精神病院があって、運転手さんに聞 いたら、「あっちは重い人が行って、こっちは軽い人が行く」と言っていましたが、そ れは、この「あっち」という方はすごい鉄格子の病院で、そのことから運転手さんは、 すごい重い人が行くところというふうに思っているのだと思います。  もう一つ、きょう出なかったことで、総合病院の精神科病床のこういう特例を外すと いうことも十分検討しないと、そういう配置が総合病院の精神科まで引き込み、右なら えをしますと、せっかく急性期にいい治療ができる方たちがみすみす病院経営上ひどい 目に遭って、役割を果たせないようなことになると思いますので、これもぜひ早期にご 検討いただきたいと思います。 ○部会長  どうもありがとうございました。長時間にわたって、大変いろいろ貴重な意見が出さ れたと思います。ただいまのご議論を踏まえまして、引き続き検討会の方で議論を進め ていただきたいと思います。再度、次回の部会でご報告をお願いいたします。  では、本日の部会はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。 照会先 障害保健福祉部精神保健福祉課 医療第一係 高橋(内3057)