99/02/01 公衆衛生審議会・疾病対策部会 公衆衛生審議会・疾病対策部会 日 時 平成11年2月1日(月) 14:55〜 場 所 講堂・第1会議室 出席者 朝倉委員 ・ 生田委員 金田委員 ・ 黒川委員 黒木委員 ・ 齋藤委員 東條委員 ・ 外山委員 野本委員 ・ 秦 委員 矢崎委員 ・ 柳川委員 柳澤委員 ・ 山谷委員 山本委員 事務局 中谷エイズ疾病対策課長 朝浦臓器移植対策室長 中谷課長  それではお揃いのようでございますから、ただいまから疾病対策部会を開催させてい ただきます。   本日は、ご多用のところ、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。私 は、エイズ疾病対策課長を務めております中谷比呂樹でございます。部会長選出までの 間、議事の進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。  本日の主要な議題でございますが、部会長の選任、それから私たちのこの部会の主な 活動内容、公開方針の決定、この3つが主要議題でございます。  当部会は、従来「成人病難病対策部会」と称しておりましたけれども、平成9年に、 成人病部分が生活習慣病という形で新たな定義がされましたこと、それから感染症新法 ができましたことに伴い伝染病部会が廃令になったこと、これらによりまして公衆衛生 審議会の大きな組織変えがございました。  そこで私たちのこの部会は、難病対策それから臓器移植対策、その他疾病対策、こう いう新たなディフィニションで発足するわけでございます。ここで、この部会へのご就 任をご快諾いただきました当部会の委員の方々を、ロール・コール方式によりまして、 本日ご出席の方をご紹介をさせていただきます。アイウエオ順で失礼をいたします。  新潟大学医学部教授、朝倉均委員でございます。日本看護協会常任理事、生田惠子委 員でございます。東京都多摩立川保健所長、金田麻里子委員でございます。東海大学医 学部長、黒川清委員でございます。社会福祉・医療事業団理事長、黒木武弘委員でござ います。名古屋大学医学部附属病院長、齋藤英彦委員でございます。国立病院東京医療 センター病院長、東條毅委員でございます。日本薬剤師会副会長、外山寛委員でござい ます。九州大学生体防御医学研究所教授、野本亀久雄委員でございます。牛久市民福祉 の会事務局長、秦靖枝委員でございます。東京大学医学部教授、矢崎義雄委員でござい ます。自治医科大学教授、柳川洋委員でございます。国立療養所中部病院長、柳澤信夫 委員でございます。サンケイリビング新聞社編集長、山谷えり子委員でございます。広 島大学医学部教授、山本昇壯委員でございます。  以上の委員をご紹介いたしましたが、この他、本日どうしてもご都合がつかずご欠席 されております委員のお名前をご紹介いたします。聖マリアンナ医科大学内科学教授、 飯野四郎委員。大阪大学総長、岸本忠三委員。日本医師会常任理事、小池麒一郎委員。 福岡市保健福祉局医監、坂本雅子委員。上智大学法学部教授、町野朔委員で ございます。 このうち飯野委員、小池委員は現在、他の部会にご出席中でございます。  それでは引き続きまして当課の職員、主立ったところをご紹介いたします。朝浦臓器 移植対策室長でございます。エイズ疾病対策課の3人の補佐をご紹介いたします。萩原 補佐でございます。須納瀬補佐でございます、加藤補佐でございます。それから臓器移 植対策室の3人の室長補佐をご紹介いたします。成瀬補佐でございます、山本補佐でご ざいます、阿萬補佐でございます。以上で幹部職員の紹介を終わります。  それでは続きまして、公衆衛生審議会令第5条第3項に定めます「部会長は、その部 会に属する委員の互選による」こういう規定によりまして部会長の選出に入りたいと思 います。この規定に基づき、どなたかご推薦ありますでしょうか。齋藤委員お願いいた します。 齋藤委員  大変僭越ですが、黒川委員を推薦させていただきたいと思います。  理由は、黒川委員は、難病対策専門委員会の委員長として、難病改革に力を尽くされ ましたし、また臓器移植専門委員会の委員長として臓器移植の実現にも貢献されており ます。このような経験実績からも、また、人柄、見識からもぜひ黒川先生にお願いした いと思います。 中谷課長  ありがとうございました。ただ今、齋藤委員から黒川委員を部会長に推薦する旨のご 提言がございました。そこでお図りいたします。黒川委員を部会長に選任してよろしい でしょうか。 全 員 (拍手) 中谷課長  ありがとうございました。それでは黒川委員が部会長に選任されました。それでは黒 川先生、部会長席にお願いします。 黒川部会長  では座って失礼させていただきますが、よろしくお願いします。慣れないものですか らいろいろあると思いますけれどもよろしくご支援のほどお願いしたいと思います。  それでは議事ですが、先程からの部会にでてますと、まず3条の4項規定によってと いうことで、今度部会長代理を部会長が指名するということになっておりますので、代 理を指名させていただいてよろしいでしょうか。私としましては今までいろんな方にお 世話になって、ここにおられる方皆さんそれぞれ適役だと思うのですが、特に私の非常 に尊敬しておる野本委員に部会長代理としてお願いしたいと思います。よろしくお願い します。ありがとうございました。  そういたしますと、一応部会長の選出及び会長代理の指名ということを終了させてい ただきました。  次に議題に移りますが、「疾病対策部会の所掌の事務について」ということにつきま して、事務方から説明をいたさせます。ではよろしくお願いします。 中谷課長  それでは事務方から説明をいたします。(スライド使用)  スライドにお示しをしておりますけれども、資料でも資料2に書いておりますので、 両方見ながらと思います。  この主旨は、私たちの部会の所掌事務のウォーキングツアーといいますか、ガイド付 ツアーを企画をしております。  この部会の領域でございますけれども、特定疾患いわゆる難病対策、それから臓器移 植対策。それからその他の疾病対策、この3つが所掌事務でございます。それで、今日 まで私たちの部会をお手伝いをいただいた先生方、昔は成人病難病部会と申しておりま した。それとどう違うのだというところがこれでありまして、昔の旧成人病難病部会− 生活習慣病、これは成人病でございます。イコール特定疾患+臓器移植+その他疾患、 こういう算定式が成り立つわけでございます。そして、昔の成人病難病部会からこの新 しい部会がキャリーオーバーしています委員会が2つございます。1つがクロイツフェ ルト・ヤコブ病等専門委員会、佐藤猛国立精神・神経センター、国府台病院名誉院長に 委員長をしていただいております。クロイツフェルト・ヤコブ病、急速に進行いたし痴 呆状況になる病気、これの疫学調査の委員会がこの部会にぶら下がっています。  それからもう1つが臓器移植専門委員会、これは黒川先生自身が委員長をされていま す。この2つの部会が、この委員会にぶら下がって現在機能している委員会でございま す。  それから関連の委員会でご承知頂きたいのは、特定疾患懇談会、これは実は難病の研 究、これを見ていただいておる委員会でございまして、厚生大臣の私的諮問委員会こう いう位置づけでございます。それから臍帯血移植検討会、これは保健医療局長それから 医薬安全局長、共管によります委員会でございます。この2つの委員会がございます。  そこに書き忘れたのですが、非常に大切な委員会、厚生科学審議会、こういう審議会 がございまして、難病の研究につきましても平成11年度から、そこの委員会でみていた だく。このような3つの委員会が、この当部会に直接関係する委員会でございます。  それで行政的な枠組みをいいますと、基本的に私たちの難病対策、それからその他の 疾病対策、これは予算措置でございまして法律がございません。それから臓器移植対策 これは臓器移植法ができて臓器移植対策は法律がございます。その他やはり一般的な衛 生法規、福祉法、これに基づいて我々は施策をとる、こういう制度的な枠組みになって います。  それからこれからは、私から特定疾患対策、その他の疾患対策、これのポイントを簡 単にお話いたします。それから朝浦室長から臓器移植対策につきまして 説明いたします。 これを少し中身についてご説明申し上げます。  まず難病対策でございます。難病対策、昭和47年に難病対策要綱を政府の要綱で発足 いたしました事業でございます。対象といたしますのは、難治性・原因不明の希少疾患 に光を当てる研究事業、こういうことでございます。詳しい中身につきましては、お手 元の資料、できたばかりの本ですが資料3、分厚い本に書いてございます。  何を私たちがしているかと言いますと、稀な病気、難しい病気、治らない病気、これ については放っておいたのではなかなか治療研究が進まない、こういう観点から昭和47 年にできた制度でございまして、この背景には実はスモン、これは昭和39年に、現在言 うところの埼玉県戸田市で大ブレークがありまして、伝染病ではないか、公害病ではな いかと大変社会的パニックになったわけです。それを厚生省が大型研究班を作って調査 をいたしましたらば、どうやらキノホルムらしい、このようなことでキノホルムを販売 中止にしましたらば、スモンが下火になったと、こういうことになりまして、こういう 大型研究班が困っている問題、これを解決できるのではないかと、特に大型の病気であ れば研究者の先生方の目が行くわけですが、稀な病気はそれがいかないので、政策的に 研究事業としようとこういう制度で始まったのが、この特定疾患対策でございます。  現在は118の病気を対象に研究しておりまして、48の研究班を設け、20億円の研究費が 投じられております。  それから118の病気のうち、43には公費負担制度がございます。すなわち医療費の自己 負担を、全部または一部公費で負担をするという制度でありまして、国の予算でいえば 213億、これは都道府県と折半事業ですから、国、都道府県合わせますと213億円×2、 だいたい400億から500億ぐらいの予算、ここの一部でございます、対象となっているの が40万人の方でございます。ただし近頃、治療が良くなってきましたので、障害を持ち ながら長期に療養される方が増えてきたので、福祉事業の強化が課題となっています。  それで現在の難病対策の課題の対応ですが、科学研究費これにつきましては、厚生省 でさまざまな研究事業ができてきましたので、それに応じて研究体制の再編というのを 今予定しております。患者状況の変化、これは先程申し上げました障害を持ちながら療 養される方が増えてまいりましたので、それに応じた施策の再編強化、これが課題とな っておりまして、平成10年5月から患者の自己負担の導入、在宅患者、また重症患者に 重点を置いた施策の再編成、これを平成10年5月に行ったところでございます。  新たな課題、今後お諮りしていくことになると思いますが、私たちの課題2つ申し上 げますと、1つが、社会保障のマクロポリシーとの整合性と書きましたが、例えば介護 保険が導入された場合、難病対策の方をどうするのかこういうような論議、これも私た ち避けて通れないところでございます。それから先程クロイツフェルトヤコブの調査を していると申し上げましたが、このような狂牛病に端を発しますような新たな健康課題 に対してどう対応していくのかというのが、私たちの課題でございます。以上が特定疾 患対策でございます。  それから私たちがもう1つやっておりますカテゴリーが、その他の疾患対策でござい ます。その他というと、非常にイメージが悪いのですが、非感染症、非生活習慣病これ らの病気に対してどう対応するかということでありまして、私たちがいま念頭にありま すのが腎疾患、これは腎不全の患者さんが毎年毎年増えております。こういう方々をど うするのか。免疫アレルギー性疾患リウマチ性疾患、アトピー性皮膚炎、これから問題 となります花粉症、そういうものに対して臨床的な研究をどうするのか、こういうのが 私たちの所管する事務であります。それに対しましては課題に応じた対応をしていると いうのが現状でございます。  それから臓器移植対策は朝浦室長が説明をいたします。 朝浦室長  臓器移植対策でございますけれども、先生方ご承知のとおり、平成9年に臓器移植法 ができまして、施行されて1年3カ月ぐらい経つのですけれども、脳死体からの移植が 可能になったわけですけれども、残念ながらまだ1例もでていないという状況でござい ます。かつては、腎臓、眼球だけが臓器移植の対象になっていたわけですけれども、心 臓、肺、肝臓、膵臓、小腸を含む臓器の移植についての法律ができたということです。 それに基づいて、施行規則やガイドラインを決めて行っているわけですけれども、臓器 移植専門委員会、先程お話がありましたように、そこでこの規則なりあるいはガイドラ インをご議論いただいているという状況でございます。  それからこれから臓器移植のネットワークの整備を果たしていかないといけないわけ ですが、臓器の提供の数が諸外国と比べても少ないものですから、もう少し戦略的な目 で、これからの施策を考えていきたと考えています。  脳死体からの移植が可能になったというふうに申し上げましたけれども、実は脳死判 定基準いわゆる竹内基準といわれるものができていますけれども、現在6歳未満の脳死 判定基準がまだないという状況の中で、この判定基準を現在研究班で早急にお願いして いるところでございまして、平成10年度、現在その症例調査を行っているところです。  それから骨髄移植につきましては、骨髄移植推進財団とそれからここに書いていませ んが、日本赤十字社の協力を得て、ドナーの登録者数が昨年の夏に10万人を超えたとこ ろであります。今後、新しい目標値として30万人のドナー登録を目指すということで、 新たな取り組みをはじめております。  それから臍帯血移植につきましては、臍帯血移植検討会でご議論していただきまして 現在9カ所の全国にある臍帯血バンクの取り組みを支援しながら、全国的なネットワー クを進めていこうという方針で進めております。来年度から、厚生省としても新規事業 として4億円の国庫予算を計上しておりますけれども、そういった財源措置も含めて、 今後5年間で2万個の臍帯血を保存して、現在はまだ体重が50kg未満の方々の白血病の 治療ということで使われておりますけれども、今後、成人の方にも広げていくような形 でいきたいというふうに思っております。事務方からの説明は以上でございます。あり がとうございます。 黒川部会長  ありがとうございました。それでは今の説明につきまして、何かご質問などございま すでしょうか、これからの主なアクティビティ、現在行われているアクティビティそれ から最近の歴史のようなことに大変要領よく説明していただいたと思います。もしあり ませんようでしたら、それではその次にいたしましょう。 事務局からその他補足ある いは追加あるいはその他のことについて。 中谷課長  先程の委員会の席におきまして、審議会の公開の仕方についてご論議のあったところ でございますので、この場合この部会におきますルールを決めていただきたいと思うの でございます。  そこで先程は各部会のご判断によりまして、「原則として会議又は会議議事録を公開 することとし、また、審議内容を広く国民の方々に知っていただく観点から、会議を公 開する場合にあっても、併せて議事録又は議事要旨を公開することが望ましい」このよ うな主旨の説明があったわけでございますが、この際、私たち事務局といたしましては できることであればご了解頂きたいのは、「原則として会議を公開する、プラス議事録 を公開する」この2つの公開を私どもとしてはお諮りしたいと思うわけでございます。 よろしくご審議お願いします。 黒川部会長  どうもありがとうございました。いかがでしょうか、今の提案、この会議自身も公開 議事録も公開ということを原則にしたいということでございますが、ご質問ありました らどうぞ。  とりわけ差し支えるようなことはないと思いますが、またそういう事象が起こりそう なことが予測される場合については、あらかじめどっちかにするということは一応書い てありますので、原則として、それでは審議も公開ということでやらして頂きたいと思 います。よろしいでしょうか。 全 員 異議なし 黒川部会長  はい、どうもありがとうございました。それではそういうことでございますので、原 則として会議の公開及び議事録の公開ということで、この部会を運営したいというふう に思います。その他、何か追加ございますでしょうか、 事務局からその他にありますか。 中谷課長  特にございません。 黒川部会長  それではそういうことですので、本日の部会を散会といたしたいと思います。 本日はご多用のところ、大変ありがとうございました。またよろしくお願い いたします。 以上 照会先は、厚生省保健医療局エイズ疾病対策課          電話 03ー3503ー1711(代表) 内線2352             03ー3595ー2249(直通)