第4回社会福祉法人の経営に関する検討会 議事要旨
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日時: |
平成11年 1月12日(10:00〜12:00) |
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場所: |
厚生省別館第2会議室 |
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出席委員:
(五十音順) |
岩渕、川渕、財前、高岡、玉田、本田、森田の各委員 |
4.議 事
- (1) 開会宣言
(2) 出席状況の確認(小谷委員欠席)
(3) 前回議事録の確認要請
(4) 事務局より議事の説明
・本日はフリートーキングで議論することを説明
(5) 本田委員より説明
・収支計算の類型、減価償却の導入に関する検討 等
(6) 審議
5.審議の概要
(発言1)
- ○損益計算を導入した場合、現行の社会福祉法人会計とのギャップが大きい。
(発言2)
- ○切り返し仕訳は、仕訳自体を忘れても帳簿上成立するという点及び内部取引のため外部チェックが入らないという点で会計上問題があり、かつ、社会福祉法人の会計を分かりづらくしているのではないか。
(発言3)
- ○契約制に変更した場合には減価償却は施設整備費の自己負担部分か整備費全額か。
(発言4)
- ○法人の健全性を考えれば補助金部分についても減価償却を行うのが望ましい。
- ○補助金分を含めて減価償却を行うとすると、収入でカバーしなくてはならないというプレッシャーが強くなる。
- ○補助金を受けているところは、価格競争面で補助の効果が出てくるようにすると、補助金についての減価償却は考えなくていい。その分価格を下げることができるので、競争力がでる。
(発言5)
- ○繰越金は原則持ってはいけないとされているが、企業の健全性や再投資を考えると剰余金を積み立てるということをある程度認める方向で考えないと減価償却を導入しても財務的な健全性という点で弱い。
(発言6)
- ○会計原則について議論する必要があるのではないか。制度全般について考えないと整合性がとれない。
- ○損益計算か収支計算かということと、措置費から契約へ移行ということは別次元のことではないか。
- ○措置費収入で、どの程度までカバーするようになるのかという点が重要。
- ○特養や保育所など他にいろいろ経営している施設も含めて議論するべき。
(発言7)
- ○今までの収支計算書を残しつつ、損益計算の考え方を取り入れた収支計算書ということも考えられるのではないか。
- ○公益法人においては、予算が重要であり、収支計算は残さなければならない。
- ○現在、公益法人は収支計算書中心で損益計算を取り入れようという流れだが、企業は反対に損益計算中心だったのが収支計算を取り入れようという動きになっている。
- ○個人的には公益法人会計基準変形型を考えているが、これだと社会福祉法人会計を基準とするのではなく、かなりドラスティックに変わってしまう。
(発言8)
- ○制度が多少変わっても、運営費に上乗せがないと償還財源に入れるというのは難しい。
- ○将来補助制度をなくしていくから、減価償却して自己負担分の体力を法人につけさせるのか、補助制度は残していくが、自己負担分は新たに出せないから、その分は力をつけさせようとしているのかが見えない中で、減価償却を取り入れる必要があるのか。
(発言9)
- ○資産の評価が高く見えすぎていることと措置費収入から基本的に施設の借金の返済に回してはいけないので問題があるという法人の要望と、構造改革の中では公費との関係でお金の支払い方が変わるということをどのように解決していくかを検討すべき。
(発言10)
- ○現行制度を変えることによって、減価償却見合いの資金を準備することは可能。
(発言11)
- ○措置費のやりくりの中でたまった分を償還財源に使えないので使わせろ、ということであれば、現行制度を変えずに規制緩和で可能なのではないか。
(発言12)
- ○お金が余ることが本来あり得ない措置費という委託費の世界とサービスの対価としての収入の世界というのは基本的に考え方が違い、お金の性格が変わるから経理の仕方を変えることが可能になるのではないか。
(発言13)
- ○補助金収入は資本助成が目的と考えられるので、資本剰余金で処理してもいいのではないか。
(発言14)
- ○会社では資本金という正味財産は株主から出資してもらった分であり、守らなければならない額とされているが、公益法人は、最初に寄附してもらった正味財産はあまり気にしない。
- ○社会福祉法人でも補助金で出た部分や最初に寄附された財産の部分については維持すべき目標とすべき。
(発言15)
- ○小規模法人、一法人一施設は人件費が80%を超えている。合理化の余地がないところでも新しい会計制度で対応できるのか。
- ○構造改革の不安要因は零細な現場の人たちがやっていけるのかというところにあるのではないか。
(発言16)
- ○小規模な幼稚園でも、複雑といわれている学校会計基準でやっている。基準の緩和は可能ではないか。
- ○人件費比率が収入全体の70%ぐらいある学校もあり対応できている。
(発言17)
- ○一法人一施設の場合の経理区分の考え方と一法人多施設の場合の考え方の仕切りが不明確。
- ○会計間の資金移動の話は、むしろ、規制緩和の話であり会計とは関係ないのではないか。
- ○報告、開示義務をどこまでするのかについて言及すべき。
6.次回の開催について
次回は、平成11年 2月 4日(木)午前10時00分から、厚生省別館第2会議室において開催する。
照会先
社会・援護局 施設人材課 指導係 黒川補佐(内線2862)