98/12/04 中央児童福祉審議会母子保健部会議事録 中央児童福祉審議会 母子保健部会 議 事 録 ( 平成10年12月4日開催 ) 厚生省児童家庭局 母子保健課           中央児童福祉審議会 母子保健部会議事次第 日 時 平成10年12月4日(金) 16:00〜17:40 場 所 厚生省特別第一会議室  1 開 会  2 議 題   母子健康手帳の改正について  3 報告事項       1)平成10年度補正予算(景気対策臨時緊急特別枠)要求等について       2)厚生科学審議会先端医療技術評価部会への専門委員会の設置について       3)母乳中のダイオキシン類に関する研究について  4 閉 会 ○事務局  ただいまから、中央児童福祉審議会母子保健部会を開催いたします。本日は、大変お 忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。  本日の部会には委員全員の方に御出席いただく予定になっていますけれども、J委員 につきましては約30分ほど、E委員につきましては約15分ほど遅くなるという御連 絡が入っております。  初めに資料の御確認をお願いいたします。本日は議題が1項目、報告事項が4項目で ございます。資料はそれぞれ1から4までということになってございます。  資料1といたしまして「母子健康手帳の改定について」。  資料2といたしまして、「平成10年度補正予算(景気対策臨時緊急特別枠)要求等に ついて」。  資料3「厚生科学審議会先端医療技術評価部会への専門委員会の設置について」  資料4「母乳中のダイオキシン類に関する研究について」の4つの資料で ございます。  加えまして、最後に新聞記事の切り抜きでございますが、参考資料といたしまして1 枚おつけしてございます。  それでは、最初に母子保健課長より御挨拶させていただきます。 ○母子保健課長  先生方には年末の大変お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。  前回の会合から約4カ月近くたちましたが、きょうは引き続きまして、母子健康手帳 の内容につきまして御検討いただいて、これで来年の4月から新たな母子健康手帳でス タートしたいというふうに考えております。  この間に10年度予算の第3次補正が行われたり、あるいは厚生科学審議会の先端医療 技術部会で生殖補助医療関係、出生前診断関係の専門委員会を私どもの課の方で立ち上 げまして、2回ほどそれぞれ会合を開いております。それぞれにつきまして御報告をさ せていただきたいと思いますので、ぜひよろしく御審議をお願いしたいと思います。 ○事務局  それでは、これから議事に入りたいと思いますので、部会長よろしくお願いいたしま す。 ○部会長  それでは司会をさせていただきます。きょうは議題は1つでございますが、幾つかの 報告事項があるということでございます。これは議題にもないんですけれども、母子保 健課で主管していただいております母子保健部会は、母子保健にかかわる施策あるいは 問題など逐一この部会にかけたり、あるいは報告をしていただいておりまして、部会と して厚くお礼を申し上げます。  それでは、きょうの議題の「母子健康手帳の改定について」でございますが、これは 前回一部いろいろ御検討いただいたところですけれども、それを含めまして、あるいは 御発言の内容を踏まえた手直しなどをいたしまして、きょう1つの案としてお示しをす るということのようでございます。では事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは御説明申し上げます。資料1「母子健康手帳の改定について」というのをご らんになっていただきたいと思います。1枚めくっていただきまして、A4横でござい ますが、若干ちょっと見づらい点もございまして、下が欠けて次のページに回っている 部分もございますが、御了承願います。  これは向かって左側の方でございますが、新たな改定案、右が前回8月5日の部会で 御提示させていただいたものです。全般的にそのときの部会で御意見をいただきました ものをもとに再度改定案として直させていただいたものが載せてございます。  項目といたしましては、1から4でございまして、これは前回お示ししたとおりでご ざいます。1番目は「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策について」、2番目「子育 て支援に関する相談機関の情報提供」、3番目「働く女性の出産・育児を支援する制度 に関しての情報提供」、4番目といたしまして「母乳栄養について」と、この項目でご ざいます。それでは1から順番に御説明させていただきます。  改定の趣旨等につきましては、前回、御説明させていただきました。ここにまた再度 載せさせていただいておりますのでごらんになっていただきたいと思います。前回の部 会におきまして、育児環境に関する注意喚起の目的以上に、保護者の方へ精神的な負担 をかけるというような表現方法を改めて、まず本旨一環のリスクを方法論を最初に述べ このような点について留意すれば発生しにくいと、そういうような全体の構成にすべき というような御意見もいただいております。また、全般的に表現、また文章の脈絡等を 平易なわかりやすいものに変えさせていただいております。全体的に母子健康手帳の中 でのその他の項目とのバランスも考えて、このように変えさせていただいております。  それから、前回の部会で示しました記述案に新たに追加しました条項としては、この SIDSという疾患がどの程度存在するのかというのが一般の保護者の方にはイメージ としてちょっとつかみづらいのではないかという御意見もございまして、一例でござい ますが、ここの左側の改定案のところの真ん中あたりでございますが、「その数は、1 年間に生まれる赤ちゃん120万人に対して約500人となっています」というような 数の文言も入れさせていただきました。イメージとして非常にここら辺のところでどれ くらいいるのかというようなものも重要な情報ではないかという御意見と同様に、50 0人という数が人によっては非常に少なくないのではないかというようなイメージを持 たれる方も、かえってそこら辺のところでさらに怖がらせてしまうという点も考えられ る、そういうような御意見もございますので、それぞれにメリット、デメリット等があ ると思いますが、その点、全般的に勘案して御審議をいただければというふうに考えま す。  それでは、一応改定案に関しまして全文を読まさせていただきます。 ◎乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防のために 1 赤ちゃんを寝かせるときは、あお向け寝にしましょう。  ただし、医学上の理由から医師がうつぶせ寝を勧める場合もあるので、このようなと きは医師の指導を守りましょう。 2 妊娠中や赤ちゃんの周囲で、たばこを吸わないようにしましょう。これは、身近な 人の理解も大切ですので日頃から協力を求めましょう。 3 母乳が赤ちゃんにとってよいことはよく知られています。母乳の出方には個人差が ありますが、母乳が出る場合にはできるだけ母乳で育てるようにしましょう。 SIDSとは、それまで元気であった乳幼児(主に1歳未満の乳児)が睡眠中に何の前 ぶれもなく亡くなってしまう病気で、窒息などの事故によるものとは違います。  その数は、1年間に生まれる赤ちゃん120万人に対して、約500人となっていま す。原因はあまりわかっていませんが、これら1から3の点を日頃から心がけること で、この病気の発生を減らせることがわかっていますので、赤ちゃんの健康を守るため に積極的に実行しましょう。  さらに詳しく知りたい場合は、保健所やかかりつけの医師に相談しましょう」。  それでは、続いて御説明させていただきます。  「2 子育て支援に関する相談機関の情報提供」ということでございます。これに関 しましても、同様に右側が前回部会で提議した案でございまして、左側が今回の改定案 でございます。変化した点でございますが、体や発育に関する相談という項目のところ に「かかりつけの医療機関」という項目を入れさせていただきました。  その下の「養育上の悩みやしつけなどに関する相談」の中に「児童館」というものも 加えさせていただいております。どちらとも前回の部会において、それぞれ加えるべき だという御意見をいただいた点でございます。  2の子育てに関する相談機関」に関しましては以上でございます。  続きまして、1枚めくっていただきまして、「3 働く女性の出産・育児を支援する 制度に関しての情報提供」でございます。  これに関しましては、前回と今回の改定案で大きな点といたしまして、まず、今まで の経緯の中で、「出産、育児に関する働く女性のための法律等」というページになって おりまして、何々法、例えば男女雇用機会均等法の条文第何条というようなものの、そ れを集めたものということになっておりましたが、実際にこの手帳を使っていただきま すお母さんたち、保護者の方にとってみましては、法律面というようなインフォメーシ ョンよりは、もっとかみ砕きまして、例えば産前・産後の健康管理であるとか、労働で あるとか、そういうような具体的な分野別に分けて再構成し直した方が非常に使いやす いのではないかと、情報を得やすいのではないか、そういうような御意見もございまし て、全般的にレイアウトを変えさせていただいております。  左側の改定案のところでは、まず「産前・産後の健康管理」ということで、項目で 「妊産婦(妊娠中及び出産後1年を経過したもの)は、事業主に申し出ることにより、 次の保健指導又は健康審査を受けるために必要な時間を確保することができます」。  そのほか、「妊産婦が医師や助産婦の指導を受けた場合には、その指導事項を守るこ とができるよう、事業主は、勤務時間の変更、勤務の軽減など必要な措置を講じなけれ ばなりません」と右側の方の法律の条文をもとにした文章を分野ごとに持ってきており ます。項目としては、「産前・産後の健康管理」の次に「産前・産後の労働」。  1枚めくっていただきまして、「産前・産後の休業」というのが真ん中ほどにござい ます。  4番目で「育児休業」。  それから、「出産育児一時金・出産手当金など」。  もう一枚めくっていただきまして、「育児休業給付」というものの項目立てで分けて ございます。  そして、それぞれの項目に関しまして、問い合わせ先を別途書いてございます。「育 児休業」より上の項目に関しては4ページのところでございますが、問い合わせ先とし て、各都道府県女性少年室。  「出産育児一時金・出産手当金など」に関しましては、勤務先、社会保険事務所、健 保組合などということになっております。  また、「育児休業給付」に関しては、公共職業安定所ということで、それぞれの項目 について問い合わせ先を記して、よりわかりやすい構成ということを心がけて案をつく りました。  続きまして、「4 母乳栄養について」でございます。  これに関しましても、前回、御説明いたしましたけれども、赤ちゃん時代の母乳栄養 と人工栄養という項目でございますが、「赤ちゃん時代の栄養は母乳が基本です」。そ の後で、「3カ月頃までは」という項目が入っておりましたけれども、これに関して落 とすということで、ここで区切る必要と必然性というものは認められないということで 落とすという方向で前回も御議論していただきまして、これに関しましては、前回、各 委員の先生方から、これを落とすということに関しては非常に賛成であるというような 御意見をいただいたというふうにしてございます。  以上、4項目に関しまして、前回の御議論を踏まえまして改定案を作成させていただ きましたので、これに関しまして、また、新たに御意見等をいただければと思います。 よろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。詳しい御説明をいただきましたので、前回の御議論を思い 出していただきながら聞いていただけたと思いますが、では、前回のときの案をさらに 修正したものをきょうごらんになっていただいて、さらに修正が必要かどうかについて の御意見をちょうだいしたいと思います。  まず、この4項目1つずつまいりたいと思いますが、1の「乳幼児突然死症候群対策 について」、要は読まれた親御さんが余計な心配はしないような表現の仕方ということ と、わかりやすいということでこのように修正をしていただいてあります。特にきょう 御意見を伺いたいのは、先ほど事務局が言われました頻度について、あった方がいいと いう御意見もあったので、「その数は、1年間に生まれる赤ちゃん120万人に対して 約500人となっています」というような頻度の説明が1行半入っておりますが、確か に先ほどの御説明のように、500人というのをまれな出来事というふうに受けとって もらえるのか、かなり多いから心配だと受けとられてしまうのか、この辺がこの数字を 入れることの是非についての分かれ目になると思うのでございますが、この2行ほど入 れた方がいいか、あるいはいっそのことなくてもいいかというあたりも含めまして、先 生方から御意見を伺いたいと思います。どなたからでも結構ですけど、いかがでござい ましょう。 ○C委員  産婦人科で、例えば母体死亡、こんなあったらびっくりしちゃいますね、500人も 亡くなる。数ですね。どのくらいの割合か、1分娩について120万人で、大体母体死 亡というのは全国統計で、ことしは随分少なくなったんですけど、それまでやっぱり 100人超していたわけですよね。 ○部会長  最近70そこそこですよね。 ○C委員  はい。非常に少ないと思います。それにもまして赤ちゃんが1年間に突然死というの が500人というのは何か多いような感じもしないではない。私なりにちょっと多いな という感じがいたしますけど。 ○部会長  ほかにいかがでしょうか。 ○K委員  私もこの500人という数字、ここだけが目にいくような気がしまして、読んだお母 さんたちが、その500人の中にうちも入るんじゃないかというような不安が、ちょっ と感じておりましたけれども。 ○部会長  我が国のこの120万人の500という。 ○K委員  120万に対する500という見方をすれば、確かに少ないんだと思うんですが、 120万というのが余り目にいかなくて、この500だけがひとり歩きするような気が しないではないですね。 ○部会長  外国と比べるのは難しいにしても、外国よりも我が国は大分低いんですけれど、確か に500という数字があるとそれに目がいくという御意見だと思います。  小児科側ではいかがですか。B委員いかがですか。 ○B委員  基本的にこういう情報というのはやはり開示した方がいいと思うんですね。ですから 驚かれるかもしれませんけれども、今、先生ちょっとおっしゃった外国の例、ちなみに ということでつけ加えておくと少しは安心されるのではないでしょう。日本はかなり少 ないですよね。 ○C委員  外国ではというのを「欧米では」というのを入れる方がよろしいですか。 ○部会長  厳密に言うと、診断基準やら何やらが、まだ取り上げたばっかりの我が国とどれだけ 違っているのかというのがわかりませんので、その辺が外国と比べて、安心してもらう ためには「外国に比べれば少ない」という言い方でもいいんでしょうし、ただ、そうい う細かい点を気にする方があると困るなというのが、外国のことを書かなかった理由と いうふうに漏れ伺ったんですが。 ○C委員  SIDSになったお子さんを持ったお母さんの心のケアというのが、M教授なんかお っしゃって、まだできてないわけですよね。先生おっしゃったように、その500人の 中へ入っちゃったお母さん方が物すごく落ち込んじゃうんですね。ですから、その数と して、私が500人の中へ入っちゃったんだというところの救う道というのがまだ確立 されていないということは非常に心配しています。 ○部会長  F委員いかがですか。 ○F委員  2つ問題があると思うんですね。1つは頻度を出すことがいいか悪いかということな んですが、お母さん方はその点については、C委員のお話のSIDS関係者以外は割に すんなり、珍しい病気かな、それにならないようにするにはこういう予防策が書いてあ るんだから、そういう点で理解して出すことは私はいいと思います。  それから、120万人に500人が珍しいかどうかなんですが、普通パーセントオー ダーであれば一般的なものかなと思うんですが、これは2000から4000ぐらいに 1つだとすれば、こういうことを予防していれば、この珍しいのにかからないという点 で、私は120万に500人もしくは出生2400人に1人という形でもどちらでもい いのでないかと考えます。私はこれは肯定的に、多分お母さん方も肯定的にとらえてく れるのではないかという期待があります。 ○C委員  F委員おっしゃるように、分娩の何千例の1例といえば、少ないなと思いますけれど も、その500という数字が、さっきおっしゃったようにひとり歩きというのが、非常 に私は心配です。 ○F委員  そうですね。 ○H委員  120万人に対して500、これは実際の班会議で集められた数なわけです。日本の 最近の乳児死亡率、出生千対3.9とか4前後ですね。そのうちの50%以上が新生児 死亡で、新生児期を過ぎて亡くなる数が大体2000人ちょっとぐらいだと思うんです けど、そのうちの約4分の1がSIDSだということで、死亡原因として統計上は3番 目ですけど、非常に重要な病気だということは実際そのとおりです。確かに欧米に比べ るとこれでも少ないわけですけど、F委員が言われるように、この数字を出すことにつ いて、お母さんたちにとってこれは必要かどうかというのはちょっと疑問に感じます。 ○部会長  G委員いかがですか。 ○G委員  とても難しいことだと思うんですけれども、日本はもともと少ないけれども、もしこ ういうことを改善すれば、もっと減るという観点が大事なことなんだろうとは思うんで すけれども、そのための数字の示し方が大変難しい。何とも言いようがないというか、 ポイントはそっちにあるんだろうと思うんです。ポイントはこの3つのことに気をつけ れば、もっと減らすことができる。それは諸外国がキャンペーンをやって、実際に減っ ていると。中には5分の1ぐらいに減った国もあるというようなことがあるんですけど それをここにずらずら書くのは母子健康手帳の性格上難しいですね。  そういう中でこの数をどういうふうに考えるかというのは、数を示さなくてもそのこ とが何か言えやしないかなとさっきから考えていたんですけれども、気をつけた方がい いんだけれども、C委員が言われるとおり、もしそうなったときにはまだまだお母さん が罪悪感を持つとかという問題もある中で、数を出すことの意味というのは どうなのか。 むしろH委員がおっしゃった新生児期を過ぎてからの死亡の中では大きい割合なのだと いうようなことの方が、事の重大性から言ったら大事なのではないかと思うんですけれ ども、また、それに入っていくとごちゃごちゃしてしまう。  ということで悩んでいます。 ○F委員  罪悪感とおっしゃられる、もし障害とか死亡とか、子どもに対する親のケアの問題は なかなか病気の種類も多いし、今後ともそういい方法が具体的に近い将来出てくるとは 思えないんですね。例えば、もし障害児、ダウン症でもいいんですが、産まれた親御さ んは非常に心のショックを受けて、人によっては非常に長い期間の治癒できない状態が 続くわけですね。その現実はそう簡単に変わらないと思うんですね。がん告知ではない のですが、こういうことはある程度わかっている範囲で、親御さんに罪悪感の問題と離 れて、やはり出すことが1つ必要なのではないかというふうに考えます。 ○部会長  ありがとうございました。ちなみにこの母子健康手帳にこういう情報を入れる。この 3つの予防対策をなるべくとってくださいというのが主なんですが、このほかに、後で 資料としてお話がある方からの、要するに補助金的なもので、このSIDSの家族の会 に委託して、SIDSの予防のためのパンフレットが印刷されることになっていまして これが全部のお母さんたち、つまり母子健康手帳を受け取る方に配られる予定というこ とが1つと、それから母子健康手帳の副読本と称している解説の無料で配布されるパン フレットがあって、これもかなりのところで配っていただいていると思うんですが、あ れの中に改めてSIDSの予防のことを入れようという話が別途、あるいは後ほど御説 明がある話の中にあるんですね。  母子健康手帳は、とにかくあれだけのものの中にコンパクトに入っているので、極力 簡単な内容にして、ほかに資料があるのなら、それに細かいことは任せるかという考え 方もあり得ると、これはお考えいただく上での前提でちょっと補足をさせていただきま す。 ○母子保健課長  これは前に入ってないんですね。なぜ、入れたかというところを理由だけ御説明申し 上げますと、これを抜いた場合にこの部分がないということになると逆に不安になるの ではないかなと考えています。要するに、前ぶれもなく死んでしまうんですよ、原因は わかってないんですよ、努力すれば減りますよということでは、何人ぐらいが死んでい るのかということがわからないことで、逆に不安になってしまうのではないのかなと思 ったわけです。  数字で示したのはどちらかというと非常に少ないんですよということを言いたかった んです。ですから2000から3000に1例ぐらいしか亡くなりませんよという方が よければそちらの方でもよろしいのですけれども、これを外した場合と、イメージとし て少ないんだよというための数字を入れておくのとどちらがいいのか。外しても、いや そんなに一般の人が見て怖がることはないと思いますよということであればよろしいの ですが、我々はSIDSというのはどれくらいの発生頻度か知ってますから、あえてこ んなことを入れる必要ないんじゃないのという発想も出てくるのですが、何も知らない 人が見た場合、この文章を読んで、これはどのくらいの方が亡くなるのか全然わからな い、何か非常に不安だなというイメージになってしまうと困るなというのが、ここにあ えて入れた理由なんです。これはなくても、普通に読んでいって、そんなことは考えな いですよということであれば、削っても逆にいいのかなということはありますし、いや 数値ぐらい入れておかないということであれば、こういう形なのか、それとももうちょ っと違う形なのか、あるいは外国と比べて少ないけれども、大体これぐらいの頻度です よということを入れるのか、そこら辺は、初めに入り口のところを御議論いただいて、 それから数字関係を御議論していただくとありがたいのですが。 ○部会長  ありがとうございます。  ということでございまして、チョイスとしてはこの表現、出産幾ら、赤ちゃん何人に どのくらいという表現、それからいっそのことなくす、その3つぐらいのチョイスの中 でどれが一番余計な不安をお母さんに与えない。だけど、やっぱり気をつけようという 気になってもらえるかという兼ね合いだということでございますが、A委員、こういう 表現、あるいは何千人に1人という表現等をごらんになったときにどんなふうにお感じ になると思いますか。 ○A委員  結論から言えば、2番目のチョイスの何千人に1人という方が生活者側に合った表現 だと思うんですね。全国のデータというのは衛生統計の数字ですから、少しワンクッシ ョン生活者にはあるような気がして、今の3つのチョイスの真ん中が私は一番わかりや すいかなと思います。 ○部会長  B委員、改めてお願いします。 ○B委員  パーセンテージで出したらどうでしょうね。500という数を出さないで、出生のお よそ0.2%くらいとか、そうすると余りぴんとこないというか、でも計算すればわか る。 ○部会長  何千に1つというのと、0.何%というのとどっちなんでしょうね。 ○C委員  いずれにしろ少ないですよということですね。 ○部会長  とにかくお母さんに余計な心配はかけないで、しかもなるべく守ってもらうという趣 旨で、余計な心配をかけないような表現は前回たしかD委員がおっしゃったと思うので そういう意味で書く順序などをこういうふうに修正案では変えていただいたわけですが 数字の表現などを含めましてD委員いかがでしょう。 ○D委員  ある程度数字が出るということは読む方の立場から見るとはっきりした実像イメージ が浮かんでくるだろう。ただ、この120万というのはいずれ100万を割るようにな るだろうと思いますし、そうした場合に500というだけが生きちゃうと、かえって 1000対幾つの方がずっとコンティニュアスに使えるのかなと。恐らく2〜3年する と100切るだろうと思いますので。 ○部会長  少子化について悲観的にお考えいただいて。 ○D委員  私は非常に悲観的に見ておるんです。 ○部会長  これは何千になるんでしょうか。 ○事務局  1000人当たり0.44人というような数字になっております。 ○部会長  0.44。 ○事務局  正確な数字で、平成8年度のデータでございます。 ○部会長  0.44ですか。1000人に0.4ということは、パーセントなら0.04、ある いは2500人に1人。赤ちゃん2500人に1人ということになりますね。そういう チョイスの中でいかがですか。 ○F委員  遺伝相談を昔長年やっておりまして、難しい病気の頻度を理解させるのにパーセント は来られた方はなかなかわかりません。それから、全体の何万人に対して500とか、 やはりわかりやすいのは、2500とか1000に1つの起こり方ですよと。原因がわ からない場合にはくじ引きに匹敵しますと。それを引いてあなたが当たるか、多分当た らない確率の方が多いでしょうと。それは遺伝相談の場合には自分で決める問題ですよ ということになるのですが、わかりやすさの点から言うと、2000〜3000人に1 人ぐらいが理解されやすいのではないかと思います。 ○部会長  ありがとうございます。G委員、重ねてお伺いしますが、いかがでしょうか。 ○G委員  私はそれが一番わかりやすいかなというふうに思うんですけれども、それと同時に、 さっき数が変化するというお話が出ましたので、これは見張っていて、キャンペーンを するともっと減る可能性はあると思いますので、これをきちんと数を変えていかなけれ ばならないと思います。そういう趣旨だったら、何千人に1人が一番いいのではないか と思います。 ○部会長  H委員。 ○H委員  今の書き方よりは2500人に1人。2500人に1人ぶつかる可能性というのにび っくりする可能性もないとは言えないかなという気がしますけど。 ○部会長  その方がいい。 ○H委員  ええ。 ○部会長  K委員、いかがですか。 ○K委員  私も今なぜ数字を入れたかという説明を聞きまして、確かにそれも必要かなというふ うに感じました。その数字の表現としましては、2500人に1人というのが一番身近 なんじゃないかという気はします。私ども保健婦も説明しやすい。自分の地域の出生数 に対して何人くらいですよという具体的に説明はしやすいと思います。 ○部会長  ありがとうございます。C委員いかがですか。 ○C委員  その辺で。 ○部会長  今、先生方の最終的な御意見では、さっき課長の言われた3つぐらいの表現のチョイ スの中では、2500かどうか知りませんが、大体2500人に1人ぐらいという表現 の方がいいだろうという先生方のほぼ一致した御意見だと思います。また、最終的には 厚生省で詰めていただきますが、この席ではここのところの表現を「赤ちゃん2500 人に1人ぐらい」という表現をお勧めしますということでよろしゅうございましょう か。                (「はい」と声あり) ○部会長  では、そのようにさせていただきます。 ○母子保健課長  もうちょっと表現をやわげるという意味で、「外国に比べて少ない」というふうなこ とは入れる必要はないでしょうか。 ○部会長  これは事実でしょうから、どなたか先ほどお話ありましたが、外国に比べれば少ない けれど、このくらいとかという表現で、そういうちょっとした言葉が入るのは困るとい う御意見ございますか。 ○C委員  効験の歴史が浅いとこの間の研究班ではおっしゃっていましたね。欧米では長い間見 て、それだけで減ったのははっきりしたことで、比較だと根拠は弱い感じがしました。 それから、さっきG委員がおっしゃった、これから例えばこの3つをうまくやっていけ ば、少なくなれは、それからまた出してもいいといいますか、これは4月から載せるに 当たって、要するにうつぶせ寝とたばこと母乳、それでやって、また統計みたいのをと って、本当に減るかどうか。 ○部会長  減ることを期待して出すわけですけれども、外国と正確には比較できないというのは 先ほど私も申し上げたのですけれども、もし入れるとすれば「外国の報告」とか、少し あいまいな表現にしておけば、細かい意味で、つまり科学的な意味で突っ込まれないで 済むかしらという気はいたしますけれども。 ○C委員  そうですね。 ○部会長  B委員、お隣に座っていらっしゃるので、ついでに伺いますが、その辺いかがです か。 ○B委員  外国ではかなり長い間、こういった努力をして、なおかつ今の日本より多少多いです よね。ですから、課長さっき言われたように、細かい数は要らないかもしれませんけれ ども、少ないにしてもこうだということをおっしゃるのはいいかもしれませんね。 ○A委員  外国というときに、アジアとかアフリカとか、そういう国も外国ですので。 ○部会長  欧米です。 ○A委員  非常に難しいと思います。 ○部会長  D委員、わかりやすく心配させすぎないようにとおっしゃった先生なので、今のよう なところで、これ順序を変えたり、何千人に1人、あるいは欧米に比べれば少ないけれ ど、このぐらいというような表現でこれをまとめる方向はいかがでしょうか。 ○D委員  右側の文章と比べて左側の方がはるかにすぐれて私が申し上げたことが随分入れられ ていると思っております。結構だと思います。 ○部会長  それでは、この席では、こういう方向で、今申し上げたような方向で意見として出さ せていただきますので、最終的にさらに厚生省の方でお詰めになっていただきたいと思 います。  ありがとうございました。1番のSIDSについては、これが一番表現の難しいとこ ろだったんですが、これはそのようにさせていただきます。  2番の「子育てに関する相談機関」、これは前回の案に比べて変わったといいますか 足したのが「かかりつけの医療機関」を加えたこと。これは医師会からの御指摘であり ました。それを加えますということと、もう一つ「児童館」、これは児童福祉の方で、 児童館に相談機能を持っているところが出てきたようですので、児童館を加えようかと いうことで加わった。この2点が加わるという改定といいますか、改正案でございます が、この点はいかがでしょうか。余りこれは問題ないように思いますので、今後さらに 相談に乗ってくれる機関などが増えてくれば、それを書き足すということで、当面はこ れでよろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○部会長  ありがとうございました。  第3番の「働く女性の出産・育児を支援する制度に関しての情報提供」ですが、これ は先ほど御説明がありましたように、従来は法律の名前を挙げて、その中の何条にこう いうことが書いてあるからという表現の仕方での情報でしたが、これは一般の方にとっ ては、法律の名前とか条文何条というよりも、実際にこういう場合にどうなんだという 整理の仕方の方がわかりやすいし実際的ではないかということで改定案のように書き直 していただき、かつ新しい情報として、例えば最後にございました「出産育児一時金・ 出産手当金」のことなどを足していただいて、さらに問い合わせ先を書き足していただ いたということだと思いますが、この改定案についていかがでございましょうか。  K委員、お母さんたちを一般にいろいろアドバイスをしたりするときを考えた場合、 この改定案はいかがですか。 ○K委員  大変わかりやすくなったと私は今思って見ました。法律そのものというのはそんなに 必要としませんので、この分け方の方が大変わかりやすいと思いますし、問い合わせ先 が出ているというのは非常にいいと思います。 ○部会長  ありがとうございます。同じように御指導の立場でG委員いかがですか。 ○G委員  出産育児一時金のところの、請求によって出るということがほかのところには書いて あるんですけど、ここがないのですが、それを入れた方がいいのではないかと思いまし たのと、それから、この前も指摘したのですが、このことは本人が働いていなくても夫 が働いていても同様に出るんですね、この項に関しては。その辺のところを、たしか、 これはそういうような投書が動機で記載を検討したと記憶しているのですが、夫が働い ていて、本人が夫の健康保険の被扶養者でも、出産育児一時金とか手当金はやはり出ま すので、その辺が働く母親のためにという箇所だけにまとめて入っていていいのかなと いうことなんです。 ○部会長  事務局、その辺の返事ありますか。 ○事務局  確かに普通のように配偶者の出産育児一時金という制度も同様にあるわけですが、そ れを1つひとつ全部同様に並べていくというのに関して、項目がこういう母子健康手帳 の中で行われているのに関してもどうだろうかという御意見も前回の部会でも伺ったよ うに思いますし、そういう意味であえてそれを別建てにしてお出ししているという案で おつくりしなかったわけでございますけれども。 ○母子保健課長  今の点はテーマが「働く女性のための出産、育児に関する制度」ということで、別に 雇用労働者を想定して考えられているわけですね。ということで、1つそういう割り切 りにしようかということと、配偶者にすると、今、武田が申し上げたように、出産育児 一時金や出産手当金じゃなくて、すべて「配偶者」という言葉がついて、1つ別のもの になるというふうなことがあります。  それから、ほかのところは申請の対象、支給の対象、請求の対象が書いてあるん です。 ここは書いてないんですが、これは非常に書きにくくて、だれに対してというのが一本 で書けないんですね。この下にありますように勤務先、社会保険事務所、健保、国保と いうのは市町村で、ばらばらなんです。それが1つにできないものですから、全部一応 請求者を明確にしようかと、要するにだれに対してどうすればいいかというのを明確に しようということでほかは全部直したんですが、ここだけは1つであらわせないという か、明確にできないものですから、下の方に問い合わせ先を書いたということです。そ の「など」も本当は「市町村」というのを入れたかったんですが、市町村の場合は「出 産手当金」が国保では出ないんですね。そんなこともあって、「など」と書いていると いうふうなことで、いろいろ考えた結果、こういう結論になったということを御報告さ せていただきます。 ○部会長  ありがとうございました。  J委員、今、お見えいただきましたが、今、母子健康手帳の改正について、この前、 議論していただいたのを踏まえて改定案が出されて、それを御議論いただいて おります。 今、3番の「働く女性の出産・育児を支援する制度に関しての情報提供」というところ で、現行のものが法律の名前別に説明してあるのをそうでなくて、わかりやすいように 条件別に整理し直してあるということで、これでいかがでしょうかと、そういう御意見 を今いただいているところです。 ○J委員  はい。 ○母子保健課長  ちなみに前のバージョンは法律が全部書いてありますが、一応労働省さんの方からい ただいたものをそのまま載せたものですから、母子健康手帳のほかの記載の方法と全然 ここだけが違った書き方になってしまっています。法律事項の条文は特にほかにも書い てありませんので、他に合わせて整理させていただいたということでございます。 ○部会長  という、ある意味では苦心の作というお話ですが、G委員よろしゅうございますか。 ○G委員 ただ、1つひっかかるのは、本人が働いていなかったらここを見過ごしてしまうかも しれないわけですね。そういう人こそ本当は必要なんじゃないかなということを感じて このことを入れた意味を考えるとその辺はどうなのかと。この「働く女性の出産・育児 を支援する制度に関しての情報提供」の中に入らないところでこういうことを言えるの ではないかと思います。現実に母子健康手帳をもらったときにちゃんと見る方は割に少 ないんです。こちらが指摘して、初めて、ああ、そういうこと書いてあったんですか と。 臨床の場でそういうことを啓蒙する必要があります。該当するところも読んでいらっし ゃらない方があることを踏まえるとちょっとそこが気になる。せっかく入れるのだった ら。もちろん勤労者世帯でない場合はこれは話が別になるわけですから。 ○事務局  先ほど課長が申し上げましたことのつけ加えになるんですけれども、先ほど、いわゆ る被雇用者に対する者にというか、働いている女性に関する内容の割り切りというよう なことを申し上げましたけれども、例えば配偶者出産育児一時金でありますとか、出産 手当金でありますとか、配偶者でない出産育児一時金といった全般に関して、基本的に は社会保険庁の方で、言ってみれば会社であるとか、そういうようなところに関して周 知は根本的にしております。そういうようなものがベースにある上で、母子健康手帳を お渡しして、働く女性のための法律というのが今までありまして、こう並べていたわけ ですけれども、プラスアルファのものとして、こういうものを加えたらどうかという位 置づけとしては基本的にはそういうことになる。全くそういうインフォメーションがそ ういった方々たち、もしくは勤めている会社のところへ全然行ってないとかいう話では なくて、そもそも基本的にはそういう所管している役所のところから周知ということは かなり広範に行っていると、そういうベースは基本的にはあるということも御勘案いた だければというふうに考えています。 ○D委員  そういう理論展開ですと、失業率が大変上がってきて、生保であるというような条件 のときはどういうふうになりますでしょうか。 ○部会長  課長お願いします。 ○母子保健課長  生保の場合は、出産扶助で市町村窓口に申請していると思います。 ○G委員  たしか扶助費母子健康手帳にはもっとかたい書き方だけれども、そういうことが書い てあったと思うんです。今のにも入っておりましょうか。 ○D委員  そういたしますといろいろなフィールドの妊婦がいらっしゃって、勤労妊婦だけに特 に注意を払っているというようなそしりを受けないかどうかという問題が出てくるかも しれませんね。 ○部会長  例えば、この説明に該当しない方はどこへ問い合わせてくださいというような、何か 2〜3行で済んじゃうようなうまい足し前が考えられませんかね。そういうことがあり 得るなら、その辺の細かいことはお任せして。 ○D委員  あるいはこの出産育児金とか出産手当を別個にして、それだけぽーんと出すとかとい うふうに普遍性を持たせた方がいいような感じがしますけれどもね。 ○C委員  普通、出産育児手当金というのは働いていなくても出ますですよね。 ○G委員 本人が働いてなくても。 ○C委員  家庭の主婦でもですね。 ○G委員  被扶養者というか、配偶者というか。 ○C委員  私たちは現場にいますと、黙っていても必ず退院する前に持ってきますね。 ○G委員  ただ、この項目をここに載せようというふうに考えた発端は、たしか新聞の投書の中 で、少子化だと言っているけれども、こういうことについての広報が足りないじゃない かという投書が載ったということ。それはこの前、たしか伺ったし、私もその記事は見 ているんですが、そういうことから考えれば、働いている人だけじゃなくて、だれにで もわかりやすく、要するに費用についてのことは載せた方がいい。 ○C委員  今の制度では、日本でお産した人は外国人以外は全部いわゆる一時手当金みたいな出 産費みたいな補助が出るわけですよね。出ないということないですよね。 ○部会長  わかりました。それでは、今の御意見の趣旨は、つまり被雇用者である方以外の方に ついての情報もやはりちょっと載せておくべきだと、そういう趣旨の御意見でございま すので、そういう表現を別個に簡単に入れるか、あるいはそれに該当するのが出産育児 一時金、この部分だけならば、これと別枠にして説明をしていただくというようなこと で、働く方にも、あるいは家庭にいる方にも共通して役に立つ情報を簡単でも母子健康 手帳の中に盛り込んでおいたらいいかがと、そういうこの席での御意見というふうに受 けとめさせていただいて、その取り扱いについては、また厚生省の中でひとつ御検討い ただくということでいかがでございましょうか。  課長、そういうようなお願いをしてよろしいでしょうか。 ○母子保健課長  結構でございます。これはもともとは出産費に関する働く女性のための法律というこ とで法律が明記されているんですね。それを今度法律じゃなく、「働く女性のための出 産、育児に関する制度」ということになったので、何となく主婦とか、そういう方はど うなんだと、こうなってしまうんですが、一応制度の一番初めのところに、この制度の 対象というのはこういう方を考えていますと。それ以外の主婦等の方については、これ これこういうことだということをちょっと入れておくような方向で検討させていただく ということで考えさせていただきます。 ○部会長  その辺ちょっと工夫していただきたいと思います。そういうお願いをして、この項目 を終わらせていただきます。よろしゅうございますか。  それでは、4番目の「母乳栄養について」ということで、これも改定しました場所は 前回お示しして御意見いただいた中で、1行目にございます「3カ月頃までは」という 表現がついていたのですが、何も3カ月でなくても母乳が出ていてあげられる方はずっ とでもいいじゃないのと、そういう御指摘が前回あったので、「3カ月頃までは」とい うところを消したのが改定の部分でございます。これについてはいかがでございましょ うか。  栄養関係ですけど、A委員よろしゅうございますか。 ○A委員  はい、よろしいです。 ○部会長  ほかの先生方いかがでしょうか。 ○H委員  「3カ月頃までは」というのを取ったのは本当によかったと思います。非常に細かい 言葉遣いだけの問題ですけど、「赤ちゃん時代の栄養は」、この「時代」というのは要 らないのではないか。「赤ちゃんの栄養は母乳が基本です」と。 ○部会長  「赤ちゃんの」でわかりますね。 ○C委員 そうすると最後の方の「よろこんで飲み」というのはどうでしょうか。喜んで飲んで ますか。 ○部会長  喜んで飲んでいるんじゃないかな。どうですか、先生。 ○J委員  この「よろこんで」というのは、上の「むりに飲ませることは」というのに対応して 入れてある日本語なんだろうと思いますけれども。 ○C委員  「よく飲み、体重が順調に増えているなら……」。 ○G委員  そこのところが、でも「よく」というと……。 ○D委員  わからなくなっちゃう。 ○G委員  わからなくなっちゃいますね。 ○D委員  むしろ、これはない方がいいんです。 ○C委員  「よろこんで飲む」というのはどういうんですか。 ○D委員  結果として、体重が順調に増えていればいいんです。 ○G委員  無理に飲ませるのではない。赤ちゃんの飲む力の方を言いたいためにJ委員が言われ たように使ったんじゃないでしょうか。 ○J委員  でも、これ全部削っちゃってもいいですよね。「体重が順調に増えているなら心配あ りません」と。別に喜んでいようが、うとうとしながら飲もうが、要するに体重が増え ていればいいということではないでしょうか。 ○A委員  すいません。 ○J委員  違うんですか。すいません、門外漢ですから。 ○A委員  いえいえ、そうじゃなくて、食事を楽しんで、ストレスがなくて楽しんで食べること が大事だという、その出発点に当たるので、英語で言えば、エンジョイしてというよう な意味なんですよね。それを日本語で言うと、喜んでになっちゃうと精神面だけが前面 に出ちゃうんですけど、快く飲むみたいな、何でしょう、その一言があることがとって も、体重だけじゃなくて、もっと全人的な快さというのが入ってくるから、やっぱり何 らかの形で残していただくといいなと思うんですけど、確かに「よろこんで」というの は少し言い過ぎのような気もする。「楽しんで」でもおかしいし。 ○部会長  確かに食事は楽しくというのが基本なんだけど、上のつながりから言うと無理に飲ま せていると、哺乳びん見るとそっぽ向くという子が出てくるものですから、そういう場 合は飲みが少ないように思っても、体重が増えていればいいんだよという言い方を面と 向かってはお話ししますけれども、こういうふうに文章の中へ書くとどうでしょう。 ○B委員  別ににこにこ、うれしくてという意味じゃなくて、積極的に飲むというイメージでし ょうね。だから、わかるんじゃないですか、そういう意味で、この日本語は。積極的に 飲むという。 ○部会長  積極的にということでしょうね。いかがでしょうか。 ○K委員  私はこの「よろこんで飲み」というのは自然に受けとめてましたけど。 ○部会長  誤解がなければ、「よろこんで飲み」というのが残っていてもいいと思うんです けど。 ○C委員  普通は人間喜んで飲みますよね、何でも。無理やり飲ませなければ。 ○部会長  F委員、保健所長さんいかがですか。 ○F委員  私はこのままでいいと思いますが、あるいは適切な表現があれば別でもいいと思いま すが、もし取っちゃうと、飲めばいいんだということになりますから、厚生省のお勧め としてはちょっと殺伐としているんじゃないかというふうに思います。やはりいろんな 場で温かさを、喜びとかいろんな表現で書いておいていいんじゃないかと思います。 ○部会長  G委員いかがですか。 ○G委員  私もそのとおりだと思います。 ○部会長  これでよろしいですか。特に強い御反対なければ、お勧めのお言葉もいただきました ので、「よろこんで飲み」はこのまま生かしていただきます。 ○母子保健課長  特にこれまでクレームはありませんでした。 ○部会長  ありがとうございました。  E委員、お忙しいところありがとうございました。きょうは議題としては、この前大 体御意見をいただいた母子健康手帳の4カ所の訂正について御意見いただいたのですが ほぼ原案で御了解をいただいたところでございますのでまた後ほどごらんください ませ。 ○E委員  はい。 ○部会長 そうしましたら、この改定についての内容は、予定としては来年の4月から印刷ない しは配られるものについて変えていきたいというお話なので、あに程度時間的にお急ぎ かと思いますので、根本的なところは余りなかったと思いますので、表現あるいは先ほ どの制度絡みのあたりは多少工夫して入れていただくという前提にさせていただきまし て、形の上では部会長と事務局に御一任していただくということでよろしゅうございま しょうか。  もし、それでよろしければ、また最終的にしたものを先生方にお送りして御確認をい ただきたいと思いますけれど、再度このために部会をもう一回開く必要があるほどの問 題はなかったと思いますので、そのようなことでひとつ。 ○B委員  主題から外れますけれども、前から文部省で学童健康手帳をつくっているということ を耳にしております。私ども昔から母子健康手帳の連動といったことを主張しておりま す。取り上げるような取り上げないようなまだはっきりした結論聞いておりませんが、 わかっている部分だけ教えていただければ。 ○部会長  これは文部省の方はいろいろな意味でぐずついているんですけど、この手帳は既に決 まって入ったのも、学校へ入ってから後の健康の記録のページを1つ足したというとこ ろで一応中間的な手直しがしてございますので、ということでございますね。何かほか に御説明ございますか。 ○母子保健課長  文部省の手帳の方はどういう進行になっているかということですか。 ○B委員 学童の健康というのはやはり乳児期からの続いたものを当然考えなくちゃいけないの で、それまでの予防接種歴や既往歴、そういったものが母子健康手帳から離したもので もいいですから、連動するようになれば、子どもの一生の問題だろうと思うんです。 ○母子保健課長  現行、予防接種の記録の中に、前回、先生方の御協力で改正していただいたところで 保護者の記録7歳以降というのを設けて、その中に年月日と年齢と体重、身長、備考欄 とありまして、下の(注)の中に、備考欄には予防接種、かかった病気などを記入しま しょうということで、一応学童期の予防接種歴も本人が学校からいただいたもの、ある いは自分が受けたものなどをここに記入していただくという形になっておりますので、 基本的にはここに載ると思います。 ○B委員  基本的には母子健康手帳を親が管理して持っているということですか。 ○母子保健課長  そうです。学校のコントロールで、一生の予防接種歴をつけることは非常に難しいも のですから、あくまで個人が自分の予防接種歴を管理するという形で私どもは考えてい ます。ですから学校が個人に対して情報を積極的に提供してもらうというふうな形が望 ましく、どこかで予防接種歴をコントロールするような形はなかなかなじまないと思い ます。今、情報管理は非常に重要な問題ですから、あくまで個人が自分でつけるという ふうな形でこの母子健康手帳を考えています。 ○B委員  ありがとうございました。実はけさ公衆衛生審議会の予防接種部会がありまして、こ こでは予防接種の接種率を上げるためには、このようなことが必要だという議論があり ましたので、その関連でちょっとお聞きしました。 ○母子保健課長  予防接種の関係でいろいろと議論されているのは私ども承知していますが、何か母子 健康手帳を変えたということは御存じないのかなというところもありまして、うちの方 できちんと説明した方がいいのかなというふうには認識しています。予防接種で別に接 種手帳をここから切り離してつくれとかという議論もあります。それだけ切り離しても だれがその情報をきちんと与えてくれるのかというところの保証はどこにもありません ので非常に難しいと思います。学校管理下の情報をどうやって返していくかとか、難し いので、今は母子健康手帳の中で個人が管理するという形で私はどもはやらせていただ いているので、そこら辺の御説明と、もうちょっとよくしていくということはそれはや ぶさかでないですから、また御提言等いただければ、こちらの母子保健部会の場で、予 防接種部会のいろんな議論を、母子健康手帳についてはこうすべきだとかというのがあ れば、また改定等も含めて検討させていただければと思っています。 ○部会長  ありがとうございました。いわゆる学童ないしは児童生徒健康手帳とのつながりの点 は、御存じの先生も多いと思いますが、かなり前から問題になっていて、ただ、今の母 子健康手帳をそのまま学校の現場へ持ち込むというのはプライバシーにかかわる問題が いろいろ入っているものですから、せめて体重、身長のグロースカーブと予防接種の記 録ぐらいを取り外せるようにして、学校の場へ持ち込めるようにしたらどうだという意 見があって、前回、大幅の改正のときに、その意見はどうでしょうということも御相談 した記憶があるんですが、そのときは取り外せるようにすると、またなくしちゃうよと いう話が出まして、結局、例えば手帳のサイズをもう一回り大きくしようとかいろんな 案があった中で、結局ペンディングで終わってしまったといういきさつがござい ました。  そうこうしているうちに、今度後ろに情報のページが入っちゃったものですから、取 り外すというのが製本上、そういうふうにうまくいくかしらという別の問題が出てきち ゃって、全体としてまだペンディング。文部省の方もなかなか話が進まない。つまり手 帳をつくると養護教諭さんの仕事が増えるというのが文部省側の内々の事情の1つでも あるようで、なかなかそれ以上の進行はしていないのが現状のように私聞いております が、そんなことでもう少しこれは時間をかけて検討していただければありがたいと思い ます。  これは次回、つまり法的というか、規則の改定、つまり前半の部分の改定をしなけれ ばならないのが2000年に体重、身長の新しい数字が出る予定だと思いますが、その 数字が出た2001年ぐらいには、それを変えるために官報の告示を必要とする部分の 変更が多分あるだろう。そのときにもしできることがあれば、この手帳のさらなる改正 をそのときに考えておいていただいたらどうかしらと前回関係した人間としては思って おります。○B委員 10年前に同じように伺いまして、この次に持ち越すことを述べ ました。 ○部会長  なかなか難しいですね。今回の改正は、先ほど御説明のように、情報のページですか ら、ここで了解していただければ、来年の4月から直せるということでございます。そ の辺、余計なことですけれども、情報として話をさせていただきました。ありがとうご ざいました。  それでは、そういうことで、この部分はとりあえず御了承いただきまして、あと報告 事項として4つございます。これを続けて御説明いただいて、御質問がありましたらお 伺いしたいと思います。また、事務局の方でお願いいたします。 ○事務局  平成10年度の補正予算の(景気対策)の関係の予算につきまして説明をさせていた だきたいと思います。お手元の資料2をごらんください。  1枚めくりまして、「景気対策臨時緊急特別枠要求について」ということで、従来マ クドナルドハウスだとかファミリーハウスというような言い方で言われておりました小 児がんなどの高度先進医療を受けるお子さんたちが、医療機関が遠隔地にあると。大都 市などのものに集中するということで、遠隔地から受診して長期間の滞在で大変経済的 にも精神的にも御苦労されているということがありまして、今回経済特別枠と。  厚生省全体では3,188億円ほど計上しておりますが、その中の少子化・子育て支 援対策の中に小児医療の充実という関係で19億円ほど建物を建てます施設整備とその 中の設備につきまして予算が認められております。これらにつきましては、従来ボラン ティア団体等でやられていたわけですが、最近経済状況が悪いということで新たにこう いう施設を開設する場合に資金集めに御苦労されているというような状況があったわけ ですが、今回緊急特別枠ということで特別に補助対象としております。  特に注目すべき点としましては、補助率のところで定額で行うということでやってお りまして、地方公共団体、県立病院、また民間の病院で設置する場合においてもほとん ど負担なくこういうことができるという特殊性があります。  それから、補助先につきましては医療機関、いわゆる小児病棟なり小児科のあります 病院。  または事業内容のところの2番目のところに書いておりますが、複数の病院で共同し て利用するような場合につきましては、病院を経営していない社会福祉法人などに対し ても、また財団法人などに対しても補助ができるようにと広く柔軟な設置ができるよう に工夫をしております。  それから、2枚目ですが、「小児用連続血管造影装置の設備整備」ということですが NICUなどの集中治療室を設けている病院に対しまして整備を行うものですが、従来 の施設整備の枠ですと大体1施設当たり3,000万円程度の設備整備しかできないと いうことで連続血管造影装置のような高額な機器については整備ができなかった。補助 対象にはなりますが、補助枠を超えるということがあったわけですが、今回乳児死亡の 原因であります先天異常や心臓疾患などに対応する医療機器の整備を図るというような 観点から、箇所数は5カ所と限られておりますが、補助対象にしております。1カ所当 たり基準額としては2億5,000万ほどを予定しております。  それから、次の3ページ目ですが、これは今回の補正予算には関係ありませんですが 平成10年度の第1次補正予算におきまして、社会福祉・医療事業団の中に「子育て支 援基金」というものが900億円政府の出資で創設されております。次のページに基金 事業の全体的なものが示されておりますが、子育てを支援するということで、地域での 子育て支援事業を行う、または虐待だとか非行防止など、また、そういった広報啓発活 動などを行いますボランティア団体など広く支援をしていくというような基金でありま して、母子保健の分野でも、8年度の補正、非常に期間が短かったわけですが、 6団体が助成を受けております。大体総額で5,000万円近くの助成を受けておりま して、その中に乳幼児突然死症候群親の会・SIDSに関する啓発普及事業としまし て、SIDSの防止に関しますリーフレットやポスターの作成などということで、おお むね1,000万の助成を受けております。  また、ファミリーハウス運営委員会が、先ほど慢性疾患児の宿泊施設の関係を申し上 げましたが、高度先進医療を受ける家族への相談支援事業というようなことで助成を受 けております。また、職域の推進啓発なども行って、乳幼児の事故防止の啓発普及さま ざまにやっております。  こういった事業も国の一般会計の予算につきましては非常に限られておりますが、こ ういった基金の事業なども活用しているところです。  以上、簡単ですが、10年度の補正予算要求等につきまして御説明申し上げます。 ○部会長  ありがとうございました。  続けて御説明いただいて、最後に御質問いただきたいと思います。どうぞ。 ○事務局  続きまして、資料3でございますが、「厚生科学審議会先端医療技術評価部会への専 門委員会の設置について」という項目に関しまして簡単に御説明させていただきます。  昨年、平成9年より厚生科学審議会先端医療技術評価部会におきまして、生殖補助医 療技術を含めます生命倫理に関しまして御議論いただいているところでございますが、 2ページ目のところをごらんいただきたいと思いますが、部会の中で「生殖補助医療技 術に関する専門委員会」というものを立ち上げてございます。これが10月21日に第 1回の専門委員会を開催しているということでございます。  内容といたしましては、「検討方針」のところでもございますが、第三者が配偶子提 供や代理母等生殖補助医療技術にかかる安全性の問題でありますとか倫理面、それから 法制面におけるいろいろな問題について論点をまず整理すると。  その論点の内容に関しまして広く国民の意見を聞くということを目的に、アンケート 調査を実施すると。そして、アンケート調査のその結果を踏まえまして、各論点ごとに 集中的な議論を行う。  ほぼ2年以内を目途といたしまして、委員会としての意見を取りまとめるということ を検討の方針としてございます。  今、申し上げましたように、その下の「作業スケジュール」のところでございますが 10月21日の日に、第1回の専門委員会を開いております。1ページ目のところで、 10名の専門委員会のメンバーの先生方の名簿がございます。K大学のN先生を委員長 に医学・看護学のほか、法律、倫理の各方面の先生方にお集まりいただきまして専門的 に深く議論いただいているところでございます。 今後の詳細な論点の各項目につきましては、2ページ目の下の後半のところにいろい ろと書いてございますので参考にしていただければと思います。  それと今申し上げました生殖補助医療技術に関する専門委員会と並びまして、もう一 つの大きな論点といたしまして出生前診断に関する問題がございます。これに関しまし ても、3ページ目、4ページ目のところで書いてございますが、特に出生前診断の中に おきましても、4ページ目の検討方針のところでも出ておりますが、今まで行われまし た心身障害研究などにおきましても、インフォームドコンセントや事後のカウンセリン グが非常に不十分であると、そういうような実態が報告されておりまして、妊婦さんの 間にも検査の結果の解釈等、広く相談体制の不備による混乱というものが生じている と。 それに対する早急な対応が必要なのではないか、そのような点が指摘されているところ でございます。 このような現状を踏まえまして、この専門委員会におきましては、ま ず母体血清マーカー検査を中心に議論を行いまして、計画では平成10年度末を目途に 議論を取りまとめまして、委員会としての提言を作成するということで、現在御議論を 始めていただいているところでございます。  下の「作業スケジュール」のところにございますように、10月23日の日に、第1 回の専門委員会を開催していただいておりまして、以下、下にございますように、その 中で議論のたたき台となるものを作成するためのワーキンググループの会議等も既に開 催していただいているところでございます。 出生前診断に関する専門委員会のメンバーに関しましては、3ページのところに同様 に名簿をお付けしてございますけれども、H医大のP先生を委員長に8名の先生方、こ れも医学分野のみならず法律、倫理面の専門の先生方にお集まりいただきまして、広く 御議論をいただいているところでございます。 ○事務局  それから、「母乳中のダイオキシン類に関する研究」につきまして、その後の中間結 果などがまとまっておりますので、お手元の資料4として付けさせていただいておりま す。  内容的には3種類ほどありまして、1ページ目から4ページ目までにつきましては、 母乳中のダイオキシン類に関する調査研究、平成9年度に行いましたものの、4月に最 初の中間報告をしておりましたが、その後、第3回目の部分につきましてもほぼまとま りましたので載せております。第2回目につきましては、前回非常に数が少なかったわ けですが、今回終わりまして、若干前回の発表したものより下回っているということに なっております。  2ページ目のところで、居住年数の方をお示ししておりますが、いわゆる母乳を採取 した出産をした地域で言いますと、居住年数は非常に短いという傾向にありますが、同 一市町村または郡内での居住年数等を見ますと、年数が長いものが多くなりまして、累 積居住年数では10年を超える人がほとんどであるというようなふうになっております。  3ページのところでは、実際に測定しました項目などもお示ししております。  それからCo−PCBにつきまして、前回の中間報告では載せておりませんでしたが 今回併せて載せております。  4ページ目が、各地区ごとの具体的な数字を載せておりまして、それほど大きな地域 間の差はないということです。  急ぎ足で申しわけありませんですが、5ページ目につきましては、平成9年度の心身 障害研究で、年度末に追加した研究としまして「臍帯血等のダイオキシン類に関する研 究」を行いました。胎盤組織、臍帯血、それと母乳とのダイオキシン類濃度の関係等に つきまして調査をしたわけですが、調査としましては、臍帯血中のダイオキシン濃度は 低いということが明らかになったこと。それから、胎盤組織、臍帯血、母乳中のダイオ キシン類濃度との相互には関連していることが明らかになったというような結果が出て おります。  6ページに概要の数値等を示しております。  なお、臍帯血につきましては非常に脂肪濃度が低いということと、検査方法の問題か ら脂肪濃度については測定ができませんでした。それからCo−PCBについては研究 費の枠の問題等もありまして、測定は今回はしてないということです。  それから、7ページ目に、前回、「平成10年度(今年度)の母乳中のダイオキシン 類に関する調査研究」の概要についてお示ししておりましたが、具体的な対象地域につ きましては、一応決まりましたので、こちらにどこの地域の方を対象にやるかを示して おります。今回ですと、19県21地区ということで実施をしております。  以上、簡単ですが、報告を終わります。 ○部会長  最後の新聞記事ですが、お願いします。 ○事務局  説明させていただきます。これは特別資料ではございません。参考資料として新聞の 切り抜きがございます。前回の部会、8月5日の部会で、日本精神神経学会の先生方に 性同一性障害の診断と治療に関するガイドライン等、その他経緯につきまして御説明い ただいたところでございますが、その後の経過でございます。  対象になっていらっしゃる方ですが、埼玉医大で、10月14日に入院いたしまして 10月16日の日に手術をされたということでございます。約6時間ほどの手術を受け られまして、手術は成功いたしまして、10月27日に退院されたということでござい ます。半年以降先に第2回目の手術を予定しているというふうに聞いております。  以上でございます。 ○部会長  ありがとうございました。  御報告事項なので一括して御説明をお願いしましたけれども、御質問がございました ら、どの部分についてでも結構でございますから御自由にお願いいたします。  母子保健課長、何か補足なさることございますか。 ○母子保健課長  特にございません。 ○E委員  先端医療技術のところで、生殖補助医療のところの3と5についてちょっとお教えい ただきたいんですが、卵子・受精卵、代理母等についての回避を検討するということで しょうか。それから、5)の商業利用についてというのはどんなものなんでしょうか。 ○母子保健課長  回避を検討するのではなくて、こういった技術が日本において基本的に容認されるべ きなのか否かと。容認されるとすれば、無条件に容認されるものなのかあるいは条件が つくのか。その場合に仮にある条件がついて容認されるということならば、それは制度 的なものなのか、あるいはもうちょっと制度的じゃなくて、例えばガイドライン的なも のなのか、あるいは民間の学会の自主規制程度でよいのか、そういったいろんな視点が あるわけでして、特にこの場合は子どもの権利という観点から主に議論がされていくの だろうと思いますけれども、そういうことを議論していただく。  専門委員の間では、こういう分野では、なかなかコンセンサスが得られないと思うん ですね。各国で制度がまちまちですから、日本の制度は日本で決めていかなければいけ ないだろうということでアンケートをして、一般の住民の方、あるいは産婦人科、小児 科の医療関係者の方、患者さん、そういった方々からも広く意見を聞いて、それを参考 にして専門の委員の先生方が個々の意見を出していただくと。それでもちろんコンセン サスが得られれば、例えば商業利用というのはだめだよという委員会のコンセンサスが 得られれば、それは委員会のコンセンサスとして報告書にまとめていただいて、そうい ったものを今度受けて、役所として、例えばガイドラインなのか法律なのか、あるいは 関係の学会にお願いするのかとか、そういったレベルで今度は役所としての対応を考え させていただくということであります。 ○E委員  基本的にこういった論議の要約は公表されるのでしょうか。 ○母子保健課長  これはこの審議会もそうですが、すべて厚生省の審議会は最低議事録の要旨は公表し なければいけないということになっています。この部会も含めて専門委員会もすべて議 事録を公開しております。 ○部会長  ほかにございましたらどうぞ。 ○母子保健課長  インターネット等で幾らでもできますので、厚生省のホームページを開いていただい て、最新の審議会の議事録というところにアクセスしていただければ、この部会の前回 のものも当然載っております。 ○部会長  ほかに御質問ございましょうか。  もし、特にございませんけれど、後ほどもしお気づきの点ございましたら、母子保健 課の方へ問い合わせていただければお返事していただけると思います。今もお話ありま したように、この審議会の議事要旨も後ほど先生方に見ていただいた上で公開の方に回 ると思いますのでよろしくお願いいたします。  それでは、議事を終わりますので、司会をまたお返しいたします。 ○事務局 ありがとうございました。それでは最後に母子保健課長より御挨拶申し上げます。 ○母子保健課長  もう少し早い時間で終わるかなと思ったんですが、非常に熱心に御討議いただきまし て、ちょっと予定より時間がかかったような気がします。今日のようなことでいろいろ と、新しいテーマに事欠かなくて、仕事に追いかけられているというふうな状況でござ いますが、今後ともぜひ先生方の御協力を得ながら、一歩でも母子保健行政を進めてい きたいと考えておりますので、ぜひよろしくお願いします。  どうもありがとうございました。 ○部会長  どうもありがとうございました。  問い合わせ先   所 属:児童家庭局母子保健課   担当者:田村 悟   電 話:3174