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HIV診療支援ネットワークシステム部会
(第3回)議事概要


1.日 時: 平成10年12月8日(火)14:00〜16:30
2.場 所: 厚生省別館7階共用第13会議室
3.出席者: (厚生省)上田政策医療課長、塚原政策医療課高度・専門医療指導官、山本運営企画課補佐、桐生政策医療課補佐、池田エイズ疾病対策課補佐、中田医薬安全局医薬品副作用被害対策室補佐
(国立国際医療センター)岡臨床研究開発部長、秋山情報システム部長、安岡病棟医長
(国立大阪病院)白阪臨床研究部ウイルス研究室長
(原告団・弁護団)東京4名、大阪4名
*梅田、青木委員欠席
4.議 題: 1.部会委員の追加について
2.第2回部会以降の経過について
3.情報開示・普及啓発について
4.今後の進め方について
5.運用管理細則について
6.電子カルテに関する情報提供について
7.その他

5.議事要旨

(1)部会委員の追加について

○政策医療課高度・専門医療指導官の追加について事務局より説明(了承)


(2)第2回部会以降の経過について

○事務局より説明後の主な発言内容

原告団:

大阪原告団としては、A -netについては賛成している訳ではない。全体の動きの中で止むなく動いている。賛成でも反対でもない中立の立場であることを確認しておく。

原告団:

東京原告団としては推進していく方向である。

(ア) 試行参加施設に対する説明の状況(了承)

(イ) ブロック拠点病院からの意見・要望に対する対応について

原告団:

名寄せのルールについてどのようになるのか。

厚生省:

仮にA病院で診察を受けており、B病院でも診察を受けた場合、B病院で同意すればA病院のデータが見られることになる。

原告団:

ACCをはずすこともできるのか。

厚生省:

国立国際医療センターで名寄せを行っているので可能。患者の意志表示のとおりとなる。よって、患者が申請しなければ当然名寄せも行われない。

座長:

A−netの目的が情報を共有することとしており、同意を得る際に説明済みであることから、名寄せについて改めて患者への確認は要しないこととする。(了承)

原告団:

閲覧請求については、印鑑証明や委任状が必要ではないか。親が子供の診療内容を見たいと申し出たときの対応も考えておくべきではないか。また、未成年者の場合は親の印鑑や戸籍、保険証が必要では。

厚生省:

親子で来た場合は、通常の観点から同意しているものと見なされるのではないかと思われる。

原告団:

親子の場合は閲覧請求にあたらないのでは。

厚生省:

閲覧請求は第三者を想定しているので厳格にしておく方がいい。

原告団:

「患者本人に直接電話で委任の事実を確認することとする。」については、必要ないと思われる。むしろ止めて頂きたい。

原告団:

カルテの閲覧請求は現行法上できないことになっている。

座長:

患者が死亡してから相続人等の閲覧請求については、紙のカルテがある現状では議論しないこととする。また、署名・捺印の委任状及び印鑑証明を代理人に持参させることにより閲覧させることとする。(了承)

厚生省:

紙のカルテがある現状においては、プリントアウトしなくともいいのではないか。紙のカルテがなくなったらプリントアウトできるような措置を講じたい。プリントアウトする方法は、日付、プリントアウト者の氏名が出るようにする。プリントアウトしたものを管理することが大切である。プリントアウトしたデータが一人歩きすることが、怖いことでありセキュリティの崩壊に繋がる恐れがある。

座長:

プリントアウトは、「しないこととしている。」と整理する。

厚生省:

参加登録については、性感染者は病院で初めて説明を受けることとなるのでHIV原告患者以外は参加しにくいのではないかと意見があったが、十分説明を行うことで対応したい。

原告団:

システム管理者の下に補助者を置くことは賛成であるが、補助者の身分等については管理要綱等で規定した方がいい。(了承)
原告団:
名寄せは瞬時には行えないのか。

厚生省:

国立国際医療センターで行うことにしており、人の関係で少し時間が必要で2〜4日かかる。

厚生省:

説明同意書の外国語版については、どの国まで広げて行くべきか。

原告団:

A−netは少数国の参加は得にくくなっていると思われる。日本の病院システムが理解できない国の方々もおり、同意書だけでよいのかという議論もあり、言い出したら切りがない。

原告団:

外国語版については、タイ語、ポルトガル語、英語となっているがその他の言語についてはどう対応するのか。最低限の言語について揃えておく方がいいのではないか。

原告団:

説明同意書だけでも患者が納得すれば同意するのでいいのではないか。

原告団:

説明同意書だけでは不十分。A-net利用の意義をきちんと伝達できるようにすることを予定すべきである。

原告団:

同意書と説明文書を外国語版で作成してもらいたい。また、通訳者もサインした方がいいのか。

厚生省:

全ての通訳者が本職というわけではないので、サインはできないのではないか。

座長:

外国語版については、要望のあるタイ語、ポルトガル語、英語について、作成することとし、その他の言語については要望を踏まえ部会に図りながら対応していくこととする。

(ウ) 前回の部会で作成して示すこととなっていた、氏名等を入力することについての確認文書について(了承)

(エ) 使用開始後の実績について

厚生省:

参加患者は12月8日で9人。

厚生省:

同意については50人位の届出がある。

原告団:

電源を入れて画面を立ち上げたとき、1番目の患者が画面上に出てしまうことはないのか。

厚生省:

出ないようになっているが取扱いは十分注意が必要。また、画面に出してから患者を呼び込むように徹底させたい。

原告団:

職種については医師と看護婦しかいないのか。リサーチレジデントはいなかったのか。

厚生省:

本来の職種とA-netユーザー登録者の職種は別物である。医師であっても研究職の場合は医師とならない。リサーチレジデントもいるので本来の職種と登録区分としての職種の両方を表示した方が良ければ、今後は表示することとしたい。(了承)

原告団:

リサーチレジデントの任期が切れた時や医師等利用者の異動の際はどういう取扱いか。

厚生省:

登録抹消し、再度新病院で申請することになる。また、事前準備の取り決めでは6ヶ月使用していない利用者は抹消することとしている。あまり短いと不都合が生じるおそれがある。登録抹消までの期間については意見があれば変更可能である。登録抹消する際は、管理者等にメールを送り確認することにしている。

原告団:

登録の抹消については、管理要綱に規定されていないので、今後、検討し管理要綱に入れるべきである。

座長:

今後の検討として整理する。

(3)情報開示・普及啓発について

原告団:

HIV診療支援ネットワークシステムの概要(案)以外については、既に使用しているものなので了解する。部会の設置要綱、協議会の設置要綱も掲載して欲しい。(了承)

厚生省:

概要(案)については、今後検討したい。

厚生省:

議事録要旨も掲載してはどうか。

原告団:

オープンにすることは了承。要旨は概要だけとせず主な議論を盛り込んでもらいたい。

原告団:

本日の議事録に「資料1−3」の条文を掲載していただきたい。(了承)
「資料1−3」
○ 氏名、住所、電話番号をA−netに入力することについて
  • 厚生省は、HIV診療支援ネットワークシステム(A−net)について、セキュリティーの確保など一層の運用の信頼性の向上に努めていく。
  • A−netは、診療情報を共有化することによって、チーム医療、診療に関する相談等を可能とし、一層の質の高いHIV医療の提供を目指している。患者の診療を円滑に行うために、氏名、住所等により患者の同一性を確認することを前提として構築されたシステムである。
  • A−netは、電子カルテとは別個のものであり、今後、カルテの電子情報化を図る際には、部会において協議するものとする。

座長:

掲載する議事要旨について、第1回,2回分を合わせて、点検し意見等を申し出ていただきたい。

原告団:

A−netはHIV訴訟の恒久対策の一環として、設置されてきたところを明記すればHIV原告側の代表が参加していることも理解してもらえるのではないか。

厚生省:

要綱、細則は掲載すればそのことが明記されてあり、それで足りるのではないか。(了承)

座長:

今後は外部に公開する議事録だけを残し、作成することとする。(了承)
概要(案)は再検討する。管理要綱は案と明記し、これまで使用してきたものは掲載する。公表する議事録要旨は、案を作成し相談することとしたい。(了承)

(4)今後の進め方について

原告団:

試験運用は従前と違うのではないか。

原告団:

厚生省所管の国立ブロック拠点病院とエイズ治療・研究開発センターとの5か所で試験運用するのではないか。拠点病院に広げて試験運用をするのか。

原告団:

厚生省所管の国立ブロック拠点病院と拠点病院の相違点をはっきりさせる必要がある。

厚生省:

厚生省所管の国立ブロック拠点病院には専任の医師がいる。その他はパソコンは鍵のかかる部屋にあり、設置場所や責任者も確認している。機種も同一のものであり、システム、セキュリティについても相違はない。

原告団:

拠点病院は1回の説明会でスタートすることになるのか。診療側の意見を伺いたい。

厚生省:

どこまでやれるかわからないが、厚生省所管の国立ブロック拠点病院に音頭をとってもらい説明会等を実施するなどして、ともかくスタートすべきである。

原告団:

運用管理細則はもっと詰めるべきではないか。

厚生省:

次回までにご意見を頂きたい。

原告団:

71か所については本格運用が試験運用となる。

原告団:

国立とあるが文部省は含まれないことを明記してもらいたい。(了承)

厚生省:

運用に当たっては、安定性が一番重要となる。試験運用でのストップは許されるが本格運用では許されない。本格運用するまでに、3か月は必要である。ストップすることが一番怖く、動かしてみなければ分からないこともある。5か所でやるより71か所でやっていく方が早く欠点を見つけて修復しやすい。

原告団:

厚生省所管の国立ブロック拠点病院と拠点病院は試験期間はなく本格運用しかないのか。

厚生省:

スタートすることが重要である。予算との関係もある。大学病院は医療情報室があり、厚生省の国立病院は指揮系統伝達が確立しているので大丈夫だが、民間の拠点病院はどこまでできるかわからない。本格運用であっても試験運用状態と変わりないのではないか。

原告団:

民間の拠点病院では管理責任者すらおけない病院もあるのではないか。よって参加頂けないこととなるのではないか。プライバシーの確保から試験運用が長引くことは仕方ないことである。

厚生省:

1月23日の説明会の開催は進めて良いか、また、IDの申請はやって良いか。(了承)

座長:

本日の資料5(電子カルテに関する検討状況に関する資料)については参考としてお目通し頂き、資料6(第2回A−net部会議事録概要(案))について何かあれば次回の部会で申し出て頂きたい。今後の予定は説明会は1月23日に行うこととし、1月20日に再度検討する。また、2月1日の厚生省所管の国立拠点病院への展開は仮置きとする。(了承)

○次回の予定

 4回目部会 1月20日(水)13:00〜15:00

以 上


問い合わせ先
厚生省保健医療局国立病院部政策医療課
担 当 岩下(内線2627)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]


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