98/11/16 第11回 臍帯血移植検討会議事録  第11回 臍帯血移植検討会議事録  平成10年11月16日(月) 10:00〜12:45            場所:虎の門パストラル藤の間 出席者(敬称略)   青木 繁之   浅野 茂隆   有田 美智世  加藤 俊一   鎌田  薫   草刈  隆   小池 麒一郎  小寺 良尚  ○齋藤 英彦   迫田 朋子   関口 定美   高橋 美智   田島 優子   西平 浩一   原   宏   平林 勝政   古市 圭治  ( ○:座長 ) 議事次第  1.開会  2.議題   (1)臍帯血移植の実施状況について   (2)平成11年度予算概算要求(案)の概要について   (3)臍帯血バンクの実態調査の結果の概要について   (4)共同事業について   (5)その他  3.閉会 ○事務局(成瀬)  定刻になりましたので、ただ今より第11回臍帯血移植検討会を開催いたします。本日 の委員の出席でございますが、中林委員、陽田委員からご欠席とのご連絡を頂いている ことをご報告いたします。  また事務局の異動がありましたのでご報告させていただきます。9月の定期異動によ りまして、臓器移植対策室室長補佐の重藤が異動し、後任としまして血液対策課の山本 がまいりました。また、その後任として血液対策課課長補佐として河原がまいりました ことをご報告させていただきたいと思います。  では会議を始める前に資料等の確認をさせていただきたいと思います。  最初に第11回臍帯血移植検討会議事次第でございます。検討会委員の名簿でございま す。次に検討会の配置図でございます。次に第11回臍帯血移植検討会資料一覧でござい ます。  資料1として臍帯血移植の実施状況  資料2   平成11年度予算概算要求(案)の概要  資料3   臍帯血バンクの実態調査の結果の概要  資料4−1 共同事業の内容に関する検討について(案)  資料4−2 「事業運営ガイドライン」において考慮すべき項目について  参考資料  委員から検討会に寄せられた意見であります。 また、委員の先生方には、平成9年度厚生科学研究の報告書であります、「造血幹細胞 移植の円滑な実施と成績向上に必要な基盤の整備に関する研究」を配付させており ます。 以上ですが不備な点がございましたら、事務局までお申し出いただきたいと存じます。 では斉藤先生よろしくお願いします。 ○齋藤座長  おはようございます。大変お忙しい方々にお集まりいただきましてありがとうござい ました。本日は今から約2時間を使って4つの議題についてご検討いただきたいと思い ます。 議題の1です。臍帯血移植の実施状況についてであります。7月26日に第10回の検討会 を行いましたが、それ以後、全国で臍帯血移植が着々と行われております。あるいは成 人またはそれに近い年齢の患者さんへの移植も報告されておりますので、それらについ て報告していただきたいと思います。では事務局お願いします。 ○山本補佐  お手元の資料1をご覧ください。座長からお話がありましたように、7月26日の本検 討会におきまして症例27番まで、6月19日までの症例を御報告しましたが、その後、10 月27日現在で54例、追加で27例の症例が報告されております。97年に行われました症例 が13例ですので、98年は現在までに既に41例ということで症例が確実に増えているとい うことが言えると思います。  98年に移植が行われました41例のうち、亡くなられた方が6名、残りの35名は現在生 存しているという成績でございます。お手元の資料1ページと2ページ目に一覧がござ います。  3ページ目を開いていただきますと、座長からお話がございましたように、小児の患 者以外に非血縁者間の臍帯血移植を行った症例ということで、3例報告されて おります。 年齢は19歳から28歳までということです。19歳の症例は、前の一覧表の18番に相当する 症例です。19歳で体重65kgの男性に行われたものです。移植後6ヵ月後に亡くなられて おります。  次の28歳男性55kgの方に移植が行われた例でございます。これは前の一覧表のNo.37に 該当するものです。移植細胞数は10×108ということで以前にまとめていただきまし た技術指針に沿っておりますが、体重あたりの細胞数は1.8 ×107 ということで、原 則として2.0 ×107/kg という原則からすると若干少なめでございます。この方も多臓 器不全で1ヵ月後に亡くなられております。  次の事例が新聞報道等もされましたものです。年齢が若干違っておりまして移植をさ れたときの年齢が27歳の女性の方で、体重43kgでいらっしゃいます。前の一覧表のNo.39 です。急性骨髄性白血病の方です。この方は10月24日に退院されております。 以上です。 ○齋藤座長  ありがとうございました。只今の説明に何か補足はございますでしょうか。西平委員 浅野委員、原委員どうでしょうか。 ○小寺委員  成人をどこで線を引くのかというのは難しいのですが、15歳以上と一応しますと、あ と2例あります。 ここにも収録されておりますが神奈川の症例と、もう後1例は東海の16歳の症例がござ います。15歳の方がまだ未生着ということで、16歳の方はプラス90日で生存中というこ とです。15歳以上ということになると5例になると思います。 ○浅野委員  43kgの患者さんですが、移植日は平成10年8月27日でございます。前ページでは39番 に該当すると思いますが。 ○西平委員  3ページの2例目の28歳と書いてある男性です。55kgで慢性骨髄性白血病です。追加 しますと、これは日本骨髄バンクから非血縁の骨髄移植が行われたのですが、生着しな かったということで、何とかそれを救いたいということで2座不一致でしたが、それか ら細胞数も多少少なめでしたが行われました。 生着はしたのですが、GVHDが強く出て、GVHDのコントロールができなくて死亡 されたという経過を辿っております。 ○齋藤座長  ありがとうございました。かなり条件の悪い移植ですね。 ○原委員  3ページの19歳の男性、体重65kgです。この方は骨髄バンク等、他の造血幹細胞のド ナーがないというと言うことでHLA2座不一致の臍帯血を移植しております。細胞数 は2.1×107と2.0×107をこえていました。GVHDはgrade2と報告されていま す。生着後に血管障害である血栓性血小板減少性紫斑病が発生し、亡くなっておられま す。以上です。 ○齋藤座長  ありがとうございました。他にコメント、あるいはご意見はございませんで しうょか。 なければ次の議題に進めさせていただきたいと思います。 議題の2です。平成11年度の概算要求の(案)の概要についてです。臍帯血移植の推進 のために、厚生省も予算の要求をされております。その考え方について事務局から説明 してください。 ○山本補佐  お手元の資料2でございます。先生方に精力的に中間まとめをおまとめいただいた考 え方に沿いまして、私ども厚生省としても11年度予算の概算要求をさせていただいてお ります。お手元の資料2の1ページでございます。  基盤整備ということで、413百万円の予算を要求案として求めております。補助先と いうことで日本赤十字社、10/10補助です。  主な事業として、共同事業を支援すること、初期的段階において体制を整備するとい うことで、各バンクに対する支援を行うことでまとめております。お手元の資料の2 ページ目に概要が書いてございます。2ページ目の臍帯血移植推進事業費と書いてある 中の、(1)というところが共同事業にかかわるところでございます。連絡協議会を設 置する事務的な費用、それを合わせまして会議費用等がございます。 各バンクに対してということで臍帯血を集めていただき分離してまた必要な検査を行い 保存するということで、HLAの検査費、採取検体の輸送費、採取を協力してくださる 医療施設への支援、ドナーフォローアップ経費というものをあげております。情報管理 経費とございますが、各バンク間の情報を共有するということで、共通のシステムに基 づくコンピューターリース料、その他システム開発料も考えております。  その下にございますのは、413百万の中には含まれておりませんが、必要な場合に液 体窒素タンクもしくはフリーザー等の費用も要求させていただいております。 以上です。 ○齋藤座長  ありがとうございました。ご質問はいかがでしょうか。この一番下の設備整備事業の 予算というのはどのくらいですか。 ○朝浦室長  保健衛生施設等設備整備補助金というのが別にありまして、その中の一つのメニュー としてこれを追加要求しているという状況であります。保健衛生施設等設備整備補助金 の総額が約20数億円と承知しております。 ○草刈委員  (3)の採取検体と書いてあるのですが、検体というのは臍帯血そのもののことをここ では意味していると思うのですが、普通の検体というのは検査のためのスモールピーシ スを言うのですが、これは予算の中できちんと説明していただいているのでしょうねと いう確認です。  この間ある報道機関が尋ねてこれらて、これだけ日本赤十字が貰うのだねといいまし たが、私は厳正に渡す義務があっても予算上のメリットは一つもないとお答えしておき ました。日本赤十字社と補助先に書かれると、どうもその辺は誤解を生んでいるようで ございます。以上です。 ○朝浦室長  採取検体については、先生がご指摘の通りでございます。予算要求上もそのように説 明をさせていただいております。日本赤十字社を補助先にしておりますが、これは中間 とりまとめの段階で、事務局は日本赤十字社にというご意見もありまして、予算の要求 上、テクニック的なところもありまして、そのような形にしております。 ○青木委員  厚生省の方で予算要求は大変だったと思いますが、予算要求していただいて感謝して おります。お伺いしたいことが2〜3ございます。  平成11年度は、臍帯血の採取保存を幾つでやられる予定になっているのか。特に私が 5回目かに出したそれぞれの経費の一覧表で、私どもは計算しておりますが、これは中 間まとめの4,000個ということであると一個あたり10万円で果して足りるのかなという 気がしております。その辺で検査費用は相当に嵩みます。  それから検査はどのような検査か、安全性の検査を、母親、臍帯血、についてやると いう基本がございますが、それが入っていますかどうかです。HLAにつきましても母 親側と臍帯血、出庫するときにもう一度検査をするわけですが、その辺まで含まれてい るのかどうか教えていただきたいと思います。 ○朝浦室長  臍帯血の保存件数については4,000 個を想定して予算の積算をしております。5年間 で2万個という方向性がございましたので、1年間で4,000 個を目指して、採取をし保 存するという考え方で予算積算はしております。  単価の問題とか、あるいは費用の問題、いろいろと考え方があろうかと思いますが、 私ども一定の考え方に基づいて予算の積算をしております。ただ、委員会の中にご提案 があったものの中で、例えば土地とか建物の費用が積算の中に入ってないということは 言えると思います。そういうものを含めて、総体として臍帯血バンクに関わる関係者が 知恵と金を出し合ってこれから良いものにしていく、国は国としてできるだけのご協力 をしたいという考え方で要求はさせていただいております。 ○山本補佐  補足させていただきます。青木委員がおっしゃった検体の検査の件でございます。基 本的には以前この委員会でまとめていただきました技術指針に基づき、その項目という ことで、その際には臍帯血の検体項目としてはB型肝炎とかHIVの検査、HLA等の 血液学的検査になっております。母親につきましては感染症その他の検査となっており ますので、この技術指針に基本的には準じた形になっております。 ○浅野委員  1ページのイメージのところで、すなわち、臍帯血バンク連絡協議会(仮称)の業務 の内容で気になる点がございます。  バンク運営及び臍帯血の安全性等の評価。適応等の評価。治療成績の評価、とがあり ますが、私は評価というのは適切ではないと思います。評価は適切に外の委員などが外 からやるわけですから別の言葉、例えば、検討、に書き換えた方がよいと思います。勿 論、条件としては、それのバックには適切な、当事者でない第三者の評価機関あるいは 審査機関があるものであるのですよね。 ○齋藤座長  今の点は、概算要求のときに使ったこの絵は中間まとめの11ページにあるものをその まま使ってます。 ただ中間まとめの9ページの6)には共同事業審査・評価を行う機関の設置、ということ で、先生が今言われた通りに、共同事業とは独立して別に設置するということが書いて あります。 ○朝浦室長  事務局から今の点について補足したいと思います。概算要求は中間まとめの基本的な 考え方に沿って、十分ではないかも知れませんが、積算をし考え方をまとめたつもりで ございます。この評価の点につきましては、これは事務局の勝手な思い込みが入ってい るのかも知れませんが、第三者機関による評価をする、ということが前提になるのだろ うと、まずそれが大事なのだろうということで、概算要求の2ページの積算の中に備考 の真ん中あたりに、第三者評価外部委託費というのを実は計上しておりまして、まだど こにやっていただくとかは決まってませんが、考え方としてはそういうところでしっか りした評価をしていただくということでございます。  いずれにしても臍帯血バンクの中で自主的な評価とか、あるいは相互チェックという のは当然やっていただくことになると思いますが、仕掛けとしては、外部評価も取り組 んでいるというご理解をしていただきたいと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。今の浅野委員のご意見は、評価よりも検討としておいた方 が表現として適切ではないかというご意見ですね。 ○迫田委員  提供者フォローアップ経費です。これは提供者は何人というか、何例おこなわれると いう計算の数字でしょうか。臍帯血移植推進事業費の(5)です。 ○朝浦室長  検査する、フォローアップするものを全て集めたものです。考え方としては、一つひ とつ個別に審査をするということではなく、集まってきたものを何回か定期的にバンク の先生方に見ていただく、バンクの関係者の専門の先生方に見ていただくという経費を 計上しているものであります。 ○迫田委員  移植を行う人という意味ではなく、保存されているものについてですか。 ○朝浦室長  保存できるかどうかをチェックしないといけないものですから。採取していただいた 臍帯血の6ヵ月後のフォローアップでございます。 ○齋藤座長  では次の議題です。臍帯血バンクの実態調査の結果の概要であります。これは既に約 9か所の地域臍帯血バンクが活動をはじめておられますが、事務局の方で各臍帯血バン クに対して、運営状況などに関する実態調査を行っていただきました。その結果をお願 いします。 ○山本補佐  お手元の資料3でございます。中間まとめをまとめて頂きましたとき言及されており ます、全国で活動が始まっております9か所のバンクに対しまして、厚生省の方で運営 状況につきまして調査表を送付し返送していただくという形で調査させていただきまし た。9バンクと申しますのは、1ページの北海道臍帯血バンク以下、福岡までの9バン クでございます。  平成10年10月1日現在を調査時点とさせていただきました。結果の概要で ございます。 主に運営体制につきまして調査させていただきました。  1.情報管理責任者を設置しているかどうかにつきましては、設置しているというの が6バンク、なしが3バンク。常勤もしくは専任か兼任かということも伺って おります。  2.会計事務担当者もしくは責任者を設置しているかということにつきましても、設 置しているが6バンク、ないが3バンクです。  3.臍帯血バンクの専用の事務室をもっているかどうかにつきましては、あるとお答 えいただきましたのが4バンク、そのうち30平方メートル以上持っているところが2バ ンクという結果です。後の5バンクは専用のお部屋をもっていないというお答えでござ いました。  4.バンク独自の会計があるかどうかということです。あるとお答えいただいたのが 4バンクでございます。なしというバンクにつきましては、施設内の予算のやり繰りと か各種研究補助金等でこの事業をやっているというお答えをいただきました。  5.事業実施・運営要綱等を設置しているかにつきましては、7バンクが設置してい る、2バンクが設置してないという回答をいただきました。  6.各種委員会の設置状況です。特に倫理委員会とか運営委員会等を設置して、基本 的にはバンクの運営の意思決定システムがどうなっているのかということをお尋ねしま したところ、8バンクにおいて運営委員会・倫理委員会等が設置されているという状況 がございます。  7.臍帯血を採取する協力施設がどのくらいあるのかということです。2〜3施設と 協力関係にあるというところが4バンク、4〜5施設が5バンクでございます。  8.検査の実施状況でございます。臍帯血を保存している施設が検査も行っていると いうのが5バンク、保存している施設に併せまして外部に委託している。外部に委託と 申しますのは、その他の医療機関、もしくは血液センター、もしくは民間の検査機関に お願いしているというのが4バンクでございます。  9.保存状況でござます。現在の保存数としては100〜200というのが4バンク、500 検体以上持っているというのが2バンクでございます。保存能力でございますが、これ はキャパシティの問題でございますが、これは3,000検体以上保存できるというのが2 バンクございます。その他は以下でございます。  10.移植の協力施設につきましては、協力施設の選定基準等があるかないかというこ とでございます。 選定基準として、例えば何例以上の造血幹細胞移植の経験があり、倫理委員会等をもっ ている施設等、そういう形で基準を決めているところと、移植をするという施設を病院 名で限定している施設がございます。いずれにしましても移植協力施設が決まっている というところが8バンクございました。概要としては以上でございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。実態調査についてのご質問はいかがでしょうか。あるいは 補足していただいても結構です。 ○草刈委員  1番の情報管理責任者というのと、2番目の会計事務担当者というのが常勤で兼任と いうのがあります。8番の外部委託と並行というのが一体何の意味なのか、外部委託以 外の並行というのは何か、自分のところでもやっていて同じことを外部にも委託してい るという意味になってしまうのですが、それでいいのでしょうか。 ○山本補佐  常勤の兼任といいますのは、その施設におきましては常勤の勤務者がこの仕事も兼任 しているという意味でございます。だからパートタイムでお願いしているのではなく、 その施設の常勤ということです。 わかり難かったかと思います。  もう一つは、草刈委員がおっしゃった並行という意味は、先程舌足らずでしたが、そ の保存施設でも検査をし、併せて、よそのところにも検査をお願いしているという意味 で書いてございます。 ○草刈委員  全部外部委託のところは一つもないということでよろしいのですか。  原委員検査項目の中に臍帯血バンク自身でないとできない項目もございます。例え ば、CFU−GMアッセイとか、そういうものがありますので、どうしても並行して検 査センターにお願いするか、全部をバンクでするのかのどちらかになると思われます。 ○山本補佐  調査の結果によりますと、自分のところで一切の検査をしないで全部外部委託をして いるところはございません ○草刈委員  一部の項目の検査を委託しているということですね。それは保存施設が検査の一部を 委託しているということですね。はいわかりました。 ○鎌田委員  6番ですが、倫理委員会と運営委員会というのは役割が全然異質だと思うのですが、 内訳のようなものは簡単にすぐ分かるようでしたら教えてください。 ○山本補佐  こちらで今の時点でわかりますのは、倫理委員会を設置しているかいないか、運営委 員会を設置しているかいないかです。倫理委員会を設置しているとお答えいただきまし たところは2か所でございます。 運営委員会につきましては運営委員会というか、名前は別にしまして、それにつきまし てはほとんどのところは設置しておられまして、設置していないというのは1か所でご ざいます。 ○有田委員  6番の倫理委員会ですが、これは移植の方ではなくて臍帯血を出すときの倫理委員会 ですか。これはバンクのことですよね。移植のときは倫理委員会というのはどこにもあ ると思うのです。 ○朝浦室長  バンク事業として倫理委員会を設けているかどうかということでございます。補足し ますと、委員会の設置状況はそれぞれのバンクにより区々に別れておりまして、倫理委 員会判定委員会を作っているという所とか、あるいは臍帯血の保存のシステムの検討会 を作っているとか、あるいは専門委員会を作っているとか、名前はいろいろです。こち らの方も十分に整理しきれておりませんので、またそのようなところは十分にバンクの 実情をお伺いしてご報告させていただきたいと思います。 ○迫田委員  今の件ですが、ぜひその時に、その委員会の中に一般市民の参加があるかどうか、専 門家以外の方が入っていらっしゃるかどうかということも、併せて聞いていただきたい と思います。 ○浅野委員  全体の保存能力は現時点でそれぞれフル稼働させたとして、どのようになりますか。 年間にどれだけの単位を集められるのか具体的な数値を教えて下さい。 ○朝浦室長  今のご質問ですが、書類上の調査で、各バンクの担当者が記載したものを全て合計す るとということになりますと、現在、約17,000の保存能力があるという状況でございま す。非常に多めに見積もられているところがあるかどうか分かりませんが、私どもは書 かれていることが客観的な数字であるということで、それを足したらその数字になって おります。 ○有田委員  9番の保存の数です。現在は各保存施設それぞれの保存方法で保存していると思いま す。この集計は集計として、これから保存能力とかを見ていかれるときに、国際的なネ ットワークとか、品質を厳しく判断した上で、保存能力は幾つかというのをきちんと調 べていただきたいと思います。 ○山本補佐  補足させていただきます。保存能力ということで私どもが理解しておりますのは、基 本的にはタンクのキャパシティとその施設のキャパだと思うのです。実際に今、保存検 体を幾つもっておられますかということも聞いております。技術指針が出来ております から、今後はその指針に沿った形できちんと保存していただけるものと思います。それ 以前に保存されているものがどれだけのクオリティかということは、今後評価していか ないといけないかなと思います。  現在保存されているのは、全部で約2,800 くらいはございます。この中で全部が今の 技術指針に照らしたクオリティをもっているのかというのは今後の評価ですが、今から 保存されていくものについては、世界的水準をみた技術指針に合ってくるものと理解し ております。 ○有田委員  わかりました、ありがとうございました。 ○浅野委員  各バンクの今後の計画とその達成見込みというのがわかればいいのですが、それは今 の時点では難しいのでしょうね。 ○朝浦室長  今回一番最後のところで今後の計画について記載をしていただく欄があったのですが 書面で聞いており、十分にこちらとしても把握してないので、今回の報告には付けさせ ていただいてないのです。今後、それぞれのバンクでご議論いただいて、できるだけ計 画的な運営を図っていただく、それについて、今後、国としてもお聞かせいただくとい うことになるだろうと思います。 ○小寺委員  実態調査は非常に大事であって、検討会の技術指針で定められたものに準拠して、今 後やられているかどうかを見る必要があると思います。今までのものについては、お手 元にお配りした報告書の中に、丁度約1年前、班の委員が忙しい中を、それぞれの実態 調査をされた結果が載ってますので、それを参考にしていただければと思います。 ○齋藤座長  ありがとうございました。実態調査に関しての議論はほぼこんなところでしょうか。 では話の順序として、今約9か所活動されていて、今後も含めてどうするかということ です。次の議題に入ります。この議題が本日の一番大きな議題ですが、共同事業につい ての議題であります。今日、コピーをお配りしております中間まとめの中でも、安全性 の確保、情報の共有・共同管理をしつつ、公平で安全な臍帯血移植体制を立ち上げるた めに、関係者などによる共同事業というものを行うことになっております。共同事業の 内容について検討を進めるわけですが、来年春までの間に、どういうふうに共同事業の 枠組みを作っていくかについて、事務局の案がございますので説明してください。 ○山本補佐  お手元の資料の4−1でございます。共同事業の内容に関する検討について(案)と いうペーパーでございます。今後共同事業の実施に向けてどのように準備していくかと いうことで、この事務局案では基本的な枠組みにつきましては、この臍帯血検討会で議 論していくのが妥当であろうと考えております。  ただ、この検討会で議論していただくたたき台を作るということで、以下の二つの専 門部会を設けてはどうかというご提案でございます。  一つは「共同事業技術専門部会」もう一つは「臍帯血バンク事業運営専門部会」とい うふうに書いてございます。2のところに構成委員の考え方を書いております。共同事 業の技術専門部会と申しますのは、一応各バンクが守るべき技術指針というのは既にと りまとめられております。ただ、バンク間で共同事業をやっていく上での技術的な問題 例えば臍帯血の情報の共有化をどうしていくか、採取・分離・検査・保存等の標準化、 もしくはそのクオリティのコントロールをどうしていくか、その他、各種情報の共有と 公開をどうしていくかという問題につきまして、主に既にございます「臍帯血移植実施 における技術上の課題に関する作業部会」、前回までに技術指針をまとめていただきま したこの作業部会を母体にしまして、これを基本にしまして、この共同事業技術専門部 会を設置し、そこでたたき台を作っていただいてこの検討会でご議論いただければいい のではないかと考えます。 (2)にございますが臍帯血バンク事業運営専門部会というものです。前後しますが、 次のページに各専門部会における検討項目というのがございます。(1)は今申しました 技術専門部会における検討項目でございますが、(2)に書いてあることですが、一つは 臍帯血バンクに関する安全・中立・公平・安定的な供給等、事業運営にかかわる諸項目 につきましてガイドラインを作成していただき、この事業運営ガイドライン(仮称)を 基本にして、国としても支援を行っていくバンクの対象を選定する参考基準にさせてい ただきたいと考えております。  その他、また事業が始まりましたら、臍帯血バンクの事業評価をどうしていくのかと いうこともご議論いただく立場として、臍帯血バンク事業運営専門部会を設けてはどう かと思っております。  そういう目的もございますので、部会の委員につきまして1ページですが、基本的に は今までのこの検討会の検討経緯を踏まえるということから、この検討会の委員の中か らもお願いしたいと思っております。また今回組織運営の評価に対しての議論もござい ますので、この道の専門家の参画もお願いしてはどうかと考えます。  ただこの場合、実は国による支援の対象の選定の際にも参考とするガイドラインを検 討していただくという立場から、実際に現在地域臍帯血バンクの運営に直接関与してい る方については、自分のかかわる基準を自分たちで決めるということになりかねないと いうことで、その方については除いてはどうかという案でございます。  今後のスケジュールでございます。2ページの最後に案として書かせていただきまし た。本年度中に各専門部会「共同事業技術専門部会」、及び「臍帯血バンク事業運営専 門部会」の両専門部会をそれぞれ2〜3回程度開催して、案がとりまとまった段階で、 この検討会に持ってきていただいてそこで検討するということです。  いずれ共同事業を行っていく協議会というのが本格的に稼働していけば、そこでいろ いろな細かいことは決めていけるかと思いますが、今の時点で協議会はございませんの で、4月まで座して待つというよりは、基本的な枠組みについてはこの公開の席で枠組 みを決めて、進めていってはどうかというご提案でございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。今の案で二つの専門部会を作るということですが、技術に 関する専門部会というのは全く異論はないと思います。もう一つは、事業運営専門部会 です。一番のポイントは、実際に幾つの地域バンクに参加していただくか、どこに参加 していただくか、ということの基準を決めるためには、実際に地域臍帯血バンク活動の 中に入ってやっておられる方が委員にはならない方がいいのではないかという考え方で す。  一方、実際に実情・実態を知らない方ばかりで、基準を決めていいのかという考え方 もあるのです。 でも実際にやっておられる方のご意見は事務局を通じて出していただくという道はある と思います。従って全く実情に密接した情報のない人だけで決めるというわけではない というシステムになるかと思います。いかがでしょうか。 ○有田委員  考え方としてはフェアでとてもいいと思います。しかし、委員の実態を見ましたら、 その中でそれぞれの専門の方が集まっておられるのですが、私はボランティアとして長 い間かかわってきた立場からいいますと、本当に内情を分かっていただいているのかと いうことです。これは批判ではなく心配しているということです。  私は今東京臍帯血バンク、近畿臍帯血バンク、北海道臍帯血バンク、神奈川臍帯血バ ンクを見学させていただきました。しかし、施設の内容はどこがどうちがうのかよく分 からないのです。だから、この二つの専門部会は、勿論、公開ということを原則として バンクの現状をよく分かっておられる方はバンク関係者であっても入れていただきたい と思います。公開ですので、我田引水のことをおっしゃったら皆がわかることですから その心配はないのではないかと思います。いかがでしょうか。 ○齋藤座長  勿論、最終的な運営部会の案の承認というのはこの検討会でやります。あくまでも最 終的にはここで決めるので、たたき台というか、案を作っていただくという専門部会で す。 ○浅野委員  この会で最終的に決めるということでよろしいと思います。また、原案は当事者でな いというのは妥当であると思っております。ただ原案を作る際に委員の方々はセルテラ ピー全体が医学的にみてこれからどうなるのかということも、よく勉強しておいていた だきたく思います。もう一つこのバンクで重要なのは国際協調でござます。その点につ いても十分に勉強してから決めていただきたいと思います。一旦でき上がってからでは 大筋を変えることは大変難しくなりますから。その点をよろしくお願いします。 ○齋藤座長  いかがでしょうか。実際にはスケジュール的にかなりタイトな感じがします。本年度 中に2〜3回開催していただいて、案を作っていただくということです。今は11月の中 頃ですからかなりプレッシャーはかかると思いますがよろしくお願いします。 ○有田委員  今ここで質問することかどうかよく分からないのですが、概算要求してくださってあ りがとうございます。これは大蔵省が決めてくださるのでしょうが、確実に満額取れる と考えていいのでしょうか。もう一つは、もしそうでないとしたら、事務方を支援する ためにこの検討会とか世論とかで、何か応援することがあれば、座長を中心にして何か 考えていただきたいと思います。概算要求の額では全然足りないと思っているので、そ このところをよろしくお願いします。 ○朝浦室長  現在、厚生省としても概算要求をして、財政当局と鋭意折衝している段階ですので是 非応援していただきたいと思っております。それから、この事業は実は国が支援するだ けの事業ではなく、主体はあくまでも各臍帯血バンクであるというのが基本になってい ると思いますので、バンクの中でもいろいろな関係者の方を巻き込んで、この事業の発 展のためにいろいろな手を尽くしていただきたいと希望しております。 ○鎌田委員  先程山本さんからご説明いただいたので、確認ということになるのかも知れません。 今度できるこの専門部会の役割に、例えば技術の方では、適応、治療成績の評価という 項目があります。運営専門部会の方では事業評価についてという項目があります。これ は読みようによっては恒常的な役割のようにも読めますし、他方で、仮称連絡協議会が できればそちらの方でやっていただく、そっちに移行していくというご説明であったよ うにも思うのですが、どうなのでしょうか。完全にそこで連絡協議会ができれば移行し ていくという前提でいくのか、あるいはそれ以外に第三者の評価機関のようなものも必 要だということで、そちらの方に移っていくという形で、ある程度、この臍帯血移植検 討会も含めて長期的に存続していく可能性をもったものとして考えればいいのか、その 辺を教えていただきたいと思います。 ○朝浦室長  臍帯血バンクの事業評価につきましては、専門部会で臍帯血移植バンク協議会ができ るまでの間に基本的な考え方をまとめていただく。事業評価の在り方については、内部 評価、相互評価、外部評価といういろいろな方式がありますので、そのような方式も含 めて、この基本的な枠組みの中で考えていただこうと考えております。  その枠組みが決まった後で、協議会ができた後、具体的にそれぞれのバンクの評価を どのような形でやるのかというのは、その基本的な考え方に基づいて更に具体的に進め ていただくという段取りになると思っております。 ○浅野委員  公開と評価の在り方は、早く決めておくことだと思うのですが。外部評価委員会はも っと早く立ち上げることは出来ないのでしょうか。 ○朝浦室長  その辺も含めて今後議論をしていただきたいと思います。今後というのは予想は4月 実施という形になっております、それを念頭に置きながら精力的にご議論賜りたいと思 います。 ○迫田委員  聞き逃したというか理解してないのだと思います。運営専門部会の方の○の二つ目で す。組織運営の評価に関する専門家等の参画を依頼する、この依頼するというのは、委 員の中に専門家を入れるという意味でしょうか、それともこの専門家は地域臍帯血バン クの運営に関与している人が含まれると理解するのか、含まれないという理解でいいの でしょうか。 ○朝浦室長  専門家はこの部会に、組織運営の面で極めて知見の高い方に入っていただこうという ことです。委員の中に入るという意味です。それでその専門家の方は臍帯血バンクの当 事者ではないということです。 ○迫田委員  ありがとうございました。 ○関口委員  私はまた別の考えがあるのです。今までのこの9つのバンクは、50数例の実績をもっ ているわけです。 それまでに資本も投下しているし、いろいろな人もタッチしているわけです。その段階 においてこの委員だけで今後の規律を決めるということは、ちょっと問題が起きないか という危惧があるのです。今までの実績を踏まえた形での発言もなければならないので はないかと思います。  例えばかなり何千万とか何億出しているところもあるかも知れない。それが全くそこ の今までの方針を無視された形で決定されるというのは、そういうことはないと思いま すが、大きな欠損を残すという感じがします。だから9つということが決まっておりま すので、ある程度、今までの実績を見れるような形の委員で構成されることを考慮され る必要があるのではないかと思います。 ○朝浦室長  事務局から答えていいのかわかりませんが、9つのというのは今出ている数字であり ます。それ以外にもいろいろなところで臍帯血バンクを立ち上げたいという動きも出て きております。そういうことを考えると、少し委員構成は慎重を期した方がいいのでは ないかと考えております。 ○有田委員  臍帯血バンクの共同事業に入られるところは、本当に死に物狂いでやっていかないと ならないのだと思います。国からお金が出るから、それをもらってやっていこうとか、 そこに参加したら発言力が持てるとか、そういう考えで入られたら、これは私たちの税 金を投入していくわけですから、もっと厳しく、投入したが先になったら潰れるという ことにならないように、そのくらい死に物狂いでやっていただかないと、各バンクとも 成功されないのではないかと思うのです。  そういうところも踏まえた形で、厳しく選考できる委員を選定していただきたいと思 います。 ○齋藤座長  今の関口委員のご意見ですが、既に実績のある9つが参加できなくなるようなクライ テリアはできないと思いますが。 ○関口委員  私が申し上げたいのは、今、国が4億のお金を投入しますよね。それだけでは運営で きないわけです。 必ず地域バンクといっているわけですよね、そういう条件がありながら地域バンクを全 く無視して、いろいろな取決めをしても、それは実際のバンクの運営には問題を来すで あろということです。今までバンクをやってきたとこは、きちんとお金も人も出してい るのです。なおかつ今後も、その協力かないと実際にはバンクはできないわけです。そ の状況を踏まえながら、分かりながら、全く無視するということはあり得ないとは思う のですが、その辺は考慮しないといけないと思うのです。 ○齋藤座長  実績のあるところは十分に考慮して基準が作られますし、また最終的にはこの検討会 でご了承いただきますので、何とかいけるのではないかと思っております。 ○西平委員  事業運営専門部会ということですが、どうもイメージがわかないというか、具体的に どういうことでしょうか。例えばここに専門委員会にどこが参画するとか、組織運営に ついてバンクには関係ない人で構成するということですが、では誰がどういう人達が専 門的に評価するのか、専門委員会というのですが、どういう人がそれ以外に専門委員と 言えるのか、イメージがわかないのです。  ですから今関口先生がおっしゃったように、実際に今までやってきている人達の各地 区のバンクの意見が反映されないで、ただ書面で意見を求めるということですが、そう いう実際にやってきた人以外の専門委員というのは、できるのでしょうかということで す。よくわからないのです。 ○朝浦室長  次の議題に〔「事業運営ガイドライン」において考慮すべき項目について〕という議 題があるので、先取りするような形で申し訳ないのですが、一応中間まとめの中で、臍 帯血バンクの事業はこうあるべしという形で、この検討会の中で基本的な考え方が既に まとまっておりますので、それが一つの基礎になって、それを少しブレイクダウンした 形の基準というものを、あるいは概要というようなものが出来てくるのではないかとい うイメージをもっております。 ○平林委員  組織図の関係についてお伺いしたいです。臍帯血事業運営専門部会というのがあって それが事業運営のガイドラインを作って、そのガイドラインを作るところまでが運営委 員会なのか、あるいは対象を選定するところまでここがやるのか、あるいは選定につい ては別の例えばこの検討会がやるのか、それぞれの役割です。何がどこまでどうするの かというのが、今までのご議論を聞いておりますとやや混乱しているように思えるので その点を確認をさせていただければと思います。 ○朝浦室長  臍帯血バンク運営専門部会については、ここに書いてあるように、あくまで運営のガ イドラインを決めていただくということになろうかと思います。国は別途、今、概算要 求をして支援の形を考えております。実際に支援をするということになれば、国は参考 基準ということでそのガイドラインを使わせていだたくということを 考えているのです。 ○平林委員  今のお考えですと、ガイドラインにしたがって厚生省が選定をすると理解してよろし いのでしょうか。 ○朝浦室長  最終的な選定の責任は国にあると思いますが、選定をする段階で、また専門部会なり 検討会のご意見を聞くというようなことも十分にあり得ると思っております。 ○浅野委員  今のことに関連して意見があります。これはどうしても避けれないことですが、幾つ の施設を選定する予定なのかという質問です。といいますのは、バンクを立ち上げよう としているところが幾つも全国にはあるからです。それにどう対応するのか、今の9つ のバンクを補助すれば充分であるのに、これらの人達にどう対応するのかです。運営費 を考えた場合に、いくつもつくるのは問題です。これをあいまいにしたままでは、運営 委員会は非常に難しい問題を抱えてしまうと思っております。この辺りをこの委員会と してはどうするのか、もっとはっきり云わなくてはいけないと思っています。 ○齋藤座長  したがって、浅野委員が言われたように現実的には幾つにするのか、どこは入れるが どこが入れないのか、というのは非常に難しいと思います。したがって、それを当事者 で決めることはできないと思うのです。それを決めると後からかなり非難されると思い ます。先程、西平委員から当事者でやっている人以外に専門家はいないのではないかと いうご意見もありましたが、9つの実績のある地域臍帯血バンクのご意見を十分に伺い つつ、それらの方が入ってないところでクライテリアを決めて、最終的にはこの検討委 員会でご承認という形にした方が、後から仲間うちだけで決めて自分たちは排除された というような批判が出にくいということで、このような専門部会の案が出ているわけで す。 ○浅野委員  それでも国が支援する以上は国として無駄がないようにしなくてはならないわけ です。 運営費を安くあげて、効率の良い仕事をするには3つか4つくらいが最も適切であるこ とは既に議論はしたし、分かっているのですから、この点は曖昧にしたままではよろし くないのではないでしょうか。 ○古市委員  大変に大事な問題が出てます。今まで中間報告をまとめた過程でも、いろいろな立場 を乗り越えて予算の要求まできたわけです。今度運営基準を作ろうといったときに、今 おっしゃったように本当に実務に携わっていた方々の専門的な意見というのは、当然必 要なわけです。だから、ガイドラインを作るときにも、その中にその人が入らなくて何 の専門家かという意見が出されるのは最もです。でも、ガイドラインを作るときに入ら れると、その先生方は多分正直な気持ちが言えなくなると思うのです。言うと自分の施 設の経験からいいますが、外の人達は必ずしも善意には取りません。また浅野先生がお っしゃるように9つが9つやれるならいいのですが、場合によったら3つとか4つとい うことも含めて考えないといけない。将来の細胞供給の姿も想像して、国際調整も考え ないといけない。  すると、今もっておられる先生方は中に入らずに、外から現場の意見をいっていただ く方が、先生方のためにも会のためにもいいのではないか、場合によってはガイドライ ンのところにヒアリングをやって、委員ではないが、真剣にどんどん意見をいってもら う。事務局に案を提出するだけではなく、お呼びして意見を聞く。最終的にはそれを集 約した結果、もう一度このメンバーの運営委員会でやるわけですから、二重三重にチェ ックがかかる。そうした方が外から見てもいいし、専門家の人の意見もいいやすいので はないかと考えます。 ○有田委員  浅野先生のご発言に関連してです。これは事務当局にお願いしたいのです。5年間に 20,000という数が一応出ました。それでやるならこの20,000のうちの1,000 はこの県で という形で、地方の本当に善意でバンクを立ち上げたいというものも結構ありました。 私どもはそういう形ではないということを申し上げておりますが、私たちの発言という のはなんの効力もないわけです。事務局として、また検討会として、きちんと外に向け て、バンクの性質はこうである。全国には沢山はいらない、一つの施設が1,000 集めれ ばいいということではないのだということを、どこかの時点でおっしゃってあげないと 本当に各都道府県が可哀相だと思うことがありますのでよろしくお願いします。 ○加藤委員  今の事業運営専門部会と技術専門部会との関係です。この組織図で並列に並べてござ いましてどうも、それが我々に理解しにくいところになっているのではないか。検討会 という親委員会があって、その下に専門部会としての共同事業技術専門部会があって、 その中間が運営専門部会というか、名前は別のほうがいいような印象を受けるのですが 大所高所に立って、また公平に全体を見つめていくという性格のものであれば、並べる ものではないのではないかと思うのです。書き方だけの問題ですがね。それを言えば大 体私も含めて理解しやすいと思います。 ○齋藤座長  表現というか、図の書き方はともかくとして二つの側面は必要であるということは、 よく理解されていると思います。するとほぼご意見も出たと思いますので、今のような 方針で人選を進めたいと思います。具体的な人選につきましては、事務局と相談して、 基本的な方針に沿った形で進めたいと思います。 そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございました。  では次に先程お話が出ましたが、議題の4として、共同事業の事業運営ガイドライン 専門部会でご検討いただきますが、そこで考慮すべき項目というのをご議論いただきた いと思います。資料の説明をお願いします。 ○山本補佐  お手元の資料4−2でございます。一枚紙でございます。これは前回までにまとめて いただきました中間まとめの中からの抜粋でございます。委員の方々には中間まとめの 全編がお手元にあろうかと思います。その中間まとめの中で、事業運営に関わる項目と しては3か所ございます。一つは中間まとめの4ページにございます。臍帯血移植の運 営体制の整備については、以下のような考え方が必要であるということで12項目あげて おります。  1)善意・任意・無償の提供の尊重、2)公平・適正な使用、3)安全性・有効性の重視、 4)利用者の利便性の配慮、5)迅速性の重視、6)関係者の協力体制の整備、7)十分な説明 の必要性、8)個人情報の保護と情報公開、9)移植医療部門からの独立、10)目的外の利 用の禁止、11)国際化への対応、12)効率性の確保、この12項目をあげてございます。  同じく中間まとめの8ページには、共同事業に参加する臍帯血バンクの基準というこ とで、共同事業に参加する臍帯血バンクは、安全な臍帯血を中立・公正かつ安定的に供 給することができる組織であることが求められる、ということです。以下の観点からの 評価が必要であるとおまとめいただいております。  以下の点と申しますのは、非営利性、安全性、供給実績、技術力、財政力、組織、設 備、事務体制。またこれは一部意見ということで、評価の際には地域性にも配慮すべき との意見もあった、というふうにまとめられております。  同じく中間まとめの9ページにございます。各臍帯血バンクの運営上、配慮すること が求められる事項です。患者の方々が利用しやすい運営にすること、国民の理解と協力 を得ていくために、意思決定過程の透明性を確保するとともに関係者の意見を十分に汲 み上げられるような体制を整備すること、地域におけるボランティア活動等の活力を十 分に取り入れること、意思決定やサービスの提供を機動的に行っていくこと、効率性を 追求し、費用対効果の高い組織とすること、事業の実施が、画一的、硬直的にならない ように行うこと。臍帯血の採取・分離・検査・保存及び移植の実施については技術指針 を遵守すること、以上が中間まとめに書かれている項目でございます。 ○齋藤座長  ありがとうございました。これは中間まとめからの抜粋なんですが、実際に専門部会 でガイドラインを作るときに重要なことです。沢山書いてありますが、それぞれウエイ トは違うと思いますし、あるいは必要なもので落ちているものがあるとかのご意見はご ざいますでしょうか。先程浅野委員が指摘された、国際化への対応というものも一番上 に書いてあります。  これは全ての望ましい考え方・項目が書いてありますので、全部これを実現しようと すると、現実的にはかなり難しいと思います。特にこういう項目は大事であるとか、こ れはそれほど出発時点では考慮しなくてもいいのではないかとかなど、いかがでしょう か。 ○西平委員  これは既に10回もやったものの抜粋ですから特にないのですが、今までもしばしば質 問が出ていたと思いますが、保険の問題です。健康保険です。移植については点数がつ いたのですが、実際に臍帯血の単価をどのくらいにするのかということをちゃんと決め ていかないと、運営していく面で補助金だけではなかなかできないとかがあります。臍 帯血移植を実施するときの保険適応、臍帯血移植そのものについてはどのようでしょう か。そろそろ健康保険とかに関係してくる、あるいは2年に1度しかやらないとかがあ るのかも知れないのですが、それは具体的にはまだ何も考えていらっしゃらないのでし ょうか。 ○朝浦室長  診療報酬の改定につきましては、先生がおっしゃる通りに2年に1回というルールに なっておりまして、次回の改定は再来年の4月だろうと思います。ここは確定的には言 えませんが、今までのルールからいうとそのくらいが時期ではないかと思います。それ で、臍帯血そのものの評価をどうしていくのかというのは、今後の大きな議論になろう かと思います。共同事業をこれから始めて、その辺の事業の実績とか移植の実績とも含 めて、今後総合的に検討されていくべきものだと考えております。 ○加藤委員  今西平先生がご心配されたのは私も全く同様です。実際に今、各地域臍帯血バンクは それぞれ価格というのはないのです。費用について、実際に移植を行う費用については 全く統一のものはございません。いよいよ来年4月から共同事業として国が支援する、 言葉はどうであれ統一的なものが始まるわけですが、その際に保険の点数がない段階で 仮に1年間としてもブランクの時期が生じます。そこでまちまちのことがなされると、 大変に多くの混乱が起きると思うのです。ですからそれは当然今年度内に議論をしてい くことになると思います。今日あるいはこれまでその道筋がほとんど示されなかったこ となので、ぜひどういうお考えでこれから進めていかれるのかということをお示しいた だきたいと思います。2年に1回という区切では間に合いません。これは政策ですから その中間のところででもきちんと時期を併せていかないと、整合性の問題で大きな問題 が生じる可能性が高いということを心配しております。 ○朝浦室長  臍帯血バンクにかかる費用については、いろいろな財源が考えられるわけです。当面 厚生省としては、来年度の概算要求に盛り込んでいる。それはまだ決着がついておりま せんので、現時点でそれ以外のものについての道筋を、今の段階で申し上げることはで きません。  今後の検討課題の一つとして、医療保険の適応の問題についても中間報告の中でも触 れてありますので、検討会の中でご議論いただきたいと考えております。 ○小池委員  臓器移植という観点からいうと、移植する臓器に対して点数をつけるというのは、今 までの診療保険の報酬上ちょっと例がない。したがって医療行為に対して加点していく という手だてを取らないといけないのか。その辺はよく厚生省の方でお考えをお取りま とめいただかないと、上手くいかないのではないかと思います。 ○有田委員  今のご発言について、確認したいと思います。供給の方の臍帯血にも保険を適用する という話は、前のときにこれは決まりましたよね。事務局からご返事いただきましたよ ね。これを確認したいのです。 2年後にはつけますといいましたね。 ○山本補佐  この検討会には私は別のところにおりましたが、こちらの方としては、小池委員がお っしゃったようにどういう考え方でこれをつけるのか。特に角膜のように使われるもの に対して評価するということはありましても、この臍帯血はデッドストックというか、 使われない部分を沢山もっていることが意味がある。使われない部分の費用も保険でみ るという考え方は、今まではあまりなかった新しい考え方でありますので、それを含め まして、どういう枠組みができるのかというのは、まだ暫く検討の時間がいる。  その意味でこの共同事業の仕組みをみていって、臍帯血を評価し、我々もしばらく検 討の時間がいるということでございます。ですから今の時点でどうなるとかこうなると いうのはまだお約束できない状況です。 ○有田委員  そうだったですか。それは後退ですね。私は重藤さんに直で、この検討委員会でご返 事いただきました。前の局長からもご返事を直接いただきました。それは議事録を見て ください、後退ですよ。それから小池先生の今のご発言は困ります。  もう一つ確認です。患者負担のことです。これは健康保険以外の負担はさせないとい うことも、前の局長からこの検討会でご返事いただきました。それも確認します。 ○伊藤局長  診療報酬上どのように提供された臍帯血を扱うかという問題であろうと思います。今 有田さんの方からいろいろご発言になった点につきましては、勿論、基本的なことはこ の検討会でのご議論もお願いしたいと思っておりますし、最終的に厚生省としての方針 を決めるには、中央社会保険医療協議会での検討も必要になってまいります。いずれに しましても、医療の提供現場でのこと、善意で提供していただいた方、臍帯血バンクの 運営等総合的に勘案して、最終的な判断をしないといけない問題でございます。今日ご 提言になったことにつきましては、しっかりと頭の中に入れておきますので、今後のぜ ひご議論をお願いしたいと思います。 ○有田委員  私は納得していませんよ。あの時はそのように確かにご返事いただきました。といい ますのは、臍帯血移植医療の方に保険局が保険をつけられたときに、臍帯血の供給の方 にも付けていたはずです。それをそちらの方で断ったという経緯がありますよね。それ は重藤さんですよ。その時に2年後にはつける、ただ向こうが付けてきた点数があまり にも低かったので、これではバンク事業を回せないから断ったという 説明をされました。 記者さんたちも証人として重藤さんが説明されるときに聞いていただいていますよね。 そういうところをちゃんと踏まえてください。 ○伊藤局長  事実関係については、後ほど議事録をチェックさせますが、いずれにしましても、今 小池先生からもご提言がありましたように、提供された人体の細胞そのものに、どうい う価格をつけるのかつけないのかという問題もございます。したがいまして、目的は善 意に提供された細胞を移植の現場、臍帯血バンク、善意で提供していただいた方、制度 が円滑に運営できるということを基本にして、この診療報酬上の扱いを検討していくと いうお約束をいたしますので、よろしくご理解いただきたいと思います。 ○有田委員  確認しましたよろしくお願いします。 ○浅野委員  今後の会議の形態について確認したいと思います。各委員会の公開性についてです。 特に運営専門部会というのは非常に重要になってくる可能性があります。古市先生がお っしゃったように、参考の方々を呼んで話しを聞くにしても、誰がどのように喋られた のかというのは非常に重要である。そして各地域で今から立ち上げようと思っている人 達にも、情報をかなり流さないといけないということで、私は、従来のように素案を決 める下部会議だから公開にしないというような形はとらない方がいいのではないかと思 います。このように傍聴席つきでやっていただいた方がいいのではないかと思っており ますが、いかがでしょうか。そういうお考えはあるかどうかです。 ○朝浦室長  公開の問題につきましては、この検討会の中で決めていっていただきたいと思ってお ります。 ○有田委員  この新たにできる二つの委員会についても、公開にしていただきたいと思います。ど なたが何をおっしったのかというのは、発言される方の責任であると思うのです。です から公開ということでここで統一してほしいです。公開では喋れないという人はいます か。閉鎖的なところでは喋る、公開では喋れないという人がおられるのであれば、ぜひ その理由をお聞きしたいと思います。 ○青木委員  私も公開をしていただきたいと思います。この委員会11回を見ても、傍聴の方がいら して、きちんとその席で話す意義は非常に大きいわけです。特に選定をするためのガイ ドラインを決めるということは、大変に重要なことでありますので、是非公開でお願い したいと思います。 ○齋藤座長  いかがでしょうか。公開というご意見が今までずーと出ております。よろしいでしょ うか。 ○草刈委員  古市委員がおっしゃったように、後ろ指を指されないようなことが一番大切です。公 開しない方が後ろ指を指される危険性が多いので、しかも公開すると、それはいろいろ な委員がおられて勝手なことを言う委員もおられますが、それも公開ですからいいと思 います。(笑い) ○齋藤座長  では二つの専門部会は公開ということにします。その他にはいかがでしょうか。  では後、今日ご欠席の陽田委員から検討会に寄せられた意見が最後について おります。 みていただく通りです。  1)は事務局を置く組織は連絡協議会の意思決定にならんの影響も与えない。これは前 も言われていたことであると思います。  2)に補助金のことが書いてあります。  3)は今のお話のバンクの選定は公開に準ずる形で行うということです。  4)は保存施設として新規参入希望があった場合の対応と考え方です。これは事業運営 専門部会で検討いただくと思います。  5)が寄付募金等の窓口についてということです。いかがでしょうか。 ○草刈委員  陽田委員のおっしゃる趣旨はよく分かりますが、日赤というのは社員制でございまし て、19,000人の社員がおられます。その日赤の意見とはと正面切って問われると大変に なるので、これは事務局を置く日赤の事務局としての意見ととっていただきたいと思い ます。というのは8バンクそれぞれに日本赤十字の職員が協力しているのです。血液セ ンターの方々がね。だからバンクを通じて、協議会の中に日赤の職員の意見が何らかの 形で入っていくのです。陽田委員の趣旨はよくわかるが、このまま持って帰ると私は怒 られる可能性があるので、そういう趣旨であるということで理解していただきたいと思 います。  よく陽田委員のお人柄も言っていることも分かるので、私はわかるのですが、このま ま読んで誤解することもあるというのが懸念の一番です。  2)は補助金の額は連絡協議会に渡されること、というのですか、補助金を渡す責任は 連絡協議会にあるのか、事務局にあるのか、そこは厚生省が明確にしていただきたいと 思うのが2番です。補助先として日赤と書かれると責任は日赤にあるのか、でないのな ら連絡協議会に補助先としないといけないのではないか、そこは明確に国から言ってい ただければいいです。  5)のところです。臍帯血事業指定寄付として受けられるか、これは検討が必要です。 まず大蔵の税務の問題ですしちょっと無理かなと思います。このことについて、献血と いう献血行為そのものが寄付であると自治省がいったということで、岩手の知事さんが 選挙区では献血できなかった、やむを得ず東京に来て東京で献血して帰ったということ があります。すると臍帯血が寄付になるのかということになると、えらいことになりま す。寄付については自治省の解釈は厚生省から聞いていただいたのですが、最後には違 う趣旨で、公選法に言う寄付にはあたらないとなりました。 ○齋藤座長  ありがとうございました。事務局から何かコメントはありますか。 ○朝浦室長  2)の点でございます。事業の運営の責任は連絡協議会が持つということになると思い ます。現在は補助金の受け皿として日本赤十字社ということになっておりますので、そ ういう補助金との絡みからすると、日赤のその面における責任は当然出てくると考えて おります。  寄付については、それぞれのバンクにおいて検討される項目の一つであろうと思って おります。  日赤関連の税制につきましては私どもも全然勉強不足で今の時点で申し上げることは できませんが、今後日赤の事務の方ともよくご相談させていただきたいと思っておりま す。 ○齋藤座長  その他、この陽田委員の意見についてどうでしょうか。 ○原委員  5)の寄付の件ですが、厚生省が臍帯血バンク設立に必要なお金を出せないとなります と寄付その他に頼ることになります。そこで是非、臍帯血バンク、特に今回、臍帯血バ ンクとして国からの補助を受ける責任ある団体であれば寄付を受けられるようにしてい ただきたいというのが私どもの希望です。私どもは今、「がんの子供を守る会」を通じ て募金致しておりますが、それは少し趣旨とは違うかも知れないと思いながら寄付行為 をお願いしていただいております。少し趣旨が違うという気もしますので臍帯血バンク という名前が出せるような団体に、ここに論じられているように税金の控除を含めまし て、寄付行為が出来る団体として認められるように検討していただくと有り難いと思い ます。是非、前向きに検討していただきたいと思います。 ○朝浦室長  税の問題については極めて技術的な問題もあるし、基本的な考え方にもかかわってく ると思いますので、少し税制について勉強させていただいて、これから少しいろいろな 方々のご意見を聞きながら研究していきたいと思っております。 ○齋藤座長  では、全般を通じてまだご発言のない委員の方々何かご意見がありましたらお願いし ます。 ○高橋委員  この場を借りて、お願いとも情報提供ともつかぬお話をさせていただきたいと思いま す。この委員をお引受したということで、かなり意識的に看護管理者の研修会等でこの 話を提供してディスカッションしているのです。国が大変に力強く推進されているのに 比べて、第一線で働いている人たちには、必ずしも情報が届いてないかなという感じが しているのです。 たまたま三日程前の研修会のコメントがあったので、一枚もって出たのですが、この助 産婦は10年以上も臍帯血採血の実験協力をしてきたということです。生命の誕生の瞬間 に臍帯血を無菌的に採取する、それは大変なことで、いろいろな手順をきちんとしてお かないと混乱がないわけではない。例えお母さんから是非にといわれても、取れない状 態もある。 そういうことが書かれております。助産の現場を十分に承知の上で、この事業を展開し て頂けていると思いますが、もう少し現場のことをよく分かって、その部分でのサポー トもほしいということです。  最近、メディアで大変しばしばこの問題が取り上げられますので、こういうことが計 画されてない病院でも申し出がある。納得していただくだけの説明をするというのは、 時間も必要ですし、容易なことでもないという実態があるように、私には話しの節々か ら感じます。  技術指針を前回もお示しいただいたのですが、こういうものができるだけ早く関係者 の手に届くように力を注いでいただけたらありがたいと思います。先程もボランティア 代表の有田委員からも話しがありましたが、お母さんの方は随分この情報をキャッチし ておられて、提供したいという声が上がっているようでございます。この辺のところを 受け止めていただいて、方策を講じていただければ有り難いと思います。 ○齋藤座長  貴重なご意見をありがとうございました。 ○田島委員  本件につきましては、事務局のご努力もありまして予算要求がなされて、恐らく予算 措置が講じられるものと期待しておりますので、せっかくの税金が有効にいきますよう に、なるべく迅速に今年度中に有効活用するような方策を、皆さんで精力的に決めてい っていただきたいと思います。  寄付金の件につきましては、今の時点で新たに免税などの指定というのを受けるのは 困難を究める情勢にあろうかと思いますので、できれば折角、草刈委員もメンバーに入 ってくださっておりますので、日赤の方で臍帯血の指定寄付をご検討いただいて、なか なか困難な面もあるだろうという今のご発言もございましたが、前向きに検討していた だいた方が、折角寄付をしたいと思われる方がいらしたときに、その輪も広がっていく でしょうし、この事業も伸びていく、意味が大きいのではないかと思いますので、よろ しくお願いしたいと思います。 ○草刈委員  田島先生の意見はよくわかります。ただ国税当局と厚生省をふくめての問題です。私 どもだけではございませんということです。もう一つは各地域バンクがそれぞれの努力 というものがあろうかと思うのです。それを削ぐような仕組みでは困るのではないかと いうのがございます。意見を言うなといわなれがら本来業務として寄付を集めろという のも、ちょっと矛盾しているのですが、地域バンクにとってどのような仕組みがいいの かということもお考えいただいて、やっていかないといけないのではないかと 思います。 ○関口委員  赤十字の寄付は、寄付の規定があります。我々のところにも血液センターの指定寄付 があるわけです。 その場合は本社に15%天引きされるのです。それをだから85%が下りてくるわけですの で、寄付ですからありがたくいただきます。  私の今までの経験では、赤十字事業に関連しない寄付の受入れというのは、お願いし たことはないのです。赤十字事業に関係した場合には15%の天引きされます。そのかわ りに額が溜まってきますと献血の表彰と同じように、日赤の表彰状とか厚生大臣の表彰 状をいただける。僕たちはそれを伝達するわけです。ですからこの人は何回どれくらい 寄付されたのかというのはわかるのです。とにかく指定寄付の部分は日赤にされても、 15%天引きされるということです。 ○草刈委員  これが公開の良さでございます。先生のいうのは、地域活動としての方がいいのでは ないかというサジェスチョンです。だけど指定というと使用目途があるので、そこで厳 しい制限がおきることがあるということがあろうということです。ただこういうことは 公開の場では難しいのですが、相手が警戒するようなことをここで言うのは不味いとい うことがありますね。(笑い) ○青木委員  寄附者の損金参入については若干いろいろと調べてみたのです。これは大蔵省で、国 税局の方で認めるとか認めないという話しであります。きちんとした目的で期間を決め て募集するということであれば、認められるはずであります。ただしその場合には担当 部局からの推薦がないといけないと言われておりますので、厚生省からのご推薦をいた だければ、それほど難しいことではないと思っております。 ○齋藤座長  他のことについても何かご意見はいかがでしょうか。 ○西平委員  この前厚生省から資料をいただいたもので、診療報酬点数の改正ということで臍帯血 関係のものです。 移植するために臍帯血を搬送する際に、搬送費用については療養費として支給すること が認められるという改正になったということで、大変に助かります。9月1日付けで診 療報酬の改正になってます。これは年度途中でも変えられるということでしたら、先程 の話しを蒸し返すようですが、2年に1度といわずとも、単に移植の費用だけではなく 実際に移植を実施した場合に、有田委員がいったように重藤さんのこれまでの発言、移 植を実施した場合には単に移植の技術料だけではなく、もっと点数を付けてくれないと 国の補助金もいつまで続くかわからなくて、打ち切られたらこの事業がお終いになるの では困るということは、陽田委員が再三いっておられますので、これが保険医療の点数 として回転するような形の点数を付けていただきたいと思います。  もう一つ、実際面です。臍帯血を搬送する場合に、例えばこの前は一番遠いところで は横浜から熊本まで運んだわけです。その場合に、本当は飛行機が使えればいいわけで すが、そのような保障というか、飛行機に乗る手続きですが、それがレントゲンを通ら ないといけないということになると、それを通過できるような許可証がないと、今後東 京から札幌とか逆に札幌から東京に運ぶとか九州に運ぶという場合に、どうしても問題 がおきる。熊本でしたが結局JRで延々と運んで、やむを得ず運んだということがしば しばです。我々のところから既に九州に5回ほど運んでいるのですが、その都度JRで やってますので、その辺は、飛行機の会社との交渉になると思うのですが,国として対 応していただかないと個人がいくらそういっても、なかなかウンと言ってくれないと思 いますから、至急にこの点は改善していただきたいと思います。  例えば骨髄バンクだと血液を運ぶ際にはどういう手続きでやっているのでしょうか。 その手法が応用できればいいのかなと思うのですがいかがでしょうか。 ○小寺委員  だからラディエーションを受けないということは、それをそのまま応用できればいい のですが、飛行機に乗れないのは液体窒素だと思うのです。それは新たにちゃんとレギ ュレーションを作り、航空会社に申し込んで、こういうものは公的に認定してほしいと いうことを言われればいいのではないかと思います。これは協議会が立ち上がるか、ま たはそれまでの検討課題ではないでしょうか。 ○青木委員 私どもは神戸から東京まで2回、東京から神戸まで1回臍帯血搬送をしておりますが、 JRの場合ですと、現在まで人が持ち込んでもっていっております。ただ今日手軽に搬 送できる容器が出来上がってまいります。それの温度試験が終われば非常に簡便に運べ るようになると思います。問題は飛行機の場合にラジエーションの問題は勿論ですが、 危険物として液体窒素は持ち込んではいけないとなっているようなんです。ドライアイ スはいいということらしいのですが、ドライアイスの方がむしろ問題はあるわけです。 その辺は厚生省の方から運輸省もしくは航空会社の方に申し入れをお願いできればあり がたいと思います。 ○齋藤座長 他にはいかがでしょうか、今日は珍しくまだ10分ほど時間を残しております。事務局か らの連絡はございませんか。では終わりにします。ありがとうございました。                                          ―以上― 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当 山本(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03-3503-1711