98/10/09 第31回年金審議会総会・全員懇談会議事録            第31回年金審議会全員懇談会・総会議事録 日 時 平成10年10月9日(金) 16:00〜17:22 場 所 厚生省共用第9会議室 ○全員懇談会  1 開会の辞  2 委員出席状況報告  3 議 事   ・年審議会意見書について  4 閉会の辞 ○総会  1 開会の辞  2 議 事   ・年金審議会意見書について  3 閉会の辞 〔出席委員〕   京 極 会 長   砂子田 委 員  木 原 委 員  久保田 委 員  神 代 委 員   坂 巻 委 員  高 山 委 員  都 村 委 員  富 田 委 員   福 岡 委 員  目 黒 委 員  山 田 委 員  山 根 委 員   若 杉 委 員  渡 邊 委 員  船 後 委 員  ○会長  ただいまから、第31回年金審議会全員懇談会を開催します。  初めに、委員の出席状況について、事務局から御報告をおねがいします。 ○事務局  本日は、岡崎委員、国広委員、桝本委員、吉原委員、貝塚委員が御欠席で ございます。なお、高山委員にはおくれて御出席という御返事でございます。 以上でございます。 ○会長  本日の議事に入ります。本日意見書の取りまとめを終えたいと考えております ので、よろしく御協力をお願いします。  初めに、意見書(案)の文言につき、起草委員の先生から補足説明ということで、 A委員、お願いします。 ○A委員  前回、言葉の使い方につきまして、一応審議会の総意と認められる意見は、「適当 である」、「べきである」という表現を使い、多数意見の場合には「概ね適当」、 「強かった」、「多かった」とかという表現を使って、少数の意見の場合には「意見 があった」というふうに使い、世間一般の言葉として、世間で言われていることは 「主張がある」、「考え方がある」とか、そういった言葉の整理をしたと申し上げ ました。  しかしながら、例えば4ページにございます「公的年金の民営化」のところの 「(「厚生年金を廃止し、積立方式や企業年金……)という主張がある。」というく だりとか、さらには、また基礎年金についての「税方式への転換」、これはさまざま な団体や組織が主張をしておりますから「主張がある」という表現にしておりますけ れども、当委員会におきましても御発言があり、同じことについての御発言があった ことは事実でございます。ただ、その場合に「意見があり」、「主張があった」と書 くのは文章的にもすっきりいたしませんので「主張がある」という形で、その中に御 発言の部分が含まれているというふうに解釈をしております。  それから、10月1日の審議会の後、一部の字句の修正がございますけれども、内容 につきましては修正をしておりませんということを御報告したいと思います。 以上です。 ○会長  ありがとうございました。  前回の審議会で、労働側委員のC委員とB委員から、意見書取りまとめに御反対の旨 が表明され、本日まで調整を続けてまいりました。私から、その調整の経緯について 御報告します。 一昨日(10月7日)の昼前から事務局の同席で、B、C両委員にお目にかかり、私か ら次のことを申し上げました。  年金審議会は、本来、学識経験者の集まりであり、それぞれの委員の方々の良識、見 識によって、年金制度の在り方を審議し論議する場所である。もちろん、それぞれの 委員の方々には、モノを見たり、考えたり、調べたりするときには、それぞれお立場 がある。専門の研究者にも学派がある。ですから、一から十まで全員一致ということ は、なかなか、望めない。しかし、他方で、そういう学識経験者が集まって意見を交 換する審議会は、世論の動きをとらえていく、非常に質のいいセンサーという側面も ある。  この審議会は、地労委、中労委、公労委のように、経営者側代表、労働者側代表、 公益代表というふうな三者構成ではない。御意見が十分採用されていない、という理 由で審議会を退席してほしくない。人にはそれぞれつながりがあり、縛りもかかって いますが、そちらの方の反対は反対として、例えば意見書(案)の1の「はじめに」 のところの文章の追加修正というふうな別の形で表現していただくことはできないだ ろうか。  年金は非常に長期にわたって安定していないと困る制度で、世界経済、国内経済、 その他の状況変化に対応しながら、長期的安定性を維持する、という上で、5年ごと の財政再計算は非常にすばらしい制度と考えています。その上、具体的な法案作成の 作業を考えると、そろそろ意見書を取りまとめなければならない時期に入って います。今回、審議会の審議はかなりいいところまでいった、と私個人は思っている のだが、というふうにお話ししました。  これに対して、両委員からは、審議には不十分な面がある。意見書(案)の内容に ついても必ずしも同意できない、というふうな御意見がありました。この点はお二方 から、この後で補足をお願いします。  7日の昼の会合の結論としては、意見書の文章をよりよくすることを通じて、何と かならないか、ということを両委員に持って帰っていただきました。荷物をお預けし たわけですが、その後、両委員から「はじめに」といいますか、そういうところの文 章の改善だけでは不十分である、到底納得できない、というお返事があったようです。  私としては、これ以上の調整はどうやら無理ではあるまいかと考えました。  そこで本日は、この意見書(案)をもとにした意見書を提出することについて、皆 様方の御意見をお伺いしたいと考えています。  ここで改めて、B委員とC委員から、御意見をお伺いしたいと思います。どうぞ。 ○B委員  ただいま経過の御説明がありまして、経過につきましては、会長のおっしゃられた とおりでございます。最後の最後にきまして、年金審議会が10月1日から今日まで持 ち越されたわけです。また、その間、会長の方から、そういう調整の労をとっていた だきまして、最終的にはそういう方向で難しいという結論に立ち至ったわけでござい ますが、そういうことについては大変心苦しくも思っております。また、そういう労 をとっていただいたことにつきましては感謝を申し上げたいと思います。  中身の問題につきましては、会長が場をとっていただきまして、また、厚生省事務 当局も同席をしていただいて、何とか調整がつく方法論はということの議論があった わけです。前文での、とりわけ昨今の経済危機に関連する緊急避難的対応というもの を労働側としても主張をしてきたわけでございますが、そういう部分について「はじ めに」の部分での修正加筆はないものかという御提案なりサインなりはいただいたの ですが、その前提は、本体あるいは個別項目については一切修正なり変更ということ はあり得ないという前提でございました。7日の場では、これまでこの審議会でいろ いろ主張させていただいたことや、あるいは現時点での環境といいますか、そういう ことの中で、本当に国民に理解、納得してもらいながら、すとんとそれぞれが胸に落 ち込みながら、この年金改革の問題をとらえていくには本当に審議会内容でいいので すかと、私たちはそうは思いませんということを再度繰り返し申し上げたような場面 があったわけです。しかし、M委員も欠席ということでございますので、我々としま しては、その申し出なり、そういう調整の案につきまして持ち帰りまして早速連合で 真剣に議論いたしました。事務局長も含めましてとことん議論もいたしましたし、 また、聞くところによると、事務当局としても連合への直接の折衝ということもやっ ていただいたようでございます。  そういう経過からしましても、あるいは年金審がここまでずれ込んできていること につきまして、ある意味では心苦しい点もございます。しかし内容がやはり一番大事 だというふうに思っておりまして、ここにきて、年金審として意見書を出すことにつ いて、反対をこれ以上する立場にできないのではないかというふうにも思いますけれ ども、しかし問題は中身でございます。連合推薦委員として、この意見書が出そうと している結論の内容といいますか、ただいまA委員の方からは、審議会の総意という ことで「べき」、「必要だ」、こういう項目については、それが骨子ということでの 意見表明もありましたけれども、そういう結論の内容については極めて不本意であっ て、どうしても承服することはできないというのが組織的にも真剣に議論した結果で ございます。  そういう部分の修正がなければ、技術論に終わるのではいけないということと、こ れ以上辞退を続けていても審議会運営全体に支障を来すことになりかねないというこ とと、連合推薦委員として、この結論を、審議会としての総意というところについて は、反対の態度表明をはっきりせざるを得ないのではないかということです。あとC 委員の方から言っていただくことになると思いますけれども、大変残念で、ある意味 では、ここまで労をとっていただいた会長には申しわけないという気持ちも反面あり ますけれども、一定の態度表明をさせていただかざるを得ないということでござい ます。  もし、ありましたら、C委員。 ○会長  どうぞ。 ○C委員  今、B委員の方からお話がありましたように、10月7日の日に、会長があずからせ てほしいといわれたことに対する具体的な話し合いの場が設営をされました。大変御 努力いただいたことについて、私も心から感謝を申し上げたいと思います。  しかし、今から申し上げることを理由にして、私どもとしては、この意見書の取り まとめに賛同できないということを申し上げたいと思います。3名の労働側の委員と しての意見ということで申し上げたいと思いますが、意見書に見られるような ウエートづけできるまでの審議が尽くされているというようにはどう考えても思えな いということがあります。また各委員の意見が正確に、しかもフラットな形で反映さ れているというようにも思えません。そして、ウエートづけのされ方によって消され ているというか、非常に小さな存在に追いやられたような内容になっていて、ある意 味では極めて不公正な状態になっているのではないかというように考えております。 それが1つ目です。  2つ目は、結局5つの選択肢の給付と負担の枠組みに固執をされて、はじめに給付 抑制ありきで負担増を強調され、国民が大変注目しているなかで給付水準の引下げ、 支給開始年齢の引上げ、賃金スライドの停止などが打ち出され、さらに年金というも のに対する不信と不安というものを増大させるものになっているのではないかという 点が2つ目であります。  3つ目は、年金改革の問題が中長期の課題であることは十分承知をしておりますが 、長期化をしております不況と超低金利政策下での年金生活者への今日的な影響、あ るいはデフレスパイラルになりかねない厳しい経済状況がある中で、緊急時の対応と して少なくとも給付の抑制とか保険料の引上げは避けるべきではないかというような 考え方を持っております。それが3点目です。  4点目は、3名の労働側委員が、これまでいろんな形で、立場はそれぞれあります が、意見を述べてまいりました。けれども、私たちがいつも申し上げています「信頼 と安心ができる年金制度」というものを確立するために、基礎年金の国庫負担の2分 の1の引上げ、将来、税方式への移行を何としてもすべきではないかということ。 それから、現行の給付水準の実質的な維持をすること、可処分所得スライドを堅持し てもらうこと、あるいは定年と年金の接続というものをもっとしっかりしたものにす べきであるということ。それから、予定されている保険料引上げの凍結などを実施す べきである。これらのことについて、この時点で改めて申し上げておきたいと思って おります。  以上申し上げましたようなことも踏まえながら、我々としてはもっと審議を尽くす べきことが残されているというように考えておりますし、それから、意見書に委員の 発言が本当に正確に反映されてないまま取りまとめられていると考えており、意見書 に対する態度としてはやはり同意できないということであります。  そして、委員として責任が持てないということであります。今申し上げましたよう な態度表明をしており、きょうの取りまとめということであれば、我々としては、 最後の取りまとめの段階には同席をするわけにいかないということを申し上げておき たいと思います。 ○会長  10月1日の全員懇談会で会長としておあずかりしまして、調整を考えましたが、 こういうことに終わりました。そのときも申し上げましたが、5年ごとの財政再計算 のための法案の準備というところまで全部見通しますと、そろそろこのあたりで意見 書を取りまとめ、大臣に提出することを考えざるを得ない、という局面です。そうい う意見書の取りまとめにつきまして、皆様方の御意見を頂戴できればと思います。ど なたからでも御意見、御質問など御自由にお願いします。 ○A委員  C委員が現在の景気状況の下で、こういった答申を出すのは問題であるという意味 の御発言がございましたけれども、景気対策とか、そういったものに制度の在り方を からめるということは私は筋が違うのではないかと思うんですね。やはり景気対策は 景気対策できちんとやるべきで、年金制度はあくまでも年金制度を将来にわたって安 定させるためには、今から長い視点でどうしたらいいかということを議論すべきで あって、当面景気が悪いから年金の保険料も下げましょうとか、そういう形で、それ では景気よくなったら、それを倍にすることができるかどうか、そこまで保証しなけ れば、そういう議論できませんし、やっぱりここは審議会としては筋を通して、年金 と景気対策ははっきりと分けて考えるべきだろうと私は考えるのですが、その点、C 委員がどういうふうにお考えになっておられるか、ちょっと伺いたいと思います。 ○C委員  私も基調として全く理解をしてないわけではありません。私は別の審議会の場でも 申し上げました。今、どういう立場にあられる人でもお気づき、お考え、あるいは心 の底根のどこかに持っておられるというように思っていますが、今日的な状況という のは、年金が中長期の課題であること。それから制度は急に軌道修正ができないのだ というようなお話ももちろんのことであります。今、それよりもっと手前のところで 国民が、将来の先行き不安に陥っている問題にさらに心理的な要因を加えて、一段と マインドを下げるようなことはすべきでない。 我々のような年代の人間が言うのは不自然かもしれませんが、今日極めて深刻な状況 にある中で、2025年の軸であれ、2050年の軸であれ、この意見書は心理的に大変大き な影響を与えるものだということの側面がありますということを申し上げているので あって、制度がロングランで組み立てられているということのベースを外して申し上 げているつもりはありません。 ○D委員  労働側の委員の御意見もわからないではないのですけれども、やはりこの年金問題 というのは昨今の少子・高齢化や経済環境とか、そういうものが年金制度にとって決 してプラスの方向には働いてないと。前回の改正でいろんなことをやったのだけれど も、それでも及ばないほど環境的には悪くなっているというのが年金制度の実情だと 思っております。  したがいまして、この意見書の内容が、C委員がおっしゃるように非常に厳しい内 容だということでございますけれども、これはいたし方ないのではないか。現実にそ ういう状況なわけですから、だから景気対策は景気対策で、 これは全くA委員おっしゃるように別の問題だと思いますし、そういったことはまた 別に考えてほしい。年金制度の問題点というものをえぐりだして、それを赤裸々にす るのはやはりこの年金審議会の役割ではないか、そのように考えます。  したがいまして、私はこの形の意見書で結構だというふうに思っております。でき るだけ早 く取りまとめをやっていただきたい、このように考えておる次第でございます。以上 です。 ○E委員  前回も申し上げましたけれども、労働側の意見について、私の意見を申し上げたい と思います。この前、申し上げましたが、9ページの中ほどのところでありますけれ ども、「現在受給している年金額、又は、受給できるはずの年金額を物価スライドを 含めて保証する措置が前提となる。」とこういうふうに書いてありまして、給付水準 についての定義も明確に書いてある、これは私は非常に評価をしたいと思っており ます。  それで、現在の経済環境は非常に厳しいと、そういう中で将来に対する不安、これ は労働側と私どもも同じ認識であります。そういう中で、国民の大半は今もらってい る年金が額として減らされるのではないか、あるいは数年後に年金をもらうときに、 それが本当にもらえるのだろうか、こういう不安を持っていると。現在働いている人 はむしろ賃金か雇用か両方とも不安を持っているわけですね。そういう中で、既に年 金をもらっている人、これから近々もらえる人が額として減らされないということは 非常に大きな安心感を与えて、年金制度に対する国民の信頼をさらに確固たるものに する、そういう面がむしろあるのではなかろうか。そういう意味で、足元の問題であ れば非常に国民に安心感を与える要素もこの中に含まれているのではなかろうか、 こういうふうに考えたいと思います。  実際現在働いている方はもっと深刻な不安に襲われている。経営者も事業の経営に 対しては先行き非常に不安を持っている状況である。このことについては労働側と全 く同じ認識でありますが、逆の意味で言いますと、年金を受給している人、これから 近いうちに受給する人に対しては非常な安心感を与える要素が含まれているのではな いか、こういうふうに思います。 ○B委員  労働側の委員にも申し上げたいというまくら言葉がありましたので、逐一反論して、 またここで議論をぶり返すつもりもございませんけれども、一貫して労働側が申し上 げてきましたのは、年金財政、給付と負担の問題から目を背けるわけにはいかないと いうふうには思っております。しかし年金財政のこと一本やりになっていないか、 あるいはほかの項目についてすべてフィックスした上で一定の数字を当てはめ、 だからこうだと。高齢化が進む、負担が限度、したがって、年金水準切り下げ、ある いは年金抑制しかない、この結論だけになっていないかということを盛んに申し上げ てきたつもりです。  まず、1階の土台の部分の基礎年金の問題が先にありきではないか。あるいは積立 金の在り方やそういうことをもし違う方法論でやったときに一体どういうシミュレー ションになるのか。 あるいは国庫負担の在り方を、これは宿題になっておりますけれども、その問題を本 当にやったときにはどうなのか。あるいは年金の支える側の年金費用負担ベースとい いますか、そういうことを広げるためにはどうあるべきか。女性の労働力率や高齢者 の労働力率の問題や、あるいはパートタイマーや派遣労働者や2号の空洞化している そういう問題についてもやっぱりベースを広げるということについて何か打つ手はな いのか。そして、本格的な少子化対策もそうかもしれません。  また、今、E委員からありました給付水準の問題についても、給付水準がいつから 、どこからどこまで引き下がるのかということを本当に国民にはっきり出して、それ で老後の基本的な生活設計が可能ですよということをちゃんと示すことが今一番重要 ではないか。あくまで負担の方から行き過ぎる。もっと給付に視点に当てて、しかも それが本当の生活に対してどうなのかということをもっと明確にすべきではないかと いうことを盛んに申し上げてきたつもりでございます。逃げ水のように常になってい くと。また、現在の23.1万円と言われているけど、現在、給付水準の切下げの途中で もありますし、また、4年前に入れた可処分所得スライドというものを入れれば、 21万円強の水準になるということもあります。一体いつ、何円から何円の引下げとい うことになっていくのかということが明確にもっとしていかないと、本当に国民の 信頼感ということにならないのではないか。  加えて、直近の課題であります医療費の改定や介護保険の改定等々がございますよ と。それは国民負担を上げるという方向で今動いているのではないでしょうか。そう すると同じ社会保障ということの中で、そういう問題点について、どれだけ負担が増 えるのか。それは当てにする年金の中から負担をそれだけしていかなければならない のか、せめてそれぐらいのことはやはりはっきり打ち出した上で、国民に対して理解 と納得を得るといいますか、安心感をしっかりと保障することが今最も大事ではない かということを申し上げてきたつもりでございます。 一体この意見書の水準で、給付水準の引下げという項目は、いわゆる少数意見ではな い「べき」のところでありますけれども、それが一体どうなるのか。そして、若い人 たちも含めて自分たちが年金をもえるときになって一体いくらが保障されるのかとい うことについて、はっきり約束された、あるいはそういうことが安心感を与える意見 書ということで言えるのかというと、今、E委員がおっしゃったようなことでは違う のではないかと私どもは思っております。 ○会長  F委員どうぞ。 ○F委員  今、B委員、あるいはC委員の方からもありましたが、議論の過程の中を通じまし て、ある意味で連合代表推薦の委員という形、ここはあくまで学識経験者ですから、 そういう立場なんですが、ある意味で非常に私ども共通する認識を持つところが多々 あったと思うし、あったと考えているんです。今、B委員が、いわば給付についての 話をされたんですけれども、かねて最初の段階から、私はいつも申し上げてきたどう しようもない自然現象としての人口構成の問題。これは、私はいつも年金審の中で少 子化問題を取り上げて、小手先的なことをやることについては賛成しないけれども、 しかし少子化問題を日本国として本当にどう考えるのかと。ダイナミックなスケール の大きい世界では少子化問題を今やらないと大変なことになりますよということは何 回も申し上げたつもりだし、ぜひ、それはそういう形でやってもらいたいと思うん です。  しかし、ねばならんとかということだけではどうにもならない世界でありまして、 我々今の断面では冷厳に事実を受けとめた1つのものを考えていく必要がある。特に 負担する人については、その人自身が、自分は負担するだけで、将来は自分はもらえ ないのではないかと思っている人が随分多いわけですから、そこに対しても、それか ら今度は、逆に現在もらっている人に対しても両方に安心感を持たせる設計が要るの ではないか。  そこで、私どもとしては、基礎年金については税方式、特に目的間接税というもの をぜひ導入すべきだという主張をしてきたわけです。連合の方もそこでは税方式とい うこと、目的間接税というところまではおっしゃいませんでしたけれども、そういう 意味で共通認識がある。それはある意味では人口構成からその部分だけはフリーにな りますから、お互いが安心して人生設計ができるという意味では共通した認識にある のだろうと思うんですね。  ただ、問題は負担する立場で考えたときに、厚生年金は29.8%と前回の年金審議会 で最終保険料を言っておられるのですが、今現在、例えば健康保険は8.6%を労使で折 半しております。 現在年金は17.35%を労使で折半している。ほかにもいろんな労使で折半している保険 料がありますけれども、現在の17.35%ですらかなり飛び抜けた水準で、実際問題負担 している人はかなり健康保険や雇用保険、税金に比べて高いのではないか。そういう 印象を私は勤労者・職場の人たちも持っておられるのではないかと思ってます。まし て、それが34%。ということは半分としまして17%。所得の17%を毎月年金で払う。 今、連合の方は29.8%に抑えうるという案を言っておられましたですけれども、 それは1階を税方式にして、2階を29.8%。だけど、2階の29.8%にしましても半分の 15%。ということは、毎月月収の15%を年金のために負担することになる。  今、連合と共同で、私ども医療改革の問題を提言しています。医療改革の問題は負 担の方が先行して医療供給サイドの改革がおくれていますから、これは12年に向けて 断固として改革してもらわなければいかん。小泉前大臣も約束したのですから、我々 も連合と一緒になってそれは迫るわけですが、負担する側から見ると年金の負担は大 変で、企業の立場ももちろんとんでもなくきついんですが、勤労者の立場に立って考 えてみても、月収の15%を年金で毎月毎月払うということは本当に職場の人が納得し ているのだろうかと。  これはちょっと余計なことを言って申しわけないんですけれども、私はそういうこ とで、これは好むと好まざるとにかかわらず問題に直面してきているものです。20年、 30年かけて少子化問題にどう対応していくかというのは別の問題として、ひとつ大い に国家プロジェクトとして、これは厚生省を超えてやっていかなければならない問題 だと思っています。それから、今度の審議会の中で、私は厚生省の限界というものを 感じて、ある意味では厚生省を超えた世界で年金問題も議論しなければならないのだ ということも痛感したりしています。しかし、いずれにしても、ズバリ率直なことを 言って、我々も勤労者なんですけれども、勤労者の方々にしてみても、今の負担でも かなり相当な負担だと。さらに今度は介護保険も出てきます。そういうところで、職 場の意見がそういうことなのかなと、これは余計な話かもしれませんが、そこはある 意味では直視しなければいかん。  それから、人口構成の問題で、何回も何回も、私は下げるのではなくて、下がるの だということを申し上げた。実際はこの案にありますように、現実に下がるわけでは ないのですが、そういうことの認識の中で、最後の段階になりますけど、勤労者の立 場で考えて本当にそういうことになるのでしょうかということを申し上げておきたい と思います。 ○会長  ほかにどなたか御発言ございますか。どうぞ、G委員。 ○G委員  この審議会は去年の5月からかなり時間をかけて審議してまいって、お互い言いた いことは言ってきたわけであります。今、F委員のお話を聞いておりますと、まだ言 いたいことはあるのですけれども、それはぐっと抑えます。  審議会としては、5年に一度の再計算で間に合うように意見をまとめねばならない と、こういう責任があるわけでありまして、この期に及んで、なお、まだ審議不十分 だと、こうなりますと、一体あと何月時間かけたらまとまるのかわからないと、こう いう状況ではないかと思うわけであります。この審議会は前回におまとめ願うところ を1回延ばしておるわけであります。  でございますから、前回、私が申しましたように、今回非常にさまざまな主張や意 見がある中で、起草委員の方はよくおまとめ願ったと思っております。でありますか ら、早くこの意見書(案)をもとにしてお決め願いたい、かように思います。 ○会長  どうぞ、H委員。 ○H委員  年金についての制度をどのようにこの審議会で議論していくかということにつき ましては、B委員もおっしゃいましたように、最初からほとんど全員のメンバーが年 金の金額だけの問題ではなくて、ほかの制度との関連とか、今、日本社会がドラス チックに変化しつつある中で全体の仕組みについてとらえ直さなければならないこと は言ってきたはずです。  そういう観点からしますと、私もこの最終案につきましては、いろいろ不満といい ますか、そういうものもありますが、ただ、議論に議論を重ねても立場が違い、意見 が違うとなかなか平行線をたどるということでまとめ方が難しい。今まで出てきた意 見をもとにして、多少会議の雰囲気などを盛り込みながらウエートづけをしてまとめ られたということですので、私はその点については高く評価をしております。  ただ、いくら議論を重ねましてもなかなか特定の意見が通るまでは認めるわけには いかないということになりますと、結局はまとまらないことになります。ただ、全体 のトーンは、やはり私も給付と負担の計算が中心になっているという印象は否めない と思います。ただ、今何ができるかといったときに、いろいろ不満はあっても、1つ の考え方として、とりあえずこういう形でまとめる。それをもとにして次期審議会が スタートして、ただちに今残されている課題について検討を始めると。今までのよう にまとめる時期が迫ってから議論を尽くそうというのではいつも時間切れになってし まうと思いますので、いろんな形で継続審議をするという形でならば、何とか承服で きるというふうに考えます。  したがって、例えば15ページにあります女性に関連した年金についても検討会の設 置ということがありますが、これにつきましては大変評価しております。実際のとこ ろ、女性の年金に関しても何も具体的に変えるという案がこの意見書にはないわけ です。それについては大変残念に思っております。しかしながら、ただちに継続審議 という形で検討会の設置ということがありますので、この点を評価しております。  ただ、少し細かいことを申し上げさせていただきますと、ここに「専門家からなる 」というふうにありますけれども、具体的に挙がっている専門家の領域が、印象とし てはかなり技術論になりそうな懸念がありますので、技術的な面だけではなくて、女 性の人権について認識のある委員を十分含めることを要望したいと思います。また、 この検討会のメンバー構成につきましても、専門性だけでなくて、よく言われますよ うに、男女比についても十分な考慮が必要だと思いますので、理想として フィフティーフィフティーでお願いしたいと思っております。  それから、ここでも「早急に検討に着手すべき」とありますけれども、これはこの 言葉どおり早急に検討を開始すべきだと思いますので、この点につきましても要望と して上げさせていただきたいと思います。 ○会長  今のH委員の話ですが、審議会を継続審議と申しましても、事務局サイドのお仕事の 忙しさの問題があります。法案をつくって調整していく方へ人手を取られますから、 来年の秋くらいまでは動きがとれないかと思います。御了承いただきたいと思います。 ○I委員  私は、先ほどG委員がおっしゃった御意見に賛成です。B委員の御発言を伺ってい て、私、非常に心配というか、気がかりなのは、意見が一致しないことはやむを得な いですけれども、一致しない理由として、るるおっしゃった中に、前回も申し上げた のですが、どうも議論したことを誤解されている部分があるのではないかという気が してしようがないんですね。 基本的な点はE委員がさっきおっしゃったことで、前回もおっしゃったことと全く同 じことなんですけれども、給付額については実質的にも下げないということは明言し ているわけですね。 給付水準というのは、要するに現役の給与に対して62%というような相対的な水準に ついてはこれから下げていかなければ、世代間の負担の不平等を余りにも大きくして しまって、将来世代に過大な負担をかけなければならないことになるから、それをい ろんな手段を組み合わせて抑制しなければいけないということを言っているのです。 それがどれくらいできるかというのは、ここにいろいろ書いてあることの中で、どれ が実際に法案になるかによっても変わってきまして、また、将来の経済成長率や物価 上昇率や賃金上昇率、死亡率等々の諸件の変化によって金額がいくらになるかはだれ にもわからないんですよ。だれにもわからないものを明示しなければ議論ができない というのは全く年金制度に対する誤解に基づいた意見としか言いようがないんですね。  ですから、連合は反対されるのは御自由なんですけれども、余りみっともない反対 はなさらないように心がけていただけないものか。ぜひそこのところだけは注意 して、それこそ世論を誤らせる議論に私はなると思うんですよ。連合のためにも決し てならない。将来の働く人の利益にもならないことですから、ぜひ、その点だけは十 分御注意して、将来的な発言をなさるならやっていただきたい。そうでないと、せっ かく議論して書いたことが何も意味がなくなってしまう。 ○会長  少し時間がたちました。御意見の中には、この意見書(案)をもとにして、意見書を まとめていいのではないか、あるいは意見書をまとめるように、という御発言もござ います。 労働側のC委員、B委員、いかがでございましょうか。その方向で御了解いただくわ けにはまいりませんでしょうか。どうぞ。 ○C委員  先ほど申し上げましたように、今、I委員から厳しい御指摘がありましたけれども、 私は逆に誤解があるのではないかというように思っております。B委員の発言もそう いう趣旨のことではないと思っております。先ほど冒頭に、私の方から、B委員、 M委員、連合本部ともきちんと調整をしたものを御意見として申し上げましたので、 それ以上の発言内容はありません。これでおまとめいただくことについては、我々委 員としては同意できないということで確認をさせていただいております。 ○会長  ほかの委員の方々いかがでしょうか。今日、この文案で意見書にまとめ、意見書とし て確定し、大臣に提出することをご了承いただけましょうか。 ○E委員  結論としては、私はこのまま大臣に御提出されるということで結構だと思いますが、 先回申しましたお願いと質問で2点申し上げたことをもう一回確認をさせていただき たいのであります。  私が申し上げた意見は相当正確に少数意見であっても記述していただいているとい うことで、起草委員の御苦労を評価しているわけですけれども、前回2つ質問をいた しました。 1つは、7ページの「税方式への転換」、ここで中ほどに「企業の負担が減少し家計 の負担……」、これを削除していただけないでしょうかとこういうふうに申し ました。N委員から、これは両論併記でいろいろあって、かつこれを取り除くことに ついては労働側の委員が反対だと、そういう形で起草委員としてはこれは残さざるを 得ない、こういう御説明がありましたので、中身については了解はできないんですけ れども、そういう考え方については、なるほどそういうことかなということで残るこ とはやむを得ないのではないか、こういうふうに私は思います。  もう一つ、19ページにつきまして質問させていただきました。「企業年金に関する 包括的な基本法」、ここの3行目でありますが、「企業年金に関する包括的な基本法 の制定が必要である。」と言い切っているわけですね。「必要である。」と言い切っ ているということは、審議会としての大勢としてそういうことであった、こういうお 考えだろうと思います。これに関しましては、たびたび私は申し上げたのですが、企 業年金は公的年金とのつながりということは当然あるとは思いますけれども、企業の 退職金を原資にするという意味では、労使の基本的な労働条件、これをどう使ってい くか、こういう中で大事な出発があるわけであります。そういう意味で基本法が必要 であるというのはだれが必要であるかということで、御質問したところ、事務局 から、当局としてはこれは必要であると考えている、という御説明がありました。 これは十分にそういうお考えをお持ちになるということはあり得ることだと思います。  また、D委員からも受給者の立場からすると、公的年金プラス企業年金、特に終身 年金で保障があるものは非常にありがたい、こういうお話があった。それは当然そう だと思います。  ただ、退職金を原資にする企業年金につきまして、税制適格年金の関係におきまし て、この「制定が必要である」というのはだれが必要であると言っているのでしょう かと。事業主の立場でそういうことを今まで申し上げたことがありません。したがい まして、そういう意味で、ここについて、起草委員がどういうふうに解釈されて、こ の「必要である」と決められたか、それを御説明いただければ、大変ありがたい、 こう思います。 ○I委員  きちんと説明しようと思うと非常に難しい問題で長くなりますから簡単に答えます けれども、確かに直接のきっかけは、終身の確定給付をとっている、現行制度で言え ば、厚生年金基金ですね。これについて一番そういうニードが強いことは事実だと思 うんですね。ただ、現状を見ますと、御承知のように、厚年基金でやっているところ と、新日鉄さんみたいに適格年金でやっているところと、あとは全体退職金が大体も らえるだろうと思っているだけの話で、退職金がしっかりしているところが残りの4 分の1、全然当てのない賃格法しか本当はないというところが4分の1、大体4つぐ らいに分かれているのだろうと思うんですね。  そういう状況の中で、確かに受給権の保護ということを言うのは、私はかなり難し い状況だと思いますけれども、しかし中心が厚生年金基金、終身の確定給付で企業年 金をやっている。そこが今のような経済情勢の中で非常にお金が足りなくなったりし てがたがたしてきているということは、これはまさに公的年金の給付水準が将来的に 抑制しなければいかんような状況の中で非常にやっぱり大きな問題ですから、そこを 第一に考えたことは事実だと思いますね。  その際に我々が念頭に置いたのはアメリカのような自由な国でさえも、規制緩和の 本国のようなところでもERISA法を非常に早い時期に導入してやっているわけで すね。ERISA法みたいな厳しいことが、ここで言っている基本法でできるかどう か、これは非常に大問題だと思いますが、ああいうものをやっているということが大 変大事なことです。今後企業年金の重要性が増していくことを考えれば、今の政府か どうかわかりませんけれども、日本国政府が将来的な日本の国民の老後の生活を保障 するためには企業年金が非常に重要になってくる。それについては非常に不安定な国 際経済情勢、国内の情勢の中でますますボーダーレスになってくる経済情勢の中で、 基本的な受給権を保護するにはどうしたらいいかということを示す必要がある。最低 限のところをどうやって合意点を見いだすかというのは、これからいろいろ議論しな ければいけない。  御指摘の19ページの今おっしゃったパラグラフの下のところにずっと書いてあるわ けですよ。いろんな難しい問題があってどういう合意ができるかというのは一切やっ てみなければわからないと思うんですね。ですから、どうしてそういうことを書いた か、どの立場で書いたかと問い詰められれば、今のようなお答えをする以外にないと 思うんです。私はこれが非常にエッセンシャルな問題で、その際に適年とどういう調 整をするのか、何もないところはどうしたらいいのか、確定拠出制の401Kみたい なやつを入れるにはどうしたらいいか、そういうことはこれから議論すればいいこと で、それを議論しなければいかんから、基本法はそれが全体がまとまるまでつくるな ということには多分ならないのではないか。まず、基本的な部分を押さえた上で、全 体にそれをいかにバランスをとって波及させるか、こういう話ではなかろうかと思っ て、私はこれで書いたつもりでおります。 ○事務局  私もこの関係で一言申し上げた経緯もございますし、厚生省の考え方を補足させて いただきたいと思います。E委員の御懸念は、厚生省が年金審議会のこういう意見書 をいただいて、それを錦の御旗にして、労使が反対されているにもかかわらず、こう いう基本法の制定が必要だと、ごり押しをして無理にそういう法律をつくるのではな いかと、そういう御懸念もあるのではないかと感じたわけです。けれども、私どもは そういう考えは全くございません。法律をつくるにはその当事者である労使の同意が なければ、それもどっちか一方でも反対されるということであれば、これは法律なん かできないわけでございます。それから企業年金につきましては適格年金を大蔵省で やっていらっしゃる。あるいは退職金は労働省でやっていらっしゃるということで、 これもまた政府内の意見が完全に一致しなければ、これは法律はつくれないわけでご ざいます。ここにるる記述がございますように、そういう中身については大変今議論 があるわけでございまして、まさしくここにございますように、引き続き検討を深め るべきだということでございます。私どもとしてもそういう関係者と幅広く、これか ら議論をし検討を深めていきたいと思っているわけでございまして、無理にこの意見 書をもとに何かやろうと、そういう意図は全くございませんし、そこはぜひ御理解を 賜りたいと思います。 ○J委員  私は今回の審議会は当面の問題を具体的にどうするかということよりも、むしろ長 期的な重要な課題を指摘して、将来に向かってどう解決していくかということを議論 する、将来の方向を明らかにすることに意味があったのではないかと思います。非常 に大きな問題が多かったわけですから、両論併記というような形が多くて、なかなか すっきりした結論には至りませんでしたが、今回はそれはやむを得ないのではないか と思います。  先ほどH委員がおっしゃいましたように、さらに5年後を待たないで、なるべく早 くこの未解決の重要な問題について、さらに検討して早急に結論を出すべきだと、 そういうふうな要望を申し上げたいと思います。  それで、一応これでまとめることには賛成であります。以上です。 ○K委員  意見書としてまとめることには賛成をいたします。なお、先ほどもちょっとお話が あったのでございますが、検討会の設置等の問題がございまして、例えて申し上げま すならば、3号被保険者制度の関係等についてもまだまだ十分な切り込みができたと いうふうには思っておりませんですが、将来検討会におきまして、御検討願うといた しまして、多分に少子化問題等のかかわり合いもあるようにも思っておりますので、 その辺に期待を持ちまして賛成を申し上げたいと思います。 ○L委員  私の意見は既に何回も申し上げたものですから繰り返しませんが、きょうここで意 見書をまとめるかどうかについてだけ申し上げたいと思います。  いずれにしてもいろいろ個別の論点について意見の違いが残ったままであるという ことは意見書にも記述がされております。それは事実認識だとか政策判断が個々の委 員で違っていたということだというふうに考えざるを得ません。これからまた審議を 仮に継続したとしても、この意見の違いといいますか、溝がそう簡単に埋められるよ うな段階には私はないと思っております。私の意見も多数説というか、大方の意見の 中に入ったものもありますし、両論併記になったところもありますし、1人しか発言 しなかったことを少数意見として書いていただいたところもありますけれども、いず れにしてもそういった状況を、これからの審議で簡単に変えられるというふうに私は 判断をしません。  したがいまして、いろいろな点において不満は残るのですけれども、制度改正の時 期が差し迫っていて、ある程度の区切りをつけなければいけないといった段階にある ということですので、この段階で意見書を出すということについてやむを得ないとい うふうに私自身は考えます。 以上です。 ○会長  いかがでしょうか、B委員、C委員。この辺でこの意見書(案)を、意見書に取り まとめることについて御参加いただけますか。 ○C委員  私どもの意見は冒頭申し上げたとおりでありまして、それをここの場で、B委員と 私がここで急に変更することはあり得ません。総会に変わる段階で、私どもは意見書 に同意できないということを意思表示をさせていただきたい、このように思って います。 ○会長  皆様方の御意見の分布がはっきりしましたので、本日この文案で審議会の意見書を 取りまとめ、全員懇談会を年金審議会総会に切り替えたいと存じます。  それから、大臣は7階にいらっしゃいまして、26階までお越し願うのに若干時間も かかりますので、約5分間休憩します。  これで全員懇談会を終了しますが、よろしゅうございますか。               (「異議なし」と声あり) ○会長  ただいまから5分間休憩します。 ○B委員  大変残念ですが、欠席をさせていただきます。 ○会長  御欠席承りました。              (B委員・C委員退席) ○京極会長  ただいまから、年金審議会総会を開催いたします。  お手元に意見書(案)が配布してあります。この文案で意見書として取りまとめた いと考えますが、よろしゅうございましょうか。               (「異議なし」と声あり) ○京極会長  ありがとうございました。  それでは、これで意見書を確定させていただきます。ただいま厚生大臣がお見えで すので、私から厚生大臣にお渡ししたいと存じます。           (意見書を京極会長より宮下厚生大臣へ) ○京極会長  厚生省におかれましては、この意見書を十分によく受けとめて、改正案の立案に当 たられますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、厚生大臣から御挨拶をお願いいたします。 ○宮下厚生大臣  厚生大臣の宮下創平でございます。  京極会長を始め、年金審議会委員の皆様方におかれましては、昨年5月以来31回に わたりまして、終始熱心な御審議を賜り、意見書を取りまとめていただきましたこと を、厚く御礼申し上げたいと存じます。  言うまでもございませんが、少子・高齢化の一層の進展や経済の低成長化の中で、 安心できる年金の将来像をどう描いていくかという難しい課題に真正面から取り組ん でいただきましたこの意見書を十分に受けとめさせていただきまして、今後、特に今 月中を目途として、厚生省として具体的な制度改正案の作成に精力的に取り組んでま いる所存でございます。  委員の先生方の今日に至るまでの御尽力に対しまして重ねて厚く御礼申し上げます と同時に、今後とも厚生行政の推進のために御指導、御鞭撻をいただきますようにお 願い申し上げまして、御礼の御挨拶にさせていただきます。  ありがとうございました。 ○京極会長  ありがとうございました。  委員の皆様方には年金制度の改正につきまして、昨年5月以来、31回にわたって終 始熱心に御審議をいただきまして、ありがとうございました。  皆様の御尽力のおかげで意見書を無事取りまとめることができました。厚く御礼申 し上げます。  本日はどうもありがとうございました。これで閉会といたします。  年金局 企画課   須田(3316)