98/07/01 内分泌かく乱化学物質の健康影響検討会第3回議事録      内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する(第3回)検討会議事録                       連絡先                       厚生省生活衛生局食品化学課                       電話:03-3503-1711   内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会(第3回)議事次第 日時:平成10年7月1日(水) 10:00〜12:00 場所:中央合同庁舎5号館第6会議室   1 開 会   2 資料確認   3 議 題    (1) WHO、OECD及び米国EPAによるそれぞれの機関における     取組について    (2) 内分泌かく乱化学物質による健康影響に関する調査研究      (平成10年度補正予算)について    (3) その他   4 閉 会 〔出席者〕  伊東座長、青山委員、阿部委員、井口委員、井上委員、黒川委員、紫芝委員  鈴木(勝)委員、鈴木(継)委員、高杉委員、高田委員、田中委員、津金委員  寺尾委員、寺田委員、西原委員、藤原委員、真柄委員、松尾委員、安田委員  山崎委員、和田委員 〔客員〕  OECD:Dr Herman.B.W.M.Koeter WHO:Dr M.Younes  EPA:Dr G.Timm 〔事務局〕  黒川食品化学課長、内田生活化学安全対策室長、他課長補佐以下8名 〔オブザーバー〕  環境庁、通産省、農林水産省、文部省、建設省、科学技術庁 (黒川課長)  おはようございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから第三回内分泌 かく乱化学物質の健康影響に関する検討会を開催致します。本日はご多忙のところお集 まり戴きまして誠にありがとうございます。委員25名中21名にご出席戴いております。  また、本日は内分泌かく乱化学物質問題に関わる国際機関、ならびに米国の担当官の 方々をお招き致しまして、それぞれの取り組みをお話いただくことになっております。  議題に入ります前に私から簡単にご紹介させて戴きます。  まず経済協力開発機構のKoeter博士でございます、それからその右隣でございます が、世界保健機関の化学物質安全計画のYounes博士でございます。それから米国環境 保護庁のTimm博士でございます。  それでは議事に移らせて戴きたいと思います。伊東先生(座長)よろしくお願い致 します。 (座長)  おはようございます。事務局から配布資料の確認をお願い致します。 (事務局)  では、配布資料の確認をさせて戴きます。まず、本日お配りさせて戴きました分も含 めましてご説明させて戴きます。まず資料1から3でございますが、これは、先に郵送 でお送りさせて戴いていると思います。資料1としましてOECDのDr. Koeterよりご講演 いただく内容の英文でございます。資料1の1と致しまして、その和訳をつけさせて戴 いております。  次、資料2と致しまして、WHOのDr.Younesよりご講演戴きます内容の英文でございま す。資料2の1と致しましてご講演頂く内容の和訳でございます。次に資料3と致しま してEPAのDr.Timmよりご講演頂きます内容の英文でございます。資料3の1としまして その内容の和訳をつけさせて戴いております。次に資料の4からでございますが、これ は本日配布させて戴いております。資料4と致しまして、内分泌かく乱物質の健康影響 に関する調査研究、平成10年度の補正予算案となっております。資料5と致しまして、 ポリスチレンについて。次に資料5の1と致しまして、スチレン関連物質の合成および 生物学的評価でございます。資料5の2と致しまして、ポリスチレン容器に入った即席 めんのスチレンおよびポリマーの分析法でございます。資料5の3と致しまして、 カップ麺容器からの環境ホルモン溶出となっております。資料5の4と致しまして、ポ リスチレンのエストロジェン性試験結果についてとなっております。次に本日お配りさ せて戴きました一枚の紙でございますがこちらも参考資料とさせていただきます。抜け ておりますものがありましたら事務局に言って頂ければすぐに配布させて戴きたいと思 いますので宜しくお願い致します。 (座長)  よろしゅうございますか。それでは、まず国際機関および米国の取り組みについてお 話戴きたいと思います。先生方、遠路日本までおいで戴きまして、この会議にご出席戴 き、委員を代表致しまして厚く御礼申し上げます。 (座長)  三人の方々からそれぞれの取り組みをご紹介戴き、まとめて質問、あるいはご論議を お願いしたいと思っております。では、貴重な時間でございますのでさっそく経済協力 機構のDr.Koeterにお願い致します。 (Dr.Koeter講演の日本語訳)  ありがとうございます。ご参会の皆様、まず、今回参りまして非常に嬉しく思い ます。来日は初めてではありませんが、こちらに参りましてがっかりさせられたことは 一度もありません。いろいろな状況に関心を持っている方々とばかりお目にかかりまし て、少しOECDの取り組みということで、特に内分泌かく乱化学物質に関して言及したい と思います。  昨日、この内分泌かく乱化学物質に関する会合がありまして、40分の時間しか時間が なかったのが今日はさらに20分になっておりますので、早口でしゃべるかあるいは簡略 にするかということになるわけですが通訳にこれ以上負担をかけてはいけないというふ うにも思っております。で、出来ればOECDとは何なのかという組織の紹介は割愛させて 戴きたいと思います。皆様、この経済開発機構に関しては26カ国が加盟しているという ことと、それからヨーロッパ、北米、アジア、日本、オーストラリア、ニュージーラン ド、韓国が加盟しております。日本はOECDの取り組みを実に強く支援している国でもあ り、特に化学物質、そして化学物質の安全性を支援しているわけです。私どもの作業を 非常に強く日本は支えてくださってるわけです。OECDにおきまして、日本は私どもの予 算の25%を拠出しております。この熱意に感謝をしたいということと、それから今回こ の内分泌かく乱物質に関してどういう取り組みをしているかということをお話したいと 思います。  このスライドにもありますように、OECDでは95年、加盟国が産業界のほうからすでに シグナルが出されまして加盟国としては内分泌かく乱物質に関する作業について知りた い、ということが伝えられました。アメリカにおいても作業が進んでいたということ と、最終的に規則、規制など、各国間にバラつきがあるようなものが出てきてはいけな いというふうに考えたわけです。特に産業界、ビジネスにとっては良くないということ と、規制当局者、要するに当該国における製品の安全性に係る責任が非常に困難になる ということと、他の国においてアプローチが異なるということがあってはいけないとい うふうに考えました。  国際レベルにおいて加盟国が意見交換を行い、なぜ強い懸念を持っている所があっ て、なぜそうでない所があるのかということを知ることも役立つだろうということにな りました。で、それ以降の状況についてお話申し上げます。OECDがこれらの諸活動を開 始したときに、一つ重要な点としては、まず、情報提供を行う、他国における状況とい うことでの情報提供を行う、ということがあげられました。OECDにおける目的というの はまず、情報提供であります。できれば、コーディネーションを行うということ、この コーディネーションというのは何かというと、当該国一国において、この問題に勧告す る会合がもたれるということであれば、同じ日に同じ点に関して会合を持つということ になりますと科学者がいろいろな所にいっぺんにいるわけにはいかないわけですから、 その意味でのコーディネーションが必要である。これをやるべきだ、やらない方がいい ということを示唆するものではないというふうにしております。  それから、リスク評価全般、特に内分泌かく乱化学物質に関するリスク評価の新しい 方法を編み出さなければならないということと、それから既存のものに関しては更新し ていかなければならないということが認識されました。加盟国もOECDが熱意を持ってい るだろう、そしてこの組織こそ主導的な役割を果たすだろうと考えられました。リスク 評価、それから、この調整を行うということで、実践面、実際面において行うというこ とになります。科学的な側面に関して、学術的な側面に関してはYounesさんの方から言 及されると思いますが、日々どういった実際的な取り組みがありえるのかという事が取 り上げられることになったわけです。  OECDの積極的な取り組みに対する要請に次ぎまして、国際フォーラム、とくにIFCS、 これはオタワで会合を持ちました。カナダでの会合でありますが約110カ国が参加した わけです。ですからOECDの29カ国をはるかに上回っております。ここで内分泌かく乱化 学物質問題を取り上げ、結論としてこれら5つの点に関して注視すべきだという声があ りました。定義のharmonization、EDCとはなんであるか、それからその周辺の用語に関 する定義も必要でありました。研究のコーディネーション、逆はあるかどうか、なにが 優先課題になっているのか、そして研究、進んでいるのものはどういうようなものがあ るのかどうか、それから科学者、同僚がどういうものをやっているのかを確認できる データベースがあった方がいいのだろう、自分の位置づけも知りたいということになり ます。また、意見交換も有用です。ま、これはかなりの作業ということになるわけで、 加盟国、要するにIFCSにおいてこの110ヵ国が討論をしたわけです。IOMC、化学物質の 健全管理に関する組織間フォーラム、プログラムでありますが、こちらが中核となりま して作業を進めらることになりました。あまりIOMCをご存じない方のために申し上げま すと、恐らくILO,WHO,UNEPの調整されたプログラムがあり、これはIPCSというものがあ るわけです。これはYounesさんのほうから全般的なお話があると思います。これはプロ グラム協力として長年存在しておりました領海域におきましては、さらに協力を強化す るということが唱われたわけですが、そういうような協力関係ということで既存のもの に加えてFAO、それからUNITERD、国連の研修教育UNIDO、そして産業開発などを行うよ うなところ、それからOECDがあったわけです。かなり大きな協力体制をひくということ で、議長を務めるのはその組織、いろいろ順番に行うということになっております。 特に重要な五項目でありますが、基本的にIPCS、OECDが担当しております。  あまり細かい所まで誰がなにをやっているかということまで申し上げませんが、基本 的にこういった、日々の実際的な規制問題に関してはOECDの担当です。例えばテストガ イドライン、危害認識をするための方法、IPCSのほうは科学、学術、それからこの続け られているプログラムの調整、また、ギャップがないかどうかを明らかにします。細か い調査内容の確認をするということでどういうテストがあるのか、そして現在特に生殖 毒性ということと、それから内分泌かく乱物質ということになりますとどういうことに なるのかということを明らかにするということと、それから最先端科学を取り上げると いうことになります。これは毎年毎月変わるものです。そしてこのDRP、これはちょっ と古くなっておりますが昨年来新しい活動が開始されております。ですからその時点で のスナップ写真しか撮られていない、その時はどうだったたかということしか明らかに なっておりません。これを配布致しましてコメントを頂くようにしました。そしてさら なる意見を寄せてもらうようにしたわけです。産業、WWFも関わるようになりました。 各国はこれに対して大きなサポートを寄せてくれました。しかしこのペーパーですけれ どもすべてを網羅しているわけではありません。ですから今後も改善していかなくては いけません。この中では性ホルモンしかカバーされておりません。まあここでは内分泌 かく乱物質のお話をしているわけですがその中には性ホルモン以外のものも含まれてい ます。甲状腺ホルモンもその一部です。アメリカでは甲状腺ホルモンを傾注しています のでこちらが我々のペーパーの中では欠けています。そしてさらに内分泌かく乱物質、 とりあえずだということで性ホルモンだけを取りあげたという次第で今後随時つけ加え ていきます。  このペーパーに関しては多くの意見が寄せられました。イギリスの作業に対してだけ ではなく、また勧告に対しても意見がありました。今後どういったことがやられなけれ ばいけないのかということ、もっとテストを改善していかなければならない、そして植 物的、組織的、病理学的な研究も必要だということ、そしてもっと感受性、信頼性をあ げていくことが必要だということです。また精子の質に関しての議論がありますが、ど こまで質が低下しているのかということも内分泌かく乱物質を考える上では重要です。  また加盟国におきましては新しいエンドポイントをつけ加える必要もあるということ です。様々なテストですとか、様々なエンドポイントがあるのですが、とりあえずは全 部を扱うことはできませんので、今我々の提案としてはとりあえず出来るところから始 めようということです。そして様々なワークショップがあります、その一つがウェイブ リッジのワークショップです。こちらは、ここ数年間活動しているんですがこのほかに も様々なワークショップが戦略をつくっています。どれだけのテストをやればいいのか というような勧告を出しています。ウェイブリッジコミッションに関してはこの後もっ と詳しくお話しますが、こちらはイギリスがホストになっているということです。  その他にもヨーロッパの環境当局もありますし、あるいは国内的な委員会が、OECDに もありますので、こちらの方でもコーディネーションしています。もっとこの後半1998 年ですけれども形が出てくるでしょうか、オランダですとか様々な所でも会合が開かれ ております。  先程言いましたように、アンケートを各国に回覧し、そして彼らの懸念レベルはどう なのかと加盟国に聞きました、もうこれ以上複雑な問題を、複雑にしたくないというこ とがありましたので非常に正式な形で行いました。加盟国の全部がコミッティなど、皆 さん日本はコミッティがありますけれどもあるいはアメリカではEDSTAC(内分泌かく乱 物質のスクリーニングとテストに関する委員会)コミッティを設けていますが必ずしも コミッティを設けて問題に取り組んでいるわけではありません。そしてこれはコミッ ティの間、お互いの会話があるわけではありません。そこで私どもは加盟国のできるだ け多くの省庁にコンタクトをすることに心がけ、全体像を把握しようとしたのです。日 本からは三つの回答がこのアンケートに対して寄せられました。アンケートでは、各国 においてこの問題はどのくらい大きなものなのか、そしてその懸念はどういったことに 基づいているのか、そして皆さんから我々にはどういう提言があるのか、将来において はどんなリスクアセスメントの手法が必要なのかということ、そして今現在各国で何を やっているのか、コミッティを設けているのかレポートを出しているのかというような 質問です。  結果として21ヵ国から回答が寄せられました。北欧の諸国が分析をやったのですがそ れからアメリカからも三つぐらい回答がありまして、カナダからも回答が寄せられまし た。多くの国の結果を纏めますと必ずしもコンセンサスがあるわけではないということ ですね、ベストアプローチが何かということに関しては。環境庁ですとか、あるいは環 境庁というものが各国にありますが、あるいはこの他にも農業省などがありますし、日 本の通産省などもあります。ですからこの問題は様々な角度から見ていかなければなら ないということなんです。  結果としまして加盟国の50%が内分泌かく乱物質は大きな問題だと考えているという ことです。他の国は懸念ではないと答えたところもありました、あるいはある程度の懸 念事項だと答えた所もあります。或いは国によってはあまりに問題が山積しているので 内分泌かく乱物質というのは多くの問題の中の一つに過ぎないというところでこれだけ に傾注するわけにはいかない、リソースの全部を内分泌かく乱化学物質に費やすわけに はいかないという所もありました。しかし大きな懸念だと答えた国々は、ある程度特別 な政策を持っています。  そしてこうした解答を得たわけですけれども私どもが、彼らに言いたいことは、どう か性急に新しいテストや新しい評価、新しい結論に飛びつかないで欲しいということで す。科学的検討の結果を待って行動して欲しいということなのです。ですから我々の方 としては科学的なデータを早く出したいということで、科学的データに関してはYounes 先生が後ほど詳しくお話して下さるはずです。そしてこのアンケートの結果、回答の内 容をいくつかご紹介したいのですが、すでに21カ国からのレポートが提出されてい ます。これらの結果はインターネットのOECDのサイトに載せましたので、アンケートの 結果に関しては皆さんご覧頂くことができます。各国でどういうことが行われているか を見ることもできますし、各国で出したレポートのドラフトも見ることが出来ます。 そして、どんなアンケートを我々が配布したのか、その質問事項も見ることが出来 ます。  そこで、このようにアンケートを出しました。そしてディテールとレビューペーパー も出した。次は何でしょうか。そこで加盟国に聞いてみたんです。皆さんご存じのよう にジョイントミーティングを開くポリシーレベルのミーティングをOECDで持つ、そこで は日本からもポリシーメーカーが参加するというものです。このポリシーメーカーは、 化学の安全性に関する専門家ということになりますが、彼らが一堂に会してどこにプラ イオリティを設定するのかを話し合います。各国の意見をまとめますと内分泌かく乱化 学物質に関してはテストだけでなく評価も重要だということでした。そのためにはスタ ンディングコッミティ、常任委員会をつくることが必要だというふうになりました。そ こでここに書いてあるんですけれどもナショナル・コーディネーターズ・ミーティング と呼ばれるのがこのコミッティなんですが、ここではテストのガイドラインを開発して いきます。RABというのはRisk assessment Advisory Bodyの略ですが、こちらは評価の 手順を作成していく所です。この他にもワーキンググループのメンバーを巻き込んだ努 力も行われております。加盟国全部、それからECもありますし、IPCSもあります、BIAC もあります。business and industrial advisory committeeの略です。業界の代表者 が北米・ヨーロッパ・日本から参画しています。それからtrade union advisory commission労働組織の方からも参加しています。つまりここでは組合ですが職場におけ る安全ということで参画しています。またこの他にも環境の利益団体もこのコミッティ に参加して戴いてますので包括的なものになっています。このコミッティの目的です が、まず一つ目、現在あるテストガイドライン、世界中で今日入手出来、また各国が合 意しているものですが、そのうちのどれが内分泌かく乱物質の測定にはふさわしいの か、そしてこれをどうやって改善していけばいいのかということ。また、どんなエンド ポイントを持っていけばいいのか。そのために新しいガイドラインが開発される必要も あるでしょう。つまり時間的にこうしたガイドラインを改善していきたいと思っている からです。そしてさらにテストの戦略に関してもハーモナイゼイションが必要です。コ ミッティはこれまで一回しか会合を持っていないんですがとりあえず目標を立てまし た。それでは先程申しましたテストの戦略に関して少し詳しく見ていきましょう。  こちらがテストの戦略です。ウェイブリッジのサイエンティフィック・ワークショ ップが書いたものです。昨日も申しあげたんですが、OECDが主導権を握ります。 しかし、1から始める必要はあります。これまで加盟国が打ち立てたものにつけ加えて いけばいいのです。エキスパーティズムを持っているのはOECDではありません、各国の 中にあるんです。そこで皆さんに対して何がいいかを聞いていきました。そして各国で やっているいいことを取り入れてきました。そうはいいましても各国の意見が必ずしも 一致している訳ではないんですが、ウェイブリッジの戦略です。ちょっと複雑なんです が、実際こんなに見るほどではないんですけどもこの基礎となっているのが既存の化学 物質そして新しい化学物質を対象としたものです。既存の化学物質に関してはいくつか のデータが既にありますね、28日間反復試験ですとかあるいは繁殖試験などもあるかと 思います。この下を見て戴きますとこのスキームに取り込まれております。例えば二世 代の繁殖試験とありますが、こちらは内分泌かく乱化学物質でなくてもいいんですが、 その対象としましてはヒト、それから野生生物、両方です。この他にも毒性試験があり ます。  そしてこの上を見て戴きますとすべての臓器が対象となっております。とりあえずは 一世代のテストから始めて、二世代へと拡げていくということです。例えば新しい化学 物質であれば、データがなにもないということもあるでしょう。しかし、私どもは様々 な化学物質に囲まれておりますのでスクリーニングセットを用いれば新しい化学物質、 内分泌かく乱化学物質でも素早くテストを行うことができるでしょう。そうはいいまし てもOECDにおいてはまだこの手法はありません。 in vitroの試験しか今のところはあ りませんので。ですから順々にこうした手法が現実的なものになっていけば良いかと思 います。これに関してはあまり詳細にわたることは避けます。  そして次ですけれども、こちらは環境に対する影響に傾注したものなんですが、ス キームではあるんですが根本的な所は違います。しかし一見違うように見えますが、詳 細を見て戴きますとあまり違いはありません。in vitro,、in vivo、それからSARの試 験を行って、より詳細にみていく必要があればどんどん詳細レベルのテストをかけてい きます。EDSTAC、アメリカのEPAが組織したコッミティなんですけれどもDr.Timmが、三 番目のスピーカーですがこれに関しては詳しくお話してくれるでしょう。まず最初、イ ニシャル・ソーティングから始まりまして、どのような化学物質があるのかというこ と、こちらは主に既存の化学物質に傾注したものです。そして充分なデータがあるの か、充分なデータが無い場合にはデータをつけ加えなければいけない、あるいは、ある 場合にはT1S・T2Tあるいはハザードアセスメントで把握することが出来ます。ハイ スループットというのはまず、プレスクリーニングをかけて、全体的なスクリーニング をして、ふさわしければどんどんT1Sのスクリーニング、それからT2Tのテスティング、 最後のハザードアセスメント、有害評価へと移ります。  OECDにおきましては、最後にコーディネーションされたスキームを出しました。 まず、イニシャルアセスメントのスクリーニングレベル、テスティングのレベル、三つ のレベルがあるんですが、最後のこちら、デフィニット・アンサー、これは確定試験と いうのがありますが、こちらは二世代試験を親子だけでは充分でないかもしれない、あ るいはもっと環境の中にある様々な種に対してテストを行なう必要があるかもしれませ ん、そしてテスティングのところでは同定をして性格付けをしてin vitro それからあ るいは子宮内での暴露ですとか野生動物ですとかヒトですとかこれをin vitroで行った り in vivoで行ったりします。これはOECDの提案です。詳細を全部飛ばしまして、最後 のスライドで締めくくりましょう。  皆さんに強調しておきたいことがあります。それは検証の作業です。どんな結論を、 どんなスキームを用いて出すにせよ、テストが必要、あるいはエンドポイントが必要、 様々なエンドポイントが提案されますが、どれを使うにせよ、どのテストでもエンド ポイントを使うにせよこれらが関連性があり信頼性があるということを検証していかな ければいけません。つまり、こうしたエンドポイントを使うことによって内分泌かく乱 のメカニズムですとか、化学物質についての情報が得られるのかということです。 現在の環境ですが、感受性の問題もありますのでこれを改善していかなければなりま せん。国際レベルでは合意されているということは、例えば動物実験がだんだん難しく なっているようなことがあります。アメリカにおきましては環境保護庁が検証、テスト の検証に関して作業を行っていますし、ヨーロッパでもECがこうした検証作業を行って います。またOECDにおきましても加盟国が正しいコンセプトということで合意をしよう としていますし、それを私どもがペーパーの形で纏めます。  内分泌かく乱化学物質に関してお話してきたんですが、これが最後のスライドでした ので、アメリカからの検証に関しましてはT1Sのスクリーニングセットに関して提案が 出されています。そしてヨーロッパのほうでは407、それから、二世代のテストの 改善、そしてT1のスクリーニングテスト、こちらがヨーロッパです。政府レベルのみな らず産業界のレベルからも日本は参加しています。8月始めに会合を持ち、研究者が集 まって、この中で取り組みを国際的なレベルでどうやって行うかを話し合います。そし て対象となる化学物質、特にヴァリデーションスタディでは重複しないようにするわけ です。多くの意味においてこれはユニークな作業となりましょう。アメリカにおける、 またヨーロッパ、日本における政府官庁、そして産業界が協調して、共に内分泌かく乱 化学物質に関してどのテストを、どのエンドポイントが一番センシティブかを検討する ことになります。申し訳ありません、時間超過してしまいまして。 (座長)  それでは次にWHOの化学物質安全計画のDr.YounesからWHOの取り組みについてご紹介 戴きたいと思います。 (Dr.Younes講演の日本語訳)  ご親切なご紹介ありがとうございます。まず、同僚のKoeterさんに対し御礼申し上げ たいと思いますし、それからあと、同僚の皆様、このようにご招待戴いたことを御礼申 し上げたいと思います。IPCSでどういった事を行っているかということと、それから内 分泌かく乱化学物質に関する取り組みに関してもお話したいと思います。もうすでに私 のIPCS、ご存じかと思いますけれどもKoeterさんからもありましたように、WHOとUNEP、 ILOが協調して進めているものであり、執行機関はWHOであります。テクニカルな作業は WHOが行っております。リスク評価といいますと、これは化学物質の評価を行うわけ です。また、人体の健康に対する影響、作用、そして健康に対する危害はないのかどう か、それぞれ暴露をした場合にどうなるのかというガイドライン設定も行っており ます。また、検証にも関わっておりますし、リスク評価の方法のハーモナイゼイション も行っております。こういった通常の機能も司っているわけです。  そこで、まず政治的なマンデートということで国際機関に与えられているものの期限 はどうなっているのかという話を致します。  まず、IFCS、この化学物質安全性に関する政府間フォーラム97年オタワで開催された 第二回会合におきまして内分泌かく乱化学物質の問題を取りあげました。科学的な研究 の所見でも示されているように、いくつかの化学物質が内分泌系をかく乱するかもしれ ない、干渉するかもしれない、という懸念が表明されたわけです。現在このEDCに関す る取り組みをしております。結論として科学的な根拠を見ても、いくつかの化学物質は 潜在的に内分泌系に干渉する可能性があることが示唆されております。現在多くの研究 が進められ、その作用、そして作用機序を解明しようとしています。ただ確かにかなり の不確実性があって、まだ方法論に関しても明らかではない、こういった化学物質、そ れから暴露に関しても明らかになっておりません。また、作用はどうなのか、この内分 泌かく乱といいますと、実際に人体に対する健康影響があるのかということもオープン クエスチョンのままです。また、フォーラムの結論として確かに効果的な形での研究の 必要性が強調されました。政府代表者は、必ずしも各国が包括的な研究を行うのではな くて、コーディネーションを行ってそして双方的な形で進めていきたいということにな ったわけです。そして透明性のあるメカニズムを通して各国政府、それからIGO、NGOそ の他当事者間の協力も必要だということになりました。IPCSなどにおきましても作業の 調整を行っております。ここに二名来ておりまして、これがどうやって効果的に進めら れるかという話をさせて頂いております。結論と致しまして、研究データに対するアク セスが必要だということと、そしてまだ経済途上にある国、こういった所に対する援助 の必要性もうたわれました。  IFCS勧告ですが、いくつかありました。あまり詳細は述べません。Koeterさんの方か ら既に詳細に関しての説明があったからです。ただ、IOMCに対する質問も出されました し、そして部分的には協調して作業を行うということ、そして独自に行うということ、 それから総合的な協力をできる限り行うということになりました。それからIPCS、これ は用語の定義、そして研究調整ということをOECDとともに行うのとともに、継続されて いる研究の項目、これをリストアップしていくということと、それから現在は先端科学 の報告書を纏めあげております。これに関しては後で述べたいと思います。ただその前 に科学的な問題点について取りあげたいと思います。これは科学評価レポートで取りあ げることになりますが、その成果が少なくとも問題点、どうやって取り組むか、そして リスク評価のプロセスを将来的にどうやって進めていくかということに絡んでくるから です。  ただその前にWHOの97年5月の第50回世界保健大会の会合でありますが、ここでは化 学の安全性、特に持続性のある有機汚染物質に関してみるということで、コックス 会議、これがモントリオールでみておりますし、WHOの支援も要請されています。決議 5030が可決されています。WHOの事務総長も必要な措置を講じて、さらにWHOのリーダー シップを強化し、リスク評価を行って、優先課題の高いものに取り組むということと、 関連研究分野奨励と調整、たとえば潜在的な内分泌関連の健康に対する影響、特に化学 物質に対する暴露だった場合どうなるかということと、そうして考えられるその結果に ついても評価するということになっています。  より学術的な問題点でありますが、内分泌かく乱物質の問題というのは何かといいま すと、いろいろややこしい点がでてくるということです。まず化学物質、このテーマは 皆さんご存じですからあまり細かい話はしませんが、対象となる化学物質はいろいろな 分類が出来るわけです。例えば外因性のもの、それから殺虫剤、工業化学物質、そして 医薬品、また汚染物質があるわけですが、それぞれ組成も違う、化学構造も違う、それ から物性も違う、毒性も違うということで、様々な種類の化学物質が対象となります。 次に非常に複雑な系が対象となっています。内分泌系というのはただ単に単純な臓器で はありません。ですから非常に多くの生物学的な機能が対象となっているという ことと、それから発育・代謝調整機構が関わっているということと、それから発育発生 のプロセスを制御するフィードバックグループもあります。そして、内分泌系にはいろ いろな臓器が関わってくるということと、それから標的臓器も複数です。例えばこの中 では副腎、それから生殖器系、そして甲状腺、また下垂体が対象となります。潜在的な 人体に対する影響でありますが、これは例えば女性の生殖系、男性の生殖系、そして中 枢神経系、また、甲状腺に対する作用、これは神経、行動学的な作用もありますし、潜 在的な免疫系に関する影響も考えられます。他方におきましては、非常に分かり易い毒 性というわけではありません。といいますのは相互作用が、内分泌系において色々なレ ベルで起こりうるからです。まず、化学物質はホルモン合成を変えることがある。 また、ホルモンの貯留・滞留・そしてその放出を変えることが出来る、そして輸送やホ ルモンの代謝排出を変えることができる。こちらは一種の相互作用であって、他の作用 機序は忘れられてこれがよくでてくるわけですが、ホルモン、レセプターの認識、結合 、他にもいろいろな科学的な問題を醸し出すような論議もでております。  まず受容体結合といった場合には、かなりのEDCがなければ似たような受容体結合能 は見られないという訳になるわけです。例えばエストロジェン結合といった場合、千倍 あるいは一万倍の濃度でなければ、天然のED50という50%の結合能が示せないというこ とになります。それからこの作用が起こるためにどれだけの受容体分子が無ければなら ないかのという問題もあります。  単調なin vitroでのスクリーニングを、例えば、結合試験、に加えてこのスクリーニ ングで充分なのかどうか、in vitroのスクリーニングはこれをさらに越えるようなもの で無くてはならないということと、それから考えうるものがほかにもあることが先程 Koeter先生のほうからも示唆されました。  もう一つ重要な点、ホメオシタシスのメカニズムがあって、生理学的なホルモン濃度 の調整に関わってくるということで、原則としては生体はある程度の変動に対処できる 訳です、ホルモンの増減である程度は対処できます。ですからどれだけの量があればこ のようなホメオスタシスが壊れるのかということと、さらにフィードバックの機構があ ります。ですから特定ホルモンが過剰にありますとフィードバックループが働いて、例 えばホルモンの阻害抑制によってホルモンの放出が抑制されるということで、どれだけ のEDCがあればこの作用が解消されるか、あるいは阻止されるか、阻害されるか、とい うような問題です。ですから、リスク評価に関する全般的な課題としてはいくつかあり ますが、まず内分泌かく乱というのは申し上げましたようにそれ自体がオーバーアーチ しているメカニズムであって、人体に悪影響を及ぼすのか、それ自体がエンドポイント ではありません。それから新しいリスク評価は不要です。あるものは充分であります が、新しいアプローチを編み出して、特定のはっきりしない事を明らかにする、例えば その適応性があるような反応、フィードバックの機構、確かに因果関係があるかどうか を確立しなければなりません。内分泌系に対する初期作用が最終的にどのような作用を 及ぼすのか明らかにしなければなりません。  用量反応ですが、果たして低用量で影響は出るのかどうか、そして用量反応曲線はど うなるのか、U字型になってるのか、低用量で作用は出るのか、そして高用量ではさら に毒性が高いのか、あるいは、二つのモードによる用量反応があるのかどうか、特定の プロセス、低用量で活性化されるのか、例えば横ばいになってそのあと毒性が変化する のか、もしそうだとすれば対象としているエンドポイントは低用量でも高用量であって も同じなのかどうか。  暴露問題ですが、ここではまず暴露データはかなりの疑いのもたれるEDCに関する データというものが揃っておりません。同時に多くの化学物質にさらされているわけ で、これはEDCであるかもしれないという疑いがもたれているわけですがいろいろな レベルでどういう相互作用があるのか、また、レセプターに達するのか、また達したあ とどうなるのか、それから濃度が発生源とどういう関わりがあるのか、それから生体持 続性という問題も重要です。というのは、暴露されてから作用が出るまでかなりの遅延 があるかもしれないということでこのリスクも考慮すべきです。それから暴露の重要な ウインドウ、特にこれは発生作用ということで見ているのでもしかしたら非常に短期間 のうちに特定の暴露を受けて作用が出るということもありますし、解析的な手法があま りいいものが出ていないというのが問題です。これに関しては詳細は避けますが、今ま でお話してきたことを纏めてみましょう。どのような研究がなされ、そしてどのような ことが懸念としてあるのかということですが、まず、私どもはこうしたメカニズムの解 明、それから用量―反応のデータを見る、またこの他にも検疫学的なデータをみること によって一人の研究域はどのようなものがあるのか、そして暴露とどういう関係がある のか、内分泌かく乱化学物質とどういう関係があるのか、またこのほかにもヒトの健康 に関する傾向も見ていきます。  つまり、ホルモンレベルの変化を、ヒトの中でみていき、また、そのホルモンレベル の変動をみます。また、暴露のモデルを使いますし、それから予想モデルも使います し、また様々なテスト戦略を用いてきます。しかしこの健康の傾向とそれに関する ベースラインのデータですが、これは実験動物のデータが必要なんですが今のところ 揃ってはおりません。つまり、実験動物とヒトとの間でのホルモンの作用に、どうい った違いがあるのかということも分かっていません。このように様々な実験の結果のレ ポートがありますが、私共としましてはステアリンググループを設立致しました。 最初の会合が今年の三月にアメリカで開かれたんですが、あそこではOECDとの間での共 同のミーティングという形をとりました。ステアリンググループを設置することに よって、サイエンス・アセスメントレポート、こちらのフォローアップということで、 様々な研究に関するデータベースの整理も行いました。そして内分泌かく乱化学物質、 様々な研究活動が行われているのですが、こちらがそのサマリーです。そうした サマリーも出していますし、また様々なコミュニケーションツールも出しています、 そしてさらに研究に対してお金も出していますし、また各国の企業のギャップを埋める 努力もしています。  様々な研究のギャップ、あるいはデータのギャップがあるようであればそこの整合性 もとりますし、また国際的な研究のニーズもすくい上げていきます。このようにデータ ベース、アメリカのEPAのデータベースがありまして、これはかなり高度なステージに ありますので、こうしたアメリカのデータベースの上にさらに国際的なデータベースを 構築していきます。ヨーロッパの方でもECがこちらの作業に加わっていますし、また ジョイントリサーチセンターがイタリアに設立されています。世界的なデータベースを 構築することによって、EC、それからアメリカ、カナダ、日本からのデータを世界で共 有できるようにしていきます。そして最終的にはもっとほかの国からのデータも 盛り込んでいきます。  まず、とりあえずはアメリカの方でデータベースを運営してもらいますがそのあと 我々が引継ます。そしてサイエンスリポートの作業も、もう始まっています。井上先生 がステアリング・コミッティのメンバーになっていらっしゃいます。そしてこの中では チャプター・コーディネーターというのを任命しまして、ヒトへの健康への影響ですと か、暴露ですとか、環境への影響という章に分かれています。それぞれの章においてそ れぞれの専門家に文章を書いて戴きましてそれぞれのチャプターを纏めて、そしてさら に各国に配布して、利害関係者の意見を聞いていきます。二年以内にこうしたファイナ ルドラフトという形でこのサイエンスリポートを纏めていきたいと考えていますので詳 細がはっきりし次第皆さんにもお知らせしたいと思います。ありがとうございました。 (座長)  ありがとうごさいました。それでは次に米国の環境保護庁のDr.Timmに米国の取り組 みをご紹介戴きたいと思います。 (Dr.Timm氏講演の日本語訳)  ご紹介ありがとうございます。このようにお話できることを嬉しく思います。Koeter さんも御礼をおっしゃいましたけれど、日本では増して様々なおもてなしを受けており ます。非常に嬉しく思います。私にとっては日本に来るのは初めてです。昨日の夜、 私、日本のテレビのインタビューを受けて、こういった質問を受けました。つまり、 なぜ、OECDの先をいこうとしているのか、という事だったのですが、私の答えはOECDの 他の加盟国とは違ってアメリカはマンデートがあるのです。つまり、議会がイギリスに 関してはこうした可決を行う必要があって、それには期限があるということでした。 つまりマンデートというのはfood quality protection act、96年に確立されたもので すが、食料品質保護法とそれから飲料水安全法というものでした。EPAにおきまして は、まず農薬をスクリーニングにかけてEDCの可能性、それからヒトへの健康の影響を 見ており、98年8月に完了します。そして99年の8月までに、さらに完成させてレポー トを2000年に発表します。またこのほかにも飲料水の汚染物質のスクリーニングもあり ますし、EDCの影響を見るものもあります。そして化学物質の中には農薬様の作用を示 すものもありますし、さらに様々な化学物質を環境への影響や、ヒトへの健康被害と いった観点でスクリーニングを懸けています。EPAではすべての専門知識が我々自身に あるわけではありません。ので、学者の助けを借りることも必要です。あるいは業界の 代表、あるいは環境団体、私どもに目を光らせていると思いますので、彼らの援助も仰 いでいます。それによって、advisory committeeを作りました。 ここでは7つの連邦レベルのエージェンシー、それから3つの州レベルのエージェン シー、それから7つの業界団体、それから環境保護団体ですとか様々な団体12個ぐら いでしょうか、そしてさらに学者の団体も参加してもらいました。37の団体がこの コミッティのもとに集合したのです。そしてこれを4つの作業グループに分けました。 まず一つが概念的なフレームワークを設定するもの、つまり何をどのようにしてスク リーニングを懸けていくのか、次がプライオリティの設定、それからスクリーニングの テストの設定、それからコミュニケーションのグループ、という4つのサブグループに 分けました。EPAはまず戦略を選んで戦略を確立して、化学物質の優先順位を決め、そ してそれを選別して、新たなテストやスクリーニングの手法を見ていきます。 どんどん新しいスクリーニングの手法が出てきますので、ここでは科学の最新の手法を 取り入れることが必要だと考えたからです。そして既存のスクリーニング手法、それか らこれまでのアプリケーションというのも用いていきますし、いつどのようにしてスク リーニングをかけていくのかということも考えていきます。また、EDSTACのアクティ ヴィティですとか、あるいは最終的な報告書はWebサイトでも皆さんもご覧頂けます。 EDSTACはファイナルレポートを今月EPAに出します。そしてEPAはこのレポートを来月ま でに発表します。そこにはEPAのレコメンデーションもついていきます。それでEPAのサ イエンス・アンド・アドヴァイス・コミッティ、こちらが年末までにレビューを行いま して、99年の8月までには最終的には勧告という形で発表します。  EDSTACのミーティングにおいては、まずマンデートをみていくのですが、あるいは農 薬ですとか、エストロジェン様の影響、ヒトへの影響に関するものをみていくのです が、しかしこれだけではありません。エストロジェンですとかアンタゴニストだけでは なくて、アンドロジェンも含めなければならないということです。つまり、抗アンドロ ジェン様の副作用というのもあるからです。それから甲状腺のホルモンも含めることが 必要でしょう。ヒトの成長や発達には甲状腺ホルモンが大きな役割を果たしていますか ら。また、様々な症候や生物でも問われていますので、生態系への影響を、ヒトの健康 への影響とともに調べております。また、農薬だけにとどまりません。 884の登録された化学物質がアメリカにありますし、そして2万5千もの不活性の化学物 質があります。ですから、この中には既存の化学物質、それから産業の化学物質、この 中にはPCBですとか、その他のものもありますが、これらが内分泌かく乱の問題に貢献 すると考えられる、あるいは消費者の製品に含まれているものもありますし、また環境 の汚染物質もあります。そうして次がこうした様々な製品からの暴露と、環境の汚染物 質からの暴露という様々な化合物があります。しかしこれまでEPAがコントロールして いた化学物質に対象はどどまりません。アメリカのFDAがあるのですが、これらの様々 な化合物、新しいものを取りあげています。あるいは職場での健康や安全というものも ありますし、消費者の食品の安全性を見る所もありますね、この団体も化学物質の規制 を行っています。  まず、このグループが化学物質の選別や、それから優先順位の概念的枠組みを作ると いいました。ですから、ここでは最も関係のあるものに優先順位を絞るということ です。Koeter先生もいいましたが、化学物質によってはデータベースが沢山あるものも あまり無いものもあります。問題を解決していくためには、つまり、データのない化学 物質に関して問題を解決していくにはハイスループットのスクリーニングの技術が必要 です。こちらは製薬業界が開発したものなのですが、医薬品の分子の発見ですとか、こ の手法を用いています。つまり数千数万もの分子をふるいにかけて開発の可能性を探っ ています。化学物質の中には活性があまり無いものもあるのですが、しかし一つのメカ ニズムとして、Younesさんがおっしゃいましたけれども5つか6つのモダリティがある といいました。ですから、EDCに関しては何もないよりも何か一つでもある方がいいと いうことです。そして、スクリーニングに関しましては、暴露ですとか、利用です とか、毒性をみていきます。   そうしたものをふるいにかけることによって、最も優先順位の高い化学物質をスク リーニングにかけていきます。それによって、さらにテストが必要な化学物質を割り出 していきます。つまり、潜在的に内分泌かく乱作用があると思われるものです。そして テストの第二相としましては有害実証を同定する、そして用量―反応曲線を用いて有害 評価を行っていきます。  こちらがスクリーニングの手法ですが、EDSTACが推奨するものです。この手法には in vitroのスクリーニングと in vivoのスクリーニングがあります。すべてのエキス パートのグループは、どのようにしてこの問題にアプローチしたらいいのかを考えて、 結論はin vitro とin vivoと両方必要だということになりました。これらのアッセイが ハイスループットのスクリーニングにかけることです。一つあれば前に戻って、あるい はこうしたin vitroを行なう前に、ハイスループットのスクリーニングをかけます。 まず、そうしたハイスループットのスクリーニングをかけることで優先順位を得て、 優先順位の高いものだけをin vitroスクリーニングにかけます。in vitroではどんな化 学物質が酵素に作用してホルモンをかく乱するのかをみていきます。そして次はin vivoでのスクリーニングですが、こちらはエストロジェン作用、あるいは抗エストロ ジェン作用をみていく。さらにエストロジェン作用だけではなく、甲状腺ホルモンにつ いても取りあげています。甲状腺ですとか、それから魚類ですとか、それからカエルの 変態もみていきます。そして、ヒトでもどのような代謝が行われるのかを検討していま す。EPAは現在、レポータージーンのアッセイをエストロジェン、アンドロジェン、 それから甲状腺も加えておりますが、このバリデーションを行っております。 本当の意味においてレセプターが甲状腺系に関する毒性の経路になっているというもの は示されておりませんが、ここに追加しております。大体75から100の物質が対象とな ります。既存の陽性、既存の陰性、そして様々な物理化学特性、これをみてアッセイの 有用性を検証します。資金としてはおよそ7万米ドルです。そして10月にはこれが有用 かどうか、殺虫剤、そして商業用化学物質では有用かどうかが明らかになります。有用 だということであれば、15,000の物質に当てはめます。これらの化合物は、殺虫剤やそ して飲料水、また化学品、それから混合物その他となっております。ここではEPAの資 金を使って委託するということ、それからパートナーシップ基金も積み立てていき ます。特にハイスループットスクリーニングのための化学物質ということになります と、この化学物質のメーカーに化学物質を提供して戴きたいというふうに考えておりま して、EPAがお金を出す、けれども化学物質のメーカーの方が現物を差し出す、という のがベストではないかと考えています。最後にT1スクリーニングで化学物質が陽性判定 となった場合、テスティングにかけます。で、この構成ですが、様々な分類をすること が出来ます。ほ乳動物、二世代試験、これが試金石となってすすめられます。また、鳥 類における生殖、そして魚類のもの、それから無セキツイ動物、両生類の生殖、それか ら発生をみます。OECDガイドラインは修正されまして、さらに内分泌にセンシティブな エンドポイントが加えられます。既存のテストに積み立てたものですが、さらなる修正 が必要であり、また、標準化、そしてヴァリテーションも必要ということになります。 こちらは全く新しいものであって、さらなるガイドラインを編み出して、そして標準 化、検証していかなければなりません。かなりの作業があります。これのパートナー シップも呼びかけられています。OECDを介して作業を進め、国際的な参加を訴えて標準 化、検証、そしてスクリーニング、テスティングを進めていきたいと考えています。 標準化、検証化、ということになりますと、全てのアッセイと、それからテストが対象 となります。ありがとうございました。 (座長)  それでは三人の方々のご説明が終わりましたので、何かご質問がございましたら どうぞ。 (鈴木(勝)委員)  EPAのDr.Timmさんに伺いたいのですが、Oue Stolen Futureで64種類、あるいは日本 の環境庁で約70種類くらい、EDCに関して疑いのあるものというか、ケミカルを発表し ているわけです。今のお話をうかがいますとプライオリティセッティングをした上で TI2テスティングまで行って、その上で確定したものを発表するというように聞こえる んですが、事前にそうしたサスペクティヴなというものを発表されるという計画はお持 ちなんでしょうか。 (Dr.Timm)  まあ、発表というのは優先設定をした後ということになります。この優先設定であり ますが、一年後に行うだろうということになります。ハイスループットスクリーニング の情報を得て、で、先程スライドでKoeter先生がお示しになったものをみていくわけで す。データセットがあるようなものとなりますと、危害評価を行います。そして非常に ホルモンかく乱作用があると疑いがあるものですと、これはテストにかけます。さらに 疑いがあるけれどもスクリーニングの優先が高いものはスクリーニングにかけます。 (座長)  他にごさいませんか?時間が少し遅れておりますのでこれで三人の方々のプレゼン テーションは終わりますが、これから国際機関および諸外国の取り組み、という今日お 話戴いたものは非常に我々にとって参考になることだと考えております。この膨大な、 しかもいろいろな問題を抱えたEndocrine Disrupting Chemicalsについては、国際的な 協力が絶対に必要ですし、もう一つ大事なことは、我が国としては、諸外国のデータを 戴くということではなくて、わが国も積極的に取り組み、新しいデータを提供して いく、ということをしないといつまでたっても日本はライダーだといわれると思い ます。これからもいろいろな、サジェッションなり、インフォメーションなりを我々に 戴きたい。我々も得られたデータは積極的に提供していきたいと考えています。 本日はどうもありがとうございました。  三人の方々のご説明をこれで終わりまして、次に平成10年度の補正予算案につきま して事務局からご説明戴きたいと思います。 (黒川課長)  本日配布致しました資料の4、内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する調査研究に 関する案、平成10年度補正予算案と、ございますものをご用意戴きたいと思います。 ただいまOECD、WHOならびに米国EPAの各先生方のお話にもございましたように、本内分 泌かく乱化学物質と特にヒトの健康影響に関する問題については、その程度、有無等に ついてまだ未解明である、ということから科学的な調査研究の推進が求められていると ころでございます。従いまして5月の本検討会におきましても、私ども厚生省と致しま して、平成10年度の補正予算案におきまして10億円の研究費を要求していたことはご 報告申し上げたところでございます。この補正予算案が先の国会で成立を致しまして、 緊急に、行政的に対応するというような補正予算案の性格にも鑑みまして、事務局にお きましてその調査研究課題を整理致しました。それが資料4に纏められておりまして、 本検討会の委員の先生方のご意見をお伺いしたく存じております。  位置づけにつきまして改めて申し上げます。まず、内分泌かく乱化学物質の健康影響 につきましては、10年度の本予算、補正ではなくて、昨年予算要求を纏めまして、 今年の始めの国会でご了承戴いたものですけども、本予算におきましても、精子数の問 題、それからこの化学物質類の作用メカニズムの問題、新たな試験法の開発等について 調査研究する方針がだされております。このような調査研究につきましては、公募をし まして、現在その評価が行われているところでございます。  一方、今回お計り申し上げております補正予算、それにかかかる調査研究は、本年度 限りのものでございまして、調査研究課題と致しましては、食品中の含有量、食器から の溶出、OECDプロジェクトへの参加、こういったものを対象と考えております。 また緊急の行政上の必要性に基づき調査研究を行うものであることから、本予算と異な りまして、公募等の手続きによらず、研究課題、主任研究者を厚生省から指定して実施 するという、いわゆる指定研究の性格を伴うものでございます。  この事務局における検討でございますけれども、とりまとめにあたりましては厚生省 におきまして本検討会の事務局も務めている食品化学課、および生活化学安全対策室が 中心となりまして、生活衛生局企画課、食品保健課、乳肉衛生課、水道整備課、および 児童家庭局母子保健課等、協議致しまして、また井上達委員や生殖試験の専門家でござ います国立医薬品食品衛生研究所の川島部長など専門家のご意見も伺いながら取りまと めたものでございます。縦長にいくつかのカラムがございますが、全体としてみます と、まず食品などからの暴露ということで三本の柱が立てられておりまして、胎児なら びに乳児を含むヒトの暴露状況の調査、それから二つ目ですが、フタル酸エステル、 ビスフェノールAなどの食品中の含有量、それから食品缶詰などからの溶出調査、それ から三本目でございますが、水道水中の含有量ですとか、水道管からの溶出の調査、 こういったものからなっております。それから、一枚めくって戴きまして、繁殖影響、 体内動態等に関します調査研究ですが、一つ目として、28日間反復投与試験の試験方法 や子宮重量等を指標と致します試験に関します、先程もKoeterさんからお話があったと 思いますが、OECDのヴァリデーションスタディへの参加のための試験を行います。それ からわが国で懸念が指摘されておりますビスフェノールAなど4物質について、ラット を用いた二世代繁殖試験や体内動態を調べるための試験、こういったものの二つから なっております。  またさらに、いまだ内分泌かく乱作用について調査研究が行われていない多数の化学 物質への対応を考慮して、超高速の分析法を、検討法を開発するため、HTPS、ハイ スループット・プレスクリーニングと呼ばれておりますロボットを用いたシステムを開 発するための調査研究や、レセプターや化学物質の三次元構造を念頭に置いた構造活性 相関に関する調査研究を行いたいと考えております。次に各それぞれのプロジェクトに つきまして、その特色を、やや詳細に申し上げたいと思います。一枚目に戻って戴きた いと思いますが。胎児や乳児を含めましたヒトの暴露調査については、ガスクロマトグ ラフ質量分析器の組み合わせや、高速液体クロマトグラフ質量分析器の組み合わせなど を用いました、農薬などの高感度分析をやっておられます、分析化学のご専門の中澤先 生を主任研究者と致しまして、被験者のインフォームドコンセントを戴きました上で集 められますお臍の血、臍帯血でございます。それから母乳中の含有量、子宮内膜患者の 腹水中の含有量、それからヒトの肝臓、脂肪、血液など分布などを調査することにして おります。  次に二番目の食品中の含有量でございますけれども、やはり食品衛生を長く担当さ れ、フタル酸エステル類の調査など過去に大変ご業績がございます斎藤先生を主任研究 者と致しましてこれらの化合物のほか、牛の飼育用のホルモン、スチレン類、植物エス トロジェン等、物質ごとに、食品・食器・缶詰などにおける含有量を調査しようとして いるものです。  それから、水道水中の含有量や水道管からの溶出でございますけれども、水道の安全 確保に中心的な役割を担っておられます国包先生を中心とする市民研究者にお願い致し まして、源水、それから浄水過程、水道水とその過程ごとにその存在量を調査し、 また水道管やその塗料、こういったものからの溶出を検討しようとするものでござい ます。  一枚めくって戴きまして、繁殖影響、体内動態でございますが、OECDのテストガイド ライン国際共同ヴァリデーションプロジェクトに参加するため、動物を用います毒性試 験がご専門の広瀬先生を主任研究者として試験を実施したいと考えております。対象と なる試験でございますが、既にガイドラインが設定されている、28日反復投与試験の ガイドライン改正のために必要なヴァリデーション、それからエストロジェン作用を検 査するための子宮重量などを指標とした生体内試験のテストガイドライン、これは新設 になりますけども、こういったものの二つでございます。各国の協議によりまして、試 験方法、対象とします物質等の具体的な計画が今年の夏にも取りまとめられ、統一の試 験計画で、日・米・欧で試験が行われる予定となっております。またさらに二世代繁殖 試験についても同様に、OECDプロジェクトで検討がされているところでございますが、 こちらにつきましては具体的なスケジュールが明確でないため、その動向をみながら対 応をしたいということで、当面一部研究費を保留したいと思っております。  ビスフェノールAなどの繁殖影響、体内動態につきましては、化学物質の低用量にお けるその発癌性等の影響をご専門とされております福島先生に主任研究者をお願いして 実施したいと考えております。例えば、ビスフェノールA、それから試験管内では弱い エストロジェン作用があり、甲状腺への作用も報告されている植物に含まれるゲニスタ イン等、四物質を対象にこれらの動物を投与しながら孫までの影響をみる二世代繁殖試 験や、胎児、乳児への移行など、体内動態を試験したいと思っております。超高速分析 等ございますが時間の関係もございまして省略させて戴きます。 ありがとうございました。 (座長)  ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問などございましたらどうぞ。 はいどうぞ。 (寺尾委員)  2の国際共同ヴァリデーションプロジェクトというものなのですが、これは使う化学 物質といのは各国共通といいますか、同じロットのもの使うということなのでしょう か、それとも各国に任されているのでしょうか。 (黒川課長)  詳細につきましては詰めてまいりたいと思っております。予算が通ってからまだひと 月経っていない状況でございまして、今回は大きい方針ということで、詳細はOECDや研 究者の方々と相談しまして調査内容を検討してきて参りたいと思います。 (寺尾委員)  各国共通、同一ロットの化合物を使うということであれば問題はないと思うのです が、各国バラバラで化合物の選択といいますか、同じ化合物といえどもロットについて は任せられておりますと、品質というのはかなり問題になると思うのです。ですからも し日本は日本で調達した物質を使うのだとすると、試験をやる前に、分析のデータを、 きちんととっておかないと後で値が各国でバラバラになったときにどういうふうに解釈 したらよいか分からなくなる可能性があるのでそこだけご注意戴ければ、抜かりないと 思います。 (Dr.Koeter)  今、あなたがおっしゃっていたことは重要な点を含んでいました。国際的にヴァリ デーションをやるのですが、そのときには同じ化学物質を使うということが重要です ね、もちろん各国におきましてはどの化学物質を取りあげるかという好みには違いはあ るわけで、Dr.Timmがおっしゃいましたがアメリカにおきましては10種類の、あるいは 10種類以上の化学物質を考えておりますし、EUにおきましては幾つの化学物質を選ぶ べきかという提言が出されていますので、エストロジェンのレセプター、アンドロ ジェンのレセプター、それから甲状腺のレセプター、それから、というものを含めて化 学物質を選んでいきますが、そうはいいましても国際作業でどれを選ぶかを見ていかな くてはなりません。8月の最初にアメリカでミーティングが開かれるのですが、国際的 なエキスパートが、検証のエキスパートが参加しますと、日本からも検証のエキスパー トが参加しますのでここのミーティングで恐らくコンセンサスが得られればいいと思う のですが、どの化学物質を選ぶのかということに関して、それに関して今のところ様々 な作業が行われて全てのバリデーションのスタディが同じ化学物質を用いてやれるよう に作業が進行中です。 (座長)  特にないようでございましたら。はい、どうぞ。 (藤原委員)  質問というか、意見も交えてなのですが、この1ページの、研究調査の、いずれも結 構だと思うのですが、最近言われておりますことは女性の高齢出産が増えている、とい うことでありまして、それに伴いまして高齢で初めて子供を持つという人の胎児への影 響ならびに母乳を通しての影響が、若い母親よりははるかに影響が大きいということが 女性の間で言われておりまして、この調査の中では当然被験者の年齢等はキャッチされ たのだと思いますが、とりわけ日本における出産傾向に照らしての視点をひとつ入れて いただけたらありがたいと思います。それからもう一つの水道水からの暴露に関する調 査研究で、水源付近の物質等に関する、という部分についてでございますけれども、日 本における水田というのが、過去の農薬等の使用によって非常に大量の、いろいろな化 学物質を滞留しているということを私は聞いておりまして、それらが長い時間をかけて 徐々に水源に水として流れてくるということがあるのですが、農業関係のご専門の方は お出でにならないようでございますけれども、そういった視点からの日本における特殊 性というものも加味した水道検査、水道水の調査というものもやっていただけたらあり がたいと思います。以上二点、お願いというか意見をあわせて申し上げました。 (黒川課長)  充分ご意見を踏まえまして、研究者のほうにお伝え致しまして対応を考えたいと思い ます。ありがとうございます。 (座長)  はいどうぞ。 (和田委員)  今お話がありました、調査研究そのものではありませんが、非常に今財政状況厳しい 中で、これだけの予算ということで、前回、第2回に配布されました資料でもトータル 10億と、5億ですか、15億円という数字が出ておりました。申し上げるまでもございま せんが、一番効率的に、使って戴きたいということと、それと環境庁、通産省、 農水省、いろいろな所で相当な予算がついてるように伺っておりますが、一番、それぞ れが専門とするところをするというのは当然ですけれども、横の連絡を充分にとって戴 いて、ということをお願いしておきたいと思います。これは行政のメンバーだけが横の 連絡ということでなくて、それぞれいろいろな検討会委員会がもうけられておりますよ うですので、その辺の所の今後の横の連絡といいますか、全体を見通すような立場とい うのが必要ではないかなということを考えておりますので、その点もお願いしておきた いと思います、以上でございます。 (黒川課長)  コメントですが、あの、内分泌かく乱物質につきましては、研究をしていくために、 各省の課長クラスの人達がどうやってやっていこうかということで検討会をつくること になっております。 (井上委員)  今のご質問と関連しまして、グローバル・インベントリーに関するコメントを申し上 げます。(Dr.Younesからも是非つけ加えて戴きたいと思うのですけれども、)国際的 に非常に大規模にあちこちで研究が進んでいるわけです。それが、バッティングしたり して無駄なお金を使わないようにとか、それから科学性のない無駄な研究が行われるこ とがないように、とか、そういったことがWHOを中心にすすめられています。、 Dr.Younesの事務所に事務局を、ならびに、インターネットの本部は確かヨーロッパに おくことになりました、確かイタリアのイスプラにセンターを置くことになりました。 これによりインターネットで世界中の人が全部アクセスできるようになって、どういう 研究がどこで進められるか、をわかるようにするということが、Dr.Younesの指導で 今、準備されております。ただ、これは検査と研究とわけておりまして、検査について は必ずしもその対象にはしておりません。(それで確かDr.Younesに確認してもらいた いと思いますけれども、)内分泌かく乱関連の研究に関しては一応そういう方法で情報 を集めることになってるので、例えば今本省の方から御発表のあった資料なども、例え ば研究的なものはいずれそういう所にインターネットに情報がアクセスされてリポート される、という方向になるんではないかというふうに私は観測しております。 (Dr.Younes)  そうです、井上先生が今仰ったとおりです。このようにして我々は進もうとしていま す。我々がやろうとしていることは、データベースの中に科学的な研究を含めるという ことです。しかし、新しいテストスクリーニングの手法が開発されたら、そして、それ が科学的根拠に基づいたものであればこのような手法の開発の研究もこのデータベース の中には含めます。  国家レベルを超えて、そして国際レベルで重なりを長期的には排除していかなければ なりません。しかし、それと同時にフィルターのメカニズムを最初に設けることも必要 でしょう。ですから、研究のサブジェクトやプロジェクトはデータベースにはいる前に 内容を見て、科学の発展に貢献するものかどうかを見ていかなければなりません。 ですから、ステアリンググループの科学者はここで事前に見て、載せるのがいいのかど うかをあらかじめ判断するということです。そしてその次にアクセス性というのも確立 しなければいけないんですが、もしここでスクリーニングをかけてこれが貢献するもの と判断されれば、この研究をインターネットに載せます。ですから、アウトプットは オープンなんですが、どれをインターネットに載せるかはあらかじめスクリーニングを かけて価値のあるものだけに留めます。 (座長)  では、次の議題ですけれども、ポリスチレンについてディスカッション戴きたいと思 いますのでまず事務局からご説明下さい。 (黒川課長)  本日お配り申し上げました資料5、それから、資料5以下5の1、5の2、5の3、 5の4をご覧戴きたいと思います。まず始めにでございますが、ポリスチレン性の食器 などについての安全性につきましては、去る3月13日に開催されました毒性並びに 器具・容器包装合同部会におきまして議論されたところでございます。 その後幾つかのデータを入手致しましたのでご評価をお願いしたいと考えております。  まず資料5でございますが、一枚めくって戴きまして別紙をご覧戴きたいと思いま す。これが、食品衛生調査会に御提出申し上げたものでございます。スチレン、モノ マー、ダイマー、トリマーなどの内分泌かく乱作用については、この別紙の2ページの 2の安全性に関する資料に纏めてございますけれども、総括的に申し上げますと、 まず、モノマーについてはエストロジェン結合能はないと報告されております。しかし その一方で、高濃度のスチレンモノマーの暴露を受けた女性工場労働者の血清中プロラ クチン濃度が高かった例が報告されており、また、ダイマー、ポリマーにつきましては 体重1キログラムあたり1グラム、こういった高用量においてエストロジェン作用が報 告されております。  他方、別紙の3ページに、この末尾から暴露に関する資料が纏められていますが、 熱湯を使った実験におけるスチレンモノマーの、ごく微量の溶出、それからノルマルヘ プタンを溶媒に使った実験におけるダイマー、トリマーのやはりごく微量の溶出が報告 されております。以上申し上げました内容につきましては、この3月13日に開催されま した合同部会においてご議論を戴き、このデータからみますと、これらを評価した 上で、例えば使用禁止や基準改正などの措置をとる必要はない旨、同調査会のご意見を 戴いたところでございます。  この資料の一番前に戻って戴きたいのですが、今回入手致しました新しいデータは、 まず最初がスチレンダイマー、トリマーのエストロジェン性を、試験管内、 以下in vitroと申し上げますが、それと、生体内、以下 in vivoと申し上げますけれど も、この二つの方向で調べたものでございます。報告ではエストロジェン性はみられて いないという内容でございます。  次が国立医薬品食品衛生研究所の河村室長他、の実験結果でございますけれども、 カップラーメンなどに熱湯を注いでそのスープ、麺に含まれるダイマー、トリマーを調 べたもので60ppb程度のトリマーが検出されたという報告でございます。最後がカップ ラーメン容器に95度の植物油を入れた実験結果ですが、それぞれ最高でモノマーが 100ppb、ダイマーが100ppb、トリマーが1.6ppm検出されております。なお、資料5の4 という形で、つけております日本スチレン工業会のものについては、まだレポートの形 で報告がなされておりませんので、説明を省略させて戴きます。  なお、事務局と致しましては、今回、纏め、ならびに資料5の1以下、添付致しまし た資料等からのデータの申し述べるところ、一番最初にご説明申し上げました、先に、 食品衛生調査会にお諮りした資料が述べるところと、本質的な相違があるとはいうよう には考えにくい、と。また、後で先生からコメント戴ければと思いますが、井上先生の 実験におきましても、まだ中間的な段階ですが、ダイマー、トリマーのエストロジェン 作用はどうもみられていない、というようなお話も戴いております。今直ちにこれらの データをもって、ヒトの健康影響について問題となるようなものではないと、そう考え ておりますが、先生方のご意見を賜りたいと考えております。ありがとうございます。 (座長)  ありがとうございました。ただ今のご説明につきまして、質問、コメント、ありまし たらどうぞ。井上先生何かないですか。 (井上委員)  今ご指摘がありましたように、私どもではこの問題が持ち上がったことに伴って、 この実験を開始したわけではございませんけども、以前から計画を持って進めておりま したところ、溶出された検体を若干分けて戴いたんでその計画の中に取り入れたんです けれども、伺ったところによりますと、1キログラムの有機剤(この化合物)から約10 ミリグラムオーダーの、比較的少量ものがダイマー、トリマーの形で得られる。しかし ながらそれぞれは比較的クルードなもので、さらに精製しようとすると、イールドと申 しますか、採れる量がさらに減ってくるというようなことで、この程度の状態のところ で取りあえずプレリミナリーな実験をやっております。プレリミナリーでもありますの で、まだ発表段階にはございません。ただ、そこで現在出てる結果は、ポジティヴコン トロールとヴイクルコントロールをおいて、そのヴイクルコントロールよりも実際には 低いような値(ドーズをふっておりますけれども)細胞毒性量の直前までとって、10の マイナス5乗までのオーダーで、コントロールの100%まで達しない程度の(MCF-7の増 殖、細胞増殖アッセイというのがございますが)値しか観測しておりません。  データの深読みになるといけませんので、余計なことは言わないでくれと、言うふう にスタッフからはいわれてますけれども、むしろ足を引っ張るような、そういう(競合 性の)傾向もあります。このこと自体は、今日配られている資料の中からも実は窺いと ることができまして、スチレンは、ダイマー、トリマーの影響は、直接こうした性ホル モン系のリセプターを介するものではないことが、多分にいろいろな面から示唆されて おりますので、このこと自体は(勿論私どもの実験はリピートしなければならないと 思っておりますけれども)こういうことでよろしいのではないかと思っております。 なぜコルボーンさんが、これを、いわゆるEndocrine Disrupting Chemicalsの中に入れ たのかについてはいろいろないきさつがあるようですので、そのことも私どもあまり矛 盾を感じておりません。 (座長)  ありがとうございました。だいぶ時間も迫ってまいりましたのですが、その他何かご 質問ございませんですか?何かありますか? (黒川課長)  本日お手元に内分泌かく乱化学物質の呼称について、という一枚のメモ書きが配布さ れているかと思いますが、ご議論を戴いております内分泌かく乱化学物質の呼び方につ きまして、様々な別名といいますか、言われ方がしております、もう少し整理すべきで はないかというご意見が事務局にも寄せられ、また、一昨日、一昨日開催されました日 本食品化学学会のシンポジウムでも同様なお話があった次第がございます。そういった ことを背景に、主な論点というところで気づきましたところ纏めてみた訳でございます が、この呼称につきまして本検討会で、どのように考えるかをご議論戴ければと思って おります。 (座長)  この問題は昨日、一昨日の会議でも、シンポジウムでも随分ディスカッションござい ましたけれども、これについての、なにかご意見ございましたらどうぞ。 (高杉委員)  学術的には内分泌かく乱物質というべきだと思います。論文とか学会発表ではそのよ うに呼称しなければいけないだろうと思いますが、いわゆる一般的に皆さんがわかりや すいという言葉からいくと、環境ホルモンというのは悪くないんじゃないかと思い ます。それに、Environmental Estrogenという言葉も使われておりまして、これはまさ に環境エストロジェン、環境ホルモンでございます。  それからこの環境ホルモンというのはどことなく、フェロモンに似たところがありま す。この場合は人工フェロモンといえないこともない。フェロモンは匂いだけじゃ なく、例えば体内に入りますと、ミツバチなんかですと女王バチの出す物質を、雌がと りこみますと、内分泌系を通じて生殖腺を退化させる、ということもありまして、 そのフェロモンのことを、体外ホルモンとか社会ホルモンとかいう言葉でこれはテキス トブックに既に書いてあるわけです。ですからホルモンという使い方は、そのように非 常に厳密に、その内因性だけに限るのではない、様であります。特に一般的にマスコミ を通じて社会的にほとんど定着しかかっておりますので、わが国において一般的に、 いわゆる、環境ホルモンという名称を使っても決しておかしくないだろうと私は思い ます。 (座長)  これについては随分批判的なご意見、今、高杉先生が仰ったようにはとらえてない方 も随分いらっしゃるんですが、なにか、これについてのご意見ございませんか。 阿部先生、どうぞ。 (阿部委員)  少なくても医学を専攻される、もしくは理学もそうですけれども、ホルモンという名 前は、生体が自分の体内でつくる非常に重要な物質だという定義をもっていると思うの です。ですから環境ホルモンというのは使い方からして、私、正しくないんじゃないか と思っていました。しかしネーミングがいいのでだんだん拡がっているのですね、 むしろ思わしくない結果になってくるんじゃないか、と。例えば、環境ホルモンと呼ん で、Endocrine Disrupter と訳すとちょっとおかしいという気が致します。一応、先 程黒川さんが言ってらしたように、内分泌かく乱物質というような呼び方を厚生省はし ていきたいと。ただし、昨日のNHKは、環境ホルモン学会、と言っているのですね。 ですから環境ホルモンという言葉は非常にアクセントの強い言葉であって、非常にイン パクトが強い、ということで注意して使うことが必要と思います。それからもう一つ、 Environmental Estrogenという、estrogenは、女性ホルモンという総称であって、私は これは「女性」がついている以上、合成ホルモンということもあるわけですから、決し て間違った使い方ではないと思うのですが、環境という言葉にホルモンという言葉をつ けるのはちょっと学問的におかしいのではないかという気がしております。 (座長)  紫芝先生いかがですか。 (紫芝委員)  私は勿論、学術的には、Endocrine Disrupter、内分泌かく乱物質でいいと思うので すが、今問題になっているのは、社会的にもう少し、通りの良い名前をどうするかとい うことになってるのだと思うのです。環境ホルモンという言い方も、確かに阿部先生の ようなお立場もありますけれど、そのわりに、一般的に理解するのもいいなと昨日まで 考えていたのでありますけれど、昨日、シンポジウムで消費者団体連合会の日和佐先生 が、環境ホルモンという、わりに耳慣れた名前のために、その本体を誤解していた面も あって、その誤解が、このシンポジウムでだいぶ正確に分かったという言い方をされて います。そういうことになりますとやはり、ある程度の正確性というものを求める必要 性はあるだろう、と考えております。それでその環境ホルモンという言い方がもしまず いとしたら、他にどういう言い方があるのか、というと今すぐには私も浮かばないので すが、やはりその用語というのは誤解される可能性があると考えた使い方をしないとや はり具合が悪いかな、と考えております。 (座長)  厚生省のサイドでこの問題をずっとやってこられた井上先生いかがですか? (井上委員)  私は病理学の出身でございますので、これはもう内分泌障害性化学物質と呼ぶべきも の、以外のなにものでもない、と。ただ、学問的な名前をなにも国民の方や厚生省、 あるいは各省庁の方がお使いになる必要はないと思います。それは、病気の名前で別に そういうふうに使われないことはしばしばあります。そういう意味では、正確さという 意味では、内分泌かく乱化学物質ということで結構だと思います。ただ高杉先生がおっ しゃいますような、その環境ホルモンというようなものが多くの人の関心を集めるのに 役立った、ということは確かにある。しかしながらそれが、学問的に、正確に言えば間 違いである、これは明らかです、そういう意味ではもしなにかこれを一般的な使い方を なさるときには、やはり“いわゆる”というのを必ずつけて、それから括弧書きでもな んでも、内分泌かく乱物質ということを、必ず、注釈をつけて記事になさったり、ある いは我々自身もそのようにして使うというようなことを心がけることが大事ではないか と思っております。実際に英語でもEndocrine Modulatorだとか、Endocrine Disrupter だとか、いろいろな言葉が使われておりますので、あまりきちきちに決める必要ないと 思うのですが、今、各先生方がご指摘になったような、不正確さだけは出来るだけなく すようにすることが大事ではないかと思っております。 (座長)  その他。どうぞ。なるべく短くお願いします。 (和田委員)  消費者にとりましては、その、非常に正確性を求めなくてはならないという面が一点 ありますのと、それから環境ホルモンという言葉がみんなの間で相当使われていて、 あの、内分泌かく乱物質ということを分かってたうえで環境ホルモンというほうが短く て言い易いので使ってるという面も、両面あると思います。それで、私も的確に申し上 げきれないで申し訳ないのですが、いわゆるという言葉をずっとつけて使うというのは どうかな、と。適当な言葉があれば、正確さがあってなおかつ分かり易い言葉があれば 一番良いとは思うのですが、それを自分自身が提案できないとことろです。以上です。 (座長)  どうぞ。短く。 (藤原委員)  かつてマスメディアにおりましたので一言申し上げたいのですが、要するにニュース のヘッドラインに使うときは短い言葉でないと、字数が多すぎる、あるいは耳に入りに くいということがございます。従って、先程来お話が出ておりますように、見出しに使 うときは環境ホルモンのほうが確かにかちっとはまって良いんですけれども、本問のほ うでは先程来でてますように、いわゆる、とつけて、正確な叙述をしたらどうか、と。 これは他のいろんな用語で省略形がさんざんマスメディアで使われておりますので、 それと同じようにお考えになったらいかがかと思います。以上です。 (西原委員)  私も今までの意見と同じですが、もうひとつ根本的に、イージーユースを考えた場合 に、一般の人に、よく、周知徹底してもらう。勉強してもらう、ということがあると思 うんです。そういう意味では、例え環境ホルモンが不正確であろうと、僕はそれでいい と思っています。目くじら立ててそれを否定することもないだろう、と思います。 そちらの方の意義を僕は問いたいと思います。 (座長)  どうぞ。 (寺田委員)  不正確・正確って、やはりここで、お国の、ここの会でどういうか、という話と了承 しているんですが、そうしますと、国際的にいろんなことをやろうというときに、日本 だけ言い易いから特別な言葉を使うというのはいくらそれはマスメディアとか、一般う けするにしてもやはりそれはおかしいと思います。これは、学問で、毅然とした 言葉で、ここでは内分泌かく乱物質と呼ぶべきです、昨日、一昨日と会議にでて、外国 の方が定義をものすごく細かくやっておられるのですね、内分泌かく乱物質というのは こういうものをいいます、と。それ聞きまして、やはり学問をきちんとやっている方の 立場でみんな話をしている。国民の皆さん非常に関心を持つものですから、それだから こそ、きちっとした形で、できるだけ正確な言い方をするほうが僕はいいというふうに 考えております。 (座長)  ありがとうございました。大分時間も迫ってまいりましたし、大分意見も分かれてい るようですけれども、私はこの会というのは、サイエンティフィックな会であります し、サイエンティフィックなデータに基づいて、その、結果を国民に知らせるというこ とが大事だと思うのです。ですから私はやはりこの際この問題、内分泌かく乱化学物質 ですか、かく乱物質ですか、このあたりのところは化学物質にするか、内分泌かく乱物 質にするか、かく乱化学物質にするかという差はありますけれども、いわゆる環境ホル モンというのは我々は使うべきではないと。この他の方が、マスメディアの方々が使う のはいいし、もう充分それで一般の方々の関心は得られた、というふうに思うん ですね、ですからマスメディアのかたがいわゆる環境ホルモンと置き換えになるのはそ れはいいですけれども、だんだんと、内分泌かく乱化学物質であるというような使い方 になることを我々は望みますし、やはりこの際、内分泌かく乱化学物質ということを、 この問題について与えたいと思うんですがいかがでございますか。  そういうことで、内分泌かく乱物質ではなくて内分泌かく乱化学物質ということで、 宜しくお願い致します。それでは、これで本日の会議だいたい終わりですが、何か、 事務局のほうからございませんか。 (事務局)  本日は幅広い観点からいろいろご討論を戴きありがとうございます。次回でございま すが、すでに日程調整をさせて戴いておりまして、9月2日水曜日に開催したいと思い ます。ご多忙のところ恐縮でございますがご出席宜しくお願い致します。 (座長)  それでは、ほぼ予定の時間になりましたので、本日の討論会をこれで終わらせて戴き ます。ご多忙のところご参加戴きまして、活発なご議論ありがとうございました。 連絡先 厚生省生活衛生局食品化学課 電話:03-3503-1711