98/05/19 第9回成人病難病対策部会臓器移植専門委員会議事録 第9回公衆衛生審議会成人病難病対策部会 臓器移植専門委員会議事録 平成10年5月19日(火) 10:00〜12:00 場所:東海大学校友会館「阿蘇の間」 出席者  (○:委員長 敬称略)   井形 昭弘   大久保 通方  大島 伸一   大塚 敏文  桐野 高明  ○黒川  清   小柳  仁   座間 幸子   田中 紘一  野本 亀久雄   町野  朔   眞鍋 禮三   矢崎 義雄 議事次第  1.開 会  2.議 題     (1)臓器移植の現状について      (2)意思表示カードの普及について      (3)臓器提供施設について      (4)情報管理体制について      (5)その他  3.閉 会 ○事務局(成瀬補佐) 定刻になりましたので、第9回公衆衛生審議会成人病難病対策部会臓器移植専門委員 会を開催させていただきます。  最初に、本日の委員の出欠の状況でございますが、谷川委員、藤村委員、森岡委員、 山谷委員が欠席のご連絡を、また、野本委員が少し遅れるという連絡が入っていること をご報告させていただきます。  続きまして、小林保健医療局長よりご挨拶を申し上げます。 ○小林局長 おはようございます。  委員の先生方には、大変お忙しいところ、この公衆衛生審議会の成人病難病部会の臓 器移植専門部会にご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。心から御礼を 申し上げたいと思います。  さて、臓器移植法が施行されましておよそ7カ月たつわけでございます。この間に法 案調整のお手伝いを申し上げました私ども、法案を一生懸命つくっていただきました国 会議員の先生方、また、ここにご臨席の先生方も、6ヵ月の間には臓器移植が行われる のではないかとご期待された方が多いと思いますが、残念ながら腎臓とか角膜という従 来のもの以外では、いまだに脳死臓器移植自体は行われておりません。残念ながら行わ れなかったという状況でございます。  こうした状況を踏まえまして、いろんな方々からたくさんのご意見を寄せられている ところでございます。その中で、去る4月21日に開催されました自民党の社会部会の脳 死生命倫理及び臓器移植問題に関する調査会におきまして、臓器提供施設に関していろ いろなご意見が出されたのであります。  ドナーカードを持って本人が提供したいという意思がありながら、現状の状態では、 そのカードを持っていらっしゃる方が例えば命を落とされるような危険な病気になって も、いま国がガイドラインで示している96の施設に行くかどうかについては、何の保証 もない、システムもきちっとしているわけではない。実際には患者さんのご判断なり、 ご家族のご判断なり、救急車のご判断なり、いろいろなものがあって96の施設に結びつ いているわけではない。 したがいまして、本人が提供する意思があってもそれが生かされないというのが現状 のシステムではないかというご意見があるわけであります。何とかこの臓器提供施設を 増やすようにできないかというのが、そのときの会合のご意見でございました。  もう一方、国会の衆議院の厚生委員会の中では、現在、臓器移植がまだ行われていな い状況だけれども脳死の判定は慎重にも慎重を期してきちっと行われるべきである、し たがって、安易に増やすことについては賛成しかねる、ここは我慢のしどころであると いうご意見もあったわけであります。  そういうことでどう判断するかということですが、私どもとしては、本人の意思があ って提供したいという方と、もう一方で待っていらっしゃる患者さん方がいらして、現 に待たれていても移植が受けられずに命をなくされる方もいらっしゃるわけです。そう いう方々をつなぐのがこの法律の目的であり、提供したくない方の臓器を取ろうといっ ているわけではないわけであります。そういう意味では、この法律を通した趣旨は、何 とか国民によく見える形のところで、そして公平、公正に臓器移植が行われることが期 待だろうと思っておりました。  そういう意味から、2カ月ほど前に会合を開いていただいておりますが、その4月2 1日の声等々その他のご意見も踏まえまして、一度先生方にご意見をお伺いしたいと思 います。私どもこの法律をつくるお手伝いをした立場からは、何とか善意の意思が生き る形をとっていきたいと思っているわけでございます。  それに関する臓器提供施設、または、それ以外の施設に対する医療状況の調査等もあ るようでございますが、その後の変化を踏まえて先生方にご意見を賜りたいと思ってお 集まりいただいたわけでございます。  きょうは時間は2時間ということでございますが、有意義なご意見をいただきたいと 思います。どうもありがとうございます。 ○事務局(成瀬補佐) では、会議を始める前に資料等の確認をさせていただきたいと思います。一番最初で ございますが、臓器移植専門委員会会議の議事次第でございます。次が委員の名簿でご ざいます。次が配置図になってございます。続きまして、臓器移植専門委員会の会議資 料一覧でございます。  資料につきましては資料1−1から1−5までクリップで括ってございます。資料 1−1につきましては、臓器移植をめぐる動き。次をめくっていただきまして資料 1−2は、移植希望登録者統計。次のページ資料1−3は、腎提供件数と腎移植数。資 料1−4は、意思表示カードによる情報。資料1−5は、臓器移植に係る医療施設の整 備状況に関する緊急調査、集計結果の概要でございます。  次が資料2−1でございます。意思表示カード配布状況。資料2−2は、臓器提供意 思表示カードに関するアンケート調査の結果について。資料2−3は、臓器提供に関す る意思表示カードの普及に関する依頼文書でございます。  続きまして資料3−1は、臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライ ン)の制定について。局長通知の抜粋でございます。次が資料3−2、脳死体からの場 合の臓器摘出の承諾等に係る手続きについての指針骨子(案)でございます。資料 3−3、「臓器提供手続きに関するワーキング・グループ」についてでございます。次 が資料3−4、「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)に定 められた各臓器提供施設の基準(大学付属病院を除く)。  資料4−1、臓器移植ネットワークに関する平成10年度補正予算の概要(案)。資料 4−2、日本臓器移植ネットワークの準備委員会報告書「臓器移植ネットワークの整備 について」の抜粋でございます。  その次が参考資料1「平成10年度厚生科学特別研究事業 小児における脳死判定基準 に関する研究 臨床例に関する全国調査実施について」でございます。次が参考資料2 厚生省厚生科学研究特別研究事業「臓器移植へ向けた医療施設の整備状況に関する研 究」でございます。次が参考資料3−1から3−3までございます。3−1につきま しては、ドイツの臓器移植法について。参考資料6ページになっております参考資料 3−2、日・独における臓器移植法の主な相違。参考資料3−3、ドイツにおける移植 件数の推移でございます。  何か不備な点、または資料等が漏れておりましたら事務局にお申しつけください。  以上でございます。それでは、黒川委員長、よろしくお願いいたします。 ○黒川委員長 おはようございます。それでは早速、議題に入りたいと思いますが、いま局長が言わ れたように、約7カ月たって実際、心臓あるいは肝臓の脳死による移植はまだ一度も行 われていない。その間にいろいろなことが起こってネットワークのほうの整備もかなり されておりまして、コーディネーターその他の活動状況もよろしいわけですが、従来か らやっている腎臓の移植についても資料がございますけれども、1年目の平成7年度が ネットワークができて161件の腎臓移植。2年目が180件。3年目は例の脳死の国会の 審議があり、今度新しく脳死の臓器移植が認められたといういろんな反応がありまして 結局166件行われて、ネットワークができてから3年間でだいたい年間170ぐらいが平均 して行われてきて、現在のところは何となくプラトーに達しているかなというのがひと つでございます。  そういうところで実際のネットワークのほうとしては、整備もそうですけれどもコー ディネーターその他のトレーニングをやっているわけですが、最初に臓器の移植の現状 についてということで、資料の1について、その後の動きも含めて事務局のほうから報 告していただきたいと思います。 ○朝浦室長 資料をご覧いただきたいと思います。臓器移植をめぐる動きについてでございます。 専門委員会を3月の16日に開催させていただきましたが、その後の状況についてご説明 いたします。  4月8日に平成10年度の予算が成立いたしました。それから、ドナーカードの普及方 策についてさらに推進をしたいということで、4月22日に国民健康保険の担当部局にお 願いして、国民健康保険証の切りかえの時期にあわせてドナーカードを一緒に郵送して いただけないだろうかということでお願いをいたしております。これについては、また 後ほど詳しくご説明したいと思います。  4月27日、肺の移植実施施設について移植関係学会合同委員会において、ここに書い てございます4施設が選定されております。これにつきましては、5月12日に日本臓器 移植ネットワークに対して肺のあっせん業について厚生大臣から許可を出しております これを受けまして4施設からネットワークのほうに申請があれば、具体的なあっせんが 行われるという運びになっております。  次に2ページに移植希望登録者の統計が出ております。4月30日現在の数字で申し上 げますと、臓器移植希望者数が1万4,887人でございます。心臓が11名、肝臓が27名の 登録でございます。  続きまして資料の3ページでございます。先ほど黒川委員長のほうからお話がござい ましたように、腎臓の提供件数については昨年度90件ございました。移植件数のほうは 166件ということになってございます。次のページが今年度の状況でございます。4月に おきましては提供件数が6件、移植件数が12件ということで現在進んでおります。  次のページでございます。意思表示カードによる情報ということで、日本移植ネット ワークのほうで連絡のあったものでございます。亡くなった方で意思表示カードあるい はその他の意思を示した方ということで、現在までに12件の報告がなされております。 いずれも脳死体から臓器移植につながったわけではございませんけれども、意思表示カ ードによる意思表示が行われているという状況でございます。  次のページでございます。法施行後半年を経過して、いわゆる臓器提供施設96施設に おいて、脳死関連がどのぐらい発生したのか、あるいは具体的にどのような体制の整備 をしているのかということを厚生省のほうで緊急に調査いたしまして取りまとめた結果 でございます。  先般、新聞報道等でお耳にされた方があると思いますけれども、先般の発表は95施設 の発表でございました。その後、残りの1施設のほうから報告がございましたので、こ こでは全ての施設についての集計をしております。  簡単にご説明いたしますと、この半年間で脳死患者数1でございますが、脳死の状態 を経て死亡された方が717名ございます。96施設のうち10施設では数字が不明でござい ましたので、残りの86施設の合計をここで記載しております。86施設の1施設平均が半 年間で8.3人ということでございます。飛ばしまして4でございますけれども、臓器提供 施設としての体制整備状況をお聞きしましたところ現在、体制を揃えているというとこ ろが75施設で約80%、まだ整えていないけれどもこれから整える方針であるというとこ ろが20施設、約20%でございます。  簡単でございますが、以上が臓器移植をめぐる状況ということでご説明させていただ きました。 ○黒川委員長 どうもありがとうございました。簡単に説明をしていただいたわけですが、現在の臓 器の登録者数、実際の腎移植の実績、それから3ページ目、4ページ目ですが、今年は 例年より立ち上がりが非常に少ないということだと思います。  1−4が実際の意思表示カードを持っておられた方、情報のうち意思表示があった方 のリスト。このぐらいあるということであります。特に完全な意思表示カードがあって 情報がもたらされたということが実際にあったということであります。  集計結果。現在の移植の整備状況。現在96施設ですが、整備状況としての調査の結果 があるというところですが、何かご質問、ご討議いただきたいと思いますが、ご意見ご ざいますでしょうか。  意思表示カードの情報があるというのは、救命救急センター、大学の救急室その他か らネットワークのほうにこういう人が入ってきましたと情報があるわけです。そこの現 場の先生の判断で、かなり早い時期からそういう患者さんがいますという連絡のある場 合もあるし、主治医の方が判断をして相当話をしてからネットワークに電話があるとか いろいろだと思うんですが、少なくともいろんな形式でネットワークに情報があったう ちで患者さんが意思表示カードを持っていた実際の例があがっているわけです。  これはもちろん96施設に限っているわけではなくて、いろんなところから情報が来る わけです。そういうのを全部含めてこういう数がいままであったということになると、 資料1−3のところにありますが、情報の数というのは、実際に脳死ではなくて死体腎 といいますか心臓死から腎臓の提供に至った件数が、上の段の平成7年、8年、9年で 初年度が86、次年度94、その次年度が90になっていますが、いろんな条件がクリアされ て腎移植になった方の数でありますから、実際に情報があった数はこの5倍ぐらいある わけです。そういう数を見てみると、この半年でこのぐらいの意思表示があったという ことであります。  1−4ですが、現在の96施設を見ていると、臓器提供施設としての体制の整備状況は 80%弱でありますが、脳死判定意思の選定の有無その他が84%選定されていて、という ことからいうと、整備状況はこんなものかなということでしょうか。大塚委員。 ○大塚委員 そうですね。 ○黒川委員長  何かご意見ございませんか。  先ほど言いましたように、情報が出るというのは現場の先生の判断でブロックセンタ ーに連絡をいただけるわけで、この方が臓器の提供者になるかならないかという判断の レベルはその現場でかなり違いますし、連絡いただけるステージもかなり違います。だ けれども、資料1−4ですが、11月13日から始まって、いただいた人のうち意思カード の表示をされた方が12名あったと。完全、不完全は別としてそのぐらいありましたとい うことからいうと、臓器の意思表示カードの配布状況がどうなっているか。その母数に なるわけですので。 それでは、次の議題に入らせていただいてよろしいでしょうか。ご質問がありました ら戻りたいと思います。  それでは、意思表示カードの普及状況についてということで、厚生省においては、各 方面の皆さんに意思表示カードをいかに理解していただきながら持っていただくという ことが大事なわけですが、その配布状況につきまして事務局からご説明をお願いします ○朝浦室長 それでは、資料の2をご説明させていただきます。  資料2−1でございますけれども、4月30日までにお配りした意思表示カードの数で ございます。全部で850万枚でございます。郵便局、各自治体を中心に配布をしている 状況でございます。ただし、この配った意思表示カードが全て国民のお一人おひとりに 配布されているかというところはまだ十分調査をしておりません。  次のページでございますか、各自治体においてどういう臓器移植の普及啓発活動をや っているのだろうかということで、厚生省から3月の初めに各自治体にアンケート調査 をいたしまして、その結果をまとめたのがこの表でございます。  具体的に申し上げますと、2の主な配布先といたしましては保健所が58。58というの は自治体の数でございます。県あるいは市ということになります。運転免許センター。 ここに書いてありますように、保険事務所ですとか警察署に置かれているケースがござ います。  次のページにまいりますと医療機関。上から5番目の血液センター、献血ルームなど に置かれているケースもございます。自治体でドナーカードを独自に作成したところが 4件ございます。10年度に予定しているところも4件ございます。  それ以外の主な取り組みといたしましては、ここに羅列しておりますけれども、例え ば上から6番目の成人式の参加者に対する配布ですとか、4つぐらい下りまして県立高 等学校の卒業式の日に配布してもらうように各学校に依頼するとか、若い方に対する普 及啓発活動に取り組んでいるケースもございます。  この取りまとめた結果につきましては、各都道府県にフィードバックをいたしまして これからの普及啓発活動の参考にしていただきたいということにしております。  5ページにまいりますが、国民の皆さん方からドナーカードがどこにあるのかわから ないというお問い合わせがございまして、ここにいけばドナーカードが必ずあるという ところをつくる必要があるのではないかということで考えまして、各都道府県の衛生担 当部局ですとか保健所においては、希望者には必ず意思表示カードを配布していただき たいという通知を流しております。それとともに、意思表示カードの記入方法について 照会があった場合には適切に対応していただきたいという通知もあわせてお願いをして おります。  8ページをおめくりいただきたいと思います。先ほど冒頭でご説明いたしましたけれ ども、国民健康保険の被保険者証の切りかえ時にあわせてドナーカードを配布していた だけないかというお願いを個々の担当部局のほうにしておりまして、各都道府県を通じ まして市町村にアンケートを行っておりまして、5月29日までに平成10年度に必要な部 数を取りまとめてあげてほしいという形で現在作業を進めております。今年の9月以降 切りかえを迎える市町村の数を単純に合計しますと約800万世帯という数字が出てきて おります。  次のページでございますが、ドナーカードをいろんなところにお配りして、人の出入 りがたくさんあるところにお願いしようということで現在働きかけをしているわけです けれども、ここにありますように4月9日には日本薬剤師会に対して薬局・薬店の店頭 でドナーカードを置いていただけないかという呼びかけをしております。  次のページは、大学の窓口に置いていただけないかという呼びかけをしております。 11ページは、大学附属病院に対してお願いをしている状況でございます。  こういった形でいろんなところにお声をおかけして、ドナーカードの普及について働 きかけをしております。いろんなところに声をかけて、できるだけ多くの方の目に触れ るような形で今後とも普及方策につないでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○黒川委員長  どうもありがとうございました。これについていかがでしょうか。  いろんなところにお願いしますというのはいいんですが、公的な文書はこうなのかも しれないけれども、それではもらってみようかなと思ったときにどこに連絡すればいい んですか。ここにファックスで何部欲しいというところがないとやりにくいかなと思い ますが、どうでしょうか。 ○朝浦室長  一義的には日本臓器移植ネットワークのほうで受け付けをいたしまして、希望枚数を お配りするという形で対応しておりますし、あるいは、都道府県なり市町村の窓口に聞 いていただけますと連絡はつくという形にしております。 ○黒川委員長 それはそういう文書がいくわけですか。例えば、医学教育課長さんあてに附属病院で お願いしますといったときに、今度は医学教育課長から各大学にいきますね。そのとき には、こういうところにすればいいんですよという情報も入っているわけですか。 ○朝浦室長  もちろんそういう形になっています。 ○黒川委員長  さて、このような状況で随分配られていることは配られていますが、先ほど事務局が 言いましたように、配った先でどれだけが個人に渡って、渡ったうえでそれが書き込ま れているのか捨てられているのかいろいろあると思うんですが、これだけ配っていただ いたというお話でございました。  何か、これについて。 ○井形委員  アメリカあたりがやっている運転免許証が一番いいと思うんですけれども、警察との 話し合いはどこまで進んでいるのでしょうか。 ○朝浦室長  運転免許証については、前回にも専門委員会のほうでご意見をいただいております。 現在、警察の担当とどういった活用方策ができるのか協議している段階でございます。 ○黒川委員長  もうひとつは、どちらかというと委員の先生方は比較的、臓器移植に直接、間接ある いはかなり近い位置におられる方なので、何かあったときにすぐにピンとくるわけです が、ドナーカードをもらうほうは一般の人ですから、この人たちのレベルはどうなのか ということになると、かなり計り知れないものがあるのではないか。脳死の臓器移植だ という話は、身内にドナーになりうる人、あるいは病気の人が身内にいたとか、現在い るとか、昔いたとか、遠い親戚にいたというのがいないかぎりなかなか理解しにくいの ではないかという気はしますが、そのへんは事務局はどうお考えですか。あるいは委員 の先生方。  それがないと、もらってもどう思うかなと。むしろマスコミあたりが一体どう考えて いるのかということも私は聞きたい。言うことは言うけれども何もしないというのが一 番困るわけで……。 ○大島委員  ドナーカードの問題は、絶対数をいかに多く配るかが一番基本的な問題で、そのあと いかに有効にそれを所持していただくかということが問題だと思います。 既に行われました調査で、街角などで手渡すというのはあまり効率がよくないという ことがわかっております。したがって、さばくというか配布するということでは効率は よくないかもわからないけれども、関係者あたりがドナーカードをいつも50枚なり100 枚なり持っていて、何か機会があるごとに話をしながら渡すほうが所持率は圧倒的に高 いという調査結果が出ております。 ○黒川委員長  もうひとつは、ドナーカードにアクセスがある、あるいはドナーカードが目の前にあ るとか、郵便局にあった場合、ここにいて聞いておられる新聞記者の方あるいはその他 の方は、比較的そのことに興味があるからそうだとわかると思うんですが、そうじゃな い人はどう思うのかなということはどうですか。  問題があったことばかりを書くわけではなくて、普段そういうことが議論されるとい いと思うんですが、当事者は圧倒的に少ないので社会的なレベルに議論があがってこな いという気がするんです。前にお話ししたかもしれませんが、例えば日本の3大紙、4 大紙、読売新聞は1,000万部出しているということでナンバーワンだとそんな競争をして いるわけですが、例えば一月に1回だけでもいいから10cm四方ぐらいの広告を出すと。 臓器移植はこうなっています、これを切り抜いてこことここに丸をすれば有効ですよと いう話で、そういうパブリックキャンペーンをするのが新聞の社会的役割ではないかと いう気がするんですけれども、どうですか。  4大紙、5大紙というんですか、うちもそうだというのだったら6大紙かもしれない けれども、何大紙でも結構ですが、そういうのを出してくれてもいいのではないか。そ の中に教育的というか解説をしていただきたい。別に嫌な人はする必要はないわけだけ ど、そうかなと思う人は増えるんじゃないかなと思います。そういうことも考えてくれ たらどうかと思うんですけれども。  この800万枚配られているうちに何枚ぐらいが実際に手に渡って、実際にこれを読ん である程度考えて文面を見て1、2、3と丸をつけるかなという配布状況。配布はして いるけれども見えないところに積み重なっているのも結構あると思うんです。人が実際 に記入してポケットに持っているというのは、このうちの1%というのもかなり多いよ うな気もするけれども。 ○大久保委員  法律ができる前のカードの配布のときから比べると非常に関心は高いと思います。い ま大島先生が、街頭で配るのは非常に効率が悪いとおっしゃいましたけれど、今年の5 月3、4、5日と大阪で中之島祭りというがありましてそこで配布しましたが、かなり の方がこれが欲しかったといって来られる。どこでもらっていいのかわからなかったと いう方もいらして、家族の分だといって4枚、5枚もって帰る方もいらっしゃるので、 いままでいろんなカードの配布をしていたときに比べると関心は高いのではないかと思 っています。  あと、私たちの取り組みで、ネットワークにスタンドをつくっていただいたので、い ろんなお店に置かしていただくことを少しずつ始めていますが、それは聞かれたときだ け説明するだけですが、非常に関心が高くてもっていかれる方が多い。我々が予想して いたよりは関心は高いと思います。  ただ、一般の方に話として伺ったところによると、記入するまでにかなり時間がいる と。自分が1なのか2なのか、どれだけできるのかというのに簡単に記入できなくて、 記入するのに1カ月、2カ月かかって考えて記入したという方もいらっしゃいますけれ も、以前に比べるとかなり関心度は高いのではないかと思います。 ○黒川委員長  どのくらい持っているかというのは見当もつかないわけですけれども。 ○大島委員  読売新聞が調査したのでは1.7%。 ○黒川委員長  配られたものが1.7%。 ○大島委員  所持率が1.7%。 ○黒川委員長  それは受け取った人のうちでですか。いま850万配られています。 ○大島委員  そのうち1.7%が持っているという推定でよろしんじゃないでしょうか。読売の調査で はそうだという理解ですが。 ○黒川委員長  信用できる調査ですか。どういう根拠でそういうことを言っているんでしょうか。 ○大久保委員  3,000人にアンケート調査をして、そのうちの所持率でしょ。だから、配ったのではな くて所持率が1.7%だったという調査の結果。 ○黒川委員長  ある3,000人を調査にやったと。対象は都会の人ですか。 ○大久保委員  一応全国だと思います。あとは、大阪のテレビ局で聞いたのは1%を割っているとい いました。0.7%とか0.8%ぐらいというのは聞いています。それから推定すると100万人 ぐらいは持っているかなと。だから所持率は非常に高いですね。 ○黒川委員長  そうすると1%。 ○大久保委員  そうですね。全国民ですよ。持っている人に聞いたわけではないので。 ○黒川委員長  全国民の1%。 ○大久保委員  その調査によるとですよ。100万人ぐらいになりますね。8,000万人だから80万人ぐら いですか。 ○黒川委員長  80万。そうすると配った人のうちの1%。それは随分高いような気がするな。そんな に効率よく持っているだろうかというだけの話ですけど。 ○大久保委員  読売の調査はもっと高いです。1.7と出ているんです三千人。 ○黒川委員長  一般の国民の……。 ○大久保委員  そうです。三千人に聞いて、このカードを所持していますかということで聞いたら 1.7%だったということなので、それから推定すると160万人ぐらいになってしまう。も うひとつほかのところの調査だと、1%は持っていなくて0.7か0.8だということで、そ のへんから推定するとせいぜい1%だと。15歳以上ということですから8,000万人ぐら いのうちの1%ということで80万ということだと思うんです。 ○黒川委員長  850万枚配って80万、10%。しかも、配ったうちかなりの分はまだ渡っていないのが 多いですよね。郵便局では奥のほうにしまってあって、欲しい人が来ると出してくると いうところもあるという話だから。 ○小林局長  カードに関しては、いっぺんNHKさんがテレビ番組で流された中でドナーカードが たくさん余っている画面が出てきました。それは印刷屋さんに置いてあるんですが、一 部出たカードが誤記を招きやすい、番号に丸をつけられないということで、いまの新し いカードは赤で印刷をしているということで途中で切りかわりました。そうすると、新 しいものが出ますと待っている人に旧タイプを配るというわけにいかなくなるものです から、それが不用品で、それが画面に出たのではないかというふうに言われておりまし て、実態としてどこかに大量にたまっていることはそんなにないと思います。ネットワ ークのほうには置いてあると思いますけれども。配られていると思っています。  いずれにいたしましても、私どもとしては、全員の意思を持っている人をカードにつ なげないことにはシステムが始まらないわけです。だから、我々行政府としても何とか してこれを早く皆さんに持っていただいて、書いていただくということが一番大事だと 認識をいたしております。  先ほど井形先生がおっしゃった免許証に書く方法はないのかということですが、免許 証と同じように持っているのは健康保険証なんですね。問題はそれが世帯になっている ものですから、そうすると世帯をどう書くのかという問題がありまして、全体の意見で はなくて警察のほうもできるだけ協力したいという方向では意見が固まりつつあります けれども、警察の立場から言わせれば厚生省さんはどうされるんですかと。というのは 健康保険証を睨んで健康保険証の解決はどうされるんですかということをもうひとつ見 ていらっしゃる人もいらっしゃるというのが実態だと思います。  厚生省の中でも今度、健康保険の改革の中で与党の出した案の中には、この健康保険 証を家族ものから個人カードに切りかえるということを検討すべしというご意見も出て いまして、もし変わるとすれば切りかえる時期に絡んでくるという背景もあって、なか なかそうスカッといかない面もあるということはご理解いただきたいと思います。 いずれにしても、我々のほうとしては実際に患者さんが待っていらっしゃる、提供し たい人もいらっしゃるということをうまく結びつけるための一助となることですから、 誠心誠意なんとか健康保険カードにも免許証にも何とか表示ができる形にもっていきた いという希望だけは持って、それに向けて鋭意努力はしているというところでございま す。  また、それ以外にも何かいい知恵がありましたら、ご意見をいただければと思う次第 であります。 ○黒川委員長  ありがとうございました。  私のまったく個人的な意見ですけれども、ぜひ全国紙に一月1回でいいから10cm四方 の枠ぐらいはとってくれてもいいんじゃないかと思っています。それを切り抜いて入れ ればいいわけですから、簡単に説明してほしい。ぜひやってください。いま聞いている 人もいると思いますので。  さて、そこで持っておられる方が何万人おられるかわかりませんが、資料の1−4を 見ていただくと、去年の10月16日以後、今年の5月3日まで実際に情報があったときに 意思表示カードがある人がどのぐらいあったかというと12件あった。これはどういうふ うにとらえるか。実際に成立するのは腎臓のように脳死ではなくてもいいという話で先 ほど言ったような数で年間60から70……。情報の数は全部でいくつぐらいですかね。 成立しているのが200ちょっと。そうすると、そのような情報レベルで入ってくるのは この11月からですから半月で12あったということになると、結構な率といえば結構な率 ですね。100いくつぐらいだから1割ぐらい。  先生によってはかなり早い時期にネットワークに情報をくださる人もいますし、主治 医の先生が家族に話をしてから電話をくださる人もいるので、どの程度これが成立しそ うかという判断は現場の先生にお任せしているわけですけれども、それにしても1割近 くの人が意思表示カードを持っておられたというのは相当重く見なければいけないかも しれない。僕も実際のところをいうと、このぐらいあるのは相当なものだなという気は したんですね。  そう思ったのですが、ここに書いてあるように最初の方は意思表示カードがあったん だけどといろいろ報道された方です。そのほかにもありますが、情報の通達者が主治医 警察。これは自殺ですか。そのあとに家族が4つつながっています。自殺を企てたとか 原発性肺梗塞の15歳の女の子もいるわけですが、家族からも情報の通報者がいたという ことになると、こういう方々の意思をなるべく尊重してあげたいという気は誰でもある んじゃないでしょうか。せっかくそれだけのことをやって800万枚も配って、実際にい ろんな病気になって、あるいは悩みがあっで自殺を企てる方もいるわけです。自殺がこ の中に4つもありますね。  そういうことがあるので、さてこれをどう考えるかという話をお聞きしたいと思いま す。半年のうちですから100少しの情報があったんだろうと思うんですが1割近い。そ れがぜんぜん生かされなかったのはなぜかということを考えてみたい。これについて何 かありますか。 ○大塚委員  これは全て脳死ですか。そうじゃなくて心臓死でしょ。 ○黒川委員長  そうです。心臓死です。ただ、意思表示カードを持っておられたというのは事実だと いうことなんです。 ○大塚委員  ドナーカードが増えればこういうケースは当然増えてきますよね。 ○黒川委員長  そうですね。いまのドナーカードの普及の程度が何%か知りませんが、全体の1割近 いのだとすると、情報があったうちの1割近くがカードを持っておられるということに なるわけです。 ○小林局長  結構皆さん持っていただけているという感じで、先ほどの読売新聞のデータの1%程 度持っているというのは正しいんじゃないでしょうか。 ○黒川委員長  この数字を見て、大久保さん、どうですか。 ○大久保委員  いまお話があったように、かなりの普及率ではあるという気はしています。これ以外 にも恐らく情報がなかった方で持っている方もかなりいらっしゃったのではないかと思 います。この前の例の救急指定施設の問題で新聞に報道されていた指定施設に入ってい る病院では、私は脳死になった方のご家族の方を見ているととても意思表示カードがあ るか尋ねることができない、というコメントをされていたので、私たちがガイドライン でつくったように、基本的に意思があるかどうかの確認を努めるのは少なくとも担当医 の責任ではないかと思いますので、できるかぎり意思表示カードを持っていらっしゃる かどうかを、その現場のお医者さんはぜひ確認をしていただきたい。そうすると、もっ とこのカードが出てくるのではないかと思います。 ○黒川委員長  聞き方のタイミングと聞き方の仕方でしょうね。ですけど、この12人を見ていると、 私も驚いたというか感激したといってはおかしいですが、最後の4人は家族から情報の 通報があった。やはり家族で随分話していたのかなという気がしますね。  だけれども、この表だけではわかりませんが、いくつかの方が腎臓、角膜、皮膚、そ れから何も提供できなかった方もあるわけです。これはカードが完全という方がいくつ かいて何もならなかったというのは、いわゆる脳死の臓器提供の場所ではなかったとい うことなんですか、これは。たまたま担ぎ込まれたところがそうだと。そういうことを 意味しているんですか。 ○重藤補佐  ドナーカードの表記が完全にきちんとされて……。 ○黒川委員長  されていたけれども、要するに提供の内容がこういうふうになっているのは、たまた まこの患者さんたちが担ぎ込まれたところがさっき言った96施設ではなかったというこ とを意味しているんですか。 ○朝浦室長  心臓死ということで、脳死状態ではなかったと。 ○黒川委員長  だから、そういう施設でなければ脳死の判定とかいろんなことができないわけでしょ 臓器の提供施設になっていないわけでしょ。そういうところに行かれた人だったんです かという意味ですよ。 ○重藤補佐  ただ単にカードの記載が完全に法律の要件を満たすような本人の意思表示に至る記載 内容であったという……。 ○黒川委員長  この方たちはみんな病気になったわけですからどこかに行ったわけですよ。そこから ネットワークに情報があったわけでしょ。あったけれどもその人たちが入られた場所が たまたま先ほどの96施設ではなかったということですか。 ○重藤補佐  ネットワークのほうからご説明いただけますか。 ○座間委員  この12例は、指定施設ではなかったところもありますし、施設であったところもあり ます。結局2番の症例以外は全て脳死を経ていないという症例なんです。 ○黒川委員長  脳死を経ないで心臓死で亡くなられたということですね。 ○座間委員  ご連絡をいただいたときにはもう既に心停止の状況というのが多いですし、現疾患が ガンであったりということで適用がないということです。 ○黒川委員長  わかりました。  そのほかにご質問ございますか。 いまこんな状況だということでございます。その次に進めたいと思いますが、よろし いでしょうか。  では、その次に臓器提供施設ということで議論をいただきたいと思います。このポイ ントは、先ほど局長が説明された点もあるわけですが、前回も議論となりましたが、そ の他各方面で臓器の提供施設を拡大するべきではないかという意見も確かにあります。 そうした意見をぜひこの委員会で討議しておくべきだと思いますので、それを議論して いただきたいと思います。これにつきまして事務局から背景、資料について説明してい ただけますか。 ○朝浦室長  それでは、資料の3についてご説明いたします。資料3−1は、現在のガイドライン の臓器提供施設に関する事項の抜粋でございます。このガイドラインにつきましては、 制定当時においてご議論いただいているところでございます。  現行のガイドラインの基本的な考え方を申し上げますと、臓器提供施設については当 面の間、国民のご理解を得つつ望ましい形で移植医療を定着していくためには、まず第 1番目に、臓器の摘出は施設全体の合意のもとで確実に脳死と判定された方から行われ る必要があるということ。  2番目に、ドナーとなる方は生前に可能な限り高度な救急医療を受けたにもかかわら ず不幸にして脳死となられた方から行われるべきであるということで、高度な救急医療 を行えることが明らかであると考える施設から摘出が行われるのが適当ではないかとい うことで定められております。  さらに、最初の数例につきましては、慎重なうえにも慎重な対応が求められるという ことで、この2類型の施設に限られているとという考え方で、このガイドラインが定め られております。  次の資料3−2、3−3は、このガイドラインを作成するにあたりまして参考といた しました平成6年1月に発表になりました臓器提供手続きに関するワーキング・グルー プの指針骨子(案)でございます。  資料3−4は、ガイドラインで定めております高度な医療施設として記載しておりま す大学病院を除いた3つの類型の施設の条件を簡単にまとめたものでございます。この 中でミスプリントがございまして、日本救急医学会指導医指定施設の3番目の項目の 「5症以上」が症例の症になっていますけれども、ベッドの床でございます。訂正させ ていただきます。  あわせまして参考資料の2を説明させていただきます。厚生省の厚生科学特別研究と いうことで、大塚先生に班長になっていただきまして、4類型の医療の内容等につきい て1997年1年間の実情について調査をしていただきました。その研究報告書が報告され ましたので、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。  全体の数が325施設でございます。そのうち回答がございましたのが174で、回答率が 53.5%でございます。  概略この研究の中身でございますけれども、研究要旨の真ん中より若干下の欄に出て おりますけれども、現在可能施設と現在不可能施設の比較を医療の内容の面で行われて おりまして、専門医師についての病床数、病床あたりの死亡数、病床あたりの脳死者数 死亡者あたりの脳死者数、脳死あたりの腎臓提供者数の各指標のうち、専門医師あたり の病床数を除いて差は認められなかったということでございます。  要旨の下から4行目ぐらいから書いておりますけれども、本研究では、現在可能施設 と現在不可能施設は医療内容の相違は認められないといった結果になったということで ございます。具体的には11ページの表をご覧いただきたいと思います。この中で現在臓 器提供が可能な施設、ガイドラインの1番目、2番目に該当する施設が現在可能施設で それ以外の3番目、4番目に該当する施設が現在不可能施設でございます。  それを見ますと、救命救急病床、脳神経外科病床の1施設あたりの数にあまり相違は ない。入院患者数と死亡患者数、脳死患者数についても特段の大きな差はないという結 果という報告でございます。  少し飛びますけれども14ページの表4でございます。ドナーの情報件数及び腎臓提供 者数の比較をされておりますけれども、これも大きな相違はないと承っております。以 上でございます。 ○黒川委員長  どうもありがとうございました。この研究班は大塚先生が班長でやっていただいた研 究の結果をまとめていただいているわけですが、これらのデータにつきまして先生方の ご意見を伺いたいと思います。ここの委員会で特に質問していただきたいのは、ガイド ラインでは大学附属病院と日本救急医学会の指導医指定施設、日本脳神経外科学会の専 門訓練施設A項にあたるもの、救急救命センターとして認定されて施設であったわけで すが、最初の議論のところでは上の2つということでまず様子を見たらどうかというこ とにさせていただいたわけですが、いかがでしょうか。  大塚先生のほうから言っていただいてよろしいでしょうか。 ○大塚委員  どこまでお話ししたらよろしいんでしょうか。  研究結果は見ていただければおわかりいただけると思いますが、これをもって施設を 拡大するかしないかの問題なんですね。最初に私の意見を申し上げてしまっていいかど うかわかりませんけれども、委員の先生方のご意見を賜りたいと思います。  研究結果といたしましては、要旨の下のほうに書いてございますが、「現在不可能施 設においてもガイドラインに定める要件を満たした施設においては脳死、臓器提供を認 めることが、公正な臓器提供を担保し、かつ臓器提供数を最大化すると思われ、これを 提言するものである」と言っておりますけれども、実際には私が疑問に思っている点が いくつかございます。  1つが、まだ1例も出ていない段階でまた広げるのかという問題がございます。先ほ どの報告の中にありますけれども資料1−5を見ていただきたいと思います。これは臓 器提供可能施設の状況を厚生省にお調べいただいたものでございます。これは100%の回 答でございますから臓器提供施設そのものと言っていいと思うんですけれども、ご覧に なりますように、その1で、脳死状態を経て死亡した患者数、これは96施設ではなくて 86施設で10施設足りませんけれども、これが半年間で717名の脳死患者を経験しています 1年になりますと1,400以上の脳死の患者さんを経験している。10施設足りませんから さらに10施設を加えますと恐らく1,500以上の脳死患者を経験することになると思うんで す。これはやはり、先ほどから何回も議題になっておりますドナーカードを増やすこと によって、ここで解決できるのではないかという感じすら私は持っています。  改めていくつかの施設を増やす必要が現在あるのかという疑問がひとつございます。 むしろドナーカードを増やすことのほうが、この96施設の中にドナーカードを持った患 者さんがかなり含まれてくるのではないか。これは確率の問題ですから何とも言えませ んけれども、可能性があるのではないかと思います。  ですから、何といっても臓器提供がないから提供施設を増やせという短絡的な考え方 ではなくて、なぜ出ないのかというところをもっと根本的に議論していただきたいと思 っております。 ○黒川委員長  ありがとうございました。 ○桐野委員  これまではドナー側の議論があまりなかったのでドナー側として発言させていただき ます。  多分、脳外科施設が議論の対象になると思います。脳外科の現在の会長であります北 海道大学の阿部先生と、脳外学会に脳死検討委員会がございまして委員長の山梨医科大 学の貫井先生にある程度意見を伺ってまいりましたが、脳外科学会としては従来から脳 死移植に関しては前向きに協力していくと、その考え方は一貫して変わらないというこ とでありますが、ただ、今回の臓器移植の提供施設に関しては、脳神経外科学会として はかなり微妙な印象を持っております。  それは、最初においては大学附属病院及び日本救急医学会の指導医施設に限るという ことを聞かれたときに、脳外学会の先生方の中には大きく2つの印象があって、1つは 脳死移植に関してドナーサイドは今後、救命救急主導でやっていただけるので脳神経外 科としてはデューティーを避けられたという印象と、それに対して、これまで従来、脳 神経外科の医師は脳死の判定基準及び法案が定められる前の脳死の移植にかかわること 等いろんなヒストリーがあって、ほとんど全面的に矢面に立ってきたにもかかわらず、 今回については脳神経外科という名前は一切出てこないということで極めて残念である というふうに見ている方もおいでになります。  後者のほうが非常に多くて、このような会に参加させていただいている私に対しては 相当の風当たりが強いという状況であります。  このA項施設というのは、もう既に古い古いものでありまして制定されたのは昭和41 年で、大学病院80に対してA項病院は203ございます。これは厳しい規定がありまして そのうえに訓練場所(A項、C項)指定の条件見直し委員会というものがありまして、 症例が足りない等の問題があれば、この学会の委員会が直接出向いてそこの視察をする ということもやっております。昭和41年制定の当時は数年は試験をやらなかったのです が、少なくとも私が記憶しているかぎりは過去ほぼ4分の1世紀以上にわたって運営さ れておりまして、試験等も極めて厳しく行われ合格率は約65%ですけれども毎年行われ ている施設です。  ただ、脳神経外科学会としては全体が一枚岩ということではございませんで、中には 臓器移植を極めて熱心に推進したいという考えの方もあれば、もう一方では脳死移植に 反対であるという方もいますけれども、脳外科学会全体の雰囲気はぜひ協力させていた だきたい、前向きにやりたいという気持ちであるといって間違いないと思います。脳外 科の関与する場面というのは、脳死移植が行われたとしても、幸せは患者さんにいって 実績は移植執刀医にいくわけでありまして、あくまでも脳神経外科医は脳死に関しては ドナーサイドの裏方というか、それに徹して協力をするという立場でやっていくしかな いというわけですけれども、ぜひやらせていただきたいという気持ちだと思います。  ただ、今回の大学附属病院及び日本救急医学会という名前が出て脳神経外科が出なか ったということについては、今度ここを拡大するということになりましても、脳神経外 科の内部での議論を経ないことには、ああそうですかということで協力することは難し いであろうというのが、会長及び脳死検討委員会の委員長の考え方のようでありました 以上です。 ○黒川委員長  ありがとうございました。 ○野本委員  倒れて遅れて申し訳なかったのですが、ぶっ倒れた原因はいま先生方がご議論してい ることを何とかしろということで4月から40日間、とにかく14〜15回の会合でいまのパ スを通してきました。大塚先生ともお話をしましたし、脳外科、神経内科、麻酔、蘇生 集中治療それぞれの学会の理事長、会長の方々とお話をして、提供が0である理由は何 かと。少ないと0では非常に大きな違いがあります。  もうひとつは、今度は地域ごとの問題として横の糸を通すために地域性をきちっと把 握しなければいけないということで、地域のガバナーとも会いながら話を通すというこ とをやりかけたのですが、そちらのほうは主に意思表示カードの普及です。意思表示 カードの普及に関しては、日本人はいろんなソサエティーに所属していますから、その ソサエティー内部で議論をしながら持っていただかないかぎり有効な持ち方にはならな いというのが私の感じでして、地域ごとに直接入って話をしながら普及させるというと ころに入ったのです。  まず前のほうの提供が0であるということに関しては、私の感じではどこが悪いので も何でもなくて、いままで我々医療界というのは患者と医者の閉鎖空間で生きてきたも のですから、今度のように社会単位のチーム医療をしろと言われたときに、誰にどのパ スを通したらお互い喧嘩せずにすむかがよくわかっていないのです。  したがって、なぜ俺のところにはちゃんと情報が来なかったとかそういう感じの話の ような気がします。いま我々が考えておかなければいけないのは、提供が少ないという のは意思表示カードの普及の問題だと思います。0であるということをもうひとつ考え ておかなければいけない。数例はあってもよかったはずのものが0になるというのは、 お互いの情報伝達とか助け合う方式がない。言わば、我々医療界はとにかく1人の患者 さんをめぐってその閉鎖空間で生きてきた癖がなかなか抜けないのが一番大きな原因と いう感じがしています。  一生懸命この間から大塚先生、阿部先生ほかリーダーの方々とお話ししたのですが、 全部その感じです。やはりそういう努力も我々がしていかないといけない。0であると いうことと少ないということに2つの背景があるんだと感じて倒れたところであります しばらく倒れっぱなしでごめんなさい。 ○黒川委員長  恐れ入ります。野本先生は移植学会の理事長として、またネットワークの副理事長と して全国を駆け回っておられまして、本当に頭の下がる思いがいたしますが、どうぞお 体を気をつけて。それが一番です。 ○野本委員 出発は食中毒ぐらいだったのですが、倒れたあと心臓も悪い、脳も悪い、肝臓も悪い、 腸も悪い、声帯も悪いと、とにかくありとあらゆるところの病気が噴いて出まして、1 週間点滴だけで張りつけられておりました。 ○黒川委員長  気をつけてくださいませ。決してお若いわけではないので。(笑)  それで野本先生、資料の1−4ですが、脳死移植になってから今年120〜130ぐらい情 報はあったと思いますが、そのうちの1割近い12が意思表示カードを持っておられたと いうことなんです。これをどう見るかというのがひとつと、大塚先生の調査研究班の話 (参考資料2)がありまして、最初のガイドラインで4種類、例えば大学附属病院、救 急医学会指定医施設という2つにしたのですが、ガイドラインにはそのほかに脳神経外 科学会、専門医訓練施設A項、救命救急センター。普通考えると救命救急センターがな ぜだめなのかなという気もしますが。その4つだったのですが、一応最初は2つで96で やろうという話になりましたよね。  ところが、大塚先生のこの調査結果を見てみますと、いま入っている2つと、まだ入 っていない2つは、準備状況、内容、医療その他については相違は認められない、とい うわけでは臓器提供は現在可能施設に限定する合理的な理由は見いだせなかったという 結論が出ているわけですが、大塚先生としては、いまのところ1件も成立していないの にすぐ増やすという理由は何なのかというお話もありました。  確かにそれはそうだと思うんですが、このドナーカードを持っていた12人の人はいっ たい何なのか。大塚先生は多分いま96施設で1,500例ぐらいの人は出るだろうということ からいうと、それでもいいではないかというお話でした。確かに数はそうだと思うんで すが、しかし逆に考えてみるとドナーカードを持っている人は全国に散らばっている。 持っている人にアクシデントがいつ起こるかもしれない。96施設に担ぎ込まれる確率は どうか。そこに入ってこなければいけないわけです。自分が突然倒れたときにそこに行 ってくれということはないわけで、近いところを考えますね。  96施設というのは、考えてみると47の都道府県あるとすると1都道府県に2しかない んですね。 ○小林局長  1つしかない県も相当あります。 ○黒川委員長  0というところはないんですか。 ○小林局長  1県1大学ですから0ということはないんですけれども、1つしかないということで いま先生がおっしゃったように県の人たちにしては、そんな病院に行く可能性はないん だと。そうすると、私が提供したいと患者が意思表示したのに生かされないということ をきつく言われております。 ○黒川委員長  私はそれを言おうかと思ったんですが、必ず各都道府県に大学病院はあるというから 1つはあるというのは、田中角栄さんの功績だということになってしまいますかね。そ れはともかくとして、少なくとも1つはあるかもしれないけれども、広いところに人が 住んでいて、何かあったときにそこに行くというのはかなり難しいのではないかという 状況がむしろ多いのではないか。  そういうことからいうと、ドナーカードを持っておられる人が半年で12人もあった。 情報があったうちの1割がそうで、いまの96施設で1,500ぐらいの脳死の状況が毎年生ま れる、だけどドナーカードを持っている側からいくと、そんなところに行く確率はかな り低いということからいうと、しかも2つと4つの施設では準備状況その他については 違いがないということを考えたらどうなるのかという話。 いままで0だから増やすという理屈は私も大塚先生のおっしゃるとおりだと思います が、ただ、持っている人の立場からいうと、96というのはディストリビューションから いうと東京あたりは比較的問題が少ないのかもしれないけれども、地方のことも考える とかなり厳しいのではないかという気はしたんですけれども。 ○野本委員  日本中で何やかんやと引っ張りだされて、とにかく今度の第2ラウンドは日本中に足 を運ぶことだと覚悟しているものですから、地域地域の市民の方からこの移植の問題に 関して何らかの接点がないと協力しようというエモーションにならない。これが一番問 題です。  移植施設が割合絞り込まれている、これは極めて極端に絞り込まれていますからむし ろ納得してくれている。ところが、実質的には大学病院が活動していない都道府県では 実際はないんですね。そうしますと、いろんな話を私がしてそういうことをアプローチ しても、先生はそういうことを言われるけど、ここで倒れたらどうするんですかと。そ ういうふうに言われたら、どうしようかなという話になるんですよ。  それと、大塚先生のご心配の件に関しても、もうひとつは桐野委員がおっしゃられた ように、今回もし脳神経医学系のところをOKといっても、恐らく救急医中心のいまの 2つの施設と同じ歩調ではいかないと思います。むしろ今回3番目の脳神経をこの中に 入れてあげてはじめて本格的に準備が始まるのではないかというのが、今回私が歩いて の感じです。  この間も阿部さんとお話ししましたし、脳外科のいろんなリーダーの方ともお話しし たんですけれども、準備しろといってもいつになったら使ってくれるかわからないのに という話に結局なるんですよね。その学会の縦の糸と、もうひとつはとにかく地域に行 ったら甲子園の野球だとお考えください。縁のないチームには応援しません。だから、 何らかの形で応援できる体制は都道府県に普及していただかないと、私が行きますとけ んもほろろでやられることがあります。何しに来たと、来るなら局長に話を通してうち の県にも何かできるようにしてから来いという扱いですね、要は。  そこらあたりを考えますと、直接はいまの合同委員会で別の仕組みで動くわけですけ れども、こちらのほうで少し増やして準備をしていただく。恐らく半年ぐらいは桐野委 員がおっしゃられたように実行はないと思います。半年間ぐらいで準備を早急にしてい ただきたい。なぜかというと、あなたたちのところはそういう有資格になりましたよと いうのが一番望ましいのではないかという感じがしております。  何人かの脳外科の方々とお話しましたけれども、やはり最初のOKが出ないことには 何の準備をしろというんだという話で、私といたちごっこになります。というのが私の 感じです。 ○大久保委員  私は学会のことはよくわからないんですが、我々の会の方とか一般の方から言われる 素朴な疑問は、先ほどの3番のところに、最初の数例の脳死者からの臓器提供について は大学附属病院及び日本救急医学会の指導施設に限ると、最初の数例だけはここでやっ て、その数例以後はなぜ違うのかと。  要するに、同じような信頼できる医療機関であるのであれば、最初の数例もそのあと も同じでなければいけないのではないか。準備ができないということなら話は別ですけ れども、基本的になぜこの1、2、3を満足しているところであっても大学附属病院、 日本救急医学会の指定施設に限らなければいけないのか、それもなおかつ数例に限らな ければいけないのはなぜなのかという疑問は、我々がカードを配っているときも話とし て出てきます。なぜ提供施設としてうちの救急病院はだめなんだという話が出てくるの で、私もなぜ数例だけが……。確かに、数例に関してはマスコミが注目するからとかい ろいろあるのかもしれませんけれども、本当に厳密の意味できちっとした治療を行って 脳死判定から臓器提供をする病院であるならば、当然、最初の数例もそのあとの何例も 同じでなければいけないのが基本ではないかと素朴に思っています。 ○大島委員  私は移植(腎臓)をする立場なので、この議論というのは話しにくい状況にあります けれども、もちろん施設拡大という方向でいけば移植する側からいけばこんなにうれし いことはないというのが本音のところです。  この法案のプロセスを見てきたときに、いま大久保さんが理屈が通らないじゃないか と言われましたけれども、ある時点では完全に理屈を越えた法案の審議過程だったと私 は見てきました。その理由は、とにかくいくつかの移植医に対する不信だとか医療に対 する不信がベースにあった。30年間という蓄積のうえに乗っかっていて何とかしなけれ ばいけないということだったわけですけれども、とにかく完璧なものをつくるというこ とが一番重要であって、つくられた法案がいかに効率的、有効に機能するかという議論 はほとんどなかったと思います。  とにかく完璧につくるんだと。パーフェクト、100%なんてことはないということは誰 もがわかっていますけれども、しかし、この問題に関しては100%を保証するような状況 でなければいけないという流れができ上がっていて、それは暗黙の了解の中で、それで なければ法案は通らないということで了解があったような感じがしていまして、それは ロジックではなかったというふうに私は思います。  0が半年続いて大変なことだということで冷静に考えてみたら、こんな厳しいことで は難しいんだなということがはじめてわたったと。半年という期間がそういったことを 冷静に考えるために必要な期間だったのか、あるいはもう少し必要なのかということは 私にはわかりませんけれども、少なくともそういう背景があって、その背景を、それで は御破算にしてという形でもっていけるのか私にはまだよくわかりませんけれども。と いうことは十分に認識しておく必要があるのではないかと思います。移植医の言う発言 ではないかもわかりませんけれども、そう思います。 ○黒川委員長  先ほどの野本先生の話ですが、96の施設も資料の1−5にあるように、準備状況とし ては100%OKではなくて80%ぐらいなんです。だから、ほかのほうももちろん準備状況 によってするかしないかはそこが決めることだと思いますけれども。  だから、大島先生の意見ももっともだと思うし、大久保委員の意見ももっともだと思 いますが、私どもが注目しなければならないというのは、それが事後になっていったい 何が起こったかということを分析しながらの話で、最初の数例が出ればといって多分出 るかなと思ったら出なかったと。実際の話を見てみると、情報提供のうちの1割近い人 が実はドナーカードを持っていると。持っているけれどもそこになかなか簡単にはいか ないいろんな理由があるわけです。メディカルな理由で。  ところが、今度ドナーカードが1%かもう少し増えてきたときに、野本委員がおっし ゃったようにドナーカードを持ったからといっていつ何が起こらないように1都道府県 に少なくとも1、多くて3か4、そういうことでは我々は参加のしようがないではない かというのも、実際ドナーカードを一生懸命普及させて、そのあとのフォローアップが まったくないというのと同じ意見かなという論点が出てくるのは当然のことだと思いま す。  10月までの症例の話とガイドラインのところで急いでいたときには、どこまで普及す るかということはなかなか見えていなかったのが事実だと思います。そういう事実を踏 まえながら、あくまでもこの専門委員会あるいは脳死の移植を推進していこうという立 場であるならば、どのように法律の実行を生かしてあげるかというのがこの委員会の趣 旨ではないかと個人的には思います。  大久保委員の言われることもそうだけれども、それはいままでの全体の日本の流れを 見るとどの社会でもそうでして、では自分の責任でみんなやってくれと言っているのと 同じことだと思います。そうはなかなかいかないところがこの世の中ではないかと思い ますけれども。 ○井形委員  数例に限るということは、昔から脳死をいい加減に判断しており脳死かどうかも疑わ しいのではないかという批判に答える方法としてはある程度やむを得なかったことだと 思います。ただ、臓器移植が国家的な課題になっていますし、現実には1例も出ないこ とを受けて海外にまた行こうとするムードが起こりつつある状況からみれば、昔と違っ ていま若干これを広げても脳死はいい加減にしているんだという批判は起こらないだろ うと予想します。  そういうことを思いますと、最初の数例がとにかく出ていただくことを期待しますけ れども、今少し施設を広げることを検討し始めても良いのではないか。もちろんそれは 厳重な条件で、倫理委員会があるとか脳死の判定についてはまったく問題ないという確 証があるところについてのみに限定して提供施設を若干広げる検討を進めてもいいので はないかと思います。 ○黒川委員長  それが大塚先生の研究事業の報告では、いまの2つのカテゴリーと4つのカテゴリー の差はないという研究の成果の結果と、いま認められている96のうちでも準備できてい るというのは80%ぐらいだということから言えば、もちろんできていないところはでき ないわけなので、やってよろしいのではないかということを言ったうえで準備状況ので き方は違うと思いますけれども。 ○大塚委員  いろいろご意見いただいておりますけれども、結局は施設がどうのこうのということ ではなくて、そこにいるドクターの臓器移植に対する姿勢なんですよ。それだけなんで す。そういう姿勢がある施設であるならば、どこから出してもいいのではないか思いま す。  ですから、いまご議論あるように、当初は大変厳しい法律をつくって動きだしたので すけれども、それに応えるべき施設のほうも厳しくやろうといったのが数例ということ になってきたと思うんですけれども、現実はこの資料1−5にありますように、96の施 設でも準備状態に入っていないところが実はあるんです。そういうところはいくらやれ やれと言ってもなかなかうまくいかないと思うんです。  先ほど申しましたように、その施設が臓器移植に対してどのぐらい関心を持っている あるいは積極的に参加しようというドクターがいるかいないかにかかっているわけです ですから、単に救命救急センターといってみても、そんなもの知らないよというところ がいっぱいあるわけなんです。そこをどうするかという問題なんです。ですから、地域 性のことがあってもう少し広げようということに対して絶対反対ではございませんけれ ども、そういうところをどうやってチェックしていくのかということです。  これは腎臓移植でもそうですけれども、出ている病院というのはある程度限定されて いるのではないかと思います。というのは、いま申し上げましたように、そこの病院に 移植に対して大変熱心あるいは関心を持っているドクターがいらっしゃるからだと思う んです。だから、救命センターという看板をあげていても、そういうドクターがいなけ ればそんなもの知らないということになってしまう。そこをどうするかの問題。ですか ら、地域的に施設が足らないから広げるということであるならば、それは私は反対いた しません。 ○桐野委員  軽はずみなのか熱心なのかわかりませんが、いままで臓器移植の法案ができる前に協 力してやろうかということで検察の取り調べの対象になってしまったのは、多くの場合 脳外科医なんですね。脳外科医の中には本当に協力したいと思っている人はいます。  例えば、A項ですが260近くもあるので、東京都内で言えば都立病院、国立医療セン ター等の国立病院、虎の門警察病院、三井記念病院等、東京都内の基幹病院です。これ は臨床レベルからいえば大学病院と何ら遜色はないどころか大学の上をいくレベルの臨 床をやっているところもあります。したがって、大塚先生の調査のとおりだと思います が、内容的にはこういう委員会でオーソライズしていただいて、そして協力依頼という ことであれば十分可能だと思います。  ですから、学会というのがどう関与するのか私はよくわかりませんが、学会での議論 もぜひやらせていただきたいと思います。その機会というのは年に1回しかございませ んが、今回は10月13日に札幌で開かれます脳神経外科学会総会において運営委員会が開 かれて、14日に評議員会が開かれますので、それまでにいろんな体制を脳外科でぜひ検 討していただきたいということではっきりすれば、その時点で脳外科の学会としての態 度ははっきりすると思います。 ○大島委員  私は施設拡大とか脳神経外科と救命救急、それなりに医学界にいますのでいろんなこ とは多少わかっていますけれども、そういったいろんなことがあることがわかっていて その点に関してはどうしても移植をする側の立場ということであまり発言ができにくい のでしないようにいたしますけれども、今度の法案を考えるときに、世界でこれほど本 人の意思を重視した法案というのはないわけです。 そういう観点からいったときに、考えようによっては非常にいい法案だということも 言えるわけで、これほど本人の意思を重視した法案というのは世界になければ、本人の 意思をきちんと重視するような社会の構造にもっていくということ、あるいは社会全体 がそういうふうにするということが、その意思を重視するということにつながってくる わけですから、そういう機運というものがきちんと日本の中にできていれば、こんない い法案はないというふうにも考えられると思ってきたわけです。  実際には厳しさだけが強調されてしまって、本人の意思をいかに生かしていくか。先 ほど大塚先生のお話にもありましたように、救急の現場でドナーカードがあるどうかと いうことがガイドラインに書いてありますけれども、本当にドナーカードを保持してい るかどうかということを救急の先生あるいは脳外科の先生が確認してくれるかどうかと いうことすらほとんどの人が疑問に思っている。大久保さんなんか、まずそんなことを してくれる人は少ないのではないかと推察しているぐらいの状況があるわけですから、 いまの法案の中で何かやれることがあると思うんです。  そのひとつは、そんなことが可能かどうかわかりませんけれども、意思を明快にさせ るということであれば全国民の意思を何とか確認する方向があると思います。可能かど うか別にして、いまの法案をきちっと重視するという方向で考えたときに、考えられる 方策としてはそれがひとつあると思います。そして、その本人の意思をとにかく重視す るということであれば、亡くなられるときには必ずドナーカードを保持しているかどう かを確認する。法案で決めるのかガイドラインでやるのか局長通達でいくのか、あるい はそんなことはやってはいけないことなのか、これも私にはよくわかりませんけれども 少なくとも法案の趣旨を生かそうということであれば、その法案の中でまだ十分にやれ る対策はあるのではないかと思っております。 ○黒川委員長  ひとつ事務局に伺いたいのですが、資料の1−5ですが、いまの96施設のうちに例え ば脳死判定医選定の有無のところで選定していないところが16%。ご自分たちでまだ十 分ではないなというところがいくつかあったとして、そこに患者さんが行ったときには どうなんですか。やらないということですね。 ○朝浦室長  はい。 ○黒川委員長  実際上やれないということですね。わかりました。それは別に外部に行っているわけ ではないわけですよね。そうすると、そこに患者さんがたまたま運び込まれると、あそ こは残念ながらできませんなということだということですね。 ○朝浦室長  そういうことです。 ○黒川委員長  そうすると、今度の脳外科の場合もそうで、そういう先生がおられなければそれはで きないということですよ。それはどこでもそうだと思うんですけれども。 ○矢崎委員  臓器移植で一番問題なのは心臓移植が一番大きなポイントだと思って、私も循環器学 会で対応しているわけですけれども、資料の1−2から3の話を聞きますと、腎臓は心 臓死でも移植可能なわけです。しかし、提供腎の数が非常に偏っている。これは先ほど 大塚先生がおっしゃられた、そこにいる医師がどれだけ移植に対して熱心であるかとい うことにかかっているわけです。  ブロック別に見ますと、例えば東海地方が実績が高くて、むしろ献腎をブロック外に 出されるほどの活躍をされているということをお聞きしました。施設の議論ですけれど も、これはドクターサイドの問題で、ここにいる方がどれだけ脳死の臓器移植を真剣に 考えてやろうという中核になるドクターがいるかどうかにかかると思うんです。ですか ら、数を端的に機械的に拡大しても中核となるドクターがいるかどうかということにか かってくるので、むしろ救急担当あるいは脳外科の先生方の脳死の肝移植あるいは心臓 移植をやる施設と、比較的関連の深いところにもう少し提供に対する熱意を盛り上げて 個別的にいったほうがいいのではないか。  というのは、春に2万人の会員のうち1万人が集まって循環器学会をやりまして、意 思表示カードの所持と臓器ネットワークへの寄付を3日間入口で私自信が宣伝して行い ましたけれども、なかなか実効が上がらなかった。熱心な先生は非常に熱心に協力して くださいますけれども、そうではない先生は評議員会に何度もいっていてもやってくだ さらないというところもありますので、意思表示カードの普及の問題と施設の数の問題 と、もうひとつ移植に熱心な現場の先生をどういうふうにリクルートするかということ が、腎臓の移植の現況を見ますと大きなポイントではないかと思います。  東海地方で腎臓の移植を行われている大島先生はそのへんの苦労があると思います。 どういうふうに進めたらいいかとか、そういうことのほうが実効は上がるのではないか という感じがしました。ですから、心臓と肝臓の移植が指定されていますけれども、そ の先生方とタイアップして何んとか……。移植手術に関しては、だいたい生体部分肝移 植あるいは心臓の手術その他もどんどん進んでいますので、いまポイントはドナーと移 植施設をどう結びつけるかというところにあるのではないかと思います。移植施設とド ナー施設をどういうふうにオーガナイズしてやっていくか。  いまはじめてお聞きしたのですが、野本先生が健康を害されるほど一生懸命やられて も、熱心な先生をつかまえないかぎり……。私も学会でもすごく努力したのですが、学 会自体で盛り上げるのは簡単ですが、実際に誰がどういうふうにしてやるかというとな かなか動かないところがある。チームワークをもう一度つくり直して、脳死の方が出た ら絶対こういう手順をやるんだという現場の救急あるいは脳外科の先生をどなたかリク ルートして、なにか組織をつくるほうが現状では早道かなと思います。  それともうひとつは、まだ移植に対して国民全体が十分に理解していない段階で、例 えばドナーが出ないから施設を増やすとか、あるいは意思表示カードの普及に対して同 時に進めるのはいいんですけれども、例えば健康保険証の問題とか運転免許証の問題も 出ないからという論理でいくといかがなものか。むしろ移植が医療として定着し国民の 信頼を得た段階でドナーの数が足りない。先ほどの0と少数というのは大きな違いがあ るというのは僕もまったく賛成で、ですから、ドナーの数が少ない段階で国として健康 保険証とかそういうものを考えるということで、いまの段階はともかく実施できるよう な組織を何とかリクルートしてつくることが重要ではないかと思います。  僕は循環器学会で1年半この心臓移植のキャンペーンをやっていましたけれども、熱 心な方は熱心なんだけれども大部分の方は他人事のような感じでなかなか協力いただけ ない。やはり最初の段階ではしんどいというところがあって、実施施設、実際にドナー を出す施設の先生方に大変な負担をおかけすることになると思いますけれども、もしそ ういうことが可能であれば数例というのは確実に出るのではないかと思います。網を広 くしても、これは大変しんどい事業ですのでなかなか参加してくれないところがあるの ではないかと思います。それを実感しました。 ○野本委員  そういう本気でやってくれる方を掘り起こすために、私は最初に大塚先生にお願いし 6つ7つと提供の現場の担当する学会のリーダーの人とお話をした理由は何かと言いま すと、地域によって熱心に提供してくださる方の所属分野が違うんですね。そういう先 生とお話ししたら、やはり医学の基盤は学問ですから自分の学問に帰属するグループの 考え方を非常に尊重されます。これは当たり前のことです。だから、救急関係ですとや はり大塚理事長がどんなに考えているかをまず野本さん引き出してくださいと。そして 大塚理事長から方針が立てれば我々は動きますということ。脳外科もそうなんです。  日本中歩いてみて場所によっては、自分は提供するけれども所属しているのはだいた い脳外科なんだという人もいます。いま矢崎先生がおっしゃられた熱心な人を掘り起こ していくために、やはり熱心な人が入れるような仕組みをつくっておかなければいけな い。 今回網を広げるというのは、バーッと施設を広げるのでは何の意味もありません。た だ、それぞれの分野に所属している人が自分の学問分野に声をかけて、例えば今回は私 は参加しますと言ったら、しっかりおやりと言える体制を我々は準備しないと、それを それぞれ大学とか大手の病院の部長、すなわち医学といえども学問をやっている人たち が勝手に自分の分野の意向を無視して私は勝手にやりますとなると学問の崩壊ですから それをさせるわけにはいかない。これが私が大塚先生を筆頭にお願いして回って相互乗 り入れの協定を結んできた大きな背景です。 しかし、そのときに結んできたものをもっと生かそうとすると、いま矢崎委員のおっ しゃられたように2つのグループ以外の方々でも手を差し伸べられる、手が組める体制 をつくったほうがいいだろうという感じがします。これは日本中ヘトヘトになって歩い た実感でございます。 ○黒川委員長  野本理事長は腎臓移植ネットワークができたときでさえも、情報がぜんぜん出ない都 道府県は知事さんに会いにいっておられるんですね。腎臓の場合はそれでもいろんなと ころに出たときには情報をくれますけれども、今度、心臓・肝臓が脳死になると、設備 がこれだけ限られていると、そういっても野本理事長の努力がまったく実らないという 要するに、カードを持っている人に何がしてあげられるのという話が実際に問題になる のではないかと思っていますし、実際に情報が出ているうちの10%がカードを持ってい るというのはものすごく重いのではないかと私は思っています。 ○小柳委員  矢崎先生、野本先生のご意見と同じようなことを申し上げますけれども、ウェイティ ングリストを実際に抱えている立場のことも少しお話させていただきます。私どものレ シピエントも、施設が限られておりまして東日本全てから集まっているわけではありま せん。限界があります。それから、意識がうんぬんというのは失礼な話かもしれません が、レシピエントの情報がまったく出てこない県もある。非常に限られた移植先進地域 からレシピエントが紹介されてくるというのが現状です。そういうところには患者さん をお返しして管理していただくこともできるような距離のところが多いということが言 えます。  この厳しい法律の下で、何とか最初の数例はやるという覚悟で始めましたけれども、 実際にはお2人の先生がおっしゃったように非常にローカルなエリアの事情が優先する かなと思っております。私どもが救命救急センターの休憩室の中まで入れていただいた ような施設もありますが、これからはそういうローカルな関係が大事になってくるかな と思っております。  最初の数例という意味がどういう意味か考えてみますと、67年に心臓移植が4例行わ れたあと、次の年にハーバードクライテリアができたんですね。次の年に脳死の診断基 準ができておりますので、そういうふうに整備の仕方が後追いでいったのがアメリカで すけれども、30年たったら30年たっただけの抜群のスタートを全国規模で切りたいと思 いましたけれども、実際にはそういうローカルなことでいくのではないか。実際におつ き合いして中も見せていただいた救命救急センターなどとの関係が改めて大切になって いくと思っています。  スタンフォードはベイエリアの周りで最初スタートしたということがありまして、今 の日本もそういう時代ではないかなと思ったのです。施設が限られている現状ではスタ ンフォード時代に似たようなことを考えなければいけないのか。それはいま矢崎先生と 野本先生がおっしゃったような現実プラクティカルな相互の関係かなと思います。  いままでも準備の時期にそういうことをやってきたのですけれども、改めてそういう ことを思い出します。 ○黒川委員長  時間も過ぎていますが、またご意見を引き続き伺うようにしたいと思います。  私もネットワークをやっていて意思表示カードを持っている人がいますよということ をぽちぽちと聞くようになって、きょう集計していただくとだいたい10%が持っておら れたということになると、持っておられる人の意思は何だったのかということを考えな ければいけないのではないか。意思表示カードをたくさん配るのが大事だ大事だとおっ しゃっていて、確かにいまの96施設でも、それが増えれば意思表示カードを持っている 人がだんだん増えるというのは正論だとは思いますが、しかし、地域によっては意思表 示カードを持っている人が何かイベントが起きたときにそういうところに行けるかとい うと、その確率は極めて低いという状況が実際はあるわけで、そういう方たちを考える と、いったい何のために配って何をしているのかなというのは、いまの移植のドナー カードの配布状況が十分だとは言わないけれども、10人に1人は意思表示カードを持っ ているのは相当なものではないかと思ったんです。  そうすると、こういう委員会ができてそういう移植をしようということになった委員 会ですから、そういう人たちが出たときにその人たちの意思をいかにくみ上げてあげる か、しかもそれが粗相のないようにくみ上げてあげるということがすごく大事だと思う ので、そうすると2つから4つに増やしても、いま大塚先生の研究班で言っておられる ように内容にぜんぜん差はないということであれば、もとのガイドラインのほうにそう いうふうにしてもいいのではないかと思います。もちろん全部の施設がやれというわけ ではなくて、大塚先生がおっしゃったように、あくまでもそこの先生がやろうといって 体制を整備されたときにやられればいいわけなので、アプリオリにそこはできませんよ というのは、そういう気持ちを持ってくださる患者さんにすごく申し訳ないんじゃない かという考えもあるのではないかと思ったわけです。  それから、野本先生はお体を壊してまで全国行脚をされまして、情報が出ないところ には知事さんに掛け合いに何県も行っていましたので、そんなことをされて先生は国立 大学の教授だというのに首になるんじゃないですかと心配して申し上げたこともあるん ですが、1日で九州、北海道、東京と行かれたんじゃないですか、最近も。そういうこ とをしているので本当に申し訳ないなと思っていますが、そういうことからいうと、各 地域のニード、感情、こういうことをやっていてどうしくれるんですかという声は本当 に切実なものではないかと野本先生とお話ししていてもそう思うんですが、そのへんは ここで聞いていてもなかなかわからないことが多いかなと思います。 ○小林局長  次回をどうするかという日は設定しておりませんが、きょうの話を事務局で整理して 黒川委員長先生と相談をして、また改めて日を決めて会合をもたせていただいて、次回 ぐらいには結論を得たいと思っております。その前には関係学会とも私のほうでお話を 申し上げなければいけないと思っております。きょうのところは結論は出さないという ことで。 ○矢崎委員  私の発言で、施設を広げるのは反対という意味ではなくて、何がの基準で機械的に拡 大するのはあまり意味がないのではないかと。黒川委員長が最後におっしゃったように ドナーカードを持っていながら善意の意思が結局は実現しないということが大きな問題 だと思うんです。そのときはそこにいる現場の方がどれほど移植に対して熱心か否かに よると思いますので、私としては、先生が粗相のないようにということをおっしゃいま したけれども、かみ砕けばそういうことでありまして、先ほどの大学附属病院あるいは 救急医学学会にしてでも意思が報われない可能性がものすごくあると思うんです。です から、意思が報われる提供施設に考え直していただいたらいいのではないか。0という ことは、そういうところに問題があるのではないかということで、施設を拡大すること に反対という意味ではなくてつけ加えました。 ○黒川委員長  最初のときに大学附属病院をOKしたときに、本当にそんなことを言っていいんです かという話が議事録に残っていると思うんですが、全ての大学附属病院はOKだという ほどみんな施設がいいんですかと。いま矢崎先生がおっしゃったとおりでできていない ところも多分あると思うんです。 ○小林局長  ということで、またこの引き続きをさせていただきたいと思います。日付はまだ設定 せずにということで、できれば次回にはまとめられたらまとめたいと思っております。 その場合の準備については黒川委員長とよく相談をさせていただきたいと思います。 ○黒川委員長  時間が過ぎましたけれども、残りの報告事項についてはどうしましょうか。補正予算 情報管理のことについて簡単に事務局から説明していただけますか。 ○朝浦室長  資料4をお開きいただきたいと思います。臓器移植ネットワークに関する平成10年度 の補正予算(案)でございます。ここに書いておりますように、国立佐倉病院に設置さ れているホストコンピューターについて、更新の時期を迎えるということもありまして 臓器移植ネットワーク本部にホストコンピューターを新規に設置して、あわてブロック センターの端末についても新たに整備をするという予算で、約3億円、現在の補正予算 の中で計上しておりますのでご報告をさせていただきます。  次のページでございますが、ネットワークの準備委員会の報告書(平成9年8月)に おきまして、情報管理体制については国立佐倉病院に設置されたコンピューターをメイ ンシステムにするということで取りまとめられておりますけれども、今回の補正予算 (案)におきましては、この考え方を若干修正させていただきたいと思っております。  ドイツの臓器移植法の概要、現在行っております小児の脳死判定基準に対する研究の 概要につきましては、資料でお配りしておりますので後ほどお読みいただきたいと思い ます。  以上でございます。 ○黒川委員長  では、そのようにさせていただいて、お忙しいと思いますけれども例の竹内委員会の 小児の脳死判定の検討の経過が書いてございますのと、ドイツの臓器移植法について参 考がございますので、お目を通していただければと思います。  そのほかに何かございますでしょうか。もしございませんようでしたら、きょうの専 門委員会はこれで閉会させていただきます。ありがとうございました。 (以上) 問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室    担 当 重藤(内2361)、眞鍋(内2364)    電 話 (代)03-3503-1711