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医療保険福祉審議会 第2回介護給付費部会議事要旨


1 日時及び場所

平成10年5月25日(月) 16時00分から17時15分
厚生省 特別第一会議室

2 出席委員

星野、青柳、井形、石井、加藤、喜多、京極、見坊、中西、中村、成瀬、野中、橋本、堀江、見藤、村上(忠)、村上(勝)、山口の各委員、鈴木参考人

3 議題

(1)現在の診療報酬、措置費等の概要について
(2)老人保健福祉部会における指定基準の審議状況について
(3)その他

○ 資料006「老人診療報酬について」に沿って松谷老人保健課長より、資料007「老人福祉サービスの費用について」に沿って青柳老人福祉計画課長より、それぞれ説明。

(橋本委員)

特別養護老人ホームの措置費の例として、今年度の大都市の定員50人という最も高い例が資料に出されているが、医療費との差を狭めておきたいという配慮があってこうしたのか。

(青柳課長)

確かに、全国的な特養の定員の平均は、70名から80名ぐらいだが、施設数の分布から見ると、50名規模の定員のところの方が多いので、一般的な特養の姿として示したものである。

(青柳委員)

各種加算について、具体的に教えていただきたい。

(青柳課長)

事務費関係の例では、1級地から5級地までに分けた寒冷地加算、特別養護老人ホームにおける痴呆性老人の介護加算等がある。生活費関係の例では、一般の生活費以外に、期末加算、被服費の加算等がある。
(京極委員)
老人福祉の費用は、全国一律ではなく、地域差がある。他方、医療の方は、全国一律的な面が強い。その2つを介護保険でつなげていくとき、大変大きな問題となる。介護保険は、市町村で行うので、多少地域差があっていいのではないか。ただ、あまり細かくせず、標準を決めたら、あとは市町村が選んで主体的にやっていく方がいいのではないか。

(松谷課長)

診療報酬でも、平成6年の改定で、入院環境料に4種類の加算をつける形で、若干の地域差が設けられている。

(中村委員)

介護報酬の制度策定にあたっては、今の老人保健施設療養費のように、毎年、減額、利用者制限等、複雑多岐にならないよう、利用者にとってわかりやすいものにしてほしい。

(見坊委員)

老人保健施設では、制度によって支払われる20数万円の他に、6〜7万円の制度外の個人負担がある。一方、特別養護老人ホームでは、そのような負担がない。介護保険になると、特別養護老人ホームでも、食費その他が個人負担になるというが、分かりづらい。現行の施設サービスにおける公費や医療保険の負担と自己負担の実態を、もう少しわかりやすく示していただきたい。
また、特別養護老人ホームは、老人医療施設に比べて1人当たりの費用が低いと言われているが、在宅者より多くの医療費を使っていると聞いている。実態を教えていただきたい。

(野中委員)

特養の措置費は、入所定数が増えるにつれて額が下がっていく。厚生省が出される場合には、きちんと示してほしい。
短期入所を利用し、家族が介護しなくてもいいという体験を重ねていくと、どうしても長期入所の要望が増えてくる。家族による介護が可能で、家庭と同居できる場合は、どんな事情があっても入所しない、という対応が必要ではないか。
利用者の扶養義務者からの費用徴収では、所得の多い同居家族でない人たちの負担が少ない。この辺の見直しを、きちんとしてほしい。
70歳以上のお年寄りは、障害者手帳を持っていれば、老人医療費の無料化に加えて、障害認定による福祉分野での恩恵も受けられることになる。障害認定の申請しないで真面目に行く人との格差が、あまりにも大きい。医療、介護と福祉の問題を、厚生省として整理をしていただきたい。

(青柳課長)

特養の措置費については、ご指摘のとおりであり、補足資料を用意したい。
短期入所については、緊急避難的な意味を持って発足したものが、計画的利用へと拡大されてきた経緯がある。また、家庭介護プログラムの提示を目的として発足したホームケア促進事業では、利用できる在宅サービスの種類や量が不足していたため、狙いどおりに行われていない面がある。介護保険では、短期入所と他の在宅サービスのメニューと組み合わせることで、単純に施設入所につながらないようにしていくことが課題である。
費用徴収基準については、制度が何度か変わり、混乱している部分がある。現時点では、入所者本人と同居をしていた配偶者あるいは子どもに限定をする、というのが原則で、ただ、一人暮らしのお年寄りを税制上の扶養控除の対象にしているような場合については、別居している子どもの方についても、扶養義務者にする、という扱いで統一している。
制度の二重構造というご指摘については、介護保険ではそういった重複が起こらないようにするのはもちろん、他にも整理、調整すべき点があれば、中長期的な課題として受け止めていきたい。

(中村委員)

医療保険と比べ、特養の費用負担は一般に知られていないので、入所者負担を具体的に示してほしい。特別養護老人ホーム入所者は、年収50万円ぐらいまでの方が圧倒的で、今後低所得者層への対応について議論をする上での材料になる。
また、老人保健施設の費用負担は、所得と関係がなく利用料が設定されているが、特養の場合は、所得が高くなると、負担額がうなぎ登りになる。その比較資料も、特養の実状を知る参考のため、用意していただきたい。

○ 参考資料1、2、3に沿って、高井介護保険制度施行準備室長より説明。

質疑等なし。

(加藤委員)

現状の特養や日帰り介護への建設補助金の問題で、これから参入してくる民間事業者には建設補助金は出ないと思うので、データを出していただきたい。
訪問介護は、平成10年度からは事業費補助方式になったが、まだ一部、委託払い制度が残っていると聞いている。そのデータを出していただきたい。また、市町村職員の訪問介護員は、大体どのくらいの人件費がかかっているのか。

(青柳課長)

特養、日帰り介護の建設補助金については、地域によって補助金の額は違ってくるものの、補助率については、国が定めた基準に対して、国が1/2、県が1/4を補助する仕組みとなっている。実際問題は、この補助基準の中になかなか納まり切らず、超過負担になる場合もある。
訪問介護の事業費補助方式は、平成9年度に事業費補助方式に切り換えの済んだ市町村が、全国の市町村のおよそ1割の300ほどで、残りの9割は、平成10年度で切り換え中である。
市町村職員の訪問介護員の人件費は、補助金の金額に、各市町村でそれぞれの給与表を当てはめ、いわば上乗せの賃金を出している場合もある。
(星野部会長)
他にご発言等がなければ、本日の審議を終了としたい。


 問い合わせ先 厚生省老人保健福祉局企画課
    電 話 (直)03-3591-0954
 厚生省老人保健福祉局介護保険制度施行準備室
    電 話 (直)03-3595-2890


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