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医療保険福祉審議会 第1回介護給付費部会議事要旨


1 日時及び場所

平成10年4月13日(月) 16時20分から17時30分
厚生省 共用第6会議室

2 出席委員

星野、青柳、井形、石井、加藤、喜多、京極、見坊、下村、田中、中西、中村、成瀬、野中、橋本、堀江、見藤、村上(忠)山口の各委員、蒲生参考人

3 議題

(1) 開会及び委員の紹介
(2) 部会の所掌及び今後の審議日程について
(3) 介護報酬設定の基本的考え方について
(4) その他

○ 資料002「医療保険福祉審議会令」、003「介護保険に関する介護給付費部会と老人保健福祉部会の所掌について」、004「介護給付費部会の審議日程(案)について」、参考資料に沿って、唐澤次長より説明。

(青柳委員)

在宅介護サービス、施設介護サービスの運営基準のうち、サービスの取扱いに関するものは給付費部会で、それ以外は老人保健福祉部会で、という説明があったが、例を挙げて具体的に教えていただきたい。また、診療報酬の検討をする場である中医協とは、どういう連携、連絡をとって審議を進めていくのか。

(唐澤次長)

給付費部会のサービスの取り扱いに関する基準では、サービス内容の説明をすること、保険証の確認をすること、記録の記載、サービス提供の基本的な取り扱いの方針、といったような事柄を決めていただこうと考えている。具体的なイメージとしては、診療報酬の療養担当規則に相当するようなものである。
老人保健福祉部会では、例えば職員の勤務体制の問題や、入所定員の遵守、災害対策といったような、運営基準を決めていただこうと考えている。
医療の診療報酬と調整が必要な、訪問看護、療養型病床群というようなものについては、中医協との連携を十分図りながら検討を進めていただく必要があると考えている。

(青柳委員)

今説明したようなことを具体的に書いておいていただきたい。また、現行の施設設備基準、人員配置基準を見直すことまで含めて、この部会で、あるいは老人保健福祉部会で検討をするつもりなのか。現状をそのまま認めたうえで、介護報酬の枠をつくっていくのか。確認をしておきたい。

(唐澤次長)

まず、人員、設備基準について老人保健福祉部会の方でご検討いただく。また、現状の診療報酬では、最低基準以上の配置をしている場合には、さらに厚い点数の基準を設けているような場合があるが、そうしたことを、ここで審議をしていただきたい。

(中村委員)

介護報酬で扱われる部分とそうでない部分を決める時期が、多少遅いのではないか。介護保険で扱われない福祉サービスの部分というのは、平成11年度予算の中の一般財源で見ていただかなければいけないのではないか。

(唐澤次長)

一般的な福祉サービスをどういうふうにしていくかという事柄については、この部会で直接ご検討いただく事項ではないが、全体としての施策は連携を取って進められるようにしていかなければいけないと考えている。

(中村委員)

福祉の立場からの要望として、制度上の線引きが行われた時に介護保険の外へ出てしまう部分は、一般財源で手当していただきたい。

(下村委員)

先程の答えでは、介護保険の発足により報酬は見直しても、今のシステムはそのままというふうに聞こえたが、基準のあり方も含めて、検討すべきだ。

(唐澤次長)

施設の場合、介護報酬は要介護度別に設定するという考え方があるが、施設・人員基準による評価というものは、それぞれどのようにするのか。片方だけで評価をしてしまうのか、あるいは組み合わせて議論するのか。そこを、まさにこれから、全体的に議論をしていただきたい。

(京極委員)

例えば、現行の特養などに入っている方が緊急入院した場合には、措置費との併給という方法がある。そのあたりをどのように認めるのか。また認めるとした場合、期間をどうするのか。あるいは給付はどれぐらいにするのか。そういう問題はどちら側に入るのか。

(唐澤次長)

原則的には、今の措置で認められているようなものをそのまま保険に持って行くことは、難しいのではないかと考えている。しかし、具体的な取り扱いをどうしていくかということは、これから、老人保健福祉部会で検討していく。

(村上(忠)委員)

介護給付は非常に重要な問題だから、各界もいろいろな意見を持っているだろう。日程が非常にタイトということはわかるが、中間まとめが2回あるので。その段階で、各界の意見聴取を、是非やっていただきたい。

(星野部会長)

今いただいたご意見等を踏まえて、適宜委員の皆様方の意見も伺いながら、今後の円滑な運営に努めて参りたい。

○ 資料005「介護報酬の設定について」、参考資料に沿って唐澤次長より説明。

(青柳委員)

3施設については、できれば、新しい介護保険制度を創るに際には、現状の運営基準なり人員配置基準に問題がないかどうか、それらを検証をしたうえで、現状から移行させるか、新たな運営基準をつくっていくかを決めるべきではないか。

(唐澤次長)

介護保険制度は、全く新しい、革新的な制度であるので、現状の仕組みをそのまま将来に持って行くということではなく、現状を評価し、問題点を検討し、全体の設定をどうするかということをご議論いただきたい。

(下村委員)

法律で、計画作成のための費用というのは、受給者負担なしと書いてある。そうすると、通俗的には介護保険は9割給付だということが言われているが、正確に言うと、9割給付ではないということか。

(高井室長)

参考資料にあるように、居宅介護サービスや施設サービスは、法律上9割給付だが、居宅介護サービス計画費については、そう書いていない。全費用を給付する、ということである。

(下村委員)

介護の必要性に対応する医療サービスは介護保険で給付する、とあるが、これは例えば、脳梗塞で要介護になった場合には、脳梗塞に対する医療費は介護保険で支給をする、と理解してよいか。風邪をひいた場合は、投薬、処置等は、健康保険で払い、梗塞で要介護になったら、梗塞の部分の医療費は介護保険で払うということか。また、訪問看護は、健康保険からも介護保険からも給付がなされるというふうに言われているが、梗塞に関連する訪問看護というのは健康保険ではやらなくて、風邪を引いたりしたら、訪問看護は健康保険でもできる、というように理解してよいのか。

(高井室長)

介護の需要に対応する部分は介護保険で対応するが、脳梗塞の治療に該当するものなどは、やはり医療保険になるのではないか。次に、脳梗塞の方の訪問看護の区分けはどうするかといったことは、まだ課題として残っており、これからご審議いただく必要がある。

(下村委員)

そこは非常にわかりにくい。介護のほうは限度額を決めるわけで、訪問看護を両方でやれるとなると、訪問看護については全部健康保険に回せばよい、投薬、注射についても、全部健康保険に回せばよい、ということになるのではないか。

(高井室長)

老人保健法では、一般的な医療や特定療養費といった給付は、介護給付が受けられる場合には行わないということになっており、介護保険が優先する。ただ、その場合、介護保険の規定による給付の範囲、例えば、それが訪問看護で3回までかそれ以上とかいうことは、これから決めることであり、これからご議論いただくことである。

(下村委員)

老人保健福祉審議会では、施行前においても見直しをやってもいい、という厚生省の説明だった。今の分野など、仮に議論をしていて、おかしいところがあったら、当然施行前に法律の手直しもあると思うが、そういう前提の議論でよいのか。

(高井室長)

介護保険法の規定により給付が行われる範囲が決まってくれば、医療保険の範囲も分かる、ということである。

(下村委員)

法律が必ずしも絶対的な前提とは言えないのではないか、ということを私は申し上げている。

(羽毛田老人保健福祉局長)

法律を越えるようなご議論、ご意見があること自体を否定するものではないが、法律という枠組なしに、検討をお願しているわけではない。あくまでも、現行の法律を前提にしている。

(下村委員)

もちろん法律を前提としての議論だが、今のように、法律の枠組で本当に十分にやれるかどうか、という問題が出てきた時には、従来の経緯からすれば、当然法律を見直してくれ、という議論に及ぶこともあるかもしれない。法律を変えろ、と言ってるわけではない。

(羽毛田局長)

一般論として言えば、現行法については、常にそういう議論になることがありうるが、これから部会で議論を始めるときに、そこも覚悟して審議会運営を図るようにお願いをすべきものではないと考えている。

(下村委員)

具体的な議論の中で、現行法で解決できるようであれば、それはそれで、私としても結構である。

(見坊委員)

地域別単価の設定というときの地域とは、どの程度の範囲を考えているのか。それから、サービス内容によって、単価は、1時間あたりとか1日あたりととっいった、決め方になるのか。
医療保険給付との関係では、医学的管理による医療サービスというものは、どういう内容か。特別養護老人ホームなどでは、日常的に医療サービスが提供されている。いずれ、具体的に、利用者、家族にわかるようにご説明いただきたい。
差額徴収では、おむつ代以外の利用料は徴収できる方向で考えている、とあるが、どういう内容を考えているのか。
最後に、特別養護老人ホームに現在入所している高齢者は、要介護認定と、一部負担、保険料の問題について、非常に不安に思っている。一応、経過措置があるという説明だが、現在の費用徴収額、負担額がそのまま継続されるのか、あるいは金額が改めて計算し直されて減免されていくことになるのか。

(高井室長)

地域差や単価ということに関しては、現状を踏まえた上で、この部会でご議論いただくことになる。
居宅療養管理指導については、従来、かかりつけ医が訪問をして診療をする内容である、と説明している。特養との関係では、日常的な医療サービスが提供されるということで、配置医師がいるかいないかということもあるが、必要な医療は確保されるものと認識している。
おむつ代以外に差額徴収できるものとしては、教養娯楽費、おやつ代、理美容代等、については徴収できる方向で考えている。
特養の経過措置についても、これから、審議していただきたいと思っている。

(石井委員)

ターミナルケアはどこに入ってくるのか。

(高井室長)

具体的な内容によるが、ターミナルケアというのは医療保険の対応であろう。もちろん、要介護認定を受けて、介護サービスが一部分含まれることも、場合によってはあるだろう。

(石井委員)

特養におけるターミナルケアは、可能だとは考えていないのか。終末期であっても、例えば老衰のような経過をとる場合は、特養にいるこうした人たちへの対応も、ターミナルケアの一部に入るだろう。癌患者なども、我々は割合多く扱っているが、区分けは違うのか。介護は同じなのだから、含めて検討する必要がある。

(加藤委員)

この問題は、我々にとっても大変重要と考えているので、もう少しきっちり議論をしていただきたい。

(星野部会長)

本日は、これをもって終了としたい。


 問い合わせ先 厚生省老人保健福祉局企画課
    電 話 (直)03-3591-0954
 厚生省老人保健福祉局介護保険制度施行準備室
    電 話 (直)03-3595-2890


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