98/03/27 公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録 公衆衛生審議会精神保健福祉部会 議事録 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課 公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事次第  日 時  平成10年 3月27日(金)10:30〜12:00  場 所  日比谷松本楼「銀杏の間」   1 開 会   2 議 事 (1)精神保健指定医の指定について    (2)精神保健福祉法に関する専門委員会の報告について   3 閉 会 ○部会長 それでは始めさせていただきます。おはようございます。 まず、本日の出欠状況につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。 ○阿部補佐 本日は、精神保健福祉部会委員22名中、15名の出席をいただいております。大熊委員 につきましては、少々おくれるとの連絡をいただいております。定足数の過半数を満た しておりますので部会の開催は成立いたしております。 なお、本日欠席される旨の御連絡をいただいております委員は、井上委員、紀内委員 融委員、比嘉委員、藤井委員、窪田委員の6名でございます。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、議事に先立ちまして、篠崎部長から一言ごあい さつをお願いいたします。 ○篠崎部長  先生方におかれましては大変お忙しいときに、また朝早くから御参集いただきまして ありがとうございます。  本日は、議題の1番目で精神保健指定医の指定に関しての御審議をいただくことにな りますが、今回の数がそのとおり御了承いただくとしますと、指定医の数がほぼ1万人 ということになるわけでございます。昨年来、不祥事がございまして、指定医の役割が 非常に大きくクローズアップされたところでもございますけれども、ぜひよろしく御審 議のほどをお願いいたします。  それから、前回、当部会でお諮りをいたしました来年度に向けての精神保健福祉法の 改正に向けて専門委員会を設置することと御了解いただきましたが、3月23日に第1回 の専門委員会が開催をされたところでございますので、そのあたりの御報告も吉川先生 からしていただくことになろうと思います。  それから、精神保健福祉士法が、もうすぐでございますが、いよいよこの4月1日か ら全面的に施行されることとなります。平成10年度中の第1回国家試験に向けて今鋭意 努力をしておりますので、その辺についてもまた改めて御協力をお願いする次第でござ います。以上でございますけれども、よろしくどうぞ御審議のほどお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、次に配布資料の確認をいたします。お願いいた します。 ○阿部補佐  「配布資料一覧」をもとに資料の確認をさせていただきます。  資料1としまして、指定医の指定に関する「諮問書」でございます。  資料2、「精神保健指定医に関する専門委員会意見(前回保留者)」分でございます  資料3、「精神保健指定医に関する専門委員会意見(今回申請者)」分でございます  資料4、「精神保健福祉法に関する専門委員会委員名簿」でございます。  資料5、「精神保健福祉法に関する専門委員会の検討事項(案)」でございます。  資料6、「精神保健福祉法に関する専門委員会のスケジュール(案)」でございます  資料7、「精神保健福祉法に関する主な意見について」ということでございます。 ○部会長  ありがとうございました。  本日は議事次第にございます2議案でございますが、まず、第1の議題「精神保健指 定医の指定について」を、資料1のとおり厚生大臣から諮問がなされておりますので御 審議いただきたいと思います。諮問内容につきまして、事務局から御説明をいただけま せんか。 ○阿部補佐  それでは、資料2、資料3について御説明させていただきます。  資料2につきましては、「精神保健指定医に関する専門委員会意見」、前回、平成9 年に専門委員会が開催され、そして10月に当部会が開催されました折、保留となられま した方の今回審査分でございます。今回は52名の保留者について審査いたしましたとこ ろ48名が指定することが適当であり、4名については再度保留という意見をいただいて おります。その意見内容につきましては、ページ数で言いますと3枚目、ページ2)でご ざいますが、ここに意見をいただいておるところでございます。  続きまして、資料3について御説明させていただきます。  資料3につきましては、「精神保健指定医に関する専門委員会意見」、平成10年3月 13日に開催されております。今回、初めて申請されます方々についての意見でございま す。今回は 131名の申請がございまして、98名については指定することが適当であると いう意見をいただいております。また、指定することが「不適当」とする意見につきま しては6名、「保留」については、27名の方が保留という意見をいただいております。  その理由につきましては、資料のページ4からお示しておるところでございます。 ○部会長  ありがとうございました。この内容につきまして、専門委員会の座長でいらっしゃい ます北川委員から御報告いただきます。 ○北川委員  当日は、私、突然用事がございましてやむを得ず欠席をさせていただいて大津委員に 議事を全部お願いをして審査をいただいたわけでございますが、先ほど事務局から御報 告を申し上げたとおりでございます。前回のいろいろな指定医に関する事件等があった 後でございますし、法的手続きの問題についてきちんと審査をするという申し合わせが なされておったわけであります。  そういうことで、だんだんと講習会等の影響も出てきていると思います。申請者の法 的事項への理解が行き届いてきているのかなという感想を持ったわけでございます。  以上でございますが、よろしくお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、まず前回、保留といたしました52名、資料No.2 につきまして、御意見、御質問がありましたら、どうぞお願いいたします。 ○宮坂委員  精神保健医を指定する場合に講習会を受けてから1年以内にレポートを出すというこ とになっておりますが、前回、保留ということになって、その1年以内なのかどうなの かわかりませんが、再保留となった場合の取り扱いというか、そこの辺はどういうふう に考えているのか、教えていただきたい。 ○田中課長  保留の方は1年の中に既に申請をしているということで、そのままずっと続けて審査 を継続するという扱いにさせていただいております。 ○宮坂委員  再々保留というのは、今回初めて出てきたような感じがするんですが、前にもありま したでしょうか。 ○田中課長  何回かあると記憶しておりますが。 ○部会長  委員は再々再保留というようなことになってきて、時間的に遅くなることを御懸念な のですか。 ○宮坂委員  いや、そうではなく、余り落第ばっかりやっていると、いつかは通すんだというふう な話もおかしな話だなと思ったものですから、もう一度講習でも受けて、そしてしっか りもう一度やれというふうにする方がいいのかどうなのか。何回まで実際保留はいいの か。いいかげんに書いていて、いつか通るよというのではまた困るなと思ったものです から、それを申し上げたわけです。 ○北川委員  前回、保留のケースはいずれも児童思春期のケースが非常に多いんですね。ケースが だんだん少なくなっているということもあって、トレーニングの場が少ないのではない か。その結果としてリポートがなかなかうまくできない、こういうことがあるようでご ざいますね。委員会の中でも常にその問題が議論されるんです。 ○宮坂委員  法的な精神保健福祉法の精神をよく理解してほしい。これはどうなのかということが 非常に大切だろうと思うんですね。ケースがないから保留だという意味はわかりますけ れども、もし、こういう症例がないならば、そういうふうな法の精神をしっかりとわき まえてくださるならば、余り保留というのもどうか、これは2回保留ですね。そんなよ うなことをちょっと感じるのですけれども、どんなものなのでしょうか。実際になくて 困るということであれば、そういうことも考えていかなければならない。 ○河山竒委員  思春期の症例というのはなかなかどこの県でも症例をつかむのには困っておるわけで すか。 ○北川委員  そのようです。だから、そういうケースについて法的な取り扱いをどうするかという ことはなかなか訓練されないわけですね。 ○河山竒委員  症例報告をもう一回再検討するということについてはどのようにお考えなんでしょう か。 ○北川委員  当然症例報告をそれぞれの委員の先生に検討していただいた上でこの審査をしている わけですね。 ○河山竒委員  思春期をやはりいつまでも入れておく必要があるか。 ○田中課長  事務局の方でお答えしてよろしいですか。多分、指定医の指定の在り方については、 これから次の議題でも取り上げられると思いますけれども、その中でどんなような症例 を対象にレポートを書いていただくのかということも含めて少し幅広に御検討いただこ うかなというようなことも考えてはおりますが、もしよろしければ、専門委員会の方で その辺をもう一度御検討いただくということでいかがでしょうか。 ○部会長  今のことに関連して御意見ございましたら承っておきまして、専門委員会の方で一度 ご検討頂くのはいかがでしょうか。 ○三浦委員  今の保留に関連してなんですが、一部保留で、ほんの些細なことで引っかかったのを 半年後まで持ち越さないで、途中で出させて審査するということはだめなんでしょうか ○北川委員  実際は早い時期に恐らく担当された先生がごらんになるわけですね。しかし、その先 生の御意見だけではなくて、審査会の皆さんの合意で判定をするわけでございますから そういうケースを持回り審査をするとか、そういう方法を考えれば、今の三浦委員のお っしゃるようなことは実現できるかもしれませんですね。余り長くなって、実際、実害 が起こるとこういう御心配ですよね。 ○三浦委員  長くなるとね。 ○宮坂委員  私は逆に考えまして、指定のタイプというのは、症例にあるのか、法的な解釈による のかというところが非常に問題であって、思春期の精神障害者に対しての法的な取り扱 いが問題があるということならば、これはもう一度訓練をしたり講習会を受けなければ ならないと思うんですね。  そうではなくて、症例の医学的なものなのかどうなのかということと、法的なことと 分けてちょっと考えなければ、2回も保留になる。しかも2回とも同じところで引っか かっているとなれば、そういうふうなことも考えなければいけないのではないか。 ○北川委員  当然、審査は医学的な問題と法令の取り扱いとそれはきちんと整理をして審査をして おるんですがね。 ○部会長  北川先生のお話をうけたまわると、少し論文の書き方が下手だから、そこだけ直して というわけにはいかない。これだけの委員が集まって不適当にするということは、その 紙背に徹してみれば、やはり精神科医として、いささか欠けるところありという御判断 だったと私は受けとめるべきではないかと思うのです。そうなれば、半年ぐらいは訓練 を受け直してやっていくのが当たり前ではないでしょうかね。 ○宮坂委員  そう思いますね。 ○三浦委員  今度は症例だけで保留になったという例について。 ○部会長  そう書いてあるけれども、少なくともこうして落とす以上はどうなんでしょうね。 ○北川委員  そうでございますね。ルールがありますから、3人の委員がごらんになってだめとい うのが2つ以上出てくるとそれは通さないということですから、特に法令の適用をどう するかということはやはりきちんとしていきたいという委員の皆さんの御意向も今回は 特に強く働いていると思います。 ○町野委員  専門委員会での御報告を承っておりますと、単純に症例が見つからなかったというだ けにとどまらず、どうも診断名を誤っているのではないかというような例もあるようで す。これはお医者さんとしても不適当ではないかという印象を持ちました。指定どころ の話ではないという感じです。 ○部会長  そのほか、ございませんでしょうか。No.2の方の52名についてでございますが、これ は専門部会の審査結果どおりでよろしゅうございましょうか。                (「はい」と声あり) ○部会長  ありがとうございました。それでは、「指定することが適当48名」、「保留とするも の4名」という専門委員会の審査結果どおりの内容で、当審議会といたしましての答申 を行うことといたします。  続きまして、今回、新たに申請のありました 131名、資料No.3でございますが、これ について御発言をお願いいたします。  先ほどちょっとお話のありました児童思春期例というのがここで問題になるんですか なかなか対象としにくいといたしますと何か便法のようなものを考えるべきなのかどう か。専門委員会に御意見がございましたか。特にありませんか。 ○小池委員  私、前、専門委員をしていたのですが、児童思春期の問題は確かに症例がやや少ない ということがありますけれども、最近は必ずしもそういうことはないわけでして、17歳 で問題を起こしたのが、14歳まで年齢が下がってきているというようなことがありまし て、精神科の役割というのが非常に大事になっていると思うんですが、児童思春期の症 状の把握の仕方、診断の仕方、治療の方針、処遇の方針、そういったことの書き方が余 りにも初歩的といいますか、大人の診断学をそのまま児童思春期に適用しているという ような、これは精神医学の児童思春期の精神医学の問題ですが、それが余りにもなさす ぎるというケースが多かったということがありましたので、そういう点がかなり指摘さ れてきたのではないかというふうに思います。これは医師の卒後教育の問題とも関係が あると思いますけれども。 ○部会長  大熊委員が御出席になりました。 ○大熊委員  どうも遅くなりました。 ○部会長  どうぞ、お続けください。 ○宮坂委員  今、児童思春期の症例が少なくて、それがもとで再保留とか、また今回の指定をしな いというところを見ますと、新しいところでは2つのケースが思春期で引っかかってい るのであって、あとはほとんどそうではないのを見ますと、これは思春期だからという ことではなさそうな感じがしますので、思春期で引っかかろうが何で引っかかろうがだ めなものはだめというふうにしっかりやらないといけないのではないのかなと私は申し 上げたいわけです。 ○吉川委員  私も数えてみましたが、25人のうちの2人ぐらいしかいない。「分裂病圏」と書いて ありますけれど、そのほか分裂病がほとんど半分、あとは躁うつ病、それぐらいのとこ ろがやっぱりレポートがちゃんとできてないということのようです。むしろ思春期は2 例しかないですね。やっぱりきちんと患者を診ているかどうかということの問題ではな いでしょうか。 ○部会長  では、今の話はそういうことにいたします。 ○田中課長  資料3の不適当と保留の方33人の、4ページから後ろに「理由」というのがあります けれども、これを拝見していますと、思春期が問題になっていそうなのが6例ぐらいな んですね。そんなに大きな問題なのかという気もしないでもないですが、もう少し、な ぜ不適当とされたのか、あるいは保留とされたのかというあたりを、医学的な判断に問 題があるのか、あるいは症例の選択に非常に困難があるのか、法律的な解釈が不十分な のか、その辺分析させていただきまして、専門委員会の方で少し検討をさせていただき たいと思います。 ○部会長  そのほか、御意見ございませんでしょうか。 ○渡邉委員  質問ですけど、不適当になった方ももう一度講習を受けて申請をし直すという形にな るんですか、指定医になるとすれば。 ○田中課長  さようでございます。 ○渡邉委員  この講習は指定医になるときの最初だけですか、義務づけは。指定医として、例えば 10年ごとに一度受けるとか、そういうことはございますでしょうか。 ○田中課長  更新のための講習は5年に1回受けるということになっております。 ○部会長  それでは御了承得られたこととさせていただきまして、前回の保留分とあわせて、 「指定することが適当」につきましては、前回分48、今回新規申請分98、合計 146。  「指定することが不適当」が、今回申請分6、「保留とするもの」が前回保留分4。 今回新規申請分27、計31という専門委員会の審査結果どおりの内容で当審議会として答 申を行うことにいたします。ありがとうございました。  次に、前回、部会長一任の扱いになっておりました「精神保健福祉法に関する専門委 員会」の委員選任の件でございます。前回お諮りいたしました委員に、No.4をごらんく ださいますと、新たに真ん中ぐらいに有沢橋病院の高柳院長の名がございますが、この 方を追加することといたしましたので御報告申し上げます。 ○大熊委員  前回、私はこのような重要な委員会にはやはりその当事者の方を入れるべきであると いうことを申し上げた上で、委員長にお願いしたわけでして、これを拝見しますと16人 のうちお医者さんが10人、法律の方が2人、ソーシャルワーカー2人、それに家族とメ ディア代表ということになっておりまして、16人中お医者さんが10人もいるのに、この 法律に最も深い関係を持っている方が入っていないというのは非常におかしいと思いま す。  理由の1つは、アメリカでもヨーロッパでもこういうときに、アメリカの場合は半分 は入れるという取り決めがあるということを聞いておりますし、ヨーロッパも同様な方 向にいっております。それから日本の中でも例えば身体障害の審議会では、目の見えな い方と耳の聞こえない方と肢体不自由の方の代表が入っているということで、これは世 界の流れであります。  にもかかわらず精神の問題だけは当事者を抜かすという理由をお聞かせいただきたい と思います。 ○田中課長  事務局でもいろいろ御検討をさせていただきましたけれども、まずは法律を改正する ための検討の場に必ず当事者を入れなくてはいけないのかというのは、私どもは明確な ルールはないと思っております。結果が良ければという言い方は不適当かもしれません が、きちんと患者さん方、いわゆる当事者の方々がどのような御意向を持っておられる のか、どうかというようなことを十分把握して、それを反映させればいいのではないか ということで、それは先般御意見をいただくというようなことで、手続的にもある程度 満たしておりますし、今後もいろんな機会を通して御意見はいただきたいと。チャンネ ルはきちんとあけておきたいと思っておりますので、その辺当事者の方々の御意見が全 部が反映されるというわけにはいかないかもしれませんが、十分理解をし、それを踏ま えるというようなことはできるのではないかと思っているところです。  それから、もう少し技術的な問題を申し上げますと、どなたを選ぶのかということで 私ども非常に難しい問題もないわけではなく、その辺を総合的に勘案して、今回は一応 専門委員としては選ばないという選択をしたところでございます。そういうふうに部会 長さんにもお話をして、一応この案ということで決定したということでございます。 ○大熊委員  例えば、かつて戦前は女性について決める委員会には女性は入らなくて、女のことも よく聞いて考えてやるよということでしたけれども、現在、女性のことを検討する審議 会は女性は半分以上入っているというのが今の日本でありまして、そして今申し上げた ように身体障害の方の審議会には必ず当事者が3人は入っていると、障害の種別を超え て。そういうふうに世の中が変わっているのに、なぜ精神病の場合だけがそうなのかと いう理由を伺っています。  それから、適当な方がいないというお話でしたけれども、この意見書を拝見しますと てんかん協会の方と全精連と呼ばれる精神の方の当事者の団体の連合会の会長さんの名 前が出ていまして、これはある程度年月のたったオーソライズされた団体ですし、たし かてんかん協会の会長さんも現在も当事者の方だと思いますし、全精連の方の会長さん もきちんとした話のできる方だというふうに私は思っておりますので、なぜ、そのお二 方を入れないかという理由が全く見当たらないと私は思います。これはすごく国内的に も国際的にもおかしいと思います。 ○田中課長  大変申しわけないんですけど、繰り返しになりますけれども、法律の改正をするとい うための作業をする委員会でございまして、御意見をきちんとある程度踏まえた上で議 論をするという意味で、必ずしも当事者の方を今回入れる必要はないのではないかとい うふうに判断したということになると思います。 ○大熊委員  ほかの先生方どうでしょうか。やっぱりどんなに想像力を働かせても当事者の立場を 代弁するのは非常に難しいという謙虚な気持ちで物事はするべきだと思います。これが 精神病に対する治療とかてんかんの治療とか全くなくて、という状況ではなくて、現在 ではコントロールできる状況になっていて、きちんとした会議できちんと発言できる、 そういう人がいて、そのような組織があって、代表者もいるのにもかかわらず排除する というのは、きっとこの法律が出てきて、その後、流れの中で、何で当事者を入れなか ったかというのが論議の批判の大きく柱になって、ああ、あのときあんなことしないで おけばよかった議論がおくれちゃったということに私は必ずなるというふうに思います  それから、精神病の患者さんへの偏見を取り除くというのがこの審議会の非常に大き な役割にもかかわらず、それを率先して行わないというのはとてもおかしいと。法律を 論議するところに入れないような人たちなんだということを対外的に言っているのと同 じことになって非常におかしいと思いますけれども、どうでしょうか。 ○渡邉委員  大熊委員の御意見、私、一般的には非常に貴重な御意見だろうと思うんです。ただ、 私、今回の精神保健福祉法の改正に関する専門委員会に、残念ながら日本でこういう場 に、本当の意味での患者代表という形で一緒にやってきた経緯が、積み上げがないと思 っています。しかもこれは短期の半年、1年のうちにまとめる作業の中に入ってもらっ ても、ご自分たちの希望は言っていただけるかもしれませんけど、法改正の中に果たし ていただく役割というのが、私は積み上げがないというか、きちんとできないという感 じを持ちます。今の大熊委員の御意見は、必ずしも福祉法改正作業のレベルに限らずに もっと地域からいろんなところで積み重ねて、そういう方たちにも参加していただける ような会議の持って行き方をするという意味では賛成です。これに即お二人を入れると いうことについては、私は今のところ、ぜひそうしてくださいとまでは言えないし、入 れただけというふうになるのも、かえって私としては釈然としません。私の意見はそう いうところです。 ○相澤委員  私は大熊委員の御意見に賛成なんですけれども、全精連の幹部の方々ともおつき合い がありますし、どういう御意見を持っているかということも十分承知しているんですけ れども、当事者の団体が必ずしも一枚岩ではないということがありまして、全精連に対 して極めて批判的なグループもあるというふうに思っております。実際、センター長会 にも何かの意見表明があったときに、かなり強固な意見を寄せられたこともございます もし、全精連の代表がこの委員会に入ることによって、その人たちに対して刺激を与え ることになって、会として混乱が生じるのではないか、会を進めていく上で難しいかな というような気がしております。  非常に残念なことなんですけれども、現段階ではやむを得ない措置だったのかなとい うふうに私は思うんですけれども、以上です。 ○小池委員  基本的には大熊委員のおっしゃることはごもっともだというふうに思いますが、現状 としては、特にいろんな団体の代表者が審議会なんかは出てきておるわけですね。医師 が多いわけですけれども、私も含めてですが、そういう医師層の意識改革といいますか そういうことも指摘していかなければならないわけで、そういう意味で非常に意味のあ る御発言だと思いますが、現実問題としては、各論の問題となるとなかなか難しい問題 が今の段階ではあるように思いますね。  ただ、我々の意識改革というのを、こういう御発言を機会に今後進めていく必要が大 いにあるというふうに私は思っております。 ○谷中委員  全精連の生みの親みたいな立場にあるんですが、基本的には大熊委員の意見に賛成で す。ただ、今、御指摘にありました、まだ精神障害者全体の総意を得て会長なりが、そ こに選ばれるということについておおむねの合意を得られるかというとかなり問題があ ることは事実なんです。これが出ましたから、私、ぜひお願いしたいのは、それぞれの 個々の意見、すごい時間かかっていますが、各県レベルでの意見などを集約して、全国 レベルで少しずつ障害者みずからの意見を集約を図ることができるようなレベルにまで なってきているということを1つ。  それともう一つ、いきなりここへというよりは、各県の地方審議会等で実質的にその 役割をとって、だれもがもっともだと言われるような代表を送り込むということにもう 少し時間がかかるかもしれませんが、私はそんなふうに思っておりますが、いずれ当事 者参加。オランダなどでは、当事者の方々がこういう場で参加して、政策に自分たちの 思いを実現するためにはもっと学習しなければいけない。ですから当事者参加型は世界 の潮流なんですが、まだ当事者がいろんな委員会の中で実質的に参加して自分たちの意 見を反映させるには先進国でもかなり学習しなければいけないという意見が先だっても 聞こえてきましたので、日本の当事者の方々にもそれは当てはまるのではないかと思い ます。  でも、やはりここでこういう意見が出ましたので、将来的にはそういう実質的な当事 者参加型を各委員会でできるような方向づけをぜひお願いしたいと思います。以上です ○大熊委員  実績をつくって積み重ねてというお話ですけれども、お二方から。それはどこでまず するかというと、意識としては地方のいろんな精神の審議会というのはそんなに進んで はいないわけで、まず中央で行って、それが地方に及ぶというのをするしか国際レベル に近づくためには道がないということが1つ。  それから、参加することによって、成長していくということがあって、これはよく地 方分権の問題のときに市町村には能力がないから分権だめだという意見と、いや、分権 すると市町村が成長するというのがいつも論議になりますけれども、そんなめったにな い、また次の改正はずっと先ですから、これは非常に大きなチャンスではないかという ふうに思います。  確かに全精連について相澤先生御指摘の問題は私も十分承知はしておりますけれども それをおそれていたら、お医者の中にだって、日精協、反日精協の方がいるかもしれな いし、それはさまざまですから、反対勢力があるというのは余り根拠にならないのでは ないか。それから、てんかんの方については全く一枚岩になっていますから、今の理屈 は全く当てはまらないと思います。  万が一、皆さんの御賛同が得られなくて、このメンバーでいくとしたら、少なくとも 議事録全公開ということで、きちんとした、障害持っていらっしゃる人たちの立場を酌 みながら議論は行われていったのだという身のあかしを立てておいた方が、いざ法改正 となったときにわあっと反対論が沸き上がってくるというようなことをあらかじめきち んと歯どめができるので、長い目で見たらば、絶対この方がいいというふうに私は思い ます。 ○町野委員  確かにこういう委員会で、少なくとも厚生省関係のそれで、当事者がいないというの は珍しいかもしれません。しかし、今までの経緯等は私もある程度存じており、困難な ことがあるというのもよくわかります。  先ほどの議事録の公開の件ですが、それは専門委員会の方で既に議論されたというふ うに承っておりますが、どのようになっているんですか。 ○吉川委員  専門委員会の御報告をしなくてはと思っていましたので発言を控えておりました。今 の議事録のことだけ先に話をしておきますと、3月23日の会合に先立ちまして、部長の 方からお話がありました。その部長の御発言の中に出てきたのが議事録の公開の問題で す。原則議事録は公開すると、そういうふうにさせてほしいということを篠崎部長の方 から話をされました。私は厚生省は決してこうした資料を外へ出さないと言っているの でははない。その辺のところが先日の会の冒頭に言われた篠崎部長の御発言につながっ ているのだろうと思います。  ただ、やはり微妙な問題が残るだろう。そうしたときは、座長の判断で氏名の一部を 公開しないとか何かということはどこかでエクスキューズつけておかないといけないだ ろうというのがこの前のときの専門委員会での話し合いでございました。  したがって、今、大熊先生が言われましたように、議事録は公開するという原則であ りまして、今言いました微妙な問題のところは座長に任せていただくということで、な るべく議事要旨の公開ということではなくて、議事録の公開ということ。ただし、氏名 を明らかにしない形で、こういうふうに最終的にまとめましたので、中間報告だけして おきます。 ○部会長  貴重な御意見をありがとうございました。それでは、改めて大熊委員の御発言も確認 いたしまして、No.4の線でいかせていただくことをお願いいたします。  それでは、次のもう一つの議題でございますところの「精神保健福祉法に関する専門 委員会」についての報告でございます。今一部公開の話が先に出ましたが、その他の問 題も含めまして、吉川委員から御報告をいただきます。 ○吉川委員  精神保健福祉法の改正に関して専門委員会を設けることは前回のこの部会でお話しい ただきました。私がそれを担当するということになりました。3月23日にその会を初め て開きまして、その際にこの案が出されて、そしてこの案に従って、これからは進めて いこうということになりました。  この検討事項の案は全体で10ないしはその他を入れますと11ございます。既に各団体 等にお願いをしまして、さまざま団体等で検討していただいたことを文書でいただいて おります。その文書でいただいたものは先回お配りしたような形で1冊まとめてありま すけれども、それにとりあえず基づいていろいろな分析をしていただいて、10ばかりの 問題点にまとめたということになります。1つの問題点に2つないしは3つぐらいずつ 課題があると思いますが、それぞれの問題についてやっていかなければいけないだろう  そして、検討の日程等にちょっと踏み込みますと、検討を恐らく4月から始めて、月 2回のペースで7月までで8回。問題点を1つないしは2つずつこなしていかなければ ならないのでかなりハードな日程になります。  もう一つは、専門委員会で取り上げない項目が資料5の3ページ目のところについて いると思いますが、これまでもいろいろと言われてきましたことではありますが、今回 の法改正委員会ではこういう理由で取り上げないでおこうということで、この専門委員 会で議論をしていただきまして、その結果、先ほど申しましたこれから検討しなければ いけない検討事項と検討をしない事項を両方ともほぼこのままで御了承を得てあります  その上で、次の資料No.6のところにございますように、今申しました日程ができ上が ったわけです。大体これぐらいの日程で全体をこなしていかなければいけない。これは 法改正そのものの手順とも関係すると思いますが、こんなことになっています。  ただし、やはりどうしても積み残しが出てくるだろう。積み残しが出てきたときには 7月の下旬ぐらいまでに何とかして、とりあえずは7月の第2回目ぐらいのところで取 りまとめはするけれども、積み残しがあったところはその後もうしばらく検討するしか ないかもしれない。そして、8月上旬に中間まとめというようなことで、こちらの方で 論議していただくことになる。こんなふうに考えております。  それから、資料7の方をごらんになっていただきますと、これは今までいただきまし た「精神保健福祉法に関する主な意見」でございまして、これは先ほど申しました冊子 等にあるものですが、それらがどんな団体からの意見なのかということを一通りまとめ てあるものです。ですから我々がこれから検討するに当たりましても、こういう点に関 してどういう団体が希望しているかということを勘案しながら、法的な変更というのを 考えていかなくてはいけないと思っています。かなり膨大な資料でございまして、精神 保健福祉課の方で御努力いただいて、こんな形でまとめてあります。  ただ、切り口によってはそれはそれで少しずつこういうものを担当してくださる方の 切り口によってちょっと違ったりすることもあると思いますので、私たちでもそれぞれ また御連絡いただきました、こうした改正に関する希望というのでしょうか、そういう ものをまた読み直しをさせていただいた上で議論したいと思っているわけであります。  先ほど申しましたように、できるだけこれだけの期間の中でやらなければいけないと なれば、テーマごとに1回ずつある種の結論を出していくというやり方をしようと思っ ています。最初は小委員会みたいなものをつくって、この3カ月なら3カ月、4カ月の 間に、小委員会で議論していただいて、最後、専門委員会でまとめてやろうかと思った のですけれども、やはり資料その他そろえていただいたりするということと、それから 全体を見渡しながら法改正というものを考えていただかなければいけませんので、した がって、今申しましたように、事項ごとに結論を出しながら先へ進むという方がいいの ではないか。そうではないとどうも期間内に済まないのではないか、こんなふうに考え て、今のようにさせていただくことになっています。このことに関しましては、専門委 員会の中で議論されまして御了承は得ました。  それで、先ほどちょっとお話出ました議事の公開の問題で、議事そのものを公開する というのはどうしてもセッティングの問題からいって難しいというので議事録は原則公 開、そんなふうに話し合われました。あと微妙な問題のときにはやはり座長の判断で氏 名を伏せることもあるということは許していただくということで専門委員会は終わった わけです。以上です。 ○部会長  ありがとうございました。どうぞ、御議論を。 ○岡上委員  1つは「取り上げない項目」の中で、3)ページですけれども、「精神障害者の差別偏 見に対する普及啓発について」は、ほかの検討会において検討しているということです が、どういう検討会か教えていただきたいということです。  もう一つは、先ほどの議論の続きなんですけれども、どこかで当事者の方にヒアリン グに参加していただくということに多分なるのだろうと思うんですね。どこで参加する というふうに決まっているか、もし検討が済んでいたら教えていただきたいと思います その2点です。 ○吉川委員  第1の方は課の方からお話をいただきたいと思いますけれども、第2の点に関しまし ては、私たちの専門委員会の中で具体的に検討したわけではありません。例えば当事者 の人の声を聞く、どういう機会に聞くかまでは議論したわけではありませんけれども、 広くとにかく御意見は伺おうということで、確かに今は文書で出てきているものをこう いう形で分析していますけれども、現実にこの問題を論じるときには、必要なときには いろんな方々に来ていただいてもいいのだろう、そんなことは話し合いました。  ただ、それがいわゆる議事公開に当たるのか、そうではなくて、専門的な御意見ある いは体験的な御意見をいただくということになるのか、その辺までは踏み込んで話をし ておりませんので、今後そのことは専門委員会の中でも話し合っていきたいと思ってい ます。 ○三浦委員  「精神疾患等に関する啓発普及及び検討会」というのは、去年の春から始まりまして まず具体的にどういうふうにしましたら差別偏見を一般市民から取り除けるかというこ とで、これはまだ始まったばかりで、いろいろなパンフレットを病院なり診療所なり、 一般のところに置いていくということなんですが、やり出したら大ごとになりそうなの で、今それを再検討するというところです。予算が絡んでくるような話になったのです が、早急にはなかなか偏見というのは取り除けないから、できることからやっていこう ということで、10人ぐらいの委員でそれを検討している段階です。 ○岡上委員  当事者のことでもう一回だけなんですけれども、なかなか難しい問題であるので、審 議会の方にもなかなか参加していただきにくいということがあるわけですね。恐らく専 門委員会でも同じだと思うんですね。同じであってもやっぱりなにかに参加していただ くということに、先ほどの議論では大勢がなっておりますので、なるべく早い時期に、 こういうふうにするということを専門委員会の中で合意をいただく方がいいのではない かと思います。これは意見です。難しいことだと思いますけれども、一歩進めなければ いけないわけですから、ぜひ、そうしていただきたいと思います。 ○部会長  既に企画分科会をしたときには、当事者の方のヒアリングを経験していますから、全 くゼロではないです。今、吉川委員お考えでしたら、お願いをしたいと存じます。 ○古谷委員  確認やらお願いやらなんですけれども、1)のところで、覚醒剤のところがございます けれど、薬物中毒はどういうふうに取り扱ったらよろしいのかと。日ごろのいろいろな 問題を見ながら考えております。  それと9)、「市町村の役割の強化等」というところがございますけれども、市町村の 役割もさることながら、保健所の役割もきちんと押さえていただいた方がいいのではな いかというふうに思っております。  それと合同企画分科会の、これからの保健福祉施策の在り方のところでは、保健のと ころが弱いというふうに感じておりますので、ぜひ、ここのところでは、先ほど検討を しないというところで、普及啓発の問題がございましたけれども、そういったことも含 めながら、保健のところをもう少し強調していただいた方がいいのではないかなという ふうに考えております。  それから、検討しないところの、1)のところですが、長期入院患者のところでは、前 回いろいろな要望のところではかなり多くの団体がいろいろな違った意見を述べていら っしゃるので、ここのところでは別途検討を行っているということはどういうふうな検 討なのか。それと団体から寄せられたような内容も含まれた検討がされているのかどう か、その辺を教えていただきたいと思います。 ○部会長  御要望と御質問と両方ありますが、どちらからいきましょうか。最後の委員会の、 「長期入院患者の療養の在り方に関する委員会」、これは御質問でしたが、どうぞ。 ○田中課長  これは平成9年度の予算事業でございまして、慶應大学名誉教授の保崎先生が座長で この中にも委員の方おられますけれども、現在のところ4回ほど検討会をやっておりま して、今、中間まとめを出そうとしている段階でございます。非常に多角的に長期入院 の現状や問題点を把握し、また諸外国の対応策も視野に入れながら今後の長期入院患者 の療養の在り方について、どういうことが選択肢としてあり得るのかというようなこと について御検討いただいておりまして、今そのまとめの段階にあるということでござい ます。 ○部会長  あとは薬物中毒のことと保健所のことと、それだけではなくて、大きな意味で保健の 面のということでございますか。 ○古谷委員  それは要望でございますが、薬物中毒については教えていただきたいと思います。 ○田中課長  当然この1)の中で、薬物中毒をどういうふうに精神保健福祉法の対象にするのか、し ないのかというようなことを検討はさせていただくということでございます。 ○新田委員  私も要望ないし意見ということで申し述べさせていただきます。「措置入院」で、 「他害」というような言葉が出てくるのですが、先ほど大熊委員も申されたように、当 事者の意見を聞くというのは大変大事なことだと思います。他害の場合、被害を受けた 人とか、あるいはその家族の意見、こういう人たちはウエル・オーガナイズドされた組 織になってないと思いますので、何らかの形でそれらの人の意見をお聞き取りいただい て、事実に即した意見になることを期待いたします。  それから、こういう事案が最初にリポートされるのは市町村の職員あるいは保健所、 警察官です。その段階で人権じゅうりん的なことが行われてはならないわけでございま すが、逆にその辺りの人たちがどういう問題を問題としているのか、どの辺がやりにく くなっているのか、そういうようなこともお酌み取りいただいた上での結論になること を期待するものでございます。 ○部会長  ありがとうございました。 ○大熊委員  別途検討している委員会の検討会の名簿とか、何回ぐらい今やっていますというのを お示しをいただきたいと思います。このほかにも精神保健福祉部会に関係ある委員会が 存在して動いているのだったら、それも教えておいていただいた方が、そんなこともや っていたのかということにならないで済むと思いますので、今、御用意いただければ今 でもいいですし、御用意がなければ、後でお送りをいただきたいと思います。  さっき三浦先生が差別は取り除かなければいけないけど、大変難しい問題で、それで パンフレットをとおっしゃっていたけど、パンフレットを 100万枚配るよりも専門委員 会の委員に選ぶということが差別偏見を取り除くためにはいいということを、くどいよ うですが、つけ加えます。 それから、もう一つ、厚い方のはパラパラとしかまだ見てないので、たった1つ気づ いたのは、3ページ目に「用語」というところの3つ目に「『精神病質』を定義から削 除する」というのがありますけれども、これは些細なことのように見えますけど、用語 のところに入るべきことではなくて定義のところに入るべき非常に重要な問題で、精神 病質を用語問題として性格異常にしたから済むという問題ではなくて、もっと根本的な 方に格上げして御討論いただきたいと思います。 ○部会長  そのほかにございませんでしょうか。 ○三浦委員  資料7の2ページなんですが、精神障害者の定義の真ん中あたりに「精神障害者の定 義に『てんかん』が含まれるよう明記する」となっていますが、「てんかん家族の波の 会」は、これをどう言っているのでしょう。現場でやっていて、精神障害者に入れると 非常に抵抗があって、それから一部てんかんを診ている医者が脳外科、小児科、内科、 精神科というふうにばらばらなんですね。昔は精神科で診るものだと思っていたけれど も、このごろは分散して、それで神経疾患だと、精神疾患ではないと。だから精神障害 者と言われると困るという意見もあったりするものですから、その辺がどうか。 ○吉川委員  今、ここで結論めいたことを申し上げるつもりはありませんが、いただきましたそれ ぞれの御意見の中にこういうものがあったということで、これからそれを検討していく わけです。それは検討の材料にしようと思っていますけれども、今、三浦先生おっしゃ ったような実情は大変よくわかりますし、例えば自閉症についてもそういう問題は別途 ありますし、したがって、何を精神障害と言うのかということがかなり大きな問題では あるんです。ですから、いろんな形でまずは議論していかなければいけないことがある と思っています。 ○三浦委員  大変な作業だと思います。 ○吉川委員  さっき大熊先生の言われたことで言えば、例えば今の2ページのところの下から10行 目ぐらいのところに「『精神薄弱』を『知的障害者』に改める」と簡単に書いています ね。そういうことだけで言えば、用語の問題です。ですから、この整理そのものもかな り慌ただしくやった仕事でございますので、これに基づいていろいろ考えますけれども ただ、ここに余りこだわらないでほしいということであります。 ○牧委員  今、私ども老人性痴呆疾患に取り組み始めておるのが状況でございますが、この8 ページに老人性痴呆疾患は医療保護入院には入れないというようなことがございますが 老人の痴呆性疾患の人権などに関しましても、どのように取り扱って行くのがよいのか 吉川先生にお願いしたいのですけど、この中でどこかで論じてもらえればありがたいな というふうに思うのでございます。 ○部会長  それぞれ難問で、この委員会にすべてにお任せして、明快な回答を得ようというのは 少し酷かと思いますが、しかし、少しでもそういうことで議論を重ねていただくことは 大事なことと存じますので、お願いをいたします。 ○古谷委員  資料5でございます。最後の10)のところで「精神保健福祉相談員について」という 項目がございます。そこのところでは、前回の各団体等の要望と照らし合わせますと、 精神保健福祉相談員は原則として精神保健福祉士の有資格者であることということが1 つございました。それから、保健婦に対する精神保健福祉相談員資格取得講習会を廃止 することというような意見がございましたけれども、相談員については、現状どおりと いうことで、看護協会といたしましても、改正するのでなければ、そのままというふう に受けとめて、現状を肯定して受けとめておりましたので、この辺は現行どおりで進め ていただけるということでよろしいんですねということの確認。  もう一つは、やはり精神保健福祉相談というのは、すべてPSWの関係だけではなく て、もっと全般的にチームでかかわっていく部分も非常に多いのではないかなというふ うに考えておりますので、保健婦も当然保健所、市町村の中でこういった相談に当たっ ているわけですので、いろんな人たちがかかわれるというところをぜひ残して御検討い ただきたいなというふうに考えております。 ○部会長  御要望として承っておきます。 ○古谷委員  それから、前回お休みしたので確認させていただいてよろしいでしょうか。  前回のところでは、保健婦、助産婦、看護婦法の見直しを図ることという御意見があ る団体から出ておりましたので、それはどういうふうな意味なのか、ちょっと詳細がわ からないものですから、後ほどで結構でございますので教えていただければと思ってお ります。多分これは事務局の方でもおわかりにならないわけで、団体に直接聞いてみな いとわからないことだろうと思いますので、その辺も含めてお願いいたします。 ○部会長  それは後ほどお確かめください。 ○河山竒委員  これは大変なものだと思うんです。7月ごろまでにある程度まとめるということは。 これだけの問題が1年かかっても、2年かかってもというような問題も含んでいると思 いますし、今、なぜ精神保健福祉法をもう一回見直して、重点ポイントというものをど こに置くのか。今ただちにやらなければいけない問題も幾つかあるだろうと思いますけ れども、ポイントというものを、社会復帰、長期入院者、それと今度の精神病院の不祥 事の問題のどこに原因があったのか。それをどうして後、起こらないようにしていくの かというような3つ、4つの問題が今我々としては一番頭の痛いところなんですけれど も、ポイントをどこに置くのか。やはり法改正で少しでも早くやらなければいけない問 題と次に残す問題と幾つかあるだろうと思いますけれども、その辺どのように。 ○吉川委員  まず、そういう点で交通整理をしているわけではありません。ただ、1987年の法改正 のとき、これは岡上先生が中心になってやってくださったのですけれども、その法改正 のときにたくさん積み残しがあったわけです。その積み残しも次々と法改正が立て続け にありましたので、一部は実現しているものもありますけれども、いわばその意味では 部分的な改正でした。したがって、1987年から見ますと、もう10年以上たってますから この辺のところでちゃんと見直してみよう。そのことがありますので、まず積み残して きた問題に関しては検討を十分にしたいと思っています。  それから、河崎先生からお話がありましたように、現実的に今問題になっていること は、例えば精神保健指定医の問題でございますが、こうした指定医問題とか医療の質の 問題とかというところも当然あると思いますので、法の中に明記しなくちゃいけないも のが出てくれば、それは議論させていただきます。  それから、それ以外の今のリハビリテーションというお話で言えば、リハビリテーシ ョンは1つの流れとしては、ここのところ法の整備が進んできたわけでございますので ここから先、あと何があるのか、どういうような法の整備をしていかなくてはいけない のかということはまだもちろんありますけれども、とりあえずは今整備の方向にきてい るということで、むしろ順序から言えば、今、積み残し問題をきちんとやって、そして 結論を出していくということをしたいと思っています。例えば昔「保護義務者」と言い ました保護者問題になっています。この辺のところでも結論出していかなくてはいけな いことではないかと考えているところです。 ○藤原委員  前回にもお願いいたしましたし、それから専門委員会で、書かれた意見書をもとに検 討していただくということで、それを聞かせていただいたらいいとは思っておりました が、前回もお願いいたしましたように、問題が起こっているもととは申しませんけれど も、1つの原因として、人口構成から疾病構造も変わり、社会も変わってきておりまし て、そして今までになかった、先ほど御意見ございましたが、痴呆老人問題というのが 精神科の領域に入ってきているということも1つの大きな要因になっていると私は理解 しておりますので、この前もお願いしましたように、痴呆老人問題を別立てできっちり 議論しておいていただきたいと思います。  それから、先ほどお話が出ておりましたが、覚醒剤中毒というのが入っているから、 当然薬物中毒も入れていただけるのだろうと思っておりますが、もうちょっと診断のつ かないものもございますので、扱っておりますと、人によっては「分裂病」と言う人が あるし、いや、これは違うという人もあり、時々変わるんですよね。それは症状によっ て、その人自体が変わるんだろうと思うんですけれども、だから、そういうのもござい ますので、分けて議論をぜひ深めていただきたいと思います。それが要望です。  それから、もう一つ、先ほど来、意識啓発というところで、非常に金がかかるとか、 いろいろ御意見が出ておりましたが、普及啓発事業は保健所本来の業務だと私は理解し ておりまして、実際に今精神疾患だけではございませんけれども、いろんな障害に対す る偏見、偏見を除くだけでなくて理解を深めていただくいろんな事業をやっております  そんな中で、精神疾患に関しましては、「心の健康づくり」というので取り組んでお りまして、徳島県においても、当事者の方も来ていただいて、非常に盛大な、市町村レ ベルで会をしておりますので、そういうのを御利用いただき、また、保健所も資金的に も人的にも資料の上においてもバックアップしていただけたら、普及啓発はできるので はないかと思いますので、保健所の存在をぜひ御理解いただきたい。  そして、保健所はそういういろいろな団体、精神だけでなくて、てんかんの団体の方 もいらっしゃいますし、いろいろな団体の方とおつき合いさせていただいていますので 保健所は医療関係者でなくて地域住民のニーズをくみ上げ、そして一緒におつき合いし て、一緒に活動していく、そういう立場でございますので、1つ1つの団体が、1つ1 つの視野でお話になるよりも、保健所が入っているということはいろいろ団体を知った 上で御意見が申し上げられるというふうに思っておりますので、ぜひ保健所長もメン バーに入っておりますので、御活用いただいたらいいのではないかと思います。 ○部会長  どうぞよろしくお願いします。それこそ今日、保健所は一層大事な場所になりますね ○部会長  よろしゅうございますか。この議題は終えさせていただいてよろしゅうございますか                (「はい」と声あり) ○三浦委員  指定医の件ですが、きょう合否判定して通知出すわけですね。その日付はきょうの日 付になるんですか。 ○田中課長  大臣の決裁を受ける必要がありますので、4月1日ぐらいの日付になると思います。 ○三浦委員  それが本人に届くまでが、各都道府県によって多少違うと思うんですが、1カ月はか かっているみたいです。そうすると、もらったときに、1カ月前にもう指定医になって いるじゃないかと。そうするとその1カ月間、患者診てもいちいち医療保護だ何だの、 指定医呼んできて、それで一緒になって患者診てやっていたのが、おれはそんなことし なくてよかったというのがあります。だから医籍登録みたいに、国家試験に合格して、 厚生省に登録の手続きすれば、そのときに登録済で何号だというハガキがすぐ来るんで す。そのハガキは2カ月間有効となっているんですが、それがすぐ来れば、病院関係も 指定医の数も違ってくるだろうし、現場での仕事でも割に楽になってくるということで そういう手続きはどうでしょう。 ○田中課長  よく御指摘受ける話ですが、医師免許証の場合はもっと時間がかかります。1カ月ぐ らいでは免許証が来ないものですから、多分便宜を図られて、そういう登録通知によっ て、免許証があるということの証明にかえるということをされているのだと思いますけ れども、私ども指定医の証と、指定医の証明書をなるべく早く出すようにいたしますの で、その辺、御理解いただきたいと思います。 ○三浦委員  1カ月はかかる。ブランクになっていますね。 ○田中課長  団体を通じて登録されたということは一連名簿で通知は差し上げており、そういう便 宜は図らせていただいています。 ○三浦委員  だから、都道府県にそれを徹底していただかないと、中には処理するまでが結構時間 がかかっている。厚生省から都道府県へ行くわけでしょう。それから本人に行くと。 ○田中課長  なるべく早くさせていただきますので。 ○部会長  ありがとうございました。では、大体以上で御意見もいただいたと存じますので、本 日の議事を終了いたしたいと存じます。  問い合わせ先   厚生省大臣官房障害保健福祉部   精神保健福祉課医療第一係   高橋(内線3057)