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平成10年3月16日

公衆衛生審議会成人病難病対策部会

クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会(第4回)の開催について


1.本日、公衆衛生審議会成人病難病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会(委員長:佐藤 猛国立精神・神経センター国府台病院長)が開催されました。

2.クロイツフェルト・ヤコブ病及び類縁疾患調査(平成9年2月13日から実施)の平成9年12月末現在の集計結果が報告・検討されました。その概要は以下の通りです。

(1)平成9年7月1日より12月末日までに報告された40例を検討した。このうち1例は追加情報によりクロイツフェルト・ヤコブ病の診断から除外され、また、7例が昨年度の全国調査との重複例のため、今回の報告例は32例でした。このうち、1例が除外、3例が保留と判定されたため、新たに確認された症例は28例でした。(表1)

(2)若年発症者は、39歳以下2例でした。また、新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の報告例はありませんでした。

(3)手術既往歴を持つ症例は15例あり、その内ヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ症例は7例でした。また、ロット番号の同定はできませんでした。

(4)全国調査と重複で登録された7例のうち1例に、乾燥硬膜移植の既往があると修正報告されました。(表2)



表1.今回報告された症例一覧

  全体(39例) 新規(28例:再掲) 平成9年サーベイランス新規(62例)

13
26
9
19
23
39
年齢(歳) 〜29
30〜39
40〜49
50〜59
60〜69
70〜79
80〜 
3
 
4
7
15
9
1
2
 
 
6
13
6
1
2
 
3
13
27
15
2
発症年 1984
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1
2
1
2
1
 
2
1
14
15
 
1
 
1
 
 
2
 
11
13
 
1
 
1
 
2
3
5
32
18


表2.ヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ症例一覧

硬膜移植年 疾患名 発症年 発症時年齢 発症までの期間
(年)







女*
1987
1986
1983
1986,1994
1983
1986
1987
1987
聴神経腫瘍
急性硬膜下血腫
脳動脈瘤
三叉神経痛
急性硬膜外血腫
キアリ奇形
くも膜下出血
脳動脈瘤
1997
1996
1997
1997
1997
1991
不詳
1989
68
28
80
67
27
57

48
10
10
14
11,3
14
5

2

*修正報告分


(参考資料)

平成10年3月16日


「クロイツフェルト・ヤコブ病等に関する緊急全国調査」と「クロイツフェルト・ヤコブ病及び類縁疾患調査」について


【背景および調査の流れ】

 1996年3月の英国政府諮問委員会の声明に端を発して、いわゆる狂牛病とヒトの新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 (nv-CJD) との関連性が世界的な注目を集めた。わが国においてnv-CJD患者が存在するかどうかを明らかにし、国民の不安を取り除くため、緊急にクロイツフェルト・ヤコブ病患者の動態を明らかにする必要が生じ、1996年度に「クロイツフェルト・ヤコブ病等に関する緊急全国調査」(調査1)が行われた。
 その後、緊急全国調査の実施以降も引き続き、クロイツフェルト・ヤコブ病及び類縁疾患(CJD等)患者の発生状況等の把握のため、1997年2月より「クロイツフェルト・ヤコブ病及び類縁疾患調査」(調査2)が始まった。

【調査結果概略】

調査名称 調査対象期間 CJD等患者報告総数 若年(49歳以下)発症者数
( )は39歳以下
ヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ患者数 備考
調査1 1985年1月より1996年5月までの報告例 829例 13例(8例) 43例 1997年4月3日発表
調査2 1997年6月末までの報告例 34例 3例(0例) 3例 1997年8月27日発表
1997年7〜12月末までの報告例 28例 2例(2例) 7例
(他、調査1の修正で1例)
1998年3月16日発表
1997年12月末時点 891例 18例(10例) 54例  


照会先:厚生省保健医療局
    エイズ疾病対策課
担 当:三丸、塚原
内 線:2355、2353 
電 話:[現在ご利用いただけません]


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