98/02/24 第1回 21世紀のたばこ対策検討会議事録 第1回 21世紀のたばこ対策検討会 日時:平成10年2月24日(金)    10:00〜12:10 場所:厚生省特別第一会議室 出席委員(敬称略):  内山充  大河喜彦  川口順子  小池昭彦  幸田正孝  島尾忠男  富永祐民  仲村英一  野中ともよ  松本恒雄  水野肇  矢崎義雄  柳田知司  山崎正和 (開会:10時0分) 事務局(望月)  定刻となりましたので、ただいまより、第1回「21世紀のたばこ対策検討会」を開 催いたします。  開催に当たりまして、初めに、小林保健医療局長より、ご挨拶申し上げます。 小林局長  おはようございます。厚生省の保健医療局長の小林でございます。  第1回の「21世紀のたばこ対策検討会」の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し 上げたいと思います。  まず、このたびは、この「21世紀のたばこ対策検討会」の発足に際し、本検討会に 委員の先生方ご就任をご快諾いただき、誠にありがとうございました。また、ご多忙に もかかわりませず、きょう第1回、多くの先生方にご参加いただいたことを心から御礼 を申し上げたいと思います。  さて、厚生省におけるたばこ対策は、平成7年に公衆衛生審議会より意見具申されま した「たばこ行動計画検討会報告書」に基づき、分煙対策、防煙対策、禁煙支援・節煙 対策を3つの柱として、各実施主体の自主的な取り組みを促進するため、啓発普及を中 心として推進しているところでございます。  「たばこ行動計画検討会報告書」がとりまとめられた平成6年当時は、成人喫煙率が 減少するとともに、たばこ消費量も頭打ちの状況でありましたが、近年、若年者の喫煙 率の上昇、あわせてたばこ消費量の拡大がみられるとともに、たばこ関連疾患による死 亡者数の増大が推定されており、これに伴う医療費等が問題となってきております。  また、公衆衛生審議会より、「今後の生活習慣病対策について」という中間報告にお きまして、たばこ対策について、他の先進国と比べると、なお環境整備が遅れているた め、喫煙防止の徹底、児童喫煙対策、禁煙希望者に対する支援等を拡充するとともに、 広告や販売のあり方などについても、より積極的な対策を打ち出すべきであると、平成 9年7月にご指摘をいただいております。  他方、WHO、アメリカを初めとする各国とも、ニコチンの依存性や、たばこの煙の 発がん性や受動喫煙の危険性などに関連する国際的な知見の増大によりまして、たばこ 対策の強化を打ち出しておるところであります。  こうしたことから、今後のわが国のたばこ対策のための具体的な方策について、皆様 方からご議論をいただくべく本検討会を設けた次第でございます。  厚生省といたしましては、皆様方のご検討の結果を踏まえまして、関係省庁のご理解 も得まして、できる限り早い時期に21世紀のたばこ対策を策定できるよう努めてまい りたいと考えております。  つきましては、委員の皆様には、誠にご多忙の折とは存じますが、何とぞ国民の健康 を守る観点から、喫煙者、非喫煙者、この非喫煙者の中には、自分をして喫煙をしない 乳幼児、胎児も含まれますが、この両者それぞれに有用なご意見をいただきたく、重ね て皆様方のご協力をお願い申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。  なお、私と、左隣の企画課長は、ちょっと国会要務の関係で、挨拶を終わりますとす ぐ失礼をしますけれども、お許しをいただきたいと思います。  どうも、本当にありがとうございます。 事務局(高原)  続きまして、「21世紀のたばこ対策検討会」の委員の皆様をご紹介申し上げます。 敬称は略させていただき、五十音順にご紹介申し上げます。  内山充委員でございます。  大河喜彦委員でございます。  川口順子委員でございます。  小池昭彦委員でございます。  幸田正孝委員でございます。  五島雄一郎委員はご欠席でございます。  島尾忠男委員でございます。  富永祐民委員でございます。  反対側に移りまして、仲村英一委員でございます。  野中ともよ委員でございます。  坂東眞理子委員は本日ご欠席でございます。  ビル トッテン委員も本日ご欠席でございます。  松本恒雄委員でございます。  水野肇委員でございます。  矢崎義雄委員でございます。  柳田知司委員でございます。  山崎正和委員でございます。  以上、委員総数17名、本日14名のご出席をいただいております。  引き続きまして、事務局を紹介させていただきます。  申し遅れましたが、私、保健医療局 地域保健・健康増進栄養課長の高原でございま す。よろしくお願いいたします。  企画課長の木村でございます。 当課の生活習慣病対策室長の中村でございます。  保健指導室長の平野でございます。  奥村補佐でございます。  望月専門官でございます。  よろしくお願いいたします。  それでは、座長の選出に移らせていただきます。委員の皆様から、どなたかご推薦ご ざいませんでしょうか。 富永委員  結論的には、ぜひ今回も島尾委員にお願いしたいと思います。理由は、ご説明するま でもなく、たばこ行動計画検討会で、大変難しい検討会を見事におまとめになりました し、国際的な視野、経験も非常に豊かでございますから、ぜひお願いしたいと思います 事務局(高原)  委員の皆様、ご異存ございませんでしょうか。 山崎委員  島尾先生のお人柄に何らの疑念もありませんし、座長の選出そのものについて疑いを 差し挟むわけではありません。  ただ、この委員会は、委員の構成の構造上、非常に異様であると私は思っております  私のところに委員就任の依頼をしてこられた事務官に対して、私はどういう方々が委 員になられるか例示をして欲しいと申し上げたところ、それはできないとおっしゃった そういうことは、私も長年政府関係の委員会に出ておりますが、例のないことでありま す。直前になって委員の構成メンバーを教えていただいたんですが、私のジャーナリス トの友人の協力も得て調べましたところ、たばこについて好意的、あるいは中立的な委 員は極めて少数であって、大部分が嫌煙あるいは禁煙という立場に立っておられる委員 であります。委員の一人ひとりの立場に私は今ここで議論をするつもりもございません けれども、そういう異様な構成になっている以上、座長の先生には、ぜひとも、特に公 正な審議の進め方をお願いしたい。  第2点は、たばこについて過去に厚生省でいろいろなご検討があったようであります し、また、アメリカを中心とする諸外国でいろいろな世論が高まっていることは私も承 知しておりますけれども、そういうたばこの性質について、それがいいとか悪いとかと いうことについて無前提に議論を始めていただきたい。この委員会の最後にどういう結 論が出ても、それは私はやむを得ないと思いますけれども、最初に、これまでの世評と か、あるいはこの委員会に提出されていない資料に基づいて議論がスタートすることは ぜひお避けいただきたい。これだけはお願いしておきます。 事務局(高原)  ご要望でございますね。 山崎委員  そうです。 事務局(高原)  そういうふうなご要望があったということでございまして、特に、山崎委員、異議と いうことではございませんですね。 山崎委員  異議ではありません。 事務局(高原)  それでは、異議がないということで、島尾委員に座長をお願いしたいと思います。  また、これからの進行につきましては、島尾座長にお願いいたします。  なお、副座長は座長のほうからご指名願いたいと思います。 島尾座長  結核予防会の島尾でございます。ただいま座長にご指名いただきまして、大変光栄に 存じますとともに、また責任の重さを痛感いたしております。殊に山崎委員からお話も ございましたけれども、今、厚生省が生活習慣病という新しい考え方を打ち出し、その 中でたばこの対策は非常に重要な問題になってまいると思いますので、委員の皆様のご 協力を得ながら、21世紀の喫煙対策、いい案を出せるように討議を進めてまいりたい と思いますので、よろしくご協力のほどをお願い申し上げます。  それから、ただいま、副座長につきましては私のほうからということでございますの で、副座長には幸田委員、それに内山委員にお願いできればと思っておりますので、よ ろしくお願い申し上げます。  それでは、議題に入ります前に、事務局から本日の資料の確認、そして説明をお願い いたしたいと思います。 事務局(高原)  座ったままで失礼いたします。第1回 21世紀のたばこ対策検討会配布資料一覧と いうのが付いておりますが、資料1「21世紀のたばこ対策検討会」についてという2 枚の紙をとじたものでございまして、この対策検討会の課題、それから委員の名簿が載 っております。それから、資料2といたしまして、「21世紀のたばこ対策検討会」第 1回資料、平成10年2月24日、厚生省保健医療局というふうな形で、あと後ほど簡 単に説明させていただきますが、その2つの資料を用意させていただいております。  そのほか、委員の皆様方のお机の上には、厚生白書と、それから文部省さんの外郭団 体でお作りになりました学童生徒のための教材がございます。これは一般に市販してお りますものですから傍聴の皆様方にはお分けしておりませんが、よろしくお願いいたし ます。  それでは、「21世紀のたばこ対策検討会」第1回資料を大まかに説明させていただ きます。  この資料の性格でございますが、これはあくまでも私どもの責任におきまして、あら かじめ想定される論点に沿って、既に公開されている国連機関、各国政府の公的出版物 及び査読制を採用している学術刊行物から、参考に資するために資料として作成したも のであり、現在のところ検討会の合意に基づいているものではございません。ここに収 録された資料の内容に関する反論や補足等の資料で、公的機関もしくは査読制を採用し ている学術刊行物からのデータにつきましては、申し出があり次第、座長の決定により 補足といたしまして全員の皆様に配布するということを予定しておりますので、よろし くお願いいたします。  続いて、目次でございますが、たばこと健康問題の現況ということを第1に置いてお ります。第2部は、精神活性物質としてのたばこということに着目した資料を入れてお ります。第3部は、有害物質と公衆衛生上の規制、いわゆる衛生規制に関する問題を述 べております。ただ、ちょっと異質なものは、3−4にございます、たばこによる経済 損失ということが最近注目されておりますので、それにつきましての資料が入っており ます。これは厳密にいいますと衛生規制の領域ではないかと思います。それから、第4 部といたしまして、国際的なたばこ対策の動向といたしまして、国際機関における取り 組みの状況、諸外国におけるたばこ対策、米国、特に、かなりいろいろ注目を浴びまし た訴訟問題について若干の資料を入れております。  簡単にさっと触れてまいりますと、たばこと健康の状況というところでは、喫煙率が わが国においては上昇機運にあるということ。国際比較上喫煙本数が多いということ。 それから、WHOの推計によります、たばこが原因の超過死亡数、3ページでございま すが。図といたしまして、喫煙の流行モデル、これもWHOの資料でございますが、喫 煙率と、それから喫煙に関係する疾患の死亡率についてはタイムラグがあるという流行 モデルを紹介しております。  4ページには、わが国におきますたばこによる超過死亡数、総死亡率の寄与率への推 定値でございます。図の7といたしまして、これは最近のデータでございますが、いわ ゆる喫煙者と非喫煙者のADLの差につきまして、評価が日本で出ておりますので、ご 紹介しております。図8でございますが、いわゆるQOL、主観的満足度について、喫 煙、非喫煙、ないしはその他の要素につきまして疫学データが出ておりますので、それ を紹介しております。  5ページは、これらのものの文献でございます。文献の読み方につきましていろいろ ご議論もあろうかと思いますが、基本的に公表されている文献を利用しております。ま た、もし誤りがありましたらご指摘いただくようにお願いいたします。  6ページは、従来のたばこ対策。これは多くの方がご承知の件でございますが、本日 もお配りしております厚生白書におきまして、ないしは、ただいま局長が触れました今 後の生活習慣病対策において厚生省の考え方を示しております。  なお、この厚生白書の関係する内容、それから中間報告の内容につきましては、8 ページの下に、「厚生白書」平成9年版の言及の状況、公衆衛生審議会の中間報告の内 容をここに引用しております。  9ページのリスク科学、最近、公共政策の手法としてリスク科学が利用されていると ころがありますが、それについての概説でございます。  それから、11ページからは、いわゆる精神活性物質につきましてのものでございま して、ここに様々な精神活性物質についての紹介及びその法律が出ております。また後 ほど言及することになろうかと思いますが、WHOにおいて何らかのたばこに関する条 約が必要ではないかという議論もあると承知しております。  13ページは、薬物依存の定義及びメカニズムでございます。  15ページが、これがたばこに直接関係するものでございますが、ニコチンの依存性 についての知見でございまして、私どもは、この表1の真ん中、世界保健機関の199 7年、薬物依存専門委員会第30回報告に述べられております「たばこは依存性があ る」等々の内容、一つの現在の主要な見方であるというふうに考えております。  17ページからは、次の部に移りまして、様々な衛生規制につきまして、食品、食品 添加物、食品中の農薬、食器、おもちゃ、飲料水、医薬品、空気、水、職域というよう な形で、いわゆる規制科学という形によりまして、閾値のあるものにつきましては、い わゆる最大無作用量に十分な安全係数を掛けたもの、それから、発がん物質についてイ ニシエーターについては基本的に無閾値という形で議論されているということをここに 紹介しております。  それから、たばこと言った場合に、葉たばこのみに我々はややもすると着目するわけ でございますが、その他の葉たばこ以外のたばこシートや添加物等が用いられていると いうことでございます。  19ページは、健康影響ということで、日本におきます計画調査、俗にいいます平山 コホート、これは厚生省の3局長連名でスタートしたプロジェクトでございますが、こ れにおきますコホートのデータでがんの比率等、循環器疾患の比率を日本のデータ及び 米国のデータで示しております。疫学的な数だけで証拠になるのかならないのかという 議論も方法論としてあろうかと思いますが、現在、先進7カ国、いわゆるG7の分科会 でございますEvidence Based Medicine 部会におきまして、表2に掲げられたような証 拠の質の評価方法というものが、ここ10年ばかり利用されておりまして、よくデザイ ンされたコホート研究または症例対照研究というものは、少なくとも第2群ということ で証拠能力が認められているということでございます。  20ページは、受動喫煙に関しまして、その因果関係が証明されている、ないしは示 唆されている疾患の一覧でございまして、これはEPA、米国環境庁の資料を中心に使 っております。図2から図3までは日本におきます疫学データでございまして、主とし て家庭、職場等の喫煙状況と客観的な尿中のコチニンの検出者の割合ないしは血中の鉛 の濃度といったものでございます。  次に、22ページでございますが、たばこ、いわゆるリスク科学という考え方に基づ きましたリスク評価でございまして、これは主として中心になるのは表2かと思います が、これはマサチューセッツ州の衛生部の資料を引用しております。  それから、23ページでございますが、わが国におきますダイオキシンというのが非 常に関心が高いわけでございます。たばこ煙中のダイオキシンにつきまして、どの程度 含まれているということにつきまして表3に出ております。表4は、わが国におきます マクロのダイオキシン類の発生源別の排出量でございまして、都市ごみ等々とは比較に はならないわけでございますが、たばこから3.2キロというデータが報告されており ます。  それから、25ページは、たばこによります経済損失ということでございまして、こ れは、WHO、世界銀行、それからハーバード大学の共同研究でDALYs、障害調整 損失年という評価方法が開発されておりまして、これのリポートによりますと、たばこ のDALYsへの寄与率は1990年の2.6%から2020年には9%となり、21 世紀初頭には感染症は減って、たばこの害や精神的ストレスによる疾患が、現在より多 くなることが予測されております。なお、ちなみにDALYsという指標は、いわゆる 早死にによる生命損失年数と、それから障害を持って生きる年数に、障害による生命の 質のロスに着目したものでございます。  それから、ただいままでの資料を前提に、たばこによりまして疾患の発生を推定いた しまして、それによる医療費を推定いたしますと、1993年には約1兆2000億円 それから、そのうちの財源、これは一般的に財源で割り振ったものでありますが、公費 いわゆる国税、地方税負担分が3800億円、保険者負担分が7000億円というふう に推計されております。なお、このたばこの超過医療費の推計は、医療経済研究機構に よるものでございます。  国際機関の対策でございますが、様々な機関が様々な取り組みを行っているというこ とでございまして、国連及び関係機関、それから環境大臣会合及びデンバー・サミット ということでございますが、デンバー・サミットの8カ国宣言の中には、児童のたばこ 煙への曝露の低減ということが強調されておるというふうに承知しております。NGO の活動、それから国際的枠組み条約、これにつきましては、先ほど申し上げた点でござ いますが、様々な枠組み条約があるわけでございますが、たばこと他の依存性薬物とは 依存性があるということと、それから健康被害をもたらすということでは共通するが、 様々な濫用薬物とはかなり異なる性格があると。したがって、何かの条約が必要として も、新たな条約というふうなものを考えなければならないだろうというふうなことがW HOのワールド・ヘルス・アッセンブリー、総会において議決されております。  それから、諸外国のたばこ対策でございますが、警告表示について、日本、アメリカ イギリス、各国のものが出ております。非常に強い調子で出ているものが欧州連合のも のでございます。  広告規制の状況について、表3、次のページでございます。価格政策につきまして表 4。警告表示について32ページに一覧表が出ております。  米国でございますが、34ページに、1994年、FDAが、たばこ産業は製品中の ニコチンを意図的に操作しているとして、多くの喫煙者が未成年のうちに喫煙を開始し ニコチン依存症に陥るということで、食品医薬品化粧品法の下に置くという方針を公表 し、規制規則案を発表しております。  そのほか、クリントン大統領のお考えや、地方レベルにおける状況というふうなもの についての若干の紹介がなされております。  35ページに、いわゆるたばこ訴訟の和解に関します簡単な紹介と、それに関します 関係者並びに識者の意見を出して紹介しております。この訴訟の一つの本質は、いわゆ るメディケイドに対します州政府の医療費の損害賠償、日本の体系で言うと第三者の求 償に該当するようなものが行われて、97年6月、和解金の支払いを含む和解案が合意 されたところであります。  また、クープ・ケスラー諮問委員会、クリントン大統領、連邦取引委員会、ナショナ ル・アカデミー・オブ・サイエンスとか様々な意見が出ておりますが、そのものの要点 をここに紹介しております。  以上でございます。 島尾座長  どうもありがとうございました。何かほかに補足の説明がございますか。 富永委員  先ほど山崎委員から、この検討会での議論は配布された資料に基づいてということで ございまして、それは結構なんですけれど、ぜひ配布資料に追加していただきたいのが ございます。今の資料の7ページの参考文献の7番でございますが、「喫煙と健康問題 に関する報告書」、この改訂版、内容は3、4年古いですけれども、これはぜひとも配 布資料にしていただきたいと思います。 島尾座長  どうもありがとうございました。そのへんは、事務局、よろしくお願いいたします。 ほかに何か。 柳田委員  資料の13ページなんですが、ここに表1が、薬物依存の診断基準と出ておりますけ れども、これは、Surgeon General のリポートの中でそのような依存をそのように見た ということで、医学界のコンセンサスが得られた基準ではございません。それにつきま しては、米国の神経精神薬理学会が依存の診断基準としてDSM−IVというのを出して います。これは、DSM−IIIを2年前に改定してIVになったものです。それとは別に WHOがICD−10というのを出しておりまして、もしこの診断基準としてここに掲 げるならば、そのように国際的に評価を得ている基準を出すべきではないかと思われま す。  実をいいますと、私、この1988年の Surgeon Generalのリポートのレビューワー の一人でございました。大勢の名前の中に私の名前もございますけれども、そのへんに ついての議論のやりとりがちょっとあったんですが、あくまでもこれはリポートの中で のそういう定義づけであるということでこのような記述があったわけです。  それから第2点は、表2でございまして、これは私の文献が2つ引用されて、それが 合わさった形になっております。ただ、私、この表を見ると、「おや、こんなような数 字だったかしら」と大変意外でございまして、これは両方のオリジナルを照合するとわ かるかと思いますが、両方の中から少しセレクトしたというような印象でございます。 その点については、ここに引用されている1983年と92年のオリジナルのものを、 次回ここにお出ししたいと思います。  そこにございますか。これは、その中から一部をお抜きになったんじゃないでしょう か。 事務局(望月)  はい、そうです。 柳田委員  ただ、その抜き方が必ずしも妥当かどうか疑問に思いますが。 事務局(高原)  わかりました。DSM−IVにつきましては、15ページの国際的疾病分類・診断基準 というところに簡単に引用してあります。ICD−10についても簡単に引用しており ます。次回の資料の中に、ICD−10及びDSM−IVの関連部分を配布させていただ きたいと思います。それから、柳田委員の83年のオリジナルの論文、92年のオリジ ナルの論文、これにつきましても次回に配布させていただきます。 柳田委員  この該当の表の部分だけでよろしいと思いますけれどもね。 島尾座長  事務局のほう、お願いいたします。あと何か、ただいまのご説明に対するご発言ござ いますでしょうか。 大河委員  幾つか反論したい点はあるんですが、その一つの例として、たばこによる経済損失の 試算が医療経済研究機構の値として出ているんですけれども、もちろんこれは一つの試 算としては既に公表されている値だと思うんですが、例えばフィールド調査で喫煙者と 非喫煙者、あるいは喫煙をやめたような方、前喫煙者なども含めて、実際に医療費の調 査をしたデータなどもありまして、そうすると、なかなかこのような単純な値に出てこ ないというようなこともありますので、あくまでこれは一つの試算値だと思いますので ここでこれを認めろとか、そういう意味ではないと理解してよろしいのでしょうか。 事務局(高原)  これは、お認め願うとか何とかというよりも、むしろ議論をしていただくための資料 だというふうに考えております。それから、もし現実にスモーカーとノンスモーカーに つきまして医療費の資料がございまして、提出していただけるのであれば、配布したい と思います。ただ、この発病と喫煙の間に、これは広く認められた流行モデルだと思い ますが、タイムラグがございますので、そこらへんのところをどう理解するかというの は問題はあると思いますが、有益な資料だと思いますので、ご配布いただければ。 大河委員  次回、配布させていただきます。 幸田委員  次回、できましたら教えていただいて資料をいただければと思いますが、32ページ の警告表示の比較ですが、日本の場合に、どういう場所でこういう1972年なり19 90年のような表現に決まったのかということが、私、不勉強でわかりませんので。そ れから、欧州連合は指令で決まっているようですし、イギリスは業界の自主的合意のよ うですが、ドイツはEU指令ですか、フランスの場合とか、そういうよその国でどうや って決まっているのかということがわかれば、それもひとつあわせて資料として教えて いただければと思います。 事務局(高原)  全部の国についてわかるかどうか、ちょっと自信ないところございますが、でいるだ け挑戦してみたいと思います。 幸田委員  それから、その前の31ページの表4のたばこの値段の問題なんですが、日本が 260円で、これはマルボロレギュラー1箱ですか。アメリカ、カナダが大体日本に近 いですが、あとは大体、イギリスは2倍以上、それからイタリア、ドイツ、あるいはフ ランスは大体3割増、オーストラリアは2倍以上ということになっていますが、このた ばこの値段の決め方ですね。このへんについても、日本の場合に定価制ということで、 どこの場所でどう決まっているのかということが、私、不勉強でわかりませんので、中 身は書いてありますけれども。それから、ほかの国は民営の、民間で決まっているのか どうかよくわかりませんが、ほかの国でもどういう決まり方で決まっているのかという ことがわかればあわせて教えていただきたいと思います。  それから、その前のページになりますか、あるいは後のページになります、自販機で のたばこの売り方についての規制が、日本の場合にどうなって、誰が決めているのか。 それから、ここに書いてあるような各国についてどうなっているのか。アメリカは和解 案で、35ページの和解案の中で、6で未成年者へのアクセスで、自動販売機による紙 巻たばこ販売を禁止すると、こういうようなことになっているようですが、このへんが わかりましたら、次回ひとつ資料としてお示しをいただければと思います。以上でござ います。  それから、ついでですが、たばこの値段について、できれば国民所得というものを比 較をして、国民所得の関係でたばこというものはどういう位置づけなのかということを 1人当たりの国民所得の関係で作っていただきたいと思います。 川口委員  お願いでございまして、この道の専門家が大勢いらっしゃるところに専門家でない人 間が紛れ込んで、こういうことを申し上げるのは大変に申し訳ないと思うんですけれど も、これは議論の進め方にもよりますけれども、きょうご説明いただいた資料の密度が 非常に濃くて、もしこの資料をベースに今後、あるいはその日に配られた資料をベース にそのときの議論があるということでございましたら、やはり消化に多少時間がかかり ますものですから、事務局もお忙しくて大変でいらっしゃると思うんですけれども、可 能ならば事前にお配りいただければ大変に有り難いと思いますし、それが難しければ、 できるだけ時間を掛けてご説明をいただけると大変に有り難いと思いますが、よろしく お願いします。 山崎委員  配布資料に関してお願いをします。たばこの社会的ポスト論というものについては、 その根本思想について、後ほどまた議論をする機会があろうかと思いますが、とりあえ ず検討のための資料として、たばこ以外の、例えばアルコール、砂糖の大量摂取、塩の 取りすぎ、自動車の排気ガス、その他による社会的ロスがどの程度のものであるかとい うことを示す資料を、ぜひお出しいただきたい。参考にして比較しないと議論ができな いと思います。 島尾座長  ほかに何かございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。  それでは、本日は第1回、初めての議論でございますので、会議でございますので、 初めてお会いする方もかなり多いので、第1回目ということで、まず、各自たばこの問 題について平素考えておられるようなことを気楽にお話しいただいて、その中から第2 回をどういうことを軸に議論を進めていくかということをやってまいりたいと思うので すが。まず隗より始めよで、私自身から述べさせていただきます。  私自身、喫煙の問題に関しては、かつては、ある時期、1日3箱、60本ほど吸って おりました。かなりヘビースモーカーの経験を持っておりまして、しかも、一遍禁煙を 試みて失敗しているということも経験しているのですが、やはり呼吸器科の医師で、目 の前に肺がん、あるいは気管支炎、肺気腫、こういった患者さんをたくさんみておりま すと、嫌でもやめてもらわざるを得ない、その指導をしている自分が吸っているのでは 甚だまずいということで、かなり難しかったのですが、それでも30年近く前に禁煙に 成功いたしまして、禁煙というか休煙に成功をして、そのまま休んでいる状態が続いて いるということで今日に至っております。  実際に自分でやめてみてよかった一つは、それまで咳やタンがかなりあったのが、パ ッと2、3カ月でなくなった。そして、食事がうまくなったのはよかったのですが、そ れでそのまま少し食欲に任せていたらだいぶ体重が増えだしまして、これは危ないぞと いうことで制限して、今のところプラス2、3キロのところで抑えているというような 状況と。  それから、今の建物はよくなったんですが、前は私どもの研究所は木造の大変な建物 でございまして、吸っていた時代には、勤務が終わって帰りかかって駅の途中まで来て 「あれ、ちゃんと吸いがら消してきたかな」というのが心配になりまして、思わずもう 一遍帰って、消えているのを確認するというようなことがあったんですが、少なくとも 火事の火元の心配だけしなくなったというのは、大変精神的に安心感を覚えているとい うような状況でございます。  生活習慣病という中でいろいろな要因、ただいま山崎委員からも、たばこ以外にもい ろいろあるじゃないかと、確かにそのとおりだと思うんですが、そういう中で、総合的 にこのたばこの問題をどう考えていったらいいか、真剣に考えるべき時期になっている と思いますので、委員の皆様方のいろいろなご意見をいただきながら、できるだけいい まとめを得てまいりたいと考えておりますので、改めて協力をお願い申し上げます。  順番で恐縮ですが、仲村委員から一言。 仲村委員  突然のご指名で、もっと順番は後だろうと思っていたのですが。 島尾座長  もう一遍やって、後でもまた結構です。 仲村委員  たくさん資料を頂戴して、読んでいる暇がないぐらいなのですが、私は、島尾先生の WHOの理事会の委員に指名をされまして、ここ何年かWHOの理事会、総会に出てお りますが、WHOとしては、もう、自明のことだとして、たばこが健康被害の一つの重 要な要因であるということを前提としていろいろ議論がされております。かつてはアフ リカのある国では、換金作物としてたばこしかないという国もあったわけですが、ここ にも書いてございますように、だんだんそういう融資もなくなってきておる、あるいは 今は、さっきお話に出ておりました枠組み条約ということで世界中共通でやろうではな いかというふうなことになっておる状況でございまして、日本の場合は、WHOに出る とあまり威張った顔できないような現状だという認識でおります。以上です。 島尾座長  どうもありがとうございました。それでは、野中委員、どうぞお願いします。 野中委員  私も幾つか政府の委員をやらせていただいておりますけれども、座長選出のあのモー メントから緊張感が走って、そういう緊張感というのはなかなか、議論をとても深いも のにするということで、これはとても楽しいところにお招きいただいて、やる気が出て きた野中でございますが。  私自身は、きょう提出していただいた資料や、あるいはご専門的な領域については、 全く知らない素人でございます。科学的なパースペクティブであれ、あるいは経済的な 例えば国家の損失といった目的でたばこを考えるというとらえかただけではダメだと思 うのです。私がお役に立てる部分があるとすれば、個の目線として、また母親というか 命を自分の体の中で作り、そしてそれがヨチヨチから歩き始め、そしていろんな社会性 の中で健康をどう考えるかというようなことを一緒に生活をしていく、育てていく、育 んでいくという立場であれば、日々やっておりますことですので、そういう個の目線と しての意見を言わせていただくことであればお役に立てるかなという自覚でございます  私とたばこのおつきあいは、私も通過儀礼として、学校のトイレで隠れて吸うという ことはしたことがございませんでしたけれども、やはり大学時代にちょっと格好をつけ て吸ってみると、何だか試験の前に頭がピリッとして緊張感が走って、とてもいいなと いう感じでした。でも、気管支はヘレヘレになり、ある実験を拝見したら、それは毛細 血管が、ヒュッと吸うとチュッと縮んで、脳が助けてくれという指令でもってピリッと 意識が目覚めるというような実験を拝見したら、ああ、そういうもんかというようなこ とで、長くつきあうこともなくやめました。国家的医療費の損失というようなことでた ばこを見れば、砂糖だって塩だってお酒だってという話が出てまいりますが、これは本 当に自己責任だろうと思うのです。自分でコントロールして考えてやる健康の側面であ る。というふうにも言えると思うんです。でも、塩と砂糖とたばこが大きく違うのは、 きょうもここへ参りますときに、お三方、殿方が、ちょうどこの建物にお入りになった 方なんですけれども、歩きながらお吸いになると、その煙は、全部こう後方の私の方へ 来るわけですね。それが非常に、今ののどがこういうふうにガラガラになっているのは そのお三方のおかげによるものなんですけれども。自己責任で自己の健康はコントロー ルできても他者に対する迷惑が存在するのですね。でも、それはマナーの問題ではない か。それに対して国が規制をするとか、法的な網を掛けるとか、というようなことにつ いてはいかがなものかという考え方は成立すると思います。でも、私自身は、医療費の 損失が大だからということではなしに、毒性のあるモノについての公共のルールづくり という点で、しっかりと日本でのルールはつくるべきだと思います。  また、同時に日本丸においては、専売公社というような形で、たばこは、国税の収入 であるとか、いろんな形で、税金のみならず、売り上げそのものが国の一つの柱になっ ていたということからすると、かなり未来を考えていくときの抵抗みたいなものという のは、インスティテューショナルなものもおありになるとは思うんです。でもやはり、 個人の目線として、長くなりますから最後にしますが、子どもたちが、今はむしろたば この話よりも、スピードとか覚醒剤の犠牲になっている。渋谷の街を歩いてみますとよ くわかりますが、本当に問題です。我々は“覚醒剤”という自覚ですが、彼らにとって は“スピード”、“S”。でダイエットに役に立つとか、18歳過ぎてたばこを吸うな んて、なんてダサイんだと。中学の間にスピードをやらなきゃ大人にはなれないと。フ ァッションのレベルで覚醒剤がものすごい勢いで浸透しているんですね。  ですから、そういうようなことを考えると、まず、たばこですらこんなに害がある、 ということを知らしめること。大人についてはマナーや自己責任というとらえ方でも議 論を進めるべきだと思いますが、子どもの、人類の仲間入りをしてくる稚拙な連中に、 このたばこの害とか、“スピード”や、“S”については、もっと恐ろしく、これはこ ういうものなんだということを、やはり正確に、プレゼンテーションしていかなければ いけないと、そんなふうに思っている次第です。 島尾座長  どうもありがとうございました。松本委員、お願いいたします。 松本委員  私、唯一の法律家ということで、貢献できる部分が、きょうお配りいただきました資 料でいいますと4の部分ぐらいしかないわけですけれども、日ごろ感じていますのは、 同じ先進国でも、ここの後ろにも出ていますが、アメリカやヨーロッパではかなり広告 についての規制が特に厳しい、あるいは販売方法についても一定の制限がなされている にもかかわらず日本ではかなり弱いということについて、これは不思議に思っていたわ けです。  法律の議論というのは、やはり事実に基づいて行いますから、例えば裁判でたばこ会 社が被告になって、がんになったからということで訴訟をするというケースがアメリカ で多いわけですが、因果関係があったのかどうかというのが非常に重要な証拠として論 議されます。アメリカでは、それを認める判決もかなり出ているわけですし、政府が法 律でかなり厳しい警告義務を課す前提として、当然一定の医学的データに基づいてやっ ているはずなわけですね。ヨーロッパも同じだと思います。にもかかわらず日本で、欧 米と並ぶくらい医学の発展しているはずの日本で、そのようなデータが出てこないとい うのが不思議だったわけです。同じぐらい科学が発展しておれば、同じくらいのデータ が出て、それに基づいた政策的な議論、あるいは司法の場での議論が可能なのに、日本 だけ、あるいはほかの国もそういうことがあるかもしれませんけれども、欧米と比べて 同じ3極と言われている日本がちょっと落ち込んでいるということが、やはりちょっと 納得いかない気がいたしますので、その点をまず、ここには医学の専門家の方がたくさ んいらっしゃるわけですから、その点ははっきり、医学的なデータとしてはこうなんだ ということを明らかにしていただいた上で、つまり、たばこが有害なのかどうか、それ から、有害だとして、どの程度有害なのか。塩だとか砂糖だとかお酒とか、確かに有害 になりうるものは山ほどありますけれども、たばこの喫煙の有害の程度というのはどの 程度なものなのか。そこが明らかになれば、それを防止するためにはどのような政策を とるのがいいのか。極めてひどい有害物質の場合には国が一切禁止するという、例えば サリンなんかですと、そういうのは作っただけで殺人容疑で逮捕されるというぐらいの 規制が掛かっているわけですが、そうでない程度に有害なものはたくさんあるわけで、 それについては様々な規制のかけ方、国が直接規制をするんじゃなくて自主的な規制に ゆだねるというのも一つでしょうから、たばこというのはどの程度の政策的なアプロー チになじむものなのかということを議論していきたいと思います。  私は、法律の中でも消費者問題をずっとやっておりまして、3年ほど前に製造物責任 法、PL法というのがかなり、厚生省の管轄している医薬品についても相当大きく議論 された上で制定されて、現在施行されているわけですけれども、たばこと製造物責任と いう問題から考えますと、たばこの持っている有害性というのが、それは欠陥というに 値するものなのかどうか。そして、それを避けるためにはどのような方法があるのか。 あるいは、一定の危険性はあるんだけれども、それは個人の判断にゆだねるべきもの、 その程度のものなのかどうか。後者のものであれば、先ほど野中委員から自己責任とい うような話も出ましたけれども、現在の規制緩和の行政界においては、自己責任という のがいろんな次元で強調されているわけで、たばこを吸う吸わないにおける自己責任、 自分の判断をするための前提材料として、その製品にどの程度の危険性、有害性につい ての警告がなされているのが適当なのかというところが問題になってまいりまして、ア メリカでの訴訟では、かなりその点が争われていたと思います。 島尾座長  どうもありがとうございました。矢崎委員、お願いいたします。 矢崎委員  私は、この委員の中で、たばこが健康に影響を与えるということで、臨床的には、が んと心血管系の疾患だと思いますけれども、その後者の心血管系の疾患を直接対応して いる臨床家という立場で委員に加えさせていただいたんだと思います。  松本先生が言われたような、今、Evidence Based Medicine という言葉で、医学は、 証拠能力のあるデータに基づいた対応を求められているんです。外国には、今おっしゃ られたように多くの前向きの調査のデータがあるんですが、わが国では、そういう調査 は少し遅れているといいますか、特に慢性で、結果が出るのに10年、20年かかる、 あるいは確率が低い場合にはなかなか統計的に出すというのが難しく、特にわが国では まだシステムが整っておりませんので、はっきりしたエビデンスになるデータというも のが取りにくいところはあります。ただ、私どもとしては、できるだけエビデンスに基 づいた対策というものを立てていく使命があると思いますので、そういう切り口から議 論に加えさせていただきたいと思います。  実際には、19ページの3−2のたばこの健康影響という部分だと思いますけれども これはたばこのことだけではなくて、わが国の最近の疾病構造の変化というのも一緒に 入れていただくと、その中でのいろいろな、今、生活習慣ということでありますが、ラ イフスタイルの変化によってわが国の疾病構造がどう変わったかということも、一つ大 きくわかるのではないかと思います。  特に特徴的なのは、国民の死亡原因で脳血管障害というのが欧米に比べて8倍ぐらい 多くて、英語の教科書にも日本で脳卒中が多いということが記載されています。しかし 実際の罹患率は高齢化社会であまり変わりませんが、死亡率というのは非常に下がって 今は欧米諸国並みになっております。一方、心血管系といいますか、虚血性心疾患の死 亡率というのは、減少しておりません。ですから、罹患率は多くなっているということ で、私どもも、個人的な立場で多くの患者さんをみておりますけれども、例えば心筋梗 塞あるいは虚血性心疾患の患者さんの背景を見ますと、欧米は大体血中のコレステロー ルに比例して心筋梗塞の発症率は多いんですが、日本の場合には血中のコレステロール が比較的低いにもかかわらず心筋梗塞が発症している。その背景を見ますと、軽い糖尿 病があるとか、それから喫煙習慣があるということが目立って多いようなことがありま す。  これはやはり、個人的な経験とか視点ではなくて、しっかりエビデンスとなるような データでこういうことを証明していきたい、臨床医の立場からこの問題について議論に 加われればというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。 島尾座長  どうもありがとうございました。それでは、柳田委員、お願いします。 柳田委員  私は、薬物依存の問題を専門としておりまして、そういう点でいろいろな薬物を、ニ コチンも含めて、アルコールも含めて、横に眺めるくせがついております。そういう中 で見ますと、いろいろな薬物の使用に起こっている問題、これは、覚せい剤であるとか ヘロインであるとか、そういうようなものは大変深刻な問題をもたらしております。そ の点、喫煙の問題は、先ほどちょっと事務局のほうからのご発言もありましたように、 依存性とか精神毒性、そういうような点でほかの薬物とはかなり違い、また、それによ って起こる家庭内の問題、社会的問題、それもかなり性格が異なっているように思われ ます。  特に、一番の特徴は、たばこは仕事をしていても、それから車を運転していても、そ れに支障を来すような精神機能の異常が起こらないということでありまして、これは、 他のどんな依存性薬物でも必ず影響されます。お酒でももちろん影響が出ますけれども たばこはそれが出ないと。そういうことがあります。  ただ、たばこが持っている問題点というのは、すぐに起こる問題は、煙の嫌な刺激で あるとか、火事の危険であるとか、それから長期に言えば、いろいろ議論されている健 康への障害、そういう問題があると思います。  ですから、そこで非常に大事なのはバランスの問題で、たばこがもたらすメリットと たばこがもたらすデメリットを、ほかの薬物との比較においてどうとらえていくかとい うのが大きな問題点になるだろうというふうに思います。  最近のアメリカでの研究によりますと、非常におもしろいのは、これは一卵性双生児 と多卵性双生児で、ハーバード大学が最初やり、それから次に国立薬物濫用研究所がや った膨大な研究があります。これは、双生児628組を対象にして、最初のハーバード の研究は、マリファナの好き嫌い。向こうの青少年は大体数回の経験は8割以上の人が やっておりますので、そういう双生児について、5回以上の経験のある双生児について 好き嫌いを、双子の間で好みが一致するかどうか、そういう調査をして、一卵性双生児 のほうが一致性が非常に高かったと、統計学的に優位に高かったということを報告して おりますし、また、国立薬物濫用研究所の最近の報告でも、同じくらいの双生児の対を 使いまして、今度はアルコールとかコカイン、そういうようなものに対する好き嫌いを やはり調べておりまして、これも遺伝子による影響が非常に大きいということを明らか にしております。  私は、そのことはたばこでも言えるんじゃないかと。人によって、たばこを吸うこと によって非常に楽しみを感じ、満足感が強く出る人、もう少し難しく言うと、脳内の ドーパミンの遊離が割合強く起こる人と、それからあまり起こらない人、そういうのは 遺伝子によってある程度影響が出るんじゃないかと。  そうしますと、たばこ問題というのは、それが、どれだけその人が楽しみ、どれだけ リスクを背負うかという判断は、個々の人によってだいぶ違うんじゃないかという感じ がしますので、そのへんのバランスをどうとらえていくかというのが非常に難しい問題 点だろうというふうに考えております。  それから、最後に一つ、これは疫学の専門家の富永先生を前に置いて素朴な質問でご ざいますけれども、日本人の平均寿命というのは世界でも一番と言われております。と すると、日本でのたばこ人口というのは極めて低かったのかなと。そのへんの関係はど うなっているんだろうなと。そうなってくると、今、疫学的には、たばこというものを 一つの指標にしてすべてを論じる傾向がありますけれども、果たしてそれだけでいいん だろうかなというような、そういう素朴な質問が沸いてまいりまして、もしたばこを1 本吸うと何分寿命が縮まるというようなことであるならば、日本の長寿国というのも、 私の知る限り日本の喫煙率はそんなに低くはなかったと聞いておりますので、そうする と、その計算はどうも日本の男性の場合には当てはまらないんじゃないかなというよう な、そんな感じも持ちまして、そのへん、私は素人の分野ですから、どうしてそうなの かというようなわけは、そのうち機会があれば富永先生にでもゆっくりお聞きしたいと そんなふうに思っております。 島尾委員  どうもありがとうございました。山崎委員、どうぞ。 山崎委員  厚生省に一つだけ感謝を申し上げたいのは、この委員会が公開であるということであ ります。私の後ろには、国民と市民を代表するジャーナリストの方々がおられる。そこ でこの問題が初めて議論される。閉じられた委員会ではなくて開かれた委員会でたばこ の問題が論議され、そこに参加できるということを私は喜びとしております。  私自身がこの委員会に参加した動機はただ一つであります。それは、この委員会の テーマはたばこでありますが、扱われている問題は、実はたばこだけではない。たばこ の問題ではない。行政が国民の文化あるいは国民の精神に関与するということはいいこ とかどうかという問題が問われていると思うのです。もう少し言えば、社会の多数、あ るいは社会の強力なグループが、個人の嗜好とか好みとかいうものに法的な力を借りて 干渉することが正しいかどうかという問題が問われていると思うのであります。  たばこを非難する、あるいはこれを抑止しようという論者のお考えは、主に2つであ ります。一つは、たばこが健康に悪い。もう一つでは、諸外国。日本人にとって弱い言 葉ですが、先進国で禁煙が進んでいる。わが国も遅れてはならないという追いつけ思想 であります。  まず、健康の問題でありますけれども、私のような医学の素人には、もちろんこの問 題に積極的に関わる資格はありませんが、そういう人間の耳にも両論が聞こえてまいり ます。悪いという人もあれば、さほどでもないという人もおります。これについて悪い とお考えの方々が民間人として、あるいはお医者さんという職掌の立場から啓発に努め られ、禁煙運動を起こされることは全く自由であるし、私はそれに、そういう良心に対 して敬意を表するにやぶさかではありません。しかし、そのことと、国家の権力がここ に関わって、何らかの形で、何らかの形でというのに問題があるのですが、影響を与え ようとすることは重大な問題だと私は考えております。  なぜならば、どの国家にとっても、国民の人生の最終目的を決める権利はないからで あります。確かに健康は望ましい。それはそのとおりであります。しかし、たばことい うのは文化であり、文化と健康を比較して、健康のほうが明らかに優位にある。したが って健康の観点から文化を抑圧しようということを、個人がお考えになるのは結構です が、国家が関わるのは重大な問題です。  今、野中さんが自己責任論をおっしゃいました。個人の健康という立場から言っても 今や一方では自己責任を認めるというのが社会の大勢であり、歴史の大勢である。近年 も、例の「ものみの塔」の人が輸血を拒否して、にもかかわらず輸血されたことに対し て医師を告訴して、その結果、勝訴しました。これは一例ですから、やがて覆るかもし れませんが、そういう動きがあることは事実であります。宗教とか、あるいは嗜好とか それにつながる文化というものは、時には健康よりも上回る価値を持つのでありまして 特に個人にとってはその間に選択の自由があるはずです。  したがいまして、何度も申しますが、禁煙運動家が運動を起こされることは誠に結構 でありますが、これに国家が関わるということは著しい誤りであります。しかも、もし も国家が関わるというのであるならば、これは明らかな立法手続に基づいて、たばこを 一斉に禁止すべきであります。これはかつてアメリカが酒について行ったことでありま して、立法手続を起こすということになれば、その間にもっと徹底した国民世論に対す る調査、これは公表という形で国民世論に尋ねることがあるはずであります。そういう 面倒な手続を排除して、法によらないで規制を加えるというのは、現在の規制緩和の精 神にも反するものであります。  私の承知している限り、禁煙先進国のアメリカにおいても、訴訟は民事訴訟であると 思います。刑事訴訟としてたばこ会社が裁かれたということはないように思います。当 然のことでありまして、アメリカも立法をしていないからで、法のないところに刑事裁 判はありえないわけです。  私は、国家がそういう、たばこの問題に関与する部分全体も問題だけれども、法的な 手続を省いてやるというのは、もっと問題である。いわんや、一行政機関である厚生省 が、窓口指導、行政指導という形で国民精神に関わられるのは大変危険である。残念な がら、これは申し上げざるを得ないのであります。  今、健康ブームというのが社会の風潮であります。健康のためなら死んでもいいと言 う人がいるようでありまして、心臓が悪いのにジョギングをしている人もおります。そ れはそれで私は結構だと思います。しかし、もしも国家がそういう健康運動を抑圧する もしその場合のことをお考えになれば当然のことでありますが、皆さんは非常な危機意 識をお持ちになるに違いない。しかし、文化については、なぜそういう危機意識をお持 ちにならないか。残念ながら、ここの委員のメンバーの中で文化を専門としているのは 私一人であります。あえて強調させていただきますが、例えば宗教というものは、どん なに立派な宗教でも、自然科学の立場から言えば誤りで、では、医学の立場から問題の あるたばこを取り締まるのであれば、自然科学の立場から誤りである宗教をなぜ取り締 まらないか。もしこのことを文部省の国際学術局が提起して、21世紀における宗教対 策委員会というものを開いたら一体どういうことになるのか。  たばこ、たばこと、小さいようなことになりますけれども、もしもこの精神が拡大し ていきますと、国家が国民の人生の目的、あるいは社会の文化の形に極めて異様な形、 つまり立法手続を経ない形で関与するという重大な問題を引き起こすと思うのでここに 参加してまいりました。よろしく。 島尾座長  どうもありがとうございました。それでは、内山委員、いかがでございましょう。 内山委員  私は、リスク評価というような意味合いで加えさせていただいていると伺っておりま す。ただいま、山崎委員のお話がございましたので、自然とそちらに引きずられるとい うか、それに対するいろいろなことを考えながらお話をせざるを得なくなりますが。  私は、長いあいだ食品に関係したリスク評価及びそれに伴う行政措置に対するアドバ イスといったようなことをやっておりまして、食品自体が、我々が食べるもの自体が、 これは、今、山崎委員の言われた文化でございまして、個人個人が食べたいものを法律 がそれを縛るなんていうことは一切やっていない。それから、これは、腐ったものであ ろうと、カビの生えたものであろうと、石ころの粉であろうと、ガラスであろうと、個 人が食べたいものは、これは法規で縛るというようなことは絶対にやっておりません。 行政あるいは法規というものはそういうものなんですね。個人の意思、あるいは個人の 嗜好それから文化といったものには一切手を付けていないという、これはもう事実です  ただし、それを、きれいな色を付けて売るとか、あるいはお金を取って人に提供する ということはしてはいけないことになっております。これは何かというと、他人に対し て迷惑を掛けないという精神であります。先ほど野中委員が言われた自己責任というの は、そういう言葉、フレーズが出てきますと、それをそれぞれの人たちがいろいろな意 味で理解しておりますから、その言葉だけで議論をすると間違えることがよくあるんで すが、自己責任というのは、自分のことだから自分にさえ責任を持てば、自分はどうな ってもいいから勝手なことをしてもいいという意味ではありません。これは、自己責任 というのはレスポンシブル・ケア、あるいはPLの精神でありまして、ほかの人に迷惑 を掛けないということ、これが基本になっている考え方だと私は思います。  食品衛生の中で、農薬とか添加物とかいうものが非常に長いあいだ議論され、現在で も国民の間に食品に対する安全性に関する不安というのが、まだ根強く残っているとい うことは、皆さんよくご存じだと思いますけれども、それが一体どのくらいのリスクが あって、そのリスクに基づいていろいろな制限がなされているということもご承知だと 思います。  このリスク評価というのは、これは先ほど矢崎先生が言われましたけれども、量が現 実的なところではないというか、要するに非常に少ない量のところを議論しなければな らない。それから、時間も、すぐに結果があらわれるものではない。したがって、この 安全性であるとか、あるいは人に対する影響というのを評価して、未然防止するという ことのためのリスク評価というのは、あくまでも予測であります。予測は、しっかりし た実験データに基づいてはおりますけれども、実証ではありません。予測です。予測と いうのは、これは国民大多数の健康を守るためには、ある意味ではかなり大胆なといい ましょうか、誤差が多少伴うということを覚悟の上で予測をして、そして未然防止に努 めるのが、これは行政の務めであります。それを怠ったら、これは行政が怠ったという ことになる。行政がやるべきことをやらなかったということで罪になった方もいらっし ゃるわけですから。ごく最近そういう例もあったわけで、行政は、何々のおそれがある ということに対して、被爆者がそれを理解できず、そして、自分の責任で避けられない というものに対しては行政が何らかの方策を講じるという義務があります。これは決し て規制強化ではありませんと私は思っております。これは、食品に関するいろいろな衛 生的な問題が、そういうことが言えるわけです。  また、論議を少し元へ戻しますが、食品の添加物あるいは農薬の議論のときに、添加 物と農薬というのは非常に量が少ないのですね、残留量が非常に少ない。それより、塩 とか砂糖とか醤油とかいうもののほうが、はるかに危険ではないかという議論がよくな されております。もちろん、食事を普通の平均の3倍食べて、これはおそらく1年も続 ければ体がどこか悪くなるでしょう。そうすると、体が悪くなるから食事を控えるよう に法律で規制するか。そんなことはやりません。食事を食べる量であるとか、食べる種 類といったような、日常生活というのはベースにあって、そのベースの上で何らかのリ スクがある、何らかの危険度が加わるかどうかということが大きな問題であります。  したがって、たばこのことを考えるときには、これはほかのもちろんリスクがたくさ ん我々の生活には満ち溢れているということは覚悟の上で、それは十分認めた上で、そ の上にどのくらいのリスクが加えられるのかということを議論すべきだろうというふう に私は思います。  先程来、自己責任のことを申し上げましたけれども、食品衛生でも、要するに、被害 を被るかもしれない人が、その被爆者の意思によってそれを避けることができるかどう かということが一番の大きな問題であります。  よく例に挙げられます、今の塩とか砂糖とかアルコールとか、アルコールは多少他人 に影響があるところもあるかもしれませんが、そういうものではなくて、例えば車の排 ガスといったようなものは、これは行為者と被爆者とが完全に別であって、しかも被爆 者はそれを避けることができないということです。したがって、車の排ガスというもの に対する考え方と、ほぼ同じような考え方でよろしいのではないかというふうに思いま す。  私は、たばこをお吸いになる友人をたくさん持っておりまして、極めていい友人がた くさんおりますから、たばこをやめろなんていうことは一言も言ったことはないです。 たばこを吸うことはその人の、それこそ先ほど例に挙げましたが、俺は死んでもいいか らたばこは吸いたいと言っている人は幾らでも私は知っておりますから。しかしながら たばこを吸ったといって、それが病気の原因になるとか何とかということが問題なので はなくて、可能性がどのくらい増えるのかということが問題である、本人にとってはで すね。したがって、その本人がそれを納得ずくでそういう生活を選ぶのであれば、これ は食品を選ぶということと全く同じことで、油ものがいけないのに油が好きだとかいう ことと全く同じで、これは本人のそれこそ自己責任で解決すべきことだと思いますけれ ども、それが他に及ぼす影響というのを考えておく必要があるということが、私は普段 いつもたばこのことに関して思っていることであります。  たばこの論議、きょうのこの資料もそうなんですけれども、実は、ここには数字であ らわされるものであるとか、あるいは実験データであらわされるものしか載せられない んですね、資料というものは。健康問題というものも、そういう意味のものしか載せら れない。要するに、因果関係が明らかになっているものだけしかデータとしては引用で きないというところに非常に難しい問題があります。したがいまして、私もここではリ スクの問題を、先ほど申し上げましたように上乗せリスクの問題と、それから本人以外 の人に対するリスクの問題というのを中心にいろいろと考えていきたいと思うんですけ れども。  それからもう一つは、何らかの対策ということを考える場合にも、ご本人がたばこを 吸えなくなるといったような対策はこの対策の中には一切入っていないというふうに理 解しております。そのへんだけは原則論として当然のことながら、皆さんおそらくご理 解いただいていることだと思います。  ここにいろいろなたばこのリスク評価のデータが出ておりますけれども、本当をいい ますと、実は、日本のがん研究費というのは、膨大ながん研究費というのがずっと長い こと出ておりまして、私も15年くらい前に、リスク評価をやっておりました時代には 例えばたばこの喫煙者が吸っている煙の中の物質と、それから喫煙者じゃない、これは 受動喫煙あるいは副流煙というのでしょうか、その中にある物質とが非常に違うという データであるとか、それを例えばたばこを吸わない人が部屋の中で吸った場合に、その 物質が唾液の中でニトロソ体に変わる。自然にすぐ変わるわけですが。その変わったニ トロソ体が極めて強い変異原物質であるといったことであるとか、そういったデータは 出してあるんですが、実は15年ぐらい前、あるいはそれより前にあるおそらくデータ というのは、データベース化されていなければなかなか探しにくいんじゃないかという 気もいたします。非常に長い時間を費やしていろいろと議論をされていて、しかもその 議論が、ともすると喫煙者個人の問題だけに集約されてしまったので、そこですぐに感 情的な議論になりがちであるというところが非常に残念だというふうな気がいたします 島尾座長  どうもありがとうございました。それでは、大河委員、どうぞ。 大河委員  私は、日本専売公社、それから現在の日本たばこ産業に約30年ぐらい勤めておりま して、その間に喫煙と健康の問題ということについて、かなり長年にわたって担当をし ていたということもありますので、そういう意味でお招きいただいたというふうに思っ ております。  実は、2年前の、たばこ行動計画検討会というのが、やはり島尾先生が座長でなさい ましたけれども、そのときも委員でございまして、そのときもそうだったんですが、私 1日20本から30本ぐらいたばこを吸いますので、この会は禁煙であるというのはわ かっているものですから、まず、そこの1階の合同庁舎の入り口の反対側のところで2、 3本吸ってから、吸いだめをしてからここへ来ると。きょうもそれをさせていただきま した。私自身も、何か矢面に立つような感じもあるので、非常にストレスはたまるんで すが、たばこは、今後議論があると思いますけれど、いわゆる精神毒性というのは全く ないと思いますので、あるいは、いわゆる禁断症状というのも非常に軽いと思いますの で、別にここで異常行動を起こすとか、そういうことはないわけでございます。  せっかく自己紹介の機会を与えていただきましたので、二三ちょっと思うところを述 べさせていただきますと、先ほどちょっと山崎先生からもお話ありましたが、たばこは 非常に文化的なものだと。わが国で400年以上の歴史がございまして、この間、試行 錯誤をいろいろされつつ、当然ですから禁煙令なんかも出たことがあったわけでござい ますが、最終的に国民の間に定着した嗜好品であるというふうに思っております。  各国ともいろいろ文化的、社会的背景あると思いますので、各国の風土に合ったたば こ対策というのが考えられていいのではないかと思っております。  アメリカの例が先ほど紹介がございましたけれども、アメリカはなかなかすばらしい 国だとは思いますが、一般的には割合と何かにつけて黒白をつけたがる国で、非常に複 雑な社会事情を抱えているわけでございまして、一方、わが国は和を大切にするという ような国でもございますので、ただの米国のものまねのたばこ対策をするということは 必要ないのではないかと思っております。  ただ、吸わない人への影響を防止するというのは大変重要だと思いますので、分煙対 策というのは、もっと充実させるべきではないかと。1年前ですか、公共の場所の分煙 のあり方検討会というのがあったようですが、実際にはなかなかまだガイドラインづく りとか、実効性という点でまだ分煙対策は不十分な点もあると思いますし、それから、 我々愛煙家のほうも、大人のたしなみとしての喫煙マナーというのをもうちょっと考え なきゃいけないという点もあろうかと思いますし、それから、最近は分煙対策技術とい うのもかなり発展してきておりますので、このへんの技術開発の促進等も必要ではない かと思います。  それから、未成年者喫煙の問題でございますけれども、ご案内のとおりわが国は、明 治33年、1900年に未成年者喫煙禁止法を作っておりまして、いろいろこれはご批 判もあると思いますが、一応の抑止力が働いている面もあるのではないかと。例えば、 アメリカの場合、1970年代までは州法でさえも未成年者喫煙禁止をしてないところ が多かったわけでございまして、現在でも連邦法ではございません。年齢制限も日本よ りはずっと甘いというようなこともありまして、1970年代ぐらいのアメリカでは高 校での喫煙というのはかなりまかり通っていたというふうにも聞いております。  このように、未成年者にたばこを吸わせないという対策はもちろん重要なんですが、 やはりそれぞれ国情も異なるということでございます。  業界といたしましても、関係機関との協力の下に、たばこの広告と自販機につきまし ては自主規制を、この数年来、強化しておりまして、そういう点では業界としてやるべ きことをやっているところでございますけれども、未成年者喫煙の問題は、最終的には 家庭教育とか学校教育の問題もあろうかと思います。  ニコチンの依存性がこの会で重要な論点になろうかと思いますけれども、やはりアル コールであるとかストロングドラッグなどと比較すれば、やはり精神依存も相当弱いで すし、それから身体依存、これもほとんどないと言っていいと思いますし、摂取中に異 常行動等が起きるような、いわゆる精神毒性も全くないということで、やはりたばこの 依存性に関しては冷静な評価をお願いしたいというふうに思います。  あと、節煙、禁煙対策ですけれども、やはり、あまり国がお節介なことをやるのはど うかとは思いますが、もっと正しい情報の提供というのはあってもいいのではないかと 最終的に吸う吸わないの判断というのは国民にゆだねるというやり方が知的水準の高い わが国にふさわしいのではないかというふうに思います。  その際の健康影響の情報が当たり前だとは思いますけれども、やはり愛煙家にとって は効用の情報も入っていってもいいのではないかというふうに思います。  この検討会の名称は、「21世紀のたばこ対策検討会」ということでございますけれ ども、実際、20世紀はまだあと約3年弱残っているわけでございますが、存在するか らこそ対策が必要だという前提に立てば、21世紀のたばこの存在をお認めいただいて いるのかなという感じもいたしますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 島尾座長  どうもありがとうございました。川口委員、どうぞ。 川口委員  申し上げたかったことは今まででほとんど出てしまって繰り返すことになりますけれ ども、一つは、たばこのリスクでございますけれども、いただいた資料を拝見しますと 50%強、2ページですけれども、男性で今、50%、60%近い人がたばこを吸って いるというのが現実で、またこの資料で、厚生省の資料と2つ、これだけの乖離がある のはなぜかなと思ったりもいたしますけれども、いずれにしてもそういう現実がありま して、他方でリスクについていろいろな研究がなされているとは思いますけれども、リ スクがあると普通の人は言われればそうかと思うし、ないと言われればそうかと思う。 研究の非常にレベルの高い話が、普通の人間の理解できるような形で翻訳された情報が 十分にないということだと思いますので、リスクについては、こういう場も含め、ある いは他の場も含め、あるのか、どれぐらいあるのか、どれぐらい小さいのかということ について、十分に納得のいく形で情報の提示をしていただいて、情報の公開をして、そ れでみんなが納得をするという基盤を作るということが非常に大事だろうというふうに 思います。問題が難しいだけ、あるいは好みの部分が入るだけに、そこはきちんと丁寧 にやらないといけないのではないだろうかという気がいたしております。  それから次に、対応策でございますけれども、これは松本委員もおっしゃられました けれども、対応策というのは、その生じている問題の程度に応じてどれぐらいの対応策 が必要なのかということになるわけでございまして、その因果関係といいますか、これ だからこれが必要だ、それから、今既に、先ほどこの資料を見ますと、それから、先ほ ど大河委員がいろいろ自主規制を強化しているとおっしゃられましたけれども、既にな されていることが十分にありまして、何か違うことをやるというのでしたら、今やって いることが十分でないということが言えるということでなければ、さらにそれを違うや り方でやっていくということは妥当ではないのではないだろうかと思います。ですから リスクとそれとの関わり合いで、必要な対応策との関係も、やはりきちんと議論をする ことが必要で、先程来、個人の責任とか、個人の判断とか、いろいろ出ていますけれど も、やはり規制緩和といいますか、民主主義社会では、個人個人が自分のやっているこ とをきちんと理解して行動をとるということが、物事が一番うまく行くということでも ございますから、その関係はきちんと詰めて議論をすることが必要だろうというふうに 思います。  他に及ぼす影響というお話もございまして、これはたばこについては議論をしなけれ ばいけないポイントだと思いますけれども、これも、他に及ぼす影響を考えて行動をす るということが個人個人の民主主義社会における個人の責任でもありますしということ ですから、また逆に前に戻りまして、そのためにもリスクというのが一般の国民に十分 に理解される、あるいはリスクのレベルが理解されるというふうに議論をしていく必要 があるだろうというふうに思います。以上です。 島尾座長  どうもありがとうございました。小池委員、どうぞお願いします。 小池委員  この問題について、あまり話を難しくするのはどうかなというような気がしています まして、この検討会でたばこの医学的な影響というのですか、それをここで議論をする ことはあまり適当ではないと。もし、それをやるのであれば、十分な研究とかそういう ものをやっているところがございますから、そこにゆだねるべきで、もちろんここでは おそらく先ほどからのお話をお聞きしていますと、むしろ社会的な問題としてとらえて いるんだというふうに理解しております。  ただ、私ども現実に現場で患者の診療等に当たり、あるいは国民の健康とかそういう ものに関わっている立場からすれば、たばこの害をほかの、例えばさっき食塩とか砂糖 とかという問題が出てきましたけれども、そういうものと比較の上で考えるというのは いかがなものかというふうに思います。むしろ、悪いものは悪いと、そういう判断で行 くべきであって、あとは文化との兼ね合いというのはもちろんあるでしょうけれども、 やはりほかとの比較で、砂糖よりこっちのほうがいいんだとか悪いんだとか、そういう 問題とは全く異質なものだというような気がいたします。  当然、自己責任というのは、例の生活習慣病を含めて、どこでも今後はそうなること だと思います。特に私なんか、普段の診療の中でも、いわゆる人に迷惑を掛けない範囲 で自分の嗜好を通すのは、それは結構ですよと。だから、あなたは、仮にある程度の年 齢に達した人が、ほかの食べ物をどうしても食べたいというふうなことがあれば、それ は、あなたがどうしても食べたいんだったら、ほかの人の迷惑にならないような範囲で そういうことをやるんだったらいいですよという指導をして、無理やりに生活習慣病の 型に当てはめたような指導はやらないことにしておりますが、そういう意味では、先ほ どから出ております自己責任、これは非常に難しい言葉ですが、そういう形がもちろん 根底にあるべきだと思います。  いろいろと雑音等が入ってきますと、何やら国は、特に大蔵省あたりでは、税収との 関連においてたばこ問題をとらえているなんていうことも耳にしないではないんであり ますが、全くそういう観点は入れるべきではないと思いますし、ましてやJTの皆さん もそういうふうなものも多少はお考えの中にあるかと思うんでありますが、そういうこ とは、まず埒外においてこういう検討会ではやっていただきたいという気がいたします  個人的に言えば、たばこの単価をうんと上げて、吸いたい人はどうぞ吸ってください と。ただし、人の迷惑にならないようにというふうなのが一番いい対応じゃないかとい うふうに思います。以上です。 島尾座長  どうもありがとうございました。幸田委員、どうぞお願いします。 幸田委員  今、小池先生から話が出ましたが、先ほどもちょっと申し上げましたように、31 ページのこのいただいた資料の一番下の表4というのを見てみまして、日本は非常に消 費者物価が「高い、高い」と、こう言われているんですが、その中で、日本はアメリカ あるいはカナダのオンタリオですか、ニューヨーク州、ニューヨーク市なのかわかりま せんが、を除くと最も安いというのはなぜなのかなというのは、私は非常にわからない んです。素人考えで、アメリカはたばこ税が30%ですから、日本の60%に比べると 半分しかないということで、アメリカは商品価格が安いのかなと。そうすると、オンタ リオを除くと大体日本の、これはもちろん、購買力平価でやってあるのか、あるいはど ういう換算をしたのか、いろんな技術的な問題はあるのかもしれませんけれども、この 表4のものを見る限りでは、ちょっと日本のたばこは安すぎるんじゃないかなと。吸う 吸わないは個人の自由ですけれども、特に日本の場合に非常に喫煙人口が低年齢化して 10代の初めとかという話をよく聞きますので、今お話のあったように、もうちょっと たばこの値段をどこでどう決めているのか、私も不勉強でよくわかりませんが、これを やることによって、吸いたい人は吸うと。しかし、少なくとも今一番問題なのは、未成 年者がたばこを買うような環境はできるだけ排除していくと。そういう意味で、自販機 の取り扱いの問題も先ほどちょっと資料をお願いしたんですが、そういう点はもうちょ っと考えていったらいいんじゃないだろうかなと。  たばこの問題については、やはり基本的には私は、もう少し健康への有害性とか依存 性という問題について、こうだということを国民にわかりやすく言う必要があるんじゃ ないかなと。特に、21世紀たばこ検討会ということになっておりますから、そういう ことをもう少し、中学校の低学年、中学校の人が今たばこを吸っているようですから、 そのへんの子どもでも生徒でもわかるぐらいの表現で何かうまく言えないのかなと。そ の上で成人男子が選択をする、自分の嗜好でたばこを吸うということについてかれこれ 言うことはないんじゃないかなと。  しかし、いま申しあげましたように、子どもたちがたばこは買えないぐらいの値段に したほうがいいんじゃないかなという気持ちを持っています。  それから、自己責任という先ほどのお話ですが、私どもがよく聞く話では、零細企業 大企業はあまり問題はないようですが、小企業の場合に、例えば10人とか何とかとい う職場ですと、たばこを吸うヘビースモーカーがいて、なかなか言いにくい。特に女性 からヘビースモーカーの男性に、「あなた、たばこは外で吸ってくれ」ということはな かなか言いにくい。雇い主が特にたばこを吸う人でありますと、そういうことを言うと むしろ首になるんじゃないかなと、今のような雇用情勢ですから。という話をよく聞き ます。ですから、他人に迷惑にならないようにしてあげる職場、家庭はもちろんであり ますけれども、そういうことは何かやっぱり考えていったほうがいいんじゃないだろう かと。他人の迷惑にならない形でたばこを吸うことについてまでかれこれ言う必要はな いんではないかと思いますが、そのへんが少し日本は遅れているんじゃないかなと。非 常に問題があるんじゃないかなと。  ですから、21世紀という話になりますと、未成年者がたばこを吸うことの誘因はで きるだけ取り除くということが、やっぱり今、当面やっていくことじゃないかなと。  それから、いま吸ってない人が積極的に吸うような誘因というのも、あまり考えるこ とはないんじゃないだろうかと。リスクということを国民にわかりよく説明をして、そ の上で選択をするのなら、それは仕方がないんじゃないかなと。それが、この検討会で 私はやっていただきたい、当面この5年とか10年とかという、21世紀の初頭ぐらい には、少なくともそういう社会にしたらいいんじゃないかなと、こういう気持ちを持っ ております。 島尾座長  どうもありがとうございました。富永委員、それでは、お願いします。 富永委員  私は、医学部を卒業しましてからずっと公衆衛生、予防医学の分野で仕事をしてきて います。現在は、がんが専門になっておりますけれども、その前には慢性気管支炎、肺 気腫などの呼吸器疾患、その前にはさらに心臓病、特に心筋梗塞の疫学予防に関わって おりましたけれども、心臓病、呼吸器疾患、がん、いずれもたばこが大変重要な危険因 子としての役割を演じることがわかりました。心臓病は、ご承知のように、アメリカで はまだ死亡原因の1位で、高血圧、高コレステロール血症と並んで喫煙というのは三大 危険因子の一つということで、特にアメリカでは熱心に喫煙対策に取り組んでおると思 われます。  呼吸器疾患につきましても、慢性気管支炎とか肺気腫などありますけれども、これも 大気汚染の影響ももちろん認められますが、喫煙の影響はもっとはっきりしておるとい うことがわかりました。  それから、がん。がんといいましてもたくさんありますが、最近特に増加が目立って いるのは肺がんでありまして、ご承知のように平成5年、1993年から、男では胃が んを追い越して1位になって、まだ増えている。ほかのがんと違いまして、肺がんは一 次予防がかなりできるがんです。一次予防、具体的には、たばこを吸わないようにすれ ば、計算上は男の肺がんの7割は予防できますが、喫煙者がゼロになるということはお よそ非現実的でありまして、21世紀末になりましても、まだ喫煙者はいると思います 仮に喫煙者、男の喫煙率が半減しますと、それだけでも肺がんの30%、35%ぐらい が予防できるという計算になります。  ほかにも、ここではいろいろ詳しいことは言いませんが、喉頭がん、食道がんなどい ろいろながんにも関係しておりますし、たばこを吸わないようにすることによっていろ いろながん、あるいは心臓病、呼吸器疾患などの予防ができますし、また、健康増進に も役立つということで、これは公衆衛生学的な立場から大変私は重要であると思ってお ります。  もちろん、人生の目的は長寿、健康だけが目的ではありませんけれども、何か生きが いのある人生を送ろうとしますと、やはり健康で長生きするということが一つの条件に なろうと思いますので、そういう意味で、私は公衆衛生学的な立場で喫煙対策に取り組 んでいるわけであります。  先ほど柳田委員のほうから、日本の特に男性では喫煙率が先進諸国で非常に高いんだ けれども、平均寿命が諸外国に比べて非常に長いのはなぜかという素朴なご質問がござ いましたけれども、これは、特に女性の場合は、今の配布資料の2ページの表1をご覧 いただきますとおわかりのように、女性の喫煙率は13、4%、欧米諸国に比べて非常 に低いわけですね。半分ぐらいです。ですから、女性では平均寿命も突出して82歳以 上になっておりますが、わが国の平均寿命が長いということに関しては、喫煙はプラス になっておりませんけれども、私が思いますには、食生活などが欧米諸国に比べまして 非常によくて、理想的とはいいませんけれども、カロリー、脂肪の取りすぎもありませ んし、野菜、魚類もよく食べておりますので、そういう意味では食生活が理想的だと。 もう一つは、ここに小池先生がいらっしゃいますが、わが国では早くから国民皆保険の おかげで医療費の負担が非常に軽かったものですから、ちょっと体の異常があればすぐ にお医者さんに掛かって死なないようにするとか、あるいは悪くならないようにすると そういうことができました。  ですから、私はやはり食生活と医療費の自己負担分が比較的安いということが大きく 貢献していたのではないかなと思っております。  ですから、男でも、やはり喫煙率が下がれば、さらに平均寿命は長くなると思います ちなみに、男と女の平均寿命の差は、5、6歳ございますけれども、そのうちの少なく とも1、2年分はたばこに起因していると思われます。 島尾座長  どうもありがとうございました。これでご出席の各委員からご意見をいただいたので すが、時間もだいぶ迫ってまいりましたのですが、何か言い残したので、ぜひ発言をと いうようなのがございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。  それでは、事務局のほうから、きょう幾つかご要望が出てまいりましたので、資料の 整備をしていただくのと、次回以後の予定について何かお考えがあればお聞かせいただ きたいと思いますが。 事務局(高原)  ありがとうございました。次回の日程でございますが、お集まりの先生方、誠に失礼 ながら、3月の日程につきまして事前に問い合わさせていただいております。誠に残念 なことでございますが、欠席をする方がないというのは3月中ございません。お一人様 お二人の委員、3人という日もございません。4人の方がご欠席の日が二日ございます これは、3日の火曜日の午後、川口委員、小池委員、ビル トッテン委員、山崎委員の 4人の方がご欠席、ほかに業務があるということで伺っております。  それから、6日の午前中でございますが、この日につきましては、小池委員、五島委 員、野中委員、山崎委員の4人の方が無理ということでご連絡をいただいております。  それから、5人の方が無理ということでご連絡いただいておりますのが、10日の午 後、川口委員、小池委員、富永委員、野中委員、それからビル トッテン委員の5名の 方がご無理ということでございます。  11日の午前が、内山委員、川口委員、仲村委員、野中委員、ビル トッテン委員と いうことで、現実に欠席の委員をできるだけ少ないという日程を選びますと、3日の午 後、6日の午前、10日の午後、11日の午前。前半に重なりまして、年度末のせいで しょうか、後半にはそういうふうな日がございません。  できれば、できるだけ多数の方にご出席願いたいわけでございますが、ご意見ござい ましたらいただきたいと思います。 松本委員  申し訳ありません。3日の午後、私、入試の関係でちょっとふさがってしまいました ので。名前があがっていなかったようですので。 事務局(高原)  3日の午後でございますね。 松本委員  午後が、入学試験の面接がありますので。 柳田委員  3日の午後は、私の名前もあがっていませんか。 事務局(高原)  先生は、3日の午後についてはご無理というご連絡はいただいておりませんが。 柳田委員  予定が入っちゃったんですけれども。 島尾座長  皆さん、かなりお忙しいので、連絡を受けてから、また次々と入ってしまうので。 事務局(高原)  そういたしますと、3日の午後というのが候補から外しますと、6日の午前、10日 の午後、11日の午前ということで、4名もしくは5名の委員の方がお休みということ になるわけでございますが。 島尾座長  その中のどれかに決めないとしようがないので、6日の午前中いかがでございますか 少数欠席の方が出るのはやむを得ないですけれども。では、次回は3月6日の午前中と いうことでお願いいたします。10時からですね。それまでに、それでは、本日の議論 を整理して、次回、議論していただくようなテーマをそれまでに取り上げ、それから、 資料で、もし事前にお配りできるものは、できるだけ事前に配布を申し上げるというこ とで進めさせていただきたいと思います。 事務局(高原)  できるだけ努力いたします。そのほか、これはぜひ他の委員に配布したいというもの がございましたら、資料といたしまして配布いたしますので、事務局あてにお送りいた だければ、座長のお許しを得まして増し刷りさせていただきたいと思います。 大河委員  次回の予定議題みたいなのはあるんでしょうか。 島尾座長  ちょっとこれから整理しないといけないかと思いますが。本日、大体こんなことが問 題になりそうだというのがある程度わかってきたと思いますので、事務局のほうと整理 をした上でやろうと。ご案内するときに差し上げるようにしたいと思います。  それでは、これで第1回の会議を終わらせていただきます。どうもありがとうござい ました。  問い合わせ先   厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課 望月、大石   電話:03-3503-1711 内(2397,2394)