98/02/12 第2回生活環境審議会水道部会水質管理専門委員会 第2回生活環境審議会水道部会水質管理専門委員会議事録 日時:平成10年2月12日(木)14時〜16時 場所:厚生省特別第一会議室 ○事務局 定刻になりましたので、第2回専門委員会を開催します。すでに過半数を超え る委員の方々が御出席ですので、本日の会議は成立しております。 本日は第1回専門委員会に御欠席された委員がいらっしゃいますので、最初に御紹介申 し上げます。東京大学薬学部教授の入村先生です。 また本日は、国立医薬品食品衛生研究所毒性部の長谷川先生がオブザーバーとして御 出席いたしております。黒川先生や長谷川先生など毒性の専門家に今回のWHOのガイドラ イン改訂に関連しまして、毒性評価のレビューをお願いしております関係で本日はお越 しいただいております。 最初に事務局から資料の確認をします。 お手元に「水質管理専門委員会第2回」と書いた議事次第の紙があります。資料1とし て「水道水質基準及び監視項目の見直しに関する基本的考え方」、資料2として「現行の 水道水質に関する基準について」、資料3として「水道水質に関する基準の見直しについ て」というものがあります。また、参考1として「WHO(1997)における毒性評価」がござ います。お手元にありますでしょうか、御確認お願いいたします。 それから議事録ですが、第1回専門委員会において「本専門委員会の会議の公開につき ましては発言者氏名を記した議事録を公開する。」それから更に「議事録のうち非公開 とすることについて正当な理由があると認められる部分については、座長の決するとこ ろにより非公開とする。」旨御了承いただいているところです。 第1回の議事録は現在調製中ですが、委員の皆様に後日郵送して確認いただきまして、 それから座長に御確認いただいた上で議事録ということで公開いたしたいと思います。 資料の公開ですが、本日の資料のうち資料3及び参考1につきましては、前回同様 Distribution LimitedとされていますWHOの資料を引用しておりますので、前回の会議の 議論を踏まえますと非公開ということになると思いますが、冒頭に皆様でお決めいただ ければと思います。 それでは、黒川座長よろしくお願いいたします。 ○ 黒川座長 まず、事務局の方から御説明あった議事及び資料の公開の問題ですけれど も、前回同様WHOに関連する資料についてはDistribution Limitedとされていること から非公開ということでよろしいでしょうか。 では、御了解いただいたということで、早速議事に入りたいと思います。 では、資料1からどうぞ。 ○事務局 それではお手元の資料1「水道水質基準及び監視項目の見直しに関する基本的 考え方」ついて御説明いたします。 前回の第1回専門委員会で、平成4年の水道水質に関する基準の設定の際の基本的な考 え方について、資料としてお配りしました。今回の見直しにおいても同じ考え方を基本 とするに際し、黒川座長始め委員の皆様から幾つか御指摘があった点を修正いたしてお ります。 更に、今回の見直しに関係いたしまして、多少文章の表現を変えてございます。 その変えている点を中心に簡単に御説明いたします。 まず「項目選定の考え方」でございますが、最初の「検討対象項目の範囲」について は、今回は、WHO飲料水水質ガイドラインのうちWHOで改訂を検討している項目、それ から現行の監視項目になっているもの、更にゴルフ場使用農薬を基本として行っていた だこうということです。 それからWHOに係る項目のうち農薬につきましては、国によって使用される農薬の種類 が異なりますので、我が国における農薬の利用状況を別途考慮していただくということ です。 また、監視項目につきましては基準項目とすることを、それからゴルフ場使用農薬に ついては基準項目、または監視項目とすることを検討するということです。 前回の第1回専門委員会でこの検討対象項目リストの内容について説明したところです 今日の資料はその結果を踏まえて更に基準項目に加えるか、あるいは監視項目に加え るか、更には監視項目を基準項目とするかどうかといった観点で選定されたものについ て資料を用意しあります。 続きまして(2)「基準項目と監視項目の選定」でございますが、これについて幾つか書 き直しているところがあります。まず1ページ目ですが、下の方に「○基準項目」とあり ますが、これが基準項目とするものの具体的な考え方です。基準項目はすべての水道に 管理を強制するものであるので基準値に近いレベルとなる蓋然性が高いものを選定する こととし、具体的には以下を基本とすると書いてあります。 ここで、既存の基準項目については見直しを今回は行わず、維持するということです これは、平成4年に新しく基準を設定していただいたばかりであり、今回の見直しに当た りましては、現在、基準項目となっているものにつきましては、1)あるいは2)に該当し なくとも引き続き基準項目として維持するということでございます。 1)は最大値データが評価値の50%を超えているということです。 2)は、1)を満たしてかつ評価値の10%を超えるものの検出率が数%のレベルであるこ とです。これは前回御説明いたしましたときは、単に検出率としていたので、これを 10%を超えるものの検出率というふうに明確にしました。監視項目、基準項目を水道事 業者が測定する際に、全国的には最低限、基準値又は指針値となるここでいう評価値の 10%までは測定するように通知しております。したがいまして、検出レベルを全国的に 見た場合には、評価値の10%が区切りになっていますので、こうしたことからここは評 価値の10%を超えるものの検出率としております。 次の「監視項目」でございますが、監視項目は今後の動向を把握するものであるので 評価値に近くなる可能性が乏しいと考えられるものを除き幅広く選定するということで す。既存の監視項目については、今、御説明いたしました基準項目の考え方に該当する 場合を除き、今回は見直しを行わず、監視項目のままで維持するということです。した がって、データとして検出されていないというものについても今回は監視項目から除く ということはせず、引き続き監視項目として維持するということです。  具体的な考え方ですが、1)まず最大値データが評価値の数%レベル以上であること。 2)上記を満たし、かつ評価値の1%を超えるものの検出率が数%レベル以上であること 前回御説明いたしました平成4年の考え方では、単に検出率となっていましたが、これ を明確にするため、評価値の1%を超えるものの検出率というふうにしました。物質に より検出限界が異なり、評価値として設定したものの100分の1レベルまで検出出来るか どうかは物質によりますが1%を基本として監視項目にする要件とします。  2ページ目です。2「健康に関連する水質基準及び監視項目の基準値設定の考え方」 ですが、ここで文章の中で出てくる言葉を修正しております。最初に「発がん性の有無 の評価」とございますが、IARCの2Bについてというところの文章で、「非遺伝子障害 性」という言葉が正しいという御指摘をいただきましたので、そのように修正しました  それから3ページ目であります。(3)「分析技術から見た検討」というものがございま す。この文章の中で下から2つ目、2行目のところに一定の技術的手法によりその確保 を図る方法等を検討するとある訳ですが、一定の技術的手法なるものがよく分からない という御指摘がございましたので、それを明確にするということで括弧書きで「(定量 下限を基準値とすることを含む)」としました。  最後の4ページですが、検討対象項目という枠囲みが一番上にありますが、この部分 を今回の検討対象項目に改めております。すなわちWHOの検討対象項目、それから現行の 監視項目、ゴルフ場使用農薬ということです。  以上です。 ○黒川座長 いろいろ前回から直していただいたようですが、これに関してどうぞ御質 問ないし御討議ありましたらお願いいたします。  それでは、これをお認め願ったということで、欠席委員に御確認の上、この基本的な 考え方というものに基づきまして、今後検討していくということにいたしたいと思いま す。  次に資料2の御説明をお願いします。 ○事務局 資料2の「現行の水道水質に関する基準について(改訂版)」としました。 前回測定ミスについても含めて集計を行っていましたが、その点についておかしいので はないかという御指摘がございましたので、それを中心に改めました。  1枚目は前回どおりでして、いろいろな健康項目ですとか、性状関連項目、快適水質 項目について記述がありまして、その中身が3ページまでの表です。  それから4ページですが、これは水質基準の検出状況について整理しているものです 平成7年、8年は採水ミスのものは基準値超過から除いております。ただ、平成6年度 につきましては、そこのところは明確に分類出来ませんでしたのでそのままになってま す。  そういうことで、1)の「健康関連項目の状況」のところで、例えば大腸菌群の61か所 と書いてございますが、これは例えば前回は99と書いてあったのですが、そういった採 水ミスを除き整理しました。  また、いろいろと数字を見直したところ、最終的に修正すべき箇所が幾つかございま したので、それについても併せて修正いたしました。全体的な検出状況の傾向につきま しては、数字を訂正いたしましても、変更はありません。  5ページ以降ですが、これは4ページに概略を述べている各項目について数字を表形 式でまとめているものです。最初に「測定地点数」というものが表の一番上の欄に出て くるのですが、前回ここは施設数となっておりましたけれども、正確には測定地点とい うことだろうということですので、そこを修正しました。 また、一般細菌、大腸菌群といったところについて前回は例えば一般細菌については 55となっていたものを37というような形で修正いたしております。そのほか、ミスがあ ったところをすべて修正いたしております。一応これで私ども見直した限りでは恐らく 計算違いなどないと思っておりますので、大丈夫だと思っております。 ○黒川座長 資料2は確かに数字でいろいろ御指摘いただいた記憶がございますけれど も、今日またごらんになって今お気付きの点がありましたらどうぞ。御質問などござい ませんでしょうか。ないようでございますから、これはお認め願ったということになり ます。 それでは先へ進ませていただきまして、資料3ということでございます。水道水質に関 する基準の見直しということで、1枚目が概要でございまして、2枚目以降が個別の物 質ごとの資料。これに参考資料が付いておりますので、膨大ですから少しずつお願いい たします。 (以下WHO関連のため非公開) ○黒川座長 これは特に議論のあるところでしょうけれども、また次回に議論の対象と なる訳でございまして、一応個別の物質はここで終わりますけれども、次回は6に関して 皆様の御意見も踏まえたうえで事務局案をここに書き入れて、出すということですけれ ども、2〜3日でもいいから事前に委員の方にでも送付出来ればいいと思っていたのです けども、どうでしょう。 ○由田管理官 大変遅れて申し訳ございません。私どもも一生懸命やったつもりだった のですが、一昨日になってしまったということが今回ございまして、次回前もってお配 り出来るように努力したいと思っております。 ○黒川座長 そうしますと、その他でございますが、日程的なことですか。 ○事務局 最初に日程を確認させていただきます。次回第3回は前回のときに 3月2日の午後2時〜4時に開催というふうにさせていただきましたので、この場で 御確認していただきたいと思います。場所については後ほどまた正式に御案内いたしま す。 第4回目について御提案させていただきたいのですが、3月23日の午後に第4回を開催 させていただきたいと思います。黒川座長には一応御予定を伺いましたが、 第4回を3月23日の午後、もしよろしければ同様に2時からということにいたしたいと思っ ております。そのときに結論を得たもの、それから引き続き検討すべきものという形で 整理していただいて、中間的な取りまとめをお願いしたいと考えています。 御参考までに申し上げますと、翌24日にその結果を生活環境審議会の水道部会に報告 したいというように考えています。 ○黒川座長 水道部会が控えていますので何とぞ万障お繰り合わせの上、よろしくお願 いいたします。 ○相澤委員 お伺いしたいのですが、環境庁の方で環境基準の改正を審議されていると いうふうにお伺いしたのですが、ここの委員会との調整はどういう関係になっているの でしょうか。 ○由田管理官 私どもも検討されているように聞いております。私どもの水道の水質基 準という立場からは、現在の水道の立場でどうなるのかということを決めることが基本 だろうと思っております。これまでの例からして、環境基準の検討を環境庁の方でされ る場合には、ここで決められたことというのはかなり大きな影響を実質的に与えている ということになろうかと思います。したがいまして、私どもの方の検討は検討としてこ のまま進めていただければよろしいのではないかと思っております。 ○ 黒川座長 よろしいですか。それでは20分ばかりオーバーして申し訳ございませんが 本日はこれで終了いたします。また次回よろしくお願いいたします。  問い合わせ先   厚生省水道整備課   TEL 3503-1711(内線4034)