トピックス 審議会議事録 HOME

平成9年度厚生科学特別研究
「光感受性発作に関する臨床的研究」第1回研究班会議(資料)


日時:平成9年12月26日(金)
15:00〜17:00
場所:厚生省特別第1会議室

会議次第

1. 開会

(1) 厚生省精神保健福祉課長挨拶
(2) 山内研究班班長開会の辞
(3) 研究班員自己紹介

2. 今回の事件の説明(厚生省)

3. 情報交換等

(1)各地域・医療機関等に関する情報交換
(2)これまでの経過等について(班長)
(3) 文献の紹介

4.研究計画及び研究分担

(1)研究計画の策定について
(2) 研究の分担確認
(3) 分担チームごとの作業

5.研究計画の発表とまとめ

6. 今後の予定等

7.閉会


配 布 資 料 一 覧

○配席表

○研究班員名簿

○「ポケットモンスター」ビデオ(テレビ東京提供)

資料1 「ポケットモンスター」事件の経緯
資料2 厚生科学特別研究「光感受性発作に関する研究班」第1回研究班会議の開催について
資料3 考え得るパターン(班長メモ)
資料4 研究課題に関する基本的情報(班長メモ)
資料5 Pre-Congress Symposium on Video Game Induced Seizures, Kyoto
1995(Committee on TV Game-induced Seizures )
資料6 Workshop on Electronic Screen Games and Seizures, Dublin, 1997
(Commission on Electronic Screen Games and Seizures)
資料7 Home and Leisure Accident Research (Consumer Safety Unit),
Video Games and Epilepsy,1994(英国)
資料8 The ITC (Independent Television Commission) Programme Code 1995,
ITC Guidance Note: Use of Flashing Images or Repetitive Patterns
資料9 研究計画書概要(班長原案)
資料10 研究班員分担(案)

○今後の予定について


厚生科学特別研究

「光感受性発作に関する臨床研究」

研 究 計 画 書(概 要)

1.研究の背景

 平成9年12月16日午後6時30分より放映されたアニメ番組「ポケットモンスター」視聴中の幼児・児童(全国推計、約数百人)が、けいれん発作、意識障害、不快気分などを引き起こし、医療機関を受診した。

2.研究目的

 このアニメの視聴中に引き起こされた症状の発現機序を明らかにし、これを予防するのに必要な保健上の対策を検討する

3.研究方法

1)実態調査

 今回のアニメ・テレビ番組を見ていた者の中で、何らかの他覚的および、あるいは自覚的症状を呈した人の数を把握し、症状発現の頻度並びに背景因子を次の方法により明らかにする。

  1. 発現頻度:全国の数カ所(地域、対象箇所の数などは委員の構成により決定)を任意に選び、その地域の幼稚園、小学校、中学校、高等学校の在校生
    (全校か、クラスをいくつか選ぶか検討)につき調査票(別紙1)に基づき調査する。

  2. 背景因子:調査対象者の中で、明らかに普段と異なる他覚症状を呈し、あるいは自覚症状に気付いた者すべてを対象とし、調査票(別紙1)に基づき、症状の発現に関連する因子を調査解析する。
2)症状発現者についての医学的検討

 今回のテレビを視聴していた者で、明らかに普段と異なる他覚・自覚症状を呈した者のうち、本人並びに家族の同意(別紙4)が得られた者で、担当医師が適切と認めた者を対象として、以下の検討を行う。

  1. 症状把握:問診票(別紙2)に基づき詳細な症状の把握とともに既往歴などの医学情報を得る。
     各施設(全国で約8施設程度)で10−20人、計80−160名を目標とする。

  2. 検査:上記対象者のうち、さらに検査について、家族並びに本人の同意が得られた者につき所定の方法(別紙3)に基づいて脳波検査を施行する。
    30−50名を目標とする。

3)光刺激の物理的特性と生体に与える影響

 今回の映像が多数の視聴者に症状を引き起こした原因を明らかにするために、別紙3にさだめる検査に加えて以下の検討を行う。

  1. 「ポケットモンスター」第38週放送分の映像と、それ以前のものとの比較を以下の点を含め、主に脳波上の突発波を指標として非侵襲的に検討する。
     すなわち、映像の点滅頻度、強度、色彩、図形の種類とその変化の速さなどの点から比較検討する。

  2. 生体、特に脳に与える影響を脳波を中心として、一部には脳血流測定をはじめとする機能的画像検査を用いて検討する。
     以上のうち、生体を対象とする検討では、原則として健常者を対象とするが、本人並びに家族から同意が得られ、検査担当医が適切と判断した場合には、今回症状の出現した者も対象とする。
     それぞれの検査について10名程度を対象とする。

4.研究期間

 平成10年3月末日まで

5.研究班員

【班長】 山内 俊雄(埼玉医科大学教授)
【班員】
牛島 定信(東京慈恵会医科大学教授)
江畑 敬介(東京都立中部総合精神保健福祉センター)
岡  ^次(岡山大学医学部教授)
鴨下 重彦(国立国際医療センター総長)
黒岩 義之(横浜市立大学教授)
杉下 守弘(東京大学医学部附属音声言語医学研究施設教授)
高橋 剛夫(八乙女クリニック院長)
飛松 省三(九州大学医学部附属脳神経病研究施設講師)
西浦 信博(京阪病院院長)
三浦 寿男(北里大学医学部教授)
満留 昭久(福岡大学医学部教授)
八木 和一(国立療養所静岡東病院院長)
渡辺 一功(名古屋大学医学部教授)

資料
別紙1.実態調査票

別紙2.問診表

別紙3.検査プロトコール

別紙4.同意書

 


別紙1

実態調査票

(じったいちょうさひょう)

 

1.性別(男・女)、生まれた年(昭和、平成  年)、年齢(  歳)

  生まれた町(        市、郡)

 

2.学校(高校、中学、小学、幼稚園)

 

3.平成9年12月16日、午後6時30分から

   7時頃までの間にテレビを見ていましたか

 □はい (「はい」と答えたひとだけ次の質問に答えてください。)

 □いいえ(「いいえ」と答えたひとはここで終わります。)

 

4.その時間に「ポケットモンスター」をみていましたか

 □はい

 □いいえ

 

5.その時間にテレビを見ていて、何かぐあいがわるくなりましたか

 □はい (「はい」と答えたひとだけ次の質問に答えてください。)

 □いいえ(「いいえ」と答えたひとはここで終わります。)

 

6.ぐあいのわるくなったひとはどんなふうにわるくなったか、次の中からえらんでこたえてください。  

 □まわりのことがわからなくなった

 □手や足がふるえた、けいれんした

 □はきけがした

 □頭がぼーとなった

 □なんとなく、きもちがわるくなった

 □その他、どんなふうになったか下にかいてください  

 

 *この調査表(ちょうさひょう)を書いた人(本人、父、母、その他)

  その他の場合にはご関係を書いて下さい(             )

 

 *書いた日(平成  年  月  日)

 


別紙2                      

問 診 表

 

1.患者背景

   性別(男、女)、年齢(     歳)

   学年(幼、小、中、高     年、その他         )

  その他、働いている場合は職業など、特記すべきこと

 

2.症状発現の状況

  映像について:(テレビ放映、ビデオ)

   症状発現時刻:(   日)  時     分頃  

                     (□確実、□推定)

   症状の状況:

       初発時の症状;

       最も激しかったときの症状;

 

       始まりから元に戻るまでの時間;(       )分くらい

 

   以上の情報は;(□本人、□父、□母、□兄弟、□その他)から

 

3.症状発現の関連因子

  テレビの見方

  □集中して見ていた

  □ほかのことをやりながら見ていた

  □その他    

  番組を見はじめてから症状が現れるまでの視聴時間(    分くらい)

  見ていたテレビの大きさ(                インチ)

  見ていた場所からテレビまでの距離(おおよそ         m)

  部屋の明るさ(□ふつう、□明るかった、□暗かった)

 

  本人の状態

 (□元気だった、□疲れていた、□熱があった、□寝不足だった、

  □その他                          )

 

  食事について

 (□食事前だった、□食事中だった、□食後だった)

 

4.既往歴

   出産時の状況(満期産、早産(   ヶ月)、

         生下時体重(       グラム)

           あるいは(ふつう、重かった、軽かった)

   熱性けいれん(なし、あり)

   起こった年齢(         )

   最後の熱性けいれん(           歳)

   熱性けいれん以外のけいれん、あるいは発作症状(ある、ない)

  これまでに脳波をとったことが   (ない、ある)

        ある人は   (     歳の時)

           異常が (なかった、あった)

  これまでにテレビを見ていたり、光で具合が悪くなったこと

              (ある、ない)

   これまでにした大きな病気

               ない

               ある

                   具体的に

 

 

 

報告日  平成  年  月  日

記載者:

 

担当班員名:

 

 


別紙3-1

脳波検査の方法

[脳波検査の方法]

 ルーチンの脳波検査(安静閉眼、開・閉眼、過呼吸賦活、睡眠時記録)に加え、以下の特殊脳波賦活検査を行う。

 

1、縦縞の凝視

 記録室を十分明るくし、閉眼した被検者の眼前30cmに縦縞を呈示しておく。開眼と同時に、図形の中心部分をできるだけ瞬きしないようにして10秒間凝視させる。

 

2.ストロボの点滅刺激

 Grass社のストロボを用い、明視下で眼前30cmから刺激する。その際、flash intensity は8とする。

 被検者には10秒間の開眼を保たせた後に閉眼させ、それと同時に15Hzの点滅刺激を5秒間あたえる。そのまま、5秒間の閉眼後、閉眼下で同じ刺激をもう一回繰り返す。ついで開眼させ、5秒後に開眼下で5秒間、15Hzの点滅刺激をする。

 光突発反応が出現した際には直ちに刺激を中断する。光突発反応が認められない時には20Hzの周波数による刺激を同様にして繰り返す。何れでも賦活効果はなく、光過敏性が強く疑われる症例では、特に鋭敏とされる18Hzの刺激による検査を同様に施行する。一度でも光突発反応が誘発された場合には、そこでストロボの点滅刺激検査は終了する。なお開眼した時の刺激の際、被検者にはストロボの中心を出来るだけ瞬きをしないで見つめるように指示する。

 


図

別紙3-2        脳波検査の結果報告書

 

氏名:         性別: 男 女  生年月日:   年  月  日

A.ルーチンの脳波所見

検査年月日:   年  月  日

服薬の有無(有の時、その内容): 有 無

 

1.安静閉眼 異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

2.開・開眼 異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

3.過呼吸 異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

4.睡眠 異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

突発波が出現した際、所見の紀載に当たっては以下の用語を用いる。

(1)突発波の種類:(poly) spike-wave、irr. spike and slow wave、spikes、

polyspikes

              sharp and slow wave

(2)突発波出現部位:generalized、multifocal、focal

(parietal,occipital,temporal,frontal)

                R/L

B.特殊脳波賦活所見

検査年月日:   年  月  日

服薬の有無(有の時、その内容): 有 無

 

1.格子図形の凝視  異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

2.ストロボの点滅刺激

  15Hz閉眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

  15Hz開眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

  20Hz閉眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

  20Hz開眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

  18Hz閉眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

  18Hz開眼下:異常の有無: 有 無(有の時、その内容)

 

突発波はルーチンの脳波検査で述べた用語で記載する。検査中に突発波の出現に伴う臨床発作が認められればそれも書く。


別紙4-1

同意書

 

  厚生省科学特別研究

   「光感受性発作に関する臨床研究」

   研究班員                 殿

       (所属               )

 

 

  調査の目的について                     から、十分な説明を受け、調査の趣旨、内容について理解しました。その上で、個人の秘密が守られ、いかなる場合にも本人の不利にならないことを条件に、調査に協力することに同意します。

 

 

       平成   年     月     日

 

       住所

       氏名

       年齢         歳

 

   私は本人に代わり、本調査に協力する事に同意します。

      同意者

       住所

       氏名

       本人との関係(             )

 

 


別紙4-2

 

同意書

 

 

  厚生省科学特別研究

   「光感受性発作に関する臨床研究」

   研究班員                 殿

       (所属               )

 

 

  検査の目的、方法、起こる可能性のある人体への影響などについて                      から、十分な説明を受け、検査の趣旨、方法ならびに内容について理解しました。その上で、個人の秘密が守られ、いかなる場合にも本人の不利にならないことを条件に、調査に協力することに同

意します。

 

 

       平成   年     月     日

 

       住所

       氏名

       年齢         歳

 

   私は本人に代わり、本調査に協力する事に同意します。

      同意者

       住所

       氏名

       本人との関係(             )

 

 

 問い合わせ先
 厚生省障害保健福祉部精神保健福祉課
 斎藤(内3055)
 (直通:3501―4864)


トピックス 審議会議事録 HOME