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96/12/11 第1回公衆衛生審議会リウマチ対策専門委員会




公 衆 衛 生 審 議 会 成 人 病 難 病 対 策 部 会


リ ウ マ チ 対 策 専 門 委 員 会


( 第 1 回 ) 議 事 録






厚生省保健医療局疾病対策課





 公衆衛生審議会成人病難病対策部会リウマチ対策専門委員会(第1回)議事次第


      日 時:平成8年12月11日(水) 14:00 〜16:00
      場 所:中央合同庁舎5号館7階特別第1会議室

議  題
 1.開  会


 2.委員長選任


 3.議  事

     1)リウマチ対策専門委員会の設置等について
     2)リウマチ対策の現状について
     3)今後のリウマチ対策について
     4)その他


 4.閉  会



○塚原補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回公衆衛生審議会成人病難病対策部会リウマチ対策専門委員会を開催をいたします。
会議に先立ちまして、委員及び事務局の紹介をさせていただきます。
まず、委員の先生方の御紹介をさせていただきますが、五十音順で順不同ということで御了解をいただきたいと存じます。
 越智委員です。
○越智委員 大阪大学整形外科の越智でございます。よろしくお願いいたします。
○塚原補佐 古野委員でございます。
○古野委員 九州大学公衆衛生の古野です。よろしくお願いします。
○塚原補佐 杉原委員は御出席の予定ですが、若干遅れておられるようでございます。
 津久江委員でございます。
○津久江委員 日本医師会の津久江でございます。よろしくお願いします。
○塚原補佐 西岡委員でございます。
○西岡委員 聖マリアンナ医科大学の西岡でございます。よろしくお願いします。
○塚原補佐 垣生委員でございます。
○垣生委員 東海大学医学部の免疫の垣生でございます。よろしくお願いいたします。
○塚原補佐 松本委員でございます。
○松本委員 東京大学工学部の松本でございます。よろしくお願いします。
○塚原補佐 村澤委員でございます。
○村澤委員 瀬波病院の村沢です。よろしくお願いいたします。
○塚原補佐 八木委員でございます。
○八木委員 国立加古川病院の理学療法士長をしております八木と申します。よろしくお願いいたします。
○塚原補佐 山田委員でございます。
○山田委員 国立相模原病院内科の山田です。よろしくお願いします。
○塚原補佐 山本委員でございます。
○山本委員 九州大学生医研の附属病院でリウマチ膠原病内科の課長をしております山本でございます。よろしくお願いいたします。
○塚原補佐 吉田委員でございます。
○吉田委員 日本リウマチ友の会の吉田でございます。どうぞよろしくお願いします。
○塚原補佐 続きまして、事務局の方の紹介をさせていただきます。
 まず、真ん中におりますのが保健医療局長の小林でございます。
○小林局長 小林でございます。
○塚原補佐 それから、疾病対策課長の遠藤でございます。
○遠藤課長 遠藤でございます。
○塚原補佐 疾病対策課長補佐の宮坂でございます。
○宮坂補佐 宮坂でございます。よろしくお願いします。
○塚原補佐 疾病対策課長補佐の荒川でございます。
○荒川補佐 荒川でございます。
○塚原補佐 私、進行役を務めさせていただいております課長補佐の塚原と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして小林保健医療局長より一言ごあいさつを申し上げます。
○小林局長 リウマチ対策専門委員会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 今、自己紹介で小林と申しましたが、私は今年の7月5日付でこの局に変わってまいりました。前は生活衛生局というところで、ごみだとか、水道だとか、食べ物だとか、そういうことの所管をしておりました。前任の松村局長が今回のエイズ関連ということで自ら御退官をしたいということで、急遽隣りの局に変わってきたものでございまして、まだ局に参って半年ぐらいということでございますが、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 まず最初に、先生方にもおわびを申し上げなければいかぬことが今回起きました。今回、厚生省の中で不祥事件がありまして、国民の皆さん並びに国民の皆さんのために厚生行政に御協力いただいている審議会の委員の先生方、また今日お集まりの専門委員の先生方並びに関係者の皆さん方に大変御迷惑をお掛けしたことを心からおわびを申し上げたいと思います。今回、厚生省の信頼というものを大変失ったような状況になっておりますが、このことは私どもも、国民の皆さんにとっても大変つらいことでありまして、一日も早い信頼の回復ということが大事だろうと思っております。
 そのためには、我々に課せられた課題というのを厚生省としてはきちんと丁寧に一つずつこなしていくことが、信頼を得る大事なことだと思って、我々職員気を引き締めて一生懸命頑張ってまいりたいと思いますので、せっかく厚生省を今まで応援しておったのにその気がなくなったと言わずに、今後も先生方には厚生省に対して、間違ったことについては間違ったと言い、応援する方は応援していただきまして、今後とも何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さて、リウマチは厚生省の患者調査でいきますと、約50万人の患者があるというふうに出ておりますし、厚生省のリウマチ調査研究班によりますと約70万人の患者さんがいらっしゃるとお伺いをいたしております。そして、それだけの患者さんがいながら、これまでリウマチというと整形外科に行ったり、内科へ行ったり、医学療法科へ行ったり、それぞれ患者さんは悩んでいらっしゃる。そういうことで、本年の9月から標榜科名としてリウマチ科というのが出来た訳であります。
 ただ、これは標号科名が出来上がっただけでございまして、国民の皆さんにはリウマチ科と書いてあるところに行っていただければ、従来よりは少しはプラスの医療が受けられると私は思っておりますが、それだけでは済まないのではないかと、こんなことを思いまして、今般この成人病難病対策部会という公衆衛生審議会の部会の方でリウマチの対策専門委員会をつくってリウマチ対策の推進を図ろうということが決定をされまして、それを受けて今日、我々の方で各先生方にお願いをしてお集まりをいただいた訳でございます。皆さん方には、それぞれのお立場から自由闊達な御意見をいただきまして、厚生行政にプラスになるように応援いただければと思う次第でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 私も、全然リウマチについては素人に近いので聞いていたいんですが、私はこの後すぐ原爆の対策会議が通産省の方の会館でありますのですぐ失礼をいたしますが、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。それでは、失礼いたします。
○塚原補佐 それでは、杉原委員が御到着されました。杉原委員でございます。
○杉原委員 遅れまして申し訳ありません。杉原でございます。よろしくお願いします。
○塚原補佐 次に、本日は第1回の専門委員会でございますので、委員長の選任が必要でございます。特段の規定はございませんが、公衆衛生審議会の規定に準じまして、委員の互選により決定していただければと考えておりますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、どなたかに委員長を御推薦いただくとありがたいのですが、御発言ございますでしょうか。
○西岡委員 大阪大学の越智教授を推薦申し上げます。
○塚原補佐 ただいま越智先生という御推薦をいただきましたが、ほかにございますでしょうか。
 ないようでございますが、越智先生を委員長に選任するということでよろしゅうございましょうか。
              (「異議なし」と声あり)
○塚原補佐 それでは、本委員会の委員長を越智先生にお願いをしたいと存じます。
 越智先生、どうぞ委員長の席の方にお移りをいただきたいと思います。
             (越智委員長 委員長席へ移動)
○塚原補佐 それでは、越智先生から一言ごあいさつをいただければと思います。
○越智委員長 僣越でございますが、御指名でございますので、自分でもよく分かっていない部分が多いのでございますが、委員長をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 先ほど、小林局長さんもおっしゃいましたけれども、リウマチの患者さんは70万人前後という多くの患者さんがおられながら、また非常に多くのハンディキャップといいますか、障害を持たれながら、今まで余り医療の日が当たらない部分があったということがございます。
 ちょうど私どもも関連させていただきましたのは、平成2年に厚生省として新しくリウマチの研究班が構成された。また、それがずっと引き継がれまして、今年になりまして先ほど局長さんがおっしゃいましたような形で、患者さんに対してのアクセスということが第一ということで新しく標榜科が出来た。また、それに関しまして、実際の医療現場ではいろいろな問題点がそのまま、もっと改善しない部分がたくさんある状態をどのようにするかというようなことで、このような専門部会が新たに設定されたということは、リウマチの診療上非常にすばらしいことで、厚生省といたしまして本当に力強く取り組んでいただいているということを感じております。
 私ども、いろいろな分野からということで、専門委員ということで御指示いただいた訳でございますが、今後幅広く医療現場でどのようにされていくべきかということを、出来るだけ多くの方々の意見をくみ上げるような形で御意見をまとめまして、厚生省として力強くリウマチ治療あるいは診療ということで、取り組んでいただくための大きな推進力になればと思っておりますので、委員の先生方どうぞよろしくお願いいたします。
 また、厚生省の方々も、本当に今後ともより一層この分野で力を尽くしていただきますように、よろしくお願い申し上げます。
○塚原補佐 それでは、議題に入りたいと思いますが、その前に資料の確認をお願いをしたいと存じます。クリップで止めてあるかと思いますけれども、資料を3つほど事務局の方からは用意させていただいております。
 右上に資料のナンバーを振ってございますが、まず資料1が「成人病難病対策部会専門委員会の設置等について」というペーパーでございます。
 資料の2といたしまして、「公衆衛生審議会関係」の資料を付けてございます。
 それから、資料の3といたしまして「リウマチ対策の現状」というペーパーを事務局の方からは準備をしてございます。
 そのほか、リウマチ調査のパンフレットでありますとか、幾つか先生方あるいは委員の先生方からいただいた資料を別に添附をさせていただいております。
 資料の確認は以上でございますが、間違いがございましたらおっしゃっていただければと思います。
○越智委員長 資料を少し、私が分かります範囲内で、今日の一つの参考になるかなと思いまして出していただいたものがございます。
 それは、今回リウマチ科が標榜された。そして、厚生省としましては新しく出来ましたリウマチ科の医者に対して、非常にストレートな表現をいたしますと野放しにする訳ではない。きちんとその指導をしていくんだというような御方針を示されまして、これをいわゆる厚生省のリウマチ研究事業の中の治療の研究班で急ぎ、いわゆる治療のガイドラインをまとめております。それで、それがまだ原稿の段階でございまして、またこれから一つの冊子に組む途中でございますが、一応こういうようなもので治療のガイドラインというのを、リウマチ科を標榜した先生方に、一番の基準を御説明していくんだということが、いわゆる厚生省の治療班で進んでいるということをお示しさせていただきたいと思いました。
 それが、この参考と言っております中で、慢性間接リウマチ診断治療のガイドライン、厚生省リウマチ調査研究班目次というのがございまして、一応ここまでは出来ております。少し分厚いですので、この目次だけで略させていただくということになるかと思います。
 それから、現在リウマチのいわゆる診療施設といいますか、これはむしろ診療というよりも、いわゆるリウマチに関しましてリウマチ科というものが出来た訳ですが、リウマチ科が出来る以前からリウマチを見るドクターを教育する施設として、これは学会でございますが、学会がいろいろな施設条件とか、あるいは指導の医者の条件をそろえまして、これだけの施設に関しましては学会としての認定をしているというようなことが御参考になればと思いまして、一応そろえさせていただきました。一応この認定施設に関しましては、200 余りの施設がございますが、やはり地域的に非常に偏っている部分があったりしまして、これはもう少し地域性も考えなければならないんじゃないか。また、認定条件なども少し検討すべきでないかというのが学会内ではある訳でございますが、現在はこれだけがリウマチ科の医者といいますか、学会といたしまして指導をする体制としましての教育的な体制での一応の基準を満たした施設がこれだけだということがお手元に配られております。
 この2つの資料を付け加えさせていただきました。以上でございます。
○塚原補佐 それでは、以降の議事の進行につきましては委員長にお願いをしたいと存じます。よろしくお願いします。
○越智委員長 それでは、引き続き議事に入らせていただきます。
 本会は新しく出来た委員会でございまして、委員の先生方もお集まりいただいておりますが、実際上の位置づけであるとか、どのようなものであるのかということが、私も含めまして理解されておらないと思いますので、まずこの委員会の位置づけあるいは審議内容などについて事務局から御説明いただきたいと思いますので、塚原さんお願いいたします。
○塚原補佐 それでは、議題の1につきまして、資料に基づいて御説明をさせていただきます。座って御説明をさせていただきます。
 資料の1をごらんいただきたいと存じます。まず、この委員会が設置されるに至った経緯について若干御説明をさせていただきたいと思います。これは、平成8年の10月21日に公衆衛生審議会難病対策部会におきまして、今後の疾病対策について検討していただいたときの資料でございます。
 その中で、ここに先生方も新聞等で御案内のことかと思いますが、成人病難病部会としてはこの2つについて現在議論が行われております。
 1つは、生活習慣病というような概念を導入して対策を講じていくというような中身でございます。
 それから、これまで(2)に書いてございますように、延命・救命を中心とした対策が、これまでの医療の中心的な対策でございましたが、QOLといったようなものを重視していくような対策が必要ではないかというようなことで、そういう趣旨で分野的には検討が行われております。それで、疾病分野といたしましては従来の三大成人病と言われるような対策については、これまでの対策の中身を踏まえて、今後の対策を取りまとめていくというようなことになっておりまして、また(2)にございますように糖尿病、腎不全といったようなものについては、従来その重要性ということを考えて、今後更に重点的な対策の実施をしていく必要があるんじゃないか。
 それから、(3)にございますように、リウマチにつきましては本年度から標榜診療科目名としてリウマチ科が追加をされたということと、それから高齢者を含む患者数が非常に増加傾向を示しているというような状況を考慮しまして、医療水準の確保、向上を目的としたリウマチ対策を早急に構築する必要があるというような御意見をいただいた訳でございます。
 これを受けまして、生活習慣病対策ということにつきましては、成人病難病対策部会の方で検討が進んでいる訳でございますけれども、リウマチ対策につきましては3の(2)に書いてございますようにリウマチ対策専門委員会、これを新たに設置をいたしまして治療、QOLといったようなものを中心とした評価検討を講じていくことにするということが10月21日に決まりまして、その後、人選等々をさせていただいた上で、本日第1回の会議を開催する運びとなった訳でございます。
 次に、資料の2をごらんいただきたいんですが、公衆衛生審議会の組織がどうなっているかというのを非常に簡単に御説明をさせていただきたいと思います。公衆衛生審議会は、厚生大臣の諮問機関としてございます。公衆衛生審議会の中に、ここに書いてございますように現在6部会がございます。総合部会、優生保護部会、健康増進栄養部会、それから結核予防部会等々ございます。それで、優生保護部会につきましては優生保護法が廃止になりましたので、近くなくなるというような予定でございます。
 それから、国民の健康づくりという観点から、栄養でありますとか、運動、休養というような内容の審議をしていただいているのが、健康増進栄養部会というところでございます。
 それから、結核予防部会というのは結核対策につきまして審議をしていただく審議会でございます。
 それから、予防接種健康被害認定部会というのがございまして、そういうものは予防接種で副作用の関係で対策を講じていくということを示してございます。
 一番下に成人病難病対策部会というのがございまして、こちらの方ではいわゆる成人病と難病の対策を審議をしていただくというような部会でございます。
 この中に、現在難病対策専門委員会というのがございまして、これまでいろいろな御意見をいただいて難病対策の新しい展開に貴重な御意見をいただいたところでございますが、このたび2つ目の専門委員会としてリウマチ対策専門委員会というものが出来ました。公衆衛生審議会の中ではこういったような位置づけになっておりますので、御承知おきいただければと存じます。
 それから、資料2の2ページと3ページでございますが、公衆衛生審議会令につきまして参考資料ということで添附をしてございますが、これは後ほどお目通しをいただければというように考えております。設置に関しましての経緯の御説明は以上でございます。 ○越智委員長 ありがとうございました。
 この委員会につきましての位置づけあるいは審議内容などについて御説明をいただいた訳ですが、御質問あるいは御意見、主に御質問ということだと思いますが、ございましたら御遠慮なくどうぞ。いろいろな委員会がある訳でございますが、この委員会というのは非常に厚生省として前に進むときの一つの大きな、ここでまとまった意見というのはかなり推進力がある、非常に意味のある委員会だと思っておりますが、もう少し詳しいことで御質問ございませんでしょうか。
 私が漏れ聞いたところによりますと、大体半年ぐらいといいますか、来年の夏ぐらいまでを一区切りとして、かなり具体的にどのような方向でこのリウマチ対策というのをやっていったらいいのかということをまとめていく委員会だということをお聞きしておりまして、非常に具体的なディスカッションに入っていくということでございます。よろしいでしょうか。
○塚原補佐 今、スケジュールの話がちょっと出ましたので、事務局の方でのスケジュールの考え方をちょっと御説明させていただきたいと思います。
 本日、第1回が開催された訳でございますが、2か月に1度程度の会合を持たせていただきまして、おおむね3回ないし4回の会合を持って、6月ぐらいをめどに何らかの取りまとめを、一定の方向性の議論の結果の取りまとめをいただきたいというように考えております。
○越智委員長 2か月に1度だけど、6月までにとりあえず第1段階をまとめるということで、非常に1回1回の議事そのものを有効にといいますか、十分必要なことは盛り立てなければならないという会になる訳でございますが、よろしいでしょうか。
 それでは、次でございますが、資料3ということの関係になってくるかと思いますが、リウマチ対策の現状について御報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○塚原補佐 それでは、資料3でございますが、「リウマチ対策の現状」ということで、非常に簡単に事務局の方でまとめさせていただいております。それを、資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 先ほど、局長がごあいさつの中で申し上げましたように、『成人病のしおり』という本に精神病の患者数とかが書いてございますが、推計で50万人以上というふうに患者数が言われております。それで、リウマチの患者さんに対するといいますか、リウマチに対する研究というものがどういう状況になっているかといいますのが、2番に書いておりますように、現在のリウマチ研究といたしましては、1つは長期慢性疾患総合研究事業というものがございまして、そちらの方で約1億円弱の研究をしてリウマチ関係の研究をしていただいております。
 それから、老人保健健康増進等事業ということで、これが財団法人日本リウマチ財団の方に研究費の補助がされているようでございまして、約3,000 万の老人関係では研究費がリウマチ財団によって研究されているというような現状でございます。
 それから、リウマチと申しますとかなり心身障害という状況が関係してまいりますので、3番に書いてございますようにリウマチ性疾患、患者における身体障害者数というものをまとめてございます。これはちょっと古いんですが、平成3年11月1日現在でございますが、等級ベースで言いますと大体1級から3級までの方が約10万人弱というような状況でございまして、1級の方が2万6,000 人、2級が2万6,000 人、3級が1万7,000 人程度というように推計をされております。
 それから、2番目の障害の疾患別に見た身体障害者の割合というものがどうなっているかといいますと、一番多いのが脳血管障害でございますけれども、リウマチ性疾患も第5位ということで、全体の身体障害者に占めるリウマチ性疾患の割合が3.5 %ということになっているようでございます。
 それから、一番下にございますリウマチ関係の財団・社団がございまして、いろいろな形でリウマチ患者さんの支援でありますとか、リウマチの研究といったようなものに御尽力をいただいておる財団が3つほどございました。
 1つが河野臨床医学研究所でございまして、リウマチ及び骨関節結核の基礎、応用的研究というものをこの研究所がされております。
 それから2番目が日本リウマチ財団で、リウマチ性疾患の調査研究というものを中心に活動していただいております。
 それから、社団法人日本リウマチ友の会という社団がございますが、リウマチの機関誌の発行でありますとか、療養更生相談、自助具の研究開発というような分野で御尽力をいただいております。
 次のページをごらんいただきたいのですが、「リウマチ対策の歩み」ということで事務局の方でまとめさせていただいたものでございます。概要をかいつまんで御説明をいたしますと、昭和32年に日本リウマチ協会が設立をされておりまして、3年後の昭和35年に日本リウマチ友の会が設立をされております。
  そして、昭和45年にリウマチ友の会は社団法人化をされておりまして公益法人となっております。
 それから、昭和48年に研究の分野でございますけれども、厚生省の特定疾患調査研究事業の中に悪性関節リウマチが追加をされまして、調査研究がスタートした訳でございます。
 昭和49年には、国立相模原病院がリウマチ・アレルギーの基幹施設に指定をされております。
 その後、50年には日本リウマチ協会の方で教育研修会などの開催が始まっております。
 それから、飛びますが昭和61年にリウマチ登録医の制度が学会で出来まして、それから認定リウマチというような制度が日本整形外科学会で出来ているというような状況になっております。
 62年に、財団法人日本リウマチ財団が出来ております。
 ざっといきまして、平成元年に6月をリウマチ月間というふうに制定をされているようでございます。
 平成2年からリウマチの調査研究事業、それまでは悪性関節リウマチだけでございましたけれども、平成2年からリウマチの調査研究事業がスタートしております。
 平成8年からは長期慢性総合研究事業ということで、その中でリウマチ班というものが出来まして、リウマチに関する研究がこの研究事業の中で実施されております。
 それから、平成8年から難病患者等福祉推進事業ということで、在宅リウマチ患者に対しますホームヘルプサービスでありますとか、居宅支援事業と言っておりますけれども、短期入所というようなサービスが実施することになっておりまして、平成9年1月1日からスタートするというような状況になっております。
 平成8年9月には、医療法の改正によりまして医療機関における診療科名に「リウマチ科」が追加をされたというのが、昭和32年から現在に至るまでのリウマチ関係の歩みでございます。
 以上、非常に簡単でございますが、現状の御説明とさせていただきたいと思います。 ○越智委員長 ありがとうございました。
 少し補足させていただきますと、今、御説明していただきました長期慢性疾患総合研究事業、お手元に配られておりますこの資料が平成2年から平成7年度まで合計6年間のものでございまして、それを1枚の図といいますか、1ページに分かりやすく図示するというような形で示しておりますが、これのバックには非常にたくさんのデータがございまして、一応このような資料は今の長期慢性疾患の2年から7年度までのものでございます。
 それから今、御説明いただきました8年度からが、また新たな体制になっておりますが、私が総括班長をさせていただいておりますが、大きく分けまして3班、1つがリウマチの病気の原因、病因解明の研究班です。本日御出席の西岡久寿樹教授が班長をしておられまして、リウマチの原因を探るということで研究が進められております。
 2つ目の班がいわゆる病体の研究班、これは主に骨とか関節の破壊のメカニズム、病体解明の研究ということで私が班長をさせていただいております。
 それからもう一つの班が疫学トータルマネージメント研究班ということで、国立加古川病院の井村院長が班長をされております。
 これが2つの分野に分かれておりまして、1つが総合治療に関する研究分野、分野長は柏崎教授でございます。それで、ここでは今後の治療といいますか、先進的な治療戦略あるいは早期診断、早期治療が出来るのではないか。それをどのようにすればいいかという研究、あるいは先ほどから御説明のQOLという問題についてどのように活用していくべきであるのか。あるいは、同じ破壊された関節の破壊によりましても、どのようにして機能的に改善していくかというようなこと。また、内科、整形外科だけでなくて中核的な治療をどのようにするか。
 そのようなテーマを持ちました総合治療に関する研究分野と、もう一つは非常にこれからの問題だと思いますが、疫学あるいは地域ケア、それに関する研究分野です。これは、国立加古川病院の井村院長が分野長を兼ねておられますが、疫学調査を行う。あるいは、リウマチの患者さんの実態調査を行う。また、地域ケアに関しまして在宅の問題、あるいは地域リハの問題、そのようなことの実情を調べていくというようなことがその研究班の内容になっておりまして、ここに書いてあります8,500 万というのは、今年からそのような研究で新たに組み直されまして進んでいるということでございます。
 先ほど申しました、新たにリウマチ科を標榜されました先生方へ、治療のガイドラインをお配りするという方向でまとめておりますのが、今の研究事業の中の、いわゆる総合治療に関する研究分野の中で、現状としましてこういうことを考えて治療してくださいということを内科的治療、外科的治療、または在宅とかケア、リハビリの分野までにわたりまして一応分かりやすくまとめたものをつくります。これは、研究班の結果といたしましてリウマチ科を標榜された先生に早急にお配りする方針で、具体的に文書は出来上がっているというのが現状でございます。
 以上、補足させていただきました。今の塚原補佐の御説明されましたことを中心にしまして、御質問がございましたらどうぞお聞きになってください。ずっとリウマチのことばかりやっておられる委員の方々と、日ごろ余りリウマチに関係がないといいますか、それほど密接でないけれどもまた別の立場から、例えば医師会という大きな立場から御出席の津久江先生とか、そういう立場の方と2通りの委員の先生方がおられますが、特に御質問ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。また質疑応答の中で、非常に基本的な御質問でもございましたらその都度御質問いただくということにさせていただきまして、議事を進めさせていただきます。
 今日は第1回の委員会でございまして、何の筋書きも決まっている訳ではない。一応お手元にございます資料が用意出来た訳でございまして、現状の御報告というようなことで用意されましたものはそれだけでございまして、今後それも比較的短い時間に、何回か限られた回数の中でこの会が進められていく訳でございますが、第1回の今日というのは割合スケジュールに拘束されていない非常に貴重なときでございまして、フリーディスカッションといいますか、それぞれの医療現場の立場からも御出席の先生方はございますし、また少し離れて見ておられるという方々もございますので、一応それぞれの立場から、こんなことが問題点ではないかというようなことをフリーディスカッションしていただきまして、今後への一つの手掛かりに出来ればと思いますので、そのようにさせていただきます。
 まず、今日の委員の先生方の中で、現場に携っておられる先生方からそれぞれ問題点などを簡単に御指摘いただきまして、また一歩高い立場といいますか、少し離れた立場からの先生方も後から御発言いただくというようなことかと思いますが、皮切りにといいますか、村澤先生、日ごろ感じておられることで、先生のところは新潟を舞台にしましていろいろな角度からやっておられると思いまして、問題点も多いかと思いますので、こういうことの皮切りには村澤先生がぴったりかと思います。どうぞよろしくお願いします。
○村澤委員 私はリウマチの治療の最前線として、県立病院のリウマチセンターの中でやっております。いろいろ問題はあるんですが、特にこういう場での問題となると、私たちは医療現場で病院の中にいる人間なんですが、病院の中だけでは何も出来ないということが分かりました。
 病院の中にいれば、私たちは医者としていろいろなことが出来ますけれども、患者さんは病院の中だけでは何も出来ないというか、何も得られない。やはり、病院から外へ出たときのいろいろな、最近の言葉で言うと、リハビリだとかケアという言葉が出ていますけれども、一番治療をしていて問題になっているような感じがします。
 それは、自分が医療の専門家として、医療の方はすべて解決したような感じでいっているんですけれども、勿論、医療の方もすべて解決はしていないんですが、問題は病院だけでは1割か2割だけの治療であって、在宅、おうちでの生活がやはり患者さんにとっては一番大切ではないか。そこが、これからの重点の問題ではないかと思います。
 今、私たちは、いろいろなことを、例えば先ほど言われた厚生省のいろいろな事業やリウマチ財団でやっている在宅ケアなんかがあるんですが、ドクター側はかなりリウマチの知識は得られて、活動しています。一番問題になるのは患者さんとの接点である、例えば市町村とか、保健所の保健婦さんだとか、いわゆるコ・メディカルの方々に、リウマチというのはある方には理解されているんですけれども、なかなかはっきりと理解というよりも、リウマチは怖いものであるというような印象がやはりまだあるんです。
 怖いものというのはどういうことかといいますと、とても痛がる患者さんで変形もしています。変形というのは、節々が曲がっているということです。そして、触ると壊れてしまうような、いわゆるガラス細工であるというようなことがよく表現で使われます。現場のスタッフの中ではリウマチの患者さんをそういう意味で怖いものだ、壊れやすいものという感じで扱われ、なかなか実際のリウマチの在宅ケアが浸透していかないというようなことがあるんです。
 そういうことから、私たちとすればドクターサイド、あとOTさんだととかPTさんのリハビリの方だとか、そういうところのリウマチの教育はかなりいきわたっているんですけれども、現場でのスタッフ、コ・メディカルの方の知識だとか、いろいろな意味の教育がまず必要じゃないかというように感じます。
 話せばたくさんあるんですけれども、まず第1に、医療と患者さんとの接点である、コ・メディカルの場で盛り上げていただければ、かなりスムーズにリウマチ治療がいくのではないかと思っています。
○越智委員長 今おっしゃられたのは、先生が1、2割が病院であると言われた1、2割の部分かとは思いますが、あとの8、9割の部分に関しまして、もし付け加えられることがありましたら。
○村澤委員 それをこの場でいろいろ話し合っていただきたいと思うんです。
○越智委員長 今、特にはないですか。今後の問題ということで。
○村澤委員 やはり、今一番必要なのはスタッフを養成するということではないでしょうか。そのスタッフというのはコメディカルです。ドクターとかPT、OTさんは、病院側の人間ですけれども、病院から外にいらっしゃる人たちのリウマチに対する啓蒙ですね。
 それは、ただ啓蒙と言っても講演会をすればいいというものではなくて、ある程度の組織だった教育が必要ではないでしょうか。例えば、ある研修システムを作って1か月行けば教育出来るとか、そういうのはほとんどないわけです。保健婦さんや、看護婦さんも含まれます。
○越智委員長 これは、全国的にないですね。リウマチに限らず、一般的にリハビリとかケアという部分では、確かに一部の方はおられますけれども多くを教育する施設がないということですね。
 八木先生、いかがでしょうか。八木先生は今、言われました実際の現場で患者さんの理学療法であるとか、あるいは作業療法にタッチしておられまして、教育の体制であるとか、実際の医療現場での体制の問題点で御指摘いただければと思います。
○八木委員 非常にこの会が今、塚原補佐からお話がありましたように、医療とQOLを考えていくんだということをおっしゃられて、非常に広い分野が含まれるのかなと。そういう意味で、リハ関係は私1人ですので、村澤先生の話も踏まえて頑張らないといけないのかなというふうに思います。
 それで、これは友の会の方のアンケート結果というか、白書というか、リウマチ疾患の対策というか、患者さんが何を望まれているかというと、疼痛の除去と、リハビリテーションと、社会性をどう維持出来るかという、この3つに尽きるのではないかということを言われております。
 今、言いましたように、病院の中で疼痛の除去とリハビリテーションの一部が出来たとしても、残りの患者さんの在宅での生活をどうしていくか。進行性の疾患であるがゆえに、病院と切り離せない状況があるということで、非常に長い闘病生活になるということがあると思います。
 こういう中で、RAの医療が抱える課題として、非常に早期の段階から本当に寝たきりになってしまう、晩期という言葉を使っていいのかどうか分かりませんけれども、寝たきりに近い状態にまでなるような状態がある訳で、これをひとまとめにこうしていくということはなかなか難しいのかなというふうに思っております。
 村澤先生の病院はリウマチセンターというお名前を付けておられるんですけれども、このリウマチセンターというのが仮に先生のところだけではなくて、これからリウマチセンターというものがもし出来上がっていくのであるとしたら、これはどういう役割を果たすべきものなのかというところがあると思います。
 リウマチ以外の疾患は今、非常に在宅ケアの方に流れはいっています。リウマチ患者さんを在宅ケアをしていこうといったときに、脳卒中の患者さんと違うところは、進行性の疾患であるということです。そういうもので、やはり最終的に在宅ケアだけでやっていけるのかどうかということが考えられると思います。そのときに今、言われましたように、在宅ケアでするスタッフのリウマチ疾患に対する理解度というのが少し心配になろうかというふうに思います。
 それと今、越智先生の方から指摘がありました、リウマチに対応するPT、OT、セラピストを中心とするスタッフの啓蒙に関しましては、先ほど御報告がありましたリウマチ財団にお願いして、平成4年からリウマチのリハビリテーション推進事業の中で、スタッフを対象にしたリハビリテーション研修会というようなものが各地域で開催されておりますので、以前に比べれば大分スタッフも理解度が上がってきていますし、リウマチに携るスタッフもだんだん多くなっているのかなという印象があります。
○越智委員長 実際に、絶対数から言いましたら十分でないということでしょうね。また、コメディカルと村澤先生は表現されましたけれども、リハビリの先生方も、それから看護の関係のスタッフの方々に関しましても、今言われました財団での年に1度の1日半の教育で十分であるはずがありませんので、やはり教育体制というのは問題だろうなと。
 でも、一応そういうふうなものがなされかけているということで、教育体制の不足あるいは実際に携れる方がまだ不十分であるということに関しましては、やはり1つの問題であるということと考えていい訳です。
 ただ、最終的に在宅ということを考えて、それだけでいいのかということも御指摘になられましたけれども、例えばどんなことを考えておられますか。
○八木委員 やはり早期発見、早期治療というようなものですね。先ほどお話がありましたように非常に大事なことで、それが本当に行われたら、重度になっていく症例の方はだんだん数が少なくなってくるのかなというふうに思いますけれども、現実にはやはり重度になってきましたら四肢麻痺の状態で寝たきりになってくる可能性が強い訳ですね。そういうときに、やはり在宅ケアだけで本当にいけるのか。それは、今の日本の状態が各疾患に対してもそうであるように、もう少し体制が整えばリウマチ疾患に対してもそういう在宅ケアのフォローというのが可能になるのかもしれませんけれども、ここ近い将来において、重度のリウマチ患者さんに対する在宅ケアが本当に出来るかどうかというのは、ちょっと疑問のように思います。
○越智委員長 それと、リウマチセンターと言われるが、センターの役割についてちょっと疑問があるということですか。どうあるべきだと。
○八木委員 必ずしも否定している訳ではないんですけれども、やはりリウマチ特有に医療を中心にしていく段階と、寝たきりに近くなってきましたら介護、看護を中心にしていく段階があろうかと思うんですね。そういうときに、どういう役割を持っていくのかというところです。
○越智委員長 センターに、やはりそういうものも含まれるべきだという意味ですか。
○八木委員 そうですね。といいますのは、社会的な福祉施設が充実したら、勿論そういうところにも寝たきりの患者さんは居住出来るのかなというふうに思いますけれども、それがないときにリウマチセンターの中にもやはりそういう介護的な要素も多少過渡期として含めないといけないのかなというふうにはちょっと感じます。
○越智委員長 ありがとうございました。
 山田先生、ちょうど日本では数少ないナショナルなリウマチセンターが先生のところに設置されていると思いますが、内科で広く先生は見ておられまして、今の疑問に関しましてもちょっと触れていただきながら、先生御自身が医療といいますか、感じておられる問題点を述べていただければと思います。よろしくお願いします。
○山田委員 今の八木先生のお話はかなり私の言いたいことを言ってくださったと思うんですけれども、幸いうちの病院はリウマチセンターあるいは基幹施設ということで指定されています。そのために患者さんがかなり遠方から来ますが、リウマチの患者さんはかなり不自由な方が多いので、遠方から来るということは患者さんにとって非常にそれだけでも負担です。
 そこで、1つはセンターと言ってもそこだけで見るというよりも、やはり教育的な面もかなり含むし、それからいろいろな総合的に患者さんの教育あるいは医者なり、PTなりのそういう教育というものも全部含んだ方が勿論いいんじゃないかとは思うんですけれども、話が支離滅裂になりますが、非常に遠くから来るということで、まず近くでも見られる。家庭で見るのが基本だと思いますので、やはり近くで見られるような体制あるいはいろいろな医者、患者さんの教育というのがうまく出来るような形の体制づくりがあったらいいんじゃないかと思います。
 医者の方も、本当に専門の医者といいますか、リウマチをきちんと見る医者は現在のところ少ないように思います。それから、患者さんの方も治らない病気という意識が非常に強いので、どうしても医者の不信的なところもありまして、民間療法みたいなところに行ったり、いろいろなところに走ってしまうということがありますので、その辺の啓蒙といいますか、そういうこともかなり必要ではないかと思います。
 印象としましては、がんの方はかなりそういう宣伝がうまくいくようになりまして、がんの患者さんが民間に行くのが比較的少なくなったように思いますが、リウマチの方はそれが非常に多くなっているように思いますので、そういう啓蒙も必要ではないか。患者さんの教育といいますか、そういうことも大事なことではないかと思っております。
 それから、センターというのは私はまだ具体的にはすべてのいろいろな面の中心ということで、それぞれの地域でのセンター的なものがあって、そこを中心にいろいろな医療を含めたものが出来たらいいと思うんですけれども、現実にはかなり難しいものではないかと思っております。
 それからもう一つ、八木先生が今、触れたんですけれども、リウマチの患者さんというのは、ただ一般にリウマチと言いますが、当然のことなんですけれども、軽くて何の問題もない患者さんもいますし、重度寝たきりの患者さんもおりますので、それを全部十把一からげにリウマチということは問題がありますし、それぞれに応じたケアあるいは対策というものが必要じゃないかと思っております。
○越智委員長 先生のところは、特にセンター的な意味を持たれた施設の非常に数少ない一つといいますか、日本では先生のところだけでしょうか。
○山田委員 厚生省の方で基幹施設としたのはたしかうちだけじゃないかと思いますけれども。
○越智委員長 そうですね。その意味で、センターというのは非常に期待度とかという意味が多い部分もあるんですけれども、やはりセンターというのはいろいろな重症も含めての最先端の医療をされることプラス、いわゆる看護であるとか、介護であるとか、リハビリテーションに関しての教育もしておられる。各地区の方が来られて、先生のところで教育されて、また現場に戻っていって出来るという教育もしておられると。ちょっとさっき教育ということで言われたので。
○山田委員 教育が出来ればいいんですけれども、そこまでは手が回りませんで、ほとんど現状は患者さんの診療に追われているだけです。
 勿論、見学あるいは勉強に来る人もいますけれども、そこまできちんとしたものはまだ出来ておりませんので、センターと言うからにはそういうものもきちんと出来るような形にすべきだと思いますし、あるべきだと思います。
○越智委員長 あるべきだけれども、そこまではちょっとと。それは、センターが1か所だけであって、もう少しあれば何とか出来るのにと。遠くから全部来られていてではなくて、もう少し分散していればその教育も出来ると。
○山田委員 それぞれのところではそういう具合に出来ますが、実際には人手不足といいますか、日常の診療にほとんど追われてしまうということで、そういう余裕のある診療は出来ないということです。
 センターというからには、情報もすべて提供出来るような形で出来たら本当はいいんじゃないかと思っておりますけれども。
○越智委員長 数が少ないので、センターの本来の意義が発揮出来ないというふうなあれになる訳ですね。
○山田委員 そういうことはあります。
 ただ、センターという名前が付いていることで、やはり患者さんはそれだけで全国からかなりいろいろなところから集まって来て、そして戻って行きますので、そういう点ではその患者さんの期待にこたえるだけの診療はしているつもりではおります。
○越智委員長 ただ、本当のナショナルセンターとして十分機能出来ていないのは、もう少し数があれば教育的な面もカバー出来ると。
 山本先生、いかがでしょうか。九州に行かれてそれほど間もないんですけれども、九州の地域的なことも含めて。
○山本委員 私たちのところは大学附属の研究所というのと、研究所の附属病院ということで、そこの附属病院でリウマチ膠原病内科と標榜している数少ない国立大学の施設だと思いますけれども、大分県の中では一つの拠点になっています。
 それで、この委員会が現時点でのリウマチ対策ということを論じるということであれば、今3人の先生方がおっしゃっていただいたことというのは我々も切実に感じている訳ですけれども、それは現時点での患者さんに還元出来る最大のことをやるという一つの方向性だと思います。
 しかしながら、それだけで今のリウマチ対策が万全かというと決してそうではなくて、実際に我々が患者さんを拝見していると、今の医療がいかに無力であるかということを痛切に感じる訳でありまして、リウマチの患者さんの病気の勢いを我々の手でコントロール出来ないということが基本的な現状な訳であります。それは、強い薬をぼんと入れれば、その時点でのコントロールは出来る訳ですけれども、原因が分かっていなくて有効な対策法が全くないというのが現状で、10年後の骨の破壊をきちんと止められるかと言ったら止められない訳でございますから、要するに医療の無力感を感じる一つの疾患だと思います。
 それで、片や垣生先生が指摘されているように、基礎免疫は華々しく今世紀のおしまいにサイエンスとしてのアドバンスがあるんですけれども、残念ながら基礎の科学を臨床科学に持っていくところの、言ってみれば臨床免疫学というのがいかにも、世界的にもそうでしょうけれども、日本が余りにも弱過ぎて話にならないというぐらいの無力感がある訳です。
 それはどういうことかというと、若い人がそこに将来的集まって来ない。ということは、この分野が将来的に本当にきちんと患者さんをケアをすることを含めて成り立つかどうかということの不安がある訳ですね。それで、国立大学の講座でリウマチをきちんと見られる教授がほとんどありませんので、越智先生の前でそういうことを言うとあれですけれども、ということは若い人が今後それを慕ってそこに集まって来るという拠点が少ない訳です。
 そういうことを含めると、まず長期的な対策として、やはりリウマチの原因を基礎免疫の成果を踏まえて、それを実際の患者さんに来年、再来年ではないにしても、5年、10年にしたら還元出来ると、とにかくそういう対策を打つという方向を持っていかない限りは、リウマチの基本は治らないというのが現状でありますから、まずそういうふうなリウマチの研究ということの体質をきちんとしていただきたいということです。若い人もそこに入ってきて、この分野はリウマチだけではありませんので、その周辺疾患、膠原病、いっぱいありますから、それも含めたこの分野、臨床免疫学の分野というのをきちんとしなきゃいかぬというのが1つございます。
 それともう一つは、そう言っても毎日毎日患者さんは痛い訳でありますし、苦しい訳ですから、今の医療を即患者さんにきちんと持っていけるケアを含めた対策の2つの両面でいかないと、非常にケアはよくなった。リウマチは非常にカンフォタブルになったということになっても、原因が全く分からなくて、我々の目の前でどんどん骨の破壊が進んでいくという状況を放置していた限りは、現時点で我々がとり得る最善のリウマチ対策をとったことにはならない。そういう2つの面で、是非ともこの専門委員会では審議していただきたいと思います。
 実際の現場の医療については3先生が言われたとおり、我々も患者さんを一人一人拝見する時間が本当に少なくて、10分ぐらいで、すみません、こんなに患者さんが待っていますからということで十分なお話を聞けないもどかしさを感じながらも、ということは医師の絶対数が少ないということを感じます。
 それから、我々は拠点と言いながらも、PTさんはいますけれどもOTさんはいないとか、そういうふうな無力感がありながら、要するにそういうところの人員が圧倒的に少ないということも含めた対策が必要だと思います。
 幾らでも言うことはありますけれども、とりあえずこれぐらいにしておきます。
○越智委員長 新しい面で、これも我々も非常に大きな責任がある部分ですけれども、研究が進んでいない。厚生省としてはかなり力を入れて、班の研究費とか、いろいろな対策を考えていただいていますけれども、研究が進んでいないということも含めて、それと基礎免疫の分野に若い研究者が余り入ってきたがらないということですが。
○山本委員 基礎免疫の方は入ってくるんですが、それが臨床免疫の方に還元してそういうふうな臨床レーテッドの研究者がかなり多い割には、余り臨床のことを知らないでやっていらっしゃる方が多くて、実際の臨床免疫というフィールドがかなり弱くなっていることは事実だと思います。
○越智委員長 ありがとうございました。
 先に、生々しく患者さんを見ている側の先生方のお話を聞いた方がいいと思いますので、西岡先生いかがですか。
○西岡委員 生々しくと言われても困るんですけれども、私は今まで何人ぐらい見ましたか。5万人ぐらいリウマチの患者さんを拝見しましたでしょうか。卒業してからずっとリウマチをやっていますが、その中で非常に無力に陥ったのは、幾らやってもどんどん進行してしまう。それで、少し病気の原因を究明していかないことにはということでだんだんシフトをそちらの方へ今、変えつつあります。
 お隣りにいらっしゃる垣生教授とよく似たようなところで、現在その病気の原因を基礎的な方向から見る立場と、それから患者さんを見るのと両方をふたまたを掛けてやっているんですけれども、いずれにしろ両方これは車の両輪みたいな形でやっていかなくちゃいけないと思います。
 それで、今日いろいろな問題点を先ほどから提示されていますけれども、やはりこの審議会で1つ是非検討していただきたいことの、かなりこれは割合早い時期に結論を出さなくちゃいけないこととして、今度リウマチ科が標榜されました。それで、その標榜されたリウマチ科というのは自由標榜ですから、全く経験のないお医者さんでも、とりあえずリウマチの非常にこういう言葉をこういう席で使っていいのかどうかよく分からないんですが、リウマチの患者さんをたくさん集めた方が、その診療経営上うまくいきそうだということになりますと、リウマチの看板をどんどん掲げてしまう。
 だけど、そこにいるお医者さんが、果たしてどの程度リウマチに関する治療が出来得るのかどうかという、その担保がなかなかないということで、今度標榜化されたのは2つ、リウマチとアレルギーで、病名が付いたのが恐らく今回が初めてではなかったかと思います。
 ですから、余りその辺のところは、その生涯教育の中でリウマチ科を標榜した先生方に対して、どのような形でリウマチの生涯教育のプログラムを提示していかなくちゃいけないのか。先ほど村沢先生がおっしゃいましたけれども、確かに先生のおっしゃるとおり、病院にいるのは1、2割で、あとの確かに我々の知らない部分といいますか、患者さんがうちに帰ってから何をやっているか分からないというのはまさにそのとおりなんですけれども、ただ、その1、2割というのは、言ってみれば家を建てるときの設計図みたいなものですから、その1、2割の設計図のところで我々の役割というのはかなり重要になってきますので、とりあえずリウマチ科を標榜する先生方に対する生涯教育のプログラムをどういうふうな形で提示していくのかということについて、ひとつ意見をまとめていただきたいということです。
 それから、これは長期慢性疾患あるいは厚生科学費等を通じまして、リウマチの原因救命に対していろいろ厚生省から御尽力いただきまして我々は取り組んできた訳ですし、また今年度から新しく、先ほど越智委員の方からもございましたように、リウマチに対する病因救命、これはやはりどうしてもやらなくちゃいけないので、この点に関してもそちらのエキスパートの先生方がこの委員の中に参加されていますので、そういう基礎研究の面と、それから差し当たっての当面の緊急性の課題として標榜科に伴う、いわゆるリウマチを標榜した先生方に対する生涯教育のプログラムを早急に提示しなくちゃいけない。この2点を、是非ともよろしくお願いいたします。
○越智委員長 ありがとうございました。
 私も生々しく医療現場で見せていただいている方ですので、先に治療の委員の先生方の御意見ということでしておりますが、委員として外科系は私だけだと思いますし、その意味で今まで先生方に付け加えて感じておりますことを先に言わせていただきます。
 私どもも主にかなり重症になりまして、破壊が進んで歩けない、あるいは上肢機能がだめになっている。腕が使えない。そういう方々は、手術を主にしまして治療をしている訳ですが、やはり一番気になりますのは退院してからどうするのか。入院して、あるいはリハビリテーションまででしたらフォローが出来ておりますが、今の医療制度でそれほど長い間、後のリハビリテーションまで含めてずっと入院を続けてもらうことは出来ない。それで、うちに帰ったときにどうなるのか。
 特に最近、一般的にまだ治療が進んでいないと言いましても、やはり一般的にリウマチ科の先生方はコントロールが上手になってきておりますので、以前ほど副作用によって早く亡くならせてしまうということはございませんので、やはりリウマチでハンディキャップを持ちながら高齢の方というのはどんどん増えてきておりますが、この人たちがおうちに帰ったときのことというのは非常に苦になります。
 どうするのと聞きまして、施設があれば探すんですけれどもなかなか施設がない。それで、御近所に帰られてお一人で住まれて、ケアといいますか、ヘルパーさんが週に何回来るんですかと聞きますと、週に2回ぐらい来てくれますので、そのときに買物をしてお風呂に入れていただいてというようなことを言っておられますが、やはり何か帰っていただく段階で非常にかわいそうで、何とかならないのかなということを実際は退院させるときに非常に感じております。
 その意味で、在宅の問題が何とかならないのか。あるいは、ケアをする看護体制あるいはリハの先生方は一生懸命しておられますけれども、やはり人数が足りませんし、一体どのようにしてケアをしていいのかということが、指導体制がない。だから、例えば相模原のようなナショナルセンターのようなものが各地区に何か所かありましたら、そこで是非看護体制あるいはリハをどのようにすればいいのかを教えて、また現場に戻っていただけるような、そういうふうな教育システムといいますか、そういう場を是非つくっていただきまして、患者さんが帰られてからも見ていただけるという体制が是非欲しいなと、これは非常に切実に思っております。
 それから、もう一つは西岡先生もリウマチ科の標榜に関しましてということをおっしゃいましたけれども、例えば研究班でかなり厚生省の方でも努力していただきまして、平成2年以後研究班が出来て、資料関係もいろいろ、それまでは余り一つのコンセンサスがなかったのが、かなり整理された形で知識がまとめられてきている。
 だけど、実際の医療現場、これは大きな病院というよりも、むしろホームドクター的な先生方が、実際に7割から8割はそういう先生方に負っている部分が多いと思いますけれども、そこに情報を流す。例えば、研究班で研究をした治療などに関します研究者に成果を流すパイプがない。
 1つの方法として、リウマチ財団から登録医というような形で流すという方法が1つあるというので、財団の方でも検討しておられまして、西岡先生は理事であり、また企画委員会の委員長ですから御努力しておられますが、実際上は研究班ということで治療研究をいたしましても、実際に見ておられますホームドクター的な先生方に対するパイプというのは非常に薄い。
 これに対しまして、先ほど申しました一つのガイドラインをお送りしようというのが一つの対策として今回厚生省で計画しておられますが、そのようなものをもう少ししっかり強化する方向が必要じゃないかということを思っております。
 それからもう一つが、最近のあれですが、治験というのがだんだん出来にくくなっている。だから、治療ということが非常に行き詰まっていて、もっといい治療が必要だということを言われる一方で、実際に日本で治験が本当に難しくなっている。
 例えば薬の開発ということで、リウマチに携っている現場の医者というのはやはり少しでもいい薬の開発という一つの義務的な意味もあると思いますが、患者さんにそういうお話を持ち掛けますと、先生は幾らいただいているんですかというふうな話が戻ってきたりします。そういうことで、もう少しちゃんとした治験の体制があり、また今日はちょうどリウマチ友の会の会長さんが来ておられますが、患者さんの方でもそういう認識をある程度していただきまして、そういうことがなければ新しい治療が進まないんだというようなことも一つの大きなグループの一員として、患者さんのグループもやはり認識していただきたい部分もあるんじゃないかなと思います。
 それから、相模原の山田先生のところだけが唯一のナショナルセンターなんですけれども、そういうことを幾つかお世話しながら教育的なところ、そしてトップがきちんとしたいろいろな医療体制が出来ない治療をする病院、これを幾つか必要なだけある程度増やす方向で考えていただきまして、そしてやはり患者さんにとりましてはおうちでの生活というのが一番幸せですから、医師会を中心にいたしまして、本当に患者さんの8割から9割は実際のホームドクター的な先生方にお世話になっておりますので、その連携であるとか、あるいは情報の交換のパイプというのはやはりまだ足りないんじゃないかなと思っております。
 私はとりあえずそんなことを今までの先生に加えて感じておりますので、付け加えさせていただきまして、医療現場に携っております先生方の御意見は大体今ぐらいのものかなと思いますが、今度は患者さんの立場といたしまして御意見を伺いまして、その後、もう一歩高い立場からいわゆる指導であるとか、あるいはいろいろなほかの先生方が来ておられますので、御意見を伺えればと思います。
 それでは、患者さんの立場ということで吉田さんよろしくお願いいたします。
○吉田委員 リウマチ友の会は、今年で創立37年を迎えるんですけれども、前の理事長の島田廣子さんがつくられたんですが、体調が悪くなってお辞めになりまして、私が後を引き継ぎました。
 友の会は、「リウマチ白書」というものを5年ごとにつくって皆様にお配りしております。会員が2万2,000 人ぐらいおりまして、その中の1,500 人ぐらいお医者様が入会してくださっています。
 患者像としましては、圧倒的に私どもの会では9対1で女性が多いんです。27%の人がもう40代の本当に働き盛りのときに発病する。15歳未満の子供のリウマチの方もたくさんおります。
 また、療養生活が20年ととても長いんです。60代、60から69歳までの方たちが一番多くて本当に高齢化の波が来ていると思います。
 それから、身体障害者手帳のことが先ほども出ていましたけれども、私どもでは60%の人が持っておりまして1、2級という重度の人たちが68%いるんです。ですから、会員になっている人は重度の人が多いというようなことが言えると思います。
 患者の不安というのは再発進行するんじゃないか。ちょっと落ち着いていたと思ったら、また10年目に出たなどという方がいらっしゃるんですね。
 それから、長いことお薬を飲むものですから、薬の副作用があるとか、ADLの低下とか、悩みとして持っております。
 それから、入院しますと長くなりまして、4か月以上というのが25%もいる訳なんです。やはり長期になりますといろいろな意味でお金も掛かりますし、悩みも多いということが患者としては出ております。
 それで、今年リマウチ科の標榜が出来たことで今まで迷っていてどこに行っていいか分からない。整形に行ったり、内科に行ったり、それで手遅れになったというような方がいらしたんですけれども、今度は本当にリウマチ科と標榜されたので、そこに飛び込んで早期に発見されて治療が出来るのではないかと、とても望みを持っているんですけれども、西岡先生がおっしゃいましたように自由標榜科でございますので、どの先生でもしてくださってもいい訳なんですけれども、私どもではこういう先生にリウマチ科を標榜されたら困るというふうな声もある訳なんです。
 そこで、私どもはやはり患者はお医者さんを選ぶ目を持たなければいけない。そういう意味で、私どもの会員の先生の名簿の作成をして、この先生はリウマチ科を標榜してこういう専門をやっていらっしゃるとか今、細かい名簿づくりをしております。それで、本当にリウマチ科にふさわしい先生の養成をしていただきたいと思います。
 それから、先ほども大学の講座にというふうなお話がありましたけれども、本当に大学にリウマチ講座をつくっていただきたいと思います。整形と内科、リハビリ科がトータルに連携を密にしていただきたいと思っております。本当に皆さん不自由ですから、近くの専門医にかかりたいという方が多いんですけれども、無医村みたいなところの方もいらっしゃる訳なんですね。だから、平等に皆さんがお近くの専門のお医者さんにかかれるようにやってほしい。
 それから、2010年にはリウマチは大分解明されると西岡先生が随分前に言ってくださったので、2010年まで皆さん希望を持って頑張りましょうとみんなで言っております。やはりそれは本当に合言葉にまでなっておりますので、どうぞ一生懸命研究していただきたいと思っております。
 まだたくさんございますけれども、また追加でお話しさせていただきます。
○越智委員長 ありがとうございました。
 患者さんは、1つには治療費ということも問題になりまして、それの1つにいわゆる身体障害者の等級によっての保障がありますが、私どもその証明を書くときに必ずしも不自由度と等級が合ってこないんですね。それは、やはり患者さんの方でも大変困っておられる部分もある。
 例えば、痛くて歩けない方で、両ひざが破壊されて痛くて歩けない。その段階でしたら、ひざの片方だけでしたらそのままであれば例えば機能障害で5級、それで両方で4級、だけど手術をして歩けるようになれば等級が1つ上がって、両方だったら3級とか、そういうふうなあれになるんですけれども、本当に歩けない方で車いすを使ったりしておられる方は、この等級では車いすが買えないとか、あるいは本当に実際に手術して歩けるようになった方よりも等級が低いとかということが現実にありまして、やはりそれも患者さんの側の一つの問題じゃないかなと思って拝見しているんです。
 そういう面でも、やはり厚生省の方にお願いしまして、等級とか、身障の等級というのも一つの再検討項目としてお願いしたいと思っております。
○吉田委員 そういう等級に痛みというのが加味されないんですよね。それが一番つらいということです。
○越智委員長 それでよいのかというのも一つの問題になっていますね。
 今、御発言いただきましたのはむしろ割合大きな施設での先生方の側の御意見だったんですけれども、実際上、先ほどからも御意見が出ておりますが、患者さんを日常トータル的に見ましたら8割から9割はお近くのむしろ医師会の関連の先生方にお世話になっている部分が非常に多いということが現実なんですが、津久江先生、日本医師会という立場から見ましてこういう問題でお感じのところ、または問題点を御指摘いただきたいと思います。
○津久江委員 日本医師会と言われますと非常に肩の荷が重いんですが、ここへ出させていただいたのは、多分遠藤課長につり上げられたんじゃないかと思うんです。
 何か先生は5万例のリウマチをみておられるということですが、私は1例しか見たことがないので、この中で最もリウマチに対して無知ではないかと思うんです。
 ただ、このリウマチ調査研究という、この表の一番最後のところに、私の専門は精神科でございまして、人工関節弛緩を受けた患者さんのQOLの経年変化というところに精神的障害というのが出ておりますが、見てびっくりしました。精神的障害と言いますと、普通ディジーズを意味するので、これは大ごとだと思いまして、そう言えばしばしば我々町の医者ではやっているジェネリックなブシコウゼイを見ることがリウマチの患者さんにあるということで、それかなと思いましたら、これはどうもそうじゃなくて、シンプトームのような感じで安心したんですが、それが1つです。
 それから、私の同級生で母校の内科の教授がおるんですけれども、彼のところの若い医者で、やはりリウマチを専門にやっている先生が、私の病院は精神病院なんですけれどもちょっと外来を貸せということで今トランスポーテーション、アクセスの問題が出ましたけれども、ちょうど中間的な場所にあるからということで、精神病院の外来を使ってリウマチ外来をやっておられるということもあります。
 そういうことになりますと、ホームドクターというのはあながち診療所のお医者さんだけではなくて、例えば大学病院とか、大きな病院の主治医というものはホームドクターになっているんじゃないかなという気がいたします。その人の自分の患者さんを、近くの場所ということで軒を貸して私の病院でリウマチ外来をやっておられるというような便法もあるんじゃないかというようなことを経験しております。以上でございます。
○越智委員長 ありがとうございました。
 実際上、ここでのディスカッションとか、あるいは実際ハンディの研究あるいはいろいろな、例えばリウマチ財団とか、あるいはここの研究所ですか。そういうところの実際の医療現場への還元の段階で、あるいは情報交換の段階で、医師会とは非常に密接だと思いますので、よろしくまたお願いいたします。
 教育側ということになってくるのでございますが、実際に教育に当たっておられます国際医療福祉大学、これもまさに先ほどまでディスカッションに上っておりました、人が足りないんじゃないかというようなことがございましたが、杉原先生、御意見をどうぞお願い申し上げます。
○杉原委員 教育といいますよりも、私は作業療法士です。それで、この大学に赴任する前はずっと東京都の心身障害者福祉センターにおりまして、そこで病院からリウマチの患者さんを在宅に向かってどう援助するかというようなこともかかわっておりましたのと、社団法人日本作業療法士協会の事務局長もしておりますので、全般的に作業療法とリウマチというのはとても縁というんでしょうか、関係が深くて、いろいろな自助具の問題であるとか、補助具の問題であるとか、そういう関係もありまして、私どもの協会としても自助具のマニュアルであるとか、そういういろいろなものをつくったりしているという立場で、教育だけという感じでは多分ないんじゃないかなと思いますけれども、ちょっと印象をお話させていただきたいと思います。
 やはり、第1に何でリウマチはなるのかとか、よくならないのか。その辺が素朴な疑問としてまずありますね。たくさん言っていただいています原因といいましょうか、そういうたぐいのものと、それから治療の経過といいましょうか、その辺が何ゆえに変わらないかというか、よくならないのかという問題がいつも生じているということで、難病ということです。
 それから、先ほどからおっしゃったように、なぜ若い人たちがこの領域に来ないのかという魅力のなさというんでしょうか、その辺は何だろうかということがまず医療的なことで大変気になりました。
 それから、在宅という、私も東京都の身障センターもそうですが今、国際医療福祉大学は栃木県の大田原市にありまして、大田原で東京とは全く違う地域で在宅ケアのいろいろな事業をお手伝いさせていただいているんです。そういったときに、医療の場面で社会的入院というお話もあったんですけれども、余り勇気を持って在宅に出していないというんでしょうか、在宅の場面にどんどん来ないと、やはりリウマチに対する在宅ケアというんでしょうか、そういうもののノウハウがなかなか蓄積されないだろうということがあって、温泉病院の作業療法士などにも聞きますけれども、ずっと長く病院にいるというのが多いので、やはりもう少し本当に家で暮らすのが幸せならば家に戻す勇気を医療サイドは持ってほしいなということがあります。
 それから、体制の問題も先ほどからお話されていますけれども、国立というか、国レベルでのセンターをどかっと持つというのと、それから今の考え方はやはり3次、2次、1次圏の医療という感じで、システム的にそろえる努力をいろいろな領域でやっていると思います。そういう意味合いで、やはりセンターをつくっていくというより、地元の2次圏、1次圏などでの診療、お医者さんたちのリウマチに対する知識、それに対応出来るような状況というのが必要だろうと思います。
 つまり、余り3次圏ぐらいでどばっと大きいセンターというよりは、やはり患者さんの身になってみると身近なところという、そこでの専門性を少しでも向上させるというのがいいのかなということがあります。
 それから、やはり作業療法の立場でありますと、補装具とか、自助具とか、福祉機器とか、そういう関係でお手伝いすることが多いので、先ほどちょっと身障の手帳の等級のこともありましたけれども、なるべく東京都の、私も厚生相談所にいましたから、リウマチの方がいらっしゃると出来るだけ早く電動車いすというんでしょうか、負荷が掛からないような電動車いすを支給したいと思っておりますが、国全体ではそうはいきませんし、やはり等級でとても3級、4級では電動車いすは出ませんし、そういう感じでの補装具の支給体制と、それからもう少し材質的にというんですか、質的な面で自助具でも、補助具でもお手伝い出来る領域というのは残されているんだろうなということがあります。
 それと、最後に出来るだけ、理学療法でも、作業療法でも、いろいろな領域でマニュアルっぽいものを積み重ねられたらどんどん出していくというんでしょうか、そういうのが必要ではないかなというふうな感じがします。
○越智委員長 ありがとうございました。
 やはり教育側ということで、垣生先生、医学部での教育などを中心にお願いいたします。
○垣生委員 先ほど山本先生が指摘なさったんですけれども、基礎免疫と臨床免疫のギャップがあり過ぎるというお話でございます。
 確かにあるような気がしておりますし、みんなもそういう危機感を持っておりまして、実際に何をしたらいいかというのがなかなか討論の場に挙がってこないので今、臨床免疫という学会と、それから免疫学会というのがございますけれども、1998年には合同で学会を開いて、そしてドッキングするなり、そういう両方のディスカッションの場をつくろうという動きが遅まきながら出ているような状況でございます。
 それで、基礎免疫の方の人たちは何をしているかというと、1960年代から華々しくインビトロの系から始まって、免疫反応というのは性状ではどういうふうに起こっているかというのをずっと研究してきた訳です。それで、大体そういうことが分かりましたというか、ある程度分かってまいりましたので、今その異常状態になっているのはどういうことか。免疫反応の性状のバランスが崩れる本になるのはどういうものかという研究に今ちょうど入っていきますので、臨床の免疫の方たちともドッキングが出来るようなバックグラウンドが出来てきたんじゃないかと思っております。
 それで、実際には免疫のバランスをとる細胞、それからそれを動かす因子というのが分かってきておりますので、診断あるいは将来は治療に使う方向にいきたいというふうに、いつの日か基礎も臨床にコントリビュート出来るという意味で、そういう方向が見えてきたと考えております。
 それで、発生機序に関しましては、ツールとしてはリウマチを含めて自己免疫疾患のターゲットで、抗原になる免疫を悪い方向に起こす引き金は何かということ、それからもう一つは、割とある病気になりやすい人となりにくい人というバックグラウンドはどういうことかというのが分子レベルあるいは分子遺伝レベルで解析が出来るようになりましたので、もう少しお待ちいただけるとそちらの方向に進めるかと思いますし、実際に今かなりの方向に進んでおります。この場合は、実際に患者さんのそういうマテリアルが必要になりますので、臨床と基礎が本当にドッキングしていくのにいい時期にきているのではないかと考えております。
 それから、例えばリウマチの場合ですと、基礎の人と免疫の人が割と分かれてしまう理由は非常に臨床の場で、いつ始まったかというのが分からなくて今、火事場みたいにいろいろなファクターが入っているところがあってきれいな解析が出来ない訳で、若い人が割と臨床免疫を嫌がる理由はたくさんファクターがあるものですから、きれいなデータはすぐ出ない。ペーパーが出ないというところがあるんじゃないかと思います。
 それをするにはどうしたらいいかということなんですけれども、基礎側から言いますと一生懸命疾患モデル、モデル動物をつくるということに割と協力出来るような体制を発生学者とか遺伝学者とともにやっている状態です。やはりモデル動物がありませんと、スタートの時点からどういうときにどういう治療をすればいいか。どういうときにどういう免疫異常状態が出来ているかというのはなかなか分からないし、人では治験という問題も今、難しくなっておりますので、そういう動物をつくる方にいきたいと思っております。
 実際、ある重要な遺伝子をつぶしたり、あるいは新たに病的な遺伝子を発現させたりという動物が出来るようになっておりますので、そちらの方は進むと思います。
 ただ、国の方にお願いしたいのは、そういう動物をつくるのはものすごく発達しているんですけれども、それ以後、その動物を保持するというのが非常に難しい状態になっていて、受精卵で置いておくことも出来るんですけれども、何かそういう施設があったらどこかの研究室でつくったのがみんなが使えるようになるのではないかと考えております。
 大体そんなところでございます。
○越智委員長 先生のところでも、やはり若い医学部卒業生はそれほどたくさん来ないですか。割合、積極的にこういう部門に進もうとしておられますか。
○垣生委員 私のところは割と新設の私立大学ですので、それほど基礎に残ろうという人はいないんですけれども、臨床のために何かしたいという気持ちがあるようで、その場合は先ほど申しましたように、学位論文ということもあるのかもしれないんですけれども、何か答えが早く出来るものというので、基礎にまいりますと基礎的手段で研究をしてしまう。それで、それがいつ臨床の方にフィードバックされるかというのはまだ分からないようなクエスチョンの状態です。研究するのは好きみたいです。
○越智委員長 そうですか。若い方は出来るだけ入っていただくというのが非常に大きな力ですので、先生の御意見を非常に参考にさせていただきまして、私どものところも協力したいと思っていますので、よろしくお願いします。 一歩高い立場からという御意見になるんですが、松本先生よろしくお願いいたします。 ○松本委員 実は私は元来医者なんですが、医学部へ来る前に工学部にいたものですから、両刀を掛けて今、工学部で情報工学といいますか、精密機械工学科の中で情報処理、デバイスを含めた情報処理工学、特に生物の情報処理というのを標榜しております。
 もともとは私は心臓外科医を25年やって、その後に工学部へ戻ったものですから、心臓のリハビリというようなことは国際学会でも発表してまいりましたし、今でも発表しておるんですが、リウマチとかかわったのは、いろいろなリウマチの治療の効果を数量的に表現出来ないかと私の先輩にあたる偉い人から頼まれまして、その件で話し合って、どうしたら出来るか。我々の手法から言うと、答えは簡単に出来ますよと申し上げました。
 ただ、我々がやっていることを理解するだけのバックグラウンドを持ってくださいというようなことを申し上げて今、研究をおこなっております。
 そんなことでここへかかわったんだろうと思うんですが、今日の話を伺ってみまして、リウマチの診療科というのが自由標榜であると。私も循環器外科の専門医を日本と米国と両方持っておりますけれども、日本で一番混線するのは自由というところで、本当にこの人がリウマチの専門家なのかどうかというようなことをしっかりと見極めていただきたい。それにはどういう治療、治療実績を問われるのもいいでしょうし、日本の場合、学者と臨床科が一体になっているところがありまして、アメリカほど学者と実地臨床科が分かれにくいというところがありますね。だから、実際の特にホームドクターのようなケースのときに、自由標榜になりますとその辺が一つの問題ではなかろうか。
 ですから、何か認定制度を設けられた方がいいというような気がします。私も日本の認定などのときにかかわりましたけれども、やはり大学優位の認定の仕方をしますね。ですから、例えば大学の医局にはいろいろな専門家で、本当に葉っぱの先のちょっとした専門家でも何となく指導員になってみたり、専門医になっている。それがホームドクターのところへまた流れ出るというようなことがありますので、本当の実地臨床と学者の専門家を分けて書いた方がいいのではなかろうかというふうなことを思いますし、これはそのリハビリについてもそうなんですね。
 私は全く門外漢で承知しておらないんですが、リウマチの療法士というようなことがちゃんと認定としてあるのかどうか。その辺も、やはり50万人の患者さんの病体に合った治療をして差し上げるためには必要なのではなかろうかというようなことを思っておりますし、今日初めてリウマチの調査研究というので、私は先輩から言われて治療効果はQOLですね。QOLを評価するのにどうしたらいいんだということで、そのときも伺ったんですが、我々とすると、例えばこういうものをいろいろな生態情報を取り上げるセンサーみたいなものに付けてソフトを組んで数量として出すには、ここのページにあるような分類の仕方ではなかなか難しい。余りにも態度をファジーにしないと出てこない。出てきたものがかなり信用度の低いものになる。
 そこで、そういうことも含めて両方の分野の人がお互いに意見を交換しながらより精度の高いものをつくって、例えば作業療法だったら作業療法みたいなものをしっかりとしたものに持っていくということで、私は幾つかの施設を見せていただきましたけれども、入院で内科治療に並行あるいは外科治療に並行してリハビリテーションというものをやっておられて、自宅へ帰ってからどうするか。これは、やはり在宅で自分がするリハビリテーションだと思うんですね。だから、そういう在宅自己リハビリテーションというようなものに何か一つの指標になるようなものを、病院でのリハビリテーションのときにガイドラインを患者さんに出してあげるというようなことも必要なのではなかろうかというようなことを思っております。
 以上、ざっと感じましたことを申し上げましたけれども、全くの門外漢ですので、いろいろなことを教えていただければ、こういうふうに今、生態情報工学とか、私は情報工学の中でも信号処理工学というのを専門に今、学生を教育しておる訳ですけれども、多少お役に立てることもあるかなというふうなことでございます。
○越智委員長 ありがとうございます。
 今の松本先生の御意見の中にございました認定制度、特にアメリカでは実地臨床と、それから学者の専門家で認定を分けているとおっしゃいましたが、実際上まだ未発達の部分もございますが、実地臨床、特にリウマチ科標榜に伴います実地臨床としましては、この資料3の一番下に出ております日本リウマチ財団というのが登録医という制度をつくっておりまして、この実地臨床を登録医という形で一つの認定といいますか、登録制度にして、そこに登録された方々に対しまして、例えば厚生省からのいろいろな指導要綱であるとか、あるいは研究班での結果を流すというのが一番現実的ではないかというようなディスカッションがされておりまして、学者としての専門家、これも臨床免疫であるとか、あるいは病理も含めてですが、日本リウマチ学会での認定制度というようなことで現実に分けていこうという動きがございまして、まだこれからもう少し内容が伴っていくべき段階なんですが、一応認定制度としましては今のリウマチに関しましてはそんな形になっております。 今後の活用の仕方とか、生かし方ということにかかわってくると思いますが、そういう形になっておりますというのは一応御説明させていただきます。
 最後になりましたが、一番包括的といいますか、いわゆる公衆衛生といいますか、社会医学という立場から古野先生に御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○古野委員 包括的とおっしゃったんですけれども、大体公衆衛生というのは医学部で極めて軽んぜられている領域なので、私が包括的に意見を言える立場ではないと思うんですけれども、先生方のお話を聞いていて2、3考え付くことがあります。
 私が基本的にリウマチのことに関心を持ったのは今年からで、井村先生の班でちょっとだけお手伝いをしていまして、お金をもらっている訳ではございませんけれども、お手伝いをしていて、極めて客観的な立場から意見が言えるのではなかろうかと思います。
 それで、一番重要だと思うのは、臨床の先生方は治験が不可能だというふうにおっしゃるんですけれども、山本先生もおっしゃったように、だれも10年後の骨破壊がどういう治療法によって止められるかということを知らない状況で治療をしている訳ですね。そういうことを考えると、この委員会としては5年ないしの長期的な予防を念頭に置いたランダマイズド・コントロールド・トライアルが必要だということを明確にすべきだと思います。
 同様に、クオリティー・オブ・ライフということを問題にするのであれば、クオリティー・オブ・ライフに影響するランダマイズド・コントロールド・トライアルを推進するような考えをこの委員会として推進する必要がなかろうかと思います。それが1点です。無作為割付け試験ということをもう少し積極的に取り入れる必要性があるんじゃなかろうかと思います。
 2つ目は、垣生先生とか西岡先生の研究で随分発生要因とか、増悪要因とかというようなことが明らかにされておるんですけれども、リウマチの患者さんの場合は極めて軽微な症状で長期に生きながらえる方もおる訳でしょう。そうすると、全く正常な人を対象にした研究というよりも、長期的なリウマチの患者さん自体を対象にした長期にわたるランダマイズド・トライアルじゃないんですけれども、純粋な観察研究ですね。追跡観察研究、適訳はないんですけれども、プロスペクティブ・スタディーを長期にわたって患者さんを対象として、増悪する要因は何であるかということを明らかにする研究を推進すべきじゃなかろうかと思います。例えば、友の会の患者さんは一応登録される訳ですし、そういうところの協力があればここは十分可能だと思います。それで、生物学的ないわゆるバイオマーカーとか、あるいは環境要因についての包括的な調査を加味して追跡調査をするということが必要だと思います。
 これらの2つは、1人の先生が行うというのは不可能でしょうから、多施設の研究に当然なると思いますけれども、それと次の世代の研究者に残すような形の研究という形に当然なると思います。それくらいの長期の見通しを持って、研究を計画する必要性があるんじゃなかろうかと思っております。それで、疫学研究とか、あるいはこうした長期な研究の場合には、基本的に研究を始めた人の時代で成果が表れるものではない訳だから、次の世代へ残すような形にすると、若い研究者もどんどん入ってくるんじゃなかろうかと思います。
 3番目の点は、どのような対策とか、あるいは行政政策が行われるに当たっても、疾病の発生とか、あるいはリウマチの場合には、重症なリウマチというのが重要な訳だから、重症なリウマチあるいは全体のリウマチでもいいんですけれども、そういうことを掲示的にモニタリングするような疫学調査が必要であると思います。それで、この点に関しては井村先生が疫学分科会長をされておりまして、村田先生も御存じだと思うんですけれども、分担して研究、有病率、あるいは発症率を調べる調査を計画されております。
 私が感じたことは、特にリウマチの場合は有病率が0.5 %ぐらいでしょう。そうしたら、極めて大人数の調査をしなければいけない訳だし、リウマチであるというふうに診断するためには臨床的な検査も必要であるということを考えれば、毎年毎年する必要はない訳だから、5年ないし10年の定期的な調査をするに当たっては、そういう調査の場合には財源的に億単位のお金を全面的に投入するような姿勢でやっていかないと、今のような断片的な、100 万か200 万ぐらいで調査してくださいというような疫学調査を頼まれても、これは実行不可能だと思います。委員がそういう必要性を認めてくださってここで意見をまとめてくださると、こちらも動きやすいんじゃなかろうかということを感じます。
○越智委員長 ありがとうございました。
 最後の部分を除けば、やはり今の研究班の治療を研究班の中でもう少し煮詰めて補強していかなければならない問題というふうに受け止めております。特に、最後の部分というのは研究班でどういうことではなくて、やはりここでこの問題、予算の非常に大きなフィールドワークをするときの億単位のお金であるとか、センターを増やす問題であるとか、あるいは制度といいますか、先ほど杉原先生もおっしゃっておられましたが、いわゆる身障の認定とか、そういう等級の問題とか、そういうことというのは研究会では片付かない問題でして、やはりここでまとめて、行政の方で一番適当な対応をしていただかなければならないということだと思います。むしろそういうところにポイントを絞っての検討ということになっていくのかと思います。
 今まで本当にいろいろな立場の先生方から御意見を伺いました。それぞれ非常に重要なことをおっしゃっておられますし、例えば今、簡単にまとめてと言いましても本当に多岐にわたっておりますので、各委員の先生方が今おっしゃいましたこと、あるいは後でこれも大事だというようなことも含めまして、それぞれの立場で問題点を整理していただきます。これは特に字数は制限はないと思いますが、遅くとも今年じゅう、出来ましたらこの1週間か10日、まだ記憶の生々しい間に書いていただきまして、厚生省の疾病対策課の今、進行をやっていただいておりました塚原補佐あてということでよろしいですか。それとも、疾病対策課で送られてもよろしいですか。
○遠藤課長 狭い部屋ですので分かりますが。
○越智委員長 塚原補佐あてということでよろしいですか。塚原課長補佐あてに、出来れば記憶の生々しい間、遅くとも今年じゅうということでお送りいただきたいと思います。これは、もし送られてこなくても催促とか督促はいたしませんが、その部分は積み残しになるということで、是非それぞれのお立場でこれはというところは必ずお送りいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 時間も大分迫ってまいりまして、今日の委員会というのは大体フリーディスカッションと言いながらも、今日先生方から御指摘いただきましたことというのはいろいろな問題点がほとんど網羅されているんじゃないかと思っておりますが、言い残したけれども追加してこれだけはということがもしございましたらどうぞ。
○西岡委員 比較的緊急性を要して解決しなくちゃいけない問題点といいますか、アクションプログラムみたいなものと、それから先ほど吉田さんから2010年と言われたんですけれども、比較的ロングスパンでの問題点を少し分けて、特に臨床の現場というのは、ちょっと具体例を出しますけれどもメトトリク制度の問題、これは保険適用になっていないけれども実際にはよく効く。そういうような、かなり緊急性を要する問題ですね。
 それから、先ほどありましたリウマチ科の標榜に伴う問題ですね。生涯教育のですが、そういうようなものは割合緊急を要する問題だと思いますね。それから、病気の垣生先生、山本先生など、うちのグループはそうなんですけれども、病因究明あるいは先ほど疫学の先生から御指摘をいただきましたロングスパンの問題、こういうものは比較的長期の問題としてちょっと分けて少しこれからディスカッションするとか、あるいはここで提言をしていただければと思います。
○越智委員長 一応先生方から御意見をいただきましたものをもう一度整理いたしまして、それだけではなくて、やはりこれだけはディスカッションの対象にしたいという項目もほかにもあると思いますので、これはごく当面それほど大きな予算的措置を伴わずに、それぞれの組織同士の話で出来る問題であるとか、あるいは実際、現在ある組織をもう少し手直しすればというような当面の問題と、それから長い、例えば予算的措置を働き掛けながらという問題と2つありますが、これは当然後で整理した資料を次回に用意させていただいて次回以後、その辺りのディスカッションということになるんでしょうということでよろしいですか。実際にそういうことになりますね。
○塚原補佐 今日の議論も踏まえさせていただきまして、委員の先生方からお寄せいただいた資料を事務局の方で整理をさせていただいて、次回の委員会にはある程度検討出来るような項目ぐらいは並べて議論していただくような方向にしたいというように思います。
○越智委員長 そういうことでございます。特に、今回の御意見は次回以後の大きな議題の一つの根拠になりますのでよろしくお願いいたします。
 ディスカッションといたしましてはそれぐらいのことかと思いますが、遠藤課長、補足とか何かございますか。
○遠藤課長 最初に塚原補佐から中途半端に御説明をしたんですけれども、スケジュールの点で、1つは平成10年度の予算要求に盛り込むべきことについて少なくとも6月ぐらいに一度御意見をいただきたいと思っておりまして、2か月に1回とすると2月、4月、6月ということになってしまうかもしれませんので、かなり忙しいかもしれません。
 それで、もう少し時間を掛けてもいい問題はまたその後、来年の12月ぐらいに残りといいますか、最終的な御報告をいただければというふうなことを考えておりますので、そのように御作業をいただければ幸いでございます。
○越智委員長 次回は2月ということかと思いますが、それもまた厚生省の方で日を調整していただきまして御連絡させていただくということで御理解いただきたいと思います。 ほかに何かございますか。
○塚原補佐 ありがとうございました。
 事務局の方からちょっとお願いがございます。議事録のことなのでございますが、今、録音をしておりまして、速記の方で録音を踏まえて議事録を作成いたします。議事録につきましては、昨年9月の閣議決定で公開ということになっておりまして、この場で先生方が御発言されたことは公開をするという原則でございますので、大変恐縮でございますが。 それで、議事録がテープ起こしをしたものが出来ました段階で、委員の先生方にその議事録をお送りいたします。それで、発言の趣旨がちょっと違っているというようなことがありましたらそれを訂正の上、また事務局に送り返していただきます。そういう作業を踏まえた上で公開ということになりますので、その作業につきましてまた別途事務局の方からお願いをいたすことになりますが、よろしくお願いをしたいと思います。
○越智委員長 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、ちょうど時間になったようでございますので、今日は本当に長時間にわたりまして御審議いただきましてありがとうございました。今後、回数がそれほどございません。限られた回数ですが、実際上これが今後のリウマチ対策に結び付く非常に重要な会でございますので、今後とも極力お時間を合わせていただきまして御出席いただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

  問い合わせ先 厚生省保健医療局疾病対策課臓器移植対策室
     担 当 塚原(内2353)
     電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
         (直)03−3595−2256

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