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公衆衛生審議会成人病難病対策部会議事録

厚生省保健医療局疾病対策課

公衆衛生審議会成人病難病対策部会議事次第

日 時 平成8年12月5日(木) 10:00〜12:00

場 所 厚生省特別第1会議室

次 第

1開 会

開会の辞
局長あいさつ
資料確認
2議 事
生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について
その他
3閉 会

◯塚原補佐

それでは定刻になりましたので、ただいまから「公衆衛生審議会成人病難病対策部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、御多忙の中ところ御出席いただきましてありがとうございます。
本日は杉村委員、南委員のお二方が御都合がつかず欠席されておられることを御報告申します。
それから石井委員、尾前委員御出席というふうに伺っておりますが、若干遅れているようでございます。
会議に入ります前に、小林保健医療局長から一言ごあいさつを申し上げます。

◯小林保健医療局長

委員の先生方には大変お忙しいところを、また今日は雨の中をお越しいただきまして誠にありがとうございました。
まず最初に、今回厚生省の職員の不祥事件が発生いたしまして、誠に私も厚生省の職員として申し訳なく思っております。また、先生方には日頃から厚生行政にいろいろ御指導、御鞭撻をいただきまして、先生方にも大変申し訳ないと思っております。全員の職員が事件に関係している訳ではございませんが、残った者は一生懸命仕事をして、国民の皆さん方からの信頼を回復するとともに、先生方の御期待にも応えて一生懸命仕事をしてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、前回この公衆衛生審議会の成人病難病対策部会で生活習慣病という概念についていろいろ御議論いただきました。その結果、遠藤課長から記者クラブで途中経過の段階で発表をさせていただきまして、新聞の書き方はいろいろあったみたいですけれども、一部には厚生省で既に生活習慣病という概念を導入して施策を進めるのだという決定をしたような書き方をされたところもありますが、まだそこが決定している訳ではなくて、本日の会議で最終的に先生方の御結論をいただきたいと思っております。
ただ、生活習慣病という考え方に対しては、厚生省の私どもが考えるよりは大変多くの方に御賛同を得て、私どもも余り反響がいいので、えっ、こんなによくていいのかなと思うぐらいの感じになっております。勿論御批判で生活習慣病という概念をつけることによっての心配な点を私に述べていただいた方もいらっしゃいますけれども、それにしても大方の方は生活習慣病ということで国民自らが自分の体のことに気をつけていくと、そして一次予防を強化するということについては多くの方の賛同を得たような感じを持っております。
本日は新聞の記事、国民の声とは別に先生方に再度もう一遍、昭和32年に厚生省の審議会で初めて成人病という名前が出てくるのですが、それをずっと使ってきたのを切り替えて生活習慣病対策というような形で今後していくということについて御議論をいただき、ただ、名前を変えただけで国民に何を実際提供していくのか、どういうことをやっていただくかということも大事なことで、その辺のところも今日詰めていただければと思う次第でございます。本当にお忙しいところをお時間とって御出席いただきまして、ありがとうございました。
なお、公衆衛生審議会の委員の先生方、この12月25日で一応任期切れという形になりました。この中で今回お三方の方が審議会の委員として任期8年という限界を迎えられる方がお三方お見えになります。そういう方には今回の審議会が最後ということになりますが、何とぞ最後ということを余り気にせずに、自由闊達な御議論をいただければと思う次第でございます。今日はどうも本当にありがとうございました。

◯大谷部会長

雨の中御苦労様でございます。ただいま局長からもお話ございましたように、新聞では意外に反響があり過ぎまして、私ども勉強不足のうちに新聞だけが先行するという形になりまして、先生方も新聞でごらんになってこれは意外だなというふうにお考えになっているかもしれません。
今日のところはそれをきちんと詰めておいていただいた方がいいと思います。ある新聞によれば、成人病を生活習慣病という名前に変えるのだというふうに断定的に書いているのもありますし、生活習慣を強調するためにそういう議論をしているという割合正しく言われているのもありますし、その後どういうふうにいくかという問題などについてもそれぞれ新聞によって適当に書かれておりますので、事務局がこの間経過を説明しただけなのだけれども、どうもそれが断定的になっておりますので、今日ひとつそういう点も踏まえまして、十分先生方の御意見を聞いて厚生省の姿勢をきちっとしていただきたいというふうに私は思っております。
それではまず議事に入ります前に、資料の確認をひとつ事務局からお願いします。

◯塚原補佐

それでは資料の御確認をお願いします。
先生方のお手元には参考資料として3つございます。参考資料1が「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について(報告案)」でございます。
参考資料2が、これに付随します参考資料でございます。いろいろなデータをまとめたものを参考資料2ということでまとめております。
参考資料3といたしまして、『「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」の作成について』という3つの資料を用意させていただいております。お手元にない場合は事務局の方にお知らせいただければと思います。

◯大谷部会長

それでは、早速資料についての御説明をお願いしたいと思います。
まず第1に、議題1の「生活習慣に着目した疾病対策の基本的方向性について」。これが本日の主なテーマでございますが、この報告案につきまして事務局からひとつ御説明をお願いします。

◯塚原補佐

それでは座って説明させていただきます。
前回の審議会での先生方の御意見、御議論を踏まえまして、部会長案という形で11月18日に各委員の先生方にドラフトを御送付させていただいております。説明する便宜上これを原案というふうに言わせていただきます。
それから、御意見をたくさんいただきましたものを修正を加えまして、11月28日でしたか、委員の先生方に再度お配りしたものがございます。一応便宜的にこれを修正案というふうに言わせていただきます。
本日参考資料1として出させていただいております資料、これが最終案というふうに便宜的に説明上言わせていただきたいというように思います。
まず原案から修正案になった部分について、大きく変わった点についてまず目次で御説明させていただきたいと思います。
1枚めくっていただきますと目次でございますが、御意見の中で3(2)「国民の生活習慣の現状」という項目がございますが、原案ではこれが成人病の現状というところに入ってございましたけれども、幾つかこれらの生活習慣病を論じる部分の方に移した方がいいのではないかというような御指摘がございまして、こちらの案では3(2)といたしまして、 「国民の生活習慣の現状」というふうに移動させております。
その移動に伴いまして、非常にその原案の場合3で疾病対策の基本的方向性というものが長くあった訳ですが、更に長くなってしまいまして、それをもう少し整理した方がいいのではないかというような御意見もございまして、それを3の、この目次で見ますと「疾病の要因とわが国の生活習慣の現状及び課題」という項目と、4『「生活習慣」という概念の導入について』というものと、5「今後の疾病対策に係る検討課題について」という3つに分けさせていただいております。
項目立てにつきましては、それに伴いましてかなり項目は変わっております。例えば(1)の「疾病の要因と生活習慣」というものを新たに起こしておりますし、4の(1)(3)も新たに項目として整理した上で起こしております。
5「今後の疾病対策に係る検討課題について」というところにつきましては、原案では(1)〜(5)の5つの項目でございましたが、委員の先生方から幾つか御意見いただきまして(6)と(7)の部分については新たに項目立てをして文章を追加しているというところでございます。
5(2)「効果的な二次予防対策の実施」というところでかなり整理が必要であるというような御意見でありますとか、ここが一番御意見が多かったものですから、御意見を踏まえて修正を大幅にしております。
2回目にお送りしました修正案から最終案へ何が変わったかと申しますと、1つは字句等の訂正で気がついたところをネガティブ・チェックを掛けてございます。
それから横文字、あるいは片仮名で安易に事務局で使っておりました部分は、正しい日本語に出来る部分は日本語に変えたというところがございます。
それから発症要因にストレスというものが抜けておりまして、要因としましてはストレス因子という意味で、ストレッサーという言葉で整理させていただいて追加させていただいたという、修正案から本日の資料の変更点としてはその3つでございます。
それでは、資料に基づきまして1ページから御説明させていただきます。
1ページの「はじめに」でございますが、これは余り大きな御意見、御指摘ございませんでしたので、一部変わってございますけれども、説明は省略させていただきたいと思います。
2ページの「成人病及び対策の現状」でございますが、ここも大きく変わってございませんが、死亡者数につきましては、原案の場合平成6年度のデータを使っておりましたが、平成7年度のデータに更新しております。
2(1)のイで「主要疾患の患者数」というところで、前回の審議会では患者調査では不十分な面があるので研究班等のしっかりした根拠のある患者数を入れてはどうかという御意見がございましたので、幾つか文献を引用して入れております。
3ページをお願いいたします。「成人病対策の現状」も原案から大きな変化はございません。ただし一番下の方にエとございます「成人病等の調査」ということで、調査も広く対策の一環として行われるものであるので整理をして記述した方がいいというような御意見をいただきましたので、成人病等の調査ということで追加しております。
4ページをお願いいたします。3「疾病の要因とわが国の生活習慣の現状及び課題」というところが整理し直した部分でございますので、大きく変わっている分についてはここから読み上げをさせていただきます。
((1)「疾病の要因と生活習慣」ア.「疾病の要因と対策のあり方」朗読)
次にイがございますが、これは変わってございませんので省略いたします。
それから5ページをお願いいたします。(2)「国民の生活習慣の現状」でございますけれども、これにつきましてもほとんど変わっておりませんので御説明は省略させていただきます。
6ページをお願いします。エ.「飲酒習慣について」というところになりますが、「一方」というところの後段の部分でございますけれども、委員の先生何名かの方からお酒の量は消費量から見ると年々増えているという御指摘がございましたので、この記述は追加させていただいております。
4.『「生活習慣病」という概念の導入について』でございますけれども、ここは読み上げさせていただきます。
((1)「生活習慣に着目した疾病概念の導入の必要性」朗読)
「生活習慣に着目した用語の例」は前回と変わっておりませんので省略いたします。 『「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係』は読み上げます。
((3)『「生活習慣病」の定義、範囲及び「成人病」との関係』朗読)
5.「今後の疾病対策に係る検討課題について」。これは先ほど申し上げましたように(6)と(7)が追加になっております。読み上げます。
(5.「今後の疾病対策に係る検討課題について」、6.「おわりに」朗読)
以上でございます。
13ページに参考文献といたしまして、参照したものを引用してございます。ただし厚生省等行政資料からとったものについてはこちらの方の引用は省略しております。
最後のページでございますが、疾病の発症要因を説明する図でございます。原案で部会長私案という形で先生方にお送りいたしましたものは3つの輪っかが重なり合ってそれぞれいろいろな病気が入っているというような絵でございましたけれども、かなり難しいのではないかと、適切ではないのではないかと、無理があるのではないかというような御意見が多数ございまして、こういうような絵に変えてございます。これは大きく変わっておりますので申し添えておきたいと思います。
以上が参考資料1の御説明でございます。
参考資料2につきましては、基本的には前回の審議会でお出しいたしました資料のうちこの文章に関係するようなデータ等をコンパクトにまとめさせていただきました。不要なものについては削除いたしましたし、一部新たに付け加わった資料がございますが、細かい御説明は省略させていただきます。
以上、事務局からの資料の御説明でございます。

◯大谷部会長

ありがとうございました。要するにこの報告案は最後の「おわりに」に書いてございますように、生活習慣病という概念の導入、つまり生活習慣病というまず旗を立てると。そしてそれについて対策の方向としまして、5の(1)〜(7)と、一次予防の推進とかいろいろなことが書かれている訳でありまして、これでよろしいかどうかひとつ率直にいろいろ御遠慮なく御意見を賜りたいと思います。
特に新聞では成人病を生活習慣病に名前を変えるということだけはっきりと書いているのですけれども、それが解釈のしようによっては非常に難しいので、正確に言えば生活習慣病という概念の導入ということだと思うのですけれども、これも少し分かりにくいような気もしますので、皆さん方の率直な御意見をひとつよろしくお願いします。

◯宮本委員

成人病という名前を生活習慣病に大幅に変えるということではなくて、成人病という名前をそのまま残して、その中に生活習慣病というものがあるのだというふうな基本的なスタンスなのですか。私は成人病を全面的に生活習慣病に変えるというふうな意味で受け取っていたのですが、必ずしもそれは正しくないですか。

◯遠藤疾病対策課長

成人病という言葉を例えば使うなというふうなことを言うつもりはない訳ですし、それからこの中に書いてありますように、成人病という概念と生活習慣病という概念は少しとらえ方が違っている訳ですので重なり合わない部分は出てくるだろうということで、今回は生活習慣病という言葉を少し定着させるということと、成人病対策、生活習慣病対策と言った場合には、どちらかといえば私どもの気持ちとすれば生活習慣病対策という形で今までの成人病対策を含めることが出来るのではないかという感じは持っておりますけれども、対策の方はかなり包含的に考えています。

◯宮本委員

全面的に変えるというのであれば、「はじめに」の下のあたりの文章が少しそぐわないかなというふうに思ったのですが、それは結構だと思います。
例えば8ページの「食習慣」のところで非インスリン依存性糖尿病、肥満、高脂血症とありますが、ここに私は高尿酸血症を入れるべきではないかという気がするのですが、このあたりいかがでございましょうか。最近かなり問題になってきておりますし、だんだん日本の食生活が華美になるにしたがって高尿酸血症、すなわち痛風が増えておりますので、これはどうだろうかなと思ったのですが、いかがなものでございましょうか。

◯幸田委員

今の高脂血症の問題は私専門的なことはよく分かりませんが、前に原案にありました成人病と生活習慣病との関係図がなくなりましたので、今、宮本委員お話しのようにその辺が非常にあいまいなのかなと。私専門家でありませんから分かりませんが、やはり成人病というのは相当国民の間に深く長い間定着して解釈してきた言葉ですから、成人病と生活習慣病の関係というのはある程度図示していただいて、重なり合う部分があるけれども、重なり合わない部分もあるよということだと私は思いますので、その辺を残していただかないと、一般の国民には、今の新聞で名前を変えるのではないかというふうな報道があったぐらいに、ちょっと理解がしにくいのではないかなと。
その意味で1ページの一番最後の3行で、成人病とは別に生活習慣病の概念の導入を含めということになっておりますので、これを読む限りでは成人病とは全く別ものなのかなと。この文章を読む限りではですね。
ところが8ページの一番最後の行から9ページでは『「成人病」に含まれる疾病の中には、「生活習慣病」にも含まれるものが多いものと考えられる』と書いてありますので、やはりその辺が私ども素人には非常に分かりにくいので、成人病というのが非常に国民の間に定着しているだけに、それとの関係はきちっと図示をするか何かしていただいた方が非常に理解しやすいのではないかなと。全く隣り合うものではないと思いますし。

◯鈴木委員

その話と関連するのですけれども、1つは今、宮本委員言われたように、高尿酸血症というのは決して今、成人病ではなくなってきているのです。年齢が若いところにきている訳ですから、そういう意味では逆に生活習慣病だという概念の中に入ってくると思うのです。
それからもう一つ、私はこの前出なかったので知らなかったのですが、なぜか肝疾患が抜けているのです。なぜ抜けているのかというのは後でお聞きしようと思っているのですけれども、私がちょうど昭和40年ぐらいに東大の保健センターにいたころに、人事院が公務員の死亡の順位から見ると肝硬変というものが第4位だと。だから何とかこれを対策しなければいけないというので、あのとき初めてGOT、GPTというものを集団健診に入れたという記憶があるのです。そうすると当然肝硬変とかそういうものが成人病の中へ入っている訳なのです。
ところが、今お話のあるように、私は肝硬変、肝がんは現時点では成人病ではあっても生活習慣病ではないと思います。あれはウイルス感染が基盤にありますから、肝硬変になる、肝がんが出るというのは、明らかに成人病であっても、成人病という定義は別にして、生活習慣病ではないということになる。私は明らかにこれはこうですよ、こうですよということをはっきりさしていった方がいいのではないかと。

◯幸田委員

国民も何が何だか分からないのではないかと。

◯大谷部会長

幸田委員が言われたことは非常に大事なことなので、そう整理するかどうかは別にしまして、成人病と生活習慣病というものについてクリアに説明するなり図なりをどこかに入れると。
私の理解は、成人病と生活習慣病は似ているというか同じものは相当部分あるのだけれども、老眼でありますとか、難聴とか、これも多少生活習慣に関係するかもしれないけれども、こういうようなものは加齢現象によって起こってくるものであって、余り努力しても耳が悪くなってくるとか、目が老眼になるというのはだめなのですけれども、肥満とかそういうものは明らかに生活習慣の方が大きい訳なので、だから成人病と生活習慣病は疾病名においては多くの点でダブるものはあるのだけれども、その考え方というものが違うのであるということをきちっと書いておく。なぜ生活習慣病に改めるかということは、成人病と言っていると年をとったら不可避的に起こってくるというふうに、自己責任というか、自己規律という点がどうもあいまいになりがちなので、この際公衆衛生審議会としては生活習慣病に改めて、別にどうと言う訳ではないのだけれども、そこの点をきっちりしたいというふうに書けないかなと。
これは私個人の意見ですけれども、成人病と生活習慣病というもので困るのはほとんどの病気が大体同じなのです。肝疾患を入れるかどうかの問題は、これはまた大事な問題として別に考えなければいけませんが、多くのものでは病名として大きなものは心疾患だとか、高血圧だとか多くの点では同じものなのですけれども、よくよく考えるとちょっとだけ違う点はやはりある訳で、それは先生方に伺いたいのだけれども、ただ老眼はいわゆる成人病という名に値するものであって、生活習慣病とは言えないというようなことが言えるのかどうか。
そういう訳で、なぜを今この時点において昭和32年から厚生省で使った成人病というものを生活習慣病に改めよと厚生省に向かって言うのかということは、そこの点はクリアにしておかないと、全然違うのかといっても病気の多くはほとんど同じだし、しかし基本的精神においては非常に違うということを強調しなければいけないと私は思いますけれども、どうぞ皆さん肝疾患の問題は別に考えて、その点について御意見を伺いたいのです。これをはっきり言わないと新聞の混乱のように、成人病を名前を変えたというふうに言ってしまわれると、医学者からは疑問が出てくるようにも思うのです。

◯宮本委員

ほかの人は大変混同すると思うのです。ですからさっき先生のおっしゃったように、成人病と生活習慣病とは別個ではなくてオーバーラップをしているけれども、使い方、基本的なスタンスがちょっと違うのだということを明記した方がいいと思います。

◯尾前委員

成人病自体も非常に混乱して使われていると思うのです。というのは、子どもの成人病なんていう言葉が使われるようになっていますので、子どもの成人病というのは何かと言われると、私はそういう言葉はないと言っているのです。予備群なら分かるけれども、成人にならぬうちに成人病という言葉は初めの定義からは外れるのではないかと解釈しています。そういう混乱もありますから、検討した方がよいと思います。
肝臓の病気とか、非常に国民が関心があるのは、骨とか関節の病気もありますね。これは生活とある程度関連があると言われておりますから、それらも含めるかどうかです。目の問題もございますが、成人に多い病気とか、老化に伴って起こりやすい病気ということになると、そういうものも含めて生活習慣というものを総合的に考えるというような立場も示すのもいいのではないかという気がします。最初のところは今、大谷部会長言われたように私も思います。

◯島委員

私この前のときに休んで申し訳なかったのですが、一応お配りいただいたまとめと議事録を十分読ませていただいたのですが、これを読んでいく限りにおいては、生活習慣病というある種の概念が固められたまま展開しておりますので、総論的には何の疑念もなかったのです。
ただし、細かく見てまいりますと、これはディスカッションがあったかどうか議事録には書いてありませんけれども、生活習慣病というものともう一つ生活習慣関連病といいますか、ここには「関連」という言葉を抜いてしまって、こちらの8ページのところには、life-style related diseasesで生活習慣病と書いてあるのです。「関連」という言葉の持っている意味は、病因論的に非常に因果性を問うところまでのことまで幅を広げますもので、どなたかの先生がひとり歩きしておるというようなことを最後の方でお話になっているのを見て、そういう意味のひとり歩きということをおっしゃったのだなと私は思っていたのです。
それについては、今、成人病のことが出ましたけれども、学童とかそういう学校保健のこともちらっと出ておりますけれども、生活態様といいますか、小児期、幼児期、あるいは学童期、青年期、壮年期、老年期という1つのライフ・スパンの中で、そこの中には労働態様とかいろいろなものがありますけれども、どういうところの切り口でもってとらえたかによって中身は随分変わってくると思うのです。成人病という言葉は勿論本来変性疾患というものの中から生まれてきた言葉だろうと私は理解しておった訳です。
ですから、それだけでは今のような縦割りのところは割れませんので、そういうところに混乱があってはまずいのではないか。ここを直すかどうかは今は別の話なのです。私が感想として感じた、そういうどのような切り口でこれをやっていったらいいのか。life-style related diseasesか、life-style diseasesか。私労働の方をやっておりますけれども、労働の方でwork related diseasesという言葉が最近出てきて、そしてそれは職業病との区別が出来ない真ん中のあたり、どちらとも言えないものをwork related diseasesと言うのですが、循環器疾患のところ、過労死だとか、急性死だとかいう問題が裁判ざたになって、どこからどこまでを仕切るのだということで、これは意味が少し違いますけれども、しかし学問的に言えばやはり同じような場面が表れるだろうと。
したがって、ここのところでrelated というのは切っていいのですけれども、切ったときと切らないときとの区別が整理出来ればおのずからこれはここにまとまっている形で、原形はさわらなくても私はいいのではないかというふうに、これを読ませていただいて感じたのです。感じたまま言っておりますので、前後して変なことを言っておるかもしれませんが。

◯大谷部会長

ただいまのお話は議事録にきちっと残しておいて、将来やはりこの問題は時間を掛けてやっていただかないといけないと思うのです。生活習慣病と言っていいかどうかという問題はあるのですけれども、もう時間もありませんので一応そういうことであれなのですが、今の御議論は非常に大事な問題です。
実は昔アルコール問題をやっておりましたのですが、アルコーリスムス、アルコールの嗜癖という名前がやはり具合悪いということで、現在はアルコール・リレーテッド・プロブレムというのが世界の用語になっておりまして、これは津久江委員御専門がおられるのだけれども、要するに我が国で言っていたアルコール中毒とか嗜癖という言葉はアルコール関連問題という名前にして、生活習慣病の場合も、ちょっと委員のお話を伺っていると、そういうアルコール・リレーテッド・プロブレムという名前でWHOが整理しておりまして、厚生省の久里浜のアルコールセンターでも正式の文書ではアルコール関連問題という日本語でやっておりますのでね。ただ国民の皆さんに、今のところ成人病というのはほうっておいても年をとればなるので自分に責任はないよというのではありませんよということをはっきりさせるという意味で、生活習慣病を強調するのだというような大まかなことでいかがかなと思いますが、どうでございましょうか。

◯小坂委員

6ページにあります『「生活習慣病」という概念の導入について』というのは非常によくまとめられていると思うのです。ただ、成人病というものが厚生行政上出てきた時代と、何年かたって学問の進歩もありますし、社会の変化もありまして、この対応よりは現在は生活習慣病という立場でとられた方がはるかに時代に合っていると。だから恐らく現在で開いたら成人病という取り上げ方はしなかったのではないかと思うのです。現時点で成人病の1つの概念でまとめようとすれば、むしろ生活習慣病ということの方が前傾に出てきて生まれなかった。そういう時代の変遷を医療行政上キャッチされてこういうふうになってきたと素直にとられたらいいと思うのです。
ただ、皆さんのお話のように、成人病とこれとが、既に成人病は定着しているから、理解を深めるために何かの解説は必要だろうと。これは私も何も異論はない訳です。

◯高久委員

今の議論ですけれども、「はじめに」の1ページにはっきりと『「成人病」とは別に、生活習慣という要素に着目した疾患群の概念の導入』ということが書いていますので、ここをはっきり読めば余り混乱はないのではないかと思います。
それから、リレーテッドの問題はこの前のときに大分議論をして、高石委員が定義されたのですけれども、本当言えば生活習慣関連病というけれども、それは非常に分かりにくいということで生活習慣病ということになったと思いますので、そのことについては7ページのところに『疾病の発症には、「生活習慣要因」のみならず「遺伝要因」、「外部環境要因」など個人の責任に帰することのできない複数の要因が関与している』と書いていますから、これで間違えることは私は余りないのではないかというふうに思いますけれども。

◯高石委員

今、私の名前を言っていただきましたのであえて申しますが、高久委員が今おっしゃってくださったとおりで、7ページの真ん中辺の表現に生活習慣というものが本来子どものときからの問題なのだということですね。そして家庭教育や学校保健教育などという文言も入れていただいたことは大変ありがたいことだと思っております。
と申しますのは、先生方御存じのように、21世紀を踏まえた中央教育審議会の一次答申が出て、今、教育課程審議会がいろいろ議論しているのですが、学校週5日制に関連して、各教科が非常に今、厳選しなければならないというので、うっかりしますと保健についての勉強が確保され難い場面もある訳です。そういう意味ではこの厚生省の公衆衛生審議会でこういった表現を使っていただきますと、学校段階での健康に関する勉強が大事だということを主張する大変大きな基盤になりますので、大変こういった1つの流れはありがたいことだと思っておりますが、島委員がおっしゃいましたリレーテッドをどうするのかというのは私もまだちょっと頭の隅には残っているのですけれども……。

◯小坂委員

横文字にするならこれが一番いいですね。

◯高石委員

しかしやはり「関連」という文字を入れますと物すごくゴロもよくないし、長いし、インパクトも少なくなりますので、成人病と両立した形で生活習慣病というふうに国民の皆さんに理解していただくことが出来ればそれが一番いいのではないかと思います。

◯高石委員

課長さんがおっしゃったように、やがて成人病というような言葉が消えて、「いわゆる生活習慣病」からだんだんと「生活習慣病」の方に国民の頭がずっと切り替わっていく。またそれが非常に大事ではないかと思うのです。課長さんがちょっと説明されましたけれども、それが一番意味があると思います。

◯山口委員

成人病と生活習慣病の関連性ということが御議論されていますけれども、私前回も申し上げたのですけれども、私は小児科医で、先ほども小児成人病という名前が出ましたけれども、小児科領域でもう既に小児期に成人病があるということが問題になってからかなりたちますけれども、その取り上げ方ですけれども、小児成人病というのは何だと。小児で成人病というのは一体どういうものかということがいろいろ議論の対象になりまして、結局何となくそのままずっと今日まで来た訳で、今日生活習慣病という形で取り上げていただいたということは小児科領域にとっては非常にいいことで、私は賛成したいと思っております。
先ほども御指摘がありましたように、7ページの中ごろの「生活習慣は、小児期にその基本が身につけられるといわれており、このような疾病概念導入により、家庭教育や学校保健教育などを通じて、小児期からの生涯を通じた健康教育が推進される」と、これはもうそのとおりでございます。子どもの生活習慣というのは親によってつくられるというのは私ども目の当たりにしておりますし、大食の家庭では大食しないとおかしいような子どもがしつけられますし、それから今アルコールも喫煙も低年齢化しております。
そういういろいろな社会問題もございまして、是非小児期からこういう生活習慣病というものの概念を教育の中に組み込んでいただくなりしていただくことは1つ非常に大切でありますとともに、親にも教育をしていただいて、こういう病気というものは小児期からの生活習慣で始まるということを親にも是非教育していただきたい。そういう意味で、広く国民にこういう病気の概念を訴えるということが非常に大切だと思いますので、成人病との関連はいろいろございますとは思いますけれども、こういう疾患概念というのは是非強力に推進していただきたいなと思っております。

◯大谷部会長

私はここではまだ余り考えていないのです。むしろ官僚や政治家の方々によくこれを考えていただく。今、予算委員会に行ったら物すごいですよ。それはたばこを吸わない人が行ったら本当に発言が出来ないくらいすごいたばこを吸っておられます。しかしこれは世界のあれからすれば国辱ものであるというふうに、これは速記録から削っていただいてね。
実際やはりたばこに対して一体どう考えるかという問題は、本当に私も何度も今まで申し上げてきておるので、去年も審議会長として厚生省に意見を出すときにも私は事務局にやかましく言ったので、私の名前で出すのはいいのだけれども、厚生省で少しは反省して会議できっちりやめてもらいたいということを申し上げた訳なので、生活習慣病と変えるのは本当はおかしいように思われる方も多いかもしれないのですけれども、そうではなしに、これは1つのチャレンジであるというふうに思っております。
しかしその議論はやっていると長くなりますので、後でまたしていただくことにして、一応先ほど鈴木委員が肝疾患はどうかということをおっしゃいましたので、今事務局が配られた資料でもう一遍、生活習慣病というイメージから受けるものと成人病から受けるイメージというもので個別の病気をどう整理しておくかと。これは新聞記者が一番よく聞かれるところなのですが、そうすると事務局のものを見せていただくと、肝疾患のほかに先ほど太田委員がおっしゃった骨粗鬆症はどこに入る訳ですか。右から真ん中左といって一番どこに入りますか。

◯塚原補佐

真ん中で、どちらかというと左に寄った真ん中かなと。

◯大谷部会長

先ほど申しました老眼とか難聴というものを入れることについてはどうでしょうか、高久委員。

◯高久委員

加齢現象、白内障ですね。確かに骨粗鬆症も今おっしゃったようにどちらかといえば左にかなり近い、成人病に近いですね。

◯大谷部会長

基の原案では事務局は入れてあったのですけれども、議論されては困るといって骨粗鬆症を抜いてしまった。しかし抜くのはだめですよ。やはりきちっと議論してもらって、どこにするかという議論はしておかないといけない。骨粗鬆症は当初は生活習慣病に入れてあったのですけれども、議論があるのではないかということで抜いてしまったのですけれども、一体これはどうなのでしょうか。それから老眼、難聴というのは分かりやすいことは分かりやすいのですけれども、病気ではないということでしょうかね。

◯太田委員

前腎臓病を入れてもらっていたのですけれども、肝臓病が入ったらその下にやはり腎臓病を入っていただかないと具合が悪いのではないでしょうか。糖尿病から腎臓というようなケースも非常に多いですし、やはり成人病のこの左の方に肝疾患があった下に腎疾患があってもいいのではないかなと思います。

◯大谷部会長

腎臓病は生活習慣に全然関係ありませんか。

◯太田委員

両方に関係するのですね。ですからそれで困ってしまうのですけれども。

◯大谷部会長

真ん中ですね。

◯太田委員

真ん中ですかね。糖尿病のこちら側あたりに腎疾患も。

◯鈴木委員

腎疾患という言葉がいいかどうか、これが恐らく問題になったのはそこだと思います。

◯大谷部会長

肝疾患も酒を飲むのをやめさせると確かにあれではないですか。GOTとか何とかというのは……。

◯鈴木委員

さっき部会長が政治家とおっしゃったのですけれども、予算をもらうときに昔、皆さん肝臓の病気と言うと酒飲み、酒が原因だと。だから自分で飲んで病気になるのに予算なんか付ける必要ないというのでなかなかもらえなかったのですから。これが肝炎で起こって肝硬変になり、肝がんになるということが分かって初めてお国がこれだけ金を付けてくれた。これだって足りないと言えば足りないのですけれども、ですから私は絶対今の肝硬変、肝がんというのは生活習慣とは関係ないのだと。ただ、アルコール性肝障害は別ですよ。ただ肝硬変の中のアルコール性肝硬変というのは10%です。

◯大谷部会長

だからアルコール性肝障害と、アルコール性を付けて肝障害も入れておいたらどうですか。

◯高久委員

やはり肝疾患は成人病ではないのではないですか。

◯鈴木委員

成人病という定義が問題なのですが、肝硬変というのは成人病だと思うのです。やはり40歳過ぎてだんだん数が多くなりますからね。だからこれは肝疾患と言うか肝硬変とするかによるのです。

◯高久委員

アルコール性肝疾患は生活習慣病、そうですね。

◯大谷部会長

アルコール性肝障害というのはこの3つでどこに入れるのですか。

◯鈴木委員

生活習慣病です。肝硬変はウイルスですよということで全然生活とは関係ありませんと言っていただければ予算も取りやすいのです。肝硬変、酒飲んでなったのだからそんなものに金を付けられるかと言われる、先生も大分御苦労されてね。

◯大谷部会長

そうすると純粋の成人病というのは何もなくなってしまうのです。

◯小坂委員

私はそう思いますね。

◯高久委員

純粋な成人病はないのです。

◯大谷部会長

日野原先生の意見は、成人病即生活習慣病なのですよね。

◯小坂委員

それは違うと思う。切り口が違うのですから。

◯大谷部会長

それでは小坂委員、この例示として純粋に生活習慣病でない成人病というのは何か1つ入れるようなものは、お名前は。
◯小坂委員
医学的にそれをきちっと決めるというのは無理だと思います。ないと思いますね。

◯高久委員

ですけれど骨粗鬆症は真ん中より私はかなり左に近いと。第一男性にはほとんど起こりませんし、しかもほとんどが閉経期以後の女性に起こってくる訳ですから、それはカルシウムをいくら一生懸命とっても起こってくるのですね。運動をした方が少しは少ないと言いますけれども、一般的にはかなり左に近いと思います。しかし、いろいろな病気が専門家に聞くとみんな真ん中に入ってしまうのですね。ですけれども、一般的な概念ではやはり左に入るものと右に入るものがあると思います。いろいろなファクターが必ず関係しますから、加齢の関係しない病気というのはほとんどないと思いますし、生活習慣の関係しない病気もほとんどないと思います。

◯大谷部会長

そうだとすると、先ほどの成人病と生活習慣病の違いを文章を書くとか、図示するというのが非常に難しくなってくるように、事務局が困られると思うのですけれども。

◯小坂委員

こういう程度にまとめられるのだったら構わないのではないですか。

◯大谷部会長

構いませんか。むしろこれを出すことによって議論が……。

◯高久委員

これを出すといろいろな意見が、特に専門家の人から出てきますね。

◯大谷部会長

これだと先ほどの14ページの発症要因の肝炎でも、ウイルスとそして生活の習慣と両方と関係が多少あるということであれば両方とあるのではないかとか、要因と言ってもみんな両方とダブってくるものはたくさんありますね。
◯鈴木委員
出来れば肝硬変は生活習慣病ではないとしておいてもらった方が。でないと皆さん欧米のこと知っていますから、肝硬変ってみんな酒だと思っている訳ですよ。日本はそうではないのですから。

◯高久委員

この図は非常に良く出来ていますね。分かりやすいので、この程度にした方が。

◯小坂委員

抽象化してあるからなおいいのです。

◯鈴木委員

それからもう一つ、私は集団健診とか健康管理を大分長くやっていて感じたのは、やはりこういう生活習慣病という概念をつくってもらうと、人に説明するのに非常にいいのです。今までは、みんな患者も、例えば高尿酸血症でも糖尿病でも何でも成人病だ、年をとったからなったのだぐらいで言っているのだけれどもそうではないのだと。やはりそういうことがベースにあるのだということ。だからもっと基本的に、もっと先から教育していってもらえればなおいい訳ですけれども。

◯尾前委員

例えば、生活習慣が非常に関係しているものと、それほど関係してないものとありますけれども、生きている以上はいろいろな面で必ずある程度は関係しているだろうと思うのです。生活習慣の改善だけで治るものが相当ある訳です。だからそのことはやはり非常に強調されて、生活習慣病という言葉を入れる、説明に使うといいのではないかと思うのです。生活習慣の改善だけで予防できる、またはよくなる状態がたくさん知られていますので、子どものときからいい生活習慣を身につけさせることをしっかり強調されるのは私も大賛成なのです。

◯瀬在委員

私が前回も発言させてもらったのですけれども、前回部会に出まして、その後朝日新聞にQ&A方式で出ましたね。あれを見ますと多少混乱しますが、今日この原案を見まして、非常によくまとまっているなという感じです。
と申しますのは、こういう言葉自身が、日本でもそうですけれども外国でも、やはり時代のバックグラウンドを非常に受けながら言葉なり病名というのが出来ているということを考えると、これは非常によく出来ていると思うのです。行政的な言葉であって、成人病にしましてもある時期は非常にいい言葉であったと。それが大変崩れてきていると。学会でもそうなのです。前回の委員会でも私少しお話申し上げたのですけれども、成人病の定義ということが会長の特別講演になっている訳です。
そういうことを考えますと、学会でもそうだと、世の中もそういうふうに崩れてきていると、行政である厚生省でもそういう考えであるということになると、やはり世の中そういうふうに動いているのだということを真摯に受けとめなければいけないと。そうすると今までは成人病だったものがかなり生活習慣病の方に来ていると。そういうことで大変これはよく出来ていると思うのです。
冒頭に、さっきも何人かの方々から御指摘ありましたが、1番目の下の方に「「加齢」という要素に着目して用いられてきた「成人病」』というふうにはっきりしている訳です。それがいろいろな学問の進歩等々によりまして、だんだん崩れてきていると。学問の進歩だけでなくて最近のあらゆる情報通信、それによってかなり成人病に対する考え方が変わって、生活というものが分析する上でも情報通信によりましてかなり普遍化してきていると。習慣というのは地域地域にあったものが、情報通信によってかなり崩れてきていると。認識の逆点現象があらゆる分野で出てきているという社会的な状況も考えると、今日これを見まして、大変これはよく出来ているなと。そういうことで、国民の方々にPRしていくことが必要だというふうに思います。私はそう思いました。

◯高石委員

何度も発言して恐縮ですが、今の瀬在委員の御発言に関連して、1ページの下から2行目の『「成人病」とは別に』という「別に」という表現は、さっき高久委員は別にと書いてあるのだからむしろ安心だとおっしゃいましたけれども、「別に」という言葉が逆にとられる危険性もございますよね。つまり「成人病に代えて」というふうにとられる危険性もございますので、ここは『「成人病」に加えて』とか、あるいは「併せて」とかちょっと両立しているのだという言葉を少し工夫していただくといいのかなと。言葉の問題ですから難しいですけれども。
◯小坂委員
本当は別でしょうけれども、別でなしにもうちょっと移行していくような表現があれば非常にいいですね。

◯高石委員

先ほどから2枚配られておりますいろいろな図を文字として表現するとすればどういうことになるのか、要するに両方生かすのだとすれば何かうまい言葉がないかなと。すぐに浮かんではきませんけれども。

◯倉田委員

5ページの上のところが非常にうまく書いてあると思います。4ページの後ろからですが、これは幼稚園の先生がこうしましょうという話、小学校の道徳か体育か知りませんが、そういう時期に教育する話ですね。
5ページの一番上です。要するに4ページの後ろからの「健康と生活習慣」というものです。これが大前提なら、こういうものをこのようにやると病気がなくなるというものが生活習慣病のカテゴリーではないかと思うのです。これが進んでしまって、先ほど小坂委員言われたように、あるところからそれが戻らなくて医療の対象になるものが、やはりこの◯の真ん中に入ってくるのではないかと思うのです。ですから7つの事項からいくと、これはもう幼稚園なり母親なりの健康に対する教育というところが一番の問題になってきて、それをとことんやると医療費の削減とか、いろいろな問題の解決に結び付いて大変いいことではないかと思うのです。ですから、その辺のところは先ほど高石委員もおっしゃられましたが、教育の問題に非常に大きくかかわってくる話だと思うのです。
単純に言いますと、こういう標語を守るとなくなってくるものがいわゆる生活習慣によるもので、進み出したら成人病の今までのカテゴリーに入ってくるということになるのではないかと思うのです。習慣をきちっとすると、要するに病気ではないというものとはっきり分けられたらこの中が整理されるのではないかと思うのです。

◯大谷部会長

ただいまのお話も踏まえて1ページにまた戻っていただきまして、『「成人病」とは別に』のところなのですけれども、ここの表現は十分考えないと、今まで成人病として運動してきたことに代えて今後は生活習慣病という名前で運動を進めますよというような意味だと思うのです。だから『「成人病」とは別に』と言うと病気を別にというふうになってくるので、そこの表現を適当に考えてもらって、結局姿勢を変えるということですからね。

◯町野委員

結局概念の関連と交錯の問題と、もう一つ政策の問題があると思うのです。だからその2つがどうも読んでいて私などはちょっと理解出来ないところがありまして、だから別に習慣病というものを入れると。そして従来の成人病対策を全部捨ててしまう訳ではなくて、こちらの方も重要だという趣旨なのでしょうか。

◯大谷部会長

だからそこなのです。先生方にそこを議論して決断していただきたいのです。
遠藤君が言われる前にあれなのですが、要するに冒頭私が申し上げたように、成人病はもうやめてしまって生活習慣病対策ということで分かりやすくそれでいくのか。あるいは成人病という純粋成人病があって、医学的にそういう考えはあるのだからそれは一部残すけれども、生活習慣病とはほとんどダブるので生活習慣病というあいまいな形でいくのかという、そこのところはやはり十分議論しておかないといけないというふうに思うのです。 分かりやすいのは、これから成人病対策ということで厚生省がやっておられるものはやはりやめて、すべて生活習慣病対策ということで分かりやすくして、国民の生活習慣というものが健康に及ぼす影響というものを改めて国民運動的に少し考えてもらいたいということを言うのか、要するに成人病という名前では生活習慣の努力がどうもぼやけるから、この際生活習慣病という新しい概念を導入しましょうという理論的なものなのかということは、本当に皆様方から是非ひとつ御意見を伺いたいと思いますが、遠藤さんその前にございますか。

◯遠藤疾病対策課長

先ほどもちょっと申し上げましたけれども、対策と言ったときには、今までやってきた成人病対策というのはこれから生活習慣病を大きく構築していけば今のところすべて入るのではないかと基本的には考えています。肝硬変の問題は今のところはウイルス対策としてやっているのだろうということだと、成人病対策にもともと入っていないといいますか、もともと成人病対策というのは三大成人病だけを相手にしてきてやっているという意味合いがかなりあって、勿論三大成人病という言葉を使っていますからほかの病気も当然成人病には含まれるのだという感じはある訳ですけれども、どうしても三大成人病ということでやってきましたけれども、そこはもっと広げたいということがあって、言葉がどうこうという問題と、対策の方をどうするのだということになったときには、対策の方は生活習慣病対策ということで広げていきたいという感じを持っております。

◯尾前委員

昭和30年ごろは生活習慣が成人病にどれだけ大事かということはほとんど議論されていなかったのですね。循環器の領域では塩ぐらいですね。たばこの害なんてそのころはほとんど言われていなかったし、国際的に見ても、それらのことが非常に言われ出したのはがんでもそうだと思います。運動にしましてもほとんどそのころは何も言われなかったのです。運動の大切さも糖尿病については分かっていたと思いますが、全般的に強調されるようになったのはやはり比較的最近のことだと思います。生活習慣は悪い方向に日本は経済発展とともに動いてきたのではないでしょうか。成人病対策は結局は生活習慣対策になる部分が多いと私は思うのです。ですから、生活習慣病というのをこの時期に提案されるのは大変時宜を得ているし、時代の流れから見ても必然ではないかと思います。

◯幸田委員

私はよく分からないのですが、例えばがんを取り上げた場合に、それは生活習慣にかなり関連をしていると思いますが、この5ページに書いてあることを実行していればがんにならないかと言ったら絶対にそんなことはないので、やはり国民感情として考えた場合に、対策の面は別にして、がんはやはり成人病だと言っていただいた方が私は分かりやすいのではないかなと。生活習慣病という概念を立てて、生活習慣病対策をやるということは非常に結構だと思いますが、それをやれば全部がんも含めてなくなるのかと言われれば、それは決してなくなる問題ではないので、その辺はきちっと残しておいていただいた方がいいのではないかなと。
がん対策を厚生省はこれからおやめになるということではないのだと思いますし、国民の間には生活習慣を改めてもなおかつ今のあれでは治らない病気、不可避的なものがあるのだと。それはやはり加齢だとか、外部要因とか、遺伝の問題もあるでしょう。そういうもので発症するので典型的なものががんではないかと思いますので、そういうものが一番常識的な考え方ではないかなと私は思います。
◯大谷部会長
個々の病気をこういうふうにきちっと区分していくとなると、やはりいろいろ疑問が生じてきて議論が沸いてくるということなのですね。私は当初考えていましたのは、もともと今までの循環器とか、がんの委員会からのあれを受けて、総合的な生活、どういう生活が一番将来的に個人の幸せに、健康につながるのかということをやっていこうということが、もともとはそういうことだったのですが、それが一挙に生活習慣病に進んでしまった訳なのです。
もう一遍原点に返って、1人の人というのががん対策をやったり、痛風対策やったりと個別にやる訳ではないので、勿論リスキーな人は重点を置かれるべきなのですが、こういう生活習慣をとることによってこれこれの病気は十分予防出来る、あるいは今おっしゃったように、完全に予防し切れなくても相当大きい部分で影響をするのだというふうに。今までは成人病があってその対策ということだったけれども、そうではなしに生活習慣を正しくするということにおいてこれこれの大きい分野がなってくるというような、しかしそれもちょっと迫力が弱くなるのですけれどもね。
基本的には、この表はちょっと出すべきではないのでしょうかね。

◯鈴木委員

ただ、これで見ていると肝硬変入っていませんから結構な話です。

◯島委員

一言だけですけれども、今までお話を聞いていで全体として生活習慣病という概念が非常に幅が広いものだから、何でもそこの中に入ってしまうような感じがしますけれども、もともとそこに到達するべきものでしょうけれども、今の段階から考えたら、例えば要因別、健康に対する重みづけとか、そういうことによって内容は変わっているはずなのです。その中に構成の指標ではないですけれども三大成人病だの、感染症対策だの書いて、今までのものはそうやって扱われているのですけれども、それは変わるのですか。

◯大谷部会長

変わるというよりも、これは私どもがその姿勢をどうするかということであって、厚生省に意見を出す訳ですから、だから皆さん方の御意見なので、厚生省はそれを受けて立つというのでしょうか。

◯島委員

そういたしますと、今の成人病の扱い方、成人病という1つの用語になってしまっています。概念的にはドクターであればある程度は分かっていて物を言っている訳ですね。がんだとか、高血圧だとかいろいろなことを頭に置いて三大成人病と言っているのですけれども、成人病という言葉は余りにもポピュラー過ぎて、一般受けはしますけれども、よくよく突き詰めていけば何のことを言っているのか訳分からぬというようなところにいってしまう。向こうに見えるものはやはり生活習慣病は一番濃く見えるのですけれども、経過からするとそこの中に入るのですが、要因別に中が割れておれば、別に成人病があっても、今の段階でそういうところがあって、あるいは、例えば肝炎のバイラスの問題だってそれなりの感染症の中に、構成の指標の分類の中にあるような形ではまっておれば大枠は生活習慣病ですよね。そういう考え方があるのかどうか。

◯大谷部会長

要するに健康の問題は単に狭い意味の医療とかいうふうなものではなしに、基本的に生活をきちんと正していくという、この長寿社会においてはそれが大事なのをもう一遍整理して運動をしようということでありまして、学問的にどうのこうのというよりは、むしろ運動的視点に立っている訳なので、そういう視点でまとめていければありがたいのではないかなと。
多少私も無理な点があると思いますし、今さら三大成人病というものが定着しているのに、あるいは小児成人病というのもおかしいと言えばおかしいけれども、それも既に定着してしまっているのにどうなのかということですけれども、やはり生活習慣というのは非常に難しいと思います。先ほどから何度も申しますけれども、たばこの問題にしましても我が国はなかなか進まないので、私どもとしては何遍も国民やリーダーに向かって語り掛けなければいけないので、その1つの方法としてのあれであると思うのですけれどもね。

◯倉田委員

この文の中では各所に個人の対応ではなくとか、個人の責任ではないと、その集団であるというような書き方をしているのですが、これは非常に問題だと思うのです。まさに5ページの基本的生活習慣というのは、はっきり言うと個人の責任ですよね。こういう問題は強調しておく必要があると思うのです。全部社会の責任だという話ではない、これは集団の話ではないと思うのです。
そういう見方でずっと読んでいきますと、「個人の対応ではなくて」、「個人の責任を強調してはならない」とかいろいろ書いてありますが、やはりアルコールにせよ、食べ方にせよ、喫煙にせよ、間食にせよ、これはあくまで個人の責任です。こういう問題は大前提がある場合に、個人の生活習慣の変更は当然問われなければいけないので、その事がこの文中には完全欠落しています。国が医療の問題としてやる場合はそれはそれでいいかもしれませんが、大前提が生活習慣だとするならばそこのところ、個人は自分の健康に責任があるのですよという考え方が出てきていいと思うのです。予防接種の場合もそうですが、する、しないの方針からどうするかということまであらゆることみんな国の責任であると。これは少し違っているのではないかなと思うのです。そういうガイドラインを示すとか、いろいろな方向を示すのは国として当然今の時代やるべきことですがね。

◯大谷部会長

何ページですか。

◯倉田委員

例えば9ページにもあります。下から7行目「むしろ社会全体として」と言うのですが、これはたばこの話だから余計なお世話というのも私の周りにもいっぱいおりますし、お酒も勿論余計なお世話と。こういう話になってくると生活習慣病は社会や国の責任では全くない。ですからこういう書き方はちょっと問題で、「個人の責任に加えて」という書き方でないとおかしいと思います。つまり、全部社会、国の責任ではないですよと。まして生活習慣は相当な部分が、公害以外は相当なものが個人の範囲。

◯瀬在委員

私はちょっと違うのです。日本人というのは今まで日本のカスタムズ、習慣を見ていますと、今の倉田委員のような考えでいいと思うのです。ところが今、国際社会の中では、そういう問題を含めて社会全体で考えていかなければいけなくなってきていると。

◯倉田委員

それを否定するのではなくて、個人の責任をもっと出せと。それに加えてそういう社会、あるいは集団というような考え方があるべきだと言っているのです。

◯瀬在委員

それはそうですけれども、全く違いますけれども、例えば交通事故1つとってもそうだと思うのです。

◯大谷部会長

これにつきましては、昭和53年に実は国民健康づくりというものを私が審議官でやったのですよ。そのときに一番批判を受けましたのは、憲法か何か知らないけれども、当時強力な野党が言われたのは、要するに憲法で国民の健康は国家が責任を持つことになっているのに個人に全部ぶん投げて、責任を回避するための国民健康づくりは何だという批判だったのです。そこで自己責任ということはなるべく遠慮して、それではということに当時はなったのです。要するに国の責任を逃げるものであるというふうに余り言われるものだからね。
日野原先生は昭和52年に習慣病を言っているときに、環境要因と遺伝要因の2つが病気にあると。その環境要因は社会的なものと個人の責任に帰するものとがあると。個人の責任に帰するものというのは、私どもが言っている生活習慣病になるのでこれは習慣病と言っておられる訳で、そのときの御主張は、婦人方に向かって講演でも何でも言っておられるのですけれども、塩分をたくさんとり過ぎたり、たくさん食べ過ぎたりというのは皆様方自身の責任ですよと。しかし、ウイルスでうつったり、公害があったり、そういう社会の責任というのは国家、社会が頑張らなければいけないけれども、習慣とおっしゃっているのですけれども、私の言う習慣による病気というのは非常にたくさんあるので、これについては個人の責任ですよということを非常におっしゃっているのです。あの先生は個人でおっしゃっているのですが。
だからその御意見を踏まえて、個人の責任、今の社会だけの責任というような意味ではなしに、書き方考えて工夫すると。

◯高石委員

私は7ページの真ん中辺に今、部会長おっしゃったことはきちんと書き込まれておりますのでこれで十分だと思います。
と申しますのは、やはり生活習慣ということはまさに個人の責任ですし、しかし個人の責任、個人の責任ということを言い過ぎますと、やはり遺伝の要因とか、外部環境要因などのことも個人の責任に付せられてしまう。

◯大谷部会長

たばこの灰皿出したりしますからね。

◯高石委員

これは差別や偏見の基になるというのは国際的にも言われておりまして、御存じのヘルス・プロモーションという概念が出てきたときに、当時はライフスタイルだけが非常に突っ走って国際的にも大変問題になったのです。ですからそこにエンバイロンメントがやはり大事なのだということを併せて、両面を言わなければいけないというふうに思います。国際的な流れも1つ時計の振子が戻ってきた感じがありますので、私はそういう点を踏まえて大変よくこの原案は書かれているように思うのですけれども。

◯高久委員

私も9ページの分煙対策とか、食品の栄養成分表示とか、健康増進施設とか、健康保養地の整備というのは個人では対応出来なくて社会が対応しなければしようがないのではないかと思います。ですから、私は7ページと9ページのこういう表現でいいのではないかと思います。

◯大谷部会長

努力も入れておけばいいだけですよね。そして社会の責任も追求すると。

◯遠藤疾病対策課長

今のお話で9ページに「個人での対応ではなく、むしろ社会全体として」と書いてあるのでちょっと個人が弱くなっていますが、「個人の対応だけではなく」にすればよろしいのではないかと思うのですけれども。

◯小坂委員

個々の問題に入ってよろしいですか。1ページのところですけれども、「別に」というのをどういうふうにするかは大変問題に感じますけれども、『「成人病」という概念から』とするとよろしいのではないかと私は思います。
4ページの下から5行目ぐらいに個人レベルの対応が可能であると言えるというのはちょっと弱いのではないかと。やはり「ことが重要な点である」とか、個人レベルだけではないのですけれども。「個人の対応が可能であるといえる」というのはちょっと弱いのではないかと思います。

◯高久委員

むしろ「対応すべきである」でしょうね。

◯小坂委員

そういうふうに思います。それをちょっと強調してほしい。言えるというのは他人事みたいです。
8ページに入りまして、(3)の「定義することが適切である」と。これは非常によくまとめられていると思うのですけれども、その次には、食生活の中に先ほど宮本委員が高尿酸血症と言っておられましたが、私も賛成でございます。
疾患の名称ですけれども、非インスリン依存性糖尿病をインスリン非依存糖尿病に改めていただきたいと思います。
アルコールのところで肝疾患がありましたけれども、「等」で書いてあるからよろしいのですけれども、神経障害を入れたらどうか。入れなくてもいいのですけれども。
質問は9ページの上から4行目の「国民が選択するという基本的な姿勢が重要である」ということの真意が分からないのです。これは押しつけるという意味を警戒した訳ですか。

◯塚原補佐

押しつけをやりたくないということなのです。

◯小坂委員

そうすると個人、応じて国民が対応していく、対処していく。選択というよりは国民がそれに対応していく、対処していくという方がいいのではないかなと。

◯遠藤疾病対策課長

選択の中には例えば2次予防対策もある程度選択をしてもらおうかとか、いろいろその選択というところに意味が込めてあるところもございます。

◯小坂委員

そして10ページの一番上ですけれども、ちょっと言葉を入れていただきたいなと思いますのは、「検診サービスの提供体制等検診後の対応策」ですかね。やりっぱなしではない、その後きちんとしていただくということです。検診はやりますけれども、あとはほったらかしているというのが非常に大部分ですから、そういうことではWHOなどは検診はやるなということまで強調していますから、その後フォローするということです。 その次に3次予防を書いていない。最初の方は1次予防、2次予防、3次予防とあるのですけれども、3次予防が特に書いていないのは何か理由がある訳でしょうか。

◯塚原補佐

項目になっていないのですが、事務局の認識としては「診断・治療技術の開発」というところに包含して言っているつもりであるのですが、QOLですね。
◯遠藤疾病対策課長 リハビリテーションぐらいの言葉を少し入れる必要があるかもしれません。

◯小坂委員

リハビリではなくて、糖尿でも何でもこういったことを次々と嫌なことが起こってきますね。それをよく第3次予防と言いますね。予防合併症の進展抑制、3次予防と言いますから。

◯遠藤疾病対策課長

基本的には(3)のところで書きたかったのですけれども、十分書けていないのかもしれません。

◯大谷部会長

ちょっと細かいことですけれども、6ページの飲酒習慣と喫煙習慣のところで、これはもう一遍データをよく見て書いてほしいのだけれども、女性が両方とも横ばいのような印象を受けるのだけれども、飲酒量としては女性は確実に増えているのだから、もう一遍調べてください。ここに書いているのは飲酒習慣が横ばいであるというふうにして、実際飲酒量は増えているのだから、統計をもう一遍調べてみてください。
女性のものは急激に増えているのだから私はこれは警告せないかぬと思います。大体男と女と同じというのはおかしいと言うと差別のように言われますけれども、妊娠されている方については、飲酒とか喫煙については御本人の自覚というか、むしろ医師として注意すべきものなのであって、そんなのは差別では全然ないので、これを見るとたばこも何もみんな横ばいで女の人をかばっているようだけれども、これはちょっと事実と間違っているのではないですか。調べてきちっと書いてください。やはり女性には警告しておかないといけません。若い女性は絶対増えています。それはもう私の社会観察によれば増えています。トータル飲酒量は増えているのだから。今これ見てびっくりしているのだけれども、習慣の人が横ばいというのは、しかしわざわざそんな習慣のことを言う必要ないので、やはり増えているということは言うべきなのです。

◯尾前委員

子どもの喫煙も警告しておいた方がいいのではないですか。20歳になる前の人も喫煙しているという頻度は増えているでしょう。それこそ習慣ですからこれも警告しておかれた方がいいのではないかと思います。外国などでは非常にそれは警告していますよね。

◯瀬在委員

たばこだとか飲酒量の調査はどこでやられた調査ですか。書いていないけれども。

◯塚原補佐

飲酒習慣についての最初の3行は国民栄養調査の結果を客観的に書いたものです。後段は国税庁が出しているアルコール関係の消費量ですけれども、そちらの方から見るとこういう指摘が文献上上島先生がされておりましたので。

◯大谷部会長

これはもうちょっと事実確かめた方がいいです。このデータはおかしい。

◯塚原補佐

喫煙習慣につきましては、最初の2行は国民栄養調査の結果であります。他の先進国と比較した場合というのは、健康増進栄養課の方からいただいた資料に基づいて書きましたので。

◯大谷部会長

喫煙習慣というのはどういうものを言っているのですか。

◯塚原補佐

喫煙習慣は、ただ単にたばこを吸いますか、吸いませんかということであるなしを国民栄養調査では分けていました。

◯山口委員

年齢別に見てみると、出してしまうと9.1%かもしれませんけれども、今、太田委員のお話にあったように、若い年齢層に非常に目に見えて増えていると。今、高校生で本当にたばこを吸わないのはいないとか、陰で吸うのを入れますと吸わない人はいないというぐらい。

◯高石委員

今の議論の延長というふうに受けとめていただければよろしいと思うのですが、若い女性とか、子どもの飲酒、喫煙の問題が出ましたので、あえて11ページの今後の対策の 「地域における支援体制及び拠点機能の整備」の項目の最後のところに、是非さっきも話題になりました家庭教育及び学校教育との連携についても検討する必要があるというような趣旨のことを入れておいていただきますと、今、先生方がおっしゃってくださったことが今後の対策として一歩出てくるかなという気がいたします。先ほど私申し上げましたのは、現状の健康習慣は云々ということの表現でございましたけれども、是非11ページの に家庭教育及び学校教育との連携をしっかりやるべきだということを組み込んでいただければと思います。

◯幸田委員

小坂委員のお話の中で、1ページの下の3行のところですね。『「成人病」とは別に』ではなしに『「成人病」から』ということになりますと代えてというような色彩が非常に強くなるかもしれません。
いろいろ御議論はあるのだと思いますが、主として加齢という要素とか、そういう視点といいますか、ちょっと生活習慣という視点とか次元が今までの加齢などと違うのだというニュアンスを入れていただきたい。要するに全く別の視点、次元で話をしているのだと。成人病と生活習慣病がどうなるかは世の中のいろいろな動きだとか、いろいろお話の出ているようなこれからの問題で、あるいは生活習慣病に収れんするかもしれない。5年か10年たって成人病という言葉は廃れるかもしれない。その辺は世の中の動きに合わせていくということで、余りきちきち整理をすると入るか入らないかという議論にもなるようですから、あるいは場合によって「別に」ということにしていただいて、全く考え方は違うのだということを強調していただいた方がいいのではないかなと思います。

◯大谷部会長

要するに生活習慣病という旗を掲げることによってもう一度国民の皆さんにこの重大性というものを認識していただいて、国の政策としても出来る限りその線でこれからやっていただきたいということが強調されればいいのです。

◯幸田委員

今のことを文章にして前書きに付けていただいたらいいのではないですかね。

◯大谷部会長

だからそれは厚生省が立てられないとか、いろいろそういうことがあるかもしれないけれども、一応審議会としてはそういう姿勢で国は臨んでもらいたいということをはっきり事務的整理をやっていただきたい訳です。

◯尾前委員

数字のことですけれども、2ページに高血圧性疾患というのがありますけれども、高血圧性疾患と言うといろいろなものまで入ってくるのでね。それと1,400万人というのは少な過ぎると思うのです。今140/90以上を高血圧と言いますから、そうすると少なくとも2,000万人以上おると思うのです。これは堀部さんの住環境基礎調査のあれで高血圧、あの数字なのですか。

◯塚原補佐

はい。
◯尾前委員
あれは正常血圧が治療中のものも入っていますからね。だから治療中でそのとき測った血圧が正常なものは正常に入れてあると思うのです。だから少な過ぎるように思うのです。随分前に私たちは2,000万人と言っていたのです。それで今、正常の基準が一般に少し厳しくなっているので、これはもう一遍ちょっと検討して、私も調べてみますけれども。

◯大谷部会長

尾前委員とよく相談なさってください。

◯石井委員

保健所の立場から申します。前回も申し上げましたけれども、生活習慣病という概念を入れていただくのは大賛成でございます。
それでちょっと細かいことになるのでございますが、先ほど骨粗鬆症のお話が出ましたが、実は今、保健所などの検診で骨粗鬆症検診というのが大ブームでございまして、非常に希望者が多いということなのですが、検診を受けてどうなるかという期待が大き過ぎるのでございます。一応別に骨粗鬆症だけではなくて生活習慣全体の改善ということで食習慣とか運動については指導しておりますが、先ほど高久委員など閉経期のあれだけだというふうに、確かにそうおっしゃる方もある訳です。治療で効果があるのはあの時期の女性ホルモンだけなのだとおっしゃる先生もあるのですが、そうでない先生もありまして、運動とか食習慣によってある程度の効果はあるのだという先生もおります。
いろいろまだ議論があるところでございますが、一般の住民は非常に期待している訳です。検診を受けて何とか骨粗鬆症と言われても治りたいというのがありまして、現場では非常に指導する上で困っている訳でございますが、厚生省の方でこの際、骨粗鬆症が成人病なのか、加齢によるものか、あるいは生活習慣によるか、どの程度なのか。両方入っているとは思いますが、どの程度のバランスなのかというところを少し専門家の見解を示していただくと現場では。

◯小坂委員

あれは難しくて、医学でそんな過大な期待を寄せてくれては困るのです。裏切ると医学と医者が悪いということになるので、それはとても無理です。
◯石井委員
そう思うのでございますが、骨量を測定するだけならよろしいのですが、その後の指導が難しいというところで非常に悩んでおります。

◯高久委員

ホルモンはやはり問題があるので、運動してカルシュウムをとれということしかないのですね。

◯大谷部会長

骨粗鬆症の問題は老人保健課もあれだし、藤崎君のところもそうだし、両方とでよく相談して、余り先走って間違ったことになると揚げ足取られてしまうから十分科学的に検討してください。

◯藤崎健康増進企画官

いろいろ議論があることについて十分承知しているのですが、私どもでやっている検診というのはモデル的にやっていくという位置づけでありましたり、老人保健課の方は節目でやっていくということで、いわゆる全面的に普及したという位置づけではとりあえずないのです。ただ、現場で御苦労されているのはよく分かっているのですが。
そういうことを踏まえながら、特に健康教育の観点からそういうものを活用していけないかという思いも込めてやっているというような現状でございまして、特にこれから思春期の若いころから運動ですとか食事に気をつけて、若いうちに骨量を増やすような努力というのでしょうか、予防措置としてそういうところを非常に重視していくというところに効果があるのではないかなと思っておりまして、そういう部分の効果と併せて、閉経期以降の治療効果として、あるいは予防として何がいいのかということをもう少し研究を積み重ねて、もうちょっと明確なものを出していきたいという取り組みを考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◯石井委員

実は今回また陳情が出まして、もっと拡大してやれとか、どんどん住民から要望がございました。
それからもう一つは、今話題になっておりますがん検診でございますが、がん検診の意味ということについて非常にブームになっている本などがありまして、いろいろまた住民からいろいろな意見が寄せられますが、そこのところもここの中ではなくてまた何か……。

◯大谷部会長

それを受けて関係各課が、例えば肺がんの問題でありますとか、個人のどれだけ負担を掛けて健康管理した方がいいかどうかという問題は個別の具体論は各課で答申を受けてやっていただくということですから、ここでは議論しませんけれども、そういう方向はやってもらいたいということはここに書いてありますから。

◯町野委員

10ページのところにあります例示が「延命治療の拒否、安楽死」というのは非常にどぎついので、前にもこれを出しますと、厚生省はこれをやりたいのかというあれがありますので、せいぜい「末期医療の在り方、あるいはクオリティ・オブ・ライフの内容等」ということにしていただいた方が無難のように思います。

◯大谷部会長

表現をソフトにすると。
それでは時間もなくなってきましたので、あとは個別の意見がございましたら、出来れば2〜3日中にでも電話ででも結構ですし、ファックスでも結構でございますので、もしもこれは間違っているぞというようなことがありましたら事務局まで言っていただければありがたいと思いまして、一応これで報告を私にお任せいただきまして、皆さん方の意見を出来るだけ取り入れまして取りまとめさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「賛成」と声あり)

◯大谷部会長

ありがとうございました。それでは出来ました報告を公衆衛生審議会の意見といたしまして厚生大臣へ具申したいということでございますので、よろしゅうございますでしょうか。そういうことで、くれぐれも学問的に間違いがありましたら御指摘お願いします。もし間違っていますと本当に崩れてしまいますのでね。多少トーンが落ちても学問的な間違いだけはひとつ御指摘いただければありがたいと思います。
次の議題につきまして、時間がありませんが、事務局から簡単に説明してください。

◯塚原補佐

簡単に説明させていただきます。参考資料3をお願いいたします。
クロイツフェルト・ヤコブ病、狂牛病との関係で非常に話題になっておりますのは委員の先生方御案内のとおりでございまして、本部会でも何度か御議論いただいているものでございます。たしか前々回の成人病難病対策部会におきまして、医療機関における診療に関するマニュアル、あるいはガイドラインといったようなものを早急につくる必要があるのではないかというような御意見をいただいておりましたので、私どもの難病研究班の方にありますクロイツフェルト・ヤコブ病等に関する緊急調査研究班班長の佐藤先生の方に執筆をお願いしまして、ほぼ原稿が出揃ったというような段階でございますので、御報告させていただきたいと思います。
ここに書いてございますように、趣旨は医療機関におけます診断・治療の向上や伝達防止の徹底を図っていただこうという趣旨でございます。
ここに書いてある5人の先生方に御執筆がお願いされております。
概要でございますが、ここに書いてございますようにプリオン病の概念でありますとか、病因・病理、あるいは診断治療、院内感染の予防、プリオン蛋白の不活性化法、あるいは医原性感染というようなことで執筆をしていただいております。
特に問題となりますのは、医原性感染のところが問題になってくると思われますので、その点についてはきちっと書いていただこうということでお願いしてあります。特に供血者でありますとか、臓器提供者のチェックということで、昨年FDAの方から出されているリコメンデーションでこういうことが書いてありますので、これはきちっと書いていただこうというようなことでお願いしております。
出来れば今月中ぐらいにお願いしたいというふうに考えておりますが、いずれにしても近日刊行される予定でございます。このマニュアルにつきましては、緊急全国調査の協力施設が三千数百施設ございます。具体的には、神経内科、神経科、精神科といったようなところでございますけれども、こちらの方の施設、あるいは都道府県、医師会など関係者に対して配布するというような予定でございます。
以上でございます。

◯大谷部会長

ありがとうございました。ただいまのことについて何か御質問ございますでしょうか。
ございませんようでしたら、次に移りたいと思います。どうぞ。

◯深田臓器移植対策室補佐

臓器移植対策室の方から臓器の移植に関する法律案の再提出の動きについて簡単に御報告させていただきます。貝谷室長に代わりまして、補佐の深田の方から御報告させていただきます。
2年前に提出されました臓器の移植に関する法律案は9月の衆議院の解散に伴い廃案となりましたが、再び基の法律案の提案者を中心に再提出の動きがございまして、11月26日の超党派の生命倫理研究議員連盟総会で再提出に向けて有志が動いていくという方向が打ち出されまして、現在早期提出を目指して各党で党内手続が進められているところであります。
内容につきましては、原則として旧法案の内容そのままのものを出す訳ですが、ただ、今年6月に旧法案の審議促進のための修正案というものが出されましたが、その内容を織り込んで最初から原案プラス6月の修正案という形で今度の新法案は出されるという予定でございます。
具体的に申し上げますと、移植に使用されるための臓器の摘出要件としまして、従来は本人の生前の書面による提供意思がある場合、遺族が書面で承諾している場合と2本立てで摘出の承諾要件としていたのを遺族の承諾というのをとりまして、本人の書面による臓器提供意思がない限りは摘出出来ないということにしたというものです。
ただし、既に遺族の承諾により臓器摘出が行われている眼球及び腎臓を心停止後の死体から摘出する場合については現在既に行われていることでありますので、引き続き遺族の同意による摘出も可能とするということになっております。
以上でございます。

◯大谷部会長

大体見通しはどうですか。

◯深田補佐

なかなかこれは議員立法ということで、まず各議員の……。
◯小林局長
この法案につきましては、自民党は党議拘束を解くということでありますし、ほかの党も大体党議拘束を解くということは、各議員さんの個人の判断でもって実はこの法案を採決するという方向に今のところ動いております。これはどうも国会では過去に例がないという、一部の小さな党だけが党議拘束を外すというのはあったのですが、ほとんどの政党が党議拘束を解いて国会で議論するというのは国会史上初めてだそうでございまして、国会議員の先生方も前例となるということで非常に御関心が高うございます。
今までは予測というのは、今、大谷部会長がおっしゃられたように各党がどう判断をしているかということが予測材料になるのですが、今回の場合は各党とも拘束を外すということですから、各個人の御判断で入れられるので正確な読みというのは出来ないというのが正しい答えかと存じますが、今のところ個人的にいろいろ議員さんからお伺いすると、この臓器移植法案は通したいという方の数の方が私どもは多いと承知をいたしております。 大体そんなことですが、まだ議員の先生方十分討議をしたい、どちらにしても討議をしたいという方が多くて、この臨時国会中に法案を提出するということは各党とも御了承される予定ですけれども、臨時国会でこの法案を上げようとか、上がるという時間的余裕もないというような状況でございまして、来春から始まる通常国会の中でということでございます。
ただ、厚生省としては介護法案だとか、医療保険の改革に絡んでくる法案だとかいろいろまだ法案がたくさん目白押しになっておりまして、政府の出す法律と、議員立法である臓器移植法案との扱いというのはまだ国会運営上、というのは国会の審議の時間をどう配分するかというところでまだまだ先が読み切れないという状況にあるというのが現状でございます。

◯大谷部会長

結局推進の先生方の陳情というのはないので、反対の人は熱心に陳情するので。自民党の中にも今まで意外と反対の人が増えてきているので私もびっくりしているのですけれども、やはりこれは困ったことですね。

◯小林局長

この秋の解散で廃案になったときに臓器移植学会が、もう国会にお願いしていてもだめだから自分たち独自で学会で情報公開をやりながら、脳死臨調に書かれた答申の条件を満足させつつ自分たちでやっていきますというお考えが学会から出ました。これに国会議員さん相当影響を受けておられまして、国会として前臓器移植法案を出しながら国会が自分たちで審議をしなかったと、公聴会まで開いたけれども審議もしなくて廃案にしたということは国会議員として、国会として恥ずべきことだというふうにとらえていらっしゃる国会議員の皆さんが相当多くなりました。
そういうことで、今回出されたものは修正ということはあるにしても、途中の段階で廃案になるということは、解散になれば廃案になってしまいますけれども、よほどのことがない限り私は来春の通常国会で通していただけるのではないかと強い期待をいたしているところであります。

◯大谷部会長

それでは本日の審議内容の議事録につきましては、後日事務局から皆様方のお手元へ送付いたしますので、内容を御確認いただきまして、また事務局まで御返送いただければありがたいと思います。
それでは本日の議事はこれで終了させていただきます。
最後になりますが、実は冒頭で局長がごあいさつで申されましたが、審議会は4期8年ということになっておりまして、私と尾前委員と倉田委員が任期満了ということになっております。どうも長い間ありがとうございました。
両先生何か一言皆さんにごあいさつお願いいたします。

◯尾前委員

8年間大変大谷部会長始め各委員の先生方にお世話になりまして、任期を終えることが出来まして、心から御礼申し上げたいと存じます。
ちょうどこの時期に生活習慣病という非常に重要な新しい概念が提唱されまして、8年間振り返ってみましてもこの間に診断とか治療の技術というのは随分変わってきておりまして、私ども臨床家だけではなくて公衆衛生の方々もそうだと思いますけれども、無症状の人をたくさん見つけるようになりました。見つかり過ぎるほど見つかっておりまして、健康と健康でない人の区別が非常があいまいな時代になっておりますので、これを今後どういうふうにしわけしていくかという問題もこの部会でまた将来とも話題になることではないかと思いますし、診断と治療の評価というのは今後とも非常に大事だと思います。テクニックが進むほど進んだテクニックがどれだけ役に立つかを評価しないと、無駄や混乱が起こると思いますので、そういう意味でもこの審議会の意義は今後ますます重要だというふうに理解しております。
将来とも厚生省のこの重要な会議の御発展を心からお祈りいたしまして、ごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。

◯倉田委員

私はこの審議会は新しいのですが、以前よりずっと感染症の専門家として伝染病、予防接種を勉強させていただきました。最近難病の問題にちょっと足を突っ込んだところですが、どの審議会でも非常にたくさんの勉強をさせていただきまして感謝しております。
それから、先ほどちょっとプリオンの話が出ましたが、余計な情報ですが一言申し上げておきます。今年の3月に問題になったときまで10名でしたけれども、3日前にイギリスから来た話で、今年の年末までに多分100名の方が間違いなく亡くなられると。これはいずれもイギリスのビーフハンバーガーを食べた人だけです。医療の過誤とかそういう話は一切入っていません。いわゆるバリアントCJDと言われる者100名。その推定で来年は多分1,000人いくのではないか。本当のパニックは来年だろうということがきておりますが、余計な情報ですけれども一言加えさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。なお、ヒトの脳内で牛のプリオンが増えることも科学的に実証されました。

◯大谷部会長

どうもありがとうございました。

◯塚原補佐

それでは局長から一言御礼の言葉を申し述べさせていただきます。

◯小林局長

委員の先生方本当にありがとうございました。ここにいらっしゃる委員の先生方一応この12月25日をもって全員が任期切れということになります。本当にありがとうございました。特に今、大谷部会長がおっしゃいましたように、大谷部会長と尾前委員と倉田委員につきましては、4期8年もしていただきましたので、再任ということがありません。そういう意味で本当にお三方の先生に厚く御礼申し上げたいと思います。
その他の先生につきましては、まだ定員がどうするかということ厚生省内大体固まりつつありますが、これから各委員の先生方の御事情を聞いてまたお願いをするということになろうかと思いますが、もし再任されましたらまたよろしくお願いを申し上げたいと思います。
それにつきましても、大谷部会長、尾前委員、倉田委員8年という本当に長い間厚生行政のためにいろいろ御示唆、御指導いただきましたこと本当に心から厚く御礼申し上げたいと思います。
特に大谷部会長の場合は、この部会の会長の上に公衆衛生審議会の会長という要職を担当していただきまして、例えば精神衛生法の改正がその8年の間には2回改正がありましたり、らい予防法の改正があったりということで、大変厚生省がお世話になり、ひいては国民の皆様が大変恩恵を受けたと私は思っておりまして、この席をかりて本当に厚く心から御礼を申し上げたいと思っております。
また、その他の先生方本当にこの2年間公衆衛生審議会の方で御活躍いただきまして、心から御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
余分な話ですが、今ここに私がレッドリボンを付けております。これはエイズに対する理解と偏見と差別をなくしていただきたい。御賛同の方には付けていただきたいというものでございまして、これでエイズストップ基金を集めている訳ですけれども、今日は私の方で委員の皆さん方に1つずつ用意をさせていただきました。御賛同の方は胸に付けていただきたい。ただ、赤い色ですから洋服によっては合ったり合わなかったりしますので、合う洋服に付けていただければと思います。
それと同時に、先生方それぞれ影響力のある方ですので、あちこちに御宣伝いただければ大変ありがたいと思います。
なお、12月1日にエイズストップ作戦の1つのセレモニーといたしまして、日本各地からエイズに寄せる思いを全国の人たち、特に子どもさん方からたくさん寄せられまして、1万2,000のレッドリボンが集まりました。それを今、渋谷のパルコ前にクリスマスツリーの大きな木に付けまして、またこの大きなレッドリボンの形をとったものをランプでずっとイルミネーションをつくりまして飾ってありますので、渋谷へお出掛けになりました場合にはパルコ前もちょっと通って見ていただけると、エイズについて一生懸命厚生省の関係者はみんなで努力していることが御理解出来るのではないかと思います。
余分なことですけれども、どうぞお持ち帰りいただければと思います。本当にどうもありがとうございました。

◯塚原補佐

今日で公衆衛生審議会成人病難病対策部会を終了いたします。事務局の方からは食事の用意をさせていただいておりますので、お時間の許す先生方はそのままお待ちいただければと思います。

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