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96/05/28 公衆衛生審議会成人病難病対策部会難病対策専門委員会




公 衆 衛 生 審 議 会 成 人 病 難 病 対 策 部 会


難 病 対 策 専 門 委 員 会 議 事 録






厚生省保健医療局疾病対策課





         公衆衛生審議会成人病難病対策部会難病対策専門委員会次第


          日 時:平成8年5月28日(火) 14:00 〜16:00
          場 所:松本楼 亀の間

議  題
 1.開  会


 2.議  事

   (1)難病患者等福祉推進事業について
   (2)その他


 3.閉  会



黒川委員長
   では、今日はよろしくお願いいたします。今日は、公衆衛生審議会成人病難病対策部会ということで難病対策専門委員会、これは実を言いますと2年ほど前から設けられている会でありまして、この難病対策についていろいろ討議をして、プロポーザルをしながらしている委員会でございまして、たまたまそのときから私、委員長を仰せつかっております東京大学医学部第一内科の黒川と申します。よろしくお願いします。
 では、この後、座って議事を進行させていただきたいと思います。先生方には、本当に常日ごろからお忙しいところに、この難病対策の専門委員会の委員として、いろいろ難病対策の見直しについて貴重な御意見を伺いまして、それをまとめることが出来ました。本当に厚く御礼申し上げます。
 それでは、早速ですが、今日お集まりをお願いいたしまして、それからちょっと先生方の御意見を伺いたいということですが、今日の委員の先生方の出欠状況等につきまして、事務局の方からまず御報告いただければと思います。
荒川補佐
   それでは、報告いたします。
 本日、9名の専門委員の先生方のうち、高久委員、それから日本医師会の役員改選に伴いまして新たに本委員会の委員に加われました津久江委員の2名が欠席されております。
 以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうこざいました。
 それでは、今日の委員会の目的その他につきまして清水課長の方からよろしくお願いいたします。
清水課長
   本日は、御多忙のところ御参集いただきましてありがとうございました。疾病対策課長の清水でございます。
 本日は、特定疾患対策につきまして昨年の12月に先生方にお集まりいただきまして、これからの21世紀を目指した難病対策についての方向を示していただきました。12月26日でございますが、その翌日に部会の方でそれを御報告いただきまして、それに基づきまして8年度予算を計上されまして、今年度からこれを実施することになった訳でございます。その中でも、従来の難病対策の4本柱、調査研究の推進、医療施設の整備、医療費の自己負担の解消、地域保健の推進という4本柱から、4本目が地域保健医療・福祉の連携、それから5本目がQOLの向上を目指した難病対策ということで、特に5本目のQOLの向上を目指した難病対策の推進ということでホームヘルプサービス、ショートステイ、あるいは日常生活用具の給付といったものが挙げられた訳でございまして、予算的にも8年度予算に2億円ほどの予算が計上されまして、9年の1月から実施するということになった訳でございます。
 更に、研究班につきましては特定疾患対策懇談会の下に再編成検討委員会を設けまして、11月からやっていただいておりましたが、2月29日に再編成計画をまとめていただきました。年度が変わりまして新しい特定疾患の先生方にお替わりになりまして、現在その再編成計画に基づきまして班編成等が行われているところでございます。詳細は、また後ほど御説明いたします。そういうような状況の中で、本日はその第5の柱でございますQOLの向上を目指した福祉施策につきまして先生方に御意見を賜り、実際市町村あるいは現場でこの福祉施策を推進をしていく上でどういうことが大事なのかというふうなことを、今日は今までのお仕事の中で、あるいはボランティア活動の中でこういう問題について非常に見識のある方々にお集まりいただきまして御意見を賜り、そして最終的には実際の実施要綱をどうやって定めて実行に移すかというふうなことの作業に移る訳でございますが、それにつきまして御意見を賜りたく御参集いただきました。よろしくお願いをいたしたいと思います。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 これから資料の説明その他がありますので、従来の経過、かなり時間が経っておりますので、先生方にその後の経過についても事務局の方から説明させていただきたいと思うんですが、趣旨は今、課長が言われたように、先生方の御意見を取りまとめて、このブルーのものに書いてありますけれども『難病対策に関する報告書』という報告書があります。それの9ページを開けていただけると分かると思うんですが、先生方との御討論で9ページにあるような骨子にまとめさせていただいた訳でございます。
 そのうちの結局、中間報告が次のページの10ページにありますが、10ページの右肩には基本的方向に4つの柱があった訳ですが、最終報告では5つの柱にしまして、保健医療福祉の充実・連携という4ですね。それから、5のQOLの向上を目指した福祉施策の推進というようなことが新しい柱になりました。そういうことで、これについて福祉推進事業等について行政的に実践施策をしていく上でどういうふうにしたらいいかというようなことについて先生方に御討論をしていただいたということでごさいます。
 そういうことからいうと、我々の立場と、また実際の福祉の推進事業の施策の要綱を立てる上には、実際に障害者の福祉あるいは難病対策の面で活躍されておられる方々に今日来ていただいておりますが、その方々からもいろいろお話を伺いまして、この要綱を検討していただきたいというのが今日の趣旨でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局の方から今日のお客様を紹介していただきます。
荒川補佐
   それでは、有識者の先生方の御紹介をさせていただきます。
 斎藤先生でございます。斎藤先生は、千葉県の松戸市の福祉公社でホームヘルパーとして御活躍されておられまして、同時に先生は千葉県の介護福祉士会の事務局長としても御活躍でございます。
 それから、佐藤先生でございます。佐藤先生は、社会福祉法人復生あせび会の会長といたしまして、長く難病患者さんのお世話をされておられます。
佐藤先生
   1つ訂正させてください。(社福)復生あせび会の会長ではありませんで、(社福)復生あせび会の方は理事でございます。
荒川補佐
   どうも大変失礼いたしました。
 それから、比留間先生でございます。比留間先生は、社団法人日本作業療法士協会の常務理事でおられます。
 それから、福原先生でございます。福原先生は国立療養所犀潟病院の副院長でございまして、平成8年度から特定疾患調査研究事業の中で特定疾患に関するQOL研究班の班長に就任されておられます。
 以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 そういうことでございますので、この専門のそれぞれの分野に今までいろいろかかわっておられた方々から御意見を伺いながら、この最終報告骨子にあります福祉施策の推進の要綱について行政的にどうするかという話を先生方に今日御意見伺いたいということであります。
 それでは、議事に入ります前に資料の御確認ということで、それも事務局の方から資料についての御説明をお願いします。
荒川補佐
   本日、各先生方のお手元に資料を1から8までお配りしてございます。
 資料1は、「難病対策に関する報告集」でございます。
 その後、資料2が「難病対策の現状」でございます。
 資料3が、ホームヘルプサービスの運営要綱(案)です。
 資料4が、短期入所事業の運営要綱(案)です。
 資料5が、日常生活用具給付事業の運営要綱(案)です。
 資料6が、ホームヘルプサービス研修事業の運営要綱(案)です。
 資料7が、この運営要綱(案)につきまして本日御出席をいただいております有識者の先生方からいただいた意見を取りまとめたものでございます。
 資料8が、既存の福祉対策の運営要綱で、障害者及び老人の各要綱を取りまとめたものでございます。
 それで、これはお詫びなんですが、実は大変申し訳ないんですが、資料7の1枚表紙をめくっていただいたところで、財団法人松戸市福祉公社の斎藤先生のお名前が洋子になっておりますが、実はこれは葉子の誤りでございます。先生、大変申し訳ございませんでした。これは、訂正をしていただきたいと思います。
 以上でございます。
黒川委員長
   そういうことでございます。
 それでは、このようにかなり分厚い資料がありますが、先生方の専門委員会は去年の暮れに最後、設けさせていただきまして最終報告案を出させていただきまして、これに従いまして、特に先生方の関係があるところは竹澤委員、堀井委員のところではなくて、いわゆる調査研究班の再編ということが随分ありまして、それに従いまして随分その作業がたくさんありました。事務方もすごく大変だったと思うんですが、特に清水課長は従来の班長さんに1人2時間ずつお話をされて80数時間、随分時間を取られて説明していただいたようですが、再編も終わりまして、これにつきましては終わりの方に29ページから出ていますが、この29ページからのような再編になりまして、新しい班長先生が全部決まっております。
 しかも、評価についてもかなり厳しい評価班が出来まして、その後の30ページ、31ページからありますけれども、更に全体としてはその評価の体制その他につきまして別添資料ということで、24ページからごちゃごちゃたくさん書いてありますが、これからはますます評価がうるさい。それについては随分時間も掛かると思うんですが、いろいろな特徴が書いておりまして、この調査研究班の再編全体につきましてはお時間があるときに11ページからずっと書いてありますが、今年の2月29日からこういうことでやっていくぞという案が出来ているということで、それなりに進捗しているということを御報告させていただきます。
 そういう訳でございますので、その間の経過及び難病対策の現況ということにつきまして、清水課長の方から御説明いただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
清水課長
   それでは、御説明させていただきます。
 今、黒川先生からお話いただきましたので、大体そのような流れでございますけれども、資料のブルーの、先ほどから黒川先生が御説明の9ページをごらんいただきたいと思います。ここのポイントは、一番最初の今後の特定疾患対策の基本的な方向につきまして対象をどうするかというふうなことでございまして、1つは稀少性、原因不明、効果的な治療法未確立、生活面への長期にわたる支障という4要素に基づく対象疾患の範囲の明確化が必要ということで、こういうことで旧来は 122疾患を調査研究の対象といたしておりましたけれども、それを現在新たな研究組織におきまして、どのような対象疾患を選んだらいいかということで作業中でございますが、おおよそ 120前後になることになっておりますが、その際の基準といたしましてはこの4つのものが基準になります。
 更に、御承知のとおり治療研究事業の対象疾患につきましては、更に条件が加わりますので、対象疾患の基準の明確化、それから来年度以降どういう疾患を対象疾患に挙げていくか、あるいは今後の治療研究事業の対象疾患の在り方については、この特定疾患対策懇談会の下に部会を設けて現在検討中でございます。
 それから、その次のポイントでございますが、先ほど来お話がございますように、現行の体制といたしましては、この左側の4本柱でかなりいろいろな成果も上がってまいった訳でございますけれども、長年、二十数年たちまして問題点も出てきた訳でございます。この問題点についてのみここに列挙してございます。それにつきまして、どういうふうに今後21世紀を目指して対策を進めていったらいいかというふうなことで、平成5年から御承知のとおり御審議いただきまして、6年には中間報告、そして7年12月に最終報告を出していただきまして、そこに書いてございますように、それぞれ調査研究の推進につきましては、研究班の再編成をするに当たっての基本的な考え方としてそこに4つ書いてございますが、臨床調査研究グループ、横断的基盤研究グループ、研究評価体制の強化、若手研究者の育成強化及び弾力的運用ということを考えて再編成するようにという御提案をいただきました。
 それから、医療費の自己負担分の解消のところでは、例えば診断基準、治療指針の適切な改定及び周知、それから先ほども申しました対象疾患選定基準の明確化、それから調査研究と治療研究の連携強化といった問題。
 それから、4番目の柱として、地域における保健医療福祉の充実・連携ということで、平成9年の4月から保健所で難病対策を行うことになっておりますけれども、保健所を核とした地域ケアシステムの構築、その他、後で御説明しますが、地域保健医療推進事業あるいは難病情報センターの設置というふうなものが御提案されておられました。
 それから、QOLの向上を目指した福祉施策の推進では、先ほど申しました、今日のまた中心的課題でもございますけれども、ホームヘルプサービス事業の創設、ショートステイ事業の創設、日常生活用具給付事業の創設といった柱を立てていただきました。
 それで、この本の後ろの方、35ページ、36ペーシをごらんいただきたいと思います。
 具体的に福祉施策としてどういうふうなことを考えておるかというふうなことでございますが、先ほどの3本のものはそのままでございまして、それにヘルパー研修が含まれます。 具体的には、福祉施策の対象者といたしまして、介護が必要な状態にある特定疾患(特定疾患調査研究事業の対象疾患)及びリウマチ患者であって、次のいずれかの要件を満たす者。老人福祉法、身体障害者福祉法等の施策の対象とはならない者、在宅で療養している者ということで、サービスといたしましては先ほどから申しています3つで、それを支援する研修というふうなことでございまして、8年度は予算的にはホームヘルプ1,000 人、14年度は4,000 人、それからショートステイは8年度が30人分、ショートステイが14年度は400人分となっております。
 従来から行っております保健医療施策につきましては、下の方にございますけれども、特定疾患調査研究事業、これは調査研究をやるものでございまして14億9,000 万円でございます。特定疾患治療研究事業は御承知のとおり自己負担分を給付するということで、8年度は146 億円でございます。そのほか、医療相談、訪問事業、それからALS等の在宅人工呼吸器使用特定疾患患者緊急一時入院、それから患者・家族教室モデル事業、今日おいでになっています佐藤先生のところの静岡県も行っていますが、3か所今年度計画しています。それから、特定疾患医療従事者研修事業、これは保健婦さんの研修でございます。それから、本年度から難病情報センターということで、難病医学研究財団に補助をいたしまして情報を国民の皆さんに還元するというふうなことを考えております。
 36ページには、具体的にホームヘルプサービスの内容を書いてございます。ここに書いてございますように、日常生活を営むのに支障がある患者の家庭を訪問し、食事、洗濯など身の周りの世話を行う。あるいは、ショートステイの場合は家族において患者を介護している者の疾病等によってその患者の療養が困難になった場合、病院等医療機関に一時的に収容する。それから、日常生活用具につきましては、そこに書いてございます便器、特殊マット、特殊寝台等6品目でございます。
 そのようなことでありまして、実施主体は市町村、国が2分の1、都道府県、市町村4分の1の補助率でございます。予算的には、そこに書いてございますが、8年度予算で2億1,000 万円、平成9年度1月からの実施ということでございます。これらのことは、障害者プランの中に難病を有する者への対応ということで、難病を有する者に対して関連施策としてホームヘルプサービス等、適切な介護サービスの提供を推進するという1項目が入っておる訳でございますが、これに基づいてやられることになった訳でございまして、委員の先生方には従来から御説明いたしておるところでございますが、今日は委員以外の先生もおられますので、少し振り返って御説明をさせていただきました。
 それで、先ほど冒頭にお話ししましたように、次に特定疾患調査研究班の再編成について御説明いたします。26ページをごらんいただきたいと思います。昨年の11月からずっと御検討いただきまして、本年2月29日にここに書いてございますような基本的な考え方で再編成をするということでおまとめいただきました。特定疾患対策懇談会の下の再編成検討委員会でおまとめいただきました。
 先ほどお話をいたしましたように、臨床調査研究グループ、27ページと対比しながらご覧いただくとお分かりかと思いますけれども、特定疾患の診断治療に直接つながる臨床的な課題の調査研究を行うグループと、それから横断的、基盤的な研究を行うグループとに分けて、臨床の方は37分科会をそれぞれ14の班に臓器別に分けております。それから、横断的なものは基盤研究部門として微生物、免疫、分子病態、疾病モデル、それから遺伝子は将来的に非常に大きくなるということが予想されますので、これは遺伝子解析プロジェクトとして別立てになっております。
 それから、社会医学的部門として疫学研究、QOL研究、本日は8年度からの班長さんがお2人、大野先生、福原先生がお見えになっていますが、疫学班、QOL班がスタートすることになりました。
 それから、政策的研究部門といたしましては、リサーチ・リソース・バンク研究、それから緊急研究、評価研究、あとでまた緊急研究については御説明いたしますが、そういうものを設けるというふうなことでございます。
 それから、先ほど黒川先生からお話がございましたように、研究の評価体制を強化する。このようなことで、それぞれの37の分科会及びそのほかの横断的基盤研究グループの各班に4名ないし5名から成ります研究評価小委員会を設けるというふうなことで、31ページから34ページにはこの評価委員の先生方の名簿がございますけれども、これらの先生方にそれぞれ各班が評価を受けるというふうなことで、かなり先ほどの黒川先生のお話もございましたように、評価を厳しくしていただくというシステムになっております。
 そのほかに、基盤研究部門に公募制を導入したり、あるいは研究期間を3年間、最大6年間と定めたり、研究発表を公開にしたりすることも決められております。
 それから、特徴的なこととして、若手の研究者の育成強化及び弾力的運用ということで、臨床系の研究者で45歳未満の方にお1人500万円という新しい難病特別研究員制度を設け、基礎班と臨床班の両方に入っていただくことになっております。
 そのほかに、従来から班長さんと班員以外に顧問とか、幹事とか、いろいろ先生方がおられましたけれども、研究班は班長さんと研究班員及び研究協力者から成るというふうに規定されております。
 それから、年齢もこの研究に携る方は研究評価も含めまして70歳未満ということでございます。
 それから、合同シンポジウムを開催することを支援するというふうなことが主な骨子でございますが、こういうことを取りまとめて報告をいただきました。
 そして、年度が変わりまして特定疾患の先生方も26人というふうに増えられまして、メンバーも大きくお変わりになりまして、4月に入りまして4月15日に特定疾患対策懇談会が開かれまして、29ページ、30ページにありますように、各分科会長さんあるいは班長さんが決まりました。これは、マスコミに報道いたした訳でございます。
 それで、資料2の「難病対策の現状」というものをごらんいただきたいんですが、こちらに書いてありますように、4月15日に特定疾患対策懇談会が、2ページにございますが、こういうメンバーの方々に委員になっていただきまして、それで懇談会を開催をいたしまして、そして班長さんを内定をしていただいたということです。
 それから、先ほどお話をいたしました緊急研究のところでクロイツフェルト・ヤコブの緊急全国調査をやるというふうな説明をマスコミにいたしました。これは御承知のとおり、イギリスで新しいバリアント・クロイツフェルト・ヤコブが『ランセット』という有名な雑誌に10症例ほど報告がありまして、非常に世界中で話題になった訳でございますが、日本にこういうクロイツフェルト・ヤコブの新しいタイプの方がおられるかどうか。あるいは、実際にクロイツフェルト・ヤコブの方はどれぐらいおられるか等々につきまして、この政策的研究部門で全国調査をするということを発表いたしました。
 それから、昨年の11月以来問題になっています特定疾患の研究におきます医薬品の適用外使用に関する調査研究についても研究機関でやるというふうなことも発表しました。それから、整形外科分野の合同シンポジウムをやるというふうなことも報告いたしました。そのほか、この4月、5月、マスコミに私どもの課からいろいろなものを提供いたしました。そのことが全部この資料にございますが、大体この中にございますのはクロイツフェルト・ヤコブの緊急研究班についてのことでございます。これは、時間があるときにごらんいただきたいと思います。
 それから、適用外使用につきましては一次調査で難病5,000 人以上に適用外の薬物が投与され、459 人に副作用が発生したというふうな一次スクリーンの結果を御説明したというのが主な内容でございますが、詳細はまたごらんいただきたいと思います。
 現在までのところは、以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 去年の暮れから今までにかなり事務局の御努力もありまして、このような施策として実際に行動に移されているということと、この再編に当たっていろいろな社会学的な班をつくりまして、緊急に対処しなくてはならない問題に対処する研究班をつくるというようなことが出来ましたので、早速クロイツフェルト・ヤコブ病、狂牛病に対する対策班をすぐにつくれましたし、適用外の薬物使用についても資料2に随分あると思うんですが、そういうことに対してもすぐに今度調査研究班をつくれるという、かなりフレキシブルに対応出来るようになったというのは、先生方の御意見もくみ上げた上で非常にフレキシブルでいいシステムになっているのではないかというふうに思います。
清水課長
   私の方から1つだけ言うのを忘れてしまったんですが、今お配りしますけれども、保険の方でもかなり難病はいろいろな管理料その他も改善されましたが、中でも今お配りしています難病患者リハビリテーション料というのが1日につき600 点というのが認められまして、慢性関節リウマチを含めまして28疾患でございまして、これが4月からの診療の改定に掲載されることになりました。
 これは、在宅での医療を推進するに当たりまして非常に有効ではないかというふうに私ども考えておりまして、これはデイケアとはちょっと違いますけれども、ホームヘルパーの派遣、ショートステイ、日常生活用具、そしてこの難病患者リハビリテーション料というふうなことで、一応の体系が出来たのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 難病について、かなりいろいろな多方面からの施策的に内容が濃くなって、きめが細かくなっているのではないかと思いますが、それもこの見直し委員会の一つの提言だった訳で、そういう意味では実際の施策に取り込まれて、大変事務局の御努力に感謝したらいいのではないかと思いますが、どうもいろいろありがとうございました。何かこの資料1、2につきまして御質問ございますか。またありましたら伺うことにしまして、先に進めさせていただいてよろしいですか。
 それでは、今日はブルーの方の一番最後の36ページを開けていただくといい訳ですが、今、課長から説明がありましたように8年度予算における対応ということで、平成9年1月から実施に必要な経費を計上するということの要綱を一応ずらっとつくっていただいておりますので、それについて検討させていただいて、実際の予算に上げていきたいというのが1つの主な目的でございますのでよろしくお願いします。
 それでは、事務局から福祉推進事業の概要ということについて、この資料に沿ってちょっと説明していただけますか。
荒川補佐
   もう既にただいま私どもの課長、それから黒川先生から御説明があったとおりでございまして、あえて申し上げることもございませんので。
黒川委員長
   それでは、要綱はどのようにしますか。要綱のところをどういう順番でやりましょうか。最初に読んでいただいた上で……。
清水課長
   そこは事務局で説明させていただきまして、ホームヘルプサービスはホームヘルプサービスということで、あと1つずつやらせていただければと思います。
黒川委員長
   では、まず皆さんに御意見を伺う前に簡単に説明していただいた方がいいですか。
荒川補佐
   それでは、資料の3でございます「難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱(案)」というのがございますが、これから説明をさせていただきます。
 これは、ホームヘルプサービスの具体的な実施方法を書いたものでございますが、先ほどからの説明にもございますように、老人福祉制度と、それから障害関係の福祉制度の谷間を埋めるというのが今回の施策の目的でございますので、それぞれこれから説明いたします各要綱(案)は老人福祉関係の要綱、それから障害者福祉関係の要綱に準拠する形で書いてあります。
 1の目的ですけれども、難病患者等の家庭に対してホームヘルパーを派遣して、日常の家事であるとか介護等の便宜を供与して難病患者等の福祉の増進を図るというのが目的でございます。
 実施主体は市町村でございます。この市町村には、ここにまだ明確に書いてございませんが、特別区も含むということにしております。このサービスにつきましては、市町村が具体的に申請に基づいて対象者を決める。それから、サービスの内容を決めるという行政行為を除く具体的なサービスの提供の部分については、ここに書いてあります一定の要件を満たす医療法人とか社会福祉法人、それから介護福祉士、民間事業者等に委託をすることが出来る。これは、障害、老人と同じような規定になっております。それから、それ以外の事業者についても、厚生省と協議の上、一部を委託することが出来るということにしております。
 それから、事業の対象者でございます。要するに給付対象者でございますが、日常生活を営むのに支障があるということ、それから介護、家事等の便宜を必要とする18歳以上の難病患者であり、かつ、次のすべての要件を満たす者ということでございます。
 1番目は、別に定める特定疾患調査研究事業の対象疾患患者です。これは、先ほどの課長の説明にもありましたけれども、おおむね120 ぐらいの疾患が対象になるということでございます。それと、慢性関節リウマチの患者さんであります。
 2番目は、在宅で療養が可能な程度に病状が安定していると医師によって判断される者。これは、非常に危険な状態のときにヘルパーさんが出掛けて行って身体介護などをやった場合に、その疾患にかかわる危険があるというような場合は派遣を差し控えたいという趣旨でございます。
 それから、老人福祉法、身体障害者福祉法等の施策の対象とならない者ということで、これは冒頭に申し上げましたように、2つの制度の谷間を埋めるという趣旨で、その2つの制度の対象になる者は除外をするという趣旨でございます。
 それから、具体的に提供する便宜の内容でございます。(1)(2)、次のページの(3)(4)とありますが、そのうち市町村長が必要と認めるものについて供与をしていくということでございます。
 それから、5番の対象者の決定でございます。基本的には派遣の申出書と診断書を市町村長に提出してもらうということでございますが、派遣申出書というのは老人とか障害の制度でもありますけれども、診断書というのは難病特有のものでございます。というのは、老人とか障害の程度ですと、65歳以上であるとか、身体障害者の手帳の交付、等級認定を受けているというようなことで、あらかじめその対象範囲が明確でございますけれども、難病の場合にはまず対象疾患患者であるかどうかという認定を行う。その次の段階として、要介護かどうかという認定を行わなければならないという特質性がございますので、診断書の提出を義務づけているところでございます。それで、そういう申出があった場合は市町村長は診断書とこの要綱に基づいてその必要性を速やかに決定するということでございます。
 (3)で、必要があると認めた場合はその患者さんの状況、環境等をよく勘案した上でホームヘルパーの具体的な派遣回数とか時間数、具体的な供与されるサービスの内容、費用負担区分などを決定する。
 それで、サービスの開始後はこの事業の対象者について定期的に便宜の供与の継続の要否等について見直しを行う。これは、老人、障害と同じ規定の仕方でございます。
 6番目に費用負担の決定でございますが、これは別表を3枚めくっていただきますと事業費の負担基準がありますが、それぞれ課税年額ですね。生計中心者の前年の所得税課税年額に応じて1時間当たりの利用者負担を決めております。これも、障害等と同じ定め方でございます。
 それから、ホームヘルパーの選考ですが、心身ともに健全であるとか、難病患者等の福祉に理解と熱意を持っているとか、こういう項目が3つ挙がっておりますが、これはいずれも老人、障害と同じ選考要件として挙げているものでございます。
 それから、ホームヘルパーの研修でございますが、採用時研修と定期研修を行う。この具体的な中身等につきましては、後ほどヘルパー養成研修の要綱の中で説明させていただきたいと思います。
 それから、他事業との一体的効率的運営ということでございますが、これはほかのホームヘルプサービス、老人とか身障者等のサービスの制度的な違いを踏まえて、一体的効率的な運営を図ってくださいということと、他の在宅福祉サービスとの調整も行う。先ほど言いましたように、この制度は老人と障害の谷間を埋めるということですので、それぞれほかのそういう制度との連携をうまく図ってやってもらう必要があるという趣旨でございます。
 それから、難病患者等に関する諸事業との連携、これはホームヘルプサービスだけではなくて、先ほど私どもの課長の方からも説明しました難病患者地域保健医療推進事業というようなことで、難病患者の方への訪問診療ですとか、保健婦の派遣というような事業をやっておりますので、それらの事業との連携を図っていくということでございます。
 それから、次のページの10番の関係機関との連携ですけれども、これも当然保健所等との連携を図って、円滑にこの事業を実施してもらいたいということでございます。
 それから、11番のその他の規定、これは基本的には老人、障害の方と同じ規定の内容になっております。
 以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 このようなホームヘルプサービス事業の運営要綱(案)というのを書いていただいている訳ですが、ここで今日出席していただいておられます専門家の方々から、今度の難病患者に対する福祉施策整備計画の概要ではないんですが、それについての御意見を伺いたいというふうに思っています。
 それで、お手元の資料7にございますが、今日お見えの先生方に一応要綱(案)を見ていただいていろいろコメントをいただいておりますので、それに沿って順番に大体10分ということでお願いしていると思うんですが、先生方の方から御意見をいただければというふうに思っていますが、よろしいでしょうか。
 それでは、順番として、こちらの事務局案ですが、斎藤先生、佐藤先生、比留間先生、福原先生という順番で伺っていきたいというふうに思います。時間も限られてはおりますが、一応10分で不十分かもしれませんが、一応そのような格好でお願いしたいと思います。
 では、斎藤先生の方からお願いします。
斎藤先生
   それでは、先にホームヘルパーと福祉ということでちょっとお話ししてほしいという依頼が来ましたので、ちょっと触れさせていただきます。
 ホームヘルパーは御存じのとおり、ゴールドプランでホームヘルパーを10万人増やすということで今、人数をすごく増やしているんですが、人数は増えているんですが、ほとんど直行直帰型、いわゆる非常勤で訪問した時間の中での仕事をしております。
 それで、常勤職というのはそういう人たちの数から言いますと少ないんです。それで、こういう難病の方のお世話をする場合には、やはり常勤のヘルパーでやっていく方がいいんじゃないかと思います。
 それで、松戸市の場合はこの難病患者に当たる方は身障、老人、その他という区分で既に実施しておりまして、ALS患者の方とか、いろいろお世話した経験があります。
 そういうことで、ホームヘルパーと福祉という題でいいかどうか分からないんですけれども、一応時間がないということなので、私の項目で1ページの4番の便宜の内容ということで通院等の介助というところで気が付いたことをお話ししたいと思います。身体障害者の方もそうなんですが、通院ということで本当にこれは皆さん悩んでいることでありまして、まして難病ということで病院が千葉の場合は東京とか、そういうところに通っている方がいらっしゃいまして、私どもは松戸市から外に出てお世話するというのは難しいんですね。ですから、そういう枠を取り払って、通院患者は1日掛かろうが、何をしようが一緒に行くということで、そういうような幅広い対応を日々していただきたいと思います。
 身障の方でもガイドヘルパーということで特例措置を設けておりまして、この通院介助といいますと現在ホームヘルパーの派遣の中で先ほどのランクがありましたが、費用負担なんですが、資料3の5ページを見ていただきますと、ランクがAからGまでございますが、今ほとんどの利用者は年金生活者ぐらいでしたら大体Bなんです。それで、CでE、Fというのは本当に松戸市の場合は数が少ないです。AかBか、ほとんどがGになるんですね。それで、1時間920 円取られる訳ですね。1日一緒に通院等で費しますと8時間、結構な額になりますので、そういう意味で通院等の場合は費用の減額とか免除、通院のときにはお金は取らないとか、そういうことにしていただけるといいかなと思います。
 次に3ですが、生活等に関する相談、助言に附帯するその他の必要な介護ということで、難病と告知された患者さんをお世話したことがあるんですが、その方は東京に出てきてずっと一人暮らしでおりまして御家族がなく、告知されて1か月もせずに自宅に戻されまして、その後、精神的に余りにもショックが大きくて本当にお世話する私どももかなり一緒に悩み、苦しみましたが、そういう方の相談ですね。それで、私どもは命を支えるということで本当に全部掃除をしたり、洗濯をしたり、買物をして食事の支度をするということで、そういう現実的なことをしながら相手の方の精神的なサポートをするというのはかなりの負担でありまして、そういうヘルパーを支えるバックアップシステムですか、そういう私たちの相談に乗ってくれる方がいてほしいということですね。
 それにプラス、そういう人たちの生きる意欲ということで、自己実現のための介護ですね。その人が今、何かしたいことがあって、その目標に向かって何かしようということをサポートする介護、それはその人それぞれにいろいろなやりたいことが違うと思いますが、そういう自己実現に向けてのサポートが出来たら、その人が生きる意欲につながって自立への道が開けるのではないかと思います。
 次に、ホームヘルパーは家族のためにも、お世話する方たちのために、本当に精神的にも身体的にもすごく大変なことなので、今、身体障害者とか老人の方に対しては、御家族の休養のために見守りという形で利用者をお世話しているんですね。そのときに、ヘルパーが行っているときに御家族がいろいろな用事とか、外に出てしております、そういうときにALSの患者さんなどもときどき呼吸困難とかに陥るときがありまして、吸引が必要なときがあるんじゃないかなと想定されます。そういうとき、ヘルパーとしてどこまで対応出来るのかということで、医療的なところもいろいろあると思いますが、どこまでヘルパーが出来るかということを御提案申し上げたいと思います。
 次に、対象者の決定等というところで、今までと違いまして診断書が必要ということで今、老人、身障の方でも入浴に関しては必ず診断書をいただくということで、松戸市の場合は入浴の診断書に関しては補助金、助成金を出しておりまして、そのための診断書料は後でお支払いするという形にしていますが、このときの診断書料は特に非課税世帯などに対しては助成が必要ではないかと思います。
 次に、7のホームヘルパーの選考ということで、例えばALSの患者さんにはALSの専門のヘルパーさんが行くといいなと思いました。
 次に、8.ホームヘルパーの研修ということで、先ほどと重複すると思いますが、研修内容としては本当に病気を理解するということが第一だと思います。それで、関連して、やはり精神面のサポートはそれにも増して重要なことだと思います。ヘルパー自身のセルフカウンセリングも必要ですし、難病の方とのコミュニケーション技法などを取り入れることを希望したいと思います。
 次に、10として関係機関との連携ということで、いつも関係機関との連携ということが老人でも身障でも言われておりますが、現場で働く我々との連携がなかなかなされていなくて、本当に専門の方のドクターとか保健婦さんとか看護婦さんとの連携はうまくなされておるんですが、現場で働いている私たちホームヘルパーの参加を是非チームの中に入れてお互いに連携をとりたいと思います。
 次に、用具の種目及び給付対象者というところで、体位変換器ということが用具の種目の中に入っていますが、体位変換器というのは老人も身障も全部入っておるんですが、これは私の知る限りでは余り活用していないというか、あってもみんな一回は体位変換器はいいんじゃないかということで用具の給付をいただくんです。せっかくだからもらおうということでいただくんですが、ほとんど使っておりません。
 というのは、体位変換器というのはなかなかうまく作用しないというか、余りよくないんじゃないかと思います。
 それで、体位変換と同じかどうか分からないんですが、ベッドから車いす移動するということは、まして難病の患者さんはかなり難しい作業になりまして、住宅事情もいろいろありまして、本当に狭いお部屋にベッドをぎゅうぎゅうに入れまして、介護をする我々は介護福祉士の実技のようにはいきませんで、三方を壁に囲まれてなどという感じでお世話をするんですが、そういうときにやはり電動リフトということで是非これを用具の給付の対象にしていただければと思います。
 以上、私の意見を述べさせていただきました。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 主にホームヘルパーの御経験あるいは実地の場所からの御意見を伺った訳ですが、質問はまとめて伺うことにして、次にまいりましょう。
 申し訳ありませんが、佐藤先生の方にお願いします。
佐藤先生
   私は大変簡単な意見で、書く時間がありませんで申し訳ありません。全体に資料は全部読ませていただきました。
 それで、老人、身障とほぼ横並びということも理解したつもりです。とにかく、ここまで難病患者のために福祉というものが難病患者と並んで活字になり、広報され、障害者ゴールドプランの中に難病患者の福祉というものが取り入れられるまでには大変な御苦労があったと思います。心から厚生省の担当の方々あるいは専門の先生方に感謝申し上げます。
 現実に、これからではこの問題をどれだけ患者サイドに立って意味のあるものにしていただけるかというのは、私たちのお願いにもかかっていると思うんですけれども、私のようにほぼ365 日患者の相談に携っておりますと、ここに何を書いて、何を申し上げたらよろしいのか、分からないというのが本音でございます。
 それで、120 疾患という疾患名が出ませんでしたので、本当のことを言いますと、私は出来るだけこの疾患にはこういう点をということを例示させていただきたかったんです。
 それで、総論的なことをこちらに書きましたけれども、今、斎藤先生の方からも大分共通のことが指摘されましたので、大変ありがとうございました。私は、4番につきましては本当に身近な問題、私自身の経験からも今、患者さんたちがどんな悩みを持つかというと、大体病院ではもういいよと言って退院しても在宅、家庭環境、お部屋が狭いとか、あるいは家族がいないとか、そういうときの精神的な不安がまず一番に家族から持ち込まれます。病院で退院と言われたけれども、家族で看護する人がいないし、部屋が狭いし、どうしようかというような問題が多い。
 それと同時に、一人暮らしとか、エレベータのないアパートではここに記入しましたように、今ごみ問題で地域とのコミュニケーションが崩れてしまうんですね。せっかく退院してきても、あそこのうちは病人がいてごみを決まった時間に、決まったところに出さないとか、そういうことで問題になりますので、地域とのコミュニケーションの上でも是非、例えばここにあります補助具、自助具などを入れると古いベッドが要らなくなる。そうすると、それを出すのが、私自身もうちはごみの山になってしまいましたけれども、古いベッドを持っていっていただきたいと区にお願いしても、東京でも集めるところまで、粗大ごみなどは朝8時までにどこどこの場所に出しなさいと言われるんですね。私一人ですと、とてもテレビも持って出られませんから、次々と壊れた機械は残ってしまうという現状がありますので、是非日常ごみと粗大ごみもヘルパーさんの中で、粗大ごみの方はヘルパーさんじゃないですけれども、地域とのコミュニケーションが崩れないために、日常ごみは追加していただきたいと思いました。
 それと、皆さんの話を伺っていますと、寝具のここでは清掃、乾燥等とあるんですけれども、2時間ではお布団を干してもらって片づけてもらうというのは時間帯によって出来ないということなんですね。それから、いらっしゃる日が雨であったり、お天気の具合にもよりますので、むしろ自助具の中に布団乾燥機のようなものを私は整備していただいて、清潔のために、患者のために、2時間の間で布団乾燥機で干せなくても乾燥してもらえるというような、そういうものを取り入れていただけたらありがたいなと思いました。
 ほかに細かいことはたくさんありますけれども、病気によって症状が違いますし、それから家庭の構造とか地域、非常に過疎地に住んでいらっしゃるか、東京のど真ん中という都市部であるか、市町村部であるかということでも大きく違うと思いますので、その辺はやはり地域に合ったサービスということがとても大切だと感じております。
 次に、8番のヘルパーさんの研修について感じたことを申し上げます。難病というと大体目で見て分かる人、一番問題はここに書いてある他、他施策にならない人というのが最後に出ているんですけれども、私自身も非常に苦労をしていますし、それから最近特に増えているのが、自律神経失調で体温調節が出来ないとか、病気になったことによって湿疹が出るとか、今の新建材によるかぶれだとか、実際に患者のお宅を訪問すると新建材で、これはむしろ食べたもののアレルギーではなくて建材アレルギーではないかと思われるケースが大変あります。
 ところが、患者さんは薬を飲んで、それは全部薬疹だと思い込んでいるんです。それで、皮膚科を転々としているというようなこともあります。
 それから、着る物が昔のように綿ではなくてほとんどが化学繊維のものですから、そのアレルギーなども非常に最近増えてきております。だから、そういうことも含めて衣類、体温調節、湿度乾燥、湿度があることはここにも書きましたけれども、患者さんが痛いとか、熱が下がらないというので、実際に患者さんのところに行ってみると静電気がぱりぱりと下りて、それで痛みが増しているというようなこともありますので、そういうこともヘルパーさんの検診の中に、それは気のせいの痛みとか何かというのではなくて、部屋の湿度とか乾燥がその病気にとってどうプラスされ、マイナスされているかということを是非学んでいただきたいと思いました。
 それから、これはここに書いたとおりなんですけれども、神経難病の人を除いて潰瘍性大腸炎にしろ、ITPにしろ、今、副腎皮質ホルモンが多くの方に服用されていまして、血色がよくて病気自体は大変重症であっても見た目に何でもない。かわいそうじゃないから、家族の人にもなかなか理解してもらえないというようなこともあります。それで、みんなに顔色がいいねと言われるととてもショックだという声をよく聞きますので、その辺は顔色で判断しないでいただきたいということは基本的な研修の中に取り入れていただきたいと思います。
 その意味では、障害者とか、お年寄り、障害児というのは見た目でかわいそうな人で手助けしなきゃいけない人、目が不自由だから手を貸してあげなきゃいけない人と思われますけれども、難病患者の場合にはそうではない。顔色がよくても熱があるのではないか、あるいは薬が今、量が多いのではないかということも一応基礎知識として勉強していただきたいというふうに思いました。
 それと、病気によっては全く体温調節が出来ない病気があります。それが果たして120の難病に入っているか、入っていないか。それを私は今、大変危惧いたしております。 例えば、120 疾患を見せていただいた後で、この病気には是非こういうことをと申し上げたいことがございます。
 それから、一番最後に、これは全部を拝見したときに最初に感じたことなんですけれども、難病対策そのものがスタートの時点もそうでございましたけれども、他法優先という言葉と同時に連携という言葉が出てきますけれども、今、私のところにある相談ですと、大変福祉がいろいろな分野で老人福祉、児童福祉、母子家庭の福祉というふうにたくさんメニューがあるものですから、自分はどれを選んだらいいのかということがあります。
 あとは、都道府県からの問合せでは、難病の申請に行ったけれども断られたといいまして、その県にお尋ねしてみますと、うちはもう難病は予算がないから、この人は身障手帳を持っていたので障害福祉の方で対応してもらっていますとか、そういう答えが返ってまいります。
 あるいは、各市町村辺りから、この人は難病患者で申請すればいいんでしょうか、それとも老人でいいんでしょうか、障害者でいいでしょうかと、そういう末端の地方行政の担当の方が、どの制度を利用することがいいのかということでおろおろとしていらっしゃる問合せもありますので、この辺をもう少し明確にしていただいて、申請する当事者はどこへ行ったらいいか分からないという迷いがありますけれども、窓口の方に、ここに書きました例ですけれども、66歳で身障2級の人で難病患者の人はどこが本来の福祉の窓口なのか。そういうことも示していただく必要があるんじゃないかなと日常の相談の中から感じております。
 そのほか、細かい点はこれからまたこの施策が動き出すと、それぞれ患者側あるいは地方行政の方からまた問合せがありまして、もっと具体的にこういう問題がありますということを申し上げられるんだろうと思いますけれども、先ほど斎藤先生の方から御指摘がありましたように、難病患者でも東京近郊の人はほとんど町田の奥であっても、東京のど真ん中の病院でも、療護施設などはそこの施設の職員さんが付いて東京のかかりつけの病院に行きますけれども、難病患者はお医者さんに付いて移動して、栃木県から神奈川の病院に行っている人や、大阪で発症した人は大阪の先生が東京に転勤するとそのまま東京に通っているとか、そういうケースが大変ありますけれども、ここの在宅、ホームヘルパーをお願いするような方は恐らくそういう方ではないと私は思いますが、関東均一ならば、それは大いにあることだと思うんですね。その辺、通院というのはどこまでが通院としてヘルパーの対象になるのか。その他の通院はどうなるのか。
 それと、もう一つは東京は非常に手当というものが発達していますけれども、地方に行くとほとんど手当がありませんから、身障1、2級と難病で申請するのでは非常に差が出てくるんですね。むしろ難病患者として受けると、ほかのものは医療費の公費負担しかないけれども、身障1、2級だったら身障1、2級の方が交通費の割引きとかいろいろなものがございますから、今はもうそうだったら身障でやった方が福祉的な恩恵がありますよというようなことになります。
 最後に、そういうことも今後また出てくると思いますので、追い追いそういうところはとにかく今スタート台に立ったところですから、いい福祉にしていただくために私たちも努力したいと思います。そのために、また何回か話し合いを持って改善をしていただければとても幸せだと思います。
 基本的なことは、ここに書かれている入浴介助とか、排泄介助とか、これを必要とする人は既に身障1、2級だと思うんです。だから、身障手帳を持っていない難病患者、3級以上の難病患者だったら該当するのかということがどこにも明記してありませんでしたので、それは私の質問にさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
黒川委員長
   どうもありがとうございました。
 そういう意味から言うと、難病といってもどのぐらいの日常生活が出来るのかという話の範囲を少し見直すところも必要かもしれません。どうもありがとうございました。今、患者さんの立場の方から……。
 どうぞ。
荒川補佐
   先生の今の御質問の件をお答えさせていただきます。
 確かに、先生がおっしゃられますように、医療費の公費負担の部分などにつきましては難病での公費給付の方を受けるのか、もしくは身障者の更生医療の方を受けるのかというようなところは、実は範囲が余り明確になっておりません。特に、65歳以上の人に対しても難病の医療給付は公費負担がありますので、どちらでいくのかという問題は確かにあると思います。
 それで、先生がもうおっしゃられたとおりで、身障1、2級でもらった方がほかのいろいろな手厚い福祉がありますので、飽くまでもそういう点で患者さんの立場に立ちますとやはりそういうことだろうと思います。
 ただ、今回の福祉につきましては、私の先ほどの説明でちょっと不十分だったかと思うんですけれども、要するに障害の制度と老人の制度の透き間を何とか埋めたいということでございますので、障害の方、もしくは老人の方で福祉サービスが受けられる、そちらに該当しておられる方については、難病の今回の福祉は該当しない。ですから、どちらにも入らない患者さんについて給付をするという考え方です。その点は、今回の福祉については明確だろうと思います。
 それから、身障の3、4級ぐらいの場合はどうかという程度の問題だろうと思うんですけれども、実際にケース・バイ・ケースでかなりいろいろなケースは出てくるんだろうと思うんですが、難病の種類によっては一時的に非常に悪くなった。だから、その悪くなった時点では1、2級ぐらいの程度まで悪くなるんだけれども、病状が改善してくるとだんだんよくなってお元気になってくる。こういう疾患の程度とか、身障の程度とかというのは固定していないと身障制度に乗れませんので、認定を受けられませんので、そういう一時的に悪くなったような方を何とか今度の制度でヘルパーを派遣するようなことで対応していきたいというふうに考えているところなんです。
佐藤先生
   1つよろしいですか。
 例えば、再生不良性貧血で退院してきて、安静度のようなものというふうに解釈したらよろしいんでしょうか。寝たきりかというと、寝たきりではないし、自分でトイレにも行けますよね。だけど、洗濯をするとか、お掃除をするとか、そういうことは出来ないですよね。昔、結核の安静度というのがありましたけれども、あんなふうなことをイメージすればよろしいんでしょうか。
荒川補佐
   それは非常に難しくて、この要介護度をどういうふうに判定するかという問題があるんだと思うんです。
 例えば、老人などの場合、完全な寝たきりとか、準寝たきりとか幾つかありますけれども、あの基準だけで統一的にやってしまいますと今、言ったような患者さんは寝たきりじゃないんだからまあいいじゃないかということでランクが低くなってしまう。だけれども、現実には医療上の必要としてはかなり必要度があるんだというような場合、その辺のところをケース・バイ・ケースで判断するために実は診断書を取って、その診断書と、それから当然、町の職員が訪問するなり何なりして判断をしていく。そこで、診断書でその疾患名だけではなくて症状とか、それからホームヘルパーによる便宜供与に当たっての医学上の留意事項、特にやってはいけないような禁忌事項とか何かというものがありますけれども、そういうものを書いていただいて、その疾患の状況に応じて判断をしていくということなんです。
 ところが、そうなんですけれども、全く市町村の職員というのは、約 120と先ほどから言っていますけれども、そういう疾患について一つ一つ知識がある訳ではありませんし、具体的にそういうケースに当たっての判断が的確に出来るかという問題が1つあるんです。その辺の点を考慮すると、何か明快な基準をびしっとつくってくれと。要介護についての基準をつくってくれという要望もあるんです。それは、市町村や都道府県の方からもあるんですけれども、実際、本当にそれが出来るかという問題もありまして、実は一番悩ましいところなんです。
 答えにならなくてすみません。
佐藤先生
   むしろお医者さんの方が、何か月間の安静を要するとか、日常生活面上必要だとか、その辺はお医者さんの裁量に随分いくんじゃないかなというふうに私は思ったんです。
黒川委員長
   その辺も確かに難しい問題だと思うんです。皆さんは、私たちも含めて難病と言われる患者さんに接していることが多い訳ですよね。それぞれの立場で見ているし、見ている疾患も人によって全然違うのではないかと思うんです。神経系疾患の人ばかり見ている人と、内臓を見ている人と、再生不良性貧血などという言葉などが出てしまうぐらいですから立場で随分違うと思うんです。ところが、行政でこれを施行する場合には行政的にやりますから、全然知らない人たちがやらなくてはならなくて、前の見直しも、それぞれの難病でもフラクシエートしますよね。そのときどうだときめ細かく出来るかというと、なかなか難しいと思うんです。
 病気でも、ADLとか重症度をそのステージによって決めてくださいとか、その120 疾患ですね。それを身障者と同じような大体のクライテリアをつくるかという話が出たと思うんですが、そこまでまだ十分に出来ていないので、出来るまでこれを待とうというのもちょっとまずいんじゃないかという気はします。
 そういう意味からいうと、いろいろな注文は出ると思うんですが、ある程度なるべくどちらかというと患者さんサイドには立ちたいんですが、どこまできめ細かく出来るかというのは、行政の施行するところではなかなか難しいかなという気がしてるんです。そこまで注文を出しだすと、なかなかこれはうまくいかない。実行に移せないのではないかという気はしているんですけれども。
佐藤先生
   たまたま私がそれを感じましたのは、ヘルパーさんの事業と日常の保障というのが一緒に出ましたので、それを比較すると、もし私が市町村の職員で見た場合には、こちらの日常の業務を必要とする人にヘルパーを派遣するというふうな発想になってしまうのではないかなと、ふと思いました。
 でも、今すぐそれを絶対解決していただきたいというのではなくて、患者の立場に立って、一人一人の難病と言われている患者さんの側に立つと、日常生活は寝たきりで非常に波が下ったときには患者本人は入院したいという希望が出てきますし、その辺でどうかなと思った訳です。
黒川委員長
   そこは難しいですね。この資料1にもあるんですけれども、35ページに、これは身体障害者とか老人福祉法での対象にならない人というのが決まっていますね。しかも、入院ではなくて在宅で療養出来るということが医者の判断で出来ている人ということですから、その程度がまた人によって随分違うと思うんです。在宅で入院する必要はないんだけれども、かなり低いレベルだと必要だと。よくなってきたら必要ではないんだけれども、やはり来てもらうといいなという人も出てきてしまうと思うんです。
 この辺が一つ一つの、我々医者から言うと、常に患者さんと1対1で接しているので比較的分かりますが、行政的にそれをするというのは極めて難しい問題を含むと思います。
佐藤先生
   私は、こういう制度が出来たというと、患者からは、では私はどういうサービス受けられますかとじかに聞かれる立場ですから非常に困ります。まだしばらく時間が掛かるという……。
黒川委員長
   ただ、一つ一つの疾患に重症度みたいなことがきちんと出来てしまうといいんですけれども、それは実際、施策上本当は必要ですね。前からそれは問題になっているんですけれども。
佐藤先生
   それと、地域性の問題も絡みますから。
清水課長
   一番最後に出ております研修事業ですが、そこには当然、各120前後の疾患の診断基準治療マニュアルというのはそれまでに間に合うように何とかつくろうと思っています。
 ただ、その場合でも佐藤先生が今おっしゃいますように、一人一人どうかというのは、そこはやはり今からお互いに携わる方が、お医者さんも含めて皆さん方お一人お一人のケースについてそれに合うようにお考えいただくということしかないのではないか。黒川先生がおっしゃられますように、診断基準治療マニュアルまではお示ししますが。
荒川補佐
   それと、先ほど35ページのところは私は説明しなかったんですが、実は35ページを見ていただきますと分かりますように、難病の福祉の制度というのはある日突然ばんと立ち上がる訳ではなくて、マンパワーの養成とか、そういう体制の整備が必要なものですから、平成8年から14年まで、大体7年間掛けてヘルパーさんの養成とか、それから例えば最初各市町村がどのくらいの需要を見込んだらいいのかですね。予算の立て方や何か、そういうことも含めて、ちょっと制度として定着して、市町村もどんどんやる市町村が増えてきて、ヘルパーさんもどんどん育っていくというためにはある程度時間が掛かるのかなと。そのためには、最初やはりちょこちょこでも始めてだんだんよくしていくという考え方で。
佐藤先生
   それは、私もそう理解しております。
 ただ、それにはやはり市町村の行政の方がそれを認定するというシステムになっても大変厳しくて、現場のお医者さん方の御協力が、診断書ですね。それに、私たち患者の立場では頼らざるを得ないのではないかなと、そんなふうに思いましたので。
黒川委員長
   お医者さんもグレーディングをするクライテリアがないので非常にやりにくい。その辺が、難病対策の整備の必要なところだということは前々からちょっと感じているんです。
 いろいろ御意見はあると思いますが、その次に比留間先生の方からお話を伺いたいと思います。
比留間先生
   私の方も、難病の患者さんについては老人の寝たきりと異なって、そのレベルですとか、生活能力がさまざまであるということと、変動するということゆえに障害者の枠に入らなかったということが基本にあると思うので、そのための難病や特定疾患の方に有利な施策でないとQOLは高まらないのではないかというのが基本的に思った考えであります。
 ですから、介護も寝たきりの家事的な介護の面もありましょうが、実際に先ほど難病患者リハビリテーション料というのもありまして、これはデイケアと異なるとおっしゃいましたが、時間的にも6時間ということで、デイケアという日中を有意義に過ごして機能を維持することによって出来るだけ進行を遅らせて、その訓練の生活を促進するというのがやはり難病患者さんへのQOLだと思いますので、そういったことのためにもある意味では寝たきりの状態や在宅の、家の部屋のその中にいる状態のことを維持するためのホームヘルプだけではなくて、外出でありますとか、他の地域事業のところ出向く、関連性のあるというところが、本来的には援助することがホームヘルプあるいは福祉施策の一番重要な観点ではないかなというふうなことを感じております。
 そういった意味で、先ほど斎藤先生のところにも書いてございましたガイドヘルプというふうな、外出のときに付き添えるような制度でありますとか、それから緩やから進行していく場合に、難病の患者さんの場合は、自分がどれだけ危い場面で安全に動けるかということをついうっかり自覚しないような状況もあり得て、非常に危険性があるということもまま見ることです。これは、神経難病の患者さんのような失調ですとか、ふらふらするとかというふうな場合もありますし、やはりステロイドをお使いの膠原病系のものとか、それからリウマチの患者さんなどもかなり御自分の状況についての判断はなかなかしにくくて、生活がしづらいというのが現状になりますので、家の中で暮らされる状況と通院、それからリハビリテーションにお出掛けになるとか、社会的な活動に出掛けられるような意味でのホームヘルプの体制が必要かなというふうに思っております。
 実施主体のところについては、先ほど社会福祉法人というのが特別養護老人ホーム等をというふうにありましたが、私はリハビリテーションの形で生活自立の方をやっておりますので、多くは何か身体的な配慮というふうな面も考えたものですから、このような観点も考えます。
 それから、便宜の場合については先ほど申しましたとおりでございます。
 それから、もう一つは便宜の内容のところなんですが、意思伝達装置、あるいは情報伝達機器の操作に関して、通常のホームヘルパーさんではなくて、こういったことを専門にヘルプ出来るような、若い層の人たちというのが活躍するとは思うんですが、難病の患者さんが、特にALSの方ですとか、それから失調等で言語が不自由になる方、それから視覚的にベーチェットのように状況判断とか、情報収集しにくい難病の症状もございまして、既設のときにはコミュニケーション・エイド等の機器を使わないと、なかなか意思の伝達が出来なくて、そのことがヘルパーさんにとっては非常に受容するにも受容出来ない。何を手伝えばいいのかということもはっきりしないということで、精神的な負担になるところが非常に多いものであります。
 ですから、移動であるとか、その動作的介助だけではなくて、意思伝達に関する対策をすることが非常に必要になってきて、その辺を補助する器具等に加えいただきたいというのが私の意見です。
 最近はインターネットもございますし、ある意味では操作を単純にすれば、例えば声が出なくてもちょっと特定のボタンを押せればトイレに行きたいとか、背中が痛いとかというふうに伝言化する機械は多々あります。それは初歩の段階で、ゲームと同じ感覚で使えます。
 それから、徐々に進行していきますと、いきなり例えば目が見えなくなったり、手が動かなくなった状態でそれを使い始めるということは非常に困難な訳で、ある意味ではその前の段階で他の患者の様子を見たり、伝達をしてもらいながらということも必要で、そういったことを専門にするヘルパーさんが難病特有の対策としてあってもいいのではないかというふうに思っています。
 この辺は、今回はそれこそ立ち上がりのことですから、何もかもということは難しいと思いますが、ある意味ではガイドヘルパー的な、あるいは役割に応じたヘルパーの役割を拡大していくというふうな内容でも構わないと思うんですが、そういった形での難病の特性に対応する対策をするんだということはどこかにあってほしいなというふうに思っております。
 それから、派遣期間の記入については変動するということで、ある意味ではホームヘルパーさんを断わりたいんだけれども、どうしたらいいか分からなくてずるずるなっているというふうなこともあるかもしれないし、その辺もなかなか判断がつかないということもありますので、あらかじめそういう期間的なものも定期的にというふうにありましたが、確認するという意味でこの辺の項目を付け加えておきました。
 それから、難病患者さんの研修についてですが、本当に先ほどの斎藤先生のお話にもありましたように、個別性がありまして、だんだん悪くなっている状況を相談されてもなかなか困ると思うんですが、ヘルパーさん自体のレベルの中に、まず難病というのは基本的にあってもいいでしょうし、もっと普遍化された問題なのかもしれないなということで、本来入っているような統合されるべき問題があるかなというふうに思いました。
 ただ、難病の日常の対応の中にある難しさというのは、ホームヘルパーさんが対応する範囲ではなくて、ホームヘルパーさんが必要に応じて医療的なスタッフですとか、再度診断書をいただいてその医療スタッフ、訪問看護であるとか、リハビリのスタッフを呼べるような連携性のものですね。一体的というふうな形が書いてございましたが、余りにも一般的な用語で具体的にどうすればいいのかという手続的なものはないので、例えばそういう医療的な特別な対応については、あるいは精神的な対応については連携するというふうなことを明文化しておかないと、ホームヘルパーさんが増えないのではないかなというふうに思いました。
 それから、ショートステイにつきましても、やはり身体状況がいい状態で判断されるので、診断書が要らない状態で在宅であれば、医療機関ではなくて確実にショートステイが出来るような範囲で構わないのではないか。それで、期間的にはその状況に応じて延長も可能だというふうにすることが必要だと思いました。
 それから、給付用具につきましては、先ほど言いましたコミュニケーション・エイドといったものとか、体位変換器等が不要だというお話もありましたが、私などは今度は重症の患者さんで、なおかつ難病としてのQOLを維持していただいて、生活をしていただくためには、ある意味では重装備が必要な場合に対処出来るというふうなことも必要かと思います。
 例えば、車いすなどというのは身障の範囲で出来ますが、身障の範囲だから余計制限されるということもままあることで、そこに例示をしておきましたが、特殊装置付の車いすというのは、例えば体の動き、傾きを変えられて、それから人工呼吸器ですね。既設をしているときの呼吸器の搭載が可能になっていて、それから体がある程度固定出来るようにマット等が備え付けられていて、それから人が手元でブレーキが締められて、後ろから押しますから、表情の観察用のミラーとかがあると、具合が悪いときにはすぐに対応出来る。
 それから、そこで手を乗せてコミュニケーション・エイドが使えるというふうな、例えばこういった装置が必要な場合もあり得る訳なんですね。それで、これは身障の手帳などでは逆に取れないという制限があって、必要に応じて取捨選択をして、ある意味では給与ではなくて貸与も出来て、その辺の加減が出来るというふうなことも必要になってくる。
 それから、3番の上肢機能補助装置というのは、例えばジストロフィー系の上肢の動きが非常に悪くなってくる難病や特定疾患も多くございますので、上肢を持ち上げておく装置があれば、ある程度の介助をするにしても、非常に家庭的な範囲の中で行える。こういった具体的な生活につながるようなものを給付としていただきたいと思っております。
 以上でございます。
黒川委員長
   ありがとうございました。
 この後、短期入所その他についてもちょっとこの要綱を説明させていただきますので、また御意見を後で伺いたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、福原先生に次にお願いします。
福原先生
   先週、私は木曜から土曜日まで学会がありまして、十分準備が出来ませんで、レジュメがちょっと見にくいかもしれませんけれども、まず先ほどから話になっていますように、身体障害者福祉事業と老人福祉事業との関係が問題になりますけれども、今日、都会、田舎を問わず1世帯当たりの構成人員の数が非常に少なくなっておりますから、難病にかかわらず、一たび障害者が出た場合には家庭の介護力が非常に悪いものとなっております。そのような家庭に対する介護力の導入は広く必要でありまして、単に難病ということではなくて、そういう広く介護力を外から導入する一環として、これも考えるべきものであって、その障害の程度を中心にして考えるべきものと私は思っております。つまり、疾患の種類とか年齢によって区分すべきものではないというふうに基本的に考えております。
 しかしながら、現実の身体障害者福祉法による障害等級の区分は、四肢の切断であるとか、関節の拘縮とか、そういった状態とか疾患に対しては非常に重く、いわゆる小脳失調あるいは錐体外路症状で表されるようないわゆる神経難病のものに対しては非常に低い判定がしてあって、同じ等級であっても随分不利になっております。そういう意味では、難病患者ホームヘルプサービスとして特に掲げる意味は非常に大きいものが私はあると思います。
 それからもう一つは、先ほどから特定疾患のいろいろな特徴が言われておりますが、触れられなかった1つの特徴として、特定疾患のかなりのものにホームヘルプサービスが対象となるような特定疾患の多くのものに家族性がある。つまり、遺伝性の疾患であるということがあるんです。つまり、患者が1人出ますと、その家族もまた患者になる。つまり、自分の夫の介護をしながら子どもの介護もしなければならないという状態が決して少なくはないという状況です。1つの家の中に何人も患者を抱えるという状況がある訳です。
 そういう意味からこれを見ていきますと、便宜の内容ですが、事業主体とか事業対象者については特に加えるべき意見は持っておりませんが、便宜の内容については、身体ヘルプの一環として、まず第1番目にベッドよりいすに移すとか歩かせるなど、家庭で普通に行っている程度の簡単なリハビリ行為も当然入れるべきものと考えております。後で難病ホームヘルプの研修事業が出てくると思いますが、それは一般のホームヘルパーの研修の上に立って行われるんだろうと思うんですけれども、私たちの病院では新潟県の依頼を受けまして、ホームヘルパーのために生活リハビリ講座という、いわゆる老人福祉法に基づくヘルパーの養成ということを2泊3日のコースでみっちりやっているんですが、その内容の大体3分の2は、具体的なリハビリに関する講義と実習なんです。非常にそれは喜ばれています。
 そういうことから考えても、今のヘルパーさんたちはかなりそれを必要としていらっしゃると思うんです。また、その知識も持ってきていらっしゃると思いますから、こういうようなことは当然入ってきていいと思います。
 第2番目に、これもよく言われることですが、吸痰というような行為を是非加えてほしい。吸痰はヘルパーの行為であるか、医療行為であるか、よくディスカッションの対象になるんですが、家族が最も必要としているのは吸痰という行為なんですね。吸痰という行為をヘルパーさんがなされないとすれば、家族はベッドサイドから離れることが出来ないんです。
 第3番目には、通院時の送迎、付添い。
 第4番目には、私たちのところは裏日本にありますが、冬期積雪期における除雪という問題があります。現在、老人家庭に対してはその市町村が人を派遣して除雪をしてあげるということが行われていますが、それと同じレベルでこういう難病の患者の家庭に対しても派遣してほしいというふうに考えられる訳です。
 それから、希望が出ておりましたのは患者を、例えば気分転換のために外出させたいと思っても、そのための車が一々福祉タクシーなどを頼んでいますと相当の額になります。それで、そのときに 市町村では老人福祉における入浴サービスの送迎用に寝台車などを持っている訳ですから、それを使わせてもらえないだろうかという声があります。
 それから、次に対象者の決定です。新潟市は人口40万人ですが、難病の患者に対するホームヘルプサービスというのは私のところは非常によくやられていまして、恐らくここで計画されているようなことは既に行われていると思うんです。それで、新潟市40万人の人口のうち、特定疾患の認定者は約1,000 人、うちヘルパーの派遣を受けている者は80人です。それで、その80人のうち60人はいわゆる神経難病の6疾患で、それ以外もいわゆる身体障害、神経症状を持っている者なんですね。
 そういうことから考えますと、恐らく神経難病ホームヘルプサービスの対象となるのは、さっき120 疾患と言われましたけれども、神経難病6疾患を対象として計画してきてまずぬかりはないだろうと考えられます。
 それで、先ほど問題になりましたが、どの程度のサービスを行うかというのは行政の窓口の担当者だけで決める訳ではなくて、当然ながらそこではヘルパー、保健婦、病院看護婦、主治医あるいは専門医の参加する調整会議が主導権を持ってそれを諮らなければうまくいきませんし、どうしても調整会議というのは必要不可欠なものであります。そういうところで行われますから、余り診断書をどうのこうのということは考える必要はないと私は思っています。実際的な運営がなされればいいと思います。
 なお、診断書料については現実には現在市町村に対する情報提供料として保険請求出来ますから、患者負担はないということです。
 それから、そういう観点から、難病患者でヘルパーが必要な場合は大体次のようなものかと思われます。
 第1番目には、在宅人工呼吸器使用をしているALS患者のような非常に重度の看護が必要なものですね。たとえ介護、看護に当たる家族があったとしても、これは一人の人では当然賄い切れない。外からかなり濃厚な看護的援助を入れ、家事、簡単な看護の援助にヘルパーを入れる必要があると思います。
 第2番目にはパーキンソン病、それから脊髄小脳変性症、多発性硬化症、あるいは後縦靭帯骨化症というような神経難病ですが、あるいはそこには呼吸器を使用するる前のかなり進行した筋萎縮性側索硬化症も入ると思いますが、長時間患者さんを放置しておいても大丈夫だけれども、患者さんのADLに援助が要るというような場合ですね。そういう患者さんであって、家族が高齢化あるいは家族が、例えば若くても昼間仕事があって面倒を見られないというような場合は、いわゆる身体障害者福祉法における障害の1級から3級に相当する者として同じように扱っていっていいんだと思うんですね。
 それで、新潟市の場合は3級からヘルパーさんの導入を行っているんですね。全国レベルでは2級からだと思うんですけれども、2級ではとても足りない。少なくとも3級以上の者ではヘルパー派遣が必要であります。
 第3番目は、多発性硬化症とか重症筋無力症などの場合で、まだADLは何とか自分でやれる程度のパーキンソン病あるいは脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、そういった場合ですが、その場合でも患者が家庭の主婦であるというような場合、あるいは一人暮らしであるというような場合には、例え障害が4級以下であってもヘルパーの導入は必要です。それで、これは状況を見て臨機応変に導入を行う必要がありますし、これは難病のいわゆる調整会議のようなところで、実際に患者さんを見ている実務担当者から提案されて導入されればいいと思うんですけれども、そういう場合でも、例え障害が4級以下であっても導入出来るようなフレキシビリティーが必要だと思います。そういう場合は、例えば週2回というような機械的なものではなくて毎日、例えば午前1ないし2時間、あるいは午後1、2時間というような毎日の導入が必要になってきます。
 それから、次にホームヘルパーの研修です。研修は望ましいことではありますけれども、難病だけを特別扱いにするというのではなくて、能力のあるヘルパーであるならばどのような疾患でもそれぞれの障害に応じてヘルプ出来る訳ですから、いわゆる地域ケアシステムが本当に機能しているならば、この地域ケアシステムというのは長い間の難病のケアシステムの班会議の努力によりまして全国的にかなりのボトムアップが出来てきていると思うんですが、この地域ケアシステムを本当に動かして定期的なケース会議、これは少なくとも月に1回は必要だと思うんですが、ケース会議が開かれまして、担当患者について医師、保健婦、看護婦がそれぞれヘルパーに対して会議の場で、この患者についてはこういうことが必要なんだということを教育していくならば、そのことだけでも十分な研修になり得るように私は考えております。
 それで、このことは老人あるいは身体障害者対象のヘルパーさんたちと共通の問題でありますし、先ほど問題になりましたヘルパーのバックアップというようなことも、そこにおいて行われ得る訳です。
 それから、先ほど言いましたように、難病だけ特別扱いするのではなくて、金の出所は違ったとしても、運営はほかのものと一体化してやる必要がある。それで、実務担当者による定期的なケース会議は必要不可欠と申しましたけれども、現在そういう会議がいろいろありまして、あるんだけれども、反面、どれも中途半端でなかなかうまく上がっていないというのが実情かとも思うんですね。
 例えば、地域高齢者サービス調整会議、これは市役所の福祉課などが中心になってやっているようなところ、あるいは保健所の保健福祉サービス調整推進会議、そういったものですね。
 それで、大都市では難病だけを別枠でやることも可能ですけれども、人口数万以下の都市では、そういうふうに疾患ごとに分けていたのでは出席する実務担当者はみんな重複していますから、とても応じ切れない。だから、一本化して包括的なそういうカンファレンスをやる必要があると思うんです。
 しかし、またそれよりももっと小さいレベル、人口1万人以下の市町村レベルでは、会議をそれぞれの市町村別に開くとしたら、これまた専門病院の医師は対応出来ない訳です。保健所の保健婦も対応出来ない訳です。その辺の調整をどういうふうにしたらいいか、重要な問題だろうと思います。
 それから、あとの問題はまた別個に触れますでしょうか。全部述べますでしょうか。
〇黒川委員長
   今から触れます。それでは、その後で意見を伺ってもいいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ちょっとこの手順が、専門家の先生方に今回の要綱の資料が全部いっていますけれども、こちらの先生には全部いっている訳ではないので、ちょっと資料について日常の生活器具とか、ショートステイのことの要綱を簡単に説明していただいて、それから質問をさせていただきます。御意見を伺いましょう。
○荒川補佐
   それでは、ちょっと後追いになりますけれども、各事業要綱の要点だけ説明させていただきます。
 資料の4の難病患者の入所の運営要綱ですが、目的、事業主体は先ほどと同じでございます。
 それで、対象者も同じでございます。
 実施施設が、これは医療法に基づく医療機関ということでございます。本当は老人とか身障関係のものも取り込みたいんですけれども、それぞれの施設について入所要件等がございまして、例えば更生施設などについては身体障害者の手帳を持っている者でなければだめだというなことがあったりします。これはやむを得ずというか、それから難病患者の場合、病気が急変するというようなこともありますものですから、それで医療提供機関ということで設定しております。
 保護の要件で、社会的要件でほとんど入っていると思うんですが、私的な理由として、例えば個人的には旅行というような場合が考えられるのかなということです。
 それで、保護の期間についてはいろいろ御議論のあるところだろうと思いますが、原則7日以内ということですので、障害の場合は原則という言葉が入っていませんでただし書きで延長措置がある。老人の場合は原則という言葉が入っていまして、なおただし書きもあるんですが、難病は余り長期に入院ということは考えらないのかと。その場合は、ショートステイではなくて要するに入院かなということでこういうふうな形になっております。対象者の決定につきましては、基本的には同じでございます。ホームヘルパーの派遣等です。
 ただし、ここで1つだけ違いますのは、ショートステイの場合は緊急を要する場合がある。要するに、見ている家族の方、介護に当たっている家族の方が急に病気になってしまったとか、急な冠婚葬祭が出来たとかということがありますものですから、その場合には事後手続でも差し支えないという規定が入っております。
 費用負担、実施上の留意事項等、それからその他のものについては先ほどのホームヘルパーの場合と基本的には変わっておりません。
 それから、資料の5でございますが、日常生活用具の給付でございます。
 これは、目的は同じなんですが、老人、身障の場合は貸与が入っておりますけれども、今回はまだ制度が立ち上がる段階でございますので、貸与についてまでは現在のところ考えていないということで給付だけにしております。
 実施主体は、市町村ということで同じです。
 用具の種目、給付対象を市町村長が本当に必要だと認めたものについて行うということになっております。
 それから、4番目の用具の給付の実施でございますが、これについては診断書についてもいろいろ議論があろうかと思いますけれども、診断書を参考に判断をしていくということになっております。
 その他、費用の請求とか給付台帳の整備、これらの規定はそれぞれ身障、老人の場合と同じになっております。
 それで、次のページの6種目ですね。給付対象の6種目が入っております。どうしてこの6種目を選んだかといいますと、事前に現場の保健婦さんですね。都道府県の保健婦さんなどにアンケート調査等をいたしまして、一番需要が多い。それから、予算等の関係もありまして、将来順次増やしていくとしても、当面必要最低限度のものとしてどんなものが考えられるかということでやりました。それで、既存の福祉の中から在宅で必要な6品目を選択しました。
 それから、負担基準は次のページにございますが、これは基本的に身障の場合と同様になっております。
 それから、資料の6ですね。ホームヘルプの研修事業の運営要綱(案)でございますが、この場合は2番の実施主体ですが、都道府県または指定都市ということで、これだけは市町村ではございません。
 それで、対象者は難病患者等ホームヘルプサービス事業に従事することを希望する者、それから従事することが確定している者、または既に従事している者、これは基本的に老人、障害者の場合と同じでございます。
 それで、研修のカリキュラムでございますが、3行目のところ、中ほどから書いてありますが、ホームヘルパー養成研修事業、これは老人と障害の関係のヘルパー養成事業でございます。この実施についての1級課程、2級課程、3級課程のいずれかの研修の修了者または履修中の者に対して別紙1のカリキュラムにより特別研修を行う。要するに、既存の老人、障害の研修に上乗せをするという考え方でございます。難病だけの独特のヘルパーを養成するということではございません。
 受講の対象者、研修時間についてはこの表にあるとおりでございまして、3級課程に乗せる難病の入門課程については特別研修として4時間を乗せる。2級課程については、難病基礎課程として4時間を乗せる。それから、1級課程については難病基礎課程として6時間を乗せるというようなことでございます。
 あとは、修了証書の交付とか、次のページの研修会の参加費用の問題、それから養成研修事業としての指定、実施上の留意事項、これらはすべて障害、それから老人の制度に準拠をした規定の内容となっております。
 あとは、カリキュラムにつきましては別紙1が更に次のページに載っております。
 それから、別紙2で一部免除ですね。研修免除のことが載っております。
 それから、更に4ページ以降ですか。研修カリキュラムの案でございますが、それぞれ現在の段階での案ということで載せております。
 以上でございます。
黒川委員長
   ご覧のように、従来あります身障者あるいは老人に関する施策に大体基本的に基づいてつくられていると思うんですが、そういう訳で、今日の専門家の先生方には、これらのことについても御意見をいろいろいただいて資料7にしてある訳ですが、これらにつきまして先生方あるいはその専門家の委員の方から何か御意見がございますでしょうか。
 どうぞ。
福原先生
   短期入所事業ですが、老人福祉法に基づく保健婦の方は一般に市町村の保健婦が担当し、それから難病患者の方も保健所の保健婦が担当しというふうに業務分担していて、難病の患者を市町村の保健婦が訪問するということは、特別の場合を除いてはまずないんですね。
 勿論、ヘルパーの派遣を頼むとか、あるいは障害者手帳の問題とかで福祉の方と連絡を密にするということはありますけれども、そういうことを考えますと、難病患者の家庭の状況、ニードを最もよく早く把握出来るのは、市町村の保健婦じゃなくて保健所の保健婦だと思うんですね。
 そういうことを考えますと、またショートステイの対象が病院だとすると、そういう専門病院というのは市町村ごとにある訳ではなくて地域のどこか1か所、2か所的にある訳です。そうすると、ショートステイの事業主体はむしろ市町村ではなくて県として、例えば保健所長さんが実際的に出来るようにした方が、運営上非常にうまくいくんじゃないかというふうに私は考えるんです。
 それから、もう一点は実施施設です。先ほどもちょっと触れられましたけれども、医療機関のほかに、まだ軽い症状のうちは何も病院に入院しなくても特別養護老人ホームのようなところでも十分対応出来るんですね。また、私たち新潟県の特老を対象にしてアンケート調査もしたことがありますが、特老の側でも十分それを受け入れられるものがあるんです。
 ただ、現実には特老はいっぱいで、ショートステイがなかなか空かないという現実があるんですね。それで、例えば特老のショートステイのベッド数のうちの2割を難病の患者のために原則として使うというような決めがもしあるとすれば、非常に入りやすくなると私は思うんです。
 それからもう一つは、保護の期間は原則7日というのは常識的なあれですけれども、それに引き続いて入院が可能なようなことも必要なんじゃないかと思うんです。
 一番問題となるのはパーキンソン病だと思うんですが、家庭にいたときに分からなかったものが、ショートステイに入って、その間に薬の検討をして、またその間にリハビリもやってということをやっていますと、もう少しこの人は機能がよくなるということが分かって、それで入院を1か月引き延ばすというようなことは、今までも病院ではしばしばあることなんですね。だから、そういう点も非常にフレキシブルに期間を考えることが出来ると言えると思うんです。
 以上です。
佐藤先生
   基本的なことで、どうも私は認識が違っているかもしれませんので確かめさせていただきたいんですけれど、このホームヘルプサービスという事業を、私は簡単な家事手伝いというぐらいに考えていたんです。
 ところが、皆さんの御意見を伺っていると、訪問看護とか、在宅看護の要素が随分取り入られているようなんですけれども、その辺はどうなのか。それが1点です。
 それからもう一つ、神経筋硬化症のような特殊な疾患を対象とするのならば、難病患者などというふうにしないで神経筋疾患とすべきだと思うんです。そうでないと、一般の難病患者さんが混乱いたしますから、その基本的な2点をお尋ねしたいんですけれども。
 ホームヘルパーは、私が先ほど提案したのは簡単な家事の援助ですね。家庭生活の家事援助という立場で、私はこの意見を書きました。そうなのか、訪問看護なのか。
清水課長
   基本的には、佐藤先生がおっしゃいましたように、医療は医療機関で担保をされておられる。したがいまして、診断書にも診断名と、その症状が安定しているとか、そういうことが条件になって、在宅で十分医療は担保出来ているという、そういうところに介護の方を含めてQOLの向上を図ろうという目的であります。
 どちらかと言いますと、先生がおっしゃいますように、実際は介護している方が楽になられるように、したがってそれで患者さんのQOLも高まっていくという、本来そうなんです。
 しかし、実際に行かれますと、今お話のようないろいろな問題、例えば吸引をしてくださいとか、手伝ってくださいとか、いつもお魚を買ってくださいということばかりでなくて、そういうことになる。そこをどの辺で調整するかというところで、どれぐらい文字に書けるか。その辺が一番のポイントですが、そこを今から御検討いただこうという訳です。
 それから、2点目のところはメインは確かに福原先生がおっしゃいましたように、神経難病の方は多くなると思いますけれども、やはり消化器の難病患者もおられますし、これは対象としては飽くまでも従来の特定疾患調査研究事業の対象疾患とリウマチということでございますので、名前は従来のそういう考え方に基づいてやらせていただきたいと思います。
黒川委員長
   身障者にしろ、老人にしても、目的というのはそういう人たちのホームセルフサービス事業は自宅で、居宅で日常生活を営むことが出来るように便宜を提供するということですが、その辺の定義が人によって変わってしまいますね。
宇都宮補佐
   補足させていただきますが、そもそもこのサービス事業が始まるきっかけというか、その基本的な思想というのは、ある家には老人で生活不便な方がいらっしゃってヘルパーのサービスを受けている。それで、こっちの家では身障法に基づいてサービスを受けている。
 ところが、真ん中の家の難病患者さんは同じように不便な思いをしながらサービスを受けられない。そういった透き間を埋めて、同じようにサービスを受けられるようにするというのが基本的な精神ですので、医療行為とか、そういうことじゃなくて、やはり老人とか、身体障害者と同じように、生活面での援助を受けられるようにするという発想から始まっている訳です。
 そういうことですから、課長の方から言いましたように、看護とか医療というのは基本的には今回のサービスからは外れる。それで、福原先生の御質問の実施主体の話もあるんですが、そのような観点もありまして、現にサービスを行っている市町村というのがあって、効率的なヘルパーの運用とか、そういうことをいろいろ考え合わせると、県でという話もあるんですが、省内の中で議論した結果、ショートステイも含めて市町村事業として一体化してやっていく。つまり、難病だけ特別でなくてやっていくという話がよろしいのではないかと。
 それで、先ほど介護の基準とかのお話もありましたが、市町村の方で判定しやすいということになれば、基本的に現在市町村で行っている老人の介護度とか、そういうものを基準に考えるというような案となっている訳です。
 それから、ショートステイの病院ということについてですが、これにつきましては、先ほど説明の中にもあったと思うんですけれども、勿論、身体障害者施設あるいは老人の施設というお話もあるんですが、今回はとにかく最初の立ち上げですので、福祉側のサイドで難病の患者さんを受け入れた場合、何かあったら困るというか、対応出来ないんじゃないかとか、非常に心配していらっしゃるんですね。
 そういう面から、今回モデル的にというか、とりあえず医療機関の方でやってみて、それでノウハウを積むなり何なりして、この7年間で充実させていくということですが、それはある意味ではある程度モデル的な側面を持っておりまして、その7年間の後の見直しのときに、場合によってはそういう福祉施設の方へ広げるという議論も出てくる可能性があるということだと思います。
 あとは、原則7日に引き続いて入院可能な患者さんは入院させるとかというお話がありましたけれども、そういうことに関しては、むしろ医療施設で行った方が、そういった移行はスムーズに行われるのではないかなということであります。
 以上です。
清水課長
   御熱心に御討議いただきましたが、ちょうど時間になりまして、本来ならば延長をと思ったのでございますけれども、部屋の方が次が入っておりまして延長が利かないということでございます。
 それで、大変恐縮でございますけれども、委員の先生方、今日はほとんど御発言をしていただく機会もございませんでしたので、よろしければ2週間以内ぐらいに委員の先生方にもう一度お集まりいただきまして、今日の議論を踏まえまして御意見を賜って、これは6月いっぱいに作業をしなければいけませんで、あとは関係省庁との詰め、それから勿論、省内の詰めもございますので、出来るだけ早くこれをまとめたいと思っております。出来ればそういうことで2週間以内にお時間をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
福原先生
   是非、1分半だけよろしいでしょうか。
 日常生活用具とか、いろいろあるんですけれども、それと別個に、老人の場合は在宅高齢者等日常生活支援事業というものがあって、食事の配達、入浴サービス、寝具乾燥サービス、それからもう一つ何かありますね。そういったサービスはいろいろあるんですけれども、市町村を調べてみますと、そういったものは老人保健法によって80%から 100%の市町村がやっているんですけれども、身体障害者法を対象にしてはそういうことは3分の1ぐらいしかやられていないんです。
 そういうことを考えると、現在の市町村の設備ノウハウですぐ出来る訳なので、それも是非加えてほしいと思います。特に、さっき寝具の乾燥などございましたけれども、非常に役立つんです。入浴サービス、寝具乾燥ですね。
黒川委員長
   それはまた検討していただいて、施策上では福祉の対策という訳ですから、さっき事務局が言ったみたいに、身障者と老人との間に同じような日常生活の不便のある難病の人たちをそこまでならそうということころから始めようというような考え方で議論してみたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 先生方お忙しいんですけれども、もう一回集まっていただいて、来年度の予算に上げるという手続があるそうなので、事務局はそういうつもりですし、なるべくこの施策のせっかく見直しをやっていますので、一歩一歩出来るだけ難病の患者さんにもそういういろいろな不便なところ、医療サイドだけではなくて政策的にしてあげたいということです。
 本当に今日は時間が不十分で、委員の先生方にも大変御不便を掛けましたし、また、特別に来ていただいた専門の先生方からの御意見の聴取というか、御意見を伺うのも何か不十分で消化不良を起こしそうなところもあるんですが、事務局の方ではいろいろアンケート調査をしたり、実情についてもかなり調査をしていると思いますので、次回、今度の予算を上げると言っても、こちらが上げたから全部すんなり通るという訳ではありませんので、その辺も勘案して、事務局ともうちょっと打ち合わせながら、この委員会として来年度の予算に上げられるような施策を何とかしてみたいと思っていますので御協力をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○清水課長
   では、委員長の御都合のいい日程を言っていただいて、ほかの先生方と出来ましたらここで決めていただければと思います。恐縮でございます。2週間ですと、場所その他をすぐ押さえなければいけませんので、次回は委員の先生方に今日のことを踏まえまして御発言いただきたいと思います。
(日 程 調 整)
清水課長
   それでは、6月13日の午前10時から12時ということで、場所は取れ次第御連絡いたします。今日を踏まえまして、委員の先生方の御意見を賜るようにいたしたいと思いますので、事前に御意見をいただいておきましてと思いますので、会場を御連絡するときにアンケートの方をお配りしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
黒川委員長
   では、そういうことでよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

  問い合わせ先 厚生省保健医療局疾病対策課
     担 当 塚原(内2353)
     電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
         (直)03−3595−2256

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