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公衆衛生審議会健康増進栄養部会

脂質に関する栄養表示基準専門委員会議事録

厚生省生活衛生局
食品保健課新開発食品保健対策室

公衆衛生審議会健康増進栄養部会
脂質に関する栄養表示基準専門委員会議事次第

日 時 平成9年3月31日(月)14:00〜15:18
場 所 中央合同庁舎5号館共用14会議室

議事次第

 1 開 会

 2 挨拶

 3 委員及び事務局の紹介

 4 委員長の選出

 5 議事

1)会議の公開について
2)脂質に関する栄養表示基準について
3)その他
 6 閉会

出席委員

 小林 委員長
 荒木 委員、五十嵐 委員、板倉 委員、伊東 委員、浜島 委員、中村 委員、齋藤 委員


○竹下室長

ただいまから公衆衛生審議会健康増進栄養部会の脂質に関する栄養表示基準専門委員会を開会させていただきたいと思います。
私、新開発食品保健対策室長の竹下でございます。委員長が選出されるまでの間、進行を務めさせていただきたいと存じます。
まず本日の議題でございますが、お手元に委員会次第がございますけれども、委員長の選出、会議の公開について、脂質に関する栄養表示基準について等を予定をいたしております。
平成8年8月5日に開催されました、健康増進栄養部会におきまして、コレステロールの強調表示等、脂質に関する栄養表示基準について、専門家の先生方、消費者代表の方々、業界代表の方々にお集まりいただいて、専門委員会を組織して検討するようにという指示を受けまして、この専門委員会を開催させていただくわけでございます。
それでは開会に当たりまして、堺食品保健課長から御挨拶を申し上げます。

○堺課長

本日は3月31日という役所で言いますと、まさに年度末、学校でも明日から新学期というところでございます。
そういうなか、御参集いただきましてありがとうございました。また、この専門委員会の委員をお願いいたしましたところ、快くお引き受けいただきましてありがとうございました。御礼申し上げる次第でございます。
栄養表示基準は、昨年の5月24日から施行されまして、基準に沿った表示というものも市場でかなり見られるようになりました。今後、一般消費者の方々にその制度の周知を図ることが1つの大きな課題ではなかろうかということで、9年度はその一環として、学校の教育現場なども対象に含めて情報提供に努めていきたいと考えております。
もう一つは、大きな課題でございますコレステロールの「無」あるいは「低」、含まれていない、含有量が低いという基準の設定で、この委員会があるわけでございます。
ことしの7月にはコーデックスの総会でコレステロールの基準が承認される予定でありますけれども、このような国際的な動き、商品の製造実態等の調査も実施して、その結果も踏まえて御審議をいただければと考えております。
日程といたしましては、年度内ということは、普通だとすぐ口に出るわけですが、きょうがきょうでございますので、さすがの私もそこまでは言えませんので、年内にはということでお願い出来たらと思う次第でございます。
当初この制度が発足する過程、あるいはしばらくの間、多少この制度についての御意見やらなんやらというのがございました。ただ、だんだん少しずつではありますが、私の印象では定着してきたのではないかなというふうに思います。これは今までの経験からもいえるのではないかと思うのですが、私自身考えていることは、今までは役所は完璧なものじゃないと外に出さないというのが余りにもあり過ぎたのではないか。ですから決して欠陥品を外に出そうという意味ではございませんで、ある一定のものを出して、それにいろんな御意見をいただきながら、また、それをフットワークよく変えていくのが今後求められているのではないかという気が私自身しております。
今日、ようやく食中毒を防止するために家庭用の調理マニュアル、どういう点に注意したら食中毒が防げるかということのマニュアルを、これは米国の農務省が中心となったものがございますので、それをもとに、専門家の先生の御意見をいただきながらつくり上げて、今日記者発表をしたいと思って、広報室とも今調整しているのですが、そのこともとりあえず出そうということで始めました。恐らくこんなものは守れっこないとか、こんなに書いてあっては面倒くさくてしようがないとか、あるいはこんな不十分なもので食中毒を防げるのかと、いろいろな御意見が出てくるのではないかと思っております。
しかしながら無菌室の中で我々は生活しているわけではございませんし、また、家庭での調理は、今日キューピーの方もいらっしゃいますけれども、いわゆる食品工場でつくるような製品とはちょっと違います。大きく違うのは何かといいますと、つくってから市場に流通するという時間があるわけでありまして、ところが家庭の調理するものはつくったらすぐ食べるのが原則でございますから、当然注意の仕方の度合いは変わってくるのだろうと思っております。
それともう一つは、善玉、悪玉というのも余り好きな表現ではありませんが、いい微生物とは共存し、悪い微生物とは余り共存したくないというのが根本でございますから、すべての微生物をなくしてまでというのはいかがなものかという感じもいたします。
御存じのとおり、今年に入りましてからもO−157 の散発例がございます。3月に入りまして、3月の中旬、散発例の報告が急増しておりまして、特にその中心が神奈川県であったわけでございますが、家庭での調査はなかなか限界がございます。集団で起きますとメニューは決まっておりますが、家庭の場合には日々刻々変わります。ですから1週間前、例えば3日前何を食べたのかと聞いてもなかなか思い出していただけない。大体忘れているというのがありまして、しかも、なおかつ集団給食施設と違いまして、つくったもの、あるいは原料をマイナス20度に2週間保存しているわけでは当然ございませんし、そういうことも違うわけでございます。
O−157 の話ばかりで、隣の室長はいらいらして、早く始めないかと思っているでしょうけれども、まだまだ今の科学が進歩しているとはいえ、分かってきたことは、O−157 の全体のごく一部ではないかと思っています。1つ1つ分かってきたことを積み重ねることで、完全な対策がとれるというふうに思っておりますが、ただ現時点でも対策はとれないことはありません。
その対策の中で今まで一番欠けていたのが一般国民向けにどういう注意をしたらいいかということではないでしょうか。確かに去年の8月に折り込みで政府広報でやりましたけれども、それが私どもの反省点でございますし、また、これはあえてつけ加えますが、国民の方も食中毒に対して全然関心を払っていない無防備の状態で、しかも去年騒いだときには、食中毒に気をつけましょう、というのはどこかの頭の片隅にあったかと思いますが、今年に入って、恐らくまるっきりそれは抜けているのではないかという気がしております。
そのマニュアル、出来、不出来は別としまして、特に今日齋藤委員がいらっしゃいますので、今後これは関係団体にもお願いしながら御協力いただけたらと思っております。決してこれは主婦向けではなくて家庭向けでございますので、主婦だけが調理をするとは私は思っておりません。
そのようなことをしながら食品保健行政を進めていきたいと思っております。そのほかにもいろいろ課題はございますけれども、そういうことで、今後ともひとつよろしくお願いします。ありがとうございました。

○竹下室長

それでは今回専門委員をお願いいたしました8人の先生方を御紹介させていただきたいと思います。お手元の資料1に名簿がございますので、それに従いまして、御紹介をさせていただきます。
まず荒木委員でございます。
五十嵐委員でございます。
板倉委員でございます。
伊東委員でございます。
小林委員でございます。
齋藤委員でございます。
中村委員でございます。
浜島委員でございます。
続きまして、事務局職員の方の紹介をさせていただきたいと存じます。
滝本衛生専門官でございます。
池田食品保健課課長補佐でございます。
古畑健康増進栄養課係長でございます。
大江衛生専門官でございます。
片山でございます。
それから、本日、農林水産省の方でございますけれども、食品流通局食品生活課、食用油脂課の担当の方がオブザーバーとしてお見えでございますので、御了承いただきますとともに、御紹介させていただきたいと存じます。
それでは、当専門委員会の委員長の選出をお願いしたいと存じます。
最初の議題でございます。特に専門委員会につきまして、規約上、委員長の選出についての定めはございませんが、よろしければ、先生方の間の互選という形で進めていただければと存じますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

○中村委員

私は仕事柄、小林先生にやっていただいたらどうかなというふうに思いますけど。

○竹下室長

ありがとうございます。今、中村委員の方から小林委員に委員長という御推薦がございましたけれども、いかがでございましょうか。
(「よろしくお願いします」と声あり)

○竹下室長

ありがとうございました。
それでは、小林先生に委員長をお願いしたいと存じます。

○小林委員長

ただいま御紹介いただきました国立健康・栄養研究所の小林でございます。
この専門委員会が担当します課題でございますけれど、コレステロールというとかなり古くから、なおかつ分からないところの多いものでございまして、この表示のあり方の指針が、後で御覧になったらお分かりのとおり、コレステロールの摂取とプラス飽和脂肪酸という複合的な表示にかかわるものでございまして、これはこれまでも余り例のない、極めて高度な課題だというので、これは私個人としましては、覚悟を持ってかからなければいけないという印象を深くしております。
国際化の時代ということもございまして、このコレステロールという問題は心臓病の背景としまして、欧米では非常に関心の深い問題でもあります。また、我々にとっても大変警戒すべき状況にある問題だと思いますので、是非各方面の委員からの御支援を賜りまして、いい表示が出来るようにしたいと思っております。よろしくお願いします。
それでは、先ほどちょっとお伺いした中にありましたように、本委員会の会議の公開ということにつきまして、まず議題といたしたいと思います。これにつきまして、事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○事務局
それでは事務局からこの会議の公開等の関係につきまして説明させていただきます。お手持ちの資料で資料2というのがございます。まず本専門委員会の位置づけでございます。そこの1に掲げてありますように、昨年5月24日に施行になりました栄養改善法に基づく栄養表示基準制度におきまして、現在、基準が設定されていないコレステロールの強調表示基準というものがございます。その問題、また、ノンオイルドレッシングにつきましても特例を設けておるということがございまして、この問題につきまして検討するためにこの専門委員会が設けられたということであります。位置づけといたしまして、公衆衛生審議会の健康増進栄養部会のもとに「脂質に関する栄養表示基準専門委員会」という形で設けられたものでございます。
公開の件でございますけれども、資料3の4ページにございます。一昨年になりますけれども、平成7年9月29日閣議決定されたものでございまして、これは政府全体の審議会の透明化を図るという観点からその審議会等の公開などにつきまして定められたものでございます。
次のページ、5ページ目に「審議会等の公開」という形で規定がございます。読み上げさせていただきますと(1)「審議会等の具体的運営は、法令に別段の定めのある場合を除き、当該審議会等において決定されるべきものであるが、一般の審議会(一般の審議会と申しますのは前のページに定義がございますが、いわゆる行政処分でありますとか、不服審査、そういった事柄を取り扱う審議会を除く審議会を一般の審議会と位置づけております)は原則として、会議の公開、議事録の公開などを行うことにより、運営の透明性の確保に努める。」ということが原則的に決められております。
(2)一般の審議会は、特段の事情により会議又は議事録を非公開とする場合は、その理由を必ず明示することとし、議事要旨を原則公開とする。」
(3)議事録及び議事要旨の公開に当たっては、各省庁は、一般の閲覧、複写が可能な一括窓口を設けるとともに、一般のアクセスが可能なデータベースやコンピュータネットワークへの掲載に努める。」というようなことが、一昨年の9月に閣議決定されたものでございまして、公衆衛生審議会におきましては、この閣議決定を受けまして、基本的にそれぞれの部会あるいは総会につきましては、原則会議又は議事録を公開するという取り扱いをされております。一部予防接種健康被害認定部会という部会がございますけれども、これは個人の身体の状況等に関する審議をするということからプライバシーの問題がございまして、議事等については非公開となっておりますが、そのほかの部会、総会につきましては、基本的に会議又は議事録を公開するという措置をとっておるところでございます。以上でございます。

○小林委員長

ありがとうございました。以上、御説明のあったとおりでございますが、この委員会に関しては、いかが考えていこうかということにつきまして、御意見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょう。

○五十嵐委員

格段のことがないと思いますので、原則公開ということで。

○小林委員会

事務局の方から何かつけ加えることはございませんか。

○事務局

事務局といたしましても、基準設定の手続の透明化を図るという観点から、会議又は議事録を公開していただきたいたと存じております。ただ、会議の公開、すなわち第三者の方々を当日の会議の場にお招きをすることにつきましては、この審議の内容いかんによりましてではございますけれども、特定の商品について評価をすることも議論の対象になることも予測されますし、傍聴者の存在によりまして、発言すべきことを発言しづらくなることも全く否定出来ないと思われますので、まずは議事録を公開するという方向でいかがなものでございましょうか。
この場合、特定の企業あるいは特定の商品等に不利益になるような議論があった場合には、その部分については議事録上特定されない工夫をすることになろうかと思います。
○小林委員長
この件に関しましては、今、事務局の指摘のようなことがございます。出来れば、リアルタイムの公開にするのが一番手っ取り早いことになるわけでございますけれども、どのような問題が出てくるか、出てみないと分からないということがどうしてもございますものですから、当面どのような形で出るのかということで、今の提案のように、議事録公開からスタートしてみたらどうかということで御提案させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「よろしくお願いします」と声あり)

○小林委員長

ありがとうございます。それでは、本件につきましては、議事録を公開ということで当面考えていきたいと思います。よろしくお願いします。
先ほど省略いたしましたが、資料はおそろいですね。御確認いただけますか。

○事務局

資料といたしまして1冊あります。

○小林委員長

何番までございますか。

○事務局

1ページから17ページまで。

○小林委員長

資料7までと。

○事務局

はい。
○小林委員長
ページを御確認いただければ、まず間違いないと思います。

○事務局

それからもう一点、浜島委員から2枚綴りのものがございます。

○小林委員長

「コレステロールの表示について」というタイトルのものですね。

○事務局

はい。

○小林委員長

御確認ください。よろしいですか。
それでは、本題であります「脂質に関する栄養表示基準について」を議題としていきたいと思います。これにつきまして、事務局から御説明をお願いします。

○事務局

それでは御説明いたします。資料4、通し番号6ページからの説明を行います。昨年の5月24日に栄養改善法の一部改正を受けまして、栄養表示基準制度が導入されておりますが、それに至りました経緯をまず簡単に御説明をいたしたいと思います。
平成6年12月、これは厚生大臣の懇談会という形で設けられたものでございますが「食と健康を考える懇談会」から報告をいただき、食品の栄養表示についても一定のルール化を図るべきという御指摘を受けました。
その報告を受け、平成7年5月24日に食品衛生法と併せまして栄養改善法の一部を改正する法律が公布されたということでございます。栄養改善法の部分につきましては、その施行が公布後1年後ということで、昨年の5月24日に栄養改善法の一部を改正する法律が施行になったというわけでございます。
その施行に当たり、栄養表示基準を設定することとなり、上から4つ目のところでございますけれども、厚生省の事務局案として栄養表示基準案をつくりました。それを国内食品関係業界並びに消費者団体の方々に対し説明を行いました。それが平成7年10月のことであります。
併せて、諸外国に対しても説明をするということで、輸入食品円滑化推進会議というものを設けまして説明をしたところでございます。
このたたき台、事務局案に対しまして、各団体等から意見・要望・質問等の提出をいただきました。修正案を11月に作成をしてそれぞれのところに送付をしておるところでございます。併せまして、WTOへの通報を行いまして、正式には平成8年3月4日に公衆衛生審議会への諮問・答申という形をとりまして、平成8年5月24日に施行されたところでございます。
なお、この間、平成7年10月あるいは平成7年12月に健康増進栄養部会の懇談会を開催してさまざまな意見を伺っておるところでございます。
施行後でございますけれども、平成8年8月5日に、公衆衛生審議会の健康増進栄養部会を開催いたしましたところ、この「脂質に関する栄養表示基準」についても検討すべしという御指摘を受けまして、今回お集まりの委員の先生方にお集まりいただいて、検討を開始することになったものでございます。
それから現在の栄養表示基準の概要につきまして簡単に御説明をさせていただきます。次のページの資料5、7ページからでございます。既に御案内かとは思いますけれども、現在の栄養表示基準制度の概要につきまして簡単に説明させていただきます。
そこの一番上にございますように、この栄養表示基準制度につきましては、販売する食品に栄養成分・熱量に関する表示を食品の容器包装なり、添付文書にしようとする場合に規制がかかってくるものであり、一定のルールに従った栄養表示が必要になってきます。そこの例示にありますように、「カルシウム 100mg」でありますとか、「減塩」、「ビタミンCレモン 100個分入り」、「低脂肪」、こういったような文言を食品に表示をする場合には、この基準に従った表示をしなければいけないというものでございます。基準の内容につきましては大きく分けて2つございます。
こういった栄養表示をした場合には、表示をしようとする成分の含有量等の表示に併せ、主要栄養成分や熱量の表示が義務づけられる。これが1つの柱でございます。すなわち、例えば「ビタミンCレモン 100個分入り」というような表示を食品にした場合には、「レモン 100個分入り」というだけではなくて、ビタミンCについてどれぐらいの量が入っているかを表示していただくのと併せまして、主要栄養成分、すなわち、たんぱく質、脂質、糖質、ナトリウム及び熱量についても、その表示が義務づけられます。
また、もう一つの柱といたしまして、その表示内容が「高」や「低」といったような強調表示を行う場合、ビタミンCがたくさん入っている、熱量が少ない、脂肪分が少ないという栄養成分、熱量につきまして、「多い」や「少ない」、そういった強調表示をする場合には、下の3、4の基準を遵守していなくてはいけないというものでございます。3には「栄養摂取状況からみて欠乏が国民の健康の保持増進に影響を与えている栄養成分につき、補給できる旨の表示をする場合」。これに該当する栄養成分といたしまして、たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄。ビタミンにつきましては、A、B1、B2 、ナイアシン、C、D、この10種類の栄養成分について特定をしていますが、これらの栄養成分について補給できる旨でございます「高い」や「多い」あるいは「含有してる」といった旨の強調表示をする場合には、一定量以上の成分を含んでいなければだめだという形になります。
また、それとは逆に4でございますが、「栄養摂取状況からみて過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えている栄養成分及び熱量につき、適切な摂取ができる旨の表示をする場合」。ここで特定しておりますのは、熱量のほか、脂質、飽和脂肪酸、糖類、ナトリウム、この5つの栄養成分及び熱量ということでございますけれども、これらの栄養成分等につきまして、適切な摂取が出来る旨、すなわち「少ない」旨、あるいは「ない」旨、これを強調する場合には、一定量以下の含有量でなくてはならないとしております。
なお、補給が出来る旨、また、適切な摂取が出来る旨、いずれにおきましても、こういった絶対量の基準を設ける一方で、他の商品と比較してどうだという場合の相対表示基準についても併せて設けております。
この基準に合わないで、必要な表示をしないで商品を販売したらどうなるかということでございますが、これにつきましては、「基準に従い必要な表示をすべき旨」、厚生大臣が指示をするという措置をとることになっておりまして、この指示に従わない場合は、メーカー名、商品名等について公表をするという手続がとられる形になっております。
それから、8ページ以降につきまして、先ほどの栄養表示基準概要につきまして説明をしたものでございます。詳細については省略をさせていただきますが、10ページ目にございます4「適切な摂取ができる旨を表示するに際し遵守すべき事項」というところに、(1)「次に掲げる栄養成分又は熱量について「無」「低」等の表示を行う場合に適用すること」とございまして「熱量、脂質、飽和脂肪酸、糖類(単糖類及び二糖類に限り、糖アルコールは除く。)及びナトリウム」について、「ない」、「少ない」等の表示を行う場合にはこの基準が適用されるというところがございます。この部分に現在コレステロールが含まれていないということでございますので、それについて御検討をお願いをしたいというところでございます。
具体的には基準値につきましては、13ページに別表2という形で掲載をしております。第1欄に「無、ゼロ、ノンなどの表示は次の基準値に満たないこと」ということでございまして、「食品 100g 当たり(清涼飲料水等飲用に供する食品にあっては 100ml当たり)」という形になります。
熱量については5kcal、脂質については0.5g、飽和脂肪酸については0.1g、糖類については 0.5g 、ナトリウムについては5mg。
食品 100g あるいは 100ml当たり、これらの量未満でなければ、こういった形で強調表示することが出来ないことになっております。
第2欄でございますが、これはないということではないのですが、その含有量が「少ない」、「低い」という強調表示基準ですが、例えば、熱量につきましては、食品 100g当たりの場合ですと40kcal。括弧内は「清涼飲料水等の飲用に供する食品 100ml当たり」という形になりますけれども、これが20kcalという形になっております。同様に脂質については3g (1.5g) 、飽和脂肪酸につきましては1.5g (0.75g )かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10%以下という基準も設定されております。糖類については5g ( 2.5g) 、ナトリウムについては 120mg(120mg) というような形でございます。
また、下にございます(注)ということで、「ノンオイルドレッシング」について、脂質の無、ゼロ、ノンなどの表示については、第1欄のところに「脂質 0.5g 」というのがございますが、この 0.5g を当分の間「3g 」に読みかえるという特例措置がとられております。
以上が現行の強調表示基準の概要でございます。御参考までに14ページに、今回改正をされました栄養改善法17条あるいは17条の2について掲載をしております。
それから国際的な比較でございますが、これにつきましては資料6、A4の横になりますが、国際比較という形で日本、またコーデックス、ヨーロッパ、アメリカの資料をつけております。
まず資料6の15ページのところでございますが、日本の場合は、先ほど御説明いたしましたように、栄養改善法という法律に基づきまして、1996年から施行されておりまして、販売する食品に栄養成分あるいは熱量に関する表示をした場合に栄養表示の義務が係るということでございまして、表示事項といたしまして、熱量以下、たんぱく質、脂質、糖質、ナトリウム、栄養表示された栄養成分。この栄養表示された栄養成分と申しますのは、例えば、先ほど「ビタミンCレモン 100個分入り」と書いた場合にはビタミンCという形になります。
それから強調表示基準につきまして、熱量以下、ナトリウムまでの栄養成分について、「無」もしくは「低」の基準値が設けられています。たんぱく質以下ビタミンDまでにつきましては「高」、「含有」「源」というような強調表示基準が設けられております。
この栄養成分表示につきましては、コーデックスでも議論がされておりまして、栄養表示についての基本的なガイドラインにつきましては、既に1985年に「栄養表示ガイドライン」という形で設定をされております。これは、現在我が国がとっております栄養表示基準と基本的に同じ形になっておりまして、販売する食品に栄養成分、熱量に関する表示をした場合に一定のルールに従った栄養表示が必要になってくるというものでございます。
何を表示するのかというところでございますが、熱量、たんぱく質、糖質、脂質、栄養表示された栄養成分です。各国の栄養摂取状況に応じ必要とされる栄養成分は、各国の状況に応じて、その部分については追加することが出来るという形になっておりまして、我が国の場合はこれをナトリウムとしております。
また、強調表示基準につきましては、現在検討されておるところでございまして、そこにございます熱量からナトリウムまでの「無」や「低」といった基準につきまして、現在Step8の段階に来ております。コレステロールにつきましても、ノンコレステロールあるいは低コレステロールについての基準値が設定をされておりまして、順調に行けば、ことしの7月にこれが最終的にコーデックスのガイドラインとして設定される形になる予定でございます。
また、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルの「高」あるいは「源」の基準につきましては現在Step6の段階に来ております。
それからヨーロッパにつきましては「食品の栄養表示に関するEEC理事会指令」という形で、ヨーロッパの共通的なルールとして1990年に定められております。これもコーデックスあるいは日本と同じような体系になっております。表示事項につきましては若干違っておりますが、ここにある2つのタイプがございます。
強調表示基準につきましては、理事会指令の中には特に規定はされておりませんが、これは各国においてそれぞれ定められるというような形になっております。
それから、アメリカは「栄養表示・教育法」という形で1990年に公布をされ、1994年に施行されております。これは我が国、ヨーロッパあるいはコーデックスでの栄養表示基準制度と根本的に違っておりまして、基本的に「原則として全ての包装食品」について、栄養表示に関する表示が義務づけられているという点でございます。ただ、生鮮食品やインスタントコーヒー、小規模的に流通するようなものにつきましては除外されておりますが、基本的に原則として、すべての包装食品について栄養表示、そこの表示事項14項目ほどございますが、これらの項目について表示をすることが義務づけられておるところでございます。
また、強調表示基準につきましても、熱量以下ミネラルまでのそれぞれの強調表示基準が定められておるというものでございます。
次の16ページにこの強調表示基準の「無」、「低」の部分のみの国際比較をしたものをまとめております。日本、コーデックス案、イギリス、米国という形になっております。
日本の基準値につきましては、熱量、脂質、飽和脂肪酸、糖類、ナトリウム、これらにつきまして「無」、「低」の基準値をそれぞれ設けております。基本的に食品 100g あるいは 100ml当たり、そこに掲げておりますような量未満でなければいけない形になっております。一部抜けておるところがございまして「低」の糖類の基準でございますが、これは「5g 以下」となっておりますが、5g で括弧をいたしまして( 2.5g )を挿入していただければと思います。飲用に供する食品につきましては、糖類 100ml当たり 2.5 g以下という基準値になっております。申し訳ございません。
それからコーデックスで現在検討されておりますそれぞれの強調表示基準をそこに掲載をしております。コーデックスにおきましても、食品 100g あるいは液体の食品につきましては 100ml当たりという基準値でございます。ほぼ、我が国と同じような基準値になっているのが分かるかと思いますが、コレステロールFreeにつきましては、食品 100g 当たり、コレステロールそのものが「0.005 g 以下であって飽和脂肪酸が 1.5g 、(液体食品の場合は0.75g )未満、かつ飽和脂肪酸由来エネルギーが全エネルギーの10%未満」というような基準値になっております。
低コレステロール部分につきましては、コレステロールそのものが20mg(飲用に供する液体食品の場合は10mgでございますが)以下であって、なおかつ、そこに掲げてありますように、これは飽和脂肪酸の低の基準をそのまま流用しているところでございますけれども、そういった基準もクリアしていなければだめだという案になっております。
また、イギリスにおきましては、EECの理事会指令におきまして各国で定めておるのですが、コレステロールについてはその定めがないというところでございます。
アメリカは、コレステロールのFree、ノンコレステロールにつきましては、コレステロールそのものが2mg未満、かつ飽和脂肪酸が2g 以下という基準値になっております。
低コレステロールの部分につきましては、20mg以下かつ飽和脂肪酸が2g 以下という形になっておりますが、これらはいずれも 100g 当たりということではなくて、1食分当たり、1サービングサイズ当たり、これらの量以下でなければいけないという形になっております。それが現在の各国、コーデックス、我が国における栄養表示基準の状況でございます。
それから、スケジュールのところも事務局案を説明させていただいてよろしいでしょうか。

○小林委員長

はい、よろしくお願いします。

○事務局

一番最後のところ、17ページになりますが、資料7という形で「脂質に関する栄養表示基準の検討について」ということで1枚にまとめたものがございます。
今回の検討の趣旨でございますけれども、1にございますように、栄養表示基準制度が5月24日に施行されたところですが、今回設定されなかったコレステロールの強調表示基準(「低」及び「無」の基準)について御検討をお願いするのと2脂質の無の基準(0.5 g という基準がございますが) において、例外規定を設けたノンオイルドレッシング(3g という特例を設けております)についてその見直しについての御検討をいただきたいという2点でございます。
健康増進栄養部会の専門委員会という形で位置づけをいたしまして、今後のスケジュール、これは事務局の案でございますが、本日第1回の専門委員会を開催をさせていただきまして、委員長の選出あるいは検討方針の検討をお願いしたわけでございますけれども、その後でございますが、年内に何とか報告書案を取りまとめていただければと考えております。この案を取りまとめるにあたっては、我が国における実態、諸外国における実態等を調査しなければいけないだろうと考えておりまして、このコレステロール、ノンオイルドレッシングに関する国内外の表示の実態でありますとか、それぞれ分析値データについても業界の皆様方からデータを御提出いただければと考えております。
併せまして、国の方といたしましても、国立健康・栄養研究所の方で、国内で流通しておりますこういったものの実態調査を実施をしたいと考えております。
また、その欧米の規制等について調査、これはことしの7月のコーデックスの動きなどが中心になろうかと思いますが、そういった動向を踏まえまして、これらのものに対しまして、医学・栄養学的な見地から御検討をお願いをいたしまして、秋ぐらいに一度データの取りまとめ、あるいは基準案の御検討をいただき、その後、年内をめどに第3回目の専門委員会で報告書案を取りまとめていただきたいと考えております。
専門委員会の方から、公衆衛生審議会の健康増進栄養部会の方に報告をしていただきまして、この専門委員会におきます報告書を検討していただき、あるいはWTO等の通報手続を済ませまして、正式に公衆衛生審議会の方に諮問・答申をいたしまして、その後、告示改正というスケジュールで進んでまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

○小林委員長

ありがとうございました。現在の表示問題全般に関して、並びに今回の検討課題にかかわる脂質関連の表示問題、更にこの問題の今後の検討プロセスをどうするかという3点お話しいただいたわけですけれども、本日、浜島委員から別紙のような資料を御用意いただきましたので、これにつきまして一緒に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○浜島委員

お手元の資料に沿いまして御報告させていただきます。
私どもは業界でございますので、今、先生方からお話いただいているように、あるいは厚生省の御担当の方から御説明いただいているように、栄養の観点という点では必ずしも適切ではないかもしれませんが、市場の動向であるとか、消費者の意向は多少何らかの形で把握しておりますし、また、実態、物をつくる立場でも幾つか課題がございますので御報告をさせていただきます。
まず、この表示自身につきましてですが、コレステロール自身、これはいろんな観点の中からコレステロールの表示は必要であろうと考えています。この点は今回の趣旨と同一と御理解いただきたいと思います。
また、併せて、その際「ゼロ」又は「低」ということについても同様に適正な表示が望まれるということで、この「適正」ということが非常に難しいと思いますが、このように考えております。
なお、大変勝手でございますけれど、先ほど来からお話し申し上げております3番目で、私どもの方は、業界といたしまして、学術的な知見を持たないまま参加させていただいておりますので御了解いただきたいと思います。
4番目に、実際に表示していく際にいろいろ御検討いただきたいことといたしまして、4つほどございますが、まず1つは食品についてです。これは私どもから見ますと商品という形になりますが、これが実際に供給出来て、お客様が購入出来るという前提でお考えいただきたいというふうに考えております。いろんな今までのコーデックス等の状況を漏れ聞いているところによりますと、医学あるいは栄養的な見地からいくと幾らでなければならないと、こういう数字が出てくるわけですけれども、実態として、そういう商品が存在しえない場合が出てくるものでございまして、私ども業界サイドといたしましては、お客様に買っていただく商品があって、それが適切に表示されていくことが望ましいのではないかと考えておりますので、抽象的な表現ですけれども、また、だんだんに例の中で御理解いただけるのではないかと思っております。
2番目に貿易上のハンディーということでございまして、ただいま厚生省の担当の方から御説明いただきましたように、アメリカと日本というか、今回我が国でやっている方法とで表示の単位が違うという問題がございまして、これは後ほどまた要望として出しておりますけれども、いわゆるアメリカなどから、今そういう表示の形態の違うものが入ってきています。そうすると、そこで表示自身違ってくるということは私どもにとっては商品で競争していくもの、あるいはお客様の立場からいっても、こういう違う表示のものがあることも念頭に入れておかなければいけないのでないかということで、出来るだけ、特に競争の激しいアメリカなどは考えていただきたいと思っております。
もう一つは、食品によって1日当たり、1回当たりの摂取量が違うということで、大体これは 100g とか、飲料ですと 100mlというような形で考えられておりますが、調味料にしてみますと、1回当たりの使用量は甚だ一例ですけれども、植物油の場合ですと大体 14gぐらいが平均でございまして、1日に摂取しているのは、これもデータが不的確かもしれませんが、大体ビジブルで 30gぐらい。インビジブルを入れても全体で 60g弱の脂質をとっているという状況の中で、私どもが記憶しております植物油などは全体の4分の1ぐらいですから 15gぐらいのものを1日に摂取していると。こういうものと1回当たりに食べてしまう量が主食のように何百グラムというものとではかなり違ってくるのではないか。これは当然油だけではございませんので、油性の調味料一般について、こういうことが当てはまると思いますので、後にマヨネーズの業界さんの方からも話が出ると思いますが、やはり調味料は使う量が違うので、この辺のところは全部 100g 当たりでいいのかどうかと考えております。
4番目が油脂及び油性食品の実態ということでお願い申し上げますけれども、油脂は天然産物でございまして、特別な方法を用いればコレステロールを減らす、あるいは飽和脂肪酸の分画も出来ないことはないのでございますけれども、いわゆる現在の世界的に見ても、商業的な加工法ではほとんどコレステロールや飽和脂肪酸にしても変えることが出来ないような状況になっております。この辺をお含みおきいただきまして、調整出来ないものを使って、しかも油脂食品をいろいろつくっておりますので、そういう実態を十分御勘案いただければと思っております。
5番目はちょっと行き過ぎていますが、御検討いただく際に、先ほど来申し上げておりますが、アメリカの商品が輸入されている中で、付属資料のノンコレステロールのところの資料を1枚めくっていただきまして御覧いただきたいのですが、これは日本で流通している商品ですが、左の上の方にcholesterol free
food と書いてございまして、こういう実態は英語表示がされています。今の国内の表現でいきますと、全部英語の場合には英語表示はいいんだけれども、部分的に英語表示は出来ないというように解釈してございますと、こういう大きく表示したものは当然お客様の目に触れた場合に、英語を理解する方は多いし、特に御関心のある方はその文字が目に入るので、やはりこれを見るとコレステロールが入っていないのだなと、ある基準から見た場合にはそういう表示をした商品が目につくという状況ですけれども、これが、例えばかつて考えられたような基準でいきますと、国内では表示出来ないことになりますと、外国製品は、特にアメリカあたりの基準でやってきたものは外国では表示が出来るけれども、日本語では出来ない、こういうふうになってまいります。この辺、是非御検討いただきまして、出来るだけアメリカに合わせてサービングサイズ当たりの基準を御検討いただきたいと思います。
それから2番目は、コーデックスの基準はコレステロールの基準に付帯条件としてついておりましてこれが非常に厳しい、と申しますのは、飽和脂肪酸のノンもしくはfreeというのを表示するのと同じだけの制約条件がコレステロールにかかったということは、早い話がコレステロールfreeであれば、飽和脂肪酸freeということもいえる条件がコレステロールについてはついているという形になりまして、飽和脂肪酸とコレステロールの関係は非常に関係が深いことは理解しておりますけれども、そこまで飽和脂肪酸を制約しなければいけないのかということです。
もう一つは、我が国の栄養の摂取状況は、先ほど来余り知見がないと申し上げていますけれども、日本人の中で飽和脂肪酸が過剰になっているという状況が余り今まで問題視されてないということを考えた際は、海外、特にコーデックス等で検討されているレベルよりも違ったところで飽和脂肪酸を御検討いただければと考えております。以上でございます。

○小林委員長

ありがとうございました。今後の議論を展開する上で非常に重要なポイントを御指摘いただきましたが、それでは今までの事務局側と、ただいまの浜島委員からの資料につきまして、これからの議論の大体の方向づけという視点から御議論いただきたいと思いますが、最初でございますから、何でも御自由に御発言いただければと思います。あるいは質問でも結構でございます。よろしくお願いします。

○齋藤委員

私も専門委員会ではなくて12月まで健康栄養増進部会におりました。基準を定めるときに、ちょうど委員を仰せつかっておりまして入っておりましたものですから、今問題の2点につきましては、積み残しというか、まだ定められてなかったものですから非常に重要な問題だと思っておりましたらば、またこの委員に入れていただくことが出来まして大変感謝しております。
それで質問でございますが、今後の予定が17ページにございますよね。先ほど御説明いただきました。それで7月中に国内の実態調査、海外の規制等についての資料が大体そろって、私どもに見せていただけるのかと思いますが、15ページに戻りまして、コーデックスの今Step8ということですが、7月ぐらいにはどのような状態に。

○事務局

7月には最終的にこの強調表示基準についてガイドラインとして成立をする予定と聞いております。7月にコーデックスの総会が開かれまして、各部会からいろんな基準案が持ち上がりまして、そこで採択をされるというふうな形です。

○齋藤委員

最終的に上がってくるのは7月。

○事務局

はい。

○齋藤委員

と申しますのは、やはりこれからコーデックスの影響といいますか、それを重視しなければならないと思いますので、最終的に出たものにつきまして、やはり見せていただいて、それを参考といいますか、重要視しながら検討しなければならないと考えているものですから、ちょっと御質問しました。

○事務局

7月に設定をいたしましたのは、コーデックスの動きもございまして、7月あたりに全体を取りまとめられるのではないかと考えています。

○齋藤委員

大体の様子が分かってからですね。

○事務局

総会は6月末に開催されるということです。

○齋藤委員

はい、分かりました。

○小林委員長

その情報は是非よろしくお願いしたいということですね。

○齋藤委員

はい。

○小林委員長

ほかにございませんか。

○伊東委員

今、齋藤委員から御発言ありましたけど、最終的にはコーデックスを尊重するというか、していきたいと思うんですが、食品ということを考えた場合、まずアメリカがやはりどう動くかというのが、私は一番の問題であると思うんですね。今、アメリカとコーデックスの規格が全然違いますね。これに対してアメリカはどういう動きをしているか、お分かりでしょうか。
私とすれば、出来れば、アメリカと共同歩調をとっていただきたいと思うんですね。といいますのは、食品ということを考えた場合、ヨーロッパの影響より日本の場合アメリカの影響が圧倒的に大きいわけですね。ワインとかチーズとか、ごく一部のものはヨーロッパからの輸入もありますけれども、大多数はアメリカですよね。そうしますとアメリカの動きと合わせていくのが好ましいんじゃないかという感じがするんですね。

○小林委員長

こういう御意見いかがですか。今までのコーデックスの流れから。

○事務局

まさにコーデックスというのは、アメリカ、イギリスあるいはそのほかアジアの各国の規制がまちまちであるという中で、国民の健康を保護しつつ、なおかつ貿易上の障害をなくしていこうという趣旨のものでございますので、アメリカと同じにするというよりも、むしろ国際社会においてはコーデックスの意見を尊重することになるのではないかと考えています。

○小林委員長

コーデックスの委員会の雰囲気から言いますと、生産国という立場と健康問題が特に重要視されている国との調整が一番ポイントになりますので、非常に広い視野から見ていかなければならないと。アメリカも非常に大きな生産国であり消費国であるわけでございまして、もちろん注目していくわけでございますけれど、御意見はよく分かりますけれども、なかなか1つずつ対応して考えていかなければならない問題は多いようでございます。参考までにそういう御意見を伺って、これから勉強させていただきたいと思います。
ほかにございますか。どうぞ。

○荒木委員

コーデックスの基準のことで1つ事務局にお伺いしたいんですが、コーデックスは鶏卵を対象にしているでしょうか。

○事務局

食品に栄養成分について表示をした場合には、一定のルールに従った表示が義務づけられるということでございまして、その食品は特に加工食品という限定はしておりません。従いまして、鶏卵に栄養表示をすれば、その規制の対象になるという考え方をとっておるようでございます。

○小林委員長

表示すればですね。

○事務局

表示すればということです。
○荒木委員
今の質問の意図は、現在コレステロールの基準は決まっておりませんけれども、鶏卵にかなり最近コレステロールの表示が増えているようで、コレステロールを減らしましたという表示の卵がございまして、ただ、メッセージだけなので、基準がないのが問題だなと思うんですが。

○小林委員長

代表的なコレステロール源食品ですからね。

○荒木委員

そうなりますと、100 g 当たりがいいのか、例えば1つ、1回食べる量当たりがいいのかというのは、特に鶏卵などを意識しますと 100g 当たりでは不十分かなというような気がしまして、アメリカは「生鮮食品を除く」になっていますので、これは卵は入ってないのでしょうか。

○事務局

ちょっと調べてみないと分からないですが、入っていない可能性はありますね。

○小林委員長

浜島委員からの御提言の内容につきましては、いろいろ専門家の方も御意見があるかと思いますが、どうですか、中村先生、何か。

○中村委員

私ども患者さんを相手にして、患者さんに分かってもらえるのには、1つは100 g 当たりの表示ももちろんいいんですけど、やはり常用量がどのくらいで、それにはどれだけ入っているかが併記されている方がいいと思うんですね。その方が分かりやすい。日本がヨーロッパを見習うか、アメリカを見習うか、これはどっちでもいいと思うんですけど、要は日本人向けに、日本人が余りコレステロールを高めない、心臓病を増やさないという立場でどういった表示が分かってもらえるのかという方をむしろ検討してもらいたい。

○五十嵐委員

一番難しいのは、油はヨーロッパとアメリカと日本ではかなり摂取状況が違いますよね。もともとが対カロリーでも25%ぎりぎりの、個人差がありますからはっきり言えませんけれども、状況があるということで、どっちかといえば、炭水化物にまだウエートがかかっていますよね、食品の摂取カロリーが。そういう状況の中で、サービングサイズも多分違うだろうと思うんですね。
先ほど 14gあたりという話があったんですが、日本で果して14g かというのははっきりしてないので、1サービングを日本はもっと下げてもいいんだったら下げて構わないですし、例えば動物性の方の脂だったらサービングはもっと下がるかもしれませんね。植物性の油だったら14かもしれませんけれども、その辺のところがドレッシング等になるとまた違ってくるでしょうし、タイプのものでかなり同じじゃないんですね。
例えばマヨネーズを使う場合と液体のドレッシングで、しかも油が少ないものもこの頃はありますから、それぞれの食品に合わせたサービングサイズをきちんと決めていかないとやはりまずいんじゃないかという気がするので、統一的にワンサービングを幾つと決められるようなものもあるし、決められないものもあるだろうと。ですから、その辺をどうするか、具体的な消費の例をとりながらきちんと見て議論していかないといけないのではないかという気がします。

○小林委員長

御承知のとおり、健康教育上の立場からしますと、早晩サービングというスタンダードは日本にも是非完備していかなければならないという方向ははっきりしていると思うんですね。ただ、そのとき一番問題になりますのは、国の食習慣によって違うということですね。それを国際的にどう調和を図っていくか、アメリカの1サービングは日本の2分の1だよという形になるのかどうか。その辺は本当に大きな検討課題で、この委員会がその先鞭をとるにはなかなか負担が重いような気はするんですが、もし必要だったら考えていかなければならないということですね。
○齋藤委員
前回の脂質以外、私がその発言をいたしまして、分かりやすいのは、アメリカ的な方向であると何回も発言したんですが、100 g 、100 mlに今回はなったんです。やはり利用者としましては、100 g 、100 mlだと、また換算したり、計算したりしなければならなくて非常に分かりにくいんですね。それにはもっと栄養学的な指導がなされていれば、それでもいいんですけど、今の日本ではそれがまだ指導されていないのに、それでどのぐらい実効性があるかという意見をさんざん出したんですが、この際、脂質に関してはそれが出来るんでございますか。
何か今盛んにその意見が出ておりまして、私も是非将来的にその問題を検討していただきたいと思っているんですが。

○竹下室長

昨年5月にこの基準が設定されたということで、まだ未設定の部分について追加して御検討いただくということで検討を今回お願いしているわけでして、そういう意味から申しますと、将来的に栄養表示基準制度自体、常に見直しはもちろん必要になるわけですけれども、法律上も10年後には見直しをするということもございますし、基準の設定の仕方自体が今 100g あるいは 100ml、100 kcal当たりで基準設定しています。それを変えることになりますと、これはかなりのまた大作業と申しますか、やはり基準が出来たということで、いかに消費者の皆さんに定着していくかというところをまず見ていく必要があります。あるいはまたそのための普及も今力を入れてやっていきたいというところで、現段階で根本的に基準設定の考え方を変えることはなかなか早急には難しいのではないかと認識をしております。それが一つ。
もう一つ、表示なんですけれども、基準自体、今 100g なり 100ml単位で決めておりますが、実際に表示します際には1食分とか、サービングサイズでしているものも結構あるわけでございまして、基準の方はそうだとしても、実際には、消費者向けには1缶幾らだとか、あるいは1食分幾ら入っていますという表示をした方が消費者に適切な情報が伝わるだろうということで、実際メーカーの方ではそういう表示をされているものも多いということでして、それも消費者に更にこの制度が定着していけば、消費者の声が反映して、表示自体がそういうふうにされていくものもまた増えてくるのではないかと考えています。

○小林委員長

このサービングサイズの問題は大きな課題ですから、いいのが出来ていくといいんですけれど、多様な食生活の中でコンセンサスが得られるサービングサイズを選択していくのは本当に重要でかつ大変なことですね。

○浜島委員

コーデックスが今進んでいて、国際整合の上でコーデックスということがあるんですけれども、7月にコーデックスが出来ても、それはそれで、この検討会が12月ということですから、別途の枠を考えるというふうに考えてよろしいわけですね。コーデックスが出来たら従うんだということであれば、この会議はコーデックス対応の会議にしなければいけなくなってくるんですけれども、そうではなくてコーデックスはガイドラインだから、日本の実態に合わせて適切なところを考えようと、そういう専門委員会であると考えてよろしいのでしょうか。

○小林委員長

どうぞ、その点に関して。

○事務局

そのとおりでございます。コーデックスで基準が決まれば、すべてそれを右に習えと全部受け入れるというわけではございません。正当な科学的な理由があれば、独自の基準を設けることも、あるいは独自に厳しい基準を設けることももちろん出来るわけでございます。

○小林委員長

そうでないと国際調和はなかなか達成出来ないものですから。

○中村委員

私は基本的には、先ほど申し上げたように、要は日本人の心臓病を増やさないことが大事なことなんですから、ここはここで独自性を持った判断が必要ではないでしょうか。あえて、私は“サービング”という言葉を使わなかったのは、日本人の常用量は、かなり向こうのサービングとは違うはずだと。そういう意味で、“サービング”という言葉はむしろ使わない方がいいのではないでしょうか。

○小林委員長

いかにも国際共通の単位という意味でね。

○板倉委員

中村さんの言われるように、日本人の健康を考えた食事の表示ということを置いて、世界で最も進んだものだと言われるぐらいのものでもいいと思うんですね、そういう考えも。それを先ほどの実際に世界の調和を合わせるというので、どこまでそういう表示を妥協出来るかどうかということになっていくかもしれないです。

○小林委員長

妥協というか、調整でございますね。

○板倉委員

例えば脂肪にしても、脂肪が何グラムとか何%というんですけれども、全然吸収されない脂肪があった場合に、それを何グラム入れるのも全く意味もないし、また、飽和脂肪酸といっても全然コレステロールを高くしないステアリン酸もあります。それを飽和脂肪酸としていいかどうかという点も問題であって、むしろ、飽和脂肪酸としては除外して計算した方がいいかもしれないという問題がありますので、日本人の健康を考えて、どういうふうに表示するのが一番いいかをまず考えて、それで日本人の摂取の仕方を含めて、最終的に調整していった方がいいのではないかと思います。

○小林委員長

その点に関しまして、この計画の中には入っておりませんけれど、実際にどういう組成で、どういう健康効果につながるかといいますか、健康影響につながるかという具体的なデータは、その後、大分蓄積されているようですが、いかがでしょう、人間について。

○中村委員

個々の脂肪酸についても随分分かってきていますから、板倉先生の言うようにステアリン酸も同じような犯人として十把ひとからげで出すのにはステアリン酸には申し訳ないんだろうという気がします。

○小林委員長

その辺、7月中という計画の中に少しそういう資料についても検討していく機会があってもよろしいかと思いますね。
ほかに御意見ございますか。どうぞ。

○齋藤委員

関連なんですけど、事務局に是非お願いしたいんですが、私もやはり日本人に合わせた、いろいろ今の資料や何かを勉強させていただきながら設定した方がいいという考えなんです。その場合にコーデックスのをいろいろ見ますと、コーデックスと違うものを設定した場合に科学的根拠を示すかどうかというのが確かございましたが、それを十分クリア出来れば、それでよろしいわけですね。

○小林委員長

言いかえれば、科学的根拠というものが国際的に説得力のある一番の基本ということですね。

○齋藤委員

それが加わっていますので、是非そういうきちんとした説得性のあるデータをそろえてやっていけたらいいのではないかと本当に思っております。

○小林委員長

インダストリーの側からでは、そういうふうに技術的な課題との調和ということが当然議論になると思いますし、その辺をひとつこれからの課題としてディスカッションしていかなければならない大きな問題だと思っています。
ほかにございますか。
それでは大体問題点がかなりシャープに出てきたようでございますので、この辺を中心にこれから検討を進めていきたいと思います。情報提供に関しましては、そういう形で、委員には出来る限り事務局の方から御配慮願いたいと思います。
それでは適当なきりでございますので、この方向で検討を進めたいと思いますが、調査についても先生方と同様に御出席の業界代表の委員の方々にも今後とも御協力いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
そのほかに事務局から何かございますか。

○事務局

本日の専門委員会の内容につきましては、事務局の方からプレスの方に発表をすることにしております。先生方の方に直接問い合わせ等ございましたら、事務局の方に聞くように申しつけいただければと思っております。
以上でございます。

○小林委員長

ということでございます。
特にございませんでしたら、以上をもちまして、今日の脂質に関する栄養表示基準専門委員会を終了させていただきます。今後ともひとつよろしくお願いします。ありがとうございました。

○竹下室長

ありがとうございました。


 問い合わせ先 厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室
    担 当 片山(内2459)
    電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

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