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公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録


平成9年2月26日(水)10:00〜12:01
霞山会館「まつの間」

部 会 長

どうも皆様御苦労様でございます。定刻となりましたので、ただいまから「公衆衛生審議会精神保健福祉部会」を開会いたします。
初めに、新たに精神保健福祉部会の所属とおなりになりました委員がおいででございますので、御紹介をお願いいたします。

精神保健福祉課長

本日付で精神保健福祉部会に所属することにつきまして公衆衛生審議会の会長から、新たに北川定謙委員が指名されまして、本日から審議に加わっていただくことになりましたので、御紹介申し上げます。

委 員

北川でございます。昔厚生省の保健医療局長をやっておりましたときはむしろ先生方に大変お世話になりましたので、厚く御礼申し上げたのでありますが、現在はここにございますように、埼玉県で看護・福祉系の大学づくりを少しやっておりまして、また今度はこの部会でお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

部 会 長

どうぞよろしくお願いいたします。

精神保健福祉課長

それから、前回欠席されておられました谷中委員を御紹介申し上げます。
委 員
どうぞよろしくお願いいたします。

精神保健福祉課長

それから、少し遅れて出席されまして、御紹介するのが漏れておりました藤原委員を御紹介申し上げます。

委 員

藤原でございます。よろしくお願いいたします。

部 会 長

なお、北川委員におかれましては、本部会での審議のほかに精神保健指定医に関する専門委員会での審査につきましてもお願いいたすことになります。よろしくお願いいたします。
続きまして、本日の出欠を事務局から御報告ください。

課長補佐

報告させていただきます。本日は精神保健福祉部会委員22名中15名の委員に御出席をいただいております。
本日御欠席の連絡をいただいております委員は、井上委員、紀内委員、吉川委員、融委員、比嘉委員、藤井委員、渡邊委員の7名でございます。
規定によりまして、定足数を満たしておりますので、部会の開催は成立いたしております。
なお、本日も、専門委員であります河崎委員に御出席をお願いしております。

部 会 長

それでは議事に先立ちまして、篠崎障害保健福祉部長から一言ごあいさつをお願いいたします。

障害保健福祉部長

先生方本当にお忙しいところを御参集いただきまして、ありがとうございます。
本日の審議会でございますが、後で田中課長の方から御説明申し上げますが、実は精神科ソーシャルワーカーの国家資格化につきまして、御報告を申し上げる予定でございます。この問題につきましては、委員のほとんどの先生がよく御存じだと思いますが、昭和62年にあの附帯決議がございました。それから何回も国会で国家資格制度について検討すべしという附帯決議をいただきました。
また、当審議会におきましては、平成5年に審議会の意見書として、臨床心理技術士と並んで精神科ソーシャルワーカーの国家資格制度の創設についてそういうふうにすべきだという御意見をいただいておりまして、直近では平成7年の審議会のときに、関係団体の意見調整が出来ないのでということで断念をいたしました。以来、今回のことにつきましては、昨年来関係の団体にお集まりいただいた厚生科学研究の場で意見調整を進めてまいりまして、今日お話を申し上げるような線で、何とか団体の意見調整が出来そうだという状況でございます。
あとまだ全部の団体が終わっている訳ではございませんし、それから法律を上程するに当たってはいろいろな内閣法制局等がございまして、まだそちらの方に全く行っていない状況でございます。ただ、予算非関連法案でございますが、正式な締め切りは3月11日ということだそうでございまして、若干配慮をしていただいても、3月中に上程をしないと難しいことだそうでございますので、日にちも非常に差し迫っておる訳でございます。
したがいまして、この議題が一番今日の中では是非皆様に建設的に御審議をいただきたいという議題でございまして、そのほか2つほどございますけれども、お時間の範囲で是非よろしく御審議のほどお願いをいたします。

部 会 長

ありがとうございました。
では、次に事務局から配布資料の説明、そして確認をさせていただきたく存じます。お願いいたします。

課長補佐

それでは配布資料について確認をさせていただきます。
本日の配布資料は、まず資料1「公衆衛生審議会精神保健福祉部会委員名簿」でございます。
資料2『公衆衛生審議会における「精神科ソーシャルワーカーの国家資格制度」についての審議状況』でございます。
資料3「国会における精神科ソーシャルワーカー(PSW)および臨床心理技術者(CP)に関する附帯決議その他」の文書でございます。
資料4『厚生科学研究「精神科ソーシャルワーカー及び臨床心理技術者の資格制度のあり方に関する研究班(精神科ソーシャルワーカーの部)」』についての資料でございます。
資料5「精神保健福祉士法案(仮称)の概要(検討中)」でございます。
資料6「長野県栗田病院事件の概要」でございます。
資料7「精神医療審査会の審査状況」に関する資料でございます
資料8「都道府県別・入退院別実地審査状況」に関する資料でございます。
資料9「精神病院に対する指導関係通知」でございます
それから、精神保健福祉部会渡邊冨美子委員からいただいております、「部会の公開」についての意見でございます。
それからただいま追加させていただきましたが、栗田病院に対する県が実施いたしました実地指導の結果についての資料でございます。
以上でございますが、不備などがございましたら、事務局の方にお申しつけくださいませ。
部 会 長
よろしゅうございましょうか。
それでは、これから議事に入ります。まず最初の議題でありますところの「精神科ソーシャルワーカーの国家資格化について」でございます。説明をお願いいたします。

精神保健福祉課長

今、部長のあいさつの中にもございましたけれども、精神科ソーシャルワーカーの国家資格化につきまして、ようやく成案を得ましたので、その内容について御説明を申し上げたいと思います。
まずそれに先立ちまして、その背景の説明から入らせていただきますけれども、資料2をごらんください。この公衆衛生審議会で従来3回ほど精神科ソーシャルワーカーの国家資格化につきましては御意見をいただいておるところでございます。団体との調整を十分にして、成案を得るようにという御意見をいただいておるところでございます。
それから資料3は、これは昭和62年から延べ7回にわたりまして国会におきまして附帯決議をいただいておるところでございます。
それの御紹介でございます。
こういう審議会での御意見、それから国会での附帯決議を踏まえまして、私どもの研究費で国家資格化に関し、三村孝一先生を班長といたします研究班を平成7年度から足掛け2年掛けて組織させていただきまして、御検討をいただいたということでございます。中間的な報告を昨年の8月に出していただきまして、第2年度目の検討を4回ほど行いまして、今、最終的な報告書を取りまとめるという段階でございます。
このような研究班の成果も参考にさせていただきましてまた、関係団体との調整を行いまして、資料5のような精神保健福祉士法案(仮称)というものにつきましての、一応の案というものをつくったものでございます。
それほど長くございませんので、一応読ませていただきますけれども、「趣旨」としましては、「精神障害者については、長期入院社会的入院等の問題があり、社会復帰の促進等が喫緊の課題となっていること、また、疾病と障害が併存する精神障害者の社会復帰を円滑に進めるためには、精神障害者の保健と福祉に関する知識及び技術を併せ持つ者による援助が提供されることが適切であること等にかんがみ、精神障害者に対し、入院中から退院後の社会復帰、地域における自立までを一貫して支える専門職種として、精神保健福祉士(仮称。以下同じ。)の資格を定める」ということでございます。
その「法律案の内容」につきましては、まず業務の範囲でございますけれども、「精神保健福祉士とは、厚生大臣の登録を受けて、次のことを業とする者」として、「精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神障害者の社会復帰の促進のために、精神障害者の相談に応じ、その者に必要な援助を行うこと及び精神障害者が日常生活に適応することが出来るよう必要な訓練を行うこと」というふうに定めまして、(2)でございますけれども、「精神保健福祉士は、医師その他の医療関係者との緊密な連携を保つこととし、また、精神障害者に主治医がいるときは、その指導を受けることとする」というふうに規定しております。
そのバックグラウンドに関しましては、「精神保健福祉士の登録は、4年制大学において厚生大臣の指定する科目を修めて卒業した者等であって、精神保健福祉士国家試験に合格した者について行うこととする」と。
あと(4)〜(6)は省略いたします。
一応こういうような内容で、更に関係団体との調整を詰めまして法律案を国会に上程すべく作業を進めているということでございます。
その次のページには「精神障害者の現状」、あるいはPSWの状況について記載してございますので、御参照ください。
以上でございます。

部 会 長

ありがとうございました。どうぞ御議論、御質問等をお願いいたします。

委 員

この資格を受けていない者がこういうことをやると、その制限の実効は罰則で担保されているようなことになるのでしょうか。

精神保健福祉課長

ちょっと説明が漏れましたけれども、省略した中に、備考のところで、「精神保健福祉士の資格は、保健婦助産婦看護婦法の解除を行わず、名称独占の資格とすること」というふうにございまして、あくまで名称独占。つまり、資格のないものがこの名称をもって業をすれば当然処罰の対象にはなりますけれども、この業務自体は特に独占的に行うものではないということでございます。

委 員

それからもう一つは、医師の指導云々ということがある以上は、医師の指導でこれは行う訳ですね。そうすると医師の教育の内容の中には、この辺のものが既に全部含まれている訳ですか。
例えば、PSWになる方というのは随分学校に行っていろいろな勉強をしてきますね。そういう人でなければやらせたくないよということになっていて、しかもその人が医師の指導を受けて云々ということになると、お医者さんの教育科目の中には、PSWの人が4年制大学で学ぶようなことは既に含まれているという構成になるのでしょうか。

精神保健福祉課長

全部のことを医師が熟知しているということではないと思いますけれども、精神障害者の社会復帰に関する知識、あるいは技術というのは当然医師もそれを十分知っているという前提でございます。
委 員
社会復帰というのは、お医者さんの医療行為から少し離れたものだというふうに私素人には思えるのです。そこでそういうようなことについても医師はきちんと学校で教科の中にみんな含まれて学んでいることなのでございましょうかという質問です。

障害保健福祉部長

これは主治医のいる場合ですから、主治医がいるという場合は障害者は患者さんですので、患者さんについての診断とか、治療している内容、それを知っているのは主治医しかいない訳です。プライバシーのことがありますから。ですから主治医のいる患者さんが社会復帰をするときには、この人はこういう状況だから、この社会復帰はよした方がいいよとか、やった方がいいよとか、そういう状況があり得るというので、主治医がいる場合にはその指導を受けるということになっております。

委 員

指導というよりもむしろ相談というような感じがいたしますけれども。

障害保健福祉部長

ただこれは、もしその患者さんであって事故でも起こしますと責任の問題がありますから、相談とか何かというようなことではなくて、だれが責任を持つという意味で指導とか、そういう言葉が使われている。

委 員

条文が出る前に伺って恐縮なのですが、最後にもう一つ伺いたいのは、ここにははっきりしておりませんけれども機関委任事務になっていくのではないかなという感じがするのです。というのは、厚生大臣の仕事と言いつつ、恐らく都道府県知事に下ろしていくのではないかと思うのですけれども、今、機関委任事務はなるたけ整理しようという段階のときに、いろいろその辺とお話し合いなっているだろうとは思いますけれども、その辺はいかがでございましょうか。

精神保健福祉課長

資格制度そのものは国の国家資格でございまして、国が試験をします。ただ、実際の試験は(4)のところにございますけれども、自治体ではなくて、厚生大臣の指定する団体等に委託をするということにはなると思います。

委 員

今、言われている機関委任事務の手続の系統でやるものではないというふうに理解してよろしいですか。

精神保健福祉課長

はい。

委 員

ありがとうございます。

委 員

これがもし資格化出来た場合、今まで資格なしに、いわゆるPSWということでいろいろと仕事を実際にやってこられた方たちの経過措置というものは何かお考えになっているのでしょうか。

精神保健福祉課長

まだ確定したものではございませんけれども、例えば実務経験5年ぐらいある方につきましては、一定の追加的な講習、教育を受けた上で受験資格を差し上げるということは一応考えているところでございます。

委 員

試験を受けて通らなければやはりだめだということ。

精神保健福祉課長

はい。
委 員
(2)ですけれども、「精神障害者に主治医がいるときは」ということは、例えば、病院内にいるときには主治医の医師の指導、指示を受けること、これは当然指導というよりも院内の仕事ですから、医師の指示を受けなければ出来ないだろうというふうに思います。
また、「精神障害者に主治医がいるときは」というのはこれはだれが判断するのかということが問題になって、薬を飲んでいれば主治医がいるというのか、患者さんが主治医として認めるのか、その点はどういうふうに考えるのか精神障害者について社会復帰等を促進するための職種ですので、精神障害者が病気を持っている人というふうに考えれば、主治医はすべているようにも感じる訳ですけれども、そこの点は、ここに「いるときは」と入れたのはどういう意味があるのか。その2点をお聞きしたい。主治医がいないときがあるのかどうなのかという御質問です。

精神保健福祉課長

まず主治医がいるかいないかの判断については、現実に即して、ケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないのではないかと思いますけれども、幅広く、むしろ治療したことがあれば、そういう方を主治医と考えるという解釈をすべきではないかなというふうに思っております。
また、主治医がいないときはどういうことを考えているかというのは、初発の患者さんとか、そういう患者さんの場合は、当然主治医はいないということにはなると思います。

部 会 長

その点に関連して私からも明確にするために伺いたいのですが、上の6行目に「入院中から退院後の」と書いてございますね。だから今おっしゃるように、初発の、そして入院未然の人はこの資格者の対象としないというふうに読むべきですか。

障害保健福祉部長

先ほどの御質問で言うと、入院中は患者さんに全部主治医がいますから、ですから主治医がいる場合はというのに当然入院患者さんは全部当たりますよね。
それから退院した患者さんで主治医がいる、いないの問題については、精神障害者の場合はよく言う寛解状態ですよね。その人たちのことについて主治医がいるのかいないのかということになろうかと思いますが、具体的にはもう少し、今は漠とした概要ですから、どういう場合が主治医で、だれがいるか、いないかを判断するということも当然その後はきちっと詰めていくことになろうかと思いますけれども、常識的には、薬を飲んでいるとか、飲んでいないとかあるいはそういう状況というか患者の症状が、ある障害レベルに固定されていないとか、そういうことを言うのではないかと思います

部 会 長

最近まできちんと通院していたのだけれどもこのごろ少し主治医と疎遠になっているというような場合も考えられますよね。そういう場合は指導指示を受けるべき主治医は当然いると考えてよろしいですか。

障害保健福祉部長

国家資格になりますと、そういう場合はどうせいと、つまりその主治医を捜して連絡せいとか、そういうのは当然カリキュラムに入ってくると思いますから、主治医がいるいないか判断するというのは、最初の出会いから言えば、この対象になる社会復帰を目指す人と、新しく国家資格になる精神保健福祉士と2人しかいない訳ですから、どちらかが気がつかないとだれがいるかという判断にはなりませんよね。ですから普通は常識的に言えば、精神保健福祉士がこの人に主治医がいるはずだと、今、先生おっしゃったような場合にはその主治医を捜して、そこから始まることになるのではないかと思います。

部 会 長

6行目のあるように、入院中の患者さんから始まる仕事であると考えるのですか。

障害保健福祉部長

これはただ「入院中から退院後の社会復帰、地域における自立までを一貫して支える」ですから、1人の患者さんがずっと入院から自立まで一貫する場合もあるだろうし、あるいはもう社会に出て、自立だけで接触がある場合もあるかもしれないです。

部 会 長

入院前ではなくて入院してから後のこと。

精神保健福祉課長

一応受診歓奨みたいなものも想定をせざるを得ないのではないかなと思うのです。勿論狭い意味での社会復帰の促進という範疇には入りませんけれども、広い意味で社会復帰を進めるという趣旨から考えれば、当然何か事件を起こしたと、あるいは急に症状を発症したというような患者さんがおられたら、精神保健福祉士の責務として診療につなげていくというようなことも考えられるのではないかと思うのですけれども、確かに余り詰めた議論をしておりませんので、今後もう少し考えていきたいと思います。

委 員

精神障害者の社会復帰に関しては精神保健福祉士の仕事でありますけれども、その人たちでない人でもこれは出来る訳ですから、この名前を使って精神障害者の社会復帰をするというところの、ここの点が一番精神保健福祉士の仕事であるというのは、この中のどこの部分なのでしょうか。そこを明確にしてほしいと思います。

委 員

それと関連してつながる話ですけれども、今回新任の委員ということで経過がよく分かりませんが、ソーシャルワーカーの業務の内容、どの範囲をここでは考えていらっしゃるのか具体的に挙げていただけると少し理解がしやすいのかなと思っております。

委 員

そうしたらそれに関連してよろしいですか。これは国家資格ということですのでそこまで考えなくてもいいのかなという気もするのですけれども、ちょっとお尋ねしておきたいなと思ったのは、身分保証をどこでしていくのかということなのです。今、病院においてはPSWを置いてやられているところもありますけれども、全然保険にも入ってこないから、一応病院としては、看護婦、看護士の資格の人数を要求されますので、かなり窓口は看護婦病棟婦長になっていますよね。そして地域で社会復帰させるのには、これも各都道府県にはPSWを置いておられるところもありますけれども、かなりの部分それは数から言っても圧倒的に多いので、保健婦が社会復帰をやっているのです。そこへ1人、2人のPSWが入ってきたってどういう身分で、どういうふうに動くのかということが、一時1人入れたことがあるのですけれども、結局保健婦の運転手みたいな足代わりになったりするので、資格はいいのですけれども、資格を取られた後、どういうふうに処遇を考えていくのか。

部 会 長

分かりました。両委員の御質問に対しては精神科医療におけるPSW問題についてお話する要があろうかと存じます。手短に、的確に御説明をいただけませんか。

精神保健福祉課長

社会復帰のためのもろもろの相談援助の内容ということですけれども、まず社会復帰のための準備としては、退院可能な生活環境を条件整備をしていく。経済的には例えば生活保護だとか、年金だとか、そういうものをその人に適用出来るのかどうかというようなことを考えて、そのための条件整備をしていく。
あるいは、保健所だとか、現在精神保健福祉法上の社会復帰施設が幾つかありますけれども、そういう施設、あるいは職場とか、学校とか、こういうものとの連絡調整をする。
更には、特に家族関係をよくしていくというのが1つの大きな役割だと思いますけれども、理解をしていただく、あるいは協力をしていただくというための相談とか、助言とか、連絡調整とか、こういうこともあると思います。
それから、患者さんそのものに対する働き掛けとしましては、病状についての自己管理、あるいは服薬についての問題点とか、こういうことについて、この辺は重なるところがあると思いますけれども、理解を援助していくという準備段階がある。
それで社会復帰を実際した後では、地域におきまして実際上起こりますもろもろの日常生活上の相談指導だとか、あるいは職場におきます雇い主とか、あるいは同僚との関係調整。うまくいかなければ再就職とか、転職とか、そういうことについての助言。更には経済的な諸制度の利用の仕方に関する援助とか、住宅を確保するための助言とか、援助。
病気の方に関しましては、再発防止のための助言、あるいは受診だとか、服薬中断に関します助言とか、こういうようなことが含まれるのではないかと思います。
また、日常生活上の訓練としましては、例えば食事摂取から洗面入浴、更衣、清掃等々、身辺の清潔の維持だとか、金銭の管理だとか、それから規則的な通院だとか、服薬だとか、安全保持だとか、危機対応だとか、適切な意思伝達だとか、対人関係を維持することそういう非常に基本的な日常生活上の訓練をするというようなことが業務の範囲になるのではないかと思います。

部 会 長

それからもう一つ身分保証のお話が出ました。

障害保健福祉部長

それは今おっしゃったことですけれども、今でも全くそういう資格がなくても、必要性に応じてこれだけの数が働いておられる訳ですから、これは名称独占ですので、いきなり所得云々というところまでいかないかもしれませんが、ただ、今、申し上げたような我が国の精神障害者の社会復帰が非常に遅れている現状では、こういう資格をつくることによって、一番の問題の養成のカリキュラムがきちっと出来るようになって、それから国家試験があって、人材の質の確保とか、質の高いこういう職種の人が今後生まれてくるということが一番の大きな問題ではないかと思うのです。
それから、先ほど保健婦さんとの話がありましたが、たった1人というのはまた少し問題かもしれませんが、○○委員のおられた川崎市とか神奈川県のように各保健所に複数配置で2人ずつ入っているのです。そこはそうなるとまた全然違う局面が生まれてくると思いますし、先ほど○○委員おっしゃったように、これは名称独占ですから保健婦さんでも出来るのです。やろうと思えばこの仕事をやってくださって結構なのですけれども、そういうPSWの人が複数配置で、連携をとってやれるようになれば、また保健婦さんは保健婦さんの同じ精神障害者に対する対策でも別の部分を受け持つようになって、きちっとした役割分担が出来てくるというふうに思います。

委 員

私は精神科のソーシャルワーカーでございますので、今の病院の中におけるソーシャルワーカーの一番大きな役割は社会復帰促進だと思います。
そしてもう一つ、これは大変残念ながら患者さんの人権を擁護するという立場をもっとソーシャルワーカーが積極的に担わないとさまざまな問題が病院の中にあろうかと思います。ただ、その辺のところについてはまだ十分にソーシャルワーカーが取り組めているというふうには思えませんが、何人かのソーシャルワーカーの中ではそれらの役割を果たしてきていると思います。
少し視点を変えて、先ほどの主治医のことなのですが、私は今、地域におりますので、その点に少し触れて申しますと、最近こそ少ないのですが、いきなり精神科に行けなくて私どものところに来るという方が結構いらっしゃいます。クリニックなり精神科につなぐというふうなことが、これは目に見えないのですがかなり大きな部分だというふうに1つ思います。このときは主治医はいらっしゃいません。ですから、その主治医につなぐということ。
もう一つ意外なのですが、医療中断。言わば病院をもうやめて服薬中止してという方々に対する、私たちもう一度その医療に結びつけるということも、地域のワーカーとしてはかなり重要な役目を持っていると思います。
それから勿論社会復帰促進するために、病院のワーカーとはまた違って、先ほど少し触れていただきましたアパートであるとか、働く場であるとか、日常のたまり場といいますか、そういうところで生活を支えるということが主なる業務なのですが、どうも私はずっと生活を継続して支える役割ということがとても重要ではないかというふうに思うのです。そのためには、まだマンパワーが不足しておるのです。この生活を継続していくということの裏には、医療を継続していくということと一体でありますから、この地域におけるマンパワーということを考えますと、この資格化の問題は1つ前進出来るのではないかと。先ほどのことに触れまして、少しそういう感じがいたします。
そしてもう一つ、主治医が問題でないときもあるのですそれは患者会活動のように、患者さん同士がセルフ・ヘルプする力が大変高まってきますと、私たちはサポーターになります。直接関与しません。だれがどの主治医かは見えなくなります。が、やはりそのセルフ・ヘルプの中で彼ら自身がだんだん自分の病気のことも含めまして自覚されていくということは大変重要なので、そのときの私たちのサポーターは、一人一人の主治医がだれであるかとか、そのときに何々が起こったということを主治医に連絡するというふうなことは余り考えておりません。ただ、相談を受けて、本人の承諾を得て主治医と連絡するということはあり得ますから、そのあたりは臨機応変に動かなければいけないと思いますから、ソーシャルワーカーの医学的な面における教育もかなり重要だと思います。
そこでちょっと御質問したいのですけれども、そういうソーシャルワーカーにおける医学的な面の教育のカリキュラムの問題と、昨年度公衆衛生審議会に出されたときには関係諸団体とのコンセンサスを得るということで今日まで来ていると思いますが、差し支えない範囲でどんな経緯がその中に含まれたのかも含めてお話しいただければと思います。

委 員

先ほどからの一連のに関連しておりまして、私もかつて医療ソーシャルワーカーでございましたから、そういうことでは○○委員のおっしゃったこととてもよく分かるのですが、具体的に保健所の精神保健福祉相談員の業務との関連を少し。入院から始まるのですと保健所の精神保健福祉相談員はそれ以前からのところがありますから、両者の関連も含めてお願い申し上げます。
委 員
先ほどの受診前援助のことですけれども、それはこの名称を持った者でなくても出来る訳ですから、必ずしもこの名称独占の問題にかかわりないだろうということが1点。
それから保健所で行う場合には、精神保健福祉相談員という別のあれがある訳ですから、この資格の上に更にそれを補足発令を都道府県にすればいい訳ですから、何ら私は問題ないのではないかと思うのですけれども。

委 員

しかし使えないと思いますけれども。

委 員

保健所で受診前援助を行う場合には、精神保健福祉相談員で保健所長の指揮下に入る訳ですよね。ですから精神保健福祉相談員にどういうものをするのかといったら、それは別に精神科ソーシャルワーカーでなくたって心理職だって、保健婦だっていい訳ですから、この問題とは関係ないと思います。
それから、○○委員のようにやどかりの里で行うという場合には別に現在でもそれは行っている訳で、この名称とは関係ない問題なのではないでしょうか。
ですから、治療中で主治医がいる場合には、その主治医の指導を受けるということでよろしいし、また、受診前の場合には、精神障害者であるかどうかということも判然としていない訳ですから、そこまでこの資格の中に包括するというと、これは大変な別な問題が起こってくると思います。やはり精神障害者であってという場合には、それは医学的判断より、医師が関与している訳ですから、この表現でよいと思います。ただ、先ほど議論がありましたように、寛解状態でしばらく医療から離れているときはどうなのかということはありますけれども、それはやはり通常は状態が悪かったときの主治医をたどっていくということになるでしょうから、実務上は問題ないと思います。

委 員

少しくどいようで確認したいのですが、ずっと関連した話で、いきなりというのも変ですけれども、直接外来、クリニックへ来る精神障害者が多いし、今、我々の中でもソーシャルワーカーを置かないとなかなか機能しなくなってきているということで、置くところが多くなってきているということ。この文言でいくと、入院から業務が始まるようにどうしてもとれて、入院しない患者も初めからいる訳ですから、その辺がどうなのかなと思って。

部 会 長

総合病院の精神科の方々にも同じような御意見がありましょうね
むしろ「受診後」ぐらいにしてもらえるとありがたいですね。

委 員

文言がどうも入院から始まるような感じがして。

部 会 長

では、さっきの○○委員の御質問へのお答えなど、いくつか放置しておりますので、よろしくお願いいたします。

精神保健福祉課長

まずカリキュラムでございますけれども、大学で一般教養の後、専門的な課程がある訳ですけれども、その中で福祉をまず社会福祉士と同じレベルで勉強した上で、更に精神障害者の社会復帰に関する座学と実習等を積んでいくという内容に基本的にはなると思います。かなり精神障害に特化した内容になりますので、この部分はいわゆる社会福祉士さんとは随分違う。社会福祉士さんはいわゆる身体障害者とか、あるいは精薄の人とか、老人の問題とかかなり幅広く勉強される訳ですけれども、それとは少し違うカリキュラムの内容になるのではないかと思います。
それからあと団体との調整の話ですけれども、これはかなり微妙な問題もあるのですけれども、初めは日常訓練の部分をもう少し医療的な要素が大きいのではないかと。つまり診療の補助に分類するような、そういう性格が非常に強いのではないかということで、これを診療の補助という格好で位置づけまして、それといわゆる相談援助という2本柱で業務の範囲を初めは想定しておりました。特に看護協会の方から診療の補助というふうに見直すことについてかなり強い抵抗がございまして、この部分は削って、名称独占の業務の範囲にしたということでございます。

障害保健福祉部長

付け加えますと、今の話よりも、むしろどういう団体と調整をしたかといいますと、まずはPSW協会ですよね。
御自身の団体というか、どんな国家資格が必要なのだという、まず団体の方の御意見があって、私どもとしてはその他の団体との調整もありますから、PSW協会の御意向をいろいろお聞きした。
それから、もう一つ岡上委員の全家連も是非社会復帰について非常に高い関心を持っておられるので、そういう全家連との調整。
それからその他といいますか、それ以外の団体というので、医師会、看護協会、社会福祉会、MSW協会、日本精神病協会等々、そのような団体の方々と調整してまいりました。まだ引き続き調整をしているところもございます。
そのために先ほど課長が御説明いたしました三村先生の研究班には、今の関係団体の方にみんな入っていただきまして、まだこの会はそのまま続いておりますので、調整をしているというような段階でございます。

部 会 長

御質問へのお答として大体よろしゅうございますか。もし分かりにくいところがあればどうぞ。
要するに、精神障害の中には、特に病院に入院を余儀なくされることのある分裂病という病気はお薬等で治療いたしますが、最後にどうしても、いかにして社会に帰すか社会の中で彼なりにどう生かすかという大問題が残ります。そこの文脈でこういう職種の必要性が出てくることを、どうぞ御理解いただきたいと思います。

委 員

今、入院をしない人も多くなってきておりますし入退院を非常に繰り返している人も多いということで、先ほど「入院中から」という文言のことがありましたので、そこのところが1つ言いたかったことです。
ほかの方もおっしゃっていましたように、精神保健福祉相談員との関連、あるいはPSW以外の方でも、例えば臨床の場面では、大多数の県は保健婦がやっている。
そのあたりとの業務の関連が、今お話を伺って看護協会との調整も出来ているというふうなことですけれどもその辺を。先ほど部長さんは保健婦でも出来るというふうにおっしゃっていましたので、この保健婦の場合ですと、保健婦の業務の範疇として実際には出来るわけですね。そして認定講習会を受けて相談員の資格を得、更にこの国家資格が出来れば、国家資格を得てPSWとして働くのか、あるいは相談員のままで今の業務を続けていくのか、その辺をちょっと整理したかったものですからお伺いいたしました。

精神保健福祉課長

精神保健相談員との住み分けの問題というのはかなり難しい問題で、限りなく重なっていると思います。ただ、精神保健相談員はあくまで保健所で働かれる方という規定ですし、メンタル・ヘルスを1つの大きな柱として業務が規定されております。精神保健福祉士はそういう部分はないというふうに考えていただいていいと思います。勿論メンタル・ヘルス一般にやってはいかぬという話ではなくて、やることは可能なのですけれども、少なくとも業務の範囲としてはそれは想定されていない。その辺少し大きな違いになるのかなということでございますけれども。

委 員

メンタル・ヘルスという言葉なのですが、これは非常に今、広く使われている言葉ですので、PSWという名前を使ってメンタル・ヘルスはやらないということなのですね

精神保健福祉課長

はい。

委 員

だから看護婦さんがこの社会復帰等の業務をやる場合は看護婦としてやるのであって、PSWという名前を使って業務をやらないということと理解していいのですね。
そうしますと、社会復帰を行うために新しい職種をつくって社会復帰を促すのだというように考える。新職種をつくって社会復帰を促進させようということを考えているということでよろしゅうございましょうか。

精神保健福祉課長

はい。
委 員
それならばそれでいいのですけれども、それでは身分保証をどこに置こうとされているのですか。

精神保健福祉課長

それは今も国家資格ございませんけれども、PSWの方はほとんどは民間病院、あるいは公的な病院で働いておられます。二千何百人の方が実際に働いておられます。それから、○○委員のような精神科の社会復帰施設、こういうところも非常に大きな働く場として考えられるのではないかと思います。

部 会 長

要するに中心は病院あるいは医院ですね。自発的にセルフ・ヘルプグループが仮に出来たとしても、そこでこの職種につく方にはやはり病院経験がないと出来ないと考えてよいですね。

委 員

そうしたら、病院にPSWを置いたら保険請求が出来るのですか

障害保健福祉部長

これとは少し違うのです。これはあくまでも国家資格ですから、今、申し上げたように何も全部そういう収入に結び付かないから職業にならないというということはありませんから、今でも多くの病院で精神障害者の社会復帰を、さっき申し上げたような業務をやっているのはPSWがほとんどですから、必要なら雇う。診療報酬というのは個人に行くものではないのです。そういう名前の下に病院にプールしていく訳ですから、だからその病院がその中で必要なところに支出する訳ですから。

委 員

一言。自治体病院では保健所の精神保健福祉相談員が人事異動で来ているのです。その職種も精神保健相談員なのです。そういう現実がありますので、保健所だけではないということだけ追加させていただきます。

精神保健福祉課長

働く場所について、病院と社会復帰施設とありまして、勿論診療所というのも大きな要素としてあると思いますけれども。

部 会 長

総合病院と診療所も勿論入ってこなければ困りますね。

委 員

今のと少し関連ですけれども、この2「法律案の内容」のところの上から5行目ですけれども、「及び精神障害者が日常生活に適応することが出来るよう必要な訓練を行うこと」というふうにありますけれども、私の意見ですけれども、ここを「訓練」としない方がいいというふうに私は考えます。
理由は、ソーシャルワーカーの地域での仕事というのはハンディキャップに対する対応な訳です。ですから、障害を持っていて、その障害が訓練によって改善しない場合にもソーシャルワーカーは支援をしていかなければならない
それがまた福祉の本旨でもある訳です。
それからもう一つは、訓練と言うと1対1の個という感じがどうしても浮かび上がってくるのですけれども、決してそれだけではない訳で、ネットワークをつくって、例えば、不安定な人だったら安定する場所をつくるとか、仕事が不十分であったら、能力が不十分なら不十分なりの場をつくるとか、そういうことをやっていかなければいけない訳です。そういうことは訓練の中から浮いてこないです。
世界的にリハビリテーションのときに、イコール訓練とするのはもうやめるのが今の一般的な傾向だというふうに思いますし、特にほかの職種と一番違うのがこの点なので、言葉はともかくとして 「福祉的援助を行うこと」とする方がいいなと。専門の方がいらっしゃいますので、その方々の御意見があればそれでよろしい訳ですけれども、私はこの「訓練」はやめる方がいいという意見です。

委 員

「訓練」のことは私も同じ意見ですが、その前の「適応ということも、実は社会に当てはめていく、適応させていくというようなことが私どものの課題でずっとあり続けたのですが、最近どうもそうではなくて、家を用意するとかいろいろな資源を開発して、そしてその人の日常の生活の支援という言葉を使っていますが、どうもそういう方向で相手を変えるのではなくて、周りが変わっていく中で彼の生活を支える。そういう意味でいくと、私どもは日常生活支援というような言葉を今、使っております。「支援」ということの方がよりソーシャルワーカーが地域の中で患者さんを応援していくということに適切ではないか。「援助でもよろしいのですけれども、その辺のところは○○委員と同意見でありますので、少し御検討いただきたい。

委 員

PSWを持っていただくというのは非常にありがたいのでございますけれども、社会復帰を進めていくのですけれども、これを国家資格としたために、いわゆる設けなければならないという義務化はしないというふうにお聞きしているのですけれども、再度ここで義務化しないということをお聞きしなければ、まだ日本精神病院協会の中でPSWを持っていない病院というのは随分ある訳で、だからその辺のことをきちんとお願いしておきたいというふうに思います

精神保健福祉課長

必置規制等を、今、規制緩和の世の中ですのでそういう時代に逆行するようなことは当然考えられませんけれども出来れば社会復帰のためには置いていただきたいという行政としての御希望はお伝えしたいと思います。

委 員

うちあたりは置いておるのですけれども、やはり日本全国ありますから、北から南までいろいろなレベルのところがありますので、必置義務を置かれると日精協はばらばらになってしまいます。

精神保健福祉課長

先ほどの○○委員と○○委員のお話に対してですけれども、結論は少し検討させていただきますということですけれども、これは精神保健法の50条の2の社会復帰施設の目的規定を引用しておりまして、ちょっと言い訳でございます。まだ少し時間がございますので文言は検討させていただきます。

委 員

文言にこだわって申し訳ないのですが、やはり同じ行のところですが、「精神障害者の社会復帰の促進」となっていますが、法文にあるように社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進としていただきたいと思います。精神保健福祉法の趣旨にもそうなっていますし、生活支援センターのことを考えると、やはり必要かと思います。

部 会 長

御一考いただくことにいたしましょう。
さっきの御質問へのお答えはそれでよろしゅうございますか。

委 員

はい。

委 員

既に社会福祉士という名称独占の資格があり、それからMSWも資格化を要望しており、そしてPSWが出来るという、これを将来どういう具合につなげていくかとか、社会福祉士の方がPSWになるにはどうしたらいいかとか、PSWが社会福祉士になるにはというような、その辺の関係はどのように構想されていらっしゃるのでしょうか。

委 員

私も大学におります者として、その点を、今、決定は多分出来ないけれども、将来に向けてどういうふうに進めるのがいいかということについてお考えがあれば伺いたい。
具体的には、国家試験の中で社会福祉の科目も当然必修になるでありましょうから、ある科目は社会福祉士の試験で取った科目、そこで試験パスしていれば、その科目は受験しないでいいとか、そういった内容的なつながりといったようなものの可能性はゼロなのかそういうのも将来なるのか。
それともう一つは、大学におります者としては、言い訳を含めて矛盾があるのですが、今の社会福祉の4年制大学における教育というのは、卒業の社会学士とか、そういったものも無理に分ければアカデミック・デグリーでして、プロフェッショナル・デグリーではないのです。ですから外国のこういったソーシャルワーカーの訓練機関とか、その人たちが得る資格と比べますときに、大学でいたします教育のシステムがかなり違っている面があるのです。
今、文部省の高等教育局ともその辺、社会福祉関係の職種も学校も増えている中で、これを放置しておきますと非常にいろいろな混乱が生まれると思うし、一方では医学教育との相互乗り入れの必要性みたいな勧告ですか、意見も出ておりますようで、是非とも新しくつくるときには、もう一つの新しい資格をつくったというのでなく、こういう現実の必要性があると私は思っていて、現実にこれは後で合わせているという意味ではこれが出来ると楽だという面が随分多いと思っているのですが、同時に、全体保健福祉士のあたりの援助専門職と言ったらいいのでしょうか、その辺の教育と資格の問題を議論する場を何とかこれを機会に設定していただくことは出来ないかといったような希望も含めまして。

精神保健福祉課長

○○委員の御指摘があった幾つかの職種についての整理ということですけれども、これは社会福祉法が昭和62年に出来た訳ですけれども、そのときからずっとこの資格をつくるとかつくらないとかという議論の中で、いろいろな案が出ては消え、出ては消えという経緯もある問題でございます。私どもこの資格を考えるときは、とにかく既存の2,500人ないし3,000人近い実際に社会復帰のために働いておられるPSWの方々をどういうふうに質を確保して、きちっと評価していくかということを前提に今回の案というものを構成してございまして、これから社会福祉士との、あるいはMSWとの関連というのをどういうふうにつけていくのかというのはこれからの課題ではないかというふうに考えております。
ただ、御指摘のとおり相互乗り入れといいますか、単位の互換というかそういうようなことを十分検討する必要があると思いますし資格間の意思疎通というのは十分検討していきたいと思いますし、また、法制上も5年後にはもう一度見直すというような規定を入れてその辺の担保もしていきたいというふうに考えております。

部 会 長

私がここで申し上げるべきかどうか迷いますが、確かにこういう資格をつくるためには、大学のカリキュラムを少々変えていただけないものか。

委 員

全国に社会事業関係の教育をしておりますものをつなげました全国日本社会事業学校連盟というものがございますそこでもやはり非常に問題にしております。
それから今、社会福祉に関しては専門学校でも教育をかなり行っていて、これをどうするかという問題もあるのです。ですから、そのときに実際にこの人たちの働く場の方々と、大学の関係者と、それから働いている人たち、勿論利用者とがですね。

部 会 長

私の経験の範囲でいうのですが、同じケースワーカーや心理学の人でも精神科へ来たい人と、精神科はまっぴらという人といるのです。根っからの精神科嫌いがある。一方また精神科が非常に……。

委 員

そこしかいるところがないみたいに思い込んでいる人がいっぱい

部 会 長

もちろん、社会福祉学科全部のカリキュラムではありません。これを望む一部の人に対して医学部とタイアップするなどして考えていただけるとありがたいですね。

委 員

ですから、例えば大学院レベルのでの単位互換を含め学部での、例えば学校連盟とほかの団体の共催での学生向けの特別なサマーコースの開設とか、いろいろな工夫が今、非常に必要な時期というふうに承知しております。ただいまたまたま私どもの大学が学校連盟の事務局を引き受けておりますので申し伝えるつもりでおります。

部 会 長

まだ少し時間がございます。御質問の十分であったところをもう一度でも結構でございます。例えば一番初めに御質問いただきました○○委員の御疑念の部分は晴れましたか。よろしゅうございますか。
例えば、医師は、精神障害の中には社会に帰さないと治したと言えない病気のあることを痛感しています。医者は大体全体のことは分かっている。少し我田引水ですが、そういう病気としてとらえているはずなのですが。

委 員

4年間も掛かって社会福祉のことをPSWの方が勉強するわけですが、お医者さんが6年間やる勉強の中で果たして全部カバーし切れているのかなということです。特に社会復帰と言うと、社会には法律制度とかいろいろな制度がございますけれども、社会復帰を念頭に置いて勉強される方はそちらの講座を取っておられるでしょう
どうもお医者さんの勉強はむしろ医療の方に行っているので、そこのところ少しはみ出してしまっているのではないかなと。それについてまで指導というのはいかがかと、お医者さんの負担が重いのではないか。PSWの方がもう少し独自に動けるのではないかなというような感じから申し上げていた訳ですが。

部 会 長

この点、専門委員から補足していただくのがよろしいですね。

専門委員

今の御意見分からぬではないのですけれども、ただ、現代チーム医療という、医者であり、看護婦であり、あるいは今度のPSW。
この中の入院中から云々ということで先ほども議論が出ました。
そうしたら入院しておる患者、病院だけに必要かというと決してそうではなしに、社会復帰という意味は、病院から社会に出ていくということと、あるいは在宅、家におられる方自身が自立されてくる、社会参加していくというような大きい意味を含んでおると自分は解釈しております。
普通はそのとき、先ほど部長が言われた責任問題というようなことから言えば、やはり医師の指示ではなしに指導と。この指導というのは、お互いにチーム医療として、あるときには看護婦の意見、あるときにはやはりPSWの意見、あるときには医師の意見というようなところで、我々としては昔の医者のオールマイティーということは決して思っておりませんし、1つのチーム医療の時代が来たというような意味において、解釈をしていただいた。どうしたってやはりPSWというのは過去10年ほどいろいろと積んだり、肥やしたりしてきたものをいよいよここに来て、そして各関係団体も前向きにとらえて、そしてあらゆる精神保健福祉法というようなところで、やはり患者さんの人権問題というのは一番大事なことですし、財産管理とかいろいろな新しい分野が出てきたから、それに向かっての1つのチーム医療の一端としてやっていく必要が出てきているのではないかというようなところで、決して医者自身がそうではないということだけ申し上げておきたいと思います
委 員
チーム医療というものは、法律上制度化されているのでしょうか

専門委員

法的にはまだのようなのですけれども、現実的には1つのチーム医療の時代に入ってきております。これは何年か後、5年後の見直しということを先ほども部長さんおっしゃっておりましたし、経過を見ながら、どうせ法制化していくような時代が来るのではないかと個人的には思っておりますけれども。

部 会 長

今の御説明でよろしゅうございますか。

委 員

この字面だけで見ていると、大して分かりもしない先生がお医者さんであるがゆえに横暴を極めるということはないということだけはよく理解したつもりでございます。

部 会 長

それから多分精神科にどうしても要りますところチーム医療というものが、今おっしゃるように将来法制化されていくであろう。そのきっかけにこれがなるのではなかろかという気がいたします。

委 員

今の○○委員の関連なのですけれども、チーム医療ということから一般の国民がイメージするのは、指導というよりは協力という言葉の方がぴったりするし、○○委員などがお医者さんたちとやっていらっしゃるのも指導というより協力というのがぴったりするとは思うのです。
ただ、田中さんからさっき責任問題、何か患者さんが事件が起きたときにだれが責任を持つかということになると協力よりもう少しきつめの言葉の方がいいかなという、そこの兼ね合いで私も非常にいい言葉が見つけられないのですけれども、例えば法律のことを知らないので協力としておいて、ただしこういう場合は主治医がどうとかというような書き方というのは出来ないものでしょうか。21世紀にまで通用する法律だと、パラメディカルからコメディカルになってきたりとか、割と横へ横へというふうに行っている流れからそんな印象を持つのですけれども。

部 会 長

御意見として承っておき研究していただきましょう。

委 員

私今日初めてこの議論に参加させていただいて、実は昭和38〜39年に掛けてイギリスにおりまして、当時イギリスは既にPSWをしっかり育てていまして、1965〜1975年に掛けて病院のベッドを半分にする。当時イギリスはやはり精神病院というのは非常に町から外れたところで、完全に囲い込みでやっておる。それを開放するというようなことで、非常にこの仕事に力を入れていた。
考えてみますと、今年は昭和72年ですから、もう三十数年、ようやく日本もこの議論が出来るようになってきた。
今の医師とPSWとの関係というのも、これは現場では非常に密接にうまくいくのだろうと思いますけれども、制度上今のお話にあったような指導とするのか、協力とするのかというようなことがある訳でありますけれども、やはり相手は患者さんというところが一番引っ掛かるところだと思うのです。最後に責任を持った主治医がいるということは大事にしなければいけないのではないかなと。
恐らくPSWのお仕事というのは、さっき○○委員がおっしゃられたようにいろいろな社会の職業開拓をするとか患者さんの日常の生活をじっくり見ながら、問題が起これば主治医とよく連絡をとりながらやるというそういう関係ではないのかなというふうに思います。是非1日も早くこういうものが目に見えるようになるといいなという感想を持ちました。

委 員

ソーシャルワーカーという専門職の訓練の1つは、他の専門職との関係における一定の礼儀とか、ルールとか、そういうものをどういうふうに守っていくかということがとても肝心な職種なのです。
通常この必要性が認識されるのが後ですから、どうしても後発の専門職として既存の非常に強い組織の中に入っていくことが多うございますし、あるいはまた何もないところから地域での仕事をつくるということ。
したがって、実際には他の専門職とのかかわり方に関する教育もまたマニュアルもつくられるというふうには確信しております。ただ、それではこういう制度の中でどういう言葉を使うのがいいのかということについては、言ってみれば、医療の中に医療職でない人間、広義に言えば医療職ですが、しかし社会福祉の基本教育を受けた人間が入るという、そういう意味では非常に新しい一歩なのです
薬剤師さんたちもそうですけれども、でもこれとはまたうんと違う意味で新しい試みですし、そして将来の医療を考えれば、そこのつながりがもっと濃くなっていくのが本当だということを目標に置いているからこそ入るという意味でそういう意味で言いますと、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律という長い法律の名前がいささかの矛盾を含んでおりますように、やはりこの制度はどう言い換えてみてもある矛盾は残るというふうに思っているので、その新しさの面を買ってといいましょうか、そちらを大切に今後促進していって、ですから5年後の見直しをつけるといったようなものには大賛成でございまして、その辺言葉については、いろいろ関係者の方が慎重にお考えになったらそれで仕方がないかというふうに思っております。

委 員

言葉の問題なのですが、現場では実際には今、先生方が言われたとおり、協力して話し合いしながらうまくやっているのですが、中には勝手なことをやってそれで具合悪くなった、それから1回薬やめなさいなんて言われて、それでおかしくなって問題起こしたと。
そういう場合の責任は今の医師法では最終責任は医者にある訳ですから、だから我々はとにかく患者に対する最終責任は自分たちが負うということでやっているのであって、別に権威主義でも何でもないので、法律上そうなっているということ。ですからむしろ医者も責任ないよと言われたら、こちらは気が楽になるのです。その辺が今度医師法と絡んでくると思うのです。だから本当なら「指示」という言葉を役所としては使いたいぐらいだったのではないかと思うのですが、現状はそう問題なくうまくみんなやっているということをお伝えしたいと思います。

委 員

資料5の下の方に保助看法の解除を行わずというふうに書いてありますが、やはり今回も、それから見直しに当たっても、既存の有資格者の方は是非その資格を大事にしていただいて、そこのところを是非お願いしたいと思います。

委 員

指導なのですけれども、これは医学、生理学に関する指導ということを当然の理解としてよろしい訳ですよね。

委 員

この社会復帰をさせる場合に、医師がこの患者さんをどういうところへ社会復帰させるとか、どこでもいいよという訳にいきませんので、この人はこの程度の障害があるからこのような職場をお願いしますよというようなことをPSWにお願いする訳ですから、やはりPSWはそれを見て診察という言葉には当たらないのでしょうが患者さんを自分が判断をしてぽっとやるということは今の現状にはそぐわないものですから、私は指導なのか、指示なのかということが非常に問題ではないのかと思います。
実際にやる場合に、精神障害者はどこでもいいよということでなしで、その人が一番適応するようなところを医師が判断をして抽象的にこういうようなところをやれるようにしてほしいのだということをPSWにお話をする。そしてPSWはそれに従って具体的なところを探すということですのでそれで私はそこに「指導」とか、「指示」だとかいう言葉を入れないと問題が起きはしないのかなということを言っているのであって、仕事はそれなりに独立ですけれども、そこまで医師が責任を持って社会復帰させるのですよということを申し上げたい。

委 員

医学・生理学的な指導のことを意味するというふうに理解してよろしい訳ですよね。

委 員

そうです。

委 員

現場はそうなっていないのです。一応「指導」という形で私もいろいろな医師法のことを考えますとやむを得ないと思いますが、大体私どもの場合、ある程度の社会復帰が可能だよというと、そこからぽんと任せられるのです。本来ですと○○委員おっしゃるように例えばこういうふうな段階でこういうふうにしなさいというふうな指導を受けますが、大体の場合は、もうこの人は退院させていいよというところから、大体のワーカーを任せられて、家探しをやったり、いろいろやりますから、現実は、ソーシャルワーカーでかなりベテランのワーカーのところは医師があるところまで、そしてその先はお前さんというふうなことが大体の現状なのです。

委 員

それは○○委員のところだけであって、多くの病院はそういうふうに考えてやっているのではないですか。

委 員

現状はそうなのですが、でもやはり私どものところもそうですが各主治医と連携しますね。連絡とるということは、何か事があったときにワーカーである私の責任よりは主治医の方の責任が問われますから、逐一そういう連携をとりましょうという約束事で始まっていますので、そういう広い意味で見るとこの指導というのは、そういう連携の下で指導を仰ぎながらしていくというふうに一応私は考えておりますが。

部 会 長

従って、こういう資格ができましたら、今まで少しルーズになりかかるきらいあった連携プレーが今までより非常にしっかりしたものになる可能性がありますね。

委 員

あります。

部 会 長

ケース・バイ・ケースで本来は余り望ましくない場合もあるかもしれません。

委 員

たまたまそういう医者にぶつかったのではないですか。

委 員

それは別にして、そういうふうに考えております。

部 会 長

どうぞよろしくお願いします。
最後に私は、このテーマは言うべきか言うべからざるかと思って迷うのですが、これはずっと長く臨床心理士とセットにしてチーム医療というものを考えてまいりました三村報告書もその両方を挙げておいでです。後者の方にいろいろ難しい問題があることは私もよく知っております。今日議論に出ました医師の「指導」という文言にも絡んで、いろいろ難しい問題があるのですがそちらのクリニカル・サイコロジストに精神科医療に御参加を願う方も是非続けて御検討いただきたいなと要望いたします。

精神保健福祉課長

この審議会での御意見も、それから附帯決議も、臨床心理士についても国家資格化について検討するようにと、調整するようにという御指示でございましたけれども、現実に数年御議論いただいているのですけれども、団体の中自体が割れておりまして、なかなか意見がまとまらないということで、今回は見送って、もう少し調整を続けさせていただくということにしたいと思っております。

部 会 長

よろしくお願いいたします。
それでは、ほぼ御意見も出つくしたようでございますので、ただいまの御意見を十分踏まえ、少し文面等においてお考えいただくことを前提にいたしまして、精神科ソーシャルワーカーの国家資格化につき、資料5の案で法制化を進めていくことを当部会としてお認めいただくことにしてよろしゅうございましょうか
(「異議なし」と声あり)

部 会 長

ありがとうございました。

精神保健福祉課長

どうもありがとうございました。これから法律の案をつくっていく作業に入る訳ですけれども、具体的に諮問・答申というような正式な手続をとる必要が出てくるかもしれません。ちょっと時間的な制約がございますので、最悪の場合は持ち回りというような格好で先生方の御了解を得るというようなこともあるかと思います。うまくいけば次回の当審議会で諮問・答申いただくというような形にしたいとは思いますけれども、これから手続面でそういう問題があるということをお含みおきいただけたらと思います。

部 会 長

ありがとうございました。
それでは、その他に入らせていただきます。まず1つが、栗田病院の件について御報告をいただきまして、その後、前回積み残しいたしました公開の問題を時間の許す限り御議論いただこうと存じます。
まず栗田病院の件についての御報告をお願いいたします。

精神保健福祉課長

1月20日でしたでしょうか、当審議会で概略御説明申し上げましたので、その後の対応につきまして、時間の都合もありますので、簡単に御紹介申し上げます。
資料6の最初のページはほとんど前回御説明申し上げましたのでその次のページになりますけれども、1月31日に県が実地指導結果について病院長あて通知をいたしました。
それと同時に、入院患者の処遇に関しまして、精神保健福祉法に基づきます処遇改善命令を前提としました手続をとりました。それは行政手続法に基づきます弁明の機会を与えるという手続なのですけれども、2月7日に栗田病院からは実地指導の結果に対する改善計画、それから先ほどの行政手続法に基づきます弁明書が提出されまして、これに対しまして、2月12〜13日の2日に掛けまして、回答が正しいかどうかという点で立ち入り調査を行いました。指定医が延べ5人入りまして、74人ほどの患者さんに対しまして、聞き取り調査をし、また、医師、看護婦等の職員からも聞き取り調査をしまして、状況が改善されているということを確認しまして、その旨2月17日に通知をしまして一応の一連の手続を終了したということでございます。
次のページには、改善命令を行うことを検討した事項、それの根拠となります理由というのが書かれております。
◯が4つほどありますけれども、こういうことに関しまして改善命令を掛けようというふうに考えた訳でございますけれども、いずれも状況については改善済みでございますという返答がございまして、それを県の方で確認しました。
もう一つ後で追加的にお配りしましたのが、実地指導の結果についての概略の紹介でございまして、1枚めくっていただきまして5「改善指導事項」というのがございますけれども、その(1)〜 (5)に掛けてが改善指導を県が行った、その内容でございます。
以上が栗田病院に関しましての状況の報告ということでございます。
前回○○委員の方から、実地指導等の栗田病院への精神保健法上の過去の指導状況について報告してほしいということがございましたので申し上げますと、過去3年間の実績を見ますと、昨年人員配置について医療法上必要数を充足していないという指摘をしておりますけれども、それ以外については実地指導等におきましての指摘というのはないというのが内容でございます。
それから、資料7をごらんください。これは各県に精神医療審査会というのがございまして、そこで定期の病状報告だとか、あるいは退院請求だとか、処遇改善請求、これは個人あるいは保護者から請求されるものでございますけれども、このようなものが上がっておりまして、それぞれ審査をされております。長野県のところを見ますと、しかるべき件数が上がっておりますけれども、栗田病院に関しましては、このような定期の報告について特に問題のある例はなかったということですし、また退院請求、処遇改善請求については1件もなかったということでございます。
資料8の方につきましては、都道府県別の実地審査というものについて報告させていただいておりますけれども、長野県の部分を見ますと、措置患者については実地審査をしておりますけれども、医療保護入院、任意入院等につきましては実地審査をしていないという状況でございます。
これに関しましては、私ども事務指導監査の中で実地審査をするようにと御指摘を申し上げているところでございます。
また、御参考に資料9のところに、私ども精神病院の実地指導等に関しましては、少し古いものも入っておりますけれども、昭和31年、45年、59年、そして平成元年とこのような通知がありまして、これに基づいて実地指導等を、あるいは指導監査等を行っているというところでございます。
以上、少し急ぎ足でございましたけれども、御報告申し上げます

部 会 長

御質問をどうぞ。

委 員

この栗田病院のことは精神科の医師としても非常に残念なことであります。厚生省にお聞きしたいのですが、医療法上定めた職員の標準数というものはこの病院でどんなような状態になっているのか
これは名簿だけではなくて、こういうふうな事件が起きたので、その名簿と、免許証と、顔と一緒に合わせるくらいにしたしっかりした調査をしてもらわなければ困るのではないか。といいますのは、この病院に準職員という退院患者さんが働いているということを聞いておりますが、この70人くらいの人たちは給食の手伝いだとか、寝たきり患者さんのおむつ交換等を行っていたというふうなことを新聞等で聞いておりますが、こういうふうなことは法に触れないのか。準職員たるものは何なのか。また、給与を支払っているというけれども、その金銭は院長が預かって明細は不明であって、本人に1万円ぐらいしか渡していないのではないかというような噂がありますが、それは本当であるのかどうか。
資料にありますように、「改善命令を行うことを検討した事項及びその理由」というところにありますのは、精神保健法に基づくことである訳ですけれども、この命令はよしとしましても、何か問題があるのではないかということを勘ぐる訳でございます。職員も精神病患者さんの処遇がこんなふうになっていることを今まで許していたのです。職員も全くこの問題点のことについて気づかない、こういう問題があることを気づいていない。また、そこには精神保健指定医が今5人いるということですので、精神保健指定医がこのことを全く見過ごしていた、それらは重大なことであるというふうに思う訳です。
そこで、ここに勤めている精神保健指定医の指定についてどういうふうに考えるのか。この院長の精神保健指定医の資格はどうするのか。また、ここの場所をフィールドとして提出されるであろう医師の精神保健指定医の資格を与えるのかどうなのか。そんなようなことも考えていかなければならない大きな問題がある。県の方は既にこの法で改善されました、結構ですということだが本当に結構なのかどうなのかきちっと精神保健福祉部として調べていただきたい。県はいいと言いましても2度、3度同じようなことがあっては困る訳ですので、是非そこの点をしっかり厚生省の担当部として考えてほしいというふうに思います。
精神保健法の法律のらち外のことが何かあるような感じがします。というのは、準職員というのがここの病院の寮に住んでいる。家で引き取らないというようなことがあるようですけれども、働ければそれの対価はきちんともらうべきである。そして退院したのですから、お小遣いを預かるということ自体おかしいことですし、こういうことが法律上問題はないと言えるのかどうなのか。
書類は病院に今あるのでしょうか。今、院長捕まっていますので書類もないのではないか。余り早急に結論を出さずにきちっとした対応をお願いしたいと思います。

精神保健福祉課長

大変厳しい御注文いただきましたけれども、捜査中の部分もございまして、私ども確かに十分事実を把握し切れないという点もあります。
また、○○委員がおっしゃられました精神保健福祉法だけの問題ではなくて幾つかの課にもまたがるような問題でございますので、関係課とも少し連絡をとり合いまして、今後とも注意深くこの事例に関しましては見守っていきたいと思います。

委 員

これは精神病院を所管しています精神保健福祉課が一番よく知っている訳ですので、イニシアチブをとって、指導課、また保健局もあろうかと思いますけれども、是非きちっとした対応をとって下さい。ほかの精神病院も同じようなことをやっていると思われるのが非常に困りますので、そこの点はきちっとした対応はしていただきたい。そうしないと国民が納得しませんし、患者さんも非常に不安に思うと思いますので、対応をよろしくお願いいたします。

障害保健福祉部長

大変重要な御指摘をいただいておりますので、○○委員の御指摘の点も踏まえまして、それから今、課長が申し上げましたように若干情報が十分でないところがございますので、引き続いて県の方から情報を得まして、また新たなものがありましたら当審議会にも御報告しながらきちっと対応していきたいと思っております。

委 員

教えていただきたいのですけれども、2月17日に改善状況を確認したということで通知されていますが、これは指定病院としてそのまま続くのでしょうか。通信・面会などのところで随分指定病院としては問題があったと思うのですけれども。
精神保健福祉課長
一応県の方からの報告を聞く限りは、処遇改善命令を掛けるには現時点では相当しないということで、違法な状態はないという認識ではないかと思います。
ただ、指定病院の指定の要件を満たしているかどうかということについては再度の確認をして、これから県の方とも連絡をとって検討を続けていきたいと思っております。

委 員

先ほど課長さんからの御報告の中で、「栗田病院から審査請求が1件もございませんでした」というのがあったのですけれども、 「ございません」ということがとても問題です。信書は自由でなくて、電話がだめで、面会が立ち会いとなったら、審査請求出来るはずもない訳で、むしろまるでそういうことを言ってこない、審査請求ゼロというところこそ問題があって、ゼロのところは審査会なり役所の方から逆に大丈夫かということを見に行く必要があるのではないか。そういう調査もされてはどうかということが1つです。
それから、今日ここに埼玉県の御関係の方が3人おられるのですけれども、たまたま「天声人語」を転載したということで送られてきたニュースレーダーがあります。埼玉県の精神保健ボランティアグループという埼玉県立精神保健総合センターで会合などを持っておられる、○○委員とも御縁の深いグループが発行しています。ここに埼玉県内のある病院の面会室にこういう注意書きが張ってありましたと。「手紙の投函や外部との連絡は断ってください。持参された品物は看護者にお渡しください。面会時間は20分までとしますとか、そういうようなことを堂々と病院の中に張っているところがあるというのです。この部会に3人もの方が呼ばれるくらい精神保健のレベルが高い埼玉県でも行われているということは、かなり全国的に、勿論○○委員が心配しておられるように、あの栗田病院並みのところがうじゃうじゃはないにしても、非常に似通った風土のあるところがあるので、なるべく早く全国的にそういう調査もされてみたらいかがかと提案いたします。
先ほどの○○委員の御質問の中で、今現在で分かっていることがもしあったら聞かせていただきたいなと思うのですが。栗田病院に5人の指定医さんはいたのかとか、その指定医の資格はどうなるのかということについてどうでございますか。

精神保健福祉課長

指定医はたしか7人でなかったかと思いますけれども、それはおられるということは確認してございます。
指定医の資格についての再検討というのは、現在のところはしてございません。もし必要ならばもう少し検討させていただきたいと思いますけれども。

委 員

指定医の条件とか、研修の内容は詳しくは知りませんけれども、多分こういうようなことを知ったらば、きちんと人権上の配慮をしなければいけないということを教育されたり、それがクリアされているから指定医になっているのだと思うので、それがだめだったら自動的に取り上げるとか、そのくらいしないと状況はよくならないのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

委 員

私も指定医がいたのにこういうことになったというのは非常にショックでした。法の規定した措置が全く機能しなかったということだと思うのです。これは指定医が関与しなければ出来なかった事件で、指定医の方に責任がなかったとは言えないと思います。資格の取り消しかどうか別といたしましてやはりもう少し深刻に受けとめる必要があるのではないかという具合に思いました。

委 員

京都の十全会事件のときは、準職員が法定闘争に持ち込んだということがありましたので、徹底的に調べて全部なくすようにしました。退院した者を寮に入れて、保険を与えて1日 100円くらいで働かせておったと。これは準職員ですけれども、十全会で大きく問題になったことですからこれはあってはならぬことだと思います。
それから指定病院の取り消しにつきましては、シーツを不正請求しているのが後になって分かった病院が、それだけの理由で事実上の指定病院取り消しということをやっております。それは病院の方からも手を挙げたこともありますが、行政委員も全部返上とこれは自発的にしております。
それから名古屋での殺人、これは殺人の原因が刺殺だけかどうか血液型の不適合ミスもある訳ですけれども、この問題は指定医が取り消しではないですけれどもそれに近い処分を受けておりますし、指定病院もたしか取り消されているはずです。ですからそういう例がたくさんありますので、そういうものに照らしても県の指導が甘いのではないかという気がしておりますので、県の方を指導していただきたいと思います。

専門委員

先ほど○○委員から意見が出ました。全く自分もそのとおりだと思いますし、これをこのままで実地審査の結果はこうなのだと、指導の結果はこうなので、そして今のところ改善されていくというようなところで、日本の民間病院で何年かに1回ずつこのようなことが起きておるので、もう少し実態を十分に把握したいという気持ちが我々としては持っておる訳なので、この任意入院者の退院申し出入院患者の処遇、預かり金その他というようなことで、全く人権問題というような面からとらえてでも、そう簡単に終わるべきものではなし、何がこうさせたのかと。ただ、ここの院長自身の方針が間違っておるからこのようになったのか、7名の指定医がおるにもかかわらず、それはそのようなところでこのことに対しての責任をどう感じておるのかというようなことも含めて、ほかにこのようになってきた本当の原因はどこにあるのかという検討をもっと深く我々としても始めたいというように思っております。
これからも十分に連携をとりながら、再びこういうことがないようにしなければ、国民の信頼を全く精神病院というのは失ってしまうというのは大変な問題だというふうに思っておりますし、行政として出来ること、また、我々民間として出来ること、これはお互い連携をとりながら、もう少し原因追及をやっていかなければいけないという気持ちを持っておりますから、どうぞよろしくまた御指導願ってはというふうに思います。

部 会 長

よろしゅうございましょうか。本日は皆様からいろいろな御意見をいただきましたので、事務局の方からどうぞよろしく御勘案のほどお願いいたします。
最後に、私の時間配分が下手で8分しか残らなくなったのですが「公開」問題について少しやって終わろうと存じます。事務局から何かございますか。

精神保健福祉課長

一番最後に、先ほど事務局の方から資料説明でございましたけれども、○○委員の方からの意見陳述がございました。精神保健福祉部会の公開問題が議論になっているということをお知らせしましたところ、お立場上発言をしたいということでこのようなファックスをいただきましたので、御紹介させていただきます。
部 会 長
今、お配りしましたのでどうぞお読みいただきまして、次回御意見いただきとうございます。○○委員からも次回は御出席の上、お話を承りたいと思います。

委 員

前回私は名前入りの議事録にすべきだというふうに申し上げ、その後のいろいろな事情からもなおさらそのように思っております。
1つは、この会からも8人ぐらいが出て、昨日も中央児童福祉審議会と身体障害の方の委員会と3つの企画分科会というのがありましたが、そのときも冒頭で、匿名ではなくて名前入りの審議議事録でいたしますということを座長さんがおっしゃって、皆さんうなずかれて、その中にはここの8人もおられた。企画分科会とこの部会とはそんなに違うと思えないということが1つ。
それから今日ずっとお話を聞いていましても、この中で名前を隠さなければいけないような議論というのは全くなかったということから、今後どういうことがここで議論されるか分かりませんので軽々しくは言えませんけれども、まずは名前入りの審議記録、何か特別の事情が生じたときはそのときにまた部会長さんにみんなが言って、ここの部分はちょっとやめようよというようなことでいかがかと思うのでございます。

部 会 長

ありがとうございました。

委 員

多少言い出しっぺになったものですから私からも一言申し上げますが、原則というのはいろいろの知恵で出来ておりますので尊重すべきものと心得ます。具体的な事案に適用する場合には、その原則が教条的にならぬように検討してみることも1つかと思いますし、議事録を読ませていただいても、議論の中身、あるいはどんな問題点があるかということはまず全部分かると。確かに発言者の名前があるかないかで多少の違いはあるにしても、ほとんど把握出来るのではないかと思います。
発言者の名前を出すことによって明らかになる点もありますが、その人たちに対して圧力が加えられる可能性から自由な討論を続けるためには匿名ではいかがかというふうに申し上げた訳でありまして、実はそのとき私の頭にあったのはPSWの問題でございます。
これは前の審議会でも少し議論が出たときに、何度も面会を求められたり、資料を送ってくるのはよかったのですけれども、そういうことがあったのと、前の職場にいたときに、少しイデオロギー的な問題があって、猛烈な電話攻勢を受けて、電話番号を変えて、今もってアンリスティッドにしたというようなことがあったものですから、そういうことを申し上げた訳であります。
それから、この間の日銀法の改正案を見ておりますと、金利の上げ下げという懐に直接関係するような問題についても、概要はすぐ披露するけれども、名前の入ったものは少し後だというようなことがあって、議論を自由にするにはそういうことも1つの知恵ではなかろうかと思いました。
ですから、私も未来永劫匿名がいいということを言っている訳ではなくて、何かイシューがホットな間といいますか、議論が白熱しているようなときにはしばらく置くのもいいのではないかと。しかしその辺をだれが判断するのかとなると部会長だということになる部会長に対する負担が大変重くなってしまうかなと。例えば1年とか2年とかいう期間を置いて公表するというのも1つでしょうし何かその辺でうまい知恵があれば、御判断いただいてここからいいだろうということであれば、私も勿論多数の御意見の方に賛同です
そういうことで考えております。

障害保健福祉部長

先ほど課長が申しまして、今日はたまたま前の2つの大きな議題があったものですから、名前入り議事録のことについて一番最後になってしまいましたので、申し訳ないのですけれども、今までの議論は残念ながらの前回のとおり匿名でと。それで私ども部としては他の審議会は全部名前入り議事録公開でやっております。審議会が3つございます。精神と、知的障害と、身体障害と3つありますがほかの審議会はすべて名前入り議事録公開でやっております。私自身もたまたま前の部署のとき厚生科学会議を担当いたしまして、これは公開ということでやった訳でございますが、今の時代の流れでございますので、私はやはり議事録名前入り公開が原則なのではないかという気がいたします。
ただ、この精神保健部会はある意味では先進的に、去年の段階ではなかなかそこまでなかったのですけれども、去年の段階でまだほかのところがそういう公開とか何か言っていないときに、先見的に匿名で公開ということになってそのルールがずっと引きずって今まで来ておりますので、この間以来委員の間でいろいろ御議論ありました。
今日は時間の関係もありますので、次回までに、先ほど○○委員がおっしゃったように、部会長さんに余りの御負担もあれでございますので、こういう場合には公開する、こういうときには名前入りの議事録公開、こういうときには匿名の議事録公開とか、あるいは同じ2時間の中ではこの部分は匿名というのがあるのかもしれません。それぞれ何かある程度のルールを部会長さんの方と御相談してそれを次回にお諮りして、やっていただけたらなという気がいたすのでございますが、コンセンサスが得られないでいつまでもずっと前の状況がとまらない状況で、今日の場合はまだ匿名議事録公開ということになってしまうものですから、何とか次回あたりから整理が出来たらなと思っております。

部 会 長

この問題は多数決ではなくて皆様全員の御納得の上でやりたいものでございますから、次回へこのまま持ち越させていただきます。
したがって本日の議事録につきましては、公開(匿名)ということにいたしますので、御了承いただきます。
どうも本当にありがとうございました。
あと連絡をいただいてジャスト12時でございますので、終わることにいたします。

精神保健福祉課長

今後の精神保健福祉部会の開催日程でございますけれども、3月27日の午後2時〜4時を、これは以前御予約いただいてある日程でございますけれども、後日開催通知については送付させていただきます。
また、企画分科会につきましては3月28日、その翌日ですけれども2時30分〜4時30分という予定になっております。企画分科会の委員の皆様には予定の方をよろしくお願いしたいと思います。
それから先ほど少し申し上げましたけれども、法案提出の関係でもしかしましたら臨時の部会、あるいは持ち回りの格好で諮問・答申というような手続をとらせていただくかもしれませんので、それもお含みおきいただければというふうに思っております。
連絡事項は以上でございます。

部 会 長

これで終了いたします。ありがとうございました。



公衆衛生審議会精神保健福祉部会議事録

平成9年1月20日(月)11:20〜13:00
厚生省特別第一会議室

課 長 補 佐

それでは、ただいまから精神保健福祉部会を開催させていただきます。

精神保健福祉課長

本日は大変御多忙中のところ、御出席いただきましてありがとうございました。公衆衛生審議会総会が少し長引きまして、時間が20分ほど遅れまして大変申し訳ありません。
私、精神保健福祉部精神保健福祉課長の田中でございます。
部会長選出までの間、議事の進行をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず最初に、篠崎障害保健福祉部長からごあいさつを申し上げます。

障害保健福祉部長

障害保健福祉部長の篠崎でございます。
先ほどの総会におきまして、委員の改選が行われました。この精神保健部会におきましては、新たに9名の方に新しく委員に御就任をいただきます。引き続いてお願いいたします委員と御一緒になっていただきまして、21名の委員に御審議をいただくことになる訳でございます。
昨年は、障害者プランの初年度でございました。平成9年度、後で御説明申し上げますが、障害者プラン関係につきましては私どもの要求のほぼ満額が予算案で示されております。御承知のように精神障害者、知的障害、それから身体障害の3障害を一緒に所管をする部が発足をいたした訳でございますが、それぞれノーマライゼーションあるいはリハビリテーションの理念の下に施策を進めてまいりましたが、この3障害を一緒になって総合的な観点から今後も進めていきたいというようなことで、それぞれこの審議会も別々になっておりますので精神、知的、それから身体と、それぞれの審議会から8名程度の先生方に企画分科委員会というものにお出になるようにしていただいて、この企画合同の分科会を昨年の10月に設置をいたしまして、現在もその審議をしていただいておるところでございます。
その3つの合同の部会におきまして、例えば国会で議論されます介護保険をどう考えたらいいのかとか、3障害に共通する問題について御審議をいただこうというように思っております。
本日はちょっと時間が遅れておりますので、この後、議案がたくさんございますから私の話は短くしたいと思いますが、最後に幹部の紹介をさせていただきます。
企画課長の伍藤でございます。
精神保健福祉課社会復帰対策指導官の森でございます。

どうかよろしくお願いいたします。

精神保健福祉課長

続きまして、当部会は21人の委員によって構成されておりますけれども、委員の皆様方を御紹介させていただきます。お手元の配布資料のナンバー1というところに名簿がございますので、それをごらんになりながら御紹介をさせていただきたいと思います。
まず、井上新平委員でございます。
大熊由紀子委員でございます。
岡上和雄委員でございます。
笠原嘉委員でございます。
紀内隆宏委員でございます。
吉川武彦委員でございます。
窪田暁子委員でございます。
またもう一度真ん中の方に戻りまして、小池清廉委員でございます。
渡嘉敷曉委員でございます。
新田勇委員でございます。
牧武委員でございます。
町野朔委員でございます。
三浦勇夫委員でございます。
宮坂雄平委員でございます。
なお、本日欠席されています委員は融委員、比嘉委員、藤井委員、古谷委員、谷中委員、渡邊委員の6名でございます。 藤原委員は、結核予防部会出席後、出席される予定でございます
また、本日付で公衆衛生審議会の専門委員として、社団法人日本精神病院協会の河崎茂会長が就任されましたので御紹介申し上げます。
それでは、部会長の選出をお願いしたいと思います。公衆衛生審議会令の規定によりますと、「部会長はその部会に属する委員の互選によってこれを定める」となっております。いかがいたしましょうか。
○○○委員、お願いします。

委 員

若輩者からで大変失礼ですけれども、笠原先生にお願いしたいと存じますので御推薦申し上げます。いかがでしょうか。

精神保健福祉課長

ただいま、○○○委員より笠原委員に部会長をお願いしてはという御発言がございましたけれども、いかがでしょうか。
(拍手起こる)

精神保健福祉課長

では、御賛同を得られたということで、本部会の部会長は笠原委員にお願いいたしたいと存じます。
なお、これからの議事は笠原委員にお願いいたします。
(笠原部会長 部会長席へ移動)

部 会 長

笠原でございます。ただいま御推挙賜りまして、前会長に引き続きこの大切な役目を務めさせていただきます。
申すまでもございませんが、出来るだけ円滑な運営を志したいと思いますので、御協力のほどお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、引き続き議事に入らせていただきます。公衆衛生審議会令第5条第5項によりまして準用されますところの第3条第4項の規定によりまして、「部会長に事故あるときはあらかじめ部会長の指名する委員がその職務を代理する」と規定されておりますところの部会長代理でございます。私といたしましては、小池委員にお願いいたしたいと存じますが、いかがでございましょうか。
(拍手起こる)

部 会 長

それでは、小池先生どうぞ。

委 員

小池でございます。よろしくお願いいたします。

部 会 長

では、小池先生にお願いいたすことにいたしまして、2つ目の議題に入ります。「精神保健福祉部会の公開」についてでございます
御説明をお願いいたします。

精神保健福祉課長

先ほど行われました総会におきまして、会議の公開等につきまして公衆衛生審議会の決議が行われまして、部会の公開につきましては部会長の決するところによりまして会議または会議議事録を公開するものとするというふうにされました。精神保健部会におきましては、平成7年3月1日に開催されました当部会におきまして、お手元の資料のナンバー2にありますように決議をされております。
その内容ににつきまして、ちょっと読ませていただきます。
「1.公衆衛生審議会精神保健部会においては、部会長の決するところにより議事録(氏名は匿名)を公開するものとする。
ただし、特定の者に不当な利益又は不利益をもたらし、又は、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれのある場合には、これに代えて部会長の決するところにより、議事要旨を公開する。
2.提出資料等についても、部会長が、特定の者に不当な利益又は不利益をもたらし、又は公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれのあると認める場合を除き、公開するものとする」。
こういうことになっておりますけれども、引き続きこのように取扱いをさせていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。実際に、3月26日の審議会の当部会の議事要旨について及び10月16日の審議会の議事録につきましては現在、公表されておりまして、下の行政相談室に行きますとそれを閲覧することが出来るということになっております。
以上でございます。

部 会 長

ただいまの御説明につきまして、御意見、御質問がございましたらどうぞお願いいたします。

委 員

公衆衛生審議会の議事録も、氏名は匿名でしたか。匿名というのはよほどのことでない限りしない方がよろしいのではないかと思います。
それから、議事録は、余り時間がたつと何の意味もなくなりますので、速やかにということでされるといいのではないかと思います

委 員

ささやかな経験でございますけれども、利害の対立する議題が議論されますと、委員の自宅にいろいろなものが関係する団体から送られてまいります。私は電話まではございませんでしたけれども、ややこしいこともありますので、総会のあれではございませんでしたが、匿名というのはなかなか意味があるんじゃないかなというふうに私には思えます。
確かに公開ということとの関係で問題もあろうかと思いますけれども、発言者がだれかということは影響を持つことがありますのでこれは部会長が決せられるということにされてもいいんですけれども、私はここの案を一応支持したいというふうに思います。

部 会 長

御意見がほかにございますか。

委 員

公衆衛生審議会の総会の中で決められたものが、まず優先するだろうと思います。ですから、あの中であったもののほかに特別な問題として、この部会としてこうした議事録の中に匿名ということがあるのかもしれませんけれども、あの総会で決められたことは前提になっているというふうに考えていいんじゃないかと思うんですがその辺はいかがなんでしょうか。

部 会 長

どうぞ、課長。

精神保健福祉課長

先ほどお決めになられたことは審議会、それから部会について規定しておるものでございますので、部会に対しても適用されるということでございますけれども、その決議の中には、部会長の決するところにより云々というふうに書いてございますので、それに対して何らかの追加的な約束を出されるということは、法的というのは変ですけれども、ルール上は何も問題がないということで、現実問題として私どもはこれより先、つまり昨年から既にこういうルールでやっております。
しかも、それは一定の議論を経た上で、この公開について、先ほど○○委員の方から御意見がございましたけれども、そのような意見を踏まえた上で、とりあえずそういうことでやってみるかということで公開のルールが決められているということでございますのでそれを前提に御議論をいただければということでございます。
それからもう一つ、速やかにということでございますけれども、これは1か月以内に公表するということで、多少遅れることもあるかもしれませんが、限りなく1か月以内というルールでもって公表をするというふうにしているところでございます。

部 会 長

どうぞ御意見を。

委 員

昨年から匿名というのが入っているということでしたけれども、今日はまた更に前進して、匿名などということを入れずに会議を公開するものとするというふうに公衆衛生審議会が進んだ訳ですからこの部会もそこまで進めたらどうかと思います。
精神保健部会だけが匿名というのをくっ付けるというのは、何か精神病の患者さんは普通と違って危害を及ぼすものだというような偏見をかえって振りまくことになるのではないか。審議会の委員というものを引き受ける以上、そのくらいの覚悟はするべきだということがよく審議会問題を論じられるときに言われておりますので、
私は皆様に勇気を持っていただきたいと思います。

部 会 長

その他、いかがでしょうか。

委 員

私は、出来るだけ議論を活発にするために、こういう意見が出たああいう意見が出たという意見でよろしいので、一々名前まで出さなくてもいいのではないかなと、かようには思っております。

委 員

そういう匿名性を守るということになると、会議は原則として公開しないということになりますか。傍聴は入れないということになるんでしょうか。そうはならないんでしょうか。傍聴人が来てそこで見学すれば、だれがどんな発言をしているかというのは一目瞭然になると思いますので、匿名でだれが発言したかということが分からないということであれば、原則として会議は公開されないというふうにならざるを得ないと思うんですけれども、その点はどうなんでしょうか。

精神保健福祉課長

法律の解釈といいますか、言葉の取り方の問題だと思いますけれども、公開ということの内容でございまして、いわゆる傍聴者を入れて一般的な公開をするということと、それからその公開も事後的に議事録を公開して、それでもって公開とするということもあるのではないかというふうに考えておるところでございます。

委 員

これは、何か文章として議事録の氏名は匿名ということを原則にしてしまうというのはちょっと今の時代の流れに非常に逆行していると思いますけれども。
委 員
匿名にするかどうかということをまず考える前に、この部会の決まったことというのは、ここに参加している人たちの全員の責任においてやることであって、私は反対したんだ、おれは賛成したんだというようなことであっては困るのではないか。やはり、ここで決したことは全員の責任においてオーソライズするべきであって、その過程というものにつきましては、私は今のところ議論を活発にする意味では匿名にしておいて、時期が来れば、また問題によっては匿名でなくやるということも必要になろうかというふうに思いますが、まず会議の決定はこの部会の全責任で決めるというふうに考えていかなきゃいけないんじゃないか。その意見で、匿名でもよろしいのではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
部 会 長
ありがとうございます。そのほかには。

委 員

後から来て何ですけれども、私はほかの審議会もお世話させていただいておりますが、特に精神の関係者というのはいろいろ注文とか、質問とか、苦情も含めてですが、非常に多いし、長いんです。
それで、それぞれの名前とか部所とかというのが出ますと、何のことというよりも何でも言いたいことを全部片っ端から電話されるんです。
それで、私の場合だったらむげに切る訳にもいかないし、お話を伺っていると1時間も掛かるんです。それで、お電話が長いから、お電話代も掛かるでしょうし、書いてくださいと言っても、いや書けるような人間ではないので聞いてくれというので1時間も引っ張られるようなことがあるんです。
だから、委員にはこういう人がおられるというのが公開になっていれば、一応事務局はおありですけれども、そういうお電話は事務局の方に行くと思うんです。だれがどんなことを言ったというと、それに揚げ足という訳ではないですけれども、いろいろ御意見をいただくのはいいんです。責任を持って発言していますからいただくのはいいんですけれども、ほかの仕事もございますし、私は保健所ですけれども、保健所の事務所の仕事に差し支えるんです。
だから、名前は結構ですけれども身分までというのはちょっと控えていただけたらありがたいなと思います。責任を持たないという訳ではないんですけれども。

部 会 長

皆様の御意見を大体いただいたと考えてよろしゅうございましょうか。
では、議事進行のための提案でございますが、私の思いますのにこれは前の部会の時代にここに至るまでに随分御議論があったんだろうと推察いたします。従って、本日ただいま初めてのこの部会におきまして、これを直ちに変えることに、少し私は躊躇するので、本日のところはこれに従って運営をさせていただき、後日、継続的に論議するということにしてはと存じます。

委 員

ちょっとよろしいですか。先ほど私が申し上げたことがちゃんと伝わっていないのかもしれないと思って、もう一度発言させていただきます。
これは平成8年3月に私も参加したときのものでございますけれども、これが決まったときは、たしかあのときは閣議か何かで御相談された後にそのまますっと流れてきて、そして各部会でも検討してほしいということだったような気がいたします。それで、検討した結果がこれになった訳でございますけれども、先ほど申しましたように、今回公衆衛生審議会としてどうするかということを決めた訳でございますから、それがまず大前提になっているだろうと思っています。
その大前提の中に、公開に関しての問題がちゃんと論じられましたし、そして今、公衆衛生審議会としてそれを決めてきた訳でございますから、その大前提の上にこの部会がどうするかということを決める訳で、大前提が先にある訳で、この3月の決議が先にある訳じゃないんです。
したがって、大前提をまず認めた上で、それではこの部会としてどうしても匿名が必要なのかどうかということをきちんと議論しなければいけないんじゃないかということを、先ほど私は申し上げたかったんです。是非、その辺のところで考えていただきたいと思います。

部 会 長

先生へのお答えは、先ほどの課長の御発言でよろしいかと存じておりましたが、もう一度改めていたしましょう。
先ほどの10時からの審議会の全体の中で、資料4の公開についてがございました。それとの関係でございますね。課長、先ほどの御意見をもう一遍お願いいたします。

精神保健福祉課長

ちょっと言葉足らずだったのかもしれませんけれども、部会長の決するところによって会議または会議議事録を公開するものとするというふうに決議がされているところでございます。
これによりますれば、当然過去に開催された部会で、既に公開について何らかの決定がされていれば、特に新しくルールをつくる必要性は必ずしもないというふうに私どもは考えているところでございます。
以上でございます。

部 会 長

これにつきまして、御意見ございませんでしょうか。

委 員

例えば、まず公開しておいて、不都合が起きたらそれから考えるというのではどうでしょうか。こういうことが起こるんじゃないかしらということで匿名にするというのは、世の中の人たちの精神病の患者さんに対する偏見と同じところから出発するような気がします。

委 員

先ほどの総会での決議によりますと、特定の者に利益または不利益をもたらして公正、中立が阻害されると認める場合においては、部会長が決してその理由を公表しなくてはいけないというふうにございますね。
ですから、この部会での決議内容が総会よりも一歩後退したものであれば、その理由を公開してプライバシーのために名前はだめだと。それで、それは例えば職場や家庭に電話が掛かってくるというふうなケースが非常に精神保健部会は多いからというふうな理由を公表しなくてはいけないのではないかなというふうな気はするんですけれども、それはどうかなという気が私はちょっといたしますので、その点だけ指摘したいと思います。

部 会 長

○○先生、お役所へ掛かるのですか、お宅へ掛かったりもいたしますか。

委 員

調べて来ますね。どこで調べたんですかね。

部 会 長

時間はともかくといたしまして、かなり数も……。

委 員

まだ中央の方からのあれは、この審議会からというのはそんなに数はないんですけれども、それでも遠方からですから、係の者も特別に割込みで急いで取り次いだりしますから、県内ですとまた掛け直しますとか何とか遅らせたりするんですけれども、とにかく時間が長いんです。

委 員

それは、議事録が公表されたために起きたことではないんじゃないかと思うんです。先生がある何かのメンバーになっているという……。

委 員

これは議事録が公表されたためというのでは直接ではないでしょうけれども、やはりこういう議論があったと言ったら、それに関連してすぐに電話マニア的な人がおりますので、なかなか説得出来ないような質問なり、御意見があるんです。何か関連して、それはちょっと話は違いますよと言ってもなかなか説得出来ないようなことで、いつまでも電話で繰り返し、繰り返しお話があるんです。

部 会 長

それは、こういう公開ということと特別に関係があるんじゃなくて以前から。

委 員

かなり関連はあると思います。
部 会 長
どうぞ。

委 員

ちょっとお伺いしたいんですけれども、議事録を匿名にするときに委員出席者はちゃんと最初に書く訳ですか。

精神保健福祉課長

出席委員名は記載してございます。

委 員

そうすると、だれの発言と書こうと書くまいと、いずれ言ってくる人は言ってくるという感じがいたしますから、私もどうしたらいいか分からないところがあるんですが、そこまで出すのならばやはり名前は書いてもいいのかなという感じはするけれども、そこら辺はちょっと見方が甘いのでございましょうか。それとも、非常に心配ならば最初から委員の名前も出さない、出席者の名前も出さないということにするかということだろうと思いますが。

部 会 長

名前は出るでしょうね。議事録とか、議事要旨というとき、全体の出席者、欠席者の名は出ます。
委 員
これは一日じゅう議論しても結果は出ないと思うんです。確かに前もいろいろな実態調査とか何かというときに委員になっていたために、うちまで変な右翼じゃないけれども街宣車みたいなものが来てマイクでどなられたり、脅迫の電話が来る、手紙が来る、そういう思いは今まであるんですね。だから、時代が変わってきたかどうか、まだこちらも実感としてないんですが、立場によってきりがないと思うので、大前提は○○先生がおっしゃったのは分かるんですが、多少はその辺は融通性を持って、部会長の一任というのは出来ないんでしょうか。

委 員

私は大分前から福祉関係の団体に所属していたことがあるんですが、関係団体は審議会の委員というのをみんな知っていまして、幾らでも要望書を出してくるんです。ですから、こういう国の委員になるということは、要望書などはどんどん来るのが当たり前なのでそれは覚悟してなっていただいておるんじゃないかというふうに私は理解しているんです。その辺はちょっとわきまえる必要があるんじゃないか。余分なことですが。
委 員
要望書ならばいいけれども、脅迫状では困るんです。

委 員

それは相手によりますけれども、しかし、臨床の場にいたら幾らでも電話は掛かる訳ですし、脅されることもある訳ですし、それは仕事として当然じゃないんですかね。

委 員

そこまで割り切れないですよね。実際にいろいろなほかの面で支障がきちゃって。

部 会 長

先ほど申しましたように、私といたしましては、これは前部会での御審議の結晶だと存じますから本日は、さしあたり、このままいきたいんです。一つの問題は今、おっしゃったように、去年の3月から今年の1月まで10か月の間に、精神保健部会の公開度を乗り越えてほかの部会の方が先に進歩しちゃって、こちらが取り分け遅れておるというような事情が仮に生じたとすると、それは安易に放置出来ないと存じます。課長のお話を聞くとそこまで考えなくてもいいのではないかという気もいたします。
それから、御指摘のありましたように、これも匿名といたすにあたって、何か理由を附けない訳にはいかないでしょう。その覚悟でこのままでいくかと今、私は考えております。
思うに、臨床医は自分の仕事ですから体を張ってやるのは当然といたしまして、必ずしも委員の皆様の中にはそうでないお方もおいででございます。

委 員

度々すみませんが、抗議文が来るというのは、ブラックボックスの中で訳が分からないままにいろいろなことが決められていくということが不安だからそういう問題も起きてくるので、公表した方が無用の脅迫とか、そういうものはなくなるんじゃないか。
まずは、そういうことがあるかどうか分からないうちから匿名にするのではなくて、匿名ではなくやってみて、現実に匿名ではなくしたために特定の委員に御迷惑なことがあったら、そこでまた考えるというのが物の順序ではないかと思います。これは、やはり精神保健部会というものにとって非常に重要な、精神保健福祉をどう考えるかという根幹にかかわることだと思います。

委 員

大変申し訳ないんですが、私からもう一度言わせていただきますと、だれが審議に参加したかという名前は分かりますが、この意見はだれが言ったんだということを押さえた方がいいのではなかろうかというのが私の考えでございます。
それから、個人がいろいろなことを覚悟しろということで、結論はそういうことになるのでございますが、企業に属しておりますとそういうことだとおまえの会社の物を買わないよと言われると、発言がちょっと控え目になってしまいます。それならばおまえ企業を辞めてくればいいじゃないかと言われれば、企業を取るか、ここでの発言を取るかということになって大変苦しくなりますので、私はここでの議論を活発にするために、だれだれ委員が言ったというのではなくて、こういう意見が出たということでよろしいのではないかという感じがいたします。
ただ、この議論に弱点があるのは、○○委員が御指摘のように、会議を公開してしまえば、だれかは来ている人が分かってしまうじゃないかと、こういう点はございますけれども、そう会議がしょっちゅう公開されている訳でもないということならば、こういうことで議論が活発になればいいのではないかなと、かように考えてあえて再度発言させていただいた次第でございます。

部 会 長

○○委員、今の○○委員の仰せの中にありました、匿名というもののいいところとして、つまり活発な議論が出来るということは1つございますね。確かに、政府の委員としてここに出てくるんだから覚悟して出て来いと、勿論覚悟しては出てくるんです。しかし、ここは出来れば忌憚のない正反対の議論が出てきて活発に議論が行われることを私とすると大変期待しておるのですが、やはり基本的な問題はそこにあるので、それこそ正反対の外に向かって聞こえてはならなくても、ここでは言われなければならないような意見というものがありましたら、それを是非、御開陳願いたい。そして、ほかのどこにもないような精神保健福祉に関する日本の最もホットなそして深い議論をしたいと、私自身は思っておるんですが、それが大目的で、それをやるのにこれの意味があるかどうかという、そこのところはいかがでございましょう。

委 員

私ばかり申し上げて恐縮なんですけれども、潔さを持っていただきたいというか、どこへ出てもきちんと言えるようなことで議論しておかないと、結局この会場を出てしまったら黙ってしまうというようなことでは困る訳で、人様の前では言えないような議論をここだけでは内々で言うということが、こういう審議会が人々からうさん臭く思われる原因になっているのではないか。
特に今、厚生省はエイズの問題、岡光さんの問題で非常に不信の目で見られている中で、多分小林局長や高久先生が公開ということで、厚生行政の信頼を取り戻そうというふうに思われて審議会の透明化を図られたんじゃないかと推測している訳なんです。

部 会 長

どういたしましょう。先ほども御指摘のあったように、これだけで全部の時間を食うわけにもまいりません。この議論は次回に引き継がせていただけませんか。
どうぞ、先生。

委 員

本質的なことではないんですけれども、少なくとも昨年決めたものと、今日出た総会の意見が合っていませんので、とりあえず公開についてというのが午前中に出たのですから、昨年のものをどうするかという扱いを包括的に決めることは多分無理で、専門部会のこともありますので改めて議論するということで、このナンバー2の資料というのは今日は論議しないということでどうでしょうか。
多分、個別的にいろいろなことがあると思いますので、部会が終わる度に議長と話し合って、公開のことを少しずつ議論して積み上げていく方が多分いいと思うんです。専門部会は勿論、秘密を守らなければいけないことはたくさんありますから、それは包括的に出来ると思いますけれども、部会そのものについては少しやってみなければ分からないところがあるので、せっかく午前中に決議が出たところですから、これはとりあえず保留しておいたらいかがでしょうか。

部 会 長

そういう御意見でございますが。

委 員

保留とすると、この会はどうなっちゃうんでしょうか。

委 員

今日の部会については部会長の決するところによりということで終わりのときに、今日の分はどうしますかということを聞いてみてそこで具体的に積み上げていく方が多分いいと思うんですね。この部会の公開について、これは大変説明に困ると思うんです。どうして精神保健部会だけがこうだというときに、なかなか説明するのが難しいと思うので、非公開にするにしても説明する材料をつくっていった方が、私は説得力があるというふうに思います。

部 会 長

そうすると、全体として決めないで、その都度という御提案ですか。

委 員

保留ということで。

部 会 長

では、この第2議題については保留という形で継続審議といたします。公衆衛生審議会総会での議事との整合性を考えて、もう少し継続審議をする、ということです。よろしゅうございましょうか。
根幹に触れることなので、今日いろいろ御意見が出て大変よかったと存じます。次回もこれに続けてお願いをいたします。
では、第3議題の「専門委員会の設置等について」に移らせていただきます。お願いいたします。
精神保健福祉課長
精神保健福祉部会には、現在2つの専門委員会が設置されているところでございます。
1つは精神保健指定医に関する専門委員会でございます。これは資料の3をごらんください。この専門委員会は、精神保健指定医の指定、それから指定の取消しについての審査を行うために公衆衛生審議会精神保健部会に専門委員会を置くという、これが昭和63年7月1日の当部会で了承されているものでございます。法律はその下に書いてありますし、その次のページには指定医についての一般的な職務、それから指定医の年次推移、現在おおむね9,700 人ぐらいおられます。それから、その指定医をどのように指定をするのかというフローチャートがその次のページに書いてございます。こういう指定医を定める専門委員会というのがある訳でございまして、これの委員について任命をお願いしたいという案件でございます。

部 会 長

この専門委員会の委員でございますが、昨年の12月に全員が任期満了となりましたので、資料4をごらんを賜ります。資料4の方々を専門委員として任命いたしたいと考えております。よろしゅうございましょうか。
お名前を申し上げます。
猪股好正先生。
大津正典先生。
大森健一先生。
片山義郎先生。
北川定謙先生。
窪田彰先生。
鮫島健先生。
修多羅正道先生。
高柳功先生。
田中稜一先生。
殿村忠彦先生。
沼田吉彦先生。
堀田直樹先生。
町野朔先生。
三山吉夫先生。
武者盛宏先生。
村上靖彦先生。
山崎晃資先生。
以上でございます。よろしゅうございましょうか。お認めいただけますか。
(「異議なし」と声あり)

部 会 長

ありがとうございました。
それでは、もう一つの企画分科会を御説明いただきます。どうぞ

精神保健福祉課長

この精神保健指定医に関する専門委員会につきましては今、専門委員会でその認定の在り方について再検討をしておりまして、平成9年度から新しいシステムを考えたいということで検討をされているところでございますので、追加的に御報告申し上げます。
それから、もう一つの専門委員会は企画分科会でございます。資料の5をごらんください。先ほど部長のあいさつにもございましたけれども、国際障害者年あるいは国連障害者の10年等を経て障害保健福祉施策は大きく進展してきました訳でございます。また、平成7年には障害者プランが決定されまして、具体的な数値目標を含むものということで施策の大幅な推進というのが現在行われている訳でございますけれども、その中でさまざまな障害者対策を総合的に行っていく問題を解決するために、企画分科会というものを精神保健部会に設置したいということでございます。
そして、私どもの精神保健部会のほかに、身体障害の関係あるいは精神薄弱の関係の審議会にも同様の企画分科会が設置されておりまして、その3つの企画分科会が合同で総合的な施策の見直しというようなことを行っていきたいということでございます。検討項目案は、ここに書いてあるとおりでございます。
それから、これの説明は前回の審議会で私の方から御説明申し上げまして、その議事録の抜粋がその後ろの方に付いておりますので大変恐縮でございますけれども、それをごらんになっていただければというふうに考えているところでございます。
以上でございます。

部 会 長

この企画分科会の委員につきましては、従来部会長の指名によりまして委員の中から8名をお願いしております。
つきましては、資料8をごらんください。岡上委員、町野委員、宮坂委員、谷中委員は前回に引き続きお願いをいたしまして、大熊委員と古谷委員、牧委員につきましては新たにお願いいたします。
お引き受けいただけますでしょうか。
(「異議なし」と了解される)
それから、もう一つの方をお願いいたします。

精神保健福祉課長

どうもありがとうございます。
ちょっと資料の説明を忘れておりまして恐縮でございますけれども、資料の6と7は前2回の合同の企画分科会の資料、それから議事録等でございます。このようなことが現在されているという御報告でございます。公衆衛生審議会運営規定の第2条の規定によりまして、専門委員は部会長の承認を得て部会に出席し、意見を述べることが出来るということになっております。
つきましては、先ほど御紹介申し上げました河崎専門委員並びに後日選出されます精神保健指定医に関する専門委員会の座長のお2方について、本部会に御出席をいただいたらどうかということでございます。河崎委員におかれましては、長年にわたり精神医療の現場で携って来られましたし、また日本精神病院協会の会長として昨年まで公衆衛生審議会の委員をされており、精神保健福祉行政の歴史といいますか、流れについて熟知されておられますので、引き続き意見を伺ってはいかがかということでございます。
また、精神保健指定医に関する専門委員会の座長につきましては精神保健指定医に関することを中心に、部会において意見を聞いてはどうかという御提案でございます。

部 会 長

ありがとうございます。
河崎先生にはどうぞ、御貢献を賜りますようお願いいたします。御二方の専門委員の当部会への出席につきまして御意見、御質問がございましたら御発言をお願いいたします。
よろしゅうございましょうか。それでは、御了承いただきましてよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と声あり)

部 会 長

ありがとうございました。
それでは、4つ目の議題でございますところの「精神保健福祉の現状と課題」につきまして御説明をお願いいたします。

精神保健福祉課長

資料の9をごらんください。精神保健福祉対策の現状ということを改めて御説明を申し上げたいと思います。
まずは医療対策でございますけれども、精神保健福祉法に基づきまして6つの入院の形態というのが定められているところでございます。これは、その次のページにございますようにそれぞれルールがありまして、特に人権の擁護という観点から非常に厳しく患者の処遇について定めがあるところでございます。個々には御説明申し上げませんけれども、例えば措置入院に関しましては、入院に際して自傷他害のおそれがあるかどうかということにつきまして、精神保健指定医が2人診察を行いまして、その結果が一致するということが必要でございますし、退院につきましてはまた指定医の症状がなくなったという判断が必要とされておるところでございます。
また、入院患者の行動制限につきましても、精神保健指定医がその都度、診断をするということがルールになっているところでございますし、患者さんは退院請求あるいは処遇改善請求というのが出来ることになっておりまして、これは各都道府県に設置されております精神医療審査会で審査がされるということでございます。
また、精神病院の管理者は定期的に患者さんに措置入院と、それから医療保護入院につきましては病状を報告する。その報告については、精神医療審査会で審査がされるということになっているところでございます。
また通信、面会等につきましては、一定の例外を除きまして原則制限をすることについての禁止をするというル−ルもございます。
入院患者さんは現在34万人おられまして、措置入院の患者さんは5,800 、医療保護入院の患者さんは10万余、任意入院の患者さんは22万余等となっているところでございます。精神病院の数は1,671精神病床は36万余、それから精神科の診療所は2,600 余ということになっているところでございます。
少し飛ばしていただきまして、次のペ−ジに入りまして精神科のお医者さんは約1万人、看護婦さんは7万7,000 人、ソ−シャルワ−カ−は2,000 人ということでございます。
精神科の医療費の公費負担につきましては、措置入院につきましては国が4分の3、都道府県が4分の1負担するというル−ルでございまして、また通院医療につきましては在宅における医療というものを促進するということで、医療費の5%を除く部分につきまして保険と公費で負担するというル−ルがございます。公費については、国が2分の1、都道府県が2分の1の割合で補助をするということになっているところでございます。このほか、医療に関しましては精神科の救急医療システムというのが整備されておりますし、また最近、患者さんの高齢化等が進んでおりまして、特に身体合併症を有する精神障害者の治療というのが問題になっておりまして、この治療体制の整備のための検討というのも現在進められているところでございます。
次に、社会復帰対策でございます。これは何回か繰り返しておりますけれども、障害者プランに具体的な数値目標が掲げられておりまして、ここに書いてありますのは6施設体系がありますけれどもそれぞれ年次目標を着実に消化しているというところでございます
その次のページにまいりまして、その他、社会復帰のためのさまざまなプログラムがございます。例えば、社会適用訓練事業あるいはグループホーム、小規模作業所の運営費の助成とかもろもろございまして、予算的な裏づけがある程度されているところでございます。
その次のページにまいりまして、地域精神保健福祉対策としましては保健所で精神保健福祉相談あるいは訪問指導というのがされております。これはいずれも精神科に限ったものでございますけれども、相談件数あるいは指導件数、ここに書かれてあるとおり行われているところでございます。また、全国53か所、各県にほぼ1か所の割合で精神保健福祉センターというものが設置されておりましてそこでまた相談指導あるいは保健所に対する技術援助、調査研究等が行われているところでございます。
次のページにまいりまして、調査研究につきましては現在精神保健医療研究ということで9,400 万円ほどの研究助成というのがされているところでございます。
更に次のページにまいりまして、老人性痴呆疾患対策ということでは施設の補助ということで老人性痴呆疾患の療養病棟、あるいは治療病棟、デイケア施設の整備等が行われておりまして、これに対して国庫補助もされております。また、現在125 か所でございますけれども、老人性痴呆疾患センターというのが設けられておりまして、ここで24時間対応の医療相談あるいは救急対応その他さまざまな情報提供等がされているところでございます。これは最終的には二次医療圏に1つ、つまり300 余まで伸ばしていきたいというふうに考えているところでございます。
痴呆対策としましてはその他、医療指導者の専門研修ということも行われているところでございます。
その次のページにまいりましてPSW及びCP、精神科ソーシャルワーカー、それから臨床心理技術者でございますけれども、この資格の法制化につきましての経緯を少し申し上げますと、まずPSWにつきましては精神保健福祉の場において精神疾患を持つ患者さんの経済、心理、社会的な問題の調整、援助、こういうことを行うという職種としてPSWというのを規定しておりまして、これを是非法制化したいということでございます。過去、何回かの法律改正に伴いまして附帯決議というのがされているところでございます。
現在、この平成8年のところに書いてありますけれども、PSWの資格に関する研究班というのが設置されておりまして、これで報告書は現在取りまとめられている段階でございます。また同時に、関係団体との調整というのもされておりまして、早急に結論を得て出来ればPSWの法制化の作業というのを進めていきたいというふうに考えております。具体的に案がまとまり次第、この審議会にも御報告を申し上げまして御意見を賜れればというふうに考えております。
また、臨床心理技術者につきましても同様、過去2回ほど国会で附帯決議をされているところでございますけれども、資格化に関します研究班が同時並行的に行われておりまして、その業務の内容あるいは制度化についての諸問題について検討がされているところでございます。これにつきましても、早急に結論がまとめられるというふうに考えておりますけれども、その結果が出次第、法制化が出来ればしたいというふうに考えておりますが、まとまり次第、またこの審議会で御報告を申し上げる予定でございます。
その後に付いております資料は一般的な資料でございますけれども、10ページに、これは平成5年の精神保健法の改正がありましたときに、その附則という形で付けられているものでございますけれども、第2条に法律施行後5年を目途として所要の措置を講ずる。
つまり、平成11年に精神保健法の見直しをするというのが法律上規定がされているということを一応念のために申し上げておきたいと思います。
その次の11ページから以降は前回、平成7年の精神保健法の一部改正に伴います衆議院及び参議院におきます附帯決議を付してございます。衆議院では7項目、参議院では9項目のそれぞれ問題提起がされておりまして、私どもこれにこたえるべくいろいろ作業をしているところでございます。
以上でございます。

部 会 長

ありがとうございました。
どうぞ、御質問、御意見をお願いいたします。

委 員

ちょっとお伺いしたいんですが、2ページの精神科診療所の数なんですが、これは何を根拠にこの数が出てきたんでしょうか。

精神保健福祉課長

恐らく、これは医療施設調査の結果ではないかというふうに考えております。

委 員

我々が今回またいろいろ調査しているんですが、厳密に言うと、こんなにないんですよね。だから、その辺の取り方によって、例えばパートが1人いて通院精神療法の保険請求をしたいために精神科という標榜をしてやっているところもあったり、そういうのを厳密に除去していくと1,400 か1,500 ぐらいなんです。ですから、この数字を役所の方から出されると、これが一人歩きして、それでまたその数字で何だかんだいろいろと論議されると非常に困ると思いますので、ちょっとその辺を考える必要があると思います。

精神保健福祉課長

後ほど、では○○委員といろいろと御相談させていただきまして実態をより正確に反映するような数字をまた用意させていただきます。

委 員

是非お願いします。

部 会 長

そのほかございましょうか。
それでは、この議題は討議を終了させていただきまして、次に5つ目の「長野県栗田病院事件の概要について」の御報告をいただきます。課長、どうぞ。

精神保健福祉課長

資料の10を御参照ください。これは、一般の全国紙にも報道されておりましたので御承知だと思いますけれども、昨年の11月に長野県の栗田病院の院長さんが長野地検に、詐欺と、それから有印私文書偽造、同行使の疑いということで逮捕されたという事件でございます。その後、県が栗田病院に対しまして、精神保健福祉法に基づきます実地指導あるいは精神保健福祉法に基づく実地審査というのをしておりまして、特に実地審査、これは直接患者さんを指定医が診査をするというものでございますけれども、177 人に対して行われまして、現在その結果を取りまとめ中ということでございます。
先ほどちょっと紹介いたしましたけれども、患者さんの通信、面会上のルールが守られているだろうかとか、あるいは退院請求に対する扱いが正当であったかどうか等、入院処遇上の問題に特に焦点を当てまして、今後の対応ということを考えていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。

部 会 長

ありがとうございました。
御意見、御質問がございましたら、お願いいたします。どうぞ。

委 員

実地指導とか実地審査は保健福祉法によるとなっているんですがこの結果、何かそういう面で問題が出たんでしょうか。
といいますのは、これだけ見れば何か詐欺横領の問題のような気がして、ただ被害者がたまたま精神障害者だったということで、福祉に関係あるかもしれませんけれども、実質的なこういう場で審議のために出てくる議題かどうか、それをお伺いしたかったんです。

委 員

もう一つ、追加でよろしいでしょうか。
これは昨年の11月7日ですけれども、その前に行政はどういうような精神保健福祉法の運用をしていたか。行政が目をつぶっていたのか、しっかりやっていたのか。そこの点はどうなのかということです。病院が悪いことは勿論ですけれども、早く見つけて対応すべきであるということが基本にある訳ですから、行政はどういう態度をとっていたのかということをお聞きしたいと思います。

部 会 長

どうぞ。

精神保健福祉課長

まず、御質問の答えが後先になりますけれども、この11月7日以前の行政の栗田病院に対する対応でございますが、一応年に1回ずつ実地指導をするというのが現在のところ、長野県でやっている御指導でございますけれども、それによれば幾つかの点で問題があったというふうに聞いておりますが、それはその度ごとに病院に対して御指導を申し上げているということでございます。
それと、なぜ私どもがここで御報告申し上げたかといいますと、説明が必ずしも十分ではなかったのかもしれませんけれども、いわゆる詐欺あるいは有印私文書偽造行使のほかに、さまざまな問題が新聞で報道されておりまして、これはやはり放置しておく訳にはいかぬのじゃないかというおそれがあったということで、実際に実地指導あるいは実地審査というのをさせていただいた訳でございます
現在、結果は取りまとめ中でございますので、詳細な内容につきましてはまだ御報告出来ないんですけれども、通信、面会上のルールが十分守られているか、あるいは退院請求に対して適正な措置がされているのかというようなことにつきましては、多少問題があるというふうに私ども県の方から報告を受けておるところでございまして、もう少し詳細に法律的な問題を詰めまして、また病院側からの御返事といいますか、弁明も伺った上でしかるべき対応もさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

委 員

これは栗田病院のことですけれども、実際にこういうようなことがありますと、一般の精神病院がそういう目で見られる可能性があるということも非常に大きい訳です。ですから、これは今、病院のことばかりの話ですけれども、医療監視または精神保健福祉法にづく実施審査等がある訳ですから、何で、その行政の調査で解らなかったのか、この欠陥はどこにあったのかを調べていただきたい。
それが分かるようなシステムでなければ、法があってただ上滑りしている訳になりますから、病院をきつく指導するとか、監視するとかという意味ではなくて、もう少し精神保健福祉法が地に付いたものにするために、何で見逃したのかということを分かる範囲で結構ですから、次回で結構ですから御報告をお願いします。
ただ上滑りのことではなくて、こういう点が問題であったので、今度こうすればこういうことは起きませんよということがなければこの法の意味がない訳ですし、こういうことのないためにこの法律をつくった訳ですので、そこの点をはっきりさせてほしい。
ただ、何も問題がなかったとなれば、それは結構な話であって、この私文書偽造で起訴された内容だけであるならば問題ない訳ですけれども、精神保健福祉法に違反しているようなところがあるならば、これに対してどういうふうにすればいいのかということを議論しておかなければいけないのではないかというふうに思いますので長野県と相談をして、どうすればよかったのかということを御報告願いたいと思います。
以上です。

精神保健福祉課長

次回までにお答えをさせていただきたいと思います。

部 会 長

それでいいですね。

委 員

結構です。

部 会 長

では、この件はこれで終了させていただきまして、次に6つ目の「平成9年度精神保健福祉関係予算案の概要について」御説明いただきます。どうぞ。

社会復帰対策指導官

それでは、平成9年度障害保健福祉部の予算について、概要の説明をいたします。資料は、ナンバー11でございます。
この概要は障害保健福祉部全体の予算でございまして、9年度は5,195 億8,600 万円、前年比で107.3 %の増加となっております。
その中で、平成14年度末における整備目標数値を設置しました障害者プランに関係する数値がございますが、2,245 億5,000 万円、これはほぼ要求どおり入っております。
時間がありませんので、精神障害関係部門をピックアップして御説明いたします。
まず1の「住まいや働く場ないし活動の場の確保」というのがございますが、その中の(1)のグループホーム、この中でイの方が精神障害者地域生活援助事業としてありますが、これが精神障害者関係の部分でございます。
それから(2)は福祉ホームということで、イの方に精神障害者福祉ホームというのがありますが、これは精神障害者そのものでございます。
それから、2ページでございますが、ウの精神障害者、入所・通所授産施設ということで、9年度は3,800 人分の施設を整備するということになっております。
それから、(4)の福祉工場でございますが、精神障害者福祉工場運営費といたしまして15か所とございますが、これは精神障害者の分につきましては9か所でございます。
それから、小規模作業所に対する助成ということで(5)にございます。これも、精神障害者につきましては2,244 か所中686 が精神障害者に係る分でございます。
次は、このページの一番下にございますが、精神障害者地域生活支援事業、これは平成8年度から始まった事業でございますが、倍増の94か所ということで要求して案に乗っております。
それから、3ページでございます。「精神障害者の保健医療福祉施策の充実」でございますが、これはすべてが精神障害者にかかる事業でございまして、通院患者のリハビリテーション事業、生活訓練施設、精神科デイケア施設の整備がなされることになっております。
ちょっと飛びまして5ページにまいります。「その他の施策」でございます。これは、全体で3,171 億ほどになる予算でございます課ごとに主要な事業を示しておりますが、企画課で申しますと1,025 億9,400 万円という数字が手当、特別児童扶養手当とか特別障害者手当等で占められております。
それから、中ほどに社会参加推進室というのがございますが、障害者の明るい暮らし促進事業という中で9億7,500 万円の数字が計上されております。
それから、6ページでございます。一番下の方にございますが、補装具の給付ということで、大きな数字としまして113 億3,800 万円という数字が計上されております。
それから、7ページでございます。国立施設管理室は国立更生援護機関に要する経費といたしまして116 億9,200 万円という数字が計上されております。
次が、中ほどにあります障害福祉課でございます。
1つページが飛びまして、8ページの上から5行目に施設福祉充実ということで、1,323 億円という数字が大きく計上されております。
その次が精神保健福祉課の予算でございますが、これにつきましては資料のナンバ−12をごらんいただきたいと思います。ナンバ−12の後ろから2枚目の方に平成9年度精神保健福祉施策関係予算ということで概要が出ております。これが、精神保健福祉課の予算の全容でございます。
事項というのが事業の内容でございまして、備考欄の方に去年と今年の内容の違いを示しております。来年度は、備考欄の一番上にありますマル新で長期入院患者の療養の在り方に関する検討費ということで新規事業として入ってきております。
2ページの上段の方に精神保健福祉課計ということで484億3,976万1,000円と真ん中ほどにございます。
その下の方に、保健医療局の企画課計上分ということでございますが、これはほかの局、課に計上いたしますが、予算の執行については精神保健福祉課も権利と申しますか、執行をするということでございまして、保健衛生諸費のうち、これはトータルで施設整備費で146 億円ほどございます。これについては、この右の欄にメニュ−事業として示されている施設整備費に充てられます。あとは、設備整備費も26億ほど計上されております。
そういったことで、縦の計上を合わせますと総計で平成9年度の予算額は488 億円を超えて計上されております。その数字のほかに先ほど申しました保健衛生施設整備費が実行上また上積みされてまいる訳でございます。
今、1、2ペ−ジで説明した内容につきまして、障害者プランにかかる事業だけを抜粋しているのがナンバ−12の資料でございます
事業ごとに内容、9年度の整備箇所、それから14年度の整備目標数を示しておりますが、時間の都合で説明はこれだけにいたします。

部 会 長

ありがとうございました。
どうぞ御質問、御意見をお願いいたします。

委 員

ちょっと教えていただけますか。資料12の1ページ目に新として精神保健福祉監査指導というのが新しく入っていますが、これは具体的にはどういう内容のものなんでしょうか。

社会復帰対策指導官

これは、従来から精神保健福祉法の施行については指導調査して監査を実施しておりました。
ところが、障害保健福祉部が出来たということがありまして、その予算を保健医療局から移し替えたということで、この障害保健福祉部として見れば新規という形で計上されたものでございます。額としては変わりません。

部 会 長

これは大変関心のあるところです。時間は余りありませんけれども、どうぞ御意見がありましたら。

委 員

福祉関係は障害者社会復帰施設を造るのも結構なんですが、大体ハードですね。何かをつくるとかというハード面ばかりで、入れ物をつくっても内容が伴わないといけない。今までその内容についてその後のチェックというのは何かあったんでしょうか。いろいろと補助したり何かした結果、それがどういうふうに使われたか、どういうふうになっているかというチェックはされていたんでしょうか

精神保健福祉課長

そもそも社会復帰施設というのはメニューはたくさんあるんですけれども、現実に現在の総定員数が5,000 人とか、そのぐらいの数でして、まだまだ見直しを行うまでの量がそもそもなかったということもございまして、むしろどうやってその数を増やしていくか。
平成14年までに2万人近くの方をカバー出来るような数にやっていきたいというふうに私どもは考えておりますけれども、まだ量を増やすという段階でございまして、なかなか質の見直しというところまではいっておりません。そろそろ平成14年から先の話もこれから考えていかなくちゃいかぬものですから、その社会復帰施策の総合的な見直しということはやらなくちゃいけないというふうに問題意識だけは持っております。

委 員

これは、現場にいますといろいろなことを見聞きするもので、ただ補助をすればいいというのではないというあれがあるものですから、よろしくお願いします。

部 会 長

もう少し議論があるかと存じますが、どうも取りまとめがまずうございまして恐れ入ります。時間が余りなくなってまいりました。
どうぞ。

委 員

ちょっとよろしいでしょうか。
昨年の11月15日の通知で、障害保健福祉圏の問題がありましたが都道府県の障害者計画を立てる場合に、障害保健福祉圏を今後にらんで立てろということでしょうか。障害保健福祉圏域の設定については報告しろという記載がございますけれども、都道府県の障害者計画について、それを盛り込めというようなことは余りはっきりしなかったような感じがあるんですが、その辺はいかがかということが1つです。
それからもう一つは、地域保健対策関係予算の概要を見ていますと、健政局の計画課に、医療計画記載事項調査検討費というのが500万円ほど付いているようですが、障害者プランの推進という点から言うと、都道府県の障害者基本計画についても比較検討というのが必要なんじゃないかなという気がするんですが、いかがでしょうか。
といいますのは、大体障害者プランは、推進母体が余り明確でないと感じます。計画は立てろと言っていますし、市町村もそれぞれ努力規定で記載することになっていますが、障害保健福祉圏をつくってもだれが一体それを推進しろと言っているのか、余りはっきりしていない。
というのは、精神関係の社会復帰施設というのは基本的には手挙げ方式だと思うんです。だれか設置者が手を挙げなかったならばお金が付かないということで、手を挙げる奇特な方がいなければしようがないんですけれども、現在のところ手を挙げたくなるほどの補助金ではないという現実があると思います。
そういうことから考えると、推進母体を含めて検討していかないと、これは平成14年と言わなくて20年になっても達成出来ないんじゃないかという気がするものですから。
というのは、やはり県に身を置く者とすると、国からはこうだと言う。それで、市町村はやりなさい。それを指導しなさいと県の方に来るんでしょうけれども、非常に狭間に入ってしまって、どうも大変だなという感じばかりするものですから、質問させていただきました。
以上です。

課長補佐

まず、先ほど御質問をちょうだいいたしました障害保健福祉圏域の件でございますけれども、既に都道府県におかれましては障害者基本計画について策定をされていることと存じますが、今後策定を予定しております市町村が計画の内容を作成するに当たりましては障害者保健福祉圏域といったような考え方を念頭に置いて、その計画内容に盛り込んでいただきたいということと、合わせまして都道府県におかれましても、そのような助言指導をお願いしたいという趣旨でございます。
それから、今後都道府県においてその計画を見直すに当たりましては、障害者保健福祉圏域というものをやはり念頭に置いていただきまして、その見直しの中で反映させていただければというふうに考えてございます。

精神保健福祉課長

そもそも障害者保健福祉計画が不十分だという御指摘でございますけれども、精神はもっとお粗末というか、精神のことは余りまだ十分入っていないというところも多うございまして、その辺からそもそも精神分をどういうふうにこれから考えていかなくちゃいけないのか。精神の保健福祉計画ということもやはりきちんとつくっていかなくちゃいけないんじゃないかという問題意識を持っておりまして、これは研究をさせていただいているところでございます。

委 員

1点だけ再質問をさせてください。
障害者プランのときに、小さなという言葉は語弊があるかと思いますけれども、殊に町村の場合に広域圏を考える、検討するという文言があったと思うんですが、この障害保健福祉圏を広域圏というふうに理解してよろしいんですか。その場合、広域圏内の総合調整するのは一体だれなのか。というのは、地域保健法の中では基本的には二次医療圏に1か所保健所をということで、保健所が総合調整を行うというふうな基本的な考え方があったと思うんですけれども、この障害保健福祉圏に関しては一体だれが総合調整をしろとおっしゃっているのか、その辺を教えていただきたいんです。

課長補佐

障害保健福祉圏域の設定に当たりましては、それまでの身体障害精神薄弱、精神障害といったそれぞれの障害分野におきまして、一定の施設の配置計画などに基づいて既存の施設が整備されてきたという現状がございまして、こういったものを踏まえて障害全体で見たときの総合的な計画推進を図ろうというもので、ある程度白紙の上で計画を立てるというよりは、既存の事業の積み重ねの中で、更にそのエリア的なバランスを取りながら施設の配置をしていこうというものでございますので、一定の範囲内で他の障害者施設の配置状況でございますとか、あるいは他の障害者施設を計画するに当たって設定した圏域についても考慮が必要かと思われます。
御指摘いただきました広域での調整の問題でございますが、これは基本的には都道府県において県下のエリア設定などについて助言をしていただくというようなことを考えてございます。

部 会 長

よろしゅうございましょうか。まだ少し御不満があるようでございますが、また継続して討議をお願いいたします。
それでは、以上で予定いたしました議題を終了いたしました。最後に、事務局からの御連絡をいただいて終わることにいたします。
お願いいたします。

課長補佐

今後の精神保健福祉部会の開催予定でございますけれども、2月の下旬及び3月の下旬に開催いたしたいと考えてございます。
つきましては、この部会中に各委員の御予定をお伺いいたしました範囲で、これを踏まえまして2月26日水曜日の午前中並びに3月27日木曜日午後に開催をさせていただきたいと思います。正式には後日通知をいたしますけれども、御予定方よろしくお願いいたします。
また、本日御承認いただきました企画分科会の8名の委員の皆様には、1月31日金曜日午後2時から4時まで、2月25日火曜日午後4時から午後6時までの間に3審議会の合同企画分科会を開催することといたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、1月31日の合同企画分科会の開催通知をお配りいたしておりますので、同封のはがきによりまして出欠の御連絡をお願い申し上げます。
また、配布資料一覧に参考資料として記載いたしております3点の資料につきましては、後日勤務先または御自宅に郵送させていただきますので、御了承方お願い申し上げます。なお、お食事の用意をいたしておりますので、お時間の許す限り御歓談の上、召し上がっていただければと思います。
事務局からは、以上でございます。

部 会 長

ありがとうございました。
これで終わらせていただきますが、最後にもう一度確認いたします。先ほど話題になりました資料ナンバー2の精神保健部会の公開につきましては「議事録(氏名は匿名)を公開するものとする」ということで本日はまいり、これを更に継続して検討する、ということにさせていただこうと存じます。よろしゅうございましょうか。
差し当たり、2月にも3月にもございますので、この議題に若干の時間をいただくことと存じます。
どうも本日は、運営が下手でございましたため遅くなりました。お許しください。
以上をもって終わります。


 問い合わせ先 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課
    担 当 海野(内3056)
    電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

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