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クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会議事録

公 衆 衛 生 審 議 会 成 人 病 難 病 対 策 部 会
クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会
議 事 録

厚生省保健医療局疾病対策課

第1回公衆衛生審議会成人病難病対策部会

クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会次第

日 時:平成9年2月13日(木) 16:00 〜18:10
場 所:特別第1会議室(厚生省7階)     

議 題

1.開 会

2.委員長選任

3.議 事
(1)クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会設置について
(2)特定疾患調査研究クロイツフェルト・ヤコブ病に関する緊急調査研究班の経過報告について
(3)クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)等調査の実施について

(4)その他

3.閉 会

○荒川補佐

 それでは、予定の先生方、皆さんおそろいでございますので、ただいまから第1回公衆衛生審議会成人病難病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会を開催いたします。
 会議に先立ちまして、委員及び事務局の紹介をさせていただきます。委員の先生方にはあいうえお順で紹介をさせていただきます。
 まず、東北大学医学部教授の北本委員です。国立精神・神経センター国府台病院院長の佐藤委員です。帯広畜産大学畜産学部教授の品川委員です。名古屋大学医学部教授の祖父江委員です。九州大学名誉教授の立石委員です。札幌医科大学教授の端委員です。自治医科大学教授の柳川委員です。東京大学名誉教授の山内委員です。
 事務局側、小林保健医療局長です。疾病対策課の遠藤課長でございます。同じく疾病対策課の宮坂補佐でございます。私、本日の司会をさせていただきます課長補佐の荒川でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、小林保健医療局長より一言ごあいさつを申し上げます。

○小林局長

 今、自己紹介させていただきました小林でございます。
 本日は、大変お忙しいところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。第1回の公衆衛生審議会、成人病難病対策部会の中のクロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会の開催に当たりまして一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 先生方には、昨年の3月以来、多くの先生方はこのクロイツフェルト・ヤコブ病かプリオン病かということで大変お忙しい日々を送られているのではないかと思う次第でございます。特に、役所関係厚生省から農林省さんもいろいろこのクロイツフェルト・ヤコブ病に関連しては先生方のお知恵を借りながらということで、政府が一体となって先生方にいろいろお知恵を借りることになったということで、本当にありがとうございましたと言うとともに、今後ともどうぞよろしくと申し上げたいと存じます。
 私は、前、生活衛生局長をやっていた関係で、このバリアント・クロイツフェルト・ヤコブのスタートのときから役所としては対応をいたしております。保健医療局の方では日本ではバリアントCJDがある訳ではないとは思っていましたけれども、よく分からないということでクロイツフェルト・ヤコブ病についての緊急調査というのを、そちらにいらっしゃる佐藤委員をリーダーとして国内の医療機関で調査をしていただくということで過去10年分の患者の洗い出しをお願いしたところでございます。そして、昨年の7月に中間発表をしていただきました。それで、どうもクロイツフェルト・ヤコブ病と脳の手術、特に硬膜を使用した場合には、発症する例が頻度が高いのではないかというお話があった訳でございます。
 今年、実は1月に入りましてから、公衆衛生審議会のメンバーの入替えがございまして、それを機に成人病難病部会のメンバーも変わったところで、このクロイツフェルト・ヤコブ病について今、佐藤委員が中間発表の後の発表がいよいよこれから出てくるようですが、それをにらみつつ、今後のCJD対策をどうするかということで、公衆衛生審議会の成人病難病部会ですと専門家がそろっている訳ではございませんので、その下に専門委員会を設けさせていただいた訳です。
 そして、各先生方には大変お忙しいところ、委員になることをお引受けいただいたこと、本当に心から御礼を申し上げたいと思う次第でございます。今日の議題はいきなり調査票の話に入っていくようでございますが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ただ、公衆衛生審議会全体は会議の公開または議事録の公開ということで今、対応するということに全体の方で決まっておりまして、この委員会も私としては皆さん方に会議録、議事録の公開、実名付きの公開という形で対応させていただきたいと、考えております。なお、どうしてもここはプライバシーにかかわるということが起きましたら、この後、委員長さんに決めてもらって、その際に委員長さんにここは議事録は載せないでくださいと言っていただいて、そこは非公開で話をすることが出来るということで対応させていただこうと思っています。飽くまでも公開という形で会議を進めたいと思っておりますので御協力をいただきますようお願いを申し上げましす。また、クロイツフェルト・ヤコブ病、CJDの対策に対して国として決して誤ることのないような施策を進めていこうと考えておりますので、御協力方よろしくお願い申し上げます。
 今日は、本当にどうもありがとうございます。

○荒川補佐

 それでは、本日は第1回の委員会でございますので、委員長の選任が必要でございます。特段の規定はございませんけれども、公衆衛生審議会令の第3条第2項に準じまして、委員の互選により決定をしていただければと考えております。そこで、どなたか委員長に御推薦をいただきたいと存じますが、いかかでございましょうか。

○北本委員

 佐藤委員はどうでしょうか。

○荒川補佐

 佐藤委員という御推薦の言葉がございましたが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)
 

○荒川補佐

 それでは、互選ということで佐藤委員を委員長に選任することとさせていただきます。佐藤委員、よろしくお願いいたします。

(佐藤委員、委員長席着席)
 

○荒川補佐

 それでは、委員長就任に当たりまして、佐藤委員から一言ごあいさつをいただければと思います。

○佐藤委員長

 私、委員長に指名いただきまして、こうやって先輩の専門家の先生が多い中で非常に責任大と感じておりますので、どうぞ先生方にいろいろと御指導いただいて大役を務めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に移りたいと思います。
 会議の公開について、先ほど局長の方からもお話がありましたが、再度事務局の方から御説明をお願いいたします。

○荒川補佐

 先ほど、局長の方からもお話し申し上げましたように、国の審議会等の会議の公開につきましては、平成7年9月29日に閣議決定がなされておりまして、特別な理由がない限り会議または議事録を公開すべきこととされております。このため、本専門委員会における具体的な取扱いを定めていただきたいと存じますが、参考までに申し上げますと、公衆衛生審議会の成人病難病対策部会では、この閣議決定を受けまして議事録を公開するということになっています。
 ただし、これも先ほど局長の方からお話し申し上げましたけれども、例えば、本審議会で特定の患者のフォローをどうしていくかという場合に、個人名が出される。そうすると、個人の疾病にかかわる個人情報でございますので、例えばそういうようなものについては委員長の判断でプライバシーの保護という観点から公開を差し控えさせていただくということも可能でございます。
 以上が、概要でございます。よろしくお願いいたします。
○佐藤委員長
 ありがとうございました。それでは、議事録は原則として公開させていただきたいと思いますが、今、事務局から御説明ありましたように、患者さん個人のプライバシーが分かるような部分については、そこは公開から外したいと思いますが、これでよろしゅうございましょうか。

○小林局長

 ちょっと補足いたしますと、個人情報だけでなくて、例えば企業名だとかそれから病院名だとか、特に後でトラブルが発生すると思われるものについては、その都度言っていただいて、多分調査の結果だとどこかの病院の名前が出てくるかもしれませんけれども、病院にとっては大変不利益になったりすると後々困りますので、そういうときには言っていただいてそこだけ名前を消すとか、いろいろなやり方で対応していただきたいと思います。

○佐藤委員長

 ありがとうございました。少し補足いたしますと、患者さんの個人の特定だけではありませんで、例えば地域が出ますとある程度患者さんが特定されることもありますので、地域名などにも気を付けていただきたいし、今、小林局長からお話がありましたように、例えば、ある病院にもし発生が偏っていたとすると問題が大きくなりますし、そういうことについても御配慮をお願いしたいと思います。よろしゅうございましょうか。

○荒川補佐

 ちょっと会議に入ります前に、資料の確認をさせていただきたいと思います。
 本日、会議資料ということで資料を6点お配りをしてございますので、ちょっと確認していただきたいと思います。
 資料1が「公衆衛生審議会成人病難病対策部会の開催について」でございます。資料2が、公衆衛生審議会の現在の組織図でございます。
 資料3が「公衆衛生審議会成人病難病対策部会の開催結果について」ということで、7月31日の中間報告の資料がございます。
 資料4が「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」でございます。
 資料5が「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査実施要綱(案)」でございます。
 資料6がその調査票でございます。漏れがないかどうか御確認をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。

○佐藤委員長

 では、先生方よろしゅうございましょうか。資料6点ございますが、よろしいでしょうか。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 まず、事務局の方から本専門委員会の設置等について御説明あるいはこの専門委員会のなすべき役割等について御説明をお願いいたします。

○荒川補佐

 資料3をごらんいただきたいと存じますが、クロイツフェルト・ヤコブ病の疫学調査につきましては、昨年3月以来の英国における狂牛病の問題、その中で指摘をされましたバリアント型CJD患者発見の報告等を踏まえまして、平成8年度の厚生省特定疾患調査研究事業といたしまして、佐藤委員を委員長といたしますクロイツフェルト・ヤコブ病等に関する緊急調査研究班を設置して、全国調査に取りかかったところでございます。
 その中間報告がこの資料3でございまして、昨年の7月31日に報告をされたものでございますけれども、この中間報告につきましては、ここにございますように公衆衛生審議会の成人病難病対策部会に報告をいたしました。
 この資料3の5の(2) に「今後の対応について検討が行われた。」とございますけれども、この中でCJDについては今後とも継続的なサーベイランス体制を確立していくことが必要だという御指摘をいただいておりまして、それに基づきまして、この委員会を発足させることにつきまして資料1でございますが、本年1月20日の公衆衛生審議会の成人病難病対策部会で2の(2) のところでございますけれども、この委員会の設置が了承されたということでございます。
 なお、資料2のところが現在の公衆衛生審議会の組織、特に成人病難病対策部会4つの委員会が設置されておりますが、その中の1つとして当委員会が位置づけられた。この次に公衆衛生審議会令が出ておりますが、専門委員会につきましては、第4条に規定がございまして、この規定に基づく委員の選任ということになっております。
 本委員会の設置等につきましては、以上でございます。

○佐藤委員長

 ありがとうございました。何か御質問あるいは御意見ございませんか。
 それでは、次に議事を進めたいと思います。
 まず、緊急調査研究班の中間報告を資料3の昨年7月に行っておりますが、その後の経過について簡単に私の方から御説明申し上げたいと思います。
 資料3の3ページを開いていただきます。第1次調査がこの資料にありますように約4,000 か所一次調査票を発送いたしまして、この後に追加されておりまして、大体70%回収をされております。
 それから、通常の孤発例の発症年齢等については大きい違いはございませんでした。それから、若年発症者が中間報告では各年度ごとの若年発症者の増加は認められていないと報告してありますが、この傾向は現在も同じであります。この傾向は4ページを開いていただきまして、表の1の横軸に発症年齢が書いてございまして、縦軸が発症年代でございます。94年からイギリスでバリアントフォームの発症が報告されておりますので、特にここからが重要になる訳ですが、39歳以下をごらんいただいても各年代ごとに発症数は1ないし3名と大きい差は認められませんでした。しかし、93年以降の発症者数、この表だけでも7例ございますが、7例については現在二次調査票をほとんどいただいておりますが、更に生存例については直接診察させていただくか、遠い症例については各地の班員にお
 願いして、調査していただく作業をしておりまして、それは現在進行中でございます。
 それから、亡くなられた患者さんで病理解剖なさっていて標本のある症例についても、標本の再確認をお願いしております。何例かは既に北本委員の方で検索されておる症例もありますので、内容を教わりながら果してイギリスのVCJDを否定出来ない症例が存在するかどうかということについて調べております。
 93年以降で、現在3例ないし4例生存例がありまして、その症例についてはこれからもフォローアップの必要があろうかと考えております。ただ、臨床的には非常に特定することが難しゅうございまして、臨床的にこれは明らかにイギリスと同じタイプであると特定出来る症例は現在のところございません。
 次に、この中間報告書の3ページの5の項目になりますが「手術等の既往歴の有無」になっておりますが、この中間報告で硬膜移植例が28例情報が上がっておりましたが、この後、症例が追加されまして、現在この調査班で確認している症例は37例でございます。それから、脳外科学会で今日の委員の端教授が独自にアンケートを出されて、そこに私ども事務局でつかんでいない症例が数例ございますので、約40例近い症例が硬膜移植を受けております。
 それから、そのうち30例近くは2社ございまして、どこの会社の硬膜を使ったかという問い合わせをしておりますが、ほとんどがBブラウン社の硬膜であるということが確認されております。
 角膜移植は、中間報告と同じでございます。
 それから、脳下垂体製剤については現在のところ、これを使用したという症例は上がってはおりません。
 現在、二次調査票についてコンピューターに各項目を打ち込んで、それを幾つか例えば各年代ごとにおける発症者数あるいは生活歴、手術歴等の関係と分析しておりますし、それから、その中で特に問題のある硬膜等は更に不明な点は電話で問い合わせたりして確認の作業を続けております。3月21日に調査研究班の総合班会議を予定しておりますが、ある程度資料は整理された段階において幹事の班員の先生方に御相談申し上げて、解析についての解釈あるいは解析方法等について相談をする予定になっております。
 以上で、緊急調査研究班の7月の中間報告についての追加の説明を私の方から申し上げましたが、何か御質問なり御意見ございませんでしょうか。

○端委員

 硬膜の使用の有無の検討ですが、脳神経外科学会で調べました症例と先生の最初にお調べになった症例とちょっと食い違う点がありまして、最初の先生の調査では、硬膜を使用していないとされていたケースが我々が調べると硬膜を使用したというケースの中に入っていたりしますので、やはり神経内科、要するにクロイツフェルト・ヤコブ病を診断した施設からの調査よりは手術を担当したところの調査が必要じゃないかと思います。硬膜の使用の有無に関しては、手術した施設の情報をきちっととらないといけないんじゃないかと思います。
 硬膜の種類に関しましても、アンケートで○を付けさすだけでははっきりしない点があって、本当にそれですかという事を実際に尋ねますと随分あやふやなものがたくさんあって、我々が調べた症例でも1つは、ブラウン社と違う硬膜の方に最初○を付けてあったんですが、さらに尋ねますとはっきりしないということになりました。微妙な点ですからきちっと調べないと具合が悪いんじゃないかと、そのときは思いました。

○佐藤委員長

 端委員から一応の脳外科の調査のまとめの一覧表をいただきまして、それとの突き合わせの結果について、今日終わりましたら、少しそれについて御相談しようと思っていたんですが、出来るだけ相手先には問い合わせが重複しないような配慮をしながら、今、端委員がおっしゃるような確かに施設でやられたかどうかの確認はしたいと考えております。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。また、後でもお気付きでしたら御指摘をお願いしたいと思います。
 それでは、その次の議題は、診療マニュアルについてでございますが、診療マニュアルについては資料の4として御紹介してありますが、非常に大部にわたりますので要点だけを申し上げます。
 このマニュアルの作成に際しては立石委員、北本委員、倉田委員、小野寺委員にそれぞれの項目をお世話になりまして、私どもの方で全体を統一してまとめたものであります。細かい内容については、また後で御指摘いただくことにして、この項目と大体問題になる点を先に申し上げておきます。
 項目はまず、プリオン病の概念、動物とヒト、ヒトではどういう疾患があるかということについて総説的なことが述べてありまして、それから、現在考えられておる病因と病理についての説明。
 次の4章ではプリオン病の代表的な、これは古典的になっていますが孤発例のクロイツフェルト・ヤコブ病、それから現在問題になっておりますバリアントフォーム、それからGSS、致死性家族性不眠症と代表的な疾患を挙げております。「追補」となっておりますが、これは特定疾患の難病指定のマニュアルがございまして、それとの関係がありまして、項目は追補となっております。それから、治療について。
 6が本日、御意見を伺いたい項目の中にありますが、感染症についての医療機関での感染予防の考え方、それから職員に対する注意、この中には具体的にどういう予防衣あるいは手袋などを着用するのか、どういう汚染物の処理をするのか、医療器材、検査器材をどうするのか、患者への対応をどうするのか、剖検時・病理標本作成時の注意について書いてございます。
 この中で、今回の硬膜もそうでございますが、ある程度医療機関を介しての医原性の感染も推定されますので、もう少し手術に関しては強調するような項目を設ける必要があろうかと考えておりますが、今日その案が間に合いませんで、一応基本的な考えだけを伺うだけ伺って、少しその部分は直したいと思います。
 それから、剖検時の取扱いについては、フランスのクロイツフェルト・ヤコブ病のマニュアルを参考にして私自身の経験、それから北本委員にも伺ったりして書いたんですが、やはり少し詳し過ぎて病理の先生が非常に大変だと感じられると恐縮ですので、この点についてももう少しすっきりした内容にまとめられるかどうかということについて、御意見を伺いたいと思います。
 それから、7は医原性の感染、これは従来文献上報告のあります角膜、深部電極あるいは硬膜、それから成長ホルモン製剤等について書いてございます。それから、8の項目は輸血、血液製剤、臓器移植等についての基本的な考え方が述べてありまして、この項目では現在の献血の場合の取扱いについても非常に影響が大きいので、ここは特に日赤の担当の方にも厚生省を通じて御意見を伺いながら、一応血液製剤の除外基準について述べてあります。
 時間がありますので、もう少し内容について大綱で申し上げました重要な問題について御意見を賜るために確認したいと思いますが、何かございますか。
 そういたしますと、今度は内容をごらんいただきますが、最初の方は臨床的なことまでは前に難病の特定疾患の説明書などにもあることを参考しておりますので、私としては余り問題はないと思います。
 13ページを開いていただきまして、重要なことから先に御意見を賜りたいと思います。ここには「医療機関における感染の予防について」。1として感染予防の基本的な考え方が述べてあります。それから、この中には組織の感染性について一般的な概念が述べてありまして、(2) として病院とか検査室で特にどういう検体について注意をしなければならないかということが書いてありますが、表の4の感染性の分類と書いてありますのはWHOで紹介されました扱う臓器における感染力の力カの高いものから順に分類してありますので、これは参考に出してあります。
 それから、15ページでございます。(3) は異常プリオン蛋白の不活性化。ここでも基本的な考え方を述べてあります。表の5は立石委員、北本委員の御研究から引用させていただいたものですが、完全にプリオンを失活させるには、現在どういうものが知られているかということを紹介してあります。
 それから、16ページになりますが、2の「感染予防策」の項目の取扱い基準がございますが、これは特に倉田委員の方からこういう文章でバイオハザードの問題をきちっと紹介してほしいという指摘がございましたので、米国、英国におけるどういう設備の下でなすべきかということが紹介してあります。
 それから、項目の3の「職員に対する注意」でございます。これは手袋、予防衣の着用、それから、(2) として注射針、メス等取扱い時に感染のおそれが高いものについて、特に詳しく述べてあります。
 それから、(3) では汚染された検体に触れたときどういう処置をしたらよろしいかということで、これは0.5 %の次亜塩素酸ソーダで注意深く洗浄すると書いてありますが、実際にはなかなかこれで5分間洗浄するというのは大変なのですが、幾つかのマニュアルを参考にして書いてあります。
 それから、飛沫による目の汚染は、フランスのマニュアルでもかなり注意して書いてありますが、実際には飛沫で目が汚染されたときは、十分量の水あるいは生理食塩水で洗眼するしか仕方がないと思いましたので、ここはこういう記載にしてあります。
 それから、(4) の「医療器材」になりますが、これは消毒出来るメスとかはさみ等は問題ないと思いますが、問題は(4) 一番最後の項目の「気管支または消化管内視鏡の有効な消毒法は今後の課題である。」という記載でございまして、これは内視鏡の2つのメーカーに直接担当者に詳しい資料を紹介してもらったんですが、やはり現段階では有効な消毒法がないということと、事前の策として次亜塩素酸ソーダで消毒出来るかどうかということを質問しましたら1%、2%、5%とわざわざそこのメーカーの実験室で実験をやってくれまして、すべてアルミニウムの部分が腐食されてだめであるということ。それから、例えばSDSとか有機溶剤ですとゴムの部分が溶けるので、それも使えないということでございまして、これは非常に深刻な問題だろうと思います。
 それから、(5) は「検査材料の取り扱い」。途中でも御質問は結構ですから、もし御指摘がありましたら教えてくださるようにお願いします。
 それから、(6) は「汚染物の処理」でございます。この汚染物の処理で従来のほかのマニュアルと少し気を付けて書きましたのは、aが焼却、bが3%のSDSで5分間100 ℃の煮沸滅菌、それからcがオートクレーブ滅菌、dが1規定の苛性ソーダでの滅菌、eが1から5%の次亜塩素酸ソーダでの浸漬滅菌になりますが、これについても御意見を賜りたいと思います。
 この書き方の順番はこれでよろしゅうございましょうか。これは立石委員、いかがでしょうか。17ページの表6の「汚染材料の消毒法」の書き方ですが、3%のSDSが実用的にはかなり有効性が高いという判断で、これを上の方に持ってきたんですが。

○立石委員

 これでいいんじゃないでしょうか。

○品川委員

 これは前の項のところもあったんですが、例えばdとeという問題、水酸化ナトリウムだとか次亜塩素酸の場合、これは対象がソリッドな固まりになっているようなものだと、こちらの方の時間の問題がどこまで浸漬するか、浸透していくかということが非常に重要な問題で、この時間がどういうものの場合という具体的なことが、これは前の方の濃度と時間と温度しかない訳ですが。

○佐藤委員長

 そうすると、今の品川委員の御指摘は、滅菌する対象のものによってもう少し分かりやすいような消毒法と消毒時間を示した方がよろしいんじゃないかという御意見ですね。これは別途に表をつくった方が分かりやすいかもしれませんね。これは北本委員、今の品川委員の御指摘はいかがでしょうか。実際のこの現場の方々がこの表をごらんになるときに、例えばソリッドのものについてはどの消毒法でどれが望ましいというのがもう少し分かりやすいような表を少し工夫してみますから、ここはそれでは一応案をつくってみまして、また先生方に御意見を伺って至急修正したいと思いますので、それでよろしゅうございましょうか。

○祖父江委員

 今の医療器材のところなんですが、非常に詳しく書いてあるところと非常に簡単に触れてある項目があるんですが、最近歯科の方のいろんな汚染なりが問題になっておりますが、その辺の記載はどうでしょうか。

○佐藤委員長

 ここは先ほど特に手術場について項目を少し強調するために別にする必要があろうかということを冒頭に申し上げたんですが、今のことも含めて歯科の問題、それから外科的な手術場の問題をもう少し具体的に項目を立てて説明したいと思います。
 ほかに同じような御指摘ございませんでしょうか。ここは確かにおっしゃるように、少し簡単に書き過ぎていまして私も気にしていたんですが、眼科は眼科の先生方に伺ってこれでよかろうということを伺ったんですが、歯科は実際に歯科でどういう処置が多くて、どういう器具が使われるかをちょっと伺った上で、この基準で分かるように歯科に対して、それから外科も同じでございまして、ディスポのものもあるし、洗浄してガス滅菌などをするものもありますので、もう少し器材内容について大きく3つぐらいに分けて出来るだけ表形式で分かりやすく出来たら、そういう項目を挙げたいと思いますが、それについては至急また案をつくって御相談いたしますのでよろしくお願いします。
 歯科と外科と、それから今の消毒法、各ソリッドのもの、あるいは例えばゴムとかそういうものが入った器材はどうするかとか、もう少し実用的にここは修正したいと思いますが、これについて御意見ございませんでしょうか。端先生、外科の御専門家ですから、もう少し具体的に現場の先生あるいは看護婦さんが分かりやすいように書いた方がよろしゅうございましょうか。

○端委員

 そうですね。手術の場合という項目を1つつくっていただいた方がいいと思います。

○北本委員

 資料の14ページなんですが、(2) 「病院、検査室等でのバイオセーフティ上の問題点」で、いわゆる伝達性病原体がCJD患者のどこにあるかという表現のところと、その下に表4で書かれてますWHOによる感染性の分類のところがございますが、やはり私が思いますのは一番問題点は、高い感染性を示すところだと思うんです。むだなくすべて低い感染性のところも注意すると仕上げたのがこのマニュアルなんですが、実は高い感染性のところを扱う、例えば脳外科の先生とかそこが一番我々もうちょっと注意して強力に滅菌をするというのが実は実際は大事じゃないかという気がして。だから、確かに低い感染性のところで今、問題になっているようなことはいっぱいあると思うんですが、高い感染性のところはもうちょっと考えないといけないような、品川委員の言われたのもそ
 ういう意味もあるのではないかと思います。

○佐藤委員長

 具体的には先ほど手術関係と歯科という項目が挙がりましたが、それと今の御意見を踏まえると、特に脳外科関係ということになってきますが、中等度の感染性では今度はお腹が全部なりますけれども、実際に現在、疫学班でいろいろな手術との関連についてはデータをまとめておりますので、その解析結果もある程度参考にして、今の北本委員、品川委員おっしゃったのは、高い感染性を扱うような現場の方が分かりやすいような、もう少し具体性をもったマニュアルということになろうかと思います。
○山内委員
 今のこととつながるんですけれども、この表の4というのは実はスクレイピーの自然発症例であって決してCJDではないので、見る人がCJDの場合にこういう形で感染性があるととらえてしまうと誤解を招くのではないかと。その辺をはっきりさせておかないといけないのではないかと思います。

○佐藤委員長

 では、このデータの出どころの扱いをスクレイピーとして……。

○山内委員

 スクレイピーとしてはこうであると、これを参考にするけれども、CJDの場合にこういったことは現実には、勿論高い感染性としての脳、脊髄に特に注意するという点はいい訳ですが。表の方が独り歩きするのがちょっと心配です。

○北本委員

 ただ、原点はそうなんですが、WHOの臓器の取扱いそのものはこういう臓器でとなっているんじゃないですか。

○山内委員

 そうですか。

○北本委員

 人の場合も。勿論、スクレイピーのデータなんですが。

○品川委員

 BSEもそうですよね。結果として、これが使われていますから。だから本当はもう一度この部分、それぞれの動物によって違いがあるということが、人の場合との違いがあるから、もうちょっと検討する必要があるんじゃないかと思うんですけれども。
○立石委員
 WHOのディスカッションでも指摘があったと思うけれども、下垂体をこの位置でいいかというようなディスカッションがたしか議事録がありましたね。だから、この表が極上じゃないですね。

○佐藤委員長

 具体的にはどういうふうにしたらよろしいですか。

○立石委員

 これは1つの分類ですから挙げておく以外にないと思いますけれども、必ずしもこれ全部そのままでするものじゃないでしょう。

○佐藤委員長

 そうすると、14ページ表の4の本文の下から2行目になりますが、動物を用いた伝播実験から感染動物の種々の程度について規定されていると書いてありますが、ここを例えばもう少し具体的にスクレイピーの材料を用いた感染実験からこういうふうに規定されていて、ある程度人にも参考になると思うので、これを参考にしてという表現を付け加えておいてよろしいでしょうか。
 それでは、今のところ、この表の由来はスクレイピーであるけれども、これをある程度参考にして人での感染防止策を立てるとしたいと思います。
 ほかに今までの説明でお気付きのところはありませんでしょうか。

○北本委員

 非常に恐縮なんですが、14ページの先ほどの点で病院のバイオセーフティ上の問題で肝臓が入っているのが納得出来ないんです。「伝達性病原体(異常プリオン)は」……。

○佐藤委員長

 これは肝臓は表では第・類になっているんですね。これは肝臓は、先生の御意見ではどうしましょうか。

○北本委員

 立石委員が一番御存じだと思うんですが、そんなに各臓器でトランスミッションが成功しているのはないと。

○佐藤委員長

 肝臓はですか。そうすると除いてよろしいということでしょうか。

○北本委員

 肝臓は除けるんじゃないかと思います。

○立石委員

 肝臓、肺、腎、その辺りはずっと後ろでよろしいかと思います。

○佐藤委員長

 血液が一番最後に書いてありますが、これは挙げておいてよろしいですか。

○山内委員

 血液は証明されているデータもありますので。

○佐藤委員長

 それでは、これは重要なので確認いたしますが、この順番を「脳、脊髄、リンパ節、角膜、レンズ」となっていますが、これは何かから引っ張ってきたんですが、「レンズ、脳脊髄液」、その次に「肝臓、肺、腎、血液中で検出されている。」、そういう順番でよろしいでしょうか。

○立石委員

 脾臓がありませんですね。脾臓がリンパ節の次に。

○佐藤委員長

 では、リンパ節の次に脾臓を入れます。

○北本委員

 血液は後で肝臓、肺、腎ぐらいが……。

○佐藤委員長

 むしろ後の方がよろしいですか。これはもう一回修正したものを特に何かマークを付けて御意見を伺いたいと思いますので、そこのところを御指導をお願いいたします。これは、事務局の方、今のでよろしいですか。もう一回確認しますと、「伝達性病原体(異常プリオン)は、CJD患者の脳、脊髄、リンパ節、脾臓、角膜、レンズ、脳脊髄液、血液、肝臓、肺、腎で検出される。」の順番でよろしいでしょうか。
 それでは、少し先に進まさせていただきますが、18ページになります。
 「患者への対応」になりますが、これはかなり重要な項目ですので、一回ここを逐一確認していただきいたと思います。「病室は、CJD患者には原則として個室の必要はない。ただし吐・下血、重症の下痢、気道感染症などの症状が重い患者では個室が必要な場合がある。
 なお、家族等の面会は特に制限する必要はない。
 診察用具は専用にし、定期的に洗浄、消毒する。
 衣類は汚染されていないものは通常の洗濯でよいが、血液、体液などで汚染されたものは焼却、あるいはオートクレーブ滅菌後、洗濯する。
 尿や吸引した喀痰は容器の中に水酸化ナトリウム顆粒を1規定になるよう投入し、1時間後に汚染槽に流す。
 使用した紙オムツは焼却する。
 床が血液、体液等で汚染されたときには、水酸化ナトリウム溶液にて、洗浄する。」、この中で1つ問題になりましたのは、個室の必要性についての文面とここに書きませんでしたが食器についていろいろな場合がありますので、少し症状が進みますとほとんど経管栄養にむしろなるので、わざわざ書かなくてもよろしいかと思って除いたんですが、御意見ございませんでしょうか。床の消毒は水酸化ナトリウムでもいいし次亜塩素酸ソーダでもよろしいんでしょうか。これは北本委員、立石委員、床の清拭するときの溶液の濃度が書いていないんですが。

○立石委員

 ちょっと難しい問題ですが、両方書いておいた方がいいかもしれません。

○佐藤委員長

 水酸化ナトリウムの次に次亜塩素酸ソーダを書いておきますか。
 それから、剖検時の病理標本作成時でちょっと詳し過ぎまして、私が気が付いたところは18ページの下の方になりますが、脳を開ける際には最後に取り出すということで「脳外科手術の要領で髄液、血液はできるだけ吸引器で吸引するか、プラスチック駒込ピペットで吸引しながら行い、外に飛散しないように注意する。」と書いたんですが、やはり知り合いの病理の先生に聞きましたら、ここは大変なのでペーパータオルのようなもので髄液、血液を吸収しながら行っているけれども、それでもよろしいんじゃないかという御意見があったんですが、出来るだけ例えばペーパータオルで吸収するか、あるいはこういうふうな項目で行うと書くんですが、そうするとこの吸引器の消毒をどうするかという質問を受けましたので、またそれを説明しないとだめなので、立石委員、これはどう書いたらいいですか。

○立石委員

 実際には、今、先生がおっしゃったように、ペーパータオルがベストだと思います。
○佐藤委員長
 では、ペーパータオルで吸収させるとして、ほかのことは書かないで除きたいと思います。
 これをお読みになって、何かお気付きのことはございませんでしょうか。剖検時の対策、摘出臓器の対策については標本作成のときが一番、むしろ危険性が高いのでここは丁寧に書いたんですが、実際現場でも解剖まではほとんどの施設で脳を取り出すところまでやるけれども、標本はとてもつくり切れないというところが多うございまして、これも現実的には大きい問題があるんですが、よろしゅうございましょうか。

○北本委員

 私は、その点非常に大事だと思うのは、WHOでもニューバリアントCJDはその診断において剖検ないし病理の組織学的な検査も必須であるとなっていますので、少なくともこれを見て病理がリジェクションするという形はよろしくないような気がするんです。だから出来るだけ、書き方としてこういうことが推奨されるとか、以下のような方法が推奨されるみたいな書き方にすると、それこそマニュアルとして分かりやすいと思って、こうじゃないといけないというのは……。

○佐藤委員長

 望ましいと書くとか、原則としてとか出来るだけ、時間の関係がありますので、ここはもう少し北本委員がおっしゃるように、この文章を読んでとても出来ないという拒否反応が現場で起こさないようにやわらかい表現に変えていきたいと思います。これは、修正した文章をまた至急委員の先生方に御指導をお願いしたいと思います。今、特にお気付きのことはございませんでしょうか。
 それと、今の北本委員の御発言に関係あるんですが、バリアントCJDを確定診断するには、脳の凍結組織がどうしても必要なんです、生の。ウエスタンをやるには。保存法についてそこまで、ここに書かないにしろ疑われる症例については万が一のときにはどういう保存法をしてほしいというリコメンデーションをしておいた方がいいと思います。

○北本委員

 分かりました。ただ、エッセンシャルではないと思いますよ。ウエスタンまでは、補助的であるという部分が検査だと思います。ニューバリアントの診断として。

○佐藤委員長

 私の理解では、やはりウエスタンでプリオン蛋白の泳動度によって牛型か通常の孤発型か決めるのが一番重要だという理解なんですが、そうじゃないんでしょうか。

○北本委員

 それは山内委員、羊とBSEのやつでもコリンジのデータはうまくないんですよね。
○山内委員
 そうなんですね。要するに4つのタイプに分かれるということから、羊のスクレイピーの場合に、中に例えばタイプ4のニューバリアントのものがあるのではないかというので、イギリスのNeuropathogeneis Unitで検索し、その結果、去年の12月に彼らはクローズドシンポジウムだと思うんですが発表しているんです。そうしますと、いろいろなタイプに分かれてしまうんです。とてもあのように4つだけじゃないんです。
 そして、コリンジの論文にはスクレイピーは全然入っていません。ですから、彼の論文のように、確かにカニクイザルのものとニューバリアントCJD患者のものとBSE牛では合っているかもしれないけれども、あれで本当に分類出来るかというと、まだかなり疑問はあるんじゃないかという気がします。

○北本委員

 人のものもコリンジのタイプ4までの分類は、実は違うんじゃないかというのが出てきています。

○佐藤委員長

 そうすると、でもあの方向で確認することは望ましい訳ですね。100 %特定出来ないにしても。

○北本委員

 望ましいぐらいですね。ただ、勿論、脳の生をとるということに関しては今後のことがございますから、私が書くようにいたします。

○佐藤委員長

 そうですね、やはり生の凍結組織はどうしても保存の必要はあるんじゃないでしょうか。

○山内委員

 ただ、そういう場合には、今後のことということまで含めていくと、リンパ組織も同じように必要性が出てくるんじゃないでしょうか。

○佐藤委員長

 そうなんです。ただ、解剖のときに出来るだけ傷口を小さく、通常の解剖とは違う術式でやったらどうかということを書いてあるんですが、それは配慮は血液を出来るだけ体の外に出さないためには傷口を小さくしますと、そこから手を入れて臓器だけとれるものですから、そう書いたんですけれども。

○品川委員

 解剖のときリンパ節採取というのは難しいんですか。脳をとるというのは。

○佐藤委員長

 頸部なんかを開けると丹念に探すと見つかるしれません。必ずしもそこでとれる訳じゃないですよね。

○品川委員

 気管のところで必ずとれますね。

○佐藤委員長

 気管を必ずとるように、そうすると……。

○品川委員

 スプリンなんかは難しいですか。

○佐藤委員長

 スプリンはとれますよ。これは簡単です。

○品川委員

 今、佐藤委員が開かないようにという、それでも一応全体は開く訳ですね。

○佐藤委員長

 これは全部開く人もいるかもしれないし、我々はどうしても開いてほしくないという遺族もあるので、そういうときにはこれぐらいの傷だったらいいですかと言って、このぐらいの傷だけれども、実際には後ろから狭い切開創で全臓器を引っ張りだすんです。その解剖についてどういう組織を望ましいということは、このマニュアルとはまた趣旨が違いますので、それは口頭で今、ある程度冒頭に申しましたVCJDと診断された施設と現在の生存の若年者については万が一のことがありましたら、例えば病理解剖について御連絡くださいとしておくかどうか、出掛けていって助けてあげないと大変なことになるらしいですね。あるいは、この組織だけは是非とお願いしておくかですけれども、ちょっと文章にはしずらいですね。
 次に進んで、またお気付きのところがもしありましたら戻りたいと思いますが、19ページの7章「医原性感染」についてでございます。
 ここでは角膜移植、深部電極、ただこの2つはほとんど現実では症例はない時代になっていると思います。
 それから、硬膜移植、これについては特に今回新聞でも報道されましたので、この内容の文章は次のページになりますが、上から2行目で「平成8年度の全国疫学調査にて30数例(平成8年12月現在)の硬膜移植後のCJDが明らかとなった。個々の症例については硬膜移植とCJD発症の因果関係は明らかとなっていないが、移植から発症までの期間は16-119ケ月である。大半の症例はB.Braun Melsungen 社のLyodura が使用されている。死体から採取された硬膜の旧洗浄法では、プリオン蛋白が不活性化されないことが実験的に判明し、1987年以降、1N水酸化ナトリウムによる処理法に変更されてからは臨床的には安全といわれている。」、これは薬事審議会の中の海綿状脳症部会での結論をここに引用させていただいたんですが、この項目について御意見を伺いたいと思います。御意見ございませんでしょうか。

○品川委員

 中身じゃなくて、言葉の表現の仕方なんですが、今のところの最後のところから3行目の「プリオン蛋白」と「プリオン」というその辺りの使い方なんですが、これは例えば蛋白をとってしまってはいかがでしょうか、前の方も幾つかあるんですが……。

○佐藤委員長

 これは全部「プリオン」でよろしいですか。

○品川委員

 プリオンというのは感染性のある病原体という意味合いですし、プリオン蛋白と言うと感染性とは関係ないという感じになります。

○佐藤委員長

 分かりました。そうすると、感染性を示す場合にはすべて「蛋白」をとって「プリオン」と記載すべきだということです。どうもありがとうございました。

○立石委員

 最後の行ですが、1987年以降は水酸化ナトリウムによって臨床的には安全ということですが、今、また発売をやめている理由もここに絡んでくると思いますし、これでも今後は安全であると、もし皆さんが受け取ると問題があるのではないかという気もしますが。

○佐藤委員長

 これは薬事審議会の海綿状脳症部会で私は立石委員と同じ意見を個々に意見を求められましたので文章にして出してあるんですが、立石委員も1時間の消毒法では絶対に安全とは言えないということを部会でおっしゃっていましたし、私自身もそういうことがあるので、なお検討が必要じゃないかという意見は、個人的に意見を出してほしいと求められましたので、それには出してあるんですが、今のことはどういたしましょうか。でも、一応部会では変更されてからは臨床的には安全といわれている。ただ、私自身はもう一つの方、テュトプラストの方は、まだ1例も分かっていないですね。30例がすべてライオドゥラですから、それは非常にはっきりしておりますし、ほとんどが1983年から85年に使われた手術例が大半です。潜伏期のこともありますけれども、その後、最終的には1991年に使われた症例が発症しているのは今回の調査班では分かっているんですが、印象としては安全なのかなという気はするんですが、これはどういたしましょうか。

○北本委員

 私はこれは少し舌足らずだったなと思うんです。あのときの薬事審議会の部会のものでは87年以前はバッチ法だったと。すべて集めてケースコントロールもしていない。どんな症例から集めたのかもしていない。87年以降は、Bブラウン社は個々の症例のドゥラを別々に扱うようになった。しかも、除外項目として痴呆疾患を入れた。しかも、1規定の水酸化ナトリウムをするようになった。その3つぐらいの条件を付加したんだと思ったんです。だから、確かに消毒法ということからすれば1規定になりましたということだけですけれども、バックグラウンドが随分違うようになっている。テュトブラストの方は随分前から個々の症例でクリアしていましたので、その辺りのニュアンスが現れずに1規定の水酸化ナトリウムだけで……。

○佐藤委員長

 なるほど、これだけでもう解決出来たように思われる。逆に種々の条件が改善されてからは臨床的に安全と言われているというと、漠然し過ぎますか。一々その前は、例えば個々に洗浄していなかったとかドナーが特定出来なかったとかということを全部記載することは……。

○北本委員

 そこまでしなくてもいいような気がするんですけれども。

○佐藤委員長

 何かいい文章がありますか。

○北本委員

 これだけじゃないという……。

○端委員

 やはりドナーの選択が一番大きいんでしょうから、一つドナーの選択と水酸化ナトリウム処理法などの消毒法とか何とか入れていただいた方がいいと思います。そうでないと、この処理法だけでは、まだ安全でないというお考えを承りまして、使う方としては気持ち悪いものですから。現実には余り、さっき委員長が言われたように83年から86年ぐらいの間に集中的に固まっておりますので、現実的には安全のように思いますけれども。ですから、余り怖いものであるという印象を与えない方がよろしいかと思います。

○佐藤委員長

 今の端委員の御意見も踏まえまして、それでは、「1987年以降、ドナーの選択基準の厳格化、1N水酸化ナトリウムの処理法等に改善されてから」にしまして、「改善されてからは臨床的には安全といわれている。」としたいと思いますが、これ事務局の方もそういうことでよろしいでしょうか。

○立石委員

 ちょっと私、この点は今、いい機会ですから端委員の御意見も是非お伺いしたいんですが、脳外科の先生としては、もし、この条件を満たせば市販のドゥラを今後も使われますか。

○端委員

 安全ということが分かれば使いたいですが、少しでも危険があるのでしたら別のものに変えていかないといけませんので……。

○立石委員

 ドナーの選択は確かに大きい要素で、これが入ると違うと思いますけれども、これは実は輸血の場合も今回入れた条件ですけれども、しかし輸血以上にドゥラの危険性は、私はこの病気に関してはあると思いますから、ドナーの選定だけでいいかどうかという。問診ではスキップすると思います、脱落するケースが必ず出ると思います。そのときにどう申し開きが出来るかという問題になります。

○端委員

 そうですか。そうしますと、やはり将来も危険は多少なりとも残っておるというニュアンスですか。

○立石委員

 多少付いてくると思います。

○端委員

 分かりました。もしその方がよければそういうニュアンスを残した方がよろしいでしょうし……。

○佐藤委員長

 ただ、そうすると、この場で、もしそこまで審議するとなると審議項目が別立てになるか、それとももう一回薬事審議会の海綿状脳症部会に今回こういう意見をいただいたので、この項目については海綿状脳症薬事審議会の結論をあそこでのまとめを再検討するようにお願いするかどうかという手続になるかもしれません。これは事務局の方はどういう取扱いにしていますか。

○遠藤課長

 恐らく3月に緊急調査研究班の最終報告をまとめていただくことになっておりますので、一番最後にお話を申し上げようかと思っていたんですけれども、その後、3月21日に先ほど調査研究班の班会議をお開きになるということでしたが、その翌週中に公衆衛生審議会の成人病難病対策部会を開催して、その結果を報告をしたいと思っております。それに恐らく合わせて必要があれば薬事審議会の方も、また開いていただくなりお願いをすればよろしいかと思います。1か月ちょっと後になりますけれども。

○佐藤委員長

 マニュアルをそれまで待つか、あるいはここに少しなお検討の余地があるというふうな文言を入れておくかですね。

○遠藤課長

 マニュアルの方は出来れば今回は早目に印刷をしてしまいたいというのがあって、直す機会は今後も例えば1年後にまた直していただいても結構ですし、一度少し大勢の方に見ていただいた上で、またいろいろ改善すべき点があれば直していただいてもいいんだと思うんですが。

○佐藤委員長

 もう一回確認いたしますが、これは今の遠藤課長がおっしゃるように、1つはマニュアルはほかの医療機関に対する消毒法のアナウンスとか感染防止策の必要上、出来るだけ早く現場にお届けした方がよろしいという建前があります。それから、もう一つは今、立石委員の御意見の安全性の問題については、一回薬事審議会で審議されてある程度結論は出されているんですが、今回の疫学調査班の結論などで更にそれについて詳しく審議の問題点が浮かび上がってくると、もう一回そこで確認をしていただく手続が必要になろうと思いますので、今回はこの文章にそのニュアンスが含めるような文言を入れたらどうかという御意見とまとめさせていただいたんですが、そういう解釈でよろしゅうございましょうか。

○立石委員

 そうですね、是非、表現をかなり……。

○佐藤委員長

 絶対安全ではないということですね。
○立石委員
 かなり表現に気を付けられた方がいいんじゃないかと私は思います。

○佐藤委員長

 これは立石委員、もし、今、案をいただけたら……。

○立石委員

 ちょっと考えてみていたんですが、先ほどのように提供者の問診をしっかりするということと処理法の改善ということで、かなり安全になったぐらいのことだろうと思うんです。これが臨床的に安全と言われているというのはどういうことだろうかと。

○佐藤委員長

 これは薬事審議会の表現をそのままとってきたんです。

○端委員

 これは、もし硬膜を使わないとしますと、今、ゴアテックスのものがあるんですが、やはり穴がふさがりにくいとか髄液漏が起こりやすいとかいろいろな具合の悪い点があって、もしそういうことがありますと、硬膜の危険性の方が多少あっても、そっちの方が有利かというような感じがございます。
 現実に調査した段階では、一時の汚染硬膜によって発症したものだけのような感じがいたしますので、我々の常識としては臨床的には安全なものと考えて今も盛んに使われているところです。そうしますと、かなり安全と書かれますと、まず、使いにくくなって、もし裁判になったりすると、すぐ負けてしまうことなるんじゃないかと思います。

○立石委員

 非常にこの扱いは重要で神経質になった方がいいのではないかと私は思うので……。
○端委員
 微生物学的には多少危険かもしれませんが、臨床的には十分安全と言ってもいい、現実的には安全じゃないかと思います。

○佐藤委員長

 私も非公式に意見を申し上げたんですが、この硬膜は日本の人たちの剖検例からとると、より選択基準をチェック出来る訳ですから、出来るだけ日本の人からとるようにされてはどうですかということをたしか脳外科だったかに申し上げたんですが、そういう方向は簡単になるんですか。日本の人から採取して、その後の凍結乾燥をもう一つのツトプラスの会社に、アメリカは自国のティシュバンクからとったものをその処理を会社に委託しているんですね。そうすると、よりドナーについてのチェックは厳しく出来る訳ですから。

○立石委員

 やはりそういう方向へいくべきだと思います。それで、よくわかった人の硬膜を提供していただいて、何でしたらそこに提供者がウエスタン・ブロッティングでもやる、最終的には。だから、そこまでチェックしているという体制を示しておく必要があるんじゃないですか。今、これだけ現実に犠牲者が出た訳ですから、やはりそれをやるのと将来は人工硬膜の方向へ勿論行かれると思いますから。

○山内委員

 ちょっと一般論みたいな話になって申し訳ないんですけれども、やはりドナーの選択ということになってきますと、もう一方ではプリオン遺伝子のミュータント、ミューテーションのある人の問題があります。現実にイスラエルの場合にコドン200 のミューテーションで非常に高いCJDの発生頻度がある。内々ではイスラエルではミューテーションのある人の血液は血液製剤に回していないということが学会での討論で話されていました。ですから、そういう問題がだんだんいずれは出てくるだろうと思うんです。

○北本委員

 あのときは、両会社の人たちが来ていただいて、どういうふうなケースを検索しているのかということで私も質問したんですが、そのときは肉眼的に脳を見ている。全ての脳のヒーストパソロジーはつくっていないと言われていました。だから、問題になる点はあると思います。コドン200 ということからすれば、スロバキアはこの中に入っていましたので十分可能性はあると思いますし、そういう意味で佐藤委員長が前々から言われているように、国内化の方向でというのは私は非常にいいことだと思います。

○佐藤委員長

 時間の関係もありますから、この文章をある程度もう少し丁寧にしたものについて、やはり載せざるを得ないと思いますが、かなり安全といわれていると書きますと人によって物すごくとり方が違いますね。これは困りましたね。

○端委員

 文章で安全といわれているというニュアンスは……。

○立石委員

 かなり安全ではなくて改善されていると。

○佐藤委員長

 処理法等に改善されているだけで書きましょうか。

○北本委員

 処理法に改善されているですか。

○立石委員

 処理法に変更されてからは改善されている。

○佐藤委員長

 変更されているからは改善されているですね。

○立石委員

 それと処理法の前に問診の話が入りましょう。

○佐藤委員長

 「ドナー選択基準の厳格化、1N水酸化ナトリウムによる処理法等に変更されてからは改善されている」と。これだと事務局の方はよろしいでしょうか。

○遠藤課長

 そのぐらいだと当面の書き方としては……。

○佐藤委員長

 当面の書き方としてはこれでよろしいですか。

○遠藤課長

 もう一度いずれ議論しなければいけないと思いますけれども。結局ドゥラの有用性と大体可能性みたいな話をもう少しやらなければいけないと思いますから、薬務局にお願いして……。

○佐藤委員長

 今の御意見をまた薬務局の方にも伝えていただいて、この硬膜の安全性の問題については再度薬事審議会の方で検討してくださるようにお願いしたいと思います。
 少し先に進みたいと思いますが、4はヒトの下垂体ホルモン、これも新聞などで大きく問題になっておりますが、この中で5行目からですが「1985年以降は組換えDNAにより産生されたものが用いられ、安全といわれている。」、これが後で私の方で少し調べましたら85年ではなくて、徐々に切り替えて87年まで使われていたので正直にそのとおりに書くかどうかなんですが、これは一回この文章を薬務局に確認していただいて、一遍に切り替えたのではなくて、徐々に切り替えたんだそうです、日本でも。
○山内委員
 これは成長ホルモンだけであって、ゴナドトロピンはどうなっているんでしょうか。成長ホルモンは確かに組み換えに変わったんですよね。

○佐藤委員長

 ゴナドトロピンも変わっているんじゃないでしょうか。

○山内委員

 それはよく知らないんですけれども。

○佐藤委員長

 では、これは薬務局に伺って。今の問題はゴナドトロピンについては確認いたします。
 それから、「日本では、ヒト下垂体由来のホルモン剤の注射による医原性のCJDはまだ知られていない。」、今回の調査でもこれは一時調査、二次調査で項目を立てているんですが、○を付けた回答がありませんのでこういうふうに書いてありますが、小児科関係では使われた人は追跡をしているという話を間接的には伺っております。
 それから、8章の「輸血、血液製剤、臓器移植について」ですが、ここも少し文章を読ませていただきますが、「全血、血漿を含め血液製剤によるヒトへの伝達は現在までに報告されていない。また、疫学的研究でも同様に、血液製剤の投与を受けたものからの発症の頻度が高いことは報告されていない。しかし、CJD及びその類縁疾患が供血者に発生したことが明らかになった場合は、当該供血者の血液より製造された血液製剤を回収することとされている。」、これはアメリカのFDAの基準ですが、「現在、供血者におけるCJDをスクリーニングする方法は無いが、予防的には供血者に対して以下のような問診を行い、いずれかの項目に該当する場合には除外する必要がある。」、それでこの除外基準としまして、(1) 「CJD及び類縁疾患と医師に言われたことがある。」、(2) 「血縁
 者にCJD及び類縁疾患と診断された人がいる。」、(3) 「人由来成長ホルモンの注射を受けたことがある。」、(4) 「角膜移植を受けたことがある。」、(5) 「硬膜移植を伴う脳外科手術を受けたことがある。」としたんですが、これについて御意見ございませんでしょうか。(1) が、こういう診断を受けた人は供血の対象にならないので実際にはあるかなという気はしたんですが、参考にしたのにもこう書いてありましたのでここは挙げたんです。この原稿を作成する際に編集をお願いした先生方の間での何度か意見を交換して、臨床的に例えば痴呆症状を示すものを除外基準にするかどうかかなり議論したんですが、最終的にはこういうふうな文章にまとめたんですが、そういうことも含めて御意見ございませんでしょうか。
 それでは、また、後でお気付きでしたら御意見を賜りたいと思います。
 その次は、「臓器移植の安全性について」、21ページに移ります。これは簡単に書いてありますが、「現在、腎臓および角膜移植のドナー適応基準からは、CJD罹患の疑いがあるドナーからの臓器提供は除外されている。
 しかしながら、さらに厳格にCJD罹患ドナーからの提供を防ぐため、供血者の除外基準を参考とする。」と書いてあります。この後、図がお配りしたマニュアルに入っていませんが、一応北本委員からいただいた典型的な孤発例とGSSのHEの標本、それから免疫染色の標本の写真が挙げてあります。画像はほとんど診断が付かない、軽症の初期の画像と進行した画像を段階ごとに挙げてあります。脳波も同一の症例で私どもの症例なんですが、初期の典型的なPSDといいがたいときの脳波と、その後典型的になった症例の脳波を経過ごとに挙げてあります。
 以上で、このマニュアルについて御意見いただいたんですが、全体を通じて御発言ございませんでしょうか。いただいた御意見については至急訂正いたしまして、また、出来るだけ早く御意見を伺って最終的にはまとめについては一応コンセンサスを得た段階で、私と事務局とで原稿にまとめたいと思いますが、そういう進め方でよろしゅうございましょうか。

○山内委員

 4ページのところの表の2なんですが、この表は少し直した方がいいだろうと思います。例えば、レイヨウというのはいきさつがあって間違ってしまってカモシカをレイヨウと呼んで、そのままずっと来ているんですが、もう分類上こういう表現はないので、この辺を若干、後で訂正した方がよろしいと思います。

○佐藤委員長

 カモシカですか。

○山内委員

 ですから、全部牛科の動物なものですから、これは全体として整理し直さないと、混乱を起こすんじゃないかと思います。よろしければ私が直したものをすぐにつくります。
○佐藤委員長
 これは小野寺委員からいただいたので、もう一回原稿いただいた後先生にやりとりして確認したいと思います。

○山内委員

 彼にやってもらっても結構です、その辺の食い違いは分かっていますから。

○佐藤委員長

 今、この表で先生御指摘のほかに何かおかしいところはありますか。

○山内委員

 牛科動物とか猫科動物という形で整理をしていった方が動物の場合はいいと思います。それで、トラとかピューマはみんな現在猫海綿状脳症ということで整理されています。

○佐藤委員長

 その中に入っているんですか。

○端委員

 13ページの「医療機関における感染の予防について」の対象ですが、これの対象は、同じ13ページの上の「診断基準」の「診断疑い例」も含まれる訳ですね。
○佐藤委員長
 除外基準ですか。

○端委員

 患者組織と書いてあるんですが、患者というのはこの上の診断基準の……。

○佐藤委員長

 患者の定義ですね。これは、診断疑い例まで含まれると考えております。一番重要になってくるのは、先ほどの供血者の除外基準なんですが、そうすると疑い例も一応除外するということになりますので、痴呆を入れると非常に説明が大変になるので、一応診断された例は除外するということは診断確実例は剖検例ですから、当然疑い例も含めてということになります。20ページに戻りますが、今の端委員の御指摘の確認なんですが、輸血、血液製剤の除外基準になりますが、質問事項の下に「マニュアルの診断基準(3段階)を参照」と、今の御質問のことを含めて意識しての注釈です。
 ほか、もしお気付きのことがありましたら、私あてに、あるいは事務局あてに電話またはFAXで教えていただいて、出来るだけ早く訂正をしまして数回やりとりをした上で私と事務局で最終的には印刷所に渡す原稿としたいと思いますが、そういう手順でよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○佐藤委員長

 どうもありがとうございました。
 それでは、次にクロイツフェルト・ヤコブ病等の調査の実施について事務局から説明をお願いいたします。

○荒川補佐

 それでは、資料の5と資料の6に基づいて説明をさせていただきます。
 まず資料5の方でございますが「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査実施要綱(案)」で調査の手順等を書いたものでございます。
 まず、1「調査目的」。「平成8年3月の英国における新型クロイツフェルト・ヤコブ病の報告は、我が国でも国民に不安をもたらすとともに、社会的な注目を浴びた。このため、平成8年度には特定疾患調査研究事業においてクロイツフェルト・ヤコブに関する緊急調査が設けられ、緊急全国調査が行われた。本調査は、緊急全国調査の実施以降も引き続き我が国におけるクロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患(以下、「調査対象疾患」という。)の患者の発生等に関する情報を的確に収集し、新型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生状況等を把握しようとするものである。」
 2が「調査体制」でございます。(1) 「本調査は、厚生省保健医療局疾病対策課(以下「厚生省」という。)が関係の医療機関の協力を得て実施する。」、飽くまでも実施主体は疾病対策課でございます。
 (2) ですが、「本調査は、その的確な実施を図るため、実施方法及び結果の評価等について厚生省公衆衛生審議会成人病難病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会(以下、「専門委員会」という。)の意見を聴くものとする。」。
 3、「調査対象者」。『本調査の対象者は、平成8年1月1日以降に調査対象疾患と診断された者で、調査時に死亡している者を含むものとする。
 なお、調査対象疾患の診断については、「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」』、ただいまいろいろ御審議をいただいたこのマニュアルの診断基準によるものとする。
 4番目に「調査票の様式」でございますが、『本調査は、別紙様式1「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査票(以下、「調査票」という。)」に基づいて行うものとする。』。この調査票が資料の6でございまして、2枚つづりになっております。姓名、姓と名を分けまして、これは患者のプライバシーの観点からそれぞれイニシャルで記入をしていただく。あと性別、生年月日、出生地、主な生活住所、現在の住所、カルテ番号、発症年月、初診年月、受診状況、家族歴、職業歴、接触歴、既往歴、症状、検査の状況、それから、鑑別診断、診断、診断の確実性、その他の意見と紹介元の医療機関名、それから医師の意見という内容で判をうってございます。
 それから、5番目に「調査方法」でございますが、(1) 『主治医は、調査対象疾患について新たな患者を診断したときは、調査票に所要の事項を記入の上、FAX又は郵送等で速やかに厚生省に送付するものとする。
 主治医は患者(必要に応じて家族)に対し、本調査の目的・内容を十分に説明の上、当該情報提供に協力するという同意が得られるよう努力するものとする。
 (2) 厚生省は、調査票の集計を行うに当たっては、特定疾患調査研究事業遅発性ウイルス感染調査研究分科会(以下「分科会」という。)に依頼して行うものとする。
 (3) 分科会は、6か月ごとに集計結果を厚生省に報告するものとする。
 (4) 厚生省は、分科会から調査票の集計結果の報告を受けたときは、速やかに専門委員会を開催し、その意見を聴いて結果を公表するものとする。
 (5) 厚生省は、報告のあった症例のうち経過観察を要するものについては、専門委員会の意見を聴いて、必要に応じて追跡調査を行うものとする。
 6 その他 本調査の実施に当たっては、調査対象者及びその家族に関する秘密の保持について、格段の配慮を払うものとする。』
 「附則」で適用の年月日がありますが、もし本日御承認をいただければ本日の日付で適用するということにしたいと思っております。
 以上です。

○佐藤委員長

 まず、この要綱の実施案についてでございますが、何か御意見あるいは御質問ございますでしょうか。1つだけ、私の方から補足しておきますが、平成8年の1月1日からの患者さんが対象になるんですが、今回の緊急調査班で平成8年の半ばぐらいまではアンケートをいただいておりますので、その方々については一応出来るだけいただいた資料を基にこの表を作成して作成機関に確認をするかどうか、何回も同じ手間を掛けないように配慮したいと思います。お気付きのことはございませんでしょうか。
 それから、調査票については、この次にまた内容を逐一御説明されますか。それとも今、御意見をいただきますか。

○遠藤課長

 もう説明はいいです。

○佐藤委員長

 調査票は一応、今回、緊急疫学調査班の第二次調査票と疫学調査班の第二次調査票はWHOの勧告による調査票を参考にしたんですが、非常に膨大ですので、それから二次調査票の経験を生かしまして余り回答がなかった項目などは、簡単にしてありますが、そういう資料を基にして作成したものです。
 この中で少し補足説明を申し上げますと、既往歴の中に特に手術歴については硬膜使用例、脳、脊髄その他の神経系、外傷、他の手術と、それから特に施設名を詳しく伺うようにレイアウトしてあります。それから、輸血歴、献血歴に更に鍼治療歴とここに書きましたのは、名古屋でヤコブのセミナーでお話しさせていただいたときに、名古屋の先生から鍼治療を受けた症例の経験があるのでと質問を受けましたし、アンケートの中には2例だけだったんですが、調査をさかのぼって10年以上前に更に2例あったということですので、鍼治療についてはセミナーのときのその先生の御意見では、特に鍼治療歴については詳しく聞いた方がいいんじゃないかというかなり強い御意見でしたので、ここに入れてあります。
 それから、症状は例えば初発の時期とか経過という御意見もあったんですが、記載が大変なので出来るだけ項目だけで簡単にしてあります。
 それから、次のページの検査は脳波、画像、プリオンの遺伝子の有無、脳脊髄液について意見を求めているのは、例えば異常に蛋白とか細胞が高かったときには診断そのものについての詳しい調査が必要になる、その参考になりますので、ここへデータを挙げるようにいたしました。
 それから、鑑別診断は少し詳し過ぎるし、これから外れる鑑別診断も逆にあるという御意見もあるんですが、マニュアルの中にはこれと同じ鑑別診断をすべきであると書いてあるので、マニュアルを読んでいただけると要らないような気もするんですが、逆にマニュアルをさっとごらんになった先生は、これはむしろあった方が事務局ではこの疾患はこの調査票の診断された先生は除外しているということが確認出来ますので、少しくどくなるところもありますが、一々挙げてあります。
 それから、診断の確実性は難病の診断基準と同じであります。
 調査記載年月日が最初入っていたんですが、これはどこかに入っていましたか。

○遠藤課長

 ありませんけれども、受理年月日でも構わないかなとは思うんですけれども。

○佐藤委員長

 記載年月日はやはり入れていただいた方がいかがでしょうか。例えば、記載してからすぐ投函……。受理年月日にいたしますか。

○遠藤課長

 それはこちらで記入すれば済むということですけれども。

○佐藤委員長

 ただ、記載してから間もなく亡くなったりすることがありますので、これはやはり入れておいていただいた方が、私は参考になると思います。例えば、発症年月日、初診年月日の次ぐらいに記載年月日あるいは頭に記載年月日とするか。

○遠藤課長

 診断した日もないんですよね。

○佐藤委員長

 発症年月日がありますね。それから、初診年月日……。発症して初診して、それから現在の状態を書いていただく。やはり記載年月日をその次に入れていただいたらいかがでしょうか。初診年月日の次に欄を少し工夫して。これもほかにお気付きのことなり御意見はございませんでしょうか。これはまだ少し時間的な余裕がございますので、後にでもお読みになってお気付きのことがありましたら……。

○遠藤課長

 これは余裕がないんです。
○佐藤委員長
 それでは、今、決めてしまわないとだめですね、済みません。それでは、一応実施要綱について御意見はございませんでしょうか。

○祖父江委員

 診断の確実性という資料の案の中の項目なんですが、これは確実例、ほぼ確実例、疑い例という記載、これはちょっと私は意見を言わさせていただきたいんですけれども、これはむしろ孤発例の診断基準ですよね。

○佐藤委員長

 そうですね。VCJDの診断基準ではないですね。

○祖父江委員

 ですから、類縁疾患まで含めて広くとろうとしますと、確実、ほぼ確実、疑い例をどういうふうに規定していくかということと、ちょっと矛盾しないかと。そこはいかがでしょう。

○佐藤委員長

 ここの診断の確実性の説明がですね。

○祖父江委員

 これは前のマニュアルを見ましても、ちょっとずつ違っていますね。

○佐藤委員長

 今の祖父江委員の御意見で資料の6の2ページ目の「診断の確実性」の項目ですが、最初は確実例、ほぼ確実例、疑い例とだけ書いてあってその内容については手引き書を拝見していただければよろしいと思ったんですが……。

○祖父江委員

 私が申し上げたんですけれども、今、見てみますと……。

○佐藤委員長

 それだけでは少し不足だろうということで加えたんですが。

○祖父江委員

 孤発型の診断基準になっているような気がするんです。

○佐藤委員長

 これはあった方が、確かに記載する先生にとっては非常に簡便なんです。
 「特徴的な病理所見を有する例またはウエスタンブロット法や免疫染色法で脳に異常プリオン蛋白を検出」が確実例。2のほぼ確実例は「病理所見がない症例で、進行性痴呆を示し、脳波でPSDを認める。更にミオクローヌス、錐体路/錐体外路障害、小脳症状、視覚異常、無動・無言状態のうち2項目以上示す」。問題は、ここですね。そうすると、例えばバリアントCJDの場合はPSDがなくてもいい訳ですから……。

○祖父江委員

 その辺りをどうするかということですね。

○北本委員

 イギリスでもニューバリアントは臨床的にはPossibleとしか診断していません。つまり、病理所見が出るまでは。だから、これでよろしいんだと思います。

○佐藤委員長

 そうすると疑い例に入る訳ですよね。

○北本委員

 はい。WHOのものでもこの3文ですので。

○佐藤委員長

 PSDを書くときには疑い例に入るということですね。あとはGSSはこれから外れるんですよね。

○北本委員

 当然外れると思います。基本的にCJDが中心のものですから、よろしいんじゃないですか。

○佐藤委員長

 これでいいでしょうか。GSSやFFIはこの中からは外れるんですが、そうすると……。

○北本委員

 一応、診断のところで例えば2)とか3)とかに○を付けますから分かるんじゃないでしょうか。

○佐藤委員長

 分かるんですが、それでは注を付けますか。これは全部1)のことになりますね。

○祖父江委員

 ですから、2)、3)の診断の確実性の評価ではないような気がします。

○佐藤委員長

 あるいは、これをもう少し文章を簡略化して逆に全部に付けるかどうかですね。CJD、GSS……。

○北本委員

 それは難しいと思います。だから、診断のところで1)のときはこの診断の確実性を記載していただいて、2)から4)の場合は括弧してその理由みたいなことを別に書いてもらうとしてもよろしいんじゃないですか。
○佐藤委員長
 2)か3)の場合ですね。

○遠藤課長

 2)、3)で何か追加的な情報が必要でしょうか。

○北本委員

 物すごく違いますから。

○遠藤課長

 先生が今おっしゃったので診断のところの1)のCJDの次に、この3つを移し込んでしまって、この2段を1段にしてしまってGSSとFFIに関して特に追加的な情報が必要なければ……。

○北本委員

 それでいいかもしれませんね。それはすっきりしますね。

○立石委員

 GSS、FFIについては、この前の方でそれぞれ診断基準を挙げてありますね。だから、これがもしペアで持っていらっしゃればそのページを参照と書いていけるかと思います。

○佐藤委員長

 そうですね。では、今の遠藤課長の御意見のように診断の確実性の説明については1つ上のカラムのCJDの中に、その次の行に少し小さくして含めて、GSS、FFIは1)、2)、3)の診断の確実性の確実例、ほぼ確実例、疑い例を入れるけれども、注を付けて診断のマニュアル参照のこととしておいて、事務局の方はそれでよろしいでしょうか。

○遠藤課長

 病理解剖は検査の方に移してしまいましょうか。

○佐藤委員長

 病理解剖のかぎ括弧の項目をですね。これは病理解剖と1つ大きいカラムで書いておいた方が分かりやすいかもしれませんね。検査の次に病理解剖として、有、無にして、有の場合は剖検番号、標本の所在とか。ほかに御意見ございませんでしょうか。

○遠藤課長

 あと、右下の主治医氏名の後ろの判こはFAXで送っていただいたりするということになればとってしまいたいと思います。
 それから、先ほどの記載年月日は、この欄に付け加えようかと思いますが。
 それから、もう一つは「お願い」のところの1行目の「又は疑いが強くなったときに」というのは、出来れば……。

○佐藤委員長

 「最初に診断をされたときに御記入ください」でしょうか。

○遠藤課長

 それだけで一応、診断の3番目の疑い例は英語でポッシブルになっていて、この「お願い」のところの疑いはサスペクティブになっているとは思うんですけれども。

○佐藤委員長

 これはポッシブルまでの症例でこの調査票をいただいて、事務局の経験でも後で診断を訂正されたという通知をいただいたのが2つぐらいありましたが、そう多くはないでしょうから、診断の疑い例という基準がありますので、最初に診断をされたときに記入の上、これこれで御報告くださいとしてよろしいでしょうか。この「お願い」の疑いが強いというのはサスペクトの症例も事務局で把握したいという趣旨だと思いますが、よろしゅうございますか。

○柳川委員

 全般的なことでよろしいですか。調査票の下の「お願い」のところですけれども問題がなければいいんですが、一応ちょっと御決定いただいた方がいいかなと思うのは、FAXで送ることがいいかどうかということ。FAXはしばしば間違えてよそへ行くという可能性がありますので、そこのところをちょっと慎重にしなければいけないかなと。クロイツフェルト・ヤコブという調査票が行く訳ですから。出来れば郵便に限った方がいいと思います。
 それから、事務局までと下に書いてありますけれども、事務局がどれかということがどこにも書いていないものですから、どこかに、多分この下のこれが事務局だと理解をすると思いますが、下記の事務局とするとかしていただいた方がいいかと思います。
 それから、こちらの実施要領の方ですけれども、まずこの調査をお願いするのはいつ、どれだけの施設にお願いするんですか。まず、医療機関にお願いをする訳ですよね。それはどういう方法で。

○遠藤課長

 建前としては、全施設なんですが、これをどういう方法で配るかを御説明させていただきますと、これをつくって各都道府県あてに管下の医療機関に周知をしてくださいと通知をします。それから、医師会長あてにもお願いを出します。基本的にはそれが公式ルートです。

○柳川委員

 それは文書でお願いをする訳ですか。

○遠藤課長

 私のところから出すのは日本医師会長あてと各都道府県になります。そこから日本医師会は各都道府県の医師会に下ろしていただくことになりますし、各都道府県は結局、基本的なルートとしてはこのルートは医師会ルートになると思います。最後は、医師会を通じて個々の医療機関に知らされる。
 それから、もう一つのルートがありまして、これは今年の緊急調査に協力をいただいた4,000 ほどの病院がございますけれども、こちらには先生、何を入れておくんでしたか。

○佐藤委員長

 最終的には報告書とお礼の手紙と疫学班の調査結果の報告書とマニュアルを入れるという話がありました。

○遠藤課長

 それだと4月になってしまうんですか。

○佐藤委員長

 そうですね。

○遠藤課長

 4月に今、この通知と先ほどの診療マニュアルを1冊の本にしてつくろうとしておりますので、これを4,000 の医療機関に配付をいたします。

○柳川委員

 先生が退職された施設には直接行くんですか。

○遠藤課長

 はい。直接配付をいたします。

○柳川委員

 直接ではないルートにはマニュアルは……。

○遠藤課長

 マニュアルは直接には行きません。マニュアルはまた別途1冊100 円で売ることにしていますので、例えば診療マニュアルがなくてこの通知をもらってしまった人で必要な人はマニュアルを買ってくれるかどうかという話になるんですが、実は、マニュアルはB型肝炎の感染予防マニュアルが何年か前からつくられて、恐らく各病院で持っていらっしゃると思いますので、ある程度の病院であれば感染予防委員会的なものがあるのではないかと思いますが、そういったところで少しマニュアルを買っていただいて、皆さん備えていただければとは思っているんですけれども。

○柳川委員

 回答を期待する医療機関を佐藤委員長が前回対象とした施設に大きな期待を大部分はそこで得るであろうということであれば、補足的に今都道府県と医師会からの情報も入るんだと思うんです。その場合に、調査票はマニュアルのところにくっつけるか、それとも調査票を……。

○遠藤課長

 付けます。

○柳川委員

 その4,000 何か所の施設には調査票は調査票で別のものを……。

○遠藤課長

 また別のものもくっつけます。お願いの文書を付けて4,000 枚はお送りする予定です。

○柳川委員

 それをお送りして、これをお出しいただくのは診断したらその都度という感じですか。今までたまっている分は多分まとまってくるでしょうけれども、それ以降、果してくるかどうか。というのは、4,000 か所出した場合に、例えば6か月ごとにお願いをするとか、それとも回収する期限を設けるとかということをしないと、最初の1回は多分来るでしょうけれども、あとは全然来なくなると思います。
○遠藤課長
 時々、注意喚起はしなければいけなくなるだろうと思います。

○立石委員

 クロイツフェルト・ヤコブ病は今年の1月から無料診療の対象になって、あのときは患者の側から申請をするという建前になっていますが、その機会に送ったらどうですか。

○遠藤課長

 それは可能というか、そちらは当然参考にしますし、そちらの資料を出されたときにも県の担当者にはこっちは厚生省に出していただけたでしょうかという問い合わせをしてもらってもいいんだと思いますが、いずれにせよ、そちらのデータと死亡診断書といいますか、死亡個票と資料としてはその3種類があり得ると思います。ただ、医療費の負担の方は、患者さんが経過が早くて亡くなられてしまうと、あるいはこれから老人もかなり負担が高くなってくれば皆さん申請をしていただける訳ですけれども、申請主義ですので、必ずしも十分、そちらだけでは把握出来ないだろうということがございます。

○柳川委員

 それから、もう一つ、資料5の2ページの「調査方法」の「当該情報提供に協力するという同意が得られるよう努力するものとする。」という、この表現でいいかどうかということです。

○遠藤課長

 現状では、この程度でいいかと健康政策局が言うものですから。

○柳川委員

 十分に注意をしてください。

○遠藤課長

 前回医療法を変えましたときに、たしか付帯決議か何かでインフォームド・コンセントについても考えていくみたいな話が出ていたんじゃなかったかと思いますけれども、まだ治験なんかの場合にはかなりインフォームド・コンセントの形式まではっきりしていますけれども、全般的なものとしてはインフォームド・コンセントというよりはプライバシーの侵害に当たるのかどうかという方のことになる訳ですけれども。

○佐藤委員長

 エイズとか血液製剤のときは例えば千葉県なら千葉県の衛生部を通じて協力するようにという用紙が各病院あてに送られてきましたから、方法としては割に確実にいろいろな組織に伝わるみたいですが、そのときの回収率というのは非常よかったんでしょうか御存じですか。もし回収率がいいとすると、今、柳川委員の御懸念はないかもしれませんけれども、逆に悪いとすると、何らかの方法で回収期限とかどういうふうにして督促をしたらよろしいかということが上がってくると思います。

○遠藤課長

 大体は本を送りますので、出していただけるのではないかと。

○柳川委員

 例えば、佐藤委員長の班でやられた方法は症例がいない場合も調査票を送り返してもらいしましたよね。そうすれば、いないということが確認出来たけれども、今回は……。

○遠藤課長

 だた、今回は年間恐らく100 件程度の話だと思いますので、そのために4,000 件出してもらうというのもどうかという。あとは時々、CJDのニュースを流して、これも今晩からテレビに出ることになっていますけれども、そういったことで少し注意を喚起していくということになると思います。
○柳川委員
 せっかくこういう事業を始められた訳ですから、最初だけで後でなくなるということがないように。それから、いつまで対象期間かということが、これから多分今年度だけじゃなくて来年も期待しているんだと思います、そうですよね。少し継続的な事業として位置づけている訳ですよね。

○佐藤委員長

 これは柳川委員がおっしゃる回収率とか把握率の問題ですが、少しスタートしていただいてその反応を見てから対策を立ててもよろしいと思います。事務局には4,000 枚のラベルがございますので、最初はこれを使っていただいてもよろしいし……。

○遠藤課長

 あと、神経内科は何学会でしょうか、学会などを通じても少しお願いをするようなことになると思います。

○柳川委員

 研究班でやる仕事としては回収率というのは非常に重要な情報なんですけれども、これは分かる分だけでもとにかく抑えていこうという考えもあってもいいんと思うんです。いた人だけ抑えていっても、これだけは患者さんが出ているんだとかこういう背景だということが分かれば、それはそれなりに事業としてよろしいんだと思います。

○佐藤委員長

 それでは、次に進んでよろしゅうございましょうか。
 これで今日、予定しました議題について一応御意見を賜りまして、診療マニュアルについては何か所か文言訂正あるいは追加した上で、至急、委員の先生方の御意見を賜りたいと思います。これから新しく始まるサーベイランスにつきましては、今度厚生省の方で各都道府県あるいは医師会に通知を出されて、その回収を待つという段取りになろうかと思いますが、全体を通じて御意見はございませんでしょうか。初めての司会でいろいろと不慣れだったり、行き届かないところがあったと思いますが、お許し願いたいと思います。
 それでは、一応これで第1回の公衆衛生審議会のクロイツフェルト・ヤコブ病等の専門委員会を終わりにしたいと思いますが、事務局の方、何か追加はございますか。

○荒川補佐

 今後の本委員会の予定でございますけれども、今、要綱の中で決めていただきましたように、6か月ごとに集計結果を本委員会に御報告申し上げるということでございますので、おおむね今月から6か月後といいますと、大体夏場のころにもう一度委員会を開かせていただくということになろうかと思います。
 ただ、その前に、先ほど佐藤委員長からもお話しいただきましたように、3月21日に佐藤委員長の全国の緊急調査研究班の班会議が予定されておりまして、そこで最終報告が取りまとめられた場合でございますが、中間報告のときも公衆衛生審議会の成人病難病対策部会に報告をしておりますので、この最終報告につきましても当然部会の方に報告をすることになろうかと思います。その際、部会長の方から本委員会の先生方に出席要請があった場合には、先生方にも御出席をいただくということになろうかと思います。大体、予定としては3月21日の研究班会議の後、1週間前後の時期ですので、3月27、28日かその前後ぐらいに部会を開かせていただいて、そのときに部会長から要請があれば先生方に、お忙しいところ恐縮なんですが御出席をお願いするということになろうかと思います。
 それから、本日の議事録につきましては、後日、私どもの方から各委員の先生方に送付をさせていただきますので、内容を御確認いただきまして事務局の方まで返送して、何か御意見等ございましたらそのときにお聞かせいただければと思います。
 事務局の方からの事務連絡は以上でございます。

○佐藤委員長

 それでは、長時間にわたって御審議ありがとうございました。これで終了させていただきます。

問い合わせ先 厚生省保健医療局疾病対策課
   担 当 塚原(内線2353)
   電 話 (代)[現在ご利用いただけません]



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