00/12/26 生殖補助医療技術に関する専門委員会(第29回)議事録 厚生科学審議会先端医療技術評価部会 生殖補助医療技術に関する専門委員会 ( 第 2 9 回 ) 議事録 厚 生 省 児 童 家 庭 局 母 子 保 健 課 厚生科学審議会先端医療技術評価部会 生殖補助医療技術に関する専門委員会(第29回)議事次第 日 時 平成12年12月26日(火) 14:03〜17:37 場 所 商工会館(6階G会議室)   1 開 会   2 議 事     (1)精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方について     (2)その他   3 閉 会 [出席委員]   中谷委員長   石井(ト)委員  石井(美)委員  加 藤 委 員  辰 巳 委 員   田 中 委 員   丸 山 委 員  矢 内 原 委 員  吉 村 委 員 ○小林主査  それでは定刻になりましたので、ただいまから第29回厚生科学審議会先端医療技術評 価部会生殖補助医療技術に関する専門委員会を開催します。 本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。 なお本日は高橋委員が御欠席でして、矢内原委員と石井トク委員がちょっと遅れて来ら れるということでございます。 それでは議事に入りたいと思います。中谷委員長、議事の進行をよろしくお願いいたし ます。 ○中谷委員長  どうも、年末の大変お忙しい中を万障お繰り合わせの上、最後の委員会に御出席いた だきましてありがとうございました。 議事に入ります前に、事務局から今日の資料の確認をお願いいたします。 ○小林主査  本日の資料ですが、いつもどおり議事次第が一番最初にごさいまして、それから、資 料ということで報告書の案、これは、修正した部分を溶け込ませたものです。 参考資料1の方が、12月22日の先端医療技術評価部会に提出したものからの変更点を見 え消しで示したものになります。 参考資料2ですが、報告書案につきまして幾つか御意見が届いていまして、それを配付 させていただいております。 参考資料3ですが、いつものとおりインターネットで寄せられた御意見ということで配 付させていただいております。 それから、特に資料番号などはついておりませんが、1つは、12月22日に先端医療技術 評価部会がごさいまして、専門委員会の方から先生方に御出席いただきましたが、先端 医療技術評価部会の方で報告書案について御了承いただいたということでして、その際 の議事録の抜粋ということで配布させていただいております。なお、この議事録の抜粋 ですが、まだ未定稿ということでして、申し訳ございませんが、専門委員会が終わりま したら事務局の方で回収ということにさせていただきますので、よろしくお願いしま す。あと、もう一つ、これも特に資料番号などはついておりませんが、本日お配りしま した参考資料1以外で、昨夜気付いた細かい字句修正を幾つか行いましたので、該当部 分のみそれを配らせていただいております。 若干、資料の方を御説明させていただきます。12月22日に行われた先端医療技術評価部 会に提出した資料から修正したところは、基本的に先端医療技術評価部会で御指摘があ ったところでして、具体的に申し上げていきますと、参考資料1の見え消しが入ってい る方で、1つ目がまず1ページになりまして、前回の不妊症について定義を明確にする ということで定義を設けたのですが、従前の「生殖年齢の男女が妊娠を希望しているに もかかわらず、妊娠の成立をみない状態」という書き方では、女性が妊娠しない、成立 をみない場合だけではなくて、男性の場合も読めてしまうのではないかという御指摘が ございましたので、そのように読めないような形で、一つ事務局として修正の案を示さ せていただきました。 それから次は7ページに行きまして、従前「女性に体外受精を受ける病因があり」とな っておりましたが、これについても病因と言いますと不妊症という病気というような語 感があるということで、ほかの言葉「医学上の事由」というのではどうかという御発言 がありましたので、内容的にはそんなに変わらないかということで、事務局の方でこの 部分も「医学上の事由」ということで病因という言葉を置き換えさせていただいており ます。 それから次にまいりまして、14ページですが「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提 供」ということでして、兄弟姉妹等ということで結論としては、この委員会では親友等 も含めて、近親者には限らないという結論になったということになったわけですが、そ の際、この報告書案の説明の中に「近親者」という言葉が入っていて、仮に近親者に限 らないのであればあえて近親者と書く必要はないのではないかという御指摘がありまし たので、2か所ほど近親者という言葉がまだ残っておりましたので、ここの部分は削除 ということにさせていただいております。 先端医療技術評価部会の方で出された意見で、事務局の方で修正させていただいたもの は以上申し上げた点ですが、それ以外に幾つか先端医療技術評価部会で意見が出ていま して、事務局の方で今日御議論をいただいた方がよいかと思ったものが幾つかございま す。 1つは「借り腹」という言葉が、この報告書案の中で幾つか使われておりますが、この 「借り腹」という言葉には封建的な思想が反映されているというような読み方ができる というような御意見があって……。 ○加藤委員  木村利人さんは、サロゲートマザーとホストマザーを区別するために借り腹を使った という認識がなくて、ホストマザーもサロゲートマザーも一緒に借り腹という侮蔑的な 意味を含むような表現にしたというふうに誤解していらっしゃるのだと思いますけれど もね。 ○中谷委員長  それともう一つ、アメリカでは、借り腹という場合に黒人の召使のお腹を借りるとい う意味があるんですよね。それ自体は何も処罰にならないんですよ。問題は産んだ黒人 が赤ちゃんを渡したくないということで拒否しまして、それはだめだよという判例が幾 つもあるんですね。 ○加藤委員  それも、ホストマザーの場合ですね。 ○中谷委員長  はい。ホストマザーの場合です。 それから、全然法規がない州が多いですから、サロゲートマザーについての規制もない 州も結構ありますから、アメリカの事情をよく御存じの方は、かえってその手の認識が ちょっと違うのかもしれないと思います。 ○小林主査  今の借り腹以外に、報告書案の27ページになるんですが、これも前回の12月12日に御 指摘があったと思うんですが、罰則を科すものを3つ挙げておりまして、特にこれは科 すべきだというものですね、その理由を従前は前の方につけておりましたが、前の方に つくとちょっと表現としてよろしくないのではないかということで、括弧付けで後ろに 理由を書かせていただいたんですが、これも部会の委員の方から御意見がありまして、 括弧は取って本文に入れた方がいいのではないかという御意見がありました。 あともう一つなんですが、28ページですけれども、(2)「条件整備」の1つ上の○ですけ れども、この部分については、基本的にはここではこういったものについて罰則を科す ということを言っている部分なので、あえてこの部分にこのような罰則以外のもので規 制するという記述を入れる必要はないのではないかと。仮に入れるのであれば、一番後 ろの「終わりに」のところに、ガイドライン的なものを別途つくるというようなことを 書いた方がいいのではないかという御意見がありました。 事務局の方で気付いた点は以上のものでして、その点も含めて今日は字句修正等をとい うことで御議論いただければと思います。 資料の説明は以上になります。 ○中谷委員長  ありがとうございました。 それでは、続きまして、本日の議事1の「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療 のあり方について」に入りたいと思います。 今回は、前回内容について合意された資料1「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助 医療のあり方について報告書(案)」の文言の修正について御自由に御議論いただきた いと思います。それでは、どうぞ御自由に御発言ください。 ○吉村委員  それでは、私から。不妊症の定義のことを言われたんですが、事務局の方で1ページ ですけれども「生殖年齢の男女が挙児を希望しているにもかかわらず」、その次、主語 がなくて「妊娠の成立をみない状態であって」というふうだったと思うんですけれど も、評価部会のある委員から「妊娠の成立をみない」というのは男女ではないのだか ら、女性がみないのだからという意見があったんです。私は妊娠の成立をみない状態と いうのは、やはり男女がかかわってくる問題だと思うんですが、これは本当に男の男尊 女卑というか、男性が女に産ませるんだという思想がその人たちにあるような私は感じ がしてならないんです。だから、私は、この「女性が」とあえて入れなくて男女が妊娠 の成立をみないという方が、「男女」が主語でも全然おかしくないと思うんですけれど も。 ○加藤委員  普通、妊娠というと女性が妊娠するというので、男女が妊娠するとは言わないのでは ないですか。 ○吉村委員  先生、それだと、妊娠の成立をみないという状態にはならないと思うんです。「妊娠 しない状態」だったらば、女の人がでいいと思うんですけれども「妊娠の成立をみな い」と書いてあるわけですから、これが、もし「その女性が妊娠しない状態であって」 ならば国語的にはいいと思いますけれども。 ○加藤委員  何か妊娠の成立をみるというのも妊娠するというのとほとんど同じ意味で、妊娠する という場合には、その主語は女性であるという方が何か常識的な感じがするんですけれ ども。だから、むしろ男尊女卑という問題ではなくて、妊娠という言葉は普通女性の主 語の場合に使うということで御注意があったのではないですかね。 ○中谷委員長  そんな感じでしたね。 ○加藤委員  だから、今できた文章で文句はないのではないかと思うんですけれども。大体こんな のを注意するのがおかしいんですよ。どうでもいいことで、見ればわかるんだから。 ○丸山委員  あのときの部会を傍聴していたときの印象もそうですし、今の吉村先生のおっしゃっ たのはそのとおりだと思いますし、妊娠というのは男女のかかわりから成立するもので すので、こういうものをつけることの方がおかしいと思いますけれども。 ○吉村委員  私は、どちらでもいいんですけれども。私も、やはり何か「成立をみない」と言う と。 ○矢内原委員  「その女性が」を取ってしまったらどうですか。 ○吉村委員  だから、それがいけないと言われたんですよ。 ○矢内原委員  それを取って、それで「妊娠の成立をみない」。 ○吉村委員  それを前は書いたんですよ。 ○矢内原委員  そのところは、その方がいいと思いますね。 ○石井(美)委員  ここは必ずしも主語がなくても文章は成り立つので。英語に直そうと思うと、確かに 「その女性が」というのは要るんですけれども。 ○加藤委員  プレブナンシーを主語にしてしまえばいいわけですよ。 ○石井(美)委員  妊娠が成立しないと。 ○加藤委員  「妊娠が成立しない状態」とやれば、確かにいいですよね。 ○吉村委員  そうですね。その方がいいかもしれないですね。 ○石井(美)委員  「妊娠が成立をみない」、「妊娠の」ではなくてね。 ○加藤委員  「その女性が」を取ってしまって「妊娠が成立しない状態」。 ○吉村委員  その方が、両方の案が通っていいかもしれない。 ○辰巳委員  やはり挙児なんですか。 ○加藤委員  挙児でいいのではないですか。「挙児を希望していたにもかかわらず、妊娠が成立を みない状態」というので。 ○石井(美)委員  不妊症というのは、男女一組で不妊症。 ○吉村委員  普通はそうですね。検査も両方やりますし。男性側も女性側もやりますから。 ○丸山委員  カルテは。 ○吉村委員  カルテは一緒にします。うちは一緒にしています。 ○丸山委員  女性側の方のカルテに。 ○吉村委員  男性の精液所見が入っています。本当はいけないんです。 ○中谷委員長  では、それで確定ですね。「挙児を希望しているにもかかわらず、妊娠の成立をみな い状態」。 ○加藤委員  「妊娠が成立しない状態」。 ○吉村委員  それだったらいいです。 挙児はやはりおかしいですか、辰巳先生。 ○辰巳委員  挙児希望で皆さんがわかればいいですけれども。 ○吉村委員  挙児希望と我々はすぐ言うんですけれども、かえって難しい言葉かなと思ったりしま す。 ○中谷委員長  そうでもないのではないですか。 ○吉村委員  そうでもないですか。それだったらば、全然問題ないです。 ○矢内原委員  むしろ、不妊症の人ということよりも挙児を希望している人と私たちは使うんです。 ○中谷委員長  普通使っていらっしゃるのであれば、それはいいのではないですか。 ○小林主査  括弧の中をもう一度読ませていただきます。「生殖年齢の男女が挙児を希望している にもかかわらず、妊娠が成立しない状態であって、医学的措置を必要とする場合をい う」。 ○中谷委員長  それで確定ですね。 ○石井(美)委員  挙児を希望しながらというのが入るのでしたら、「子を欲しながら不妊症の」という のは。何度もこの「子を欲しながら」「子を欲しながら」というのが不妊症とくっつい て出てくるんですけれども、必要ないのではないかという気がするんです。 ○吉村委員  そうですね。「子を欲しながらは」入らない方がいいかもしれない。 ○小林主査  全体的にすべて同じように、「子を欲しながら」を落としていくということでよろし いでしょうか。 ○加藤委員  この場合には、括弧で定義したときに「子を欲しながら」ということと「挙児を希望 する」というのと同じ趣旨が2度出てくるわけでしょう。 ○中谷委員長  むしろ括弧の外の「子を欲しながら」はいらないのではないですか。 ○加藤委員  ついていない場合には、つけてもおかしくないのではないですか。 ○小林主査  ただ、ここで「以下同じ」としていますので、不妊症と言った場合にはすべて同じ定 義になるので。 ○中谷委員長  不妊症の括弧の中は今おっしゃられたとおりで、その前の「子を欲しながら」という のを取ったらどうですか。そうすると、中の挙児の何とかと出てきますから。 ○小林主査  そうすると、不妊症という言葉自体で子を欲しながらという意味が入ってくるので、 全体的に「子を欲しながら」というのを、不妊症という言葉の前につけている場合には みんな落とすと。 ○中谷委員長  全部取っていいのではないですか。括弧の中に挙児を何とかという言葉が入っていま すから。 ○小林主査  はい。 ○丸山委員  やはり不妊症の定義の中での挙児を希望しているというのと、あえて不妊治療、生殖 補助医療まで受けようと思う動機としての子を欲しながらというのは違うのではないで すか。 ○辰巳委員  これは、ワーキンググループのときから入っていましたか。これは小林さんが入れら れたんですか。 ○小林主査  この言葉はたたき台のときから使っていたと思います。 ○丸山委員  子どもの要らない人にとっては。 ○加藤委員  今の話だと、子どもの要らない人は不妊症になれないことになるんですよね。 ○丸山委員  なれないことではなくて、ならない。その挙児を希望しないのと、そうでも子どもを 欲しいと、不妊治療を受けようという場合が、括弧の外にある「子を欲しながら」です よね。何か違うような気がしますが、皆さんを説得できなければしようがないですね。 ○吉村委員  ただ、その場合、医学的処置を必要としない者が不妊という状態だけですので、だか ら、自分が欲しくない人は不妊ということです。自分が子どもを欲しくないという夫婦 の状態は不妊。 ○丸山委員  やはり不妊なんですか。 ○吉村委員  不妊症ではない、症とは言わない。 ○丸山委員  だけれども、不妊と言う必要もないのではないですか。 ○吉村委員  不妊というのは、できない状態を言うだけです。症というのは、何らかの治療を必要 とする場合は不妊症と。欧米ではそうですよ。だから、できない人のことは、加藤先生 がおっしゃったような症例は不妊症とは言わない、不妊。 ○矢内原委員  要らないで、普通だったらできるかもしれない人は、例えばずっと結婚しないで処女 のままでいた人は不妊とは言わないでしょう。 ○吉村委員  それは、男女が希望していなくてはいけないんですからね、先生。だから、男女がい て、できない状態を不妊と言うだけです。 ○丸山委員  希望していなくてもとおっしゃるでしょう。 ○吉村委員  医学的措置を必要とする。だから、子どもが欲しいか欲しくないかわからないけれど も、医者にかかってまで欲しいと思う人は不妊症になるわけです。 ○丸山委員  それは、よくわかるんですけれども。 ○吉村委員  だから、子どもが欲しくて男女が結婚しまして、避妊をいつもしている人は不妊とは 言わないです。 ○丸山委員  避妊していなくて、子どもは欲しくない。 ○吉村委員  欲しくないならば、それは不妊症とは言えないです。 ○丸山委員  やはり不妊ではあるんですか。 ○吉村委員  できないということは、不妊ではあるでしょう。できないという状態だけですから。 妊娠するというのは自然にできるわけですからね。 ○丸山委員  妊娠しないという状態だけで。 ○吉村委員  不妊でしょう。だから、妊娠しない状態を言うわけですから。要するに、避妊してい れば別ですよ。正常な性生活を行っているにもかかわらず、妊娠しない状態を不妊と言 うわけですから。 ○加藤委員  だから、今の吉村先生の説明からすれば、子を欲しながら不妊症という言い方をする 必要はないので、ただ不妊症と言えばそれでいいわけですね。先生の定義の中に挙児を 希望しつつというのがあるんだから、それで「子を欲しながら」を取ればいいんです ね。 ○吉村委員  そのとおりです。 ○加藤委員  だから、子を欲しながら不妊症というのは年寄りのおばあさんを指しているのと同じ ですね。 ○吉村委員  という感じがします。 ○中谷委員長  私は、不妊症とだけあって、あとは括弧にあればいいと思うんです。だから「子を欲 しながら」は不要だと思います。 ○吉村委員  辰巳先生どうですか。 ○辰巳委員  何か、私も最初は要らないかなと思ったんですけれども、深いわけがあるのではない かと思って。ただ、全部に必要はないんですが、どこかで1つ入れた方がいいのかなと いうふうに思ったりもしています。 ○加藤委員  最初の定義で「挙児を希望しながら」と入っているのだったら、それでいいではない ですか。 ○辰巳委員  そうですね。 ○中谷委員長  これが定義に入っていますから。 ○辰巳委員  わざわざつけられたのが、何か理由があってのことではなかったのかなと思って。 ○中谷委員長  「子を欲しながら」というのは前からずっと出ていたんですけれども。 ○丸山委員  最初に出たときには、括弧内の不妊症の定義がなかったんですね。 ○中谷委員長  だから、括弧内がつきましたからね。 ○加藤委員  不妊症という言葉がよくないという変な意見を言った人がいるので、定義をしようと いうことになって、だんだん話がこじれてきたんです。 ○中谷委員長  それで確定でよろしいですね。「子を欲しながら」を取って括弧の外の不妊症だけ で。括弧の中に「生殖年齢の男女が挙児を希望しているにもかかわらず」云々というこ とでよろしいですね。 ○石井(美)委員  私は、確かに年寄りのおばあさんはおかしいんですけれども、子を欲しながらという のは、確かにここに定義に入って、ここに2つあるときは確かにおかしいんですが、後 の方になってくると、不妊症の人はみんな生殖補助医療を受けなさいとこの報告書は言 っているような印象を持たれると困るかなという懸念だけは。 ○矢内原委員  だから、医学的措置が要らないというふうに、これは用語にはないんですよ。これ は、吉村先生の造語なんですよね。規定をつくった。 ○吉村委員  これは、でも欧米ではこういうことをちゃんと書いてありますよ。トリートメントが 必要であると。 ○石井(美)委員  それは、よろしいと思うんです。私たちの意思としてもそうですよね。要するに、医 学的な措置が必要な人のためのものであって、便宜的な理由を排除する……。丸山先生 がおっしゃった趣旨が、そういう意味であれば。 ○加藤委員  普通、私たちは不妊症と言うと「子を欲しながら」というのは定義に入っているとは 思いませんから、客観的な理由で妊娠できない何か医学的な理由があるものを不妊症と いうふうに理解していますから。 ○吉村委員  そうですね。 ○小林主査  考え方としては、ここは確かに括弧の中で入っていて余りにも重複していておかしい のでとるが、ちゃんと読めば重なっているけれども、確認的に後のところには入れてお くという考え方もあると思います。 ○加藤委員  そうですね。ですから、ここだけ取って、あとは入れておくというのもいいんですよ ね。 ○中谷委員長  それは、一つの妥協ですね。本来は不要ですよね、以下不妊症と言うと書いてあれ ば、不妊症というのは常にこうだということになるので、一々戻って確認する人はいな いから。  では、そういうことで。 ○小林主査  そうする いいのではないですか。 ○辰巳委員  同じ○の下から2行目の真ん中ぐらいから「生殖補助医療は子を欲しながら不妊症の ために子をもつことができない人々の間で着実に普及してきている」、ここは残すこと になるんですけれども、「子を欲しながら不妊症のために子をもつことができない人々 の間で」というのが、随分しつこくて最初からこれが出てくると何かすごくインパクト が強いような気がするんですが、ここを省いてはだめなんでしょうか。 ○石井(美)委員  「人々の間で」は飛んでしまうと。 ○辰巳委員  そうです。「生殖補助医療は着実に普及している」で、あるいはこれだけだと文章が 短くなって、前半の大きな頭の文章との釣り合いが取れないかもしれません。生殖補助 医療というもの自身の定義付けみたいなものが全然なくてぼっと出てきていて、これは 一般の人がすぐわかるのかなというところの心配もあります。だから、そういうところ も合わせるならば「体外受精などの生殖補助医療は着実に普及している」みたいな形に したらどうかなというふうに思ったんですけれども。 ○石井(美)委員  どこにも定義がないですね。 ○辰巳委員  どこにもないんです。これは、いいのかなと。あとから1つずつは出てくるわけなの で、それをまとめて言えばそうかもしれないんですけれども、題名にもあるけれども、 そんなに一般的に普及している言葉ではないのではないかなという気もしまして。 ○小林主査  定義ではないんですけれども、3ページの「なお」からの○のなんですが、ここのと ころに生殖補助医療にはいろいろな方法が存在しているということで、大体こんなもの が対象ですよということは言っていますが、確かにこの報告書の中では定義はないで す。 ○丸山委員  今の御指摘のところは「子を欲しながら不妊症のために子をもつことができない人々 の間で」というのを全部取らずに、「子を欲しながら」だけ取るというのでも、やはり くどいですか。 ○辰巳委員  当たり前ではないかなと思いまして。 ○石井(美)委員  私は「人々」は残してもいいかなと思ったんです。要するに、意識として人々の間で 特別なものではないという意識という。 ○辰巳委員  ここで、また「子を欲しながら不妊症のために子をもつことができない」というのが 出てくるのがすごく。 ○吉村委員  そうですね。かえって、不妊症の人にストレスを与えますね。 ○小林主査  そうしますと。 ○辰巳委員  今の「体外受精を初めとする」はなしで、そのまま「生殖補助医療は人々の間で着実 に普及してきている」。 ○石井(美)委員  普及だと不妊症ではない人に普及するので、「着実に普及してきている」でもいいか もしれないですね。 ○辰巳委員  「人々の間」でいいですか。 ○中谷委員長  いいと思いますね。  それでは、確定稿を小林さん、読み上げてください。そして、御確認いただいてくだ さい。 ○辰巳委員  これは「我が国」でもいいのではないですか。やはり「人々の間」の方がいいです か。「我が国でも着実に普及している」。 ○石井(美)委員  よろしいのではないですか。 ○矢内原委員  我が国の話をしているから、いいのではないですか。 ○辰巳委員  そうですか。では「人々の間」でいいですか。 ○中谷委員長  外国の人を言っているわけではないから。 ○小林主査  では、最初から。「昭和58年の我が国における最初の体外受精による出生児の報告、 平成4年の我が国における最初の顕微授精による出生児の報告をはじめとした近年にお ける生殖補助医療の進歩に伴い、不妊症(生殖年齢の男女が挙児を希望しているにもか かわらず、妊娠が成立しない状態であって、医学的措置を必要とする場合をいう。以下 同じ。)のために子をもつことができない人々が子を持てる可能性が拡がってきてお り、生殖補助医療は人々の間で着実に普及してきている」。 ○中谷委員長  これで、確定でよろしいでしょうか。 それでは、先に進みましょう。 ○矢内原委員  これは「人々」がダブってますけれども前と同じなんですか。「子をもつことができ ない人々が子を持てる可能性が拡がってきており、生殖補助医療は人々の間で」とまた 「人々」が出てきますけれども。後ろの「人々」は要らないのではないですか。 ○加藤委員  「その人々」にしますか。 ○矢内原委員  「生殖補助医療は着実に普及している」でいいのではないですか。 ○加藤委員  では「人々の間」を取りますか。 ○中谷委員長  辰巳委員の「我が国でも」を入れてもいいような気もしますね。ちょっと何かあった 方がいいような気がしますが。 ○矢内原委員  そうしたら、前文のところに「我が国における」の前にその5年前ですか、1967年の という話から起こさなければいけないから。 ○中谷委員長  そうですね。前にあるから、なくてもいいですね。では、それはつけないと。 ○矢内原委員  もし、言うのだったら、本当の題名に「我が国の」と入れたらどうですか。「我が国 のあり方」。 ○中谷委員長  では、何もつけないで「着実に普及してきている」と。辰巳さん、それでよろしいで すね。では、皆さん賛成のようですから、それで確定と。 ○矢内原委員  1ページの下の解説のところにあるではないですか「我が国」と。 ○中谷委員長  「我が国において」ですね。「このように、我が国において、生殖補助医療が着実に 普及してきている一方」ですね。 ○丸山委員  それなら、今、問題にしている最初の○の1行目の「我が国」、2行目も「我が国」 と「我が国」が2つ既に。我が国のことしか言っていないんですけれども。 ○矢内原委員  ○の1つ目のところに「我が国」と書いてありますね。 ○丸山委員  ですから、中谷委員長が先ほどおっしゃった「人々の間で」のところに「我が国で も」というのを入れることは不自然ではないですけれども。 ○中谷委員長  それもそうです、必要ないと思いますし、1ページの一番下の「近年、我が国におい ては」という、これも「我が国においては」は不要ですよね。 ○丸山委員  「我が国」が多いですね。 ○矢内原委員  ここのページだけで3つ出てくる。 ○中谷委員長  どれか1つ削ってはいかがですか。 ○石井(美)委員  2ページの頭の「我が国においては」は要らないですね。 ○中谷委員長  2ページ目の頭か、あるいは1ページの最後の「我が国において」というのも要らない か、どっちを削ったらいいか。 ○矢内原委員  2ページの頭は要らないですね。 ○中谷委員長  では、これをカットしましょう。 ○小林主査  そうしますと「我が国においては」を削除して、「近年、生殖補助医療をめぐり、以 下のような状況が生じてきている」と。 ○中谷委員長  御異存ありますか。 ○石井(ト)委員  2ページの「我が国」を取るんですか。 ○中谷委員長  はい。2ページ目の一番頭。 ○石井(ト)委員  私は、逆に、我が国ではこんな問題が起きているよという形で強調できるのではない かなと思ったんですけれども。 ○矢内原委員  我が国において普及している一方。 ○中谷委員長  1ページの一番下に「我が国において」というのがありますから。 ○石井(ト)委員  それを取ってしまって。 ○矢内原委員  後ろの2ページを生かしますか。 ○石井(ト)委員  はい。2ページを生かした方が、説得性があると思いますが。 ○中谷委員長  どちらかですよ。どちらを削るかです。 ○石井(ト)委員  やはり日本のことをずっと言っているわけですから。 ○中谷委員長  加藤先生はどうお考えですか。 ○加藤委員  私は、矢内原さん案でいいと思います。2ページの一番最初のを取って、その次の 「我が国において」もまた要らないのではないですか。 ○中谷委員長  1ページの方を取ってですね。 ○加藤委員  いいえ、2ページの一番最初のを取ってしまって。 ○中谷委員長  1ページは残すと。 ○加藤委員  1ページの一番下は「このように、我が国において」というのでしょう。あとはずっ と「我が国において」が基本的に掛かっているわけでしょう。だから、その次の「我が 国において」と、それから、3行目の「これまで、我が国においては」は要らないので はないですか。 ○中谷委員長  そうですね。 ○小林主査  そうしましたら、・の「これまで、」の後の「我が国においては」も削除で。 ○中谷委員長  でも、今までの我が国においては、生殖補助医療の発展とか何かそういう問題、直接 ですけれども、今度の2ページの3行目の「我が国において」は法の規制の問題だか ら、内容が違いますよね。それでも取っていいですか。 ○石井(美)委員  「以下のような」だから、文章としては掛かるんですけれども、気分としてはあった 方がいいという気はするんですね。 ○中谷委員長  あった方がいいような気がしますけれども。 ○石井(美)委員  我が国のことを言うと書いてあるんだから、我が国は取らなくてもいいんですけれど も、我が国において効率がなかったという。 ○中谷委員長  3行目の「我が国においては」というのをそのままにするか、削除してもいいか。 ○矢内原委員  だけれども、これは新しい文章ですね。 ○中谷委員長  1行目は取るわけですよね。 ○吉村委員  それは取ります。 ○中谷委員長  そうすると、3行目の「我が国においては」は生かしてもいいような気がしますけれ ども。 ○矢内原委員  3行目は入れておきましょう。 ○中谷委員長  3行目は残すでいいですか。 ○加藤委員  では、その次の「我が国」を取るか。 ○中谷委員長  その次にもまた「我が国」ですか。「我が国」が大好きですから。 ○吉村委員  あってもあれですから、よろしいのではないですか。 ○辰巳委員  我が国における特殊事情、世界と比べて特殊事情というところもあるのではないです か。大体ほかのところでは整備されているのに我が国ではまだ整備されていないという ふうなことを強調するという意味でも、残した方がいいのではないでしょうか。 ○中谷委員長  そういう意味で、これは残しておいていいのではないかと思いますが。では、それで 決定ということですね。  次は、小林さん。 ○吉村委員  次は、石井先生のところではないですか。 ○石井(美)委員  飛んでしまっていいんですか。 ○吉村委員  いいと思いますけれども。 ○石井(美)委員  5ページ目のところの○の3つ目なんですが、部会のときにも法律の夫婦に限るのか という質問もあったんですが、法律上の夫婦に限るということの理由付けとしては、 「また」の中に2つ文章があって「かつ」のところの前の部分の方が重要な理由付けだ と私は思うんです。しかし、「かつ」の下の理由付けも全体としては重要なので、「か つ」の下の「精子・卵子・胚の提供等」のところから「利用条件は厳格なものとされる べきである」というものを前に出して、○を1つ起こして独立にした上で、法律上の夫 婦に限るという方は「問題が生じやすいことから限る」という形に直した方がいいので はないかと。わかりにくい説明かもしれませんが。 ○吉村委員  そうすると、「かつ」以下は後に○をつくるんですか。 ○石井(美)委員  前につくった方がいいのではないかと思います。場合によっては、○が急に増えるの はいけないとすれば、2つ目の○は1の続きだから、1につけてしまって、2番目の○ を「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を受ける場合には、第三者がリスクを 負って対価の供与を受けることなく提供した」、本当はこれは「第三者が対価の供与を 受けることなくリスクを負って提供した精子・卵子・胚」の方がわかりやすいと思いま すけれども、胚を利用することになるため、その利用条件は厳格なものとされるべきで ある」という文章を2番目の○に起こす。そして、3番目は「法律上の夫婦以外の独身 者や事実婚のカップルの場合には、生まれてきた子の親の一方が最初から存在しない、 生まれてきた子の法的な地位が不安定になるなど生まれてきた子の福祉の観点から問題 が生じやすいことから、精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を受けることがで きる人を、法律上の夫婦に限るものととしたものである」、そういう形に。 ○中谷委員長  その方がいいですね。ただ、「かつ」から始まるとやはりおかしいから。 ○石井(美)委員  「かつ」はなしです。「かつ」は取ってください。 ○吉村委員  その方がすっきりしますね。 ○石井(美)委員  とても文章も長くてわかりにくい。 ○中谷委員長  小林さん、整理したのを読み上げて御確認いただいてください。 ○小林主査  2つ目の○の次に1つ○を起こして「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を 受ける場合には、第三者が対価の供与を受けることなくリスクを負って提供した精子・ 卵子・胚を利用することとなるため、その利用条件は厳格なものとされるべきであ る」。これが1つ目で、次にもう1個○がありまして「また、法律上の夫婦以外の独身 者や事実婚のカップルの場合には、生まれてきた子の親の一方が最初から存在しない、 生まれてきた子の法的な地位が不安定になるなど生まれてきた子の福祉の観点から問題 が生じやすいことから、精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を受けることがで きる人を、法律上の夫婦に限ることとしたものである」。 ○石井(美)委員  「生まれてきた子」ではなくて「生まれてくる子」ではないですか。 ○中谷委員長  そうですね。今の修正案でよろしゅうございますか。 ○加藤委員  提供する人は、法律上の夫婦である必要はないんですよね。 ○石井(美)委員  はい。精子の提供者は独身でもいいです。 ○加藤委員  精子ではなくて胚。 ○石井(美)委員  胚の提供は、でも、胚をつくることが可能なのは婚姻した夫婦だけであるはずなので すが。 ○吉村委員  それは、ここでは言及していないでしょう。 ○加藤委員  どうでもいいんですけれども。 ○吉村委員  はずなどというのは、どこの根拠から出ているんですか。 ○加藤委員  だって、この生殖補助医療は全体として法律上の夫婦が受けられるとすると。 ○吉村委員  ということは、日本産婦人科学会の会告に従ってそう言っているわけですね。 ○中谷委員長  会告に従ってというよりは、この間のものですよ。 ○矢内原委員  実際に卵の提供があった人がどこかにいますね。そして、精子の提供があった人がい ると、ばらばらに。そこで、新たに胚をつくるということは。 ○吉村委員  この法律ではできるんです。それがおかしいと言っているけれども。それは世界でも 初めてではないかと言っていましたね。 ○石井(美)委員  提供してもいいということはあり得るという話はしていましたよね。 提供卵や提供精子によってつくられた胚は提供していいと。 ○吉村委員  辰巳先生の案だったですよね。辰巳先生がそうおっしゃったんです。 ○辰巳委員  加藤先生です。 ○吉村委員  辰巳先生ではなかったですか。 ○辰巳委員  前に加藤先生がおっしゃったのを私が。 ○田中委員  確かに胚というのは、今まで各国にはないですよね。新しくつくってというのはない ですよね。 ○吉村委員  ないです。これが、なぜそうなったかと水島先生がおっしゃっていましたね。 ○丸山委員  その理屈付けのところの、後で指摘しますけれども、文章がちょっとよく理解できな いですね。 ○吉村委  そこは、もう一回私も教えてもらいたいです。 ○矢内原委員  新たに胚をつくってはいけないという方向で進めた方がいいですね。 ○石井(美)委員  たたき台はそうだったんですよね。 ○吉村委員  そうなんです。 ○中谷委員長  中身は変えられないんですよね。 ○石井(美)委員  余剰卵がなかったときという条件なんですよね。余剰卵の提供がなかったとき。 ○田中委員  それは、日本の今の現状ではなかなか手に入らないということから出てきた考えです から、いいのではないですか。外国はそういうことしなくても手に入るということで。 ○辰巳委員  高齢の定義は、特に年齢に関しては限定しないということでよろしいですか。 ○吉村委員  これは質問もありましたけれども、私は公的審議機関でガイドラインをつくるときに 個別にちゃんとつくってくださいと、45歳で区切るなら区切る、50歳で区切るなら区切 る。それは、今はちょっと難しいですよね。 ○石井(美)委員  公的審議機関になるまで。 ○吉村委員  公的審議機関にお預けというか。 ○田中委員  1つ確認したいんですが、卵子の提供の35歳未満の子を持った女性と書いてあります よね。これは未婚はだめなんですね。 ○矢内原委員  卵子の場合はね。 ○吉村委員  未婚はだめだということは、兄弟姉妹で妹からもらうときに結婚しなければもらえな いということですか。子どもを産んでいなければ。 ○田中委員  そういうことですね。既婚で、なおかつ子どもは産んでいないとだめということです ね。 ○吉村委員  一般のボランティアもだめですね。 ○矢内原委員  だめでしょう。卵の提供は子どもがなければ絶対だめなんですよね。 ○中谷委員長  原則として子どもがいなければ。 ○田中委員  ただし、シェアリングの場合は逆にチャンスがあるんですよね。 ○中谷委員長  その場合はいいと。 ○田中委員  そうすると、この卵子提供というのは結構厳しいですね35歳未満で子どもを産んでい る人。 ○加藤委員  何でもありということではないですね。 ○中谷委員長  当初予定したよりは範囲が広くなった。 ○石井(美)委員  あちこちで何でもありだと言われていますよ。 ○丸山委員  朝日新聞の見出しを見てびっくりしましたね。親、友人も提供可という。 あれは、関東は違っていたようですけれども。 ○矢内原委員  あれは、みんなが動揺しましたね。 ○丸山委員  済みません、本題に戻りましょう。 ○中谷委員長  その次は。 ○丸山委員  さっきの医学上の事由、病因というのは、もうよろしいですね。 ○吉村委員  これは、そうおっしゃるならば。 ○丸山委員  では、やはり9ページから10ページのちょっとそれをおさらいしてみませんか。 ○中谷委員長  「医学上の理由」になったんですか。 ○吉村委員  「事由」です。 ○中谷委員長  「事由」だと、余りにも法的過ぎるから「理由」の方がいいのではないかという。 ○丸山委員  これは、木村利人先生が「事由」とおっしゃったんですね。 ○吉村委員  私らには非常にわかりにくいですけれどもね。病因の方が全くわかりやすいですけれ どもね。かえってわかりにくい言葉をおっしゃるのではないかと私は思いましたけれど も。普通には「事由」と言うんですか。 ○中谷委員長  法律用語としては「事由」というのはありますけれども。 ○矢内原委員  行動に関しては「事由」でいいけれども。 ○中谷委員長  「理由」ではだめですか。 ○石井(美)委員  「医学上の原因がなければ」と。「病因」でいけなければ「原因」ならいいんです ね。 ○中谷委員長  「医学上の根拠」ではだめですか。 ○吉村委員  「病」がいけない。 ○石井(美)委員  「医学上の原因」。 ○吉村委員  ただ、あの先生の基本的な考え方は、不妊症は病気ではないと思っているんですか。 ○丸山委員  そういう考えも容認しようという。 ○吉村委員  それは、私は事実だと思います。でも、医学的には、不妊症は病気ではないというこ とではないと思いますよ。 ○丸山委員  そういう捉え方も立てて、だけれども、そうでないと考える方のお考えも取り入れ て、両方を。 ○吉村委員  わかりました。それだと「理由」でいいのではないですか。 ○丸山委員  「理由」「原因」どちらでもいいですね。 ○中谷委員長  「医学上の理由」「医学上の原因」「医学上の根拠」。 ○吉村委員  「事由」がいいとおっしゃったなら「事由」でもいいですけれども。 ○中谷委員長  「事由」は普通余り使わないから、「理由」ぐらいの方がいいのではないですか。 ○吉村委員  私も「理由」だったらよくわかります。 ○中谷委員長  「医学上の理由」にしましょう。別に用語がちょっと違うだけですから、そのぐらい の訂正はよろしいのではないでしょうか。 ○辰巳委員  ここにもあるんですが、今の四角の下の○の2行目「経膣採卵」の「膣」という字が 右側が窒素の窒ではなくて。 ○吉村委員  部屋ですね。 ○辰巳委員  全部窒素になっていますけれども。 ○吉村委員  全部そうでしたか。 ○辰巳委員  こことか次のページとか「経膣採卵法」というところは。 ○吉村委員  部屋ですね。ワープロで「ちつ」と引くと、これが出てしまいますよね。 ○中谷委員長  それでは、それも御確認いただきまして、引き続き8ページも「医学上の理由」です ね。 ○吉村委員  それでは、丸山先生のところになるのではないですか。 ○丸山委員  最初9ページのところで「余剰胚の移植について容認する」と書いて、10ページにい って、最初はもらうことのできる人だから、本来は胚の提供を受けなければ妊娠できな い夫婦に限定するとしながら、卵のみが欠けているカップルについても認める理由を次 の3つの○で書くわけですね。1つ目が、リスクがあり代償はないというので提供が十 分ないであろう。それから、2つ目が、余剰胚の場合は身体的リスクが十分ない、そう ですね、卵の提供の場合はリスクがあるのに余剰胚の場合はリスクがない。3つ目が、 卵を欠いている人に胚を提供しても生殖補助医療の不必要な拡大を招かないから、余剰 胚の移植を卵を欠いている人についても認めることとした。ここで「さらに」の理由が 要るのかなというのが一つ感じますけれども、ここまでなら一応、論理矛盾はないんで すが、その次の「また」ですね。下から3つ目の○の「また」で、余剰胚の提供が十分 出てこない理由として、余剰胚の提供がなされれば他のカップルの間で自分たちの遺伝 的要素を引き継いだ子が生まれてくるので、余剰胚の提供が十分出ないおそれがあると いうことが書かれていて、これが説得的かなというのが1つ。 それから、次のところの生殖補助医療の不必要な拡大というのも、さっきと同じ理由 で、これを挙げる必要があるのかなというところです。つまるところは、さっきも話題 になっていました精子・卵子双方の提供を受けて得られる胚の提供というか移植、そう いうものをなぜ認めたのかという理由が、ちょっと明確に出ていないような感じがしま す。 ○石井(美)委員  私も、両方とも「さらに」というところの○がなくてもいいのではないかという気は するんですけれども。 それと、文章的にはおかしいのかもしれないけれども、2つ目の「また」、下から3番 目の「また」は「また」ではなくて「しかし」か何かにした方が、話はまだわかるので はないかという気がするんですが。上のことと矛盾するんですよね。 ○吉村委員  「一方」とかね。 ○石井(美)委員  あとは、○を並列的に並べているんですけれども、区別できればいいと思うんです。 説明がそれぞれ前の3つの○に対応する部分と、つまり上から1番目は一番上を、2か ら5までは○2をですよね。それが、みんな並列的に並んでいるから、ますます説明と してよくわからなくなってくると思うんですが。 ○吉村委員  私は、法律的な文章はこうやって書くものだと思っていましたから。 ○石井(美)委員  これは、法律ではないですよ。 ○吉村委員  先生方はなれているんだろうと、私らはすごく読みにくいですけれども。私は、こう やって1番と2番と打ってやりますから。 ○矢内原委員  ○3つだったら3つしか書かないですね。解説もね。番号をつければね。 ○吉村委員  そうやるとたくさん直さなくてはいけないから、なるべく少ないようにしましょう よ。 ○加藤委員  ともかく、9ページの枠の中の「提供胚の移植」というところで「夫婦のみが」とい うのがあって「ただし」とくるのは、やはりこの間、柴田さんが言ったように矛盾です よね。だから「のみ」を取るか、あるいは「原則として」というぐらいまで緩めるか、 あるいは「のみ」だけは取ってしまうとかしないと、やはりまずいのではないですか ね。直ちにその「のみ」を否定してしまうから。 ○中谷委員長  「原則として」の方がいいでしょうね。 ○吉村委員  「原則として」というよりは「のみ」を取るだけの方がいいのではないですか。「夫 婦が」。 ○中谷委員長  「夫婦は」でしょうね。「夫婦は、提供された余剰胚の移植を受けることができ る」、その方がいいですね。 ○小林主査  囲みの中の1つ目の○の「夫婦のみ」の「のみ」を取ると。 ○吉村委員  「のみ」があって、またすぐ「ただし」が出てくるとおかしいだろうと。 ○矢内原委員  括弧内の3つ目の○が全く新しいことなんですよね。 ○吉村委員  そうなんです。 ○田中委員  これは、胚をもらった子どもが将来出自を知る機会に触れた場合に、聞いた場合には 両方とも違うんだということを言うんですか。精子も卵子も。それは言うんですか。 ○矢内原委員  それぞれのルーツを捜し歩くわけです。 この場合の医学的なコストはどうするんですか。もらうのはお金は多少掛かるわけでし ょう。卵子をもらって、精子をもらって、お金は掛かりますよね。ドクターのボランテ ィア。経費はどうするんですか。だれがどこに請求してもらうんですか。または、全く ドクターもボランティアでやるんですか。 ○吉村委員  卵子はシェアリングかもしれないし、ほとんどがシェアリングだと思うんです。こう いう場合、できるとなると。 ○矢内原委員  シェアリングといったらシェアリングしてもらう人がいて、それが払うわけでしょ う。この場合は、全くボランティア同士がぽっと出てきて、私は精子を出します、卵子 を出しますと。これを胚にしてくださいと言ったって。 ○吉村委員  そういう場合はないでしょうから、やはりこの場合の提供される卵子というのはシェ アリングを想定しているのではないですか。精子は、どこかからかドナーを探してくる と。そういうことでしょう、それ以外にないでしょう。 ○辰巳委員  卵子がなくて、姉妹がいて、その姉妹が何とかしてあげたいと。でも、実は夫も無精 子症なんですよというケースもあるのではないでしょうか。 ○吉村委員  そういう場合もあることはありますね。妹から卵子をもらい、お兄さんから精子をも らう。 ○辰巳委員  そこまでいってしまうと、ちょっとよくないと思いますが、第三者から精子をもらっ て妹さんの卵子という形が起こり得ると思います。 ○吉村委員  やはりそうですね。 そうすると、この文章を直すには、10ページの○の下から3つ目の「また」は、やはり 接続詞を直した方がいいと思うんですが。 ○加藤委員  「他方」「反面」。 ○吉村委員  「他方」とか「一方」とか。 ○加藤委員  頭だけ見ていると楽しいですね。「なお」「ただし」「また」「さらに」。 ○吉村委員  そういうことは言わないで、加藤先生は文章が上手なんだから直してください。「一 方」がいいのではないですか「他方」とか。それだったら、何となくニュアンスとし て。 ○小林主査  「他方」ですか。 ○吉村委員  「また」よりは「他方」の方がいいと思います。 ○石井(美)委員  「一方」がなくて「他方」が出てくるというのはおかしいですね。 ○中谷委員長  「一方」か「他方」かといえば「一方」の方がいいのではないですか。「他方」とい うと懸け離れたみたいな感じになるから。 ○丸山委員  これを認めたときの理由として、卵の提供も認め、精子の提供も認めるのだから、ど うして同時になってはいけないのかという考えがあったでしょう。だから、そういう考 えを入れて「さらに」を取る方が。何かこの「さらに」は、生殖補助医療に対する否定 的な評価が感じられるんですけれども、そういうとらえ方はおかしいですか。何でも不 必要に拡大してはいけないんですが、あえてそう書かれると。 ○石井(美)委員  必要だからやるんですからね。取らなくてもいいと私も思います。「さらに」のとこ ろの文章。 ○吉村委員  下から5つ目の「さらに」の文章も要らないですね。 ○丸山委員  そうです、両方ですね。 ○吉村委員  「余剰胚の移植は、余剰胚を提供する人に新たな身体的リスクを負わせるものではな い。こうしたことから、卵子の提供を受けることが困難な場合に限り」と言っても文章 は通じますね。 ○小林主査  特に要らないということであれば、よろしいかと思いますけれども。 ○石井(美)委員  その方がわかりやすいと思うんです。そうでなくても、ここはたくさんありますか ら。 ○小林主査  そうすると、下から2つ目の余剰胚の方も。 ○石井(美)委員  ただ、不必要に拡大することかしもしれないという。逆に言うと。でも、さっき丸山 先生がおっしゃったように、精子の提供、卵子の提供が認められていることから、その 両者の提供を受けてということも認められるという言い方をすればよろしいのではない ですか。それぞれは認められているのに、両方になると何でいけないんだと。 ○吉村委員  下から2つ目の「さらに」も取るんですか。 ○石井(美)委員  要らないのではないですか。 ○中谷委員長  その方が、1番下の○に文章としてもつながりますよね。 ○加藤委員  「さらに」を取ってしまうと「こうしたことから」の「こう」が、掛かりが違ってき てしまうんですよね。 ○吉村委員  「余剰胚の提供が十分に行われないことも考えられる。こうしたことから」ではいけ ないですか。 ○辰巳委員  この間にもう一つ丸山先生の文章を入れるんでしょう。 ○丸山委員  「また、提供精子による体外受精及び提供卵子による体外受精が認められることを踏 まえると、精子・卵子両方の提供を受けて得られた胚の提供を否定する理由はない」と か何とか。「精子・卵子双方の提供を否定する理由はない」と。ちょっと強いですか ね。 ○石井(美)委員  「両方の提供を受けて胚をつくることが可能である」と。 ○加藤委員  やむを得ないという書き方ですよね。実情は、そんなに簡単に提供は得られないのだ から。 ○丸山委員  「胚をつくることを認めることもやむを得ない」。 ○吉村委員  これは、しかし、内容にかかわってきますね。だから、「さらに」のところだけやめ て「こうしたことから」で通じませんか。「余剰胚の提供が十分に行われないことも考 えられる。こうしたことから、余剰胚の提供を受けることが困難な場合に限り、例外と して精子・卵子両方の提供を受けて得られた範囲の移植を受けることができることとし たものである」。 ○加藤委員  なかなかいいではないですか。 ○吉村委員  省いただけですよ。 ○中谷委員長  私は、その方がずっと論理的にもつながっていいと思いますけれども。 ○吉村委員  精子・卵子が認められているからとかいろいろなことを言わない方が。 ○丸山委員  そうですね。ちょっと言うのが怖いようなところもありますね。 ○吉村委員  そうです。そこまで言っていいのという感じもあるでしょう。 ○中谷委員長  でも、この委員会としては、そういうことで思い切ったわけですから。 ○吉村委員  その方がいい感じはしますけれども。 ○中谷委員長  そうですね。 ○吉村委員  次が、借り腹ですね。先生、借り腹というのは日本人ではだれが言い出したんです か。 ○矢内原委員  最初に言った人ですか、随分前から言っています。最初に言った人は知らないです。 ○中谷委員長  サロゲートマザーとホストマザーという形で。 ○矢内原委員  高木さんが調査したでしょう。 ○吉村委員  あのときは借り腹。 ○矢内原委員  あのときに私は初めて知ったんです。括弧してサロゲートとホストと書いて、ホスト は借り腹。 ○吉村委員  でも、やはり借り腹というのは普通に見ると差別用語に見えますよね。 ○丸山委員  思いました。最初この言葉を知ったときに。 ○中谷委員長  ドイツでもイギリスでも随分前から言っていたと思いますけれども。 ○丸山委員  だけれども、借り腹という日本語が。 ○石井(美)委員  日本語だとニュアンスが。 ○中谷委員長  おなかを借りるという。 ○矢内原委員  新しい言葉をつくりますか。 ○石井(美)委員  私は、これは禁止するのだから否定的な言葉でもいいのではないかと。だからこそ禁 止されるんだというニュアンスでいいのではないかと思っているんですけれども。 ○加藤委員  相当借り腹という言葉は使われてしまっていますね。これは、要するに、ホストとか サロゲートと言っても、またそれを説明しなければならないので、面倒だから借り腹と いうふうに使われているんだと思うんです。 ○吉村委員  そうですね。まさにそのとおりです。 ○加藤委員  だから、もし言うとすれば、ちゃんと定義して、俗称借り腹だとか通称借り腹とやる とか。 ○中谷委員長  昔、日本で借り腹と言ったのはそうではなくて、妻に子どもができない場合に、愛人 かおめかけさんがするのを借り腹と言っていましたからね。 ○加藤委員  そうなんですか。 ○石井(ト)委員  腹は借り物という。 ○矢内原委員  借り腹が一番患者さんたちにとっては希望していることが多かったんです。 ○吉村委員  自分たちの遺伝子ですからね。 ○丸山委員  言葉自体余り非難を受けなかったのであれば、今回もいいかもしれないですね。 ○加藤委員  借り腹をやめて、片仮名もやめて、正確に定義するとこれは借り腹とは違うんですか という質問が今度出てしまうから、通称借り腹と書かないとまずくなるんですよね。 ○中谷委員長  やはり、昔の腹は借り物というような考え方につながっていくんですよね。 ○田中委員  一般的に、普通の人の考えでは、この2つの定義がこんがらがっていますよね。 ○吉村委員  私が一般的に理解しているのは、代理母の中にサロゲートとホストがあるというふう に理解していますよね。 ○中谷委員長  そうではないですか。 ○吉村委員  でも、そうすると、この書き方も何となくおかしくなるんです。 ○矢内原委員  これは、懐妊するだけで出産のことは表題からは読み取れないんですよね。懐胎だけ だから。 ○吉村委員  代理懐胎。 ○矢内原委員  代理出産なんだけれども。「代理懐胎・出産」。 ○石井(美)委員  それはちょっとやり過ぎではないですか。そこまで変えられるんですか。 ○中谷委員長  それはちょっとどうですか。表現としては変えられないのではないですか。 ○矢内原委員  借り腹というのはほかに言葉がないですから。何かつくりますか。 ○吉村委員  ホストマザーしかないですよ。 ○加藤委員  では「ホストマザー(通称借り腹)」でいいではないですか。 ○石井(美)委員  今は片仮名を余り使わないという。 ○矢内原委員  ホストマザーあるいはサロゲートに対応しているような感じがしたので。 ○中谷委員長  そうですね。 ○石井(美)委員  そういうものを使うのだったら、こっちも。 ○矢内原委員  こっちもサロゲートにしないとだめですね。 ○吉村委員  借り腹も一種の代理母ですからね。 ○田中委員  そうですね。イメージだけの問題ですね。 ○矢内原委員  妊娠した人を母とするんだから、産んだ人を母とするなら。 ○吉村委員  だから、この代理母も、この括弧の中に入っている代理母は狭義の代理母なんです よ。 ○石井(美)委員  狭義の代理母を言う日本語というのはないんですね。 ○吉村委員  ないですね。サロゲートです。借り腹がいかぬというふうに言っていましたね。 ○石井(美)委員  そうおっしゃっていました。 ○吉村委員  差別用語だと。 ○辰巳委員  正確には片仮名の方がいいかもしれないですね。 ○吉村委員  借り腹をですか。 ○辰巳委員  サロゲートとホストという形で片仮名で書いてしまって、1つ目の○に説明をしてい ますよね。そこで「(俗称借り腹)」とした方が正確かもしれません。 ○吉村委員  そうですね。これは、一般の人にわからなくてはいけないとだめなんですか。 ○加藤委員  本来、一般の人にわからないのはおかしいんですよね。 ○母子保健課長  木村先生は、これは一般の人が読まれるので、というふうに後でお会いしたときに言 っていました。国民全体の目に触れるので言葉に注意した方がいいのではないか、とは おっしゃっていましたが。 ○加藤委員  サロゲートの訳語で代理母以外の訳語というのはあるんですか。 ○吉村委員  ありません。 ○中谷委員長  普通代理母ですよね。 ○加藤委員  だから、代理母と言うと紛らわしいんですよね。サロゲートのことを言っているの か、両方を指しているのか。 ○吉村委員  そうです。ホストを言っているのかわからないです。 ○石井(美)委員  ここでは、だから区別して、代理懐胎と代理母と借り腹で用語が別にはなっているん ですね。 ○田中委員  絵が描いてあって、代理母と書いて両方来たものと片方と絵が描いてありますよね。 だから、両方の遺伝子が入って子宮だけの場合と、父親の精子だけが入っているとい う、新聞などにイラストで描いてありますよね。これだとわかるけれども、言葉だけだ とちょっとわかりにくいですね。逆に思っている人がいるかもしれませんね。 ○加藤委員  自分が錯覚を起こしているのではないかと思い始めると、どうやって確かめていいか わからないんです。 ○辰巳委員  少なくとも、昔の借り腹が今の代理母なわけですから。 ○加藤委員  昔の借り腹というのはめかけのことだから。 ○石井(美)委員  木村先生がおっしゃったのは、そういう用語が紛らわしいという話ですか。 ○加藤委員  紛らわしい話ではなくても、借り腹という語感がよくないと。 ○丸山委員  女性の機能は腹、子宮だけかという感じではないんですか。 ○中谷委員長  でも、禁止するんだからいいのではないですか。 ○丸山委員  そうも言えるんでしょうね。 ○石井(美)委員  だからこそ禁止されるんです。 ○矢内原委員  親部会が解散してしまったから聞く相手がいないですね。 ○石井(ト)委員  借り腹でよろしいのではないですか。2つ理由として、1つは、一般的に社会で市民 権を得ている言葉であるということと、差別用語でも禁止するんだからいいのではない かと。このままでいいと思います。 ○矢内原委員  用語が気に食わないから禁止すると。説明のところには、借り腹と代理母の後ろにサ ロゲートマザー、それから、ホストマザーと括弧して入れておいたらどうですか。その 方が丁寧でしょう。 ○加藤委員  そうですね。これは、代理母が厳密にどういう意味かというのは、全部を読んでも今 のところわからないんですよね。借り腹を取ってしまったら、ますますわからなくなり ますよね。 ○中谷委員長  でも、この説明の○の1つ目に代理母はどうだということと。 ○矢内原委員  もし、言うとしたら「代理母」という言葉が「代理出産」。 ○中谷委員長  借り腹と両方の説明がちゃんと入っていますよ。 ○矢内原委員  入っていますけれども、借り腹という言葉を使いたくなかったら、代理出産という言 葉はないんですよね。 ○吉村委員  代理出産となると、ホストマザーも代理出産ですよ。 ○矢内原委員  サロゲートの方もですね。 ○中谷委員長  両方ともそうですよね。 ○矢内原委員  だけれども、ここで「代理母」という言葉と「借り腹」と2つになっているから。 ○吉村委員  だから、これは初めの代理母は狭義の代理母です。ですから、本当は「代理懐胎(サ ロゲートマザー及びホストマザー)」だったら一番わかりやすいです。3行目の「妻の 代わりに妊娠・出産してもらうサロゲートマザー」と一番最後の5行目の「妻の代わり に妊娠・出産してもらうホストマザーの2種類が存在する」だったら、何も文句はない です。 ○矢内原委員  英語で言いましょう、日本語がないんだから片仮名。 ○吉村委員  「だいりはは」という言い方もあるし「だいりぼ」という言い方もあるくらいですか らね。最近は「だいりぼ」とみんな言っていますけれども。 ○石井(ト)委員  だけれども、この手のものは日本語を使うのが通常ではないですか。 ○加藤委員  みだりに片仮名用語を使ってはいけないというお達しがあるんですよね。 ○中谷委員長  それもだし、もともとこの概念そのものが向こうから来たんですよね。サロガシーに してもホストマザーにしても。一般の人が、サロゲートマザーとかホストマザーという ことを言わないでしょう。だから、それをわざわざ片仮名で表記する必要はないような 気がしますけれども。 ○矢内原委員  だから、我々もこんがらがりますよ、ホストとサロゲートは。 ○吉村委員  ただ、英語で言うと絶対間違わないですね。 ○中谷委員長  間違わないです。 ○石井(美)委員  だから、1つ目の○のところの定義が書いてある代理母のところに括弧してサロゲー トマザーで、借り腹のところにホストマザーと括弧して入れておけばよろしいのではな いですか。 ○矢内原委員  それでも、こういう文章では横文字は使ってはいけないという。 ○中谷委員長  括弧しての説明ならよろしいのではないですか。 ○矢内原委員  では、そうしていただければ一番はっきりしますね。 ○田中委員  ホスターマザーという言葉はありますよね。 ○丸山委員  それはまた別の里子、里親の方ですね。 ○田中委員  いいえ、このサロガシーで言いませんか。ホストマザーのことをホスターマザーと言 いませんか。 ○中谷委員長  言わないと思います。 ○石井(美)委員  それは、引き受ける方、依頼者の方。 ○中谷委員長  では小林さん、それでよろしいですね。 ○吉村委員  そうすると、借り腹は借り腹のままですね。 ○小林主査  説明の1つ目の○の「妊娠・出産してもらう代理母」の後に括弧して「サロゲートマ ザー」と書き、「妻の代わりに妊娠・出産してもらう借り腹」の後ろに「ホストマ ザー」と括弧して入れると。 ○辰巳委員  次、よろしいでしょうか。12ページの一番下の(2)四角の中ですが「精子・卵子・胚の 提供に係る一切の金銭等の対価を当該精子・卵子・胚を提供する人に供与すること及び 当該精子・卵子・胚を提供する人が受け取ること」、こういうふうに書いた方が良いの ではないかと言ったんですが、そこの「受け取る」という言葉が口語体っぽいので、そ れから、あと下から2行目の「精子・卵子・胚を提供する人に支弁し」というのがござ います。この辺も、もう少しすっきりしないかなと思うんですけれども。もっと言え ば、14ページの(4)の下の1つ目の○「精子・卵子・胚の提供の対価の供与を受け取る こと」、これは対価を受け取るので供与は受けるんですよね。 ○小林主査  そこなんですが、今日配ったものを見ていただきたいのですが。私も気になったので 直しまして「対価を受け取ることを禁止すること」と2か所修正しました。 ○辰巳委員  「受け取る」と私が書いたんですけれども、受け取るというのはもう少しいい日本語 がないのかなと思うんですが。「対価を」が元に掛かるところになっているので、そう すると「受ける」でいいですか。でも、「対価の供与を受ける」だったらいいんですけ れども、「対価を受ける」ということになるので、それでもいいんですか。 ○丸山委員  「対価を受ける」はおかしいですか。臓器移植法はどうなっていましたか。 ○辰巳委員  ちょっと通り過ぎて、別にいいのだったらいいんですけれども、何かこれはもう一つ すっきりしないなといつも思うものですから。 ○加藤委員  この「供与」と「受け取る」というのは、一々別々の動詞で書いた理由は何なんです か。片一方だけの場合もあるということですか。 ○辰巳委員  最初は「対価の供与をすること及び受けること」となっていたんです。それが「対価 の供与をすること、受けること」というのは何となく変な感じがしたので、このように 書き直した方がいいのではないですかと私が言ってこういうふうにしてもらったんです けれども、書き直して見てみると、何となくこれももう一つ。何かもう少しいい方法は ないかなと。 ○小林主査  「得る」でもおかしくないかもしれないです。 ○加藤委員  普通こんな回りくどい言い方はしないですよね。商品を手渡した人が商品を手渡され た人からその対価を受け取る場合と受け取らない場合、提供する場合、両方とも禁止す るなどという言い方はしないから。 ○中谷委員長  賄賂罪は、供与しただけでもだめということがありますから、相手が受け取らなくて も。そういうのがありますので。 ○加藤委員  供与しただけでもだめというのは、事実上余り意味はないから、普通は授受と言いま すよね。収賄罪だとか何かの場合には授受という言葉を使ってしまうわけでしょう。 ○辰巳委員  では、授受で。 ○加藤委員  だから「対価の授受は禁止する」でおしまいになってしまうんですよね。 ○丸山委員  言葉は正確に出ないですけれども、臓器移植の場合も分けて臓器をもらう側が渡して はいけない、臓器をあげる側が要求してはならないという規定の仕方をしていたと思い ます。 ○小林主査  それを見て、私もこれは分けて書いた方がいいかなと。 ○矢内原委員  要求はいけないけれども、受け取るのはいいんですか。 ○石井(美)委員  要求はしていないけれども、出されたものはもらうと。 ○丸山委員  与えるのもだめ、受けるのもだめという趣旨だろうと思います。 ○矢内原委員  「授受」で一括して文章は直りませんか。 ○吉村委員  それだったら、先生、物すごく固いですよ。「精子・卵子・胚の提供に係る一切の金 銭の授受を禁止する」。そうしたら、私らにはすごくわかりやすいですけれどもね。 ○加藤委員  お金を提供しても相手が受け取らない場合も、提供した方が悪いというのでしょう。 言わば、授受の未遂を禁止する形になるわけですよね。そこまで言わなくてもいいので はないですか。だから「授受を禁止する」でいいのではないですか。 ○小林主査  「対価の授受を禁止する」。 ○石井(美)委員  「対価」も要らない。「対価」なんですね。でも、ただし書きがあるから、「対価」 という趣旨はあるから。 ○加藤委員  この場合は、本当は対価だけではなくて金銭上の対価、謝礼を禁止するというのでし ょう。 ○中谷委員長  「金銭の授受」にすれば、みんな含まれますよ。 ○石井(美)委員  それで、ただし書きで実費だけはいいですよというふうに。 ○吉村委員 これは「金銭等」が要るんでしょう。 ○石井(美)委員  「等」です、勿論。 ○中谷委員長  「等の授受を」。 ○吉村委員  それで法律的にはいいんですか。 ○石井(美)委員  大丈夫ですか。見た目はすごい修正のような気がするけれども。 ○中谷委員長  でも、趣旨としては別に変わってないわけだから、いいのではないですか。 ○石井(美)委員  内容的には変更していないですよね。 ○辰巳委員  では、次、後半は「支弁し、受け取る」ということも。 ○石井(美)委員  「支弁」は余りいい言葉ではないので。 ○矢内原委員  この「支弁」はもらう人が払うんですか。 ○中谷委員長  そうですね。 ○加藤委員  その場合、提供者が受け取るとは限らないですよね。実費をもし負担するとすると。 田中先生の病院で両方やった場合には、両方とも田中先生のところに払うので、では、 半分ずつにしてくださいと払うでしょう。提供者に払って、提供者がまた田中先生に払 うのかという形に必ずしもならないでしょう。 ○田中委員  それは、まだ決まっていないのではないですか。 ○吉村委員  いずれにしても、これは「支弁」の主語がないですね。だれが支弁するんですか。 ○矢内原委員  受け取る人は書いてあるわけですね。 ○石井(美)委員  少なくとも「受け取っても差し支えない」は要らないですね。 ○加藤委員  実費相当分の負担は当然のこととするぐらいですよね、本当は。常識的に言えば。 ○石井(美)委員  実費相当分については、「支弁」の方を取ればいいんですか。「ついては卵子を提供 する人が受け取っても差し支えない」。 ○丸山委員  囲みの中を、変だからといってそう変えてよろしいんですか。 ○吉村委員  そうなんですよ。結構、後から見るとだれが払うかわからない。内容を見ればわかる のかな。 ○加藤委員  これは、だけれども、よく読めば提供者にお金を払うと違法になるけれども、お医者 さんに払って提供者の分を減らしてもらう分には違法にならないという読み方ができま せんか。 ○中谷委員長  提供する人が受け取っても差し支えないとありますからね。 ○加藤委員  提供者と非提供者、レシピエントの間の金銭の授受は禁止しているけれども、お医者 さんを介した場合には禁止の対象にならないというふうに読めるんですよね。 ○丸山委員  分けたときは授受ではなくて、こうやって分けていると。お医者さんでも供与しては いけない、医療機関でもあれですね。 ○小林主査  主語がないので。 ○矢内原委員  そうすると、支弁をする方も何人も支弁していいわけですね。 ○丸山委員  だからクライアントが補てんする場合もあり得るんでしょうね、この書き方だと。依 頼者が提供者に、匿名性が破られる場合になるでしょうから。 ○吉村委員  だからこの、支弁するのは病院であってもドナーであってもいいということですよ ね。レシピエントだと言っているから、ドナーではなくて。 ○矢内原委員  病院が仲介しなければだめでしょうね。領収書を欲しいなどと言われたら、匿名性を 守れなくなってしまう。 ○田中委員  本人に渡すと匿名でなくなりますね。 ○丸山委員  とにかく、実費については支払っても受け取っても構わないという趣旨ですね。 ○吉村委員  でも、友人だと友人ができるわけだから。 ○丸山委員  できるなんて、そんな。 ○吉村委員  そうではなくて、友人は可能なわけだから。友人の場合を考えると。 ○中谷委員長  13ページの説明の3つの○はよくわかるんですよね。だけれども、囲みの方は何とな くはっきりしませんね。意味はどうにかわかりますね、もう一遍読み直してみると。 ○石井(美)委員  意味はわかるけれども、表現がおかしいということですよね。 ○矢内原委員  わかりますけれども、だれがお金を払うのかという。 ○吉村委員  もし、やってくださいと言われたら困りますね。 ○石井(美)委員  だれが払ってもいいんですよ。だれが払っても、実費だったらいいんですよというこ とです。 ○吉村委員  それは、病院であっても。 ○石井(美)委員  そうです。でも、病院は絶対自分のところは負担しないから、それはまた患者から結 局もらうから、最終的には、やはりレシピエントが負担するのではないですか。 ○加藤委員  「受け取ることを禁止する。ただし、実費相当分についてはその限りではない」と書 いても同じことですね。 ○石井(美)委員  そういうことですね。 ○辰巳委員  前半部分は元のままの方がいいですか。 ○丸山委員  と思いますけれども。「受け取る」を「受ける」とするのはいいかと思うんですが、 分けて書くのは、向こうの方が分けて書く方がいいのではないかと思いますけれども。 ○小林主査  恐らく、法律か指針になれば分けて書くということにはなると思います。 ○石井(美)委員  両方ともだめなんですよと。 ○田中委員  これは、胚を提供してもらってクライアントに移植する際の費用は、普通の体外受精 の費用でいいんですか。それは、取っていいんですね。 ○吉村委員  それはそうでしょうね。 ○中谷委員長  それはそうですよ。 ○辰巳委員  ここは、元の「精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価の供与を当該精子・ 卵子・胚を提供する人にすること及び当該精子・卵子・胚を提供する人が受けることを 禁止する」の方がいいですか。「対価の供与」を入れてしまって「すること」を「受け ること」とするのが元だったんですよね。それをこう変えてもらったんですけれども、 元の方がすっきりする。でも、「供与」を「すること」、形の上ではそっちの方が。 ○矢内原委員  この場合に、精子と胚に関しては凍結するものを使うわけだから、凍結料というのも 入るわけでしょう。だから、医療機関が仲立ちをせざるを得ないんですよね。 ○吉村委員  そうですね。 ○矢内原委員  そうすると、その医療機関によって実費が違ってくるということは当然あり得るわけ ですね。 ○吉村委員  それは違いますね。 ○矢内原委員  商業主義を禁止するということは商業主義に走りかねないですね。 ○丸山委員  そうですね。アメリカの移植法は対価を禁じていますけれども、現実には費用といっ て組織の加工とかで結構利益を上げている企業はありますよね。 ○吉村委員  先生そこまで言ってしまうと、また元に戻ってしまうから。 ○矢内原委員  戻ってしまうけれども、これもガイドラインで決める。 ○石井(美)委員  ガイドラインで決められるのではないですか。凍結費用は幾ら幾らとすると。 ○矢内原委員  凍結費用は、辰巳先生のところと田中先生のところと違いはありますよね。 ○丸山委員  ある程度幅があるのは仕方がない。 ○石井(美)委員  だから、何とか以上にするとか何とか以下にするとか。 ○辰巳委員  そう外れることはないのではないでしょうか。 ○矢内原委員  そんなに違いませんか。 ○辰巳委員  5万円でしたよね、一緒です。別に示し合わせたわけではないですが、一緒になって います。 ○矢内原委員  1年間の場合ですか。 ○辰巳委員  はい。 ○矢内原委員  それは、実費ですか。 ○辰巳委員  余り計算していません。 ○石井(美)委員  それはいいんですよね。ここは表現の問題ですから。 ○辰巳委員  後半に関しては、加藤先生の案でよろしいんですか。 ○石井(美)委員  前を変えないで後ろだけそんなにすっきりさせると、バランス的には妙な気はします けれども。 ○加藤委員  ただ、これだとレシピエントとドナーの間の金銭のやりとりばかり書いてあって、実 費相当分を実際に払うのはお医者さんに対して払うのであって、ドナーに対してレシピ エントが払うわけではありませんから、それを一々受け取り側をドナーの側に限定して 書いているような書き方が不自然な感じがするんですよね。 ○吉村委員  そうですね。 ○矢内原委員  こういうふうに、法律的にはだれが支弁し、だれが受け取るということが主語がなく てもいいんですか。 ○丸山委員  だれでもということですね。人を殺したる者はという、だれでも人を殺すと殺人罪に なると。 ○小林主査  あるいは法律的には「何人も」と言いますけれども。 ○中谷委員長  「何人も」と言うと、また古めかしくなるから要らないですよ。 ○矢内原委員  「支弁し」だれが支弁するのか、具体的に起こったときにどういう形で。 ○加藤委員  例えば、これを「精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価を提供したり受け 取ったりすることは禁止する。ただし、実費相当分についてはその限りではない」と書 いて悪いかというふうに私は今言ったんですよね。 ○中谷委員長  すごくすっきりしますよね。 ○石井(美)委員  そこまで変えていいかだけです。評価部会に許されていると委員の先生がおっしゃる なら。 ○中谷委員長  でも、内容的には変わっていませんから。内容を変えるわけではないから、いいので はないですか。 ○石井(美)委員  だけれども、ここだけはすごくすっきりした文章になりますね。 ○辰巳委員  前半がすっきりしないからいいのではないですか。前半は元のでいいですか。 ○中谷委員長  全部変えたんです。 ○辰巳委員  では、もう一度お願いします。 ○加藤委員  「精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価を提供したり受領することを禁止 する。ただし、実費相当分についてはその限りではない」。 ○小林主査  「提供すること及び受領することを禁止する」ですか。 ○加藤委員  それは、だれがだれと書いていないんだけれども、いいのではないですか。 ○石井(美)委員  だれであろうといけない。 ○母子保健課長  内容的に変更は特にないと思いますし、字句修正ということで部会長もおっしゃって いましたので、よろしいかと思います。 ○小林主査  もう一回読ませていただきます。「精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価 を提供すること及び受領することを禁止する。ただし、実費相当分についてはその限り ではない」。 ○石井(美)委員  確かに何人でもないんですよね。ここに書いてあるのは、さっきの繰り返しになりま すけれども、限定しているんですよね、禁止されている人は。今度は何人になってしま うと。内容的には広がったのかもしれない。 ○中谷委員長  でも、本質的な変更がありませんから、結構ではないでしょうか。特によくわかりや すくなりましたから。それで確定ということで、小林さんよろしいでしょうか。 ○石井(美)委員  説明で限定されていることになるんですね。 ○小林主査  説明も変えた方がいいでしょうか。 ○石井(美)委員  説明を変えないことによって内容は変わっていないと。 ○吉村委員  説明はいいと思いますよ。 ○辰巳委員  「受け取る」は「受領」とおっしゃいましたか。「受け取る」を「受領する」に変え た方がいいと思います。  「支弁」は残していいのでしょうか。説明の「支弁」はそのまま「支弁」でよろしい ですか。 ○加藤委員  説明の方は、そのままでいいのではないですか。確かに変ですよね。 ○中谷委員長  説明文は、すべてこのままでよろしいでしょうか。 ○小林主査  説明文も「受け取ることを」というところを「受領する」に変えて、あとは。 ○石井(美)委員  2つ目の○の方も「受け取って」もではないですか。 ○小林主査  「受領しても差し支えない」。  あと幾つか「対価を受け取る」という表現を使ってあるところがあるんですけれど も、それも皆「受領する」に変更します。 ○石井(美)委員  全部を変える必要があるかどうかはわからないですね。ここの場合は、バランスで 「支弁と」だから「受領」になり、「供与」だから「受領」になると。それだけのこと だと思います。言葉的には「受け取る」の方が本当はやさしいからいいのだろうと思う んですけれども。 ○小林主査  例えば、14ページの説明文にこういうものもあるんです。精子・卵子・胚の提供の対 価「の供与」というのは取るんですけれども、「対価を受け取ることを禁止することか ら」となっているのがありまして、それと同じように22ページにも(8)の1つ目の○の3 行目で「第三者が対価」これも「の供与」を取るんですが、「対価を受け取ることな く」と。 ○石井(美)委員  いいのではないですか。 ○小林主査  ここだけでよろしいでしょうか。 ○辰巳委員  22ページは「対価の供与を受ける」ですね。 ○小林主査  「対価を受け取ることなく」。 ○辰巳委員  「対価を受け取る」ですか。「対価の供与を受ける」ではなくて。 ○小林主査  「の供与」は14ページも22ページも、今日配った資料番号がついていないものでは落 としています。 ○中谷委員長  これまで確認された表現の修正については、同じ用語が使われているところは全部そ れに合わせて修正していただければよろしいのではないですか。このあとの部分も。 ○小林主査  どちらでも結構なんですけれども、「受領」ということでそろえても結構ですし、こ こではあえて「受領」という言葉にして、あるところでは「受け取る」という言葉を残 すと。今の御意見だと、ほかのところは「受け取る」を残しても。 ○中谷委員長  「受け取る」でそのままでもいいんですか。あるいは「受領」に修正するとか。 ○加藤委員  特に、それはその場その場で、結構、前後関係は違っているんですよね。 ○中谷委員長  それでは、そういうことでよろしいのではないですか。 ○矢内原委員  田中先生、胚を凍結していて、例えば時間が経てば経つほど着床率は悪くなります か、変わりませんか。 ○田中委員  条件が一定であれば大丈夫だと思います。 ○辰巳委員  一応1000年ぐらい大丈夫だと思います。理論的にはそんなことを聞きましたが。 ○矢内原委員  率としては。 ○田中委員  ただ、私が知っている話では、余り長くなるとちょっと落ちるような、マウスではそ ういう文献を読んだような気がします。 ○矢内原委員  というのは、その場合に、例えば5つ胚を凍結しますから6つ凍結しますね。患者さ んに2つ入れてうまくいったと。それから、次の2つはうまくいかなかったと。また続 けて2つうまくいったと。そうすると、その間3年間ぐらい掛かるわけですね。その 間、その2人の子どもが3つになったときに、つまり6年目にもう2つ胚が残っていま すね。それは、値段が6年経っているから、1年5万円ずつやると30万円になっている わけですよ。質が悪いのが30万円ということは逆ですね。 ○田中委員  そのぐらいのインターバルだと大丈夫だと思います。 ○石井(美)委員  それはだめなんですよ。費用というのは。 ○矢内原委員  だって、保存する費用はどうするんですか。 ○石井(美)委員  保存していたのは、自分が提供してもいいと言った後からの保存に掛かる費用であっ て、それまでの保存費用は自分たちのために保存していたんだから、その分を請求する ことはできない。 ○加藤委員  それはそうですね。 ○石井(美)委員  自分が、もう自分たちのために要らないよと言った後、それはほかの人のための保存 の費用だから費用になるのであって、今まで保存した費用を負担することはないのでは ないですか。 ○吉村委員  そうです。患者さんがいいですよと言ってからは、それが1年も2年も置いておかれ ることはないですよ。同意してくれたら即使われます。 ○石井(美)委員  と私は思いますが。 ○矢内原委員  また悪い人が出て、これは5年ものですからということで。 ○吉村委員  でも、大体そういうものはクオリティーが悪いですから。 ○矢内原委員 それで聞いたんです。 ○吉村委員  クオリティーが悪いというのは、卵のもともとのクオリティーが悪いもの、大体よい ものから使っていきますから。 ○丸山委員  というのは、個々の卵とか個々の元のカップル単位で考えないで、プールで考えるの ではないですか。今の慶應の費用だってそうでしょう。全体として見た費用は、結局、 精子提供者一人当たり7,000円なり1万円を払うという。 ○辰巳委員  それは談合からこの値段ということはないですね。 ○吉村委員  そういうことはないです。ですけれども、対価として見るのだったら患者さんに対し て費用はもっと高くないと、今の状態ではやっていけないですね。倍ぐらいにしていた だかないと、この医療はできないですね。慈善事業ではないですから。 ○中谷委員長  それは、医療費の中に入るわけでしょう。 ○吉村委員  自費ですから、この自費の値段を上げないと、とてもではないけれどもできないです ね。 ○中谷委員長  それはそうでしょうね。 ○吉村委員 だから、これから先こういうものがルーチン化してくると、もう少し高く なるでしょうね。当然のごとく。 ○田中委員  今の慶應でもあれでしょう。こういうふうにいろいろな制限、規制が増えてくると、 ボランティアは減りますよね。 ○吉村委員  それは減るでしょう。 ○田中委員  そうすると、やはり少し値段を上げるということをなさいますか。 ○吉村委員  値段を上げるということよりも、私は多分、ボランティアというかドナーさんも減る けれども、来る人も減りますよ。 ○中谷委員長  少なくとも3年間はAIDしかできないわけでしょう。 ○吉村委員  はい。 ○丸山委員  AIDで生まれたかどうかを子どもは知ることができるんですか。 ○吉村委員  できるということになりますから。そっちの方が私は減ると思いますよ。出自を知る 権利があるということがわかると、希望される患者さんは圧倒的に減るのではないです かね。これは、要するに、いつも言っているように、また元に戻るけれども、今まで問 題が少なかったのは出自を知る権利が認められなくて、匿名性が維持されていたから。 ○中谷委員長  でも、個人の特定ができないような内容ですからね。 ○加藤委員  でも、やはり可能かぐらいはわかるわけですからね。どうも親父に似ていないと思っ たら、そうだったかという。 ○吉村委員  これは、いいです。 ○中谷委員長  ここで、5分ぐらい休憩しますか、継続してよろしいですか。 ○矢内原委員  あとどのくらいですか。 ○吉村委員  兄弟姉妹のところでしょう。 ○丸山委員  近親者はこの前質問がありまして、それを踏まえた修正だったですね。 ○中谷委員長  近親者は取ったんです。「兄弟姉妹等」と。 ○加藤委員  一番評判が悪いところですね。何であんなことまで認めるんだと。あんなところまで 認めるのはひどいと一番評判の悪いところ。 ○矢内原委員  友人もいいんですかという質問で、いいと言ったら談話が来ましたね。今回は、これ では友人に関してはどうなっていましたか。いいんですか。「兄弟姉妹等」の「等」の 中に入っているんですか。 ○中谷委員長  「等」の中に入るという。 ○丸山委員  友人を認めるのは、意見を集約したら多数になりますかね。 ○吉村委員  集約したらではなくて、兄弟姉妹をもっと私たちはだめだと思っているわけです。 ○丸山委員  だから、兄弟姉妹について可否を取ると、恐らく兄弟姉妹を認める人が多数ですよ ね。だけれども、友人について同じように認めましょうかと皆さんに賛否を問うと少数 になるのではないかと思ったんですけれども。理屈はいろいろありますが、私は友人を 認めませんので。 ○矢内原委員  父親を是非と言ったのは田中先生でしょう。ほかにだれかいますか。 ○加藤委員  父親でいいと言ったのは田中先生1人だと思います。 ○矢内原委員  今度、友人と言ったのはだれがいますか。どうせ変えられないんだからいいのではな いですか。 ○吉村委員  そうではなくて、これが認められるのだったら、私は友人はいいと言っているんで す。 ○加藤委員  まず、これは精子と卵子について精子・卵子全部でしょう。私は、ともかくこれは精 子についてまで拡張する必要はないと。 ○中谷委員長  そうでしたね。私は、兄弟姉妹も反対ですから。 ○丸山委員  それは、あれだけやって数も調べましたから。 ○吉村委員  だから、先生、兄弟姉妹がどうかということだけですよ。兄弟姉妹が反対の方は3つ 反対なんですけれども、兄弟姉妹が認められるという条件になったら、私は友人はいい と思います。 ○丸山委員  それで新聞の方は、先生のような方にプラスして少なくとも丸山個人などの兄弟姉妹 を認める者は、当然友人も認めるであろうという受け取り方をして、それに基づいて、 多数意見が友人、知人も可としたというふうな見出しをつけていたものがありますの で。 ○加藤委員  それは誤解ですね。 ○丸山委員  だから友人、知人については意見が集約できなかったというのが本当ですね。それで こういう文言になった。そのニュアンスが出ないで、さっきちょっと言いました関西の 朝日のように親、知人も可、と書かれると。 ○矢内原委員  東京の方は全く無視されましたね、朝日は。 ○中谷委員長  読売だけですね。 ○加藤委員  本当は、この説明のところでもってどういう意見が出たかということをもうちょっと 出して、親からの精子の提供は極めて少数派だったというニュアンスがはっきり伝わる 方がいいと思うんですけれども。 ○丸山委員  ここは、いじるのはやめましょう。 ○中谷委員長  内容の変更になりますから、それはできませんね。 ○石井(美)委員  説明だから、内容を変えることではないから。 ○丸山委員  だから、その補正をしたいなと個人的には思うんですけれども、余りに内容にかかわ り過ぎるので、やめる方がいいかなとも思いますね。 ○加藤委員  丸山先生、自分の説明のところで自分の意見だと思われるものについて、もうちょっ と強調というかはっきりさせたらどうですか。 ○丸山委員  ここに書かれていることについては、そんなに。 ○石井(美)委員  特に限定せずというのが書いてあるんですね。 ○丸山委員  いいです。今の発言が議事録に入ったと思いますので。 ○石井(美)委員  議事録がつくんですよね。 ○吉村委員  ただ、また兄弟姉妹の話ですけれども、兄弟姉妹がよくて友人がえっという声が上が ったということは、日本の方々というのは兄弟姉妹だったらまだいいだろうという考え 方なんでしょうか。 ○中谷委員長  多分そうでしょうね。 ○矢内原委員  そこの間にラインは引いていますね。 ○吉村委員  しかし、その考え方は、大変な間違いだと思いますけれどもね。 ○丸山委員  友人だと本当にだれでも選択できますでしょう。無制限に広がってしまう。その点、 兄弟姉妹は急につくれませんから限定されますし。 ○吉村委員  30年後は結論を出します。 ○加藤委員  兄弟姉妹のいない人というのも相当たくさんいるんですよね。 ○中谷委員長  今そうですね。子どもというのは1人か2人でしょう。 ○矢内原委員  おまけに男、男ということだってありますからね。 ○中谷委員長  そうですね。  続いて。 ○矢内原委員  27ページ、規制方法になってしまいますね。 ○中谷委員長  規制方法の続きですね。 ○加藤委員  急に夢のように遠くまでいくんですね。 ○矢内原委員  26ページの括弧内「正当な理由を有しない」というのがどこに掛かる。 ○吉村委員  26ページのどこですか。 ○中谷委員長  2の(1)の条件整備。 ○矢内原委員  「正当な理由を有しない漏洩」ですか。 ○石井(美)委員  「有しない提供による」ではないですか。 ○中谷委員長  「正当な理由を有しない提供された精子」、これは何ですか。 ○石井(美)委員  だから「漏洩」のところに持ってきた方がいいですよね。 ○加藤委員  だから「秘密の正当な理由を有しない漏洩」にした方がいいのではないですか。 ○矢内原委員  そうですね。そういうふうにしていただいた方がはっきりしますね。 ○中谷委員長  「職務上知り得た人の秘密の正当な理由を有しない漏洩」ですか。「正当な理由を有 しない職務上知り得た人の秘密の漏洩」。やはり文章的に言えば「職務上知り得た人の 正当な理由を有しない秘密」。 ○吉村委員  やはり漏洩ではないですか。 ○加藤委員  法律用語では「正当な理由を有する漏洩」という言い方もあるんですか。 ○小林主査  正当な理由なく漏らしてはならない。 ○中谷委員長  そうですね。 ○加藤委員  だから、漏洩というと不当な場合しか漏洩と言わないのではないかと。情報提供と漏 洩とは違うのではないかという感じがするんだけれども、法律用語では「正当な理由を 有しない漏洩」と言うんですね。 ○中谷委員長  正当な理由なく漏洩したものはという条文になっていますね。34条で。 ○石井(美)委員  「職務上知り得た人の秘密の」。上に合わせてみんな文章ではなくなっているから。 ○矢内原委員  その前に持ってきたらおかしいですよね。 ○中谷委員長  「正当な理由なく職務上知り得た人の秘密の漏洩」。 ○小林主査  「精子・卵子・胚による生殖補助医療に関する」というのは。 ○中谷委員長  「職務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩した者」とか。 ○石井(美)委員  知り得た人がなんですよね。人の秘密なんですか。 ○中谷委員長  人の秘密なんです。 ○加藤委員  これは他人という意味ですか。 ○中谷委員長  そうです。秘密を正当な理由なく漏らした者と。 ○矢内原委員  26ページの説明の日本国憲法の条文を読むと、すごく人間というのは自由なんです ね。 ○小林主査  今のをもう一回よろしいでしょうか。「正当な理由を有しない職務上知り得た人の秘 密」。 ○石井(美)委員  「職務上知り得た人の秘密の正当な理由を有しない漏洩」なんでしょう。 ○加藤委員  「正当な理由なく漏洩する者」とか「漏洩すること」というふうに。 ○中谷委員長  「正当な理由なく漏洩すること」。 ○吉村委員  「人の秘密を」ですね。 ○中谷委員長  「知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩する」。 ○石井(美)委員  それだったら「漏洩」ではなくて「漏らす」と。 ○中谷委員長  「漏洩」は漏洩と使えますから、いいのではないですか。 ○小林主査  そうすると「提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に関する職務上知り得た 人の秘密を正当な理由なく漏洩すること」。 ○石井(ト)委員  ちょっとどうなんですか。必要な場合は情報の提供ですよね。漏洩というのは、やは り正当な理由がなく、ただ漏らしているわけですから。 ○加藤委員  ただ、小林さんの説明では、正当な理由なく漏洩することというのは普通に使われて いるというので。 ○中谷委員長  刑法の条文でそうなっているんです。 ○加藤委員  だから、いいのではないですか。厳密に言えば変な感じはするけれども、正当な理由 を持って漏らすわけにはいかないのだから。 ○中谷委員長  何しろ刑法は明治43年法律第45号ですからね、古いんです。内容は、この間一応改正 がありましたが、ほとんど口語体に直しただけですからね。  では、次。 ○田中委員  話が全然違うんですけれども、吉村先生、不妊の治療をして、よく本人ではない両親 が心配してどうですかとか聞きに来るんですよ。そういう場合に話すことは漏洩になる んですか。内容を、息子の精子はどうも悪いらしいので教えてくれとか時々来られるん ですよ。 ○吉村委員  いっぱい来ますね。 ○田中委員  そういうときに、電話では絶対話さないんですけれども、そうすると来られるんです よね。そのときに、娘夫婦、息子夫婦の話をすることはやはり違法なんですか。 ○加藤委員  法律上からいくといけないことになると思うんです。 ○吉村委員  正当な理由なく秘密の漏洩したことになりますね。 ○田中委員  それは拒否しなくてはだめなんですね。 ○矢内原委員  私は、最初に患者さんが来られたときに、例えば友人の娘さん、お嫁さんであって も、この問題はあなたと夫婦と私たち医療側の問題ですと。あなたのお父さんは、義理 のお父さんは私の友達だけれども、私からは絶対話をしませんと最初に言ってしまいま すね。 ○田中委員  わかりました。 ○中谷委員長  御当人も了解済みで相談に来られるということはありますよね。 ○矢内原委員  2人そろってね。 ○中谷委員長  その場合はいいわけですよね。 ○吉村委員  大体、先生よくわかります、そういうケースはよくある。お姑さんがよく来られるん ですよ。 ○石井(ト)委員  その問題は大きいですよね。第三者が聞きに来ても漏らさないというのは大原則です よね。 ○矢内原委員  実際のお母さんならまだいいんですけれども、一番いけないのは義理の父親ですよ ね。 ○中谷委員長  それは難しいですね。お嫁さんのお父さんならまだいいんですけれども。 ○矢内原委員  お嫁さんの側の血のつながりだったらいいんですけれどもね。 ○田中委員  わかりました。 ○石井(美)委員  27ページの方、内容ではないんですけれども、括弧を外したらどうかという意見もあ ったところで、3つ案を言わせていただきます。1つは、括弧を取ってそれぞれに理由 と書いて、その理由をずっと書くという方法です。 ○中谷委員長  済みません、どこですか。 ○石井(美)委員  27ページの一番最後の○です。 ○吉村委員  ・が3つありますね。そこです。 ○石井(美)委員  そうした上でかもしれませんが、もう一つは、○のところの方の文章で「以下の理由 により」というよりは、「以下のものについては、罰則を伴う法律によって結論に達し た」と書いて、理由は括弧内に記すみたいな形を書くか、「以下のものについては、括 弧内の理由より罰則を伴う法律によって規制すること」とするか。すっきりするのは一 番最初の案だと思いますが。でも、ほかのところはそういう書き方をしていないもので すから、ちょっとバランスを失するので。 ○石井(ト)委員  要するに、御指摘は括弧内を外せということですよね。記録を見ますと、1つの文章 にした方がいいという御指摘ですよね。だから、これはそのまま括弧を外した形で文章 化すればいいのかなと私は思ったんですけれども。 ○吉村委員  小林さん、これは何がいけないと言われたのでしたか。私は、これで一番わかりやす いと思うんですけれども。 ○小林主査  議事録で言うと9ページの真ん中よりちょっと下ぐらいのところで言っているんです けれども、「本文に入れた方が私はいいのではないかと思います」と言っているのと、 あとは「これも著しく倫理に反するというのは、これは括弧も外して一つの文章に入れ た方がいいのではないですか」というふうに言っておって、ちょっと位置付けがわから ないということなのかもしれないですね。 ○吉村委員  私は、あの人の言っていることがわからなかったんですけれども。 ○小林主査  括弧内は何なのかという、イメージがわからないということではないかと思います。 ○吉村委員  ということは、27ページの下の3つというのは、例えば違反行為何とか何とか懸念さ れる、また、著しく倫理に反するため、営利目的の何とかの斡旋を法律によって規制す るとか、そういう文章にすればいいということなんですか。 ○中谷委員長  そういうことですね。 ○矢内原委員  最初は、その・のところは括弧内の文章と同じ文章なんですね。その説明が括弧に書 いてあるわけですね。これは、あえて繰り返した理由はどこかにあるんですか。27ペー ジの・の3つをつけた理由はありましたか。 ○丸山委員  文章になっていたんですけれども、わかりにくい文章だったと思うんです。括弧内に 入れた方がわかりやすくなるのではないかという。 ○加藤委員  27ページの・の3つ目は、さっきの枠の中と同じように「正当な理由を有しない」と いうのを変える必要がありますね。3つ目に理由がついていないのは、理由が難し過ぎ てやめてしまったんですか。 ○丸山委員  明らかであるならということではないですか。 では、その理由は最初の案でどうなんですか。 ○中谷委員長  「正当な理由なく」を後に持っていった方がいいのではないですか。 ○吉村委員  それは変えるんです。 ○小林主査  そのほかも囲みの中の内容をこっちに持ってくる。 ○矢内原委員  この・の真ん中の括弧で「著しく倫理に反する」と出てきますね。この倫理に反する という言葉は、今までの文章の中で出てきたことはありましたか。記憶がないんだけれ ども。 ○丸山委員  ここで初めて出てくるから、ここで初めて刑罰を科するんですね。ほかのものについ て この上の営利目的の方も著しく倫理に反する、倫理に反すると2つ出てきますけれ ども。 ○加藤委員  難しいですよね。 ○矢内原委員  だから、倫理とは一体何ですかということに。 ○石井(ト)委員  前の倫理の使い方が、文脈の関係で著しい倫理という主語に出ていたんですね。そう すると、それに対していろいろな解釈が広くなるからという経緯があったような気がす るんです。ですから、ここでは著しく倫理に反するということで使わなければいけない ことがあったとむしろ思いますよね。ですから、私はこれは、例えば、括弧を全部取っ ても通じるのではないですか。「授受の斡旋などは」、括弧を全部取ってしまうわけで す。そして、次の文も「斡旋などは著しく」と、とにかく括弧を全部取ってしまう。 ○中谷委員長  括弧を全部取ると、「また、著しく倫理に反する」も取るわけですね。 ○石井(ト)委員  いいえ、そのまま使える。 ○中谷委員長  括弧だけを取るんですか。 ○石井(ト)委員  はい。括弧だけを取るんです。だから「など」と入れれば。 ○石井(美)委員  そうすると「以下のものについては、罰則を伴う法律によって規制する」の「以下の ものについては」というのがなくなるんですね。理由だけが書いてある。ただ、別に出 したんですよね。 ○辰巳委員  括弧を外して「これは、」にしたらどうですか。 ○石井(美)委員  少なくとも行は変えた方がいいですね。 ○小林主査  括弧ではなくて横棒にするとか。 ○石井(美)委員  その方がわかりやすいかもしれないですね。少なくとも括弧よりは。 ○矢内原委員  こういう・は、前にもありましたか。 ○吉村委員  ありますよ。 ○矢内原委員  どこにありましたか。 ○吉村委員  ・はその都度。 ○矢内原委員  いや、そうでもないんです。○のあとに・の補足的なものはないと思いますよ。暫定 的に前につくっただけで。 ○吉村委員  先生、四角の中にはありますから。 ○矢内原委員  親子関係の同定とかね。官庁の申合せみたいなものがあるんですか。 ○小林主査  そういうわけではないです。 ○石井(美)委員  括弧をやめて棒の方がいいかもしれませんね。 ○矢内原委員  私は、これを主語にして、わっとしてもいいと思いますよ。ここで括弧とするのはお かしな感じがしますね。 ○小林主査  単純に横棒で囲むのでよろしければ、それでも大分わかりやすくなるかなという。 ○丸山委員  あるいは、仮に今、石井トク委員のおっしゃったように括弧を取って、それから、前 の文章も重複があるのも承知で、最初の・のところは「営利目的での精子・卵子・胚の 授受・授受の斡旋に関しては、違反行為により得ることができる利益の大きさから考 え、罰則を伴う法律による規制という重い規制を課さない場合に規制の実効性が担保で きなくなることが懸念され、また、著しく倫理に反することを理由に罰則を伴う法律に よって規制する」というふうに文章にしてしまう。 ○石井(美)委員  そうしたら、上はやめればいいのではないですか。「本専門委員会としては、以下の ような結論に達した」にしておけばいいわけでしょう。 ○丸山委員  そうですね。そういうのが一つありますね。 ○小林主査  営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋は何とか懸念される、また、著しく 倫理に反すると書けば、罰則を掛けるものとその後に理由を置いているんだなというの はわかるので。 ○丸山委員  前の囲みにありますから、それと合わせて読んでもらうということですね。その方が いいですね。 ○吉村委員  懸念される、著しく倫理に反する。「代理懐胎のための施術・施術の斡旋は、第三者 に多大なリスクを与え、基本原則に反することから、著しく倫理に反する」と。 ○矢内原委員  賛成です。 ○中谷委員長  「基本的考え方」ではなかったですか。 ○小林主査  済みません、今のをもう一度お願いします。 ○吉村委員  「代理懐胎のための施術・施術の斡旋は、第三者に多大なリスクを与え、本専門委員 会の基本的考え方である人を専ら生殖の手段として扱ってはならないという基本的考え 方に反する」とか。「基本理念に反する」「基本的考え方に反する」。 ○矢内原委員  前の「反する」を「基本的考え方に反し」とは言わないですね。 ○石井(美)委員  「考え方に照らして」。 ○矢内原委員  やはり文章としては長いですね。 ○吉村委員  何か3番目に理由がないのがおかしいような感じがするけれども。 ○小林主査  済みません、2番目なんですけれども「代理懐胎のための施術・施術の斡旋は、第三 者に多大なリスクを与え」。 ○矢内原委員  「本委員会の基本的考え方に照らして、著しく倫理に反する」というのは「倫理性に 欠ける」とか。 ○丸山委員  「照らして」よりも「人を専ら生殖の手段として扱ってはならないという本専門委員 会の基本的考えに抵触し」、それと並列する形で「著しく倫理に反する」ではないです か。 ○石井(美)委員  倫理は別のことなんですよね。 ○丸山委員  それだけというのは、ちょっと。 ○石井(美)委員  3番目は理由をつけるとすれば。 ○吉村委員  ちょっと待った方がいいですよ。 ○小林主査  もう一度読ませていただきます。「代理懐胎のための施術・施術の斡旋は、第三者に 多大なリスクを与えることから、人を専ら生殖の手段として扱ってはならないという本 専門委員会の基本的考え方に抵触し、著しく倫理に反する」。  その上は「営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋は、」で、あとはずっと 続いて「懸念される。また、著しく倫理に反する」。 ○矢内原委員  本当に、この文章の今までの中に倫理という言葉は出てきていますか、出てきていな いですか、ここで初めてですか。さっきからぱらぱら見ているんだけれども、倫理とい う言葉はここで初めて出てくるように思うんですけれども。 ○石井(美)委員  倫理は使っていないのでなはいですかね。 ○小林主査  生命倫理という言葉はありますけれども。 ○矢内原委員  その生命倫理の専門家を呼んだということだけではないですか。 ○石井(美)委員  生命倫理に照らしてというのがどこかにあります。 ○石井(ト)委員  5ページの最初のところです。 ○中谷委員長  5ページの一番上の○「生命倫理の観点から」。 ○石井(美)委員  生命倫理と倫理は違うんですよね。 ○矢内原委員  違うんですか。 ○加藤委員  生命倫理と言わない方がいいのではないですかね。 ○法務省  一言だけ感想を言わせてもらいますと、倫理という言葉だけで一体何をこの罰則で守 ろうとしているのかというのは恐らく伝わらないと思うんです。保護法益が何かという ことをぎりぎり詰めないで、こういう罰則を議論するというのは、今まで聞いていて非 常に危険だなというふうに思いましたので、感想だけ。 ○丸山委員  刑法の先生は保護法益をまず言いますね。刑法の先生がいらっしゃいましたね、申し 訳ありません。 ○矢内原委員  でも、こういうところに倫理を使っていいのかなと思って。 ○石井(美)委員  生命倫理かもしれませんね。 ○矢内原委員  人を傷つけたり殺したりすることは、倫理に反するから罰せられるわけではないでし ょう。違いますよね。 ○加藤委員  処罰の理由として、著しく倫理に反するから特にこれは処罰するという考え方は、普 通刑法的な考え方ではないですよね。だから、これは何で処罰するんだと言われて、著 しく倫理に反するからだというのは、余り言いたくないところなんですよね。だから、 具体的にその実効性を担保する必要があるとか、こういう刑罰をつけないと実効性の担 保が難しい事例であるとか、そういうのであるならばよくわかるんですけれども。 ○中谷委員長  昔は反倫理性を置いたんですよ、普通の刑法はね。行政刑法は別で、普通の刑法は反 倫理性を置いて、倫理からの解放というのが20世紀に入ってからの流れですから。 ○加藤委員  もうちょっと倫理という言葉がよくわかる、自明なものであればいいんですけれども ね。 ○矢内原委員  韓国の姦通罪などというのは、どういう理由付けになっているんですか。あれは罪に なっているわけでしょう。 ○加藤委員  あれは、儒教倫理に反するからですよね。 ○丸山委員  家族制度の維持というのではないですか。 ○加藤委員  この場合には、著しく倫理に反するというのは、自分の子どもを持ちたいという要求 のために何かをするというのではなくて、ただ、専ら金儲けの手段として他人の苦境を 利用しているという点が許しがたいという気持ちなんでしょう。違うんですか。営利目 的が露骨であるというか、他人の弱みに付け込んで金儲けをしようとするやつはふんじ ばってしまえという考え方ですよね。 ○丸山委員  そうですけれども、保護法益を挙げよと言われたら、代理母となる女性の保護でしょ うね。それだけでは十分ではないのではないですか。 ○法務省  それはわかりません。それはお考えいただかないと。 ○中谷委員長  基本的な考え方によれば、生まれてくる子の福祉を優先するとか、人間の尊厳を守る とか。 ○丸山委員  人身売買の禁止というのは、日本は刑法にありますか。 ○石井(美)委員  刑法にはなっていないんです。 ○丸山委員  なっていないんですか。それにちょっと近いような感じですね。体を金で。 ○加藤委員  人身売買を禁止している刑法というのはないんですか。 ○吉村委員  昔、子どもを売っていましたね。 ○中谷委員長  でも、監禁とか何かですよね。 ○吉村委員  民法というのは余り変わっていないんでしょう。だったらないでしょう、私は知らな いけれども。子どもを売っていましたから、あれはまさに商業主義ですから。 ○矢内原委員  臓器の売買を禁止したときには、どういうことで刑罰を決めたんですか。 ○丸山委員  やはり同じではないですか。 ○中谷委員長  臓器移植の本来の指針というのは、WHOのガイドラインですよね。あれが基本にな っていますでしょう。それでは、まず、売買というのが一番の禁止項目でしたから。 ○矢内原委員  そのときの説明の中にも倫理性という言葉が入りましたか。 ○中谷委員長  倫理性ということはないです。 ○丸山委員  臓器売買と同じ理屈が成り立つはずですよね。 ○石井(美)委員  上もそうではないですか。 ○矢内原委員  上もそうです。著しく倫理性に反することということだけで、倫理観というのは人に よって違うとするならば、社会によって違うとするならば、それを刑罰に処するのは。 ○中谷委員長  人間の尊厳を損なうと。 ○石井(美)委員  人間の尊厳って何ですかとは言わないですね。 ○丸山委員  社会的法益ですか。ああいう分類の仕方ですと。 ○吉村委員  配偶子の尊厳ですよね。 ○石井(美)委員  当事者の保護と社会的な意味での秩序というものではないですか。そういうものは売 ってはいけないというのは基本的に、それを前提にしているのではないですか。 ○矢内原委員  憲法に従えば、公共の福祉に反するということの方が説得力があるわけでしょう。 ○加藤委員  そうですよね。 ○中谷委員長  ドイツだと受精の瞬間から人なんですよね。ところが、日本はそうではありませんか らね。 ○加藤委員  ドイツだったら人間の尊厳に反するですよね。 ○中谷委員長  そういうことです。 ○矢内原委員  それと刑罰に値するわけですね。 ○石井(美)委員  別に、受精の瞬間からでなくたって人間の尊厳には反するんですよね。人間になるも のを売るということに。 ○中谷委員長  生命として保護されるに値するのは、着床のときからではないですか。 ○矢内原委員  それが一番多いコンセンサスでしょうけれども。 ○中谷委員長  受精の瞬間ではなくて、着床のときから。 ○田中委員  これは、営利目的ではなくて、例えば胚が欲しい人がいるけれども自分の施設にはな いので、ほかの施設から無償で提供してもらう場合はいいんですか。 ○中谷委員長  それは構わないですね。 ○丸山委員  保護法益は考えていただきましょう。 ○加藤委員  もし入れるとすれば、むしろ代理母になる人や生まれてくる子どもの権利を保護する ということではないですか。倫理に反すると書くぐらいだったならば、「特に実効性の 担保が困難であるため」と書いてもいいのではないですか。 ○石井(美)委員  困難であるより実効性を確保するため。というのは変えてもいいんですが、内容の変 更に。 ○中谷委員長  実効性の確保は、ちょっと内容が変更になるかもしれないですね。 ○加藤委員  著しく倫理に反するというのが、余りにも抽象的だから、何かもうちょっと具体的に 直した方が本当はいいと思うんだけれども、この間の委員会では、そこでしかられたの ではないんですよね。括弧がついているのがおかしいということですよね。ですから、 小林さんの言うように括弧を取ればいいのではないですか。これは、内容的にはそっと しておいた方がいいのではないですか。ほおかぶりで通るということで。 ○矢内原委員  例えば、ある人がいて、この倫理性に反するということが本当の罰則規定になります かと、自分はそれは倫理に反しているとは思わないわけですから、国民の権利を侵害し ているものではない、憲法違反ですと言われないですか。実際に、代理懐胎をやろうと している人はいるわけですから。斡旋している人もいたわけでしょう。 ○丸山委員  さっきの基本的考え方の手段としてはならないというふうに我々は考えたので、我々 の考えでこれは述べました。あとはパブリックコメントで御批判くださいという。 認 めるべきであるというのも理由を示してくださればいいのではないでしょうか。 ○小林主査  事務的なことを申し上げますと、この委員会ではこの範囲のものについては、少なく とも罰則を伴う法律によって規制することが適当だという見解をいただいたということ で、上の方にも書いてあるんですけれども「最も重い規制の態様である罰則を伴う法律 によって規制する範囲については他の法律における罰則との均衡をも鑑み、立法過程に おいて更なる慎重な検討が行われることが必要と考えるが」ということで、恐らく保護 法益ということを勘案して、さっきおっしゃられた果たしてそれが憲法との兼ね合いか ら言ってどうなのかとか、他の法律とのかねあい、あるいは保護法益という観点からど うなのかということを、また更に詳細に検討していくことになると、この罰則をかける 範囲についても、若干範囲が変更したりということは当然出てくるのかなと。ただ、罰 則などもこの委員会ではこういうふうな見解をいただいたので、これをベースに決めて いくということだと思いますが。 ○石井(美)委員  それでよろしいのではないでしょうか。内容は変えられないんです。 ○矢内原委員  別に内容を変えるわけではなくて、文章は変えてもいいんでしょう。 ○石井(美)委員  先ほどの場で文章化するということになったんですよね。 ○田中委員  私は、代理懐胎を法の整備3年以内までは一応取り締まりはできないわけですよね。 だから、その間にやるという方もおられると思うんです。そのときに、唯一ここだけは 反対した理由は、著しく倫理に反するという論争をすると勝てないと思うんですよ。や はり、40週という長い何が起こるかわからないような妊娠リスクを与えるという、これ が一番大きな理由になると思うんです。著しく倫理ということでいくと、倫理に反しな いという意見も出てくると思います。夫婦の遺伝子を持った子を産むのは倫理に反しな いと。かえって、片一方をもらう方が倫理に反しているという意見も出るので、ここは 矢内原さんがおっしゃるように、一部倫理に反するというのが表に出てくると、そうい う人と法廷闘争をしたときにちょっとあれかなという気がするんですけれども。 ○加藤委員  儒教倫理とかというのはやった方がいいですよね。 ○中谷委員長  他人にリスクを与えて、その方を利用すること自体が問題になるわけですから。私 も、だから、部会でその発言をしたんですが、特別にそういう場合がどうかということ が考えられるけれども、個人の意見だということで何とかしましたが、そういう場合は 恐らく兄弟とか親とかが代わりに私のおなかを貸しましょうということがあり得るんだ ろうと思うんですよね。だから、商業主義ではなくてね。 ○矢内原委員  借り腹の話が初めて不妊学会で論じられたときに、本当にお偉い先生が、これは母親 が娘の子を生んでやるのは美談だと言っていましたね。 ○中谷委員長  そういう場合で、お金の授受や何かなしのそういうことが行われることはあり得るの だろうと思うんですよね。だけれども、やはり今のところは生殖補助医療には限界があ ると、原則的にそこまでは認められないのだということなんですね。 ○石井(美)委員  禁止の理由は、11ページの方に書いてあるので、それを踏まえた上でなおかつの理由 ですよね。 ○吉村委員  だから、著しく倫理に反するというのが、最終的に結論のように倫理に反するぐらい 刑罰が処されるということになるという感じがするので、例えば1番目の・だったら 「実効性が担保できなくなることが懸念され」というのも「懸念」という言葉がちょっ と。懸念されるぐらいで刑罰になるのかという感じもあるので、「実行できなくない。 また、人間の尊厳に反する。そして、代理懐胎の施術・施術の斡旋はお互いにリスクを 与え、人を専ら生殖の手段として扱ってはならないという基本的考え方に反する」、そ れだといいのではないですか。 ○矢内原委員  その3つにどうしても倫理性ということを入れたいから3つのことを入れておいて、 更にということで倫理という言葉を1回だけにしてほしいんです。入れたいなら。私は 取っていいと思うんだけれども。5ページのところに出ているんだから、では、最後に また1つ入れてもいいかなと思っているんだけれども。生命倫理と倫理、ちょっと心配 ですね。こういう言葉を取ってしまったら、親の部会から文句を言われますか。 ○中谷委員長  趣旨としては同じですからよろしいのではないですか。表現を変えても。別に倫理性 があるというわけではないですから。 ○吉村委員  矢内原先生が心配されているのは、例えば、私の倫理では代理懐胎は正しいんだと言 われる方が少なからずおられる。そうした場合に、倫理性に欠けますよと我々が幾ら判 断しても、私は倫理に反しないと思うと言った人に対して弱いのかなということを心配 されているのではないですか。 ○矢内原委員  要するに、こういうものになると、今度ある委員会ができて、そこの委員会からつく った倫理、考えた倫理というものを配した罰則をつくることができるということになる わけでしょう。そういうのが過去に前例があったら。今コメントいただいたことは、な おさら心配になりましたね。 ○吉村委員  そういう点が、倫理観というのは皆さん違って当然だと思うと。あるAさんがそれを して、代理懐胎は絶対に私の倫理観としては正しいんだと。あなた方は専ら生殖の手段 として使うと言っているけれども、私は倫理観として当然、妹が生んでくれるなんて、 こんな美談はないと言われた場合にどうかなと。 ○中谷委員長  失礼ですが、あと10分になりましたけれども、課長、何時までよろしいですか。 ○加藤委員  もうこのせりふだけだから、だれか何か見事な案を書いて直してくださいよ。私は倫 理という言葉がこんなところに出てこられても困るので。 ○中谷委員長  出てきては困る。 ○加藤委員  出てくると困る。ちょっと加藤先生、説明してくださいと言われると、これは倫理を 知らない人が書いたんだから、私は説明できませんよと。 ○母子保健課長  30分程度なら可能だとは思いますけれども。 ○中谷委員長  それでは、もうちょっと延長ということで、今日は何しろ最後ですから、仕上げなく てはいけませんので、少しスピードアップということで。 ○加藤委員  11ページなんですね。 ○中谷委員長  この代理懐胎については、非常に真剣にいろいろな意見が出て、その集約されたもの がここにありますので、これで十分ではないでしょうか。 ○石井(美)委員  私たちは倫理に反すると考えたと。 ○丸山委員  今日改めるのは先端部会で意見が出たわけでもないし、これは前回改めたわけでもな いので。 ○中谷委員長  そうですよね。 ○石井(ト)委員  御心配なさっているように、倫理というのは価値観がいろいろあって、そういう意味 ではすごく弱いということであるならば、倫理以外に、例えばさっきおっしゃった人間 の尊厳だとか、あるいは動機に反するとかそんな言葉もあろうかと思うんですけれど も。だから、加藤先生がここに倫理は入れたくないというのは、いろいろな倫理観があ るからというおそれですよね。 ○加藤委員  そうですね。それから、ともかく理由としては本文よりもわかりやすい理由でなけれ ばいけないのに、本文よりわかりにくい理由というのは余り意味がないのではないかと いうことですね。 ○石井(美)委員  人間の尊厳に反するという方がいいかもしれない。そこまで変えていいかですけれど も。 ○丸山委員  基本的原則を踏まえて、6つのうちの手段と商業主義を入れますよね。人間の尊厳を 入れますよね。安全性も入れますか。 ○吉村委員  授受の斡旋は関係ない。代理懐胎はそうですね。 ○丸山委員  そういうのを挙げますか。 ○石井(美)委員  倫理と言わず「6つの基本的考え方に矛盾する」と書けばいいのではないですか。 ○中谷委員長  それでいいのではないですか。 ○矢内原委員  「到底認めがたい」。 ○石井(美)委員  先ほど丸山先生がおっしゃったのはそういうことではないですか。吉村先生もおっし ゃったように、すべてにそう書けばいいんですね。「基本的考え方に矛盾する」。我々 の倫理はこれなんですね。 ○丸山委員  そうですね。「基本的考え方に著しく矛盾する」「著しく反する」。 ○母子保健課長  つまり、倫理という表現では抽象的過ぎるので、具体的に基本的考え方を引いて述べ る方が、この趣旨が具体的に明確になると。 ○加藤委員  何ページに記載した6つの原則に照らして、禁止されるべきものだと考えるとか、6 つの原則に著しく反するだとか、そういう言い方をした方がいいのではないでしょうか ね。 ○中谷委員長  そういうことは別に。 ○母子保健課長  特に、内容の変更ではないというふうに理解しますが、表現としてより的確に趣旨を 表すと。ただ、現在の表現は抽象的であると。 ○加藤委員  括弧を取って理由と本文とつなげた文章にした方が、わかりやすいのではないです か。3番目に特に理由がないというふうに言われることも、表現上整合性が持たれる し。 ○中谷委員長  小林さん、それでよろしゅうございますね。 ○石井(美)委員  3番目の理由をつけるとすれば、医師以外の者についても規制する必要があるから、 ここで罰則が必要であるという理由をつける。 ○加藤委員  いわゆる医師法だとか学会の内規という、いわゆる職業倫理タイプの規制が行き届か ない領域なので、罰則を科する必要があるという考え方はあると思うんです。 ○小林主査  2番目の・は、そうすると「代理懐胎のための施術・施術の斡旋は、第三者に多大な リスクを与えるなど人を専ら生殖の手段として扱ってはならないといった本専門委員会 に向ける6つの基本的な考え方に著しく反する」。 1個目の方ですけれども、こっちが先ほどちょっと吉村先生がおっしゃられた形でいき ますと「営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋は違反行為により得ることが できる利益の大きさから考え、罰則を伴う法律による規制という重い規制を課さない場 合に規制の実効性が担保することができなくなり、また、人の尊厳を守るといった本専 門委員会の」。 ○石井(美)委員  そっちを先にして「担保できなくなる」を後にした方がいいと思いますけれども。 「商業主義を廃除する等の6つの基本的考え方に反し、かつ」か「また」か。 ○母子保健課長  6つのと言わないとまずいでしょうか。 ○石井(美)委員  言わなくてもいいです。 ○母子保健課長  「等の基本的考え方」にしていただいて、全部6つぴったりするとも限らないと思い ますので。その基本的考え方に反するということは、従来取られた倫理に反するという ことをより具体化したものだということで。 ○吉村委員 具体的に言うと、営利目的での授受は商業主義と人間の尊厳を守るということに反する んですよ。それから、代理懐胎は安全性と人を専ら生殖の手段として扱ってはならない という2つが入ると思うんですよね。もし、入れるならば、その2つを入れておけばい いのではないでしょうか。優生思想は関係ないだろうし。 ○丸山委員  あえて言えば、商業主義と人間の尊厳も代理懐胎に入ると。 ○吉村委員  そうですね。 ○中谷委員長  基本的な考え方と言えばいいのではないですか。 ○加藤委員  普通、優生主義と斡旋とかなり結び付いていて、インターネットなどで見ると、優秀 な精子だとかそういうのをあげますというのだから、商業主義と優生主義の要望とは非 常に強く結び付いているんですよね。 ○吉村委員  そうですね。 3番目は、何の理由に反するんですか。秘密を漏洩することは。医師法ですか。 ○矢内原委員  それから、もしかしたら子の福祉にも。 ○中谷委員長  人のプライバシーの侵害にもなりますから。 ○吉村委員  そうですね。 ○小林主査  済みません、もう一回1つ目と2つ目を確認させていただいていいですか。1個目が 「授受の斡旋は商業主義を廃除するなど本専門委員会の基本的考え方に著しく反する。 また、違反行為により得ることができる利益の大きさ考え、罰則を伴う法律による規制 という重い規制を課さない場合に規制の実効性が担保できなくなる」。 ○加藤委員  大体そういうことなんですけれども、本当は斡旋の部分については代理懐胎の斡旋 と、それから営利目的の精子・卵子・胚の授受の斡旋というのを全部一括して、商業主 義と優生主義を廃除するという我々の原則に著しく反するし、なおかつ、これが医師以 外の人によって行われる可能性が高いために、実効性を担保する上で罰則が必要である と考えるというふうにした方がいいのではないかと思いますけれども。 その次に、代理懐胎のための施術というところは、また別にして、斡旋は斡旋で商業主 義と優生主義に反すると。代理懐胎の場合、第三者に対する多大なリスクを与える可能 性があるのでという趣旨。 ○石井(美)委員  そこまで変えてよろしいのでしたら。 ○加藤委員  斡旋の部と実行の部と分けた方がすっきりするでしょう。 ○石井(美)委員  すっきりはするけれども、説明として。説明の方は変えてもいいんですか。 ○吉村委員  説明を変えろと言われたんですから、いいのではないですか。 ○石井(美)委員  そうですね、ここは変えなさいと言われたんだから大丈夫ですね。 では、もう一度ちゃんと小林さんが書けるように。 ○加藤委員  「営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋及び代理懐胎のための施術・施術 の斡旋は、商業主義を廃し優生主義を廃するという本委員会の趣旨に著しくもとるもの であり、なおかつ、それが医師以外の人によって行われる可能性が高いことから、実効 性を担保する上で処罰が必要であると判断した」、そんなことですが。 ○小林主査  済みません。 ○加藤委員  大丈夫です、大体そんなところで。 ○小林主査  今日が最後ですので、できれば。 ○吉村委員  先生、もう一度ゆっくり読んでいただけますか。 ○加藤委員  まず、その主語はいいですよね。「営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋 及び代理懐胎のための施術の斡旋は、優生主義を廃し商業主義を廃するという本委員会 の原則に著しく反し」。「考え方」でもいいですけれども。 ○小林主査  「商業主義を廃し優生主義を排する」ですか。「排するという本委員会の基本的考え 方に反し」。 ○加藤委員  「なおかつ、医師以外の人々によって行われる可能性が高いことから」。 ○中谷委員長  「よっても」の方がいいですね。「医師以外の人によっても」。 ○加藤委員  そうですね。 ○小林主査  「医師以外の人によっても行われる可能性が高いことから」。 ○加藤委員  「実効性を担保するために罰則が必要であると本委員会は判断した」と。 ○小林主査  済みません、もう一回読みます。「営利目的での精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋 及び代理懐胎のための施術の斡旋は、商業主義を廃除し優生主義を廃除するという本専 門委員会の基本的考え方に反し、なおかつ」。 ○加藤委員  「著しく反し」にした方がいいのではないですか。 ○小林主査  「著しく反し、なおかつ、医師以外の人々によっても行われる可能性が高いことか ら、実効性を担保するために罰則が必要と本専門委員会は判断した」。 ○加藤委員  代理懐胎のところも大体似たような趣旨なんですけれども、「生まれてくる子の福祉 を優先する及び人を専ら生殖の手段として扱ってはならないという本委員会の原則に著 しく反することから、これについても罰則を必要とすると本委員会は判断した」と。 ○小林主査  「代理懐胎のための施術については」ですか。「代理懐胎の施術は」。 ○加藤委員  斡旋はもう上にまとめてしまったので。 ○小林主査  「施術は、生まれてくる子の福祉を優先する及び人を専ら生殖の手段として扱っては ならないという本委員会の基本的考え方に」。 ○加藤委員  これもやはり「著しく反する」でいいのではないでしょうか。 ○吉村委員  そうですね。 ○小林主査  「著しく反することから、罰則が必要と」。では、2つ目をもう一度読みます。「代 理懐胎のための施術は、生まれてくる子の福祉を優先する及び人を専ら生殖の手段とし て扱ってはならないという本専門委員会の基本的考え方に著しく反することから、罰則 が必要と本専門員会は判断した」。これは、・で2つ今と同じような形で。わかりまし た。 ○加藤委員  3番目も理由をもうちょっと足せば、一般的な意味で守秘義務が必要だというだけで はなくて、生殖補助医療では特別に守秘義務が厳重に課されなければならないからとい う理由を入れてもいいのではないかと思いますけれども。 ○中谷委員長  そうですね。 ○小林主査  もし、入れるのであれば。 ○吉村委員  生まれてくる子の福祉を優先するという。 ○石井(美)委員  原則と、そして、医師以外の者による漏洩について処罰する必要性があるという。 ○小林主査  そうすると、今のところは「提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に関する 職務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩することは、生まれてくる子の福祉を優 先するという本専門委員会の基本的考え方に反し、また、医師以外の者も罰する必要が あることから罰則が必要と本専門委員会は判断した」。 ○中谷委員長  生殖補助医療が、特に人のプライバシーにかかわる情報に接することが多いというよ うなことも入れた方がいいかもしれませんね。  よろしいでしょうか。続いて。 ○小林主査  今の委員長の御発言された趣旨のことを、もし、入れた方がよければ。 ○加藤委員  生殖補助医療は、特にプライバシーの保護に留意しなければならないという観点から ですかね。 ○中谷委員長  そうですね。そうすると簡単でいいですね。 ○母子保健課長  最後の全部に専門委員会はあれしたというのは、上の○の大きいところに足してあり ますので、「こと」か何かで止めてもよろしいですね。そこのところは一応一緒にそろ えましたから、同じようにそろえて最後文章を合わすという形にさせていただきます。 ○小林主査  今のものなんですが、どこに入れるかというのがあると思うんですけれども。 ○加藤委員  第3項の一番最初に「生殖補助医療は、特に人のプライバシーを重視しなければなら ないという観点から」何々はというふうにしたら、つながらないですか。 ○吉村委員  「観点から」云々「漏洩することは」につながらないですか。 ○小林主査  一番前に持ってくるということですか。「生殖補助医療は、特に人のプライバシーを 重視しなければならないという観点から、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医 療に関する職務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏洩することは、生まれてくる子 の福祉を優先するという本専門委員会の基本的考え方に反し、また、医師以外の者も罰 する必要があることから、罰則が必要と本専門委員会は判断した」。 ○母子保健課長  最後は、全部「専門委員会」とついているものを落としてしまって「ということ」で 全部止めれば。 ○加藤委員  それから、今の「から」が2度続いた場合には「観点に基づき」とか多少そういう副 詞の語尾は変えたらいいのではないですか。 ○母子保健課長  27ページの一番下の大きい○のところに結論に達したということがあるので、同じこ とを繰り返す必要はないから、最後を「こと」とか何かで3つそろえればいいかなとい う。 ○小林主査  例えば、今のところであれば「医師以外の者も罰する必要があること」で終わりにす ると。 ○母子保健課長 そういう形で3つそろえて。 ○中谷委員長  ほかに指摘されたことはなかったですよね。 ○吉村委員  あとはないと思うんですけれども。 ○中谷委員長  27ページまでで。ほかにありませんか。 ○母子保健課長  今のすぐ後の○、28ページの一番上の○になるんですが、これについて、これを取っ てしまって最後の「終わりに」に書いたらどうかという木村委員の御意見があったんで すが、それをどうされるかということが最後になろうかと思います。このままの形でよ ろしいとされるか、あるいは取って移動させるか、あるいは若干最後に何か付け加える かということもあるかと思います。必ずしも御主張がもう一歩明確でないというか、ど ういう御要望かというのがはっきりしない感じもあるんですが、基本的には9ページの 一番最後の段落のところから木村委員と石井委員の若干のやりとりがあって、10ページ の一番上の高久部会長のところまでが、この件に関して木村委員が発言された内容にな るわけであります。 ○石井(美)委員  私は、28ページは28ページの方として残しておいてもいいのではないかと思うんです けれども。 ○母子保健課長  従来のとおりでということですか。 ○石井(美)委員  「終わりに」に置くというのとちょっと趣旨が違いますよね。 ○吉村委員  具体的なガイドラインをどうするかという趣旨を「終わりに」のところに入れた方が いいのではないかという御趣旨だったと私は理解したんですけれども。 ○石井(美)委員  法律だけをつくってくれと言っているわけではないということですよね。最後のこと はね。最初に言ったことはちょっと違うと思いますけれども。2つのことをおっしゃっ たのではないかと思います。 ○吉村委員  これは、ガイドラインですか、それとも何なんですかという質問をされたんですよ ね。 ○石井(美)委員  これで行ってはいけないんだから、これはガイドラインではないんですよね。 ○母子保健課長  御趣旨がもう一歩よくわからないところがありまして。 ○加藤委員  本来、この28ページの上の・は規制方法及び条件整備についての最終コメントなんで すよね。ですから、これをどこかに動かすというのは本来の趣旨とかなり反することに なるので、動かすこと自体は適切ではないのではないかと思いますけれども。説明の文 章であるということですよね。 ○母子保健課長  そういうことでよろしければ、これはそのままということで。 ○石井(美)委員  30ページの方をよろしいでしょうか。30ページの下から2つ目の○なんですけれど も、「なお、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療については、妻が夫の書面 による同意を得て行うこととするところであるが」。 ○中谷委員長  「書面による」を入れるということですか。 ○石井(美)委員  はい。そこが1つです。 次の「仮に妻が夫の同意を得ずに」というところは、ちょっとやめていただければと思 います。「定められた手続に寄らずに行われた場合についても、子の福祉の観点から」 にしていただきたいんです。これは同意がなくてもそうしてしまいますよという趣旨で はなくて、書面による同意がなくても大丈夫なようにするという趣旨ですので。 ○加藤委員  これは、同意があってもなくてもいいというのではなくて、書面の手続があってもな くてもという趣旨だということですね。 ○石井(美)委員  というか、立証責任の転換の問題ですから、なくてもいいとは言っていないというこ とです。同意が無くてもいいとまでは言っていない。 ○中谷委員長  書面による同意と、書面がなくてもいいという。 ○石井(美)委員  というか、手続に従ってやれば、ちゃんと同意が書面で証明されるけれども、そうで ない場合においても同意というものが推定されれば、夫の子になるということの趣旨で すので。 ○丸山委員  では「あるが、」をお願いします。 ○石井(美)委員  「定められた手続に寄らずに行われた場合についても、子の福祉の観点から、当該生 殖補助医療により生まれた子の法的地位をできうる限り安定的なものとることが必要で ある」。文章として、そこはちょっとおかしいですね。 ○小林主査  「仮に妻が夫の同意を得ずに行った場合についても」というのを「定められた手続に よらずに行われた場合についても」と変えて、その上の「夫の同意を」というところの 「夫の」の後に「書面による」を入れると。 ○石井(美)委員  はい。よろしいでしょうか。 ○丸山委員  いいですか。その前のページの上から8行目、2つ目の○の「母についても、非摘 出」は「非嫡出」ですね。 そんなのばかりなんですけれども、10ページの7行目に「、」が2つあります。 ○小林主査  これは、今日配ったもので直してあります。 ○中谷委員長  ほかに御発言はおありではないでしょうか。 ○石井(ト)委員  ちょっと離れるんですけれども、質問よろしいですか。 ○中谷委員長  何が離れるんですか。案に離れるわけではないんでしょう。 ○石井(ト)委員  案に離れるのではないです。この報告書の位置付けと、それから、産婦人科学会で会 告を出しているものと、それから、あと各大学の倫理委員会が会告に反してやっていま すよね。そこの整合性はどうなるのですか。 ○矢内原委員  この間もその質問がありましたね。 ○吉村委員  ちょっと先生の質問の意味が。 ○矢内原委員  これが出れば、今度、各学会がもし違うものを出したり、少なくとも今の日産婦の会 告では全く違うわけでしょう。その辺のところの整合性と、これとの社会的な位置付け をどうするかと。 ○吉村委員  それは、語句の誤りが終わってから話した方がいいのではないですか。語句はもうい いんでしょうか。その方が順番ですね。大事なことですけれども。 ○矢内原委員  語句も意味の取り合いはもういいとして、あと、また小林さんにつくってもらってみ んなに送ってもらって、あとは事務局で。 ○吉村委員  もう送る暇はないんですよね。 ○石井(美)委員  でき上がったのはくださるんですよね。 ○吉村委員  でき上がったらホームページに乗るんでしょう。 ○小林主査  そういう予定です。 ○吉村委員  もうこれで終わり。 ○小林主査  事務局からお願いした手続としては、今日いただいた修正を事務局の方で直しまし て、委員長の確認をいただいて、その確認をもって専門委員会としては最終的な取りま とめが終わったと。あとは、記者等に発表する。それを明日かあさって、年内中にやり たいと考えておりまして、そこのところの修正がちゃんとなされているかという確認 は、委員長の方に一任していただければと考えておりますが。 ○中谷委員長  余り自信はないですけれども、御一任いただけますか。 ○吉村委員  よろしくお願いします。 ○加藤委員  今の字句の確認というのは、もう一遍文章が来て、これでいいですかという問い合わ せが来るという趣旨ですか。 ○小林主査  ちょっと時間的な余裕がないと。 ○加藤委員  時間がないので、それは省略するという趣旨ですね。 ○小林主査  はい。委員長に確認いただいて一任していただければと思います。 ○母子保健課長  修正したものをお持ちするなりして委員長に見ていただいて確認、という形にさせて いただきたいということで。 今の関係についてよろしいですか。一応、字句の修正はこれで最終版を御議論いただい たということで。今の点ですが、これは専門委員会の報告書として今の文言の修正を経 て、最終報告書になります。この最終報告書の内容については、22日の親部会の方で内 容については既に了承されております。そして、その文言の修正については、こちらに 一任をいただいているということになりますので、その「案」が取れた最終報告書が明 日には完成するということです。これをホームページに年が明けてから全文を載せるこ とになりますし、それについての一般の御意見をいただくというプロセスを取っていく ことになるだろうと思います。 これは、現段階では、厚生省の厚生科学審議会の現在の先端医療技術評価部会として専 門家に御議論をいただいた中身として、おまとめいただいたものを行政がいただいたと いうことになるわけです。これを経て、これからどういうことを行政的にやっていくべ きかを検討していくと。そして、ここで御提言された3年以内というのがございますの で、それに向けて進めていくということになります。 ただ現時点では、これはあくまでも専門委員会として、あるいは評価部会としてこうす べきだという御意見をいただいたものであって、法的拘束力は一切ないわけでありま す。自治体あるいは関係団体に配付いたしまして、ここに書かれている趣旨について御 理解願いたいということは申し上げるつもりですが、法的拘束力がありませんのでどの ような形になるかは定かではありません。ただ、厚生省のこういう審議会の御意見とし て出されたものですから、それなりに各方面で尊重していただけるのではないかなとい うふうには考えております。あとは、今、石井トク委員のおっしゃられた、これと学会 の問題あるいは個別倫理委員会との関係につきましては、このような厚生省の専門委員 会の御報告あるいは審議会の御報告をどうそれぞれの学会あるいは各大学の倫理委員会 が受け止めていただけるかというお話だろうと思います。そして、法整備ができた暁に は、今度はその法にのっとった形での規制なり何なりというものが行われていくと。あ るいは法的な一つの条件整備というものがなされていくということになるだろうと考え ております。ちょっとわかりにくいでしょうか。 ○石井(ト)委員  わかりました。 ○吉村委員 例えば、それは去年、一昨年に厚生省からエイズウイルスのことについて、精子の凍結 のことについて報告書でしたか、何書でしたか、学会にもまいりましたが、そういうよ うな感じで厚生省としては出されるのでしょうか。精液の凍結をやらなくてはいけない という書面が出たんですけれども、あれはかなり大きなインパクトを持って、我々に対 してはそれをしなければならないという規制が掛かったわけです。ああいうような感じ で報告書の通達という形でよろしいんでしょうか。 ○母子保健課長  基本的にはそういうことだと思います。ただ、恐らくエイズウイルスの場合も、それ に反したからといっての特段の罰則規定はないかと思います。行政として専門家の検討 報告を受けてそういう御連絡をさせていただいたわけですが、今回も専門家の先生方の 御意見をいただいてこういう報告書をまとめていただきましたので、この趣旨に沿った 形で関係者の方もお考えいただきたいという形の、文面はこれから考えますけれども、 御連絡をお願いすることになるのではないかなというふうに思っております。 ○石井(ト)委員  今、通達という言葉が出ましたけれども、通達といいますとかなり強制力があります ね。 ○母子保健課長  そうでもないです。持つものもありますが。法的な根拠があって、国が指導監督権限 を持つようなものについては強制力がありますが、そうでなくて、いわゆるお願いの ケースもあるし、事実関係の連絡のみのものもあろうかと思います。  繰り返しになりますが、あくまでも専門家の御意見をいただいてこういうものがまと まって、行政としてそれを尊重して、これから取り組んでいきたいということでありま すので、関係各位に置かれましてもそういう趣旨を踏まえてやっていただきたいという お願いになろうかと思います。 ○矢内原委員  クローンのときに科学技術庁の方から説明に各学会に来られたんですけれども、ああ いうこともされるのですか。 ○母子保健課長  それは、これから考えたいと思います。特に今、直ちに学会に御説明に行くというこ とは考えてございません。これからそういうことも含めて、今日でやっと最終案文がま とまりましたので、これから年が明けてからじっくり考えさせていただきたいと思って おります。 ○石井(美)委員  私の希望としましては、3年間私たちは整備の期間を設ける、その間は行わないでほ しいという希望を書いております。それをなるべく実効性を持たせられるような厚生省 からの文章等の取扱いを出していただけるようにお願いしたいと。行われてしまった場 合には、やはり法規制というのがなかなか難しくなるのではないかという気がしますの で、せっかくモラトリアムを「終わりに」で言っている趣旨を生かせるような形にして いただきたいと思います。 ○吉村委員  それから、私からもお願いがあるんですが、法整備も大変なことだと思いますし、3 年でできるかどうかそれもわかりませんが、この前の評価部会でも言われたことなんで すが、これはガイドラインなんですか、そうではないんですかという意見もあった。私 は、実際のガイドラインをつくるときには、やはりまたこれと同じぐらいの同意書をど うやって作成するかとか、そういうような難しさもあると思うんです。その辺をお役所 はなかなか難しいとは思うんですが、やはりできる限り早くそういうものを立ち上げて いただいて、法律ができてからと言わないで、同時平行は非常に難しいことかもしれま せんが、なるべく早い機会に公的審議機関で実際に行うためのガイドラインができると いうことが、やはり患者さんにとっても、我々医師にとってもいいことだと思いますの で、その辺をなるべく早い時期に立ち上げていただきたいと思います。 ○石井(美)委員  そうですね。3年後に法ができるだけではなくて環境整備ができることですね。 ○吉村委員  そういうことですね。 ○中谷委員長  なかなか難しいですけれども、それが私どもの一致した希望だと思いますので、よろ しくどうぞお願いいたします。 ○母子保健課長  では、最後に中谷委員長にお言葉をいただく前に、一言お礼を申し上げてよろしいで しょうか。 本専門委員会の最終回ということで、閉会に当たりまして一言お礼を申し上げさせてい ただきたいと思います。 本日がこの専門委員会の第29回目ということでございます。奇しくも親部会の方も29回 目ということで最終回だったようでございますが、これは全くの偶然でございます。本 当にこれだけ多くの回数の会議を重ねていただきまして、先生方に大変御熱心な御審議 をいただきましたことを心より御礼申し上げます。大変難しいテーマでありましたし、 いろいろな御見解をお持ちの先生方がお集まりの中で、様々な角度から多面的な御議論 をいただきました。その中身につきましては、この報告書に結実していると思います し、また、議事録にも残されて、多くの方々の参考に供されるというふうになっていく だろうと思います。私の方といたしましては、本日、最終報告書がまとまりましたの で、これを受けまして年が明けてから、いよいよこの報告書に盛られた方向に沿いまし て、作業を開始することになると思います。3年以内という御要望をいただいておりま すので、それに沿うべく最大限の努力をいたしてまいりたいと思います。実際の整備に 当たりましては、繰り返し申し上げておりますように立法過程でのさまざまなプロセス がございますので、これがすべて生きるかどうかということは、また今後の状況の中で 紆余曲折あろうかと思いますが、事務局といたしましてはこの趣旨が十分に生きるよう に、この報告書の内容を生かすような形でやっていきたいというふうに考えておりま す。最後になりましたが、中谷委員長、本当に長い間大変な御努力でこの委員会の座長 をお務めいただきまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。また、各委員 の先生方の御労苦にお礼を申し上げさせていただきまして、また、今後は実施に当たり まして、いろいろな形で側面からのあるいはまた直接的な御援助を多々いただくことに なろうかと思いますが、関係者の方々に対するいろいろな御説明も含めまして、是非こ の推進に当たりまして御協力をお願いいたしたいと考えております。 本当に長い間どうもありがとうございました。 ○中谷委員長  それでは、私からも一言御礼を申し上げたいと思います。 2年2か月にわたって29回の委員会を開催いたしまして、皆様方に熱心に御討議いただ きましたことに対し、まずは感謝申し上げたいと思います。こういう生命にかかわる事 項というのは、どうしてもそれぞれの基本的な考え方などが違いますので、なかなか難 しいんですね。しみじみと私は脳死臨調の最終答申を読んでいまして、あのときに答申 が一本にまとまらなかったという理由が初めてよくわかったような気がいたしました。 でも、先生方がそれぞれ御体験からあるいはお考えになられたことをできるだけ集約し てくださることに対して御協力いただきましたことに、心から御礼申し上げます。もう 少し委員長がしっかりしていれば大変よかったような気がいたしますけれども、母子保 健課といたしましても課長はお2人ですよね。それから、主査もお二方だったわけです が。非常によく私ども支えていただきまして、これも全員で御礼申し上げたいと思いま す。 今後は、この答申に従って、できるだけこの趣旨を生かしていただくことが私どもの最 高の希望でございますので、よろしくお願い申し上げます。 それから、今年の最後でございますので、どうぞ皆様御健康でよいお年をお迎えになら れますことをお祈り申し上げまして、簡単な御礼とさせていただきます。ありがとうご ざいました。(拍手) 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 椎葉(内線:7933) 小林(内線:7940)