00/12/26 平成12年度第2回ダイオキシン類健康影響評価特別部会 平成12年度第2回生活環境審議会・食品衛生調査会 ダイオキシン類健康影響評価特別部会 平成12年12月26日 厚生省生活衛生局 企画課 生活化学安全対策室 食品保健課        平成12年度第2回 生活環境審議会・食品衛生調査会          ダイオキシン類健康影響評価特別部会 議事次第                          平成12年12月26日(火)                           午後2時00分〜午後3時30分                       於:虎ノ門パストラル新館6階「橘」 1.開会 2.挨拶 3.議事 (1)ダイオキシン類に係る最近の動きと今後の進め方について (2)その他 4.閉会 ○吉田補佐  それでは、定刻になりましたので、ただいまから生活環境審議会・食品衛生調査会の 合同によります「ダイオキシン健康影響評価特別部会」を開催させていただきます。  委員の皆様には、ご多忙中のところ、お集まりいただきましてまことにありがとうご ざいます。  本日は、部会委員24名中17名出席いただきます予定で、現在、13名の出席で過半数を 超えております。したがって、部会としては成立しておりますことを申し上げます。  まず、初めに西本生活衛生局長よりごあいさつ申し上げます。 ○西本生活衛生局長  生活衛生局長の西本でございます。  委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところをご出席いただきましてまこと にありがたく存じております。また、午前中からの会議に引き続きご参加の先生方には 長時間のところ大変恐縮でございますが、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。  平成10年のWHOにおける会議におきまして、向こう5年をめどにTDIの再検討を 行うということが提案されまして、ちょうど折り返し点に近づいてきたわけでございま す。前回、9月4日に開催されました本特別部会におきまして、海外における状況等も 視野に入れつつ、我が国におけるTDIの再検討の必要性について早めにご審議を開始 していただくこととしてご了承いただいたところでございます。  その後、ワーキンググループにおきまして、アメリカ合衆国EPAの再評価ドラフト 等の新たな知見につきまして専門的な見地からのご検討を賜り、中間報告書を取りまと めていただいた次第であります。ご多忙の中、中間報告をおまとめいただきましたワー キンググループの先生方に厚くお礼を申し上げます。  本日の特別部会におきましては、このワーキンググループにおける中間報告をもとに 本特別部会として現時点におけるUS−EPAの再評価ドラフト等に関する考え方につ きましてご審議をいただきたく存じます。  委員の皆様方におかれましては、年の瀬、大変お忙しいところを恐縮でございますが、 よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。簡単でございますが、これをもって あいさつとさせていただきます。 ○吉田補佐  ありがとうございました。それでは、議事進行を座長の寺田先生、よろしくお願いい たします。 ○寺田座長  本日は年末のご多忙中のところ、集まっていただきまして大変ありがとうございます。 前回と同様に議事進行をやらせていただきたいと思います。  まず、審議に先立ちまして、資料の確認を事務局の方からお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは、配付資料の確認をさせていただきます。  まず、本日の席次表でございます。A4、横長の紙でございます。引き続きまして、 本日の議事次第でございます。次に、資料一覧ということで、これに基づきまして紹介 させていただきます。  まず、資料1は、本特別部会の委員名簿でございます。  資料2といたしまして、平成12年度第1回ダイオキシン類健康影響評価特別部会の議 事録でございます。  資料3といたしまして、US−EPAのダイオキシン類再評価ドラフト等に係る検討 結果(中間報告)でございます。  続きまして、参考資料ですが、参考資料1は、平成11年度食品からのダイオキシン一 日摂取量調査等の調査結果についてでございます。  参考資料2、平成11年度ダイオキシン類精密暴露調査の結果についてでございます。  参考資料3、血液中のダイオキシン類測定暫定マニュアルであります。  参考資料4、母乳中のダイオキシン類測定暫定マニュアルであります。  参考資料5は、これは前回もお配りいたしましたダイオキシンの耐容一日摂取量(T DI)について、平成11年6月の報告書でございます。  配付資料は以上ですが、もし不備等ございましたら挙手をお願いいたします。よろし いでしょうか。  それでは、お願いいたします。 ○寺田座長  それでは、議事に入ります。  資料2として、9月4日に開催された「平成12年度第1回ダイオキシン類健康影響評 価特別部会の議事録」が提出されております。これにつきましては、既に各委員の了解 を得たものであり、厚生省ホームページにおいて既に公開されているものです。後ほど ご確認のほどをお願いいたします。  続きまして、本日の議題であります「ダイオキシン類に係る最近の動きと今後の進め 方について」に移ります。  前回の部会においては、我が国におけるTDIの再検討に当たっては、ダイオキシン 類の健康影響に関する最近の注目すべき事柄についてできる限りの情報を入手し、ワー キンググループによる検討を中心に専門的な見地より審議を行うこととされました。  これを受けて、ダイオキシン類のリスク再評価に係る現時点において入手可能な知見 として、US−EPAにおけるダイオキシン類リスク再評価ドラフト等について、寺尾 委員を座長とするワーキンググループにおいて、専門的な見地から検討していただきま した。本日、その検討結果として、資料3の中間報告が提出されております。  本日の審議におきましては、この中間報告をもとに議論を行った上で、本特別部会の 現時点における結論として、中間報告をまとめる形で進めたいと考えております。まず、 事務局から中間報告の構成、内容につきまして説明を受けた後、寺尾座長をはじめ執筆 をご担当された委員からの説明をお願いしたいと思います。  まず、事務局からお願いいたします。 ○事務局  それでは、資料3『US−EPAのダイオキシン類再評価ドラフト等に係る検討結果 (中間報告)』に基づきまして、ご説明させていただきます。  説明の前に、ワーキンググループの先生方であられる寺尾委員はじめ江馬委員、大野 委員、黒川委員、廣瀬委員、安田委員におかれましては、お忙しい中、ワーキンググル ープ報告としてこの中間報告をお取りまとめいただいたことに感謝申し上げます。  まず、資料の構成でございます。1ページ目に「1 はじめに」という形で、先ほど 寺田部会長からもご指摘がありました、今までの経緯が入ってございます。  1枚めくっていただきまして、2ページ目から「US−EPAにおけるダイオキシン 類リスク再評価ドラフトの要点等について」という形で、各項目ごとにUS−EPAの 内容についてワーキンググループの中で議論を行っていただき、取りまとめた結果が記 載されてございます。  ちょっと飛びますが、最終の6ページでございますが、「3 今後の我が国における TDIの再評価について」ということで、議論をいろいろいただいた結果をもって、ま とめとしての項を設けてございます。  続きまして、委員名簿等がございまして、もう一枚めくっていただきますと、ちょっ と見づらくて恐縮でございますが、右肩に(別添)という形で「Information Sheet 1  ダイオキシン再評価−要旨−」が3枚、日本語のものがございます。  その次に、EPAの原文、「Information Sheet 1」が表裏2枚でございます。  その次には、今度は「Information Sheet 2 再評価(2000)(案)の科学的ハイラ イト」ということで、これの訳文がその後ろに9ページほどございまして、その後ろに EPAが出しております「Information Sheet 2」ということで原文の方をつけさせて いただいているという構成になってございます。  この後ろの「Information Sheet 」及びこの「仮訳」につきましては、前回、9月4 日の本特別部会におきまして資料として提出させていただいたものを、誤字等、事務局 において至らない部分をリバイスして、ここに別添としてつけたものでございます。  それでは、資料の説明でございますが、そういった経緯もございますので、最初の6 ページについてご説明させていただきます。  「はじめに」にお戻りください。  この「はじめに」におきましては、平成11年6月におまとめいただきましたTDIの 報告書があるという前提のもと、今回、TDIにおいてダイオキシン類に関する既存の 主要な科学的知見をもとに算出された当面のものであるということ、またWHOの専門 家会合報告書(平成10年)においても、5年後程度を目途に再検討することなどとなっ てございまして、この11年6月の報告において、今後の調査研究の進展やWHOの検討 状況を踏まえながら、改めて検討していくことが適当とされております。  また、米国環境保護庁におきましても、ダイオキシン類のリスクの再評価が進められ ていること、さらに「ダイオキシン2000」などの国際学会においても新たな知見が発表 されていること等、現在の状況を述べた上で、「今般、我が国におけるTDIの再検討 に当たっての知見といたしまして、US−EPA等の資料をもとに、現時点で可能な範 囲で専門的見地から検討を加え、次のとおり結論を得たので報告する」と、今までの検 討の流れをご説明しているところでございます。  続きまして、2ページの「US−EPAにおけるダイオキシン類リスク再評価ドラフ トの要点等について」の説明に入らせていただきます。  まず、2の冒頭でございますが、今回、検討を行ったUS−EPAのダイオキシン類 リスク再評価に係る報告書は、ドラフト段階のものでございまして、来年、正式な報告 書として取りまとめが行われるということを記載させていただいておりまして、以下に 記載する内容については、現時点で可能な範囲で、要点等を取りまとめたという留保を つけてございます。よって、このワーキンググループの報告も中間報告という形でおま とめいただいているところでございます。  それでは、個別の内容につきまして、手短にご説明いたします。  「(1)ダイオキシン類」といたしまして、ここはダイオキシンの定義を述べている ところでございます。EPAの報告書の中では、PCDD、PCDFのほかに臭素系ダ イオキシンとしてのPBDD、PBDF、あとPCBでございまして、日本のものより も幅広にダイオキシン類というものをとらえているということになっております。  ダイオキシンの中では、2,3,7,8 −Tetrachlorodibenzo-p-dioxinが最も注目されてい るということで、ダイオキシン類のうちすべての化合物が同じような毒性を有している わけいではないと。2,3,7,8-TCDDなどの代表的な化合物の毒性については、多くの 毒性研究があるが、すべての化合物について毒性データは十分ではない。特に、臭素系 ダイオキシン類についての毒性情報は少ないとされてございます。  このように、ダイオキシン様化合物は非常に多いのでございますが、「ヒトや動物体 内での蓄積データから、環境中のダイオキシン類については20種類前後のものに絞って 評価すれば十分である」と結論づけられております。  注1のところでございますが、US−EPAの再評価ドラフトにおきましては、臭素 系ダイオキシンも含んだ形で広義の定義がなされております。我が国のダイオキシン類 の定義は、平成11年に制定されました「ダイオキシン類対策特別措置法」におきまして、 PCDDとPCDFとコプラナーPCBという定義がなされてございます。 また、「ダイオキシン類対策特別措置法」の附則におきまして、臭素系ダイオキシンの ヒトの健康影響についても調査研究を推進すべきとされております。なお、今回、検討を 行いましたUS−EPAのドラフトにおいては、臭素系ダイオキシン類等のリスク評価 に係る新たな知見は得られていないということを注で示させていただいてございます。  注2につきましては、US−EPAのドラフトということもございまして、英文のダ イオキシンの訳でございますけれども、さまざまな形のものが出てございますので、こ の報告書の中では英名と訳語の対象をこのようにとっているというのを参考に載せてご ざいます。  続きまして、3ページでございますが、「(2)毒性等価係数」といたしまして、こ れは2,3,7,8-TCDDの毒性を“1”といたしまして、その他のダイオキシン類の毒性 の強さ、すなわちTEF、毒性等量係数を定めまして暴露されたダイオキシン類の量を 2,3,7,8-TCDD毒性等量(TEQ)に換算して評価することが普通だということでご ざいます。  TEFは、これまでに3種類が示されてございますが、1998年にWHOが示したTE Fが現在算定に用いられているということが述べられてございます。  続いて「(3)暴露評価指標」でございますが、EPAは暴露評価の指標といたしま して、投与量、AUC、血漿(又は組織)中濃度、定常状態における体内負荷量及び作 用機序に基づく用量指標がこれまでに提案されているということで、それぞれ利点・欠 点の方を述べてございます。  2段落目の真ん中でございますが、「体内負荷量又は血中濃度が組織中濃度に対応す るものであり、現時点ではダイオキシン類による暴露の比較をヒトと動物などの種間で 行い、リスクアセスメントを行うのに最も適切な指標と考えられている」という旨、述 べられてございます。  続いて、「(4)ヒトや動物における発がん性」でございます。「これまでUS−E PAで行ってきた職業的コホート研究など疫学的研究によれば、ある不確実性は残るも ののダイオキシン類の暴露とがんによる死亡率の増加には相関がある」とされてござい ます。  また、高レベルのPCDF、PCBに暴露されたカネミ油症でも肺がん、肝がんの増 加が認められている。またセベソにおける高濃度ダイオキシン暴露事故でもがん死の増 加が示唆されているが、確定的な証拠はまだ得られていないとされてございます。  限られた疫学データから2,3,7,8-TCDD及びその他のダイオキシンは、ある不確実 性は残るものの、高濃度で暴露されたヒト、特に男性にとっては多臓器発がん物質であ るとされております。「しかし、限られた疫学的データの中から、この結論をさらに確 実にするためには、将来にわたり、より長期的な観察及び適切な暴露評価の研究が必要 である」とされております。  4ページの2行目でございますが、「実験的には、2,3,7,8-TCDDはラット及びマ ウスに対して非遺伝毒性発がん物質である」ということが述べられてございます。報告 書においては「このような根拠から2,3,7,8-TCDDは、明らかにhuman carcinogenと 分類できる、これはIARC(国際がん研究機関)における結論と同様」とされてござ います。ダイオキシン類の混合物やその他のダイオキシン様化合物は、これまでのデー タからlikely human carcinogen に分類できるとされております。  「暴露量と発がんリスクに用量相関関係を示した研究は幾つか見られるが、疫学的 データ、特に職業性暴露量以下の研究では、用量相関曲線については明確なことは言え ない」とされてございます。  現在、報告書においては「US−EPAは発がん性上限リスク値を疫学的及び発がん 性試験データから計算して、1×10-3 per pg-TEQ/kg/day を発がん上限値と用い ることを勧めている」とされております。  ダイオキシン類の場合のように、作用発現用量とバックグラウンドのレベルが近い場 合、US−EPAは非発がん性影響評価にはDeviation of a Reference Dose ではなく、 Margin of Exposureを用いることを推奨してございます。  なお、ATSDR──これはアメリカのAgency for Toxic Substances and Disease Registryの略でございますが、ここはダイオキシン類の最小リスクレベルを1.0pg-TE Q/kg/day に設定していますが、「がん以外の指標を用いたこの方法の妥当性には疑 問がある」としております。  また、「WHOが設定しております耐容一日摂取量(TDI,1〜4 pg-TEQ/kg /day )はリスクマネジメントの目的には妥当な数字である」としております。  「(5)毒性メカニズム」についてでございますが、これも従前から言われているこ とではございますが、「ダイオキシン類はアリール炭化水素受容体(Ahレセプター) を介して生じるものと考えられる」としております。  4ページ一番下でございますが、このAhレセプターやArntには種差、系統差がある ことは動物では知られてございましたが、最近、ヒトでもこれら蛋白の多型が報告され ているということで、これらの多型がヒトの感受性にどの程度の幅をもたらすかは今後 の研究課題であるとされております。  続きまして、5ページ、「(6)暴露について」でございます。アメリカにおける話 ですが、アメリカの成人の一日当たりのPCDD/PCDFとダイオキシン様PCBの 摂取量は、それぞれ41また24 pg-TEQ/day であり、総摂取量は65 pg-TEQ/day となりまして、アメリカ人の平均体重を65キロと計算いたしますと、バックグラウンド レベルの暴露レベルは1 pg-TEQ/kg/day となります。  また、成人血中濃度から定常状態の薬物動態モデルを用いて推定される一日当たりの 摂取量は1463 pg-TEQ/day とされてございまして、差があるわけでございますが、 これは過去の暴露値は現在より高かったと思われることを考慮せずに、単純にモデルを 当てはめたことから、こういうことが起こることは予想されていると考えられてござい ます。  また、暴露値の個人差は、高いもので平均値で3倍程度、主として食生活の差とされ ております。  報告書の「(7)小児への毒性影響」でございます。バックグラウンドレベルの暴露 量において、精神行動をはじめ、いろいろな影響が疫学的に報告されてございますが、 いずれも確定的ではないとされております。「母乳栄養児の甲状腺機能異常の報告が多 くなされているが、成長とともにどのような影響が生じるかについては、長期観察の データが必要である」ということで、データがあまりないという報告になってございま す。  また、「動物実験では、2,3,7,8-TCDDの妊娠中あるいは授乳期の単回投与実験が 行われており、多くの場合、生殖器の発達をはじめ明らかな影響が認められている。さ らに、小児期における暴露と発がんの関係は、疫学的も実験的にも明らかではない。」 とされており、「一時的な高濃度暴露よりは体内負荷量の方が問題であり、小児期より 成人後の暴露の方が問題である」とされています。  続きまして、「(8)母乳栄養児におけるダイオキシン量」でございます。「母乳栄 養児は人工栄養児に比べて明らかにダイオキシン量が高い」とされております。また、 「母乳栄養児の年間ダイオキシン平均摂取量は成人の摂取量よりも明らかに高い」とさ れていますが、「乳児の急速な体重増加及び脂肪の増加、又は母乳中のダイオキシンの 経時的減少により、体内負荷量は決して大きな差を生じない」と結論しております。  「母乳栄養児は人工栄養児に比べて、発育に必要な一時期、高いレベルのダイオキシ ン類を摂取するが、母乳栄養の利点はWHO、米国小児アカデミーなどで認められてい る」とされております。  6ページ目、最後のまとめでございますが、ここは「まとめ」でございますので、事 務局で読み上げさせていただきます。  「3 今後の我が国におけるTDIの再評価について  現時点において、我が国におけるTDIの早急な再検討の必要性を示唆する知見は、 US−EPAの再評価ドラフト等からは得られなかった。しかしながら、今後、US− EPAの再評価の最終報告書やWHO欧州地域事務局におけるTDIの再評価作業など の進捗状況を勘案しつつ、我が国におけるTDIの再評価の必要性について今後とも引 き続き検討する必要がある。  なお、今後、我が国におけるTDIの再評価の必要性に係る検討に際して、留意すべ きと考えられる点は、ヒトの感受性の個体差である。すなわち、マウスではダイオキシ ン感受性に大きな系統差があることが知られており、ヒトでも同様の幅広い個体差があ るとなれば、不確実係数が10でよいのかが問題となる。なお、現時点ではヒトの感受性 に10倍以上の個体差があることは確認されていない。  また、本年8月13〜17日に米国カリフォルニア州モントレーで開催された「第20回ハ ロゲン化環境有機汚染物質及び残留性有機汚染物質に関する国際会議(ダイオキシン 2000)」においては、TDIに関係する幾つかの発表があったところである。  そのうち主要なものとしては、WHO欧州事務局におけるダイオキシンの健康影響評 価専門家会議(1998)に関するノルディック会議の報告として、TDIの再検討につい て、1999年12月15〜16日に開催された専門家会議では、現行のノルディック諸国のTD I5pg/kgは妥当なものとして推奨されたとの発表、同族体特異的バイオアベイラビリ ティー係数を用いてのヒトのダイオキシン同族体プロフィールの確認についての発表、 ヒトのAhRレセプターの塩基配列多型に関する発表などがあげられる。  今後とも国際会議や公表論文等を通じ、最新の知見を収集、検討することが重要と考 えられる。  さらに、PCDD及びPCDFに比較して、科学的知見の集積が少ないコプラナーP CBや臭素系ダイオキシンに関しての調査研究を推進するとともに、これらの結果につ いては上述の国際的なダイオキシン類の評価に資するものとするなど、我が国のダイオ キシンのリスク再評価にかかる国際的な貢献を推進する必要がある。」  と締めくくってございます。以上でございます。 ○寺田座長  どうもありがとうございました。  ただいまの事務局の説明のほかに、議論におけるトピックとして、ワーキンググルー プの委員の方から何かご発言ございますか。 ○寺尾委員  これは、私が発言するより、むしろ安田先生にコメントをいただいた方がいいかと思 いますけれども、今、この報告書にもありますけれども、AhRレセプターの遺伝子多 型というのが大分明らかになってきて、この遺伝子多型が毒性にどういう影響があるか ということはこれからの問題なのですが、もしかしたら不確実係数10というのが、それ を変える必要が出てくる可能性もあるということだろうと思います。  現時点では、「10というのが適当ではない」というようなデータはないんですけれど も、そこのところをこれから十分に注意していく必要があるのではないかと思います。  それから、この6ページの一番最後に書いてありますように、まだ非常にたくさん化 合物があるわけで、臭素系の化合物の毒性についてはほとんど手つかずの状態にあると いうことでありますので、これのところを今後やっていかなくてはいけないのではない かと私は思っております。 ○寺田座長  どうもありがとうございました。  どなたか、ほかにございますか。 ○黒川委員  私からEPAのこれまでの発がん性物質に対する方法論的なことをちょっと申し上げ たいのですが、ご存じのように、human carcinogenというふうな証拠があった場合には、 EPAはこれまで変異原性のあるなしにかかわらず、閾値がないということで、Virtually Safe Dose (VSD)という方法をアプライしてきたわけで、それが10-6のリスク、な いしは10-5のリスク、大体は5乗でやっていたようですけれども、そういうアプローチ を今回EPAはダイオキシンをhuman carcinogenということを打ち出してきたので、そ ういうことをするのかと思ったのですけれども、結局はそういうアプローチをしないで、 10-3 pg-TEQ/kg/day という数字を疫学から持ってきたということです。  その代わりといいますか、今度はTDIに似たようなReference Dose、これはあまりよ くないということ、それから非発がん性影響ということに関しては、Margin of Exposure を用いるのがいいと。これは非常にユニークといいますか、申し上げておきたいことだ と思います。  それで、WHOがPCSで提案したTDIはリスクマネジメントに使えるであろうと いうことのコメントも大きいことかと思います。  それから、これは後からご説明があるのかもしれませんけれども、別添、インフォ メーションシートの訳の3ページの上の方ですと、リスクに関することが非常に簡単に 書いてあって、よくお読みいただきたいところでありますし、インフォメーションシー トの2の方の9ページ、これが一番重要なところだと私は思ったのですが、ダイオキシ ンのリスクといいますか、疾病に関するデータは、これまで職業暴露といいますか、あ とはアクシデンタル的な事故的な暴露、それからはかなり明らかに因果関係がわかって おるのですが、いわゆるバックグラウンドレベルのエクスポージャーといいますか、こ こでは一般的な人々の間で、真ん中ごろにちょっと書いてありますけれども、「ダイオ キシン様化合物に起因する一般的な人々の間での疾病の増加を明らかに示唆するもので はない」ということで、普通の生活をしていて、ダイオキシンの影響があらわれていな いということを言いつつ、一方ではそれはその下にありますように、それで満足しては いけないというか、現在のデータ及び科学的手法がまだ不十分であるというような結論 になっている。確かにそういう状態ではないかと思いますし、これがEPAの一番言い たかったことかなというふうに感じておりました。以上です。 ○寺田座長  どうもありがとうございました。  ほかに、どなたか。  それでは、ただいまワーキンググループの中間発表に関して説明を受けましたが、他 の委員の方で、そのことに関しまして何かございますでしょうか。 ○宮田委員  ここで臭素系のダイオキシン類が出てくるのですが、POPsの中にも臭素系のダイオキ シンという表現があるのです。全部が臭素がついているものと全部が塩素がついている、 そういうような化合物を記載されているんですけれども、合成という反応論からいいま すと、むしろ臭素と塩素のついているものが、かなり濃度的には多く出てくるような気 がします。毒性的にも臭素と塩素が混ざっているものが同じような評価をされることも ありまして、むしろ臭素化塩素化ダイオキシンといいますか、こういうものはPOPsの中 にも入っていないのですけれども、焼却場で臭素系のダイオキシンが出るとしましたら、 圧倒的に臭素化塩素化ダイオキシンの方が濃度が高いのではないかというようなことが 考えられます。最後のところで、臭素系というところももちろん大事だと思うのですが、 むしろ臭素化塩素化ダイオキシン類、こういうものも焦点に入れるようなことも必要か なというように思います。 ○寺田座長  ありがとうございました。  2ページのところにある総称のところで、PCDFとかPBDFではなくて、PCB DFとか、こうなるんですかね。そういう言葉があるのですか。ダイオキシン類の総称 ですね。 ○宮田委員  臭素系のダイオキシンの中でも、ポリクロロポリブロモダイオキシン類というような 表現が出てきて、そういう分析をどうしようかというところもあるのですが、塩素と臭 素、そういうものでも異性体の組み合わせになりますと非常に多数あります。恐らく臭 素系の難燃剤が燃やされているところでしたら、臭素と塩素の混じったものは、量とし ては非常に多いのではないかなと。そういうことで、ここでは臭素系のダイオキシン類、 塩素系のダイオキシンとなっていますけれども、これから実態が明らかになってくると 思いますけれども、可能性としてはそういうものの方が量的には多いのではないかとい うような意味です。 ○寺田座長  ありがとうございました。どうぞ。 ○大井委員  EPAの検討会では、胎生期暴露については何かディスカッションみたいなものをさ れたのでしょうか、もし情報を持っておられたら。 ○寺尾委員  分担してやりましたので……。 ○江馬委員  私の分担のところにはあまり出てこなかったのですが、胎生期暴露のことについては EPAの文書にはほとんどといいますか、あまり記載はなかったように思います。がん のことが多かったように思います。 ○寺田座長  これはEPAの報告をもとにしてワーキンググループで中間報告を出したものと了解 しています。ワーキンググループの中では、形態あるいはそういうことに関してのダイ オキシンの影響とかいうことはあまり話はなかったですか。 ○寺尾委員  そういう議論はなかったですね。 ○寺田座長  ほかにどなたかございますでしょうか。  非常に細かいことですが、EPAのインフォメーションシートの訳ですね。どこかの 最初のところに、「米国のEPAのインフォメーションシートの訳」とかちょっと書い ておかないと、日本語だけの場合、どこのインフォメーションシートだか訳がわからな くなってしまうような感じがしました。 ○事務局  わかりました。 ○寺田座長  ほかに何かありますか。 ○寺尾委員  このEPAの報告書を読んでいますと、中間報告書の1というところに、こういう言 葉はこういうふうに訳したという注がございますけれども、非常に言葉がたくさんある んですね。dioxinからdioxins 、dioxin-like 、and related compounds とかいろいろ ありまして、これを読んでいて非常に読みにくいというか、この言葉の定義といいまし ょうか、正確な意味がなかなかつかみにくいことがありまして、EPAのあれはそれで いいのですけれども、これから日本もいろいろなことをやっていくときに、研究者がま ちまちの言葉を使いますと非常に混乱する可能性があるのですね。できたら、早い時期 に言葉を統一して、研究者みんなその言葉に従って言葉を選択するようにしないと、ち ょっと混乱を来すのではないか、そういうことを感じました。 ○寺田座長  dioxinとかdioxins とか、英語の方のディフィニションはしっかりしているわけです か。 ○寺尾委員  わからないところもあるんです。日本の言葉と違うんですね。説明していただけます か。 ○事務局  ドラフトということもございまして、段落の最初の方では単なるdioxinと書いていた ものが、終わりの方になるといきなりdioxinsになってみたり、また最初はdioxinだけで 話が進んでいたものが、いつの間にかdioxins and related compounds になったり、こ れが議論の過程の中で、何を意図して、どの言葉をチョイスしているところの解析まで は、申しわけございません、事務局では解析がそこまで至らなかったのでございますが、 見たところ、dioxin-like とand related compounds の明確な使い分けがあるかという と、さほどなくて、例えば2,3,7,8-TCDDを含めた本当のPCDFとPCDD、これら をdioxins というところはわかるのですか、非常にダイオキシンの定義を広くとらまえ てございますので、そのときにdioxin-like とかand related compounds をdioxins の 後にくっつけて使うというような形での使い方をEPAの報告書の中ではしていると。 これは私の個人的なものも入っているのでありますが、そのように感じたところでござ います。厳密な使い分けはドラフトなので、できていないと思われます。 ○寺田座長  EPAもそうでしょうけれども、例えばIARCのオレンジブックにダイオキシン類 を扱ったものがありますね。あの中の定義とか、あれはちゃんとできあがった本ですか ら、あの中はどうなっているんですか。それも調べられては如何ですか。それから、日 本語の対応と2つありますね。英語のディフィニションが本当に決まっているのか、決 まったら、それに対してきちんとしたものを日本の中で使ってもらうようにすべきです。 何かほかにございますでしょうか。大変大事な問題であります。  はい、どうぞ。 ○眞柄委員  先ほど黒川先生がおっしゃられたことで、発がんのリスクの増加が10-2から10-3にな ると。それがかつてよりワンオーダー確かに高くなっているのですが、このことについ てEPA自体はどう評価しているのか、そういうところはございましたでしょうか。10 -2、10-3というのは、今までのEPAの考え方から言うと、明らかにアクセプトされな い数値のレベルなのですが、いかがなものでしょうか。 ○黒川委員  それはインフォメーションシートの8ページにちょっと書いてあるのですけれども、 そういうことで今日は昌先生においで願って、私よりも本当のご専門ですのでちょっと 解説をと思って。 ○渡邊委員  これは多分、EPA自体のリスク評価で歴史的ないきさつがありまして、一番最初に 化学発がん物質の規制を出したときに、ノースレショールドモード、つまり閾値がない モデルで、それで10-6を規制値にしようと。つまり、100 万人当たり1人のがんがその 物質によって生じていれば、それは規制対象としようという考えだったと思います。  ところが、100 万当たり1人のがんというのは非常にナンセンスということでありま して、例えば日本人で胃がんが10万人も出ているときに、その1人が何かによってでき た、それでも10-5になるわけですね。ですから、10万人当たり1人がその物質でできた というのは、ちょっと現実味がないのではないかという批判があちらこちらから出まし た。それで、EPA自体が最近では10-6から10-5にするとか、いろいろなバックグラウ ンドがありました。  ダイオキシンに関しましては、オーバーオールのリスクが1.4 倍というふうにIRC で出ておりまして、しかもマルチオーガンでイニシエーターとしてよりはむしろプロ モーター的ではないかというような意見があります。  実際、どれくらい出ればいいのかということで、発生の傾きを考慮していこうという ことで、つまり高暴露した人の発がん率を外側まで外挿できるかどうかという問題等を 考慮したのだと思いますが、何はともあれ、1,000 人に1人とか、100 人に1人くらい の発がんというのが実際的な感覚に近い評価ではないかということを恐らくディスカッ ションがあって、そうしたのではないかと思っております。 ○寺田座長  それから、先ほどご質問があった胎児は別にしまして、発育過程にちょっと触れられ ましたけれども、それに関して特別なメンションですか、EPAとかあるいはほかの機 関でも、それに対して特別何か考えなければいけないという、そういう話はあまりなか ったですか。 ○渡邊委員  胎児の暴露に関する報告は台湾油症の後の追跡調査がかなり報告があります。知能が 少し落ちるとか、いろいろな報告がありますが、あの場合も相当高濃度暴露でありまし て、通常のバックグラウンドレベルの話ではありませんから、そこはちょっと区別して 考える必要があると思います。 ○寺田座長  また議論が出てくるのでしょうけれども、ダイオキシンが免疫系に関係あるとか、脳 の発達に関係あるという、まずブラッドブレインバリアーをとるのか、免疫系というの はどの種類の細胞に効くのかという、そういう話は進んでいるのですか。 ○渡邊委員  動物実験では、胸腺が著明な萎縮を来して免疫が落ちるということがはっきりしてお りまして、ヒトでもTリンパ球系ではないかということになっております。 ○寺田座長  ベトナムの話とか、イタリーの工場の爆発した、ああいう方にはリンパ系あるいは免 疫系の異常があるわけですか。 ○渡邊委員  実は、免疫系は私の知る限りでは調べられておりません。ミズーリの湖畔に農薬の残 りをまいた後の住民とか、そのあたりは免疫系が少し調べられておりまして、NKが落 ちるとか、さまざまなデータで、一定の傾向はないようです。 ○寺田座長  何かほかにございませんでしたら、これまでの意見を踏まえまして、おおむねこの中 間報告の内容についてご理解がいただけたものと考えます。したがって、このワーキン ググループの中間報告をもとにしまして、本特別部会の中間報告をまとめていく。EP Aに引っ張られているところがあるかもしれませんが、それはできるだけ直して、日本 の魚をたくさん食べる文化とかいろいろございますから、そういうことも考慮に入れな がら、中間報告をまとめていくということでよろしゅうございましょうか。 ○大井委員  これは寺尾先生が先ほどおっしゃったことと関連するわけですが、用語を統一する必 要というのは、実際的に環境中においてどのような種類のダイオキシン類がある地域に おいて濃厚に汚染されているか、あるいはされていないかということにかかわってくる と思うのですが、20種類くらい調べれば、それで実用的な意味においては適当なのでは ないかという場合には、世界のいろいろな地域における汚染の違いをある程度考えない といけないのではないか。例えば、私たちは魚食をやりますし、向こうは肉食である、 そのときに汚染のパターンは違っているという可能性はいかがなのでしょうか。 ○大野委員  それに関して、TEFの決定に関する議論がEPAでいろいろ載っているのですか、 その場でいろいろ書いてありまして、いろいろなところで──ヨーロッパとかアメリカ 中心ですが、食物中の蓄積、ヒトへの蓄積、両方を見て、20種類のダイオキシンが主に 蓄積していると。ほかのものはほとんど問題にならないということから、20種類につい て選んでTEFを決めたというふうになっています。 ○大井委員  そのときにアジアであるとか、日本であるとか、そういうところのデータはどのくら いまで加味されているわけでしょうか。 ○大野委員  アジア人のヒトの蓄積している量がこうであるからどうだという、そういう結果はな かったと思います。 ○寺尾委員  正確にはEPAの報告書は17種類と書いてあるのですね。17も20も似たようなものだ ろうということで、20と。 ○寺田座長  それから、先ほど宮田委員が言われていた臭素と塩素のひっついた両方のようなもの は実際にEPAとか、外国のデータの中に入っているんですか。17の中に入っています ね。 ○宮田委員  厚生省の方で今臭素系のダイオキシン類ということで測って、調査の一段落終わった ところなんですけれども、そこには全部の臭素のついたダイオキシン類ですね。もう一 つは、モノブロモポリクロロというのですけれども、一つだけ臭素のついたもの、あと は塩素のついたもの、そういうところまではごみ焼却施設とか、産業廃棄物焼却施設が あるのですけれども、臭素がもう少しついた塩素が混ざっている、そこの調査がないん です。一応は、塩素と臭素の混ざったものは、臭素が一つだけ入ったものが調査の結果 が一部は出ているところです。 ○寺田座長  生物学的な毒性とか、そういうことも特別高いとか低いとか、レセプターにひっつく ものはやはり同じようなものですか。 ○宮田委員  以前、大分前の話ですけれども、酵素のバインディング能に関して、臭素が2個、塩 素が2個で、2,3,7,8位についている化合物は、臭素が全部の化合物、塩素が全部の化合 物とほぼ一緒のような作用力を有するという、わずかなデータですけれども、そういう 化合物であります。 ○渡邊委員  大井委員への質問の補足ですが、現在、PCDDが7種類、PCDFが10種類、日本 では大体コプラナーPCBを計りはじめておりまして、ノンオルソが4種類、モノオル ソが8種類だと思います。  それで、セレクテッド・イオン・モニタリングという方法で、そこだけねらって計っ ていますので、そのほかのところはあってもなくてもほとんど無視ということになりま す。現実には、今の17と12種類のみが生体への影響を持つということになっております ので、実際的にはそれを測るのがいいのではないかということになっております。 ○寺田座長  ほかにございませんか。  それでは、本日の議論におけるご意見などを踏まえて、修正したもの、それからでき ましたら大事な名前ですね。定義がある程度国際的に通用するものが、たとえテンポラ リーなものであったらそれも入れまして、修正したものを本特別部会の中間報告書とし て取りまとめることにします。  なお、本日の議論を中間報告書へ反映するに当たっては、最終的に部会長取りまとめ としたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○寺田座長  どうもありがとうございます。  それでは、そのような形で私と事務局におきまして、本特別部会としての中間報告を まとめさせていただきます。ワーキンググループの委員の皆様方におきましては、ご多 忙中のところ、ご検討いただきまして大変ありがとうございました。  引き続きまして、参考資料が何点か提出されておりますので、事務局から説明をお願 いいたします。 ○吉田補佐  続きまして、参考資料につきまして順次説明させていただきます。  まず、参考資料1ですけれども、これは平成12年11月28日付で公表されました「平成 11年度食品からのダイオキシン一日摂取量調査等の調査結果について」でございます。  これは、平成11年度の厚生科学研究費、ここにおられます豊田先生等により行われた ものでありまして、調査結果について簡単に説明いたします。  1ページ目の「2 調査方法」ですけれども、全部で4つございます。1つは、トー タルダイエットスタディ、そして季節による変化の調査、また個別食品中の実態調査、 そして汚染機構の解明と調理影響の解析に関する研究ということでございます。  次の2ページをお願いいたします。  まず、トータルダイエットスタディの概要でございますけれども、食品からのダイオ キシンの一日摂取量が2.25 pg-TEQ/kg/day ということで、平均的な摂取量は過去 3年間でほぼ一定しているという結果であります。これにつきましては、平均的な食生 活をしている日本人のダイオキシン摂取量の推定値がこの4ピコグラムを下回っている ということから、食品衛生上は問題がないのではないか。しかし、偏りのない、バラン スのとれたよい食生活が勧められるという結論でございます。  次に、「(2)季節によるダイオキシン摂取量変化に関する調査」でございますけれ ども、次の3ページにいきまして、冬が最も高い数値を示したということでございます。  「(3)個別食品中の実態調査」につきましては、平均値では魚介類が最も高く、以 下、水産加工品、乳類、肉類等という結果であります。  4ページでございますけれども、「(4)汚染機構の解明と調理影響の解析」という ことで、まずホウレン草につきましては、可食部の汚染濃度は非可食部と比較して著し く低い汚染だったということ、またその可食部位の汚染は大気に由来している可能性が 高いということ、また調理加工によってダイオキシン摂取量を低減できることが明らか になったということでございます。  今後の予定としましては、平成12年度から同様のトータルダイエットスタディ及び個 別食品の汚染実態調査を継続して実施するということでございます。簡単ですが、資料 1については以上です。 ○寺田座長  次、お願いします。 ○事務局  続きまして、参考資料2「平成11年度ダイオキシン類精密暴露調査結果について」、 こちらは環境庁さんの方で行われた調査結果でございます。、  まず、「1.調査の目的及び内容」でございますが、ヒトの健康に対する環境要因等 の影響評価を行うため、大阪府の能勢町地域、埼玉県地域、広島県府中市地域におきま して、廃棄物焼却施設周辺地区(A地区)及び対照地区──廃棄物焼却炉がないところ でございますけれども、これをB地区と設定いたしまして、1〜5まで書いてございま すけれども、血液、環境、食事、総体の暴露評価を行ったものでございます。なお、動物 実験で微量のダイオキシン類により起こることが知られている薬物誘導酵素の誘導や、 免疫能への影響について、各地区の対象者にも認められるかどうかについて、試行的に 調査がなされているものでございます。  なお、この調査につきましては、平成10年度も行われているものであり、今回、平成 10年度と11年度の比較もされてございます。1枚目の一番下の「調査結果 (1)血液調査に ついて」でございます。年齢調整を行った血中ダイオキシン類濃度については、能勢町、 埼玉県、広島県ともにほぼ同様な値でございまして、平均値はA地区、廃棄物焼却炉の 近くで26〜29 pg-TEQ/g脂肪、B地区対象地区で24〜30 pg-TEQ/g脂肪でござ いました。全地域の対象者の血中ダイオキシン類の範囲の5.3 〜70 pg-TEQ/g脂肪 ということで、今までの調査結果の範囲内であったとされております。  「(2)環境調査について」でございます。調査期間中の大気中ダイオキシン類濃度でご ざいますが、能勢町ではほぼ等しく、埼玉県では対象地区の方が高い傾向、広島県では 廃棄物焼却炉の周りが高い傾向を示して、地区間の差はないとされております。  室内空気中のダイオキシン類濃度は、大気中ダイオキシン類濃度に相関している。土 壌中のダイオキシン類濃度については、いろいろ書いてございますが、バラバラの結果 でございまして、両地区間の差は認められなかったとされてございます。  2ページの真ん中の表、3ページの表に詳細なデータが載ってございますが、説明は 割愛させていただきます。  続きまして、4ページ、「(3)食事調査について」でございます。食事経由のダイオキ シン類推計暴露量については、能勢町地域では平均値及び中央値ともA地区の方がB地 区よりも低い。埼玉県地域においては、A地区がB地区を上回る。広島県においては、 A地区はB地区よりも低いということで、傾向はあまりないと。また、地区間で比較し た結果、3地域とも明確な差はないということになってございます。  続きまして、5ページ、「(4)ダイオキシン類の暴露評価について」でございます。  暴露評価につきましても、地域間で多少の数字の大きい、小さいはあるというのが1 ポツ目でございます。2ポツ目が、ダイオキシン類の暴露経路は、各地区とも食事が約 9割以上を占めており、経気道及び土壌の寄与割合は相対的に小さかったとされており ます。  3ポツ目でございますけれども、各地区ともダイオキシン類の推計総暴露量の平均値 及び中央値は耐容一日摂取量の4ピコグラム以下であったとされております。  一番下でございますけれども、これは直接TDIは単純に比較はできない数値、調査 期間中における断面でございまして、70年間の人の一生涯を計ったものではございませ んので、単純に比較できないという前置きで、この4ピコを超える人が 120名中2名い らっしゃったという形になってございます。それが表6でございますが、表6の大阪府 能勢町地域の一番下のカラム、これがPCDD、PCDF、コプラナーPCBの総計で ございますので、A地区で範囲が0.45から 6.2、B地区で範囲が 1.0から 4.7というこ とで、このお二人が4ピコ超えていたということでございます。  続きまして、6ページでございます。表の下の文章でございますが、「推計総暴露量 について4ピコを超えた方は平成10年度を59人中10人、11年度は 120人中2人であっ た」とされております。  調査期間中におけるダイオキシン類の推計暴露量と血中ダイオキシン類濃度の間の明 確な関連は認められなかったとされてございます。なお、平成10年度と平成11年度の比 較、(5)でございますが、平成10年度、11年度とも同じ一部の協力者及び地点で両年度の 比較を行いましたが、各項目において差は認められなかったということになってござい ます。  以上の結果を6ページの「3 まとめ」でまとめられてございまして、ヒトへの蓄積 量及び経路別の推計総暴露量は、地区間──これは廃棄物焼却炉周辺と対照地域でござ いますが、明確な差は見られなかったと結論づけられているところでございます。  なお、7ページに(参考)といたしまして、ダイオキシン類暴露と免疫能及び誘導酵 素の関係について、試行的に試験を行った結果が載ってございまして、居住地区間にお ける明確な差異は認められず、また血中ダイオキシン類濃度と免疫能及び誘導酵素の相 関が認められなかったと参考で掲載されてございます。以上でございます。 ○寺田座長  ありがとうございました。 ○事務局  では、続きまして、参考資料3及び4について簡単にご説明させていただきます。  食品中に含まれますダイオキシン類測定暫定マニュアルにつきましては、昨年9月に 公表されたところでありまして、それに基づいて今精度管理試験等が行われているとこ ろでございます。  血液や母乳といった生体試料については、まだ公的には分析についてのマニュアルが 公表されておりませんでした。血液や母乳といった生体試料に含まれておりますダイオ キシン類はごく微量であります。さらに数段階のカラムをかけるなど、精製操作が煩雑 で技術的にも難しい面がございます。そこで、公的なマニュアルの作成が急がれていた ところですが、このたび、現在の科学技術レベルで考えられます範囲において、確からし い値を得るために必要な分析実験設備、測定・分析操作等にかかわる一定水準以上の技 術的な内容を取りまとめたマニュアルを厚生科学研究の一環として策定いたしました。 このマニュアルの策定に当たりましては、表紙の裏にございます各先生方のご協力をい ただいております。  大体の内容は、母乳、血液とも同じでございまして、本マニュアル中で用いられてお ります用語の定義、略語の定義、また調査の対象とする物質、目標定量下限値、さらに は器具、調査研究、試薬の取り扱い、安全管理、精度管理及び精度保証といった内容に なってございます。  このマニュアルにつきましては、表紙にございます22日をもちまして、都道府県、自 治体等にも「参考とすべき資料」として通知させていただいたところでございます。こ のマニュアルに基づきまして、現在、暫定的にパイロット試験が行われておりまして、 おおむね良好な結果が得られたところでございます。  今後につきましては、さらにこの暫定マニュアルに基づきました調査をもう少し範囲 を広げて行いまして、分析の精度管理についてさらなる検討を進めていく予定でござい ます。以上でございます。 ○寺田座長  ありがとうございました。 ○吉田補佐  続きまして、参考資料5でございますが、これは前回既に配付済みのものでございま すので、説明は割愛させていただきます。 ○寺田座長  それでは、報告事項につきまして、何かご質問とかご討議がございましたら、お願い いたします。  ここにもいろいろ定義が出てきていますが、これは統一されたものですか。今後、一 回どこかでまとめておいた方がいいかもしれませんね、いろいろなことが出てくるので。  それから、私の方から質問をまずさせていただくとして、こういうヒトのサンプルを 使っていろいろなものを測るときのインフォームド・コンセントとか個人情報保護法と の関係とかいうのはどういうふうに今やっておられるのでしょうか。 ○吉田補佐  これにつきましては、例えば血液中の暫定マニュアルでいきますと、7ページをごら んいただければと思います。「7 調査計画」というところでございますが、例えば採 血の実施に当たりましては、被験者や協力者に対して十分なインフォームド・コンセン トを行う。その際に、調査の目的及び背景、実際に協力してもらう内容、実施後のデー タの取り扱いなどについて事前に文書で説明して、調査に対する理解を得、文書で同意 を得る必要があるということで決めてございます。ですから、これにのっとって調査計 画を立ててやっていただくということになると思います。  また、研究目的によっては、倫理指針等が別途策定されている場合がありますので、 その際には、それにも従っていただくということでございます。 ○寺田座長  くどいようですが、ある機関でそれをやる場合には倫理委員会を通すとか、あるいは プライバシーはどういうふうに守るのか。全部、匿名化して、非連結にしてあるのかと か、そういうことはあまり考えておられないのですか。 ○吉田補佐  原則としましては、実際に協力いただいた方のプライバシーは保護される、保護しな ければならないという前提でございます。  また、実際に協力いただいた方が「自分自身のデータが欲しい」という希望を出した 場合には、その方にその方のデータを提供する。ただ、その方が参加したということが、 名前が表に出ないような形で、最終的にはデータ等取りまとめるということが必要であ ると考えております。 ○寺田座長  データと名前とは、だれかはリンクできるようになっているわけですね? ○吉田補佐  はい、その必要があると思います。 ○寺田座長  どなたかほかにご質問ございますでしょうか。  そうしたら、また私の方から。どこかで「免疫系とP450かのインダクションは変化が ない」とか書いてありましたけれども、具体的には特にP450はどの組織を使って計った わけですか。 ○事務局 環境庁の調査でございまして、事務局はそこまで把握してございませんが、後でお調 べしてお答えさせていただきます。 ○寺田座長  インダクションがあるというんだったら、どこか一般的には in vivoでの組織を使わ ないと、in vitroではないですね。 ○渡邊委員  全血の中の白血球層からのRNA抽出だと思います。  一応、「おきる」という報告と「あまり関係がない」という報告とありまして、私ど も試験的にやったところでは、あまりきれいな関係ではありませんでした。きれいな関 係は、一応、肝臓では報告されています。 ○寺田座長  おっしゃるのはわかりますが、だから、何を使ってインダクションがないと言われた のかよくわからない。ほかに何かありますか。  それでは、これにちょっと入っていないかもわからないですけれども、Low doseのと きの考え方で、反応がいったん下がってまた上がるとか、そういうdoseの話があります ね。これと直接関係ないかもしれませんけれども、何かニュースはございますか。 ○吉田補佐  それにつきましては、非常にポジティブに証明している試験とそういったものを否定 する試験、両方とも結果が得られているという現状で、それぞれまだ結論が出ていない というふうに理解しております。ただ、直近の例でいきますと、12月16日〜18日にかけ まして、環境庁が主催する内分泌攪乱物質のシンポジウムにおいて、たしか同様な議論 がされたものと理解しております。多分、この中にも参加された先生、何人かいらっし ゃると思いますので、もし必要であればコメントをいただければと。 ○江馬委員  Low doseのことにつきましては、10月にEPA、それからナショナルトキシコロジー プログラムの主催でノースキャロライナで会議がありまして、それから今言われました ように、国際内分泌攪乱化学物質シンポジウムで井上先生とカブロックが座長をされま して、そのセッションがありました。  主に、対象の化学物質としては、 Low dose effectとか問題になっているのは実際的 にはビスフェノールAだと思うのですが、議論の整理はついていないと思います。両方、 Low dose effectがあるという報告もありますし、ないという報告も出ていますし、なか なか決着がつかない問題だと思います。 ○寺田座長  どうもありがとうございました。薬の見直しのときにその辺がまた出てくる。実は、 ダイオキシンではないですけれども、ダイオキシン含めて、そして免疫に対する作用を どういうふうに見るかとか、発育段階の脳に対して、本当にこれがブラッドブレインバ リアって通り越すんですか。 ○大野委員  動物実験とか、そういうのではみんな脂肪含量に応じて全身に分布しています。だか ら、脳も脂肪含量に応じて一様に分布しているというのが今までの結果です。肝臓だけ は、それと比べると多いのですけれども、それ以外の臓器はほとんど脂肪含量に応じて ということです。 ○伊東委員  渡邊さんがさっきおっしゃったと思うのですけれども、ダイオキシンで胸腺のアトロ フィが来るとおっしゃったですね。それはdose responseで見た結果はどうなんですか。 非常に少なくとも来るんですか。 ○渡邊委員  動物実験ではそのような報告になっております。ヒトでは全然まだ報告がありません。 ○伊東委員  そのときに、問題は、今のフォンサールたちとアシビーたちが全く違う論評でディス カッションをされておって、この間の国際会議でも両方とも、その方法論は別として一 応正しい結果であると。両方とも正しいと。片方は「ない」というし、片方は「ある」 というし、両方とも正しいと。一体、どういう結論であるのかということなんですけれ ども、それについての渡邊先生のコメントはどうですか。 ○渡邊委員  私自体は動物実験をやっていないのであまりよくわからないのですか、動物の場合、 悪い状態になるとすぐ胸腺が萎縮しますね。ですから、私個人としてはかなり「ほんと かいな」という目で最初はずっと見ておりました。今も完全にそれが拭えているわけで はありませんが、一般的にはそのようになっております。 ○寺田座長  免疫能のところでも、ここに書いてあるのは、ダイオキシンの濃度によって居住地区 内での明確な差は認められなかったとあります。しかし、その注のところに動物実験で はCD4の低下やNK細胞活性の低下が認められていると言っているのですけれども、 先ほどと同じで、人間で明らかに濃厚暴露をされた方で、こういうことが起きているの かどうか。NK細胞活性が下がっているのかどうか、そういうのはないんですか。 ○渡邊委員  一応、私たちで一番高暴露者のグループを扱っている部分は焼却場で働いていた人た ちですが、能勢の焼却場の労働者に関していえば、PHAへのレスポンスが濃度と反比 例して有意に下がっていたという結果が出ております。 ○伊東委員  カネミ油症のデータが日本にはかなり蓄積されていると思うのですが、そのデータで、 随分お金がカネミ油症関係には出ているわけですね。延々と20年くらい出ているんじゃ ないですか。  したがって、かなりデータがあると思うのですけれども、それでいかがですか。デー タは出てきているんですか、そういう意味で。 ○食品保健課長  食品保健課長ですが、突然関係ある話になりましたが、結論からいいますと、十分に、 私、把握しておらなくて申しわけないのですが、確かにカネミ油症の関係で、1億弱で しょうか、毎年出ておりまして、患者さんが九州あるいは関西中心なものですので、学 識者も九州、関西の方々が中心になって、毎年、当地で発表しております。  免疫機能も研究しておったように覚えておりますが、発がん性の方が中心として研究 されていて、あとは当然皮膚症状もございますが、報告書はできておりますので、そち らの方をレビューしてまたお知らせしたいと思っております。あまり詳細な免疫能に関 する研究成果はなかったように私は思っております。 ○伊東委員  ありがとうございます。私も、いろいろプライバシーの問題があって、なかなかこの データは収集しにくいというふうに聞いております。したがって、こういうディスカッ ションになりますと、いつも台湾のデータはどうだということになって、我が国のデー タは皆さんおっしゃらないのですけれども、例えば知能の発育に対する影響であるとか、 免疫的な影響であるとかというものが肝臓と肺のがんの発生率が高いという以外に何か データがあるのではないか。プライバシーに触れないところで、大まかなデータがあれ ば、これはダイオキシン関係としてエキサイティングな結果になると思いますので、無 理なことは申しませんが、少しデータを集めていただいて、また仕事をふやしたと思わ ないでやっていただけたらありがたいと思います。 ○寺田座長  どうもありがとうございました。大変貴重なデータだと思いますが、一方、プライバ シーの問題がありますので、伊東委員がおっしゃった範囲内でもしできるものなら、た とえなかっても台湾でも結構ですし、イタリーの方のデータでも結構ですから、あれば と思います。  それでは、これで議事は終了したということでございますけれども、事務局からほか に何かございますか。 ○企画課長  冒頭ご議論いただきました中間報告を、先生方、短い期間の間におまとめいただきま してありがとうございました。また、ダイオキシンに関係してここに出てきております 部局でありますが、ご案内かと思いますけれども、来年初めの省庁再編に伴いまして、 生活衛生局は解散することになっております。ここに来ておる部局でありますけれども、 企画課は局と運命を共にして仕事を他の課に振ってなくなる。食品保健課は他の食品保 健の課や室と一緒に食品保健部ということで新たに編成しまして、医薬局の中に部がで きるということになっております。生活化学安全対策室はそのままでありますが、これ は医薬局の本体の方に行くということになっております。  そして、また審議会の関係でありますが、生活環境審議会、食品衛生調査会、それぞ れ廃止になるわけでありまして、新たに薬事食品衛生審議会というのができることにな っております。その中に薬事の関係と食品の関係、それぞれ分科会ができまして、その 分科会の中に必要な部会が設けられるということになっております。  ダイオキシン問題、役所の組織も変わるわけでありますけれども、新たな体制の中で 関係部局が協力して、さらに推進してまいりたいと思っております。これまでの特別部 会の先生方のご審議に改めて感謝申し上げるとともに、今後、行政への支援をお願いい たしまして、お礼のあいさつにさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○渡邊委員  厚生省のこの部会を通じてダイオキシン問題が生じてから3年間、相当ご援助いただ いて、かなり日本人の実態がはっきりしてきたと思うのですが、ただいまのお話のよう に新たに構成がまるで変わって再スタートということになりますと、部会長のまとめら れる報告に、ぜひ、今後やるべきことがかなりはっきりしてきたと思いますので、それ を箇条書きにでもして、明確に書いていただけたらというふうに思います。よろしくお 願いいたします。 ○寺田座長  箇条書きになるかどうかはわかりませんが、できるだけその方向でまとめたいと思い ます。  ダイオキシンの問題は、省庁再編成とは全然別のところでずっと残るわけですし、国 民の健康への影響という問題は大変大事な問題で、逆にいいますと、一つのモデルケー スでもありますので、今後引き続き検討していかなくてはいけないと思っております。  これで終了するわけでございますけれども、ただいま企画課長から言われましたよう に、特別部会はこれで終了となりますが、ダイオキシンの問題、先ほど申し上げました ように大変大事な問題でありますので、局とか、そういうところとは別にしまして、今 後とも別の会あるいは外からいろいろと検討・協力のほどをお願いいたしたいと思いま す。  それから、口幅ったいようでございますけれども、このダイオキシンの特別部会をは じめいろいろなことで生活衛生局が事務局になって国民の健康を守るという立場から、 毎日毎日の健康を守るという立場から大変な努力をしてくださいました。改めて厚くお 礼申し上げたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。終わります。                                     −了− 照会先  厚生労働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室  高江(内線2424)