00/12/15 シックハウス問題に関する検討会(第5回)議事録 シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会(第5回)議事録 厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室 シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会(第5回)議事次第 日  時:平成12年12月15日(金)9時30分〜12時10分 場  所:霞山会館「松・竹」の間 次  第 1.開  会 2.前回議事録の確認 3.議  題  (1)室内空気汚染に係るガイドライン案に対する意見の募集結果について  (2)対象物質の測定法に係る検討について  (3)シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書案−第4回〜第5回のまとめ  (4)その他 4.閉  会 ○吉田補佐  おはようございます。それでは定刻となりましたので、ただいまから第5回シックハ ウス(室内空気汚染)問題に関する検討会を開催させていただきます。  本日は、御多忙中のところお集まりいただきまして誠にありがとうございます。ま ず、開催に当たりまして喜多村生活衛生局企画課長からごあいさつを申し上げます。 ○喜多村企画課長  おはようございます。師走の何かと慌ただしい中、早朝からお集まりいただきまして ありがとうございました。また、今回も3時間ということで少し長目の時間を御用意さ せていただいております。  いわゆるシックハウス問題の原因の1つとして考えられている揮発性の微量化学物質 による室内空気汚染の問題については、厚生省としては保健衛生上の観点から対策を講 じる必要性を認識し、当検討会で御検討いただいているところでございます。6月には 1回から3回までの御検討の結果としての中間報告書をお取りまとめいただきました。 その結果、我が国には4物質に関する室内濃度指針値と室内空気中の揮発性有機化学物 質に関する採取測定方法が確立されたわけであります。また、その後、前回の検討会で は更に新たに4物質についての指針値案、それからまたTVOCの暫定目標値の策定と いうことで御検討いただいたわけであります。それらにつきましてはこの度パブリック コメントを募集いたしました。その結果、142 件の御意見が集まったということで、こ の問題に対する国民の方々の関心が非常に高いということがうかがえるわけでありま す。  今回の検討会では先の指針値案などの最終化に加え、今後の方針と進め方についても いろいろ御議論をいただきたいと思っております。今後、21世紀を迎える中でこうした シックハウス、室内空気汚染という問題、こういったものをどう解決していくのかとい うことについていろいろ御意見をいただきまして、我々積極的に対策を進めてまいりた いと思っておるわけであります。どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○吉田補佐  ありがとうございました。本日は荒記委員、内山委員及び広瀬委員が御欠席というこ とで、合計7名の先生方で進めさせていただきたいと思います。  それでは、座長の林先生よろしくお願いいたします。 ○林座長  それでは、第5回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会を始めさせてい ただきます。本日は御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。ま ず事務局から、本日の配布資料の確認をお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは、配布資料の確認をさせていただきます。机上にあります配布資料一覧に沿 って説明させていただきます。  まず、本日の議事次第でございます。  次に、本日の検討会の席次表でございます。  次に、資料1といたしまして前回検討会の議事録案でございます。これは委員のみの 配布でございます。  資料2といたしまして「室内空気汚染に係るガイドライン案に対する意見の募集結果 について」でございます。  資料の3ですが「測定方法について(エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、 フタル酸ジ-n-ブチル)」でございます。  資料の4、これは「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会:中間報告書 案−第4回〜第5回のまとめ」でございます。これの別添といたしまして「室内空気汚 染に係るガイドライン(案)について」「TVOCの空気質指針の策定の考え方」につ いて、「指針値の適用範囲の在り方」についての3つがございます。  続きまして参考資料ですけれども、参考資料の1は「パブリックコメント集」でござ います。これは委員のみの配布でございます。  参考資料の2、これは「防蟻剤の室内調査結果について」であります。  参考資料の3、「室内空気中化学物質測定に関する測定機器等の目録について (案)」でございます。これにはA3横長の表が添附してございます。  参考資料の4、これは「室内空気対策研究会測定技術分科会試験途中結果(速報)」 でございます。  以上ですが、もし資料等で不備がございましたら挙手をお願いいたします。よろしい でしょうか。  それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、マスコミ関係の方はお 願いいたします。 (報道陣退室) ○林座長  どうもありがとうございました。続いて前回の議事録の確認ですけれども、事務局の 方から御説明をお願いします。 ○吉田補佐  それでは、事務局より前回の議事録につきまして簡単に確認させていただきます。お 手元にお配りいたしました議事録は前回の検討会の速記録を基に事前に委員の先生方に 内容を御確認いただいたものであります。特に問題がなければこの内容で確定の上、公 開の手続きに入らせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○林座長  委員の先生方、いかがでしょうか。特に問題がないようでしたら、この内容で前回の 議事録として確定したいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○林座長  どうもありがとうございました。では、前回の議事録につきましてはこの内容で確定 させていただきます。 ○吉田補佐  ありがとうございました。今後、この議事録につきましては厚生省のインターネット ホームページへの掲載など、公開への手続に入らせていただきます。 ○林座長  それでは、早速議事に入らせていただきます。前回の検討会ではエチルベンゼン、ス チレン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチルの4物質の室内濃度指針値、それから総 揮発性有機化合物TVOCの空気質指針値の策定についての考え方、室内空気質指針値 の適用範囲の在り方、簡易測定法を含む測定法の目録、測定相談マニュアルの策定の基 本方針について事務局の提案を検討いたしました。これらのガイドライン案の基本的な 考え方に関しては前回の検討会で了解が得られ、その後、事務局を通じてパブリックコ メントの募集や必要な調査が行なわれました。本日の検討会ではこの提出されましたパ ブリックコメントの検討とそれに基づくガイドライン案の最終化、今後の方針、進め方 について検討することが前回の検討会で了解されております。  まず、提出されたパブリックコメントの概要とその回答案については資料2として配 布されておりますので、内容について事務局の方から御説明をお願いします。 ○吉田補佐  それでは、資料2につきまして御説明を申し上げます。  まず、表紙が意見募集結果の概要であります。  次のページ以降、まず1番として「指針値全般に関する意見」が1ページでございま す。4ページからは2番として「個別指針値」。8ページからは3としまして「TVO Cに対する意見」。14ページからは4番としまして「指針値の適用範囲の在り方につい て」。最後に15ページに5番で「その他」ということになっております。  そこで、進め方としましては検討の対象を明確にするために各分野ごとに事務局によ る説明を行った後に御質問、御検討を行っていただくという方法を提案申し上げたいと 思いますが、いかがでございましょうか。 ○林座長  どうもありがとうございました。それでは、ただいま事務局の方から1から5の各分 野ごとに説明と検討を行ってはどうかという提案がありましたけれども、委員の先生 方、いかがでございましょうか。  では、そのようにさせていただきます。 ○吉田補佐  ありがとうございます。それでは、まず意見の募集結果の概要を御説明いたしまし て、続いて1の「指針値全般に関する意見」及び2の「個別指針値」に関する意見と回 答について説明申し上げます。  まず「室内空気汚染に係るガイドラインに対する意見の募集結果について」の概要で ございます。これにつきましては、まず期間として平成12年10月24日から約1か月間、 意見の募集を行っております。告知方法は厚生省のホームページ、記者発表等です。意 見の送付方法に関しましては、電子メール、ファックス、郵送で受け取っております。 寄せられました意見につきましては、案件ごとに適宜集約させていただいております。 この場を借りまして、御意見をお寄せいただきました方々の御協力に厚く御礼を申し上 げたいと思います。  受付意見件数ですが、提出者数で合計31件でございます。ただ、その意見のほとんど は複数の項目について述べられておりまして、延べ意見数は142 件となっております。 延べ意見数の内訳はここに示すとおりでございます。指針値全般は15件、個別物質25 件、TVOC71件、適用範囲が19件、その他が12件となっております。  続きまして、質問とその回答について御説明したいと思います。 ○剣持専門官  それでは、次のページでございます。紙が横長になりますが、「1.指針値全般に対 する意見」ということで合計で15件いただいたものでこざいます。  <指針値全般に対する意見を朗読> ○吉田補佐  それでは、続きまして個別の指針値の方について説明させていただきます。 <エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホスについて朗読> ○剣持専門官  続きまして6ページ目でございます。フタル酸ジ-n-ブチルの指針値に関する御意見と それに対する考え方でございます。 <フタル酸ジ-n-ブチルについて朗読>  以上、指針値全般と個別の物質についての指針値に関していただいた御意見と、それ に対する考え方を紹介させていただきました。 ○林座長  ありがとうございました。それでは、指針値全般と個別指針値に対する意見と回答に ついてのただいまの御説明について、何か御質問、御意見がありましたらお願いいたし ます。いかがでしょうか。  もしないようでしたらば、また戻っても構いませんから、次の3のTVOCに対する 意見と回答について事務局から御説明を承ります。 ○吉田補佐  それでは8ページ、3番のTVOCに対する意見について説明させていただきます。 <TVOCに対する意見について朗読>  以上です。 ○林座長  どうもありがとうございました。では、3のTVOCに対する意見と回答についての ただいまの御説明について何か御質問、御意見がございましたらお願いいたします。○ 土屋委員 一番最初の1番の話なんですけれども、前回委員会で新築の場合、1,000μg /m3 と出したんですけれども、そのことについて今回は新築の場合はその数値を出さな いというふうに変わっているんです。その辺の根拠はここに説明が書いてありますけれ ども、その辺は結局測定法というんですか、評価法の違いで今回はそういうものを設定 しないということなんですか。それと、新たにそういう意味でほかの手法といいます か、考え方でそういう新築に対してのTVOCの設定というのを考えられるかどうかと いう御意見を伺いたいと思います。 ○吉田補佐  御質問ありがとうございます。御指摘のとおり、これにつきましては今年の6月に標 準的な測定法を提示しておるわけですけれども、そこでやりましたいわゆる新築と中古 の定義と、今回はこれは平成10年に行った実態調査の結果を用いてシミュレートしたも のであります。そこで言っているいわゆる新築、あるいは中古、あるいは既築、それの 定義が異なっているという現状がございます。今回のTVOCの暫定目標値の設定に当 たりましては、この実態調査のデータを用いてある文献を参照にしてシミュレートを行 って、またそのある仮定を基にして算出している経緯がございます。このように新築の 定義が違っておりますので、そこで更にこの値を当てはめるというのはちょっと無理が あるのではないかというふうに考えました。  そこで、今回におきましてはこの実態調査でシミュレートしたそのままの方法に従い まして特に区別は行わないで、400μg/m3という一つの数値だけを示したわけです。ま た、今後、新築に対するTVOCの値等につきましては、基本的にはこれから実態調査 等を行った上でリスク評価等を行って、TVOC指針値としての設定を目指したいと思 います。その過程で何らかの知見等が得られて設定等が可能になった段階でまたいろい ろ案等を検討したいなと思っております。 ○林座長  よろしゅうございますか。 ○田辺委員  今の点にも関わりますけれども、特に新築時のTVOCに関してはその定義とか測定 方法をもう少し明確にしておかないと、その400μg/m3 という数字が出ていくことで少 し混乱が生じるところがあるのではないかと思います。  実は、私も設計業務に関わったり、自分で建築をしておりますが、これまで私が測定 した住宅、あるいは設計として関わった住宅で、新築時に全閉して、換気システムを切 って測定すると400μg/m3 を下まわる住宅というのは実は1軒もありません。正直申し 上げて、1軒だけ非常に化学物質に気をつけてつくった住宅、木材等を使っております 国のプロジェクトでつくった住宅で四百数十μg/m3 というのが新築時にありました。加 熱脱着方式で分析しているので補集効率がよいのかも知れませんが、私が経験したもの で、新築時の値ではこれが一番低い状態です。外気のTVOC濃度が高いというような こともあると思います。決して400μg/m3 がいけないというわけではないんですが、間 違った理解で間違った材料等が使われると逆に恐いので、少し定義を明確にされるとい いと思います。  TVOCそのものを定義するのは大変よいと思います。それは、最近この厚生省のガ イドラインでトルエン、キシレンなどが定められたので、これらを使わないようにとい うようなことが業界の中でもかなり起こっています。例えば私どものグループで測定し た例ではトルエン、キシレンの放散量は非常に減っているんだけれども、ある建材用の 接着剤でCの11とか12、多分パラフィン系のものだと思いますが、こういうものが代替 物質として非常に使われていたり、ホルムアルデヒドの代わりにアセドアルデヒドが非 常に高くなったり、こういうことが実際見受けられます。総量で考えるということは大 変重要なことであり、しっかり総量で考えていくということは行っていく必要があるの ではないかと思います。  それに関しては余り異論はないとは思うんですが、この質問の中にもたくさんありま すように木材由来、自然由来のものをどうするかということなんですけれども、ピネ ン、リモネン等に関しては少しリスクも含めた評価が必要なのではないかと思います。 最近北欧、それからドイツ等で研究が随分行われております。アメリカでも行われてお りますが、一部のピネン、リモネンの中にオゾンとの反応を起こしてアルデヒドとか非 常に刺激性の高い物質ができるのではないかということがいわれています。ある建材、 これは自然材だけではありませんが、そこに室内濃度に近いオゾンを通すとオゾン濃度 が非常に下がってしまうというような現象が実際に報告をされておりますので、やはり 余りこれらが高過ぎるものに関しては少し問題があるのではないかとは思います。しか し、現状で考えていくと木材由来の揮発性有機化合物はかなり濃度として高いものなの で、この辺りを少しよく定義をしておかないとなかなか皆さんが納得できないのではな いかと思います。木造住宅がなくなってしまうようなことになるのも少し困るのではな いかと思います。  それから、厚生省の実態調査では溶媒抽出の方法で測られていますけれども、加熱脱 着で測る方法とでは、どの程度補正されるのかとか、定義を少し明確にしておく必要が あるのではないかと思います。ECAの定義だと、多分ヘキサン辺りから定義している と思うんですが、GCではこれよりも早い保持時間で出現してしまう物質ですね。例え ばアセトンですとか、アルデヒドのアセトアルデヒドとか、アクロレインとか、こうい った物質がTVOCからちょっと抜けてしまうことになる。せっかくDNPHを使って ホルモアルデヒドを測定されているので、対象物質の中にアセトアルデヒド、アセト ン、アクロレイン、こういったアルデヒド系のカルボニール化合物を少し考慮していた だくと、これらは刺激性も強いですし、抜け落ちもなくなるのではないかと思います。  特にそのVOCの定義ですが、これだけの物質をやはり内標準をもって測定するのは 大変なるコストや手間がかかる。技術的になかなか確立されていないところがあるの で、TVOCの定義というのを是非今後、どういうふうに測定すれば皆さんがある程度 簡便にできて、それが間違いのない方向なのかというのを是非検討していただければと 思います。ちょっとコメントと質問も入りましたが、以上です。 ○林座長  貴重な御意見をありがとうございました。何か事務局の方からありますか。 ○吉田補佐  どうも御意見ありがとうございました。幾つか整理させていただきますと、まず新築 の定義につきましてはおっしゃるとおりでございまして、これにつきましてはこの8 ページの1番の回答にもございますけれども、この最後のかぎ括弧のところの文章を加 えることで、恐らく先生がおっしゃったように実際に計ってみるとほとんどはまず超え るケースが大部分だろうというふうに予想しております。  もう一度読ませていただきますと、「この暫定目標値は、竣工後居住を開始してある 程度時間が経過した状態における目安であって、竣工後入居してしばらくの間は、暫定 予測値を超える場合も予測される。従って測定されたTVOC値が暫定目標値を超える 結果が得られた場合には、測定時期等を確認した上で、個々の良否の評価を行うべきで ある」ということで誤解のないように進めたいと思っております。  また、別の視点でお話のありました木材あるいは天然物由来のものにつきましても、 これは11ページの20番の指摘のところの回答で述べましたけれども、確かにおっしゃっ たようにこれは両面ございまして、確かにまだ未解明な安全性の部分についての審議と いうのは当然ございます。ただ、日本の伝統的なこれまで暮らしている経験というのも ございまして、そこの両者をどのようにバランスよく考えるかということではないかと 思っております。そこで、このかぎ括弧にも示しましたけれども、「TVOCに含まれ る物質の全てに健康影響が懸念される訳ではないこと、またその中に日常の居住環境で 用いられる発生源に由来する物質が含まれることに留意すべきである。従って測定され たTVOC値が暫定目標値を超える結果が場合には、その中に含まれる物質の種類の由 来を確認した上で、個々の良否の評価を行べきである」ということで、基本的には個々 の個別のケースごとの判断に任されるというふうに考えております。  また、これらTVOCにつきましては、まずTVOCの定義自体につきましては現在 はその実態調査に基づいて類推した暫定値でありますので、今後リスク評価等を行える ような調査研究を行ってそれを目指したいというのと、その測定方法につきましては 今、申し上げましたように、例えば加熱脱着の場合にはどの程度補正するのかという 点、あるいは通常のVOCの測定域には含まれない、例えばアルデヒドとか、あるいは アセトン類、そういったものをどの程度考慮するのかということにつきましても、これ から検討する暫定マニュアル等の中で詳しく検討していければと思っているところでご ざいます。 ○林座長  ありがとうございました。田辺先生、よろしゅうございますか。土屋先生、何か御追 加はございますか。 ○土屋委員  コメントだけなんですけれども、天然由来のナチュラルプロダクトの問題です。確か に日本では木造家屋が多いということで、非常にリモネンとかアクネンが多いんですけ れども、私は何年か前に石川先生などと御一緒させていただいてダラスのEnviro-nment al Health Center Dallasというところへ伺ったときに、ウイリアム・レイという所長さ んがいまして、日本の場合は木材を使っていることが多いのでそういう天然物が多いと いう話をしたときに、やはり向こうではその辺は Chemical Sensitivity の面で言うと 問題のある物質だという話を伺いました。  その辺で、彼の報告書の中には例えばマツのテルペンをテストすると45人の Chemical Sensitivityの患者の方のうち60%くらいが反応するというような報告もありますので 日本の場合とちょっと違うかもしれませんけれども、やはりそういうケースがあるとい うことに気をつけた方がよろしいんじゃないか。  それともう一つは、実際に何となく体の具合が悪いという方が、思い切って家を新し くつくり直した。その場合に木造家屋、ほとんど全部木造で化学物質を余り使わないよ うにして、壁も土壁を使ってという形でやった結果、症状がよくならなかった。どうも 原因はわからないんですけれども、木材由来のそういう木の香りがむしろ症状を軽くは しなかった。実際にその家を私は見学させてもらったんですけれども、2年以上たって もまだ入る途端に木の香りがするわけです。ですからそういうケース、通常の人は余り 関係ないと思うんですけれども、そういうふうなことが起こるケースもあるということ を認識して、これから対応していかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思って います。 ○林座長  どうもありがとうございました。 ○池田委員  ここで言うのが適当かどうかわからないんですけれども、関連して私もコメントを申 させていただきたいんですが、木材、特にTVOCの中から木材のα-ピネンとかを除け という話が大分14件もきているということなんですけれども、日本人は天然と言うと天 然信仰というか、天然ならば何でもいいんだろうというような考え方がともするとあり がちです。昔から使ってきた木だからなぜそれが今更いけないんだという考え方になる かもしれないんですけれども、そこは一つ皆さん見落としているんじゃないか。あるい はわざわざわかっていて見落としている人もいるのかもしれないんですけれども、日本 は古来木材を使ってきたわけではあるんですが、日本の最近の住宅の気密性能というの は昔に比べると非常に上がっているわけでして、多分田辺先生のつくられたお宅も恐ら く気密性能が相当いい家だったと思うんです。そういうところに今までの感覚でヒノキ だのスギだの、全部総ヒノキ造りとか総スギ造りなどという家を造ったら、恐らくα-ピ ネンの濃度が相当上がるのはわかっております。このα-ピネンがやはりまずいというの は森林総合研究所の谷田貝先生などの動物を使った実験で、森の辺でちょっとかぐぐら いにはいいものであったとしても、それが極端に上がればやはり健康上よくない、必要 以上に濃度が高くなればどんなにいいものであったとしてもよくない、ということはあ る程度わかっていることですから、その辺のことも踏まえましてα-ピネンをこのTVO Cの中から安易に削除するとか、これは別扱いだからいいんだとしていいかどうか。こ れは石川先生のような医学の関係の人たちの御意見を十分伺ってから決めるべきである というふうに思います。  それから、私が5、6年前に郡山地区で厚生省の予算をいただいてやった実態調査の 中では、3か月以内の新築住宅でも、その当時はザイフェルトのガイドライン、TVO C300μg/m3 というものを判断として見たんですけれども、20件中2件ぐらいは300μ g/m3 を新築でありながら下回っている家というのがあるわけで、現実にそれよりもう ちょっとゆるい400μg/m3 だったら達成できないというわけではないと思うんですね。 今まで建設業界というのは護送船団方式ということで、小さな企業からトップの最先端 の企業まで全部同じ、全員が救われるようにという方式できていたかもしれないですけ れども、この辺にきてやはりトップランナー方式というんですか、実際にできる企業が あったらそこに基準を合わせていくというような方法で、より快適な環境を創造するた めには高い目標を掲げていくという考え方も一つはあっていいのではないか。  そこに確かによく考えると医学的根拠というのは十分でないかもしれないけれども、 医学的根拠を一つ出すためには、そこにはものすごい膨大な研究費と、更にはそこに多 くの動物の命というものもかかっているわけです。簡単に、なければ出せばいいという ような格好でどんどん増やせ、個別のを増やせというのも正論なんですけれども、必ず しもそういかない場合は暫定的にある意味で今のところできるトップランナー方式で、 ここまでだったら達成可能な企業が1社でもあったらそこに合わせて、あとはそれに追 随していくように技術革新をしてほしいというような考え方があってもいいんじゃない かなと、これは個人的に思ったことなんですけれども。 ○林座長  重要なコメントをありがとうございました。何か事務局の方でありますか。 ○吉田補佐  非常に貴重な御意見をありがとうございます。そういった専門的な視点からの検討と いうのはやはり必要だというふうに考えておりますので、これにつきましてはそういっ た意見を踏まえて慎重に検討していきたいと思っております。またそのときには先生の 御意見等を伺うことになると思いますけれども、今後ともよろしくお願いしたいと思っ ております。 ○田辺委員  私がやったもので400μg/m3 を下回ったものはないというのは、多分測定方法に起因 するところが非常に多くて、多分実態調査をされると通常の生活をしていたり換気をし ていたりするわけですね。私の申し上げたのは、住宅を全閉して最大に上がる濃度で測 定をしたという意味なので、換気システムがしっかりしていれば400μg/m3 を下回るの は間違いないことであります。ですから、どういう状態で測定するかというのがこの定 義にはいつもついて回るので、その点は非常に注意しないといけないと思います。  それで、先ほど申し上げたリモネン、テルペンですね。特に木材由来のものを全部外 してしまうというのはさっき申し上げたような理由で、濃度そのものが高くなっても問 題がある場合がある。それから、先ほどのオゾンとの反応のようなものが非常に疑われ て、あるいは例えばスウェーデンとかデンマーク等では洗浄剤に使われるリモネンなど をなるべく入れないようにしようということを随分学校などで進めてきています。それ は、リモネンは洗浄剤とか、掃除のクリーニング剤などに柑橘系のにおいとして入って おりますので、そういうものに関して少し手を入れ出しているということであります。 ○林座長  どうもありがとうございました。そのほかに何か御質問をどうぞ。 ○石川委員  大変貴重な御意見が幾つか出たんですけれども、医学の方面から申し上げますと、 トータルのVOCが例えば1,000μg/m3 を超えた場合にどんな症状が出るのか、ないの か。こういう定量的な研究がほとんどありません。現在私も研究中です。300μg/m3 と いう値が望ましいというザイフェルトの論文があるんですけれども、それが400μg/m3 になったらどうだ、200μg/m3 になったらどうだという研究、これはないんです。それ で、ザイフェルト自身も論文ではっきり書いていますが、300μg/m3以上上がると、あ る国民には Annoying Effect という非常に不快な症状が出るんだ、だからそれ以下のレ ベルにする可きと、そういうことが書いてあるんです。  それで私、厚生科学研究のお世話になりながら、今は非常に重症と考えられる患者さ んの家で、しかも新築したという住まい手のTVOCの関係がどうなのかを東北大学工 学部の協力で見ています。同時に、ホルムアルデヒドレベルを測りながら見ています と、まだこれは公表はしていないんですけれども、一部の新築住宅を大体2か月とか数 か月のレベルで計っていると、主として夏場に向かうときTVOCが高いのですが、シ ックハウス症候群の患者さんのいるおうちの場合には1,000μg/m3 に近い値が出てく る家がある。非常に高いレベルでは1,000μg/m3 をはるかに超えて4,000μg/m3 も1 件ありました。国のガイドラインでホルマリン、トルエン等が大体除かれる時代になっ てくると代替品に変えれば良い、ホルマリンの代わりにアセトンだ・・・となると、次 に問題になってくる物質についてのコントロールは総量規制です。私は基本的には今回 の400μg/m3 〜500μg/m3 というレベルにはなり得ると思います。田辺先生のおっし ゃる意見に近いんですけれども、いまだに高いものは非常にあるから、そういうものを 収めて、患者さんが出ないというふうにするためには、ある程度の基準の値を設けて、 みんながそれに近ずくよう努力するということが必要ではないか。  実は、新築の家で私自身も小さな家ですけれども気密性の家をつくって入りました。 そこに行くと鼻血が何回も出まして猛烈に悩んだことがありました。平成12年6月の ことです。現在も住んでいる古い家がありますので、風通しのいい昔の家へ帰りますと 鼻血が止まりました。それで、世界中の文献を読んでみましたが、やはりシャーマンと いう米国人がホルムアルデヒドの一番はっきりした慢性の症状は鼻血だということが記 載されています。実際鼻出血は、私は自分自身で5回テストして5回とも出たんです。 原因はホルムアルデヒドのようです。最近はもう冬のせいで出なくなったんですが、そ ういうところのデータギャップが大変ございますので、今後は先生方に決めていただい たガイドライン値を参考にして、これから個々の患者さんのデータ、それから住んでも 発症しない人の、そういうものを集めて是非やっていきたい。ですから、Advisable な 希望すべき値というものが400μg/m3 に設定されるならば、私はそれで大いに結構なこ とじゃないかと思っております。 ○林座長  どうもありがとうございました。ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。も しないようでしたら、次の4の「指針値の適用範囲の在り方について」の意見と回答に ついて事務局から御説明をお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは、14ページの4番「指針値の適用範囲の在り方について」を御説明いたしま す。 <指針値の適用範囲の在り方について朗読>  以上です。 ○林座長  どうもありがとうございました。それでは、4の「指針値の適用範囲の在り方につい て」の意見と回答についてのただいまの御説明に関して何か御質問、御意見はございま せんか。 ○田辺委員  適用範囲に関して、特に13番に書いてあります車等に関してですが、自家用車も含ま れるということで、私どもも測定したデータでは場合によっては現在の住宅で示されて いる1,000 倍程度の濃度は簡単に測定されます。温度が夏場は70度、80度近くなります ので非常に高くなる可能性があるということで、これは是非含まれるのであれば広くこ ういう業界の方に危険性を知らせて対応をとってくださるようなことを求めていただい た方がよろしいのではないかと思います。大変私は危惧しています。  それから、オフィス等においても適用するということで、オフィスなどではOA機器 や机、什器等に関しても、実は最近諸外国では非常に問題が指摘されておりまして、例 えばコピー機、プリンター等であればオゾン発生により問題が生じているのではないか という指摘もあります。オフィスはこういうものを含んでいてちょっと住宅とは違う側 面もありますので、是非実態調査とか検討をしていただければと思います。相対として 人間が暴露される有害化学物質が少なくなるということが必要だと思われますので、是 非御検討いただければと思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。非常に重要な御指摘ですけれども、何かございます か。 ○吉田補佐  御指摘ありがとうございます。これにつきましては、こちらの方でも更に追及して検 討していきたいと思っております。また、こういったいわゆる情報の開示とモニタリン グというのを含めまして、検討課題の中の一つとして検討できるものと思っております ので、積極的に前向きに検討したいと思っております。 ○林座長  よろしくお願いいたします。池田先生、どうぞ。 ○池田委員  ここに学校というのがあります。最近学校でシックスクールという言葉もできまし て、学校が非常に問題になっているわけなんですけれども、学校とか職場と言います と、やはり住宅と違いましてなかなか難しい問題があると思うんです。ほんの、例えば 1,000人いるうちの1人か2人の問題をその学校での化学物質濃度が問題となるような 人がいた場合、その人のために全体を改組するとか、換気量を大幅に増やすということ ができないとかということがあるので、ただ単に技術的だけで済まない問題も含んでい るということもあると思います。  それから、石川先生の病院はそういう設備ができているんでしょうけれども、一般の 病院は化学物質の巣窟みたいなところですから、特に病院というのはそういう問題を抱 えた患者さんがいて病院で具合が悪くなってしまうというようなことがあるわけなので 病院についてももう少し、少なくとも待合室から診療室まで含めた別な対策、家や住宅 とは違う問題が含まれているので、その辺も含めた対策というものを今後考えていく必 要があるんじゃないかと思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。 ○櫻井委員  やはり感想のようなことなのでございますが、この14ページの8のところでも「日常 生活において発生源や換気に気を配り」と書いてあります。この換気というのは非常に 重要だと思いますが、当然外気を導入するということですから温度が、寒いときは寒く なる、あるいは暑いときは暑くなる。それから、非常に交通の激しいところですと外気 の方が汚染されているというようなこともあると思いますので、換気のやり方について この状況に応じてどういう換気が最も望ましいかというような知識がまだ一般的にまと まった形で出されていないというような気もいたしますので、そういう方向で考えてい っていただきたいというふうに思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。何かございますか。 ○田辺委員  この厚生省のシックハウス対策の測定の方法のところで、居室の常時換気がある場 合、ない場合という2つの条件に分けていただいたことが、大変住宅建設業界に大きな 影響を及ぼしております。それは、居室に常時換気システムがあればそれを運転して測 定をしてもいいということですから、非常にまじめな方はそれを付けて濃度以下になる ような努力をされる。これは建設省なども住宅金融公庫の割増し融資で、シックハウス 対策として換気システムを付ければ割増し融資をするということがたしか10月ぐらいか ら既に始まっていると思います。こういうことを少し周知徹底する必要があると思いま す。それから、換気に関しては省エネルギーとも非常に大きな関係があります。COP 3で二酸化炭素の排出を少なくすると約束をしておりまして、CO2発生の原因として は大体エネルギー消費が半分ぐらいを占めますので、むやみに開け放して暖房をどんど んしてやるというのは、国としても人類としても間違っている方向だということになり ます。そこで換気を適切な範囲でまずは発生源を抑えるということですが、発生源を抑 えてもそれだけでは濃度は高くある。換気がゼロになれば理論上無限大になります。で すから、それを抑えるべく換気をする。それをもう少し徹底して皆さんに御説明をして いく必要があるのではないかと思います。これは建築をやっている者の使命だというふ うに思っております。是非厚生省の方も他省庁との関係をとっていただいて、一つは発 生源対策、それからガイドライン、そしてこれ以外にも換気の重要性ということも是非 よろしく伝えていただければと思います。私自身もなるべくいろいろなところでお話で きるように努力はしております。 ○林座長  どうもありがとうございました。何かございますか。 ○池田委員  今、田辺先生のおっしゃったことに関連しているのですけれども、24時間換気システ ムを付けるというのは大変いいことだし、実際にそれを付けたらそれで測定するべきだ と思います。  ただ、問題なのは先週も別な研究班のところで、北海道の方で24時間換気設備が付け られた高気密住宅の居住者の方が、換気システムを止めないまでも非常に弱い、いわゆ る省エネルギーというか、私に言わせるとそういうのは削エネルギーとか節エネルギー ということで、健康を害してまでもエネルギーを節約しちゃうというような状況なので すが、これが起こってかえって困っている。場合によっては止めてしまう家もある。  こういうことをしてしまうと、本来健康のために導入された24時間の換気システムを 持った家という本来健康にいいはずの家が、逆に毒ガス室になってしまうわけです。で すから、必ず運転は止めないようにということを居住者に徹底すると同時に、できたら 居住者には簡単には止められないような場所に電源スイッチを置くとか、それぐらいの 気持ちでやるか、あるいは居住者教育というのをしっかりして、場合によっては運転免 許みたいに高気密住宅の24時間換気システムを使う人にはある程度の教習を含むみたい な、講義でもするというぐらいの感じで徹底しないと逆に危ないこともあるのではない か。毒ガス室になってしまうということもありますので、その点もこれは厚生省に言う ことかどうかわからないんですけれども、厚生省の方でもし管理基準を出すんだったら ビル管理法のようにしていただきたい。建築基準法ではただ単に換気設備があればいい わけで、それを回せとかということまでは決めておりませんが、厚生省のビル管理法で はこれこれの換気を確保することとなっております。そのように換気設備があったらそ れを必ず運転するということを盛り込む。止めないということも含めたようなものを、 もしつくるのならばお願いしたいと思っております。 ○林座長  どうもありがとうございました。何か測定の技術面でコメントはございますか。 ○安藤委員  今の段階では別にございませんが、幾つかのコメントあるいは田辺先生の御意見等は ごもっともなお話ですので、そういうものを踏まえてこれから検討していこうというこ とです。 ○林座長  非常に理想的な環境でお仕事を進めておられる石川さん、何かございませんでしょう か。 ○石川委員  先ほど話したように鼻血で自分が悩んだものですからあれなんですけれども、もう一 つ私は考えたいというか、患者から非常に質問されることがあります。田辺先生や池田 先生もご存じと思うんですが、北欧地区では湿度というものを神経質に言います。それ が30%という人もいますし、国によって若干違うんですけれども、もうちょっと高くて もいいと。日本の家屋というのは非常に夏期は高くなるわけですね。日本では60%とい う問題もございまして、そういう湿度問題を今後どの程度、化学物質との関与という か、合体した場合に考えていかなければならないかということは、必ず次の大きな問題 になってまいります。湿度の問題を是非からめて教えていただきたいというのが私の追 加したい、かつ、皆さんから御意見のなかったコメントの一つです。よろしくお願いし ます。 ○林座長  どうもありがとうございました。ほかに御意見、御質問ございませんでしょうか。  もしなければ、次の最後の5の「その他」の意見と回答について、事務局から御説明 をお願いいたします。 ○事務局(平野)  それでは、「5.その他」についての御意見の概要と対応、考え方を説明させていた だきます。 <5.その他について朗読>  その他については以上です。 ○林座長  ありがとうございました。それでは「5.その他」の意見と回答についてのただいま の御説明について何か御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしくお願いいた します。1から5まで通しても何かございましたらどうぞ。 ○安藤委員  ちょっと元に戻りますが、3ページの13、クロルピリホスの代替薬剤として他の有機 リン系殺虫剤が使用されることが考えられるので、合計のガイドラインの検討をお願い しますというものがあります。ここでは、この合計のガイドラインの検討としてTVO Cの考え方を示していらっしゃいますね。  それからもう一つ、5ページの4番、クロルピリホスのところで子どもの神経系に影 響を及ぼすのはクロルピリホスだけではない。他の殺虫剤云々、総合的な有機リン系化 合物の規制を目指していく必要があるというものがある。これは似たような質問です。 つまり、御回答の中でTVOCの考え方はよろしいんですが、有機リン系、つまりアセ チルコリン作動性についてどうなんだという、そういう質問も若干含まれているかなと 思います。つまり、有機リン系殺虫剤全般を評価する、そういう考え方はあるんですか とか、そういうことを言っているんじゃないかと思うんです。それに対するコメント を、個々にやっているからいいんですよとか、何か言わないといけないかなと、そうい う感じがしました。 ○吉田補佐  御指摘ありがとうございます。これにつきましては、今おっしゃられた趣旨のコメン トは加えたいと思っております。具体的にはTVOCの議論で出てきますように、各そ れを構成する物質群というのがありますので、これは正式の意味ではVOCではなくて このVOCの両サイドにあるもの、もしくは準ずる形のVOCになるとは思うんですけ れども、いわゆる物質群という形での評価というのは当然必要になってくると思いま す。  ただ、まだその際には個々の物質の評価というのも当然必要ですので、これにつきま してはその物質群について、違う物質について個々に指針値の策定は進めていって、ま た同時に物質群としての評価ができるような検討がしたいと思っています。また、その ような説明を加えさせていただきます。 ○林座長  ほかに何か御意見、御質問ございませんでしょうか。有機リン系殺虫剤の群について は何か総合評価するようなことがEPAでも検討されているようですし、一つのモノグ ラフも去年ぐらいに出ていまして、私はいただきましたのでいずれそちらにお回しいた します。ほかに何かございませんでしょうか。先ほどの「その他」に戻りましていかが でしょうか。  もしなければ、ここで御意見募集の結果についてこの検討会としての結論をまとめた いと思います。事務局から説明された資料2の回答につきましては、若干文面上の修正 が必要あれば追加するところがあると思いますけれども、検討会の回答としては適当と 思われますが、いかがでしょうか。  どうもありがとうございました。では、御意見募集の結果につきましては資料2に示 された回答を文面上の必要な修正をした上で本検討会の回答とすることといたしたいと 思います。必要な修正作業につきまして追って事務局と相談等をいたしまして、次にガ イドライン案の最終化と今後の方針、進め方についての御検討に移りたいと思います。 これにつきましては、事務局から資料4として中間報告書その2、第4回及び第5回の まとめ案が提示されておりますので、まず事務局から御説明をお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは資料4について事務局から御説明申し上げます。ガイドライン案の最終化と 今後の方針、進め方についてはここに案として提示いたしました「中間報告書−第4回 及び第5回のまとめ(案)」として取りまとめたいと考えております。なお、議題の2 にあります測定法に関する事項につきましては、前回の検討会からの進捗について資料 3及び参考資料3及び4を用いて適宜解説もしくは説明を加えたいと思っております。  まず資料4をごらんください。「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 中間報告書−第4回及び第5回のまとめ(案)」でございます。まず1番目は「個別の 揮発性有機化合物の指針値等について」ということで、今回新たに策定いたしました4 物質、エチルベンゼン、スチレン、クロスピリホス、フタル酸ジ-n-ブチルの室内濃度に 関する指針値等を取りまとめてございます。これにつきましては、この(1)番の「室 内濃度に関する指針値の概要」ということで、この表にはこれまで策定しましたホルム アルデヒド以下4物質も合わせて再掲してございます。また、ここに書いてあります、 「ここに示した指針値は現状において入手可能な科学的知見に基づき、ヒトがその化学 物質の示された濃度以下の暴露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響は受けな いであろうとの判断により設定された値である。これらは、今後集積される新たな知見 やそれらに基づく国際的な評価作業の進捗に伴い、将来必要があれば変更され得るもの である。」この考え方は前回の中間報告と同様でございます。  次のページをめくっていただきまして(2)番でございます。「採取方法と測定方法 について」。「2−1 エチルベンゼン及びスチレン」、これにつきましては本検討会 中間報告書第1回から第3回のまとめにおいて作成いたしました室内空気中化学物質の 採取方法と測定方法に基本的に従うということでございます。必要な部分は今日資料3 としてお配りしております1ページ目に書いてございますので、これを追加することに なります。この一番下は追って後ほど説明いたします。  2−2としまして「クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチル」、クロルピリホスにつき ましては固層吸着/溶媒抽出とガスクロマトグラフ/質量分析法の組み合わせ。採取位 置は床上30センチの高さを目安として、採取時間は新築の場合2時間を目安にする。フ タル酸ジ-n-ブチルは基本的に固層吸着/溶媒抽出とガスクロマトグラフ/質量分析法の 組み合わせ。または固層吸着/加熱脱着とガスクロマトグラフ/質量分析法の組み合わ せによるものとする。この両物質の測定法の詳細につきましては、パブリックコメント 後最終化を図ることにしております。今日お配りしました資料3の中に、この両物質の 詳細な測定法が示してございます。これにつきましては追ってこの後、説明があるもの と思います。また、この下ですけれども、上記の測定法については同等以上の信頼性が 確保できる方法であれば、設定した標準的方法に変えて用いても差し支えない。以下の 文書、これは前回中間報告書と同様の考え方でございます。  次のページ、2番ですが、「総揮発性有機化合物(TVOC)の空気指針値策定の考 え方について」であります。(1)番ですけれども、「室内空気質TVOC(暫定目標 値)、室内空気質のTVOC暫定目標値を400μg/m3 とする。この数値は国内家屋の室 内VOC実態調査の結果から、ある仮定に基づいて合理的に達成可能な限り低い範囲で 決定した値であり、室内空気質の状態を目安として利用されることが期待される。TV OC暫定目標値は毒性学的知見から決定したものではないことから、個別のVOC指針 値とは独立に扱わなければならない。今後、TVOCについては実施される必要な調査 研究によってリクス評価に基づいた指針の策定が必要である。また、発生源や換気に注 意し、住宅の構造や日常の住まい方の改善によって室内空気質の状態を向上させる取り 組みが不可欠である。」ということであります。  また、パブリックコメントを受けまして、この下に「個別VOC指針値とTVOC暫 定目標値についての考え方」、また1枚めくっていただきまして「測定結果の評価方法 について」、この2つについてパブリックコメントで説明いたしました説明内容を追記 いたしております。  続きまして(2)番でございます。「採取方法及び測定方法について。詳細がTVO C測定手順を作成・公表するまでの間、現時点のスキームは欧州委員会共同研究セン ター研究所、ここに記しています報告書にて勧告されたTVOC決定手順を参考にし、 以下のとおりとする。  採取と分離。固層吸着/加熱脱着法とガスクロマトグラフ法の組み合わせにて行う。  検出と定量。まずTVOC値のスクリーニングのために直接読取法にて指定範囲内の ピーク面積をトルエン換算値として求める。次のページに入っております。スクリーニ ングにて暫定目標値を超過するような場合は、GC/MS法によってできる限り個別物 質の同定及び定量を行う。定量した物質に相当するチャートの量のピークのトルエン換 算値を差し引き、代わりに現実に定量した値を加える。この定量値の合計をTVOCと する。同定すべき個別物質については暫定的にリストに掲載されているが、実態調査を 含め現在精査、検討中である。」また、その次に同定の必要なVOCの代表例を示して ございます。  次に3番目、「室内空気質指針値の適用範囲の在り方について。本検討会で策定され る指針値は生産的な生活の必須な特殊な発生源がない限り、あらゆる室内空間に適用さ れるべきである。特に弱者が暴露される可能性が高い空間においては、積極的な空気質 管理が求められ、当事者による継続的なモニタリングによってその効果を高めていくべ きである。」下記に示しましたのは、あらゆる室内空間の事例でございます。  4番、「室内空気中化学物質に関する機器等目録について。室内空気の測定機器や方 法につき、目的に応じた選択をする際の参考となるものとして、原理その他特徴を含め て現時点で利用可能な測定機器についての目録を作成した。」  次のページをお願いいたします。「当該目録は財団ビル管理教育センターを通じて行 った製品調査による企業からの回答を基に作成したものであり、したがって本検討会と して検証を行ったものではないので技術的な参考資料として測定依頼者等関係者に利用 していただきたい。なお、本目録については順次更新していくもの。また、公表の仕方 についてはホームページ等において、また別途作成中の測定・相談マニュアルに添付す る等して行うものとする。」これにつきましては、この後具体的な説明がございます。  5番目、「測定・相談マニュアルの基本方針について」。測定マニュアル、相談マニ ュアル、これにつきましては前回の検討会にて方針について御議論いただき、了解いた だいた次第でございますけれども、その内容をここに再掲してございます。測定マニュ アルにおいては、測定法の性格と選択、測定に当たって聞き取るべき事項、記載すべき 現場及び周辺状況、現場でのアドバイスのポイント、疑義照会例等を盛り込む。相談マ ニュアルにつきましては相談対応の基本的な流れ、室内空気を汚染する可能性のある揮 発性有機化合物について、室内空気を汚染する可能性のある揮発性有機化合物の発生源 について、建材等の規格について、これらを盛り込むということでございます。  次のページをお願いいたします。6番目は「次回以降予定する本検討会の課題」とい うことでございます。まず(1)番は「室内濃度指針値策定の新たな対象物質」、これ につきましては「本検討会中間報告書−第1回〜第3回のまとめ」の「3.指針値策定 の今後の方針について」に従い、個別の指針値策定の次の対象は以下のとおりとする。 テトラデカン、ノナナール、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ダイアジノン。テトラデカ ンとノナナールにつきましては、これは工業用原料もしくは溶剤として使われているも のでありまして、こちらの方で行いました実態調査の結果、室内濃度が高かったものの 中の2つでございます。  フタル酸ジ-2-エチルヘキシルにつきましては、今回フタル酸ジ-n-ブチルの指針値に ついて了承されたことから、この次の誘導体としてこのジ-2-エチルヘキシルの値を対象 にする。ダイアジノンにつきましては、これは先週ですけれども、今アメリカの環境保 護庁で行われております一連の農薬評価の中でクロルピリホスに次ぐ2番目の再評価結 果が出たものでございます。これについては国内市場等、段階的なフェーズアウトの方 針が出されたことから、これについて国内においても指針値の対象とするとした次第で ございます。  (2)番、「測定分析方法に係る今後の課題」。このフタル酸エステル類、クロルピ リホスの測定法につきましては、今日資料3として提示されております、後ほど説明が ありますけれども、それについて今後パブリックコメントを求めて最終化を図るという ことでございます。また、TVOCの測定暫定マニュアルの作成ということで、これに つきましてはパブリックコメント等でも指摘されましたように、この測定の手順の詳細 というものを速やかに作成したいと思っております。具体的には必須VOCリストと標 準品、採取から分離、検出、定量の詳細、検出範囲、簡易法によるスクリーニングと表 現法、こういったものが対象になると思います。  次のページをお願いいたします。測定目録の更新ですが、これにつきましては常に開 発等で更新される性質のものでありますので随時更新が必要であると考えております。 具体的には、測定機器の新開発や改良による目録更新であります。またこの検討会とは 別に室内空気対策研究会というものが他省庁との協力によって行われておりまして、こ こで実は検証実験というものが行われてございます。その資料は今日参考資料の4とし て公表しているものでございますが、こういったところとの協力によってこの検証を実 施していくということでございます。あとは、測定相談暫定マニュアルの完成というこ とであります。  (3)番としまして「シックハウス用語あるいは略語集の整備」。これにつきまして は、現在作成中の測定相談マニュアル及び機器目録と合わせて正しい知識の普及と相談 専門家の養成のためのテキストとして、更には行政当局や一般消費者にも便利に利用で きるようなシックハウス問題の関連用語、略語集の作成を行うということでございま す。  (4)番、これはパブリックコメントで指摘のございました「空気質に関する情報開 示と継続的なモニタリングのための体制」ということであります。すなわち、建材や家 庭用品等の発生源を生産・供給する業者による情報開示、または継続的なモニタリング 体制として建物生産者、または管理者が自ら自主的に、または居住者等、その室内空間 で生活活動を営む者からの要求によって定期的に空気質汚染のチェックを行い、その情 報を開示、双方でモニタリングをしていくシステムが必要だということでございます。 そこで例示ですけれども、測定機関や室内空間の管理者または居住者の協力を得て、シ ックハウス問題に関する室内空気質モニター制度を設置して、定期的にデータの集計、 公表を行って、室内の環境評価に利用していく。こういったことができるのではないか というふうに思っております。  差し支えなければ、この後、その測定法関係の説明に移りたいのですが、よろしいで しょうか。 ○林座長  よろしくお願いします。 ○事務局(平野)  それでは、資料3「測定方法について」をごらんいただきたいと思います。今回、エ チルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチルの4物質についての測 定法案を提案させていただいております。  まずエチルベンゼンの測定法についてですが、これは基本的に前回の中間報告書で公 表されておりますVOCの標準的測定方法、これを用いて測定することといたします。 以下の追補事項として加えることによって利用可能となっております。幾つか項目はご ざいますが、標準物質としてエチルベンゼンを追加する。また、測定質量数については9 1、106 とする。標準源ガス等の作成についてはエチルベンゼンも同時に混合してよいこ ととするという点でございます。スチレンについても、基本的にVOCの標準的測定方 法を用いて測定することといたします。以下を追補事項として加えることによって利用 可能となっております。エチルベンゼンのときと同じですが、標準物質としてはスチレ ンの純度の高いものを用いるということ、測定出量数としてはこの場合は104 及び77を 用いるということです。また、標準源ガスの作成においてはスチレンも同時に混合して よいということにしております。また、スチレンの場合は補集剤の種別、ロットによっ て補集効率が異なることがございますので、スチレンの場合には回収率を確認して行う 必要があるという点がございます。  次に、クロルピリホスの測定方法についてでございます。基本的にクロルピリホスの 測定方法もVOCに似ていますが、このうちの加熱脱着法と容器採取法がこの方法につ いては使うことができませんので、ここでは固層吸着/溶媒抽出法によって採取し、基 本的にガスクロマトグラフ/質量分析計と連動した装置によって測定することとしてお ります。また、対象物質の性質上、新築の場合の採取時間はおおむね2時間、採取の高 さは床上30センチ以上を基本とすることといたします。  基本的な概要ですが、補集装置に室内空気及び外気を一定の流速で吸引して測定対象 物質を補集した後、測定対象物質を溶媒で溶出させてGC/MSにより分離、定量する ことといたします。注の方に出ておりますが、この場合、有機リン系の物質ですのでF PDと呼ばれる検出器等を用いることも可能としております。目的によってはそちらを 御利用いただいてもよいということです。詳しい内容については、前回のVOCの標準 的測定法と基本的に同じになっております。  次に、フタル酸ジ-n-ブチルの測定方法についてでございます。フタル酸ジ-n-ブチル の場合は、これも基本的には前回お示ししておりますVOCの策定方法と類似しており ます。新築住宅における場合と居住住宅における場合は2つの異なる方法によるという ことになります。採取時間、採取場所等はVOCに準ずることといたします。  採取方法ですが、固層吸着−溶媒抽出法、固層吸着−加熱脱着法の2法のいずれかを 用いて行い、ガスクロマトグラフ質量分析計と連動した装置によって測定するというこ とを基本といたします。まず、固層吸着−溶媒抽出法ですが、これは前回とほとんど同 じです。吸着剤を充填した捕集装置に室内空気及び外気を一定流速で吸引して測定対象 物質を補集し、。その後、測定対象物質を溶媒で溶出させてGC/MSにより分離、定 量することを基本といたします。  フタル酸エステル類の場合には、測定の下限値というよりはその操作中で起こってく る汚染が非常に問題になります。これについては一番最後に留意すべき点をまとめてお ります。その他については基本的にVOCのものとよく似た操作になっております。フ タル酸ジ-n-ブチルの場合には第2法として固層吸着−加熱脱着−ガスクロマトグラフ質 量分析法も提案させていただいております。これは基本的には前回のVOCの加熱脱着 法に準ずる方法でございます。こちらの方の場合には溶媒抽出の操作等が入りませんの で、外部からの汚染は入りにくい方法ではあるわけですが、また別途機器の汚染が起こ りやすいという問題があります。その辺りの注意が必要ということですので注に加えて ございます。操作自体は前回の加熱脱着法にほぼ準じております。  一番最後になりますが、フタル酸エステル類の測定に関する注意事項ということで、 現在の知見が幾つか並べてございます。基本的にフタル酸エステル類は容易に環境から の汚染を受けますので測定精度というものは試料の採取、全処理、測定操作、そこにお けるフタル酸エステル類のブランクをいかに低くするかにかかっていると言っても過言 ではございません。そのため試料採取、試験液調製、分析にはこの汚染を防ぐため細心 の注意が必要でございます。精度の管理についてはこういった事情がございますので、 各試験機関において留意する必要がありますが、汚染を防ぐ方策としてそれぞれの機関 において現在までに何点かの試みが行われており、幾つかの報告も出されております。 これらについて、幾つかを示しております。まだこれらについては試行錯誤が継続して いる段階の状態でございますので、今後更に検討が必要な点が残されています。また、 今後幾つか追加されるべき事項も生じてくる可能性がございます。  まず基本的なことですが、全操作を通じて可塑剤を含んだビニールテープ等は使用し ないということ。またプラスチック製品、フタル酸エステル類を含むもの、これに触れ た場合には必ず石けんで手洗いを行うということです。試験溶液が触れる部分に触れる 場合にはなるべくピンセット等を用いる、もしくは十分に石けんを用いて手を洗う。使 用する器具は、ガラス製、テフロン製、金属製のものを用いる。いわゆる可塑剤の入っ ているようなものは使用しない。各器具は使用直前に残留農薬分析クラスのアセトンも しくはヘキサンで超音波洗浄をする。これらの溶媒は開封後、速やかに使い切る必要が ある。  器具は使用直前まで開口部をアルミホイルでパッキングし、空気との接触を避けるよ うにする。記録用紙の記入等に際しては油性マジックやボールペンは使用しないことと する。また、粘着テープの使用は極力避けることとする。装置についてはブランクの確 認を必ず行う必要がある。装置の内部の汚染がないかチェックする必要がある。ガスク ロマトグラフの注入口のインサートやシールはアセトンで超音波洗浄してから使用す る。インサートは汚染が起こりやすいのでこまめに交換する必要がある。また、ガスク ロマトグラフに使用されていますO−リング、これは劣化によってブランクを発生する おそれがあるので留意する。セプタムについては耐熱性によく汚染の少ないものを選ぶ ようにする。新品のものはそのまま使わずに、ある程度コンディショニングを行ってか ら用いる必要がある。シリンジについてはなるべく細いもので、先端の形状がセプタム かすがなるべく出にくいもの、こういったシリンジを使用する必要がある。使用する吸 着剤等は事前に十分に焼き出す必要がある。というように留意点について幾つか例示し ております。まだこのほかにも各機関においていろいろ御検討なされておられるところ かと思いますので、適宜工夫をして内部で精度の管理というものに留意していただきた いということでございります。以上が資料3の説明になります。  続いて参考資料の3になります。これについては前回、素案という形で示させていた だいたものを拡充したものでございます。6月26日の第3回検討会におきましてトルエ ン、スチレン、パラジクロロベンゼンの室内濃度に関する指針値及び空気中化学物質の 採取・測定方法は取りまとめられたところでございます。そこに記された測定方法とい うのはガイドラインの最終的判定に用いられることを目的として作成されておりますた め、極めて厳密な測定結果を得ることが期待される反面、精密な分析装置と高度な技術 が必要とされます。また、結果の判定までにはある程度の時間を要するという方法でご ざいました。  近年室内空気汚染問題についての関心は非常に高まってきておりまして、いろいろな 機器や測定方法が検討されてきております。消費者や住宅生産者の中には、空気の汚染 といったものは目に見えませんので、おおむねの値でよいから手軽に知りたいという要 求も中にはあるものと思われます。前回お示ししております標準的測定方法はこういっ た要望に対してまでもいつも必ず用いなければならないということではありません。ス クリーニング的な測定を行いたいということであれば、その要求レベルや条件に応じて それに適した測定法や機器を選択して利用していただければよいわけでございます。  室内空気の測定機器、方法というものについては現在幾つかのものが知られておりま すが、それぞれ特徴を持っております。それらを理解した上で使用機器を選択する必要 がございまして、得られた結果についてはそれらの特徴を十分に考慮して判断・利用い ただきたいということでございます。  どのようなときにどの測定法を用いるか、これは基本的に測定依頼者の判断に任され るものでございます。しかしながら、測定の目的が指針値を満たしているか否か、こう いったものを厳密に判定することにある場合には標準的測定方法をもって行っていただ きたいということが基本的考え方でございます。 測定のやり方にかかわらず、測定結 果に客観性を後ほど持たせたいという場合には、その測定結果にはどの測定法でどのよ うに試料が採取され、分析されたものなのか、こういったことは明記していただく必要 があると思われます。  前回非常に御要望が強かったこともございまして、今回以下に代表的な測定機器や測 定方法について簡単な原理を含めまして特徴を簡単に紹介しております。今回は移動可 能な測定機器ということで目録を作成しております。先ほども御説明がございました が、当目録は財団法人のビル管理教育センターを通じて行いましたアンケート結果を基 に作成されたものでございます。また、これで現在販売されておりますすべての機器を 網羅しているとはまだ言えないということでございますので、今後必要に応じて拡充を 図っていく予定です。  この目録の記載内容については、基本的にアンケートにお答えいただいた各企業の回 答そのものに基づくものであります。パブリックコメント等から非常に要望が高い情報 だったため、今回このような形で情報を提供させていただきますが、当検討会としてま だ検証を行っているものではございません。参考資料として利用いただければ幸いでご ざいます。  まず解説部分ですが、標準的測定法、検知管法等順に簡単な説明がございます。これ は基本的に前回と同様に簡単な原理と概要等を記してございます。今回、それに加えま して、例えば別表1から17というようにA3の別表の方に該当の機器を幾つか例示して 紹介させていただいております。  別表の方ですが、基本的にここで記されている内容はある程度測定に関する知識を持 たれた方が利用する際、もしくは何か相談を受けた際に推薦する際に必要ではないかと 思われる情報についてこちらで選択いたしまして検討調査を行っています。まず測定法 の分類、測定法の概要、どういった形で使用するか、また検出原理がどんなものかとい うのを簡単に書いております。また、機器名、製品名及びその問合せ先、価格、価格は 本体価格及び使用時の消耗品の価格を記してございます。また、電源としてAC電源が 必要なものなのか、それとも乾電池等で可能なものなのかも記載しております。その隣 りには寸法及び重量を記載いたしましたので、どの程度簡単に持ち運びができるもので あるかということが類推していただけるかと思います。測定対象物質名でございます が、各機器それぞれ測定対象は決まっておりますのでそれを明示しております。定量範 囲、検出管理下限値、指示精度というものも同時に記してございますが、この辺りにつ いてはすべてアンケートに回答いただきました内容をそのまま載せております。検討会 として検証してはございません。対応可能測定時間は器具の性質を考慮して書かれてい ます。また、環境からの影響等もわかる範囲で、これも回答に基づくものではございま すが記しております。  下の方に小さい字で欄外に載っておりますが、機器名の前にアスタリスクが付いてい るものがございます。これについては、室内空気対策研究会測定技術分科会において評 価試験が開始されているものでございます。それに関して今回情報提供いただきました のが参考資料4でございます。これは室内空気対策研究会の測定技術分科会で検討が進 められているうちの一環でございまして、現在の対象はホルムアルデヒドが中心になっ ておりますが、簡易測定機器の性能評価試験を実施されております。それを今回速報と いう形で情報提供いただいたものです。内容については、ホルムアルデヒドを単独で測 ったときの数値及び共存ガスが存在したときの影響等について、実験室レベルになりま すけれども、調べた結果でございます。  測定方法については、以上でございます。 ○林座長  ありがとうございました。それでは、資料4の中間報告書その2に関するただいまの 御説明について何か御質問あるいはコメントがありましたらお願いいたします。 ○安藤委員  今、気が付いたんですけれども、4ページ目のTVOCの採取方法及び測定方法のと ころですが、下から2つ目のマルの採取と分離というところで固層吸着−加熱脱着法と ガスクロマトグラフの組み合わせと書いてしまいますと、完全にそこで固定されちゃう なと。まだそこまで固定してはいけないんじゃないかと思いますので、もうちょっと漠 然とした形にするべきかと思います。今まで3つ提示しておりますが、それがTVOC の測定でどのように使えるかというのはまだ検討中ですので。 ○吉田補佐  御指摘のとおり、訂正したいと思っています。 ○林座長  ほかに、どうぞ。 ○土屋委員  これは3ページ目だと思うんですけれども、室内空気質、TVOCその他暫定目標値 というところで、世界の状況というような報告を前回もいただいたんですけれども、ほ かではやっていないということです。それで、日本でこういうものをするということで 注目されているということなんですけれども、ここの暫定目標値はある考え方を基に出 しているということで、実態調査を基にしたデータとしてはまだ不十分だというふうに 認識されていると思うんです。それで、パブリックコメントの回答にもそういう意味で はちゃんとやるというようなことが何か所かに入っているものと思います。それは非常 に大事なことなので、できればここに書いた今後のところ、リスク評価に基づいた指針 値の策定が必要である、ということ以前に、この暫定的に出した目標値が妥当性がある かということを確認する作業が必要であるということをここにコメントとして入れてい く必要があるのではないかと思います。  それからもう一つは、今後のところでダイアジノンを取り入れています。それはそれ で別によろしいと思うんですけれども、実際に日本で使われているかどうか。多分、水 などでは水質基準にあるようにフィールドでは使われているんですけれども、室内関係 のもので実際に使われているかどうかというのが何かわかっているのでしたら教えてい ただきたいと思います。参考資料の2にありますように、防蟻剤の調査をやられた中に はこの中にダイアジノンは入っていないですね。むしろフェノルカルブとかほかのもの が調査されていまして、検出されているものもあります。日本の実情に合ったものをこ こに取り入れていくというのも必要だと思うので、その辺についてどう考えているか、 お聞かせ願えればと思うんですが。 ○林座長  どうもありがとうございました。事務局の方で何かございますか。 ○吉田補佐  初めの御指摘の、暫定目標値の妥当性をきちんと見る必要があるという点につきまし ては、ここに説明を追記することできちんと明確にしたいと思っております。  2つ目の指摘ですけれども、ダイアジノンにつきましてはいわゆる不快害虫の殺虫剤 ということで使用されております。物理的にどれだけの量が使えるかということまで実 は把握してはおりませんけれども、国内でも不快害虫用としては出回っているケースは あるようだというふうには聞いております。ただ、御指摘のようにその実情に合ってい るかどうかは非常に重要なポイントではありますので、そこをある程度情報を確認した 上で検討したいと思っております。ただ、基本的にこれを選んだ理由といいますのは先 ほども説明いたしましたけれども、海外等で規制等がかけられたために国内でも早急に 対応が必要だというふうに判断したという経緯がございますので、その点を御理解いた だければと思っております。 ○林座長  どうぞ。 ○田辺委員  何点か質問と意見があるのですが、まず新たな対象物質のところなんですけれども、 現在TVOCが検討されているということで、TVOCの測定法をECAのナンバー19 のやり方に対応させるとすると、VVOCに相当するものが実はすっぽりと抜けてしま う可能性があります。そこで、特にアルデヒド、カルボニル化合物の住宅の中でよく濃 度として測定されるアセトアルデヒド、アセトン、それからアクロレイン、これらに関 しては指針値を策定するような形で進んでいただいた方がよろしいのではないかと思い ます。カナダでは実は、ホルムアルデヒドを含め、これらの物質については住宅の中で の指針値のようなものがございます。特に刺激性の強い物質なので、TVOCからも抜 けてしまう物質があるということをちょっと検討していただければと思います。  それから、前回の会議のときに話題になっておりました、すべてが気中から入ってく るかということなのですけれども、例えばフタル酸エステル等に関しては経口で入って くるものもあれば、室内濃度はもう少し低いガイドラインになる可能性もあるので、ど ういう比で体の中に入ってくるかということに関してはもう少し、検討が必要ではない か。前回の委員会でも議論がありましたが、データを取ってすべて気中から入ってくる という仮定をすると濃度レベルは高くなりますけれども、もう少し検討が必要ではない か。このあたりどういうふうに考えられるか。  それから、この1年の検討で、日本は世界の中でもかなり室内の化学物質に関してガ イドラインを出す国になってきたのではないかと思うんですが、海外の方と話している とこれの英文訳を是非欲しいという希望を非常に最近言われておりまして、最低1回か ら3回のまとめとこの4回から5回のまとめを英文にしていただいて我々にいただけれ ば海外の方とも議論が随分できると思いますので、大変な作業になるかもしれませんが まとめの部分だけでも御検討いただければ大変ありがたいと思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。 ○吉田補佐  御指摘ありがとうございます。順番に整理いたしますと、まずVVOCに該当するア セトアルデヒド、アクロレイン、アセトンでございますけれども、確かにこちらの方と してもこれらの指針値の設定の重要性は認識してございます。ですから、当然ながら対 象にしたいと思っております。それで、今回これを選んだのはいわゆる測定法との関連 で、このテトラデカンとノナナールにつきましては既に6月に策定した基本的な方法で 測定できる範囲内に収まっているということで、その分の作業を実はしなくて済むとい う点、あとはフタル酸につきましては今回新しく方法を提示させていただきましたの で、それに対応できるという点、ダイアジノンにつきましては実は今回出していただき ましたクロルピリホスの測定方法で利用できるという点で、それら測定方法の共同利用 を考えて、その作業量との絡みも含めて選んだという経緯もございます。ただ、御指摘 の点は非常に重要な指摘だと思いますので、できるだけ遅れないうちに対象にしたいな というふうに思っております。  2番目の指摘ですけれども、すべてが空気から入ってくるわけではなくて、例えばい ろいろな何かに接したケース、あるいは水、あるいは土壌、いろいろあるとは思うんで すけれども、確かにそういったところからの暴露、総合的な暴露による評価というのは 当然必要になってくるとは思います。ただ、現時点ではこれはいわゆる室内空気の汚染 ということで、その室内空気に換算したときにどういう危険があるか。それを最大限に 見積もってこういったいわゆる健康被害の未然防止という観点から、より厳しい値を設 定してこういった室内空気を管理していこうという試みをやっているわけでございま す。今後先生のおっしゃったような課題というのは当然重要だと思いますので、総合対 策ということで検討できればと思います。ただ、その際には空気以外の暴露もそうです けれども、例えば発生源からの放出とかいろいろな要素もあると思います。そういった ところからの検討も含めて、総合的にできるだけ速やかに検討できるようにしたいと思 っております。  あとは最後の御指摘は英文訳ですが、仮訳ではあるんですけれども6月の中間報告書 は既に英訳をつくってございます。一部の方には既に配布しております。今回のまとめ につきましても仮訳にはなりますけれども、こちらの方で準備させていただきたいと思 います。また、6月の報告書について作成した英訳につきましては追って先生方には配 布させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○林座長  ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。 ○櫻井委員  比較的小さな形式の問題なんですが、資料4の2ページの表の最後のところに量単位 の換算は25℃の場合によると書いてありますが、1気圧と入れておいた方が正確だろう と思います。それから、それと関連して資料3の7ページの濃度の算出というところで 濃度ですが、20℃における空気中のという、ここも1気圧になるように計算していると 理解いたしますので、やはり1気圧と入れるべきなのかなと思いますがどうなんでしょ うか。 ○吉田補佐  安藤先生に御回答をお願いいたします。 ○安藤委員  当然1気圧の状況でということにはなります。私ども一般的に余り関係がありません のでこういうふうになっていたということでございます。 ○櫻井委員  わかりました。一般的に書かなければ、それほど大きく響く問題でもないと思います ので結構だと思います。ただ、25℃と20℃と違っているということは一応認識しておい た方がいいと思います。これは慣習でこうなっているんだと思いますが。 ○林座長  ほかに御意見ございませんでしょうか。先ほどの事務局の方から総合評価というよう な言葉が出ましたけれども、室内空気汚染問題は非常に重要なことでございますから、 御自由な御意見でもよろしいですが、ありましたらよろしくお願いいたします。 ○池田委員  このサンプリング時間の2時間という点なんですけれども、これは昨日もいろいろ安 藤先生などとお話をしたんですが、やはり2時間ということになるとサンプリング流量 が少し大目になるということがあるので、その辺のサンプラーによっては破過が起こる というようなことを注意書きか何かにして、そういうことがないようなものを使うこ と、もしくは使うべきだということをやはり断っておいた方がよろしいんじゃないでし ょうか。あるいは、そういうおそれがあるときは2時間にこだわらずもう少し長い時 間、流量を落としてサンプリングをするというふうにするかですが。一応過小評価をし ないような対策をとれという一般論は前の方に書いてあるからいいかとは思うんですけ れどもやはり具体的な注意項目として書いておくべきではないか。私などもそういうミ スをしたことはありまして、よく知らないでサンプリング時間が少ないからとにかく流 量を増やしてしまったら破過を起こしていて低目の値しか出なかったという、自分の失 敗談からもそういうことがありました。安藤先生、その辺はいかがでしょうか。 ○安藤委員  それらしきことは書いてあるわけですけれども、できたらそういうのを入れておいた 方がよろしいかなというふうには思います。特にクロルピリホスは溶媒抽出法しかでき ませんので。VOCの場合は溶媒抽出、加熱脱着、それから容器採取という3つの方法 ができたわけですけれども、クロルピリホスになりますと非常に低い濃度を測らなけれ ばいけないということでどうしてもこの方法しかない。どこがその律速段階かといいま すと、採取量をどれだけ取るか、取れるか、空気を取れるか、そこが問題になる。それ で、そこの苦しさというのがどうしても出てくるということだと思います。したがいま して、今の池田先生の御指摘は十分そのとおりのお話で、そういうことが書いてあった 方が理想だろうというふうには思っております。 ○林座長  どうもありがとうございました。ほかに何かございませんでしょうか。 ○土屋委員  試験法のことなんですけれども、例えばスチレンの場合に注として捕集剤の種別やロ ットによって回収率が異なると書いてありますが、この物質の回収率が落ちるというの は1つは自己重合化といいますか、ポリマーになりやすいというか、そうなっている可 能性があるんだと思います。その辺がはっきりまだわかっていないんですけれども、そ うだとすると捕集剤のいかんにかかわらず回収率が落ちるという可能性もあるので、で きればその辺も少し検討していただく必要があるのではないか。  もう御存じだと思うんですが、クロルピリホスとフタル酸エステルについてもそうで すけれども、捕集剤のタイプによって捕集するときの速度を当然変える必要があるの で、この表現の仕方は非常に難しいと思うんですが、多分パブリックコメントでも幾つ か意見が出るとは思いますが、具体的なものを詰めた書き方をもう少し考えていかなく てはいけないのではないかというふうにちょっと感じております。 ○林座長  どうもありがとうございました。 ○安藤委員  いずれもごもっともなお話でございます。今回の測定方法はエチルベンゼンを除いて すべて難しい測定方法だと。技術的には本当にトップレベルの技術なんです。スチレン についてはポリスチレンという白い発砲性のものがございますけれども、すぐ簡単に重 合してしまうという性質があります。したがって、多分スチレンの場合は破過は起こし ていないんだろうけれども、吸着された段階で多分重合しているのではないか。そのた めに回収効率が落ちているだろうと、こういうことは予想されるということでございま す。したがって、今の最高の技術では多分50%とか、そういうことになるかもしれませ んが、これから各分析メーカーがいろいなものを開発することによってこれはクリアで きるだろうとは思っております。  それから捕集剤のタイプにつきましてもいわゆるクロルピリホスあるいはフタル酸エ ステルについては御指摘のとおりてございます。現在の段階ではやはりいろいろな開発 メーカーが開発段階に入っているところだろう。水系の場合はこれらについてはもう測 定法は確立しておりますが、空気からこれを採取するというものについてはほとんどま だ開発に着手していないという状況だろうと思います。そういうことから、ここの資料 3では漠然とした書き方ということに現在の段階ではならざるを得ない。これから更に 詰めていこうかなと思っております。  ついでに申し上げますと、更に詳細な測定をさせるには精度管理を含めたことを試験 方法の中に組み込まなければいけないんですが、そこは今はやめておこうと。そこまで はちょっと不可能だろうということで、それは書いておりません。 ○林座長  どうもありがとうございました。何か事務局、御意見ございますか。 ○吉田補佐  特にございません。 ○林座長  ほかに何か御質問、御意見ございませんでしょうか。もしないようでしたら、ここで ガイドライン案の最終化と今後の方針、進め方についてこの検討会としての結論をまと めたいと思います。事務局から提案された資料4ですね。中間報告書と報告書その2第 4回及び第5回のまとめ案につきましては若干文面上の修正が必要なところがございま すが、ガイドライン案の最終化と今後の方針、進め方に関する考え方を取りまとめたも のとしては一応適当と思われますが、いかがでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○林座長  どうもありがとうございました。では、この検討会の結論としましては本検討会では 資料4の中間報告書その2、第4回及び第5回のまとめ案として取りまとめられた概要 に従って、引き続き指針値策定等の検討を進めていくことにいたしたいと思います。意 見募集の結果と中間報告書、ともに結論は出ましたけれども、それぞれ資料2、資料3 及び資料4について文面上の修正作業などが残されております。今後の作業について事 務局の方で何かお考えがございますか。 ○吉田補佐  先生方におかれましては、本日、長時間にわたる熱心な御討議をいただきまして誠に ありがとうございました。御討議の内容を拝聴いたしまして、資料2の「意見募集の結 果について」、それから資料4の「中間報告書その2第4回と第5回のまとめ案」につ きましては御指摘いただきました箇所を中心に修正作業を至急行いたいと思っておりま す。  それから、資料3の後半部分につきましてはパブリックコメントの手続きを進めたい と考えております。いずれにしましても、そういう作業を至急行いまして、本日御了解 いただいたパブリックコメント済みの部分については速やかに最終版を公表できるよう にいたしたいと思います。つきましては、この必要な修正につきましては座長と事務局 に御一任をいただきまして、欠席の委員の先生方を含みます他の先生方には追って回覧 して御了承いただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。 ○林座長  ただいま事務局から今後の作業の進め方について御提案いただきましたが、御質問、 御意見などがこれについてございましたらどうぞ。よろしゅうございますでし ょうか。  そうしますと、差し支えなければ事務局の提案どおり、本日の討議に基づく文書の修 正作業など、事務局と私の方で預からせていただいて、速やかに先生方に御回覧したい と思いますのでよろしくお願い申し上げます。  では、今後の作業について事務局の御提案に従って進めたいと思います。議題の次の その他ですが、何かございますか。 ○川原生活化学安全対策室長  事務局の方からお礼を申し上げたいと思います。  本日は長時間にわたりまして積極的な御討議をいただきましてありがとうございまし た。先ほど資料4で説明いたしましたように、次回の検討会に向けまして新たに4物質 について室内濃度指針値の策定に関する調査に取りかからせていただきたいと思いま す。もちろん先ほど申し上げました最終化のための作業も並行して進めます。それか ら、先ほども触れましたけれども、測定分析方法に関しましてはフタル酸エステル類と クロルピリホスの測定法について、まだパブリックコメントが済んでおりませんので、 その募集の手続きに着手するとともに、財団法人の協力等も得まして測定法目録の更新 でございますとか、相談、測定マニュアルの完成に向けて鋭意作業を進めていきたいと 考えております。これらの作業につきましては適宜本検討会の先生方の御協力をお願い することもあると思いますので、その際はどうぞよろしくお願いを申し上げます。  また、次回の検討会の開催日時でございますけれども、御承知のように来年1月には 中央省庁の再編が予定されております。この関係の各種作業の進捗状況も考慮の上で改 めて日程調整作業を行わせていただきたいと考えておりますが、今のところは3月ごろ を予定いたしておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  なお、中央省庁の再編に伴いまして、本検討会の事務局は現在、生活衛生局の企画課 本課と生活化学安全対策室で行っておりますが、生活化学安全対策室につきましては新 しい厚生労働省の下、医薬局化学物質安全対策室として、また企画課の業務は健康局の 生活衛生課においてそれぞれ実施されることになっております。そういう形でそれぞれ 再出発することになりますけれども、組織体制は変わりましても厚生労働省におきます シックハウス問題対策についてはこれまでと変わらぬ形で推し進めていくつもりでござ いますので、委員の先生方におかれましてもこれまでと同様に御理解と御尽力をいただ ければ大変幸いでございます。今後ともよろしくお願い申し上げましてお礼のあいさつ に代えさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○吉田補佐  事務局の方からは以上でございます。 ○林座長  どうもありがとうございました。それでは、これで本日の検討会を終了させていただ きす。御多忙のところ御参加いただきまして厚くお礼を申し上げます。 照会先 厚生労働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室 担当:剣持(2423),平野(2424)