00/12/12 生殖補助医療技術に関する専門委員会(第28回)議事録     厚 生 科 学 審 議 会 先 端 医 療 技 術 評 価 部 会      生 殖 補 助 医 療 技 術 に 関 す る 専 門 委 員 会                 ( 第 28 回 )                 議   事   録         厚 生 省 児 童 家 庭 局 母 子 保 健 課            厚生科学審議会先端医療技術評価部会        生殖補助医療技術に関する専門委員会(第28回)議事次第 日 時 平成12年12月12日(火) 13:00〜17:12 場 所 厚生省別館7階共用第13会議室  1 開 会  2 議 事   (1)精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方について   (2)その他  3 閉 会 〔出席委員〕   中 谷 委員長   石井(ト)委員  石井(美)委員  加 藤 委 員  高 橋 委 員   辰 巳 委 員  田 中 委 員  丸 山 委 員  矢内原 委 員   吉 村 委 員 ○小林主査  定刻になりましたので、ただいまから「第28回厚生科学審議会先端医療技術評価部会 ・生殖補助医療技術に関する専門委員会」を開催いたします。  本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。  本日は加藤委員と矢内原委員が遅れられるとのことです。 ○中谷委員長 御欠席ではないですね。加藤先生、お見えになりました。 ○小林主査 それでは議事に入りたいと思います。中谷委員長、議事の進行をよろしくお願いいた します。 ○中谷委員長  きょうは朝はとっても寒かったんですけど、暖かくなってよかったと思います。 事前にいろいろと案につきまして御送付いただいておりますので、皆様方それをごら んいただきまして、御意見もお持ちになったと思いますけれども、事務局が大変努力を なさいまして、いいものをつくっていただきまして、私どもは大変感謝しているところ でございます。本日の議事に入ります前に、事務局から、きょうの資料の確認をお願い いたします。 ○小林主査 本日の資料を確認させていただきます。 まず初めに、いつもどおり「議事次第」がございまして、資料1としまして、前回の 御意見等を踏まえて作成した報告書案ということで、こちらは修正を溶けこませたもの です。それから、資料2になりますが、11月13日と11月24日に行われた先端医療技術評 価部会で出された意見に対して、専門委員会の方で御議論いただき、また、それを部会 の方に、こういう結論に至りましたということで御報告するということがございますの で、先端医療技術評価部会の方で出された意見のうち、主なものについて、専門委員会 の方でこういった回答になるのではないかということで、事務局の方で案をつくらせて いただきました。本日は、これについても御意見等いただければと思っております。  これについて1つ、これは御指示をいただきたいところなんですが、資料2の2つ目 の囲みのところなんですが、「差別の問題や様々な人々が受ける心理的プレッシャー等 を考えて、報告書中の用語を精査してはどうか。具体的には『片親』(『両親の一方』 の方がよいのでは。)や『不妊症』という用語の使用はいかがなものか」という御意見 があったのですが、「片親」については、「親の一方」というふうに、もう既に修正し てあるのですが、「不妊症」という言葉については、どのようにしようかということで 、考え方として、他に適当な言葉がなく、「不妊症」という言葉についても、心理的プ レッシャーを与えるような言葉ではないと考えるので、特に変更しなかったとかそうい う見方もあるかと思います。あるいは適当な言葉があれば、変えることもあるかと思う のですが、このことを御指示をいただければと思っております。 ○中谷委員長  私もとても気になっていたんです。「不妊症のために〜」とかよく出てきますでしょ う。 ○小林主査  適当な言葉があれば置き換えをするということがあると思いますので、後ほど御指示 をいただければと思います。  次に参考資料がございまして、こちらの方は、いつものとおり、前回からの変更点を 見え消しで示したものになっております。  あと、もう一つ、11月28日にお配りした先端医療技術評価部会における各委員の発言 概要ということで、参考までにお配りしております。  次に、参考資料に沿いまして、前回からの主な修正点について簡単に御説明させてい ただきます。  まず、1つ目ですが、全体に関しまして、前回、医療提供施設ということで、生殖補 助医療を行う機関を書いたのですが、「提供」というのはいかがなものかという御意見 がありましたので、これはすべて「医療施設」と訂正させていただきました。  次に、個別のところにまいりまして、1つ目、16ページですが、前回、個人情報を公 的管理運営機関に提出する場合として「妊娠していないことを確認できないとき」とい うのをつけ加えたのですが、それとの並びを考えますと、同意書についても、妊娠した ときだけではなくて、妊娠していないことを確認できないときも、つけ加えた方がよい のではということを考え、個人情報の方と合わせて、こちらの方にも事務局の判断で、 「妊娠していないことを確認できないとき」というのをつけ加えさせていただいており ます。 ○丸山委員  その前の、14ページのところ、結構直していますね。14ページの解説の方が、順序の 変更とかありますね。それをちょっと説明を。 ○小林主査  ここについては、一番最後に説明させていただきます。ここは、また、御議論いただ かなくてはいけない部分だと思いますので、ほかの部分を先に説明させていただきます 。  次なんですが、19ページにまいりましては、生殖補助医療を受ける夫婦に対して説明 するべき事項として、「生殖補助医療により生まれてくる子の血液型などを当該生殖補 助医療を受ける夫婦に合わせることができない場合もあること」ということと、「生殖 補助医療により生まれた子は、公的管理運営機関への申請により、自己が当該生殖補助 医療により生まれたことを知ることができることを含めた」というのをつけ加えました 。  次にまいりまして 21ページですが、この上の方ですけれども、これも生殖補助医療を 受ける夫婦と同じように、ドナーに対しても、同じく「生殖補助医療により生まれた子 は〜自己が当該生殖補助医療により生まれたことを知ることができる」ということを説 明事項として、これも御意見を踏まえてつけ加えさせていただいたということです。  次に、28ページですが、上の方の見え消しの部分ですが、ここの部分の書きぶりが、 従前、下に書いてある3つの罰則を課す場合、これに限定するように読めるような書き ぶりになっておりましたので、そこのところを本文中の文言と合わせて、これについて は適当であるという書き方に書き換えたということです。字句の書き方が限定的に見え るということで修正しました。  次、下にまいりまして、ここは前回の意見を踏まえて、出産となっていたのを「妊娠 ・出産した」とすべて直させていただいております。  次、29ページにまいりまして、一番上ですが、この部分、前回、この文をずっと読ん でいると、これから現行の問題点を述べるのだということが見えにくいということでし たので、冒頭にその旨を付記させていただいたということです。  そして、その下の消してある部分なんですが、「又は遠隔地に居住して〜」というこ とですが、前回の御議論で、この報告書の中でこれを書くのはいかがなものかというこ とがありましたので、あえては明示しないということで、ここの部分は消させていただ きました。  次へまいりまして、31ページですが、「出自を知る権利」のところでして、ここも前 回御議論がありまして、まず、そもそも出自を知る権利の始めとして、成人に達した人 が、自分が生殖補助医療によって生まれたか否かということを知ることができるという ことを明示した方がいいのではないかという御意見があったと思いますので、その意見 を踏まえまして、一文丸をつけ加えさせていただいたということです。  次は33、34ページになるのですが、まず、従前の(3)と(4)の順番を、これも御意見を 踏まえて逆にさせていただいたということと、34ページの (4)「提供された精子・卵子 ・胚による生殖補助医療を行う医療施設の指定」ということですが、これについては、 指定の基準と実際に指定をする主体を明確にした方がよく、これは国だろうということ で、「国が」と主体を明確に直しております。  それからその下の説明のところにまいりまして、生殖補助医療を行う施設の要件とし て、カウンセリングをしっかりと受けさせられるという要素が含まれるのだということ を明示した方がいいということがあったと思いますので、その旨がわかるように説明文 の1つ目の丸ですけれども、つけ加えさせていただいております。  また、下の部分のつけ加えなんですが、この部分についても、「子の福祉」という観 点も、ここの部分の説明につけ加えた方がよかろうという御意見があったと思いますの で、それも一文つけ加えさせていただいております。  それから、今のところの説明書きの一番最後の丸なんですが、ここも前回、生殖補助 医療を行う医療施設の指定の際に事前審査を行うということですが、その事前審査は形 式審査ではなくて、実地調査をも含む実質的なものということをしっかり明示しておい た方がよかろうと。また、指定後もきちんと行われているかということを定期的に監督 するということも明示しておいた方がよかろうということで御意見あったと思いますの で、その御意見踏まえて修正させていただいております。  最後に「終わりに」ですが、ここも前回の御意見を踏まえて追加したということなん ですが、1つは「カウンセリングを受ける機会の保障」ということを提言しておって、 ただ、現行においては体制が整ってないので、それを早急に整備していくことを希望す る旨を専門委員会の報告書として明記した方がよかろうということでしたので、それを 書かせていただいています。それが35ページから36ページにかけて、新たに入れたとこ ろです。  それから、その下にまいりまして、36ページの下から3つ目と2つ目の丸なんですが 、この部分については、報告書の結論を踏まえた新たな制度整備がなされた一定期間経 過後に、その制度を見直して、その中でも特に、兄弟姉妹からの精子・卵子・胚の提供 と、提供された精子・卵子・胚による生殖補助により生まれた子の出自を知る権利につ いては、この専門委員会でもさまざまな意見が存在して、多くの議論がなされたという ことで、特に、再度そのあり方を検討を行い、必要な見直しが行われるという旨を御意 見を踏まえて明記させていただいています。  「多胎・減数手術について」にまいりまして、最後の41ページですが、こちらの方も 2点ほど修正していますが、前回いただいた御意見を踏まえての修正ということです。  それから、先ほどちょっとお話のありました兄弟姉妹等からの提供の部分ですが、 ページで言いますと13ページから始まって 14、15、16というところですが、ここは前回 御議論をいただきまして、この部分については委員の先生方の間で合意を得られなかっ たということで、今回ここの部分について御議論いただくということだったと思うので すが、事務局として議論の整理に資するようにということで、前回までにファクス等で いただいた各委員の先生の御意見を参考にさせていただいて、論理整合性ということも 勘案しまして、事務局として1つの案として、こういうものであったらばどうだろうか ということで提示させていただきました。当然、前回の御議論についてはまとまらなか ったということですので、これが今の専門委員会の大勢であるとかそういうことではな いと思いますが、本日の議論に当たって、1つの案ということで、これを含めて御議論 いただければと思います。  この案のポイントなんですが、簡単に御説明しますと、まず結論的には兄弟姉妹等か らの精子・卵子・胚の提供は認めるということです。そして、その場合の範囲について どうするか、この部分が御議論あったところだと思うのですが、それについては、16ペ ージのこの部分の説明の一番最後の丸にありますように、「兄弟姉妹等からの精子・卵 子・胚の提供に際しては、精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持の特例の対象者 の範囲を特に限定せず」としております。特に限定はしないがどうするかといいますと 、その次に書いてあるのですが、公的管理運営機関が、前に示しましたような、十分な 説明のカウンセリング、ドナーに対する圧力や子の福祉、そういった厳格な要件できち んと事前審査を行って、その適否を個々の事案ごとに判断し決定するということで、特 に兄弟姉妹等の範囲については限定しない。個々の厳しい事前審査により、不適切なも のについては認めない、適当なものについてだけ認めるという案になっております。  前のページに戻りまして、そもそも兄弟姉妹等からの提供は認めるべきではないとい う強い意見も存在したということでして、15ページの3つ目の丸ですが、「兄弟姉妹等 からの精子・卵子・胚の提供は認めるべきではないとの強い意見も存在したものの」と いうことで、その部分は報告書の中で明記する形にいたしました。  以上、今回の案の説明になります。 ○中谷委員長  どうも御丁寧にありがとうございました。あらかじめお送りいただいていましたので 、各委員におきましてはそれを御覧になりなお御意見をお持ちかと思いますので、どう ぞ随意に御発言いただきたいと思います。それが終わってから議事の1に入りたいと思 いますけれど、いかがでしょうか。 ○辰巳委員  本論から外れたところから、34ページの 4「提供された精子・卵子・胚による生殖補 助医療を行う医療施設の指定」の真ん中後半、「国が指定した医療施設でなければ」と いうことになっておりますが、もし、HFEAのようなものができた場合は、これは国 ではないわけですよね。別の機構ということになります。だから、国が直接指定よりも 、国あるいは国が指定した機関が指定したとした方がいいのではないかと思うんですが 、いかがでしょうか。 ○母子保健課長  そこは厳密にはどちらでもいいかと思います。実際に考えられるのは、恐らく厚生労 働大臣が指定するとかそういう形になるかとは思うのですが、完全にHFEAのように 独立させて、そこがすべての権限を持つというふうになれば、そうかもしれませんが、 実質上は今のイメージですと、例えば成育医療センターなり何なりが、大臣が決めた基 準に従ってそういう指定行為を行うという感じかなとは思っているのですが。 ○辰巳委員  直接、国に指定されるのだなというところで、それは当たり前なのかもしれませんけ れども、直接国の管理下ということが強調されるような気がしまして。 ○母子保健課長  まずいということであれば、表現は例えば「国又は国に準ずる機関」でも結構ですし 、「準ずる公的機関」というのは変ですが、あるいは「公的機関」というふうにしても よろしいかと思います。前回の議論が、指定する主体を明確にしろという御指摘でした のでこのようにしただけですので、どちらでも。 ○矢内原委員  「国が関与」はだめですか。HFEAなんかは国が関与しているわけですね。直営で なくても。 ○中谷委員長  関与はしているけれども、一応独立なんですね。 ○矢内原委員  この間のマッカーシーさんなんかは国の公務員でしょう。 ○中谷委員長  あれはHFEAオーソリティとは違うんですね、本来的には。 ○小林主査  技術的なことを申し上げますと、この案の場合、指定を受けた者でなければできない ということですので、原則禁止で一部解除になります。禁止の解除を行うということで 、国民の権利義務を規定する行為を行うわけでして、そういった場合、今の法体系を見 ていると、国が指定した指定機関が指定したところだけができるというのは、この前、 石井(美)先生が母体保護法の指定医のことをおっしゃっていましたが、あまり見受け られないということもあって、果たして指定機関が指定できるということは現行の法制 上どうなのかというようなこともあります。かなり技術的な話ではあるのですが。 ○石井(美)委員  HFEAみたいなものをつくるということをここではうたっていないのでいいのでは ないかという気はしますけれども。 ○辰巳委員  すごくしっかり国の統制下という感じが明確にされて、いいのか悪いのかわからない のですが、この文章を読むと、医師側でいろんなことを思う人がいるのではないかと思 いまして。 ○中谷委員長  国以外にほかの公的な機関が指定するというようなことは考えられますか。 ○辰巳委員  それはHFEAみたいなものを将来つくるようなことがあった場合に、これは国の直 接ではないのではないかと思ったんです。 ○中谷委員長  私もそう考えますけど。 ○辰巳委員  今の段階では、もうそれ以外に考えられないということであれば、別に構わないので すが、すごく明確になったので、いいのか悪いのか。 ○小林主査  公的部門とか、何かほかの言葉でも、あえて「国」と言わなくてもよろしいのかと思 いますが。 ○母子保健課長  立法過程では、今、小林が申し上げたような技術的な話というので、ある程度制約さ れてはくると思うのですが、専門委員会として、どういう観点でおっしゃりたいかとい うことは専門委員会の御判断ですので、それを「国」とあえて言わずに「公的」という ふうに言いたいということであれば、その含意するものが、必ずしも国の機関だけでは ない、第三者もあり得るならば、そういうものとか、そういうことは先生方の御意向で すので、いかようにも書き直しができると思います。 ○中谷委員長  加藤委員いかがですか。国が指定したという。 ○加藤委員  「国が」と言うわけでしょう、普通。「厚生省が」と言ったらおかしいですよね。 ○小林主査  法律的には、例えば「厚生大臣が」ということになると思います。 ○石井(美)委員  たたき台をつくったときに、HFEAのような公的機関ができ、そもそも基準も定め て、そこが指定すると。 ○丸山委員  公的管理運営機関はということですか。 ○石井(美)委員  そうすると上から変えなくてはいけないですね。 ○加藤委員  でも、これは直接国が指定しなければならないという趣旨には読めないですね。直接 でも間接でもいいから、結局国が指定したという方法で決められたものとしか読めない のではないでしょうか。直接でなくても国が指定になると思うんですね。 ○高橋委員  そうすると特殊法人のような、そこで認可するということも考えられるわけですか。 ○加藤委員  ただ、その特殊法人だって、国が認可するとか指定するとかという形になるわけでし ょう。だから弱めなくても、別に心配するような事態は起こらないのではないですか。 ○辰巳委員  それならば結構でございます。 ○中谷委員長  それで御了解がつきました。ほかに何か。何か御意見おありですか。 ○法務省  お許しいただけるならば、申し上げたいことがあるのですが、前回、親子関係の確定 のところについてかなり詳しく御議論をいただいて、非常に法務省としてもありがたい と思っているのですが、囲みの部分の夫の同意の推定の話でございますけれども、かな り技術的な部分にわたるので、こちらにお任せいただけるということで御了解をいただ いたものと認識しておるのですが、もし可能であれば、この同意の推定というあたりの こうしたスキームをとるかどうか。 ○中谷委員長  何ページですか。 ○法務省  28ページでございますけれども、囲みの3つ目の。 ○加藤委員  法律用語で「推定」というのは別の言いかえはないんですか、こういう意味ですと。 これは素人は読んだだけでは、ちゃんと勉強しないとわからないですね。 ○法務省  内容の理解をどれだけできるかという点も含めて技術的な点について、お任せいただ けるということであれば、余り細かい点までお決めいただかなくてもよろしいのかなと 我々の方の考えておるのですが。 ○中谷委員長  3つ目は、前の表現よりも明確になってこれでよくなったんですよね。「妻が夫の同 意を得て、精子・卵子・胚の提供による生殖補助医療により妊娠・出産した場合は、そ の夫の同意は推定される」とある。同意を得ていれば、推定は別に関係ないわけだから おかしいと申し上げて、それはなくなって、私はこれでいいと思いますけれど。  ほかに何か御意見ございますか。 ○吉村委員  石井(美)先生が一番これを言われているんですけど、いろんな難しさもあるから、 なくしてもいいのではないかという案なんですが、先生はどうなんですか。 ○石井(美)委員  私もこの間、そう申し上げたら、あった方がいいという皆さんの意見にそのまま残っ たのだと思います。ただ、趣旨としては、説明の方にもあるように、子の福祉の観点か ら、なるべく親がいるという方向で定まるということと、もう一つは、今の推定の及ば ない子という概念が適用される余地がないと、そこのところですよね。 ○法務省  ここで民法の議論をするつもりはございませんので、詳しいことは申し上げませんけ れども、かなり……。 ○加藤委員  推定の及ばない子として、その範囲には入りえないという、そういう意味でこの「推 定される」という言葉を入れたということですね。 ○吉村委員  そういうことみたいな感じですけれども。 ○石井(美)委員  そういうことにつながると私は思っているんですけれども、これは、その推定の及ば ない子にならなければ、この規定がなくても大丈夫だろうとは思いますが、 772条の推 定は、体外受精等の技術を用いて生まれた場合についてもあるのだと。不妊治療におい て生まれた子どもについてもあるという、それであれば、なくても大丈夫だろうと思い ます。 ○法務省 そういう解釈も一部にはあり得ると思いますけれども。 ○中谷委員長 私はこれはこれでいいと考えております。 ○法務省 残るということであれば、それでもよろしいのですけれども、こちらで技術的に検討 した結果、実現できないようなものであるかもしれないということは御承知おきいただ きたいということです。 ○丸山委員  囲みから落として、だけど解説の最後の2つで、我々はどちらの方が望ましいと考え るかというふうに説明しておくのはどうですか。 ○石井(美)委員  それでいいのではないでしょうか。 ○丸山委員  だから技術的に難しければ、あくまでもこだわることはしないけど、解説の方で、我 々の意見としては、子の地位の安定でしたね。「子の法的地位をできる限り安定的なも のにするという観点から、推定されることが望ましいと考えた」というぐらいでは。 ○石井(美)委員  それでよろしいのではないでしょうか。 ○中谷委員長  それで決着ということです。小林さんいいですね。 ○小林主査  そうしましたら、本文の3つ目の中ポツが落ちて、それで説明書きの一番最後のとこ ろが「その夫の同意は推定されることが望ましい」とするということでよろしいのでし ょうか。 ○吉村委員  はい。 ○加藤委員  「推定」という言葉を使わない方がいいということはないんですか。 772条ができた ころは、夫の子でないことの確認というのが非常に難しい時代だったわけですね。だか ら、この場合には、他人の精子で生まれた場合には、遺伝的には夫の子でないことは確 証されている場合なんですね。その場合にも「推定」を使うというのは、本来ならば使 いたくない言葉というか、そういう確証ができない時代にできた概念を、その確証がで きるようになっても、そのまま使うという点では不適切だという意見は法律的には通じ ないんですか。 ○石井(美)委員 それは「夫の子とする」ことですから、2番の方で推定は入ってないんですよ。今お っしゃった意味の、772 条の推定ではなくても、夫の子としてしまうと。それは同意が あるときに、初めて夫の子になるので、同意がないときということが問題になるのだけ れども、その同意を推定しようというのが3番目なんです。 ○加藤委員  夫の同意は推定される。 ○石井(美)委員  同意があるということを推定しようというお話。だから、生物学的には夫の子じゃな いけれども、夫の子、推定ではなくて、そういう意味では。 ○加藤委員  同意は推定される。わかりました。 ○石井(美)委員  今のところの、本質的ではないんですけど、一番上の「〜医療により子を妊娠」でい いんですか。 ○矢内原委員  28ページの括弧の中の丸1。 ○石井(美)委員  妊娠を入れましょうと言ったんですけど。 ○石井(ト)委員  子が妊娠したことになりますから、確かに「子」は削除。 ○矢内原委員  子どもが妊娠することはない。 ○石井(ト)委員  「医療により」と「子」を取ればいいんです。 ○丸山委員  その後、しんどいですよ。だれの親かというのを導くために「子を妊娠」と入れてお く方が文章としては。 ○石井(美)委員  わかりやすいんですけど、子というのは妊娠するのか。 ○加藤委員  「〜子を妊娠・出産した〜」というのは、用語としては噴飯物ですよね。 ○丸山委員  そうですか。赤ちゃんできたと言わないんですか。 ○石井(ト)委員  前は「妊娠」という言葉がなかったからこういう言葉だったんです。妊娠になると、 子どもが妊娠するとなるので、「子」を削除したらよろしいのではないかということな んです。取った方がすっきりしますよね。 ○丸山委員  そうすると、後の「子の母とする」という言葉を引出しにくくなるということ。 ○石井(ト)委員  引き出しにくいですか。 ○石井(美)委員  出産した子の母ですね。いいですけど、何となくおかしい日本語ではある。 ○加藤委員  しかも、ここだけ「子を妊娠・出産」と書いてあるんですよ。 ○丸山委員  普通の言い方は、妊娠の目的語って何なんですか。 ○加藤委員  妊娠という目的語なくて自動詞でいいんです。 ○丸山委員  自動詞ですか。 ○加藤委員  何々を妊娠するなんて言わないじゃないですか。 ○丸山委員  何を妊娠するわけではないんですね。 ○加藤委員  「子」を入れないとまずいんですか、丸山先生。 ○石井(美)委員  「出産した」の方には「子」がない。「その子と母はする」。「その子の」。 ○丸山委員  当初「妊娠」がなかったですからね。「子を出産した人は、その子の母とする」で問 題なかったのですが、「妊娠」を入れてしまったもので。 ○石井(美)委員  意味は通じるんですけれども。 ○矢内原委員  子以外のものを出産することはないです。 ○中谷委員長  「子」というのは、なくてもいいんじゃないですか。 ○吉村委員  2番目の方が日本語としてはおかしいのではないですか。「妻が夫の同意を得て、精 子・胚の提供による生殖補助医療により妊娠・出産した子は〜」、こっちの方が、私の 前の文章よりおかしい気がしますけれども。 ○石井(美)委員  おかしいですね。 ○丸山委員  だけど落とすとこうなるんですね。 ○中谷委員長  妻が妊娠・出産した、その子どもはというので、別におかしくないんじゃないですか 。 ○矢内原委員  「妻」が前に来ているから。 ○石井(美)委員  「妻」が離れているからですね。 ○中谷委員長  主語があるからいいのではないでしょうか。 ○石井(美)委員  夫の同意を得て、妻が妊娠・出産した子。 ○小林主査  「夫の同意を得て、精子・胚の提供による生殖補助医療により、妻が妊娠・出産した 子は」ですか。 ○吉村委員  結構です。 ○母子保健課長  このままでよろしいのですか。変えなくてよろしいですか。 ○中谷委員長  よろしいです。 ○矢内原委員  黒ポチの上の「子」は取るんですか。 ○中谷委員長  「〜により子を妊娠・出産した人を、その子の母とする」。「子」は要らない。 ○丸山委員  要りますよ。 ○矢内原委員  要りますか。 ○吉村委員  そうすると「その」というのはおかしいですね。 ○丸山委員  だから、その子というふうに引き出す場合に、その子をと……。 ○石井(美)委員  生まれた子の母とする。 ○丸山委員  生まれた子の母とする。その方が正確ですね。「卵子・胚の提供による生殖補助医療 により妊娠・出産した人を、生まれた子の母とする」。 ○辰巳委員  生まれなくても、妊娠中に胎児に何か異常があった場合にはということでしたんです よ。 ○吉村委員  それもあったから「妊娠」を入れたんですよ。 ○丸山委員  やっぱりこれでいいんじゃないですか。 ○石井(美)委員  おかしくても趣旨ですから、条文にするときは、法務省で考えていただいて。 ○母子保健課長  原文どおりでよろしいですね。 ○吉村委員  ええ。 ○母子保健課長  1つ目、2つ目のポチは原文どおりということにさせていただきます。 ○石井(ト)委員  もう一度、3番目の同意のところを削除して、説明文を入れるという案だったんです けど、ここは非常に重要なので囲みに入れてもらいたいです。31ページの上の方に説明 が載っていますが、同意が前提なんですけど、生まれた子の法的地位をできるだけに安 定したものにすることによって、次の文章、夫の同意は推定されるのだということです ので、これは囲みの中に入れてもらいたい。外してもらいたくないんです。 ○丸山委員  同意がない場合は、もちろん夫の子ではないですね。いかに囲みに入れても。  ○吉村委員  同意がなければ。 ○石井(ト)委員  だけど、ここで言うところは、そういう意味でなくて。 ○丸山委員  同意があるかないかがわからない場合に、夫の同意があると推定し、それに基づいて 2つ目に戻って、夫の子とするということですね。同意がない場合は夫の子ではないで すね。 ○石井(美)委員  ないということがはっきりする。 ○石井(ト)委員  ここで言っている言葉は、同意があり得るという可能性を含んで、子どもの安定性を 考えて、夫の同意が推定される、これはすごく大きな意味なんですよね。 ○丸山委員  あるかないかわからない、わずかな場合ですね。 ○石井(ト)委員  絶対わからないところもありますよね。ですから、それのための囲みの文章なのであ って、これをあえて外に出す必要もないです、そうしましたら。説明にこれがなかった ら、どうやって説明するんですか。 ○丸山委員  説明というか、先ほどの案では、我々の意見として、夫婦間で生殖補助医療が使われ て妊娠・出産があった場合には、夫の同意を推定してもらいたいという考えを述べると いうことです。そういうのであれば、解説の中でも構わないではないですか。あえて技 術的な問題で、絶対こういう構成をとらなくても、そういうことが実現されるように求 めるというふうに先端医療技術評価部会なり法務省に働きかけるということなんです。 あくまで、こういう構成をとらなければならないというふうに我々が考えるのであれば 、囲みの中に入れるということになると思いますけれども。 ○石井(ト)委員  私は囲みの中に入れた方がよしとして、今、発言したんですけど、皆さんが別にあえ て、そこら辺もすべて含んだ形で法務省がうまく表現していただくということがあれば 、強化していただくということであれば、それはそれでいいですけど。 ○田中委員  具体的に夫の同意があるかどうかわからない場合は、どういうときなんですか。 ○石井(美)委員  規定に沿わないで、だれかがやった場合ということですね。 ○丸山委員  ここの原則の規定に従うようにと言っているんですが、それでも同意をちゃんと度ご とにとらずに。 ○田中委員  それは同意してない場合となるんですか。 ○中谷委員長  具体的な実施医療機関としては必ず同意をとっていらっしゃるわけでしょう。 ○田中委員  そうですね。それで同意しているかしてないかわからないというのは、遠くにいて連 絡とれなかったとか、そういう場合ですか。 ○丸山委員  その場合は、また逆に同意がないということが明らかになるのでしょうね。 ○田中委員  具体的にピンとこない。同意書は必ずとるので、同意がないと普通は治療しないです ね。 ○吉村委員  私もそう思うんですけど、例えば違う人連れてきて「主人です」と言った場合も起こ りうる可能性はあるでしょう。 ○田中委員  それはありますね。 ○吉村委員  「主人です」とか言って、そういう場合もあるかなということで、これを入れられた 。 ○田中委員  わかりました。 ○中谷委員長  御主人を確認する方法はどうやってらっしゃるんですか。 ○田中委員  うちは免許証です。 ○吉村委員  免許証は、先生から聞いていい方法だと思ったんですけど、だけど、うちなんかは戸 籍謄本持ってきたら、そう思っていますからね。 ○矢内原委員  免許証ない人は。 ○田中委員  私たちは、そのときに話して、もう一回来てもらうんです。何だかかんだと言ってい る間にもう一回来てもらう。 ○加藤委員  免許証のない人はどうするんですか。 ○田中委員  だから、もう一回来てもらって、その間に調べる。 ○石井(ト)委員  それだけ確認するのが難しいということがあるわけですね、実態としては。ですから 置いておいた方がいいという主張ですね。 ○田中委員  わかりました。私は具体的にどういうことを意味しているかわからなかった。そうい うことですか。 ○中谷委員長  保険証もあるけど、保険証は写真がついてませんからね。 ○田中委員  わからないですよ。 ○矢内原委員  同意のところでいいですか。16ページになりますが。 ○吉村委員  先生、この意見がまだまとまってないんです。 ○矢内原委員  まとまってないの。ここはよくなったんじゃないの。推定のこと。 ○吉村委員  推定のことが。具体的に法務省で何かやられるときに非常に大変だということもある かもしれないし、我々の趣旨がこうだということを十分に言えばいいのではないですか 。 ○加藤委員  推定というのはトラブルがないことが証明できる場合には推定と言わないんでしょう 。 ○吉村委員  そうです。 ○加藤委員  だから、わからない場合ですよね。別の人を連れてきたなんていうのは、別の人がわ かっちゃえば。 ○丸山委員  わかっていればいいんですけど、現実にはどっちか判明しないというのがあり得ます よね。 ○加藤委員  それがわからない場合ですね。 ○石井(美)委員  わからない場合には推定規定が機能するんですね。 ○加藤委員  だから、わからない場合にはわからないという結論を出さないで、わからない場合に は夫の子だというふうに結論出すということですね。 ○丸山委員  それを推定という概念で、この囲みの中に書くか、あるいは実質的にはそういう希望 だけれども、概念的な枠組みは法案をつくられるお役所に任せるかという、その違いで すね。 ○矢内原委員  772 条のところに書いてある「推定」という言葉を使っているわけでしょう。 ○石井(美)委員  紛らわしい。 ○吉村委員 紛らわしいですよ。 ○矢内原委員 例えば、そうじゃないということがわかるのは随分後ですよね。 ○加藤委員 夫の子であるかどうかというのはわかるかもしれないけれども、同意があったかどう かというのは迷宮入りという可能性が高いのではないでしょうか。 ○高橋委員  そういう場合も確かにありますね。 ○丸山委員 今の、夫の子であったかどうかも、遺伝学的な夫の子であったかどうかなんですね。 今、配偶子提供認めてますから、それ決め手でなくなりますね。 ○加藤委員 ですから夫の同意があったかなかったかということの決め手がない場合には、あった ものの方で解釈するという趣旨でしょう。 ○矢内原委員 同意が推定する。 ○石井(美)委員 そういうことです。迷宮入りの方が多いといっちゃったら困るんです。 ○加藤委員 ケースとしては迷宮入りに逃げ込む手がないということですよね。 ○吉村委員 ここでもこれだけ議論があるくらいだから。 ○中谷委員長 推定だから、いずれにせよ違った場合は、自分は同意しなかったと反証を挙げれば覆 すことができるわけですから、。 ○加藤委員 毎日、反対すると言ってなければならないんだ。おれは同意してないぞと言って。 「あなた、あの日、いいと言ったじゃないの」なんて言われたら困る。 ○矢内原委員 将来に対する救いですね。産んでしまったら、それっきりよというわけにいかない。 ○丸山委員 石井(美)委員はどちらがいいんですか。この分野の概念や法制に詳しいでしょう。 ○石井(美)委員 いずれにせよ、内容について法律に明記するなら、このまま書きなさいという趣旨で はないわけですから、どちらにあっても同じだろうとは思うんです。子の趣旨でという ことを明確にするという意味ではここにあった方がより明確ではあるということだろう と思いますが、私は説明の中でも構わないだろうということを申し上げたのは、そした ら4番と同じでしょう。4つの丸だって。 ○丸山委員  4番要らないということですね、両方書くなら。 ○石井(ト)委員  これも重要ではないですか。 ○石井(美)委員  そういう趣旨のことをわかるような法律をつくりなさいという、そういう趣旨であれ ば、構わないと法務省がおっしゃるのでしたら、残しておけば、それでよろしいのでは ないですか。いろいろ言ってすいません。 ○丸山委員  そういうものとして、ここに書かれましたという理解で。 ○法務省  オブザーバーの立場で余り意見を言う気もございませんけれども、最後にもう一度言 わせていただければ、そういう方向でお考えになったということを、こちらでまた別の 機会に検討させていただいて、その結果、そのままになるのかどうかわからないという ことは御了解いただきたいということです。 ○石井(美)委員  ただ、ここに書かれている以上、法務省もそうしないには、それなりの理由を述べて いただかないといけない。 ○法務省  今の石井(美)先生の御発言に対して言わせていただければ、子の福祉の優先という ことだけで、同意の推定というような重大な効果まで本当に認めていいのかというのは 非常に疑問もございますので、本当は囲みの外の説明の最後から2つ目の説明だけで理 由づけができているかというと、我々は全くできていないのではないかと思っておりま すので。どちらでも結構でございます。これ以上、オブザーバーの私が意見申し上げる ことはございませんので、このままであれば、これで結構でございます。 ○石井(ト)委員  最低限、第三者になり得る存在であるので、その危険性を感じて言っているわけなん です。 ○母子保健課長  そしますと、今のところ、全部原文どおりでよろしいですね。この囲みの中は。説明 の丸のところは、一番最後望ましいとしたのですが、「したものである」でよろしいで すね、原文どおりで。ここはすべて原文どおりということで。 ○矢内原委員  きのう送っていただいたファックスの中で疑問の点があって、「不妊」にするか「不 妊症」にするか、差別じゃないかという言葉ですが、これはこの前のときも同じような 議論が出まして、用語集を調べてみると、「不妊(症)」なんですね。ですから不妊症 と、つまり原因不明の不妊というのがありますから、私たちは「挙子希望者」なんてい うような言い方していますけれども、人にするときには。不妊症というところをすべて 「不妊(症)の方」としておけば。 ○吉村委員  これはどういう意味で言われたのですか。 ○矢内原委員  すべてに出てくる。 ○吉村委員  そうではなくて、質問の意図は。片親というのは差別用語であるということですか。 ○小林主査  不妊症というのは不妊で悩まれている方々がある意味プレッシャーを受けるのではな いか、ということをおっしゃっていたように思いましたが。 ○矢内原委員  病気的なニュアンスを持たせちゃう。 ○吉村委員  「不妊」と「不妊症」というのは別の言葉でちゃんと定義するんですよね。妊娠でき ない状態を不妊と言って、それがある一定期間、日本だと2年、妊娠を希望するにもか かわらずできないというのを不妊症としているんですね。もう一個の定義は、医学的に 治療の必要性を認めた場合に不妊症としているわけです。 ○矢内原委員  例えば原因不明の不妊の人の場合にはどういうふうになるのか。不妊と不妊症という のは同じ言葉で症を括弧にしている。 ○吉村委員  不妊だったらいいわけですか。 ○矢内原委員  私は不妊(症)にすればいい。 ○吉村委員  向こうの趣旨がどういう趣旨なのか、私にはわからない。 ○矢内原委員  両方ですよね、総括していますよね。 ○小林主査  私もおっしゃった委員ではないのであれなんですが、少なくとも「不妊症」といった 場合にそういう状態にある人々に対してどうなのか、ということだと思います。その人 たちが聞いたときに、「片親」と同じようにいたたまれない気持ちになるという感じな のかなと、私の感触としては思いましたけれども。 ○丸山委員  不妊は病気でないというとらえ方ではないですかね。 ○石井(ト)委員  それで括弧になっているんじゃないですか。病気でない。 ○加藤委員  括弧に入れたいなら、不妊又は不妊症という意味で。 ○矢内原委員  いや、不妊で横に括弧して。 ○加藤委員  不妊又は不妊症、不妊症を含む不妊、そういう趣旨でオアのつもりで括弧を入れたと いう可能性ないですか。 ○矢内原委員  省略をしても入れてもよろしいという意味ではないですか。言葉のニュアンス。先生 の定義は、2年以上になって、例えば原因がわかってしまえば、私はいいと思うんです 。 原因不明の不妊の方というのは多いわけです。そういう人たちは不妊の方ではあるけれ ども、それを不妊症といえるかどうか。そうだというと、ある程度病名的なものが加わ るというので、それで差別だと心配しているんだと思うんですね。 ○石井(美)委員  「症」がつくからいけないんですか。 ○丸山委員  「症」がなくなれば、かなり、違うと思うんですね。 ○矢内原委員  人に話すときにも抵抗がありますね。挙子希望者。 ○中谷委員長  大体不妊は病気かどうかということですね。だから、生殖補助治療なのか、医療なの か。 ○石井(美)委員  ここは病気のためにという趣旨が入っているんですよね。つまり便宜的利用を排除す るためには加齢もだめだし。 ○丸山委員  例えば4ページの下の囲みの最初の丸、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医 療を受けることができる人は、子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない 〜」と書いてあるんですけれども、これは不妊と言ってもいいですよね。加齢のために 持てない人は除くという趣旨は達成できますね。 ○石井(美)委員  加齢のための場合は、不妊とは言わないんですか。 ○高橋委員  言わないですね。 ○吉村委員  言わないですね。 ○矢内原委員  子どもができないのは加齢のため、とは言う。 ○吉村委員  そうですね。 ○中谷委員長  子を欲しながら不妊症のために……。 ○石井(美)委員  「不妊症のために」というのはおかしいですね。 ○中谷委員長  ちょっとおかしいですね。 ○石井(美)委員  子を持つことができないのが不妊なんでしょう。 ○加藤委員  そうですよ。「不妊症のために子を持つことができない」というのはおかしいですよ 。 ○中谷委員長  おかしいですよ。 ○石井(ト)委員  「医学的理由に」というのはどうですか。 ○加藤委員  借金するために金借りているみたいな感じ。 ○石井(ト)委員  「不妊症」という言葉が、差別用語である特定の状態の人を指しているということで あるならば、例えば「子を欲しながら、医学的理由のために」、そういう言葉に置き換 えたらどうでしょうか。 ○矢内原委員  原因不明で子どもが欲しいけどといって、いろいろ調べても何でもない方たちは一体 どういうふうに向かって言うんですか。 ○石井(ト)委員  それは医学的理由で説明できると思うんです。 ○石井(美)委員  ただ、原因は特定できてない。 ○矢内原委員  特定できてない。また、ずっと特定できなかった人、たくさんいますよ。 ○吉村委員  私はそれは不妊症の範疇に入ると思いますけど。 ○中谷委員長  そしたら、ここでやっぱり不妊症と言っているんですけれどもね。 ○加藤委員  4ページぐらい、不妊症と入れても安心なんじゃないですか。不妊症というのはあい まいらしいけれども、「症」がついている方が。 ○吉村委員  私は余りあいまいじゃないと理解していますけれども、定義はちゃんとあると思いま す。 ○加藤委員  定義はある。原因がわからない場合もあるわけですね。 ○吉村委員  原因がわからない場合もあります。 ○矢内原委員  原因不明というのは25%ぐらいあります。 ○石井(美)委員  でも不妊症となるんですね。 ○吉村委員  不妊症です。 ○中谷委員長  「不妊症のために」というのを取ったら全然だめですね。「子を欲しながら子を持つ ことができない」。 ○石井(ト)委員  取っちゃったらまずいです。 ○丸山委員  加齢のために子どもができない人まで含まれてしまいますから。 ○加藤委員  経済的な理由で避妊している人だって、子を欲しながら子を持つことができないとい うのがありますよ。 ○矢内原委員  社会的に。 ○高橋委員  不妊症というのは、1つの医学的用語ですから、医学的用語を学術的な意味で使う場 合一向に支障ないわけでしょう。ただ、ここの場合は、こういうふうな答申の中に入れ て、これが誤解のもとになるかどうかということが問題なんでしょう。私は一向に誤解 のもとにならないと思いますね。ただ、言葉によって、精神的に非常に嫌な思いがする 方が出るかもしれません。ですけれども、それは私は仕方がないと思うんですね。「不 妊症」という言葉を、もし「子どもの持てない夫婦のために」とか、そういった言葉を 使ったら、かえって曖昧模糊とした言葉になると思います。 ○中谷委員長  この表現は再々出てくるでしょう。そのたび同じ表現を使うのか、それとも何かもう ちょっと変えるのか。 ○高橋委員  それはいいと思うんですけど、絶対と言っていいでしょうか、「不妊症」という言葉 が最も適切なところには「不妊症」でいいと思うんですよ。 ○吉村委員  このとりあえず、絶対性不妊ですよね。だから完璧な不妊症ですよね。その人たちを 「不妊症」と呼んで、どうしてそれが差別につながるのか。これは相対性不妊症ではな いですから、相対性不妊症の方をそうやって呼ぶのは。 ○矢内原委員  相対性不妊症というのは新しい。 ○吉村委員  絶対不妊と相対不妊はあるんですよ、分け方の分類に。 ○矢内原委員  用語集にはない、そんなのは。 ○吉村委員  アメリカではちゃんとあるんですよ。 ○矢内原委員  日本にはない。 ○吉村委員  日本はそういうのを書いた文章ないんですけど、ちゃんと書いてありますよ。 ○石井(美)委員  どういうのを相対不妊。 ○吉村委員  相対不妊というのは原因不明不妊もそうかもしれません。 ○田中委員  決定的に原因がわかってないけれど不妊症になりやすいとか、そういうタイプをサブ という接頭語でつける。将来ほっとくと不妊になりやすいとか、そういうグループをい うんですよ。私思うんですけど、多分こういう学術的な知識のない人が不妊症という言 葉、産めず、孕むことができないという言葉が差別用語につながると思うんです。例え ば内膜症だから子どもができないとか、男性の精子が少ないから子どもができないとい うのは差別用語でないと思います。総括して子どもができないという、この言葉を頻繁 に使うことが差別ではないか。私はそういう解釈したので、今、吉村先生言われたよう に、第三者のをもらうというのは、絶対的にもらわないとできない人たちのグループで 、絶対的不妊症という、そういう吉村先生の御指摘なもので、私はこれでいいと思いま す。  ただ、それ以外の原因不明、そういう場合には現在調べた医学的な範囲内では原因が わからないとか、という配慮ではないか、私はそう思います。 ○母子保健課長  1点ちょっと補足しますと、このときに委員の先生、この意見を出された方が、用語 集みたいなものが場合によっては必要なのではないかいうようなこともおっしゃったの ですが、例えば不妊症ということで、この下に(「不妊症」とはこれをいう。)という ものを入れていただいてもよろしいかなという感じはするのですけれども、ただ、それ で 100%満足されるかどうか保証できないのですが、そこで明確にすることは1つある のかと思います。 ○中谷委員長 用語集みたいなものをつくりますか。 ○母子保健課長 全体をやると大変ですが、今の部分について、例えばここで入れていただいて、吉村 先生かどなたかに書いていただいて、それを最初の丸にはめ込むとか、「不妊症とは」 と定義していくということは少なくともできるのかなと思いますけれども。 ○田中委員 その方がいいと思いますね。 ○矢内原委員 この委員会の中で、ある言葉を世界で使われているからといって、日本語にない言葉 をつくるのはまずいのではないかと思うんですよ。 ○吉村委員 先生、日本語にないというのは、日本産婦人科学会の用語集にしようというふうに書 いてあるだけであって、それをつくったときの時代が、何十年も前の時代につくったわ けですから。 ○矢内原委員 これは何年かに1回改訂していますよ、何十年前ではないですよ。 ○吉村委員  そうですか。 ○矢内原委員  用語委員会の委員長をおれはしていたんだ。 ○吉村委員  そうですか。それは失礼いたしました。 ○矢内原委員  だから不備があるということはわかっている。今、また次の改訂やってますけれども 。 ○吉村委員  本当にないんですか、「不妊症」という言葉、日本産婦人科学会の用語集に。 ○矢内原委員  解説集にもない。不妊症という症は括弧してある。それで先生が言った定義を書いて いる。 ○加藤委員  夜尿症なんていうのは、小児科学会で使われている正式名称だから、夜おしっこしち ゃう。 ○矢内原委員  夜尿というのは現象であって、症はきっとあれでしょうね。 ○加藤委員  不妊だってそうなんですよ。本来、病名というのは、その症状をそのまま病名に使っ ている場合もあれば、原因を病名に使っている場合もあるんですよね。 ○高橋委員  ですから「症」とついた場合は症状がついたときに大体「症」という名前つけるのが 多いですよね。例えば羊水過多といった場合は羊水過多であっても、何も実態がない場 合。苦しいとか、おなか張ってきて早産になりやすいとなったときに過多症といいます ね。ですから今先生おっしゃったような、一般論じゃないでしょうか。 ○矢内原委員  幾つか見てみたんですけれども、非常にばらばらですね。不妊と使っている人も不妊 症と使っている人も、結局従うのはこの用語集しかありませんから、改訂いつか知りま せんけれども。 ○辰巳委員  先生、用語委員長をしておられて、不妊(症)と括弧がついている理由は、不妊でも 不妊症としてもどちらもいいですよという意味の括弧。 ○矢内原委員  私が委員長していたときには、こんな大きな問題なかったからね。子どもを欲してい る状態を「不妊」と言って、原因がわかれば「不妊症」だと。絶対的不妊症とか相対的 不妊症というのは、とにかく原発性不妊か続発性不妊かということですね。そういうこ とが定義になっている。 ○辰巳委員  その定義であれば、不妊症でいいわけですね。 ○吉村委員  私は思いますね。 ○矢内原委員  だけど、それが余り刺激的であるならば、括弧にしたらどうですかというのが私の意 見だったんですけど、用語集どおりですから。 ○高橋委員  問題は「不妊症」という用語がいかがなものかですから、このとおりで結構ですでい いじゃないでしょうか。 ○辰巳委員  一般的に言って、ごくわずか非常に抵抗持っている患者さんいらっしゃるんでけれど も、多くは一般的に使われる言葉だから、一般的にみなされている言葉として使ってい るということで大きな問題はないと思いますけれども。 ○加藤委員  ただ、「馬爪」と言っちゃいけないというのと似た感覚で不妊症を考えるわけでしょ う。 ○矢内原委員  子どもができないのというのと、不妊症と大いに違いますよ。「お宅子どもができな いの」というのと「お宅は不妊症」というのと違います。差別ですよ。 ○丸山委員  急に病気になるんですね。 ○矢内原委員  不妊症になったときにえらい重みを感じる。だから、それで心配しているんだと思う んですよ、差別だと。  次、いいですか。今の問題どうしますか。これはたくさん出てくるんです。「不妊症 のため」というのは、この中で。この間、線を引いていったら、余りたくさんあるので 嫌になるぐらい。 ○中谷委員長  そうなんですよ。余り頻出するものですからね。 ○矢内原委員  それを区別して書くのが面倒くさくなっちゃったもので。 ○石井(美)委員  使わなくて済むところは使わないようにしたらいいんじゃないですか。 ○中谷委員長  その方がいいと思いますね。 ○丸山委員  多分ほかの理由で子どもを持たなかった人には認めないというので、必要があって使 っているところは多そうですね。 ○加藤委員  4ページの不妊症の症はあった方がいいんじゃないんですか。いわば医療アクセス権 の成立根拠が、医学的な診断によって症と認められるようなものという、そういう意味 なんだから。 ○矢内原委員  提供の場合にはそのとおりだと思いますね。 ○母子保健課長  もし定義が明確であれば、例えば医学的原因がわかっている場合と、臨床的に2年以 上できない場合、と書いて、(以下、本報告書では「不妊症」と呼ぶ。)というふうに したらいかがでしょうか。 ○矢内原委員  その場合には、「一定期間、性生活を行ったにもかかわらず妊娠の成立を見ない場合 『不妊」という」、不妊症ではない。 ○母子保健課長  2年以上で不妊症と呼んでいるわけではないんですか。 ○矢内原委員  不妊期間を一体どのくらいにするかというのは、1年とか2年とか3年とかあるんで すけれども。 ○吉村委員  日本は2年としてますね。アメリカは1年です。 ○矢内原委員  日本は2年。 ○母子保健課長  その2年を超えた場合を不妊症というふうには呼ばないんですか。さっき言われた2 つの。 ○石井(美)委員  「症」がつくかつかないか。 ○母子保健課長  それはつかないんですか。 ○矢内原委員  これしかないんです、だから根拠は。 ○吉村委員  私はつくと思いますけれどもね。健康保険の適用も不妊症ですから。 ○母子保健課長  最初にそこで対象者を限定する。夫婦に限定するときの限定の仕方を、今言われたよ うな2年以上の場合と医学的原因があるものとして、それに名前をつければいいわけで すね。それを「本報告書では『不妊症』と呼ぶ」としてはまずいですか。 ○矢内原委員  それは構いません。両方言葉はあるんですから、使い分けをどういうふうにするかは 、ここでは……。 ○石井(美)委員  というよりは、「不妊症」としておいて、丸の説明の中に「不妊症とは」と書いてい ただいた方がわかりやすいと思いますが、長々とここに書くのは。 ○辰巳委員  2年以下とは限らないですよ。不妊期間が半年でも精子が0であれば対象になるんで すから。 ○母子保健課長  それは医学的原因がわかっている場合ですね。 ○辰巳委員  はい。 ○母子保健課長  医学的原因がわかっている場合が1つあって、それからわからない場合で、2年を経 過したものといいますか、2年以上できない場合というのを、この場合は対象にしてい るという理解。 ○吉村委員  ただ、2年というのは、この場合には、私は医学的にこだわる必要はないと思うんで す。絶対性不妊ですから、この人たちは。 ○石井(美)委員  ここではね。 ○吉村委員  だから、そうやって言うと、結構定義を書くのも難しくなるんですよね。 ○矢内原委員  この委員会の定義はつくられないなと。ここではこういうふうに使っていますよとい うのは構わないと思う。 ○石井(美)委員  「不妊症」と書いて、括弧して説明の中にそう書けばいいのではないですか。 ○田中委員  通常不妊症はこういう定義だけど、明らかに精子がゼロだとか原因がはっきりした場 合には、即座に不妊となるというふうにしていいのではないですか。今回はそういうも のを対象としている委員会だから、それで「不妊症」と使っていいのではないですか。 ○辰巳委員  そういうことを言われたのではないでしょう、この委員は。これが心理的圧迫を与え るということを言われたわけで。 ○母子保健課長  用語を明確にしたらいいのではないかということもおっしゃっていたので、そういう 意味では、そちらの方で、もし「不妊症」という言葉を使われるのであれば、そういう ことで納得していただく可能性もあるかなと申し上げているんです。 ○中谷委員長  表現も難しいですよ。「不妊症」なのか、「不妊(症)」なのか。「不妊」と「不妊 症」と分けるか。 ○吉村委員  不妊症の症はどういう定義をしているかというと、日本産婦人科学会の定義は2年と なっていますけれども、医療を必要とするものを私は「症」と呼んでいますけれども、 不妊は、子どもできないのは別に2カ月、3カ月あるいは5年できなくたって、子ども つくりたくないと思っている人だったら、これは「症」ではないですね。 ○辰巳委員  東條先生の教科書には「不妊症」という言葉は存在しない。不妊しかない、不妊症と いう言葉はおかしいと書いています。考え方はいろいろです。 ○矢内原委員  私の意見としては、全部「不妊」という言葉に統一してもいいのではないか。また、 不妊のためというのは、そのときに使い分けてはどうだろうかと思って直し始めたんで すけど、たくさんあるので、これはちょっと。 ○中谷委員長  全部「不妊」にしますか。 ○矢内原委員  出てくる場によって使い分けが違うんですね。ニュアンスが違ってきますから、ちょ っと気がついたもので、質問にあったもので調べたんです。関連していいですか、続け てやって。 ○中谷委員長  どうぞ。 ○矢内原委員  今の16ページの「書面による同意」というところなんですけれども、きのう送られて きた中では、この前の議論にあった 5の(ア)の囲みの2つ目の丸です。「妊娠したと き又は妊娠していないことを確認できないとき」というのは非常に難しいのではないか と私は思っているんです。妊娠したときと、妊娠しませんでしたよということがわから ないときということでしょう。 ○吉村委員  そうです。妊娠してない。 ○矢内原委員  これだったら、公的機関が非常に大変になると思うし、書類は増えるかもわからない けれども、全部報告させるか確認したものだけを報告させるか、どっちかだと思うんで すね。あいまいなものというのはすごくたくさん出てくると思うんです。フォローアッ プして、妊娠しているか、田中先生のところに東京の人が行っていて、来なくなった人 を問い合わせをしていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、妊娠したかもわから ないし、しないかもわからない。そういう人は全部入るわけですよね。 ○吉村委員  そうですね。 ○加藤委員  このときには確かにネガティブにできますよね。こういうことが確認できないときは 届け出しなければならないといっても、いつ届け出していいかわからないですからね。 少なくとも妊娠する可能性が認められたときだとか、妊娠している可能性が高いと認め られたときとか、そういう趣旨でしょう、ここで届け出をしなさいと言っているのは、 明確に妊娠だとわからなくても。 ○矢内原委員  でも7割、8割が妊娠しないわけですから、それはほかに病院を移ってしまったら確 認できないわけですね。それも全部届け出なければならないと。 ○石井(美)委員  そういう趣旨です。 ○加藤委員  これはわからくなったときも届け出る。 ○矢内原委員  この間、加わったんですよ。 ○丸山委員  しなかったことが明らかでない場合を除いて、すべて届け出と。 ○石井(美)委員  だから、すべて届け出て、例外的に妊娠してないことが確認できたときは届けなくて いいという、そういう書き方をすればいいのではないですか。 ○矢内原委員  妊娠した人と妊娠したかしないかわからない人を届け出なさいと言っているんだから 、提供の場合には全部届け出してもいいと思いますけれども、日にち書いてあれば、子 どもが将来、出自を知るときに日にちがわかるでしょう。 ○吉村委員  それはそうなんですけど、具体的に私たち……。 ○加藤委員  今、先生がおっしゃったように、妊娠してないことが確認できれば、届け出なくてい いと、そう書けばいいわけですね。 ○石井(美)委員  原則は届け出る。 ○加藤委員  妊娠してないのにいちいち届け出ていたのでは大変で、どっちが多いか知らないけれ ども、大変な数になっちゃうから。 ○吉村委員  それは大変な数です。 ○加藤委員  だから妊娠してないことが確認できたときには届けなくてもいいというただし書きを つければいいんでしょう。 ○吉村委員  そういうことです。 ○矢内原委員  1年間にAIDと幾つあるかによりますけれども、提供になるとそうたくさんないよ うに思うんだけど、とにかくこういう棲み分けは実地している人が非常に困ると思いま す。  括弧の下の説明文の丸1なんですけれども、これも多少個人的な好き嫌いありますけ れども、その3行目に、「生殖補助医療は、その実施により人工的な新たな生命を作り 出すものであり」という言葉は私は非常に嫌いなんですね。人間の命を人工的につくれ るわけはないので、「その結果、子を得る可能性を持つものであることから」とか、子 どもを主体にした考え方を入れていただきたいんですけれども。 ○吉村委員  確かに。 ○石井(ト)委員  自然な妊娠と人工的な妊娠だというところで対応してこの言葉なんですけれども、だ からもっといい言葉を。 ○矢内原委員  人工的に新たな命をつくるというのはどうも気になるんです。医者をおごっちゃいか んと思っているんです。そう思いませんか。例えば皆さんが患者さんになったときに、 人工的に先生に命をつくってもらったと思いますか。 ○中谷委員長  そうなるとデザイナーベビーですよね。 ○矢内原委員  デザイナーではないけど、そのとおりいかなければ。 ○加藤委員  人工的というのは、本来はさまざまな危険を生み出す人工的な措置によって、新たな 危険を生み出す可能性があるものであるから、こういう規制が必要だという、これはそ ういう趣旨なんでしょう。 ○矢内原委員  これは危険なところがあるんですね。 ○加藤委員  なぜ、この文章が入っているかといえば、こういう条件がつけられると。こういう厳 しい届け出義務なんかがつけられると。それはなぜかといえば、野放しにするわけにい かない理由というのは、こういう危険が人為的につくられるからだという、そういう趣 旨でしょう。 ○中谷委員長  人工的のかわりに「人為的」という言葉使ってもだめですか。 ○加藤委員  生命をつくり出すというところにかかっているのではなくて、本来は、そういう母体 に対する危険等を生み出すものであるから、そういう趣旨でしょう、文意は。 ○矢内原委員  でも人工的にその危険をつくり出すからとは読めないので、この場合には、主語はあ くまで生殖補助医療。 ○加藤委員  文意としてはそうなんですけど、ただ、これを書いた精神は、本来こういう文面とは 無関係でしょう。 ○矢内原委員  だけど、さっきの推定と同じように、この文章はひとり歩きするおそれがあります。 ○石井(美)委員  「人為的」というのは少なくともいいですね、人工的より。 ○中谷委員長  むしろ人工的より「人為的」の方がまだ。 ○加藤委員  「新たな生命を作り出すものであり」というのをやめた方がいいですよ。 ○丸山委員  そのパラグラフはAIDも当てはまるんですが、AIDの場合は妻に排卵誘発剤云々 というのは関係ないですよね。 ○吉村委員  関係ないです。 ○丸山委員  そのあたりも私気になったんですが。 ○石井(美)委員  使うんじゃないですか。 ○吉村委員  AIDは、特別にその人が排卵はできない方以外は普通は使わないです。 ○矢内原委員  何か適当に誤解を得ない文章に。 ○中谷委員長  そうですね。「人工的に新たに生命を作り出す」というと何か。 ○加藤委員  「野の百合、空の鳥」という言葉がありますから、それを言っちゃいけないんですよ。 ○中谷委員長  まさにクローニングみたいですね。 ○小林主査  書き方なんですけれども、先ほど矢内原先生がおっしゃったように、「その結果、子 を得る可能性があるものである」とかでもよろしいかと思いますが、どういうふうに修 文すればいいのか。 ○矢内原委員  ここは、もし危険性だけを言っているのを全部削ってしまってもいいのではないかと 思います。 ○石井(美)委員  危険性だけではないですね。子どもが生まれるということではないですか。 ○小林主査  書いた趣旨としては危険性というのもあると思うのですが。 ○矢内原委員  大きな意味で同意の必要性ですよね。 ○小林主査  親子関係の確認のところで、「同意を得た場合には」というのがあるので、子どもが できるのだから、同意をきちんとした形式でやって、保存しておくことが必要だという ようなつながりもあります。 ○矢内原委員  ここは全体的な説明ですか、生殖補助医療の。 ○加藤委員  「生命を作り出す」と書かなくたって、「子どもが生まれる」と書けばいいでしょう。 だから人為的な補助手段を通じて子どもが出生するからとか、そういう趣旨でしょう。 ○小林主査  この言葉にこだわらなくてもいいと思います。 ○中谷委員長  今、加藤委員が言われたように、文章を直されれば。 ○吉村委員  新しい生命が誕生するとかね。 ○小林主査  その実施により新たな生命が誕生する。 ○加藤委員  作り出すより作り出されるでも構わないんですよ。 ○丸山委員  新しい生命が誕生するものであり。 ○石井(美)委員  それがいいですね。 ○中谷委員長  その作るも、本来は創成の創がいいんでしょうけれどもね。 ○矢内原委員  人工の人工というのに反します。 ○中谷委員長  そうですか。 ○矢内原委員  天地創造できません。 ○小林主査  その前の部分の、囲みの2つ目の丸ですが、これはそうしましたら「提供された精子 ・卵子・胚による生殖補助医療を行う医療施設は、当該生殖補助医療を受けた人が妊娠 していないことを確認できたときを除き」とするのでしょうか。「上記により得た当該 妊娠した人及び」、先ほどおっしゃった趣旨はそういうことかと思ったのですが。もう 一回言いますと、 5の(ア)の2つ目の囲みの丸、「提供された精子・卵子・胚による 生殖補助医療を行う医療施設は、当該生殖補助医療を受けた人が妊娠していないことを 確認できたときを除き、上記により得た当該妊娠した人及びその夫の同意書を公的管理 運営機関に提出しなければならない」と、それでよろしいでしょうか。 ○矢内原委員  我々にはわかりにくいですね。大変だけど、全例にした方が整理しやすいのではない かと思う。公的機関がいずれにしても大変だと思います。 ○丸山委員  見え消しの16ページの下から7行目、「精子・卵子・胚による生殖補助医療は」、生 殖補助医療なんだけど、さっきも言いましたように、排卵誘発剤による卵巣過剰刺激症 候群、採卵の際の損傷の危険は体外受精の場合だけなんですね。 ○吉村委員  そうです。 ○丸山委員  生殖補助医療全般に当てはまる危険ではないので、体外受精とすると厳しいですか。 同意の重要性の根拠の1つが、部分的なものしか言えないというのは。 ○吉村委員  ほかのところが全部そうなっちゃう、結構大変だ。 ○丸山委員  AIDだけ性格が違うんですね。 ○吉村委員  ええ、そうですね。 ○辰巳委員  生殖補助医療の中には与えるものもある。 ○丸山委員  根拠が弱くなってしまう。 ○矢内原委員  「の中には」というようなことをしておいて。 ○加藤委員  この文章の全体、なぜ、書いたかわかるようにしてもらった方がいいのではないか。 「〜述べるように、生殖補助医療は〜与えるものである」というのだけれども、ここに 書いてあるのは同意を必要とする理由なんでしょう。だから、同意が必要だという趣旨 なんでしょう。 ○丸山委員  それが3つ目の丸のところに書かれているんですね。最初の丸で、新たな生命の創出 と危険が大きいこと。2つ目が子どもの地位。だから3つ目の丸のところで明確な同意 をとりましょうですね。 ○矢内原委員  4ページのところの説明にもありますね、同じ言葉が、「人工的に生命を新たに作り 出す技術」。 ○中谷委員長  同じ表現がいろんなところに出てくるんです。 ○矢内原委員  出てきますか。 ○中谷委員長  ええ。 ○加藤委員  これは全部人工的な補助手段を通じて、子どもが出生するものであるからとか、そう いうふうにすればいいのではないですか。 ○矢内原委員  そうですね。 ○吉村委員  これは生殖補助医療でいいのではないですか。これを直すと結構大変ですよ。 ○母子保健課長  よろしいですか。 ○丸山委員  「生殖補助医療の中でも体外受精は」というぐらいに、私はしたいんですけど、まあ 、いいですかね。 ○石井(美)委員  矢内原先生はよろしいですか。 ○矢内原委員  あとは、先ほど結論の中で解決していただいたし、制度として動いたときに、提供の 場合には全部報告をすべきだというのが、前も言いましたが、運用面では非常に大変に なりますねということです。だけど、ドネーションの場合には全部報告させた方がいい と思います。妊娠した、しないにかかわらず、それはさっき言いましたから。 ○石井(美)委員  私もできるなら、その方がいいと思います。余りにも事務量が大変だという。 ○丸山委員  逆に妊娠しなかったことが判明した、しないを区別する手間を思うと、全部報告の方 が楽かもしれないですね。 ○石井(美)委員  公的機関の方がこんなになって大変だという。 ○吉村委員  個人的なことですが、AID、それをやると物すごい大変なんですけど、年間 1,000 以上報告しなくちゃいけなくなっちゃうんです。 ○加藤委員 実際妊娠しているのは幾つぐらい。 ○吉村委員 100 ぐらいでしょうか。わからないのが 200ぐらいありますから。 ○加藤委員 外れの弾ばっかり報告するという形になるのではないですか。 ○石井(美)委員 あそこの成績は悪いという。 ○丸山委員 外れがわかるんですね。 ○吉村委員 体外受精はそんなに多くないからいいと思うんですけど、実際AIDとなると、妊娠 してないものも報告するとなると、全例、結果的に報告していけばいいんですけど。 ○丸山委員 前回の議論を踏まえると、今後は精子の提供が減るのではないかという。 ○吉村委員 減るでしょうね。それはそうかもしれないですけど。 ○田中委員 うちの話で恐縮なんですが、やはり転帰を知るというのは大事なことだと思います。 一番危険なのは、本人が妊娠してないと思っていて、子宮外妊娠や正常な妊娠じゃない 場合が時どきあるんです。そういう場合には妊娠反応が最初は出ないんです。ところが しばらくして、1カ月後ぐらいに来ることがあるので、私たちは妊娠した場合も、8週 ぐらいで、もう一回、結果、はがきを退院するときに持たせるんです。そういうものを 2通り、患者さんに渡すもので、非常にたくさん来て煩雑なんですけど、数少ないけれ ど、そういう異常妊娠のフォローも必要だと思うので、私も個人的には、矢内原先生と 同じように、結果はすべてわかった方がいいのではないかという気がします。  慶應のように、飛び抜けた症例が多いところは大変だと思いますけど、そういうのを 義務づけた方がいいのではないですか。 ○石井(美)委員  もし、できるなら、報告のときに、妊娠したかしないかという結果もちゃんとつけて 出す。そういう形によって公的機関の管理方法も違ってくる。そういう方法で統計をき ちんととるにはその方がうまくいくでしょうね。 ○中谷委員長  今、データ処理の方法もずっと簡易になってきますよね。 ○石井(美)委員  インターネットで。 ○中谷委員長  インターネットで。 ○矢内原委員  減数手術のときも感じたんですけど、正確なデータがとれないんですね。つまり、こ こで減数したという人が、本人はうまく4つを2つにしたと、やった人はそう思ってい ても、それを隠したいために、ほかの病院に行って、うちなんかの場合でも、この間ま で4つあったのに、次、来たときは2つになっていて、おかしいなと思ったけど、そう だろうという、ただ、それが流産して全部だめだった例が2例ぐらいあるんですね。そ ういうことを考えると、やった本人はそれを全部把握しているか。それから、これは内 緒だよ、と言われてやっているらしくて、どこでやったとは患者さんも言わないんです ね。ですからフォローアップというのは非常に大切なことなので、そういう意味では、 全例わかったものはわかった、わからないものはわからないということを少なくとも次 の周期までは、その周期のときには確認とれるわけですから、報告する方は案外難しく なくて、役所の方が大変なだけだと思いますけれども。 ○石井(美)委員  この場合、同意書を送るかどうかですね。 ○矢内原委員  書式によるんじゃないですか。どこに書くかですか。 ○加藤委員  これは同意書の現物を送るという意味ですよね。だから同意書の現物を送って、同意 書の現物をずっと保管するわけでしょう。 ○石井(美)委員  そうすると大変だということですね。認していないといけない。 ○田中委員  1つお願いがあるんですけれども、こういう第三者の配偶子を使った治療をする際に、 同意書だとか、これはカウンセラーにも関係するんですけれども、患者に与えるマニュ アルといいますか、そういうものを公的機関でつくってもらえませんか。患者さんが希 望された場合に、各施設がそれぞれ同意書をとっておくのではなくて、統一した同意書 の文面をつくって、マニュアルですね。それから、これだけは受ける人は全部読んでお いてくださいという、そこに書いておけば、それがいいと思うんですね。 ○中谷委員長  臓器移植でも提供施設、実施施設、両方にマニュアルというのがありまして、それに 従ってやっていますね。そういうものをつくるということですね。 ○田中委員  全部読んだらサインするとか、そうすれば各個別にいろんなことを言う者はなくなる と思うんですね。カウンセラーも大事ですけど、細かいことを書いた、ガイドラインな りがしっかりあれば、治療を受ける人にそれを渡して読んで、チェックすれば、共通し た教育ができるというか、知識が啓蒙できるので、できたら同意書を、各個人の同意書 ではなくて、そういうひな形があればつくっていただければと思うんです。 ○石井(美)委員  管理運営機関かどこかでつくるんじゃないですか。 ○中谷委員長  この委員会は、そこまでは徹底できないでしょうね。後で、残された課題として挙げ ておくより仕方がない気がしますけれども。 ○丸山委員  中谷先生、審議会の長におなりになるんじゃないですか、この後、公的管理運営機関 の。 ○矢内原委員  3年後に。 ○中谷委員長  つい最近、私、鳴門教育大学に参りましたら、カウンセラー養成のコースというのを 大学院かなんかにつくっていましたね。やっぱりそういうのもあるのだと思って帰って きましたけれども。 ○石井(美)委員  話、飛んじゃうのですけれども、「終わりに」のところとの関係なんですが、審議会 が3年後にできるのでなくて、私はすぐに審議会はつくって3年後に向けて動き出して いただいた方がいいと思うので、そのような趣旨の「終わりに」を書いていただいた方 がいいと思うんです。法律を考えるところとは別に、実際に医療について、どうするか ということを考える機関が必要なのではないかと思いますので。 ○母子保健課長  審議会はいろんなやり方があると思うのですが、恐らくこれは御意見をいただいて、 法律をつくる作業はいろいろありますが、細かいことがたくさんあると思います。医療 施設の指定要件ですとか、実施するときのフォーマットの作成ですとか、それをどうい う委員会の形でやっていくのかですが、それが、恒常的にフォローしていくような、あ るいはガイドラインをつくっていくような審議会と同一なものなのかどうかということ ですね。  私もそこのところ、まだイメージが湧かないのですが、そういう形で最初から構成で きるかどうかというところはまだはっきりはいたしませんけれども、ここで言っている 公的審議会というもので、これからの立法過程で必要なものを全部ここで審議しろとい う御主張になるのかどうかということですね。 ○中谷委員長  全部というのはなかなか難しいですね。ステップ・バイ・ステップでいくよりほか仕 方がない。 ○母子保健課長  そういう意味では、ある程度立法して、この制度がスタートした時点で、その法律の 中にこういう公的な審議機関というのでしょうか、そういうものを設けて、これが動き 出した後の新しい状況に対応していったり、また、きちんとしたチェックをするとか、 そういうものを書き込んでセットアップしていくというイメージでこれまで私どもは思 っておったのですが、それで足りないのかどうかということですね。 ○丸山委員  制度的には法律ができた段階と、その前の段階では違うでしょうけど、内容的には、 すぐに大臣に諮問する委員会なり、児童家庭局長の付置機関でも、とにかく私的機関で も構わないので、内容を詰める委員会を速やかにつくって、実質的には法律が制定され た段階での公的審議機関の方に移るというか移行すると、そういう在り方というのが望 ましいのではないですか。 ○母子保健課長  うまく移行するような性格のものになるかどうかちょっとわかりませんけれども、い ずれにしても立法過程で検討することがたくさんありますので、それは専門家の先生方 に集まっていただいてやらなければなりませんので、当然3年の間に準備するというこ とですからそのように進めていくことになると思います。  それが、ここでおっしゃるような公的審議機関としての役割を果たすものが、すぐに 年明けにできなくではならないかどうかということは、これからどういう組織をつくっ ていくか、これから考えなければいけませんので、にわかにすべてそれができるとはこ こでは申し上げられないということです。ただ、この御趣旨の、公的審議機関が必要だ ということは御指摘いただいたとおりですから、法律としてそういうきちんとした体制 をとるという形では当然やっていくことになると思います。 ○小林主査  技術的なことを申し上げれば、恐らくこの報告書が出た後に、例えば行政が何かやる ということになれば、これから具体的にどういうことを詰めていかなくてはいけないの か、そういうのをまず整理しないといけないですね。それが整理されて初めて、そうい う整理が必要だから、こういう検討会が別途必要だということになると思うので、それ をすぐ立ち上げたからといっても、中身がまだ決まってないとどうしようもないという こともあると思うんですね。技術的な話ですが。 ○石井(美)委員  それは個々のばらばらではなくて、1つの統一されたところで、全体が議論される必 要性があるのではないかということと、高橋先生がよくおっしゃっているように、3年 間では医療技術はすごく進歩してしまう。そのことを考えると、この報告書から3年後 までの間の、そういうことをフォローできるような機関というものが必要で、それはこ こがどの程度の機関かわかりませんけど、かなり公で議論される場である必要があるの ではないか、そういうことです。 ○母子保健課長  当然この報告をいただいてこれをもとにやっていくことになりますし、議事録も全部 公開ですので、どういう議論がされてどういう精神かということはすべて御理解いただ いた形で個別のお話をいただくようになると思います。基本的に議論は公開の形ででき ればと考えておりますし、それが統一的に幾つかの、テーマの整理にもよりますけれど も、幾つぐらいの検討会が必要で、そのサブがどれだけ要るのかというのはもうちょっ と考えてみないとわからないわけですが、ある程度、委員の先生方の共通した参加とい うのでしょうか、そういう形での整合性を担保していくとかいろいろな方法論はあり得 るだろうと思いますし、いずれにしても、この報告書を受けた形での作業になりますの で、可能な限りそろえていくことになっていくのだろうと思います。 ○中谷委員長  一般の方の意見などを見ましても、皆さん非常に関心を持って、しかも専門的な意見 を寄せてくださっていますよね。そういう意見も踏まえて整備していかなければならな いだろうと思いますけれども。 ○加藤委員  3年たったら始めようというのでなくて、3年以内に実行できるような方向でやって もらいたいという趣旨でしょう。 ○石井(美)委員  遅くともね。 ○中谷委員長  遅くともそうですよね。 ○石井(美)委員  矢内原先生、よろしいですか。 ○矢内原委員  はい。 ○石井(美)委員  これは質問なんですが、そうした方がいいという趣旨ではないんですけれども、12ペ ージのところで、余剰胚だから、これは対価がなくていい。対価は両方ともないんです けれども、精子・卵子については実費相当分、この実費相当分が何かということが問題 になるのだろうと思うんですけれども、これは交通費、通信費等とか説明がありますね 。そうすると余剰胚についてもそういう可能性はあるわけですね。そういうことはない んですね。 ○矢内原委員  凍結したものを使うのでしょうから、凍結費用が要りますね。 ○小林主査  趣旨としては、提供するために新たにかかる部分についてという意味です。例えば卵 子をボランティアベースでドナーに提供しても構わないといった場合に、いろいろ病院 に行っていただいたり連絡をとったり、そういうところを、自分が治療を受けるためで なくて、提供に関して、新たに支払う部分についてまで、その部分を穴埋めするという のはいかがなものかという意味なのですが、ただ、余剰胚の場合には、基本的には自分 たちが治療するために最初は持っていて、提供すると決めた後については、提供する側 の人が払うというのは、ちょっと違うかなと思いますが。 ○辰巳委員  カウンセリングを受けに来てもらわなくてはいけないですよね。 ○石井(美)委員  事前じゃないですね。廃棄すると決めてというか、不妊治療をやめると言った後、も う一回来てもらって説明を受けて、そして同意書を出してもらうという手続が必要です ね。 ○母子保健課長  該当するものがあればそれでおかしくないと思います。今までは、すでに余剰胚がで きていてそれを提供するだけだからお金がかからないだろうという議論だったと思うの で、おっしゃったようなことが実際にあって、実費が伴うならば、そういうことは当然 あり得るのかなと思います。そういうふうに変更しても全く問題はないと思います。 ○加藤委員  アメリカの答申案では、「金銭的及びその他の誘導手段を用いてはならない」そうい う趣旨の英語が書いてありましたね。何ていう英語だったか、今ちょっと思い出せない のだけれども、「報酬」という言葉でなくて……。 ○石井(美)委員  インセンティブ。 ○加藤委員  インセンティブじゃなかったんだ。 ○丸山委員  インデュースメント。 ○加藤委員  インデュースメントでしたか、そうでしたね。インデュースメントを禁止すると言い ましたね。                                ○母子保健課長  2つ目の丸は取って、上の方に全部胚まで入れればよろしいですか。 ○石井(美)委員  入れてしまえば。 ○母子保健課長  そういたしましょうか。 ○加藤委員  13ページの「兄弟姉妹からの精子・卵子・胚の提供」というのは、例えば姉妹が不妊 治療した場合に提供するという考えなんだけれども、皆さんのお考えはそうではなくて 、不妊治療を受けてなくても提供できる、そういう趣旨なんですね。 ○吉村委員  そうです。 ○加藤委員  わかりました。 ○石井(美)委員  胚についても、だからあり得るということですよね。 ○吉村委員  あり得ます。 ○丸山委員  妹夫婦が不妊治療していて、余剰胚があるということですね。 ○石井(美)委員  これは表現の問題なんですけれども、19ページの一番下のところと23ページ、19ペー ジの方は提供を受けるということなんですが、この間もちょっと言いかけたんですけど 、精子・卵子・胚は医療施設が提供を受けるのか、患者が提供を受けるのかということ なんですね。そして23ページの方には「譲渡」という言葉が出てくるので、そこのとこ ろが、確かに個人を特定して提供するわけではない。精子バンク的に、そこに提供され てあるという。 ○丸山委員  精子バンクが介在しなくても、匿名だから、医療機関が媒介者になるのでしょう。と なると、クライアントでなくて、医療機関が提供を受けるという概念の方がなじむと思 います。 ○矢内原委員  臓器移植法はどういうふうになっていますか。 ○丸山委員  難しいです。 ○中谷委員長  臓器移植法はドナーから、あとは臓器移植ネットワークでレシピエントを決めるわけ ですから。 ○丸山委員  ネットワークに一たん帰属させた方が整理がいいような気がするんですけど、必ずし もそうなってなくて。 ○矢内原委員  レシピエントが決まるまでの間は帰属をどこに。 ○丸山委員  難しいですね。 ○中谷委員長  これは臓器移植の場合とはちょっと違いますよね。 ○丸山委員  摘出手術をした医療機関というふうな扱いもできますし、以前、これについて検討し たとき、なかなか一筋縄でいかなかったですね。 ○中谷委員長  臓器移植だったらあらかじめ登録しているわけで、登録の順位というのが決まってい るわけですから。 ○丸山委員  匿名という点では共通はしていますね。死体臓器移植、第三者からの配偶子、胚のド ネーションの場合は。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹等、匿名でない場合は、医療機関でなくて直接行くということ。 ○丸山委員  そういう取扱いもできますね。というのは、前々回、私も述べましたけど、他方、そ れまで医療機関をかませてもいいんですよね。 ○石井(美)委員  医療機関が持っているのは、でも撤回はできるわけですね、提供の。 ○矢内原委員  技術の応用は医療機関が必ず仲介をしているわけですから、匿名であろうとなかろう と、提供されたのは医療機関で、医療機関に責任持たせたらどうでしょうかね。これは 本当にわかりにくいですね。 ○辰巳委員  意識としては、提供を受けたのではなくて、お預かりしているだけなんですけれども 、でもそうしないとややこしくなっちゃうでしょうね。 ○中谷委員長  兄弟姉妹等の血縁関係は、3人だけが反対で、あとの多数は賛成でしたから。 ○丸山委員  お預かりするとおっしゃるのは、これまでなされている提供を伴わない場合を念頭に 置かれているのではないですか。 ○辰巳委員  でも、次、来る人との間の仲介をしているというふうな考えですね。一たん私たちに いただいて、それを持ってましてだれかに提供するのじゃなくて、やっぱり次来る人が だれかはわからないけれども、その人との間の仲介役をしているという意識しかないで すね。一たん提供を受けているという意識は余りない。 ○加藤委員  胚の提供を媒介するとか仲介する医療機関、そういう方が自然ですかね。 ○辰巳委員  仲介すると言われた方が、どちらかといえば。 ○加藤委員  仲介するというと、自分は何もしないで、不動産屋さんみたいな感じじゃないですか 。 ○高橋委員  そういう意識はないでしょう、仲介という。 ○辰巳委員  仲介じゃないけど、一たん提供されたという意識もちょっと……。 ○石井(美)委員  精子提供を受けて、慶應の意識は、それは。 ○加藤委員  できれば「提供」という言葉は、提供者と受け取る人が医療機関ではなくて、いわゆ るクライアントが提供を受けるという語感で言葉を使った方が全体わかりやすくなりま すね。 ○吉村委員  でも、そうすると、精子の場合、凍結しますよね。我々が提供受けたという感じにな りますけれども、それを一定期間保存しておきますから、ドナーがクライアントに対し てとかというイメージではないですね。 ○矢内原委員  匿名だし、たくさんあるからね。 ○加藤委員  仕入れて小売するという感じだ。 ○石井(美)委員  そんな感じがする。 ○矢内原委員  辰巳先生のところ、胚なんか凍結してありますね、患者さんの要望で。それをもし同 意文書の中に、もし凍結の機械が故障したり、停電になったりなんかして、だめになっ てしまったと。そのときにはどういうふうにするという約束になっていますか。何か同 意文書ありましたか。 ○辰巳委員  天災等によってだめになった場合は保証できませんと。 ○矢内原委員  それまでお預かりしたお金は返しますとか何か、それはないですね。そのときまで預 かっていたのだから、そのときまでの料金をいただく。 ○辰巳委員  はい。 ○石井(美)委員  一たんは施設に帰属して、そうするとどう処分するかは自由ではないけれども、制限 つきのですよね。 ○丸山委員  それがだめなら、使われるまではドナー側の持ち物にすると、撤回なんかがうまく説 明できると思いますけれどもね。 ○矢内原委員  撤回はできるようになってます。 ○石井(美)委員  行っちゃっているんだけれども、明示的に撤回ができるのだ、両方あり得ると思いま す。権利関係はきちんとしておく必要性があるのだろうと思いました。言葉として、ど うも「譲渡」というのも気になったんです。 ○辰巳委員   9の1つ目の丸の最後の、「当該精子・卵子・胚を得なければならない」、この得る を、これまでの使い方では、提供されなければならないだと思うんですね。 ○加藤委員  移管するという言い方をしてはいけないですか。管理を移すという意味で。 ○小林主査  「譲渡」を「移管」ですか。 ○加藤委員  「譲渡」というと、いかにも売ったり買ったりみたいな感じもするし、お預かりして いるものを、別の機関にまた移すとなれば「移管」という感じになりますね。辰巳先生 、どうですか、譲渡のかわりに「移管」。 ○辰巳委員  「移管」の方がいいと思います。 ○中谷委員長  そうですね。 ○丸山委員  譲渡というのはあり得るんですか。 ○小林主査  最初に提供を受けた施設がほかの施設に、自分のところは使わないけれども渡すとい う場合もあるかなと思ったので書いたのですが。 ○丸山委員  それは提供者の同意の中にそういうことも含めておくんですか。 ○田中委員  それは必要ですね。 ○丸山委員  それとも含めておいて。結構、譲渡まで考えると問題が複雑になるし、とりあえず余 りなされないんじゃないですか。辰巳先生のところで精子が余ったから、田中先生のと ころへ譲渡する。あり得ますか。 ○加藤委員  でも、そういう横流し規定を入れておいた方が不足せず便利だ、ということはないん ですか。なるべく不足しないようにするためには横流しも認めると。 ○石井(美)委員  横流しというか、ネットワーク的に。 ○加藤委員  ネットワーク的に、将来はネットワークになるわけだけれども。 ○石井(美)委員  した方がいいと思います。 ○矢内原委員  胚がここにありますよと。 ○田中委員  一番の理想は、中枢コアは、日赤の輸血みたいにセンターがあって、それが一番私は いいと思うんです。国なりがしっかり管理して、余ったなら患者さんにボランティアで あげていいですかと。それはあくまでも胚なんですよ。卵に関しては、今のところ卵の 凍結は。 ○加藤委員  分配ということはできませんね。 ○田中委員  いずれ卵子の凍結ができるようになれば、すべて1つの施設が管理できる時代が来る 可能性があると思うんですね。                 (吉村委員退席) ○中谷委員長  イギリスは、中央のほかにサテライトでいろんなところにあって、一番近いところへ やるという・・・・・・。 ○田中委員  中央から、外へ提供するということですね。 ○加藤委員  確かにそういうものを提供するときに、だれかにあげるとか何とかというよりは、一 たん国のセンターに提供するという方が気分的にもすっきりするのではないでしょうか 。何かいいことやっているみたいな感じするのではないでしょうかね。 ○田中委員  胚に関してはそれもできると思うんですよ。凍結しておけば、そのまま郵送できます から、安全に。ところが卵子の提供というのがまだですね。私たちいろいろ研究してい るんですけど、いずれそういう時代が来れば、卵子も一旦凍結しておいて、不用となっ た際には、提供することができるかもしれない。 ○中谷委員長  卵子の凍結はできるという報告がありましたけれども。 ○田中委員  いずれ、そういう時代は来ると思いますけど。 ○中谷委員長  あるものによると、随分前からできたというんですけど、私はそれは聞いてなかった 。 ○田中委員  自分で採った卵は、自分の治療に使ってしまうのが普通ですから、卵子だけあげます という人はなかなかいない。 ○辰巳委員  卵子を凍結できるようになればまた全然様子は変わってくると思いますから、今でも 精子と胚に関しては、施設間のやりとりという道をつけておいた方がスムーズと思いま すね。移管も前提に入れて話を進めた方がいいと思います。 ○加藤委員  貴重品になるわけでしょう、胚というのは。田中先生のところでためたものは、全部 田中先生のところで使うというのはちょっと失礼、もったいないですね。 ○田中委員  そのとおりですね。もう一つ、大事なことは、凍結の技術が施設間によってバラツキ があるんです。これは意外と知られてないことですけど、世界含めて、胚の凍結技術ま だ劣悪なんです。ですから皆さんなるべく凍結しないような治療の流れですけれども、 施設間のレベルの差がある。 ○加藤委員  必ず凍結して使うものとするというのではないですね。 ○田中委員  そうじゃないところが多い。凍結をしない方が多いのと違う? ○矢内原委員  凍結の施設は 270で、IVFそのものの施設は五百幾つありますから、半分ちょっと ですね。 ○田中委員  一概に凍結してどうぞと、もらっても、溶かしたら全然だめだということはあり得る。 ○中谷委員長  凍結の期間はどのくらいと考えておられるのですか。 ○田中委員  一応、私たちは1年ごとに更新させていますけど、聞いて。 ○中谷委員長  長期は何年まで。 ○田中委員  まだ始まって10年もたってないので。 ○辰巳委員  生殖年齢を超えるまで。 ○矢内原委員  学会の規定では、夫婦の生殖年齢を超えるまで。 ○中谷委員長  一応、5年とかを基準にして 10年まで認めるとか、イギリスみたいにそういうふうに するのか、生殖年齢を超えない間、それはまた随分と長いですね。 ○矢内原委員  生殖年齢を超えないもの。だけど、患者さんが希望して、もういいです、と言ったら 、それは廃棄できるんですね。かえって、期日を決めたら、この間のイギリスでしたか 、何万の胚を廃棄しなければいけないと、大騒ぎになりましたね。 ○石井(美)委員  よろしいでしょうか。 ○中谷委員長  はい。 ○石井(美)委員  31ページの「出自を知る権利」の、この間の議論を踏まえて、私の意見を入れていた だいたのだと思うんですけれども、これでいくと、ともかく成人に達した人は、自分が 生殖補助医療によって生まれたかどうか聞いてくるという感じがしますので、この一文 は要らないと思うんです。手続として、2番の……。 ○加藤委員  成人式を迎えたら、自分の出自について調べてみようなんていって。 ○石井(美)委員  これは要らないと思うんです。この規定と適宜は。 ○小林主査  この説明も、もとに戻す。 ○石井(美)委員  いや、手続的には、2番の方の手続として、まず、そのことを確認できる手続がある という趣旨だけでよろしいと思います。 ○母子保健課長  四角の中だけ取ればいい。 ○矢内原委員  四角の中のアンダーラインがあるところ、まず1番目を取ろうというわけですね。 ○母子保健課長  説明文は入っていてよろしいということですね。 ○石井(美)委員  いいのではないでしょうか。 ○丸山委員  さっきの「譲渡」ですが、提供を受けた施設から第三施設への譲渡の場合、当初の同 意がなかったら、譲渡について、提供者に再同意をとるということですか。 ○加藤委員  初めから同意をとるときには、余った分について、田中先生のところで採ったものは 、必ずしも田中先生のところだけで使うのではなくて、よその病院で使っていただく場 合もありますよということを初めから同意を入れておくのではないですかね。 ○石井(美)委員  提供されたというのは、そこの医院に提供するという趣旨でもないということですよ ね。 ○丸山委員  匿名を貫いて、だれにでもどこにでも行くかもしれないということですか。 ○田中委員  それも国の言っている中央管理施設が管理しないと、ちょっと収拾つかなくなると違 いますか。 ○丸山委員  ネットワークに提供するという感じですか、暗に中央に。 ○石井(美)委員  それができれば、一番いいと思いますけれども、そこのような施設に。 ○田中委員  そうなると横の連絡網が非常に広がってくるんですね、各施設間の。患者はいるけど 、自分のところにはそういう胚がないから、どこかないか、ないかという横の。 ○矢内原委員  ある何とかグループができちゃいますね。それが怖いですね。 ○田中委員  決まった、つくられようとしているナショナル的なものがすべて管理するのがいい。 ○矢内原委員  提供胚管理施設。 ○加藤委員  今回の答申案はそこまで踏み込まないで、そういう余地を残しておくということでい いのではないですか。 ○高橋委員  そうですね。実際そこまでやったらね……。 ○加藤委員  実際そうなると、また厄介な問題で、配分権利どうするとか、数の少ないものについ て、一斉にばーっと来たときにくじ引きで決めるのか、いろんなのがあるじゃないです か。また、面倒くさいことがいろいろ出てきます。だからそういう余地を残しておく程 度でいいのではないですか。 ○高橋委員  そういう議論があったということだけで、もう終わりにしないと。 ○田中委員  きりがないですね。 ○中谷委員長  施設としては、AIDを実施する施設とIVFを実施する施設と両方できる施設と凍 結だけをする施設というふうに分けないんですか。全部一遍にやるんですか。 ○田中委員  それをやると厳しいんじゃないですか。 ○矢内原委員  この中にそういうことは書かなくてもいいと思うんですけど、今、日産婦の中では、 それぞれ別々に登録をしてもらって、ただ、凍結胚を使うときだけが新鮮胚の実績がな ければいけないという条文が入っています。ですから提供精子ということがいいという ことになったときには、今度精子のドナーも取り扱うという施設が今14ぐらいしかない ですけど、それがばーっと一挙に 500とかなんかに出る可能性はありますね。でも、こ れはここで決めなくてもいいのではないですか。 ○石井(美)委員 それは規定の仕方で、もう少し先の法律のつくり方に。 ○中谷委員長 先ほど途中になっていた出自を知る権利について、現在の案はいかがでしょうか。 ○加藤委員 今、石井さんが、下線を引いた2行は取ってもいいというお話だった。 ○丸山委員  それでいいんでしょう。 ○石井(美)委員  結構です。 ○小林主査  1つ確認よろしいでしょうか。先ほど「書面による同意」のところで、16ページ、従 前「妊娠したとき又は妊娠していないことを確認できないとき」を「妊娠していないこ とを確認できたときを除き」と直したのですが、これと同じような表現が、後ろの方の 23ページから始まる 9のところにありまして、具体的には、次のページの24ページの囲 みの中の下から2つ目の丸のところに同じように、「妊娠したとき又は妊娠していない ことを確認できないときには」と、前々回の御議論を踏まえて直したところで、ここも 同じように直すということも考えられると思うんですけれども。 ○加藤委員  さっき全部登録した方がいいという意見も大分出ていたじゃないですか。妊娠できな くても、できても、それはどうするんですか。 ○丸山委員  それは困るという、吉村先生がいらっしゃらないですね。 ○加藤委員  矢内原先生の説だと、全員登録して、クエスチョンマークとマルとバツとそれぞれつ けておく。 ○矢内原委員  転帰は少なくともわかってもわからなくてもはっきりさせておく。吉村先生はAID をたくさんやっているから、それをやると大変だと言っているんですね。不明なものが すごく多いんだと思うんですね。 ○辰巳委員  個人情報がいっぱい残ってしまうのはどうかというところ。 ○加藤委員  むだな情報ばっかりたくさんたまって、しかも同意書まで移管するんでしょう、中央 センターに。結構全部要らないものの方が多いということになるわけですね。でも、そ れでも必要だということですか、先生のお考えは。 ○矢内原委員  はい。 ○田中委員  卵子だって、多分妊娠しない方が多いと思うんですね。だから全部あった方がいいの ではないですか。 ○辰巳委員  あるべきであるという理由は、1人で生まれる数の制限とか、そういうふうなことで したよね。それ以外に全部ためておく理由はあるのでしょうか。 ○矢内原委員  不明だというものの中に妊娠例がたくさんあるから。 ○辰巳委員  だから不明はいいんです。明らかにしていないものまでためるという理由は何かある のでしょうか。 ○矢内原委員  それは別にないですよ。それは1枚の紙で、3つの段階があればいいのではないです か。 ○辰巳委員  だけど、すごい情報量で、運営機関にかかる負担が物すごいと思うので、必要ない情 報だったら無理にためなくてもいいのではないか。 ○矢内原委員  連絡がなかったものは妊娠しなかったと。 ○加藤委員  今、最終案で出たのは、妊娠してないということが確認されたものについては報告も 保存の義務もないと。そういう趣旨で決めようと言っていたんですよ。先生は、今の発 言の御趣旨だと、妊娠しているかどうかわからないものについては保存する必要がある というお考えなので、今、我々が言っていることも、わからない分については保存と報 告の義務があるという趣旨なんですよ。ですから、それでいいわけでしょう。不必要な ものは。 ○矢内原委員  不必要なものは、明らかに妊娠してないのは。 ○加藤委員  わかりました。田中先生もそうですね。 ○田中委員  私は全部報告した方がいいと思います。 ○石井(美)委員  報告はするんじゃないですか。同意書もみんな送るかどうかの問題で。 ○田中委員  同意書というのは治療する前に送るんでしょう。カウンセリングするときに同意書が 要るんでしょう。 ○矢内原委員  どうして同意のところに書いてあるのか。 ○母子保健課長  事前審査は近親者の関係ですね。 ○田中委員  ああ、そうか。 ○石井(美)委員  出自を知る権利を保障する。その観点で送られるということですね。 ○小林主査  (2)の関係ですね。 ○田中委員  実際にやってないからわからないんですけど、うちはさっき言いましたように、行っ た治療に関しては全部結果出して、来なければ電話します。そうすると、時どき入院し ていたりとか、妊娠してないと思った中に異常妊娠があったりとかたまにあるので、私 たちはそういう係に全例チェックさせ、毎日の日計表になっていて、それに全部記録と らせているんですね。 ○辰巳委員  わからないのはいいんですけど、明らかに妊娠していないのは、別に届け出る必要は ない。 ○辰巳委員  今度は国に準ずるところがやるので、プライベートでやるわけではないので、どうで すか。私は全部、そんなに多くないと思うんですけれどもね。 ○加藤委員  でも、妊娠しているかどうかの確認は病院でやるわけでしょう。妊娠してないことが わかった分については、センターに報告する必要がないという趣旨で、確認しなくてい いという趣旨ではないですよ。 ○田中委員  わかりました。 ○石井(美)委員  34ページの報告の方は、全例報告するんじゃないんですか。幾つやって、幾つとかと いう。 ○矢内原委員  先ほど妊娠しなかったものを報告する必要ないと言いましたけど、これは提供ですか ら、私は全例報告をすべきだと思います。撤回します、さっきのことは。 ○高橋委員  AIDの場合に、千何百例もやっているところで、これをもし報告義務づけられたり すると大変なことになると思いますね。先生方はAIDはほとんどやってないんでしょ う。非常に少ないでしょう、やっても。 ○田中委員  先生、こういうことを言ったら吉村先生に申しわけないですけど、私たち体外受精や った患者、1枚1枚報告する。これはボランティアということわかったんですけど、そ ういうのがあるんですよ。うちはスタートして今まで毎年やっているんです。だから 4,000〜 5,000枚あるんですね。全部1人ひとり妊娠してもしなくても全員です。妊娠し てない人は楽なんですが、妊娠した場合には、生まれたときの体重とか全部書かなけれ ばいけないので、すごく大変なんですけど、それはやっています。 ○加藤委員  やった方がいいですね。 ○田中委員  ボランティアとは知らなかったので、やってました。 ○高橋委員  データをとって、いろんな新しい研究でも、いろんな調査でも、次のステップすると きに非常にいいことは確かですよ。 ○田中委員  専門の職員を1人雇っていますけど、大変だと思います。 ○高橋委員  吉村先生の話のように、AIDで千何百例も症例があるとすると、ほとんどが妊娠し ない例なんですよね。それをその都度、毎日というくらい、合意書とって出すというふ うな操作をするということが実際に可能かというと、これも相当難しい。要するに反対 意見が出るのではないかと私は思いますね。現実の問題として。 ○矢内原委員  卵子の場合に、1人が提供できる回数は定めてないです。妊娠した者だけ定めていま すね。 ○母子保健課長  採卵回数は3回に限定ということで。 ○田中委員  採卵は3回。 ○矢内原委員  採卵は3回でしょう。そのフォローは中央がやらなければできませんよ。個人のあれ は。 ○石井(美)委員  だから、妊娠しなかったことが確認されない限りは報告されるということに、ちゃん と同意書が行くという。全例を、34ページのところをもうちょっと明確にして。 ○丸山委員  最初の丸。 ○石井(美)委員  最初の丸のところに、すべての医療行為について報告させるという、そういう趣旨の ことをはっきりさせたらどうなんでしょうか。そして同意書や何かを送るのは、妊娠し てないことがはっきりしなかった場合はすべて送る。 ○高橋委員  それならいいですね。 ○石井(美)委員  という形にした方がいいのではないですか。してないときも、同意書をみんな送ると いうのだと大変かもしれないけれども。 ○辰巳委員  34ページの一番上の丸のときは、これはあくまでも妊娠したのが明らかな人、妊娠し ているかどうかわからない人に限ってのことを書いておられたんですか。 ○小林主査  34ページの上の説明の丸ですか。 ○辰巳委員  はい。 ○小林主査  これはもっと幅広いことを考えているんですね。 ○辰巳委員  一応全部したことに関しては報告するというのが前提になっているんですか。 ○小林主査  例えば統計をとるときに、施術は何回行われたとか、そういうのをとるのかなという イメージで書いたんです。だから、同意書と個人情報については、全部はいかない。回 数とかそういうものは全部かな、というイメージでしたから。 ○矢内原委員  どうして同意書にこのことが必要だったんでしたか。 ○石井(美)委員  こちらの方で、今、先生方がおっしゃっている趣旨をもうちょっと明確にするように 、すべての提供による生殖補助医療については把握できるように、公的管理運営機関が という形にしたらよろしいのではないですか。 ○母子保健課長  ここはもうちょっと漠として、要するにいろいろな必要な報告をとりますよという趣 旨ぐらいのことですので。今おっしゃったような厳密な分け方はしていませんので、と りあえず実施した成績なりそういうことがわかるような基本情報をとるのだという表現 に変えて、あえて同意書とかまで書かなくていいということですね。 ○中谷委員長  そう思います。 ○矢内原委員  同意書の中には必要ないのではないか。 ○母子保健課長  こちらの方ではね。さっきの方で、妊娠がしたことが……。 ○小林主査  妊娠してないことを確認をしたときを除く。 ○母子保健課長  除きということで、こちらの方は扱うと、同意書を含めた、そういう報告については 。 ○小林主査  これは同意書と個人情報、両方とも、妊娠していないことを確認できたときを除きと 、両方ともそろえるんですね。 ○石井(美)委員  いいんじゃないですかね。だから、場合によっては面倒な先生は全部送っちゃっても いいわけですね。とりあえず確認できなかったという。 ○丸山委員  個人情報を子どもに知らせてよいか、同意書の中にそれが……。 ○田中委員  先生いいですか。ちょっと戻るんですけど、もう一回、出自の話なんですけど、これ から、提供者に言うときにどう言えばいいか、皆さんに教えてほしいんですけど、精子 の提供者に精子を下さいと言いますね。今まではプライバシーは 100%わかりませんよ と言いましたよね。そのときに、提供した、あなたの精子でできたお子さんが、将来A IDだとわかったときには、どの辺まで情報がわかるというふうに言えばいいのですか 、提供者に。もちろん個人を特定するようなものはわからないんだけれど、どの辺まで わかりますよと。どういうふうに言えばいいですか。 ○石井(美)委員  本人が承諾したということになっている。 ○中谷委員長  承諾した範囲で。 ○加藤委員  あなたが、ご自分で承諾すれば別ですけれども、そうでない限りは、できたお子さん が結婚しようと思う相手と近親関係にならないかどうかの確認だけはさせていただきま すけれども、それ以外の情報は一切漏らしませんと、そう言うんでしょう。 ○田中委員  わかりました。国籍とか何か言ってませんでしたか。 ○石井(美)委員  最低限のあれはあるのではないか。 ○田中委員  国籍とか。 ○加藤委員  もうちょっと言うべき義務があるんですね。報告すべき内容が。 ○辰巳委員  今はないんですね、この文面だけでは。 ○田中委員  近親婚のことだけでいいんですかね。 ○辰巳委員  この案では、本人がそれもすべて伏せてくれと言われれば伏せるということですね。 ドナーの情報、出自を知る。 ○母子保健課長  ミニマムな近親婚ですね。 ○辰巳委員  ミニマムだけです。 ○田中委員  近親婚だけは、それ以外は、同意があれば。 ○中谷委員長  本人がここまでいいですよという範囲ならばいいことになる。 ○加藤委員  なるべくならば、こういう情報は、国籍だとかわかる範囲、知らせても構わないと思 う範囲のものは知らせてやってくれと言ったっていいんじゃないですか。 ○中谷委員長  そういうことですよね。 ○加藤委員  一切言わないでほしいというんじゃないですか。 ○田中委員  くれる、くれないの瀬戸際はこの辺なんですよ。全くわからないというのは大抵オー ケイしてくれるんですけど。 ○加藤委員  徳島大学で授業やったけれども、名前を知らせても提供するかと言ったら、みんな学 生、「ええっ?」なんて言ってました。提供マニアというのがいて、あちらの病院で4 cc、こちらの病院で4ccで、10万円ずつ10万円ずつ稼ぎまくって、全部でもって 100人 分の精子を提供したとかそういうマニアはいると思うか、と言ったら「いないと思う」 と言ってました。 ○田中委員  先生、それがいるんですって。 ○加藤委員  いるんですか。 ○田中委員  話は飛びますけど、今、インターネットで精子の売買をやっていますね。あれは自分 の子孫をたくさんつくりたいというマニアックな人が多いんですって。自分の子孫を100 人つくりたいと。名前から写真、大学から全部出ますね。面接もしてくれるんです、イ ンタビューも。だから意外といるかもしれませんよ。 ○矢内原委員 そういうものをチェックするためにも、提供者は中央で全部名前がわかるようにしな ければいけないですね。特に卵子の提供を3回までと決めてあるならば。 ○中谷委員長  出自を知る権利に関するこの案はなかなかよくできていますよね。工夫されています よね。 ○小林主査  もう一回確認ですが、34ページの一番上の丸なんですが、先ほどいろいろ意見があっ たと思うのですが、今考えたのですが、4行目の真ん中ぐらいから始まる「当該生殖補 助医療を行う医療施設すべてからの○○等の報告の徴収や」とかというふうにすれば、 一般的な報告の徴収も受けるということも趣旨として入るのでどうかと思ったのですが 。  もう一回言いますと、4行目の真ん中から始まる「個人情報の保存、当該生殖補助医 療を行う医療施設すべてからの治療実績等の報告の徴収した報告の確認」とか、そうい うふうにすれば、すべての医療施設から、一定の報告を受けるという趣旨が入ってくる と思うので、それでよろしければ、ここも修正しますけれども。 ○丸山委員  5行目の「からの」の後に何を入れるんですって。 ○石井(美)委員  治療実績。 ○丸山委員  治療実績。 ○小林主査  治療実績というのか、言葉はまた。 ○石井(美)委員  そういう趣旨ですね。 ○加藤委員  成功率と書けばいいですね。 ○石井(美)委員  率じゃいけないんです。成功率がわかるような。 ○小林主査  成功率等の報告の徴収。 ○母子保健課長  医療実績ですか。 ○石井(美)委員  実績でいいんじゃないですか。 ○丸山委員  率じゃなくて実数で知らせてほしいですね。 ○加藤委員  率は計算できるんですね。 ○母子保健課長  医療実績でよろしいですね。 ○小林主査  「当該生殖補助医療に関する実績等の〜」ですかね。 ○辰巳委員  具体的な個人データは含まないんですね。それはまた後の話ですかね。 ○母子保健課長  また、そこはいろいろ具体的に。 ○加藤委員  実績率、成功率をわかることになるのではないですか。 ○石井(美)委員  そうです、もちろん。 ○丸山委員  わかりますけど、率だけ出してもらったら、全国的な統計出せないでしょう。やっぱ り総数の成功率も出したいと思いますので。 ○石井(美)委員  ちゃんとやっているかどうかわかるように。 ○加藤委員  ただ、生殖管理センターの白書というのが出ると、田中先生の医院のところで何%、 辰巳先生のところで何%と全部出ちゃって、どっち選んだらいいかすぐわかるようにな るんですね。 ○丸山委員  アメリカのように、 300あまりの施設ごとに実績、成功率を…。先生の宣伝になりま すよ。 ○田中委員 先生、アメリカはそう言いますけれども、アメリカではshould be honestという動き がある。1番からビリまで公開されるので、実際の成績に上乗せをする。隣の医院が何 %だったら、うちはそれより2〜3%、それで結局とんでもない数字が出ているんです 。だから、それはよしあしなんです。私はそう思います。 ○矢内原委員  やめた方がいいですね。 ○田中委員  それを出されると、正直に報告しなくなりますので、正確なデータが出なくなります 。公開しない方がいいのでは。 ○丸山委員  低くても、難しい患者をたくさんとってくれているいいお医者さんですよというのを ……。 ○田中委員  そう解釈してくれればうれしいんですけど、数字だけ見るとですね。 ○丸山委員  だめですか。 ○中谷委員長  イギリスの報告書は、割合、患者のための何とかというので出てましてね。 ○辰巳委員  全例と38歳未満との2つのカテゴリーに分かれて、それぞれしていますね。 ○田中委員  イギリスの場合には、どちらかといったらナショナル的なあれが強いでしょう。 ○中谷委員長  管理機関でちゃんとチェックしますから。 ○矢内原委員  プライベートのクリニックでIVFやっているところはとらないからでしょう。 ○田中委員  そうですね。 ○石井(美)委員  27ページの罰則のところなんですけれども、「授受の斡旋」の「授受の」というのは 要らないのではないでしょうか。 ○石井(ト)委員  どうして? ○石井(美)委員  授受と斡旋がいけないんじゃないですか。 ○石井(ト)委員  授受というのは、与えた者と与えられた者、両者を含むという形でとらえています。 ○加藤委員  精子・卵子・胚の売買の斡旋をしてはいけない、そういうことでしょう。 ○石井(ト)委員  そうじゃないです。今言っているのは、「授受」を取っちゃったら、まずいのではな いかと思ったんです。これは提供、受けたりとか与えたりとか両者含むという意味で、 私はいいと思うんです。 ○加藤委員  どこを要らないと言ったんですか。 ○石井(ト)委員  「授受」。 ○石井(美)委員  「授受の斡旋」という授受だけに限定するのかなと思ったものですから。 ○加藤委員  「・授受の」というところを取っちゃって、胚の授受の斡旋、そういう文面にするわ けですね。 ○石井(美)委員  そうです。 ○石井(ト)委員  だからこれを取ると、私が言ったのは、両者、二者含むということです。与える方と 受ける方と。だから、そういうことの意味を含んでいると思ってとっていましたので、 これを取ったら、すごく弱いものになる。 ○石井(美)委員  後の方のこれです。 ○石井(ト)委員  だから授受。 ○丸山委員  授受と斡旋、石井美智子さんのは。 ○石井(美)委員  そうそう。それはこだわりません。あった方がいいというならいいんですが、それよ りは、もう少し下の方の「施術の斡旋」ということになっていますが、これは施術の斡 旋なんです。 ○石井(ト)委員  だけど施術の斡旋もありますよ。 ○加藤委員  実施のための施術というのもおかしいんじゃないですか、むしろ。「代理懐胎の実施 のための施術」、これでいいんですか。 ○丸山委員  代理懐胎の施術でいいんですかね。あるいは代理懐胎の実施でもいいんでしょうかね。 ○中谷委員長  代理懐胎の実施の方が。 ○丸山委員  ちょっとおかしいですか。 ○矢内原委員  代理懐胎の実施及びその斡旋だけでいいんじゃないですか。 ○小林主査  この経緯から言いますと、実施にすると、実際に代理懐胎を依頼を受けて行った人が これに当てはまると思ったので、お伺いしたと思うんですけど、あくまでもこれは医師 なので、という意味を込めて「施術」という言葉を入れています。 ○石井(美)委員  施術の最初は、「代理懐胎のための施術」がいいんじゃないですか。 ○丸山委員  代理懐胎のための施術。 ○石井(美)委員  はい。実施は要らない。 ○小林主査  代理懐胎のための施術。 ○田中委員  3番目の「正当な理由を有しない」という文章ですけど、これは現実的にはどういう 事例がありますか。医療従事者に対する罰則でしょう。 ○加藤委員  でも、後で「出自を知る権利」で、だれとだれがどういう関係になっているかという 情報、提供義務があるわけだから、提供義務については、正当であってという関係成り 立ちますよね。だから一切の情報を提供してはいけないというのではなくて、正当な理 由があれば提供しなければならないという趣旨ではないですか。 ○石井(美)委員  漏洩とは言わないか。 ○丸山委員  そういうのを漏洩というんだろうかと私は思います。 ○加藤委員  漏洩ね。 ○小林主査  秘密の漏洩に関して、正当な理由なくと入れるんですけれども、本人の合意がある場 合とか、そういう場合は、正当な理由がある。大体守秘義務の規定はこういう書き方を されていると思います。 ○矢内原委員  それは医師法にもそのまま書いてあるんじゃないですか。 ○丸山委員 医師については書いてあるんですが。 ○田中委員  守秘義務ということですね。 ○中谷委員長  刑法の 134条にあります。それは医師、薬剤師……。 ○田中委員 守秘義務ですね。 ○中谷委員長 守秘義務。これは職務上とあるから、一般人は含まれないわけですね。この事実を知 った人が何かやっても、これには当たらないということですね。 ○矢内原委員 この前、質問にもありましたけれども、事務職員なんかは知るわけですよね。 ○石井(美)委員 それは職務上なんです。 ○中谷委員長 職務上になるから含まれるんです。 ○石井(美)委員  一緒に来た患者がたまたま知ってしまって、それは。 ○加藤委員 隣のパン屋さんのおじさんが知っているとか。 ○石井(美)委員 それはまた別に、名誉毀損とか何かに。 ○丸山委員 その行為は名誉毀損ですかね。 ○石井(ト)委員 27ページの括弧にきっちり書いてあるからいいんですけど、28ページにはその説明が 載っているんですけど、ここのところに「著しい反倫理性を伴う」ということが入りま すと、じゃあ、著しい倫理性じゃなければいいのかというような、そういう逆手でとら れてしまいます。ですから、これをとって、「営利目的で」と、そのまますぐ入る。次 のポツも、「第三者に多大なリスクを与える」、この「著しい反倫理性を」というとこ ろを取ってもらいたいんです。 ○矢内原委員 どこまでが著しくて、どこまでが著しくないか。 ○石井(ト)委員 著しくないか。 ○石井(美)委員 営利目的でやることが、著しく反倫理性に反する、ということなんですね。 ○石井(ト)委員 当然だけど、「伴う」と、伴わなかったからいいのではないかとなるという解釈がで きると思います。 ○小林主査 この書き方の構成としては、「以下の理由により以下のものについては」となってい ますので、理由も一緒に述べているんですね。理由を述べないで「以下のものについて は」として、理由は全部削るというやり方がよろしいということであれば、それでいい のだと思いますけれども、理由は入れておかないとよくないかと。 ○加藤委員  「懸念され」という文章がどこにかかっているんですか。 ○丸山委員 「精子・卵子・胚の授受・授受の斡旋」、違いますね。 ○加藤委員 「〜ことが懸念され」。 ○丸山委員 「懸念される」でしょうね。授受と斡旋。 ○加藤委員 授受と斡旋にかかるんですか、どっちみち。 ○丸山委員 違うんですか。理由ですか。 ○石井(美)委員 懸念される。営利目的での精子・卵子・胚の授受となるんですね。だから、これを前 に持ってきた方がいいんじゃないですか。営利目的での精子・卵子・胚の授受の斡旋や 違反行為により得ることがという形で書いた方が誤解を招かない。主語を入れ替える。 ○石井(ト)委員 主語を入れ替える。もし述べたかったら、これは反倫理性を伴うものであるとか。 ○石井(美)委員 倫理に反するもの。 ○石井(ト)委員 倫理に反するものであるとかね。 ○石井(美)委員 そういう形にした方がわかりやすい。 ○加藤委員 これは文章のもとの趣旨は罰則を伴う場合には、著しい反倫理性を伴う営利目的の場 合に限ると、そういう罰則の限定という趣旨ではないんですか。 ○石井(美)委員 違うんです。 ○小林主査  理由なんです。 ○加藤委員 理由なんですか。 ○小林主査 上の方に、「以下の理由により以下のものについては」と書いていますので。 ○加藤委員 「懸念され」というのがどこへつながるかわからないからおかしいんじゃないの。 ○石井(美)委員 下を主語に持ってきて説明した方がわかりやすいんじゃないですか。 ○丸山委員 この組み立ては、以下のものを列挙しているんですね。併せて理由の方も挙げようと いう。 ○辰巳委員 列挙して、それぞれに理由をつけたと。 ○丸山委員 そうですね。そうでないと、理由を挙げるつもりなのが、限定する趣旨にもとられて しまいますね。もう余り時間ないので、お任せしてそこはよろしいですか。 ○小林主査 できれば、ちょっとご指示をいただければ。 ○丸山委員 営利目的での精子・卵子……。 ○石井(美)委員 以下のものについてはではなくて、上記のものについてはと書けばいいんじゃないで すか。四角の囲みで入っているんだから。 ○丸山委員 上記のものについては、以下の理由から罰則を伴う法律によって規制することが適当 であると結論づけた。 ○高橋委員 これは理由を説明をしているわけでしょう。ですから読んで、何となく感じで、ある 程度わかったら、細かい字句は直すことはいいですけれども、文章をまたひっくり返し てこうやって、また、後になったら、もう一回ひっくり返してとなりますので、私はで きれば、最小限の字句の訂正にしておいた方がよろしいと思うんです。 ○石井(ト)委員 簡単です、主語を入れ替えればいい。 ○矢内原委員 続けてもいいと思いますよ。上の授受の斡旋の次に、「また、第三者に多大なリスク を与える代理懐胎のための施術・施術の斡旋」、つなげてもいいんじゃないですか。上 に「反倫理性」というのが書いてありますから。「著しい反倫理性」の下の2つ目のパ ラグラフを取ってしまい、上につなげる。 ○石井(美)委員  それぞれ別々にこれは書いてある。 ○小林主査  ひとつ思ったのですけれども、中ポツはそのままにして、営利目的での精子・卵子・ 胚の授受・授受の斡旋として、その下に括弧して理由を書いて、何とかのためとかとい うふうにするとか、それでよろしければ。 ○丸山委員  28ページの5行目、精子・卵子等の授受・授受の斡旋だったら、例えば「精子・卵子 ・胚の授受・授受の斡旋は、違反行為により得る利益が非常に大きいので、罰則を伴う 法律による規制という重い規制を課さない場合には規制の実効性が担保できなくなるこ とが懸念され、また、それは著しい反倫理性を伴うものであるため」とか、そういうふ うに1つずつ理由を挙げたらいいんじゃないですか。しんどいですか。 ○加藤委員  この文章の最初の出だしが、罰則規定については慎重を期さなければならないと書い ておいて、その次の最初の黒ポチでは、罰則がないと実効性が保てないと書いてあるん ですよ。これを論理的に整理すると、罰則がないと実効性が保てないけど、罰則につい ては慎重を要する必要がある、何を言っているのかわからない文章ができるんですよね 。だから言いわけがましいところは取って、罰則がどうしても必要なんだけれども、次 の大体3項目に罰則の対象を絞るという趣旨で書けば。 ○石井(美)委員  絞らないんです。これだけは罰則を伴ってくださいという趣旨。慎重だけど、ここだ けはやってくださいという、そうですよね。これしか罰則を課さないとは言ってない。 ○丸山委員  だけど、きょうのファックス見ると、法律等に基づく規則等の方法で規制を課すると 書いてありましたよね。 ○高橋委員  ありますので、罰則に規制されているから、これは余り屋上屋を重ねるようなあれは 必要ないんじゃないかという意見も出ているわけですね。 ○小林主査  今のところ、以下に理由とか書いてある書き方ですけど。 ○加藤委員  人の委員会が出したときは、こういうときはうんとあげつらって、こういうばかなこ とを書いているとやり玉にあげる箇所なんですね。 ○丸山委員 先生、次の22日は両方の役回りを。 ○石井(美)委員 弁明側に立たなければ。 ○加藤委員 もう弁明しますよ。もうしようがないじゃないですか。この間だって弁明したんです よ。 ○高橋委員 わかりますね。 ○加藤委員 木村有人さんがぎゅーぎゅーいろいろ言い……。 ○中谷委員長 今度は石井(美)委員も出られるし、矢内原委員もですね。 ○矢内原委員 こういう文章はだめですね。 ○加藤委員 「著しい反倫理性を伴う」というのはつけるんですか、つけないんですか。 ○石井(ト)委員  後ろの方に持ってくればいいわけですよ。 ○加藤委員  「著しい反倫理性を伴う」というのは、普通だと限定的に理解されて、そして、大ざ っぱに言えば、情状酌量はできないとか露骨な営利目的であるとか、そういう場合で、 例えば子どももできない人がいて、違法だということはわかっていたけれども、患者の 立場に同情して、やむにやられずやったという場合は罰則の対象にしないと、そういう ふうに読めるじゃないですか。 ○石井(美)委員  でもそういうふうに読めないようにはするんです。 ○丸山委員  概念的にそれはすべて著しく反倫理性を持つので。 ○加藤委員  著しく反倫理性なんか初めから概念枠で決められるものではないじゃないですか。 ○丸山委員  でも、ここはそういうとらえ方なので。 ○石井(美)委員  営利目的は著しい反倫理性なんです。 ○加藤委員  そうか。 ○石井(美)委員  という趣旨ですね。制限的ではないですけど。 ○矢内原委員  反倫理性には比較はないんですか。 ○加藤委員  普通、著しい反倫理性を伴うなんていう日本語は余り出てこないですよね。だけど、 普通法律的な文章で考えると情状酌量の余地がないと。営利目的こりごりで、全然患者 の立場を考えても何もいないという場合だというふうに読めますよね。 ○辰巳委員  反倫理性を伴うを外しても別に危険を与えるだけでも十分な理由のようにも思います が、倫理性がいけないのであれば。 ○中谷委員長  危険を与えることを知りながらやることが反倫理性じゃないですか。 ○辰巳委員  ここが問題になるなら。 ○高橋委員  倫理性だけ取ってもいいんじゃないですか。 ○石井(美)委員  なぜ罰則を課すかというと著しく反するからですね。 ○丸山委員  27ページの上の囲みの2つ目の丸、「IIIの1の〜述べた結論については」というのが あるんですが、「上記のものを除き、罰則を伴う法律によって規制せず、法律に基づく 指針等規制の実効性を担保できる他の態様によって規制する」というのと、さっき石井 (美)委員がおっしゃったあれとは抵触しないのか。それと、先端医療技術評価部会に 対する回答の方は、むしろ石井(美)委員がおっしゃったように読めるんですね。 ○石井(美)委員  そうですね。私の趣旨としてはその趣旨だったんです。確かにここは除き。 ○小林主査  医療施設の規制についてはIIIの2で言っています。今の案だと罰則のあり方について は、特に何も言ってないです。 ○丸山委員  26ページ以下ですね。 ○小林主査  そうですね。規制については、規定を受けたものでなければできないというのは、III の2の方で、IIIの1ではないです。 ○石井(美)委員  それはない方が私はいいと思うんです、2の丸は。上記のものを除き罰則を課さない、 こんなに限定する必要があるのか。そこまで詰めてないですね、ここの委員会で。 ○丸山委員  詰めてないとも言えるし、なるべく罰則は少なくしようという話をしたことがあった ような気もしますし。 ○中谷委員長  それはありましたね。 ○高橋委員  ありましたですね。 ○石井(美)委員  ただ、違反したらどうしますかという話はしてないですね。これだけは罰則という趣 旨だと、罰則ということなら刑事罰かどうかはわからないわけですね。 ○中谷委員長  罰則はどういう法律の中にあっても刑事罰ですから。 ○丸山委員  だけど、以前の6月6日から引きずっているたたき台だと、この3つの類型だけにし ていますよ。過去のものがいつまで生きているかあれですけど、最初はそのように出ま したよね。 ○田中委員  最初、その3つだった。 ○石井(美)委員  医師以外の者が行った場合とか、そういう場合は。 ○丸山委員  医師以外の者が。 ○中谷委員長  生殖補助医療を。 ○石井(美)委員  医師法違反で捕まえればいい。 ○小林主査  この場合、例えば報告を義務としていますね。報告をなさないものとか、虚偽の報告 を行ったものとかそういうのをどうするのか、そういうのはいいのかどうか、細かい罰 則規定は、またいろいろ議論しなければいけない。法律を実際つくるときには、かなり いろんな制度を構築していかないといけないので、本当に限りなく。 ○中谷委員長  これ、初めから代理懐胎はここに入っていませんでしたか。 ○丸山委員  代理懐胎は2番目に入っています。 ○中谷委員長  代理懐胎実施のための。とすれば、これで大体尽きるような気がしますね。 ○矢内原委員  代理懐胎のための実施。 ○中谷委員長  ための施術・施術の斡旋。 ○辰巳委員  2番目はなくても別に体制に影響ないし、先のフレキシビリティがあっていいのでは ないでしょうか。 ○小林主査  もしそういう御議論であれば、それでも。 ○石井(美)委員  もちろんほかの規制をするのだということであればいいんですけど。 ○矢内原委員  それは2つ目の丸がそうじゃないんですか。「指針等の実効性を担保できる他の態様 によって規制する」。 ○母子保健課長  2つ目の丸を入れているというのは、IIIの1の部分以外のところでは、罰則を伴う規 制もあり得るということがニュアンスとしては出ていることになるわけですね。それで 、この流れとしましては、いろいろこの間、生殖補助医療技術の是非について議論がさ れていく中で、加藤先生の御意見で、本来こういう規制は最小限であるべきだ、本来自 由なんだという議論の部分と、いやいや、いろいろ規制をするべきだという御意見がい ろいろある中で、この部分を最小限にして、限定をした形に扱って、いわゆる罰則でな い、そのほかのガイドライン、いろんな規制の仕方があるだろうと。そういうレベルで やっていくと。いわば規制の態様の緩いものというのでしょうか、そういう形で考えて いくという御意見があって、ある程度、そういうところで、ある時期から、これを修正 して、こういうニュアンスにしていった経緯があるんですね。  そういう意味で、生殖補助医療技術が適用されるという局面において、罰則的なもの はかなり限定されると。しかし、それが運用されていく過程でのいろいろな面である程 度きちんとした抑制的な措置をとらなければいけないときには、やはり必要な部分はあ る程度留保されているのかなという認識でいたわけですね。それでこの2つの丸になる という理解で事務局はおります。 ○丸山委員  例えば借り腹を実施した医師がいた場合は、この線だと刑罰は科されないですよね。 ○加藤委員  これは刑罰の対象になるのではないですか。 ○丸山委員  代理懐胎は借り腹も含むんですか。 ○石井(美)委員  そうですね。 ○丸山委員  もうちょっとほかの例かなと。 ○中谷委員長  それは入りますから。 ○加藤委員  代理懐胎は両方の例を含んでいるんでしょう。 ○中谷委員長  ええ。それは入りますよ、丸山委員。 ○石井(美)委員  さっきの「施術の斡旋」の「施術も」というのは取っていただけるんですね。代理懐 胎の斡旋。 ○丸山委員  それはおかしいでしょう。「施術」も入れておいた方がいい。 ○石井(ト)委員  入れておいた方がいいじゃないですか。 ○石井(美)委員  要るんですか。 ○加藤委員  代理懐胎の施術、それから代理懐胎の斡旋という趣旨でしょう。 ○石井(美)委員  そういう趣旨です。 ○丸山委員  代理懐胎の斡旋だったら、代理母になってくれる人を斡旋する。 ○石井(美)委員  それもいけないという趣旨だと私は思うんです。 ○丸山委員  医者による紹介は入りますかね。 ○加藤委員  私はやらないけれども、あそこへ行ってやってらっしゃいよというのはいけないとい うのでしょう。 ○石井(ト)委員  だから施術の斡旋というのは必要なんです。あり得ます。 ○丸山委員  逆のことを言っているんですけど、代理母になってくれる人と、代理母の一切をやっ てくれる医療機関と双方のことを含む意味で代理懐胎の斡旋と言ってよいですか。 ○田中委員  紹介もしちゃいけないということです。 ○加藤委員  外国の機関でもいけないんですかね。この趣旨としては、外国の機関に斡旋してもい けないということですね。 ○田中委員  だめということですね。 ○丸山委員  じゃあ、これはいいですか。兄弟姉妹、非匿名の者からのドネーションを受けるのを 中央の審議機関を介さずにやってしまったというのは、IIIの1の中のことですよね。し かし、ここに挙がっていませんね。だから刑罰の対象とはできない。この2つ目の丸が あると。 ○石井(美)委員  お医者さんは何らかの違反行為に対して、行政的な罰は課せられるけれども。 ○丸山委員  刑罰はない。 ○加藤委員  その場合、刑罰にしないという趣旨ではなくて、大体こういうものを刑罰の対象とす ると言っているだけで、これ以外は刑罰の対象としないという意味ではないんでしょう 。 ○丸山委員  これは2つ目の丸にそのニュアンスが書かれているので、今、例を挙げて。 ○石井(美)委員  「上記のものを除き」というのを必要かどうかということ。 ○中谷委員長  刑罰ではない制裁もあり得ますから、そういうものによるということでしょう。 ○母子保健課長  規制方法とかあの辺になると、IIIの1の方とはちょっと違う格好になりますので、こ ちらに違反した場合には、2つ目の丸で罰則規定が読めるだろうと思いますね。IIIの1 の方は、ある程度、提供者の条件や被術者の条件、同意ですとか、そういう部分になっ てまいりますので、それ以外の部分での話になるといろいろと出てくるのかなという感 じはします。 ○丸山委員  IIIの1ではじかれてしまって、IIIの2にはまる規制内容というのはそんなにないで しょう。 ○母子保健課長  そんなにないと思います。 ○丸山委員  親子関係をいじる、出自を知る権利を妨害したり、もないんですよね。体制整備して 。 ○母子保健課長  基本的に、そんなに罰則は多くないという考え方に立っておりますので。しかし、担 保できないものは罰則をかけなくてはいかんのかなと。ただ、あとは立法過程でいろい ろ検討するのだということに、今余り細かくやっていてもあれですので、そういう趣旨 が全体……。 ○石井(美)委員  絶対的にそれ以外のものに課してはいけないという強固な……。 ○小林主査  28ページの趣旨は、「他の法律における罰則との均衡も鑑み、更なる慎重な検討が行 われる〜」と書いてありまして、その検討の中で普通の法律であれば、こういうものは 罰則をかけるということであれば、それも罰則をかけることになると思います。ここで は、特に罰則をかけるべきである3つのものを目出しした。そして、IIIの1の結論に書 いてあるようなものについては、罰則はつけないというような大まかな範囲を示してい ただいたということだと思うので。 ○母子保健課長  この辺の流れは、27ページの四角の下の説明がいろいろありますね。この辺が加藤先 生がいろいろおっしゃられたことなどを入れながら、幸福追求権があってどうのという 流れの中で、この上の四角があると御理解いただければいいかと思います。 ○辰巳委員  「規制せず」と言っちゃっていいんですか。「罰則を伴う法律によって規制せず」の 部分だけでも何とかもう少し。 ○丸山委員  行政的な手法で規制するということですね。 ○母子保健課長  そういうことですね。例えば、医療機関の取り消しをするとかいろいろな形があると 思うんです。 ○中谷委員長  それが一番厳しいわけですから、ある意味では。 ○石井(美)委員  こんなに限定しなくてもいいのではないか。 ○田中委員  大体3つを違反した場合の刑というのはどういう刑なんですか。 ○加藤委員  罰金。 ○田中委員  罰金でいいんですか。 ○加藤委員  ぐらいじゃないか。 ○矢内原委員  前科がつく、そっちの方が怖い。罰金はそれを上回る謝礼がある場合があるでしょう 。 ○田中委員  前科ですか。 ○矢内原委員  賞罰の罰。 ○中谷委員長  営業停止とかね。 ○丸山委員  もう時間がないので、よろしいでしょうか。 ○中谷委員長  多少はいいです、延長しても。 ○母子保健課長  結構です。先生方がよろしければ。 ○丸山委員  10ページの3行目の丸ですが、ここは卵の提供を必要とするものであっても、胚の提 供も認められるということの根拠を挙げているんですけれども、ちょっと文章が変なん ですね。2つ目の丸、「ただし、IIIの1の(2)の 3の『提供卵子による体外受精』で 述べたように、提供卵子による体外受精を卵子の提供により当該卵子を提供する人が受 ける身体的リスクの大きさに比して」、何に比するのかというのがまずわからない。  それから、次、「卵子の提供の対価の供与を受けることを禁止するという厳しい条件 下でのみ認めることとすれば、凍結卵子による体外受精が技術的に確立しておらず余剰 卵の提供が見込まれない現状においては、提供卵子の確保が実質的に困難となる事態が 十分考えられるところである」と、ちょっと文章のつながりが悪い。  言わんとすることは、3行目の10字ぐらいのところ、「卵子の提供の対価の供与を受 けることを禁止するという厳しい条件の下でのみ卵提供を認めるとすれば」ですね。そ の後、1つは身体的リスクが大きい。2つ目は卵子の凍結ができない。であるから、最 後に提供卵の確保が実質的に困難になるという筋ですよね。 ○加藤委員  「比して」というのがどこにかかるかわからないですね。 ○丸山委員  ここは別に比しなくても身体的リスクが大きいといえばそれでいいんですね。 ○矢内原委員  あげる人の方のリスクが大きいという意味でしょう、比しては。 ○石井(美)委員  それに比べて対価がないから。 ○加藤委員  そうか、比して対価がないということですね。わかった。 ○石井(美)委員  文章としたら、「余剰卵の提供が見込まれない現状においては」という形で始めれば いいんじゃないですか。 ○丸山委員  余剰卵? ○石井(美)委員  凍結卵子による体外受精はしておらず……。 ○矢内原委員  凍結卵子の技術が。 ○加藤委員  金使ってはいけない、卵子だけの提供ができないとなったら、余剰胚をもらうよりし ようがない、そういう趣旨でしょう。 ○石井(美)委員  そういうことです。 ○丸山委員  3つ理由を言っているんですね。 ○石井(美)委員  3つ並列的に。 ○丸山委員  その3つをわかりやすく並べて、提供卵の確保が実質的に困難だというふうにつなげ ていけばいいんですが。 ○母子保健課長  また、字句の修正、その他、26日予備日もございますし、事前に送っていただければ 幾らでも修正いたしますので。 ○丸山委員  最初に、先ほど言った14ページですけど、兄弟姉妹からの提供で、理由づけの説明の ところ、順序を変えられたんですね。14ページの囲みの下、突如「精子・卵子・胚の提 供の対価の供与を受け取ることを禁止することから」と出てくるんです。 ○母子保健課長  これは本チャンのところで御説明しようとしたんですが、論理構成を変えてございま すので。 ○丸山委員  そろそろやりましょう。 ○母子保健課長  やるのであれば、そこに入りたいと思いますけれども。 ○辰巳委員  1つだけいいでしょうか、その前に。卵子提供ができない場合に胚提供を認めるとい うところですけれども、それは我々の流れからいえば、自然に、もともと卵子提供は認 めないで、胚提供を卵子提供のかわりにするというところから来たので非常にすっきり 入ってくるんですけど、一般の人にとっては、何で卵子提供なのに胚提供なんかするの だととられると思うんですね。そのときの理由として、もう少し、胚提供の場合は、新 たな危険を冒さないということをどこかで強調してもらった方がいいと思います。それ について、親部会からの質問にもありましたけれども、そこで突然これが出てくると奇 異に思われると思うので、「胚提供は卵子提供よりもより危険が少なく行うことができ る」というふうなことを1つ入れていただければ、非常にわかりやすいのではないか。 ○母子保健課長  資料2の方の説明で十分でないということで、そこに加えるようにということですね 。 ○辰巳委員  それと本文にも。 ○石井(美)委員  10ページのところの、さっきの卵子提供がない、ないということの裏返しで、余剰卵 というものは危険がないからいいんですよと、そこを入れてほしいということですね。 ○辰巳委員  ゆっくり考えていただいたらいいんですけど、今じゃなくてもいいと思います。つい でに言うなら、今の丸の3つ目のところ、「さらに、卵子又は余剰胚の提供を受ける〜 」という文章は非常におかしいところがありますので、もう一遍御検討ください。卵子 提供の場合は余剰胚、胚提供の場合は卵子+精子又は余剰胚という図式なんですけれど も、それが一緒に書かれているもので、卵子の提供を受けることが困難な場合にも、卵 子及び胚の提供を受けてもいいといった流れになっていますので、ここを分けて書く。 ○小林主査  これはそうなんですけど、同じことを書いてある。同じことを二度言うことになって しまいますが、分けて書いた方がいいんですか。 ○辰巳委員  でも、これだと卵子がない人に対しても……。 ○小林主査  そっちの方がよろしいということであれば、分けて書いてもよいかと思います。同じ 論理構成の卵子の場合と余剰胚の場合で書くことになると思うんですけど、ちょっと煩 雑というか、わかりにくいということであれば、2文なのを4文に分けて、卵子と余剰 胚を分けて書く、それでも構わないかと思います。 ○辰巳委員  卵子のところを、もう1項目、今のように設けてもらって、それに今のことをくっつ けてもらってもいいかなと思うんですけれども、卵子の方はリスクを伴わないからいい んですよという話と、これを半分に分けたものをつけてもらうとか、その辺のところ、 ちょっとこれだと変だと思います。卵子の提供を受けなければならない人が、受けるこ とが困難な場合に、卵子及び精子の提供を受けることができるということになっちゃう ので。 ○小林主査  そうしますと、卵子と余剰胚を分けて、余剰胚の方に、卵子提供のようなリスクを伴 わないからというのをくっつける。 ○辰巳委員  はい、そうです。 ○小林主査  わかりました。 ○丸山委員  休憩に入りますか。このまま、もう3時間たちましたけど、休憩に入りますか。それ ともこのまま頑張れるだけ頑張りますか。 ○石井(美)委員  何時までやるかですね。 ○丸山委員  6時ぐらいですか、5時ですか。4時半ですか。 ○矢内原委員  きょう4時までだった。 ○田中委員  きょうエンドレスではないでしょう。 ○矢内原委員  違います。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹だけは終わらせないといけないんでしょう。 ○中谷委員長  そうですね。 ○田中委員  きょうで終わりにならない。 ○母子保健課長  一応場所としては、ここは5時45分まで確保はしてあります。それから、あと、会議 の方としては、22日に部会に御報告いただきますので、基本的な専門委員会としての結 論として、こうだという報告書の案としては、きょうの段階のものが最終になります。 ただ、表現については今いろいろ御指摘あったような順番とか中身の意味が変わらない ようなものは、26日もう一回あるので、そこで文言を調整させてほしいというお願いを 部会にして、次回部会にお出しするもので了承得た上で、あとは部会長預かりにしてい ただくような調整にしたいと考えております。したがって、内容的には大きな部分の変 更はないということですので、きょうじゅうにその辺のことを固めていただきたい。 ○石井(美)委員   4だけはやらなくちゃいけないですね。 ○母子保健課長  ということで、5分ぐらいの休憩は大丈夫かと思いますけれども、これから本論に入 るに当たりまして。 ○中谷委員長  そうですね。5分ぐらい休憩をしましょう。                  (休 憩)                  (再 開) ○母子保健課長  最初に13ページからの「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供」ということで、い わゆる最後の争点かと思います。若干、今回の修文につきまして補足説明させていただ きますが、前回また激しく御議論いただきまして、それぞれかなり意見が分かれている 部分があるわけですが、前回の終わりに申し上げましたように、事務局として、これが もし1つのまとまった提案ということでいただけるものであれば、それがありがたいと いうことで、前回の御議論を踏まえて案をつくってみたと。これでいかがなものかとい うのが私どもの提案でありまして、これはまた先生方、御議論いただければと思います 。  どういうふうな構成にしたかということですけれども、この四角の中にございますよ うに、結局匿名性の例外、特例として、こういう場合をまず認めるかどうか、匿名性の 保持の特例ということを最初に明確に丸のところに出している。その匿名がどういう場 合かということがここに書いてあるわけでして、こういう場合なんだと。そして2つ目 の丸で、当該生殖補助医療が上記の要件に則して行われる、つまりこういうふうにやる ことを事前審査できちんとやりますよと。いわば厳格な条件をつけて、特例として認め るのだという立場に立っているわけですが、その際に、前回御意見が出たように、※印 の部分は取って、そういう考え方は置いておいて論理を展開していくということにして おります。  それで説明の方ですけれども、最初の説明のところでは、従来、この議論は匿名性を 議論した上で近親者は認めてもいいのではないか、そういう声があるというところから スタートしたわけですけれども、論理としては最初に得られない場合があるということ に限定しているわけですから、そういう場合があるのではないかというときにどうする のだということで、2つの丸をひっくり返しまして、先にこちらを持ってきたわけです ね。まず、そういうふうなときがあるではないかといった上で、日本の場合には、血の つながりを重視する考え方もあって、こういうものについては非常に理解ができる、あ るいは希望する者がいるのではないかということで、それをサポートするようなことを 述べた上で、「しかしながら」と「また」ということで、こういう問題が指摘されてい ますと。これは四角の中の1つ目の丸で言われていることを書いているわけですが、し かし、一方、そういうことを一律に禁止するのがいいのかというとそうではないのでは ないかと。禁止に値するのかという意見ももう一方でこれに対してあるということです ね。  それを受けて、「本専門委員会としては」というところで、前回の御議論のそもそも 反対なのだという意見もあったということをきちんと述べた上で、結論としては、こう いう条件を全部満たした場合に特例的に認めるという結論に達したと、こういう流れに なっております。いわば限定的に条件をつけた上で、しかも反対者もいたという流れを 説明する中でまずここまで展開しております。  その上で今度は範囲をどうしていくのかという問題が一番下のところからありまして 、ここのところの論理としては、前回、加藤先生からいただいたペーパーにもございま したが、こういう厳密な事前審査といいましょうか、そういうことをやった上で認める のだとすれば、対象者を限定することそのものが余り意味を持たないのではないかとい う御意見があったわけですね。そういう見方もかなりできるのかなといったことから、 結局そういう特例を認めていろいろな条件をつけた上で認めた場合に、これを例えば兄 弟姉妹だけとか、それを近親者まで広げる、あるいは父親、母親ならいいとか、そうい うふうにいろいろ決めるということ自体が余り意味をなさないのかもしれないというこ とで、「その結果」という一番最後の丸になるわけですけれども、こういうようなこと で限定をせずに、個々に事前審査を行って、その適否を判断するというような形である と、大体先生方がこの間言っておられたお考えが入った形での案にならないだろうか、 こういう趣旨で御提案をいたしております。  こういうことで、あと、先生方に御議論いただければと思います。 ○中谷委員長  どうぞ、御意見を御自由に。 ○加藤委員  兄弟姉妹からの提供を受けることができる条件というのは、それ以外に受けられない という場合に限るということをどこかに書いてあるんですよね。 ○中谷委員長  ありましたね。 ○母子保健課長  一番上の四角の中の最初の丸で、「兄弟姉妹等以外に存在しない場合には」とござい ます。それが一番の条件になっています。 ○加藤委員  実際問題として、精子も近親者、知っている人でないと得られないという、実際にそ ういう場合あるのでしょうか。田中先生どうなんですか。 ○田中委員  前も私言いましたように、ソースとしては、精子の場合はチャンスは多いと思います 。 今回のこの内容でいきますと、精子に関しては提供がたくさんあるので、提供は受ける 必要はないというふうになる可能性ありますね。ただ、私は前にも言ったように、あく までも夫婦のかかわりといいますか、そういうものを持ちたいという人の気持ちはある 程度残してほしいというのが私の気持ちですので、本来なら、この文章でいくと、どこ にも私のお願いした部分が入っていないのだけれども、ただ、この「等」という一文字 が残るのであれば、そこに可能性が含めていただけるのであれば、これで構わないと思 います。 ○加藤委員  匿名性を非常に重視する場合には、精子については、匿名の提供が大体現実的に可能 だと考えて、そして兄弟姉妹からの精子・卵子と書くのではなくて、姉妹等からの卵子 ・胚の提供というふうに、精子の提供を除外してガイドラインをつくっても、実質上そ んなに変わらないのではないかと思うんです。 ○田中委員  そうすると精子の場合には肉親からもらえなくなるんでしょう。 ○加藤委員  はい。 ○田中委員  その道は残してほしいというのが私のお願いなんです。 ○中谷委員長  田中委員は、お父さんからの提供ということもおっしゃっておられましたよね。 ○田中委員  私はどっちかといったら、父親の精子の提供も肉親の場合にはお願いしたいんです。 ○加藤委員  その場合には、生殖補助医療が家族関係を混乱させないという考え方があるわけです ね。だんなさんのお父さんからの精子の提供を認めるとなると、これはやっぱり家族関 係を混乱させるのではないか、そういう批判が当然出てくると思うんですね。ですから 、そういう点から言うと、家族関係を混乱させるような場合を除外するという意味では 、匿名性を重視して、兄弟や親子からの精子の提供は初めからできないようにガイドラ インを書いた方が適切ではないかと思うんですが。 ○田中委員  確かにそのとおりだと思います。本来の夫婦関係だとか親子関係を乱すような治療で すから、最初から、そうすると卵子の提供も姉妹ですよね。これも生まれてくる子ども に関して言えば、子ども同士は本来なら、いとこ同士になるのが、異母兄弟になります ね。親子関係を乱すということになれば、すべて第三者の肉親からの提供は、どこかで 問題になるのは避けられないと思いますね。 ○石井(美)委員  でも、ほかに得られないから、やむを得ず認めましょうというのがここの意見で、認 める場合にね。 ○中谷委員長  それが多数だったわけです。ですから、私なんかみたいに、それを認めるべきではな いというのは少数になってしまいましたから、強い反対意見もあったがというのを…… 。 ○高橋委員  非常に少ないということだとね。 ○田中委員  ただ、先ほどの、下にも書いてありますけれども、親子の血のつながりという考え方 のほかに、夫婦のつながりといいますか、この子どもはだんなの血が流れているという ことを望む夫婦が、少ないんですけど、おられる。 ○加藤委員  でも、自分の孫、今1人しかいないけど、孫が3人いて、そのうち、1人の孫がおれ の精子で生まれたとなったときに、孫に対する公平感というのは持てないと思いますね 。 ○矢内原委員  それは兄弟姉妹でも同じですよ。 ○田中委員  それはよくわかります。私が言っているのは、本当に特例といいますか、極端な場合 であって、だから、それを認めてほしいというのは、先ほど言いましたように、中央審 議機関に必ず報告するという、足かせ手かせをはめて、いろんなものをつくっておけば 、安易なものは必ず消えていくと、私の今までの経験上、夫婦から、その両親を呼んで そういうネガティブな話すると、大抵の方は、じゃあ、やめますという方おられるんだ けど、中にはどうしてもという方がおられるので、そういう方はどうか認めてもらえな いかと。 ○矢内原委員  そういう方の中に、55歳という年齢制限の人いますか。難しいでしょう。 ○田中委員  少ないですけど、無精子症とか、早く診断した場合にはいない場合もないですね。自 分よりも若い父親というのはいないことはないですね。なかなか年齢制限がありますか ら、実際問題かなりできる症例というのは少ないと思いますね。 ○矢内原委員  60に上げると、結構大丈夫ですね。 ○田中委員  私がいつも皆さんに言っているのは、どこがまずいのかという点ですね。家族関係、 夫婦間が乱れる、それはよくわかっているんですよ。であるならば、姉妹がどうしてい いのかと。兄弟がどうしていいのか、お父さんがどうしてだめか。母親というのは、卵 子の持っている生物学的な危険性が、卵子の母親の提供というのは認めないんですけど 、精子の場合にはそれほど加齢による危険性はないと思いますので、兄弟の精子がよい のであれば、お父さんの精子のメリットはあると思うんです。それはいつも言っていま す。 ○石井(美)委員  兄弟の精子がいかんと言っているんです、加藤先生は。 ○田中委員  加藤先生のはよくわかるんですよ。 ○加藤委員  精子がないからやむを得ずという理由が成り立たないんじゃないですか。 ○田中委員  私は最初からそうは言ってないんですよ。私がそうは言ってないので、お願いしたの はね。 ○加藤委員  我々は子どもづくりは協力するけれども、だれだれの子どもをつくるということに対 しては協力しようという意識がないんだから。 ○田中委員  特別ですね。それはよくわかります。 ○加藤委員  子どもつくるということに対して、できない人はかわいそうだと。だけど、どうして もあの人の子どもをつくりたいというのはそれはやめてもらいたいという考えですよね 。 要するに今までの生殖にはそういう選択の余地がなかったんだから、そういう選択の可 能性が初めから含まれるようなものについては極力排除すると。だから、姉妹の卵子の 提供の場合には、卵子の提供はほとんど考えられないと。そうすると身の回りからしか 考えられないと。認めても、実際認めないのと同じじゃないかと。じゃあ、かわいそう だということはあると思うんだけど、精子の場合に子どもができる方法はほかにあるん だから、そこまで認めてやらなくてもいいというのはどうか。選択性というのは、でき れば禁止したいわけですよね。 ○田中委員  そういう意見が大半であるということはよくわかりますね。現実問題、そういう患者 さんはわずかですけど、強く希望されている方がおられるので、そういう第三者のもの をもらえるのであれば、その道もごく可能性は低いんだけど、禁止しないでほしいとい うんです、私は。 ○加藤委員  ただ、生殖補助医療の場合、非常に大きな原則として、みだりに選択性を拡張しない というのは非常に重大な問題で、例えば精子を顕微授精をやる場合に、元気な精子を選 ぶというのもある意味で選択性なんだから、そういう意味での選択性は既に入っている じゃないかと言われれば、確かに入っているんだけれども、大枠の建前としては、子ど もをつくることには協力するけど、選択することに協力しているのではないという枠は かなり厳しいのではないかと思うんですけれども。 ○田中委員  先生のおっしゃることよくわかります。それでもやっぱり子どもが欲しいというとき に、先ほど言っていた夫婦のかかわりだとか、血といいますね。 ○矢内原委員  血縁ということでしょう。 ○田中委員  そういう血のつながりとか、そういうものをどうしても、ふさわしいとは思わないん だけれどね。 ○加藤委員  卵子を認めるというのは、卵子を認めないとかわいそうな事例がどうしても出てくる から認めると。提供者が余りにも少なくて、これでは幾らなんでもかわいそうだという 理由で卵子を認めるんですね。同じ理由で精子を認められないじゃないですか。卵子を 認める理由自身もおかしくなっちゃうんですよ、先生の理由を認めちゃうと。幾らなん でも、これじゃ数が少な過ぎて、事実上かわいそうだという理由で卵子を認めているの に、精子をどさくさ紛れに認めたら、卵子の理由が成り立たなくなっちゃうんじゃない ですか。どさくさ紛れというのは悪いんだけど。 ○矢内原委員  26日やらなければだめですね。加藤先生、これだけ強くおっしゃるなら。もっと前に 、先生、強くそういうことをおっしゃられればよかった。 ○中谷委員長  言ってらっしゃいましたよね。私は、とにかく全部反対ですから、匿名性の原則立て るなら、例外も一緒に規定するなんておかしいから。 ○田中委員  先生のおっしゃることはよくわかるんですね。ただ、私の考えは、最初から言ってい ますように、少なくとも本来の第三者、自分たち夫婦以外のものを使った治療というの は、それをどこかで認めるのであれば、どこかやっぱりそういうものは、正常でない部 分というのは出てくると思うんですよ。だからといって、全部認めるのはいけない、そ れもわかるんですね。ただ、卵子を認めると。ソースがないから姉妹を認めるという理 論が、そういう解釈の仕方と、私が今言ったように、ほかにもソースがあるんだけれど、 こういう理由で肉親のものを使いたいというものがそんなにかけ離れているとは思えな いんですね。そんなに安易とも思わないし、それが1つの理由としては、先ほど言いま したように、決して私もそぐわしいと思わない。そのためにカウンセリングして、家族 構成が乱れる、夫婦関係が乱れるということを話した後に、なおかつ、こういう審議機 関で審査をするという厳しい条件を与えれば、安易な拡大というのは私はないと思うん ですよ。  だから、そこまでしてでも精子が欲しいという人には、それを禁止しないでほしいと いうのを、私、最初からそう言ってきたと思うんですけど、それがだめとならば、私は それは構いませんが、これから先も、そういう患者はおられると思いますがね。 ○加藤委員  よくわかりましたし、私もこれ以上、別の論点がないから、言うべきことは全部言っ たと思います。 ○辰巳委員  でも精子は今後、非常に足りなくなる可能性も出てくると思います。全部登録してと いう形になっていくとすごく嫌がって提供者が減る。ですから、精子はここに入れてお くというのはそのまま残されていいんじゃないかと思います。 ○加藤委員  生殖補助医療の場合あり得るということですね。 ○高橋委員  私はこの原文のとおりでいいと思いますね。親からもらうような例というのは物すご く少なくて、ごく稀な場合だと思うので、特殊な事情というのをどういうことか、ちょ っと先生だけの説明でもわかりませんけれども、私もそういう経験があったことは確か です。ですから特殊な例なので、これは公的ないろんな管理機関とかそういうところで 、ある審理することによって、場合によったら、そこで断っても結構ですし、そういう ふうな、考える余地だけ残した文章というのがこの文章ではないかと私は思うんです。 ですから私はこの文章で出した方がよろしいのではないかと思いますね。 ○中谷委員長  ほかに御意見いかがでしょうか。 ○丸山委員  私も文章はこれでいいと思うんですが、イメージとしては、原則、現在の精子の供給 を踏まえると、精子については、兄弟からの提供は大部分の場合ないであろうというふ うに、書かないんですけど、そういう認識にならざるを得ないと思う。それから、親子 についても原則ないというふうに考えざるを得ないのではないかと思います。あと、前 回の指摘で今回入れていただいた、見直しの際にこれを拡大するのか縮小するのか、改 めて考えるのがいいのではないかと思います。  ですから、文章としてはこのままでいいのではないかと思うんですが、説明の2つ目 の丸の、「また、我が国においては」の後の「親子の」というのは、私は何回も言って おりますけれども、要らない。「我が国においては、血のつながりを重視する」という のでいいのではないかと思いますので、もしよろしければ、親子のに限定する、印象を 与えるこの言葉は取っていただきたい。 ○中谷委員長  これだけ取ればいいんですか。 ○丸山委員  「親子の」というのだけ取っていただければ。 ○加藤委員  文面としてはこれでいいんですね。「等」も入っているんですね。 ○丸山委員  親子でなくて、兄弟の配偶子という場合は必ずしも親子ではないんですね。 ○加藤委員  もう一つ、姉妹の場合は認めてもいいと思ったのは、例えば弟のうちの子どもを養子 にするだとか、お姉さんのうちの子どもを養子にするということがあるんですよ。でも 自分のお兄さんを養子にするとか、自分の弟を養子にするとかというのはないんですよ 。 だから、そういう観念からすると、妹やお姉さんの配偶子をもらうという可能性は、日 本人のいろんな家族関係の中で許容度を持っていると思うんだけれども、お父さんやお 母さんというのは許容度がないと思うんですね。 ○矢内原委員  世代が違ったらだめだということですね。 ○中谷委員長  私は加藤委員と非常に近い考え方なんですが、もし、これを認めるとすれば、少なく とも良心的拒否の規定を入れてほしいんですね。これを依頼された人が……。 ○丸山委員  医療機関が、うちではやれないから。 ○中谷委員長  ここではできませんと。ほかでやってもらえばいいわけですから、その良心的拒否の 規定は入れてほしいと。 ○石井(美)委員  これだけじゃなくて全体に入れる必要があるんじゃないですか。                 (吉村委員入室) ○吉村委員  もう終わったんですか。 ○中谷委員長  まだ議論伯仲中です。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹だけでなくて、良心的拒否については、登録するんだからということ。機関 が登録するんですね。だから、その機関の中の医師が拒否することはできるわけですね 。という形にする必要があるのではないですか。そういうことをしない人は雇いません よというのはいけませんと。 ○丸山委員  こういう事例のようなのをやりなさいとは、医療機関の側が個々の医師に求めはしな いのではないですか。医療機関として。 ○中谷委員長  医療機関として。 ○石井(美)委員  兄弟を養子にする。 ○加藤委員  兄弟そのものを養子するというケースもあるんですか。普通、兄弟の子どもを養子に することはあるけど、弟を養子にするというケースも実際あります? ○中谷委員長  例はありますけど。 ○石井(美)委員  この場合は違うんです。まさしく、それで子どもをつくるという話ですから養子の問 題とイコールではないですね。世代が変わるというのは、生まれている子どもと、これ から年齢的に……。 ○加藤委員  養子の場合は類比するというのはあくまで限定された意味ですけどね。 ○石井(美)委員  よろしいでしょうか。私、本文に入れていただかなくてもいいんですけど、説明の方 で、多分全体として金銭の授受ということが入っているからいいという御意見かもしれ ませんが、兄弟姉妹じゃなくて、「等」が入って友人まで入るということになると、利 益の供与がないとか、そういうことをきちんと審査するという、そういうものを入れて いただきたいという気がするのですが、この圧力がないという観点だけではなくて。 ○石井(ト)委員  「等」ということは限定してないですよね。これはする必要があるんじゃないですか 。しなくていいんですか。 ○中谷委員長  「等」というのには……。 ○石井(美)委員  意見がばらばらだから。 ○中谷委員長  精子の場合も父親の場合も考えられますからね。 ○石井(ト)委員  これ、必ず問題になると思うんですね。だからいいんですか。 ○中谷委員長  ただの近親者。 ○石井(ト)委員  「等」というのに限定しなくて。 ○加藤委員  「等」の解釈は、みんな審査委員会にげたをあずけちゃう形になりますね。最終的に それでいいんだけれども、ただ、この委員会としての意見は、どういう方向にあったの かということをもうちょっと具体的に出してもいいのではないかと思いますね。 ○丸山委員  みんなばらばらなんです。 ○加藤委員  みんなばらばらなんだ。 ○中谷委員長  でも多数は認める方向だったということで。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹に限るの方が多数ではあるとは言えないんですね。 ○丸山委員  広げるなら、友人までという先生、辰巳先生もいらっしゃいます。ですから、もう収 拾がつかないんですよ。 ○中谷委員長  吉村委員はそこまで認めるけれども、しかし、原則的には反対。 ○丸山委員  それは辰巳先生も同じなんですね。 ○石井(美)委員  運用としてはすごく限定してほしい。 ○丸山委員  とりあえずは姉妹の卵は認めましょうというんでしょう。 ○母子保健課長  個別審査ですので対象は限定しないということですから、どの方でも一応対象になる という考え方にはなります。表現は平たく言うとそういうことになります。 ○丸山委員  ですけど、精子は供給があれば認められないですね、実質。 ○母子保健課長  提供があれば。 ○石井(美)委員  すべての場合そうですね。精子だけでなく卵子だって提供、匿名の。 ○丸山委員  だけど、見通しはないという見通しなんですね。 ○石井(美)委員  シェアリングもあるし、いろいろあり得るという。 ○母子保健課長  その部分は個々に実施施設でよくカウンセリングしたりお話を聞きながら、状況をき ちんと説明していただいた上で、それを公的管理運営機関が事前に審査をしてチェック をするというメカニズムだということになります。 ○加藤委員  実際問題、妹から卵子をもらっても、裏金というかお礼金出すと思いますよ。 ○石井(美)委員  でも質が違う。お金でやるんじゃなくて、兄弟姉妹だからやるのであって。 ○加藤委員  日本の社会って何かお世話になったときにお礼を持っていくというのが非常に多くて ね。 ○中谷委員長  直接的なものはなくても、例えば遺贈の遺言を書くとか、兄弟は法定推定相続人であ りませんから、だから死んだときにはそれを見合ったようなものをあげるとか、そうい う形のことはあるかもしれないけど、直接的なものはないと思いますけど。 ○吉村委員  先生おっしゃったように、日本人には賄賂の遺伝子入ってますから、絶対に入ってい ますから、絶対に金銭授受は起こるでしょうね。 ○矢内原委員  賄賂遺伝子。 ○吉村委員  賄賂遺伝子。 ○丸山委員  男性だけですか。 ○吉村委員  私いなかったからわからないんですけど、先生、私たちの質問に対して答えていただ けたんですか。 ○丸山委員  前回のに答えてません? ○吉村委員  明確な答えが欲しいんですけど、兄弟姉妹を認めるということであるならば、友人を 認めていけないという、先生のスタンス。 ○丸山委員  明確でないと思いますけど、やっぱり範囲が広がって、依頼者に選択の余地が出てく るというあたりに、私は友人を認めてはいけないことの根拠を求めたいと思います。兄 弟関係……。 ○加藤委員  兄弟いない人もいるんですね。ひとりっ子って、物すごい多いですからね。 ○丸山委員  それはまた別問題なんですけど、友人まで広げない理由としては、余りに対象が広が ってしまう、限定つけるのが難しくなってしまうということだろうと思うんです、私の 考えは。それから兄弟がいない人はどうするか。それは兄弟と同じだけの親しさを持っ ているいとこなんかを、「等」の中に私は個人的には含めたいと思います。 ○石井(美)委員  無限定に兄弟。 ○中谷委員長  いとこまでですね。 ○矢内原委員  審査しても、どうやってそれを拒否する理由は思いつかないですね。何とでも言って 、提供者がいません、兄弟とかいとこしかいません、友人しかいませんと言ったら断れ ないです。 ○田中委員  私思うんですけど、2人目を例で言いますと、ことしの秋に、うちで福山型の筋ジス トロフィーの方が妊娠されて、それで大学の専門の先生のところのカウンセリングに御 夫婦で九州から行かれまして、よくカウンセリング受けて帰ってきて、最終的には結論 出されたんですけど、このケースのように、本人たちが中央の機関に実際に行ってカウ ンセリングを受けるということを義務づけると、かなり安易な拡充というのがないと思 うんですけど、本当にそういうことをしてでも欲しいという方は、東京であろうが、必 ず御夫婦で行かれると思います。それを義務づけて、行って話をしてきてくださいとい うことにすれば、その中で、十分なディスカッションがあれば、私は却下できる場合と 却下できない場合が区別できるのではないかと思うんですけど。 ○中谷委員長  その判断をあおいで、結果はどうだったんですか。男の子だったんですか、女の子だ ったんですか。 ○田中委員  それは最終的には、前の子のデータが残ってまして、全く同じで、結局は中絶されま した。 ○吉村委員  X連鎖性遺伝病ですか、福山型。 ○田中委員  あれは違います。常染色体劣性遺伝です。あれはXY関係ないんです。 ○吉村委員  そうでしょう。 ○田中委員  まず東京へ行って絨毛検査するかどうかのカウンセリング受けられました。担当の先 生から、やる価値があるという報告を受け、出生前診断を行ったわけです。本人たちも 納得して治療を受けたと納得されておられました。カウンセラーが、知識と権威とそう いう良識を持った方であるならば、私はこの治療は決して安易にどんどん広がっていか ないと思います。逆にそういうふうにしてほしいと思います。私たちが判断してどうこ うというのでなくて、げたをあずけるといいますか、そういうふうにぜひしていただけ ればいいのではないかと思います。 ○石井(美)委員  細かい手続は多分改めて審査機関、この公的何とかが出てくる中での定まっていくこ となのだと思うんですが、全体としては、「等」という形で広げるというニュアンスが 外には伝わってしまうけれども、全体としてそうではない、ここでは限定的なのだとい うところは伝わるようにしていただきたい。 ○辰巳委員  限定的というのはどういう意味ですか。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹等からの、つまり兄弟姉妹を認める人は「等」も認めましょうと言っている わけではなくて、兄弟姉妹を認めないという人が、兄弟姉妹を認めるなら広げてもいい と言っているわけですから、もともとは制限的な考え方なんですね、そこも。 ○吉村委員  そういうのではないんですね、先生。 ○中谷委員長  それは違いますね。 ○吉村委員  私は兄弟姉妹が許されるなら、友人はどうしてだめなのかということを言っているだ けであって、友人をどんどんやりなさいということを言っているわけではないんですよ 。 ○石井(美)委員  だから制限的なわけですね、基本的には。なるべく、これは認めないという趣旨です ね。 ○吉村委員  そうですね。 ○中谷委員長  認めない。 ○石井(美)委員  だから運営としては、フリーパスで上に行けば認めるという、そういうシステムでは ないということですね。 ○矢内原委員  実際に上の審議機関になったときに、今の田中先生のような例で言われたときに、だ めだという根拠が難しいですよ。 ○加藤委員  上の審議委員会をつくって、同じメンバーが全部選ばれるとすると、全然結論が出な いじゃないですか。 ○矢内原委員  だから、今のうち私はノーと言っているんです。 ○丸山委員  多数決でしょうね。 ○石井(美)委員  多数決で、全員一致はあり得ない。 ○田中委員  煎じ詰めていきますと、私も2年間、ここに参加してずっと思ってきたのですが、自 分のやっていることが本当に正しいのか、患者にとっていいことしているのか、それと も悪いことしているのか考えるんですね。そのときに思うのは、肉親の精子を使う、決 していいことでないとは、世間的にも言われているし、自分の心の中にもあるんですけ れども、やはりどうしてもそういうものを欲しいという患者さんの気持ち、それは、た とえどういう状況にあっても変わらないほど強い人はおられると思うんですよ。ただ、 個人によって価値判断が違いますから、それはおかしいよと言われても、本人たちが、 自分たちは、それでも生まれてきた子どもを幸せにする自信があるし、絶対に子どもの 不利益になることはしないという強いものがある夫婦に対して、これは禁止されている のですね、してはいけないことなのですよと言えるのかなと思うんです。よくないよと は言えるんです。決してこれはよくない、子どものことを考えてごらんよと。生まれた 子どもとあなたは兄弟だよと、そういうことをアドバイスはできないとしても、これは 禁止だよということが果たして言えるか。そこが私は納得できないんですよ。  例えばこういう点で、法律的にふれるとか、こういう点で他人に迷惑かけるとか、人 間の尊厳にかかわるとなればわかるんだけど、そこまで、自分がやっていることは間違 っているのかなと思うと、それほどではないじゃないかと、今でも私は思うんですね。 そこがいろんな人に聞かれて考えているところなんですね。 ○加藤委員  きょうじゅうに結論出すとすると、今のこの文面で「等」付きで、上部の委員会にげ たをあずけるという決定しかないみたいですね。これ以上、限定することも拡張するこ ともできない。 ○中谷委員長  同じペースから発展はないですね。発展というか変化はないということだと思います ね。 ○石井(美)委員  さっきの用語は入れていただけますか。 ○加藤委員  えっ? ○石井(美)委員  金銭的、兄弟でもあるんだからだめだという加藤先生の意見もありましたけど。 ○加藤委員  賄賂遺伝子の。 ○丸山委員  だけど入れましょうよ。実費以上の報酬、報酬じゃないですね。どこかで禁止してま したね。金銭等の対価の供与がないこと。 ○中谷委員長  直接それに触れるようなことは行われませんよ。結局、長い時間的な経過の中で行わ れるだけですぎませんから。 ○石井(美)委員  だから、その点を十分配慮して、表現的なことだけではなくという、そういう趣旨で す。この場合に特に、審査できるかどうかわからないけれども、審査はしてほしいと。 ○中谷委員長  ちょっと難しいと思いますけれどもね。大体これで論議が尽きたということでしょう か。 ○母子保健課長  今のはどういたしましょうか。金銭等の供与がないことというのを入れますか、入れ ませんか。 ○加藤委員  どこかで入れておいていただければ、審査委員会でも、その件についてチェックする ということになりますね。お金のやり取りはいけませんよと。 ○小林主査  本文中の囲みの中に入れた方がいいということですか。 ○母子保健課長  心理的な圧力の観点から問題がないこと及び金銭等の供与がないこと。 ○加藤委員  金銭等の供与がないことを確認しておく。 ○母子保健課長  金銭等の授受が行われないことですか。 ○丸山委員  供与。 ○母子保健課長  金銭等の供与がないこと。 ○加藤委員  ダイヤモンドでもいけないんですね。 ○母子保健課長  ないことを条件として、云々ということですね。それを入れるということで。 ○吉村委員  兄弟姉妹等でいくんですか。 ○加藤委員  今のところ。それを限定しようとすると、あと1年以上かかる。1年以上かかっても 結論が出ない。 ○石井(美)委員  メンバーをかえて議論しないと。 ○母子保健課長  吉村先生、16ページの丸、「その結果」というところから、こういう表現で同じこと を言っているんですが、ニュアンスとしてはかなり違うニュアンスになっているかと思 うのですが、基本的には対象を限定しないということですので、友人も入るということ にはなるわけですが、そういう言い方よりも、対象を限定せずに個々に審査をするのだ という形でむしろ考えていくという構成に。 ○加藤委員  「兄弟姉妹等」という表現からすると、親は除外されているという印象はどうしても 受けますけれどもね。「兄弟姉妹等」といって親が入るという解釈は普通ないと思う。 ○田中委員  別に除外しないと書いてなければ、私はそれでいいんです。 ○吉村委員  55歳未満じゃないと、先生だめですね。 ○田中委員 それは。 ○加藤委員 先生やったケースは、実際どうだったんですか。 ○田中委員 55歳超えていますよ。 ○吉村委員 それは超えていますね、普通にやればね。 ○田中委員 超えています。だから、実際問題少ないと思うんです。でも、1%ないかもしれない けど、その道を残してほしいんです。次の世代になったら、それは禁止になるかもしれ ないけれどもね。 ○石井(ト)委員  先生が実際なさったのは、どのくらいの割合を占めるんですか。10例ぐらいなさった ? ○田中委員  父親ですか。 ○石井(ト)委員  父親。 ○田中委員  5例です。少ないんです。 ○矢内原委員  希望者はもっと多かったんですか。 ○田中委員  希望者は多いです。ただ、さっきも言いましたように、日本産婦人科学会に呼ばれて 、私、大分言われているんですけど。 ○加藤委員  先生も反省したと新聞に書いたありました。 ○田中委員  AIDの際に精子を肉親からもらうように勧めているというふうにとらえられていま すが、そうではないんです。AIDで肉親からもらいたいという場合には、兄弟よりも お父さんの方が、いろんな意味で、子どもにとって精神的にもいいのではないかという ことを言っているだけで、それでサインしたものを全部日産婦に出しましたけど、その 夫婦とまず話して、必ず別個にお父さん、お母さんを呼ぶんですね。一緒にしないで、 別個に話して、今言われたようなことを話すんです。実際生まれてくる子は、あなたの 息子ができるんですよと。あなたの息子と同じ、子どもじゃなくて、息子が2人できる と。奥さんが違うだけですね。そういう家族の乱れというものが、将来、子どもが知っ たときどうするかという話をするんですよ。そうすると大抵の方はやはりやめちゃうん ですよ。  でも、その中で、どうしてもという方がおられた場合には、それをやってきたわけで 、その方たち見ていると、決して生まれた子どもの家庭が不幸になっているようには見 えないし、次も欲しいというような状況を見てますと、私は、この患者さんにとっては 、いいことしたなという自信があるので、お願いしているわけです。だから割合として は非常に少ないですし、先ほど言いましたように、これがさらに今度国が管理してとな ると、もっと減ると思うんですね。私は十分ノーと言える要素は残ると思います。  先生、それでいいですか。 ○吉村委員  その人たち、医学的に聞いてないんですが、もらった人は弟はいなかったんですか。 ○田中委員  兄弟はいた方もいます。男兄弟。だから、そのときに話すのが、もし子どもがルーツ を知ったときに、自分の提供者がおじいさんの場合に、20歳過ぎた場合には大抵他界し ていない。兄弟の場合には身の回りにいると、私はそのことが大事かなと思っているん ですね。お父さんが自分の息子の不幸になるようなことを言うはずないし、その時点で 、自分のプライバシーを放棄をしているわけですから、提供者のプライバシーを侵害す る匿名性ということにも触れないと私は思っております。  そういう考えで、これはいいこととは決して思ってないです。だからなるべく、これ からもそういうことがないようにしたいと思うんですだけど、どうしてもという方が中 におられるんです。それを目の前に、何度も話しても……。 ○吉村委員  ここで話すことじゃないけど、先生、その場合、私、急に思ったんですけど、兄弟が あって、その弟さん、お兄さんでもいいけど、認容性が保たれている人は父親でもいい かもしれないけれども、兄弟がなくて、父親からもらう場合には、ちょっと先生、これ から先は気をつけられた方がいいかもしれないですね。なぜかという、Yのインターバ ルシックスのあれがありますから、兄弟がいるということを確認して、例えば兄弟に、 そのお兄さんに認容性があるということを確認できたら、私は父親でも医学的にそうい う点も問題になってくるかもしれないですね、今後。 ○田中委員  わかりました。 ○加藤委員  男の子がいないということに医学的な原因があって、その遺伝子をおじいちゃんが持 っているから、また悪い結果がそこから先出てくるということなんですか。 ○吉村委員  それは普通の生殖医療でも起こり得ていることなんです。今後そういうことも必要に なってくると思うんです。ですからデノボでぽっと出てきたというのだったらいいんで すけど、遺伝的に伝播するという可能性もありますから、その辺は気をつけられた方が いいかもしれないですね。そういうことだけ。 ○田中委員  今後、精子・卵子・胚の提供の治療の特異な点は、第三者がその治療に関与するとい うことと、管理施設が必要だということだと思うんです。自分たちだけでやるとどうし ても感情が入ってきますし、そういうものが入ってくる可能性はゼロとは言えないと思 うんです。そういう意味でも、公的審議機関をつくるということが非常に私は大事だと 思います。逆にそういうものがあれば、決して間違った方向には私はいかないと思うん ですけど。 ○中谷委員長  やっぱり私は反対ですけれども、日本では血縁主義を大事にするのがありまして、前 の日本生命倫理学会の会長の星野さん、私がその話をしたら、兄弟姉妹から卵子を得る なんていうのは、親族みんなが大歓迎なんだから、そこで生まれた子どもは最高に幸せ なんだから、それを反対する理由がわからないと怒られられましたけどね。 ○加藤委員  親族会議を開いて、「おまえ、提供しろ」なんてという話が出てくる。 ○中谷委員長  私はちょっと理解しにくいんですけれども、そういうふうに言われました。 ○石井(美)委員  事実なのかもしれないけど、「血のつながりを重視する考えは根強く存在している」 、「根強くは」やめた方がいいのではないかという気はしますけれども。 ○加藤委員  血のつながりを重視するかしないかということではなくて、それは結局血のつながり という選択性というのをいわば認めてしまうことになるんですね。選択性というのが、 例えばある遺伝的な疾患を回避するために、こういう選択性を行使するというのが違う ものになるので、それをこの委員会がいわば許容度をつくってしまうのはやり過ぎとい うか、そこまでは答えを出せと言われてないところまで余計な答えを出したことになる 危険はある思うんですよ。 ○田中委員  私は血の何とかということは言ってないんですよ。 ○中谷委員長  遺伝子治療というのは急激に進歩してきましたから、それとの関連を考えるとなかな か難しいですね。 ○田中委員  血縁主義だとか、そういうのとはちょっと違うんですね。そういうふうにとられると ……。 ○矢内原委員  でもそうじゃないかと思いますね。私、それはわからないわけではないですよ。血縁 主義というのは決して……。 ○加藤委員  選択の余地というのも、それが治療的な目的があれば、成立するという考え方はこの 次の段階で出てくると思うんですよ。その段階の前に、治療の目的がないのに、選択の 余地をここで認めてしまうと。その次で段で審査する、次の審査委員会大変ですよ。 ○矢内原委員  特例なんてやめればいいんです。 ○中谷委員長  結局そういうことになるんですね。原則を立てるなら特例は認めない方がいいと。そ の方がよっぽどいいと思いますけれども、多数はそうじゃないわけですから。 ○吉村委員  認めるべきでないという強い意見も存在したものの、そこだけ入っただけ。 ○矢内原委員  そこが入っただけ。 ○中谷委員長  それだけ。 ○吉村委員  段階的なものも、意見を述べたんですけど、例えば、初めは原則でやって、その次、 もし2〜3年やってみて全くドナーがなかったと。卵子のドナー特になかったというこ とであれば、兄弟姉妹を認めるという考え方はいけないんでしょう。 ○中谷委員長  何年後かの見直しというのは……。 ○加藤委員  ただ、この問題というのは、胚性幹細胞の研究などでもも、スペアエンブリオを使え という意見が出てきていて、大分奪い合いになるんですよね。そういういわば人体の利 用全体について、どういう統一的な視点を持つかという別の委員会ができて、また、そ こからいろんな関連が出てきますね。かなりそれは緊急の事態だと思いますけど。 ○中谷委員長  大体予定した時間でございますけれども、きょうで予備日は使わなくてもよろしいで すか。 ○母子保健課長  それは先生方の御判断ですけれども。 ○中谷委員長  きょうの意見をおまとめいただきまして、それを案として、先生方にお送りして、そ れで語句の修正を。 ○加藤委員  もめたら、また開かなければならないと思えば、みんな自粛をしますよ。 ○矢内原委員  本部会のあれはどんなあれだったですか。 ○小林主査  22日です。 ○矢内原委員  特例に関しては、どんなリアクションだったんですか。加藤先生、そこにおられるん ですね。 ○加藤委員  特例についてですか。兄弟姉妹について、この間、議論出なかったですね。柴田さん が、胚の提供と卵の提供について矛盾があるというのと、木村さんが、もっといろんな 人の意見を最終的に聴いたかと、そういう意見を述べたので、最終的に聴いたわけでな いけど、要点はちゃんとついて聴いたと。柴田さんの話は時間がないから、今返事でき ない。 ○母子保健課長  加藤先生がおられなかった1回目の方の経過報告のときには、高久部会長の方から、 その範囲が決まらない、つまり近親者の範囲が決まらないのは困る、決めてくれという 御意見はあったわけですが、これは分かれたということではなくて、限定をしないで 個々に審査するということですので、その要望には答えた形にはなるだろうと思います 。  今、委員長がおっしゃられたように、事務局で大至急きょうの修正版をつくってお送 りいたしますが、それに対する御意見をまたいただいて、それでもしよろしいのであれ ば、専門委員会の最終報告として、それで部会に報告いたしますが、それでよろしいの かどうか、石井先生。 ○石井(美)委員  私は文章をちゃんと確認した方がいいのではないかなと。 ○加藤委員  もう一遍会議を開いて。 ○石井(美)委員  集められるなら。 ○加藤委員  22日の前に。 ○丸山委員  後でも。 ○石井(美)委員  はい。 ○母子保健課長  22日の時点で、一応修正文を出して、これが報告書の案といいますか、最終案で、内 容は変更は基本的にありませんと。ただ、字句の問題とか表現とか、そういうところに ついては手直しをしたいということで認められれば、それで座長あずかりにしていただ いて、26日に修正したものを高久部会長にごらんいただいて、了承を得たところで最終 報告という形が考えられておりますが、いかがいたしましょうか。 ○丸山委員  一番問題になると想定された以外の部分で結構時間を2時間、3時間と議論してます から、余り楽観的にはなれないんですが、やっぱり1回会合開いて、お出になられる方 だけでも、あるいは基本的に招集は全員に呼びかけて、最終的な詰めをしておいた方が よろしいのではないかと思うんですが。 ○矢内原委員  22日以前にですか。 ○丸山委員  26日。 ○石井(美)委員  前にできればいいけど、予定だと26日だから、もう26日しかないですね。 ○母子保健課長  26日にやるという前提で、その方向で部会長の方にはお願いをしてみます。つまり最 終版ではないんですが、ほぼ最終版ということで、部会で御議論いただきたいというふ うな形でお願いをしたいと思います。 ○加藤委員  事務局で文案をつくっていただいて、これでいいやということになりませんかね。絶 対ならない。 ○石井(美)委員  きょう、あれだけ直して、前の方が長かったんですよ、本論より。 ○中谷委員長  これだけ議論したのだから、それでなりそうな気がするんですけど、私、単純だから 。 ○丸山委員  毎回同じようなパターンが繰り返されていますので。 ○矢内原委員  この前の議論と、きょう加藤先生出てらしたから、大分違いましたね。 ○中谷委員長  そうですね。 ○矢内原委員  味方が増えたのか、そうじゃないのかわかりませんが。味方が増えたような感じがし たんだけど。 ○石井(美)委員  その後か前かわからないですけど、部会に報告されて、その後、どういう形で動いて いくことになるのかということもお教えいただきたいのですが。 ○母子保健課長  部会に報告してからですか。 ○石井(美)委員  これは報告書として出されて、部会の方は一体何を決める。 ○母子保健課長  部会の方として、この専門委員会の報告を了承したといいましょうか、つまり、それ が部会の見解になるということなんだろうと思います。それで部会の見解になるという ことは、厚生科学審議会でこの問題を議論しているのが、先端医療技術評価部会ですの で、一応そういう形で意見を取りまとめたということになるのだと思います。  それを受けて、年が明けてから、事務方の方で、この報告書に基づいて、どういうふ うにしていくかを検討してアクションを起こし始めるという形になろうかと思います。 そのときに必要な、先ほどお話ありましたような、検討会とかそういうものをいろいろ と立てながら検討していくことになりますし、また法案などの作成作業に入っていくこ とになると思います。また、ある程度、この委員会報告、部会報告ということになりま すと、パブリック・コメントのようなものもとって、いろいろ御意見をいただいた上で 、行政としてどうしていくかを考えていくことになるだろうと思います。 ○石井(美)委員  部会の段階でパブリック・コメントを求める。 ○母子保健課長  部会の段階といいますか、これが事実上、部会に出れば、このことについて、厚生科 学審議会として、第三者の配偶子等に関する議論というのでしょうか、これは専門家か ら御意見いただくということは一段落したと。一応終結するということになりますので 、それを受けて、今度は行政がどうするかという段階になってくるということになろう と思います。 ○中谷委員長  26日はどうしてもみんなが集まらなければいけないということですね。 ○加藤委員  荒れるんじゃないか、最後だから。 ○石井(美)委員  またひっくり返ったらだめなんですよ。 ○加藤委員  もうひっくり返せないんでしょう。 ○石井(美)委員  そうです。今度は技術的なんですけど、インターネットでこの報告書というのは見れ るような形になるということですね。 ○母子保健課長  これは報告書として公表されますので、厚生省のホームページの報道発表資料欄、あ そこに載ることになります。議事録の方は審議会等の議事録のところで見れる形になり ます。 ○中谷委員長  これをもちまして議事を終了させていただきます。長時間にわたりありがとうござい ました。 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 椎葉(内線:7933) 小林(内線:7940)